花畑を手入れするエルフの子供達
●
アックス&ウィザーズの地にあるという「群竜大陸」。
その場所は、帝竜ヴァルギリオスと共に蘇ったと言われているのだが、現状その所在は一切つかめていない。
帝竜が銀河皇帝やドン・フリーダムのようなオブリビオン・フォーミュラだとするなら、大陸の発見は必須だ。
この為、猟兵達は事件を解決しながらも、かつて群竜大陸に渡ったと伝えられる「勇者の一行」の痕跡を探している状況である。
●
グリモアベース。
たくさんのグリモア猟兵達が自らの予知した事件を語る中、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が猟兵達へと呼びかける。
「良ければ、ちょっとだけ調べてもらえないかなと思って」
急を要する討伐依頼というわけではないのだが、後を考えれば少しでも情報がほしい。そういった類の依頼だ。
とはいえ、手数が欲しい状況には変わりないので、セレインもできるなら参加してほしいと話す。
話を聞く態勢に入ってくれた猟兵達に、セレインは感謝しつつも説明を開始する。
「とある地域の森のそばに、勇者の一行が立ち寄ったという花畑があるの」
そこはかつて、色とりどりの花々が咲く素敵な観光スポットだったとのこと。
とある勇者一行がエルフの少女の想いに応え、撒いた種が芽吹いて花を咲かせたという言い伝えが残るその場所。
しかし、最近はオブリビオンが現れるようになり、その場所を通りかかった冒険者達がオブリビオンと交戦することも起こるようになっていた。
「ただ、あまりに回数が重なって、戦いによってその花畑は見る影もなく荒れてしまったの」
近場の森に住むエルフの子供達が花畑の手入れを行っているが、なかなか元のようにたくさんの花々が花を咲かせるようにはならないようだ。
それもあって、子供達はいつも悲しげに畑の土をいじり、水をあげているのだという。
「彼らは両親などから、花畑や勇者達の話を聞いていると思うの」
花畑を修復しながら彼らを慰め、親から伝え聞く勇者達の話を聞くといいだろう。
また、エルフ達と仲良くなることで、何か別の事実もわかるかもしれない。
別の問題があれば助けてあげたい。そこにオブリビオンの影があるならなおさらだ。
「エルフ達が抱える問題解決の為、力を貸してあげて」
改めて、この依頼の参加をと、セレインは猟兵達へと願うのだった。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
アックス&ウィザーズにあるという「群竜大陸」。
それを発見する為、「勇者の一行」の痕跡を探したいのが現状です。
今回の依頼で、その一端を見ることができるかもしれません。
こちらのシナリオでは、
第1章は、戦いの影響によって荒れたお花畑をできるだけ戻してください。
第2章は、花畑の近場にある森からいなくなった動物達。その原因究明を願います。
第3章は、今回の黒幕となる者達との集団戦に臨んでいただきますよう願います。
まずは、勇者の一行が訪れ、花畑となった地が戦いによって在れてしまっています。
現地のエルフの子供達と協力して、畑を耕しつつ苗を植えてあげてくださいね。
章間はプレイングの幅を広げる為の情報を加筆しますので(前章終了から半日以内を目途に)、そちらが確認できましてからプレイングを手掛けていただければ幸いです。
シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 日常
『お花畑をもう一度』
|
POW : 種と肥料と土と水!ごめんお花は来年まで待って!
SPD : 苗や株を丁寧に植え付けます。知識と注意が必要です。
WIZ : 不思議な力で促成栽培。インスタントに春爛漫。
👑5
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ジン・ロシュモフ
●動機・心情:荒れた花畑、か……このまま花を植えたりしても土地が荒れてたら咲くのは難しいのかな。まずは土を回復させよう。戦いの後だから何かゴミみたいなのも埋まったりしてそうだしな。
●行動:「苗や株を植えるにしても、まずは土が良くないとな……」
農具を借りて花畑を掘り起こし、戦いで残されたりしたゴミを【怪力】や【リフト】で片づけていく。
その後、改めて花畑を耕し、土を少しでも肥沃にできるように肥料や水を撒いていく。
「そういえば、この花畑が元気だった頃のお話って、誰かお父さんや母さんから聞いている人、いるかい?」
作業をしながら、休憩しながらエルフ達と話をしていこう。
少しでも彼らが元気になるように。
フィーユ・エバーラスト
■POW
【磁操奏】を駆使して一度に大量に物資を運ぶ
「申し訳ないが、育て方に関しては門外漢でね。その分、力仕事なら任せてくれ。便利な技も持っているしね」
そうだ、と何か思いついたよう
「焼畑農業というものがるそうじゃないか。ここら一帯を焦土に変えることなら出来るんだが、どうだろう?……すまない、冗談だよ。そう怒らないで欲しいな」
ばつの悪そうな顔をして謝る
■
「しかし、なんでここの花畑にこだわるんだい?
もっと安全な場所や、土壌のいい土地で育てるという手もあるだろうに
この花畑でなければならない理由があったりするのかな?」
と、子供たちに尋ねる
●
アックス&ウィザーズ某所。
森のそばにあるその花畑はかつて、色とりどりの花々が咲く素敵な観光スポットだったはずなのだが……。
悲しいかな、度重なる戦いに巻き込まれたこの場所。
土はひび割れ、あちらこちらに雑草が生えるだけという無残な場所になり果てていた。
「荒れた花畑、か……」
そこで、悲しそうにエルフの子供達が手入れしている光景を見たアフロ頭の巨人レスラー、ジン・ロシュモフ(心優しき巨人・f18884)が花畑と称される荒地を見回す。
子供達は花の種を撒き、運んできた水を与えていたようだったが、花畑が生き返るようにはとても思えない。
「このまま花を植えたりしても、土地が荒れてたら咲くのは難しいのかな」
ならば、まずは土の回復を。
戦いの後だから、土の中にゴミのようなものも埋まっているかもしれない。
そう考えたジンは彼らの為、花畑の為に、一肌脱ぐことにしたのだった。
●
この場で花畑を手入れするエルフの子供達へと、ジンが近づく。
「苗や株を植えるにしても、まずは土が良くないとな……」
「でっかい……」
「巨人さんだ!」
驚く子供達に、ジンは農具を借りるようにと頼む。
その為、一度彼はエルフ達の里へとお邪魔してから農具を借りるのだが、バイオモンスターである彼の大きさだと些か小さかったようである。
それでも、ジンはこの場の花畑を掘り起こしていき、武器や防具の欠片などを丁寧に取り除いていく。
日に焼けた彼の肌はこの場で作業すると、実に絵になる。
エルフ達も花畑の巨人だと、新たな伝承を生み出してしまいそうな勢いだ。
そこへ、やってきたのは、青髪のエルフの少女、フィーユ・エバーラスト(銀帝・f01873)だ。
「エルフのおねーさんがきた!」
「すごくきれい……」
同じエルフがやってきたとあって、子供達も期待の眼差しで彼女を見つめていたのだが……。
「申し訳ないが、育て方に関しては門外漢でね」
その分、力仕事なら任せてくれと、フィーユは胸を張る。
見えない電磁力を付与する雷撃を放つことで、フィーユはジンが掘り起こしたゴミを運んでいく。
「その雷はすごいな」
ジンもまた、自らの怪力やユーベルコード【リフト】を使い、この場のゴミを片づけていたのだが、自分の半分程度と小柄なフィーユの力に驚いていたようだ。
そこで、そのフィーユがそうだと何かを思いついて。
「焼畑農業というものがあるそうじゃないか」
ここら一帯を焦土に変えることができるが、どうだろうとこの場の全員に告げるのだが、さすがに森で育つエルフ達にする提案としてはあまりに乱暴すぎたようだ。
「こわすのやだ!!」
「勇者様のお花畑を壊しちゃ、だめー!」
子供達に怒られ、流石のフィーユも平謝り。
「……すまない、冗談だよ。そう怒らないで欲しいな」
バツの悪そうな顔をして謝るフィーユの姿に、ジンは苦笑して。
「さすがにブラックジョークが過ぎたな」
幾多の戦場を駆ける銀帝も、エルフの子供達の前では形無しだったようだ。
●
なんとか彼らは花畑の土壌を再生に当たる。
子供達と協力しながら、彼らは他の場所から土を運び、皆で少しずつ耕していく。
「しかし、なんでここの花畑にこだわるんだい?」
フィーユが尋ねると、ちょっとだけむくれたような顔をする子供達。作業するだけでは子供達の機嫌を取るのは難しいようだ。
とはいえ、幾度も戦場になるこの場所で、わざわざ花畑を造るというのは確かに手間になりそうな感もある。
フィーユが言うように、もっと安全な場所や土壌のいい土地で花々を育ててもよかっただろう。
「この花畑でなければならない理由があったりするのかな?」
「……勇者様がね。この花畑が森を護ってくれるって」
そんな子供達の話に、ジンも興味を持って。
「花畑が元気だった頃の話かな。お父さんやお母さんから聞いたのかい?」
作業の手を止めず、ジンが尋ねると、子供達が嬉しそうにうんと頷く。
「お父さんやお母さんも、ここでお花の手入れしてたって」
子供達はすっかりジンになついており、彼の質問にはすぐ応じていた。
季節によって様々な花が咲き、この場を通りかかる数々の勇者達の荒みかける心を癒やしていたそうである。
「まいったな……」
結局、自分の質問が流されてしまったフィーユは少しばかり肩身の狭い思いをしつつ、挽回の為の機会を探していたようだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アルフェニア・ベルメル
素敵な言い伝えが残る花畑なのですね
少しでも力になれれば良いのですが…
『自然と共に在る者』で、故郷の森の精霊達を呼びますね
まず悲しげな子供達に、少しでも元気を取り戻して貰うため、花の精霊達の出番です
『メルル』の指示のもと、皆でまだ残っていた花を元気にしてあげます
そして失われた場所には、新たな花を植える手助けを
種や苗、植える土、与える水や肥料などに、対応する属性の精霊達が力を分け与えることで、より元気に育ってくれるはずです
あと私も精霊達も森育ちなので、暮らしてる森で困ってることがあるのなら相談に乗れるかな、と
えっと、子供達とは年齢近いですし、人見知りでも、慣れやすい…はずです
アドリブ・連携等歓迎
アテナ・アイリス
エルフ達が困っているなら、同族のわたしが助けなくてどうするのよ。
UC「エレメンタルマスター」を使って、植物の妖精王であるエントを呼び出すわ。
仲間が、畑の土いじりや水をあげた後で、エントからドライアード達に植物成長促進を依頼させる。
そうすれば、あっというまに元の花畑に戻るはずよ。
そのあとに、エルフ達に森で変わった事に気づかなかったか聞いて回るわ。
「古の誓いにより応じ、植物の精霊王よ、ここに来て!」
「この花々を元に戻したいの?できるかしら。」
「うわー、こんなにきれいだったのね。」
「森で変わったものを見なかったかしら。些細な事でも言いの。」
アドリブ・連携好きです。
リリスフィア・スターライト
優しく女性らしい人格のフィアとなって
苗や株を丁寧に植え付けますね。
人手は多い方がいいですしオルタナティブ・ダブルで
分身を呼び出して共同作業で植え付けを進めていきますね。
丁寧に進めつつ疲れたら休憩する事も大事ですね。
エルフの子供達とも優しく接して励ましたり
おやつをあげたりして花畑と一緒に元気になって欲しいです。
「戦いで犠牲になるのは人や生き物だけではないのですね」
「無理してもお花も喜びませんし、一緒にクッキーを食べて紅茶を飲みませんか?」
ジズルズィーク・ジグルリズリィ
POW判定*アドリブ歓迎
新緑、尽力。ジズは同じ自然を愛するエルフとして、修復に協力するのです。
肥料と土と水、せっせと運び満開を【祈り】ましょう
土いじりついでに、エルフの方々と雑談できればよいのです。
あら?
はて。
どうしました。もしかして、この大きな得物についてですか? お気になさらずです。敵意は皆無です。
はて。
困惑、当惑。ジズは向けられる視線に疑問を隠しきれません
恐怖、侮蔑?それとも忌避、敵意?
どうやらジズにできる問題解決は、別の手段となるようです。すなわち根本的な解決ですね。
では、勇者さんの話も、ヒアリングは他の皆様にお任せしますですよ
リヴェンティア・モーヴェマーレ
▼アドリブ&他の方との絡み
大歓迎!
もり盛りのモリOK
▼【SPD】
枯れ木に花を咲かせましょ~♪
戦いをしている時って、足元にある花なんて見る余裕ないですものネ…少し寂しいですガ…私も気を付けているとは言い切れないノデせめてこうやって戻すお手伝いをする事で償わせて貰えたら嬉しい気持ち…
(少し申し訳なさそうに、自分と一緒に居る小動物達やエルフのお子さんたちと一緒に事前に色々勉強しておき丁寧に大切に苗を植えていきマス)
小動物達は各自役割分担でせっせとお手伝いしてくれます(かわいい)
苗を持って来る係、植え込む係、土をかぶせる係、お水をあげる係なんかに分類されてちょこちょこ頑張る(かわいい)
●
土の入れ替えが終わった花畑へと、新たな猟兵達がやってくる。
「戦いで犠牲になるのは、人や生き物だけではないのですね」
話を聞き、荒れた花畑の修復の為、やってきたリリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)。
多重人格者の彼女は今回行うことが花畑の手入れとあって、優しく女性らしい人格フィアとしてこの場に現れている。
人格が入れ替わる度に見た目も変わるようで、現状リリスフィアは白髪ツインテールの容姿となっていた。
後続でやってくる猟兵には、エルフも多い。
「素敵な言い伝えが残る花畑なのですね」
勇者の伝承の残る花畑と聞き、白銀の髪、澄んだ水色の瞳のアルフェニア・ベルメル(揺蕩う泡沫の小花・f07056)は、その修復の為に少しでも力になりたいと考えてやってきていた。
続き、アンダーポニーテールの美女、アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)は姿を現して。
「エルフ達が困っているなら、同族のわたしが助けなくてどうするのよ」
「……お花畑、生き返る?」
「ええ、任せなさい」
自信に満ち溢れた表情のアテナに、子供達も期待を寄せていたようだった。
●
改めて、畑の土壌は先にいたメンバー達が作ってくれている。
後続としてやってきたメンバーはこの土を活かし、実際に花の種や苗を植えていく。
「ほとんど草花が残ってないのですね……」
エルフの子供達が心配そうな眼差しを見つめてくるのを、アルフェニアは感じて。
「契約と絆の証を此処に……力を貸してね、皆」
虚空を見上げたアルフェニアが呼びかけを行うと、この場に彼女の故郷の森に住まう精霊達を呼び寄せる。
「メルル、よろしくね」
穏やかでおっとりした花の精霊『メルル』が小さく頷き、すでに耕された畑へと新たな花を植える為の手助けをしてくれる。
メルルは水の精霊『サリア』と木の精霊『リーン』と協力し、土に肥料と水を与え、さらに種や苗を丁寧に植えていく。
その際、精霊達はこの花畑へと活力を分け与えてくれていた。
みるみるうちに畑が元気になっているのを、目にしていたアルフェニアは実感する。
その畑へと、リリスフィアは用意された苗、株を丁寧に植えつけていく。
「人手は多い方がいいですし……」
彼女はそこでユーベルコード『オルタナティブ・ダブル』を使い、もう一人の自分を呼び寄せる。
その容姿は金髪碧眼。こちらが主人格である『リリスフィア』本人だ。
「ん、花を植えればいいのね」
「ええ、頑張りましょう」
2人は共同作業で植え付けを進めていく。
そこへさらに、別の猟兵がやってくる。
「新緑、尽力。ジズは同じ自然を愛するエルフとして、修復に協力するのです」
語り出しに熟語を呟くフシのある大胆な衣装で自らの素肌を晒す、ジズルズィーク・ジグルリズリィ(虚無恬淡・f10389)。
彼女もエルフではあるのだが、大きく露出した肌は黒ずんでいる。
ジズルズィークは早速、手が回らぬ場所へと肥料、土、水をせっせと運んでいく。
その際、彼女は花々が満開になるようにと祈りも捧げる。こんなナリだが、ジズルズィークは元聖者なのだ。
そんな彼女、良くも悪くもエルフの子供達に注目されてしまう。
「あら? はて。どうしました」
子供達が気にするのは、ジズルズィークが背に担いでいる大きな獲物だろう。
それは特徴的なフォルムをした鎖付きの槌だ。
「お気になさらずです。敵意は皆無です」
子供というのは素直で、直情的な反応を示す。
余りにも大きいそのヘッドを持つハンマーは、子供達を怯えさせるには十分なようだった。
さらに、蒼く長い髪を三つ編みにしたリヴェンティア・モーヴェマーレ(ポン子2 Ver.4・f00299)がやってきて。
「枯れ木に花を咲かせましょ~♪」
普段、戦いの中に身を置く彼女も、足元にある花を見る余裕はないと思い返す。
「少し寂しいですガ……」
リヴェンティアも気を付けているとは言い切れず、せめてこうして元に戻す手伝いをすることで償わせてもらえたら、嬉しい気持ち、とのこと。
早速、畑に手を入れ始めるリヴェンティア。
小柄なリヴェンティアの周囲であちらこちら動いていたのは、3匹のハムスターに、チンチラ、ハリネズミにフェレットと、もこもこした容姿で両手に乗る程度の大きさの小動物達。
それらは苗の運搬、植え込み、土をかぶせる、お水をあげるなど、役割分担をしてちょこちょこと頑張ってくれる。
「わ、かわいい!」
「おいで、おいで! ……よしよし、いいこいいこ!」
そんなリヴェンティアと小動物に、エルフの子供達も好感を抱いていたようだ。
そして、仲間達がある程度、種や苗を畑に植えたところで、アテナが動く。
「古の誓いにより応じ、植物の精霊王よ、ここに来て!」
アテナがユーベルコードで呼び寄せたのは、植物の妖精王エントだ。
エントは木の精霊であるドライアード達へと、植物成長促進を依頼させる。
そして、植えた苗はあっという間に成長していく。
全てではなかったが、成長した植物の中には綺麗な花を咲かせていたもの。
「うわ……」
「すっごーい!!」
あっという間に蘇る花畑に、子供達も目を丸くしてしまう。
「うわー、こんなにきれいだったのね」
思わず声を上げるアテナだが、それでも、満開とは言えない花畑。
勇者達が往来していた時代は、どれほど目を引く場所だったのだろうと、皆考えずにはいられないのだった。
●
花畑の再生はある程度完了し、猟兵としては仕事の大半を終えたわけだが、エルフの子供達としては花が咲いたから終わりというわけではない。
おそらく、子供達はこの後もずっと、猟兵達がいなくなってからも花畑に手を加えていくのだろう。
折角、再生した花畑。
エルフの子供達もその手入れに力が入ろうというものだ。
そんな中、ジズルズィークのハンマーに視線が集まって。
「困惑、当惑。ジズは向けられる視線に疑問を隠しきれません」
――恐怖、侮蔑? それとも、忌避、敵意?
ジズルズィークはなぜ子供達が奇異の視線を向けているのかが理解できず。
「どうやら、ジズにできる問題解決は、別の手段となるようです。すなわち根本的な解決ですね」
勇者の話も、ヒアリングも、他の猟兵にお任せしますと、ジズルズィークは一旦子供達から距離を取っていた。
子供達は楽しそうに花々の手入れを進めるものの、少しずつ疲れが見え始めたことをリリスフィアは察して。
「無理してもお花も喜びませんし、一緒にクッキーを食べて紅茶を飲みませんか?」
おやつを差し出し、リリスフィアは休憩することを提案する。
「うわあっ、ありがとう」
「いただきまーす!」
すっかりお腹ペコペコになっていた子供達は、リリスフィアの差し出したクッキーを喜んでパクパクと食べ始めていた。
そんな彼らにリヴェンティアが頬を緩め、アルフェニアも微笑ましげにしながらも、彼らの住む森の方を見て。
「良ければ、他に力になれる事があったら、言ってくださいね」
アルフェニアもまだ13歳。子供達と近しい立ち位置で相談に乗ることができると話す。
「そうね、例えば……。森で変わったものを見なかったかしら。些細な事でも言いの」
アテナもまた、エルフ達に親身になって話すと、子供達も少しだけ懸念したことがあったようで。
「どうぶつたちが……」
「最近、森から動物が逃げ出すことがあって」
それを聞いた猟兵達は、子供達から詳しく事情を聴くことにしたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 冒険
『逃げ出す動物たち』
|
POW : 大胆に調査
SPD : 慎重に調査
WIZ : アイテムや技能を活用
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
勇者の伝承が残る花畑。
猟兵達はエルフの子供達と共に、完全とは言えなくともちらほらと花々が咲くくらいにまで修復してみせた。
その作業の合間に休憩を取る猟兵達は子供達から、勇者の伝承について聞く。
元々、この地は『群竜大陸』へ向かう途中、通りかかる場所だった。
その為、大陸からやってくるオブリビオンと、大陸に向かう勇者達とが交戦を繰り広げる場所であり、森にも戦火が及んでいたという。
そんな中、この地を訪れた勇者へと1人の少女が願ったという。
――どうか、戦いが終わりますように。
少女の想いが叶うようにと、勇者達はたまたま持っていた花の種をこの地へと撒いて。
――この花が咲く頃には、戦いが終わるといいね。
勇者達はそう告げ、大陸に向けて旅立っていく。
やがて、この地はその花がさらなる種を生み、新しい花が育ち、たくさんの花が咲く畑となった。
多くの勇者達がこの地を訪れ、この地を護ってくれたことで、森に住むエルフ達もモンスター達から守ってもらえていたのだとか。
モンスター達の意識も花畑に向き、森から意識が逸れていた部分も少なくない。
だからこそ、エルフ達はこの地の花畑を管理し、色とりどりの花を揃えて育ててきた……という話がある。
最近はもっぱら子供達の役割となっていたのだが……、オブリビオンの活性化に伴って戦いが激しくなり、花畑を護れなくなってきてしまったらしい。
そんな花畑が荒れ果てた影響だろうか。
「どうぶつたち、どっかいっちゃったの」
最近、動物が森から逃げ出しているのだとエルフの子供達は話す。
この場にいる猟兵達は、興味深そうにその話へと聞き入る。
「鹿さん、お猿さん、小鳥さん……どこ行っちゃったんだろうね」
森に住まうエルフ達は緑と合わせ、動物達と共にある。
だが、そんな動物達が何か危機を察して、森から姿を消しているのだという。
森のどこかに、何かかしらの脅威が出現したと考えるのが自然だが……。
エルフ達がまだ気づいてないところを見ると、森の反対側、まだ距離がある場所で何かが起こっていると考えられる。
その脅威が何なのかを探ることとなるが、大きく3種に方法は分けられる。
まず、敵に恐れを抱かず、堂々と正面から確認する方法。
敵に逃げられる可能性もあれば、逆に襲われる可能性もある。対処法もある程度想定しておく必要があるだろう。
次に、慎重に捜査する方法。
ユーベルコードを使うなどして、脅威が何なのかを探る。できるだけ相手に気づかれないよう立ち回るのが望ましいだろう。
最後に、アイテムや技能を使う方法。
他2つと方法が被る部分もあるが、森の中だからこそ、出来る手段もあるだろう。ここぞと鍛えた技能や用意したアイテムを使うチャンスだ。
再び、不安の色を濃くするエルフの子供達。
彼らに大丈夫と優しく声をかけ、猟兵達は何かが起きている森へと踏み込んでいくのである。
アルフェニア・ベルメル
えっと、一先ず、森の中の調査なら、力になれそうかな……?
引き続き『自然と共に在る者』で呼んだ精霊達に協力して貰います。
【情報収集】を持つ、皆のまとめ役『サリア』の指揮で、森での活動に慣れた精霊達が調査に出発。
まだ脅威は分かりませんし、慎重に、安全第一、ですよ。
主に、風の精霊達は上空から、植物や土の精霊達は、動物が移動した痕跡から、脅威の位置や方向を推測。
動物と遭遇時は、『メルル』の技能で情報を得られるかな。
あと、この森にも精霊が居るなら、この森のお話を聞いてみたいです。
そして、集めてくれた情報は他の皆さんとも共有します。
むしろ、私の役割って、こっちが重要……?
うまく伝えられるでしょうか……。
ジン・ロシュモフ
●動機・心情:森から動物たちが逃げ出している……か。オラは難しいことは分からないけど、単純に考えれば皆の予想の通り、動物が逃げなければならない何かの脅威があるってことだろうな……森の中を歩いて調べてみるか。
●行動
「とにかく森の反対側まで行ってみよう。その道中に何か『動物が逃げた跡以外の痕跡』があるといんだけど」
オラはこの体だ…隠れることができないなら、せめて堂々と歩いて敵の注意を引いて他の皆が動きやすいようにしよう。できれば何がしかの痕跡も見つけたいな。
もし敵に襲われたら、無理はせずに【スーパージャスティス】を発動してしばらく耐え、その後飛行して退避。仲間に情報を持ち帰ることを最優先にする。
フィーユ・エバーラスト
■WIZ
木々の上を器用に駆ける
エルフとして育む者より、狩る者の方が、やはり性に合っている
【鱗界雷】の範囲を極限まで広げて探索
範囲内の生物の持つ電気信号を捉え、位置を把握する
特別大きい物、異様に密集してる物
あるいは……他の動物たちと違って大きく移動していない物
それらが探し物の可能性が高いだろう
(「ま、生き物であれば……だけどね」)
僅かでも電気を持たないのであれば捉えられないが、この世界ならそうそういないだろう
それに、ちょっとした冗談のつもりだったが、いつまでも怖いお姉さんと思われるのは不本意だ
「さて、名誉挽回といこう」
リリスフィア・スターライト
今度は強気な性格のリリスとなって、バディペットで飼い猫のリンフォースと一緒に動物たちが逃げ出した原因を調査するわ。好奇心旺盛な可愛らしい銀猫ね。
エレクトロレギオンも呼び出して周囲を偵察させ、何か見つけたたら、こっちにきてもらうようにするわ。
リンフォースにも動物の勘で危険な存在が近くにいたら教えてもらうようにかしら。
異変を感じたら仲間に知らせて、自身も剣で応戦できるよう戦闘体勢をとるわ。
「何かあったらすぐ知らせるのよ。 」
「怖かったら私のそばに隠れるのよ」
ジズルズィーク・ジグルリズリィ
WIZ判定*アドリブ歓迎
慎重、調進。ジズは、昂ぶる心を静めつつ使命を果たします
お味方の調査結果と、自身の持つ情報を照合し【変装】します。
自らの心中の【傷口をえぐる】ほどにしっかりと思い出し
過去の自分を再現いたしますです。
制裁、精細。ジズにとっては善哉です
誤ちを信じていた過ちを正す機会を、得られるのですから
エルフの問題は、特に身から出た錆ですから、この手で解決しなければ
改めて覚悟を決めて、情報収集につとめます
アテナ・アイリス
森の中は仲間たちに任せて、ユーベルコードと文明の利器を組み合わせて、捜索を開始するわよ。
【ディバイン・フェザー】をつかい、空に舞い上がり、見つからないように空中に高く飛び、双眼鏡をつかって、
森の内外の怪しい場所を探し回る。
上からしかわからないこともあるはずよ。それを見つけたら、仲間たちに知らせに行くわね。
もし、敵に襲われているのを見つけたら、最優先で援護に向かうわね。上空から弓で【援護射撃】をするわ。
「わたしは上空から探してみるわ。なにかあったら知らせに来るわね。」
「これだけ高いところなら、見つからないでしょう。」
「なにか変わったものは、見えないかしらね?」
アドリブ・連携好きです。
●
猟兵達が花畑の修復作業の合間に、エルフの子供達から聞いた話によると……。
「どうぶつたち、どっかいっちゃったの」
「鹿さん、お猿さん、小鳥さん……どこ行っちゃったんだろうね」
何か森で異変が起きているという話に対し、彼らはあれこれと考えを巡らす。
「森から動物たちが逃げ出している……か」
身長2.5mほどもある巨人プロレスラー、ジン・ロシュモフ(心優しき花畑の巨人・f18884)には正直、難しいことはわからない。
ただ、単純に考えれば皆の予想通り、動物が逃げなければならない何かの脅威が森のどこかにあるのだろうとジンは考えて。
「……森の中を歩いて調べてみるか」
「えっと、一先ず、森の中の調査なら、力になれそうかな……?」
全身、淡い色彩の印象を抱かせるエルフ、アルフェニア・ベルメル(揺蕩う泡沫の小花・f07056)。
気弱なアルフェニアだが、慣れた森の中での依頼に自信があるからと名乗りを上げる。
他メンバー達も続々と調査の参加を決めていた。
多重人格者であるリリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)は、人格によって姿も変わる。
今は強気なリリスが前に出ており、薄紫の髪をポニーテールにしていたリリスフィアはバディペットで飼い猫である好奇心旺盛で可愛い銀猫、リンフォースを連れて。
「何かあったら、すぐ知らせるのよ」
それに、つぶらな瞳の猫は「にゃー」と一声鳴いて応えていた。
一方で、森の中は仲間達と考え、今回の猟兵で年長なこともあってか、アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)はお姉さんらしく仲間達の主張を聞いて。
「わたしは上空から探してみるわ。なにかあったら知らせに来るわね」
アテナは聖なる青白き光で全身を覆って飛び上がり、森を俯瞰して調査に当たるようだ。
そして、青髪のエルフ、フィーユ・エバーラスト(銀帝・f01873)は一言残して木々の上へと飛び乗り、器用に駆けていく。
「さて、名誉挽回といこう」
先程の子供達とのやり取りは冗談のつもりだったのだが……、いつまでも怖いお姉さんと思われるのは、彼女にとっても不本意だったらしい。
同じく、色黒な肌のエルフ、ジズルズィーク・ジグルリズリィ(虚無恬淡・f10389)。
子供達といい関係を築けなかったジズルズィークだが、それにはあまり気に掛ける様子はない。
「慎重、調進。ジズは昂ぶる心を静めつつ、使命を果たします」
何か別に思うことがあった彼女は、原因究明の為に仲間と共に森へと踏み入るのだった。
●
森の中では、猟兵達は散開して異常の調査に当たる。
仲間達が先へと進む中、アルフェニアは森の入り口付近で立ち止まって。
「契約と絆の証を此処に……力を貸してね、皆」
アルフェニアは先ほど、畑仕事をしていた際に呼び出した精霊達をこの場でも呼び出す。
「サリア、まとめ役よろしくね」
アルフェニアが呼びかけに応じた精霊達は森での活動に慣れているのか、初めて訪れた場所であっても苦も無く飛び回る。
「まだ脅威は分かりませんし、慎重に、安全第一、ですよ」
精霊達も役割分担を行い、風の精霊は森の上空から、植物や土の精霊達は動物が移動した痕跡をたどり、脅威の位置、方向を推測してくれていた。
上空高くには、青白い光に包まれたアテナの姿がある。
「これだけ高いところなら、見つからないでしょう」
相手に見つからないことも考え、アテナは敢えて高所まで飛び上がっていた。
「なにか変わったものは、見えないかしらね?」
そして、アテナは文明の利器である『双眼鏡』を使って森を見下ろし、内外の怪しい場所を探し回る。
上からしか分からないこともあると考えるアテナは捜索の為、森を隅々まで見て回る。
再び、森の中へと視線を戻すと、森に慣れたフィーユが木々の枝から枝へと飛び乗り、直接自身で調査していた。
(「エルフとして育む者より、狩る者の方が、やはり性に合っている」)
見えない電磁力を付与する雷撃……【鱗界雷】を放つフィーユは、その範囲を極限にまで広げてから探索する。
範囲内の生物の持つ電気信号を捉え、その位置を把握していたのだ。
(「これが……彼らの村かな」)
多数のエルフ達が集まる場所を感じ取るフィーユ。
現状、他の動物らしき存在は感じ取れないが、彼女が探していたものは動物達ではない。
――特別大きい物、異様に密集している物、あるいは……他の動物たちと違って大きく移動していない物。
それらが探し物である可能性が高いと、フィーユは踏んでいた。
(「ま、生き物であれば……だけどね」)
もし、僅かでも電気を持たないモノが捜索物であれば、フィーユのこのユーベルコードでは捉えられない。
だが、アックス&ウィザーズでそういったモノはそうそういないだろうとフィーユは推測していた。
頭上を飛び回って電撃を放つフィーユの下では、リリスフィアが200体余りの小型の戦闘用機械兵器【エレクトロレギオン】を呼び出し、周囲を偵察させていく。
何かを見つけたのであれば、こちらへと報告に来てくれるはずだ。
また、同時にリリスフィアは、銀猫リンフォースに地面を歩かせる。
「怖かったら、私のそばに隠れるのよ」
そうして、動物の勘でリンフォースが何か察すれば……。
てくてくと地面を走り、リリスフィアの元へと飛び込んでくる。
何か大きな生き物がこちらへと近づいてきていたのだ。
身構えるリリスフィア。近づいてくる相手に、緊張感が走る……。
木々や草をかき分け、近づいてきたのは……ガタイのいい体に日に焼けた身体。アフロ頭に赤いバンダナの大男。
「おっと、驚かせてしまったな」
現れたジンはこれだけの巨体を隠すことなどできない為、せめて堂々と歩いて敵の注意を引けないかと考えて森を歩いていた。
「森の反対側を目指したつもりだったんだけど、道中で動物が逃げた跡以外の痕跡を追っていたんだ」
どうやら、複数の人らしき足跡。大きさも成人のエルフと同じくらいに感じさせる。
また、ジンによれば、明らかに人造物と思われるモノが通りかかっていたとのこと。
どうやら、それによって、動物たちは逃げ出した可能性がある。
「納得、両得。ジズはこの事態を把握しました」
そこへと通りかかったのは、ジズルズィークだ。
彼女はこの場の仲間達の話を聞き、ある程度森に現れた脅威について当たりをつけていたようだ。
「制裁、精細。ジズにとっては善哉です」
自らの心中、傷口を抉るほどにジズルズィークは深く記憶をたどる。
そして、しっかりと思い出した彼女は、過去の自分を再現する。
それは、かつて聖女だった時の自分。紫と赤を基調とした巫女服だろうか。
「……誤ちを信じていた過ちを正す機会を、得られるのですから」
エルフの問題は特に、身から出た錆なのだと、ジズルズィークは語る。
――この手で解決しなければ。
ジズルズィークの確信めいた言葉を聞きつつ、この場のメンバー達はジンの追っていた足跡を追っていくのである。
●
いち早く、メンバーの中でそれに近づいていたのは、アルフェニアだった。
彼女は『メルル』を始め、森の精霊達に事情を聴いていた。
「木を使ったゴーレムに、有害物質……」
精霊から耳にした話はひどいものだった。
それらは森を破壊し、有害物質を撒き散らし、森を破壊しようとしていたのだという。
どうなるのかと不安がっていた森の精霊達を、アルフェニアは目にして。
「……あちらですね」
状況はアルフェニアもある程度把握した。脅威となる者の存在も。
しかしながら、人見知りであるアルフェニアは、この事実を仲間達へと伝達できるかどうかも大きな問題だったようだ。
木々を飛び回っていたフィーユ。
彼女は電気信号によって、それらがいる場所を特定して近づいていた。
「っと、もう皆も気づいていたようだね」
その場では、すでに交戦が始まっているように見えた。
だが、この場の猟兵達は無理をせず、相手の情報を得るだけにとどめ、様子を探っていた。
ただ、やはりジンの存在は目立つ。
猟兵達はすぐにその脅威達に気づかれてしまったようだ。
リリスフィアは銀猫を下げさせ、魔剣を使って応戦する。
目の前にいたのは、木を元に作られたゴーレム。
――灰は灰に、倒木は下僕に。
それに乗った何かの指示で、ゴーレムは力を発揮して拳を叩きつけてくる。
――塵は塵に、百獣は四肢に。
そいつらは体の一部を獣へと変化させ、攻撃を仕掛けてきた。
見たことのないような生物の特徴を備えつつ、その脅威達は猟兵らへと襲い来る。
「大丈夫だ。少しなら持ちこたえられる」
黄金のオーラを纏い、この場を耐えるジン。
アテナも上空から飛来して『セレーネの白弓』を引き、仲間達が離脱する隙を作る。
「早く逃げるのよ」
アテナの呼びかけを聞き、逃げるメンバーへとその脅威達は有害物質を飛ばしてきた。
――土は土に、山拝は産廃に。
敵は猟兵達へとそれらを浴びせかけるよりは、敢えて森に撒いているようにも見える。
おそらくは、自分達の力を高める為の土壌を作っているのだろう。
逃げる猟兵達を、脅威どもも追ってはこない。
だが、ジズルズィークは自分と同じ格好をしたそれらの集団と、再び対することを誓う。
「当然、必然、ジズは倒しに戻ってきます」
森に現れた脅威は、ジズルズィークと同じ髪と肌の色、そして同じ衣服を着用したエルフ達。
邪悪な教義に取り憑かれたあげく、オブリビオンへとなり果てた『邪悪エルフ』達の群れなのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 集団戦
『邪悪エルフ』
|
POW : 灰は灰に、倒木は下僕に
自身の身長の2倍の【伐採した木々を体素材としたゴーレム】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
SPD : 塵は塵に、百獣は四肢に
自身の身体部位ひとつを【自身が絶滅させた希少生物】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 土は土に、山拝は産廃に
【公害の原因となる有害物質】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を汚染し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:相馬
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
最初に訪れた花畑のそば、エルフ達の住む森から逃げ出す動物達。
事件について調査していた猟兵らは、森の中でとある脅威と遭遇する。
それらは、『邪悪エルフ』と呼ばれるオブリビオンの集団だった。
彼らの信じる教義は、草一本虫一匹すらも存在しない、荒涼とした土地こそが真の自然だというもの。
邪悪な教義に取り憑かれた影響なのか、このエルフ達の肌は黒ずんでしまっている。
堕ちたエルフ達は木々を恵みとも思わず伐採してゴーレムとし、自ら絶滅させた希少生物を自らの体の一部として変異させ、さらに有害物質を撒き散らして森を死に至らしめていく。
このような危険な存在と接し、動物達が命の危険を感じたのは間違いない。森から逃げ出していたのも仕方のないことだろう。
ところで、森を直接破壊しようとしている邪悪エルフ達の姿は、花畑の修復、森での調査に参加していたジズルズィーク・ジグルリズリィ(虚無恬淡・f10389)に似た雰囲気を思わせる。
彼女は何かを感じ、この依頼へと参加していたのだろう。
ジズルズィークが今回も参加するかは分からないが、もし参加していたなら事情を聴くなどするのもいいかもしれない。
森に住むエルフ達も直にこの異変に気づくことになったのだろうが、互いの活動域の問題もあって後手に回っていたようだ。
花畑の修復をきっかけとし、エルフの子供達と猟兵との交流がなければ、エルフ達が森を追われる事態にまで及んでいた可能性すらある。
この脅威を排除すれば、森には再び平和が戻り、逃げていった動物達も戻ってくるはずだ。
邪悪エルフの集団と遭遇後、猟兵達は以上の状況を確認しつつ態勢を整え直す。
再び、森の中、猟兵達はこのオブリビオンの集団と交戦することになる。
森の木々を、動物を、エルフ達を守る為、破壊活動を進める邪悪エルフ達の討伐に臨みたい。
ジズルズィーク・ジグルリズリィ
WIZ判定*アドリブ歓迎
筆舌、必滅。ジズは、怒り心頭に発し彼奴らの打倒を誓うのです
ジズも、元とはいえ同じ教義をきわめた聖女であった身
同じ技で、遅れをとるわけにはいかないです
見覚えのある技です。隙を【見切り】狙いを定めてユーベルコードを起動
【恥ずかしさ耐性】で恥じることなくむしろ大いに勇をふるいます
戦況が傾いたならば、見た目だけはそっくりな邪悪エルフに詰め寄り、事情を聴きます
なぜ森を、勇者の伝説が残る花畑を壊すのです
群竜大陸や帝竜について知ってることを、話す方が身のためです!
もっとも、その性根は叩き直すのみですが!
既知、機智。ジズは知っています
過去は糧です。未来へと花開く種苗のための、糧なのだと
リリスフィア・スターライト
邪悪エルフの仕業だったんだね。
これ以上、森を傷つけさせたりしないよ。
ジズルズィークと姿が似ているけれど
間違えないように注意しないとかな。
なるべく広い場所に誘導して戦いやすく森の被害が
出ないよう配慮しながら応戦するね。
全翼天開で邪悪エルフと呼び出されたゴーレムの撃破を狙うよ。
飛び回ってスピードでかく乱して狙いを絞らせないようにしつつ
勢いを付けて剣による斬撃で仕留めるようにしたいかな。
「同じエルフでもこんなのがいるんだね」
「こっちはスピードで勝負だよ!」
アルフェニア・ベルメル
戦いは苦手ですが、出来ることをします。
『自然と共に在る者』を継続して、周辺警戒。
前の調査で、地理はおおよそ把握してるので、送られてくる精霊からの情報で、敵の位置や数を皆に頑張って報告。
精霊達は、蔦や根っこ、地面の陥没などを操って、敵を転倒させたり。
ゴーレムに乗った敵には、さらに高い木々の上から、枝や葉を大量に落として目眩まししたり。
攻撃よりも、他の味方が戦いやすいようにする妨害メイン。
特に悪戯好きな『リーン』はとても張り切って行います……内心かなり怒ってるので。
戦闘後、余裕があれば、花畑でしたように、荒れた土地の修復を少しでも行いたいです。
此処に暮らす皆のためにも。
アドリブ・連携等歓迎。
ジン・ロシュモフ
●動機・心情:あの邪悪エルフ達…もうオブリビオンとなった彼女らが今回の騒ぎの元凶か。もし彼女らがエルフの集落まで来ていたらきっと……だが、今回はオラ達が間に合った。ここで終わらせる!
●行動
「ゴーレムはオラに任せろ!」
デカブツの扱いにはそれなりに慣れている。「怪力」「グラップル」も活かした【リフト】を使ってゴーレムの一体を持ち上げ、そいつを他のゴーレムにぶつけたりして攻撃してやろう。もちろん、手刀やキック、頭突きといった直接攻撃も交えていくぞ。
……博士が教えてくれたオラの新しい力…「ブレイブビートカノン」は敵の動きを鈍らせてから、最後のトドメで使うぞ。
仲間の…ジズルィークの憂いもここで絶ち切る!
アテナ・アイリス
邪悪エルフがゴーレムに騎乗するなら、直接邪悪エルフを攻撃するために高さを合わせる必要があるわね。
UC【サモン・ユニコーン】を使って、純白のユニコーンである、トゥインクルを呼び出し騎乗する。
トゥインクルを操って近づき、邪悪エルフ達をアーパスブレードで切りつける。
わたし達のコンビであれば、こんな森でも問題なく動き回れるわよ。
攻撃は、【武器受け】で受けて相手の動きを止めて、有害物質は、スピードを生かして躱すわ。
さあ、エルフの森を守るわよ。
「貴方達が原因だったのね。排除させてもらうわよ。」
「トゥインクル、手伝ってね。」
「エルフの私には、森は庭のようなものよ。さあ、行くわよ。」
アドリブ・連携好きです。
フィーユ・エバーラスト
「あれを根こそぎ狩れば解決、か。分かりやすくていいね。実にボク好みだ」
ま、仮にもボクもエルフだ。森を汚す輩とは相容れないだろうね
オブリビオンというだけで、斬らぬ理由はないけれど
【無塵閃】で片っ端から微塵に砕く
汚染された地形の上でなら力が増すようだけど、ボクの剣戟は果てまで届く
果たしてボクの間合いに入ってこれるかな?
「よく考えると、子供たちにボクの雄姿を見てもらえてないじゃないか。困ったね、これではイメージの払拭が出来ない」
仮に見ていたとして、喜び勇んで敵を切り裂く姿では怖いイメージを払拭出来ないだろうが
●
森で破壊活動を進める脅威を排除する為、態勢を整え直した猟兵達は改めて、それらと元へと向かう。
「力を貸してね、皆」
気弱で大人しい印象のエルフ、アルフェニア・ベルメル(揺蕩う泡沫の小花・f07056)は契約を結ぶ精霊達を呼び寄せ、警戒を強める。
ある程度、前回の調査でアルフェニアも森の地理、地形は確認している。
また、かなり近い場所へと転移していたらしく、すぐに精霊達が敵の存在を察知してくれた。
数は20~30体くらいだろうか。猟兵達よりも数は多い。
メンバー達は程なく、それらを目視で確認することとなる。
「同じエルフでも、こんなのがいるんだね」
金色短髪の少女、リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)は森にいるそれらを目にする。
暗色の肌を持つ邪悪エルフ達は木々を伐採し、生き物を手にかけ、有害物資を撒き散らし、森を傷つけていた。
「あなたたちの仕業だったんだね。これ以上、させはしないよ」
敵集団へと告げるリリスフィア。多重人格者である彼女だが、今回は主人格の状態で敵と戦うようだ。
「森を破壊する原因……排除させてもらうわよ」
金髪エルフのアテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)も続けてそれらの集団を制止すると、邪悪エルフ達は虚ろな瞳を猟兵達へと向けてきた。
「あの邪悪エルフ達……もうオブリビオンとなった彼女らが今回の騒ぎの元凶か」
アフロ頭のバイオモンスター、ジン・ロシュモフ(心優しき花畑の巨人・f18884)も駆けつけ、後方を見やる。
まだ距離はあるが、このまま進めばエルフ達の集落があるはず。
この邪悪エルフ達が集落まで至ったならば、きっと惨劇起こっていたのは間違いないと、ジンは確信して。
「……だが、今回はオラ達が間に合った。ここで終わらせる!」
そして、敵と同じような姿をした、ジズルズィーク・ジグルリズリィ(虚無恬淡・f10389)。
「筆舌、必滅。ジズは、怒り心頭に発し、彼奴らの打倒を誓うのです」
猟兵達を自分達の活動を邪魔する存在だと認識し、邪悪エルフ達は戦闘態勢をとって。
「信ずる真なる自然の為に」
「荒涼なる荒野の為に」
自らの教義を語りながら、彼らは森を破壊するのに行使していたユーベルコードを使おうとしていた。
やや遅れ、駆け付けたフィーユ・エバーラスト(銀帝・f01873)も邪悪エルフ達の姿を目にして。
「あれを根こそぎ狩れば解決、か。分かりやすくていいね。実にボク好みだ」
仮にも、自身をエルフだと自認するフィーユだ。
森を汚す輩など、相容れようはずもない。
「それ以前に、オブリビオンというだけで、斬らぬ理由はないけれどね」
彼女は仲間に続いて剣を抜き、敵に向かっていくのである。
●
邪悪エルフ達はユーベルコードを使い、躊躇なく森を破壊しつつ猟兵達を迎え撃つ。
「……灰は灰に、倒木は下僕に」
躊躇なく敵数体が木々を切り倒し、それらの木々を素材として全長3m程のゴーレムを召喚していく。
召喚主である邪悪エルフはその肩へと乗り、戦闘力を強化して猟兵こと木々を破壊しようとしてくる。
「それなら、高さを合わせる必要があるわね」
アテナもまた、ユーベルコードによってこの場へと召喚を行う。
呼びかけに従ってやってきたのは、額に角を生やした純白のユニコーンだ。
「トゥインクル、エルフの森を守るのを手伝ってね」
1つ嘶いて応じたユニコーン、トゥインクルへとアテナは騎乗し、ゴーレムと対して。
「さあ、行くわよ」
森を駆けるアテナは、エルフもゴーレムも透き通った刀身の長剣『アーパスブレード』で切りかかっていく。
「思いっきりやってきて」
続いて、アルフェニアもまた精霊達へと告げた。
そばにいれば、精霊達の憤りが伝わってくる。
森を破壊する邪悪エルフ達の活動を止めるべく、彼らは敵の足元の蔦や根っこ、地面を陥没させるなど自然を操ることで転倒させていく。
さらに、精霊達はゴーレムに乗った敵へと高い木々の上から大量の枝葉を降り注がせ、目晦まししてくれる。
「ゴーレムはオラに任せろ!」
そのゴーレムへ、ジンが立ち向かう。
2.5mあるジンからすれば、3mは少し大きい程度の敵。
デカブツの扱いにはそれなりに慣れていると、彼はゴーレムの腕につかみかかって。
「どっこいせー!」
怪力を生かし、ジンはゴーレムの体を持ち上げる。
これには、希少生物の特徴を体に宿して応戦しようとしていた邪悪エルフ達も驚きを隠せず。
「驚異、脅威……」
唖然とする敵などお構いなしに、ジンは持ち上げたゴーレムを別のゴーレムへと叩きつけ、攻撃していく。
敵が呆気に取られていたことをいいことに、フィーユは片っ端から銀に煌めく剣『スカイライト・ブリンガー』を高速で振り抜き、剣閃を浴びせかけた。
「塵の一つでも、残して見せなよ?」
すでに、敵が地面を汚染してようとも、フィーユには関係ない。
彼女の剣戟は果て無く届き、邪悪エルフを塵すら残さぬほどに無数の斬撃で切り刻んでしまう。
仲間がやられたことで、我に返る邪悪エルフ達を見据えたリリスフィアは、後方にジズルズィークがいることを確認して。
「姿が似ているけれど、間違えないように注意しないと、かな」
そう考えるのは、リリスフィアの戦法が大きく影響している。
敵はユーベルコードを使ってこの一帯を破壊し、一定のスペースを作ってしまっている。
この部分だけ空が見える程だから、かなりの木々を切り倒していたのだろう。
ただ、リリスフィアにとっては都合よく働く部分もある。
「こっちはスピードで勝負だよ!」
魔力で生み出された光り輝く翼で全身を覆う彼女は、自らの技量の数を能力に転化して森の中を飛び回り、ゴーレムや邪悪エルフ達を剣で切り払い、仕留めていく。
そうして、仲間達が戦うのを目にしていたジズルズィーク。
森を荒らし、汚そうとしていた仲間達が憤り戦う中、彼女は敵が使うユーベルコードを目にして。
「……見覚えのある技です」
元はジズルズィークも、同じ教義を極めた聖女だった。
だからこそ、同じ技で後れを取るわけにはいかないと、彼女は詠唱を始める。
「灰は灰に、塵は塵に。ジズの内奥に秘めた邪悪エルフの力よ、目覚めるのです」
それは、邪悪エルフの技を再現したユーベルコード。
ジズルズィークは敵と同様にゴーレムを生み出し、さらにこの場へとかつて邪悪エルフ達が絶滅させた希少生物を呼び出す。
それらがかつての同志達を傷つけていく中、大きく肌を露出させた服を纏う彼女は、恥じらいなど気にも留めず、むしろ大いに勇を振るって邪悪エルフを叩き潰していくのである。
アルフェニアの呼んだ精霊達は本気になって、邪悪エルフ達を足止めする。
とりわけ、悪戯好きな木の精霊『リーン』は張り切って、森を飛び回ってあれこれと画策していた。
森を傷つけられ、かなり怒っていたのだろう。
「障害、妨害……」
「禍災、猪口才……」
足止めを受け、邪悪エルフ達は相当に苛立っていたようだ。
あっという間にゴーレムを叩き潰したジンはそんな邪悪エルフ達の頭上から手刀を振り下ろし、頭突きで怯ませて強く蹴り飛ばしていく。
邪悪エルフ達はこの場の猟兵達になすすべなく、その数を見る見るうちに数を減らしていた。
「エルフの私には、森は庭のようなものよ」
トゥインクルを操るアテナは、次々に邪悪エルフの体を切り裂いていく。
「……土は土に、山拝は産廃に」
時折、有害物質を撒き散らす敵だが、トゥインクルは軽やかに跳躍して避けてみせた。
「わたし達のコンビであれば、こんな森でも問題なく動き回れるわよ」
かなり上機嫌なアテナに業を煮やす邪悪エルフは、それならと別の技を使う。
「……塵は塵に、百獣は四肢に」
自らの腕や足に希少生物のそれに変異させた敵は飛び掛かり、殴りかかり、爪を薙いでくる。
だが、アテナは事も無げに長剣でしっかり受け止め、逆に切り捨ててしまっていた。
空中はリリスフィアが依然として飛び回り、スピードで敵をかく乱する。
「私の動きについてこられないようだね」
例え、体の一部を希少生物のものに変えたとて、機動性でリリスフィアを上回ることはできない。
狙いを定めさせぬよう動き回る彼女は勢いをつけ、向かってきた邪悪エルフを切り裂いてしまった。
「果たして、ボクの間合いに入ってこれるかな?」
フィーユが距離を取り、刃を振るい続け、違った方法で邪悪エルフ達をかく乱していた。
近づきたくとも、フィーユの剣閃の射程は非常に長い。
かろうじて、剛腕を持つ生物の腕を持った敵が石を投げ飛ばして届く程度。もちろん、フィーユがその敵を狙わぬはずもなく、嬉々として飛ばす剣閃で仕留めてしまう。
「よく考えると、子供たちにボクの雄姿を見てもらえてないじゃないか。……困ったね」
本当は戦う姿を見せて、名誉挽回したかったフィーユ。
これではイメージの払拭ができないと、彼女は少し肩を落としていたようだ。
もっとも、喜び勇んで敵を切り裂く彼女の姿は、子供達に新たな恐怖を植え付ける可能性もあったのかもしれないが……。
●
仲間達が邪悪エルフを倒す中、ジズルズィークも自らが呼び出したゴーレムで敵を蹂躙していく。
ある程度敵が減ったところで、彼女は残っていた敵2体のうち1体へとゴーレムにつかみかからせて。
「なぜ森を、勇者の伝説が残る花畑を壊すのです」
ジズルズィークは、群竜大陸や帝竜について知っていることを話せと詰め寄る。
見た目がそっくりな邪悪エルフはそっぽを向いて。
「それが我々の教義だ。群竜大陸の道標も……潰さねばならぬ」
彼らの主張は2つ。
まず、教義として森を破壊し、荒野と化すのは当然のことという邪悪エルフとしてのもの。
そして、伝承として残る群竜大陸への道標は、潰す必要があるというオブリビオンとしてのもの。
それを聞いていたアルフェニア、アテナがあまりに身勝手な主張を行う邪悪エルフ達に身を震わせる。
「一切合切、我らの邪魔はさせぬ……」
「博士が教えてくれたオラの新しい力……」
再び、詠唱を始めようとする敵に対し、すでにジンが腕を十字に組んでいて。
「仲間の……ジズルズィークの憂いも、ここで絶ち切る!」
彼は「勇気」と「優しさ」の力を光線として放ち、攻撃に動いた邪悪エルフへとビームを浴びせかけ、止めを刺してしまう。
残る1体は有害物質を撒き散らしながら、メンバーから距離をとって逃げようとする。
「逃走、逃亡……、計画は再び……!」
そいつはまた仲間を集めて森を破壊する気だ。
ただ、すでにジズルズィークが回り込んでいて。
「もっとも、その性根は叩き直すのみですが!」
まさしく森の怒りと言わんばかりに、彼女は作ったゴーレムの両手でダブルスレッジハンマーを叩き込み、その邪悪エルフを躯の海に還していったのだった。
全ての邪悪エルフ達を討伐し終えて。
アルフェニアは敵が荒らした森の状況を憂い、精霊達へと修復を願う。
「……もう少しだけ、力を貸してね、皆」
精霊達は最初から最後まで大活躍。
この森に暮らすエルフや動物達の為にというアルフェニアの願いに応え、精霊達は花畑の時と同様に、この場の土に活力、肥料に水を与え、種や苗を植えていく。
少しして、やってきたのは集落のエルフ達。
精霊達との交信などもあって、猟兵達が森を救うべく動いてくれたのを伝え聞いたのだそうだ。
「何があったか、話を聞かせてはくれないか?」
エルフ達はこの場の猟兵達から事情を聴いていく。
巨躯のジンには面食らっていたようだったが、リリスフィアは礼儀正しく接していたし、アルフェニアやアテナは同族とあってエルフ達も快く接してくれていた。
「花畑だけではなく、我々の森まで……」
そう感謝を示すエルフ達は、フィーユにも話を求める。
どうやら子供達からフィーユのことを聞いていたエルフ達だったが、直接話をしたエルフ達は聞いていた印象とだいぶ違ったことに笑って。
「ははは、あなた達にはよろしく伝えておきますよ」
爽やかで快活な印象を受けたらしく、フィーユに理解を示した大人達は森を救ったことを話してくれるそうだ。
そして、ジズルズィークも大きなハンマーで子供達に恐れられ、さらに邪悪エルフと同じ容姿をしていたこともあり、最も説明に時間を要する。
過去と決別して戦ったこともあり、森のエルフ達も一応は彼女の境遇を納得してくれたようだ。
「既知、機智。ジズは知っています」
オブリビオンに荒らされた場所が修復していく様子を見て、ジズルズィークが呟く。
――過去は糧……。未来へと花開く種苗のための、糧なのです。
猟兵達が手を入れていた森には、すでに地面から新たな芽が顔を出していたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵