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騎士として、貴志賭して

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 喝采を!!活彩を!!
 我らの騎士に喝采を!!
 民衆よ戦え、民衆よ武器を握れ!!
 戦い、抗い!!敵を切り捨て栄光を!!
 そして!そして!!
 我らの為にその命の灯を捧げ、死になさい!!

「みんなは元気かな?かな?それじゃぁ、お暇な方は聞いていってね!グリモア猟兵チャンネル、略してグリチャン、始まっちゃうかなぁ!!」
 白いマントを翻し、にっこりと微笑んで見せるのはエレメンタルロッドをしっかりと握りしめたのはグリモア猟兵、アサノ・ゲッフェンルーク(白耀の魔筆士・f00499)だった。
「うぅん、グリチャンを流行らせるのは、難しいと思うけど……うん、まぁいいや、さっそく本題に入ろうかな!!」
 明るい笑顔を見せて張り切って説明をはじめる。
「場所はダークセイヴァーのとある村。ちょっと大きめの村、だったのかな」
 ゴッドペインターらしく、紙にさらさらと予知した村と周辺の地図を描き出し、文字やイラストを付け加えていく。
「説明をしたいのは山々なんだけれどねぇ……朽ち果てて静寂をたもった少し大きめの村、としか説明ができないんだよね、これが」
 ただ、とアサノは付け加える。
「ミた時に、村のあちらこちらに剣戟や破壊の痕跡が見えたから、自然に朽ちたんじゃなくて何かに襲われたか、争いがあって寂れたって考えられるかな」
 パンッ、と手を打ち猟兵達の意識を自身へ向けさせると、再びにっこりと笑う。
「描いた地図の通り、周りに野党や獣が住まうような森や障害物もないんだよね。だから、何かしら……本当に“ナニカ”が起こったハズなんだ。だから、まず皆には村へ行って調査を行ってほしいかな」
 その村でナニが起こったのかを調査する。それが次へ繋ぐための猟兵達の第一の目的だ。
「ナニが起こるかわからないから注意だけは怠らないように、かな。もしも私たちの敵、オブリビオンが関与しているならその討伐もお願いするよ!」
 それじゃぁ、とアサノはエレメンタルロッドを握り直し、白い帽子を脱ぎ外してペコリとお辞儀する。
「猟兵のみんな、お仕事、よろしくお願いします、かな!!」


阿離磨
 桜も散って暖かくなってきましたね。
 はじめまして、お久しぶりです、こんにちはこんばんは。
 阿離磨(ありま)と申します。
 今回で七作目、でしょうかね。はい、今回も頑張っていきます。

 此度の世界はダークセイヴァー。
 第一章、まずはオープニングの通り、村を調査していただきます。
 情報などの追筆は特にございません。
 それでは、ご縁がありましたら、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『過去に沈む場所』

POW   :    閉ざされた扉を破り家屋などの内部を調べる、未知の脅威に備える

SPD   :    村全体を見回って観察する、物理的な痕跡やその原因を調べる

WIZ   :    魔法の痕跡を調べる、地理や気象、その他の着眼点から調査する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 昼でも薄暗いダークセイヴァー。
 村の建物には斬りつけられた傷や、砕けた壁。
 知らされていた通り朽ち果てており、一見して何が行われたのかは不明。

 ふむ、とひとつうなづき。
 猟兵達はそれぞれ、行動に移した。
御門・結華
マスターであるユウヤと参加。
アドリブやアレンジ歓迎します。

「マスター、村全体を精霊たちで調べます」
「細かいところをお願いします」

【同時召喚Ⅱ】を使用し、ウンディーネとノームを召喚し探索を指示します。
また『精霊の使い魔』も周囲に飛ばして物理魔法両方の面から探索と警戒を行います。
「皆さん、お願いします」

自分も【第六感】を頼りに周辺を見回ります。
「何か、ここにあるような気がします」


ユウヤ・シュバルツ
結華と一緒に参加だ。アドリブやアレンジ歓迎!

「オレは魔法的な事はサッパリだからな。任せたぜ!」
【風霊召喚】で呼び出したシルフと一緒に村を探索するぜ!
「来い、相棒!」
じゃれついてくる精霊の少女の頭を撫でつつ、微笑むぜ。
「よし、オレ達も頑張らねぇとな!」

シーフの【第六感】で【情報収集】するぜ!
シルフにもオレが気付かないところがあるかもしれねぇから探索をお願いするぜ。

怪しい扉や罠があったら『シーフツール』で【早業】【鍵開け】だぜ。
【聞き耳】で危険を感じたら【目立たない】よう【暗殺】で鍛えた歩法で進みつつ【視力】で探索するぜ。
また、危なかったら【逃げ足】で退散だぜ!



・精霊のトモと感じる違和感

 銀色と見紛う程美しい灰色の髪を靡かせた御門・結華(色褪せた精霊人形・f01731)と、あたりを好奇心旺盛に見回すユウヤ・シュバルツ(疾風迅雷・f01546)は、朽ち果てた村の広場らしき場所へと足を進めていた。
「気配は今のところ感じないな」
「そうですね。……マスター、村全体を精霊たちで調べます」
「わかった。オレは魔法的な事はサッパリだからな。任せたぜ!」
 結華はひとつうなづき、両手を肩幅にゆるりと広げる。どの世界にも少なからず感じる精霊の力の端を感じ取り、つかみ、たぐり、結びつける。
『集え、水と地の精霊よ。ウンディーネ!ノーム!』
 その言葉と共に眼前の石畳が砕け亀裂が入り、そこから小さな水柱が吹きあがる。
白のドレスを纏った美しい水色の精霊と、帽子のようなものを目深にかぶった作業着の土の精霊が、はぁい、と手を挙げていた。
「この村の探索を願います。怪しい点がありましたら、報告を」
「おっと、オレもちゃんとやらないとな」
 精霊を召喚した己のパートナーに負けてはいられないと、ユウヤは片手を突き出し、風を示す印を指で組む。
『よし、力を貸してくれよ。相棒!』
 ふわりと涼やかであたたかな風が指先を撫で、柔風とともに現れたのは、小さな小さな羽の生えた風の精霊だった。呼び出しに応じた、ということを褒めてもらいたいのだろうか、シルフはユウヤの頬のあたりに飛んでいきじゃれつくように擦りつく。
「オレ達も頑張らねぇとな!」
 シルフの頭を優しくなでて、それぞれが召喚した精霊と共に行動を開始する。
 結華は『精霊の使い魔』達を使役して、周辺の警戒と探索にあたる。目に見えぬ場所は精霊達の感受性に任せる形になったが、培ってきた経験と自身の揺らぎない勘が、村の崩壊した痕跡に違和感を感じさせる。それが何かとはっきりとはわからなかったが、灰色の髪を鮮やかに揺らして人形の少女はマスターたるモノが入った家屋を見つめる。
 カギがかかっていることも視野に入れていたユウヤだが、朽ち果てた家屋にカギのような上等なものはなく、というよりも、むしろ壊されていて意味をなしていなかった。
 気を張って敵の気配や危険の察知を行おうとしていたが、驚くほどにこの場所に自分たち猟兵以外の気配を感じない。何かに襲われたにしては、その襲われた目的も見当がつかない。
 けれど、とユウヤは室内に出鱈目についた剣戟の跡を見、思案する。
 一方的に襲われた場合、このような無数の傷はつかない。となれば…?
「この室内にいたヤツは、ここで交戦していた?」
 ユウヤは己の考察を伝えるため、結華に合流を考え外へと歩き出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神谷・黒正
[WIZ](アドリブ歓迎です)
もうすでに滅んでしまった村だね…ここではよくある事だけど酷いなぁ…
何が起こったかわからないのなら当事者に聞くのが一番だよね。

死霊術士の力を使って犠牲になった人を呼び出して話を聞くよ。
この場所で何が起きたのか、何が襲ってきたのか、どうやって死んでしまったのか。
それと同時に「死霊術士のお悩み相談所」をして心を落ち着かせたり、怪我を回復させるよ。
大丈夫、悩みも不安も抱え込んじゃダメだよね?
未練もなくなって成仏できます、復讐がしたいのならば私と一緒に行動しませんか?

もちろん、自分だけで調べられること調べるよ
ダークセイヴァーは僕の生まれ故郷だし人狼の嗅覚で細かな違いを調べる



・ナきモノの残すモノ

 死体らしい死体もない、不思議なことだ。
 神谷・黒正(死霊お悩み相談所・f03660)は耳をぴこりと動かして、きょろりとあたりを見回す。一見すれば目隠しをしている彼が、果たして周りの様子が見えているのか不思議に思うが、どうやら黒正にはしっかりと“ミ”えているらし。
「もうすでに滅んでしまった村だね……ここではよくある事だけど酷いなぁ……」
 朽ちた残骸をひと撫でして、黒正は言葉を漏らす。周りの瓦礫から得られる情報は限られている、ならば、これ以上の情報を得るためには。
「何が起こったかわからないのなら当事者に聞くのが一番だよね」
 黒正は頷くと手を広げ、パンパン、と高らかに合わせ打ち鳴らす。
『悩みも不安も抱え込んじゃダメだよね?』
 この場所で犠牲になったモノ達の声を聞くため、彼は言葉を紡ぐ。
それは一瞬だった。一瞬だけ空気が揺らぎ、何かの気配があたりに漂った。しかし。
「え?うわっ!?」
 彼の元にかえってきたのは死霊の声ではなく、恐怖、混乱、怒り、嘆き、それらが綯交ぜ(ないまぜ)になった大きな負の感情だった。
 そのねっとりとまとわりつくような感情の波からわかること、それは。
(姿を見せたくない、声も出したくない、とか?)
 黒正はもう一度あたりを見回す。過ぎ去った感情の波が収まり、あたりの静かな空気が肌を撫でる。
(タイミングが悪かったのか…それとも僕のユーベルコードと相性が悪かったのか)
 思っていた情報の得方ではないが、少なからず得ることのできた情報をしっかりと覚え、彼その場を離れ、別の場所の探索を始めるのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

リーヴァルディ・カーライル
…ん。一体何が起きたのか。
探偵のように調査するのは不得手だから、
私は“彼ら”の声を聞き届けることにしましょう。

村を巡り“葬送の耳飾り”で死者の声に聞き耳を立て、
第六感を頼りに目当ての死霊に見切りをつける

…これだけ争った痕跡があるなら、
一人や二人、争いの渦中に亡くなった人は必ずいるはず…。

もしも死者の霊魂が居なければ、それはそれで情報になるし…。

その後【断末魔の瞳】を発動
死者の誘惑に呪詛耐性で耐えつつ精神を同調し、
死ぬ直前の光景を魔力を溜めた目に残像として暗視する

…ありがとう、貴方達の無念は受け取った。
この後、元凶を退治しようと思うんだけど…一緒に来る?

…殺気や危険を感知したら無理せず撤退する



・残留思念のミていたモノ

 薄暗い空の下でもはっきりと認識ができる銀糸の髪を風に揺らしながら、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は辺りを見回した。
 この村でいったい何が起きたのか。
「探偵のように調査するのは不得手だから、私は“彼ら”の声を聞き届けることにしましょう」
 静かに耳を色どる『葬送の耳飾り』を撫で、生の終わった者達の声を聞く。村を歩き回り自身の感覚に任せて、足を進める。
(これだけ争った痕跡があるなら、一人や二人、争いの渦中に亡くなった人は必ずいるはず……)
 リーヴァルディがたどり着いたのは、他のモノよりも大きな家屋だった。扉は無残に壊され、開く必要性もなくなった穴がぽっかりと開いている。暗い屋内へと入ると、少しのほこりっぽさと掠れた空気の匂いが鼻腔を撫でる。
 目を閉じ、意識を集中させる。
『……汝ら、この瞳をくぐる者、一切の望みを棄てよ』
 紫暗の瞳を開けば、身体に、瞳に、意識に、この場で死を迎えた者が最期に感じ、見たモノを、その身体に体現させる。
 それは扉をけ破るようにしてやってきた、手に武器を持った『村人』がソレを振り上げて襲い掛かってくる光景。そのまま武器に殺されるかと、思った。しかし、己の身体は何かの意思に操られるように、机のナイフを手にして『応戦』をした。自らの意思に反して、ただただ、相手の息の根が止まるまで。刺して、殴られ、刺して、砕かれ。
 そこですべてが暗くなった。
 リーヴァルディは小さく息を吐く。今の残留した思念から読み取れたもの、それは。
「意思に反して何かに操られ、同じ村人と戦った」
 なるほど、とひとつだけ頷く。
「…ありがとう、貴方達の無念は受け取った」
 この場に見えないナニかに向かって、彼女は言葉をかける。
「この後、元凶を退治しようと思うんだけど……一緒に来る?」
 返事は、なかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐藤・くおん
※タンケイと連携希望

「これってあれだよね、オカルト」
気配がないってことはつまり、そもそも生き物じゃないって可能性が高いよねぇ
人の痕跡が残る地で、この交戦の跡、そしてあまりにも気配がなさすぎる。死骸を齧る生き物すらいない、それはあまりにも不自然だ。あるとすればそれは、死を操る…死霊使い

「はっはー、考えてみたまえたんけさん。植物も虫すらもいない地に人が住めるかな?」

周辺の調査をある程度行って、墓地があればそこを重点的に、ないなら【喝采の一撃】で辺り一帯の地面を破壊し掘り返そうかな!
そのあとは【罠使い】、一帯に怨霊とかに効きそうなお札を仕込ませてもらおう


タンケイ・オスマンサス
【くおんさんと連携希望】
UCでお友達を召喚し、視覚を共有して村の広範囲を調べます。
何か少しでも手がかりになりそうなものが残っていないかどうかの確認を。
探索中は慎重に、【聞き耳】と【第六感】を利用して辺りを警戒します。
争いの後…それに…

「くおんさん…この村、おかしいです。」
これだけ大きな村なのに村人一人いないなんて。
それにこの痕跡は、抵抗があったことが考えられますね。
ということは…村人は何かの目的で攫われた…ということも…?

神妙な面持ちで感じたことをくおんさんに共有します
「オオオ、オカルト!?お化けですか!?やだな、怖いこと言わないでくださいよ!」
くおんさんの言葉に、少し背筋がゾゾッとします。



・柘榴石は橄欖石と同じモノをミる

『こっそりしっかりお願いね…』
 タンケイ・オスマンサス(魅惑のシンフォニア・f08051)が召喚した小さな友達、もとい、透き通るようなアルビノのヤモリが、地を、壁を、這って偵察を行う。感覚を共有し、見えるもの聞こえるもの、それらからこの村で何が起きたのかを調べる為に。
 そんなタンケイを見つめて、佐藤・くおん(らぶ&ぴーす・f02218)は、顎をひと撫でしてあたりを柘榴石(ガーネット)のような瞳で見回す。時折タンケイが伝える情報を頭の中でパズルのように組み立て、今ある情報と照らし合わせて、様々な不自然点をピックアップしていく。
 そして、一通りの調査を終え橄欖石(ペリドット)の双眸をタンケイはくおんに向ける。長い耳をひょこりと動かし、目を細めて考えていたくおんが発した言葉は。
「これってあれだよね、オカルト」
「え?」
 これだった。
 突拍子もない言葉ではなくもないが、タンケイは予想できていなかったようで言葉を認識した後、背筋をゾゾゾッと何かが逆なでするような不快な感覚が駆け抜ける。
「オオオ、オカルト!?お化けですか!?やだな、怖いこと言わないでくださいよ!」
 これだけ何もないならば攫われた可能性もある、とタンケイは伝えるが、くおんはいやいや、と納得しないように首を振る。
「はっはー、考えてみたまえたんけさん。植物も虫すらもいない地に人が住めるかな?」
 気配がないならば生き物ではない。にもかかわらず、人がいて交戦した形跡がある。しかし死骸はもちろん、死骸を啄む鳥も、その腐肉を食らう蟲もいない。『生き物』の気配がないという不自然さ。
「この不自然さに、もしも合致させるなら……そう、死を操る、死霊使い」
 話をしながらくおんは足を進め、墓地を探してみるが、大きな村だった形跡はあるにもかかわらずそれらしい場所は見当たらない。
「……まぁ、ないならないで」
 武器を握りこぶしに力を籠め、くおんはソレを振り上げる。
『食らってくたばれ!』
 ドズンッ!!と鈍い音とともに、地面がえぐれ、石畳が砕け、固められていた土が柔らかにほぐされ、露出する。
 死霊使いであった場合、どれだけ効き目があるかわからないが、と。小さくつぶやきながら札を罠の要領で村のあちらこちらに仕込んでいく。
「くおんさん、他の可能性も考えて、別の場所も……、」
 タンケイが緑の髪を静かな風に遊ばせながら、言いかけた。
 その時だった。

 猟兵達は己の感覚に従った。感じたのは間違いなく、敵意と殺意。
 それらがひとつふたつではなく、あらゆる場所から感じられる。
 それらは、村のいたるところに現れた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『女騎士の躯』

POW   :    おぞましき呪い
【凄まじき苦痛を伴う呪いを流し込まれ狂戦士】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    死して尚衰えぬ技の冴え
【錆びて穢れた騎士剣による渾身の斬撃】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    不撓不屈の闘志の顕現
自身に【死して尚潰えぬ闘志が可視化したオーラ】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。

イラスト:すねいる

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


・そのセイに喝采を!!

 それらは、村のいたるところに現れた。
『活彩を、喝采をっ!!我らのセイに喝采を!!』
『割砕を!喝災をっ!!我らのセイに喝采を!!』
『多くの吸血鬼を殺した誉れ高き我らに!!!』
『喝采を!!』
 どこからともなく現れ出でたソレは、死者であった女性のモノ。
 生を失い朽ちるはずであった体を、何かの力でゆがめられ、死してなお戦うよう施された、女騎士であったモノ達。
 かつては吸血鬼を屠るために、その声を響かせ、生の続く限り戦っていたのであろう。
しかし今は、その目に正など映らない。
 彼女達が殺したという多くの吸血鬼、それは、きっと、おそらく……。この村が、その答えのひとつなのであろう。
 そして今、その狂気の瞳に映った猟兵達の存在でさえも、悍ましい吸血鬼の姿となって映っているのだろう。
 狩られるわけにはいかない。それは猟兵達の揺るがぬ思い。
 武器を手にし、力を宿し、眼前に現れた倒さなくてはならぬモノ達を見、地を、踏んだ。
リーヴァルディ・カーライル
…ん。彼女達を操っている者がいる…か。
死んだ後まで操られて、手を血で染めて…。

…これ以上、貴女達の骸を貶める事は赦されない。
待っていて。今、その呪わしき喝采を止めてあげる…。

第六感が捉えた殺気や気合いの存在感を、
魔力を溜めた両目に残像として暗視して見切り、
大鎌をなぎ払うカウンターで敵の機先を制し迎撃する

…光の精霊、風の精。
死を弄ばれし騎士達に、救済の光を…。

吸血鬼化した生命力を吸収してUCを二重発動(2回攻撃)
光の力を使う反動で傷口を抉る痛みに激痛耐性で耐え、
死者を操る呪詛を浄化する“光の風”を両手で維持し、
“光の嵐”に範囲を拡大した後、敵陣に向け放つ

…っ、広域攻撃呪法。舞え、光の風…!



・暗雲の下で吹き荒ぶ光の風

 亡骸の騎士達に思いがあるならば、何を思っているのだろうか。
 憎き吸血鬼を屠れる狂喜か、それとも幾度も立ちはだかる敵への狂気か。
 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は一度だけ瞼をおろし、深い紫の瞳を閉じる。
「……ん。彼女達を操っている者がいる……か」
 静かに淡々とした口調で、認識している事柄を口にする。死してなお亡骸を操られ、守るべき存在達を仇敵と認識させられて、その誇り高き手を、剣を、血に染める。
「……これ以上、貴女達の骸を貶める事は赦されない」
 双眸を開き、凛とした瞳で倒すべき存在を見る。
「待っていて。今、その呪わしき喝采を止めてあげる……」
 鎌を握りあらぬ方向へと、リーヴァルディはその刃を振るう。一見すれば見当違いな方向への振りにも見えただろう。しかし、別の方向から放たれた敵からの、斬撃による衝撃波は、予知していたかのように切り捨て、霧散させた。それは彼女の鋭敏な感覚と、殺気や気合の存在感を読み取る能力が一級であることを示す。
 ソレが『強敵』であると認識した敵達は、リーヴァルディを取り囲むように包囲し、欠けて血濡れた剣を、彼女へと向ける。
「……光の精霊、風の精。死を弄ばれし騎士達に、救済の光を……」
 両の掌を一度強く握り、見えない何かを差し出すように、リーヴァルディは掌を上にして腕を肩幅に開く。その声に、何かが答えるかのように、ソレはキこえた。
 シャンシャン、と静かな鈴の音のように。
 ヒュンッ、と存在を耳元で示すように。
 見えぬ者にはミえない存在が、リーヴァルディの周囲へと集まる。
『……限定解放。テンカウント。吸血鬼のオドと精霊のマナ。それを今、一つに……!』
 二つの異なる属性を、合わせる。
 その瞬間、身体に激痛が走る。足先から首の後ろまでを駆け上るような激しい痛み。
 代償のようなその痛みに耐えながら、周囲に纏う輝く光の風を手で示す。
「……っ、広域攻撃呪法。舞え、光の風……!」
 柔らかな羽衣のような光の風の帯は膨れ上がり、呪詛を浄化するやさしい嵐となって呪詛に侵された騎士達の亡骸を、包むように吹き抜けていく。
 抗うように苦悶の声を漏らしながら、なおも歩を進めてくる女騎士達へ、二度目の光の風が吹き、駆け抜けていく。呪詛をかき消すようなその優しく暖かな風を浴びた死の身体は、乾いた土くれのようにぼろぼろとひびが入り、砕け始める。
『我らの、セ、イ……に……ッ』
 女騎士達のその声には苦悶が混じっていた。しかし、それとは別に、まるで、安心するかのように、微睡むかのように、柔らかなモノだった。
 やがて光の風が吹き止むと、リーヴァルディを取り囲んでいた女騎士達の姿はなくなっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

タンケイ・オスマンサス
【くおんさんと連携希望】

「た、確かにパワーがありそうですね!」
(至るところに現れた死者に内心驚いていますが必死に隠して冷静に振る舞います)
くおんさんの強がりには苦笑して
「ほらくおんさん!援護、よろしくお願いしますね!」
それにしても…吸血鬼ですか、やっぱり悪趣味な輩が多いようですね。

不用意に攻撃するのは危ない、くおんさんの罠もある。
それならば……集中してUCを発動
敵を橙の霞に、甘い香りに包み込み、幻覚で同士討ちを狙います。
UCを発動したあとは回避に専念。もしこちらに向かってきた敵を【第六感】で察知したらUCの効果でぼんやりしている隙を狙って攻撃を【見切り】槍で【なぎ払い】ます。


佐藤・くおん
※タンケイと連携希望

「し、知ってたしー 吸血鬼の仕業だってそれ最初から言ってたから(震え声)」

張った罠は死霊系に効くものなのでおそらく効くはず、という大雑把な見立てで回避盾役に
敵の攻撃は【野生の勘】で【見切り】、合間に【罠使い】周辺に罠を設置して敵を誘導、【敵を盾にする】位置取りで逃げ回って同士討ちさせながら数を減らしていくよ
たんけさんに敵が向かって行ったら【ドラゴニック・エンド】を放って援護にやる

「パワー馬鹿にまともに付き合うとか正気じゃあないよねぇ」



・金木犀の誘いは竜の牙より甘く

 現れ出でた女騎士の躯に、佐藤・くおん(らぶ&ぴーす・f02218)は震えた声を漏らす。
「し、知ってたしー 吸血鬼の仕業だってそれ最初から言ってたから」
 状況の確認をし、タンケイ・オスマンサス(魅惑のシンフォニア・f08051)に目配せをすると、タンケイはこくりと頷いて、すぐに戦闘の態勢をとる。
「ほらくおんさん!援護、よろしくお願いしますね!」
 タンケイの言葉に、心得ていると返すようにドラゴンランスをくるりと手の中で遊ばせるくおん。
 2人の様子を見ていた女騎士の躯が数体、足を踏み出し近づこうとするが、罠として張った死術に対する札が効果を現し、呪いに侵された騎士の足を乾ききった陶器のようにひび割れさせ、そこから瓦解させる。
「お。ラッキー!」
 瓦解し穴抜けになった女騎士の陣形を見、札がしっかりと効果を発揮していることを知る。
「パワー馬鹿にまともに付き合うとか正気じゃあないよねぇ」
「た、確かにパワーがありそうですね!」
 正しいものが見えなくなってたとしても、『仲間』であったモノが崩れ落ちる様を見、危険だと判断した騎士達が警戒するように、広がるように、陣形を再度展開させる。
 それ以上はさせなと、タンケイは髪の毛を細い指で軽く払い、甘く蜜のような重さのある言葉を紡ぐ。
『この甘い香りに身を任せ、私だけに夢中になってね?』
 ふわりと、ダークセイヴァーでは嗅ぎなれない金木犀の花の甘い香りが、あたりへ広がり橙の霞のように空気を染めていく。
 何事かと警戒した女騎士の躯たちであったが、気づくと『すぐ横に敵である吸血鬼』が立っている。咆哮を上げてその憎き吸血鬼に握った刃を突き立てるが、敵もすぐに攻撃を行い身体に傷をつけてくる。殺さなければ、殺さなければ!
 そんな様子を、見ていたタンケイとくおんは、『仲間同士で同士討ち』をする女騎士達を見ながら、目線を合わせてそれぞれ反対の方向へと走り出し、包囲陣形を端から崩すために槍を振るった。
 攻撃をしたことで、攻撃の対象をくおんに向けた女騎士を上手く使い、目標を追いかけてくる性質を利用して他の敵の前に飛び出すように立ち回り、盾として扱う。
 タンケイはぼんやりと何もできずに立ちすくむ敵を狙い、刃を振るって薙ぎ払う。 その痛みで行動を開始した敵の視界から外れるように動き、2人は少しずつ敵の陣形を崩していった。
「さぁ、たんけさん!少し離れてて!」
 少なくなった敵をしかと確認し、くおんが大きな声で逆位置にいるタンケイに伝える。タンケイはすぐにその場から一時離脱する。
 くおんは槍を構え、一番多く敵を巻き込める位置に竜の力が宿る槍を投げる。矛先が深々と刺さった敵の内側を食い破るように召喚されたドラゴンは、苛烈な方向と羽ばたきを繰り返し、敵を食いちぎるようにその場にいた女騎士達を蹂躙し、統制の取れなくなった敵はあえなく土塊のようになり、砂となり、その地に還っていった。
「たんけさん、無事かい?」
「問題ありません。他の場所も見てみましょう」
 得物の槍は放さず、2人は自身の感覚を頼りに他の殺気や敵意を感じ取りながら移動を開始した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神谷・黒正
[SPD](アドリブ歓迎)
そうか…僕とは違う死霊術士によって無理やり操られてたんだね
だから声は聞けなかった、感情だけが流れ込んできた
一度君達を自由にしてあげるよ、話はそれからだね

町に誰もいないのは確認済みだから[人狼咆哮]で広範囲に攻撃
目隠しを外して月を見れるようにする
最悪の場合は月を見て凶暴化(真の姿)
…出来ればしたくないけどね。

斬撃は[武器受け]で防御するよ
[呪詛]を元の命令を上書きする形で流せば妨害もできるかも

一人で対処するのが難しいなら[リザレクト・オブリビオン]
[無敵城塞]と組み合わせて、召喚したオブリビオンの盾になるよ
[死霊術士のお悩み相談所]も使い傷ついた仲間を治療すれば完璧かな



・燻る灰の中で煌めくモノ

 振り下ろされた錆びた剣を軽やかにかわして、神谷・黒正(死霊お悩み相談所・f03660)は現在の状況の把握に努める。
「そうか……僕とは違う死霊術士によって無理やり操られてたんだね」
 正気も、生気も感じることのできない女騎士達の躯を静かに見て、黒正は静かに言葉を口にした。
 自分とは違うモノに操られていた故に、その声は聞けなかった、感情だけが流れ込んできた、と。
 ならばと、黒正は武器を握り直し、双眸を隠す黒い目帯に手をかけ、一瞬だけ手を止めて、外す。隠されていた鮮やかな赤い瞳が、静かに鋭く輝きを放つ。
「一度君達を自由にしてあげるよ」
 話はそれからだね。
 灰色の髪を靡かせて灰の帯をひくように駆け出し、女騎士達の出鱈目な陣形に黒正は飛び込み、灰色の刃を煌めかせて振るう。躯達は同じ狂気の呪詛に染められている同胞の動きはわかるらしく、欠けた刃が仲間を傷つけぬように、狂気に染まっているにも関わらず統率の取れているという矛盾した動きを見せながら、灰色の狼を。否。憎き吸血鬼を屠ろうと幾度も刃を振り下ろす。
 その斬撃は力強く、当たれば確実にその部位は切断されるとわかる程、迷いなどない一撃だが。
「こうして当たらなければ、意味はないだろう?」
 渾身の斬撃が空振りした隙は大きい。そこを狙い、黒正は自身の扱う呪詛を上乗せした武器を振るい、女騎士の躯達の斬撃を受け流し、受け止め、そして狂気の呪詛で染められてしまった、死したその身体へ阻害するように新しい呪詛を上乗せする。
 2つの異なる呪詛は、ただの躯に収めていることができなくなるほどに、ナカで暴れまわるように喰い合い、染め合う。やがて保てなくなった躯から、その肉を溶けるように崩して形を失っていく。ふたつがよっつに。よっつがやっつに。伝播するように集団であった女騎士の躯達の数が減っていく。
「さぁ、終わらせようか」
 陣形の中央で地を踏み、足に力を込めて黒正は大きく息を吸う。
 次の瞬間、放たれたのは常人であれば鼓膜などはち切れるほどの、激しく重い響きを孕んだ人狼の咆哮だった。周囲に味方がいれば巻き込みかねない容赦のない音の攻撃だったが、近場に猟兵も生者もいないことはわかっていた。それゆえの躊躇のない音であった。
 音が衝撃となり、巻き込むように女騎士の躯は身体を音に引き裂かれ、破裂し、破片となると地に着く前にさらさらと砂のように霧散して、消えていった。

 猟兵達の活躍により『村を襲った』と思われるモノはすべていなくなった。
 しかし、それが終わりでないことは、猟兵ならばわかっている。
 その考えが、確信に変わるように、やってきたのは――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『姫騎士・銀氷の蒼薔薇』

POW   :    氷刃嵐華
【剣から放たれる氷刃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【剣による連続攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    絶対零度の氷界
【薔薇の魔法陣から放たれる絶対零度の氷槍】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【上を身も凍るような冷気で覆い】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    無影の氷針
レベル×5本の【対象の動きを鈍らせる氷結】属性の【透明度の高い氷の針】を放つ。

イラスト:オムレットマト

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はシエル・マリアージュです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


・氷蒼の薔薇に向けるモノは

 その考えが、確信に変わるように、やってきたのは――。
 冷たく肌を撫でる風と、この場に不似合いな程整った形の雪の六花。
 その一瞬の空気の変わる瞬間の切れ目から、ソレは現れた。

「見事です、勇ましき決闘者達」
 上品な口調と振る舞いをもって、猟兵達の前に現れた存在。ソレが何であるかは、わざわざ問うまでもなかった。
「私の名はレヴァリエと申します。あら、私に何か聞きたいことがあるようですね?」
「いいでしょう。この場で残り、立つ、誇り高き決闘者、その問いに答えて差し上げます」
 レヴァリエと名乗るオブリビオンは、猟兵のひとつふたつの問いに、穏やかで落ち着いた言葉で言葉を返した。
「私は決闘を好みます。ですから、まず村の人間達に『決闘』をさせました。そして戦い、生き残った人間達と、悲劇のように呪詛に蝕まれた騎士達を引き合わせ『決闘』をさせました。えぇ、えぇ。知っての通り、村の人間は無様に泣き叫びながら、全て死んでしまいましたが」
――問いの答えになったでしょうか?
 レヴァリエは、オブリビオンは冷笑を浮かべて、魔力を纏う氷のように美しく鋭い剣を軽く抜き払い、長い髪の毛を手で靡かせる。
「さぁ、武器を取り、抗ってください。戦ってください、ここまで残った誉れ高き決闘者。いいえ、猟兵よ。啼いてください、叫んでください、私を愉しませてください」
 振るう氷のような刃が、冷たい風を呼び起こす。

 この悲劇と奇劇の喝采に終止符を。
 手向ける花など必要ない。
 向けるものなど決まっているハズなのだから。
御門・結華
「あれはあなたがやったんですね……」
怒りが湧き上がる、身を焦がすような激情に反応するように『精霊のカード』が結華の前に浮かび上がる。
火の精霊サラマンダーが描かれたそれは結華に炎の力を与える。
【精霊憑依形態】【武器改造】【防具改造】により炎の大剣と衣装を身に纏う紅蓮の少女が現れる。
「マスター、私がいきます。あの氷を焼き尽くします」

【先制攻撃】【ダッシュ】で接近、氷の槍と針は炎の【オーラ防御】【氷結耐性】と炎の大剣で【武器受け】【なぎ払い】ます。
「目障りです」
氷刃は剣の動きから【見切り】【残像】で回避し、炎の竜を模した火【属性攻撃】【全力魔法】【範囲攻撃】を剣から放つ。
「焼き尽くせ、サラマンダー」


ユウヤ・シュバルツ
結華と参加だ。アドリブやアレンジ歓迎だぜ!

「わかった、オレは結華のあとから続くぜ……無理すんなよ?」
二刀流のダガーを逆手に構え【ダッシュ】で追走するぜ。
「よし、いくぞ!」

結華が炎で氷の攻撃を迎撃後、敵に【ジャンプ】で【空中戦】から【疾風刃】による奇襲をかける。
「上がお留守だぜ!」
カウンターしようとしたら【残像】で回避しつつ後ろに回り込み【暗殺】から『バンカーナックル』の【衝撃波】による【鎧無視攻撃】を叩き込む。
「その氷ごと打ち砕いてやるぜ!」

氷の刃が味方に当たった場合は割り込んで、魔力で身体強化からの【見切り】【2回攻撃】【武器受け】の二刀流ダガーで捌ききるぜ。
「スピード勝負なら負けねぇぞ!」



・躍るシーフと紅蓮のドール

 ちらちらと舞い降る雪の六花が、触れる前に、じゅわりと溶けて蒸発する。
「あれはあなたがやったんですね……」
 御門・結華(色褪せた精霊人形・f01731)が静かに言葉を口にする。その言葉に対して返されたのであろうオブリビオンの冷笑が、答えだろうか。
 結華の中で怒りが湧き上がる。地も空気も、自身の身体さえも焦がすようなその怒りに応えるように一枚のカードが彼女の前に浮かび上がる。そのカードに手を触れ、結華は心のままに口にする。
『精霊よ、我が身に宿れ』
 火の精霊たるサラマンダーが描かれたカードから炎が躍り出ると、結華を包み込みその力を体に宿し、形作っていく。
 炎の力が編み込まれ形作った大剣と焔の装束を翻し、少女はその2つの眼で、眼前の敵を捉える。
「マスター、私がいきます。あの氷を焼き尽くします」
「わかった、オレは結華のあとから続くぜ……無理すんなよ?」
 紅蓮の少女の言葉にユウヤ・シュバルツ(疾風迅雷・f01546)が頷き返すと、2本のダガーを逆手に構えた。
 ユウヤが何かを発するよりも早く、結華は石畳を蹴って冷たい風を纏うオブリビオンに接近し、先手となる大剣からの薙ぎ払いを繰り出す。一度はその細い剣で結華の攻撃を受け流そうとしたレヴァリエだが、すぐにそれが無謀であると知り、剣戟の範囲から飛び退いて力強い斬撃から逃れる。
 自身が退いた、という事実を認めたくないと言いたげに、オブリビオンは剣を天に掲げ、雪の欠片を集約させる。それは透明度の高い氷の針のように鋭く尖り、炎を纏う少女へと容赦なく降り注ぐ。しかし結華が炎を力を宿した大剣を地面に突き刺すと、そこから吹き上がるように熱風が立ち昇り、まるで壁となるように広がり美しい氷の針を瞬時に溶かしていった。
「目障りです」
 オブリビオンの意識が結華に向いている、そんな中でユウヤは高く跳躍し、頭上から踊るようにダガーを振るって、奇襲を仕掛ける。
 目の前にいる自身とは真逆の属性を宿した少女にのみ意識が向いていたレヴァリエは咄嗟に反応ができなかった。視線を向けた瞬間襲ってきたのは、上半身を裂かれる『痛み』だった。
「上がお留守だぜ!」
「くっ!!下手な小細工を!」
 美しい薔薇の魔法陣を展開させ、反撃に出ようとしたレヴァリエだったが、すでに遅すぎた。身軽なシーフとしての動きを最大に生かして、ユウヤは音もなくレヴァリエの前から消え失せる。敵の姿を見失ったオブリビオンがあたりの気配を探るよりも早く、背中から内部を破壊するような強い強い衝撃波が打ち込まれた。
「その氷ごと打ち砕いてやるぜ!」
「が、はっ……!?」
 ヒトとは違う、血よりもさらに赤黒い体液を口からこぼして、レヴァリエはよろめき、震える手で背後に向かって剣を振るう。しかし、鋭さのない剣の一撃を交わすことはたやすく、ユウヤは軽い身のこなしでソレを避ける。
「お望みが、スピード勝負なら負けねぇぞ!」
 でも、とユウヤは言葉をつづけ、そこで切る。
 不自然に途切れた言葉に、オブリビオンが顔を上げてユウヤを瞳に映そうとした瞬間、
「焼き尽くせ、サラマンダー」
襲ってきたのは身を焼くような苛烈な炎の波だった。
 一切の慈悲も容赦もないその炎熱を防御も、避ける間もなく浴びたレヴァリエの甲高い悲鳴が響き渡る。
「……火加減が、難しいですね。まだ焼き消えません」
「まだ、あちらも膝をつく気はないみたいだな」
 ユウヤの呟きをかき消すように、炎を竜を中から破るように無数の氷結刃が裂き乱れ、炎をかき消す。
「そう簡単に、膝をついて見せるわけには…いきませんっ!!」
 焼け焦げた肌を撫でながら、オブリビオンは体勢を整えるべく、猟兵達から距離を取った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

タンケイ・オスマンサス
【チーム相談室】

一緒に力を合わせれば強さ100倍!リーヴァルディさん!お手伝いします!

くおんさんが敵の気を引いてくれているうちにヴェールの魔力で【目立たない】ようにしながら【歌唱】

こんな土地でも一生懸命生きている人々を。人間をなんだと思っているんです。この怒り、伝わりますか?
自身の怒りを込めた力強い歌声で大地に、大樹に語りかけUCを発動します。
木の根でダメージを与えられなくても、いいんです。目的は動きを少し止めること。それさえ出来れば後は……よろしくおねがいします!

自分に飛んできた氷針は【オーラ防御】を張りながら槍を振り回しできる限り受けないよう叩き落とします


リーヴァルディ・カーライル
【相談室】

…ん。手伝ってくれるの?
助かる。さっきの術の反動が思ったより大きくて…。

くおんが敵を引き付けてる隙に、
“忍び足の呪詛”を付与し自身の存在感を消す
暗視と【吸血鬼狩りの業】を頼りに敵の行動を見切り、
氷結耐性で冷気を防ぎつつ、目立たないように接近する

喝采を。誉れ高き騎士達に…。

タンケイが敵の行動を封じたら【血の葬刃】を発動
第六感が捉えた犠牲者の霊魂と手を繋き大鎌に結晶刃を形成
吸血鬼化した怪力の踏み込みから大鎌をなぎ払い、
呪詛を爆発させる2回攻撃で傷口を抉り仕留める

この一撃を以て手向けとする。眠りなさい、安らかに…。

…感謝を。決闘に付き合う気は無かったけど、
二人のおかげで気付かれずに済んだ。


佐藤・くおん
【チーム相談室】

ひじょーにカチンと来たので軽口も叩かず駆ける
回避に特化して相手の気を引き、仲間が準備を整えるまでの【時間稼ぎ】をする。【地形の利用】で物陰に隠れたり土煙を起こして攪乱、耳で音を、しっぽで風向きを捉え【野生の勘】での回避を試みる
【罠使い】【物を隠す】によって回避中に即席の罠を仕掛け、相手が下がろうとしたときだけ【投擲】しつかず離れず逃げ回る
敵が大技を仕掛けてきたら【捨て身の一撃】【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【喝采の一撃】によって差し違え敵の動きを止める、たんけさんが敵を縛る瞬間に【激痛耐性】ですぐさま【見切り】回避する
「今だ!リーさん!」



・駆け巡る罠師と、金木犀の歌声に、銀糸を纏う黒衣は揺れて

 リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は、一時退いた敵を見て、少しの思案をする。ひとりで戦うならばひとりの戦い方がある。
しかし、と。彼女に追い付いてきた2つの人影に振り返る。
「…ん。手伝ってくれるの?」
 リーヴァルディが小さく尋ねると、タンケイ・オスマンサス(魅惑のシンフォニア・f08051)は緑の髪の毛を柔らかく振るわせて、力強く頷いて見せた。
「一緒に力を合わせれば強さ100倍!リーヴァルディさん!お手伝いします!」
「助かる。さっきの術の反動が思ったより大きくて……」
 説明をするよりも早く駆けだしたのは、不機嫌に眉を寄せた佐藤・くおん(らぶ&ぴーす・f02218)だった。白い耳をふわりと靡かせながら敵の注意を自分へと向けるべく、武器を振り上げ、敵の脳天めがけて振り下ろす。
『食らってくたばれ!』
 単純で純粋な思い一撃を、レヴァリエはギリギリのタイミングで避ける。しかし武器が穿った地形は爆発するように隆起し、周辺の地形を変化させる。
「なにっ!?」
 レヴァリエが砂埃を払って辺りを見回せば、くおんの姿はどこにもない。それどころかただ広かっただけの広場のような地形は、石畳が石柱のように盛り上がり視界の端々を塞いでいた。
「この……ッ!!決闘者であるならば正々堂々と向かってきなさい!!」
 姿を消したくおんの姿を探すべく、石柱の間を駆け抜けるように確認する。ふと、視線の隅で何かが動いたのを見つけ、レヴァリエは口角を上げ、剣を振るう。
『氷刃嵐華!!』
 剣から放たれた氷刃が動いていた何かに向かって放たれ、その一帯を冷気で包み込む。確認するように近づいて、仕留めたはずの獲物を見ればソレは。
「え……ぬ、布?」
 風ではためく様に仕掛けられた、正方形の布だった。ギリッ、と歯を噛み、不愉快をあらわにする。そこへ、風を震わせる『音』が響く。それが何かを確かめるよりも早く認識したのは、歌声という名の音だ。
 力強く美しい歌唱は、大地に逞しく根付く木々語りかけるように響き渡り、樹木に動きを与える。
『悪いことばかりするあなたは串刺しです!』
 タンケイの発した言葉が合図となるように、地の中を何かが駆け巡るように揺れ、振動を足からレヴァリエに伝える。足元から何かが来る、それを察知した彼女はすぐにその場を離れようとしたが、硬い土を突き破って現れた樹の根は、レヴァリエを逃がすまいとそのしなやかな足を絡め、動きを封じる。
「こんな土地でも一生懸命生きている人々を。人間をなんだと思っているんです。この怒り、伝わりますか?」
「まぁ。一時的にとはいえ、誉れ高き決闘者となれたのですから、人間の方たちも本望でしょう?」
 ヒトの言葉は、オブリビオンである彼女には通じない。それをひとつの意思の言葉として受け入れる気は、ないようだ。タンケイの言葉の返礼にと、オブリビオンの周りに集約した雪の結晶が鋭い針となって、彼女へと向けられる。タンケイは甘やかな香りを指揮するように周囲に防御壁を形成し、槍を振るって飛んでくる氷針を砕き、払い、叩き落していく。
――2人の内どちらかでも討てれば、勝機はまだある。
 気をひくために行動をしていたくおんとタンケイに意識を完全に取られ、そんなことを考えてしまったからこそ、オブリビオンは気づかなかった。完全に存在を、忘れてしまうほどに。

「喝采を。誉れ高き騎士達に……」
 静かな、しかし確かな言葉に、オブリビオンは声という音の発生源を振り返る。
『……限定解放。さぁ、報いを受けなさい、血の葬刃…!』
 そこにはこの村で犠牲となった者達の霊魂に語りかけ、呼び集め、その念を結晶と化して大鎌を形成するリーヴァルディの姿があった。歪な形をした、しかし鋼や鉄ではない危うい美しさを魅せる霊魂の結晶が作り出した鋭い鎌を、吸血鬼化したことによって増した踏み込みと怪力で一気に薙ぎ払う。タンケイの歌によって活性化した木の根に動きを封じられているオブリビオンに回避の術はなく、手にしていた細身の剣を盾にすることでその薙ぎ払いを相殺しようとしたが。
「――決闘者というには、あまりに未熟ね」
 リーヴァルディの言葉と共に、バキンッ、と剣が音を立てて2つに折れる。オブリビオンが目を見開く間に、勢いを殺さぬ2度目の薙ぎ払いが繰り出される。
「この一撃を以て手向けとする。眠りなさい、安らかに……」
 刃に乗せた呪詛が爆発し、華奢な少女の身体をしたオブリビオンの胴に深々と結晶の鎌が抉るように食い込む。
「おの、れぇ……ッ」
 何かを残すよりも早くリーヴァルディの手に力が入り、オブリビオンの上半身と下半身を、真っ二つに引き裂いた。ゴトン、と重いモノが石畳へと落ち、ソレは黒い砂のようにさらさらと崩れて、風に消えていった。
 リーヴァルディはタンケイとくおんに視線をむけると、少しだけ目を伏せて唇を動かした。
「…感謝を。決闘に付き合う気は無かったけど、二人のおかげで気付かれずに済んだ」
 『礼』の言葉に、2人は笑顔を返し、武器を握っていた手で、共に戦った者とハイタッチを交わした。


・誉れ高き喝采を

 目的を果たした猟兵達は、村人も、声も、喝采も、全てが消えた村を振り返り、見る。
 何も聞こえない、何もいない、静寂(しじま)が守るその場所を、これから誰が訪れるのだろうか。
 目を閉じて、踵を返し、次の目的へと向かい歩き出す。
 その猟兵達の後ろからは何も聞こえない。
聞こえないが、けれど。

 猟兵への感謝の喝采は、きっと響いていたのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月07日


挿絵イラスト