バトルオブフラワーズ⑤〜エースたちよ、コンバットせよ
「どなたか、シューティングゲームがお好きな方はいらっしゃいませんか!?」
慌てた様子で猟兵を募るヌヴィエム・ローズ(九番目の薔薇・f13097)は集まった面々に向かってそのようなことを言った。
「キマイラフューチャーが大変なんです! なので、皆さんにはシューティングゲームをしてもらいたいんです」
いまいち脈絡がないのはキマイラフューチャーだから仕方がない。
「説明しますね! 世界の物資供給を担うシステム・フラワーズがオブリビオン・フォーミュラに占拠されたんです。これと戦うためには、ステージを突破しなくてはならないんです」
ステージは全部で六つ、そのうちの一つがゲーム・ステージ、テレビゲームのような攻略を要求されるステージである。
「ヌヴィ達が担当するのはシューティングステージです。戦闘機に乗り込んで敵機を撃墜してください」
幸い、いわゆるフライトシミュレータほどの厳密な操作は要求されない。視界に入ればロックオンできるし、ボタン一つでミサイルを発射し、当たれば撃墜だ。その代わり、猟兵が撃墜された場合はクリア失敗となってしまう。回避行動はしっかりととらなくてはいけない。
「クリアの直前には強めのモブが出てきますので、頑張って倒してください」
戦闘機の必殺技として猟兵たちのユーベルコードも使用できる。うまく活用して強めのボス、交通トリオを撃墜すればゲームクリアだ。
「頑張ってくださいね……幸運を」
ヌヴィエムは猟兵たちを、デジタルの空へと送り出した。
廉内球
猟兵の皆さま、こんにちは。廉内球(かどない・きゅう)です。
キマイラフューチャーで戦争勃発! このシナリオはゲームステージの集団戦となります。
当シナリオの舞台はシューティングゲームです。流れとしては、戦闘機に乗り込んでミサイルをぶっぱなし、かっこいい戦闘機動で敵のミサイルを回避しつつボスを目指します。ボスが出てきたらユーベルコードで攻撃し、撃破してください。
戦闘機モノですが難しい専門知識などは必要ありません。リプレイも専門用語に類するものは控えめにする予定です。いい感じにかっこよく活躍しましょう。また、実在の兵器などは大人の事情でそのまま名前を出すことができませんので、ご了承ください。
それでは、素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『交通トリオ』
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POW : 一方通行怪人・ウェポン
【一方通行兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : タイヤ怪人・ジェノサイド
【タイヤ攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 三角コーン怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【三角コーン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シズホ・トヒソズマ
※他猟兵とのアドリブ・連携OK
【SPD】
地元世界の危機、放っておくわけにはいきません!
ヒーローとして!
戦闘機に乗り込んだら【メカニック】知識で性能や兵装を把握
【操縦・運転】技術で乗りこなし、【早業】での操作により素早い対応や回避・攻撃をしていき【視力】で敵をしっかり捉えます
ボス戦ではあらかじめ戦闘機の外に備え付けた人形を対象にUCを使う事で、ボスに向いた兵装を戦闘機に追加する形にします
使用法は【メカニック・武器改造】知識で把握
攻撃は【操縦・運転・早業】で回避していき、狙いやすい箇所や弱点に見える箇所に兵装を【一斉発射】します
例え操る物が変われども、人形遣いのテクニックはここに健在です!
四王天・燦
コインを入れてスタート
空中戦やら視力・フェイント、敵弾への見切りは適当に使用。
一般人なら酔いそうな軌道で空を飛ぶ。見ている敵さえ酔わせる…軽い催眠術を意図
慣れてきたら分身と抜かし囮となる残像を発生…何故か残像からもショットが出るのは仕様です、ゲームだし
「ばりあー」
進退窮まったらオーラ防御。チートなにそれ?
ボス戦では妖魔解放…宇宙世界で吸精したマンティコアのオーラを身に纏い速度上昇アイテム乱取りで『最速is最強』とばかりの高速移動だ。
溜め撃ちにて咆哮…轟音の衝撃波で敵機を空中分解させてやんよ
最後はスピードアップしすぎてボス戦後に壁に激突で終了。
「ボスの後に要塞脱出ステージなんて聞いてねーぞ?!」
キマイラフューチャーの危機に、真っ先に立ち上がったのは二人の猟兵。シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)と四王天・燦(月夜の翼・f04448)だ。
シズホは一通り機体をチェックした後、いくつかの人形をぶら下げる。それが済んだら早速戦闘機に乗り込んでエンジンスタート。メカニック知識を用いてその機能を余さず把握していく。そして空へと飛び立てば、抜けるような青い空が二機を待っていた。
編隊を組んだ二機を雑魚敵が迎え撃つ。白煙と共に迫りくるミサイルを、燦はその視力でいち早く発見。機体を傾けて回避行動をとり始めた。だが、燦の機動はそれだけにとどまらない。ゆらり、ふわり、青空を切り裂く鋼の翼が不規則に揺れ、惑わすように飛び回る。釣られて燦を追いかけ始める敵機をシズホ機が捉えた。
「かかりましたね! 一斉発射です!」
乱射されるミサイルが敵機に向かって吸い込まれ、小さな爆発と共に黒くすすけた塊が、描かれた青い空に墜ちていく。一拍置いて、衝撃と爆発音がキャノピーを叩いた。
「よし。だいたい操作も慣れたし……えい、分身」
猟兵の力があれば機体を分身させることなど造作もなく、本体と同じ力を持つ囮を生む。もちろん、本体と同じ性能なのでミサイルだって撃てるわけである。すごい。
火力もアップし順調に道中ステージをクリアする二機の前に、三体のモブが現れる。一つはタイヤ、一つは案内板、一つは三角コーンを頭にした人間型のターゲットだ。
「あれがボスキャラですね……世界の危機、放っておくわけにはいきません! ヒーローとして!」
力強く宣言したシズホがバイザー越しにタイヤ怪人を見据える。連続して放たれるタイヤを、機体を傾けて回避。止まらぬ攻撃から逃げていく。
「あ、まずい、ばりあー」
一方で回避しきれぬと判断した燦機はバリアーを展開。この戦闘機にそんな機能はなかったはずだが、そこは猟兵の力である。チート? 知らない。
「よし防げた。最速こそ最強って教えてやんよ。妖魔解放(リリース・ピュアリィハート)!」
燦はユーベルコードを発動し、機体速度をどんどん上げていく。タイヤの連続攻撃を引き連れるように空を乱舞し敵を翻弄。チャージショットの隙を伺う。
「援護します。さあお着替えの時間ですよ! 貴方に相応しい武装(ドレス)は決まった!」
シズホは外にぶら下がった人形にユーベルコードを使う。人形は召喚されたガトリングガンを構え、総攻撃を開始! 迫りくるタイヤの群れを弾幕で破壊。機銃と合わせてボスのタイヤ弾幕を押し返し始める。
「「今だ!」」
全てのタイヤが破壊され、本体が露出したその瞬間、シズホのミサイルが、そして燦のスピードの乗ったチャージショットがボスに向かって放たれる。蒼穹の空に火の花が咲き、突風によって散っていく。
「あ、やばい」
空いた空間に向かって突進する燦機。その猛スピードはもう止められない。燦の戦闘機がボス後ろの壁に向かって突っ込んでいくのを、シズホは見ていることしかできない。そして。
「あっ……」
思わずシズホが声を出す。燦機が黒煙を上げて壁の向こうに消えていったのだ。
「大丈夫でしょうか……一応クリアのようですが」
中空に表示されたCLEARの文字。判定上はクリアだし、たぶんゲームなので大丈夫である。……たぶん。
成功
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二子塚・たがや
※タガヤ人格
ふむ、シューティングゲームですか
…これもキマイラフューチャーに平穏を取り戻すため、確りクリアしていきましょう
基本的には通常の武装でエネミーは発見次第【先制攻撃】で撃破、ゲームなのでできるかはわかりませんが、【フェイント】や【だまし討ち】での攪乱も狙ってみましょうか
回避は【逃げ足】も活用しつつうまく敵攻撃を避けていきましょう
どうしてもという場合は『弾幕』陰流星での撃破に打って出ますよ……この攻撃、敵の死角から放つものなので、所謂バグ技みないな物ですけどね
ボスもユーベルコードを含めた攻撃で対処していきましょう
【情報収集】や【学習力】をもって、道中のうちにゲームに慣れていきたいですね
緋翠・華乃音
――良いだろう。偶にはこういう趣向も悪くはない。
俺がいつもシリアスでしか能力を揮えない訳ではないのを見せてやるよ。
耐久値は最低で構わないのでその代わり、高機動かつ遠距離攻撃に優れる機体を選択。
迷彩で空の色に溶け込み、目立たない事によって敵を欺瞞。
情報収集とハッキングで敵の情報を入手。
敵の動きや攻撃は優れた視力や第六感でひたすら見切りを重ねる。
機動力と直感に重きを置いて回避を行い、精密な攻撃を続ける。
ボスが登場したらユーベルコードを発動して本気を出す。
10km以上離れた所から攻撃を当てる? ああ、充分にチートだよ。で、それがどうかしたのか? 俺の眼と技量なら赤子の手を捻るようなものだ。
「良いだろう。偶にはこういう趣向も悪くはない」
並ぶ機体の性能値を検めながら、緋翠・華乃音(Lost prelude.・f03169)は誰に言うでもなく呟く。
「俺がいつもシリアスでしか能力を揮えない訳ではないのを見せてやるよ」
猟兵たるもの、ダークセイヴァーからキマイラフューチャーまで、いかなる戦いでも制してみせるという覚悟がにじむ。
華乃音が選んだのは防御が最低値、かつ機動力と遠距離攻撃に優れた機体。勝負はこの機体選択から既に始まっている。空に溶け込む迷彩カラーをオプションに選んで、いざ空へ。電子の空では、一機の戦闘機が華乃音を待っていた。パイロットは二子塚・たがや(追究者面・f04972)、こちらも準備は万端のようだった。
「……これもキマイラフューチャーに平穏を取り戻すため、確りクリアしていきましょう」
これは戦争、遊びであって遊びではない。たがやは――タガヤは、それをよく分かっている。
タガヤ機が先行する形で二機が戦闘エリアに突入する。現れるエネミーを発見次第撃墜し道中を進んでいく二機。華乃音は視認されにくい機体で忍び寄り、敵の動きは随時ハッキング、攻撃のタイミングや動きを見切り、一瞬の隙を突いてミサイルを滑り込ませていく。一方タガヤは縦横無尽な操縦で敵を振り回し、機銃で攪乱して隙を作る。
くるくると飛び回るタガヤ機が邪魔と判断したのか、敵機がタガヤを狙う。敵弾接近の警告音がけたたましくコックピットを満たした。
「これは、いけませんね」
前方の敵に攪乱のための攻撃を撃つと、タガヤはその着弾を見ぬうちに、回避のために機体を翻す。翼のすぐそばを、白煙を引いたミサイルがかすめるように飛んでいった。そのまま、混戦を離脱して再突入、先ほど攻撃してきた機体をしっかりと撃墜した。
道中の敵を片付け、機体の操作にも慣れてきた頃、頭が道路工事用品などになっている三人の怪人が現れた。その名も、交通トリオ。その怪人達に接近したのはタガヤ機のみ。後方には無限の蒼穹が広がっている。では、華乃音はどこに?
タイヤ怪人が無数のタイヤを投げて攻撃してくる、タガヤはそれを旋回して回避する。なおも連射されるタイヤ群にタガヤの機体が隠れる。代わってただ一つ、ミサイルが密集した敵弾の隙間をくぐり抜けて怪人に直撃する。
タイヤが消えていく空の彼方、距離にして十キロも離れた位置からの攻撃だった。青に溶け込んだ華乃音はユーベルコードの力を用い、その紫の瞳で正確に敵の攻撃の隙間を見極め、ミサイルを撃ち放っていたのだ。
「そんな遠くから、さすがですね。何かの裏技みたいです」
「ああ、充分にチートだよ」
だがそれがどうだというのだろう。華乃音の目と腕前があれば、当然の結果であったと言えるだろう。
「ではこちらも決着をつけます。ほら、余所見は禁物ですよ」
視界を覆わんばかりのタイヤ群が消えていく。それはボスの視界をも遮り、タガヤが機体を隠す死角を作り出していた。それが消滅し――タガヤの目の前には、残る二体の怪人がいる。一方通行怪人が看板を投げつけようとしてくる。だが。
「……もう遅いですけど」
タガヤの『弾幕』陰流星の方が早かった。弾幕で自ら視界を塞ぎ、タガヤの接近を許した怪人の敗北だ。
作り物の空に、気の抜けたCLEARの文字が躍る。ひとまず、この場は収まった。二機は翼を翻し、帰還していく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
伊藤・毅
「エネミータリホー、マスターアーム点火、D01エンゲイジ、さあ、本物についてこれるか?」
普段から乗っているJSFにて出撃
【操縦】技能を生かし【空中戦】を仕掛ける
ステルスによって【目立たない】ように長距離ミサイル【誘導弾】の【一斉発射】で【先制攻撃】、気が付かれる前に可能な限り数を減らす
距離を詰められたら短距離ミサイルとガンポッドで格闘戦、【カウンター】を駆使して、【零距離射撃】を当てる
敵の攻撃は【ハッキング】・ジャミングでかく乱しつつ、急旋回急加速を織り交ぜた【操縦】でかわす
常に周囲をセンサーで【情報収集】敵の情報を味方と共有し、奇襲を避ける
「D01,FOX2,FOX2」
アネット・レインフォール
▼心情
確かこの手の遊戯をアースでやった事があったな。
…何、コールサインを決めろ?
……マフラー付きでいいか。
▼行動
機体は攻守バランス型を選ぶが兵装には拘りたいな。
可能なら通常兵装に曲がるレーザーを積み、
ボム代わりに長いブレードを二本出せるような兵装を。
フッ…一番重要なのは、機体よりも良い兵装を選ぶ事だ。
一応、空中戦や騎乗は得意分野だ。
ピッチを傾けての回避やハイGターンを駆使しつつ確実に撃墜数を稼ぐ。
レーザーなら円を描くように回すだけで撃墜できそうだが、
近距離の敵にはブレードで一閃を。
装甲が硬ければ【霽月一刀】を上乗せしよう。
もし仲間が撃墜を成功させたらナイスキル等の通信でも
▼他
連携、アドリブ歓迎
居並ぶ兵装の中から、アネット・レインフォール(剣の教導者・f01254)はレーザーとブレードをチョイスした。戦闘機に積む代物ではないとはいえ、そこはゲームだ。舞台は変われど、剣豪たるアネットにはこの方がいい。
「フッ……一番重要なのは、機体よりも良い兵装を選ぶ事だ」
持論を口にしながら戦闘機に乗り込んだアネットは、早速人工の空を目指す。飛び立ってしばらくすると、僚機から通信が入った。
「こちらドラゴン01。貴機のコールサインは」
「コールサイン? ……じゃあ、マフラー付きで」
「了解、マフラー付き」
通信と共に、アネットの隣に並ぶ伊藤・毅(Nemo・f06702)。毅の職業はパイロット、即ち本職である。こういった機体の操作は慣れたものだ。そのまま編隊を組みしばし飛ぶ。レーダーの反応圏外、目視では空の中に黒点が見えるか見えないか。しかしいち早く気付いたのは毅だった。複数の機体……ボスの前座としての雑魚敵が、こちらに向かってきている。
「エネミータリホー、マスターアーム点火、D01エンゲイジ」
敵機発見、火器準備よし、ドラゴン01、交戦開始。それを告げると、毅は長距離ミサイルを発射。先制攻撃で空に花を咲かせる。
「さあ、本物についてこれるか?」
挑発するように言った毅の言葉は敵に向けられていたのだろう。しかしアネットは自分にも言われている気がして、操縦桿を強く握った。
「確かこの手の遊戯をアースでやった事があった。ついていって見せる」
記憶から攻略法を引きずり出し、急旋回を始めた毅を追って格闘戦を始める。
結論から言えば、それはもはや蹂躙であった。非現実とはいえ再現される重力の負荷をはねのけ、二人のパイロットは常人では耐えきれぬであろう機動で敵機を追い詰めていく。
機体を傾け急旋回しながら、アネットはレーザーを起動。ぐるりと小さく円を描いて、周辺の敵戦闘機を一気に空から追い落とす。レーザーを回避した機体は、その隙を狙っていた毅に食われ、叩き落とされていった。
「D01、FOX2、FOX2! ……敵機撃墜」
「ナイスキル、ドラゴン01」
毅のミサイル発射コールから程なくして、爆発音が聞こえてくる。かつての遊技でのやり取りの通り、味方機に通信を入れるアネット。その間にもレーザー照射を行い、素早く敵機を蒸発させていく。
もはや狩りと呼ぶのも生ぬるい一方的な殲滅の後、しばらくの静寂。再び編隊を組んだ二機の前に、怪人が現れた。これがいわゆるボス敵。撃墜すべき最後のエネミーだ。
「マフラー付き、敵の攻撃は自分が引きつける。その隙に敵機を撃墜せよ」
「了解」
「D01、バーナーオン、MAXパワー」
言うと同時に毅機はフルスロットルで前に出た。一方通行怪人が次々と看板を投げてくる。ミサイルアラートがけたたましく鳴り響き乗り手に危険を知らせる。だが毅はプロフェッショナル。この程度では動じない。
機首上げと同時に機体を横倒しにし、最高速度を保ったままぐるりと最小限の回転をかけ、バレルロールを行う。その回転の中心を赤い看板が通過、キャノピーの真上を通って遙か後方へと流れていく。ついで黒いタイヤが連続投擲される。再び悲鳴のようなアラートがコックピットに満ちるが、毅はひるむこと無く背面飛行へ移行、そのまま機首を上げて急降下を開始。位置エネルギーがスピードに変わり、重力により真っ赤に染まる視界に毅は耐える。帯の如きタイヤ攻撃は、止まること無く毅を追い続けている。
敵の目には、毅しか映っていない。アネットは敵の位置を確認すると、機体の進路を微調整し、アフターバーナーを点火。フルスピードの戦闘機は音速の壁を越え、ブレードを展開して怪人達へと突撃する。
「壱式・霽月一刀!」
切れ味に速度と剣気を上乗せしたアネットの剣が交通トリオをまとめて一刀両断。いかにオブリビオンとて超音速の刃を回避できるはずもなく、上半身と下半身とを泣き別れさせた怪人達は遙か彼方へと落ちていった。
再び静寂に包まれた空、これまでのゲーム展開に似つかわしくないポップな文字でクリアが告げられる。それを確認した二機は、機首を元来た方角へ向けた。
「任務完了、RTB」
全てを終えた二機は帰投を宣言。怪人も猟兵も去った作られた空には、風と雲だけが残されていた。
成功
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