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バトルオブフラワーズ⑤〜農村借金物語

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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「みんなはゲーム、好きかい? おじさんは大好きだよ」
 富士王はやってきた猟兵の面々へ、今回の依頼内容とその目的を説明する。
「キマイラフューチャーの世界で大規模な異変が起こっていることは、もう知っていると思う。なのでこの部分の説明は省くよ。もしわからない人は友達とかに聞いてみてくれ」
 今回、猟兵たちの目的は戦場の制圧。富士王が担当するのはザ・ゲームステージだ。
「えっと、みんなにはゲームの世界に入ってもらう。バーチャルでリアリティな感じだね。異世界転生でもいいけど……ま、いつものゲート移動とそれほど感触は変わらないと思う」
 富士王は用意しておいた資料へと視線を落とす。
「えー、入るゲームのタイトル『農村借金物語』……夢も希望もないタイトルだねー、あっはっは」
 元々は、農村の村長となって期限以内に借金を返済するのがゲームクリアの条件だったらしいが、そのゲームをオブリビオンが占拠してしまったらしい。
「このオブリビオンを倒すのはもちろんだが、本来の目標である借金返済もクリアしないといけないんだよ」
 ただ敵を倒すだけではなく、お金を稼ぐ必要があるという。
 もし特殊ルールを満たさないとオブリビオンを倒しても謎の力でゲームから追い出されてしまい、戦場奪還に失敗してしまうのだ。
「借金の総額は現代の貨幣に換算するとだいたい100万円。村の商人が農業の初期設備投資という名目で負わせたものだ。農業で返してもいいし、株とかで儲けるのもいい。借金返済方法に関してはみんなの自由な発想に委ねちゃおうと思うよ」
 また、オブリビオンは個々は弱いものの数が多い。集団を効率良く散らせるといいだろうと補足する。
「みんな頑張って借金を返しつつ、敵を成敗するだなも!」
 富士王は皆を元気づけようと、わざとおどけて送り出すのだった。


蘇我真
 どうも、蘇我です。令和でもよろしくお願いします。あのタヌキ許さねえ。
 今回は集団戦に加えて、ゲーム内で借金を返済することが必要になります。
 敵自体は弱いので、ある程度借金返済方法に字数を割いても大丈夫なつもりです。
 楽しみつつ敵を倒せるといいなーと思っております。
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第1章 集団戦 『タンパク質三人衆』

POW   :    ニワトリ怪人・ウェポン
【ニワトリ兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    サカナ怪人・ジェノサイド
【サカナ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    タコさんウィンナー怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【タコさんウィンナー】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神羅・アマミ
スローライフを御大層なお題目に掲げつつも現実は生き急ぐことを余儀なくされる例のアレか…

そして借金返済に一番手っ取り早い方法とくれば南の島で密漁三昧じゃよな!?
何?初期状態では辿り着けない?うるせー!無理を通すのが猟兵ってもんじゃろ!
船頭のカッパを恫喝するなり自力で泳ぐなりして無理矢理上陸!
妾のコード『特機』によって召喚されたソードビットの柄に片っ端から釣り糸を括り付け、サメやらマグロやらの乱獲を試みるぞ。
レア魚をたらふくロッカーに詰め込めば、借金返済などあっちゅう間よ!

帰還後はショップへ向かう道中で「どきやがれこの雑魚どもがー!」とこれまたビットを射出・散開させオブリビオンを蹴散らすぞい。


春霞・遙
牧場物語好きでした。ゲームだと堅実にやってるとお金に困ることはないんですよね。
こういうゲームだとコツコツやりたいけど……今回は効率目指した方が良いでしょうか。

1、折り紙で人形を作って【仕掛け折り紙】で人手を増やして労働力を増やす
2、NPCがいるなら交流や折り紙のパフォーマンスで関係を良くして手伝ってもらったり、交易をさせてもらったりする
3、邪魔してくるオブリビオンは見つけ次第拳銃で撃ったり折り紙に【紙片鋭刃】を付与して倒す。

アドリブ共闘喜んで


尾崎・ナオ
わかる…。あのタヌキな。だもな、じゃねえぞっての。

借金返済お手伝いしますよ~!ふふん、ナオちゃんは堅実的に行くのです。株でな! え?ギャンブルだって? いやいや、大丈夫!

狙うのは新興株。ん?口座開設したばっかの人には用意できない?いやいや、それならオタクが主幹事の低ランク株も買ってあげるよ。同数だけ買う。ね、それなら用意できるでしょ?

新興株の制度が無ければ仕方ない。ぶー垂れながら通常株を取引しましょ。【第六感】

戦闘
周囲に浮かぶは【ナイフいっぱい☆】。ちゃーんと【毒使い27】でしっかり毒を塗ってまぁす!牽制と【援護射撃27】に最適でしょ? タコさんウインナーは相殺して、残りのナイフで突き進もう。



 風のそよぐ音。木漏れ日に照らされたあぜ道。
 緑あふれる、畜生たちの住まう村。
 そんなゲームフィールドに猟兵たちが降り立っていた。
「そうそう、こういう雰囲気のゲーム好きだったんですよ」
 遥はゲーム開始ポイントを見渡す。
「後ろにあるのが、自宅みたいですね」
「自宅に帰っちゃだめですよ~!」
 自宅を調べようとする遥をナオが止める。
「え、なんでですか?」
「調べると畜生商人が事後承諾で改築費用を請求してきまぁす!」
「なにそれ怖い」
 戦慄する遥。
「うーん、コツコツやればお金に困ることはないと思いますけど……今回は効率良くやったほうがいいんでしょうね」
「うむ、スローライフと謳いつつ、実際には生き急ぐことを要求される……それが村の掟なのじゃ」
 アマミはコンソールをいじくり、なにやら設定を変更している。気になった遥が尋ねる。
「何をしてるんですか?」
「ゲーム開始時間を夏に変更しとるんじゃ。夏の南国で釣りするとサメがかかる、こいつは高値で売れるからの。夜でも1年中ひっかかるシーラカンスが同じく高値で売れる」
「サメ、釣るの? 初期装備でぇ?」
 ナオはアマミの装備を見る。
 木の釣り竿。木のクワ。木のじょうろ。
「サメ釣るのに装備いるんじゃ……」
「それをどうにかするのが猟兵の腕の見せどころよ!」
「うーん……どっちにしろ、まずは港の方に行きましょうか。私としても、素直に農業するつもりないですし」
 遥、アマミ、ナオの3人は坂道を下り、港へとやってきた。
 つんとした磯の香りが鼻につく。
「た、助けて~!」
「ギョギョギョギョー!!」
 そこでは、オブリビオンの怪人たちが暴れていた。
「村の人と話をするためには、あいつらを蹴散らす必要がありますね」
「うむ! 船頭のカッパ野郎に遭うためにも……」
 ソードビットを召喚、散開させて突撃させる。
「どきやがれこの雑魚どもがー!!」
 市場を荒らすオブリビオンたちに向けて一斉射撃。
「ギョギョー!」
「グエー!」
「カパー!」
 サカナ怪人やタコさんウインナー怪人、カッパなどを打ち倒していく。
「今違う人巻き込んだような?」
「き、気のせいじゃろ」
「援護しまぁすっ!」
 ナオがそこにナイフを加えた。
 周囲に黒い刀身のナイフを34本召喚すると、同様に射出する。
「コケーッ!」
「正攻法で来い、チキン野郎ー!」
 ナイフがニワトリたちも一掃する。
「このナイフにはしっかり毒を塗ってまぁす! 苦しみ悶えてくださぁい!」
「こいつら倒したら食材として売れたのかもしれませんけど……」
 遥は残ったオブリビオンに対して、拳銃を構える。
「まあ、猟が如く始末しますか」
 多数への戦法をとるまでもない。乾いた銃声。
 こうして、猟兵たちは港を制圧した。

「みなさん、もう大丈夫ですよ」
 遥は村の住人を安心させるべく話しかける。
「あ、ありがとうございます!」
 住人たちは助けてもらったことで好感度が上がったようだ。好意的に接してくれる。
「それじゃ、南の島に行きたいんじゃが、船は?」
「ありますけど、料金がかかりますよ」
「ううむ、必要経費とはいえまた借金を増やすのは……」
「でしたら……」
 遥は懐から折り紙を取り出すと、おもむろに鶴を折りだした。
「なになに?」
 興味深げに覗きこむナオ。遥は折り鶴を作ると、詠唱を始める。
「命を持たない紙の鳥、散らず褪せない紙の花、くるりくるり、舞い踊れ」
 次の瞬間、遥の作った折り鶴がいくつも召喚され宙を舞い始めた。
「これでたらいでも引いて、海に出るといいですよ」
「たらい舟とかもはや、ぬしを釣るアレなんじゃが……まあ、いいじゃろ。厚意に甘えるとしよう」
 仕掛け折り鶴たちとたらいを釣り糸でつなげ、意気揚々と海へと出ていくアマミ。
 その後、ソードビットにも同様に釣り糸を括り付けてレア魚を乱獲していくのだった。

「ふう、では私たちは……」
 アマミを見送ったところで、遥は村人たちに呼び止められる。
「すごいね、その折り紙!」
「ふしぎだね!」
 興味津々と言った様子の村人たち。遥はここぞとばかりに宣伝する。
「ああ、他にも色々できますよ。皆さんのお手伝いをさせてください」
 好感度を上げて、交易のフラグを立てる。
 その様子を見て、ナオは村人へと尋ねた。
「ねえねえ、カブある? カブ!」
「ありますよ。でもカブは売値の変動が激しいんで初心者にはオススメ……」
「大丈夫! ナオちゃんはカブ上手だから! 狙うは新興カブ!」
 ナオの様子を見て疑問に思う遥。
「カブを作って、売るんですか?」
「そうだよぉ?」
「カブは育てて貢ぐものでは?」
「なにそれこわい」
 ゲーム観の違いに戦慄しつつ、ナオはカブ売買、遥は交易とそれぞれの方法でお金を稼いでいく。
「体力が0になったら自動で家に帰るんで、力尽きるまで取引ですよ」
「デスルーラこわいよぉ……ん、このカブは高く売れる!」

 アマミ:+30万
 遥:+20万
 ナオ:+10万

 ゲームクリアまでには後40万。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

シン・バントライン
借金…時にオブリビオンよりも恐ろしい人災だと聞きます。…怖っ。

農業は農業でも酪農と平行で事業を拡大。乳牛などの餌に力を入れます。
同時に自社の株を買い占め。
有望なお菓子会社や乳製品加工会社と提携。
新商品お披露目のレセプションパーティーでは私自ら陣頭に立ち宣伝しましょう。
宣伝ステージはUCを使用して派手に。月宮殿からCM出演者が飛び出してきてインパクトを演出。
マスコミの皆さんには新商品と共に名刺をばら撒き反応をみます。
大手のスポンサーをゲット出来たら広範囲で売りまくります。
株が跳ね上がった瞬間に売り付け。
…これで100万は何とかなりますか?
あぁ、敵の皆さんは剣でお相手しましょう。

(今回はガチや!)



 農業ゲーであまり農業をしていない面子の中、シンは農業をしていた。
「……ふう」
 トラクターで。
「よし、これで乳牛と豚の餌はできたな。酪農も順調やし、次は乳製品加工会社と、お菓子会社とも提携や!」
 云百ヘクタールという農地を元に経営を行うシンは完全に農地経営をシミュレーターしていた。豚と牛にまみれる姿はさながら酪農プリンスである。
 農地を荒らしにやってくるオブリビオンは、プレーリードッグ用の掃除機で吸い込み、剣でサクッと止めを刺していく。
 そうして資金とコネクションを作った後、いよいよ新商品お披露目のレセプションパーティーを開催する。だからやっているゲームが違う。
 壇上、シンは自ら先頭に立ち、ユーベルコードを発動する。
「しばし月の宴でも如何でしょう」
 月を模した香炉に触れた者を月宮殿へと吸い込む特性を利用して、あらかじめ中に待機させておいたCM出演者を登場させるド派手な演出。
 舞い散る紙吹雪、立ち上がるVIPたち、万雷の拍手。
「さあ、この闇ニワトリの卵で作った特製ヴォイドマヨネーズ! マスコミのみなさまには無料提供いたします!」
 タダと聞いて飛びつく関係者たち。知名度を上げ、一部上場し、大手のスポンサーをゲットする。
 そうして広範囲で新商品と名前を売りまくり、株価が跳ねあがった瞬間に売る。
「これで百万くらいなんとかなるやろ!」

 これを専門用語でインサイダー取引といいます。

「シン・バントライン! 内部者取引の罪で逮捕する!」
 お縄につくシン。作業服姿のまま収監されていく。
「なんでやー!」
 法人のインサイダー取引は5億円以下の罰金だよ。みんなも犯罪行為はしないようにしようね!

 シン:大稼ぎするも、罰金をしこたまとられ、結果+10万

 ゲームクリアまでには後30万。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

深山路・古月
借金返済……ゲームとはいえ世知辛いですね
ここは一攫千金よりも堅実に行きましょうか

サイクルの早い作物で小銭を稼ぎつつ、高級商品でドカンと稼ぐ作戦です
自分の使える畑のうち、半分を単価は安いが早く収穫ができる作物
もう半分を収穫に時間はかかっても商品価値の高い作物
それぞれ用途を分けて使います

単価が安い作物は芋、玉ねぎ、キャベツ等の野菜系
単価の高い作物は、メロン、桃、サクランボ等でしょうか
…デパ地下で桐の箱に入ったウン万円の果物とか、どこのセレブが買うんでしょうね

戦闘は害獣駆除と一緒ですね
フォックスファイアの【2回攻撃】で【破魔】の力を上乗せ
サクッと焼き払ってしまいましょう

※【WIZ】
アドリブ・絡み歓迎


スノウ・パタタ
のうぎょーするです?
沢山お野菜育てて、買ってもらったら嬉しいなの!
【宝石箱の奇跡】ゲーム中でも同じ効果があるか一か八か、精霊魔法を展開。
「土のせーれーさんと畑を耕して、にょきにょき、いっぱい芽が出たら水のせーれーさんと一緒にお世話がんばるです!
良いお野菜、いっぱい出来るといいねえ?」
心なしかドット化でカクついているペットのシラユキウミウシに話し掛け、完全にゲームを楽しんで畑の収穫。

野菜が成る間にニワトリを育てて「たま1」「たま2」と用途が何となく分かってしまう名前をつけたり
乳牛に「にゅー1」「にゅー2」と破滅的なネーミングセンスを発揮してせっせとお世話。

あいてる所でお花も育てちゃおうか?



 それはそれとして、ゲーム世界の片隅ではちゃんと農業をしている猟兵もおりました。
 隣り合わせに建てられた牧場と農園。サンシャイン農園と牧場ホッコリーナという名の施設を買い取ったのは古月とスノウです。
「おはよーです!」
「おはようございます、スノウさん。今日も早いですね」
「たま1がコケコッコーって鳴くから、おねぼーしないです」
 農園を経営する古月へ、スノウは牧場で搾りたてのミルクをプレゼントします。
「はい、これにゅー2のミルクなの」
「ありがとうございます。しかし、すごい名前ですね……用途がわかるというか」
 スノウのネーミングセンスに苦笑しつつ、古月も畑で取れたキャベツを差し出しました。
「ではお礼にこれを。美味しいですしニワトリたちの餌にもなりますよ」
「おおー、いいです?」
「はい。キャベツは単価が安いですし、早く多く収穫できますから」
「ちゃんと考えててえらいです。わたしもちゃんと考えないとダメだねえ?」
 スノウは自らの頭の上、シラユキウミウシへと話しかけました。
 作物を荒らす虫……ではありません。スノウの大切なお友達です。ちょっとドット化して本来のつるつるな肌とは違いますが、本人は気にせずにのんびりしています。
「スノウさんの畑は私のシステマチックな農園と違って、精霊の力を借りた自然栽培ですから、そのままでいいと思いますよ」
 一見商売敵にも思えるふたりの関係ですが、古月の農園は効率を考えた商業的農業、一方スノウの畑は自給的農業と性質が違います。
 それぞれ客層や需要が違うので、お互いに融通し合い仲良くできているのでした。
「ほんと? そのままでいいです?」
「はい、そのままのスノウさんで大丈夫ですよ」
「良かったー!」
 歓談していると、カラカラと農地の方から音が鳴りました。
「ッ……!」
 古月が仕掛けた鳴子の罠です。何者かが農地を荒らそうとしているようです。
「スノウさん……!」
「うんっ! めーって、こらしめなきゃなの!」
 二人は足早に音の発生源へと向かいます。
 そこは農園と牧場の境目、古月は高級品であるメロンを、スノウはマリーゴールドを植えている場所です。
 スノウは空いた場所にお花を植えたかったのと、古月からするとこういった組み合わせはコンパニオンプランツといい、メロンにも良い効果があるので隣にお邪魔させてもらっていたのでした。
 そんなところへやってきたのは、ニワトリと魚、それにタコさんウインナーの頭をしたタンパク質三人衆たちです。
 彼らは港で散々に打ち負かされた最後の生き残りで、潜伏し再起を伺っていたのでした。
「そのメロンを納品すれば、借金が返済できるんです」
「お花ばたけを荒らしちゃ、めーです!」
 ふたりはさっそくオブリビオンの退治へと移ります。
「狐火で……」
 古月はキツネのふさふさ尻尾を逆立て、フォックスファイアを発動しようとします。それをスノウが止めました。
「ダメ、メロンが燃えちゃうの!」
「それは……」
 狐火は任意に消すことが可能です。しかし、延焼もします。スノウの言う通り、メロンやマリーゴールドに被害が出てしまうかもしれません。
 ゲームクリアを考えると、メロンを傷つける訳にはいきませんでした。
「だから、ここは任せてほしいなの!」
 スノウはオブリビオンが農地へ近づく前に、自ら飛び出していきました。
「ギョギョー!」
 前に出てきたスノウへとオブリビオンが群がります。
「スノウさん!」
「だいじょーぶです!」
 そうして、あぜ道へとオブリビオンを誘いきった、瞬間でした。
「土のせーれーさん!」
 スノウが叫ぶのと同時に、あぜ道へ大きな穴が開きました。
「コケーッ!!」
 突如できた大穴に、オブリビオンたちはまとめて落ちていきます。
 その穴は深く、何メートルもありました。簡単に出ることはできません。
「ここで燃やせば、大丈夫です!」
「なるほど、ありがとうございます!」
 古月は、穴の中で狐の焔を顕現します。
「破っ!」
「タコーッ!!」
 あぜ道の大穴から清浄なる青白い炎が一瞬立ち上ったかと思うと、オブリビオンたちはすっかり消えてしまいました。
「ふう、これでゲームクリアですね」
 すっかり静かになった大穴が、精霊パワーで何事も無かったかのように埋め直されていきます。
「もっといっぱい、遊びたかったです」
 そして古月はメロンを、スノウはマリーゴールドをそれぞれ収穫し、納品箱へと投函します。
「今度は事件じゃなくて、普通に遊べばいいんですよ」
「そっか……うん、そうなの!」
 その瞬間、借金が0になり、世界中へとファンファーレが鳴り響きました。
『おめでとうございます、ゲームクリアです!』
 青空に浮かぶスタッフロール。自動的にデータがクラウドにセーブされ、一旦ログアウトさせられる猟兵たち。
 最後、青空に雲で描かれたのは『THE END』の文字なのでした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月02日


挿絵イラスト