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バトルオブフラワーズ③〜球技も戦争も楽しめ!〜

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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●バトルオブフラワーズ、開戦!
「キマイラフューチャー世界の危機じゃけー、緊急の要請じゃのー」
 いつもとは違う緊迫した雰囲気でメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は告げる。それほど事態は逼迫していると察することができる。
「今、キマイラフューチャーの世界は真っ二つに割れて、中からゲームステージのような場所が出現しておる。ここを攻略してシステムフラワーズに侵入して敵の首魁ドン・フリーダムを倒すのが大目標じゃのー」
 とはいえ、まずは出現したザ・ステージを制圧しなくては話にならない。さらに出現したザ・ステージはそれぞれルールが違うので注意しなくてはならない。

 今回、猟兵が挑むのはザ・ビルドステージと呼ばれる場所で『タワーダイセンリャク』というルールが敷かれている。防衛施設を建設して、迫り来る大軍団を撃退するのが目標だ。施設の材料は兵器の残骸がそこら中に転がっており、建設に困ることはないだろう。兵器のレベルは第二次世界大戦以前の物と聊か旧式じみてはいるが、改造次第で怪人軍団を退ける物が完成するだろう。ただし拠点設置の原則は固定にするのが理想で、移動型にすると耐久力が大幅に低下するので注意が必要だと言う。
「それと拠点頼らず戦えるけど、戦闘力は大きく落ちるけーのー。何せ数が多すぎるけーのー」
 最後に今回軍団を構成している敵について語り出す。
「今回は何やら球技に関連した怪人が軍勢となっておるようじゃけー、そこは注意しておいた方がいいのー。それじゃ、健闘を祈っておるからのー」
 そう言いながら転移を開始するメイスン。キマイラフューチャーの世界の存亡のを賭けた戦い、その初戦が始まろうとしていた。


ライラ.hack
 球技、何が好きですか?自分は野球です。 どうも皆様、こんにちわ。ライラ.hackです。

 なおこのステージは特殊が用いられます。以下の概要をよく読み、ご参加下さい。

●ルール「タワーダイセンリャク」
 勝利目標:オブビリオン大軍団の攻勢からの拠点防衛。
 手段:防衛施設を建設して迎え撃つ(直接戦闘も可能だが、戦闘力は大幅に低下となる)

●備考
 防衛施設の材料は戦場に山積している兵器の残骸(技術レベルは現実世界の第二次世界大戦以前程度)。
 防衛施設は一人一つまで。
 防衛施設は「移動不可」で作るのが有利となる。
 移動可能の防衛施設は耐久力が大幅に低下するので注意。

 以上となります。ルールを守り、球技ボーイズの侵攻を食い止めてください。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『球技ボーイズ』

POW   :    野球怪人・ウェポン
【野球兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    バスケットボール怪人・ジェノサイド
【バスケットボール攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    ボウリングピン怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ボウリングピン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:まめのきなこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スカル・ソロモン
なるほど、球技に関連した怪人か。
良いだろう、工作を楽しみつつ戦うとしようじゃないか。

私は戦艦の砲台を壁のように縦横に積み上げた、通称“矢衾”を作ろう。
そして敵怪人軍団へと一斉射だ。
ボウリングピン怪人がユーベルコードで相殺を図ろうとするだろうが、果たしてこれだけの物量を相殺できるかな?
もし相殺出来たなら、賞賛を送りつつ第二射だ。
その際には私のユーベルコード『魔王特権』で敵のユーベルコードを相殺するとしよう。
『私には、届かない』
何、先程十分に見せてもらったからね。対処はし易い。

しかし気になったのだが、投げてくるのはボールではなくピンなのだね?



●戦艦砲衾式防衛施設「骸骨魔王」
「我等球技3連合軍団に栄光を!」
「今こそ、猟兵達を倒せ!」
「キマイラフューチャーを終わらせるのだ、我等球技怪人が!」
 ザ・ビルドステージに降り立った猟兵達。そして防衛施設の建設が終わり押し寄せるのは、野球怪人・バスケットボール怪人・ボウリングピン怪人の3種の球技怪人達の連合を組んだ大軍勢である。見渡す限りの頭が球技に関連するものの怪人達。それが見渡す限り一帯に埋め尽くされているのだ。見ていて壮観の一言である。

「なるほど、球技に関連した怪人か」
 そういってその軍勢を冷静に見下ろすのはスカル・ソロモン(目覚める本能・f04239)だ。その本体は顔の髑髏を模したヒーローマスクだ。肉体はかつてスカルを倒そうとしたヒーローの男の身体を使っているものの、今は同調している状態である。まさしく骸骨の魔王と言っても不思議のない威圧感を醸し出しており、敵を粉砕すべく気勢は十分である。
「良いだろう、工作を楽しみつつ戦うとしようじゃないか」
 そう言いつつもさらに今なお建設を続けているスカルであるが、ある程度の防衛機能は完成している。そのコンセプトは通称“矢衾”と呼ばれるものだ。ただし戦国時代のように方陣を組んで矢を射かけたり、高矢倉から矢を降らすような古典的なものではなく、戦艦の砲台を壁のように縦横に積み上げた、まさしく“砲衾”というのが相応しい表現だろう。
 そして建設があらかた終わり、球技怪人達が射程距離内に入ってくる。スカルはこれ好機を言わんばかりに一斉砲撃を開始する。防壁すら砲台で代用したかのような防衛施設は、まさに攻撃機能の塊である。その四方八方はおろか空中すら対応できそうな砲門の数。それが接近する軍団へと向けられ、無慈悲な砲撃が開始される。
「ぐああああああああ!」
「物量があるとはいえ、これだけの砲撃。果たして無事でいられるかな?」
 間髪続けられる砲射撃に体が吹き飛んだり、爆発四散する怪人すらいる惨状となった怪人軍団。だが大軍勢を誇り、攻撃方法も多彩な球技軍団はただやられるだけでは終わらない。
「ボウリングピン怪人部隊!あの砲弾を無効化しろ!」
 そういってボウリングピン怪人は的確なスローイングで砲弾にボウリングピンを当てて砲弾が命中する前に空中で爆発させる。その際に破片は散らばるのだが、その程度であれば怪人の耐久力をもってすればわけがない。それを見て怪人軍団は再び行進を開始する。
「素晴らしい。では第二射だ」
 そう言ってスカルは砲撃を開始する。防衛施設のすべてを使った砲撃の嵐。だがボウリングピン怪人もスローイングを行い、再び砲弾を着弾前に爆裂させようとする。
『私には、届かない』
 低く仮面の奥から響くスカルの声。だがそれはなぜか戦場全体に響き渡る。その瞬間、投げ放たれたボーリングピンが強力な重力負荷がかかったように地面に落ちていく。
「そ、そんな馬鹿な!ぐああああああああああ!」
 狼狽するボーリングピン怪人に容赦なく砲弾が降り注ぎ、身体が吹き飛ぶ。不可思議な現象の正体は、スカルのユーベルコード「魔王特権(マオウトッケン)」の力である。『私には、届かない』と言葉でボーリングピン怪人の投擲能力を無効化したのだ。かの投擲が能力じみていない普通の投擲であればそうでもなかっただろうが、ボーリングピン怪人の能力を頼った故のスカルの魔王特権の餌食となった。予めスカルの前にユーベルコードを観察させてしまった故の敗北であった。
「何、先程十分に見せてもらったからね。対処はし易い」
 スカルは冷静に砲撃を続ける。ボーリングピン怪人の支援を失った怪人軍団は面白いくらい砲撃を受け続け、数を減らしていく。だが容赦することなく砲弾を浴びせる。このステージに慈悲などないのだ。
「しかし気になったのだが、投げてくるのはボールではなくピンなのだね?」
 吹き飛ぶボーリングピン怪人に疑問の声を投げかけ、余裕すら見せながら戦場を俯瞰する。その姿は怪人からすれば、まさしく髑髏の魔王じみていただろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳳鳴・ブレナンディハーフ
主人格:
拙僧はオルタナティブ・ダブルで第二人格を出現させ二人掛かりで設備を造ろう
火炎放射器だ
二人掛かりなら通常の出力二倍を目指せる
ボールならば熱で膨張して破裂しよう
そしてUCではない炎は相殺できまい

第二人格:
そして隣には美しき裸体を晒しポーズをとる僕!
さあっ怪人どもよ
この美しき肉体がキミ達の墓標となる!

主人格:
そして野球兵器は
第二人格を盾にして受け止める

第二人格:
どぅぶっはっ!?

主人格:
さあ、怪人たちよ──
拙僧の第二人格を倒してみるがいい
強く推奨するぞ!



●火炎放射式防衛施設「変態熱砂大陸」
 砲撃を潜り抜け次の防衛拠点を築き上げたのは、鳳鳴・ブレナンディハーフ(あるいは火照海・f17841)だ。その佇まいはまさしく高名な僧侶といった感じだ。剃髪をしており、その表情は煩悩を感じさせず悟りを開いたように晴れやかである。
「さて、それでは拙僧も仕事をしますか」
 そういって両手を合わせて祈祷を始める。するとオルタナティブ・ダブルが発動して、自分と瓜二つの分身体が出現する。そして共同して防衛施設の建設を始める。そう、同じ実力の二人が共同作業で造れば、能率は二倍・効果も二倍の防衛施設ができるというものだ。そして鳳鳴達が作る防衛施設のコンセプトは火炎放射器だ。防衛施設としての防御力を構築しつつも、火炎放射器をあらゆる箇所に設置。そして完成したこの砦はまさしく火を吹く要塞と化したのである。
 この防衛施設に二つほど利点があった。まず一つがボールならば熱で膨張して破裂するということだ。特に野球ボールとバスケットボールのような空気が入っているものは特に有効だろう。そしてユーベルコードの攻撃ではない故に炎を相殺できまいという思惑だ。
「うぎゃあああああああああ!」
 案の定、この防衛施設を通過しようとする怪人軍団の一軍は火炎放射の無慈悲な業火に焼かれていった。反撃に投じるボールやピンは虚しく焼き尽くされていく。鳳鳴達の作り上げた防衛施設は建築速度にも関わらず完成度は高い、かなりの防御力を誇っていた。
「さあっ怪人どもよ。この美しき肉体がキミ達の墓標となる!」
 焼き尽くされていく怪人達に念仏を唱える鳳鳴を尻目に、鳳鳴の分身は服を脱ぎ去りポージングを取る。困ったことに、彼が分身を作成すると昔の自分の人格が反映されてしまうのだ。そう、鳳鳴とって封印したい過去の自分のド変態の人格ブレナンディハーフが。今もその美しい裸体を怪人達に見せびらかそうとするブレナンディハーフに鳳鳴の額に青筋が走る。
「ハハハハッ、そんな野球ボールの投擲など……どぅぶっはっ!?」
 放射する火炎の中でも防衛施設の上に陣取る鳳鳴とブレナンディハーフを撃ち落とさんと野球ボールを投げる野球怪人。そのすべてが焼き尽くされるわけではなく、時々すり抜けて二人の近辺に通過することがある。その玉を鳳鳴は裸体を晒して悦に浸るブレナンディハーフを盾にして防ぐ。
「さあ、怪人たちよ──拙僧の第二人格を倒してみるがいい。強く推奨するぞ!」
 裸体にポージングをして愉悦っていたブレナンディハーフに頭にきていた怪人達は、鳳鳴の挑発に見事に乗ってしまう。野球ボールの投擲はブレナンディハーフに集中し、防御する布もない彼はボールの暴力に晒される。
「この僕の、ぐぎゃ、美しき肉、がっ、体に嫉妬、うごっ、とは醜、がっげっどっばっ、ちょ、待っがごげきゃべらっ!」
 みるみるうちにボコボコにされていく鳳鳴の第二人格。だがそれは有効な時間稼ぎにもなった。そうしている内にも火炎放射器による敵戦力の焼却は進んでおり、ヘイトをそちらに向けることにより鳳鳴は一切無事に敵を撃滅することに成功したのであった。
「ちょ、ちょ、僕は、ごがあああああああああ!」
 ブレナンディハーフの悲鳴は戦場の露と消えていったのであった。鳳鳴の念仏と共に。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カグヤ・アルトニウス
タワーディフェンス…?

これがゲームって…まあ、ガンバリマス

(拠点)
移動型・全長33mの円盤型多重キャタピラ式自走砲

武装
400mm榴弾砲×1
連装20mm機銃・火炎放射器
衝角

(戦闘)
まず、開幕の【範囲攻撃】・【衝撃波】で強化した榴弾で薙ぎ払い
さらにUCで拠点自体を「防御力無限大の空間」にして【操縦】・【ダッシュ】で突撃してひき潰し、迎撃はS.A.L.U.に行わせます

さらに煙幕を基本に【範囲攻撃】・【催眠術】・【目潰し】で視野を奪って方向転換や離脱時の隙を減らして少ない耐久を補います
後は、一応…動けるので【援護射撃】で他の拠点の支援をやったりして戦局をコントロールしていきたいですね


リグレース・ロディット
タワーダイセンリャク?つまり城潰しってことだね!わぁい!僕お城潰すの大好き!!で、あの敵は野球だよね。知ってるよ!お前ボールな!っていう遊びでしょ?違うの??
【POW/移動不可】移動できないのが有利なんでしょ?じゃあ移動不可。『解放する白』と『束縛する黒』で『サイコキネシス』を強化して迎え撃ってあげるんだ。それに操作できるから物集めるの結構楽になるんじゃあないのかな?何が飛んできても『暴食紫炎』で『範囲攻撃』してぶち壊してやるんだ!……これってこういう遊びで良いんだよね?戦うのは久しぶりだからちょっと……かなり不安だなぁ。

(絡み・アドリブ大歓迎)



●移動自走砲式防衛施設「紙なれど神装甲戦車」と念動力操作式防衛施設「ボール絶対殺戮遊戯」
 次に怪人軍団を待ち受ける防衛施設は二人の猟兵が建造したものの共同戦線である。コンセプトが違う二つの思惑を胸に大地へと降り立つ。
「タワーディフェンス…?これがゲームって…まあ、ガンバリマス」
 と言いながら戸惑いの表情を見せるのはカグヤ・アルトニウス(辺境の遊撃手・f04065)。スペースシップワールド出身のスペースノイドで、辺境の貴族でもある。今は宇宙の万事屋を引き受けている彼であったが、ハチャメチャなキマイラフューチャーのおかしな戦場に放り込まれて現状把握がついてこないといった感じか。
「タワーダイセンリャク?つまり城潰しってことだね!わぁい!僕お城潰すの大好き!!」
 そんなカグヤに対して無邪気にはしゃぐのはリグレース・ロディット(夢みる虚・f03337)だ。藍色の髪で褐色の肌をした少年で、ダンピールでもある。年相応の少年の心を持っているといえばそうだが、戦場でこの高揚感・無邪気さは少し壊れているといってもいいかもしれない。傍から見ればそんな感じは一切見えないが、それだけ妖しい魅力があるということだろう。
「ま、お互い頑張ろうか。頼んだよ、リグレースさん」
「うん、任せて!カグヤもよろしくね!」
 役割を決めてそれぞれが思い描く防衛施設を建設するべく、作業に取り掛かるカグヤとリグレース。まずカグヤが造り上げたのは全長33mの円盤型多重キャタピラ式自走砲だ。400mm榴弾砲×1、連装20mm機銃・火炎放射器、衝角が武装として付随している。榴弾で敵を吹き飛ばし、機銃と火炎放射で近づく敵を薙ぎ払い、衝角であわよくば轢き殺すコンセプトだろう。自走砲ということでもちろん移動型であるが故に、機動力はあるが耐久力は脆くなっている。だがカグヤはこれをある秘策で補おうと考えていた。
 対してリグレースが造り上げたのは、自身のサイキックを存分に発揮できる攻撃型防衛施設だ。まずサイキックエナジーを強化する指輪型増幅器である『解放する白』と『束縛する黒』でサイキックを強化して建築を開始。だが防御性能は程々にして、集めたのはサイキックで飛ばすための材料や砲弾である。それを山のように積み上げて所謂「武器庫」を形成しておく。準備万端となったところで、火炎放射拠点を突破してきた球技怪人の軍団が迫ってきた。
「よし敵を発見。まず、開幕の一撃だ!」
 そう言ってカグヤは自走砲を走らせ、敵陣に榴弾を撃ち込む。彼の手によって魔改造された榴弾は着弾すると広範囲に爆裂し、さらにソニックウェーブによって敵陣を切り裂いていく。敵が吹き飛ぶ様を確認したカグヤは先制攻撃の成功を確信する。だが敵も野球ボールやバスケットボールを投げて、耐久力の低いカグヤの防衛拠点を破壊しようとする。
 カグヤの防衛拠点は自走砲故にその機動力を活かしてボールを避けることはできる。だがすべてを避けきるには数が多すぎる。少なくない玉を被弾することになるが、そのボディはびくともしない。それにはカグヤの能力「Overlord The Dimension(オーバーロード・ザ・ディメンジョン)」が関係していた。これは無機物を自分が定めるルールが一つ適用される超空間に変換し、操作するもの。今回彼は、そのルールを「防御力無限大の空間」にして鉄壁に防御力を手に入れていたのだ。そしてその防御力を駆使した突進で衝角に敵を当てて轢き殺していく。さらに敵を近寄らせないようにS.A.L.U.と呼ばれるテナガザルのぬいぐるみを展開していき、火炎放射器で敵を焼き払っていく。
 もちろん耐久力が増えるというわけではないので、そこら辺の対策も怠るカグヤではない。接近突撃や火炎放射器などの攻撃を仕掛けた後に特製煙幕をばら撒き、敵の視覚と触覚を奪っていく。その隙に離脱するというわけだ。その戦法を使ってカグヤの自走砲は縦横無尽に球技軍団を引き裂いていく。
「くそっ、あいつを集中的に狙え!逃がすな!」
 そういってボーリングピン怪人がボーリングピンの投擲準備に入る。彼等のピンはユーベルコードを相殺する。つまりカグヤの防御力を無視できる可能性があるのだ。故に野球ボールやバスケットボールに狙われるよりも危険なのだ。だがそれを簡単に許さない存在がカグヤより遥か遠くにいた。
「で、あの敵は野球だよね。知ってるよ!お前ボールな!っていう遊びでしょ?違うの??」
 無邪気なリグリースの呟きと共に、彼の拠点から物体が飛翔する。そしてそれは雨のようになって、ボーリングピン怪人達の突撃準備のところに砲弾や廃材が猛スピードで飛んでくる。ある者は下敷きになって、ある者は身体の一部が吹き飛ばされて、ある者は貫かれて絶命していく。それはリグレースの防衛施設から放たれたものだった。彼の強化されたサイコキネシスで物体を操作し、敵に向かって猛スピードで放ったのだ。その威力は速度によって凄まじく増幅されていた。
「うんうん!楽しいな!」
 連携をしているかはわからないが、意図せずにカグヤの離脱の隙を作るかのようにサイコキネシスによる物体流星群を撃ち込むリグリース。その拠点を攻撃しようにも紫の炎を放つ鎌をブーメランのように投げてボールを器用に切断したりするし、サイコキネシスによる物体操作によって容赦なく潰されていく。さらに近づく軍団はカグヤの機動力による攻撃でその後背を突かれて散々に蹴散らされてもいた。機動力防御と遠距離攻撃拠点防御が見事に噛み合い、お互いがフォローし合って凄まじい戦果を出していく。
「うまく戦局をコントロールできているようですね。いいことです」
「……これってこういう遊びで良いんだよね?戦うのは久しぶりだからちょっと……かなり不安だなぁ」
 カグヤは思い通りの戦術展開に満足そうに頷き、リグリースは無邪気に首をかしげながら敵をすり潰していく。噛み合っていないようではあるが、その両者とは裏腹にここで球技軍団は大きく数を減らすことになった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
防衛施設は一人一つまで。
けど、防衛施設同士を隣接させちゃダメってルールはないんだよな?
だったら、俺はシャーリィと連携して敵を叩く!

攻撃はシャーリーに任せ、俺は敵の足止めと誘導を担当。
装甲版を組み合わせ頑丈な防壁を築き敵を迎え撃つ。
ただし、そのうちのいくつかは装甲車やジープの駆動系を仕込んで移動可能にする。
もちろん移動可能にした分耐久力は低くなる。けど他の防壁と外見を揃えれば見分けがつかずに敵は混乱するだろう。
そして防壁を動かす事で敵の進む方向を制御しながら『飢龍炎牙』での攻撃で混乱を煽り、シャーリーの砲撃の有効範囲に誘い込む。
下ごしらえ完了! 仕上げは頼むぜ、シャーリー!


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
ウィーリィくんの陣地と隣接する形で、組み合わせる様に設置

ボクの陣地は攻撃重視
残骸の中から使えそうな戦車砲をいくつも引っ張り出し、遠距離砲撃が出来るように陣地の中央の高台に設置
ただし出番まではカモフラージュのためにボクのエンブレム(サメ)の記された大きな布で隠しておく
その一方で機銃は最初から表に出し、ボクも【スナイパー】や【クイックドロウ】で防壁の陰から敵を狙撃
そうやって敵を撃破しながらわざとウィーリィくんの陣地側に隙を作る事で残った敵をそっち側に誘導する
そしてウィーリィくんの方から流れてきた敵と合流し、身動きが取れなくなったところで戦車砲の出番!
一斉砲撃で派手にやっつけちゃうよ!



●矛盾合体連携式防衛施設「ファイアーシャーク」
 さきほどの二つの防衛施設はまさしく偶然の産物による連携防衛施設だった。だが次の防衛施設は最初から連携を元に造られた拠点であった。二つの防衛施設は隣接するように造られ、なれどコンセプトが違うためか悪魔合体したような防衛施設となっていた。
「防衛施設同士を隣接させちゃダメってルールはないんだよな?」
「いいよね、合体。ウィーリィくん、頑張ろうね!」
 そういいながら気炎を吐く男の方はウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)。戦場に降り立ち、料理を愛し、料理を食べる人達を守るために猟兵となった心優しき熱血料理人である。そしてもう一つの防衛施設に立つのは、シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)。魅力的なスペース水着に身を包みながら、宇宙海賊を営むスペースノイドであり、そしてウィーリィの相棒である。そんな二人の防衛施設のコンセプトは、そのコンビを象徴するように連携が主となっている。
 まず燃え上がるような赤基調の防衛施設はウィーリィが建造したものだ。戦車などの装甲版を組み合わせ頑丈な防壁を築き敵を迎え撃つコンセプトだ。それはまさしく防御力特化の産物と言える。隣に陣取るシャーリーを守るためでもあるが、ウィーリィの防衛施設はそれだけではない。ある仕込みも行っており、単純な防御拠点ではないことだけはウィーリィ自身が自信を持って宣言できるほどだ。
 対してシャーリーが建造した防衛施設は金色のイルカのシンボルを飾った攻撃特化型防衛施設だ。その攻撃力は防御力を捨ててまで編み上げたものでシャーリーの自信作であるのだが、中央の高台にはサメのエンブレムの描かれた布で覆いかぶされている。だが外壁には戦場から拾い上げて構築した機銃は相当数用意されており、近づく敵を掃討するには十分な装備と言える。
 そして準備が完了した時に、自走砲とサイキック攻撃で散々に数を減らされた球技怪人達が雪崩れ込んでくる。
「よし、まずは俺から行くぜ!」
 そういうとウィーリィは防壁のカラクリを起動させる。実はこの防壁、そのうちのいくつかは装甲車やジープの駆動系を仕込んで移動可能となっている。もちろん、移動式にすることで耐久力が低くなるのは承知の上。だが防壁が動くことにより他の防壁と見分けがつかずに敵が混乱することを狙っての事だ。
「な、なんだこの防壁は……ぐわッー!」
 防壁を攻撃している間に起動した防壁に混乱する球技怪人達を尻目に、ウィーリィが防壁に乗って飢龍炎牙(グリード・ブレイズ)の炎を大包丁から放って敵を攻撃・攪乱し、混乱を拡大させる。そして敵をある場所へと誘い込んでいく。
「ボクもキッチリと仕事するよー!」
 そして一方のシャーリーは別方向の敵を後方から機銃を使って敵を遠距離掃射を行って攻撃する。さすが攻撃特化型というべきか、シャーリーが操る機銃だけではなく、オートマティック設定された機銃が容赦なく球技怪人達に浴びせられる。敵はウィーリィの防壁に阻まれて彼女に近づけず、さらにその射程距離はボールの投擲が届く範囲を遥かに超えており届かない。それだけでもシャーリーの狙撃能力の高さを伺える。こうして一方的な鴨射ちをされた怪人達は、彼女の効果的狙撃と、ウィーリィの起動式防壁と援護攻撃で敵をある場所に合流・誘導させる。
「下ごしらえ完了! 仕上げは頼むぜ、シャーリー!」
「OK、ウィーリィくん! 一斉砲撃で派手にやっつけちゃうよ!」
 敵から離脱し防衛施設に退避したウィーリィの合図に、シャーリーが防衛施設中央に鎮座しているものを覆っていた布を取っ払う。そこに現れたのは、残骸の中から使えそうな戦車砲をいくつも引っ張り出し構築した巨大砲台群であった。無慈悲なほどの数を集めまくって建造したであろうその砲台の方向は今まさしく、敵を誘導した場所に向いている。そしてシャーリーは笑顔で容赦なく引き金を引き、大規模な連続艦砲射撃が始まる。
「ぐあああああああああ!」
「うがああああああああ!」
 戦場に阿鼻叫喚の地獄が体現される。誘導されて固まってしまった軍勢が集中砲撃の的になればどうなるか、身を持って体現することになったわけだ。圧倒的砲撃の雨は地面を抉り取り、そこにいた物体を容赦なく細切れにしていた。そのキルゾーンに無事な者などなく誘い込まれた敵は完全殲滅という大戦果をあげたわけだ。
「やったね、ウィーリィくん!大成功!」
「ああ、シャーリーのおかげだな!」
 シャーリーがおおはしゃぎして飛び跳ね、ウィーリィがぐっと親指を突きたてる。あれほどいた大軍勢の球技怪人達はこの二人の攻防一体防衛施設によって壊滅一歩手前まで来ていたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

緋奈森・鈴音
戦争……っていう割にはゲームみたいなのが来たわねー。
しかも、拠点作って動かないで攻撃するなんて……おねーさんの時代が来たわね!
全力でだらけ……防衛に専念するわー。
防衛施設建造中に、こちらの射程圏内で狭い道を進まざるを得ないように障害物を用意して、相手の密集地帯を作って効率よく攻撃するわー。

こっちの兵器は野球ボールより少し小さいくらいの砲弾を発射して攻撃ー!
ボールの大きさに慣れてるなら距離感少し狂わせて迎撃を妨害できないかなーって。

相手の攻撃はトリニティエンハンスで蜃気楼みたい(水を熱して立ち込めて)に拠点の場所を微妙にずらして見せて乗り切ろう!
「ここはおねーさんが休む場所! 邪魔はさせない!」



●幻影防御式防衛施設「狐の休憩所」
「戦争……っていう割にはゲームみたいなのが来たわねー」
 そう悪戯っぽい笑みを浮かべるのは緋奈森・鈴音(妖狐の化身忍者・f03767)。綺麗な黒い長髪と狐耳が特徴的な妖狐の一人である。スタイルの良さを見せつけるように戦場を見渡している。
「しかも、拠点作って動かないで攻撃するなんて……おねーさんの時代が来たわね!」
 そう、彼女の戦闘スタイルは自分からは動かないまま、周囲の狐火や武具などを指揮するように動かしての攻撃を行うのが通常スタイル。つまり防衛戦というのは彼女のスタイルに適合した戦ということなのだ。そのことに鈴音は感謝していた。
 さっそく鈴音は自分の防衛拠点の建造を開始する。場所選びはもちろんのこと、こちらの射程圏内で狭い道を進まざるを得ないように障害物を用意する。そうすることによって相手は密集せざるを得ない状況を作り、効率のよい攻撃ができるという寸法だ。
 そうして出来上がった防衛施設をお披露目する球技怪人達が近づいてくる。すでにかなりの被害を出しており、あと一歩で壊滅まで来ているが窮鼠猫を噛むという言葉もある。油断は決してできない、と鈴音は気を引き締める。
「全力でだらけ……防衛に専念するわー」
 途中で本音っぽいものが出てしまったが、気にしない。近づく球技怪人達に鈴音は攻撃を開始する。こちらの主力兵器は、野球ボールより少し小さいくらいの砲弾である。それを砲台にセットして発射して攻撃する。実はこれには少し鈴音が考えた死角があった。野球ボールやバスケットボールという普段使っているボールより若干小さい砲弾を使うことにより、ボールの大きさに慣れている距離感を少し狂わせて迎撃を妨害する術なのだ。これが今まで攻撃を受けてきた疲労もあってか大いに当たり、特に野球怪人とバスケットボールは見事に術中に嵌り、甚大な被害を出す結果となる。
「このままやられてなるものか……意地を見せろー!」
 そういって鈴音の防衛施設に向けて野球ボール、バスケットボール、ボウリングピンによる総攻撃が開始される。最後の矜持を見せつける攻撃とも言えるが、その攻撃は空振りに終わる。なんと目の前の防衛施設が霞を掴むように消えてしまったからだ。実は怪人達が視覚していた防衛施設は鈴音の能力「トリニティ・エンハンス」で発動した火の魔力と水の魔力を使い、水を熱して立ち込めて作り上げた蜃気楼であった。実物の防衛施設はその蜃気楼の少し離れた場所にあったのだが、それもうまく蜃気楼で隠し、砲撃を繰り返していたのだ。
「騙される方が悪いということで……ごめんね♪」
 最後の気力を振り絞った攻撃も空振りに終わり意気消沈する怪人軍団に、鈴音は無慈悲な砲撃を行う。地形効果によって密集地形に追い込まれた怪人軍団はここで無残に命を散らす。こうして、敵を騙すことに特化した防衛施設によって、怪人軍団はトドメを刺されたのだ。

●ザ・ビルドステージ、クリア!
 こうして7人の猟兵達が造り上げた防衛施設の前に球技怪人達は敗れ去り、ステージはクリアとなった。
 だがまだまだ多数のステージでは戦場となっており、怪人達の激闘が繰り広げられている。
 だが負けるな、猟兵!戦え、猟兵!キマイラフューチャーを守るために!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月04日


挿絵イラスト