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バトルオブフラワーズ④~ジャンクフードは最高ダルォ!?

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #猟兵の食欲全開シナリオ

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 突如、真っ二つに割れたキマイラフューチャー!
 メンテナンスルートがこれとか、さすがはキマフュー、色々とおかしい。
 だが、その行く手を阻む怪人が、ジャンクフードの山で高笑いをしていた。
「フハハハハハ! ファストフード最高! ジャンクフードは至高だ!」
 高カロリーなハンバーガーの頭のメタボ体型の怪人が、周囲に山積みとなったハンバーガーやらフライドポテトやらドリンクメガサイズを貪り喰らっている。
「このステージは俺の城! 約束された勝利の領域! 猟兵だろうが負ける気がしない!」
 この高笑いする怪人を倒さなければ、キマイラフューチャーの中枢『システム・フラワーズ』の侵入者オブリビオン・フォーミュラ『ドン・フリーダム』のもとへ辿り着くことが出来ない!

「……共食い??」
 グリモア猟兵の蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)は冷静に突っ込んだ。
「やっぱり食べ物絡みのあたいの予知はハチャメチャなことに……! いや、それどころじゃないんだよっ! これは戦争だからねっ!」
 レモンが簡潔に予知の解説を行い始める。
「テレビウム・ロックの事件が終わった時の謎の声は、システム・フラワーズの救援要請だったんだよっ! みんなにはこれからしばらく、システム・フラワーズへの侵入者オブリビオン・フォーミュラ『ドン・フリーダム』とその一味と戦ってもらうんだよ」
 先日の宇宙の大激戦と同じようなことが勃発するというか。
 聞き入る猟兵たちは、様々な憶測を胸に秘めながらレモンの言葉を聞き入る。
「まずは『ザ・ステージ』っていうところを攻略する必要があるんだよっ! あたいが予知したのは、『ザ・フードステージ』! 大量の食べ物が山積みになったステージで、怪人はその食べ物を食べるとパワーアップするんだよっ!」
 それは何とも厄介な事だ。だったら速攻で斃せばいいのでは??
「それはダメっ! ザ・ステージにはそれぞれ『特殊な戦闘ルール』があってね? たとえ敵を倒しても、敗北条件を満たすと謎の力で追い出されて、強制敗北になっちゃうよ!」
 レモンの言葉に困惑する猟兵たち。
 では、どうすればいいのか?
「簡単だよっ! オブリビオン以上の大食いで料理を食べる事ができたならば、立場は逆転! 強力なユーベルコードの攻撃で、オブリビオンを攻撃する事が出来るんだよっ!」
 なるほど、つまり、勝利する為には『その料理をたくさん食べられる理由』『大食いにかける熱意』等が必要となってくる。猟兵が見事、それを成し遂げられれば怪人にダメージを与えられる!
「そういうことっ! 大食い自慢の猟兵たちの出番だよっ!」
 よ~し、ハンバーガーでも揚げたてポテトでも何でも来い!
「その意気だよっ! みんな、頑張ってねっ!」
 レモンの頭上のグリモアが輝く。
 今、キマイラフューチャーの未来を守る『バトルオブフラワーズ』が開戦する!


七転 十五起
 戦 争 キ タ ー ッ !

 七転十五起、なぎてんはねおきです!
 開戦、バトルオブフラワーズ!
 これから約一か月間、よろしくお願いします。

 このシナリオは『ザ・フードステージ』です。
 単にオブリビオンを倒しただけでは強制敗北となってしまいます。
 怪人を倒すためには、
『その料理をたくさん食べられる理由』
『大食いにかける熱意』
 ……などをプレイングへ明記していただく必要があるのです!
 料理に手を加える事も可能なので、自分流にアレンジを加えて味変もOK!

 今回の食材は『ジャンクフード全般』です!
 ハンバーガー、フライドポテト、ドリンク、やさいもしっかりたべよう!
 とにかく、ジャンクフードだったらいくらでも食べられるぜコンチクショウ!
 そんな気概ある猟兵たちの挑戦をお待ちしております!!

 キマイラフューチャーの未来は、君たちの双肩に掛かっている!
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第1章 ボス戦 『ミスター・ドムドム』

POW   :    フライ・ド・プレス
単純で重い【フライングボディプレス 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ハイドロ・コーク
【ストロー付きの入れ物 】から【コーラ】を放ち、【強炭酸】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    抗えないジャンクの魅力
戦闘中に食べた【バーガーセット 】の量と質に応じて【体脂肪が増加し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。

イラスト:烏鷺山

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エルデラント・ズィーマです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ミスツ・シューパリツェ
※他猟兵とのアドリブ・連携OK

【POW】

猟兵になったと思ったら他の世界が真っ二つだと?
全く愉快な戦場だなおい?だが食べてればいいってんなら都合が良い
厄介な身体になったと思ったがこういう時は使えるものだ

俺は図体のでかいバイオモンスターだ
燃費も激しい。なにしろ人間も食っちまったからな、俺の事だが
更に下半身から生えた触手で一気に食べ物を口や体内にかっこめる
腕2つしかないバーガー男より一気にかっこめる

更にUCで巨大化!これで触手で取れる量も入れる口も巨大になる!
怒りのトリガーは、この世界に暮らすキマイラの奴ら
あいつらを滅ぼすだと?ふざけんじゃねえぞ!
俺も悪党だがカタギに手は出さねえ、それが俺の流儀だ!


ヒカゲ・カタワレ
そういうのならわたし向きだな、うん
…いやマジだって、人は外見によらないから

背中から二本の触手型刻印を伸ばし、UC【エブリシングフード!】
手あたり次第に触手でジャンクフード喰い荒そうか
伸ばせる範囲も広いし、相手の手の届く範囲のを先に食べちゃおうかな
…その後、触手で攻撃…ジャンクフードコピーした触手が生える気もするけど…
まぁカロリーを気にしない「勇気」はあるからさ…これ終わったら三日間くらいサラダだけ食べるから…
今日は死ぬほど喰いまーす



 ミスツ・シューパリツェ(バイオモンスターのバーバリアン・f17654)は状況把握に戸惑っていた。
 その口調はいささかガラが悪く、どこぞのヤクザのおっさんのようであった。
「猟兵になったと思ったら、他の世界が真っ二つだと? 全く愉快な戦場だなおい?」
 ミスツはつい先日、猟兵になったばかり。キマイラフューチャーに訪れたのも初めて。
 そしていきなりの大異変である。戸惑うのも無理はない。
 しかし、ミスツが転送された場所はもっと奇天烈だった。
 おびただしい数のハンバーガーがそこら中に転がり、揚げたてのフライドポテトがタケノコのようにニョキニョキと生えているではないか。
 水道の蛇口を捻れば、流れてくるのは強炭酸コーラ!
「何だこりゃ? 食いモンばかりじゃねぇか!?」
「フハハハハハ! 来たな猟兵!!」
 ミスツが声のする方向を見遣ると、巨大なハンバーガーが両手にハンバーガーを持って食い散らかしていた。
「俺様の名前はミスター・ドムドム! この『ザ・フードステージ』の番人だ!」
「マジかよ、ハンバーガーがハンバーガーを食うのか?」
 キマイラフューチャーのカルチャーショックに当惑しつつ、ミスツはブリーフィングの内容を思い出していた。
「確か、そうだ! アイツを倒すには、とにかく食いまくらないといけないんだったな? 食べてればいいってんなら都合が良い。厄介な身体になったと思ったが、こういう時は使えるものだ」
 そこへ、もうひとり猟兵が転送されてきた。
「おお、聞いていた以上にジャンクフードの山だね。あ、わたしはヒカゲ・カタワレ(混乱の落とし子・f03017)! もしかして触手仲間?」
「あー、ミスツ・シューパリツェだ」
 軽く自己紹介を済ませるミスツだが、聞き逃せない単語に耳を疑った。
「って、アンタも触手を持ってるのか?」
「まぁ、実験体なんで。背中から2本出せるよ。ミスツさんもその恰好、実験体か何か?」
「俺はバイオモンスターだ。まぁ、色々あってこの体になっちまった」
「そっかー。人に歴史あり、だよねー」
 2人がしみじみとしていると、ミスター・ドムドムから怒声が上がった。
「お前ら! 戦わないなら、ここから強制退出させられるぞ!?」
 怪人と言葉通り、この戦場はルールが存在する。
 それに従わねば、怪人を倒しても強制敗北となってしまうのだ。
「おっと、そろそろ食うか。けど、ヒカゲは食えるのか? 大丈夫か?」
 ミスツの指摘通り、ヒカゲの身体はとても小柄だ。実験体という生まれのせいか発育の悪さが目立ってしまう。
 しかし、ヒカゲはニタリと自信たっぷりに口角を吊り上げる。
「こういうのならわたし向きだな、うん。……いやマジだって、人は外見によらないから。いくよ、ミスツさん!」
「ああ、バイオモンスターの俺は燃費が悪いし、オマケにエネルギー消費が激しいんだ。どんどん喰らい付いてやるぜ!」
 2人の猟兵は、手近なハンバーガーを両手に取る……と見せかけ、互いに触手を伸ばし始めた!
「これなら腕2つしかないバーガー男より一気にかっこめる! おっ、味はなかなかイケるじゃねぇか!!」
 ミスツは上機嫌で下半身から無数の触手を伸ばすと、自分の口と下半身の中へどんどんハンバーガーを摂取してゆく。
 対してヒカゲも背中から二本の触手型刻印を伸ばし、ユーベルコード『エブリシング・フード!』を発動!
「いただきまーす! ごちそうさまでしたぁー! 美味しー!!」
 触手が搔き集めたハンバーガーを別の触手が一気に吸引してゆく!
 そして食べれば食べるほど、触手が見る見るうちに太く逞しく肥大化してゆくではないか!
「おっと、それはわたしのハンバーガー! いただきっ!!」
「おいっ! 俺の目の前のハンバーガーを横取りするなっ!」
 ミスター・ドムドムの周囲のジャンクフードは、ヒカゲの触手が絡め取って持ち去って行ってしまう。敵の食事を妨害するという作戦は、ミスター・ドムドムもパワーアップする機会が減り、非常に効果的である。
「まぁカロリーを気にしない! わたしには勇気があるからさ。……いや、これ終わったら三日間くらいサラダだけ食べるから……」
 目を逸らすヒカゲに、ミスツは笑いながらコーラを飲み干していた。
「やっぱそういうのは気にするお年頃か? だったら俺に寄越せ。俺の食欲は底なしだ。なにしろ人間も食っちまったからな!」
「えっ?」
 ヒカゲが思わずミスツから距離を置く。慌てたミスツが弁解。
「いや、俺ことだがな? 俺はもともとヤクザでな? ひょんなことから暴走したコイツに喰われちまった」
 自分の身体を触手で指し示すミスツ。
「けどよ? 俺は腹の中で必死に抗ってやった。コイツに一矢報いてやろうと思ってな? ……で、気が付いたら、俺はこいつの自我を乗っ取っていたっつー訳だ」
「ミスツさんヤベェー、マジヤベェんだよ! カッコいいー!」
 雑な女子高生口調でヒカゲは賞賛。
 フライドポテトを貪りながら、ヒカゲは再びミスツに接近した。
 そんなヒカゲにミスツは問うた。
「で、太るのが気になるなら、俺が喰ってやるけどよ?」
「……いや、わたし、食べるよ。ミスツさんに負けらんない。今日は死ぬほど喰いまーす!」
 触手と自分の口でヒカゲは猛スパート!
 その様子にミスツも奥の手を出す覚悟を決めた。
「つーかよォ、この世界に暮らすキマイラの奴らを滅ぼすだと? ふざけんじゃねえぞ! 俺も悪党だがカタギに手は出さねえ、それが俺の流儀だ! 俺の怒りを思い知りやがれ、バーガー野郎が!!」
 ミスツはユーベルコード『バイオミック・オーバーロード』を発動!
 怒りの感情を爆発させることによって、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大するのだ!
 そしてその怒りは、ミスツの流儀に反する目の前の外道を許すまじと、見る見るうちに巨大化!
「これで触手で取れる量も入れる口も巨大になるぜ!」
 もはやジャンクフード吸引機と化したミスツ、そして執拗にミスター・ドムドムの食事を奪取するヒカゲは、遂に強力な戦闘力を獲得する。
「喰らえ、外道が!」
 赤い視覚器官が先端に付いた白い触手の濁流がミスター・ドムドムを壁に叩き付けると、今度はヒカゲの巨大触手が上段に振り上げられた!
「すんごいメタボな触手になったね……ダイエットしなくっちゃ……!」
 乙女の怒りとともに肉の棒と化した触手の一撃が、ミスター・ドムドムに叩き付けられる!
「ほげぇッ!?」
 壁に減り込むミスター・ドムドム!
 しかし、怪人はまだ減り込んだ壁から這い出てくる余力がるようだ。
「まだだ……! ファストフードは偉大なんだ! もっと食わねば……!」
 ミスター・ドムドムは食料を求めてステージの奥へと逃亡。
 猟兵たちは追撃のために怪人を追い掛けることにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キルク・レニシュ
いっぱい食べるだけでいいんですね!それじゃあいただいちゃいますよー!
っ!~~~~おいしい~~~っ!!
こんな美味しい食べ物初めてですよー!いくらでも食べられそうです!
目が幸せに~~!あんむっ!じゅぅじゅーるぅ、んぅ~~っ幸せです!

うっ?影?うわぁっ!?ちょっと!人が食べてるのに何するんですかー!じゅーる
もしかして食べるの飽きちゃったんですか?
それだけのお腹して食べてたらわかるような気もしますけど。ずこぉーっちぅっ
ぷぅっ!仕方ないですね、なら少し消化手伝ってやりますよ!
空に飛翔して体内の炎を溢れさせ、ふぅーっ!ってドムドムに吹き付けてやります!
あっ!パンがこんがり焼けて!美味しそうですー!ばくばく



 手負いのミスター・ドムドムを追撃する猟兵たち。
「まだ追ってくるか、猟兵たちめ!」
 振り切れないと悟ったミスター・ドムドムは、立ち止まって再びジャンクフードを貪り始めた。
 今がチャンスだと、キルク・レニシュ(角折ドラゴン・f17382)も行動を開始する。
「いっぱい食べるだけでいいんですね! それじゃあいただいちゃいますよー!」
 キルクはアックス&ウィザーズ出身で、今回が猟兵としての初仕事である。
 当然、他の世界へ渡るのも初めて。
 目の前のハンバーガーも初めてみる食べ物だ。
「これ、どうやって食べるんだろう? そのままかぶりつくのでしょうか?」
 怪人の見よう見まねでキルクはハンバーガーに思いっきり大きな口を開けてかぶりついた!
 口の中で溢れ出す肉汁と、シャキシャキのレタスの触感、濃厚なとろけるチーズの旨味、ケチャップとマヨネーズのソースの絶妙な酸味が、香ばしいバンズとひとつになる事で完全調和の味覚が完成する!
「っ! ん~~~~おいしい~~~っ!! こんな美味しい食べ物、初めてですよー! いくらでも食べられそうです!」
 キルクはもとより大食いなのだが、別世界の未知の味を知ってしまった今、彼女の空腹中枢は完全にブレーキを失った暴走状態に突入する!
「あんむっ! おいひ~っ! あ、これはジャガイモでしょうか? サクサク……塩味がきいててこれも美味しいです~! えっと、飲み物……あの蛇口を捻れば何か出るのでしょうか?」
 備え付けられた『コーラ専用』と書かれた紙コップに、蛇口から流れてくる真っ黒な炭酸飲料を注いでみる。
 この未知の飲み物に、キルクは思わず顔をしかめた。
「うわっ、泥みたいな色をしてますよ!? え、でも、なんだか甘い香りがします……!」
 恐る恐る、ストローで吸い上げると彼女の両目はぱちくりと何度も瞬いた。
「しゅわしゅわっ! そしてあっまぁ~いのです~♪」
 コーラの罪深い甘さを知ってしまったキルクは、再びハンバーガーを口にする。
 そしてある事に気が付いた。
「このコーラって飲み物を飲んだ後に、この食べ物を食べると、永遠に食べていられそうです!」
 すっかりジャンクフードの虜となったキルクは、ミスター・ドムドムに負けない勢いで手近なハンバーガーやらポテトやらを食しまくった。
 そのとき、突然、彼女の頭上に影が落ちる。
「うっ? 影? うわぁっ!?」
 咄嗟に身を翻すキルク。先ほどまで居た場所に、ミスター・ドムドムのフライングボディプレスが炸裂!
 アツアツのポテトを背負ったミスター・ドムドムの着地点がボッコリと陥没したではないか!
「ちっ、外したか! 先程は反撃すらままならなかったが、今度はこちらから仕掛けさせてもらうぞ、猟兵!」
「ちょっと! 人が食べてるのに何するんですかー! もしかして食べるの飽きちゃったんですか?」
 じゅーるじゅるとコーラをすすりながら、キルクも戦闘態勢へ。
「それだけのお腹して食べてたらわかるような気もしますけど」
 ずこぉーっちぅっとコーラを飲み干すと、己の竜の翼を力ず良く羽ばたかせる。
「ぷぅっ! 仕方ないですね、なら少し消化手伝ってやりますよ!」
 宙を舞うキルクは自分の人差し指を嚙みちぎると、指先に意識を集中させる。
「脂肪を燃焼させてやるのです、感謝するのですよ! ブレイズフレイムなのです! ふぅーっ!!」
 自分の身体の一部を切り裂いて噴き出す『地獄の炎』が、ミスター・ドムドムの頭部をこんがりとキツネ色に焼き目を付けてゆく!
「あっ! パンがこんがり焼けて! 美味しそうですー!」
 急降下したキルクは、大きな口を開けてミスター・ドムドムの頭の隅をガブリと噛み付いた!
「うん~!! こってりジューシーですね!! 美味しいです~!!」
「うぎゃぁっ!? 俺を喰らうなんてなんて奴だっ!?」
 歯形が付いたミスター・ドムドムは、慌てて更にステージの奥へと逃げてゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒瀬・ナナ
昨日の夜から何も食べていない『大食い』おねえさん参上!
これ、全部食べて良いの?
いざ尋常に、いっただっきまーっす♪

狙いは主にハンバーガー。お肉大好き!
お肉でお肉を挟んだハンバーガーがあったら最高だと思うの。
……え?やさいもしっかりたべよう、ですって?
安心して!フライドポテトのじゃがいもは立派に野菜だし、
小麦から出来ているパンも野菜の仲間だから問題ないわ。

バーガーやポテトの塩気で口の中がしょっぱくなってきたら、
あまーいジュースで一休み。
しょっぱいと甘いの無限ループでいくらでも食べられちゃうわね!

鱈腹お肉の力を溜め込んだら、美味しいご飯に感謝しつつ怪人を殴る。
ご馳走様でした!

※アドリブ等ご自由に。


アポリー・ウィートフィールド
我が故郷キマイラフューチャーの未来を、汝らオブリビオンに奪わせはしない!そしてフードファイターの威信にかけて、この大食い勝負、受けて立つ!

我は元より無限の食欲と好き嫌いのない味覚を持つゆえ、ジャンクフードの100や200で音を上げるような存在ではない。何より喰うことで世界がかかっているならば、モチベーションは上がるというもの。
加えてユーベルコード・飛蝗態を使用。この強化外骨格は常にカロリーを消費する。喰えども喰えども絶対に満たされぬ感覚。飢えというスパイスの加わったジャンクフード、喰えぬ訳がない。消費したカロリーでパワーアップした外骨格の力で、一気に攻撃を叩き込んでくれるとしよう。



 よもや自分が喰われる羽目になるとは思っていなかったミスター・ドムドム。
 しかし、猟兵たちの追撃の手は緩まなかった。
 麗しい黒髪にコルセットと巫女服の組み合わせが目を引く姿の黒瀬・ナナ(春陽鬼・f02709)は、ミスター・ドムドムへビシッと指を突き付けてから盛大に名乗った。
「昨日の夜から何も食べていない『大食い』おねえさん参上!」
 いや食えよ。12時間くらい食べてないことになるのだが?
 というか、なんでさ??
「テレビウム・ロック事件が終わって、もしかしたら~って思って、昨日のお夕飯と朝ご飯を抜いてきたわ!」
 マ? 第六感ぱねぇな!
「奇遇だな。我も腹が減って仕方がないのだ」
 一瞬、バイクに跨る特撮ヒーローと見紛う容姿のアポリー・ウィートフィールド(暴食のイナゴ男・f03529)が黒瀬に相槌を打った。
「我は元より無限の食欲と好き嫌いのない味覚を持つゆえ、ジャンクフードの100や200で音を上げるような存在ではない。イナゴの暴食っぷり、とくと見せつけてやる!」
 アポリーの言う通り、彼はイナゴのキマイラだ。
 イナゴの性質を強く受け継ぎ、蝗害めいた無尽蔵の食欲を有する。
 猟兵に選ばれた経緯も、彼が食べ歩き動画をネットにアップしまくっていたら世界に選ばれたという、筋金入りの食いしん坊猟兵だ!
 そんなアポリーを黒瀬は一目で彼がフードファイターだと見抜いた。
「このオーラ、フードファイターとしての技量はわたしより上ね……!」
「どうも、アポリー・ウィートフィールドです。見ての通りのキマイラです」
 挨拶をされたら挨拶を返さねばならない。
 返さないとすごく失礼だからだ。
「どうも、黒瀬・ナナです。サムライエンパイア出身の羅刹の大食いおねえさんよ。ところで、これ、全部食べて良いの?」
 目の前には、大量のジャンクフードの山、山、山!
 よだれを垂らす黒瀬に、アポリーは親指を立てて返答した。
「ああ、共に食そう! 我が故郷キマイラフューチャーの未来を、汝らオブリビオンに奪わせはしない!」
 コーラをバケツで飲み干しているミスター・ドムドムに向けてアポリーは宣言する。
「そしてフードファイターの威信にかけて、この大食い勝負、受けて立つ!」
「何を言っている!? ここは俺の城、俺の好物だけで構成された『ステージ』だ! 今までがおかしかったんだ、もう俺様は負けない!」
 食いまくるミスター・ドムドムに負けじと、黒瀬とアポリーも暴食をスタート!
「いざ尋常に、いっただっきまーっす♪」
 黒瀬は早速ハンバーガーをハンバーガーで挟んで思いっきりかぶりついた!
「美味しいっ! お肉大好き! だからハンバーガー大好き! お肉でお肉を挟んだハンバーガーがあったら最高だと思うの」
 もはやそれはステーキサンドじゃないのか、という野暮なツッコミは蹴っ飛ばす勢いで黒瀬はハンバーガーばかり口に放りこんでゆく!
 一方、アポリーはまるでジャンクフード咀嚼マシーンかと思わせるほどの速度でハンバーガーやらフライドポテトを噛み砕いて呑み込んでゆく!
「喰えども喰えども絶対に満たされぬ感覚……! 更に“飢え”というスパイスの加わったジャンクフード、喰えぬ訳がない!」
 ハンバーガーの塔を食い倒すアポリー、ハンバーガーの壁を侵食してゆく黒瀬。
 その食べっぷりに、さすがのミスター・ドムドムは再び嫌な予感が去来する。
「俺様まで食われそうだ……!」
 途端、2人の猟兵の視線がミスター・ドムドムへ突き刺さる。
 あれは、餓えた肉食獣の眼だ!!
「黒瀬殿、やさいもしっかりたべよう!」
 そう言うアポリーはバターコーンを食べていた。
 それ野菜ちゃうで、穀物やで?
 CMで野菜とか言ってるけど騙されちゃダメな奴やで?
 黒瀬は野菜という単語に、自信たっぷりに答えた。
「安心して! ハンバーガーは『やさい』よ!」
 待って?
 その理屈にミスター・ドムドム思わずツッコミを入れた。
「それはおかしい! ハンバーガーはどう考えても肉だろう!?」
 黒瀬はキョトンと首を傾げながら即答する。
「フライドポテトのじゃがいもは立派に野菜だし、穀物の小麦から出来ているパンも野菜の仲間だから問題ないわ。それにお肉の元になる牛さんも、植物を食べて育っているから実質やさいよ?」
 黒瀬はあまーいコーラとハンバーガーを交互に食べながら断言した。
「しょっぱいと甘いの無限ループでいくらでも食べられちゃうわね! しかも繊維質はゼロカロリーだから、やさいであるハンバーガーは実質ゼロカロリーよね?」
「んなわけあるかぁ!? ゼロカロリーだったら、俺様みたいな身体になるかっ!? ならねぇだろうがっ!? あんっ!?」
 あ、怪人、メタボを自覚していたんだ……。
 そんな微妙な空気を払拭するかのように、ミスター・ドムドムは高々と飛び上がり、フライングボディプレスを敢行!
「一気にぺしゃんこにしてくれる!」
 急降下してくる怪人の巨体!
 猟兵2人がその下敷きになってしまうかと思われた、その時!
「たらふくお肉の力を溜め込んだから、美味しいご飯に感謝しつつ怪人を殴るわよ!」
 黒瀬は念じると、巫力で愛用の薙刀『迦陵頻伽【花嵐】』を呼び出すと、降ってくる怪人のメタボ腹へ切っ先を突き上げた!
 怪人の自重によって刃先が自然と食い込む!
「イデデデデ!?」
「こうして、こうよっ!」
 更に黒瀬のパワーアップした膂力で豪快に振り回された怪人は、受け身も取れずに地面へ叩き付けられる!
 サッカーボールめいて2、3度バウンドする怪人!
「残念だが、この強化外骨格は常にカロリーを消費するのだ。先ほど食べたジャンクフードの山も、この瞬間にすべて帳消しになってしまう」
 いつの間にかアポリーの身体が、次第に変化してゆく!
 イナゴの翼は大きくなり、目いっぱいに広がるとけたたましく騒音を上げながら羽ばたき始める!
「消費したカロリーでパワーアップした外骨格の力で、一気に攻撃を叩き込んで、――否、喰らい尽くしてくれよう!」
 まるでアポリーの身体に無数の虫が群がり、彼はどんどんと鎧を着こむように外骨格で覆われてゆく。
「今こそ飛翔の時! 変身! 《空を切り裂く黄昏の翼(フライングローカスト)》!」
 透明な羽でアポリーが宙を舞ったかと思えば、縮地めいて怪人の懐へ爆速で急接近!
 その速度、およそマッハ3!
「ああ、空腹だ……その頭を寄越すのだ!」
 アポリーがマッハ3の拳で殴り抜くと、ミスター・ドムドムの顔面が粉砕される!
 握り締めたパティとソースを舐めなながら、そのままアポリーは身体を反転させ、ミスター・ドムドムの背中に音速後ろ回し蹴りを炸裂させた!
「ぐへぇ!?」
 自身の背骨が折れる音を聞きながら前方へ吹っ飛んでゆく怪人!
 その先にいたのは、体を目いっぱい捻り上げて薙刀を構える黒瀬だ!
「ご馳走様でした!」
「グワーッ!?」
 黒瀬が薙刀をフルスイングすると、突っ込んできたミスター・ドムドムの胸から下をスパンッと真一文字に両断!
 上下2つに分割された怪人は、黒瀬の背後で七色の煙とともに爆発四散したのだった。

 こうして、中枢へ向かうためのステージのひとつを突破した猟兵たち。
 だが、ステージはまだまだ数多く存在している。
 猟兵の戦いは始まったばかり。
 ゆけ、猟兵たちよ!
 キマイラフューチャーの未来と平和は君たちに掛かっている!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月01日


挿絵イラスト