バトルオブフラワーズ⑤〜パンチ&パンチ
「キマイラフューチャーで事件だよ!大事件だよ!」
やってきたのはグリモア猟兵のイセッタ。
「いやあ、びっくりだよね、真っ二つだよ真っ二つ。こんなの大事件以外の何物でもないよ!」
手をぱたぱたしてきゃっきゃと騒いでいる。かわいい。
「でね、その中心に行くにはまず、周囲を解放しなきゃいけないんだって。それでわたしが見つけたのは"ザ・ゲームステージ"って所にいる怪人、猪狩・アントニオっていう奴。男の娘なんだって!」
最後の情報はいるのか。いや、言ったからにはいるのだろう。
「でも、問題があってね……この敵の居る近くにあるゲームをしないと、全くダメージが通らないし、それで勝たないと不利になっちゃうんだ!」
どうしてなんだろう、と首をかしげるイセッタ。まあ良いかともう一度前を向く。
「で、そいつが立ってるのはパンチングマシーンの前。つまりパンチングマシーンの威力対決で勝てば、有利に戦いも進められるって訳!そのままの勢いで怪人もパンチしちゃえ!なんて」
うんうん、と頷いて前を向く。
「つまりパンチングマシーンで勝ちつつ、戦いでも勝って、兎に角戦力を減らしていく段階、って事だよっ」
しゅっしゅっ、とパンチするふりをするイセッタ。本人は行かないが、やけにやる気のようだ。
「この戦いはある意味キマイラフューチャーらしさをつなぐ戦いでもあるから……だから、絶対に勝ってね。わたしが好きな世界でもあるから。それじゃあ、よろしくね!」
みらつば
シュッとして捻る。どうもみらつばです。
今回はパンチングマシーンでのバトルに勝ちつつ、実際に怪人と戦うという物になっています。
マスターページにも書いてありますが、あまりにもフラグメントを無視した内容の場合、残念ながら不採用になる可能性があります。先走りすぎにも注意してください。
それでは、よろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『猪狩・アントニオ』
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POW : オトメン投げキッス
【男女問わず投げキッス】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD : メイド秘奥義「メイド感情ミサイル」
【男に対する欲情もしくは女に対する憎悪】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【自身を模したエネルギー体】で攻撃する。
WIZ : メイド秘奥義「猪突猛信(恋する乙メンの暴走)」
【男に対する欲情もしくは女に対する憎悪】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
イラスト:桐ノ瀬
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「狗飼・マリア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
クロウ・タツガミ
連携、アドリブ歓迎
【POW】
パンチングマシーン?よく分からないが、殴れば良いのだろう?
【三位龍装】で攻撃力をあげ、【力を溜め】て【怪力】で全力でパンチングマシーンを殴らせてもらおう
さて、そちらの流儀には従った、こんどはこちらの流儀で行かせて貰おう
【戦闘知識】を元にサカホコ(大槌)を手に、【2回攻撃】で殴らせて頂こうか。敵の攻撃はガンドレッドで【盾受け】して【Sバッシュ】で弾きつつ距離を詰めさせてもらおう
しかし・・・こう妙な視線を感じるのは気のせいだろうかな
アーサー・ツヴァイク
※アドリブ共闘大歓迎
※🔵過多なら不採用可
パンチングマシーンか…良いぜ!
まずは【力溜め】でパワーをチャージ。【ダッシュ】でパンチングマシーンに近づいて拳を振り抜く…つもりだが、邪魔が入りそうだな。素直に殴らせない気がするぜ。
なので殴る寸前で【ジャンプ】の技能でバックステップ!
一歩下がった位置から【ブーステッド・ソニックアーム】だ!
最高速度はマッハ4を超える…こいつでオブリビオンもろともマシーンの最高記録をぶっちぎってやるぜ!!
一一・一一
さて、遊戯などはやったことないのだが、とりあえず殴ればよいのだろう?
UC【虚言より産まれし原初の悪夢】を使って赤マントになり、UC【怪異としての力】をつかい『怪力』を強化、高速移動からのパンチでパンチングマシーンを殴ろう
オブリビオン相手には高速移動でヒットアンドアウェイしながら腕に『呪詛』を込め『恐怖を与える』『怪力』で殴っていこう。相手の攻撃は『見切り』と強化された反射神経で対応する
普段とは違い怪異としての力を宿しているためテンションがたかく、うるさい。
テリブル・カトラリー
ふむ、私も男性に間違われる事がある
…そういう者もいるか
マシーンからそれなりに距離を取り、拳を構える。
殴ってさえいれば良いのだろう。ならば、
距離を取った所から助走(ダッシュ)をつけてブーストで自身を吹き飛ばし
同時に地面を踏みつけジャンプ、勢いを乗せてパンチングマシーンに
怪力でスクラップフィストの拳を叩きつける
戦闘移行
戦闘知識から投げキッス動作を攻撃と判断
カウンター、クイックドロウ、動作を見切り
即座に発砲、投げキッス阻止
早業、【加速・戦争腕】発動
悪いが、戦いにきたのであって遊びにきた訳ではない
拳を構えて相手の懐へ入り恐怖を与えつつ、防御を無視した
戦争腕の大拳で一撃を叩き込む(鎧無視攻撃)
宮落・ライア
ボク向きだな!
つまり殴って殴ればいいのであろう!
パンチングマシーンは【侵食加速】で自身を強化して
【力溜め・気合い・怪力・グラウンドクラッシャー】でぶん殴る。
勝ったらそのまま【二回攻撃】で敵をぶん殴る。
呪縛引いてたら【止まること無かれ】で解除してぶん殴る。
代償? 【激痛耐性・毒耐性・覚悟】で我慢だよ。
表には出さない。それが英雄クオリティ。
さぁさ、終わるまでに何個パンチングマシーン壊れるかなー。
リコリス・ミトライユ
※絡み・アドリブ歓迎
えっと、ゲームは得意じゃないのですけど……。
しかも男の子と力比べ……? 勝てるかなあ。
でもでも、パンチだけならちょっとは自信ありますし。
これってどうやって遊ぶのか、先にやってもらって教えてもらわないと。
教えてもらったら、左手にグローブをつけて
【ペネトレイト・ブロウ】をマシーンに打ちこみます。
えへへ、すごくマシーンが揺れましたけど、平気です?
さっきので勝負は決まりましたけど、戦うんですよね?
でもでも、かわいいひとを殴るなんてかわいそうですし……。
そーだ、おなかなら、ちょっとは平気ですよね?
ゲームの後でこんなに近いなら、そのまま
ボディに思いっきり【ペネトレイト・ブロウ】ですっ。
「ふむ、私も男性に間違われる事がある…そういう者もいるか」
「しかしパンチングマシーンか…良いぜ、やってやろうじゃないか!」
「遊戯などはやったことないのだが、とりあえず……」
「殴れば良いのだろう?」
「そうだな殴って殴ればいいのであろう!ボク向きだな!」
「えっと、ゲームは得意じゃないのですけど……。しかも男の子と力比べ……? 勝てるかなあ」
「俺的には、格闘家として、此処は負けられねぇな!」
怪人の前に現れたのはアーサー、クロウ、一一、テリブル、ライア、リコリス、デュオゼルガ。みんな殴るの好きだな!
「ああそうだ、こうやって一発!」
シュッ、と上手くねじ込むようなパンチを見せる怪人。勝負を挑んでくるだけあってフォームが綺麗だ。
「……これで一発殴ったのがスコアになる。分かったか?」
「ふむ、それだったら問題ないな。ではそちらから頼む」
「ああ分かった、行くぞ!」
まずは怪人の一撃がマシーンへと放たれる。もちろん先ほどのような綺麗なフォームで見事なパンチが入る。
「ん、それでは……」
と、酒を取り出すと、コートの中に潜んでいる二匹の翼の生えた蛇へと飲ませる。
「それではサカホコ、マガホコ、力を」
「え、ちょっと何を」
「何をって……強く殴ればいいのだろう?……ただ、時間もかかりそうですし……とりあえず先、誰かやってもいいですよ」
「じゃあ俺から行くぜ!格闘家として、見本を見せねぇとな!」
実際、デュオゼルガの戦い方の一つに、『崩月流拳術』という父直伝の戦闘技術がある。そのお陰か、力の入れ方から拳の放ち方まで、かなり綺麗な流れで、それでいて素早く、力強く振りぬく。
その実力だけで、怪人を超えるには十分だった。
「へへっ、どんなもんだい!」
「おぉ、凄い……」
これには怪人もびっくり。
「そ、それじゃああたし……パンチだけなら、ちょっとは自信ありますし。やり方は見せてもらいましたから……」
そう言ってグローブをはめるミトライユ。女の子だし何も持ってないから仕方ない。
「打ちぬきますっ!」
と、その後に響くすっごい鈍い音。マシーンも無茶苦茶に揺れている。
「ひえっ……」
「えへへ、すごくマシーンが揺れましたけど、平気です?」
あのパンチの後に笑顔でこう言ってると、少し怖さもある。ヤバイ。これには怪人もおったまげ。
「それでは、次は私が」
前に出たのはテリブル。しかし前に出たと思ったら後ろへと下がる。
「え、何をして……」
「いや、殴ってさえいれば良いのだろう?ならば……」
と、まず一歩目を踏み込み、そのままパンチングマシーンへと走り始める。そしてブースターも点火。さらに力強く踏み込み飛びあがる。
「な――」
「せいっ!」
ウォーマシンや鎧装などの重さや重力の力を含め、己の力を一気に叩き込む。もちろんと言わんばかりに怪人のスコアを軽々超えていく。
「ず、ずるいぞそんなの!」
「それ以外をするな、とは言っていないだろう?さ、次だ」
「では……」
次に前へ出てきたのは、一一。少し分かりづらいかもしれないが、苗字も名前も一一で、いかず・いいち、と読む。
「喝采せよ……喝采せよ!」
都市伝説の概念がその身へと宿れば、ばさり、と赤いマントが翻って現れる。
「讃えよこの誕生を!怪人赤マントの誕生を!」
そうしてやはり後ろへと下がる。もはやその場で殴るってルールはどこかへと飛んで行った。というか、怪人が勝手に考えたルールなのだからどこかへ飛ぼうが構わないのだ。
「さて、怪異として力を振るおうか。逃げるなら逃げてもよい…。もっとも、逃げれるならばの話だが。というか機械だからな、逃げれる訳ないだろう!」
そして、走り出す。そのスピードの乗った走りから、一気に怪力でのパンチであっという間に超えていった。というか何か少しテンションが高い。
「ちょ、ちょっと皆、落ち着い」
「では、次は自分が」
準備が完了したのか、クロウが立ち上がりマシーンの前へと立つ。
「殴るだけなら簡単だ、行くぞ、サカホコ、マガホコ」
そうして腕を後ろへと引き、一気に振りぬく。
二匹の力を乗せて、その上で溜めた力を込めた一撃は勿論怪人を超えていった。完璧。
「いや待」
「それじゃあ次はボクだね、本気で行くよ!」
と、ぐっと後ろへ構えるライア。
「負けられない!死ぬことも止まることも認められない!私は託された!選ばれたんだから!」
「ちょっと本気出しすぎでしょ!」
「はぁっ!」
自分自身の怪力に、溜めた力と気合い、さらには期待、祈り、決意を込めて一気に叩き込んだ一撃は、余裕で怪人のスコアを超えていく。……ここまでやって思ったのだが、よくパンチングマシーン壊れないな。
ちなみに今回は毒が体に回ったが、毒耐性の前では大した事は無かった。
「じゃぁ、最後は俺だな!」
最後に前に出てきたのはアーサー。もちろんと言わんばかりに、後ろへと力を溜めるように引いていく。
同時に、自分も後ろへと引いていく。やはり最後に頼るのは速さである。
「行くぞ!」
と、殴ろうとした瞬間だった。
「させるかー!」
なんと、攻撃の通らない事を利用して怪人が前へと出てきたのだ。
「おおっと、それは読んでいたぜ!残念だったな!」
踏み込んだ瞬間、その足でバックステップを踏んでいく。
「という事で、一緒に喰らいな!
(Select…COUNT ACTION! 3…2…1…!)
その下がった位置から一気に踏み込み……
(Good luck!)
超速の一撃を、怪人ごと押し込む!
「ぐはぁっ!?」
もちろん、パンチングマシーンに届くまでは怪人には効かなかった。しかし、届いてスコアが出た後の、つまりは残響みたいなものは、届いたのだ。もちろんその勢いでパンチングマシーンは全壊。よく耐えました。
「う、そ、でしょ……」
「さて、ここからは」
「ボッコボコタイム、だねっ」
「ああ、全力で行くぜ!」
怪人の反撃?いやあ……ちょっとこの状態の怪人には厳しいですね……。
「そちらの流儀には従った、こんどはこちらの流儀で行かせて貰おう」
「えっ、ちょっとまって何それ落ち着い」
まずはクロウがそのパンチングマシーン……の、残骸にに叩きつけられた怪人の上から、大槌へと変化したサカホコを叩きつける。
「ぐはっ!?」
「これでは回避は要らないな!逃げるなら逃げてもよいが、流石にこれでは無理だろうな」
その後に一一、もとい赤マントの見事な右ストレートが入る。ここまで良いペースで怪人が殴られている。もはや怪人がパンチングマシーンでは?
「……」
もはや、そんな怪人の姿に哀れみすら感じたのか、何も言わずに先程のような加速移動から、その超重金属の大拳の一撃を喰らわせるのはテリブル。
「うう、かわいいひとを殴るなんてかわいそうですし……。そーだ、おなかなら、ちょっとは平気ですよね?――打ち抜きますっ!」
なんかあの後だと恐怖すらも感じるリコリス。そのまま見事なペネトレイト・ブロウの一撃で強烈な腹パンを喰らわせる。ここまで来るともはや吐血どころか色々と大変な事になってきている。
「殴っていいんだよね、ね!」
そういやこっちも怖いわライア。実は心の中で何個もパンチングマシーンが壊れる事を期待していたが、パンチングマシーンが超ヤバイ耐久度だった為、それが叶わなかった。
その八つ当たりと言わんばかりに、殴る、殴る。ボコボコである。そりゃあ敵はもはやパンチングマシーンにめり込んで動けないのだ。普通なら反撃が来るものだが、ここまで殴られると反撃もへったくれもないというか、反撃する間すら与えないのだ。
「もはやカウンターとか色々考える必要も無いな!」
そう、もう何も考えなくても良い。今考えるべきなのは。
「俺の拳は硬いぞ!!」
ただ、殴る事、それだけだった。最後に、崩月・狼牙頑砕拳の一撃が入る。
そうして後に残ったのは、ボコボコに壊れたパンチングマシーンと、ボコボコにされて物言わぬ何かになってしまった怪人だけだった。
「……ちっとやりすぎたか」
そう言って頭を軽くかくデュオゼルガ。
「悪いが、戦いにきたのであって遊びにきた訳ではない」
「それもそうですね」
何にせよ、怪人を倒せて良かった良かった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
デュオゼルガ・フェンリル
【POW行動】
さてと!まずはゲームを遊べば良いんだよな?
ゲームはパンチングマシーンだな?
格闘家として、此処は負けられねぇな!ハイスコア目指して頑張るぜ!
ハイスコアが出せたら戦闘だよな
男の娘による投げキッス……俺は男性的な人が好みだから当たりたくねぇなー……ここは相手の動きを第六感、見切りで回避してダッシュで距離を縮めてすばやく氷の属性攻撃と2回攻撃!!場合によってはカウンターで相手の不意打ち狙いで!
近くに寄れたら崩月・狼牙頑砕拳でぶん殴ってやるぜ!
飛んできた投げキッスはバディペットのラゴゥにかばってもらうぞ
「行くぜ、ラゴゥ!」
「わぅ!」
【改変、アドリブ歓迎】
(確認不足で、描写したのにもかかわらず一人漏らしてしまいました。このままだと勝手に登場している事になってしまう為、同じリプレイをもう一度貼ります。参加者にはご迷惑をおかけします)
「ふむ、私も男性に間違われる事がある…そういう者もいるか」
「しかしパンチングマシーンか…良いぜ、やってやろうじゃないか!」
「遊戯などはやったことないのだが、とりあえず……」
「殴れば良いのだろう?」
「そうだな殴って殴ればいいのであろう!ボク向きだな!」
「えっと、ゲームは得意じゃないのですけど……。しかも男の子と力比べ……? 勝てるかなあ」
「俺的には、格闘家として、此処は負けられねぇな!」
怪人の前に現れたのはアーサー、クロウ、一一、テリブル、ライア、リコリス、デュオゼルガ。みんな殴るの好きだな!
「ああそうだ、こうやって一発!」
シュッ、と上手くねじ込むようなパンチを見せる怪人。勝負を挑んでくるだけあってフォームが綺麗だ。
「……これで一発殴ったのがスコアになる。分かったか?」
「ふむ、それだったら問題ないな。ではそちらから頼む」
「ああ分かった、行くぞ!」
まずは怪人の一撃がマシーンへと放たれる。もちろん先ほどのような綺麗なフォームで見事なパンチが入る。
「ん、それでは……」
と、酒を取り出すと、コートの中に潜んでいる二匹の翼の生えた蛇へと飲ませる。
「それではサカホコ、マガホコ、力を」
「え、ちょっと何を」
「何をって……強く殴ればいいのだろう?……ただ、時間もかかりそうですし……とりあえず先、誰かやってもいいですよ」
「じゃあ俺から行くぜ!格闘家として、見本を見せねぇとな!」
実際、デュオゼルガの戦い方の一つに、『崩月流拳術』という父直伝の戦闘技術がある。そのお陰か、力の入れ方から拳の放ち方まで、かなり綺麗な流れで、それでいて素早く、力強く振りぬく。
その実力だけで、怪人を超えるには十分だった。
「へへっ、どんなもんだい!」
「おぉ、凄い……」
これには怪人もびっくり。
「そ、それじゃああたし……パンチだけなら、ちょっとは自信ありますし。やり方は見せてもらいましたから……」
そう言ってグローブをはめるミトライユ。女の子だし何も持ってないから仕方ない。
「打ちぬきますっ!」
と、その後に響くすっごい鈍い音。マシーンも無茶苦茶に揺れている。
「ひえっ……」
「えへへ、すごくマシーンが揺れましたけど、平気です?」
あのパンチの後に笑顔でこう言ってると、少し怖さもある。ヤバイ。これには怪人もおったまげ。
「それでは、次は私が」
前に出たのはテリブル。しかし前に出たと思ったら後ろへと下がる。
「え、何をして……」
「いや、殴ってさえいれば良いのだろう?ならば……」
と、まず一歩目を踏み込み、そのままパンチングマシーンへと走り始める。そしてブースターも点火。さらに力強く踏み込み飛びあがる。
「な――」
「せいっ!」
ウォーマシンや鎧装などの重さや重力の力を含め、己の力を一気に叩き込む。もちろんと言わんばかりに怪人のスコアを軽々超えていく。
「ず、ずるいぞそんなの!」
「それ以外をするな、とは言っていないだろう?さ、次だ」
「では……」
次に前へ出てきたのは、一一。少し分かりづらいかもしれないが、苗字も名前も一一で、いかず・いいち、と読む。
「喝采せよ……喝采せよ!」
都市伝説の概念がその身へと宿れば、ばさり、と赤いマントが翻って現れる。
「讃えよこの誕生を!怪人赤マントの誕生を!」
そうしてやはり後ろへと下がる。もはやその場で殴るってルールはどこかへと飛んで行った。というか、怪人が勝手に考えたルールなのだからどこかへ飛ぼうが構わないのだ。
「さて、怪異として力を振るおうか。逃げるなら逃げてもよい…。もっとも、逃げれるならばの話だが。というか機械だからな、逃げれる訳ないだろう!」
そして、走り出す。そのスピードの乗った走りから、一気に怪力でのパンチであっという間に超えていった。というか何か少しテンションが高い。
「ちょ、ちょっと皆、落ち着い」
「では、次は自分が」
準備が完了したのか、クロウが立ち上がりマシーンの前へと立つ。
「殴るだけなら簡単だ、行くぞ、サカホコ、マガホコ」
そうして腕を後ろへと引き、一気に振りぬく。
二匹の力を乗せて、その上で溜めた力を込めた一撃は勿論怪人を超えていった。完璧。
「いや待」
「それじゃあ次はボクだね、本気で行くよ!」
と、ぐっと後ろへ構えるライア。
「負けられない!死ぬことも止まることも認められない!私は託された!選ばれたんだから!」
「ちょっと本気出しすぎでしょ!」
「はぁっ!」
自分自身の怪力に、溜めた力と気合い、さらには期待、祈り、決意を込めて一気に叩き込んだ一撃は、余裕で怪人のスコアを超えていく。……ここまでやって思ったのだが、よくパンチングマシーン壊れないな。
ちなみに今回は毒が体に回ったが、毒耐性の前では大した事は無かった。
「じゃぁ、最後は俺だな!」
最後に前に出てきたのはアーサー。もちろんと言わんばかりに、後ろへと力を溜めるように引いていく。
同時に、自分も後ろへと引いていく。やはり最後に頼るのは速さである。
「行くぞ!」
と、殴ろうとした瞬間だった。
「させるかー!」
なんと、攻撃の通らない事を利用して怪人が前へと出てきたのだ。
「おおっと、それは読んでいたぜ!残念だったな!」
踏み込んだ瞬間、その足でバックステップを踏んでいく。
「という事で、一緒に喰らいな!
(Select…COUNT ACTION! 3…2…1…!)
その下がった位置から一気に踏み込み……
(Good luck!)
超速の一撃を、怪人ごと押し込む!
「ぐはぁっ!?」
もちろん、パンチングマシーンに届くまでは怪人には効かなかった。しかし、届いてスコアが出た後の、つまりは残響みたいなものは、届いたのだ。もちろんその勢いでパンチングマシーンは全壊。よく耐えました。
「う、そ、でしょ……」
「さて、ここからは」
「ボッコボコタイム、だねっ」
「ああ、全力で行くぜ!」
怪人の反撃?いやあ……ちょっとこの状態の怪人には厳しいですね……。
「そちらの流儀には従った、こんどはこちらの流儀で行かせて貰おう」
「えっ、ちょっとまって何それ落ち着い」
まずはクロウがそのパンチングマシーン……の、残骸にに叩きつけられた怪人の上から、大槌へと変化したサカホコを叩きつける。
「ぐはっ!?」
「これでは回避は要らないな!逃げるなら逃げてもよいが、流石にこれでは無理だろうな」
その後に一一、もとい赤マントの見事な右ストレートが入る。ここまで良いペースで怪人が殴られている。もはや怪人がパンチングマシーンでは?
「……」
もはや、そんな怪人の姿に哀れみすら感じたのか、何も言わずに先程のような加速移動から、その超重金属の大拳の一撃を喰らわせるのはテリブル。
「うう、かわいいひとを殴るなんてかわいそうですし……。そーだ、おなかなら、ちょっとは平気ですよね?――打ち抜きますっ!」
なんかあの後だと恐怖すらも感じるリコリス。そのまま見事なペネトレイト・ブロウの一撃で強烈な腹パンを喰らわせる。ここまで来るともはや吐血どころか色々と大変な事になってきている。
「殴っていいんだよね、ね!」
そういやこっちも怖いわライア。実は心の中で何個もパンチングマシーンが壊れる事を期待していたが、パンチングマシーンが超ヤバイ耐久度だった為、それが叶わなかった。
その八つ当たりと言わんばかりに、殴る、殴る。ボコボコである。そりゃあ敵はもはやパンチングマシーンにめり込んで動けないのだ。普通なら反撃が来るものだが、ここまで殴られると反撃もへったくれもないというか、反撃する間すら与えないのだ。
「もはやカウンターとか色々考える必要も無いな!」
そう、もう何も考えなくても良い。今考えるべきなのは。
「俺の拳は硬いぞ!!」
ただ、殴る事、それだけだった。最後に、崩月・狼牙頑砕拳の一撃が入る。
そうして後に残ったのは、ボコボコに壊れたパンチングマシーンと、ボコボコにされて物言わぬ何かになってしまった怪人だけだった。
「……ちっとやりすぎたか」
そう言って頭を軽くかくデュオゼルガ。
「悪いが、戦いにきたのであって遊びにきた訳ではない」
「それもそうですね」
何にせよ、怪人を倒せて良かった良かった。
大成功
🔵🔵🔵