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バトルオブフラワーズ③~ダンシング・ラビット

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

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「大変、たいへ~ん! メンテナンスルートを開いたら、システム・フラワーズの要請に応じて、メンテナンスに行ったらキュマイラフューチャーが真っ二つに割れちゃったよ!」
 慌てふためいた様子で告げたのは、西条・朱莉(天真爛漫お気楽ヒーロー・f16556)。
「と言うわけで皆にはメンテナンスルートに侵入したオブリビオンを叩きのめしてこの事態を引き起こしたオブリビオン達を殲滅して欲しいの! キュマイラフューチャーの未来のために!」
 ――それが、この戦い『バトルオブフラワーズ』で行われる戦争である。
「で、今回皆に行って貰いたいのは、ザ・ステージの一つ、第三ステージ、キョダイロボバトル! その一つを牛耳っている鬱詐偽『ウサギ』さんをやっつけて欲しいのよ! 皆、お願いしても良い?」
 朱莉の呼びかけに、猟兵達が其々の表情で返事を返した。


「皆に行っている第三ステージなんだけれど、此処にはキョダイロボバトルと言う舞台ルールが適用されるの」
 噛み砕いて説明すると、このステージには、キマイラフューチャーの表面部を再現した様な都市がある。
 だが、住民はいない。
 ただ、猟兵達がマシンを作ることが出来る機材や資材が揃った『基地』がある。
「で、兎さんは、この都市を攻めてくるために巨大化して襲いかかってくるんだよね!」
 自身を巨大化させたロボットによる猟兵達の基地襲撃。
 もし、この攻撃で基地が破壊されてしまえば、猟兵達の敗北は免れ得ない。
「で、皆にはこの都市の中心部にある基地施設を利用して自分達が乗るマシンを建造してね、オブリビオンの乗っているロボット達を迎撃して欲しいんだ!」
 ――因みに、そこに男(朱莉は女だが)の浪漫がある。
 即ち・・・・・・。
「皆が作り出したロボットが出揃うと合体ロボ! になるんだよ!」
 最も、猟兵達のマシンが出揃い、その上でそのマシンの特性を上手く組み合わせる必要もあるのだが。
 因みに単独出撃も可能である。
「皆が負けちゃったら、基地が破壊されちゃうの! 皆、頑張って自分達の理想のロボットを作り出して基地を破壊しようとする兎さん巨大ロボットを破壊してね!」
 朱莉が呟くと同時にパチン、と指を一つ鳴らした時、何時の間にか猟兵達の姿は消えていた。


長野聖夜
 ――いざ! ロボット大戦!
 いつも大変お世話になっております。
 長野聖夜です。
 さて、戦争イベント『システム・フラワーズ』が開始となりました。
 キョダイロボバトルルールについて念のため補足しておきます。
 *今回、オブリビオンが巨大ロボット化して襲いかかってきます。
 皆さんには都市にある基地で自分達なりのロボットを作成して頂き、此方に対抗して頂くことになります。
 尚、猟兵同士の特性が組み合わされば、合体ロボットとなって、オブリビオンと戦うことが出来ます。
 単独でのロボット出撃も可能です。
 
 *執筆期間について:5月4日(土)の夕方からの予定です。
 ただ、もし早めにプレイングを頂けるのであれば、リアルタイム執筆との兼ね合いもありますが、5月1日やら、5月3日に執筆させて頂くかも知れません。
 皆様のプレイング、心よりお待ち申し上げます。

 ――それでは、良きロボットバトルを!
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第1章 ボス戦 『鬱詐偽『ウサギ』さん』

POW   :    どうせ、私は嫌われ者
【自身への好意的 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【陰湿な雰囲気】から、高命中力の【自身への悪印象】を飛ばす。
SPD   :    私に近寄ると不幸になる
【自身でも制御できない近寄らないでオーラ 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    世界に私の居場所は無い
小さな【自身が引き籠った鬱詐偽小屋 】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【自身の心象風景が広がる空間】で、いつでも外に出られる。

イラスト:慧那

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

佐藤・くおん
「故郷の危機にすかさず登場!」
スピード特化の兎型ロボで出陣、攻撃力はほとんどない
相手の攻撃を【見切り】回避しつつ被害が少ない無人の場所へ誘導する
「誰も君のことを嫌っていないよ!僕は君のことが好きだ!」
【黄金の精神】で精神攻撃を弾き飛ばして告白(説得)
ありったけ褒めて時間稼ぎしておきます




「故郷の危機にすかさず参上! 兎型ロボ、GO!」
 作り上げた兎型ロボットに乗り込み、高らかに手を上げて発信指令を出す佐藤・くおんの叫び。
「どうせ私は・・・・・・要らない子なの・・・・・・この町にとって私は要らない子なの・・・・・・!」
 ブツブツと呟きながら、鬱詐偽『ウサギ』さんが邪悪なオーラを解き放つ。
 触れるだけで、脱力感を催されるそのオーラに包み込まれ、くおんも又、彼女の暗闇に囚われ、近付いちゃいけない、近付いちゃいけない、と言う自己嫌悪感に苛まれかけるが。
「誰も君のことを嫌っていないよ!僕は君のことが好きだ!」
 オーラをピョン、ピョンと飛び跳ねて躱しながら、少しずつ、少しずつ基地から遠ざけようとするくおん。
 そうして、基地から距離を取らせたところで・・・・・・全ての者を魅了するであろう微笑みを口元に浮かべた。
「誰も君のことを嫌っていないよ!僕は君のことが好きだ!」
 ――それは、くおんの思い。
 皆の笑顔を守りたい気持ちを心に宿し、それを口元に浮かべて愛の告白。
 二人きりになるために、基地から距離を取る様に誘導していたくおんの行動に、流石の『ウサギ』さんもほんの少しだけ心を開く。
 ――けれども。
「誰も私の事を見てくれない・・・・・・見てくれないの・・・・・・! だから、壊すの。この町を私のことを否定するこの町を・・・・・・!」
 まだ、彼女の心は固く閉ざされている。
 そして再び基地への進軍を開始するウサギ。
 ピョンピョンウサギロボットを跳ばし前に回り込んで心からの説得を行いながらくおんは思う。
(「これだけじゃ駄目だ。もっと、もっと愛情を注いで、あの子を止めるか・・・・・・それとも力尽くでも止めないと・・・・・・!」)

 ――戦いは、まだ始まったばかりだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・フェアリィハート
※アドリブや他の方との絡みや連携も歓迎です

あれは…おっきなうさぎさんの
ロボットさん…!?
――私も…出撃しなきゃ…!
(決意する様に)

『パレスオブホワイト――モードプリンセス…!――アリス、出撃します…!』

UCを発動
召喚した居城要塞を
専用の巨大ロボさんに
変形させ搭乗、出撃
(ロボの詳細はUC参照)
巨大うさぎさんロボと戦闘
合体はせず単独出撃

UCと組み合わせて
巨大装備武器の剣等での
【属性攻撃】【なぎ払い】や
【2回攻撃】での時間差攻撃等の剣戟や
剣からの【衝撃波】
剣の光焔の【誘導弾】等の
遠距離攻撃等で攻撃
敵さんの攻撃は
【第六感】【見切り】
【残像】【オーラ防御】等で
回避・防御

『この世界は…私達が護ります…!』


シリン・カービン
…ウォーマシンの方みたいなものでしょうか。
(基本ファンタジー世界の住人なので
ロボット物はよくわからない)
ともかくやってみますね。(出来た)

巨大な翼を備えた鷹型のロボットです。
スピードで敵を翻弄し、狙いすました一撃を
急所に撃ち込む高機動戦闘が持ち味。

…が、真骨頂は合体してからです。
「真の姿の出番の様ですね」
機体は変形すると巨大なビーム砲を備えた
ウイングパーツになります。(自身は変わりません)
備えられた高精度センサーは狙った獲物を逃がしません。
「精霊力充填120%。兎狩りと行きましょう」
(【ホークアイ・スナイプ】使用)

同情はしません。
この力に抗いたければ、生きる意志を持ちなさい。

アドリブ・連携可。




「! あれは……おっきなうさぎさんの、ロボットさん…!?」
「そうですね。ところであれって、某ヒーロー物のスーツ着た戦士の方みたいなものでしょうか?」
 目前に迫りつつある兎型ロボットの姿を見た、アリス・フェアリィハートが息を飲むのを横目に、基地内にある様々な設備や部品を見てことりと首を傾げるシリン・カービン。
 特撮ヒーロー物よりは、某動く服アニメを想定する者の方が多い気がするが、基本ファンタジー世界の住人であるシリンにその違いについて突っ込んでも仕方が無い事である。
「と、とにかく他の方が時間を稼いで下さっている内に、私達も……!」
 アリスの呟きに、そうですか、とシリンが淡々と告げる。
「けれどどうやって作れば……」
 とか呟きながらカチャカチャやること、少し。
 ――出来た。
 巨大な翼を備えた鷹型のロボットが出来てしまった。
 あっさりと出来上がったロボットを見て、アリスも愛らしい顔立ちの中にキリッ、とした決意の表情を見せる。
「――私も……出撃しなきゃ……!」
 決意と共に、基地から飛び出し、上空に手を翳すアリス。
 そして……。
『パレスオブホワイト……!』
 幼くも凛とした叫びと共にアリスの身長の2倍を遙かに超える城を召喚。
 それと同時に、巨大な白亜の城がガシャン、ガシャン、とメカニカルな音を立てて変形する。
 ――モードプリンセス。
 アリスと同じ愛らしい顔立ちをした、超巨大なロボットを、特製のロボットを作成してそれに乗せたアリスが叫ぶ。
『――アリス、出撃します……!』
「なるほど。こういう時はそんな風に出るのですね」
 実体は、ロボット物によって恐らく異なるのだろうが、アリスの様子を見てまあそう言うことなのだろう、と一人合点するシリン。
 そこで改めて自ら作成した鷹型ロボットに乗り込み、エンジンを掛けた。
「――シリン、出撃します」
 小さくではあるが、確かにそう呟きながら。


「どうせ私は嫌われ者」
 嘆く様に呟きながら、鬱詐偽さんロボットが夜空を思わせる漆黒のオーラを吐き出してくる。
「そんな事、有りませんよ……!」
 超巨大な不思議の国の王女様を思わせるロボットを駆り、戦場を駆け抜けるアリス。
 搭乗席内で、自らの白銀に輝く剣身にルーン文字で【鋭き剣】と刻み込まれたヴォーパルソードを振るう。
 パレスオブホワイト――モードプリンセス、自らの動きと完全に同調した動きを行う超超巨大ロボットが、巨大な同型の剣、ヴォーパルソードを袈裟に振るった。
 ――閃。
 白銀の一閃と共に、空色の光焔がアリスの剣の軌跡に合せる様に舞い、確かな斬撃による一撃を、鬱詐偽さんに与える。
「やっぱり……私は……誰にも必要とされないのね……」
 悲しく、寂しそうな声音で呟きながら、右の拳を振るう鬱詐偽さんロボット。
 突然のその攻撃を、咄嗟に機体をバックステップで後退させて、負傷を抑えながら、神聖なる白き結界で攻撃を防御するアリス。
 ジン、とパレスオブホワイトが受けた衝撃が、繋がっているアリスにも流れてくるが、アリスはその程度の痛みに屈すること無く、ヴォーパルソードを横薙ぎに振るう。
「同情はしません。この力に抗いたければ、生きる意志を持ちなさい」
 アリスによって振るわれたその攻撃を鬱詐偽さんが受け止めたその隙を縫って、シリンの鷹型ロボットが戦場を駆け抜け様に、その巨大な翼で、鬱詐偽さんの首に通りすがりに切りつけようとする。
 鬱詐偽さんロボットがそれに気付いて咄嗟に横っ飛びに飛んで攻撃を躱し、辛うじて難を逃れるが、その隙を見逃さずアリスがヴォーパルソードを振るった。
 白銀の刃が纏った空色の光焔が空を断ち、空色の衝撃波となって鬱詐偽さんの足を斬り裂く。
「私を拒むのね、貴女達は……」
「世界を守るため、ですから……!」
 悲しげな声音で放たれたそれに心を抉り取られる様な痛みを覚えながらアリスが踏み込み、シリンがそれに合わせる様に鷹型ロボットを加速させる。
「否定してばかりでは、誰もあなたに居場所を与えてはくれませんよ」
 踏み込みと共に、アリス……否、パレスオブホワイト――モードプリンセスが、大上段からヴォーパルソードを振り下ろして、鬱詐偽さんの顔を斬り裂く。
「う……ぁ……」
 嘆く様な呻きを上げる鬱詐偽さんの鳩尾にシリンの鷹型ロボットの嘴が吸い込まれる様に突き刺さった。
 その隙を見逃さず素早く精霊猟銃を構えるシリン。
 合せる様に、鷹型ロボットの口が開き、黒い銃口が露わになる。
「撃ち抜きます」
 ――カチャリ。
 呟きと共に、精霊猟銃の引金を引くシリン。
 鷹型ロボットの黒い銃口に集っていた風の精霊達がシリンの引金を引く動作に合わせて、鷹型ロボットの口の中にあった銃口から発射されて、鬱詐偽さんの身を撃ち抜くが、致命傷には程遠い。
「猟兵。貴女達がいなければ、私にも居場所が出来るのに……!」
 悲哀、寂寥、憎悪。
 3つの感情を入り乱れさせながら、自身でも制御できない近寄らないでオーラを最大限に噴出してきたのに、シリンは巧みなハンドル裁きで辛うじて離脱。
 アリスもそのオーラを躱そうと、その攻撃を見切るが、完全に避けきること叶わず、空色の結界でその衝撃を何とか殺している。
 けれど、そうしてジリジリとアリスが後退し、シリンが躱せばそれだけ鬱詐偽さんは躙り寄ってくる。
 このままでは基地を破壊され、この都市が蹂躙されてしまう危険性が高かった。
(「このままでは行けませんね……」)
 それでも尚、アリスが果敢に突撃をしようとした、その時。
 アリスの所にシリンから通信が入る。
「シリンさん……?」
「このままでは、私達が不利です。合体しましょう」
 シリンからの提案に単独で戦うつもりだったアリスが思わず驚きの声を上げる。
「えっ……、合体……出来るのですか?」
「ええ」
 シリンの言葉に、束の間アリスが考える様な表情をしていたが、やがて分かりました、と首を縦に振るのだった。


 ――そして。
「合体します……!」
 この世界を守るためです、と自らに言い聞かせ、シリンの隼型ロボットとの合体を望むアリス。
「真の姿の出番の様ですね」
 頷きながら、ポチ、と手元にあったスイッチの一つを押すシリン。
 するとシリンの機体は、先程銃口だけ口の中から覗かせていたビーム砲を剥き出しにした巨大なウイングパーツへと変形し、パレスオブホワイト――モードプリンセスの背に装着された。
 パレスオブホワイト――モードプリンセス……アリスの巨大ロボの左肩にそのビーム砲が乗り、シリンがそのビーム砲の引金に当たる部分に搭乗した状態で、精霊猟銃を構えて、狙い撃つ機会を見計らいながら、風の精霊達の力をチャージしている。
「少しの間、時間稼ぎをお願いします」
「分かりました。……行きます!」
 雄叫びと共に突進し、空焔の衝撃波と同時に、白き閃光を放つアリス。
 光属性の一撃が、空焔の衝撃波と混ざり合って爆ぜ、凄まじい爆発と共に、鬱詐偽さんを打ちのめす。
「今です……シリンさん!」
「精霊力充填120%。兎狩りと行きましょう」
 アリスからの合図に頷くと同時に、シリンの瞳の第三の瞳がその目を開く。
 同時に、全身から溢れる力が、精霊猟銃を伝って、ビーム砲をビリビリと震わせる。
 ――それはまるで振動により、大気を震わせているかの様。
「な……何……?!」
 危険を感じたか、咄嗟に後退しようとする鬱詐偽さんだが、後退した結果、アリスの踏み込みを許すことになり、真正面から、追撃のためにアリスが振るっていた白銀の刀身が逆袈裟にその身を斬り裂いた。
 ――クリティカルヒット。
 そう言っても差し支えの無い一撃を受け、蹈鞴を踏む鬱詐偽さんの心臓に当たる部分へと銃口を向けたシリンがその引金を引く。
『針の穴だって、通して見せる』
 呟きと共に放った超精密射撃が、凄まじい量の風の精霊達の巨大なエネルギーの塊で、鬱詐偽さんを撃ち抜いた。
「う……うぁ……」
「止め、とはなりませんでしたか。でも、あと少しのようですね」
 心臓に当たる部分に大きな穴を穿たれても尚、辛うじて動いている鬱詐偽さんの姿を確認し、自分達は十分役割を果たしたと判断した、アリス達が、エネルギーを補充するため、一度基地に撤退する。

 ――鬱詐偽さんロボットが滅びるまで、あと少し。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

荒谷・つかさ
ろぼ。
あれよね。
指パッチンして名前を叫べば出てくるっていう。
じゃあ、行くわよ……「出ろおおおッ! G・オウガッ!」(ぱちぃんっ!)
(出た)

搭乗者の動きをトレースする鬼型機体
柔軟な動きとパワーが持ち味で格闘戦が得意
ユーベルコードもそのまま使える

オーラ攻撃は放たれる範囲を見切り、巧みなフットワークで躱して接近
全方位に放たれるようなら風の属性攻撃を纏った刀でなぎ払い、衝撃波で吹き飛ばす
拳の射程に入ったなら、鎧砕き技能の応用で的確に装甲を砕く拳撃を放ちダメージを重ねていく
敵が怯んだらグラップル及び怪力技能で捕縛し、
正確に敵の頭部に【鬼神爆炎掌】を叩き込むわ。

これで終わりよ……バーニング・エンドッ!




「……ろぼ」
 光線に撃ち抜かれ、ぐらりとその身を傾がせ涙を流す鬱詐偽さんを見ながら、しみじみと呟く荒谷・つかさ。
 今までに起きてきた光景を思い出しながらあれよね、と誰にともなく呟いている。
「指パッチンして名前を叫べば出てくるっていう」
 ……それが全てでは無いだろうが……今回に関して言えば、That's Rightの一つ。
 と言う訳で……。
「じゃぁ、行くわよ……出ろおおおッ! G・オウガッッッッッッッ------!!!!!」
 ――ぱちぃぃぃぃぃぃぃぃぃんっ!
 つかさの指パッチンと共にロボットは……。
「出た」
 搭乗者の動きをトレースする鬼型機体。
 柔軟な動きとパワーが持ち味で格闘戦が得意。
 ユーベルコードもそのまま使えると言う、素晴らしいモ……否、動く格闘……いやいや、チョウキョダイロボット!
 ついでにそのバックパックに6枚の羽が用意されているオマケつき。
 今はまだ閉じているけれどね!
「さて、行くわよ」
 涼しい表情のままにビッチビッチのスーツ姿になったつかさが呟く。
 もし、この場に実況がいたとしたら……恐らくこう告げるであろう。
 ――キュマイラファイト・レディー……。
『Go!』
 ……と。


「何よ、何よ、何なのよ……!」
 それは、怨み辛み妬みの言葉。
 突然現れた動く格闘家……否、チョウキョダイロボットの姿を見て、涙ながらに告げる鬱詐偽さん。
 溢れ出る負のオーラの軌道を見切り、自身への悪印象の軌道を見切って躱しながら、残像を生み出して戦場を搔き乱す。
「荒谷流殺法……オゥゥゥゥゥガ、シャドウ!」
 何故かノリノリで叫ぶつかさ。
 そんな彼女のテンションに呼応する様に、軽い身のこなしでヒラリ、ヒラリと鬱詐偽さんの攻撃を見切り、時々飛んでくる、溢れ出る負のオーラを風の精霊たちの力を纏った超巨大ロボットがその手に握る零式・改三を振るって叩き落とすG・オウガ。
 動揺する鬱詐偽さんの事など気にすることなく一気に肉薄。
 ちゃきりと素早く納刀するや否や両手を握りしめて無数の連続パンチを叩きこむ。
「それそれそれそれそれそれそれ!」
 放たれた連続パンチは、鬱詐偽さんロボットの装甲の薄い部分を的確に狙っており、ボコボコ、と彼女の装甲に穴を穿っていた。
 銃撃と剣戟で既に傷だらけの彼女にとって、この攻撃は致命的である。
「くっ……ううっ……!」
「あなたの居場所は、此処には無いわ。だから、さっさと焼き尽くされることね」
 つかさが静かに告げながら自らの動きをトレースする、G・オウガの右掌を開く。
 同時に、彼女の上半身の巫女服が弾け飛び、晒を巻いた女羅刹の姿が目に入った。
 その額から生えていた角は普段よりも更に鋭く尖り、全身から修羅のオーラが漂っている。
 それに呼応する様に、G・オウガの背面の六枚羽が開き、全身が深紅に染まっていく。
 ――それが炎の精霊達の加護か、はたまた真の姿か、それとも明鏡止水の心から生まれ出でたものなのかは分からないけれど。
『私のこの手が砕いて燃やす……っ!』
 ただ、分かっているのはつかさの動きをトレースした深紅のG・オウガの右掌が、がっしりと鬱詐偽さんの頭部を掴んだ、と言うことである。
「――! ――!」
 足掻く様に出鱈目に両手足をジタバタさせる鬱詐偽さんだったが、つかさとG・オウガは一切合切気にしない。
 ただ、その手に火行精霊の加護を蓄え、お決まりの台詞と共に、焼き尽くすだけだ。
『悪を滅ぼせと唸りを上げるッ!』
 高まっていく火精霊達の高揚。
 それに頷き、口元に好戦的な笑みを閃かせながら、つかさが叫ぶ。
『これで、終わりよ!』
 つかさの叫びと共に。
 G・オウガの手に集っていた炎の精霊達が、大爆発を起こし、鬱詐偽さんの顔を吹き飛ばた。
 そのまま崩れ落ちる鬱詐偽さんロボットを見つめながら、残心するつかさ。
「もしあなたがもっと人に歩み寄る努力をしていたら、こういう結末には、ならなかったかも知れないわね」
 小さく呟き、そっと死者の霊を慰める呪を紡ぐつかさ。

 ――つかさの呪が静かに猟兵達によって守られたこの都市と基地を満たしていった。
 
 

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月01日
宿敵 『鬱詐偽『ウサギ』さん』 を撃破!


挿絵イラスト