バトルオブフラワーズ⑦〜俺の歌を聞け!
「皆様まだまだ戦場はございます。お次はこちらです」
駆けこんできた猟兵たちを出迎えたのはギターを下げアイドルの様な衣装に身を包んだアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)だった。
「皆様も知っての通り此度の戦争は少々特殊。今回の戦場も例外ではありません。この戦場は『コウハクウタガッセン』というルールに支配されているようです。猟兵もオブリビオンも歌を歌いながら戦う事で、戦闘力が上昇すると共に、ダメージを受けても倒れる事無く戦い続ける事が出来ます。このため、歌わずに戦った場合は、かなり不利になるでしょう」
つまり歌の力をみせればいい、ということです。
「そしてこの戦場の戦闘は、テレビウム・ロックで救出したテレビウムの画面を通して、キマイラフューチャー中に中継されており、猟兵とオブリビオンのどちらの歌が素晴らしかったかが自動的に判定されてしまいます。一般のキマイラの方々は基本的に猟兵の皆様を応援してくださいますがもしもオブリビオンの歌の方が良ければオブリビオンの勝利となってしまいます。つまり不正はできません。皆様の気持ちを歌声に込めてぶつけてくださいな」
そして戦闘の勝敗のつき方を説明させていただきます。
「『コウハクウタガッセン』に敗北した側は戦闘中に受けたダメージが一気に襲い掛かり、全員が戦闘不能になって敗北してしまいます。つまり歌っているだけでは戦闘に勝つことはできません。戦闘しながら攻撃も加える必要があります。少々難しいことだとは思いますが皆様でしたら問題なくできると当機は信じております」
最後にギターを掻き鳴らし。
「それでは御武運と良き音楽を」
アマータは転移を開始した。
灰色幽霊
どうも灰色幽霊です。
早速戦争2作目です。
今回は歌ってください。以上!
うそです。嘘じゃないですけが。
とりあえず今回の戦場では歌いながら戦ってください。
細かい説明はいらないでしょう。
オレノウタヲキケ!
執筆状況や注意事項はMSページをご覧ください。
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『物理学トリオ』
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POW : 振り子怪人・ウェポン
【振り子兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : メトロノーム怪人・ジェノサイド
【メトロノーム攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 電源プラグ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【電源プラグ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
メルノ・ネッケル
歌が力になる……ええ趣向や、燃えてきたで。
行くで、アンサー不要の入魂ラップ!
とくと聴け、そして湧き上がれぇ!
コトダママイク・スイッチON!
・歌(ラップ調)
Yeah!真っ二つ割れたキマイラフューチャー、『ま、普通か』なんて流しちゃう?NoNo!
こいつは世界のスーパーピンチ、コイツら今すぐスイープ必至!
ここに集まる最高Soldier、応援よろしく叫べよ"JEAGER"!
Soulをぶち撒けGongを鳴らせ!
"お前らキマイラの未来だろ!?"
さぁ、アタックの時間や!
あったまってきたボルテージと鍛えた技術【クイックドロウ】を乗せて、貫け熱線『クイックドロウ』!
反撃はノーセンキューや。【見切り】、回避!
●刻め!魂のビート!
「歌が力になる……ええ趣向や、燃えてきたで」
戦場に最も早く駆けつけたのはメルノ・ネッケル(火器狐・f09332)。メルノは音の呪法を組み込んだマイク『コトダママイク』を握りしめ、このステージへとやってきた。歌が力になるこの戦場でビートを刻み、敵を一掃するために。
「いくで、アンサー不要の入魂ラップ!とくと聴け、そして湧き上がれぇ!」
『コトダママイク』のスイッチON。これより鳴り響くのはメルノの魂から鳴り響くビート。『コトダママイク』さえあればスピーカーなど要らない。呪法により増幅された魂の歌声が物理学トリオ達がひしめく戦場に鳴り響く。
「Yeah!真っ二つ割れたキマイラフューチャー、『ま、普通か』なんて流しちゃう?NoNo!
こいつは世界のスーパーピンチ、コイツら今すぐスイープ必至!
ここに集まる最高Soldier、応援よろしく叫べよ"JEAGER"!
Soulをぶち撒けGongを鳴らせ!
"お前らキマイラの未来だろ!?"」
一息に紡がれるメルノによる魂のラップ。それはテレビウム達を通じてキマイラフューチャー全土へと届けられる。一言一言に熱が籠り、歌いあげる度にメルノの内から力が溢れてくる。
しかし物理学トリオとて負けてはいられない。メトロノーム怪人の刻むリズムに合わせ歌いあげられる合唱。しかしその歌は声量が足りない。熱が足りない。そしてなにより―――
「あんたらの歌からは魂が感じられん!」
引き抜かれるメルノの愛銃『R&B』。テレビウムたちを通じ限界を超えてあたたまったボルテージに合わせ瞬きより短い時間で引かれるトリガー。
「貫け熱線!」
銃口より放たれた熱線は寸分違わず物理学トリオを貫いていく。
だが物理学トリオもタダで負けるわけにはいかない。なによりまだ『コウハクウタガッセン』の勝敗はまだついていない。刻まれるリズムに合わせてメトロノーム怪人から繰り出されるメトロノーム攻撃。だんだんと早くなるリズムに合わせ広がる衝撃波。
「反撃はノーセンキューや」
しかしその攻撃が届く前、もうメルノは既に勝敗を見切っていた。コートを翻し物理学トリオに背を向けた所で『コウハクウタガッセン』の勝敗は決した。
―――勝者 メルノ・ネッケル
熱線に貫かれた物理学トリオたちは塵となって消えていく。
「次はもちっとマシなビートを聞かせてや」
成功
🔵🔵🔴
栗花落・澪
【歌唱】基本戦術としてる僕としては
絶対に負けられない
『終わりの見えない絶望に
幾度心を砕かれても
夢で出会った貴方の笑顔に
いつか開ける未来を信じた』
風の【全力魔法】を★Venti Alaに宿し
上昇した跳躍力から放つ空中蹴りや
飛行による【空中戦】で敵を翻弄
★Staff of Mariaから放つのは敵を足場ごと凍結させる氷の【属性攻撃】
常に紡ぎ続ける歌詞は全て実話
奴隷から抜け出すまでの軌跡
事実だからこそ…想いは本物だよ
僕は知った
大事なのは実力じゃない
どんな苦境にも負けない心なのだと
【破魔】を宿した★どこにでもある花畑を足場に生成後UC発動
【祈り+誘惑催眠】の歌唱で操る花弁の
【パフォーマンス】兼斬撃
●天使の歌声
「ここが今回の戦場だね」
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は戦場へと舞い降りた。ここに終わりの詩を紡ぐために。唱えた魔法を『Venti Ala』に宿し、生えた翼で空を歩く。進む足取りは軽やかに、澪は戦場の空を歩く。
「こっちこっち」
物理学トリオの頭上を跳ねるように渡り歩き、時折怪人の頭を蹴って高く跳躍。それと同時に清浄な輝きを放つ聖なる杖『Staff of Maria』から下の物理学トリオへ向けて放たれる足場を凍結させる氷魔法。動きを止めた物理学トリオに大きく吸われた息から紡がれる澪の詩。
「終わりの見えない絶望に
幾度心を砕かれても
夢で出会った貴方の笑顔に
いつか開ける未来を信じた」
この詩は澪の歩んだ道。紡ぎ続ける歌詞は全て実話であり奴隷から抜け出すまでの軌跡。事実だからこそ込められる想いは本物であり揺るがない。
足場を固められその場から動けない物理学トリオもまた負けじと歌を紡ぎだす。それは機械的でブレがなくただただ正確な歌。きっとそれは聞きやすい歌なのだろう。だが心には響かない。
「僕は知った。大事なのは実力じゃない。どんな苦境にも負けない心なのだと」
テレビウムたちを通じて戦場へと届けられる澪と物理学トリオの詩。それは折れた膝を再び立ちあがらせ、心に火を灯すには十分な歌声だった。どちらがその心に届いたのかは『コウハクウタガッセン』の勝敗が知る。
歌を紡ぎ続けながら澪は『everywhere garden』へ魔力を込め自身の足元へ花園を創り上げその上に乗る。【誘幻の楽園】により操られる無数の花弁の刃。祈りの込められた歌声と共にその刃は物理学トリオを呑み込み、斬り刻まんとする。足場を固められ身動きの取れない物理学トリオ。その中でまず一番最初に動いたのは電源プラグ怪人だった。澪の放った花弁の刃へ向けて放たれようとする電源プラグだったがその手は寸前の所で止まり物理学トリオの歌声もまた止まる。それは歌声に込められていた催眠と誘惑の音色の効果だった。生で聞いている目の前の敵にだけ作用するそれは物理学トリオの動きを止め、最高の隙を作りだす。
無防備となった物理学トリオは無数の花弁の刃により斬撃に呑まれていく。そして歌うことを止めたことにより『コウハクウタガッセン』の裁定もまた下される。
―――勝者 栗花落・澪
花弁に呑まれた物理学トリオの姿は消え。残ったのは一面に咲く美しい花畑だけだった。
成功
🔵🔵🔴
アノルルイ・ブラエニオン
私にとって、もともと戦うことは歌うことだ!
何故なら私は吟遊詩人だから!
A&Wエルフの吟遊詩人アノルルイ、参る!
ブツリガクとやらが相手か!
ならば私はそれすら支配する魔法を歌おう!
スキルは楽器演奏・歌唱・パフォーマンス・鼓舞を併用
歌詞!
森羅万象も
地水火風も
乙女の心も
言の葉で支配する
唱えるぜ 神秘の呪文
秘匿されし 魅惑のチカラ
cast a spell──
──and get your heart
俺の織りなす
イリュージョンの世界に酔いな
歌詞ここまで
そして……吟遊詩人である私の音楽は『それ自体がユーベルコード』
サウンド・オブ・エンタイスマント……
『わずかなりとも感動の兆候を見せればお前達は動けなくなる』
●詩人の奏でる歌
「今回はブツリガクとやらが相手か! ならば私はそれすら支配する魔法を歌おう!」
詩人のリュートを手に戦場へと赴いたアノルルイ・ブラエニオン(変なエルフの吟遊詩人・f05107)。物理学はよくわからないがこの世に起こる理であればなんであれそう大差はない。リュートの弦を弾きながらアノルルイは魔法の歌詞を紡いでいく。
「森羅万象も
地水火風も
乙女の心も
言の葉で支配する
唱えるぜ 神秘の呪文
秘匿されし 魅惑のチカラ
cast a spell──
──and get your heart
俺の織りなす
イリュージョンの世界に酔いな」
戦場へ響き渡るアノルルイの歌声。吟遊詩人であるアノルルイの歌声はそれ自体がユーベルコード。奏でられる旋律が物理学トリオを包み込み、美しい音色が物理学トリオを魅了する。
反撃に映る物理学トリオの声は設定された通りの音を出力しない。その理由は物理学トリオ以外のテレビウムにより中継された歌声を聞いている者であればわかることだろう。仮にも歌を歌う者として物理学トリオはアノルルイの歌を無視することはできなかった。僅かでも動かされた心はアノルルイのユーベルコード【サウンド・オブ・エンタイスマント】により身体の動きを封じてしまう。
発声に支障をきたした物理学トリオの歌は本来の音色を失いハーモニーは失われてしまう。しかし『コウハクウタガッセン』の裁定はそんな事情を考慮しない。ただただ機械的に自動的に勝者を裁定するのみ。
「わずかなりとも感動の兆候を見せればお前達は動けなくなる」
物理学トリオがユーベールコードの妨害を試みるが既に遅い。もうその身体は感動に支配され動くこともままならい。物理学トリオの発声器官が動くのをやめたその瞬間。『コウハクウタガッセン』は無慈悲に裁定を下す。
―――勝者 アノルルイ・ブラエニオン
動きを止めた物理学トリオは何もすることができず塵へと還っていった。
成功
🔵🔵🔴
月藤・紫衣
ふふ、賑やかなのは結構ですが…【歌唱】を用いて世界に精霊に干渉して戦うのはシンフォニアの得意とするところ。
さぁ、お魅せしましょう。
自らを【鼓舞】するためにそして歌い続ける歌は【満月夜に歌え、藤花のように】です。
故郷の森で、月の美しい夜にはこれを歌いたくなると母に教えられた歌ですが、私にとっては何よりも私を鼓舞してくれる歌です。
…もちろん、教えられたのはそれだけではありません。
歌いながら戦う、そのための舞踊も教わりました。
舞いながら攻撃を【見切り】かわして代わりに【なぎ払う】…私の酔蜜月刀は舞踊に使えば美しい月のように煌めいてくれます。
たっぷり味わってくださいね?
(アレンジetc歓迎)
●月下美刃
「ふふ、賑やかなのは結構ですが…」
ふらりと戦場に舞い降りたのは月藤・紫衣(悠々自適な花旅人・f03940)。艶やかな着物に身を包んだ美丈夫は現れるなり歌いだす。歌によって世界に干渉するのはシンフォニアの得意分野。であれば今回の戦場も臆することはない。ただただいつも通り歌いあげるだけだ。
「さぁ、お魅せしましょう」
自らを鼓舞する意味も込めて歌い上げられるのは【満月夜に歌え、藤花のように】。その歌は紫衣の故郷の森で紫衣の母に月の美しい夜にはこれを歌いたくなると教えられた歌。それは紫衣を最も鼓舞してくれる歌。
母に教えてもらったのはそれだけではないこの歌を歌いながら戦うための舞も教わっている。紫衣は『酔蜜月刀』を引き抜き舞い踊りながら物理学トリオへと接敵する。相対する物理学トリオもまた紫衣を迎え撃つべく散開し紫衣を囲うように展開する。
しかし物理学トリオは誰一人として紫衣を捉えることができない。振るわれる腕は見切られ、舞い踊りながらすりぬけそのまま薙ぎ払われる。『酔蜜月刀』は紫衣の舞踏と共に美しい月の様に煌めきながら物理学トリオを斬りつけていく。
しかし『コウハクウタガッセン』の勝敗が決するまではどちらにもダメージは入らない。しかし歌い続けられる歌は紫衣も物理学トリオも双方強化し戦闘は激化する。だがいつになっても物理学トリオの攻撃は紫衣に当たることはなく攻撃を続けた代償として物理学トリオの息が上がって歌が乱れていく。それはすなわち『コウハクウタガッセン』の終了が近いことを意味していた。
何度物理学トリオを斬っただろうか。紫衣の歌が終わりに近づいてきたその時。『コウハクウタガッセン』の裁定は下る。それはもう誰が見ても明らかな結果。
―――勝者 月藤・紫衣
紫衣の歌の終わりと共に戦場で鮮血の花が咲き、物理学トリオは塵へと還る。
成功
🔵🔵🔴
シール・スカッドウィル
酔狂というか、味な真似というか。
……まぁ、色々な音が聞けるのは、良い。
得意ではないが、やるだけやってみるか。
『見つめた 同じ未来は 遠く霞んで 消えていった
どこまで行ける? ――どこへも行けない その事実が 心を蝕んだ
十を越え 百を数え 千を経て 万に溺れ
擦り切れた意志 溶けて行く想い
終わりを見た 瞳が 君を見つけた だから
君がくれた翼は もう二度と羽ばたけないけど
今度は自分の足で 君の元まで歩いていくよ』
と……あいつの歌だが、まぁ、俺が歌っても構うまい。
どうせあいつは隠すからな。
さぁ、好きに暴れさせてもらうぞ。
今この道行きを邪魔されるのは、いささか腹が立つ。
悪く思うな。
アドリブ、連携歓迎
●紡がれる誰かの詩
「酔狂というか、味な真似というか」
此度戦場へと赴いたのはシール・スカッドウィル(ディバイダー・f11249)。戦場で歌が歌われるというこの光景に違和感を覚えつつもこの戦場を気に入ってた。たまにはこういう戦場もいい。場の空気に当てられたのかシールは大きく息を吸い声を張り上げ歌い上げる。それは誰かが隠した誰かの歌。
「見つめた 同じ未来は 遠く霞んで 消えていった
どこまで行ける? ――どこへも行けない その事実が 心を蝕んだ
十を越え 百を数え 千を経て 万に溺れ
擦り切れた意志 溶けて行く想い
終わりを見た 瞳が 君を見つけた だから
君がくれた翼は もう二度と羽ばたけないけど
今度は自分の足で 君の元まで歩いていくよ」
戦場に響き渡る力強い歌声。それに呼応するが如く物理学トリオもまた歌いだす。正確無比なその歌はまるで動画を再生している様な歌声。それに対抗するシールの歌には圧倒的なまでに技術が足りていなかった。だがしかしテレビウムから中継され、その歌を聞いた者たちの心を打ったのはどちらなのかは一目瞭然だった。
歌いながらシールは悪意を払う蛇腹刃の大鎌『汝劾』を境界から蒼炎と共に創りだし物理学トリオへその刃を向ける。物理学トリオもまたその構えをみて戦闘態勢へと移る。
こうして始まったのは『コウハクウタガッセン』と己が武器をぶつけ合う単純明快な戦闘。歌が終盤に差し掛かるにつれて戦闘力も向上し激化する戦闘。息も乱れ歌も乱れるがそんなことはもはや関係ない。今必要なのは技術ではなく想い。『コウハクウタガッセン』の決着がつく前に双方の歌は終了した。
「さぁ、好きに暴れさせてもらうぞ。今この道行きを邪魔されるのは、いささか腹が立つ。悪く思うな」
【最適化】を発動し『汝劾』は神秘由来に最適化される。そして横薙ぎに振るわれたその刃は物理学トリオたちを本来であれば空間ごと両断するはずが『コウハクウタガッセン』の終わらない今ダメージは発生しない。しかしシールの中でこの戦闘は今の一撃で終了した。シールはその身を翻し次の戦場へと向かう。それを追おうとした物理学トリオだったがここで『コウハクウタガッセン』は終了する。それによりこれまで蓄積されてきたダメージが全て解放される。
―――勝者 シール・スカッドウィル
戦場には塵だけが残る。
成功
🔵🔵🔴
フローライト・ルチレイテッド
よし、大体わかりました。行きましょう!
UC【Metallic dance stage】を使用、スピーカーを追加。
ライブスタートと行きましょう!
【楽器演奏、歌唱、パフォーマンス、誘惑、鼓舞、範囲攻撃、マヒ攻撃、催眠術、早業】をどーんと駆使して、指定UCを発動しましょう。
スピーカーを最大にしつつ、情熱的に楽曲を演奏し続けながら指向性のある波を放って敵さんを攻撃します。
位置関係は【野生の勘】と【聞き耳】で考えながら!
何か来たら【早業】で回避です。
例え世界が割れたって、そんなの関係ない!
さあ、皆に愛を届けるんだ!
さあ さあ さあ 愛をばら撒け!
愛をばら撒け! 愛をばら撒け! 愛を届けろ! 愛を届けろ!
●愛を叫ぶケモノ
「ライブスタートと行きましょう!」
戦場へ現れるなり即座に【Metallic dance stage】を発動し野外ライブ用浮遊スピーカーのセットと共に現れたのはフローライト・ルチレイテッド(重なり合う音の色・f02666)。フローライトはスピーカーの音量を最大にしつつ情熱的に演奏を続ける。そしてその奏でられる音は指向性のある波となり物理学トリオを呑み込んでいく。物理学トリオから反撃が来ないように音を聞き分け勘に従い絶え間なく位置を移動し続け的は絞らせない。
「I LOVE YOU 愛してる それ以上ただ何も♪
I LOVE ALL 世界中♪
さあ さあ さあ 愛をばら撒け!」
歌われるのは【MAXIMIZED LOVE】。愛を歌うその歌はテレビウム達を通じてこの世界全てに届けられる。負けじと歌いだす物理学トリオだがフローライトの圧倒的演奏と声量。そして熱量に押し負け本来の歌声を発揮できない。しかしそんなことはフローライトにはなんの関係もない。もうライブは始まっている。それならばあとは終了まで駆け抜けるしかない。
「例え世界が割れたって、そんなの関係ない! さあ、皆に愛を届けるんだ!」
中継先にまで届くような大きな声。間奏中に刺しこまれる台詞は戦場全ての者たちに向けた物。まだまだフローライトのライブは終わらない。ギターを弾く手は止まらずスピーカーから音は止まない。伝える言葉も音楽もまだまだある。
「さあ さあ さあ 愛をばら撒け!
愛をばら撒け! 愛をばら撒け!
愛を届けろ! 愛を届けろ!」
曲も終盤に差し掛かり既にほぼ勝敗の決した『コウハクウタガッセン』も終わりにさしかかる。音の波にのまれ続けた物理学トリオたちだが『コウハクウタガッセン』により未だダメージは発生していないがそれすらも時間の問題。終わりを告げる宣言が周囲に鳴り響く。
―――勝者 フローライト・ルチレイテッド
物理学トリオは曲の終わりと共に塵へと還る。
「センキュー!」
これにて本日のライブは終了。
大成功
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タンケイ・オスマンサス
【鈴蘭の短剣】を握る手にぎゅっと、力がこもる
里を抜け出して、どれ程経ったかな。今でも目を閉じれば貴女と笑いあった日々が広がるの。貴女も歌うのが好きで、よく一緒に歌ったよね。
…元気にしてますか?
…私の事は忘れてと、言ったけど
貴女のことだからきっと心配してくれてるよね、ベル
泣くのを堪え親友を想いながら優しく、強く【歌唱】
この歌が貴女に届くかは分からないけれど、私は元気だと。貴女に聞こえるように歌うね。
掌から零れ落ちるように無数の花弁に変化したそれは歌声に合わせるように踊り、誰にもぶつけられなかった強い想いと共に
親友と、自身の魔力が混ざり鈴蘭の毒を帯びた花弁は強力な【マヒ攻撃】となって敵に向かいます
●再び幸せが訪れる
戦場に現れたタンケイ・オスマンサス(魅惑のシンフォニア・f08051)の『鈴蘭の短剣』をぎゅっと握る手に力がこもる。思い返すのは里から抜けだしたあの日にこの短剣をくれた親友のこと。今思い返すことではないかもしれないけどふと湧きあがってしまった想いはせき止められない。今でも目を閉じれば親友の顔が浮かんでくる。
(貴女も歌うのが好きで、よく一緒に歌ったよね。…元気にしてますか?…私の事は忘れてと、言ったけど貴女のことだからきっと心配してくれてるよね)
零れそうになる涙をぐっとこらえて親友のことを想い奏でられる歌声はとても優しくそれでいて強い歌声。それは物理学トリオ達にも届きここから『コウハクウタガッセン』がスタートする。テレビウムから中継される双方の歌声。方や正確無比な録音の如き歌。きっとそれは万人が聞きやすい歌声なのだろう。対するタンケイの歌声は涙をこらえたせいで声は振るえ、息は所々詰まってしまう。
(この歌が貴女に届くかは分からないけれど、私は元気だと。貴女に聞こえるように歌うね)
しかし誰かの心に届く歌とは必ずしも技巧の凝った歌ではない。どれだけ気持ちが籠っているか。それが時に技術を凌駕することもある。現に今この戦場でそれは起こっていた。
掌から零れ落ちるように無数の花弁に変化した『鈴蘭の短剣』は歌声に合わせるように踊り、誰にもぶつけられなかった強い想いと共に物理学トリオたちへと降り注ぐ。もちろん『コウハクウタガッセン』が終わらぬ今、それはダメージにすらない。そして物理学トリオはタンケイの歌を聞いて自身たちの勝ちを確信していた。ただ技術力だけを比較して。
だからこそ
―――勝者 タンケイ・オスマンサス
だからこそ物理学トリオは負けるのだ。歌とは技術力を競うだけでなく如何に心に響かせたかも重要なのだから。
親友と、タンケイ自身の魔力が混ざり鈴蘭の毒を帯びた花弁は強力な身体の自由を奪う毒を伴い物理学トリオを呑み込んでいく。
舞い散る花弁の後にはもう何も残っていなかった。
「……ベル」
戦いが終わり親友の名を呼び天を仰ぐタンケイの頬はほんの少しだけ濡れていた。
●カーテンコール
猟兵たちの活躍によりこの『ザ・ステージ』は無事制圧された。しかし此度の戦争はまだ始まったばかり。歌を、熱を、想いを、伝えた猟兵たちよ次なる戦場へと向かいこの戦争を終結へと導くのだ。
大成功
🔵🔵🔵