テレビウム・ロック!~イェーガーが参戦しました~
「おおっ、ドロップ運イイっすね」
キマイラフューチャーのとあるマンション。
その一室で一人のテレビウムがディスプレイ(自分の頭部ではない)に向かってコントローラーを握っていた。
プレイしているのは人気のMMORPG。
典型的なキマイラフューチャーの住人であるテレビウム―――アバター名【リロキンス】は、自らがマスターを務めるギルドのメンバーとボイスチャットで雑談しながら、同じクエストを延々とプレイし続けていた。
「え?ディスプレイに鍵?」
『ええ。今、そんな報告をよく聞くんですよね。ギルマスさんは大丈夫ですか?』
そんな中で話題に上がったのは、キマイラフューチャーに住むテレビウムたちの頭部……即ちディスプレイに突然、鍵のような映像が浮かび上がるという事件だった。
なお、その状態に陥ったテレビウムは何故か怪人に襲撃されると専らの噂である。
「あ、これ他にもなってる人いるんすねぇ。俺も今朝から画面が鍵しか映らなくなったんですよ~」
などと軽くのたまうリロキンス。
『……手遅れでしたか」
『ちょっ、それなった奴は怪人に襲われるって話じゃん。ギルマス終了のお知らせ?』
「マジっすか。次のギルド戦までにやらなきゃならないこと多いし、それまで待ってくれませんかねぇ」
当の本人は呑気にも、変わらぬ調子でコントローラーを操作し続けている。
画面の中ではフレンドとチームを組んだアバターが、イベントのボスと激戦を繰り広げている最中だった。
「……ん?」
と、そんあ中で、ゲームに使用しているパソコンの画面に、突然イルカのようなキャラクターが現れた。
『何について調べますか?』
「ちょっ、邪魔っ!画面が見えないっす!」
現れたイルカは、突然吹き出しにメッセージを表示させると画面の中を泳ぎ回る。
当然ながらゲーム画面はその後ろに隠れ、リアルタイムで推移する戦況の把握が困難になった。
『ギルマスどうしたん?』
「いや、なんかワケのわからないイルカが……」
『何について調べますか?』
言う間にイルカはディスプレイの中で増殖し、徐々に画面を埋め尽くしていく。
画面は見えないが、聞こえる音楽から自分のキャラがダメージを受けているようだ。
早く復帰しなければという焦りと共に、イルカに対する苛立ちが募っていく。
「ああもう!【お前を消す方法】を教えろってんすよ!」
リロキンスがそう叫ぶと、イルカたちはピタリと動きを止める。
『ギエエエエエッ!!』
そして次の瞬間、牙を向いた恐ろしい形相で画面から三次元へと飛び出して来るのだった。
●
「というわけで、皆様にはマラソンから逃亡したギルマスの救援に向かってもらいます」
グリモア猟兵、アルマ・デストラクタはそこまで言った後でコホンと咳払いして。
「失礼。皆様には怪人に襲撃される事が予知されたとあるテレビウムの救出に向かってもらいます」
内心でツッコミを入れる猟兵たちの視線を無視して、アルマは説明を続けた。
ここ数日、キマイラフューチャーに住むテレビウムたちの頭部ディスプレイに、突然鍵の映像が現れること。
鍵が現れたテレビウムの共通点は不明であること。
この状態になったテレビウムは、何故かオブリビオンたちに襲われるということ。
そこまでを説明したアルマは、集まった猟兵たちに救出対象であるテレビウム・リロキンスの位置情報を開示した。
「転送先はキマイラフューチャーの街中になります。転送が完了した段階で彼は既に部屋を脱出して逃げ回っていますが、現れたオブリビオンは他の住人には目もくれずに彼を追いかけ回しているようですね」
この際、周囲の住人への被害は考えなくて良いようだ。
猟兵たちは街中で、テレビウムを守りながら襲ってくるオブリビオンの集団を迎え撃つことになる。
「この一連の現象について、追加情報が手に入り次第こちらから通信を入れます。まず皆様はオブリビオンを撃破して対象を護衛することに専念してください」
説明の間に転送の準備を済ませたアルマは、改めて猟兵たちに向き直った。
「なにやら今回の事件は他にもキマイラフューチャーのあちこちで起きている様子。今から残業の予感がしますが、さっさと事態を解決するための協力は惜しみません。彼の事をよろしくお願いしますね」
桃園緋色
5作目となります、桃園です。
既に別シナリオを執筆中ですが、期間限定ということでこちらにも参加させていただきます。
第一章はオープニングの通り、テレビウムを護衛しながら集団戦でオブリビオンを迎え撃ちます。
第二章、第三章についてはその都度情報を公開します。
ただし第一章に戦闘に加えて護衛の要素があるように、その後に関しても戦闘+アルファの要素が入ります。
プレイングに関しては公開される情報を元にお考えください。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 集団戦
『何も答えてくれないベルーガ』
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POW : おまえを消す方法
【全て消すモード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : ベルーガに乗った中年
【ベルーガの調教師】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ : ベルーガがせめてきたぞ
戦闘用の、自身と同じ強さの【熱線銃装備の軍用ベルーガ】と【ガトリングガン装備の軍用ベルーガ】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
イラスト:ケーダ
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リステル・クローズエデン
こちらでも、事件が起きているようですね」
バイク【プロトコメット】で現場にダッシュで駆け付け。
リロキンスさんとベルーガの間に入るか、
ベルーガの邪魔になる位置に移動。
拠点防御の要領でリロキンスさんをかばいつつ
視力と見切り。第六感で行動を読み、先制攻撃で【穿牙天翔】発動。
片手4本。両手で計8本の苦無に雷属性+マヒ攻撃+呪詛を込め、
早業で範囲攻撃にて投擲する。
場合によっては目潰し、吹き飛ばし、武器落としも併用
「まずは足止めです」
相手の攻撃は、リロキンスさんにあたらないように、
オーラ防御で防ぎます。
、
「しかし、一人では守り切れるか……いえ。今は一匹でも倒しませんとね」
「お、お助けえええ!!」
キマイラフューチャーの近未来的な街並みを走るのは、頭部ディスプレイに鍵の画像を表示させたテレビウム……リロキンス。
バタバタと短い足を必死に動かす彼を追うのは、数十匹のイルカに似たオブリビオン―――ベルーガだった。
ちなみにイルカは可愛らしいが、正面から口を開けた所を見ると怖い。
追いつかれないかと不安になって後ろを振り返ったリロキンスはその度に盛大に後悔していた。
――ォオオン。
そんな街並みに、エンジン音が響き渡る。
それを気にする余裕もなく走るテレビウムとは裏腹に、ベルーガたちは警戒するように周囲に目線をやった。
他でもないオブリビオンの本能が、天敵を察知したからだ。
「そこを退きなさい!」
エンジンを全力で駆動させ、リロキンスとベルーガ達の間に割り込むようにドリフトを決めたのは、灰色の装甲に覆われたバイク『プロト・コメット』。
それを操る猟兵、リステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)は慣性に流れる勢いのままに先頭のベルーガを吹き飛ばした。
「ええっ、ちょっ……!」
驚くリロキンスを尻目に、プロト・コメットから降りたリステルはヘルメットを外すと、青い髪をなびかせてリロキンスを庇うように武器を構える。
「……あまり僕から離れないでください」
後ろを振り向くこと無くテレビウムに声を掛けると同時に、左右の手にそれぞれ4本の苦無を構えるリステル。
その様子に混乱しながらも、リロキンスはふとキマイラフューチャーで怪人たちと戦う存在の事を思い出していた。
「えっ、もしかして、イェーガーって奴っすか?うわあ、初めて会ったっす!」
危機から一転、自分を守る猟兵が現れた途端にお気楽状態のテレビウム。
ある意味キマイラフューチャーの典型例である。
その様子に呆れつつも、リステルは油断なくベルーガの群れを見据える。
>猟兵を確認
>何について調べますか?
>戦闘能力
>お前を消す方法
空中に現れた吹き出しに文字を表示するベルーガ。
何度か吹き出しが現れては消え、会話のように情報を共有し。
ベルーガたちが戦闘の為にユーベルコードを発動しようとした瞬間。
「雷羽よ穿て」
己の武器に命じるように、リステルが静かに唱える。
ほぼ同時に、先頭に居たベルーガ達に苦無が突き立った。
「ギ、ギ……」
「ガガガ……」
放たれた苦無は、雷を纏う8本。
それぞれが正確に別々のベルーガの頭を射抜き、電子音にも聞こえるうめき声と共にが霧散させた。
「油断が過ぎますね」
何処からか新たな苦無を取り出し、再び構えを取るリステル。
その場から一歩も動くこと無く多くのベルーガを葬り去った猟兵に、距離を取るように空中を泳ぐベルーガ。
可愛らしいイルカが宙を泳ぐ様は、戦闘中でなければ和むだろうと思いつつ、リステルは内心で警戒を強めた。
(ここまでは無傷で優位に立てましたが、一人では守り切れるか……)
「いえ、今は一匹でも倒しませんとね」
それと悟られないように、ベルーガとリロキンスの間合いを計りながら構えるのは拠点防御の心得。
歴戦の猟兵として任務を遂行すべく、リステルは赤く煌めく義眼で敵を捕らえながら、現状を打破するために己の技能を総動員するのだった。
「おおお!格好いいっす!あとでサインもらってイイっすか!?」
そんな中でもひたすらにお気楽なテレビウム。実は見捨てても良いのでは……などと、リステルが考えたかは定かではない。
大成功
🔵🔵🔵
パティ・チャン
……ひょっとして、そのゲーム、私もやっている奴かも。
(巨漢でパワータイプのバーサーカーキャラ、です)
なんにしても。襲われているテレビウムを救わねば!
それでは、ゲーム内のような肉弾攻撃、は出来ないから、ここは【魔弾の射手】で
10発づつを戦闘用ベルーガにぶつけて、残り12発は本体狙い!
【2回攻撃】と【なぎ払い】載せて、数打ちゃ当たる式で、攻撃しましょう
上手く本体に傷を負わせられれば、20個の炎もベルーカ本体に向かわさせます
ただし、私自身が見つかっちゃったら、体躯が小さくてひとたまりも無いですので、可能な限り身を隠して攻撃しますね。
※アドリブ&他の猟兵との連携は歓迎します
黒滝・龍也
く、ここにも救助対象のテレビウムがいるのか。
とにかく今はリロキンス、だっけ? そのテレビウムを安全圏まで護衛&退避させないといけないな。
【クロックアップスピード】を用いた「ダッシュ」「早業」でオブリビオン達の隙間をすり抜けてリロキンスの元へ急ぐ。オブリビオンをしばくのは他の仲間に任せ、俺はとにかく彼の確保を最優先。
確保したら即「救助活動」と「怪力」で自分の体にしっかりと抱え、再び【クロックアップスピード】を用いた「ダッシュ」「早業」で一気に退避。その際、装備している盾を背中に背負い、背後からの攻撃を「盾受け」で凌げるようにしておく。
むさい男で悪いけどしっかり掴まってろよ、必ず逃がしてやる。
>援軍を要請しますか?
>YES
>軍用ベルーガを召喚します
「わわわっ、なんか明らかに可愛げの無いやつが……」
リロキンスの見る前で、新たなベルーガが現れる。
それは何故か、熱線銃やガトリングガンといった、イルカと何の関係があるのかよくわからない装備を纏ったベルーガ。
通称『軍用ベルーガ』だった。
「ちょっ、これはやばくないっすか!?」
その時、驚くリロキンスの視界の端を小さな影が横切った。
ふとソレを追いかけるように首のディスプレイを傾ければ、そこに居たのは……。
「よ、妖精っすか!?」
「あら、フェアリーは珍しいのかな?それより、ここは任せて」
救援に現れたのは、剣と盾を手に騎士装束を纏うフェアリー、パティ・チャン(月下の妖精騎士・f12424)。
小さな羽を羽ばたかせて宙を飛ぶパティが剣を構えると、その周囲に魔法の火―――32の火球が、蝋燭に火を灯すように浮かび上がった。
「Freikugel!!」
命じるように唱えたユーベルコードの名は魔弾の射手。
その名に偽りはなく、各々が空中で異なる軌跡を残して飛翔する。
「ギエエエッ!!」
魔弾の内20は軍用ベルーガへ。
発射体勢を取る重火器を爆散させ、そのまま無力化。
そして残りの12は軍用ベルーガを召喚した本体へ着弾し、大爆発を引き起こす。
巻き込まれたベルーガは、召喚した軍用ベルーガ諸共、溶けるように消えていった。
「おお……!まるでオンゲーの呪文みたいっす!って、そうだイベント……」
猟兵の活躍に安心すると同時に、またしても脱線するリロキンス。
意外なことに、話に乗ったのはパティの方だった。
「イベント?もしかしてそのゲーム、私もやってる奴かも……」
「ホントっすか!?」
「ええ、ゲームじゃバーサーカーキャラだけど……って、今はそれより!」
その間にもベルーガは次々と軍用ベルーガを召喚し、数を増やし続けている。
そして、その銃口が一斉にパティたちへと向けられた。
「くっ、なんとか迎撃を……」
フェアリーの体躯では後ろのテレビウムを守り切るのは難しい。
本来であれば、素早い身のこなしを利用して敵に捕まらないように立ち回りたいのだが、敵の狙いがテレビウムである以上防御を疎かにも出来ない。
刻一刻とベルーガの攻撃が迫る中、突然後ろから声がかけられた。
「こっちは俺に任せて、オブリビオンを頼む」
●
「へっ……?」
突如として担ぎ上げられたリロキンスが間抜けな声をあげると同時に、軍用ベルーガの一斉攻撃が開始された。
だが、それが着弾する間一髪のタイミングで、3つの影が攻撃範囲外へと逃れる。
一つはパティ。弾幕を掻い潜るように避けると、お返しとばかりに再び魔弾を放ち、ベルーガを撃破していく。
そして残り二つはテレビウムのリロキンスと、それを抱える男性。
ヒーロー・ストームドラゴンこと黒滝・龍也(ストームドラゴン・f17315)は、間一髪で助け出した救助対象に安堵のため息を吐いた。
「ギリギリだな、それにしても、こっちにも救助対象が……」
キマイラフューチャー全体で起きている今回の事件。
龍也は既に他の現場でもテレビウムの救出を行った後であった。
だが、人を助ける事こそがヒーローの務め。
それを強く意識する龍也は、自分の役目を果たすべくその場に集った猟兵たちに協力を仰ぐ。
「俺はコイツを安全圏まで連れて行く。この場は任せた」
その言葉に、パティは二つ返事で頷いた。
「了解よ。彼のことは任せるわ」
それを聞いた龍也はパチン、と指を鳴らすと、己のユーベルコードを発動させ、強化人間としての能力を解放する。
「しっかり捕まってろ!」
高速戦闘モードへと変化した龍也は、リロキンスを抱えたまま目にも留まらぬ速さでその場を離脱した。
>追いかけますか?
>追いかけますか?
>追いかけ
「逃しませんよ」
あとに残るベルーガたちに浴びせられるのは、薙ぎ払うように放たれた炎。
「ゲーム内のように、とは行きませんけど。……貴方たtの相手は私ですよ」
そうして、後ろを気にする必要のなくなった猟兵達の攻勢が始まる。
その場に残されたベルーガが全滅するのに時間は掛からなかった。
●
「アバババ……ちょっ、酔いそう、うぷっ」
「むさ苦しい男に抱えられて不満だろうが、もう少し我慢してくれ!必ず逃してやる」
路面を蹴り、時には建造物を飛び越えるように壁を蹴って。
キマイラフューチャーの街並みをストームドラゴンが駆け抜ける。
当面の目的は戦場からの完全離脱。
しかし、そう簡単には行かないようだ。
龍也の義眼・レスキューアイに後方から追撃する敵の存在が投影される。
「……なんすか、あれ」
「……さあな」
それを振り返って確認した龍也とリロキンスは、思わず足を止めそうになった。
負ってくるのは二体の軍用ベルーガと、それを召喚した本体であるベルーガ。
そして、何故か本体の背に中年の男が跨っていた。
「ふはははっ、逃さんぞ!そのテレビウムを渡してもらおう!」
無駄に響く声でそう告げるのは『ベルーガ調教師』。
これもまたベルーガに召喚された、詳細不明の存在である。
中年男がイルカに跨って空を飛ぶという謎の光景が繰り広げられているが、何故かそのベルーガは強化されており、高速戦闘モードの龍也に追いつこうとしていた。
「さあ、撃て撃てえい!!」
中年の号令に合わせて、軍用ベルーガの重火器が火を噴く。
即座に龍也はリロキンスを庇うように抱え直し、左右にステップを踏んで射線を切るように回避行動を取った。
「わわわわっ……」
「ちっ、だがこの程度」
そのうち何発かの攻撃が龍也を捉えるも、彼が纏う気流・ジェットストリームがその威力を減衰させ、結果として龍也は足を止めること無く高速移動を続けていた。
とは言え、速度が一時的に落ちたのは事実。
その隙に本体のベルーガが龍也とリロキンスに肉薄し、その鋭い牙を備えた口を開いた。
「っ……舐めんな!」
その瞬間、龍也が跳躍する。
「なっ……何処へ行った!?」
一瞬にしてベルーガと中年の視界から消えた龍也は、2人の真上に居た。
自らの身体能力とユーベルコードをフル活用し、無防備な相手の背中を取った龍也は、自らの怪力を込めてバトルガントレットの一撃を見舞う。
「ぐわあああああ!!」
救助活動を自らの信条とするとはいえ、龍也もまた猟兵にしてヒーロー。
その一撃は、集団で真価を発揮するオブリビオンの一体に耐えられるものではない。
何処かお約束染みた叫びを上げる中年諸共、ベルーガは躯の海へと帰り、軍用ベルーガもまた消え去るのだった。
●
「ふう……とりあえず落ち着いたっすかね」
「ああ。ここまでくれば問題ないだろう」
周囲を警戒する龍也を他所に、地面に下ろされたリロキンスは考える。
ああ、帰ってクエストに戻らないと、と。
そんな時、突如としてリロキンスのディスプレイに映る画像が変化した。
「……へ?なんすかこれ?」
どうやら、まだ騒動は終わらないようだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 集団戦
『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』
|
POW : ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ : ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
イラスト:ヤマトイヌル
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「ええと……地図、っすかね?」
鍵の画像に変わり、リロキンスの頭部に映し出されたのは現在位置からとある施設までの経路図だった。
目的地となる光点が示すのは、かつての文明においてテーマパークだったらしい廃施設の中心部となる広場だ。
いわゆる遊園地のアトラクションがそのまま残された廃施設は、今でも面白半分で入る住人が多い、ある種の観光スポットである。
『どうやら新しいクエスト……もとい』
グリモア猟兵・アルマによる通信が猟兵たちに届いた。
『今キマイラフューチャーで起きている騒動の原因が解明できるかもしれません。みなさんはその地図の示す場所へ彼を連れて急行してください』
「……あの、俺も強制っすか?」
『既に怪人たちの第二陣がそちらに向かっていますが、一人で帰りたいのならどうぞ』
「……すみません、ヨロシクお願いするっす』
相変わらず緊張感のないやり取りを挟んだ後、猟兵たちは怪人の追撃からリロキンスを守りながら、目的地となる廃遊園地を目指すこととなった。
八咫・美都子
あらあら、ここにもテレビウムさんが
それではお手伝いといきましょう
相手のポージングに対して、私は巫覡載霊の舞で対抗しましょう
祭祀用大鎌で舞いを披露します
私は筋肉質ではないですが、力は弱くはないですよ?
魅せるための筋肉と、戦いのための筋肉の違いを御見せしましょう
さあ、この鎌の錆びになってくださいね?
どどどどどっ!と豪快な足音とともに現れたのは、アルパカの頭部を持つ怪人たちだ。
目に見える範囲には3人。
猟兵達の眼を引くのは、首から下……筋骨隆々の男性のボディ、それも身に着けているのはブーメランパンツ一丁のみという大変目に毒な光景だ。
量産怪人アルパカマッスルブラザーズはリロキンスと猟兵達の前で態々静止すると、ビシイッ!!とポーズを取った。
「そこまでだ猟兵よ!そのテレビウムはこちらに渡してもらう!」
いちいちポーズを取りながら宣言するアルパカ怪人に、リロキンスはドン引きしている。
「ちょ、ちょ~っとマッチョマンにお持ち帰りされるのは遠慮したいかなって……」
頭部は地図を移したままだが、もし通常の状態ならそれはもう嫌な表情が映し出されただろう。
「あらあら……でしたら、ここは私がお手伝いしますね」
そう言いながらゆったりとした足取りで前に出る猟兵が一人。
巫女服を纏った羅刹、八咫・美都子(鴉の巫女・f11805)は、赤い文様の浮かぶ右腕に祭祀用の大鎌を携え、アルパカ怪人の前に立ちはだかった。
「こちらは私がお相手します。皆さんは目的地へ」
「りょ、了解っす!」
リロキンスと猟兵たちが、目的の廃遊園地へと走り出す。
一方のアルパカ軍団は、律儀にも三人揃って美都子と相対していた。
「小癪なァ……ならば!」
ふん!と気合をいれてアルパカたちがポーズを取る。
盛り上がる筋肉。飛び散る汗。
しかしふざけているわけではない。
この量産型アルパカ怪人、このポーズのように敢えて敵に筋肉を見せつける事で戦闘力を向上させるのだ。
「あら、でしたら私はこの舞で対抗しましょう」
猟兵達の背中を見送った美都子が静かに微笑む。
そこには先程までの優しげな笑顔に加え、静かに滾る力強さが混じっていた。
「……存分に、ご堪能くだいさいまし?」
大鎌を両手で構え、静かに舞う美都子。
対抗してポーズを変えるアルパカが目に入らぬ様子で精神を統一し、そのユーベルコードが発動する。
「では、参りますわね?」
美都子の姿が変わる。
それは神の力を宿す、戦巫女の『神霊体』。
神楽の舞に合わせて大きく振るわれた鎌から衝撃波が放たれ、三体の怪人をまとめて吹き飛ばした。
「ぬううう!」
「なんのこれしき!」
だがユーベルコードによる強化を果たしたのは美都子だけではない。
アルパカたちは空中で体勢を整えてカッコいいポーズで着地すると、地を蹴って一足で美都子に飛びかかる。
「これしき……とはこちらの台詞」
都合三発、丸太のような腕から繰り出される拳打を、舞台を回るように舞いながら受け止め、捌く美都子。
単純な身体能力で言えばアルパカに分があるだろう。
しかし美都子に宿る神霊体の力がその攻撃を大きく減衰する。
結果として防御にまわった美都子はわずかに後退するだけにとどまった。
「さて、筋肉質ではないですけど、私も力は弱くはないですよ?」
微笑みの表情のまま、美都子は鎌を振りかぶり。
「魅せるための筋肉と、戦いのための筋肉の違いを御見せしましょう」
神楽の〆に合わせて一閃。
三体のアルパカはまとめて大鎌の錆となった。
成功
🔵🔵🔴
一駒・丈一
さてと。
助力が必要ならば貸すとしよう。
テーマパークの廃施設か。
やれやれ、随分と風情のある光景だな。
地図が示す目的地を効率よく探せるよう、『失せ物探し』『第六感』で
ベストな道筋を割り出せるように注力するとしよう。
敵と遭遇した際は……
敵はこの風景に似合わず、随分と暑苦しいな、外見が。
早々と片付けるとしよう。
集団戦ならば俺の尤も得意とするところだ。
UCの『罪業罰下』を『早業』にて繰り出し、視界に移る攻撃範囲内の敵を一閃するとしよう。
戦闘中の間においても、
リロキンスに攻撃が行かないよう護衛しつつ、いざという時は『かばう』としよう。
宮落・ライア
護衛護衛ー。宅配デリバリー。
ヒーローライアちゃんです!
なーんか見慣れたなー。
筋肉アルパカ。
まいっか。
道の邪魔だからどいて。
あ、そういえば。
世の中には筋肉で刃を受け止める輩も居るみたいだよ?
キミたちもそれ目指してみれば?
ボクも手伝ってあげるからさ。
(大剣振りかざしながら)
【力溜め・怪力・鎧砕き・グラウンドクラッシャー・衝撃波】
の直当て。
リステル・クローズエデン
ふむ、緊張感が足りませんが。
変に緊張しすぎるよりかは、マシでしょうね。
さて、次は……またアルパカですか……
別の地点でもいたような……
マヒ毒を塗った手裏剣を範囲攻撃で投擲し。
同時に罠使いと物を隠す、投擲を併用し植物の種も周囲に飛ばしておく。
奴らが近づいて来たら
【我流忍術・絡み蔓】高速詠唱込みで発動。伸ばした蔓で動きを封じます。
「ポージング。させるわけないでしょう」
追撃で、苦無をクイックドロウ+鎧無視攻撃+マヒ攻撃+毒使いで投擲。
筋肉の鎧も、一点を貫けば意味はありません。
無論、ロキシスさんは拠点防御の応用と盾受けオーラ防御で守ります。
「なんか見飽きたなー、筋肉アルパカ」
「ええ。また、ですね。別の地点でも見た覚えが……」
リロキンスを護衛するように、彼を連れて走る猟兵は3人。
宮落・ライア(ノゾム者・f05053)とリステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)は周囲を警戒しながらも、キマイラフューチャー各地で目撃されるアルパカ怪人にゲンナリとしていた。
特に今回の事件では大量の怪人が一斉に現れたため、マッチョのアルパカを眼にする機会も多い。
「同感だ。それにしてもテーマパークの廃施設……やれやれ、随分と風情のある場所だな」
同意を示しながら、後方でリロキンスの地図を確認するのは一駒・丈一(金眼の・f01005)。
咎人殺しとして罪人を追う事も多い彼は、失せ物探しや情報収集といった技能も習得している。
それに第六感を加えて、より効率的に進めるルートを割り出していた。
「えぇ……あんなのがそこら中にいるんすか……」
一方でアルパカ怪人に初めて遭遇したリロキンスは、自分の住む世界にあんなものが大量に居るという事実に頭を抱えつつあった。
「ふう、やっぱり緊張感が足りませんね。変に緊張しすぎるよりはマシでしょうが……ッ!」
「むっ、来たか」
リステルと丈一が即座に反応する。
徐々に建物がまばらになり、廃墟のコンクリート壁が乱立する地帯。
前方の物陰から飛び出した量産型アルパカ怪人は、猟兵達の真正面でビシっとポーズを決めた。
「ここまでだ、猟兵どもよ!さあ大人しくテレビウムを渡すが良い!!」
相も変わらず、無駄に暑苦しい筋肉の壁が道を塞ぐ。
「あーもう……いいや。邪魔だからのいて」
その光景を面倒くさそうに確認したライアが、足に力を込め先行する。
「せー……のっ!!」
ライアが振り上げたのは、彼女の外見に不釣り合いな、無骨な大剣。
全力を持って振り下ろされた大剣は地面を叩き割ると同時に盛大に衝撃波を放ち、正面に位置していた怪人たちをまとめて吹き飛ばした。
「ぬわあああああああああ!!」
「ばっ、ばかなっ!われわれがああ!!」
その光景を当たり前のように見送ったライアは、後ろへと呼びかけつつも視界に入った目的地へと走り出す。
「ほらほら!さっさと行くよ!」
「は、はいっす!」
呼ばれて走り出したリロキンスの視界に影が差す。
何事かと足を止めたテレビウムの視界に入ったのは、左右を塞ぐ廃墟の壁から飛び降りるように襲ってきた筋肉達磨だった。
都合6体。ムキムキのアルパカ頭が左右から降ってくる。
「うぎゃあああ!!き、筋肉が!」
隠れて待ち構えていたアルパカ怪人たちは、空中でも何故か筋肉を見せつけるようにポーズを取りながら落下してきた。
トラウマものの光景を遮ったのは、リロキンスを守るために並走する猟兵達。
「させん!」
「リロキンスさんはそのまま走ってください!」
割り込んだ丈一とリステルが、空中でアルパカたちを吹き飛ばす。
「ふん!やるな!」
「むん!それでこそ猟兵といった所か」
弾かれるまま左右に展開し、猟兵たちを挟み込むように展開する量産型アルパカ怪人。
着地と同時にポーズを決めると、不意打ちを防がれた以上猟兵から排除しようと、丈一とリステルに狙いを定め……。
「まずは見るが良い!我が至高の上腕にとっ……!?」
その内の片側、3体のアルパカが突如伸びた蔦によって手足を絡め取られ、腹筋を誇示するポーズから体勢を変更出来なくなった。
「なっ、これは……!?」
「ポージング。させるわけないでしょう」
予め知っている相手のユーベルコードを、態々発動させる訳がないと。
高速詠唱で己のユーベルコード・我流忍術・絡み蔓(トラエテ・シバッテ・イタブッテ)を発動させてアルパカの自由を奪ったのはリステル。
「おのれ、ひきょっ……!」
そしてアルパカ怪人が次の台詞を言い終わる前に、目にも留まらぬ速さで苦無が投擲される。
筋肉の鎧を軽々と貫いて急所を穿たれたアルパカたちは、そのまま躯の海へと帰っていった。
「そういうことだな」
そして逆側でも、丈一が3体のアルパカ怪人を己のユーベルコードで迎え撃つ。
「食らうが良い!!」
咄嗟に拳を振りかぶり攻撃に移る怪人たちに対して、丈一は愛刀……数々の偉人や罪人の介錯に使われたとされるその刃を一閃。
「な、あ……」
因果を逆転させるというその一撃は、アルパカ怪人たち自身が何をされたかも知らぬ間に切り捨てた。
「これにて終いだ。余罪は地獄にて禊がれよ」
丈一が介錯刀を収めると同時に、切られたアルパカの肉体が霧散する。
後には何も残らず、廃墟の静寂が取り戻された。
「くっ、これ以上進ませるな!うおおおおお!!」
奇襲を敢行した仲間がアッサリと撃破された事を受け、最後のあがきとばかりに残された量産型怪人が廃遊園地の前に集結する。
その数は6体。
むくつけき怪人たちは、ゲートの前でがっしりとスクラムを組むと猟兵達の道を塞がんと立ちはだかった。
「行かせはせん!これ以上進みたくば我々を倒して行けえええ!!」
最後の最後まで暑苦しい怪人に、いい加減に飽き飽きとしていたライアが飛びかかった。
「あ、そういえば。世の中には筋肉で刃を受け止める輩も居るみたいだよ?」
その顔に浮かぶのは悪戯でも思いついたような笑み。
そしてその表情に似合わぬ力を全身に込め、ダッシュの勢いのままにその手の剣を叩きつける。
「キミたちもそれ目指してみれば?ボクも手伝ってあげるからさぁ!」
これで終いだと、全身全霊を込めて叩きつけられたライアの大剣は、スクラムの中心にいた怪人を真っ二つに切り裂くと、その衝撃波で残りのアルパカたちを消し飛ばすのだった。
大成功
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第3章 ボス戦
『怪人アルパカマッスル』
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POW : ポージング
自身の【肉体美の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : 鋼の筋肉
全身を【力ませて筋肉を鋼の如き硬度】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ : つぶらな瞳
【つぶらな瞳で見つめること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【瞳から放たれるビーム】で攻撃する。
イラスト:ヤマトイヌル
👑7
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ニィ・ハンブルビー」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「……待っていたぞ、猟兵よ」
目的地となる広場に足を踏み入れた猟兵たちを出迎えたのは、先程散々見せつけられた筋肉とアルパカ頭。
否。それは量産型とは比べ物にならない男臭さと強さを誇る、怪人アルパカマッスル。
その重圧か、はたまたむさ苦しさかに後退りしようとしたリロキンスが、突如として動きを止めた。
「うええっ!?今度はなんすか!?」
突如としてリロキンスの体が発光を始める。
彼の態度を見る限り、どうやら自分では動けない様子だ。
「さあ、その鍵は奪わせてもらおう」
無駄に良い声で告げるアルパカマッスル。
どうやら、事態を解決する前に彼を倒さなければならないらしい。
猟兵たちは今ひとつ緊張感が欠けているとは思いつつ、己の武器を構えるのだった。
一駒・丈一
まさかここの閉園理由は、
お前らアルパカの暑苦しい自己主張が原因なんじゃないか?
さておき、
戦闘はSPD重視。
どうも敵の無敵化UCは俺と相性は良くないな。
だが、
構わずUC【無常なる処断】を『2回攻撃』『早業』を活かしつつ只管繰り出す
此方が手数任せでの攻撃中は無敵化で全て弾かれるだろう。
だが、逆に此方が攻撃の手を緩めれば相手は攻撃に転じるために無敵化を解除する筈。
…即ち、無敵化の発動と解除を此方でコントロールできるのと同義。
故に、UCでの攻撃をある程度続けた後、あえて攻撃の手を緩めて無敵化解除を誘発すると同時に、他の仲間に「今だ!」と声かけし、
仲間にその隙を活かして貰うように働きかけるとしよう。
フィロメーラ・アステール
「待たせたな、オブリビオン!」
あたしは今来たとこだけど!
ここからはスピード全開で相手しよう!
まず敵の立つ地面に【気合い】を込めた【踏みつけ】を行い、【衝撃波】で地面を【吹き飛ばし】て、敵を浮かせる!
防御を固めても、地面に根っこが生えてるわけじゃないよな!?
そして【星界式瞬間加速法】を発動!
【全力魔法】を伴った空中【ジャンプ】から、上方向へのキック!
【残像】を残して切り返すように、更にキック!
天に昇る稲妻の如き【空中戦】【パフォーマンス】で、ジャンプの数だけ敵を蹴り上げる!
仕上げに【オーラ防御】を纏って体当たりして、空の彼方に射出!
落下ダメージも防御できる?
あ、帰ってくるだけでもすごい疲れそう。
リステル・クローズエデン
この、アルパカ……今までのアルパカとは違う!
……いえ、まあ。やることは同じ……じゃないようですが
相手の攻撃を視力で見切り。第六感も働かせて
ダッシュ、スライディング、ジャンプでかわしながら近づき。
無理なものは、オーラ防御+盾受けで防ぐ。
「ポーズをとるだけじゃないようですね。」
刀に【呪炎武装】のオーラを纏わせて
鎧無視攻撃+属性攻撃+2回攻撃+早業で攻撃
斬撃と共に赤きオーラが炎となる。
狙うは主に上半身。
「下は、温情です……」
攻撃後は距離を素早く距離をとり
再攻撃に備えます。
また近づけない場合は、
【呪炎武装】を手裏剣に纏わせ、属性攻撃+スナイパーで投擲します。
「15分、待つ必要もありません。燃え尽きろ」
パティ・チャン
あの瞳は何となく拙そうですね
視認されぬよう、この小さな体躯を生かして、なるべく物や仲間の影になれる位置をとりながら……
おっかしいですねー。
アルパカは確か、高所で寒冷な地に住まうとかで、そこまで肌色率が高いのは、逆に弱点を晒しているだけのような?
そうと決まれば、これで攻撃しましょう
(Congelatio!発動・【2回攻撃】と【なぎ払い】【鎧砕き】載せで)
これを放ったら、急ぎ場所を移動します
(ちょこまかと動くのは、私の得意とするところです!)
さて、2撃目はいけるかしら?
いけても同じ地点からにならないよう、配意して位置取りを…
※アドリブ、仲間との連携は歓迎
「うわわわ……」
アルパカマッスルから距離を取りたくても取れないテレビウム、リロキンスの頭に表示されるのは15分のカウントダウン。
このカウントが終われば事態は進展するのだろうが……。
「15分、待つまでもありません」
リステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)は無銘の刀を構えると、精神を集中させユーベルコードを発動させる。
「紅き呪い。切り裂く炎となれ」
唱えると同時に、刀を真紅のオーラが包み、禍々しい輝きを放つ。
「カウント終了前に決着をつけます!」
鋭い踏み込みと共に放たれる斬撃。アルパカマッスルはそれを、ポージングしつつ真っ正面から受けて見せた。
瞬時に数度の斬撃が、誇示するような上半身の筋肉へと叩き込まれた。
「下は、温情です……」
ブーメランパンツから眼を逸らしながら、アルパカの間合いから離脱するリステル。
その後ろで、攻撃が命中した箇所から呪いの炎が吹き上がりアルパカを包み込む。
リステルの意によって燃える炎は、そのままアルパカを焼き尽くそうとするが……。
「むぅううん!!」
気合い一発。
怪人は一喝を以て呪いの炎を吹き飛ばして見せた。
「……このアルパカ……今までのアルパカとはちがう!」
「暑苦しさもな……。実はここの閉園の原因、この自己主張の強いマスコットじゃないのか?」
戦慄するリステルの隣で、呆れたようにぼやく一駒・丈一(金眼の・f01005)。
冗談を飛ばしながらも、その眼は冷静に敵の能力を分析していた。
「どうやら量産型のポージングのみならず、防御力を高める技も使うらしいな」
そう考えると、手数で勝負する自分達は不利だと判断する丈一。
「だが、それならそれでやり方はある」
「……次は貴様が来るか!」
愛刀を構えて走り出す丈一に怪人の剛拳が繰り出される。
その筋肉は飾りではないのか、丈一が間一髪で掻い潜った拳は地面を叩き陥没させた。
「見かけ倒しではないらしいが、これでどうだ!」
ユーベルコードによって放たれる連撃は、相手の罪の数。
アルパカ怪人は、その連撃を筋肉を固くすることで防いで見せた。
「その程度で我が筋肉は断てんぞ!」
それこそ、金属に刀を叩きつけているかのような音が断続的に響く。
筋肉を強調するポーズで防御体制を取っていたアルパカは、丈一の連撃が止むと同時に悠々と防御を解除し、反撃の拳を振りかぶった。
「___今だ!」
攻撃後の硬直を狙われ、今まさにアルパカに殴り飛ばされようとする丈一の合図に反応して飛び出したのは、ひらひらと宙を飛ぶ妖精の騎士、パティ・チャン(月下の妖精騎士・f12424)だ。
丈一にとって、自分の先頭スタイルと鉄壁の防御を持つアルパカが相性が悪いのは承知の上だ。
だが、敵も攻撃するためには防御を解く必要があると考えられる以上、逆に言えばそのタイミングを自分で調整する事も難しくはない。
そして丈一の指示に合わせ、これまで小柄な体躯を活かして敵に見つからないように潜んでいたパティが、無防備となった怪人に攻撃を放つ。
「凍ってしまいなさい!」
降り下ろされた妖精の剣から迸った冷気が、アルパカの筋肉を凍てつかせていく。
「ぬぅっ!?」
「……そういえばアルパカって、高所で寒冷な土地に住むとか……。その肌色率は、逆に弱点を晒しているだけのような?」
ふと思い出した疑問を口にするパティを、アルパカはつぶらな瞳で見つめた。
「ふん!我が筋肉の躍動に勝る防寒対策など無いわ!くらえ!」
そしてその瞳からビームが放たれる。
「それは読んでいたわ!」
ひらりと舞うようにビームを避けると、お返しとばかりに冷気の一撃。
そのままパティは、他の猟兵の影に逃げるように姿を隠すと、入れ替わりに丈一とリステルが一撃離脱で攻撃を加えていく。
「じり貧ですね……」
「焦るな。現状はこちらが有利だ。最悪カウントが終わったあとで改めて倒せば問題ないし、奴がそれを意識して焦り出せばこちらのものだ」
丈一とリステルは入れ替わり立ち代わり、高速で攻撃を仕掛け、アルパカはそれを硬化させた筋肉によってノーダメージで防いで見せる。
反撃の為にアルパカが防御を緩めれば、パティの奇襲が体力を削る。
そうやって膠着し始めた戦況に、新たな猟兵が乱入した。
「待たせたな、オブリビオン!今来たばかりだけど、スピード全開で相手しよう!」
光の尾を引きながら、高速で廃遊園地に現れたのはフェアリーのフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)。
「新手か!」
迎撃と放たれた目からビームを掻い潜り、アルパカマッスルへと肉薄するフィロメーラに対し、アルパカマッスルは再び防御体制を取った。
「無駄だ!我が筋肉を貴様ごときが貫けると思うな!」
むきむきと盛り上がり、鋼のごとき硬さへと変貌する筋肉。
それに突進するフィロメーラは、激突直前にその軌道を変えた。
「……防御を固めても、地面に根っこが生えてるわけじゃないよな!」
気合い全開。真下へと軌道を変えたフェアリーは、地面を叩き割らんばかりに踏み込みを入れる。
「ぬおおっ!?」
その小さな足が地面を叩けば、その衝撃よってアルパカの体が地から浮き上がった。
「さあ、世界の果てまでかっとばすぞー!」
同時にフィロメーラが地を蹴り、怪人を真上へと吹き飛ばすようにキックを放つ。
「ひとつ!ふたつ!ついでにもうひとつ!」
「おのれ、貴様ぁ!」
ユーベルコード、星界式瞬間加速法(スターリー・ロケットスターター)。
空中を蹴って移動するその技は、まさにその名の通り、多段式ロケットのように一発ごとにアルパカの体を空中へと運んでいく。
防御のためにポーズを取ったアルパカは、ダメージこそ無いものの体勢を変えることもできず、蹴りを受け続ける他なかった。
「とりあえず、これでラスト!」
残像を残しながら上昇し続けるフィロメーラが、最後にはなったキックは下へのうち下ろし。
すでに廃遊園地は遥か下だ。
「さあ、落下ダメージは防御できる?」
悠々と空中に止まる妖精の問いかけに、その狙いに気付いたアルパカ怪人。
「ふん!ならば我が筋力で着地を決めれば問題は……ぬっ!?」
空中で体勢を整えようとする怪人に、地上から攻撃が行われる。
パティによる冷気の放射と、リステルによる呪いの炎を纏った手裏剣の投てき。
「こっちを忘れてて良いのかしら?」
「それなら好都合。このまま燃やし尽くします」
鋼の肉体の表面で、呪いの炎が燃え、逆側が凍りつく。
そうしている間にも落下速度は上がり、地面が見る見る近づき……。
「ええい!これならば!」
アルパカは防御体制のまま地面に激突。
ダメージを受けつつ、防御体制のままバウンドし、空中で体勢を建て直し……。
「終わりだ」
気付いたときには、それを待ち構えていた丈一の間合いに捉えられている。
「お、おのれ……我が肉体がぁあああ!」
怪人が防御を意識するまもなく介錯刀がきらめき、無数の斬撃がアルパカマッスルを骸の海へと還した。
「その痛みの数が、貴様の重ねた罪の数だ。分かり易いだろう?」
●
『――システム・フラワーズより緊急救援要請。』
『――システム・フラワーズより緊急救援要請。』
『全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり。』
15分のカウントダウンの後、テレビウム・リロキンスのディスプレイから告げられたのは……。
大成功
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