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カードゲームに負けたら戦闘員!?偽造カード集団を撲滅せ

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●カードデュエル!
「俺は『灼滅激走竜・グラインドフレイムドラゴン』を召喚!どうだ!最高レアだぜ!」
 テレビウムの少年が何やらやたらと豪華に光ってキラキラしているカードを盤面に出して勝ち誇った画像を顔面に出している。
「しゃしゃしゃ、そんなチンケなカードが最高レア?笑わせてくれるぅ」
 だが対戦相手の機関車怪人は出てきたカードを確認すると笑い飛ばす。
「な、なんだと!俺のグラインドフレイムドラゴンは中々出ない激レアカードなんだぞ!」
「そんなもの、我が『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』の前ではカスレアよぉ!」
 機関車怪人はやたらと光り輝くカードを掲げテレビウムの少年のカードを弾き飛ばしてしまう。
「そ、そんな!あれは世界にたった4枚しか存在しないはずのカード……!あんなレアカード相手じゃ、俺のデッキじゃ勝てないよ!」
 テレビウムの少年はデッキに手を置き、敗北宣言をしてしまう。
「しゃしゃしゃ、では約束通り、我が軍門に下って貰うぞぉ」
「仕方ない。そういう約束だったからな。どこにいけばいいんだ?」
「では連結して付いて来るがいいぞぉ」


「という事件が起こります」
 羅刹の角を頭巾から覗かせた少女……朝倉・くしなは君たちを迎える。
「キマイラフューチャーで流行してるトレーディングカードゲームがあるのですが、機関車怪人はどうやらそれを利用して、勝負に負けたプレイヤーを連れ去って戦闘員に改造しようとしているようなのです」
 既に2名ほど、機関車怪人のアジトに連れ去られ監禁されている住人がいる。急ぎ向かわなくては彼らが改造されてしまうだろう。
「ただ、問題がありまして」
 連れ去られ2名は状況を理解しており、救出すれば問題なく逃げてくれるだろう。
 だが、今カードゲームで勝負をしているテレビウムの少年やその周囲の住人は純粋に『カードゲームの勝敗の結果、言う事を聞く』というルールに則った動きをしているのだ。
 動画配信されているこの勝負は大変人気らしく、周りはヒートアップしている。正直に話をしても聞いてくれる状況ではない。
 むしろ不当にゲームの邪魔をするものとして最悪住人から攻撃されかねない。
 そして機関車怪人のデッキは物凄くレアなカードばかりで組まれており、テレビウムの少年のデッキでは絶対に勝てないらしい。
「でもこのデッキ、怪しいみたいなんです」
 実はこの機関車怪人のデッキはその全てのレアカードが違法な『偽造カード』。機関車怪人自身が自作した捏造したカードなのだ!
 不正な勝負であったとなれば、勝負は当然無効。機関車怪人の悪巧みも早々易々と出来るものではなくなるだろう。
「そこで、皆さんには『偽造カードの鑑定』をお願いします」
 鑑定方法は君たちの得意な方法で挑戦してみて欲しい。機関車怪人はノリと勢いで乗り切っているので実はそこまで精細に作れているわけではないようだ。

「それと偽造カードであることを糾弾できれば、機関車怪人は逃げようとしますが、その隙に捕まっている要救助者2名も助け出す事が出来るかと思います。監禁されている二人の救助を確認出来れば最後に機関車怪人も倒してハッピーエンドとなります。」
 くしなはしゃこしゃことカードの束をシャッフルしてポンと置くとカードを引く。
「それではデュエルスタート。頑張って下さい。」


ナイン高橋
 マスターのナイン高橋です。よろしくお願いします。

 今回の事件はカードゲームに負けたカードゲームプレイヤーは勝ったものの言う事を聞いてしまう心理ってやつが利用されています。
 え、そんな心理ないですか?

 偽造カードの鑑定ですが、専門的な知識なんてなくても(機関車怪人はかなり勢いだけでなんとかしてきていたので)大丈夫です。
 多数の鑑定人から偽物である事を指摘出来れば、成功となります。

 偽造カードを指摘すれば、次は敵のアジト(場所は判明してます)に攫われた二人を助けにいく第二章が始められるようになります。

 助け出す事に成功したら最後の章で、機関車怪人を懲らしめてやってください。

 それではよろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『偽造カードを見破れ!』

POW   :    ひたすら本物と見比べて鑑定する、インクの匂いや光沢など感覚で見極める

SPD   :    手早く何枚も鑑定する、印刷のズレや書体などから判断する

WIZ   :    本物のカードに施されている偽造防止策や、偽造カードの知識を元に鑑定する

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

メイロン・ミラー
偽造カード……!
カードゲームをやってる者としては許されざる行為だな!!
しかし見破れったってなぁ
普段からよく触ってるし「見切り」には自信はあるけど……

…………ん?ちょっとそのカード
……あ、やっぱりあたしの持ってるカードと同じじゃん
これと絵柄が同じってことは、それプロモカードだろ?
世界大会の上位入賞者のみに配られる奴なんだけど……本物である証として右上にナンバーが記されてるんだよね。あたしの場合はNo.12だ
……でさ、それナンバー入ってなくね?

……偽造は駄目だぜ?うん


リステル・クローズエデン
「ふうん、珍しいカードいっぱい持ってますのね?
 すごいです。見せてもらっていいですか?」
と、キラキラした目で、尊敬するように言って見せてもらいますね
『誘惑1、礼儀作法2、コミュ力2』


【SPD】で鑑定します
『撮影2、世界知識1、第六感3、視力2』
(あと、謎の携帯端末で証拠写真を撮影しておきますか。)

「あれ? このカードと、このカード同じはずですよね。
 なんで、効果説明欄がゴシック体と明朝体なのですか?」
「こっちは、枠が2ミリほど、左に寄ってませんか。ほら、ほらあ。」


フェルト・ユメノアール
カードはプレイヤーの魂!
それを偽造した上、悪事に利用するなんて許せない!
カード使いとしてこの事件、絶対に解決して見せるよ

その勝負、待った!と少年が連れ去られる前に現場に乱入
怪人たちのカードが偽造ではないかと指摘してチェックをする
もちろんタダでとは言わないよ、もしカードが本物ならボクも何でも言う事を聞くと約束
カード鑑定はSPD勝負で質感とカットを重点的に確認
偽物である以上、紙質はワンランク下になるから手触りである程度判別できるはず
あとはカットだね、カード四隅のカット具合は均一にするのがかなり難しいから
怪人が同名カードを複数デッキに入れていればそれを比較する事で偽造を見破る事ができるかもしれない!


ブリッツ・エレクトロダンス
は?カードの偽造?
おいおいおいおい、それぜってー俺の知り合いが聞いたら「は?TCG業界に喧嘩売ってんでっすか?」とブチギレる事間違いねーぜ…。

…よし。『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』の偽カードがあるって事は、本物の4枚の所在をハッキングで特定して、それが存在するはずがない、と揺さぶる所から始めようか。

ハッキング先は…TCGメーカーのメインフレームだな。
4枚しかないプレミアム物ならメーカーも所在を記録しているはずだ。
もちろん、ハッキングがバレたらマズいからメーカーから所在リストを合法的に取寄せた、という体裁で指摘するとしよう。

揺さぶりをかけて相手を動揺させる所までが俺の仕事だな。


深雪・結弦
「うーん、ズルは良くないね。」
『勝つ為に何でもやる姿勢は嫌いじゃねえけどなァ、不正やらかしてンのはカッコ悪いぜ~?』

【SPD】
というわけで、【オルタナティブ・ダブル】で別人格の『譲』に協力してもらって、偽造カードの鑑定を二人がかりでやろう。たくさんの数を見ていけば気づくことがあるはず。…これはズルじゃないよね?さあ、手早く偽物ってことを見破っちゃおう。
面倒臭ェけど、頼り無えコイツ一人にゃ任せてらんねえからなァ。仕方ねえからオレがちゃちゃーっと見分けてやるよ。


グロリア・グルッグ
「世界に4枚しか存在しない『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』が場に出たなら、カードのチェックが必要ですよね? だって世界に4枚しか存在しないレアカードですし、それが本物かどうか確かめてからじゃないと通りませんよ」

電脳魔術を使って調べ物をします。
【世界知識】【ハッキング】でまず本物のカードの画像を入手。
それと偽造カードを照らし合わせて印刷のズレなどを【視力】で看破です。

このカードが偽造であると宣言する際は【気合い】と【存在感】を使う。
「はい偽造。いけませんねぇ、こんな雑なことをしちゃあ……。どうせやるなら材質からこだわって完全再現くらいしないと……。いえ、不正はいけないと思います!」


ヴィサラ・ヴァイン
……えっと、カードの鑑定をしたいのですが……いきなり怪人さんのカードが偽物とかは言いにくいので……まずはトレードを申し込みます
トレード用のファイルを用意しておいて、そこからじっくり選んでもらって……その間にデッキを褒めたり、雑談しながら怪しい所をつついてみます(特に世界に4枚しかないカードについて)
どこのショップで買ってるんですか?(いくらくらいで?)
それともトレードで? (何をトレードに出したんですか?)

律さんが集めてくれた情報と照らし合わせれば矛盾点が出てくるでしょうし、怪しい言動があればじっくりとカードの鑑定をさせてもらう理由になります

「カードの偽造は、製作者に対する冒涜ですよ?」


江戸川・律
★共同プレイング
ヴィサラのサポートとして参加
ネットや自身の記者としての情報ソースをフルに使い
「情報収集5」「ハッキング5」を使用
トレーディングカードゲームについて
「ゲームの内容」「カードの種類」「販売価格相場」
特に「世界に4枚しかないカード」の持ち主
「偽造の方法、見分け方」など情報を全て調べて
事前にヴィサラや他の仲間に伝えます
交渉の際はそれとなく、にこやかな表情で傍に立ち
「大丈夫、俺が居るから」とヴィサラの背中を支えます
「言いくるめ5・コミュ力5」や
言葉のカードの切り方で
「罠使い5・戦闘知識5」を使い
合いの手を入れながら有利に運ぶようにサポート
さぁ何処でぼろを出すかな?アドリブOKです


ロア・メギドレクス
待て。鑑定の前に勝負をさせろ。
『レアカードを持っていれば勝つ』?余りにも愚か。デッキコンセプトはなんだ?舐めるな愚物。レシピが甘い。シナジーがない。相性が成立しておらぬ!余の獄竜騎士団デッキの敵ではない!汝、カードを見せびらかしたいだけか?
く、く!そうであろう。わざわざ『作った』カードまで使って負けた悔しさは相当であろうな?

余の目を節穴と侮るな。
カードバトラーの端くれなら汝もその価値を知っていような?ならば、何故『スリーブをしていない』?
余のデッキはいかなカードであろうとも確と二重にしている。
スリーブをつければカードの光が曇り、威圧できなくなるからであろう?
恥じよ愚物!汝はカードへの愛がない!



●偽造カードなんて、許せない!
「偽造カード……!カードゲームをやってる者としては許されざる行為だな!!」
 メイロン・ミラー(堕ちた武人・f01473)が不機嫌な顔で気合の声を上げる。因みに人相が悪いだけで本当に不機嫌という訳ではない。
「カードはプレイヤーの魂!それを偽造した上、悪事に利用するなんて許せない!カード使いとしてこの事件、絶対に解決して見せるよ」
 元気な声で答えるのはフェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)だ。
 彼女は特別な魔法のカードを武器に旅もしている。偽造カードでの騙すような勝利は見過ごせないのだろう。
「は?カードの偽造?おいおいおいおい、それぜってー俺の知り合いが聞いたら、は?TCG業界に喧嘩売ってんでっすか?とブチギレる事間違いねーぜ……」
 ブリッツ・エレクトロダンス(DJ.Blitz・f01017)も話を聞いて機関車怪人の行為の愚かさを嘆く。
「うーん、ズルは良くないね。」
「勝つ為に何でもやる姿勢は嫌いじゃねえけどなァ、不正やらかしてンのはカッコ悪いぜ~?」
 二人で喋ってるように聞こえるが、実際は深雪・結弦(多重人格者の妖剣士・f09646)が自身の中にいるもう一つの人格である譲(ジョウ)との会話だ。
「皆さん、俺が事前に調べておいた情報があります。必要であれば確認しておいてください」
 江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)がその場にいる猟兵たちに簡単に調べたトレーディングカードの情報などを共有する。
「ヴィサラもね」
「は、はい……ありがとうございます。律さん」
 今回、律はヴィサラ・ヴァイン(人見知りなゴルゴン少女・f00702)のサポートを主な目的としてこの依頼に参加したが、人見知りなヴィサラは目線を合わせないように俯きしながら律に返事をする。
「『レアカードを持っていれば勝つ』?余りにも愚か。それを証明してやろう」
 ロア・メギドレクス(獄竜暴君・f00398)もまたカードバトラーの1人である。彼もまた熱い想いを胸に、この偽造カード事件へと挑む。
 猟兵たちは互いに偽造カード事件への想いを募らせながら現場へと急行するのだった。

●カード・ファイト!
「我が『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』の前ではカスレアよぉ!」
「そ、そんな!あれは世界にたった4枚しか存在しないはずのカード……!あんなレアカード相手じゃ、俺のデッキじゃ勝てない……俺の負けだよ」
 猟兵たちが現場に着いたのはちょうどカードゲームの勝負の決着がついた場面だったようだ。
「その勝負、待ったーっ!」
 フェルトの舞台映えする大きな声がテレビウムの少年を連れていこうとしていた機関車怪人の動きを止める。
「しゃしゃ?何者だお前たちはぁ?我の邪魔をするなぁ」
 機関車怪人は突然の乱入者を前に不機嫌さを隠そうともしない。
「ふふーん、果たして本物なのかな?そのカード」
「ギクゥゥゥ!」
 フェルトの演技がかった物言いにあからさまに反応してしまう機関車怪人。
 これは明らかにクロ!ここぞとばかりにグロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)が追及を続ける。
「世界に4枚しか存在しない『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』が場に出たなら、カードのチェックが必要ですよね? だって世界に4枚しか存在しないレアカードですし、それが本物かどうか確かめてからじゃないと通りませんよ」
「しゃしゃ、誰がなんと言おうと我はその少年と決闘し、勝った事実は変わらんわぁ!」
 しかし機関車怪人もそう簡単に自分のカードを渡す訳もない。ここはその場の勢いで煙に巻いてしまおうとする。 
「ふうん、珍しいカードいっぱい持ってますのね?すごいです。見せてもらっていいですか?」
「レアなカードをいっぱい、おもちなのですね……あの、わたしのカードをトレードしませんか?」
 しかしそこにここぞとばかりに詰め寄るリステル・クローズエデン(記憶喪失の放浪者・f06520)とヴィサラ。
 片や礼儀正しくキラキラした目で尊敬するかのような瞳で、片や恥ずかしがりつつたどたどしくも興味がある事を示してくるのだ。
「もちろんタダでとは言わないよ、もしカードが本物ならボクも何でも言う事を聞く!」
「しゃしゃしゃ、いいだろう。幾らでも調べるがいいわぁ!」
 実は体躯のよかった機関車怪人に対して小柄な美少女二人は上目遣いで迫って来られたらデレデレしてしまうのも仕方ない!よく考えずに機関車怪人は鑑定を許す流れとなった。
 了承を取れば素早く猟兵たちは機関車怪人のカードデッキを受け取り、皆で鑑定を開始する事となった。
 その間もリステルとヴィサラ、そしてヴィサラのサポートとして律が機関車怪人に積極的に話しかけ、注意を反らし続けている。

●偽造カードを調査せよ!
「しかし見破れったってなぁ。普段からよく触ってるし「見切り」には自信はあるけど……」
 メイロンはデッキのカードを一枚一枚めくっていってどうするか観察していく。
「質感とカットを重点的に確認しよう。偽物である以上、紙質はワンランク下になるから手触りである程度判別できるはず」
 そこにカードに慣れているフェルトが仲間に偽造カードの見分け方を教えていく。
「あとはカットだね、カード四隅のカット具合は均一にするのがかなり難しいから
怪人が同名カードを複数デッキに入れていればそれを比較する事で偽造を見破る事ができるかもしれない!」
「へー。それじゃおれは 『譲』と協力して違いのあるカードがないか確認するよ」
「別人格に協力してもらうって言っても、一度に見れる数は同じだろ」
「いえ、おれのユーベルコード【オルタナティブ・ダブル】を使えばできるんですよ」
 そういうと結弦は【オルタナティブ・ダブル】を使用。
 すると結弦にそっくりな、しかし雰囲気の少し違う人影が現れる。
「面倒臭ェけど、頼り無えコイツ一人にゃ任せてらんねえからなァ。仕方ねえからオレがちゃちゃーっと見分けてやるよ」
 実は結弦のユーベルコードは『もうひとりの自分』を出現させる事ができるのだ。
 そして現れたのはもう一人の人格である『譲』。
「偽造カードの鑑定を二人がかりでやろう。たくさんの数を見ていけば気づくことがあるはず。…これはズルじゃないよね?さあ、手早く偽物ってことを見破っちゃおう」
 結弦と『譲』は二人で鑑定を開始する。
「ではこちらは、世界に4枚しか存在しない『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』について調べましょうか」
 電脳魔術士のグロリアとブリッツは、世界知識やハッキング能力を駆使して、機関車怪人の使っている恐らく最高のレアカード『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』を調べる事にしたようだ。
 偽物がここにあるという事は、本物がどこかに必ずあるはずだ。
「ハッキング先は…TCGメーカーのメインフレームだな。4枚しかないプレミアム物ならメーカーも所在を記録しているはずだ」
「画像検索もして、印刷のズレなんかないか照らし合わせましょう」
「もちろん、ハッキングがバレたらマズいからメーカーから所在リストを合法的に取寄せた、という体裁で指摘するとしようぜ」
 二人のハッカーは互いに協力し合いテキパキと情報を集めていっている。
 普通に検索するのではなく、何故かハッキングしているがそこに対した違いはないのだろう。多分。
「揺さぶりをかけて相手を動揺させる所までが俺の仕事だな」
 カードの鑑定はどうしても多少の時間はかかってしまう。
 機関車怪人を注意を惹き付けている組も頑張っている。
「あの、わたし、トレード用のファイルを持ってきているので、よかったら、トレードしてくれませんか?」
 ヴィサラはおずおずといった感じで機関車怪人にファイルを手渡そうとする。
「しゃしゃしゃ、我は大抵のレアカードはつく……こほん。持っているぅ」
 しかし機関車怪人は偽造カードを幾らでも作れるからこそ、それ程カードの価値を重視していないようだ。
「え、あれ?あの、えと」
 トレード用ファイルを物色してじっくり選んでもらう事で時間を稼ごうと思っていたヴィサラだったが、予想外の反応に一瞬パニックになってしまう。
(大丈夫、俺が居るから)
 背中を支えたのは律。
「でしたら、余っているレアカードなどありませんか?彼女は欲しいカードがあるようですので」
「はっ、そ、そうです。それにあのデッキ、すごく、レアカードがいっぱいで強かったです」
 律のサポートを受けたヴィサラは冷静さを取り戻して機関車怪人から情報を聞き出そうと方針転換する。
「しゃしゃしゃ、あのデッキはレアカードばっかりで作らているからなぁ」
「と、特に世界に4枚しかない『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』なんですが、どうやって入手されたのですか?」
「しゃしゃ、あれは、えーと、そのーどうだったかなぁ」
 もちろん偽造品なのだが、それを言う訳にもいかない機関車怪人は適当に濁そうとする。
 カードゲーマーならば世界に4枚しかない程のカードの入手方法をそんな簡単に忘れるものでは当然ないだろう。
「僕もカード見させて頂きますね」
 ヴィサラとそのサポートに入っている律のおかげで機関車怪人はたじたじだ。
 リステルもこの隙にと偽造カードの鑑定を行う事にした。
(あと、謎の携帯端末で証拠写真を撮影しておきますか)
 何故か機能のほとんどがロックされている謎の携帯端末で偽造カードの画像を記録するリステル。すると画像を見比べるて気付いた事があった。
「あれ?このカードと、このカード同じはずですよね。なんで、効果説明欄がゴシック体と明朝体なのですか?」

●指摘・偽造カード!
「こっちは、枠が2ミリほど、左に寄ってませんか。ほら、ほらあ」
 リステルがしてやったり顔で偽造された証拠をもって機関車怪人に詰め寄る。
「しゃしゃっ?し、知らん。そんなの違うのがあってもいいではないかぁ」
「ボクも怪しいカードわかっちゃったよー。ほらこのカード、明らかに紙質が違うじゃん。触ってみてよ」
 フェルトが身軽な様子でカードを持ってきてテレビウムの少年のカードとの比較を行う。
「か、紙質ぅ?そんなものどれも一緒ではないのかぁ」
 機関車怪人はそこまで気が回っていなかったようで、当然触れば全く違う紙質のカードである事が判明する。
「おれと『譲』も見つけましたよ。ほらこれ、同じカードなのにカードが斜めに印刷されてる」
 結弦と『譲』が2枚の同じカードを持ってくる。実際に見比べてみると、明らかにズレが生じていた。
「ん?ちょっとこのカード」
 メイロンもまたデッキの中からカードを取り出してよく観察している。
「……あ、やっぱり。それプロモカードだろ?世界大会の上位入賞者のみに配られる奴」
 メイロンも自分の持っている知識から偽造カードと証明できそうなものを見つける事が出来た。
「しゃしゃしゃ?そ、そんな大会知らんなぁ、多分購入したものだなぁ」
 機関車怪人は今度は知らない知識に対してはこちらも知らない姿勢を取ってやり過ごそうと試みる。
「なんだけど……本物である証として右上にナンバーが記されてるんだよね……でさ、それナンバー入ってなくね?」
「しゃしゃ?」
 見れば確かに、入っているべきナンバーの所はサンプルと書かれていた。
「あー、それと『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』だけどよ。4枚とも、所在が判明したぜ」
 ブリッツが(しれっとハッキングして手にした)情報を公開する。
 そこには世界に4枚しかない『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』の過去から現在に至るまでの所在地とその経緯が書かれていた。無論、機関車怪人の手に渡っているはずもない。
「はい偽造。いけませんねぇ、こんな雑なことをしちゃあ……。どうせやるなら材質からこだわって完全再現くらいしないと……。いえ、不正はいけないと思います!」
 グロリアがずびしと機関車怪人の不正を指摘した!
「ぐ、ぐぬぬぬぬ……!」
 唸るだけでこれほどの証拠を見せつけられても未だに偽造カードと認めない機関車怪人。
 そこへ、1人黙々とデッキのカード全てを確認していたロアが一歩前に出る。
「カードは拝見させて貰った」
「しゃしゃ?お前も我のカードに文句があるのか!」
「確かにレアカードばかり……しかし故に。余りにも愚か。デッキコンセプトはなんだ?レシピが甘い。シナジーがない。相性が成立しておらぬ!」
 ロアさん!それデッキ構築にダメ出ししちゃってる!偽造カード関係ない!
「しゃしゃしゃー?そんなもの考慮するまでもなくレアカードをばんばん出せば勝てるではないかぁ」
「ふん、余の目を節穴と侮るな」
 す、とロアが機関車怪人のカードを一枚手に取る。
「カードバトラーの端くれなら汝もその価値を知っていような?ならば、何故『スリーブをしていない』?」
「しゃしゃ?スリーブぅ?」
「余のデッキはいかなカードであろうとも確と二重にしている。スリーブをつければカードの光が曇り、威圧できなくなるからであろう?」
 機関車怪人のカードはカードがそのまま使われている。
 対してロアの取り出したカードにはカードを保護するようなフィルムがしかと2重でかかっていた。しかも裏側はイラスト付きだ。
「それこそが、偽造カードである事の証左っ!恥じよ愚物!汝はカードへの愛がない!」
「カードの偽造は、製作者に対する冒涜ですよ?」
「……偽造は駄目だぜ?うん」
「しゃー!五月蝿いわっ、このような紙きれどれも同じではないかぁ!」
 ばーん!と機関車怪人が遂に手を上げ決闘場(テーブル)をひっくり返す。
「しゃしゃしゃーん!偽造カードを使っているのがバレてしまったならば仕方ない!この場でカードゲームで勝って戦闘員を増やす計画は中止だぁ!」
 ばばーんと、周囲で動画を取っていたキマイラフューチャーの住人や、カードゲームで対戦していたテレビウムの少年がショックを受けたような顔に変わっている。
 少しすると偽造カードを使っての不正行為に対しての野次が飛んで来る。
 機関車怪人もその勢いにたじたじになっている。

 見事!猟兵たちは偽造カードの鑑定に成功し、この場で機関車怪人の悪事を暴いたのだった!
 
「しゃしゃしゃーん!五月蝿いわっ!こうなれば、今いる二人だけでも改造してくれるわぁ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『住民戦闘員化計画を阻止せよ』

POW   :    正面突破あるのみ、怪人を張り倒して救出します。

SPD   :    怪人よりも早く一般人に接触、そのまま救出します。

WIZ   :    巧みな話術で怪人の気をそらし、気付いた時にはもう救出しています。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


偽造カードによって、敗者を戦闘員に改造しようと企んでいた機関車怪人だったが、その企みは猟兵たちによって暴かれた!

「しゃしゃしゃーん!五月蝿いわっ!こうなれば、今いる二人だけでも改造してくれるわぁ」
 諦めの悪い機関車怪人は、今までに攫った2人のキマイラフューチャーの住人を攫い、逃走を図っている。
 アジトまで追いかけ追い詰めた猟兵たちだが、そこには、鳥かごの中に入れられた仮面2つがピーチクパーチク助けを求めていた!
 鳥かごは機関車怪人の手にぶら下がっている!

 この場はひとまず、人質の解放が先決だ!
 方法は君たちに任せる。各自得意だと思う方法で救助を頼む!

 機関車怪人を懲らしめてやるのは人命救助の後だ。

 猟兵たちよ、頼んだぞ!(なお録画配信中です)
桐府田・丈華
「カードゲームの真剣勝負にズルはご法度だよね!」
といつになく真剣になります
まずは機関車怪人と接触
「あなた強いんだってねー ボクとひと勝負しない?」
と声かけします
勝負に持ち込んだら持ち前のカードゲームの腕前で機関車怪人を追い詰めたりします
フライングウィッチ号が場に出た場合には動揺などせず素早く
カードを奪います
「これ、ほんとうにホンモノのカードなのかなぁ?」
「キミのようなカードゲーム愛の少なそうな感じの人が持ってるのかなぁ」
と鑑定しつつ反論の機を与えないように
カードゲームしている他の皆にも見せて鑑定してもらい決定的な偽造の部分を突きつけて(コピー部分だったり、色合いの違い等)怪人が逃げたら追跡


メイロン・ミラー
要は人質を早く掻っ攫っちまえば良いってこったな!
そんじゃあまずは、手持ちの武具を捨てて身軽になろう!

人質の所まで全力で「ダッシュ」!それも「残像」すら見えるスピードで!
機関車怪人の妨害は確実に「見切り」、目にも留まらぬ「早業」で鳥かごのを『縮地の一掌』で超高速攻撃!
武具を捨てたことでスピードは更に跳ね上がる……!さあ、一瞬で奪わせて貰うぜ!!
そして颯爽と人質を「盗み」、そのまま安全な場所まで移動だ!

……あ、ゴメン。録画はちょっとNGなんで
それに映らない程のスピードで行かせて貰うよ


グロリア・グルッグ
ここは電脳魔術士らしく、知性的に怪人たちの注意を引き付けましょう。
電脳ゴーグル『ラプラス』を装着して電脳空間を展開します。
使用する技能は目立つための【存在感】、言葉の説得力を裏付けする【時間稼ぎ】と【世界知識】、電脳空間の操作を補助するための【高速詠唱】です。

展開した電脳空間に映し出すのは壮大なスペースオペラ的な物語映像。
「お伽噺をしましょう。これは銀河に伝わる、悪の帝国騎士と正義の解放軍のお姫様の、許されざる恋の物語」
ありがちな、しかし王道とも呼べるお話を電脳空間でド派手に演出し、時には戦艦同士の戦いなどを交えて語ります。
「そしてついに、騎士の剣がお姫様へと……はい、今日はここまで!」


リステル・クローズエデン
基本は、他の方たちに任せますが。
いや、言い方が悪いですね。
他の方々の内、目立つ方法で行っている方たちに
注意がいっているうちに

【理から外れし存在の祝福】を使い。
こっそりと姿を消して、回り込み。
他の、メンバーが奪取するときに、
手裏剣を怪人の頭に投げてフォローします。
(手だと、奪取するメンバーの邪魔になるかもしれないので。)


フェルト・ユメノアール
ついに本性を現したね!ならこっちも本気で行くよ!
と言いたいんだけど、人質がいる状態であんまり迂闊な事はできないよね

だったらボクは囮+SPD勝負で怪人の鳥かごから人質を解放する作戦でいこうかな
まずは手札から【<ユニットカード>SPクラウンジェスター】を召喚!
怪人から人質を奪取!ではなく怪人の前で杖の先から花を出したりシルクハットから鳩を出したりとマジックを行う
その良く分からない行動に怪人が気を取られている隙にボクが死角から接近
『盗み攻撃』(途中で気が付かれた場合にはトリックスター+投擲で隙を作る)を使用して鳥かごの奪取
もしくは鳥かごの口を開けて救助者に脱出を促すよ


ヴィサラ・ヴァイン
【WIZ】使用【共同プレイング】
※要約 大声を出して怪人の気を引き、囮となり他の人の行動をアシストする
偽造カードで勝負を仕掛けられて、カードゲームが嫌いになってないか心配です……籠の中の攫われた2人に大声で話しかけます
「わたしの事は嫌いでも、カードゲームの事は嫌いにならないでください!」
……あれ? 何か違うような……まあそれは置いておきまして
「偽物のカードで不正する怪人さんもいますけど、そんな人ばかりではないので、カードを嫌いにならないでくださーい!」
さりげなく怪人をディスっていますけど、これで少しでも怪人さんの気を引ければ……!
「今、お二人を助けますから! あ、安心しててくださーい!」


江戸川・律
WIZ使用
【共同プレイング】
ヴィサラがうまく動けるように
「言いくるめ5」「コミュ5」を使い
言葉巧みに 「機関車怪人」の注意を引き
それとなく「念動力5」で「機関車怪人」の動きを阻害して 上手く鳥籠の人質と上手く会話ができるタイミングを作ります
「ヴィサラ…無理はなし、駄目ならすぐに退くんだよ」
「手駒が無いと戦えないのか?カードだけじゃなくて情けない奴だな、  お前もデュエリストなら正々堂々戦えよ!!」

アドリブOK



●ドロー!スタンバイ!
(ついに本性を現したね!ならこっちも本気で行くよ!と言いたいんだけど、人質がいる状態であんまり迂闊な事はできないよね)
 フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)は小声で猟兵たちに話×がその仕草が大変大袈裟な動作でうーんと悩む動作をしているのでパントマイムとなってまるわかりだった。
(要は人質を早く掻っ攫っちまえば良いってこったな!そんじゃあまずは、手持ちの武具を捨てて身軽になろう!)
 その横でメイロン・ミラー(堕ちた武人・f01473)はピコーンと閃いたようにポイポイポイと自身の武器を捨てていく。
 硬い石、隠し刃、隠し手斧、隠し盾……どれだけ普段は見えないのに実は武装になるようなものを隠し持っているのか。
(攫われてしまったお二人、偽造カードで勝負を仕掛けられて、カードゲームが嫌いになってないか心配です……)
「今、お二人を助けますから! あ、安心しててくださーい!」
 ヴィサラ・ヴァイン(人見知りなゴルゴン少女・f00702)は人質にされたヒーローマスク二人に大声を出して話しかける。
 人質も声をかけられる事で安心感も増すが、同時に機関車怪人の注意もヴィサラに向くようになる。

●まずはモンスターを展開だ!
「しゃしゃしゃ、この二人が大事ならばそこをどくのだぁ!」
 機関車怪人ががしゃがしゃと手元の鳥かごを揺らして猟兵たちへを脅迫する。
(い、いえ、でも!怪人の気を引いて、囮にはなれてます……これで他の人のアシストになるんです……)
「ヴィサラ…無理はなし、駄目ならすぐに退くんだよ」
 江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)が緊張しているヴィサラの横に立ち、ヴィサラが上手く動く事が出来るようにサポートする。
 それとなく念動力を使用して、機関車怪人の動きを阻害しようとしていたりもする。
「カードゲームの真剣勝負にズルはご法度だよね!」
 桐府田・丈華(カードバトルゲーマー・f01937)が機関車怪人の要望なんて一切無視して真剣な顔で前に出てくる。
「あなた強いんだってねー ボクとひと勝負しない?」
 カードゲーマーの丈華はデバイス「マイデッキ」を機関車怪人に見せつけ、カードバトルを申し込む!
「しゃしゃしゃ~?我のデッキが最高額レアカードのみで構成された圧倒的レアデッキである事を知らんのか~?お前も我の配下に改造してやるぞぉ!」
 人質を得た事で優勢になった機関車怪人は気をよくしたのか、丈華からの勝負にも案外乗り気を示し、自前のカードデッキを取り出す。
 そのトップにあるのは世界に4枚しかないという『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』だ!
「いやこれ、偽造カードでしょ?」
 スパン、といつの間にか近寄っていたフェルトが盗みのテクニックでフライングウィッチ号のカードを機関車怪人から盗み取るとひらひらさせる。
「しゃしゃしゃ?!どこからどう見ても本物のカードだろぉ!?」
 ノリと勢いで騙し切っていていた機関車怪人は既に看破されたというのに自分の偽装能力に自信を込めて宣言する。
「これ、ほんとうにホンモノのカードなのかなぁ?」
 丈華も便乗して偽造カードの鑑定をしてみる。
「え、どうみてもカラーコピーだよねこれ」
「手駒が無いと戦えないとか?カードだけじゃなくて情けない奴だな、お前もデュエリストなら正々堂々戦えよ!!」
 律も言葉巧みに機関車怪人の気を引くように言葉を重ねていく。
「しゃしゃしゃーん!五月蝿ーい!いいからそこをどくのだぁ!人質がどうなっても知らないぞぉ!」
 散々煽られた機関車怪人はポッポーと蒸気を出しながら地団駄を踏む。
「はい。それはここは電脳魔術士らしく、知性的に、私がお伽噺をしましょう……」
 グロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)がぽんと手を打つと、機関車怪人の注意を引こうと電脳ゴーグル『ラプラス』を装着して電脳空間を展開する。
「これは銀河に伝わる、悪の帝国騎士と正義の解放軍のお姫様の、許されざる恋の物語……」
 高速詠唱によって突如として展開した電脳空間に映し出すのは壮大なスペースオペラ的な物語映像。
 電脳魔術によって映し出される巨大な戦艦同士の戦い、王道ながらも引き込まれるようなド派手な演出……。グロリアの存在感ある話声は、世界知識を駆使したまさに時間稼ぎに最適な手段だった。
 機関車怪人と(そして一部の猟兵たちと)人質のヒーローマスクはグロリアの巧みな話しぶりにすっかり嵌り込んでいっている!
(このまま、基本は、他の方たちに任せますが)
 リステル・クローズエデン(記憶喪失の放浪者・f06520)は電脳空間で若干暗くなった部屋を一人ひっそりと機関車怪人の裏手に音を立てないように移動していた。
(いや、言い方が悪いですね。他の方々の内、目立つ方法で行っている方たちに
注意がいっているうちに、フォローするのに最適な場所で待機です)
 その姿はまさに……あれ見えない!!!せっかくの青髪の美少女姿が何処に?!
 実はリステルはユーベルコード【理から外れし存在の祝福】を使用。
 その姿が透明になり姿が隠れているのだ。
 ところで説明文を見ると、自身と自身の装備、【1分以内に(どこでもいいので)キスをした】対象1体が透明になるってあるって事は誰かがキスされたって事なのかな?!
(解除するまで疲労するので、邪魔しないでくださいね。)
「そしてついに、騎士の剣がお姫様へと……はい、今日はここまで!」
 パン!とグロリアが電脳絵本を勢いよく閉じると同時に周囲の電脳空間が解除されていく。
「しゃしゃー!?こんないいところで終わるのかぁ!」
 機関車怪人はすっかり逃走の事など忘れ、グロリアに続きを強請っている。
 鳥かごの中にいるキマイラフューチャーの住人二人も一緒にピーチクパーチクと助けを求める声はなくなり御伽噺の続きを求める声を上げているぞ。
「だったらここはボクが!まずは手札から【<ユニットカード>SPクラウンジェスター】を召喚!」
 フェルトが機関車怪人と鳥かごの中の人質二人の前に出ると、大げさな身振り手振りでカードを掲げ、カードの発動を宣言する。
「変幻自在の魔術師よ!その歓声に答え、鮮やかに舞台を彩れ!カモン!SPクラウンジェスター!」
 出てきたのは王冠をかぶった道化師。さぁ機関車怪人から鳥かごのを奪取……するのかと思いきや、すっと怪人の前に杖を持っていくと花を出したり、シルクハットから鳩を出したりとマジックを披露。
「しゃしゃしゃー。これは摩訶不思議ぃ!」
 機関車怪人はすっかりフェルトの出した道化師がお気に入りに。
(今だよ、ピエロの良く分からない行動に怪人が気を取られている隙に……)
 フェルトは猟兵たちに目配せして機関車怪人の死角に回り込む。
 意図に気付いた猟兵たちが頷き、それぞれが位置につく。

●ここぞでバトル!
 ポン!
 道化師が煙を出して機関車怪人の注意を惹き付けたタイミングに猟兵たちが一斉に動き出す。
「ここだ……!」
「行くぜ……勢ッ!」
「そこです!」
 武具を捨てて身軽になったメイロンが人質の所まで全力でダッシュ!それも残像」すら見えるスピードだ!
 それでも反射的に反応した機関車怪人だったが、律の念動力が動きを邪魔し動きは緩慢になり、今まで透明になって隠れていたリステルが手裏剣を機関車怪人の顔目掛けて投げつけフォロー。
 妨害有りきの機関車怪人の動きを確実に見切り、目にも留まらぬ「早業」で鳥かごのをユーベルコード『縮地の一掌』で超高速攻撃!
 武具を捨てたことでスピードは更に跳ね上がる……!
「しゃしゃー!?なに、あいたー!!!」
 カン、と手裏剣が刺さった機関車怪人のその手には既に鳥かごはなくなっており、颯爽と盗んだメイロンが安全な場所まで既に移動していた。
 驚いたのは機関車怪人だけではない。
 撮影をしていたキマイラフューチャーの住人もその動きが全く見えなかったのだ。
「……あ、ゴメン。録画はちょっとNGなんで」
 メイロンのスピートは録画に映らないようにする程のスピードを出していたのだった。
「わー!わたしの事は嫌いでも、カードゲームの事は嫌いにならないでください!」
 フェルトが鳥かごの口を開けて救助者の脱出を促していると、ヴィサラが鳥かごの中からヒーローマスクの二人を取り出す。
「ヴィサラ、その台詞は何か違うような……?」
「あれ?…まあそれは置いておきまして。偽物のカードで不正する怪人さんもいますけど、そんな人ばかりではないので、カードを嫌いにならないでくださーい!」
 さりげなくディスられたヴィサラの言葉には敏感に反応した機関車怪人は、奪還された人質に気付く。
「しゃ、しゃしゃ???い、いつの間に?!」
 人質を失った機関車怪人は動揺の声を上げる。
「さぁ、人質さえいなくなれば、こっちのもんさ」
「キミみたいなズルするようなカードゲーマーはボクが反省させてあげるよ!」
「しゃ、しゃしゃー!?そうはいくかー!こうなれば、我自身の力を見せつけてやるわー!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『機関車怪人』

POW   :    トレイン・フリーク
【時刻表】【鉄道模型】【鉄道写真】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    出発進行!
自身の身長の2倍の【蒸気機関車】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    アクシデントクラッシュ
対象の攻撃を軽減する【高速走行モード】に変身しつつ、【煙を噴き上げながらの体当たり】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ポッポー!!!
 偽造カードをバラされ、人質を奪還されてしまった機関車怪人は、やけになって戦闘を仕掛けてくる!
 狙いはこの場にいる猟兵たちだ!
 放っておけばこのまま暴れてキマイラフューチャーの住人にまで被害が及ぶだろう。
 その前に機関車怪人を倒してくれ!

 機関車怪人のユーベルコードは全てカードを使って強化したり、カードから機関車モンスターを召喚したり、カードによってモードチェンジをするようだ。
 ただしどれも偽造カードで本物程の精密さはないようだ。

 散々騒がせてきた機関車怪人にお灸を据えてやる時だ!
 猟兵たちよ、頼んだぞ!
グロリア・グルッグ
「デュエルスタート! 私のターン! 『鎧装騎兵の空中戦』を場に出します!」

と宣言し【力溜め】【ジャンプ】【ダッシュ】等と騎兵走法を合わせて空を駆け上がり怪人の頭上で滞空しながら【空中戦】を仕掛けます。
武器のアームドフォートによる【誘導弾】で怪人を追い回し、足を止めた所へ【鎧無視攻撃】の徹甲弾をぶち込みます。
また電脳魔術と【戦闘知識】【スナイパー】【視力】を組み合わせ、怪人の行動を予測演算しながら命中精度を高めます。
好機が来ればサイバーロッドを砲身に装着し雷の【属性攻撃】【全力魔法】【高速詠唱】【電撃耐性】でのレールガンをぶち込んで上げましょう。

「これはどうですか、『星船の主砲レールガン』!」


メイロン・ミラー
さて、カード偽造に拉致監禁……どっちも重罪だ……!
もう酌量の余地はないねぇ!覚悟しなぁ!!

戦闘では冷静に行くぜ
召喚した蒸気機関車は厄介だ。だが、こっちにも策はあるんでね
『三点打ち』…その召喚物の動きは封じるぜ
そのデカい図体の倍はあるんだ、まず外さねえよ

仮に高速移動をしようが、全力「ダッシュ」とあたしの「早業」で逃しはしない
仮に反撃してこようが、確実に「見切り」それを超えた「カウンター」を打ち込む
偶然躱したとしても、「2回攻撃」からなる六点打ちが待ってるぜ

さて、怪人さんよ。あんたはこれをどう捌く?


フェルト・ユメノアール
カードとは絆であり魂!
それを偽るキミたちはカード使いとしては三流以下さ!
ショウマストゴーオン!
だから、キミたちに真のカード使いの力を見せてあげる!

力には力、合体には合体で勝負するよ!
ボクは手札からスペルカード、【無人造の機兵】を発動!
自分のレベルと同数の機兵トークンをバトルエリアに召喚する!
さらに、機兵トークンの効果発動!自身をリリースして、エリアにいる他の機兵トークン1体の能力をアップする事ができる!
この効果で機兵トークンを合体させ、力を1体に集中!
機関車怪人とバトルさせる
そして、ボクは怪人が機兵に気を取られている隙に機兵の体の影から接近
『トリックスター投擲』から素早い連続攻撃を仕掛けるよ!


リステル・クローズエデン
(注:記憶がなく見失っているからか真の姿にはなれない)

強化の鍵はあのカードにあるようですね。
ならば。
『見切り2、視力2、第六感4』を併用して、
相手の動きを見切り、【我流忍法・空から金物】を使います。
時間差で一斗缶、金属のバケツ、金ダライを落す絶技(?)
うまく当たればよし。
そうでなくても、牽制にはなります。


桐府田・丈華
「よーし、それじゃボクとデュエルしようよ!」
相手もカードを使って戦う敵なので俄然楽しみながら戦闘を開始します



●熱き決闘者たち
 偽装カード作成と、敗北したプレイヤーの拉致監禁、及び改造未遂。
 キマイラフューチャーに流行しているトレーディングカードゲームを利用した機関車怪人の野望も遂にこの場で潰えようとしていた。
 全ての悪事を暴かれ、人質も解放されてしまい、追い詰められた機関車怪人はやけになって実力行使で戦闘を仕掛けてきた。
 そこに並ぶは5人の猟兵たち。
 互いの得物を構え、宣言する!!!
「「「「「デュエルスタート!!!!!!」」」」」

「デュエルスタート!先攻は頂きます!私のターン! 『鎧装騎兵の空中戦』を場に出します!」
 グロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)が素早く電脳ゴーグル『ラプラス』から決闘場を起動。
 グロリアの前に電子のカードが立ち並ぶとその一枚を選択。電脳世界が周囲へと張り巡らされる。
「しゃしゃっ!?一体どんな効果を持っているのだぁ!?」
「星の海に生きる鎧装騎兵の戦いをお見せしましょう!」
 グロリアは力を溜め、走り出して天高くジャンプすると、ユーベルコード:騎兵走法を合わせて空を駆け上がり、機関車怪人の頭上で滞空。
 空中でアームドフォートを展開して頭上から機関車怪人へと一方的な誘導弾での射撃攻撃を始めた!
「しゃしゃしゃー!やるではないかぁ!」
 機関車怪人も回避を行うも、グロリアは動きを電脳魔術を交えた戦闘知識と、スナイパー技術、視力による観察で、回避行動を予測。高い命中精度で機関車怪人を早くもダメージを与えていく。
「しかぁし、まさか我相手にフライング・デュエルを挑もうとは、笑止千万よぉ!」
 多少のダメージも物ともせず、機関車怪人は蒸気機関の爆発力がポッポーと汽笛を上げながらドロー!
 機関車怪人は光り輝くカードを掲げ、高々と発動を宣言する!
 この輝きは、世界に4枚しかないはずの、最高レアカード……!
「我は『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』を召喚!そして、我自身が騎乗する事で戦闘力がアーーーップっ!!!」
 そして機関車怪人は召喚した列車の先頭車両と合体!機関車怪人・フライングウィッチ号へと武装強化したのである!
「召喚した列車モンスターと合体だって!?」
「しゃしゃしゃ、フライングウィッチ号は我自身。これぞスピードと一体化した姿なのだぁ!」
 ポッポー!と汽笛を鳴らすとフライングウィッチ号が発進。
 車両の先頭がレールもないのに機首を上げて空中へと進んでいく。
「こいつ、飛べるのか!」
「しゃしゃしゃ、フライングウィッチ号の名前は伊達ではないわぁ!空中戦こそ我の真骨頂ぅ!」
 そして機関車怪人は空にいるグロリアの元へと列車の巨体ごと空中体当たりを仕掛けようと速度を上げる。
 列車のパワーを得た機関車怪人は誘導弾の被弾もものともせずに突撃を仕掛けてくる。
「それなら、これはどうですか、『星船の主砲レールガン』!」
 グロリアはアームドフォードの砲身に電撃耐性の付与されたサイバーロッドを装着。
 雷の属性攻撃の魔法を高速詠唱すると、全力のレールガンをぶち込む!
「はぁぁぁ!!!」
「しゃしゃしゃー!最高レアのカードの力を見くびるなぁ!」
 ダメージは通る。しかし『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』と合体した機関車怪人の突進力は想定以上の出力を出しておりグロリアの元へと突っ込んでくる!
「確かに。召喚した蒸気機関車は厄介だ。だが、こっちにも策はあるんでね」
 だが機関車怪人の目の前にはいつの間にか空中へと跳んでいたメイロン・ミラー(堕ちた武人・f01473)が現れていた。
「さて、カード偽造に拉致監禁……どっちも重罪だ……!もう酌量の余地はないねぇ!覚悟しなぁ!!」
 手刀、貫手の連続攻撃が右手、左手と召喚された『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』に次々と決まる。
 一撃ごとにフライングウィッチ号の出力が目に見えて減少していくのを感じ取った機関車怪人は慌てて回避行動に移る。
「しゃしゃしゃーっ!?まさか、カウンタースキルだとぉ!?ええーい、ローリング回避ぃぃぃ!」
 列車ごと身をひねった機関車怪人の大胆な回避行動にメイロンの最後に放った正拳突きは惜しくも外れてしまう。
「ちっ、だけど逃がしやしねえよ!そのデカい図体の倍はあるんだ、まず外さねえよ」
 しかしメイロンは攻撃は3連続程度で終わるものではない!
 さらなるダッシュで列車に再び飛びつき、2回目の攻撃を連続で叩き込みに行く。
「さて、怪人さんよ。あんたはこれをどう捌く?」
 再び目にも止まらぬ速度で手刀、貫手を打ち込み、召喚した列車の出力をどんどん下げていくメイロンは最後に正拳突きを放つため力を込める。
 もはや先ほどの回避行動は見切った。同じ手をしても必ずや追いつき最後の一撃を入れれるだろう。
「しゃしゃしゃー!こうなれば召喚魔法『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』の2枚目を召喚だぁ!」
 機関車怪人が2枚目のカードを発動すると、合体している『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』が再び光り輝き、出力を再び上げる。
「ち、最後のは浅かったか」
 列車の出力を下げる事は出来たが、その機関を完全に停止させるまでには至らなかったようだ。
「だったら次はボクのターンだね!」
 フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)がここで戦場へと踊り出る。
「カードとは絆であり魂!それを偽るキミたちはカード使いとしては三流以下さ!」
「しゃしゃしゃー!所詮カードなどただの紙よぉ!それをこうやって有効活用してやってるだけさぁ!」
「キミたちに真のカード使いの力を見せてあげる! ショウマストゴーオン!」
 ぱっと周囲が暗くなり、スポットライトがフェルトを照らす。
「ボクは手札からスペルカード、【無人造の機兵】を発動!自分のレベルと同数の機兵トークンをバトルエリアに召喚する!」
 フェルトがサモナーズ・ロード<ユニットカード>からカードをドロー!その内の1枚に封印された複数のユニットを召喚する。
 虚空よりいでし機兵トークン。その数、19体!その胸部には一様に『1』と書かれている。
「しゃしゃしゃ、何をするかと思えば、有象無象をやたらと出すだけかぁ!そんなもの、我の『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』でまとめてひき潰してくれるわぁ!」
 数は多いものの、出てきた機兵トークンの強さがそれほどではないことに気付いた機関車怪人は汽笛を鳴らして突撃準備をし始める。
「それはどうかな?」
「しゃしゃ?」
 フェルトは、指を立てて機関車怪人の言葉を否定すると、機兵トークンに隠された能力を発動させる。
「ボクは機兵トークンの効果発動!自身をリリースして、エリアにいる他の機兵トークン1体の能力をアップする事ができる!この効果で機兵トークンを合体させ、力を1体に集中!」
 機兵トークン同士が次々と合体していく。胸部に書かれていた「1」の数字は合体する度にどんどん数値が上がっていき、機兵トークン自身も大きさを増していく。
 そして最終的には全ての機兵トークンが合体し、「19」倍のステータスと大きさを誇る、Lv19スーパー機兵トークンへと融合合体したのだった!
「ボクは機兵トークンでバトル!『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』へと攻撃するよ!」
「しゃしゃー!?融合合体だとぉ!ええーいされど所全は塵芥がまとまっただけのことぉ!最高レアのカードには勝てぬわぁ!ゆけー『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』、迎えうてぇ!」
 機関車怪人は真っ向からLv19スーパー機兵トークンを迎え撃つ!
 二つの機体がぶつかり合うと、激しい衝撃が周囲を襲う!
 しかし19体分のパワーを持った機兵トークンであってもやはり機関車怪人+フライングウィッチ号のスピードとパワーには押し負けてしまうようだ。
「しゃしゃしゃー!やはりこの程度かぁ!」
「いいや?最初からボクの狙いはこっちなのさっ」
 機兵トークンに気を取られている隙に、機兵トークンの影から飛び出たフェルトがトリックスター投擲で機関車怪人本体に素早い連続攻撃をお見舞いしにいく。
「しゃしゃー!?ひ、卑怯ではないかぁ!」
 迎撃しようにも機兵トークンに組み付かれてしまっている状態では逃れるだけで精一杯。傷を負いながらもフライングウィッチ号の出力を上げる事でなんとか振り切る機関車怪人。
「レアカード1枚だけでどうにか出来るものじゃないのさ。例えカスレアと言われるカードでもカード同士の絆次第では勝つことが出来る」
 フェルトは深追いはせず、着実にダメージを稼ぐと次のターンのプレイヤーへと目配せをする。
「よーし、それじゃボクともデュエルしようよ!」
 視線に応えた桐府田・丈華(カードバトルゲーマー・f01937)が、今度は機関車怪人の前に躍り出る。
「しゃしゃー!すごいレアカードさえ出してれば勝てるゲームに、何をいってるのだぁ」
 自分よりも確実に格下の猟兵たちにいいようにダメージを与えられている現状にいら立ちを隠せず、機関車怪人はポッポーと汽笛を鳴らす。
「ただ強いカードが勝つだけなんて、それじゃ面白くないよ!せっかくカードで戦うんだ。楽しまないと!ボクのターン、ドロー!」
 丈華はデバイス「マイデッキ」から、丈華の魂のカードをドロー!
「ボクはスペル:バトルキャラクターズを発動!ボクの魂を、召喚するよ!」
 丈華が掲げたカードからはゲームキャラクターが召喚される。
 そして戦闘態勢を取ると、一直線に機関車怪人へと突撃を仕掛ける!
「バトルだ!ボクは機関車怪人へダイレクトアタック!」 
「しゃしゃー!そう何度も何度も喰らってたまるかぁ!トラップカード発動!『モードちぇん……あべしっ!!?」
 丈華の攻撃に対して、機関車怪人はカードを発動。
 攻撃に反応するフライングウィッチ号の変形機能を起動させようとしたが……金たらいに邪魔された?
「なるほど。強化の鍵はあのカードにあるようですね」
 状況を伺っていたリステル・クローズエデン(記憶喪失の放浪者・f06520)が機関車怪人の動きを見切り先手を打ったのだった。
(本当はここでこそ真の姿になるような気もしたのですが……まだその”時”ではないようですね。真の姿も思い出せないですし)
「しゃしゃー!?なんで金たらいが降ってくるのだぁ!?」
 それはリステルのユーベルコードが【一斗缶】【金属のバケツ】【金ダライ】を対象に放ち、敵の攻撃力を減少させたりユーベルコード自体を封じる攻撃だからなのだ!
「五行金術、来たれ。笑いの神」
 ガコン(一斗缶)
「ずべしっ!?」
 ぼこん(金属のバケツ)
「ごぶしっ!?」
 機関車怪人の魔法カードは封印された!
「これぞ、我流忍術・空から金物(アタマニ・アタルト・イタイモノ)です」
「しゃしゃー!?無効化されただとぉ!?」
「いけー!」
 そうこうしている内に丈華のゲームキャラクターが必殺モーションに入っていた!
「しゃーっ!?し、しまったーっ!?」
 どーん。
 5人の猟兵の後ろを振り向くと、ワンテンポ遅れて謎の爆発が入る。

 機関車怪人、死す……?

「しゃしゃー!まだ死んでおらぬわーぁ!」
 あ、まだ足りなかったようです。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

グロリア・グルッグ
「ちっ、しぶといバグ……そんな! まだ生きているだなんて、なんて恐ろしい怪人なんでしょうか! これは本気を出さなければいけませんね!」

真の姿をぶわっと解放して皇帝風の豪華絢爛な感じになります
電脳魔術士寄りに戦闘スタイルを変えてユーベルコードを発動
召喚した帝国騎士はごりっごりの前衛タイプなのでそのまま突撃させます
電脳魔術で騎士をサポートしつつアームドフォートでも【援護射撃】
【鎧無視攻撃】徹甲弾や【誘導弾】等の【一斉発射】で弾幕を張り騎士の突撃を助けましょう
騎士は真紅の剣や赤黒い雷でスタイリッシュに戦います

「やっぱり帝国騎士は強いですね。複雑ですけど、今だけは私のナイトを信じましょう」



「しゃしゃー!まだ死んでおらぬわーぁ!」
 猟兵たちの決闘バトルで大ダメージは与えたものの、機関車怪人はまだ健在のようで五月蝿く汽笛を鳴らしていた。
「ちっ、しぶといバグ……そんな!まだ生きているだなんて、なんて恐ろしい怪人なんでしょうか!」
 なんだか一瞬舌打ちが聞こえた気がしたがグロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)は振り返って機関車怪人がまだ生きている事に大袈裟に驚き構えをし直す。
「これは本気を出さなければいけませんね!」
「しゃしゃしゃ。負け惜しみよぉ。所詮はお前たちのようなデッキでは、我を倒す事など出来はしないのだぁ」
「それはどうですかね?」
 機関車怪人の挑発に対し、グロリアは不敵な笑みで応える。
「はぁー!!!」
 そしてグロリアは猟兵の切り札、【真の姿】を解放する!
 電脳魔術の光りが輝き、煌めくと、サイバー風の銃器を使用していたグロリアの衣装が一転して、皇帝風の豪華絢爛な電脳魔術士の装飾へと変化している。
「しゃしゃっ?! ばかなっ変身しただと?!」
 動揺し、警戒を露わにする機関車怪人。
「この姿になったからには負けません。行きます」
「しゃしゃしゃ、ちょっと衣装が豪華になって格好いい感じになったからと言って、決闘の腕には変化はないわぁ」
 間合いのある状態で互いに攻撃の手を発動する両者!。
 グロリアは電脳魔術のコードを空中に映し出し、プログラムを起動する。
 機関車怪人はデッキからカードをドロー!そのままそのカードを自分に読み込ませる。
「―――『電子の海に刻まれた汝の悪に一時の恩赦を与える。今この時の限りにおいて汝が剣は我が命運。銀河に馳せたその技を存分に魅せなさい』」
「我は、『スペル:モードチェンジ』を発動!鉄壁モードへと変形して、このまま突撃するぅぅぅ!!!」
 大型の電脳魔術をローディングする間に、機関車怪人はカードを読み込みし終わり、形態を変化。前面に固い装甲を押し出し防御力を高めながら煙を噴き上げながらの体当たりを仕掛けてきた。
「来なさい。『悪逆なりしは帝国騎士(コール・インペリアルナイト)』」
 しかし体当たりが敢行される前にグロリアの電脳魔術が起動。
 グロリアの前に『銀河帝国の騎士』が召喚される。
「いきなさいっ!」
 召喚された銀河帝国の騎士はグロリアの命令に従い、真っ向から機関車怪人に突撃をかける。
「しゃしゃしゃー、そんな雑魚、ひき潰してやるわぁ!うぉーアクシデント、クラッシュぅぅぅ!!」
 無言のままに真紅の剣を振りぬく銀河帝国の騎士。そして正面から機関車怪人の突撃を剣で受け止めると、赤黒い雷を発生させながら踏ん張り、そして止めてしまった。
「しゃ、しゃしゃー!?何故だぁっ!?」
 突撃を止められた機関車怪人は激しく動揺して動きが緩慢になる。
 その隙を逃さず、アームドフォートを構えたグロリアが「鎧無視攻撃」の徹甲弾や「誘導弾」を含めた一斉発射で弾幕を張って、機関車怪人の防御を崩す。
 着弾の爆風と煙が乱れる中へ、銀河帝国の騎士は跳躍。機関車怪人の装甲に対して真紅の剣を斬り上げ、機関車怪人の防御に穴をあけると、そこへすかさず赤黒い雷を放出。すぐさま離脱する。
「しゃしゃしゃーっ?!びりびりぃっ!?」
 強固な防御形態だったが、内部からの雷撃に対しては逆にダメージを内部に閉じ込めてしまった。
「やっぱり帝国騎士は強いですね。複雑ですけど、今だけは私のナイトを信じましょう」
 力強く、そしてスタイリッシュに機関車怪人を打ちのめす自らの銀河帝国の騎士の後ろ姿を見ながら、グロリアはそう呟くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

深雪・結弦
ちょっと出遅れたけど、戦闘…ええと、デュエル?には間に合ったのかな?
「おれ、正直カードゲームには詳しくないけど…」
『…細かいことはノリでどうにかなンだろ!デュエル、すなわち決闘だろ?戦いならオレも混ぜてくれよなァ!』

【オルタナティブ・ダブル】を使用。譲と共に戦うよ。
譲には【殺気】【残像】で敵の気を引いてもらおう。
ノリノリで煽ってくれるとヘイト集まると思うから頼んだよ。
向こうに気を取られている間におれが素早く【だまし討ち】。
次は役割を交換して、おれが気を引き譲が攻撃…これを交互に繰り返して、相手を翻弄してやろう。
ん、『最後はオレにやらせろ』?…仕方ないな。じゃあおれのターンの締めは任せたよ、譲。




「ちょっと出遅れたけど、戦闘…ええと、デュエル?には間に合ったのかな?」
 深雪・結弦(多重人格者の妖剣士・f09646)はノリノリで戦っている猟兵たちの勢いに押されながらも合流。
 機関車怪人と相対する事となった。
「しゃしゃしゃーっ!次はお前が相手かぁ!ひき潰してくれるわぁ」
 散々な目にあっている機関車怪人だが、実はポジティブなのか強気に結弦へ宣戦布告する。
「おれ、正直カードゲームには詳しくないけど…『…細かいことはノリでどうにかなンだろ!デュエル、すなわち決闘だろ?戦いならオレも混ぜてくれよなァ!』」
 途中から結弦の口調や雰囲気ががらりと変わる。結弦は多重人格者。
 決闘という事で、より楽天的で好戦的な性格の人格である『譲』が表に現れたのだ。
「【オルタナティブ・ダブル】」
 自分から一定の距離のみではあるが、「もう一人の自分」が現れ、協力してくれる結弦のユーベルコードを起動する。
 この場合に現れるのはもう一つの人格の『譲』。
 結弦と姿形はそっくりそのままではあるが、挑戦的な瞳と、姿勢が、慎重派な結弦とは別の雰囲気を纏わせている。
「へっ、それじゃー機関車怪人さんよ!オレと決闘だぁー!」
 譲は複数の残像を残しながら機関車怪人へと殺気を飛ばし、機関車怪人に戦いを申し出る。
「しゃしゃしゃー!貴様なんぞ、我のレアカードのコピー品のサビにしてくれるわぁ!」
 機関車怪人は素早くデッキからカードをドロー!
 そしてカードを掲げると、宣言する!
「我は『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』を召喚!そして、我自身が騎乗する事で戦闘力がアーーーップっ!!!」
 機関車怪人の掲げたカードから召喚した列車が飛翔し、機関車怪人は先頭車両とと跳躍。
 そして二つの影が重なると……合体!機関車怪人・フライングウィッチ号へと武装強化したのであった!
「げっ、そんなでっかいのに乗るのかよ!」
「しゃしゃしゃー!レアカード特有の能力よぉ」
 流石に猟兵と言えど突撃してくる列車をそう簡単には止められるものでもない。
 殺気を飛ばしていた譲だが、走り回って機関車怪人とその列車の攻撃を避けるしかなかった。
「くっ、やばえ。逃げ場がない……!」
「ひき潰してくれるわぁ!」
 列車と合体した機関車怪人が譲を跳ね飛ばす。
「けど、そうやって譲ばっかり見てるから、攻撃を受けるんだよ。ほら『だまし打ち』」
「しゃーっ!?」
 なんと!譲に気を取られている内に結弦が機関車怪人の元へとこっそり跳んできていた。
 結弦は素早く機関車怪人に一撃を食らわせると、その場を離脱。
 完璧なヒット&アウェイな戦法を繰り出す事に成功したのだった。
「最後はオレにやらせろ」
 ダメージは追っていたものの、ダメージ覚悟でヘイトを稼いでいた譲は最後の見せ場だと機関車怪人へ走りよっていく。
「仕方ないな。じゃあおれのターンの締めは任せたよ、譲」
「悪いな。そんじゃま、とどめだそりゃーーー!」
 結弦はもう一人の人格の譲にとどめを譲り、一旦下がる。
 そして背景の爆破。
 戦闘を追えれば、オルタナティブ・ダブルの効果を切れるだろう。
「しゃしゃーん!その程度でやられる我ではないわぁ!」
 おっと、まだ機関車怪人は健在のようです?

苦戦 🔵​🔴​🔴​

グロリア・グルッグ
「思えば長く苦しい戦いでした。時には巨大隕石を共に破壊したり、またある時は突如として現れた謎の第三勢力への共同戦線を張ったり……戦いを通じて、私達は分かり合えたのかもしれませんね」

【存在感】や【時間稼ぎ】と何だかいい話っぽい感じの曲を電脳魔術で流して怪人を戸惑わせます。
その間に【メカニック】【封印を解く】で武器の安全装置を外し、【電撃耐性】【激痛耐性】を使用するほどの暴走を起こします。
【高速詠唱】【早業】【全力魔法】【属性攻撃・雷】等で限界を超えた力を引き出してからレールガンを放ちます。

「これは強敵へ手向ける私の最大出力! 星屑となりなさい! レールガン・サンダーボルトォォッ!!」

アドリブ歓迎


江戸川・律
◇SPD 「ヴィサラと共同プレイング」 ◇使用特技 罠使い、戦闘知識、地形の利用、早業、念動力、衝撃波、誘導弾、先制攻撃 ヴィサラを守りながら立ち回り TCGの流儀に則って戦おうかな 開幕、場に錬成した2枚のトラップカードを伏せターンエンド 機関車怪人の攻撃に対して 「そんな見え見えの攻撃、やらせるわけ無いだろ?」 早業の「レプリカクラフト」で「仕掛け罠」を錬成 伏せカードオープン『そそり立つ城門』!! 設置可能最大の分厚い城門で「出発進行!」を物理的に受け止め そして、もう一枚の伏せカードオープン『流星雨』!! 念動力で浮かせた無数の巨石を衝撃波+誘導弾で打ち出し雨のように降らせぶち当てます


ヴィサラ・ヴァイン
【江戸川・律と共同プレイング】
先ほどまで律さんに助けていただいたので、今度は律さんの助けになるよう援護します
やる事はユーベルコード『ゴルゴンの傑作』
で物を創るだけですが……カードは切り方でいくらでも強さが変わるのですよ?
律さんが『そそり立つ城門』で創り出した城門の後ろに、隠すようにもう一枚城門を創り出し、守備力を補強します
『流星雨』での攻撃時は、城門を怪人さんを囲むように創り出して回避を妨害します

「カードゲームで大事なのはシナジーです。
単体のカードパワーに頼ってるだけじゃ……めっ、です」




「それじゃ俺もTCGのCGの流儀に則って戦おうかな」
 江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)は開幕と同時に先制。素早く場を整えにかかる。
「俺は場に錬成した2枚のトラップカードを伏せターンエンド」
「しゃしゃしゃー?手札事故でもしたかぁ?レアカードを複数積み出来ないデッキは、事故に弱いわぁ!」
「か、カードゲームは強いカードを出すだけのゲームじゃ、ないです……よ?」
 律の背中からそっと声をかけるヴィサラ・ヴァイン(人見知りなゴルゴン少女・f00702)。
「それが最強なのだから当然であろぉ!」
 しかし機関車怪人は全く聞く耳は持たず。デッキをシャッフルすると素早くドロー!光り輝くカードを手に取る。
「我は『武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号』を召喚!そして、我自身が騎乗する事で戦闘力がアーーーップっ!!!」
 機関車怪人は最高レアカード武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号に騎乗して武装化する。
「使いまわしされるアニメ画像みたいですね」
 この機関車怪人との戦闘回数が最も多いグロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)はワンパターンなデッキ構成を見抜き始めていた。
「しゃしゃしゃーっ!我は武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号でダイレクトアターックっ!」
 ポッポー!と汽笛を鳴らしながらフライングウィッチ号で突撃を仕掛けてくる機関車怪人!
「そんな見え見えの攻撃、やらせるわけ無いだろ?」
 しかしそこへ先ほど練成していた2枚のトラップカードが開かれる!
「伏せカードオープン『そそり立つ城門』!」
 早業でユーベルコード:レプリカクラフトで仕掛け罠を錬成。設置可能最大枚数……つまり20枚ものの分厚い城門が律の前に立ち並ぶ!
「さらにこの効果は、仕掛け罠を作る場合のみ、その作りは精巧になる!」
 盤石な盤面で律は機関車怪人を迎え撃つ!
「しゃしゃしゃーっ!その程度の壁など粉☆砕!!してくれるわぁ!」
 機関車怪人は律の敷いた壁に対してひるむ事なく、逆に勢いを増して突撃!1枚……2枚……3枚!とどんどん壁を破壊していってしまう!
「先ほどまで律さんに助けていただいたので、今度は律さんの助けになるよう援護します」 
 ここでそっとヴィサラが動いた。
 使用するのはユーベルコード:ゴルゴンの傑作。
 その能力は、石で物を作るだけ。
「しゃしゃー!何をするか知らんが、我のこの勢いは止められはせぬわぁ!」
「物を創るだけですが……カードは切り方でいくらでも強さが変わるのですよ?」
 機関車怪人はその勢いのまま最後の20枚目の壁をぶち壊し……そして"21枚目"の壁にぶち当たった。
 それはヴィサラの作った石の壁だった。律の作った『そそり立つ城門』の後ろに、隠すようにもう一枚城門を創り出し防御を補強していたのだ。
「ゴルゴンたちは数々の石の芸術を創り上げてきました。その一つがこれです」
「ナイスアシストだね、ヴィサラ」
「しゃしゃーん!小賢しいわぁ!こんなもの、我の拳で砕いてくれるぅ!」
 機関車怪人が大きく振りかぶったその時!
 何だかいい話っぽい感じの曲が突如として流れてくる。
「しゃしゃ?なんだこの曲は……?」
「思えば長く苦しい戦いでした……」
 電脳魔術を駆使してなんかなんとなく凄くいい感じに存在感を増し増しにしたグロリアが、石壁の上に立って話始める。
「時には巨大隕石を共に破壊したり、またある時は突如として現れた謎の第三勢力への共同戦線を張ったり……戦いを通じて、私達は分かり合えたのかもしれませんね」
 そんな事あったか?と思ってしまうものの、電脳魔術で再現された巨大隕石を共に破壊する映像、謎の戦隊と戦う映像、それらにもしかしてそんな事、あったかもしれない……!と思ってきてしまう機関車怪人!
「しゃしゃ、そうか、我らはこんなにも熱い決闘をし続けてきたのだなぁ……決闘すれば、皆友達、かぁ」
 そう、彼はノリと勢いでカードゲームに勝ってきただけあって、乗せられてやすいのだ!
 因みにその間にグロリアはメカニックの技能で己のアームドフォートの安全装置を外し封印を解いていっている。……そう、実はこの作り話は全て、時間稼ぎのためだったのだ!
「えぇ、ですが、私たちの戦いもこれで、終わりです!」
「俺はもう一枚の伏せカードオープン『流星雨』!!」
 今こそ好機とみて、律がもう一枚の伏せカードを開く。
 電脳魔術に混ざっていた本物の大岩。実は律の念動力で浮かせた無数の巨石だったのだ!それらをを衝撃波+誘導弾で打ち出し雨のように降らせて機関車怪人を押し潰す!
「しゃ、しゃしゃーん!?なんと卑怯なりぃぃぃーっ!?」
 振ってくる隕石に気付いた機関車怪人は素早く武装白銀超高速列車・フライングウィッチ号を発車して逃げ出そうとするが。
「カードゲームで大事なのはシナジーです。単体のカードパワーに頼ってるだけじゃ……めっ、です」
 しれっと時間稼ぎしていた間に創っていたヴィサラそそり立つ石壁が機関車怪人の周囲を取り囲んでおり、逃げ場を失っていた。
「しゃしゃっ!こうなれば全て受け止めてくれるわぁ!」
 どーんどーんどーん、と多数の大岩というメテオが逃げ場のないそそり立つ石壁の中に降り注ぐ。
 逃げる事の出来ない機関車怪人はその身で大岩を受け止めるが……。
「リミッター解除!エネルギー充填120%!属性攻撃・雷をチャージ!高速詠唱……!!!全力を出しますよ!」
 アームドフォートの限界を故意に超えさせ暴走状態を引き起こしたグロリアが、天高く飛び立つ。
 制御し切れないエネルギーがグロリアの身体への逆流するも、電撃耐性の防具と、激痛耐性を発揮し、反動一切を無視して照準を合わせる。
「これは強敵へ手向ける私の最大出力! 星屑となりなさい! レールガン・サンダーボルトォォッ!!」
「しゃしゃーん!」
 巨石に押しつぶされ、石壁に逃げ場を塞がれた機関車怪人は限界を超えたグロリアの攻撃をもろに受ける事となり、倒れたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月08日


挿絵イラスト