テレビウム・ロック!~イヤー!このままじゃハゲちゃう!
●
「イヤー!!!」
イカした未来都市・キマイラフューチャーの都市に、絹を裂くような悲鳴が響き渡る。日も高く、春を迎え暖かくなってきた穏やかな日々には、似つかわしくない声である。
リゾート都市の一角、入り組んだ細い道を全速力で逃げ惑うは、一人のテレビウム。
その顔には鍵のような映像を映し出している。
ポップカルチャーが好きなのか、背負ったリュックにはラバーストラップやアクリルキーホルダーが鈴生り状態でつけられ、カチャカチャと軽快な音を立てている。
因みに何者かに襲われた際、高い悲鳴では相手を興奮させる危険性がある為、超低音のデスボイスで相手を威嚇し退けよ、などと言われることもあるようだ。
しかしどっちみち、この相手は逃がしてくれないだろう。
彼等の標的は無差別ではなく、鍵の映像を映したこのテレビウムその人である。
そして彼等は暴漢というよりは……。
『待つプリー!!』
薄黄色のとぐろ頭を持った怪人――というか巨大なウ○コ!!?
●
「こんな事件が今キマイラフューチャーのあちこちで起こっているのよ。イヤー! こんな映像見たくなかったわ!!」
叫ぶ仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)が狭いグリモアベース内をひとしきり歩き回り、落ち着いたところで説明を再開させた。
「どういうわけか"鍵のような映像"が画面に浮かんじゃったテレビウムだけが、怪人の集団に次々と襲われているわけね。"鍵"が浮かんだ子たちに特に共通点はみられないわ」
今のところ分かっているのは本当にそれだけ、とのことだ。
「本人も必死に助けを呼んでいるようだけれど、相手はオブリビオン。さすがに一般人じゃ手出しが出来ないわ。――というわけで、アタシたちの出番よ!」
都市リゾートの地図を展開し、グリモア猟兵は続ける。
「テレポートで出られる場所はココ。逃げてるのはこの道ね。テレビウムの子と怪人たちとは少し距離が離れているから、先回りして待ち構え、後ろから奇襲、間に入って止める。介入方法はおまかせするわ」
延々と追っかけて来るので速攻で倒しちゃってね、だって、と渋い顔をする衣吹。
「この怪人の他にももう一群、この子を捕まえようと追っている怪人たちがいるみたいなの。挟み撃ちなんてされないようにね。その後方にはもっと強いオブリビオンの気配も。都会の入り組んだ道で一般人の子を守りながら戦わなきゃだから、気長な戦闘はできないと思うわ」
それに一番見たくないのは……と、自らの赤く塗った爪を見つめながら呟く。
「あの子、グッズ集め始めたばかりなのかしら……。ラバストやアクキー、むき出しであんなにガチャガチャぶつけてたら、塗装も絵も全部ハゲちゃうわ! 怪人倒しても大事なグッズが全部傷だらけなんて許せない! ハゲるのは怪人の頭と皮と四肢だけで充分よ!! 早急に保護して救うこと! 気合入れてね!」
もしかして最初に叫んでたイヤって、そっち?
気圧された猟兵達の視線の先でグリモアを爪繰り、衣吹が破顔する。
「それじゃ、頑張ってね!!」
小風
小風(こかぜ)です。
五作目はキマイラフューチャーの期間限定シナリオです。
よろしくお願いします。
また、変則執筆を予定したシナリオです。
MSページも随時ご確認下さい。
第1章 集団戦
『自称『ウコンソフトクリーム』怪人』
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POW : たべられません
【硬化させた頭部を回転させること】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : それじゃないプリ!!
【自分を排泄物扱いした相手に連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 芳醇な香り
【頭部】から【奇妙なニオイ】を放ち、【困惑】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:笹にゃ うらら
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●モゲろ
小さなテレビウムを大量のオブリビオンが追う。
自称『ウコンソフトクリーム』怪人は頭部が大きい為、上空から見ればそのコーンを模した体は見えず、手に持つツンツン棒とトイレットペーパーが見えるくらいだ。
彼をかろうじてソフトクリームたらしめる要素が消え、ウコンとよく似た言葉を強調するアイテムがチラ見えするその光景は――ポップデザインながら、地獄絵図である。
香神乃・饗
ガチャガチャ音、この人っすか!助けに来たっす!
敵とテレビウム間に割って入り止めるっす!
周りの猟兵と共闘するっす
香神写しで武器を増やしておくっす!
テレビウムを守ることを最優先し、1体たりとも通さないっす!
行く手を阻むよう苦無を投げ、地形を利用し張り巡らせた剛糸の網で絡めとり、動きを止めたら苦無で暗殺するっす
狙われたら敵を剛糸で絡め取って盾にし身を守るっす!
狙いを逸らしきれないなら、排泄物扱いをしてやるっす!見た目を気にしてるっすから、効くんじゃないっすか?
あれ?変な匂いしないっすか?……ああ(敵を見て残念そうな顔
余裕があったらガチャガチャ音グッズについて聞くっす
そのグッズ、好きなものなんっすか?
ティモシー・レンツ
えっと……怪人は鰤じゃなくて……いや、言うのは止めておく……。
なんか、言うと戦闘シーンがカットされそうだし……。
と、とりあえず、トイレットペーパーを持ってる事は疑問だけど、気にせず自己強化して叩き切るよ!
という訳で……(呪文どうしよう)……ソフトクリーム絶対溶かすビーム!(ビームじゃなくて自己強化だけど気付いてない)
ルーンソードに炎をまとめて、纏って斬るよ!(言い間違いにも気付いてない)
ソフトクリームなら炎で溶けるだろうし、それ以外なら凍らせて斬りやすくするよ!
……まぁ、炎で溶けなければ、アイスクリームじゃないって証明したようなものだし?(言外に自滅を誘う)
水心子・静柄
速攻で倒すなら奇襲ね。正直こんなアレなのかぽいだけなのかわからない相手に自分を使いたくないわ。かといって錬成カミヤドリで出したものも複製とはいえ自分と同じ形なのよね、嫌になってくるわ。
とりあえず先回りして、地形を利用して死角から攻撃できる所に待ち構えておくわ。相手が来たら問答無用に射合で一斉掃射、出来るなら頭部分に当たらないように全て胴体部分を狙っていきたいわね。はぁヤダヤダ、終わったらすぐに体を洗いたいわ。それにしてもこのオブリビオンは過去に何をやったのかしらね?ネタで作られて全く売れなかったとかかしら?
「ガチャガチャ音、この人っすか! 助けに来たっす!」
脇道から飛び出しテレビウムと怪人の間に、割って入ったのは香神乃・饗。
ユーベルコード香神写しで増やした苦無が怪人達の目の前スレスレを通り過ぎ、地面や建物の壁を穿つ。
『ムムッ、イェーガーだなップリ! お前に用はない! そこを退くップリ!』
足を止める事は出来たが、あくまで目的はテレビウムの捕獲。標的を逸らすには至らなかったようだ。今にも後ろへ下がり別の道から追おうとする怪人を見て、饗は呟く。
「あれ? なんだかこの通りだけ、変な匂いしないっすか? ……ああ」
自称『ウコンソフトクリーム』怪人の姿を見やり残念そうな表情を浮かべるヤドリガミ。それだけだ。だがそれだけで充分だった。彼等はこと自分を排泄物扱いする話題に関しては、とても繊細だったのだ。
『それじゃないプリ!! ――プリッ!?』
即座に怒りのまま連続攻撃を仕掛ける怪人。だがそれは饗に届くその手前で止まった。
饗と己との間には極めて細い剛糸が網のように張られ、それに絡め捕られているのだ。
苦無と怒りに気を取られ、いつ張ったのかさえ気付かれていなかった。
動きの止まった怪人の頭が、念力により後方から飛んで来た苦無により貫かれる。
一息での暗殺だ。苦しくは無かっただろう。
「あら、随分と狙い易くなっているじゃない」
その声と共に、剛糸網の前で渋滞状態になっている怪人の胴体目掛けて、幾多の鞘入り脇差が大砲のように飛んで来る。
声の主は水心子・静柄。
こちらは怪人を速攻で倒す為に死角に隠れ、奇襲を窺っていた脇差のヤドリガミだ。
放ったのはユーベルコード射合。
怪人から反撃を受けず、近接武器である脇差でPOWの遠距離攻撃が出来る便利な技だ。
……静柄がわざわざ頭を避け胴体を狙ったのは、正直こんなアレなのかぽいだけなのかわからない相手に自分を使いたくないからだ。
しかし今度ソフトクリームを買い求める際には、店員さんの作り方を見ていて欲しい。
はたしてコーン部分は空っぽ状態であろうか……?
静柄の飛ばした脇差に貫かれ自称『ウコンソフトクリーム』怪人の胴体から、妙な臭いのする薄黄色のゆるいものが飛び出す!
「イヤー!!!?」
放った刀は複製したものとはいえ自分と同じ形だ。嫌なものは嫌だ。
帰ったらすぐに体を洗う決意を固め、ヤドリガミは自分の体を目一杯こすった。
「えっと……怪人は鰤じゃなくて……いや、言うのは止めておく……」
危うい台詞を自重し、加勢するのはティモシー・レンツ。
ソフトクリームを名乗る怪人がもれなくトイレットペーパーを持っていることに疑問を感じつつ、ルーンソードを構えると呪文を唱える。
「……ソフトクリーム絶対溶かすビーム!」
使用したユーベルコードはトリニティ・エンハンスなのでビームではなく自己強化だ。
それでも剣には炎の属性が宿り、明々とした火を灯す。
『一方的にやられてるばかりだと思うなプリー!』
負けじと怪人も硬化させた頭部を回転させ、ティモシーに一撃をお見舞いする。倒れつつもすぐに剣を振り反撃するティモシー。怪人にも炎を纏わせることが出来て相打ちだ。
だが……硬化技の直後だからだろうか。アイスクリームを自称する怪人は苦しみつつも、その熱により一向に溶けることは無い。それどころか嗅いだことも無いような臭いが立ち込め、自称『ウコンソフトクリーム』怪人の頭部がドンドン黒く……。
「戦闘シーンカット回避ビーム!」
剣の属性を氷に切り替えたヤドリガミが速攻で怪人を凍らせると、即座に叩き斬った。
ショッキングな映像が流れるのをスレスレで防ぎ、君の活躍も無事にノーカットだ!
道に止めた怪人達を倒し切り、テレビウムの姿を探すと既にこの通りにはいない。
しかし少し遠くからあの悲鳴と、小さく鈴生りグッズが鳴る音が響く。
若干の怪人を取り逃がしてしまったようだ。
早く追わなければ。だが武器を仕舞い、その場を後にしようとした猟兵の手が止まる。
謎の怪人の薄黄色い液体。
いくら手を振っても、いくら血振りしようとも残る謎の不快感。
自分の服の端で拭うか? イヤ、トンデモナイ!!
無言で、三人のヤドリガミは汚れていないトイレットペーパーを一ロールずつ拾うと、紙を巻き取りながら走り出した。
何故わざわざ拾ったかって?
道中カピカピになる前に、急いで拭い去る為だ!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
香神乃・饗
もー!なんなんっすか!この臭いは!
これだけ離れてるのに、めっちゃんこ匂うっす!
急ぎ追撃をし、姿が見えたら排泄物扱いをして挑発し向かって来させるっす!今度こそ全部逃がさないっす!
どんな動きも臭いも当たらなければへーきっす!
香神占いで動きを読んで避けて、俺がいるはずの場所に攻めてきた敵を剛糸と苦無で暗殺していくっす!
終わったらトイレットペーパー追加を頼むっす!さっきと一緒できれいにしてから進むっす!
なんなんっすか!もー!
鹿村・トーゴ
わー その造形な
道端に1こ2こ落ちてるんならのどかなもんだがよ
追っかけられるのは誰でも勘弁だよなー
特殊なシュミな人もいるだろーが、ってのは余計でしたねハイ
うん、クリームだもんな、好きな人もいるさ
周りで戦ってる人の真似じゃねーけどこう、遠距離から行きたいなァ
虚蜂を使って倒せそうなやつから狙った後、手裏剣で追い打ちをかけて攻撃
逃げてるテレビの子と引き離してやりたいけど
見失っても困りそうだしなー
混乱してるしオレらとアレと区別してくれるかね
ウ(口が滑りそう)コンの仲間と思われるのはツラいが
…いやあのとぐろクリームやる方が優先だな
集団でざばーって来られたら名前変なきゃいけなくなりそうだしさー
「もー! なんなんっすか! この臭いは! これだけ離れてるのに、めっちゃんこ匂うっす!」
戦利品のトイレットペーパーでガシガシと装備や肌を拭いながら走る饗。
きっと馴染みの無い香辛料ウコンの臭いだ。きっと。
まもなく見えた怪人の後ろ姿と薄いスリッパの音。どう聞いても抗菌ビニール製だ。
「今度こそ全部逃がさないっす! 止まれっす! ウ○コソフトクリーム怪人!!」
一文字入れ替えて呼んだだけだ。だがそれで十二分過ぎた。自称『ウコンソフトクリーム』怪人が、目の前のテレビウムそっちのけで振り返ったのだから。
『まーたお前かップリ!! それじゃないし、そう言ってはいけないップリー!!!』
表情はポップなパーツのままだ。しかし怒髪天を衝き明らかにキレを増した超高速連続攻撃が一斉に饗へと襲い掛かる。
「合わせ香神は御見通し」
ユーベルコード香神占い。
怒涛の勢いで押し寄せる怪人の猛攻撃を、もう知っているかのように無駄のない動きで避けて踊る紅半纏。
饗がいたはずの場所へ踏み込んだ怪人が、次々と一直線に切り裂かれてゆく。
剛糸を張った罠へ、わざわざ高速で飛び込んで行ってるのだ。
罠に気付き踏み止まる怪人には通り過ぎた瞬間に苦無を投げるヤドリガミの化身忍者。
仕掛けられた技は高速度。
ゆえに、その勝負も全て一息で終わった。
「わー、その造形な。道端に1こ2こ落ちてるんならのどかなもんだがよ。追っかけられるのは誰でも勘弁だよなー」
テレビウムと見事なとぐろクリーム……否、自称『ウコンソフトクリーム』怪人を視界に収めながら追跡しているのは鹿村・トーゴ。
逃げてるテレビの子と引き離してやりたいけど見失っても困りそうだしなー、何より混乱してるしオレらとアレと区別してくれるかね、と思いを巡らせながら一定の距離を保ちつつ建物の上を走っている。
そしてやってきた好機。怪人達が仲間の猟兵の挑発に乗り、意識が一斉にそちらへ向いたのだ。
「七針、お前たちの出番だな」
ユーベルコード虚蜂。
古い針には使役霊が降り、不可視の存在である七匹の大型蜂へと姿を変えた。
そして羽音も抑えて忍び寄り、テレビウムにより近く倒せそうな怪人へ襲いかかる。
『プリッ!?』
突然前方の怪人にも異変が。しかし相手の姿は確認出来ない。
怪人の攻撃が届かぬ距離から、気付かれる前に。
トーゴの手裏剣が戸惑うそれらに更に追い打ちをかけて攻撃。
テレビウム側に残った怪人達を遠距離から次々に仕留めてゆく。
「集団でざばーって来られたら名前変なきゃいけなくなりそうだしさー」
怪人がやっつけられて静かになった。
どうやらめちゃくちゃカッコいいヒーローが助けてくれたようだ!
まもなく鍵を顔に映したテレビウムが戻ってきて、建物の角から顔をのぞかせる。
「オレらはウ……コンの仲間じゃないぞー」
「そのグッズ、好きなものなんっすか? あいや、ちょっと近付くのは待ったっす!」
話しかける二人だったが、饗はすぐに大事な事に気付きテレビウムの接近を止める。
無事なトイレットペーパーをひとつ見繕うと、薄黄色の液体が滴る戦場から抜け出し、再び丹念に手や靴の裏を拭き取りだした。
(なんなんっすか! もー!)
奇妙な臭いを放つ怪人の置き土産に、心の中で文句を言いながら。
「うーん、少なくとも猟兵にはこのクリーム、好かれちゃいないなー」
トーゴも綺麗なトイレットペーパーをひとつ拾うと、その後片付けを手伝うのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 集団戦
『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』
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POW : ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ : ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
イラスト:ヤマトイヌル
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ソゲろ
「キャー! ヒーローさん! ヒーローさん!! ありがとうございマス! ありがとうございマス!! あ、ワタシ、スロートって言います!」
助けた鍵の映像を映すテレビウムが、何度も頭を下げながらお礼を言う。
リュックに鈴生りのグッズ達も、それに倣うように軽快な音を立てる。
ちょっと慌てる猟兵だが、まもなくお礼の連呼とカチャカチャ音の中に、ピコピコと小さくも耳に届く電子音が混じり始めた。
落ち着いて顔を上げて、と猟兵の言葉に首をかしげながらも従うスロート。
――画面の鍵の向きが変わっている。しかも顔の傾きに合わせて動き、一定の方角を示すように。
「アレ? ワタシの顔にこんなものが? 追われてて気付かなかったデス。えっと、これはここへ辿り着かないと消えてくれないってことデショウカ? んーっと、ヒーローさん、また助けてもらっていいデスカ?」
モチロンと二つ返事で了承する猟兵。
けれど突然、再び絹を裂くような悲鳴を発し出したスロート。
その視線の先を見て、猟兵もしばし固まった。
広がる光景。
それは視界一面の筋肉。
黒々と日焼けし、テカテカと光を反射し、しかしバリバリに張り付いた皮膚を持つ筋肉集団が周りを取り囲んでいた。
顔がモコモコ毛並みのアルパカだと気付いたのはその後だ。
「イヤー!!!」
『ステキな歓声をありがとう』
『カワイイテレビウムさん、そのお散歩はボクらと一緒にどうかな?』
『たとえどんな敵が現れようとも、鉄壁の守りを見せてあげるよ』
何者かに襲われた際、高い悲鳴では相手を興奮させる危険性がある。時にどんな行動も好意的に解釈してしまう相手も存在するゆえに。咄嗟に声が出ない時や大きな声が出せない時、大音量の警報音を放つ防犯ブザーが役に立つだろう。
因みにスロートは名が体を表すようにとっても喉が強く、ピンチでも大声を出せる気構えを持っているのだ!
猟兵はジリジリと迫る『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』を突破し、しつこい彼等の追撃を振り払いつつ、鍵が指し示す場所までスロートを守り向かわなくてはいけなくなった。
水心子・静柄
何かイロモノばかり集まってくるわね…スロートにはそういう才能があるのかしら?まぁ何にせよさっきのぽいものよりは全然戦いやすくて助かるわ。
さて相手は鉄゛壁゛の守りを誇るみたいね。そうね、壁を壊すのは得意よ。ポージングとか訳のわからない事をやっているうちにグラウンドクラッシャーで叩けるだけ叩くわ!
ポージングって基本立ち姿勢のものが多いわよね?その中で逞しさをアピールするなら寝てちゃダメよね?そういう訳で狙うは重心の乗った足ね。これでポージングするのにも苦労してくれば楽になるわね。あとどうせならポージングの名称やポイントを説明するよう要求ね。もちろん解説中に攻撃するのはお約束だけども。
ティモシー・レンツ
さっきのオブリビオン、異臭(物理)してたけど、今回も異臭(ネタキャラ臭)が強いよ!
というか、黒光りして鉄壁の防御って、ゴキ(不思議な力で読めません)
今回もルーンソード(クリーム怪人から抜き身のまま)を構えて、自己強化で叩くよ!
必殺、オブリビオンの異臭アタック!(風の魔力で異臭に指向性を持たせつつ、風に勢いを付けるために逆袈裟)
うまく行けば「きれてるよー」って、斬撃とポージングのダブルニーミングで掛け声でもかけようかな……ダッシュで間合いから外れてから!
肉弾戦と、押し付けた異臭から離れてから!!(間合いもダブルニーミング)
香神乃・饗
もこもこはもこもこでも筋肉っすか!?
スロートさん、もてもてじゃないっすか。筋肉萌えっすか?
スロートさんを守りきることを最優先にして立ち回るっす!
敵とスロートさんの間に割って入り周りの猟兵と協力して戦うっす
ポージングをしているところを狙って妖剣開放で力を高めて苦無で暗殺を狙うっす
動きを止めてくれてるんっすから急所を狙いやすいはずっす!
剛糸を張り巡らせてスロートさんを守っておくっす!迫るようなら苦無の斬撃による衝撃波で吹き飛ばすっす!
剛糸で敵を絡めとり盾にして身を守るっす
変なポーズで能力が上がるなら良い盾になりそうっす!
鹿村・トーゴ
え
何モンだよめっちゃ可愛さアンバランスだな!
キマイラひゅーちゃー(発音できてない)ってすげートコだわ…
感心してる場合じゃねーか
毛玉筋肉は喋り方紳士的だけど怪しい方の紳士かもしれねえし
スロートは逃がさねーと
取り合えず鍵の方向に進んでみてくれよ
あ、虚蜂を呼び出し1、2匹スロートにくっつけておく
見失っても【追跡】できるようにな
毛玉相手なんでこっちも毛玉で行くか
牙寄せした白猪ユキエとマッチョに突撃
猪には体当たりを指示
自分はクナイ手裏剣で手近な奴から斬り付ける
筋肉絞まってそうだから目とか耳とか狙いたいけどなー
高さは猪の背から飛び込むとかでフォロー
もしスロートが追い付かれそうなら猪に同乗させて引き離すか?
「何かイロモノばかり集まってくるわね……スロートにはそういう才能があるのかしら?」
「イヤー! そんな才能いりまセーン!!」
ふと怪人の面々を見て呟くのは静柄。
顔は鍵の映像だが泣き声混じりの声で応えるのはスロートだ。
「まぁ何にせよさっきのぽいものよりは全然戦いやすくて助かるわ」
鍵の示す方角を確認し、塞ぎ立ち並ぶ筋肉の壁へ向かって静柄が跳躍する。
あのデカイ逆三角形の体を支えているにしては小さすぎるくるぶし以下。狙うは足だ。
対するアルパカマッスルブラザーは横向きで腕を組んだサイド・チェストで迎え撃つ……というか攻撃して来ない。出迎えると言うべきか。静柄は身体能力の増大など意に介さず、重心を支える足へグラウンドクラッシャーの一撃を放つ。
『オゥ、イェー!』
マッスルは胸部を強調したままクレーターの中へ沈んで行った。だが鉄壁の守りを唱えたブラザーズも負けない。すぐに両隣のブラザーがその穴を埋める為に、両手を腰に添えた姿勢で横移動し立ち塞がる。
「――ところで、そのポージングの名称は何ていうのかしら? ポイントはあるの?」
『おや、興味を持ったのかい。嬉しいな。これはフロント・ラット・スプレッドといって……ハハァン!!?』
『正面を向いているけれど背中の筋肉を広げた姿勢で……イェアー!!?』
解説中に攻撃するのは、お約束である。
猟兵達とスロートは横並び三つのクレーターを飛び越え、鍵の示す方角へと走る。
「さっきのオブリビオン、異臭(物理)してたけど、今回も異臭(ネタキャラ臭)が強いよ!」
スロートと猟兵一行の殿を守るのはティモシーだ。
「というか、黒光りして鉄壁の防御って、ゴキ……」
『ゴリラ、と言いたいのかな。アルパカながら、その例えは誉め言葉だよ』
両腕を上げたフロント・ダブル・バイセップスの格好で追いかけるアルパカマッスルブラザーズ。動物の頭部を持ちながらも、その耳は都合よく聞こえるように出来ているらしい。
包囲網は突破したが、その距離は未だ近い。ここで一度突き放そうと、ティモシーがルーンソードを構えてトリニティ・エンハンスを発動する。
「必殺、オブリビオンの異臭アタック!」
『!! なんだい!? その異様に禍々しい剣は!!?』
説明せねばなるまい。なんとこの剣、あの疑惑だらけのウコンソフトクリーム怪人と戦った後、そのクリームを全く 拭 い て い な い のである。刀身全体に薄黄色いあれが乾いてカッピカピになって付いてるよ!
風の魔力に流され、ウコン……きっとウコンであろう妙な臭いに顔をしかめた怪人へ、ティモシーが逆袈裟で斬りかかる。
『オゥマィガッ!』
「きれてるよー」
美しい筋肉のスジを褒め称えつつ、自らの斬撃が見事に入ったことを声高に叫ぶティモシー。
そして臭いと攻撃で作った間合いを全力ダッシュで走り抜ける。
ちなみにスロートも猟兵達も先の戦いで全員鼻が麻痺してしまっているので、ティモシーがカピカピウコンと共に戻ってきてもノーダメージであった。
「もこもこはもこもこでも筋肉っすか!?」
スロートの守りに徹しながら、側を走るのは饗だ。
「スロートさん、もてもてじゃないっすか。筋肉萌えっすか?」
「ワ、ワタシの好みは色白で細身で長髪のインテリデスー! 真逆デスー!!」
鍵の指す大雑把な方向に従い、時に曲がり、時に戻りながら進路の微調整を繰り返す一行。ピコピコという電子音も大きくなってきた。目的地へ近付いているようだ。
そして、マッスルブラザーズも後を追うばかりではなかった。突然脇道から現れ立ち塞がった筋肉アルパカ達。方角にあたりをつけ先回りしたようだ。
「させないっす!」
妖剣解放で怨念をまとった饗が高速で飛び出し、怪人とスロートの間に割って入る。全身に力を込めたフロント・リラックスのポージングで迎えるアルパカマッスル。
妖刀の力を込めた苦無で狙うはガラ空きの心臓。はち切れんばかりの大胸筋の谷間へ苦無の剣先が吸い込まれてゆき、心臓を串刺しにしたところで止まった。
『ハッハーン! ガフッ』
『『ブラザー!!』』
倒し切れぬなら吹き飛ばすまで。続けて饗は未だ立つ怪人に向かって苦無を振るい、斬撃と衝撃波による波状攻撃を繰り出す。明らかに上半身の方が重い体だ。度重なる攻撃にマッスルブラザーズは後方へ倒れた。これは意地か、力強いポーズを保ったままである。
「今のうちっす!」
倒した脇道に剛糸を張り巡らせて塞ぎ、猟兵達とスロートは駆け抜けてゆく。
「え、何モンだよめっちゃ可愛さアンバランスだな! キマイラひゅーちゃーってすげートコだわ……」
衝撃のキマイラフューチャーデビューの感想を漏らすのはトーゴ。
しかし油断は禁物だ。あの紳士的口調の毛玉筋肉も、怪しい方の紳士かもしれないのだ。スロートにも虚蜂を数匹つけ、見失っても追跡可能にしている。
ピコピコ音がもう一段階大きくなったところで、再び先回りしたアルパカマッスルブラザーズが立ち塞がる。今度は拳を握った両腕で輪を作った前傾のポージング、モスト・マスキュラーでお出迎えだ。これ以上は行かせないという気合が感じられる。
「毛玉相手なんでこっちも毛玉で行くか。寄せの術……依り代はここに、来い白猪」
ユーベルコード牙寄せ。
トーゴの傍らにいた鸚鵡のユキエを依り代とし、赤目に黒牙を持つ白猪が顕現した。
「いけっ、体当たりだ!」
『アイェー!?』
3メートル越えの巨大白猪ユキエに突撃され、飛ばされたところを目や耳を狙ったクナイ手裏剣で仕留められてゆく。流石のアルパカマッスルも、そんなところまで筋肉粒々ではなかったのだ。
「すごいデス、ヒーローさん!」
「よし、一気に引き離すぞ!」
えっ、と驚くスロートを軽々と持ち上げてユキエに同乗させると、トーゴは全力疾走を指示する。
「キィヤー!!?」
ドップラー効果が聞こえそうな叫び声を乗せて、一同は目的地へと突進する。
もう目の前だ!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
第3章 ボス戦
『海神ポセ男』
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POW : ヒッポカムポスわっしょい
自身の身長の2倍の【金色のたてがみをもつ海馬の引く馬車 】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
SPD : クロノス激おこ
【触手の先】を向けた対象に、【麻痺状態にする電撃】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : アムピトリテさまさま
【毒を持つ蟹足】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
イラスト:阿賀之上
👑7
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「レド・ダークライト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ハゲろ
到着したのはリゾート都市の一角、大きな建物の目の前だった。
どうやら貸会場として使われている施設らしい。入口の液晶掲示板には催されるイベントの色鮮やかなポスターが、階の案内と共に表示されている。
そしてもう慣れたが、突然叫び声を上げるのは、鍵をその顔に映し、何度叫んでも決して枯れぬ丈夫な喉を誇るテレビウム、スロートだ。けれど今回の声は歓喜の色も含んでいる。どうしたのかと訊くと、とても熱を帯びた声で語りだした。
「ヒーローさん! 夢中で走ってたから気付きませんデシタ! ここはワタシたちの戦場にして聖地、即売会の会場デスヨ!! 小さなところだけれどワタシの自慢のコレクション、ここで買ったものだっていっぱいあるのデスヨ! 大切な場所なのデス!!」
そう言って見せてくれたリュックに付けたグッズの数々。……よく見ると全てにビニールのカバーやトップコートによる保護が施されており、古い物の小さなヒビやカケは直された跡がある。……この子、出来る子だった!!
「でも、どうしてここガ? 何か大変なことが起こっちゃうのデショウカ? そんなのイヤデス。……イヤ、イヤ、イヤー!!!」
一際大きな声で叫ぶスロート。ただならぬ様子の後、その身がまぶしく光りだした。
そして鍵の代わりに顔に映し出される数字の表示。
900……899……898……。何かのカウントダウンのようだ。
『――やれやれ、手荒な真似はノットライクだったんだけど、これじゃ仕方ないね』
ズルリ、という重たく湿った音と共に現れたのは、タコとクラゲの脚に何本ものカニの足を背中から生やした男……イヤ、オブリビオンだ。直前の二集団と比べてあまりにも普通にオブリビオンだったので、脳が追い付かなかった。
『ボクの手下の中で一番プリティーなマスコットと、一番ダンディーなジェントルマンを送り込んだはずなのに。お気に召さないとは、その子もナンセンスだ』
イヤ、センスが悪いのは確実にそっちである。
『ボクの名前は『海神ポセ男』。悪いけど、その子のお友達にはそう伝えてくれるかい? 死因がスッキリしないのも、ノットライクなんだよ』
珍妙なネーミングセンスと奇妙な言葉遣いで話すオブリビオンが、しかし確実な殺意を持って光輝くスロートへ向かって近付き出した。
スロートをその背に立ち塞がる猟兵達。
オブリビオンの様子からすると、あのカウントダウンが完了するのを邪魔したいのだろう。スロートもあの様子では、ここから動くことが出来ない。カウントが終わりスロートが無事でも、同じようなテレビウムを再びこのオブリビオンが狙うのだとしたら……?
ならば、今ここで倒すしかない。
猟兵は各々の武器を構えた。
佐藤・和鏡子
詳しい事情はよく分かりませんが、キマイラフューチャーの危機、と聞いたので、微力ながら協力します。
救急車で全速力で突っ込んで撥ね飛ばしたり(捨て身の一撃・吹き飛ばし)、轢いた後バックで二度轢きする(2回攻撃)など、救急車を駆使して攻撃します。
運転技術は戦闘知識・学習力・運転でカバーします。
何回か轢いてひるんだ所でユーベルコードを使って確実に当てていきます。
『あなたの死因は救急車による轢死、とカルテにきちんと書いておきますので安心してください』
香神乃・饗
ウコンに肉の次は海産物っすか?カレー鍋でも作るんっすか、ごった煮は勘弁っす!
なんかよく分からないっすけど、数字が消える前に消えてもらうっす!
他の猟兵と協力するっす!スロートさんに近づかせないことを優先するっす!
妖剣開放して高速で近づき、触手の先が俺のほうを向く前に苦無で切り落としたり、いなしたりしながら更に近づき、剛糸で絞めて動きをとめるっす!
動きを止めたら他の猟兵さんが決めてくれるっす、信じて託すっす!
カウントダウンが終わったら爆発とかしないっすか?スロートさん大丈夫っすか?
ティモシー・レンツ
えっと……聞き間違いかな?
黒光りするのが一番可愛くて、トイレットペーパー持った異臭がジェントルマン?(聞き間違いはしてないけど取り違えてる)
とりあえず、ルーンソードのカタキを討つよ!(たぶん濡れ衣)
必殺、「たまたま持ってたカード」アタック!
……いや、ほんとたまたま持ってたカードだよ?本体じゃないよ?(頑張って嘘を信じ込ませようと)
……それはそうと、切り落としちゃえば触手の先なんて概念、消えちゃうよね?
鹿村・トーゴ
(スロートの手入れグッズに感心)
何かは解らねーけどちゃんと大事にしてんだなー
そういうのが付喪神とかヤドリガミに成ったりするんだろうぜ
スロートの思い入れのある場所…ってのもなんか此奴に関係あるんかね?
まきまき、筋肉の次は海鮮(聞き違い)ぽせお…?
言ってる事はやっぱり妙だがよ
わざわざ一体で待ち構えてるからには手強いに違いねーな
降魔化身法、流血代償で行くかー
少し離れて手裏剣での【援護射撃】&手にしたクナイで斬り付け
海鮮モンだから電気も通る…よな?クナイを刺し【傷口をえぐる】
>効けばラッキーでサイキックブラストで動き封じを
スロートへの攻撃は化身法で強化したのを利用し【かばう】
アンタは無傷で帰さねーとな
「えっと……聞き間違いかな? 黒光りするのが一番可愛くて、トイレットペーパー持った異臭がジェントルマン?」
聞き間違ってはいないが取り違えてるティモシー。
まぁもうどっちでも大差ない。ふわふわした言葉を返しながらも、ひっそりと袖の中で魔法のカードを錬成する。
「詳しい事情はよく分かりませんが、キマイラフューチャーの危機、と聞いたので、微力ながら協力します」
駆け付けたのはリトルナースこと佐藤・和鏡子。
海神ポセ男の姿を確認すると、すぐさま自分の救急車に乗り込む。年期が入ったかなりのボロだが、まだ現役で動くアメ車だ。
『ヤレヤレ、ボクはメッセージしか頼んでいないハズなんだけどな。――ワイルドすぎる子猫ちゃんたち、遊んでくれと言っているのかな?』
海洋生物を混ぜたような姿、しかし地上でも水中のように揺らめく毛髪をなびかせながら、ポセ男は立ち止まる。
『少しだけだよ?』
「とりあえず、ルーンソードのカタキを討つよ! 必殺"たまたま持ってたカード"アタック!」
「救急車通過します!!」
視界一面に放たれた切断属性カードの嵐の中を、救急車が兵器となって全速力で突っ込んでゆく。本来導きと救命の道具であるはずのそれらが、彼を討伐する為に命を奪う武器となって襲い掛かる。
『ベリースイートだよ! ヒッポカムポスわっしょい! アムピトリテさまさま!』
妙な言い回しだがなんと半分以上は技名だ。金色のたてがみをもつ海馬の引く馬車が救急車ギリギリでポセ男を乗せて救い上げると、毒を持つ蟹足が無数に舞い飛ぶカードを悠々と高速で貫いてゆく。
『もうエンドかな。クロノス激おこ!』
「させるか! 海鮮ぽせお!」
カウントと輝きで動けないスロートからタコとクラゲの触手をかばったのはトーゴ。
麻痺と電撃をその身に受けたが、降魔化身法による超強化で大事には至らない。
が、代償に受けた流血がその量を更に増す。
「っ!! ……アンタは無傷で帰さねーとな」
「ウコンに肉に海産物? カレー鍋でも作るんっすか、ごった煮は勘弁っす!」
トーゴへの攻撃直後、妖剣解放をして近付くのは饗。
触手が向き直るより早く、高速で間合いをつめると素早く苦無で先を斬り落とした。
『ウカツ!』
「まだまだっす!」
直接絡め捕ろうと伸ばされた触手を更に避け、死角に回った饗が剛糸でポセ男の身を拘束するとそのまま馬車から引き降ろした。
「いまっす!」
「たとえ破いても、まだ出てくるよ?」
"たまたま持ってたカード"を、今度はポセ男を標本のように地面に固定するように放つティモシー。
触手の先は無くなり、カニ足を下にした態勢では充分な反撃も出来ない。
「あなたの死因は救急車による轢死、とカルテにきちんと書いておきますので安心してください」
通り過ぎた救急車を高速バックさせ轢殺を決めるのは和鏡子。
命を与るその車は、怪人を乗せる馬車よりさらに重い。戻って来た海馬をはねた後、ポセ男を何度も轢いては走り去る。
「その傷口をえぐるぜ!」
自らも絶え間なく流血しながらトーゴが跳ぶ。
妖怪、悪鬼、幽鬼を宿したクナイが仲間のつけた傷口を更に開いて深々とポセ男の体内へ突き刺さる。
『ガッ!! ……バッドエンドなんて……ノットライク……ノットライクだよ……あと、ボクの名前は海鮮じゃなくて…………』
残念ながら、そのままこと切れた。
●
「カウントダウンが終わったら爆発とかしないっすか? スロートさん大丈夫っすか?」
「スロートの思い入れのある場所……ってのもなんか此奴に関係あるんかね?」
やや苦戦したがカウントには間に合った。猟兵達はスロートを見守りながらしばしその時を待つ。
同様の事件を扱った報告を聞く限り鍵の映るテレビウム同様、場所の共通点も特にないようだが……。
そしてスロートの顔の数字が"0"を示す。
最後に一度あの鍵の映像が映り、薄く溶けるように消えてゆく。
そして、異変が起きたのはスロートではなかった。
この場所、そして周りを取り囲む建物から声が聞こえ出した。
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」
放送スピーカーからだろうか。
イヤ、キマイラフューチャーでもこんなに囲まれるような配置がされているだろうか。
まるで 建造物自体が喋ったかのように聞こえた。
「ン~~。あっ!? ヒーローさん! どうしたんですか? ワタシの鍵……あれ? なくなってます!! やったー!! ありがとうございます!!」
ずっと映り続けて流石に邪魔だったのだろう。
クルクルと踊りながら、ご機嫌にお礼を言うスロート。
事件は解決したが謎はまだ残る。
それでも、ご機嫌な一人のテレビウムを救ったことには違いないのだ。
大切な鈴生りグッズの鳴らす音とピョンピョン跳ねるスロートに見送られて、猟兵はこの世界を後にする。
成功
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最終結果:成功
完成日:2019年04月30日
宿敵
『海神ポセ男』
を撃破!
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