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テレビウム・ロック!~液晶の鍵に群がる怪人たち

#キマイラフューチャー #テレビウム・ロック! #テレビウム #システム・フラワーズ

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●本日のハプニング
 青い空、白い雲、ぽかぽか陽気の太陽の下。
「どいてどいて、どいてー!!」
 色彩豊かなポップさとサイバーな感じ溢れる街中を、思いっきり叫びながら走り抜ける一つの影。
 その背丈はおおよそ三、四十センチほどで、頭は四角いテレビ型な彼は、このキマイラフューチャーにおいてはテレビウムと呼ばれる種族である。
 何事かと街の人々が反射的にテレビウムを避けると、その直ぐ後にまた何者かが走り抜けていく。
「そこの鍵! 止まれー!」
 こちらは集団、人々からは怪人と呼ばれる異形の者たち。
 多種多様な姿をしていることで知られる彼らだが、今回の怪人は猫人間といった姿をしており……その全てが一人のテレビウムを追いかけ回していた。
「あーもう! 鍵ってなんなんだよ?! それに止まったら絶対ひどいことする気でしょー?!」
 くるっと振り返りながら反論するテレビウムの液晶画面には、確かに鍵の画像が映し出されていた。

●グリモアベース
「キマイラフューチャーで起きている騒動について、聞いているかな?」
 ジファー・グリムローズ(人狼の咎人殺し・f13501)は、カラフルな街並みの背景を背にして猟兵たちに尋ねた。
 聞いていない人のために一応説明するね、とジファーはグリモアを展開し、街並みを走るテレビウムを拡大させる。
「現在、キマイラフューチャーに住まうテレビウム……頭がまるまるテレビになっている人々のことなんだけどね。 彼等の頭の画面に鍵の絵が写し出される現象が起きているんだ。 そして鍵の浮かび上がったテレビウムを、怪人が捕まえようとしている」
 狙われたテレビウムの特徴だが、『頭の画面に鍵が映し出された』という一点に尽きる。
 それ以外に目立った特徴もなく、画面の鍵を消すこともできない……テレビウムにとっては鍵が浮かぶ理由も、追われる理由もわからないといった状況だ。
 怪人がテレビウムを追う理由もいまだに不明だが、テレビウムの身に危険が迫っていることは確かだろう。
「既に幾人かの猟兵が対処に向かい、解決に向かいつつある事件ではあるけど……私のグリモアでも事件を観測出来たから、こちらの対処もお願いしたいんだ」
 現在、テレビウムを追いかけている怪人はジョン・ドゥ・キャットと呼ばれている猫人間だ。
 彼らはいずれも巨大な怪猫に変化する力、額に全てを見透かすとされる目を開眼させる回避能力、そして何者かに殺されたという無惨な姿をした猫の霊を使役する術を持っているという。
「ジョン・ドゥ・キャットを倒し終えても、気を抜かないでほしい。 その後にもたくさんの怪人が押し寄せてくる」
 とにかく、鍵が映し出されたテレビウムに怪人が殺到するため……テレビウムの安全が確保されるまで、怪人を倒し続けてほしい……と言うのが、今回の事件の概要だ。
「……しかし、鍵かぁ。 鍵はなにかを開けたり閉じたりするために使うものだけど……さて、鍵穴はどこにあるんだろうね?」
 首を傾げつつも、ジファーは猟兵たちを現地へ向かわせるために転移の準備を開始する。
 テレビウムの鍵については、怪人を倒してから考えればいいだろうと、ジファーは猟兵たちに手招きをした。


四季臣
 二十四度目まして、四季臣です。
 今回はここまでOPを閲覧していただき、ありがとうございます。

 期間限定のシナリオとのことで、遅れましたが四季臣からもご案内いたします。
 なお『4月30日朝8:30までの完成した成功シナリオ数』によって、その後の展開が変わるということなので、このシナリオは少々早いペースで運行いたします。

 全章を通して、戦闘パートとなります。
 迫りくる怪人たちのラッシュを打ち負かせて、テレビウムを守りきってください。

 それでは、よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『ジョン・ドゥ・キャット』

POW   :    キャスパリーグの災禍
【凶事を呼び込む巨大な怪猫】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ボイオティアの眼
【額に、全てを見透かす大山猫の目を開眼して】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    ウルタールの猫葬列
【殺されて死んだ、無残な姿の猫たち】の霊を召喚する。これは【爪】や【牙】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:ハレのちハレタ

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アンディ・ワークス
 大変な事になった。
 色んなテレビウムの顔に鍵が表示されるし、怪人は出るし、変な力も沸いて来る。
 この骨董品、ガジェットの上手い使い方も、漸く理解できたのはこの変革のせいだろうかな。

 さて、顔面ロックな某くんに放たれる攻撃を庇うように受けて、布「属性攻撃」、「アート」で「フォア・リトル・マッチガール」にて反撃。
 効かなくても牽制くらいにはなる事を祈るよ。

 生憎、戦闘のただ中は不馴れでね。私も頑張るが、君も頑張って逃げてくれたまえ?

 アドリブ歓迎。まま自由に動かしてください。



●追われるテレビウム、立ちはだかるテレビウム
 ポップでクールな街並みで、顔面ロックなテレビウムを猫怪人たちがこぞって追いかけている。
 顔に鍵が表示されているテレビウムは色々いて、それらの殆どは怪人に追われている事件を、彼は知った。
「大変な事になった」
 アンディ・ワークス(フォア・マザー・グース・f17527)は、騒動巻き起こる街中で、どうやら猟兵としての力を身に付けたばかりのようだ。
 背中に背負った骨董品……ガジェットの使い方を理解できたのは、その変革の影響なのだろう。
「うわーん! どいてどいてー!!」
「おっと」
 思案に暮れそうになったアンディの前を、顔面ロックなテレビウムが横切る。
 彼が走ってきた方を見れば、痺れを切らしたらしい怪人どもが醜悪な姿をした猫をけしかける所だった。
 飛び込んでくる猫を、アンディは織物の布を広げて受け止める。
「では、灯そうか」
 ユーベルコード――フォア・リトル・マッチガールは、受け止めた猫を布の中に転写し……その布を燃やすことで、怪人のモノだった猫を借用する。
「な、なんだお前?!」
 怪人もこれには足を止めざるを得ない。
 なんせ自分がけしかけた猫が燃えたと思ったら再び現れて、こちらに向けて牙を剥いているのだから。
 怪人の声に気付いたのだろう、追われていたテレビウムも足を止めて、アンディの方に振り返った。
「えっ……、も、もしかして助けてくれてるの?」
「そのつもりだが生憎、戦闘のただ中は不馴れでね。 私も頑張るが、君も頑張って――」
「たたた、助かったぁ! は、はやく怪人やっつけてよー!」
 逃げてくれ、と言うのも遮った鍵頭のテレビウムは、アンディを頼って駆け寄ってくる。
「やれやれ。 では、私から離れるなよ?」
 アンディは向かってきた猫を全て転写して燃やし自らの手駒と変えた後、鍵頭のテレビウムを庇いつつ、怪人たちへと立ちはだかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シェーラ・ミレディ
鍵、鍵か。どこかが開くのだろうが……さて、その「どこか」がどこなのかが問題だなぁ。
とはいえ、今悩んでいても仕方あるまい。まずは追いかけてくる怪人たちを倒さねばな。
何の為に追いかけているのかは知らないが、相手がオブリビオンならば、始末する他あるまいよ。

テレビウムを背後に隠しつつ、『落花流水』で精霊を呼び出す。
精霊に僕を守らせながら、四丁の精霊銃をジャグリングするように駆使して敵を屠っていくぞ。
僕が前に出て派手に攻撃を仕掛ければ、ある程度はテレビウムへの注目も減るだろう。
さぁ、骸の海に送り返してやろう!

※アドリブ&絡み歓迎



●鍵穴はどこなのか
「鍵、鍵か」
 シェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)もまた思案を巡らせながら、色彩豊かな街に降り立つ。
 グリモア猟兵の言うように、テレビウムの鍵はどこかを開くものだとすれば……それはどこなのか。
 しかし現状、それを知るすべをシェーラは持ち合わせていない……故にまずはテレビウムを追いかけている怪人たちを倒すことにした。
「何の為に追いかけているのかは知らないが」
 見目麗しい精霊を侍らせて、シェーラは美しく着飾った姿に転じて、二人のテレビウムの前に立つ。
 猫怪人たちも、新たに現れたシェーラを邪魔者だと認識して、無惨な姿の猫の霊を再度召喚した。
 震え上がる鍵頭のテレビウムを、布を操るテレビウムと共に庇いつつ、シェーラは四丁の精霊銃を取り出した。
「相手がオブリビオンならば、始末する他あるまいよ。 さて、一曲お相手願おうか!」
 ユーベルコード――彩色銃技・落花流水(アトラクティブガンアーツ・マスカレイド)。
 まるで踊るように、ジャグリングをするかのように放り投げられた四丁の精霊銃は属性弾をばら撒いて、対峙する怪人を猫の霊もろとも貫いていく。
 彩色銃技の美しさも相まって、怪人たちの注目を集めながら戦うシェーラの姿に、助けられたテレビウムもほわぁ……と感嘆の声を漏らした。
「す、すごくきれい……」
「それはどうもありがとう。 さぁ、オブリビオンは骸の海に送り返してやろう!」
 鍵の画面を僅かに赤らめたテレビウムに微笑んだシェーラは、怒濤の勢いで怪人たちを撃ち倒していく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジィン・カデシュ
【SPD】
なーに人の縄張りで俺の陣地面してんすかこの野良猫フシャー――――――――――――――――――――――――――――!!
ゥアーオ、ウォウゥゥ、ヴァアアゥゥ(威嚇)
逃げないっぽいんで殴るっすね(そもそもオブリビオンは逃げません)
ユーベルコードで有効そうなガジェット【マタタビショットガン】を召喚、≪メカニック≫知識で使い方を把握して、パッスンパッスン打ち込んで本能に働きかけるっす、ほーらこのにおいにはあがらえまい、●ボイオティアの瞳で躱されてもマタタビは残るんすよ!うっつ俺もあがらえない、正気をうしなってふにゃふにゃしだす前にほらみんなで殴るっすよふにゃふにゃー、えへへー(速攻でダメになる)



●本日のビックリガジェット
「ち、余計な邪魔が入りやがって!」
 魔法反射に無数の属性弾を操る猟兵二人に目的を遮られ、怪人ジョン・ドゥ・キャットは自らの額に大山猫の目を開眼させる。
 全てを見透かし、対象の攻撃を予測しての回避を目論んだ、丁度その時。
 煤まみれのシャツを着た、真っ黒い毛並みのキマイラ……ジィン・カデシュ(歯車と蒸気と黒猫・f14713)がすとんと降り立ち――。
「なーに人の縄張りで俺の陣地面してんすかこの野良猫フシャー――――――――――――――――――――――――――――!!」
 ――吠えた。 それはもう思いっきり、思わず仲間の猟兵すら動きを止めるほどの声量で吠えた。
「ゥアーオ、ウォウゥゥ、ヴァアアゥゥ」
「……………………」
「逃げないっぽいんで殴るっすね」
「ええい邪魔ばかり入りやがって!」
 ジィン精一杯の咆哮、威嚇で呆気にとられていた怪人たち。
 無論、逃げるはずもない連中が額の目を開いた頃には、ジィンのユーベルコード――Randomによって最適なガジェットの引き金が引かれていた。
「今日のビックリガジェットは、マタタビショットガンっすよー!!」
「ま、マタタビッ?!」
「ふっふっふー、額の目で躱されてもマタタビは残るんすよ! ほーらこのにおいには抗えまい!」
 パッスンパッスンと乱雑に放たれるマタタビ散弾は、たとえ回避しきってもその匂いまでは防げない……猫が相手ならばまさに最適とも言えるガジェットだった。
 猫の特徴を色濃く持つジョン・ドゥ・キャットたちはマタタビの匂いにやられて、ふにゃりと倒れ伏してしまう。
 ちなみにパッスンと撃ち込んでいるジィン自身も黒猫×黒豹のキマイラなので。
「うっ、俺もあがらえない……ほら、みんなで殴るっすよーふにゃふにゃーえへへー」
 マタタビをばら撒いたご本人、ジィンもまたぱったりと倒れ込んでふにゃふにゃーってなっていた。
 その様を見ていた二人の猟兵と、鍵頭のテレビウムが、はっと我に返った頃。
 ふにゃふにゃしていた猫怪人、ジョン・ドゥ・キャットたちは纏めてぽこぽこと叩かれて退治された。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』

POW   :    ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ   :    ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。

イラスト:ヤマトイヌル

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

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 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●続いてはアルパカのお時間です
「た、たたた、助かったよぉぉぉ」
 マタタビの粉とかを振り払いながら、いまだに鍵表示の消えないテレビウムはぺこぺことお辞儀をしていた。
「ぼ、ぼくの名前はビビッドって言うの! なんかね、急に顔に鍵が浮かんでね、もう大変だったんだから!」
 わいのわいのと事情を説明し出すテレビウム改め、ビビッドはそれはそれは大変な一日の始まりを話そうとした頃。
 そのビビッドの顔の鍵表示に、新たな変化が訪れた。
「わっ! なんだぁ?! ぼ、ぼくの顔の鍵、街のどこかを指してるみたいだ!」
 猟兵たちがビビッドの顔を覗き込むと、確かに鍵表示の隣に地図らしき図面が浮かんでいる。
 いくつかの矢印の先にある黒い点……これに該当する地点に、何かがあると言っているようだった。
 もしかしたら、ビビッドの鍵を消す手がかりがあるかもしれない。
「そ、それならはやくそこに向かわなきゃ!」
 ビビッドがわっと走り出そうとした、その時だった。
「そうはさせーーーん!!」
「わーーーっ!! また出たーー?!」
 建物の影から、ビキビキッとした精巧なポージングをキメながら現れた、新たな怪人。
 その名も、量産怪人アルパカマッスルブラザーズ!
 黒のビキニパンツ一丁という、まさに肉体美を見せつけるためだけにやってきたかのような、マッスル怪人たちだ!
「なんと、猟兵もいるではないか!」
「貴様らにも我ら兄弟の肉体美の素晴らしさを布教したい所だが、今日のところは見逃してやろう!」
「さあ、大人しく鍵を渡すのだ!」
 三人のアルパカマッスルブラザーズの狙いもまた、鍵頭のテレビウムであるようで。
 マッスル怪人たちに指差されたビビッドは、くるっとUターンして猛ダッシュで逃げ出してしまった。
「うわーもーやだー!! 猟兵さん助けてー!!」
「待てぇーーーーい!!」
 逃げ出すビビッドを追いつつ、追いかけてくるアルパカマッスルブラザーズに立ちはだかった猟兵たち。
 猟師たちはビビッドが無事に目的地へ辿り着けるように、マッスル怪人たちを全て倒さねばならない。
シェーラ・ミレディ
(服に付いたマタタビを払いながら)
なんと、地図まで表示されたか!
鍵があるままでは、ビビッドが際限なくオブリビオンに襲われてしまうだろし。僕たちで守りながら、記された場所に向かうしかあるまいよ。
……などと考えている端から、随分暑苦しい敵が寄ってきたなぁ。
筋肉などお呼びではないのだ、散れ!

ビビッドを背後に庇いながら、敵と対峙する。
四丁の銃をジャグリングするように操り、『純情一途』で敵がポージングの為に動かそうとしている身体の部位を狙うぞ。
ポージングが決まる前に動きを止めてしまえば、どうということもあるまい?

※アドリブ&絡み歓迎


アンディ・ワークス
 これはまた見事な肉体だ。

 目的地があるのは良いが、ビビットくん、先ずは落ち着いてだね。
 ……ああ、そうだね、聞いてないだろうね。

 済まないね。似合いの服を送りたい所だけど、そうも言ってられない。

『フォア・レッド・シューズ』で動きを封じつつ、ポージングを崩して、他の猟兵の攻撃を補助しよう。
【早業】のガジェット操作で布を織り出し【布属性攻撃】を込めて【ペイント】、アルパカ達を【早着替え】だ。

 ……ついでにビビットくんも縛った方が楽に思えるけど、私達から逃げられ始めると収集付かないか。
 やめておこう。



●鍵穴まで走れ
「ふふ、どこかが開くのだろうとは思っていたが、地図まで表示されたか!」
「目的地があるのは良いが……」
 テレビウムのビビッドを追い、マッスル怪人たちに追われるかたちで走り出したシェーラとアンディ。
 シェーラは美しさを維持すべくマタタビの粉を払う最中、アンディは先行しまくるビビッドがほんのり心配だ。
「ビビッドくん、ビビッドくーん? 先ずは落ち着いてだね」
「いやー! 筋肉いやー!!」
「……ああ、そうだね、聞いてないだろうね」
 すっかりパニックになっているビビッドは、猟兵が声をかけてもピタッと止まってくれる気配はない。
 シェーラは無理もない、と首を横に振る。
「抵抗手段も持たない一般市民が大量のオブリビオンに追われれば、そうもなる。 そして鍵があるままでは、ビビッドは際限なくオブリビオンに襲われるのだろう」
 僕たちで守りながら、記された場所に向かうしかない。
 再び4丁の銃を構えたシェーラに対し、アンディはやれやれと肩を竦める。

●ポーズを取らせる前に
「あくまで我らの筋肉の前に立ちふさがるか!」
 物陰に隠れたビビッドを庇うように立つシェーラたちを、アルパカマッスルブラザーズはあくまで邪魔者として睨み付ける。
 ぽかぽか日光に照らされ、黒光りする筋肉に構わず、シェーラは先程のように銃でジャグリングを始める。
 アンディもまた、使い方に目覚めた背中のガジェットを早速起動させる。
「随分と暑苦しい敵が寄ってきたものだ、筋肉などお呼びではないのだ、散れ!」
「私は見事な肉体だとは思うがね。 似合いの服を送りたい所だけど、そうも言ってられない。 時に諸君、躍りは好きかな?」
 アンディの何気ない質問の後、背中のガジェットから沢山の赤い布や糸が溢れ出す。
 ユーベルコード――フォア・レッド・シューズ……飛び出た布や糸には、それらを纏うモノの動きを強制する効果を持つ。
 ポージングで能力を高めようとしていたマッスル怪人たちは、避ける動作もなくその布を被され、早着替えまでも施させる。
 するとマッスル怪人たちは、筋肉を強調するポージングを取ることなく……なんとも軽やかなステップで踊り出してしまったのだ。
「な、なんだこれは? な、なぜ我らは踊らされているのだぁ?!」
「なるほど、踊らせてしまえばポージングなど決まるはずもなしか」
 いい考えだとシェーラは頷き、アトラクティブガンアーツの技を今一度披露する。
「恋する乙女は強かろう? 純情一途であるが故に!」
 ユーベルコード――彩色銃技・純情一途(ピンポイントショット)。
 宙を舞う4丁の銃から矢継ぎ早に放たれる弾丸は、一途に一点を狙い撃つ繊細な技だ。
 無数の弾丸は踊るマッスル怪人たちを一途に狙い続け、やがて走ることなど出来ぬくらいの弾を浴びせる。
 そうして貫かれまくった二人のマッスル怪人らは、一途な思いに耐えきれずに地に伏した。
「ぐぅぅ、よくも兄弟を……!」
 シェーラを恨めしげに睨む最後のマッスル怪人は、たかたかたんとタップダンスをキメている。
 アンディは自分のユーベルコードの効力に満足しつつ、ちらと背後のビビッドの方を向いた。
「……ついでにビビッドくんも縛ったほうが楽に思えるけど」
「さすがにそれは止めておけ、僕たちからも逃げられては収集が付かなくなる」
 シェーラの一言に、アンディもそうだよなぁ、と頷くのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

マーリス・シェルスカナ
(※アドリブ、他PCとのからみ歓迎)
…顔が変わったテレビウム情報が入ったノデ、遅れてきてみたラ…。
『筋肉ムキムキ』の『アルパカお化け』が『ポーズしながら』こっちに向かってきてマス…。
…oh、精神が削れるレベルでキモイデス…。
(運悪くアルパカ筋肉に先制攻撃(?)を喰らってテンションダウンしながら、電脳空間を展開する)

(行動方針)
…あの筋肉にうかつに近寄られたらとても危険デス、手早く退治するネ。
Meの『アステロイドスプラッシュ・プログラム』による範囲攻撃と
周囲へのガードを固めるヨ。

…こっちを見るなデス、そして来ないでほしいデス、というより…早く倒れてくだサイ。



●星の科学者もげんなり
「……oh」
 マーリス・シェルスカナ(宇宙(そら)飛ぶマーリンレディ・f15757)は、さっそく目にした光景にいきなり精神的ダメージを受けてしまっていた。
 黒猫だか黒豹だかのキマイラがごろにゃんしているマタタビ道路を抜けて追ってきた先で、筋肉ムキムキのアルパカお化けが、真っ赤なドレスを纏ってサンバを踊っているのだから仕方がない。
 さらに間の悪いことに、そんなアルパカお化けはマーリスとたまたま目線が合うと……これ見よがしに渾身のポージングを見せてきたのだから、精神ダメージは倍プッシュだ。
「キモイ……精神が削れるレベルでキモイデス……」
 あまりのキモさにそのまま地に伏してしまいそうだったマーリスだが、そこは頑張って堪えた。
 そんなマーリスの思いなど知るはずもないアルパカマッスル、足では軽やかなステップを踏み、上半身で躍動をイメージするポーズをキメながら接近してくる。
 嗚呼、危険デス、とても危険デス。
 電脳空間の展開に待ったはなかった。
 ユーベルコード――AsteroidSplash・Program(アステロイドスプラッシュ・プログラム)。
 展開された電脳空間、その中に再現されたのはアステロイドベルト……小惑星帯。
 無数に存在する小惑星を、まるで隕石のように。
「こっちを見るなデス」
 ごすっ。
「来ないでほしいデス」
 どすっ。
「早く倒れてくだサイ」
 めこっと、マーリスは危険な筋肉へ立て続けに星を落として叩き潰す。
 本来は無差別攻撃なのだが、ターゲッティングを極一点に絞った結果、マッスル怪人がいたところには沢山の隕石が落ちてきた図が仕上がっていた。
「……もう二度と出てくるなデス」
 マーリスさん、おかげでアルパカタイムは終了ですよ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『リア充どもは爆発しろ怪人』

POW   :    リア充は爆破する!
予め【リア充への爆破予告を行う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    リア充は爆破する!!
【リア充爆破大作戦】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    リア充は爆破する!!!
単純で重い【嫉妬の感情を込めて】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。

イラスト:くずもちルー

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●その場所で待ち構えていたもの
「わあいわあい! 猟兵さんすごーい!」
 マッスル怪人たちが文字通り、星に還ったのでビビッドもなんとか落ち着きを取り戻したようだった。
 それでは気を取り直してと、ビビッドの顔に書いてある場所へと猟兵たちは駆け抜けていく。
 そうして辿り着いた目的地には……とくに手がかりとなりそうなモノは見当たらなかった。
「あっれぇ、確かにここなハズなんだけど……ん?」
 ビビッドが顔のモニターをこつこつ叩いていると……突然、ビビッドの身体は光り出す。
「んん? えっ、えぇ?! ぼ、ぼくなんかぴかってる! ぴかーってなってるぅぅ?!」
 わたわたとまた騒ぎ立てるビビッドだが、光る以外にもう一つ変化があった。
 ビビッドの顔に映っていた鍵は小さくなり……代わりに表示されたのは「15:00」と言う数字。
 それが「14:59」、「14:58」と、次々と変化していく……これはカウントダウンだ。
「ぼ、ぼく、なんかここを動いちゃだめな気がするよぅ……」
 ぶるぶる、と身を縮めるビビッドをなだめようとした、その時だ。

「貴様、リア充だな?」

 ざ、と物陰から現れたのは、頭が爆弾になっている怪人……その名も「リア充どもな爆発しろ怪人」だ。
 その名の通り、リアルが充実している人々を次々と爆発させてしまう、危険な怪人なのだが……。
「シャレオツに四丁拳銃を振り回す貴様、リア充だな?
 真っ赤な布で猫ちゃんコピったり踊らせたりするテレビ、リア充だな?
 キラッと星をごっすんごっすん落とす魔女ッ子、貴様もリア充だな?
 そして何より……誰よりもぴかってるその鍵! 貴様が一番リア充だなぁぁぁ?!」
 ――リア充め! 許せん!!
 まるで罪状でも告げるかのように述べた怪人、背後に爆破エフィクトまで起こして、その理不尽な怒りを最大限に表現した。
 しかしその爆発、実際に受けてしまったなら決して冗談では済まないほどの破壊力がある。
 完全に無防備となっているビビッドが直撃を受けてしまえば、重傷以上は免れない。
「リア充!! 爆破ァーーー!!!!」
 物騒な爆破予告を叫びながら、ビビッドを指差す爆発怪人。
 猟兵はこの爆弾魔から、ビビッドを守り抜かなくてはならない。
 せめて、ビビッドのカウントダウンが終わるまで。
フィロメーラ・アステール
「うぇーい! 隕石のおかわりが到着したぞー!」
キラッと星が落ちてくるのはこれからだ!
リア充どもは爆発しろ怪人は爆破する!!!!

【スーパー流れ星キック】を使うぞ!
【空中戦】のテクで高速飛行を行いつつ、光の【破魔】【属性攻撃】の【全力魔法】オーラを纏って突撃!

【第六感】が敵の反撃を察知したら【スライディング】で加速だ!
【残像】を残して急接近し攻撃をすり抜ける!

そして【気合い】の【踏みつけ】キックを食らわせるぞー!
この一撃の【衝撃波】で敵を【吹き飛ばし】て、ビビッドが攻撃の余波を受けない場所まで移動させるぜ!

最高にリアルが充実したバトルで爆発する準備はできたか!?
ここからは思う存分爆発していいぞ!


アンディ・ワークス
 まあ、我ながらに中々に愉快な生き方をしているからね。リア充と言われても支障はないかな。

 さて、頼りがいのある諸先輩方と一緒だ。補助に手を回していこうか。

 他の猟兵が放って外れた、もしくは弾かれた技をガジェットで防御吸収、布に【ペイント】で転写して、再度即座に【早業】発動。
 布【属性攻撃】の『フォア・リトル・マッチガール』で味方の技を、当てていくよ。
 避けた攻撃も気を配らせる、撹乱にもなるだろう。

 大丈夫。怪人はいなくなった。よく逃げるのを我慢したね。
 もう、怖くはないだろう?
 ビビットくんを安心させるようにしつつ、念のため周囲も警戒。

 さて、カウントダウン。何が起きるんだろうね。
 


石狩・和人
爆破爆破って煩いなぁ……
リア充なんて人それぞれ感覚が違うゆだしとやかく言う筋合いはいと思うぞ?
お前を爆破してやれば事は済むんならみんな苦労したりしないだろう。

お前さんの所業、許しては置けないな……!
先制攻撃、なぎ払い、2回攻撃、炎による属性攻撃、見切り、第六感で立ち回る。
タイミング次第では
俺の瞬迅・猛狐災陣閃で切り裂いた後に焼き上げて爆散させてしまおう。
倒せなくても、黒焦げ程度にはなるだろう?

申し訳ないが、テレビウムの子供を襲おうとしても無駄だ。
俺たち猟兵が無事に問題を解決してみせるからさ!

※アドリブ、改変歓迎です


メテオラ・エルダーナ
【ダッシュ】でおじゃましまーす!!!
ここにもいましたね、光るテレビウムさん!
皆さんと私であなたを守ります!怖がらないで!

何としてもテレビウムさんへの攻撃は防ぎます!
【オーラ防御】で全て攻撃を受け止める…と見せかけて、
『サイコキネシス』で少しずつ攻撃を逸らして、
テレビウムさんから敵を遠ざけます!

避けても問題ないほど遠ざかったら、
【ジャンプ】で敵の後ろへ回り込み、
『ガチキマイラ』で魔法剣を変形させて反撃です!

あと…頭の導火線、弱点だったりしませんか?
【属性攻撃(水)】【範囲攻撃】で、
隙あらば爆発を湿気させられないか試してみましょう!

※アドリブ・連携歓迎


シェーラ・ミレディ
先程のアルパカといい、キマイラフューチャーにはイロモノが多いな!?

銃撃すると、変に爆発してしまうかもしれないからなぁ。今は銃をしまっておこう。
ビビッドをかばいながら、
「先日姉が結婚したし、今月のサバイバルではチームメイトのお陰で1位を取れているし……何より僕は美しいからなぁ。とても充実しているとも!」
などと挑発して、敵の注意を引こう。
大振りの攻撃を誘い、破壊された地形の破片を利用して、『艶言浮詞』を発動。
水の精霊を多数呼び出して、爆破を妨害するぞ。

※アドリブ&絡み歓迎


マーリス・シェルスカナ
fuu…、ヤット倒せたと思ったノニ、マタですか。
まあ、さっきのよりはだいぶマシですネ。
…What、星を落としてた魔女っ子ってMeの事ですカ?
それにリア充って…、Oh No!!爆破デスか!?
(慌てて電脳空間展開しながら)

(方針)
Hey、ユー!Bombはいらないデス、向こうで一人で爆発しててくださイ!
こっちに向かって爆破される前に『チェインライトニング・プログラム』
でその体を拘束してあげマス
ビビットくんに攻撃はさせませんよ!


ジィン・カデシュ
いやガチで爆破してんじゃねーっすよ。
思わず素でツッコミを入れる、ジョークがジョークになってないって
割と面倒の極みっすね
あ、今起きました俺、めっちゃ走ってゼーゼー言いながら戦線復帰するっす。とりあえず≪アート≫でビビットの周りに壁生やす、爆破に対抗する、かつ動けないってんならこれが一番良いっすよね多分、で、嫉妬怪人を挑発しつつ、ユベコで相手の攻撃を回避するっす、注意引きつけて極力ビビットの身を守ろう大作戦って感じっすね。回避盾に徹したいなって思うっす、俺ごと巻き込んでもいーんでどーんと行くっすよ



●猟兵さん勢揃い
「あぁ、まったく! 先程のアルパカといい、キマイラフューチャーにはイロモノが多いな!?」
「fuu……、ヤット倒せたと思ったノニ、マタですか。 まぁ、さっきのよりはだいぶマシですネ」
 ぴっかり光るビビッドを庇うように立ち位置を変えたシェーラとマーリス。
 アンディもまた、ビビッドがまた走り出してしまいやしないかと気がかりになりつつも、ガジェットを起動させて戦闘体制を整えた。
 しかし爆発怪人のヘイトが“一番リア充”らしいビビッドに向けられているのはマズい。
 アンディの顔の画面に思案のマークが浮かんだ後、ドラマ仕立てにリア充体験が流れ始める。
「まあ、我ながらに中々に愉快な生き方をしているからね。 リア充と言われても支障はないかな」
 つい先程も変革が起こり、道すがら逃げる子供を助けるという、ヒロイック体験をしたばかりだとアンディが頷けば。
「先日は姉も結婚したし、今月のサバイバルではチームメイトのお陰で1位を取れているし……何より僕は美しいからなぁ」
 とても充実しているとも! とシェーラが両手を広げて言い放つ。
 すると怪人はあっさり釣られた。
「チームメイトに恵まれたシャレオツ……だと……ッ?! 貴様ァ!! 爆発しろぉ!!」
「効果ありすぎやしないか?」
 シェーラのリア充エピソードが相当癪に触ったらしい爆発怪人、嫉妬の感情に身を任せてシェーラに特攻を放とうとする、ちょうどその時だった。

「うぇーい! 隕石のおかわりが到着したぞー!!」
「ダッシュでお邪魔しまーす!!!」

 おもいっきり元気ハツラツ。
 そんな明るい声と共に、まずスーパーレアな妖精ことフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)が、上空より。
「スーパー! 流れ星!! キーーーック!!!」
「ごふぉっ?!」
 宇宙速度に達するほどの超加速必殺キックで、怪人の爆弾頭を派手に蹴り飛ばす。
 はた目から見たら、光の砲丸的なナニカが突き刺さったようにしか見えない光景に、目をぱちくりとさせる三人。
「Oh……、Me以外にも星を落とせるお方がいるのですカ?」
 銀河の探求者とも呼ばれるらしいマーリスは、どこか親近感を感じてそうだった。
 さて、怪人が物理的に星に当てられ悶絶している頃、ダッシュでお邪魔したメテオラ・エルダーナ(まほうつかいキャット・f05337)はぴかってるビビッドの手を取ってぶんぶんと握手をしている。
「ここにもいましたね、光るテレビウムさん! 皆さんと私であなたを守ります! 怖がらないで!」
「あうあう、猟兵さんがんばってぇぇぇ」
 これにはビビッドも驚きつつも大喜びだ、なんせ自分を守るために憧れの猟兵が五人も集まったのだから。
 しかし怪人も黙ってはいない、フィロメーラの追撃キックをなんとか回避して起き上がる。
 ――リア充が増えた! 爆発! 爆発ぅ!!
 新たなる猟兵二人を確認した怪人はまたも叫び倒し、ふたたび爆発を起こそうとする。
 そんな爆弾頭、背後からの気配に気づかずに。
「いやガチで爆破してんじゃねーっすよ」
「はうあっ?!」
 思わず真顔で、マタタビショットガンを鈍器としてツッコミをかましたジィン、戦線復帰。
 めっちゃぜーぜーと息を切らしているのは、マタタビまみれの路上からフルマラソン感覚で走ってきたからだ。
 まだふにゃふにゃっとした感覚が抜けきってなく、走ってへとへとなジィン、ゆるりとビビッドの元へ合流。
 さらにもう一人、炎を纏う刀を手にした妖狐の少年、石狩・和人(急尾の猛狐・f06901)も転移されてきた。
「爆破爆破って煩いなぁ……リア充なんて人それぞれ感覚が違うんだしとやかく言う筋合いはないと思うぞ?」
「リア充が、リア充を呼ぶ……くそぅ! みんなみんな爆発しろぉ!!」
「やっぱり聞く耳持たずか……まあどの道、お前さんの所業、許しては置けないな……!」
 かくして集った猟兵は総勢七名。
 その全てがビビッドを守り、怪人を倒すべくして行動を開始する。

●ビビッドを守り抜け
「っと、ビビッドはこの場から動けない感じっすか」
 マタタビ効果が抜けてきたジィンがアンディに尋ねれば、そうだねと頷きを返される。
 そんならこれがたぶん一番っすと、ジィンはビビッドの周りに対爆の壁を生成して設置した。
「ほう、流石は頼りがいのある諸先輩方だ」
「そんな褒めてもマタタビしか出ないっすよ、出さないけど」
 アンディの称賛を受けながら、ジィンはマタタビショットガンを路肩に置いて怪人の方へと向かう。
 その姿を確認した怪人は、さっき頭殴った仕返しとばかりに、それを発動させた。
「リア充! 爆破大作戦!!」
「いやーもー、面倒の極みっすね」
 至近距離からの爆発攻撃の連続は、まともに受ければ猟兵であってもただでは済まない強烈な攻撃だ。
 いやでも、とジィンはそれに対しユーベルコード――近似解 ラプラスの悪魔を発動……一瞬の間における物質の力学的状態を解析し、爆発怪人の連続爆破攻撃を予想、すんでの所で回避している。
 すべて避けきれるのでは、とも思える解析結果が出たが、ジィン自身に悪条件が重なっていた。
「分析は得意なほうなんすよ、元々……っと、おっと?」
 走って現場に来たことによる疲労の蓄積が、ジィンの足を足を止めてしまう。
「あっ、やば」
「ジィン!!」
 危うく直撃、というところへ和人が割り込み、爆発を炎纏う刀で受け流す。
 すかさず反撃のなぎ払いを放った和人は、倒れ込んだジィンの前に立った。
「疲れているんだろう? ジィンは一旦下がってテレビウムの子のことを頼む」
「うー、仕方ないお言葉に甘えるっす。 代わりにビビッドはしっかり守るっすよ」
 退避するジィンをアンディがフォローし、怪人の追撃は和人が耐え凌ぐ。
「身体ひとつで仲間を下がらせる……貴様もリア充!! 爆発しろ!!」
「本当に煩いな。 そして申し訳ないが、テレビウムの子供を襲おうとしても無駄だ。 なぜなら俺たち猟師兵が無事に問題を解決してみせるからさ!」
 爆発怪人の爆発予告、この明確な隙を見つけた和人はすかさず居合い斬りの構えを取る。
 ユーベルコード――瞬迅・猛狐炎陣閃……激しい熱を纏う刀を握る手に力を込め……一気に。
「俺はもう振り返らない! この刃は……護る為にあるんだ!!」
「り……りあじゅぅぅぅ?!?!」
 振り抜かれた業火の刃は、たちまち爆発怪人の身を焼き払う。
 和人はすぐさま防御の構えを取る……自らの炎で怪人の爆弾頭が引火、爆発する恐れがあるからだ。
「おいおい、それは危ないだろう?」
 和人の前に躍り出たのは、アンディとフィロメーラの二人だ。
 爆発を予期したアンディは、大きな布による爆発の転写を試みたが……それよりもフィロメーラの行動のほうがアグレッシブで。
「こーいうときは、気合いのキックをお見舞いだ! スーパースター!! ドロップキーーーック!!!」
 燃え盛る怪人が引火するまえに、フィロメーラは先程の流星キックをもう一度放って怪人の身そのものを大きく吹き飛ばす。
 盛大に飛ばされた怪人は、倒れた瞬間に爆発を起こす……自らの頭が引火して大爆発という自滅ダメージを被ったのだった。
 とはいえ怪人が自滅したからよかったものの、目前にいた和人に何もフォローが成されてなければ、爆発で和人が倒されていただろう。
 なんとしてもテレビウムを守ると決めたメテオラにとってはそれが懸念材料なのだが、あることに閃いた。
「シェーラさん、怪人の頭の導火線……弱点だったりしませんか?」
「ふむ、いい着眼点だなメテオラ。 試してみるとしようか!」
 なんせ相手は爆弾だ、ならば水気に当てられれば爆発は出来まい。
 メテオラは怪人が倒れているうちに、水の範囲魔法を放つ。
 声をかけられたシェーラはメテオラに習い、水の精霊に呼び掛けた。
「おいで、僕に力を貸してくれ」
 ユーベルコード――彩色銃技・口寄せ・艶言浮詞(アトラクティブガンアーツ・フラート)。
 シェーラに呼び出された水の精霊たちは、倒れ伏した爆発怪人に更なる水を注ぎ込む。
 導火線はすっかり水浸し、火を起こせそうな状態にない怪人は、すっかり弱っていた。
「あ……頭が濡れて、ち、力、が……」
「Hey,ユー! MeにBombはいらないデス、そっちで一人で爆発しててくださイ! 爆発できればの話ですガ!」
 そこへ電脳世界を広く展開させていたマーリスが、万一としてユーベルコード――チェインライトニング・プログラムを発動。
「暴れると痛いですヨ? 大人しくしてネ!」
 電脳世界より細長い電気の鞭を立て続けに放ち、爆発できない怪人をぐるぐるバチバチと縛り上げる。
 メテオラとシェーラの水攻めもあり、感電効果は数倍に跳ね上がった。
「りりり、りあじゅじゅじゅ、じゅ……じゅじゅっ」
 本来ならば動きが封じられればよかったであろうチェインライトニングは、水の助けもあり……結果として、リア充どもは爆発しろ怪人を痺れさせ、そのまま骸の海へと沈めていった。

●カウントダウンの果て
「ふー、ビビッドの身を守ろう大作戦、無事に成功っすねー」
「さて、カウントダウン。 何が起きるんだろうね?」
 ジィンがビビッドの周りに設置していた壁をとっ払い、アンディはビビッドの顔を覗き込む。
 ビビッドの顔の数字は1分を切っていて……それは猟兵たちが周囲を警戒しながら見守ること数十秒。
 ついに、ビビッドのカウントダウンはゼロを迎えた。
 ビビッドの体から放たれていた光も消え、画面に映っていた鍵の絵も消えている。
 ようやくビビッドは鍵から解放された、これならばもうオブリビオンに追われる心配もないだろう。
 ビビッドの様子が元に戻ると同時に起きたことといえば、周りの建造物が一斉に喋りだすかのように、声が響いたことだ。
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」
 救援を請う、と言い残して声は止んだ。
 緊急性のあるメッセージについて、猟兵たちも仲間と声を交わす。
「システム・フラワーズって、何だ?」
「緊急要請とは、穏やかじゃない話だな」
 フィロメーラが首を傾げるのに、和人は新たな騒動の予感を危惧し。
「侵入者がいるって言ってましたけど、何のことでしょう?」
「またイロモノのオブリビオンが悪さをしているのか?」
 メテオラが不穏な単語を口にすれば、シェーラがそこから推察を試みる。
「テレビウム・ロック……、ビビッドくんの顔の鍵のことですネ?」
「ロックを解けば解くほど、メンテルートが開けるみたいっすね」
 マーリスがビビッドの鍵のことを問えば、ジィンはきょろりと周囲を見渡す。
 解放されるメンテナンスルートとは、この周囲に存在するのだろうか。
 なにはともあれ、とアンディはビビッドの肩をぽむ、と叩く。
「もう大丈夫、怪人はいなくなったし君の鍵も無くなった。 よく逃げるのを我慢したね」
 もう、怖くはないだろう、とアンディは笑顔を画面に写したなら。
 ビビッドはくったりと空を見上げながら……顔に「Thank You!!」と文字を浮かび上がらせていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月30日


挿絵イラスト