バトルオブフラワーズ⑧〜洋館のお茶ブチ撒けメイド
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「みんな大変よ!キマイラフューチャーが真っ二つよ!比喩じゃないわよ!物理的に真っ二つよ!」
グリモアスペースでフェアリーのグリモア傭兵、ネミ・ミミーニーズ(f00595)がドタバタしている。
「これは世界の危機よ!戦争よ!武器を取れ!」
勢いに任せて騒ぎ立てたあと。
詳しいことは資料で確認してね、と冷静に一言。
掻い摘んで説明すると。
キマイラフューチャーの中枢システム『システム・フラワーズ』を狙うオブリビオンフォーミュラ『ドン・フリーダム』を討ち取らねばならない。
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「それで詳しい状況なんだけど、奥の重要なところに行くためにまずは手前の領域を抑えないといけないの。補給線は大事よ!握り飯噛み締めてもケーキと珈琲を嗜む大軍には勝てないのよ!」
ーーいつの戦争の話だろう。
確保してもらう戦場はゲームを模したステージ『クロヌリスレイヤー』。
特殊な戦闘ルールは以下の通り。
オブリビオンが『ステージ』を『黒く塗り潰すこと』で猟兵を戦場から追い出すことが出来るという。
「陣取りゲームみたいな感じね。塗り潰される前に全滅させることで猟兵たちの勝利よ」
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これから転送するステージは広々とした洋館を模したステージとなっている。
この洋館の内部には、メイドと執事のようなオブリビオン集団がいる。
執事が猟兵への攻撃を担当、メイドが塗り潰し作業を担当しているらしい。
「メイドの塗り潰し作業方法なんだけど、……転ぶ」
ーーは?
お盆に珈琲カップを載せたメイドがその辺で転びまくる。ブチ撒けた珈琲でステージを塗り潰していく。
なんでそんな方法で塗り潰しているかは不明だ。
だが敵の妨害を行うなら何かのヒントになるかもしれない。
「世界の危機だからね!よろしく頼んだわよ!」
ネミは自作の珈琲シミ抜きガジェットを唸らせながら猟兵たちを送り出した。
背腹かえる
背腹かえるです。よろしくお願いします。
こちらのシナリオはキマイラフューチャーの戦争シナリオとなります。
お知らせや下記の特殊ルールをご確認ください。
●クロヌリスレイヤー
このシナリオフレームでは、『クロヌリスレイヤー』という特殊戦闘ルールが適用されます。
キマイラフューチャーの街並みを模して作られた戦場で、多数の集団敵が、街中を『闇のような黒色』に塗りつぶしています。街並みが全て塗りつぶされると『敗北』なので、その前に集団敵を撃破しなければなりません。
第1章 集団戦
『フロガステリ家の召使い』
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POW : 「おかえりなさいませ!ご主人さ、あっ···」
【メイドがすっ転ぶと、怒った執事の頭部が羊】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : 「おかえり、坊ちゃん。」「おかえりなさいませ!」
【可愛く声援を送ってくれる銀髪の少年】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 「フロガステリ嬢の御心のままに。」
【お盆の上】から【男はメイド服、女は執事服になるミートパイ】を放ち、【どうしてこうなったのかという疑問】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:灰ノ瀬のん
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フィロメーラ・アステール
「なるほどな! 狙うべきポイントは掴めた!」
つまり珈琲を奪ってしまえば塗れないぜ!
えっメイド? 転んでていいんじゃない?
【錬成されし対の双星】を使うぞ!
あたしの分身にメイドを追跡させ、珈琲を【盗み】取る!
間に合わず転んでしまうヤツは【衝撃波】を放ち【吹き飛ばし】!
塗りたい場所を塗れないように妨害!
転んでる所に【踏みつけ】攻撃を食らわせてメイドの数を減らし!
どこかで珈琲を補充しているなら【物を隠す】ことで補充を封印!
敵の攻撃は【第六感】で察知して【残像】で回避!
【忍び足】や【迷彩】魔法で隠れてながら行動するのもいいな!
分身と協力しながら塗りを妨害していくぞ!
執事撃破は後回しでもいいかな?
柊・明日真
【アドリブ歓迎】
ほっんとこの世界は滅茶苦茶すぎて笑えてくるな…
まあやばい状況に変わりはないし、真面目にやるさ。
要は珈琲をブチ撒けさせなきゃいいんだろ?
《瞬電の刻印》で片っ端から足止め、その隙に【ダッシュ】で接近して珈琲を奪って飲み干すぞ!
ブチ撒けるもんがなきゃどうしようもないだろ。トンチキにはトンチキで対抗してやるぜ!
向こうの攻撃は【激痛耐性】で耐えて、珈琲の奪取を重視して動く。
…メイド服?服は服だ!【気合い】で気にしなけりゃ問題ねえ!
俺の腹が壊れるか、お前らの珈琲が無くなるか…勝負だ!
レド・ダークライト
【同行者:ステラ・リトルライト(f01749)】
【他の人との絡み歓迎】
あのメイドと執事はまさかとは思うが···オブリビオンとしてまた顔を見ることになるとはな。
だが、コンコンコンのためにもここで立ち止まる訳にはいかないだろう。
さあ行くぞステラ!
要は素早く倒してしまえばいいのだろう。
だがあれは何もしなくても転ぶからな···先にあの珈琲をどうにかしてから叩きたいところだ。
ならば「先制攻撃」だ!
メイドの方に素早く近づき、「早業」で【オオカミの血脈】を放つことで珈琲の入ったポッドをまるごと食らう!
そのまま隙をついて「2回目の攻撃」を与えて、トドメはお前だステラ!
これで確実に数を減らしていくぞ!
ステラ・リトルライト
【同行者:レド・ダークライト(f01284)】【他の人との絡み歓迎】
キマイラフューチャーのコンコンが出来なくなったらどこから飯調達すりゃあいいんだよ!!...ん?どうしたレド。うんうん、張りきってるみたいだな?んじゃ、行くか!
紡ぐは【天蠍宮の響声】、聞け猟兵達!
「全員俺たちで倒してやるぜ!」
本気で戦ってる奴らなら、これで力が湧いてくるだろっ。
レドが珈琲をぱくっといったら、俺は[ダッシュ]で接近して纏めて[なぎ払う]!これを[2回攻撃]で二人とも仕留めたら、さあ次!急いで解決しないとな。
というかあのミートパイ、なんか怪しい。もしこっちとかに飛んで来たらレドでも盾にしよっと。好きだろ?ミートパイ☆
奇抜な建物の立ち並ぶ中にあって古風に雰囲気を漂わせる洋館。
その扉の前に4人の猟兵が降り立つ。
「ほっんとこの世界は滅茶苦茶すぎて笑えてくるな……。まあやばい状況に変わりはないし、真面目にやるさ」
開けるまでは始まらないみたいだな、と現状を確認するのは柊・明日真(刻印の剣・f01361)。
「キマイラフューチャーのコンコンが出来なくなったらどこから飯調達すりゃあいいんだよ!!……ん?どうしたレド?」
世界の危機に不安を覚えるステラ・リトルライト(星影纏う人形・f01749)。
他の者たちとは違う考え事をしていたレド・ダークライト(紅き閃光・f01284)がぽつりと答える。
「あのメイドと執事はまさかとは思うが……オブリビオンとしてまた顔を見ることになるとはな」
「知ってるの?」
フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)が考え込むレドの顔を覗き込む。
「一応な。あれはそう、何もしなくても転ぶ」
余計なことは話さず、あくまで作戦のために必要な情報のみに留めるレド。
「なるほどな!狙うべきポイントは掴めた!」
「要は珈琲をブチ撒けさせなきゃいいんだろ?」
そう、狙うべきものはただ1つ。メイドたちの持つ珈琲。
「そういうことだ。コンコンコンのためにもここで立ち止まる訳にはいかないだろう。さあ行くぞ!」
「うんうん、張りきってるみたいだな?んじゃ、行くか!」
重厚な音を立て、扉が開く。
4人を出迎えたのは広々とした玄関ホール。正面には大きな扉、左右に伸びる廊下。
そして、古風な洋館に似合わないファンシーなゲーム開始ファンファーレ。
「始まったか。中央と左右。ここは3手に分かれるべきか?」
冷静に策を巡らせすレドに。ほっんとこの世界は、という表情を浮かべた明日真が答える。
「相手は2手に分かれて攻めてくるようだ。中央と左の廊下の2方向にいけば大丈夫だ」
なぜ敵の動きが、という他の3人に明日真が上を指差す。
――浮かんでいるのはゲームの中ではよくあるミニマップ――
敵と思わしき光がピコピコとマップ上を動いている。
「俺たちは左にいこうぜ。っとその前に」
――紡ぐは【天蠍宮の響声】、聞け猟兵達!
「全員俺たちで倒してやるぜ!」
倒すべき敵を見据えつつ。ステラのユーベルコードが4人の戦闘力を増大させる。
「突撃ー!」
小さな体でフィロメーラが正面の扉に飛び込んだ。
まず敵と接触したのは、正面の扉に進んだフィロメーラと明日真。
中は広々としたホール。円形のテーブルが並べられている。
「立食パーティ会場、ってところか」
奥のほうには珈琲を持ったメイドが数名うろついている。
「猟兵?――あっ!?」
メイドのうちの1人がこちらに振り向き、その勢いで体勢を崩す。
「いきなりか!」
「あぶなーい!」
フィロメーラが衝撃波を放つ。空中の珈琲と珈琲カップは自由落下の軌道を外れ、零したメイド本人の胸元にかかる。
メイドは盛大に転んだが、珈琲による塗り潰しは辛うじて避けられた。
床に転んだメイドは珈琲をこぼせなかったショックで泣き出す。
「そんな!珈琲を運べないとメイド失格で珈琲をこぼせないとオブリビオン失格なのに!」
「もうちょっとましな道はなかったのか!?」
【瞬電の刻印】で敵の動きを封じながら明日真が残るメイドたちの珈琲を奪い去る。
そして、盗んだ珈琲を一気に飲み干す。その後ろで手ぶらのメイドたちが転んでゆく。
「フー、痺れる味だぜ」
痺れるのは明日真自身のユーベルコードのせいだが。
「ブチ撒けるもんがなきゃどうしようもないだろ。トンチキにはトンチキで対抗してやるぜ!」
「第一陣は防いだ!あとは珈琲を補充されなければ!」
最初のメイドを踏みつけながらフィロメーラが【錬成されし対の双星】で分身する。
SSR妖精がダブりゆく様は極一部の者によく効く地獄絵図。
フィロメーラの前ですごすごと立ち上がるメイド。
俯いて泣きべそをかきながら――、何もないテーブルをコンコンコン。
「あっ!補充ってそういう!?」
何もなかったテーブルの上に、優雅な午後の珈琲セットが姿を現す。
そのテーブルに向けてメイドが静かに手を伸ばす。
驚きで反応の遅れたフィロメーラに代わり明日真が動く。
「させない!」
力いっぱいでありつつも鮮やかに。明日真はテーブルクロスを引き抜いた!
珈琲セットは僅かに揺れ、テーブルの上に留まる。
「すごい!」
フィロメーラが拍手する。2杯目の珈琲を零し損ねたメイドはそのまま捕縛。
「まったく油断も隙も――」
誇らしげな明日真の顔に、ミートパイが命中した。
「まったく油断も隙もありゃしねー!メイド服?服は服だ!気合で気にしなきゃ問題ねえ!」
怒れる気合メイドの誕生である。
「気合ではありません。メイドに必要なのはお嬢様の御心をご理解する奉仕の心です」
猟兵の迎撃にやってきた執事による冷静かつ見当違いの発言。
「そういう問題じゃねー!」
「そーいえば執事撃破は後回しにしてたな!」
転んだメイドたちを踏みつけながら、フィロメーラは執事と気合メイドの戦いを眺めていた。
廊下を進んだレドとステラ。
廊下には珈琲を持ったメイドが1人。その後ろに執事が控えている。
「きたか猟兵!早く転ぶんだ!」
執事がメイドに指示を出す。
「そんな急に言われても――あっ!」
「勝手に転ぶ相手に転べとは理不尽な!」
レドは一気に距離を詰める。間合いは広い。だが間に合う!
レドはユーベルコードを発動し、最後の1歩で跳ぶ。
伸ばした足、オオカミの頭部がポッドごと珈琲を飲み込んだ。
「ステラ!」
「OK!」
飛び込んできた執事をステラが迎え撃つ。
激しい金属音と共に、銀の盆と黒き大鎌がぶつかり合う。
2人の間に、2つに分かれたミートパイが落ちた。
「こいつはまかせて!」
「ああ、先にメイドだ」
奥から多数のメイドがやってきた。人数で一気に塗り潰そうという作戦だろう。
そこへ、赤き一陣の風がメイドたちの合間を駆け抜け。
風が止み、レドのオオカミが最後珈琲ポッドを飲み込む。
一瞬の間。何もないところで、メイドたちは転んだ。
「あとはお前1人だ!もう勝ち目はないぞ!」
執事はステラの言葉と大鎌を受け流し、一旦距離を取る。
前後を2人に挟まれ、メイドも無力化されている。
それでもなお、執事は静かに壁をコンコンする。
「例え最後の1人になろうとも職務は全うせねばなりません」
執事はただ1人、珈琲を構える。
執事は2人の攻撃を銀の盆で受け止めながら的確に珈琲を零していく。
「なかなかやるな。だが!」
空になった珈琲ポッドを捨てて新たなコンコンをしようとした執事の足をレドの蛇の尾が掬う。
「今だ!」
トドメはお前だステラ!
えーと。
ありがとう、メイドさん執事さん。
ステラがやや芝居がかった優しい言葉を倒れた執事たちに投げかける。
「ああ、おかえりなさいませ――」
その言葉を聴いたオブリビオンは何を思ったのか。
戦意を失い、ブルースターの花びらとなって消えいった。
「おお、ほんとにうまくいった!」
「ああ、だがな――」
俺がどうしてメイド服になったのか。
だって好きだろ?ミートパイ☆
花びらの舞う廊下に少年の可愛らしい声が響いた。
大成功
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