「ダークセイヴァーは既にオブリビオンに支配された世界だが、抵抗する者達も少なからず存在する」
レジスタンスというやつだ、と。
続々グリモアベースに集まる猟兵達に、枢囹院・帷(麗し白薔薇・f00445)の佳声はよく通る。
彼女は猟兵らの雄々しい覇気の迸りに信頼の眼差しを注ぐと、更に言を足した。
「夜と闇に隠れて抵抗を続けるレジスタンスだが、その内ひとつの組織がヴァンパイアに見つかり、拠点を失ったようだ」
逃げ込んだか、追い込まれたか、彼等が隠れたのは魔獣の棲む森深く。
「状況は望ましくない」
帷はきっぱりと言う。
「彼等の移動手段は、農耕用の馬に僅かな改造を施しただけの馬車。森を移動するには適していない上、多くの者は大した武器を持っていないから、ヴァンパイアか、或いは森に棲まう魔獣に見つかれば、直ぐにも殺されてしまうだろう」
被害状況は不明だが、レジスタンスが全くの無傷で隠れられている可能性は薄い。
帷はここで凜然と花顔を持ち上げて口開き、
「君達には、この魔獣の森の奥深くに隠れたレジスタンスを探し、魔の手が迫る前に彼等を救い出して来て欲しい」
頼む、と猟兵の雄渾なる顔貌を見る。
彼女の頼みを依頼と請けた者達が頷き、彼等より是の返事を受け取った帷は、ここで漸く玲瓏の眸を細める。
「先ずは森でレジスタンスの行方を探って欲しい。君達は魔獣の襲撃に警戒しながら、効率的に森を進み、様々な手掛かりを得つつ隠れ場所を探り当てて欲しい」
方法は色々考えられよう。
蹄や車輪の跡を探したり、周辺に残された物を探ったり――唯、彼等も敵に見つからぬよう工夫をしているだろうから、探索には知恵が必要だ。
帷は更に続けて、
「用心すべきは森の魔獣。奴はレジスタンスだろうと君達だろうと、等しく好餌と襲い掛かって来るだろうから、くれぐれも気を付けて欲しい」
彼女の懸念はもっとも、森に棲まう魔獣には地の利があり、特に戦闘開始時は戒心を怠らぬようしたい。
「上手くいけば、レジスタンスを襲撃したヴァンパイアと遭遇し、交戦する事もあるかもしれないが、最優先すべきは抵抗の灯火を消さぬ事。彼等を救出すれば任務完了だ」
ぱちん。
繊麗の指を弾いて鳴らすのが、着地点を語った時の帷の癖。
彼女が次に掌を暴けばグリモアが出現し、
「ダークセイヴァーにテレポートする。人々を苦しめるオブリビオンに、たっぷりとイバラをくれてやれ」
さぁ往こう、と猟兵らを光に包んだ。
夕狩こあら
オープニングをご覧下さりありがとうございます。
はじめまして、または、こんにちは。
夕狩(ユーカリ)こあらと申します。
このシナリオは、ヴァンパイアの圧政に抗う人間組織の潰滅を阻止する、レジスタンス救出シナリオです。
●戦場の情報
常闇に覆われた黒い森。
鬱蒼と生い茂る木々、荒々しく大地を這う根は湿って滑り、馬車はおろか人間の移動も難しく、何らかの光源が必要です。
●敵の情報
森にはヴァンパイア配下の獣型オブリビオン『暗闇の獣』が棲んでいます。
高い戦闘力を持ちますが、知性は低く、言語を話しません。
●ボスの情報
漆黒を纏う少女。
戦闘時は冴えた大鎌で攻撃を仕掛けてきます。
個としての戦闘力が高いので、十分に気をつけて下さい。
以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
第1章 冒険
『レジスタンス救出』
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POW : 道中の魔獣の襲撃に備える
SPD : 早さを活かして森を進む
WIZ : 痕跡からレジスタンスの場所を探り当てる
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
千手院・ソワカ
かなりやべー状況みたいですわね。ちょっとしりやすな感じで行きますの。
レジスタンスも敵を警戒しているとはいえ、追跡は十分に可能と愚考いたしますの。
『馬車が通れるだけの幅を持つ道』が、これだけ樹木が生い茂る森に早々あるとは思えませんから。
どこでも雑魚寝セットから提灯を取り出して、木々が比較的開けた部分から重点的に探索しますわ。
枯葉で跡を隠しているかもしれませんが。多分たどり着けると思いますの!
あ、あと自分の痕跡を残さない様に、みだりに草を踏んだり枝を折ったりはしないようしますわ。
レジスタンスではなく、我々が追跡された事で位置がバレたら洒落になりませんもの。
「かなりやべー状況みたいですわね。ちょっとしりやすな感じで行きますの」
帷が言を繕わぬ性格とは同胞として知る千手院・ソワカ(破戒僧ガバ勢・f00994)は、翡翠の双眸に映る黒い森に現況の不芳を見る。
蓋し白皙に乗る表情は重くない。
彼女は佳声を凛々と転がし、
「レジスタンスも敵を警戒しているとはいえ、追跡は十分に可能と愚考いたしますの」
馬車が通れるだけの幅を持つ道が、蓊々と樹木が生い茂る森に然うあるとは思えず――先ずは彼等が逃げ込んだと思しき這入、木々が比較的開けた部分を探し始める。
そう。
知らぬ土地、然も魔獣の棲む森に無闇に入って危険を負うリスクは避け、彼女は【どこでも雑魚寝セット】より取り出した提灯を手に、常闇の森の更なる昏がりに足を進めた。
「あ、あと」
耳朶を擽るツインテールを揺らし、足元を見る。
可憐は己が草を踏み枝を折らぬようそっと爪先を持ち上げ、
「我々が追跡された事で位置がバレたら洒落になりませんから」
と、塵も立てぬ気概で探索を開始した。
成功
🔵🔵🔴
夏目・晴夜
【WIZ】
これは……いや、ちょっとかなり暗いですね
視界が狭まる暗闇はほんの少しだけ苦手ですので、
早く見つけて合流したいところです
光源には常に手首に結い付けているランプを用いて
調べたい箇所を照らしつつ探索していきます
木々で生い茂る森を人なり馬車なりが通ったならば、
湿る根の表面に擦り傷のような跡があるかもしれませんね
他にも、何かに踏まれたかのように潰れた落ち葉や
何かが木々の側を通って行ったかのような折れた小枝がないか、
ちょっとした痕跡も絶対に見逃さぬように隈なく調べて参ります
あとは、無事に見つけて助けてあげられるように
このハレルヤの生まれ持つ幸運に祈るのみですかね
まあ、見つけるまで探すつもりですが
闇黒に支配された世界。
其が森ともなれば光は愈々届くまい。
「これは……いや、ちょっとかなり暗いですね」
眠る時も灯りを欠かさぬ夏目・晴夜(不夜狼・f00145)は、視界を狭める今の暗闇を「ほんの少しだけ苦手」と――幾分にも痩せ我慢しながら、手首に結い付けた【生命線たる灯火】を光源に森を進む。
美し紫瞳は蓋し犀利に、レジスタンスの移動の痕跡を炙り出し、
「木々で生い茂る森を人なり馬車なりが通ったならば、湿る根の表面に擦り傷のような跡があるかもしれませんね」
と、先ずは根から具に観察する。
「――ああ、やはり」
繊麗の指先に『車輪が根を擦った痕』を示した彼は、そこから周辺に炯眼を配って、轍と思しき潰れた落ち葉や、何者かの通行によって折れたような小枝を見つけ、方向を得ていく。
彼は痕跡が標する先、今はまだ闇に鎖された道を見遣って、
「無事に助けてあげられるように。このハレルヤの生まれ持つ幸運に祈るのみですかね」
と、長い睫を持ち上げた。(419字)
成功
🔵🔵🔴
皆城・白露
【POW】
レジスタンス…「無謀」「無駄な抵抗」…とは、言えない、か。
生き抜くためにそうしているなら…生きることを諦めてないなら
こっちもできる事をするまでだ
ランタンを持参
他の参加者がレジスタンスの居場所を探り当てる方に集中できるように、周囲を警戒しておくぜ
物音や気配をできる限り探る
細かく気を遣って人探し…ってのよりは、そっちの方が性に合ってる。任せてくれ
魔獣に襲撃された場合は、戦闘音で他の魔獣を呼び寄せないよう、ブラッドガイストを使用し可能な限り速やかに殲滅
…正直、片っ端からぶっ潰したいぐらいだが
まあ、それは後だな…。
カチュア・バグースノウ
難しいことはわからないけど、ようは救えばいいのね
死なせるのは目覚めが悪いわ
必ず助ける
探索なんかは任せるわ
道中の敵の襲撃を警戒する
耳をすませて、夜目はきかないからよく目をこらして
痕跡を探している他のメンバーを守るように立つ
背中を襲われたんじゃたまったもんじゃないから
盾受けのスキルを使うわよ
ほかに一緒に守るメンバーがいたら、東西南北わけて担当しましょうか
事前に提案してみるわ
少なかったら人数に合わせた警備の仕方をする
戦闘になるようだったら、ドラゴニックエンドを使用して攻撃するわ
前衛に出て、盾受けで守りつつ攻撃する
探索に専念する者あれば、周囲の警守を担う者も居よう。
「探索は任せるわ。敵の襲撃を警戒する人も必要でしょ?」
「細かく気を遣って人探し……ってのよりは性に合ってる。警護は任せてくれ」
仲間達が様々な手掛かりを拾い集める中、カチュア・バグースノウ(蒼天のドラグナー・f00628)は透徹たる青瞳を凛々と、皆城・白露(モノクローム・f00355)は灰色の鋭眼を冴え冴えと闇に注ぎ、いつ現れるとも分からぬ森の魔獣に備える。
「レジスタンス……『無謀』『無駄な抵抗』……とは、言えない、か。生き抜く為にそうしているなら……生きる事を諦めてないなら、こっちもできる事をするまでだ」
命の使い道を探る最中(さなか)の白露に、未だ見ぬ彼等はどう映ろう。
可逆なき支配、絶望に抗う彼等の命の灯を手持のランタンに重ねた彼は、其を無残に引き裂く無秩序な悪――オブリビオンの魔手を防ぐべく、五感を研ぎ澄ませている。
白露が先陣を護ると言えば、彼と担当を分けたカチュアは後方に据わって背襲を警戒し、
「背中を襲われたんじゃたまったもんじゃないから、いざとなれば盾と受けるわよ」
と、脅威にも雄渾と立ち塞がる気概。
豪放な彼女は、レジスタンスに特段肩入れする訳ではないが、無辜の命が何の味わいもなく魔に屠られる――惨憺たる支配構造を見過ごす程、器用には生きていない。
「死なせるのは目覚めが悪いし、要は救えばいいのね」
詳しい事は分からない。
彼等の名前さえ知らない。
それでも「必ず助ける」と決めた純白の野花は、戒心の眸を森の闇に注ぎ、いずれ匂いの変化に――猟兵の侵入に気付くであろう魔獣の気配を探らんとする。
湿り気を帯びた静謐に、ほつり、白露が声を置き、
「……正直、魔獣だろうとヴァンパイアだろうと、片っ端からぶっ潰したいぐらいだが」
「そうね。レジスタントの安全を確保した後はそうしましょう」
異議なし、と。
闇の中でカチュアが笑った、気がした――。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
葉月・零
情報収集と追跡を活かせたらとおもうよ
流石に簡単に痕跡は見つけられないかなぁ。
自然に見せようとするとかえって不自然になったりしそうだからそういう痕跡が残ってないか探してみよっと
それに痕跡消す時に別の痕跡残してたりとかも可能性ないかな、そっちもよーく探しながら森を進むね
あえて通りにくそうなところとか、ギリギリ馬車が倒れそうなくらいのところとかそういうところも
まぁ途中で馬車をのりすてるとかされてたら困るけど
その可能性も考えておこう
みんなで協力したら少しの手がかりからでもなんとか見つけられそうな気がする
早く見つけて合流しなきゃね
「自然に見せようとすると、かえって不自然になったりしそうだから、そういう痕跡が残ってないか探してみよっと」
焦りと言うべきか――脅威に晒されれば、人は何処かで躓きを見せる。
痕跡を消す時に別の痕跡を残したりするものだと、レジスタンスの行動心理に迫るは葉月・零(オラトリオの死霊術士・f01192)。
読みは的中。
土に残る蹄、靴底を消さんとしたか、箒で掃いた様な擦れ痕を確認した紫瞳は、その僅かに残る足跡から人数を――レジスタンスの規模を推し測らんとする。
最も分り易いのは轍の数であろうが――、
「まぁ途中で馬車を乗り棄てるとかされてたら困るけど」
その可能性も考えておこう、と言ちた時だった。
彼の懸念は、森の奥深くに入った処で現実の景と飛び込み、空っぽ馬車が一同を沈黙させる。
「これ以上、馬車での移動は無理と諦めて……、いや――」
違う。
襲われたのだと双眸が犀利を増したのは、その損傷を見て。
少しの手掛かりからでもと状況を読めば、成程、彼等は此処で鋭い爪を持った魔に襲われ、何人かの仲間を失い、屠られる同胞を犠牲に逃れた様だ。
離散していなければ良いが……生存が危ぶまれる。
「……早く見つけて合流しなきゃね」
少しでも、早く。
零の声に、一同の力強い首肯が揃った。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『暗闇の獣』
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POW : 魔獣の一撃
単純で重い【血塗られた爪】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 暗闇の咆哮
【血に餓えた叫び】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 見えざる狩猟者
自身と自身の装備、【自身と接触している】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
敵襲を警戒しながら細かに探索する。
彼等は俊敏を以て森を急ぐでなく、早々にレジスタンスの隠れ処へと辿り着いた訳ではなかったが、其はある意味で幸甚だった。
馬車を棄てた後のレジスタンスの足跡は、明らかに拙速――木の幹には衣類の擦れた様な跡が、泥濘には馬が暴れた様な蹄の跡が生々しく刻まれ、この周辺で危機に遭った事を悲痛に訴えていた。
猟兵が幾許か分からぬ犠牲者に胸を痛めた、その時である。
――グルルルルルッッ……。
須臾。
肌を震わせる獣の呻りが暗澹たる地面を這い、黒い樹木を揺らして届いた時には、猟兵達は「遭遇したのが我々で良かった」と寧ろ安堵した事だろう。
『グルオオオヲヲヲッッッ!!』
先ず一体、奥にもう一体。
暗闇に光る両眼の距離を測るに、狼や熊という大きさではなかろう。
猩々の様な、然し膂力は霊長類を遥かに凌ぐ怪腕が巨木を薙ぎ倒し、猟兵らの持つ光源に影を炙り出した時、魔は慥かに嗤った。
極上の獲物を見つけ、垂涎する。
『グルルルッ……グルルルルヲヲヲ……ッ』
其は魔。
其は邪。
狂気の儘に肉を屠り、強欲の儘に血を啜る魔獣を、今も森に隠れるレジスタンスの処へ行かせてはならない。
必ず此処で仕留めねばならない。必ず。
皆城・白露
…そうだな。様子を窺うばかりじゃなくて、暴れたかったところだ
そっちから来るのなら好都合だ、まずはお前らを叩き潰す
(襲われた痕跡を見て機嫌が悪い。
何人が無事なのか、救えなかったのはどれだけか、など考えるのも胸糞悪い。
魔獣どもがやったように、魔獣どもを食ってやれば、気が晴れるだろうか)
周囲の仲間と協力し、はぐれないように動く
敵の不意打ちを警戒、気配や物音に注意。接触した敵は迅速に撃破
【ブラッド・ガイスト】使用で黒剣を禍々しい爪状に変化させる
基本は見つけ次第力任せに叩きのめすスタイル
生命力吸収で体力を維持して戦い続ける
悪しき魔の気配に逸早く気付いたのは、警護に専念していた白露(f00355)とカチュア(f00628)。
行軍に於いては先頭と後尾、また今の様なスポットでは常に対角を保って警邏していた二人は、魂を凍らせる唸声を鼓膜に拾うや炯眼を闇に射る。
既に瞳は合っていたか、ミシミシと悲鳴を挙げて倒れる樹木の奥より肩を迫り出す巨躯に、黒剣の尖鋭なる鋩を向けた白露は、ぶわり迸る闘気とは裏腹に声音を落とす。
「――そうだな。様子を窺うばかりじゃなくて、暴れたかったところだ」
今、彼は襲われた痕跡を見て機嫌が悪い。
何人が無事なのか、救えなかったのはどれだけか、考えるだに胸糞悪い。
其が義憤か慷慨かは理解らぬが、沸々と湧き上がる激情が、体内を巡る血液を喞筒(ポンプ)と送り出す。
(「魔獣どもがやったように、魔獣どもを食ってやれば、気が晴れるだろうか」)
喰え、屠れ、と吼ゆるは狼の血。
彼は己が命の脈動を代償に、武器の封印を解いて【殺戮捕食態】へと変化させると、涎を糸引いて襲い掛かる魔獣を迎え撃つ。
「そっちから来るのなら好都合だ。先ずはお前らを叩き潰す」
『グルルルルヲヲオオオッッッ!!』
ユーベルコード【ブラッド・ガイスト】――禍々しき魔爪が、血塗られた邪の猛爪と噛み合う。
双爪が交錯するや月光の如き冴光が閃き、衝撃が両者の躯を、どう、と突き上げる。
「ッ、!」
『グルォォヲヲ!!』
体格差を活かしたか、重量にスピードを乗算させた魔獣が爪を押し込み、白露の蒼白い頬に鮮血を疾走らせる。
多少のダメージは賭け金と払う彼は、荒々しい木の根に血斑を染ませると同時、牙ッ! と獣爪を断ち折って、足元の泥濘に突き刺した。
成功
🔵🔵🔴
カチュア・バグースノウ
生き残りがいればいいけど…
なんかイヤな雰囲気ね
っこういうときこそ真剣に行かなくちゃ
あんたたちがボス…じゃないわね
悪いけど、先に行かせてもらう
前衛で戦う
攻撃方法は賢者の影
問いかけは「その心に意思はある?」
一番弱っている敵を目標に攻撃していく。一匹ずつ確実に倒す
弱っている味方がいれば、盾受けで守る
まだ親玉が残ってるわよ!
時にカチュアは暗黙の裡に別なる一体を引き受け、我が身を盾に凶獣の突進を食い止める。
『グルルッ、グルルルルルルッッッ……!!』
「なんかイヤな雰囲気ね。もう血の匂いがする」
先に屠ったというのか。
いつ、誰をと不穏が脳裡を過るが、いや、今は唯、眼前の凶邪を仕留めねばならない。
月白の艶髪を衝撃に揺らした佳人は、吃ッと藍白の眸に魔獣を睨め、
「あんたたちがボス……じゃないわね。悪いけど、先に行かせてもらう」
『グルルオオ嗚嗚ッ!』
密かに足元から滑らせた黒影が凶邪の後肢を掴んだ瞬間、真実(まこと)か嘘かに運命を別つ問い掛けをした。
「その心に意思はある?」
真実を言えば解除され、それ以外はダメージを見舞うユーベルコード、【賢者の影】。
『……グルルッ……グルルルル……ッ』
蓋しこの質問は宛らエピメニデスのパラドックス――魔獣にも意思があろうが、心があるかは魔獣にも判らない。
獣は『主』の、然も単純な命令にしか従わぬ故、彼女の問いには答えようもなかったが、それ故に解除される事もなく、後肢を掴んだ儘の黒影が狂気を縛り続けた。
苦戦
🔵🔴🔴
夏目・晴夜
暗くて視界が悪いというのに、透明になられてしまっては実に厄介ですね
しかしいくら魔獣に地の利があろうとも、
この鬱蒼と生い茂る森で物音を完全に消すのは難しいでしょう
人狼の耳を澄まして、何もないはずの方向から葉を踏む音や
枝を揺らす音等が聞こえないかを探ります
敵の位置を把握できたら妖刀で「串刺し」にして
力の限り「傷口をえぐり」、無理矢理にでも透明化を解除させたく
敵の姿が現れたら【憑く夜身】で魔獣の影を操り、
その動きを一時的に封じて皆が攻撃するための好機を作ります
暗くて影が無いならば、魔獣を生命線たる灯火で照らすまで
救うべき人々を救えて世に褒めて貰えるのであれば、
多少の怪我も些細な事です
怯まずに挑みます
葉月・零
透明になるやつとかちょっと厄介だよね、ほんと。
でもせっかく手がかり見つけたんだから、なんとかレジスタンスの人達には少しでも無事でいてもらいたいところなんだよねぇ。
俺1人じゃ無理かもだけど、心強い猟兵が沢山いるからなんとかなる、しなきゃね。
鈴蘭の嵐で周囲に花びらを
花びらの舞う感じでどこに隠れているのか目星はつかないかな?
運良く的な体の上にでも花びらが乗ってたら一目瞭然なんだけど。
花びらって装備でも敵でもないし、消えずに残らないかなー、なんて。
ちょっと考えが甘いかな。うまくいけばラッキーかな、って思うんだけど。
だめでも、視界不良とかになってくれれば隙を見て仲間に一撃いれてもらえたら幸いかな
「……二体で終わりって考えない方が良いよね」
「ええ、私も後続がこの闇に溶けていると思います」
今見えているだけが全てではない、と警戒と解かぬ零(f01192)に対し、傍らの晴夜(f00145)が是の流眄を注ぐ。
闇より這い出て喰らう者――【見えざる狩猟者】の能力を最も厄介と見た二人は、戦場に隠るる凶邪を炙り出さんと手を組んで。
「いくら魔獣に地の利があろうとも、この鬱蒼と生い茂る森で物音を完全に消すのは難しいでしょう。葉を踏む音や枝を揺らす音、どんな小さな音も逃しませんよ」
人狼の聡い耳をピクピクと動かす晴夜。
彼が聴覚で探るなら、零は視覚に映し出さんと己が武器を君影草の花弁と変じ、
「花びらの舞う感じでどこに隠れているのか目星はつかないかな? うまくいけばラッキーかな、って思うんだけど」
ユーベルコード【鈴蘭の嵐】――芳しき馨香を漂わせた嵐が、可憐なるスズランの花を運んで闇を躍った。
然れば、矢張りと言うべきか。
音までは消せぬ獣は慥かに木の葉を踏締めて、隙あらば咽喉に喰らいつかんと木陰に潜む――大きなシルエットが純白の花弁を被った。
「二体発見。全部で四体だね」
「縫い留めましょう」
零が仲間に敵数を告ぐと同時、晴夜が繊麗の指に敵を射る。
ユーベルコード【憑く夜身(ツクヨミ)】――妖し麗し人形遣いは、不可視の操り糸を魔獣の影に繋ぎ、一体の動きを封じる。
『グルオヲヲ嗚嗚!!』
「、ッ」
須臾を上回った狂獣が反駁の咆哮に晴夜を攻撃するが、彼は怯まず、糸は切らず。
「救うべき人々を救えて世に褒めて貰えるのであれば、多少の怪我も些細な事です」
「うん。少なくとも俺は感謝するよ」
俺一人じゃ無理な事をなんとかしてくれた、と――絶好の好機を預るは零。
彼は挙措を縛られた魔獣にエレメンタルロッドを振り被り、
「レジスタンスの人達にも褒めて貰う為に、無事でいて貰いたいねぇ!」
『ガァギギャギャッ!!』
今やくっきりと影を現した兇邪を、巨木の幹にブッ飛ばした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
千手院・ソワカ
レジスタンスの方や馬の死体を見る前に敵と出会えたのは僥倖ですわね。
何故って? 清らかな気持ちでオブリビオンをブッ飛ばす事ができるからですの!
相手を逃すことはできませんわ、主に「オールレンジ大連珠」を使って、間合いを保ちながら妨害に回りたいですわね。
仕留めるに越したことはありませんが、どちらかといえば他の猟兵の方々のフォローや取りこぼしを出さない様に全体的に注意を払いながら立ち回りますわ。
あとはユーベルコード、『人形遊戯の波紋疾走』で敵の厄介なユーベルコードを打ち消しますの。
『暗闇の咆哮』は連発されると危険そうな気がしますので、なるべく相手のそれにタイミングを合わせますわ!
逢坂・宵
さて、お出ましですね
厄介そうな敵だ、というのが正直なところですが……
僕たちのやることは変わりません
ここで必ずや仕留めましょう
暗闇の咆哮が一番厄介そうですね
しかし、魔獣の一撃なども警戒を外せません
みなさまに注意を喚起しつつ
僕も細心の注意を払って、戦場の様子をじっくりとみていきましょう
敵の行動パターンとかね
おそらく習性に近いものはあるでしょう
それで見えざる狩猟者を対策できればいいのですが
仲間の援護に回り
声かけで情報の共有をしながら
機を見て、属性攻撃を乗せて
天撃アストロフィジックスで応戦しましょう
次々と掣肘さる敵群の攻撃はブツ斬りに、逆に好餌と狙われた猟兵らこそ次手を繋ぎ、ダメージを重ねて狂魔を追い詰めていく。
「レジスタンスの方や馬の死体を見る前に敵と出会えたのは僥倖でしたわね」
暗影に鮮血が花と舞う惨憺、ソワカ(f00994)は多分嗤ったろう。
僅かな灯を湛えた翠瞳は闇に尾を引いて、
「何故って? 清らかな気持ちでオブリビオンをブッ飛ばす事ができるからですの!」
フヒヒ、と桜脣のほとりに湛えた咲みこそ、戦局の優勢を物語っていたかもしれない。
零、晴夜ら仲間の機智が【見えざる狩猟者】を暴けば、ソワカは危険視していた【暗闇の咆哮】の無力化を狙って、
「そのユーベルコード……見切りましたのッ!!」
『ガルァアア嗚呼ッッ!!』
共鳴――!
彼女のユーベルコード【人形遊戯の波紋疾走】は、対象のユーベルコードに対し『正確に全く同じユーベルコード』を放ち、相殺する。
仲間の邀撃で魔獣の習性を具に視た彼女は、凶邪が牙を剥く発動の瞬間に合わせ、精度と練度を上げた波紋で咆哮を打ち消した。
敵の一手を防ぎ味方の一手を促すソワカのフォローは、瞬刻――覆らぬ戦局、猟兵の有利を突き付ける逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)の一撃を魔に届けた。
「決して逃すことはできませんわ」
「ええ、ここで必ずや仕留めましょう」
ユーベルコード【天撃アストロフィジックス】――星瞬く濃宵の瞳は、鬱蒼と枝葉を広げる森の天蓋に、光と昇る星の煌きを視る。
「太陽は地を照らし、月は宙に輝き、星は天を廻る。そして時には、彼らは我々に牙を剥くのです。さあ、宵の口とまいりましょう」
其は幾筋にも別れて婚星の矢と降り、魔獣の毛皮と肉を引き裂く。
『――グルォォヲヲヲ嗚嗚!!』
『ゲァアア嗚呼ッッ!』
醜声が絞られる中、穏かなテノールは解けて。
「厄介そうな敵だ、というのが当初の所感でしたが……畢竟、僕達のやることは変わりません」
細心の注意を払って戦場を観察し。
獣の行動パターンを――習性に近しい癖を見つけて。
注意喚起し、或いは情報を共有しながら、互いが互いを援護する――連携の妙。
無論彼だけでなく、多くの仲間が然うしたからこそ、魔獣には無い力が勝利を引き寄せたに違いない。
形勢を掴んだ彼等は、それから弱体化した個体から順に撃破・駆逐し、四半刻と経たぬ裡に四体の巨邪を叩き伏せた。
快い勝利が彼等を満たすか――否。
再び静謐を取り戻した漆黒の森は、然し、ザワと枝葉を揺らして不穏を言つ。
「――さて、お出ましですね」
宵の佳声が繋ぐ先。
魔獣とはうってかわって美しい邪が、ひたり、姿を現した――。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『ゼラの死髪黒衣』
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POW : 囚われの慟哭
【憑依された少女の悲痛な慟哭】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : 小さな十字架(ベル・クロス)
【呪われた大鎌】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ : 眷族召喚
レベル×5体の、小型の戦闘用【眷族】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑17
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「吾唐木・貫二」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
邪に魅入られた瞳は眼瞼を闇色に隈取り、虚ろげに、且つ艶めき乍ら猟兵を視る。
『酷いわ』
、と。
其は艶熟を得ぬ少女の声。
玉を転がす様な佳声は抑揚なく言ちて、
『貴方達は血を啜り肉を喰みもしないのに、ガルガルちゃん達を殺したの? こんなに血を流してお行儀の悪い……食事の仕方も知らないなんて』
私なら一滴の残滓もなく屠ったろうに、と。
今や肉塊と化した我が眷属を生塵と眼下に敷く少女に、それ以上の情は無い。
夏目・晴夜
美しい見目ではありますが、
その内に秘める本質は魔獣以上に醜悪な物なのでしょうね
【妖剣解放】で放てる衝撃波や高速移動を活かし、
敵とはなるべく距離をとりつつ素早く倒すべく挑みます
その大鎌での一撃は喰らうとかなり厄介そうな香りがしますし、
敵が死ぬ前に私の寿命が尽きる訳にはいきませんから
しかしいくら警戒しようとも、
敵の攻撃を全く受けずに勝つのは流石に不可能でしょうね
ですが私としても、ただで痛手を喰らう気はありません
隙を見ての「カウンター」や「串刺し」「傷口をえぐる」で
このハレルヤに近づいた事とレジスタンスを襲撃した事、
全てを後悔させて差し上げます
どうか、御覚悟を
晴夜(f00145)の紫瞳にも彼女は慥かに見目麗しく映ったが、裡に秘める本質は魔獣以上に醜悪であろうと――嘆声を咽喉に押し込み、妖剣『悪食』の怨念を解き放つ。
時は。
邪が大鎌を振り被った瞬間と全き同時であった。
『躾けてあげるわ』
「それは、どうも」
弓張月の鋭刃が神速で迫るや、【妖剣解放】――『悪食』の怨念を纏った晴夜が距離を取ってインパクトの位置をずらす。
『、ッ』
「その大鎌での一撃は喰らうとかなり厄介そうな香りがしますし、貴女が死ぬ前に私の寿命が尽きる訳にもいきませんから」
黒衣の少女の【小さな十字架(ベル・クロス)】が、特定の間合いにのみ効果を発揮すると読んだ彼は怜悧に狡猾に、最大ダメージを回避する。
全くの無傷で勝てる相手ではない。
然し悪戯に傷負う気もない。
晴夜はヒリと焼け付く様な鎌撃の余波に頬を裂きつつ、間近に迫る花顔につつやいて、
「このハレルヤに近付いた事。レジスタンスを襲撃した事。全てを後悔させて差し上げます」
『!!』
(「――カウンター、ッ!」)
絶妙な手首の返しが『悪食』の鋩を鎌刃の向こう側へ潜らせ、少女の頬に鋭い刃撃を突き付ける。
『痛ッ……』
翠眉を顰めた先には、晴夜が月白の麗顔を返り血に染め、
「どうか、御覚悟を」
と、堂々たる宣戦布告をした。
成功
🔵🔵🔴
葉月・零
君が襲撃の主?
まぁ違ってたとしても、出会っちゃった以上、戦いは避けられないよね、きっと。
嫌だとは言ってられないし、使えるなら真の姿で(普段は隠してる羽を出して)
眷属増やされたらめんどくさいからサクッと減らしていくよ!
鈴蘭の嵐で容赦なく
なるべく対象が多い範囲に対して攻撃するね
配下たちの主も巻き込めたら巻き込んで
花びらで少しは視界不良だったり、攻撃する見方の助けになったらなお良し!
レジスタンスの人たちは無事かな?
話すことができるのなら
俺達みたいな存在も居るんだよ、だからどうか諦めないで
って言う気持ちは伝えられたら良いな
猟兵の存在がもっと広がってさ、希望を持つ人が増えれば
何か変わるかもしれないね
『レジスタンス……猟兵の存在を知りもしない連中に肩入れするなんて滑稽ね』
あんな奴等に。
我が眷属の駆逐さる景を視た以上か以下か、「レジスタンス」と言つ声に侮蔑を聴いた零(f01192)が柳眉を持ち上げる。
「君が襲撃の主?」
レジスタンスの拠点を襲撃し、魔獣らに屠らせた――張本人や否や。
『だったらどうする? 私はそうだとも、そうでないとも言わないわ』
紫瞳を注がれた少女は黒衣に真実を秘めた儘、闇と解けた己が影より小さな眷属を召喚する。
醜声を挙げて羽搏く、宛ら蝙蝠の様な異形の群れを視た零は、己もまた翼を――覚醒の証たる双翅を広げて風を集め、
「まぁ違ってたとしても、出会っちゃった以上、戦いは避けられないよね、きっと」
――嫌だとは言ってられないし。
普段は余程見せぬ真の姿を暴き、【鈴蘭の嵐】を巻き起こすや黒翼の揚力を奪った。
「眷属増やされたらめんどくさいから、サクッと減らしていくよ!」
『ゲギャギャッッ!』
『ギギギギギィ!!』
一撃で消滅する下僕とて、その一手が惜しいボス戦。
敵勢の視界不良も狙ったか、零は味方の援けになるよう積極的に疾風を操り、純白の花弁が舞う中、小気味よく微笑(わら)った。
成功
🔵🔵🔴
皆城・白露
酷い、ね。…お前からしたら酷いんだろうな
お前がしてきた事も、十分酷いさ
でも、そう言われても、知ったこっちゃないだろ?…そういう事だよ
お前の事も、せいぜい行儀悪く食い散らかしてやるさ
(奴には奴の考えもやり方もあるだろうが、受け入れられるものじゃない
胸糞悪い、その気分のまま殴りつければいい。簡単なことだ
ひとまず今はそれが、他の誰かを救うことになるんだし)
【ブラッド・ガイスト】使用で黒剣を禍々しい爪状に変化させ、力任せに攻撃
【生命力吸収】を使用し消耗を抑える
(食いもせず殺すのが不満なら、お望み通り食ってやるよ)
それでももたない、と判断したら【捨て身の一撃】で
可能な限り相手にダメージを与える
カチュア・バグースノウ
女の、子。やりづらい
やるしかないのね、やってやるわよ…!
前衛、攻撃手で行くわよ!
アックスソードブレイクを使用!
命中率はめちゃくちゃだろうから、敵が攻撃をした直後にや隙をついた攻撃をする!
あたしにできるのは!突っ込んで戦うことだけよ!
人のしぶとさ、味わいなさい!
手が空いたときは敵の攻撃から味方を武器受けするわ
「あたしが受ける!」
時に。
眷属の羽搏きを鋭爪に裂き、裂帛の悲鳴に撃ち堕とした白露(f00355)は、黒鎌の少女と視線を繋げた儘、大地に転輾つ黒翼を踏み付ける。
邪気は歪な音を立てて潰れ――、
「酷い、ね。……お前からしたら酷いんだろうな」
蒼白の顔貌に血斑が染み、熱を手離しながら頬を伝えば、薄い色を乗せた唇が淡然と言つ。
「お前がしてきた事も、十分酷いさ」
『私がした事……群れて噛み付く犬を間引いてあげた事かしら。それともお腹を空かせたガルガルちゃん達に食べ物をあげた事かしら』
酷い事をした覚えはないと、ことり、小首を傾げる少女。
そこに決して相容れぬ――純然たる悪を視た灰色の瞳は、「胸糞悪い」と瞋恚を灯して、
「せいぜい行儀悪く食い散らかしてやるさ」
『できるかしら』
「簡単な事だ。今の気分のまま殴りつければいい」
禍爪【ブラッドガイスト】――魔獣を屠り、その血を啜った猛爪が少女の邪気を断たんとする!
「お望み通り食ってやるよ」
『嫌、よ。イヤ』
迎え撃つ拒絶は【囚われの慟哭】――吸血鬼ゼラの残滓に魂を支配された絶望の滂沱は、残響と反復して白露を打つが、彼の魔爪は幾重にも重なる衝撃波を力任せに削り、刻んで、相剋を為した。
『――思い通りにいかないのってイライラする』
しぶとい、と奥歯に焦燥を噛潰した少女が慟哭を重ねる。
押し寄せる第二波が、第一波と混ざって海嘯と襲い掛かる――危機の瞬間、その間際にカチュアが楔と立ちはだかった。
「あたしが受ける!」
閃穿、【アックスソードブレイク】――!
彼女の手により馴染むよう作られた漆黒の斧剣は、身の丈を優に超す怒濤に渾身の一撃を叩き付けるや、モーセの如く衝撃波を断ち割り、且つ直撃地点の大地をも隆起・陥没させた。
豪放かつ大胆な冴撃に幾許にも目を瞠った少女は、然し次の瞬間には睫を伏せて、
『……ガサツ』
プイッと顔を背けたのは、粗削りな攻撃が気に入らなかった模様。
視界を切り開いたカチュアは敵の全貌を見て吃驚し、
「女の、子。やりずらい」
特に、見た目などに拘る彼女くらいの年頃の少女は。
特に、性別を何処かに棄ててしまった自分には。
特に、特に。
「やるしかないのね、やってやるわよ……!」
蓋し「ガサツ」と呼ばれた月白の野花は、斧剣をグッと握り込めるや爪先を弾き、少女が視線を外した瞬間を衝く。
「あたしにできるのは! 突っ込んで戦う事だけよ!」
『ッ……そういうの、嫌なのに』
自ら近接して戦う者と、魔獣や眷属を使役して戦う者。
相性は悪かろうが、少女が眉根を寄せて嫌がる表情こそカチュアの優勢を示そう。
「人のしぶとさ、味わいなさい!」
麗人の冴刃は着実に確実に、少女の大鎌を後退させた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
千手院・ソワカ
「無作法お許しあれ。生来の武骨者というやつですの」
合掌し、挨拶しますの。挨拶は大事、古事記にもそう書かれていますわ、多分。
かの襲撃者に恨みはありませんが、オブリビオンを野放しにはできませんの。
ましてそれに戦いを挑むレジスタンスの方々を見捨てるなど、なおできない。
「悪食と暴力に囚われたあなたを赦しましょう。いざ南無三!!」
我が『攻性サハスラブジャ』で戦いを挑みますの。
結んだ印に応じて動く仮の腕ではありますが、わざと彼女の周囲の木々を破壊して視界を遮ったところに、ユーベルコード「我は号する済度の一撃」を攻撃回数重視で発動させて彼女を消耗させますわ!
「無作法お許しあれ。生来の武骨者というやつですの」
魔獣との血闘を制した猟兵を『酷い』と詰った少女に対し、慇懃無礼と合掌するはソワカ(f00994)。
繊麗の指の節を合わせて丁寧な挨拶をした彼女は、柔く細めた翠瞳を持ち上げるやキッパリと言い放って、
「恨みはありませんが、オブリビオンを野放しには出来ませんの」
――ましてそれに戦いを挑むレジスタンスの方々を見捨てるなど、なお出来ない。
どれだけ血塗られようとも決して濁らぬ意志は、透徹たるまま闘気と輝き、全身に漲っていく。
「悪食と暴力に囚われたあなたを赦しましょう。いざ南無三!」
両手で印を結び、口に真言を唱え、心に御仏的なものを観想する。
すればスクラップ千手『攻性サハスラブジャ』(実際には左右20本ずつ)は意志を持って滑らかに動き、
「ぎゃーてー、ぎゃーてー、はらぎゃてぃ! はらそーぎゃーてーぼじそわか!!」
『――!?』
攻撃回数重視で繰り出された【我は号する済度の一撃】(オンバザラキリソワカ)が、攻防一体の大鎌に炸裂する!
『ッ、……痛、ッ』
昏き森の中、手数を活かした攻撃はどれだけ逃れられよう。
鎌刃で、或いは柄で幾つかを防いだ少女も、その半数は身に喰らい、巨樹の幹へと強かに叩き付けられた。
成功
🔵🔵🔴
『……ッ……ッッ』
ずるり、幹より剥がれ落ちた少女は、大鎌の柄を杖にして立ち上がる。
血色を喪った脣が徐に開けば、声は擦れながら、やっとのこと『あのね』と言を紡いだ。
『……この世界ハうまくいってルの』
これで、と黒衣の袖より覗いた繊手が常闇を示す。
指先はそっと天地を繋ぎ、
『人が人ヲ支配するヨり、ズッといいノよ。誰カの犠牲と生贄で生きらレて、永遠の弱者ダった女のコも、強者ヲ喰らう事が叶うんだモの』
言動が揺れているのは、少女か憑依体か。
多分、どちらのペルソナも求めているものは同じだろう。
彼女は大鎌を振り被って、
『秩序ヲ乱すモノ達、元の世界ニ帰って。貴方達が戦ウ理由ハ、此処ニは無イわ』
雄渾と立ちはだかる猟兵を薙ぎ払わんとした――。
逢坂・宵
こんばんは、美しい方
次は僕がお相手させていただきましょう
僕たちが、酷い?
……上手く行っているだなどと、詭弁を
犠牲がなければ保てぬ平和など、もろいもの
僕たちの戦う理由は、僕たちが決めるものです
貴方に決められるものではない……!
特に、敵に接近することが多い前衛の面々の
動きのサポートになるよう、
不意打ちや背後からの攻撃等の対策を行い、
援護に回ります
属性攻撃、全力魔法を乗せて
天撃アストロフィジックスで応戦しましょう
『パタパタちゃんたチ、いっテ』
大鎌が闇の帳を引き裂き、弧と開かれた空間から黒翼の眷属が現れる。
消魂(けたたま)しい羽音が森を包んだ瞬間、宵(f02925)は守盾と踏み出る前衛の仲間を援護すべく、星光宿る双眸を全方向に注いだ。
「僕たちが、酷い? ……上手く行っているなどと、詭弁を」
血を流す戦い方を聊爾と詰り。
支配構造に介入するなと牽制を敷いて。
其は全てヴァンパイアの、簒奪者のエゴイズムだと切り捨てた宵は、厖大な魔力を籠めた銀環『アストロ・リング』より魔力を解き放ち、オーラに満つ繊指に流星の矢を引き絞る。
「犠牲がなければ保てぬ平和など、脆いもの」
美し虹色の尾を引いた流星【天撃アストロフィジックス】は、漆黒の邪翼を無慈悲に撃ち抜き、濁声を絞って墜ちる其を長い睫に擦(なぞ)る。
瞼が持ち上がった瞬間には、幾分にも表情を変えた少女を見遣って、
「僕たちの戦う理由は、僕たちが決めるものです。貴方に決められるものではない……!」
『……ッ、知っタ口ヲ……!!』
初めて声を荒げ、沈黙の森を騒めかせる声に、スッと瞳を細めた。
成功
🔵🔵🔴
(「――そうだ、これでいい」)
もっと焦ればいい。
猟兵らは、黒衣の少女より現れ出た憑依体に内々裡ニヤリとする。
これだけの剣戟、衝撃なれば、レジスタンスは多分に気付くであろう。
常闇と沈黙に隠れながら、彼等はきっと見極めている筈なのだ。
生浦・栴
主の瞳には隷属者の魂に受ける仕打ちが見えておらぬだけだろう
――いや、本当は見た上で糧にでもしているのではないか?
道すがらに耳にした声を叫びを引き継ぐように漸う追いつく
知った口も何も実際俺達猟兵は知っているからな
戦いは常に己の魂が決めている事を
貴様等が力を持って立ち塞がるならば
此方も有り丈の力を以て抗い打破してみせよう
生きようとする魂は縛れぬと思い知るがいい
俺の柄では無いがさて、隠れておる者達に【勇気】は届くものだろうか
オーブを掲げ【高速詠唱】で先手を取るべく
【呪詛】と【属性攻撃】を【Flame of grudge】に絡めて複数合体で強化し放つ
滅びるとも消えぬ魂の叫びを彼の者に聞かせてやるがいい
「知った口も何も」
『ッ、!』
「実際俺達猟兵は知っているからな。戦いは常に己の魂が決めている事を」
森の鬱然を揺るがす少女の慟哭が、須臾、止む。
絶望に沈む魔眼を剥けば、正面には『Ancient deep sea』を掲げた若き竜の少年――生浦・栴(calling・f00276)が呪詛を詠唱しており、紫苑色(しをにいろ)の炯眼を矢と射る。
鞣革の手袋を嵌めた五指は色を喪った冷眸を示して、
「主の瞳には隷属者の魂に受ける仕打ちが見えぬか――いや、見た上で糧にしているのか」
孰れにせよ、と握り籠めた拳が闇色の焔を纏うや、ほつ、ほつ、と数を増やして大人びた端整を照らして往く。
「滅びるとも消えぬ魂の叫びを彼の者に聞かせてやるがいい」
ユーベルコード【Flame of grudge】(エンサノホノオ)――其は一と合して巨火と燃え、栴の手を離れれば悪魔の舌を出して少女を呑み込まんとする。
『さセなイ、わ。貴方達ハ此処で終ルの!』
「貴様等が力を以て立ち塞がるならば、此方も有り丈の力を以て抗い打破してみせよう」
『人ノ子も竜の子モ! 内に血ヲ流す限リ、吸血鬼ニ縛ラれるノ、ッ!』
「生きようとする魂は縛れぬと思い知るがいい」
相克――!
邪と魔、黯然と凜然が常闇に混ざり、爆ぜる。
然し炎を一と合せた栴に対し、複数の眷属に迎撃させた少女の方がダメージは少なかったか、幼魔は邪翼の多くを喪いつつも彼の躯に牙を立て、美味なる血を啜らせた。
「ッ――」
『ほラ。こノ世界デ私達にハ抗えナイ』
否。
断じて否。
彼の炎は密かに視線を集める者の心に勇気となって燃え始める。
即ちレジスタンスの――「抗う心」が再び灯り出したのだ。
苦戦
🔵🔴🔴
(「糞ッ……畜生……ッッ」)
森を往く途中、魔獣に襲われて馬車を棄てた彼等は、やはり道を失って離散していた。
恐怖に駆られる儘、漆黒に沈む鬱蒼を闇雲に遁走した個々のレジスタンスは、魔獣が馬を屠る音を歯噛みして聴きつつ、脅威が去るまで息を殺して隠れていたのだが――。
『貴方達は血を啜り肉を喰みもしないのに、ガルガルちゃん達を殺したの? こんなに血を流してお行儀の悪い……食事の仕方も知らないなんて』
拠点を襲った少女の、聞き覚えある声が。
誰かがあの恐ろしい魔獣を仕留めたと言うのだから、如何した訳だと耳が聳つ。
仔細を知るには、それから随分と潜まねばならなかったろう。
『レジスタンス……猟兵の存在を知りもしない連中に肩入れするなんて滑稽ね』
我等の与り知らぬ『猟兵』と呼ばれる者達が。
我等の為に魔獣と戦い、更に襲撃の主をも倒そうと戦いを挑んでいるとは――心が、魂が揺り動かされた。
――オブリビオンを野放しにはできませんの。ましてそれに戦いを挑むレジスタンスの方々を見捨てるなど、なおできない。
――レジスタンスの人達は無事かな? もし話せたら、俺達みたいな存在も居るんだよ、だからどうか諦めないで、って伝えたいな。
(「――!」)
これが猟兵。
これぞ猟兵。
彼等は凶邪を怖れず、傷負う事を恐れず、一縷の打算なく立ち向かう敢然。
(「猟兵……」)
恐怖に背を向けていたレジスタンスは、閃光が爆ぜる方向に視線を繋ぎ、声を聴いて――いつしか離散した全員が、見えぬ糸によって放射線状に繋がれていた。
フィロメーラ・アステール
「流れ星のおかわりが到着したぜー!」
本当に酷いのはここからだ!
【スーパー流れ星キック】を発動!
【ダッシュ】【ジャンプ】から夜空を【スライディング】して、光の【属性攻撃】【全力魔法】の魔力を纏う!
【残像】を残すほどに加速して、【気合い】の一撃で敵を【踏みつけ】るぜ!
敵の反撃は纏った【破魔】の力による【空中戦】で一気に弾き飛ばすぞー!
この【パフォーマンス】でレジスタンスを【鼓舞】して【勇気】を与えてやるぜ!
というか、この攻撃は魔力の衝撃で動きを封じるのがメインだからな!
誰かが追撃してくれるよう【祈り】を捧げておくぞ!
「闇の中ほど光は強く輝くんだぜ! 夜の世界じゃ常識だろ!」
アレクシア・アークライト
人の子も竜の子も、内に血を流す限り、吸血鬼に縛られる……か。
この世界の人達の血って、私達と同じ組成なのかしら?
後でUDCに調べてもらうのもいいかもしれないわね。
さて、それはさておき、ちゃっちゃと仕事は終わらせちゃいましょ。
あんな鎌持ってる奴に近付きたくなんかないから、離れて念動力で牽制&味方をサポート。
敵の攻撃は、多重障壁で防御。隙があったら、念動を一気に叩きつける。
音もなく、光もない。そんな攻撃を躱せるかしら?(サイコキネシス)
力で支配していたんだから、力で倒されるのは本望でしょ?
貴方達が100年前にしたことを、今度は貴方達がされる番よ。
「人の子も竜の子も、内に血を流す限り、吸血鬼に縛られる……か」
また彼等は、少女の言を興味深げに拾ったアレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)の佳声も聴いたろう。
艶やかな代赭のポニーテールと、自信に溢れる白皙が光源に浮かび上がるとは、そう、彼等の多くが鬱蒼の蔭より見ているからだ。
そして多分、御年100歳を迎えたフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)の輝きを見られたのは、誠にラッキーだったに違いない。
金糸のツインテールを揺らしたレア妖精は、アレクシアの言に語尾を持ち上げ、
「妖精も血流れてるぞー?」
「あの子の持論で言えば、貴女も敵わないみたいだけど……さぁ、どうかしらね」
琥珀の瞳を細めた凄艶はそう言を重ねながら、この世界の者達の血が如何なる組成を有すのか、UDCに調べて貰おうか――なんて考えている。
二人の会話が示す通り、猟兵は決して臆さない。
恐ろしい魔物と対等かそれ以上に渡り合う彼等は、底の無い悪、禍き力にも怯むことなく、ただ如何に攻略するか「未来」を視るのだ。
「さて、それはさておき、ちゃっちゃと仕事は終わらせちゃいましょ」
固唾を呑んで戦況を見守るレジスタンスに、アレクシアの戦い方は至極不思議に映った事だろう。
「音もなく、光もない。そんな攻撃を躱せるかしら?」
『な、に――ッ!?』
ユーベルコード【サイコキネシス】は実体を持たぬ。
見えも聞えも香りもせぬ力が少女の慟哭を相殺し、触れもしない遠距離で攻守する姿は誠に小気味良い。
彼女は白磁の指を動かして念動力を操り、
「力で支配していたんだから、力で倒されるのは本望でしょ? 貴方達が100年前にしたことを、今度は貴方達がされる番よ」
「本当に酷いのはここからだぜー!」
宇宙速度に達するほど超加速するフィロメーラが、鬱蒼の森をブチ抜いて帰って来るまでの時間、黒衣の少女を掣肘する。
其は邪にとって覚悟の時間だったか――。
「闇の中ほど光は強く輝くんだぜ! 夜の世界じゃ常識だろ!」
『……! 光が、帯ヲ引いテ……!』
夜空をスライディングしたフィロメーラが、厖大な魔力を渦と巻いて落ちて来る――火球か流星か、残像は光の軌跡を闇に描いて、敵を! 踏みつける!
「スーパー! 流れ星!! キーーーック!!!」
『ッ、あああアア嗚呼嗚呼ッッッ!!』
隕石の如きディープインパクトが少女を押し潰し、憑依体を磨り潰して、目も眩む燦然に闇を消し去る。
常闇の森を昼間と白ませる光の波濤。
其処には慥かに、確かに、
「うおおっ! いっけー!!」
「勝利の旗を掲げろー!!」
魂の叫びを拳と衝き上げる――レジスタンスの姿があった。
猟兵の戦闘音、爆ぜる光に導かれたレジスタンスのメンバーが続々と揃う。
彼等は強い握手に感謝の声を張って、
「ありがとう! 君達は……猟兵と言うのだな」
「驚くほど強くて……希望と誇りに満ちている。何と不思議な人達だ」
と、口々に感嘆を溢す。
見れば人数は三十人程度。
持てる武器はせいぜい農具を改造した程度のもので、それはこれからも変わらないが、彼等は今日び強靱な力を手に入れた。
「我等は闇の中にあって震えるばかりだったが、絶望に抗う心を手に入れた!」
「一度はバラバラにされちまったが、君達の光に結ばれた今、また旗を揚げてみせる!」
猟兵の手を握る力強さが何よりの証だろう。
一同が安堵の笑みを湛えれば、彼等は昏い森の中にも翳らぬ笑顔を見せて、
「光を分けてくれてありがとう!!」
「ありがとう! 感謝する!」
と、瞳いっぱいに感動を流し込んでくる。
――嗚呼、良かった。
猟兵らは、新たな光を得た彼等を森の外まで送り、勝利の報を待つ帳の元へと戻った――。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴