テレビウム・ロック!~鍵の乙女護衛大作戦~
「ひっさびさの出番だぜ~!」
スロットマシン怪人パイセン、チーッス!!
最近は多種多様な種類の怪人の出現で、すっかりナリを潜めていたスロットマシン怪人。
「だが! 今日は久々にキマイラフューチャーを駆け巡れるぜ! って、ちょ、待てよ!」
「いやああああぁぁぁ!? 追っかけてこないで~!?」
テレビウムの乙女(19歳)が、大量のスロットマシン怪人たちに追われている。
襲われている乙女の画面には、ドット絵の『鍵のような映像』が浮かび上がっていた。
「みんな、スーパー緊急案件だよっ! キマイラフューチャーへ急いで転送するから、40秒で支度してっ!」
蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)が資料を配りながら解説をまくしたてる。
「今回の事件は、キマイラフューチャーのテレビウムさんたちの画面に『鍵のような映像』が浮かび上がったことが発端なんだよっ! その直後から、何故かオブリビオンたちが、そのテレビウムさんたちを襲い始めたんだよねっ! 早く助けてあげて!」
なお、一度、オブリビオンを退けただけでは駄目なのだという。
「今回はオブリビオンたちは執念深くて、第3波まで攻撃が予知されてるんだよっ! よほど重要なナニカと関係しているんだろうけど、まだそれが何かまでは予知できなかったんだよね……」
ともかく、とレモンは仕切り直す。
「今は、襲われているテレビウムの女の子の元へ転送するから、すぐにオブリビオンたちと交戦に入ってほしいんだよっ! その後、護衛をしながらオブリビオンたちを退けていってねっ!」
早速、レモンの頭上のグリモアが輝きだし、キマイラフューチャーへの転送が始まった!
七転 十五起
このシナリオは30日朝8:30までの完結を急ぎます。
ゆえに、『先着順』で『単独描写』を原則としてリプレイ執筆をいたします。
七転十五起、なぎてんはねおきです。
キマイラフューチャーでの同時多発事件の一端を皆さんに解決していただきます。
全章が戦闘フラグメントで👑7です。
ただし、判定はガッチガチで行わせていただきますのであしからず。
皆様の挑戦、お待ちしております!
第1章 集団戦
『スロットマシン怪人』
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POW : プレジャー・プリーズ
自身の【刹那的な楽しみ】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : スリーセブン・スラッシャー
【頭部のスロットをフル回転しての連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ロスト・ロケット
自身の装備武器に【遺失技術製のロケットエンジン】を搭載し、破壊力を増加する。
イラスト:風馳カイ
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ユーリ・ヴォルフ
アドリブ大歓迎!
奇妙な事件が起きているようだな
「鍵」か…
キマイラヒューチャーに危機が訪れようとしているようで心配だ
まずはテレビウムの乙女を守らねば!
囲まれては不味い
奇襲を免れるべく、壁などを背にし乙女を守護
多勢に無勢であれど負けはしない!
【メギドフレイム】で蹴散らしてくれる!
影も気に留め頭上からの襲撃にも注意
炎霆―炎の槍を装備し
ユベコを掻い潜り至近に迫られたら
『属性攻撃』炎を乗せて『鎧無視攻撃』からの『串刺し』
何故この人つけを狙う?
「鍵」は何を意味しているというのだ!?
と問いかける
断片でも情報を拾う事ができれば良いのだが
不安を吹き飛ばすべく鼓舞しよう
「怖がることはない!私が貴方を守ります!
キマイラフューチャーに転送されたユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)は、すぐさま保護対象のテレビウムの乙女を発見する。
彼女の後ろには、ぞろぞろとスロットマシン怪人たちがえっちらおっちらと走って追いかけてくるではないか。
「キマイラヒューチャーに危機が訪れようとしているようで心配だが、まずはテレビウムの乙女を守らねば!」
ユーリは乙女の元へ駆け寄ると、その手を取って導く。
「私は猟兵だ! さぁ、早くこちらへ! 完全に囲まれないうちに!」
「ああ! 助けに来てくださったのですね、ありがとうございます!」
ユーリが壁沿いまで逃げると、乙女の前に進み出ると、ユーリの炎から具現化される炎を纏いし巨大な魔槍――炎霆を握りしめてユーベルコード『メギドフレイム』を発動!
「内に眠りし竜の焔よ。我が剣となりて、敵を穿ち焼き尽くせ!」
炎竜の力を身に宿しているユーリの周囲が突然と炎が生み出され、それは次第に無数の剣を模り、スロットマシン怪人たちへ射出されてゆく!
「あづづづづづづづ!?」
「久々に出てきてもやっぱこんな扱いかよっ!?」
炎に包まれながら、無念の断末魔をあげる怪人たち。
だが、炎の剣を掻い潜った怪人たちのギャンブル魂を刺激する!
「ヒュウッ! 一歩進めば黒焦げか否か! 死のスリルっていうのも悪かねぇぜ!」
すると怪人たちは、ユーベルコードの効果で身体能力が増大してゆく!
「自分の命までも刹那的な享楽の前では差し出すというのか、愚かな……!」
ユーリは度し難いと言わんばかりに炎霆を敵へ突きつける。
そして怪人たちへ問うた。
「何故この人をつけを狙う? 彼女の顔の画面に映し出される『鍵』は何を意味しているというのだ!?」
「それに答える義理はねぇし、お前は俺たちに斃されるから、知ったところで無駄だぜぇ!」
怪人たちが一斉に嘲笑!
「ま、そいつがいると『邪魔』なんだよ。猟兵ともどもスクラップにしてやる!」
「邪魔……? 彼女が何かの計画の邪魔だてになるとでもいうのか!?」
ユーリの気付きに、怪人がすぐさま口をつぐんだ。
「……おっと、しゃべりすぎちまったようだな? もういいだろう、死ねぇい!」
怪人たちが一気に壁へ押し寄せてくる!
「させるか! メギドフレイムッ!」
再び炎の剣を射出しながら、ユーリは炎の魔槍で怪人たちを貫いて串刺しにすると、装甲の影響がない内部から炎で焼き付きして灰燼へと変えてゆく。
「この人には、指一本触れさせない! はっ!!」
飛び掛かってくる怪人を穂先で切り伏せると、再び乙女の手を握るユーリ。
「怖がることはない! 私が貴方を守ります! さぁ、こちらへ!」
「はい……!」
目の前の怪人たちを爆炎で燃やし尽くしながら血路を開くユーリ。
乙女の手を引いたまま駆けだすと、己の背に生えた竜の翼を一瞬だけ羽ばたかせて宙を舞う。
「きゃあああ!?」
驚く乙女をよそに、ユーリは低空飛行で怪人たちの包囲網を突破、そのまま着地して乙女を逃がしてゆく。
「早く逃げてください! ここは私が!」
振り返ったユーリは怪人たちへ吠える槍の穂先を突き付けて威圧的な態度で言い放った。
「ここから先は行かせるものか!」
「無駄だぜ! 俺たちの仲間がすぐにアイツを見つけてまた追い掛けるからな?」
「それでも、貴様らはこの場でキッチリ躯の海へ叩き落してやろう。私……いや、俺の炎霆で燃え尽きろ、オブリビオン!」
荒れ狂うユーリの怒りの炎が、怪人たちを消し炭へと変えるのは、そう難しいことではなかった。
大成功
🔵🔵🔵
水心子・静柄
40秒で支度しなって最近何処か違う場所で聞いたわね…正直40秒で支度出来ないし、40秒で出発出来るのなら支度出来てるわよね。とりあえず支度出来てるから転送して頂戴と。
さてと時間もない事だしさっさと敵を倒さないといけないわね。相手は刹那的な楽しみを求めているのね?ならちょうどいいわ、私の居合は刹那的なもの。私の間合いで敵に居合が当たるか外れるかなんて賭け事ぽくって面白いんじゃないかしら。見事当てられたら私の勝ちで、外れたら私の負けで。まぁ勝っても負けても倒す事には変わらないんだけどね。敵は倒される前に楽しめて良かったんじゃないかしら?
水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)は、送り出された際のブリーフィングのやり取りを思い返していた。
「40秒で支度しなって、最近何処か違う場所で聞いたわね……? 正直40秒で支度出来ないし、40秒で出発出来るのなら既にそれは支度出来てるわよね?」
「えっと、何の話をしているのでしょうか?」
テレビウムの乙女は、静柄の呟きに首を傾げていた。
静柄は納刀状態の脇差を小袖の中から取り出すと、迫りくるスロットマシン怪人たちを見据えた。
「こっちの話よ、あなたは気にしなくていいわ。さてと、時間もない事だし、さっさと敵を倒さないといけないわね」
「お? 今度はサムライか? にしてはなんだか、その刀、短くねぇか? へっへっへ!」
追い付いた怪人たちの下品な笑い声が静柄の心を苛立たせる。
「……賭け事を、してみないかしら?」
突然、静柄は怪人たちに提案を投げ掛けた。
「賭け事、だと?」
「ええ、賭け事よ。この女性からあなたたちが『自分の命をチップにしてまで、刹那的な享楽のために行動できる』って聞いて、ピンと来たのよ」
そう言う静柄は、自身の本体である脇差の鯉口を抜いて告げた。
「ちょうどいいわ、私の居合は刹那的なもの。私の――この、あなたたちが短いとせせら笑った脇差の間合いで、居合の一撃があなたたちに届くか否かなんて賭け事よ。自分の命をチップにできるっていうのなら、面白いんじゃないかしら? 見事当てられたら私の勝ちであなたたちは死ぬ、外れたら私の負けでどうかしら?」
「ハッ! いいぜいいぜ! 面白れぇじゃねぇか! ホラ、いつでも来いよ!?」
怪人たちは今、身体能力が増大しており、脇差の間合いなんてたかが知れている、絶対避けられると踏んでいた。
そんな反応に、静柄は真顔で居合の型を構え、呼吸を整える。
「……そう、今、はっきり言質をとったわよ。あなたも聞いたわよね?」
静柄に尋ねられた乙女は、無言でこくこくと頷いた。
すると、静柄は短く息を吐いた次の瞬間、神速の足運びで一気に怪人の一体の懐に潜り込んで脇差の刃を走らせた!
「速……っ!? ぐハッ!?」
一瞬で切り伏せられた怪人の姿に、他の怪人は理解が追い付いていない様子。
その隙に、静柄は次から次へと脇差を振るい、文字通り辻斬りを敢行!
怪人たちが慌てて距離を取ろうと後退するも、静柄はそれよりも速く前へ進み出て怪人の頭部のスロットを真っ二つに断ち切ってゆく!
「倒される前に楽しめて良かったんじゃないかしら? もっとも、あなたたちの速度なら、私が負けることなんてありえないけどもね!」
静柄の振るう刃で、たちまち怪人たちのスクラップが山となって積み上げられてゆく。
だが増援が現れたのを確認した静柄は、乙女を連れてこの場から逃走するのであった。
成功
🔵🔵🔴
上野・修介
アドリブOK
・POW
「訳の分らん事態だが、捨て置くこともできないか」
呼吸を整え、無駄な力を抜き、敵を見据える。
先ずは観【視力+情報取集】る。
敵の総数と配置、味方の戦力、周囲の遮蔽物を把握。
目付は広く、戦場全体を見るように。
守る対象がおり、三連戦となる以上ここで時間を懸けるのは避けたい。
故に守るのではなく攻める。
【フェイント】をかけつつ常に動き回り、相手の懐に【ダッシュ】で肉薄し一体ずつ確実に始末する。
囲まれそうになれば迷わず退き【逃げ足】仕切り直す。
得物は素手格闘【グラップル】
【覚悟】を決めて推して参る。
UCは攻撃力を強化。
雑魚の処理に専念しつつも、全体の進捗を観て、二陣三陣に備える。
三度、別動隊のスロットマシン怪人たちに追われるテレビウムの乙女は、駆け付けた猟兵――上野・修介(元フリーター、今は猟兵・f13887)と合流する。彼は思わず乙女に尋ねた。
「一体、何が起きてるんですか?」
「わかりません……! この顔の映像も突然表示されて、そしたらオブリビオンたちが……!」
狼狽する乙女を上野はひとまずなだめようと努める。
「ひとまず、落ち着いてください。俺があなたを守ってみせますから」
上野は迫りくる怪人たちを、己の眼力で見定める。
「敵の数は30くらいか? これといって統率は取れているようには思えない。ただまとまって、彼女を追い掛けているだけか? 陣形らしい陣形も組んでない。こりゃただの烏合の衆だな……」
上野の戦闘知識(ケンカ・ロジック)は、常に戦場を広く見据えることから始まる。
戦う前に視覚で得た情報を分析し、その都度、最適な戦闘手段を模索するのだ。
「まったく、訳の分らん事態だが、捨て置くこともできないか」
呼吸を整え、無駄な力を抜き、しっかり敵を見据える上野。
そして彼は考える。
(予知では三連戦になると聞いている。護衛対象がいる以上、初戦で無駄な消耗は避けたい。故に、俺が摂るべき行動は『守り』ではない……)
上野は右腕を大きく回し、首を何度か左右に捻って体を解す。
「――力は溜めず――息は止めず――意地は貫く。この場の最適解は『攻める』事だ!」
ユーベルコード『拳は手を以て放つに非ず』によって、攻める力を得た上野は、一気にダッシュで怪人の懐に駆け寄って殴り掛かる!
「来いよ! 殴り合いは歓迎だぜ!」
怪人は己の命を差し出してパワーアップ、上野のパンチを受け止めようと身構えた。
「と、見せかけて!」
しかし、上野は素早く怪人の側面へ回り込む。フェイントだ!
「これでどうだっ!」
喧嘩用オープンフィンガーグローブで強化された上野の膂力が怪人の側面に減り込んで粉々に砕いてゆく!
続いて、近くにいた怪人に飛び掛かると、体をひねって足で怪人の上半身を挟んで巻き込み、遠心力を利かせてそのまま地面へ投げて叩き付けた!
これには怪人たちもどよめきが起きる。
「なにィッ! 大技フランケンシュタイン・シュタイナーだと!?」
「グラップラー(組み手の格闘家)だからな、まだまだこれからだ」
立ち上がった上野は殴り掛かってくる怪人に素早くワンツーパンチ、からのアックスボンバー(肘打ち)!
振り返って別の怪人の腕のレバーを掴んで、上半身は背負って前に投げる動作、下半身は後ろに足を払う動作――担いで、腰に乗せ、足を払って、怪人を砲丸めいて敵の集団へ向けて投げ付けた!
仲間の怪人に激突した他の怪人は、あっという間に粉砕して動かなくなってしまった。
「今度は山嵐だとォ!?」
「残り、20体! この調子で一撃で仕留めてやる!」
上野は一体ずつ確実に仕留めてゆく作戦のようだ。
「馬鹿め! 包囲してしまえば数で押せる!」
怪人たちは包囲網を狭めてゆかんとジリジリと上野と乙女との距離を詰めてゆく。
「……こっちです!」
上野は乙女の手を引きながら、フェイントを交えて怪人たちを片手と足技で吹き飛ばして包囲網を強行突破!
「な、なんて奴だ! 単独で俺たちを圧倒するなんて!」
「いいこと教えてやる。お前たちが暴れてた頃の猟兵の強さと、今の俺たちの強さは桁違いだ」
「ち、ちくしょう! 一気に押しかかるぞ!!」
自棄を起こした怪人たちが上野に飛び掛かってくる。
だが上野は文字通り、無双状態であった。
敵の攻撃を受け止めてカウンターを叩き込み、壁を蹴って変則的三角跳びでドロップキック!
組みかかってジャーマンスープレックスからの、立ち上がる反動でサマーソルトキック!
上野が体を動かすたびに、怪人たちの部品が地面に散らばってゆき、遂に最後の一体を上野は渾身の右ストレートで撃ち抜いたのだった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『紫御殿』
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POW : 仮面合身の術でござる!
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【男子がカッコいいと思うもの】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD : 仮面手裏剣の術でござる!
【懐】から【自動追尾する真っ白な仮面】を放ち、【相手の視界を塞ぐこと】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 仮面狼群の術でござる!
【仮面を被った狼の群れを召喚、爪や牙】が命中した対象を切断する。
イラスト:りょうま
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
スロットマシン怪人たちが全て撃退されると、今度は猟兵たちの目の前に紫色の忍装束を身にまとった女性たちが、音もなく出現してきた。
「やはりあれらでは止められなかったでござるか、浅はかなり……」
仮面を被ったくのいちたちが、猟兵とテレビウムの乙女に向けて一斉に身構える。
いや、これは、アイサツ!?
ニンジャが戦いの前に相手へ敬意を払って殺すための神聖な儀式!!
「ドーモ、イェーガーの皆さん。我らは紫御殿でござる。我らの計画のために、そこのテレビウムともども死んでもらうでござる! 御命頂戴!!」
どうやら話し合いが通じる相手ではなさそうだ。
猟兵たちは間髪入れずにオブリビオンたちとの第2ラウンドを強いられる!
上野・修介
アドリブ、連携OK
・POW
「悪いが、俺は忍者ではないのでな」
何が相手であろうがやることは変わらない。
――調息――脱力――敵を砕く
出てくるのは既に承知済み。
初手奇襲。
こちらの呼吸は十分整っている。
相手が陣形、体勢、呼吸を整える前に仕掛け、崩す。
得物は素手格闘【グラップル】
目付は広く【視力+情報収集】、戦場全体を見るように。
UCで攻撃力を強化。
立ち回りは敵陣中央に飛び込み、同士討ちを誘うように。
敵の懐に【ダッシュ】で肉薄し一体ずつ確実に始末する。
囲まれそうになれば迷わず退き【逃げ足】仕切り直す。
防御は攻撃の軌道を【見切り】防ぐよりも受け流す。
【覚悟】を決め、腹を据えて【勇気+激痛耐性】推して参る。
オブリビオンくのいちたちが一斉にアイサツを行うと、突然、その集団の一画から悲鳴が上がった!
「ぬわーっ!? アイサツ中の攻撃は大変シツレイ行為でござる! 無念……!」
息絶える紫御殿のひとりに、他のオブリビオンは何が起きたのか狼狽していた。
「生憎、俺は忍者ではないんでな。不意打ち、奇襲、卑怯など関係ないな。俺のやることはただひとつ」
上野・修介(元フリーター、今は猟兵・f13887)は、再び『拳は手を以て放つに非ず』によって自身の戦闘力を増大させてゆく。
――調息――脱力――敵を砕く熱い意志を胸に灯す。
「小癪な、崩れた陣形を立て直すでござる!」
「そうはさせるか」
敢えて上野は敵陣の中に飛び込んで行くと、獰猛な攻撃力を発揮しながら紫御殿の顔面を殴り抜く。
敢えて乱戦を選ぶことで、上野を狙おうとした攻撃が紫御殿同士に命中し、同士討ちが発生!
この隙に彼女たちの仮面を殴り割った瞬間、急に戦意が失われてゆくのを上野は感じ取った。
「こいつら、もしかしてヒーローマスクのオブリビオンたちなのか?」
「バレてしまったでござるか。我々はこの世界に蔓延る【暗黒面】の一角でござる。確かに、我々の本体はその仮面でござるが、二度と我々に触れさせぬでござるよ!」
陣形は乱れたままでも、敵はユーベルコードを使用して巻き返しを図る。
「忍法、仮面合身の術でござる!」
くのいちたちの周囲に、男の子がカッコイイと思うものが集まりだした。
「今回のカッコイイもの、それは、バイクでござる!」
どこからともなく引き寄せられたバイクが、くのいちたちへと次々と合体!
3m近いロボット軍団が上野に反撃を仕掛ける!
「アクセルパンチでござる!」
シノビロボットのパンチが全方向から押し寄せてくる!
さすがにこれは不利だと悟った上野は、回避よりもパリング防御で弾くに注力して包囲網から脱出。
「ロボか。急にでかくなりやがったな。それでも、俺のやることは変わらない」
息を整え、肩の力を抜き、ロボの装甲を撃ち抜く覚悟と勇気を体全身にみなぎらせると、一気にダッシュで駆け寄って懐に潜り込む!
だがロボの大振りながらも破壊力絶大のパンチが上野の眼前に迫る。
「負けるか……!」
片腕でロボパンチを弾き飛ばして軌道を逸らす。
腕に走る激痛を我慢、上野はガラ空きになった胴体へ渾身の正拳突きをぶち込んだ!
ロボの装甲は、上野のパンチの衝撃によって砕かれ、搭乗していたくのいちは血反吐を吐いて再起不能へ!
「よし、攻撃は通じるな。この調子で全部ぶっ壊すか」
上野はロボ相手に素手ゴロで挑み、これらを着実に退けていった。
大成功
🔵🔵🔵
ユーリ・ヴォルフ
アドリブ大歓迎!
鍵つきのテレビウムの存在が
貴様達の計画の妨害となるのか…
ならばあのテレビウムの乙女は守護者も同然ということ
守護者か…親近感が沸くな
キマイラFの平和の為にも、護らせて頂く!
紳士的にエスコートをし、乙女の盾となるべく体を張る
『援護射撃』『範囲攻撃』『属性攻撃』で火球を飛ばし牽制
ロボットだと?大物を持ち出してきたものだな
さあ、何と合体するつもりなのだ?
竜槍を構え『オーラ防御』で緩和させガード
仮面が気になるが…割ると何かあるのだろうか?
『炎の砂』をまき散らし、怯ませた所で駆けあがり
仮面に照準を合わせ【ドラゴニック・エンド】
行くぞ!ファフニール!止めを刺してくれる!
紫御殿との戦場にユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)も駆け付けた。
すかさず、単独で狼狽しているテレビウムの乙女の前に立ちはだかると、ユーリは堂々と名乗りを上げた。
「私の名はユーリ・ヴォルフ! 聞いたぞ、鍵つきのテレビウムの存在が貴様達の計画の妨害となるそうだな……? ならば、あのテレビウムの乙女はこの世界の守護者も同然ということ。キマイラフューチャーの平和の為にも、鍵の乙女は身命を賭して護らせて頂く!」
名乗りを上げたユーリは、早速、指先から火球を生み出して紫御殿たちへ投げ付けた。火球は着弾すると半球状に膨張して、オブリビオンの群れを灼熱の炎の中で焼き尽くしてゆく!
「グワーッ灼熱!」
爆発で吹き飛ぶ紫御殿たち!
「この世界の守護者か、口にしてみたが、なるほど言い得て妙だ」
ユーリは独り呟いた。彼自身もアックス&ウィザーズにて守護者として、人類に害為す悪しきドラゴンと戦ってきた経緯を持つ。
今回の事件はそれを思い起させ、テレビウムの乙女に親近感すら感じていた。
一方、火球をいきなり食らったくのいちたちは堪らず忍術を行使。
「忍法、仮面合身の術でござる! 全員、ロボット化するでござるよ!」
「なに? ロボットだと? 大物を持ち出してきたものだな。さあ、何と合体するつもりなのだ?」
「聞いて驚くなでござる! お前にはこれでござる!」
突如、磁石で引き寄せられたかのように近くのホビーショップから大量のプラモデルが引き寄せられると、紫御殿の身体に纏わりついた。
「男の子の究極のカッコよさの体現! プラモデル・ロボでござる!」
飛行機やら戦艦やらお城やらの様々なプラモデルが悪魔融合したようなロボが、ユーリと乙女をぐるりと包囲してゆく。
「どうでござるか? この圧倒的スケール感! 精巧なディディール! カッコよさがみなぎってくるでござるよ!」
「やれ、ファフニール!」
ユーリは暴れ仔竜ファフニールに指先から生み出した火球を食わせて命令すると、プラモロボに次々と体当たりをかまして、その熱で装甲を破壊してゆく!
「なんとぉ!? ヒメジ城の天守閣がドロドロに! おのれぇ!!」
「もしかして、そのプラモデルとやらは熱に弱いんじゃないのか?」
「……あ!」
紫御殿たちは互いに顔を見合わせてポカンと口を開けていた。
敵のマヌケな行動に、ユーリは思わず肩を竦めてしまう。
「やれやれ、カッコよさばかりに目が行って、性能を考えていないとは本末転倒だ。だが、この炎竜のユーリとその使役する仔竜ファフニール、オブリビオン相手に容赦しない!」
ユーリは竜の翼で少しだけ飛び上がると、懐から、赤い粉末を紫御殿たちへ空中散布し始める。
「これは炎竜の鱗を削り生成した粉だ。空気中に散布すると、酸素と化合してよく爆ぜる」
「な、ウカツ!? 総員、退避――」
「させるか! 吹き飛ばせ、炎霆!」
魔力で生み出された巨大な炎の槍を素早く敵のど真ん中に投げ込むユーリ。
炎霆は赤い粉末『炎の砂』にたちまち引火、空気中の酸素とともに燃焼し、ロボットを吹き飛ばす大爆発を引き起こした!
「グワーッ!?」
爆発四散するプラモロボと多くの紫御殿たちに、残りのオブリビオンたちは決死の思いでユーリへ突撃してゆく。
「こうなれば玉砕覚悟でござる!」
「戦艦砲台パンチでござる!」
「レーザーソード(模型)でござる!」
四方八方から乙女へ飛び掛かるオブリビオンたち!
だが、すぐにユーリは乙女の元まで駆け寄ると、自身の相棒の名を高らかに叫んだ。
「行くぞ! ファフニール! あるべき姿へ戻れ!」
竜のオーラを纏ったユーリは、仔竜ファフニールを燃え盛る竜騎士の槍へと変化させて掴み取ると、豪快にその穂先を風車のように何度も回転させて飛び掛かるプラモロボを打ち払ってゆく!
「貴様等の弱点はとうに知れている。仲間の猟兵がそれを示してくれた!」
ユーリは紫御殿たちの仮面を指差すと、ふたたびファフニールを竜の形態へ戻す。
しかし、その姿は子供の姿ではなく、雄々しい巨大な炎竜であった。
「槍での一撃を喰らったら最後、ファフニールはどこまでも追撃するぞ。二撃必殺だ! さぁ、骸の海で貴様等自身の罪を数えよ! 止めを刺してくれる!」
ファフニールの全身が赤熱の光に満ちて打ち震えてゆく!
ユーリは悠然と右手を前へ掲げて、死刑執行の合図を宣言した。
「ドラゴニック・エンド! 仮面を焼き尽くせ、ファフニール!」
ファフニールの口からレーザービームめいた収束された炎が放出されると、ロボの機体を切断しながら、くのいちの仮面が焼かれて剝がされていった。
そして残る肉体も仮面が剥がれると、幽霊のように透けて消えていったのだった。
しかし、どこからともなく湧いて出てくる敵の増援部隊にユーリは顔をしかめる。
「……なんだと? まだ増援が来るのか!」
ユーリは乙女に紫御殿たちを近寄らせんと、懸命に竜騎士の槍を振るい続ける。
大成功
🔵🔵🔵
カリー・ボーン
テレビウムの友人がいるんでな。今回は他人事じゃないんだよな。
ここは俺の熱い魂の炎でクノイチ共を追い払ってやろう。
ふふ、実は俺もニンジャ、でな。
「誘導弾」「残像」「範囲攻撃」「衝撃波」を総動員しての多重分身カレーソーサー攻撃で、まずは手裏剣勝負といこうじゃないか。
ほう、懲りずにまた合体ロボットか。
的がでかくなって何より、だ。「だまし討ち」や「暗殺」もやりやすい……先割れスプーンやカレーソーサーでロボの関節部に一撃を加え、最後は【マサラアグニ】で焼き尽くしてくれようぞ。
残虐猟兵カリー・ボーンここにあり。
人を救うためなら俺はどこまでも激辛になれるんだぜ!
※アドリブ歓迎
敵の増援の前に立ち塞がったのは、頭にカレーライスのオブジェを乗っけた猟兵だった。
その名をカリー・ボーン(戦うカレー屋・f06236)という。
「テレビウムの友人がいるんでな。今回は他人事じゃないんだよな。ここは俺の熱い魂の炎でお前たちクノイチ共を追い払ってやろう」
「やれるものならやってみるがいいでござる!」
紫御殿たちがカリーを取り囲むように布陣すると、対するカリーは不敵な笑みを漏らした。
「ふふ、実は俺もニンジャ、でな」
すると、カリーの身体が途端にぶれだして半透明になったかと思えば、手裏剣めいた鋭利なカレーソーサーがくのいちの仮面を叩き割ったではないか!
「グワーッ!?」
ゴーストめいて雲散霧消する紫御殿たち!
一瞬で5人が消え去っていった!
俊敏性に長けたカリーは、高速移動による残像で疑似的な影分身を体現させることが出来たのだ!
「なに!? 独りが投げたとは思えない枚数が飛んできたでござる!」
「何たる速さ! どういうカラクリでござるか!?」
「お前たちに教えてやる義理はないな! さぁ、手裏剣勝負だ!」
カリーが先制してカレーソーサーを投げつけると、紫御殿たちは対抗して懐から白い仮面を連続して投擲! 仮面をカリーの顔に覆わせて視界を防ぐ算段だ!
「「イヤーッ!」」
「その程度か、遅い!」
自分の顔に向かってくると判れば、軌道を読むのは容易かった。
カリーは360度オールレンジから繰り出される仮面の手裏剣を、ある時はスウェーで、ある時はカレーソーサーをぶつけて相殺、またある時は仮面をキャッチして投げ返してゆき、紫御殿たちを蹴散らしてゆく!
それもそのはず、放たれたカレーソーサーは自動追尾機能を有しており、更に着弾時は衝撃波を発生させて周囲の紫御殿たちを吹き飛ばしていたのだ。
「ま、まずいでござる! このままでは削り負けてしまうでござるよ!」
「ならば今一度、合体でござる!」
「しかし、合体できる代物がもはや……!」
「いや、あれでござる!!」
紫御殿たちは3度目の仮面合身の術を発動。
とはいえ、周囲の無機物を合体しまくったため、残されたのは放置自転車くらいでしかロボを作ることが出来なかった。
「マ、マウンテンバイクはカッコイイのでござるー!」
その苦しい理由付けに、カリーは敵ながら同情してしまう。
「ほう、懲りずにまた合体ロボットか。しかもどうやらネタ切れっぽいな。つまり、お前たちを倒せば第2波の攻勢は退けられるってことだな?」
カリーの指摘通り、残された紫御殿たちの部隊は彼女たちだけであった。
「ぬぅ! 皆の者! 死して屍拾うものなし! 任務遂行を優先でござる!」
紫御殿たちは、一斉にテレビウムの乙女に殺到する!
だが、数秒後には、自転車ロボの動きが一斉に止まってしまう。
「こ、これは面妖な!? 一体、何が起きたでござるか!?」
「こんなデカいナリだと、狙う的が大きくて助かる。死角も増えるし、暗殺も行いやすい。言っただろう? 俺もニンジャなんだ、と」
カリーはいつの間にか、ロボたちの背後へと駆け抜けていた。
そして、彼はすれ違いざまに、ソーサーや先割れスプーンをロボの足のひざ関節部分の隙間へ突き刺し、曲げられなくすることで足止めに成功したのだ!
「精密機械は、本当に厄介だよな? 小さな異物が刺さっただけで、まったく機能がしなくなる。生身で戦うべきだったな、クノイチ共?」
「まずいでござる! 皆の者、はやくロボを解除――」
「そんな暇を与えると思ったか? さぁ、俺の激辛炎を受けてみよ!」
カリーは己の口からユーベルコード『マサラアグニ』の怒りの炎を吐き出した!
「グワーッ!? 仮面が、体が、燃えてゆくでござるゥ……!」
カリーの怒りの炎の海の中で、紫御殿たちは全員灰燼へと変わっていった。
そのインパクトある戦い方は、一見、悪役のそれのような戦術だ。
しかし、カリーは誇らしげに、集まってきたギャラリーへ向けて胸に拳を当てて言い放った。
「残虐猟兵カリー・ボーンここにあり。人を救うためなら、俺はどこまでも激辛になれるんだぜ!」
ギャラリーはカリーの言葉に感銘を受け、中には拍手を送る者まで現れたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『銀木犀』
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POW : 頂戴
【予告状】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : 手刀
【残像さえ残る格闘術】による素早い一撃を放つ。また、【下駄を飛ばす】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 巾着切り
【スリ】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
イラスト:りょうま
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「宇冠・由」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
紫御殿たちを退けた直後、テレビウムの乙女に異変が起き始めた。
「あ、あああああ!?」
乙女は悲鳴を上げたかと思えば、その顔の画面を神々しく輝かせはじめたではないか!
しかも、どんなに呼びかけても彼女は返事もしないどころか身動きすらしない。
猟兵たちは考える。
こんな状況でオブリビオンに見つかったら、ひとたまりもないと。
だが、現実は非情であった。
「あっれ~? 紫御殿たちを倒しちゃったのか! 猟兵ってスゲー!」
ネズミのキマイラらしきオブリビオンが、ひょっこり猟兵たちの前に姿を現したのだ。
彼女は猟兵たちを珍し気に眺めると、ニカッと笑ってアイサツを行った。
「わたしは銀木犀! 【暗黒面】の一員さ! よくもわたしの部下たちをやっつけてくれたね!? こうなったら、私が直にやっつけて、そこで光ってるテレビウムをぶっ壊しちゃうぞ!」
銀木犀は素早い身のこなしで猟兵たちを威嚇してくる。
あの素早い動きを封じない限り、猟兵たちは苦戦するであろう。
だが、予知ではこれが最後の戦いだとされていた。
この窮地を乗り切り、テレビウムの乙女の護衛を完遂するのだ、猟兵たち!
ユーリ・ヴォルフ
アドリブ大歓迎!
【暗黒面】だと?
UDCアースでそんな仮面を被らせて回っていた邪神教団が居たが
貴様も同類か?
彼女を破壊させてなるものか!さあ、かかってこい!
敵は素早い
【予告状】も逃れられんか
宣告するルール「銀木犀を殴る」
簡単ではないだろうがやり遂げて見せる!
敢えて武器は装備せず飛び掛かる
被弾も覚悟の上だ
『オーラ防御』『激痛耐性』で緩和させつつ腕をクロスしてガード!
殴る蹴るといった体術で攻め
ワンパターンだと相手に思わせた所を不意を突いて
【ドラゴニアン・チェイン】をぶつける
もう逃しはしない!
チェインを一気に引っ張り強く引き寄せて
『属性攻撃』で炎を拳に纏わせ、横っ面を殴る!
鼠の体毛は良く燃えるだろう!
ユーリ・ヴォルフ(叛逆の炎・f07045)は、銀木犀が発した【暗黒面】という言葉に聞き覚えがあった。
「なに? 【暗黒面】だと? UDCアースでそんな仮面を被らせて暗躍していた邪神教団が居たが、貴様も同類か?」
「へ? 別の世界に【暗黒面】がいるのか? そいつは初耳だ! 出来れば詳しく聞きたいところだけど、今回はちょっと時間がなさそうだね~?」
銀木犀はゴーグル越しに目を細めてニヤニヤと笑う。
その反応は噓を吐いているようには思えず、恐らく本当に初耳なのだろう。
よくよく考えれば、オブリビオンは(少なくとも現時点では)異なる世界と世界の間を移動することが出来ない。
故に、ユーリの聞いた【暗黒面】と目の前の【暗黒面】は名前こそ同じだが異なる結社団体なのであろう。
銀木犀は素早い足捌きで、ユーリとテレビウムの乙女の周囲を駆け巡って牽制している。
「ともかく、他所の【暗黒面】の事よりも、わたしはそこのテレビウムに用があるんだ。邪魔をするなら、猟兵だろうが一緒にぶっ潰すよ!」
「彼女を破壊させてなるものか! さあ、かかってこい!」
ユーリは右掌を上に向けて、自身へ招くような仕草で挑発を行う。
これに銀木犀の顔が引きつった。
「その余裕くれてるおにーさんの顔を、苦痛で歪めてやる!」
銀木犀はすかさずユーリの背後に回り込むと、その背中に予告場を叩き付けた。
そしてユーリにルールを課すことを宣言した。
「おにーさんは、わたしを捕まえてはいけない! つまり、わたしの姿を捉えて殴ることが出来なくなるって寸法だ!」
「良いだろう、そのルール、簡単ではないだろうがやり遂げてみせる!」
「やり遂げてみせる? 何言っちゃってるの?? このルールの本当の意味、それは……」
銀木犀がいつの間にかユーリの顔の真横まで迫ってきている!
「わたしに一方的に殴られても、反撃が出来ないってことだ!」
側頭部を蹴られる寸前、ユーリは腕をクロスして咄嗟にガード!
しかし、蹴りの衝撃が完全に防げたわけではなく、その衝撃の余波がユーリの脳を揺らす。
「ぐっ!?」
たたらを踏むユーリ。竜のオーラを展開していなければ危なかった。
相手は素早い上に重い蹴りの一撃を有する。
まともに喰らったら、次は立ち上がれるかどうか。
ふざけた言動が目立つが、相手はボス級オブリビオンに相応しい実力を発揮している。
「あれあれ? さっきの勢いはどうしちゃったのかな?」
「黙れ、そこだ!」
ユーリが拳と足に炎を纏って肉弾戦を仕掛ける。
しかし、これは空振りに終わる。直後、捕まえようとしたことでルール違反とみなされたのか、ユーリの全身に雷が落ちたかのような痛烈な衝撃が駆け巡った!
「あ、がっ!?」
あまりの威力に意識が吹っ飛びかけるが、自分の下唇を血が滲むほど噛み締めることで何とか現実に繋ぎ止めることが出来た。
倒れるわけにはいかない。
自分の傍らには、無防備のテレビウムの乙女がいる。
自身の矜持にかけて、銀木犀の顔面に己の拳を叩き込むと固くユーリは誓う。
「意外と大したことないっぽいね、おにーさん?」
「……はは、大したことないのはそっちだろう? 所詮、ネズミはそこら中を駆け回るしか能がないものな?」
ユーリの挑発は、銀木犀に対して効果覿面であった。
「そんなに死にたいなら、望み通り殺してあげるよ!」
銀木犀がユーリに向かって直線的に突っ込んでくる!
それにユーリはワンツーアッパーのコンビネーションパンチを繰り出す。
だが、敵のフェイントで届かない!
ユーリの右側へ滑り込んだ銀木犀は、渾身の力を込めて蹴りを放たんと予備動作に入る!
「首の骨を折ってやる! 死ね!!」
銀木犀は勝利を確信し、その口角が吊り上がった。
だが、銀木犀が漏らしたのは笑い声ではなく、仔竜ファフニールの体当たりによって、肺を押し出されたうめき声であった。
「ぅうぇ!? いつの、まに!?」
「ファフニールにも命令しておくんだったな? どうか殴らないでください、とな?」
仔竜ファフニールに対して銀木犀は完全にフリーの状態であった。
武器とはいえ、カッコたる自我がある存在が、自分の餌である良質な魔力の炎の供給源に害を為す相手に敵意を剥けるのは当然至極の事である。
ユーリの体術は、ファフニールの存在を気付かせないためのデコイであった!
地べたに突き落とされた銀木犀が立ち上がろうとするが、突如、その身に爆発の衝撃を受けてさらに吹っ飛ぶ!
「ぐっ!? もう、逃がさないぞ……!」
ルール違反の激痛に苛まれながらも、ユーベルコード『ドラゴニアン・チェイン』を命中させ、オーラの鎖で銀木犀を捕縛することに成功したユーリ。
その顔は、今にも意識を失いかねないほど苦痛に歪んでいた。
「う、そでしょ? ルール違反だ! 今すぐに気絶してもおかしくないほどの激痛に襲われているのに、なんで立ってられるの!?」
彼は鎖を思いっきり左手で手繰り寄せ、自らの元へグイっと引っ張った!
そして答えた。
「言ったはずだ。貴様の顔をぶん殴る。それをやり遂げてみせると!」
「や、やめろォーッ!!」
堪え切れずに宙を舞う銀木犀の身体!
ユーリの燃え盛る怒りの炎の拳が、銀木犀の鼻っ柱を正確無比に捉えた!
「ぷげェ!?」
オーラの鎖が引きちぎれ、銀木犀は炎に包まれながらサッカーボールめいてバウンドしながら遠くへ転がってゆく!
激痛を耐えきったユーリだが、その肉体は既に限界を超越していた。
「はぁ……はぁ……! ネズミの体毛は、……よく、燃えるだ、ろう? 誰か、今のうちに、追、撃を……!」
満身創痍で膝を付くユーリだったが、テレビウムの乙女のそばからは一歩たりと離れようとはしなかった。
成功
🔵🔵🔴
上野・修介
アドリブOK
・POW
「お出ましか」
だがやることは変わらない。
――恐れず、迷わず、侮らず
――呼吸を整え――力を抜き――専心する
――熱はすべて四肢に込め、心は水鏡
先ずは観【視力+情報取集】る。
体格・得物・構え・視線等から呼吸と間合いを量【学習力+戦闘知識】る。
得物は素手格闘【グラップル】
UCで攻撃力を強化。
敵が速度に長けるなら、その『後の先』に合わせる。
ダメージを恐れず【勇気+激痛耐性】、相打ち【覚悟】で紙一重――否、当たる刹那まで引き付け、体幹と視線、闘気を【視力】と【第六感】で読み、軌道を【見切】って【捨て身】にて【カウンター】を叩き込む。
狙うは『脚』、そして動きを殺して『頭』に拳を叩き込む。
上野・修介(元フリーター、今は猟兵・f13887)は、体毛がチリチリに焦げた銀木犀が立ち上がる様を目で見据える。
「お出ましか」
「あつつ……こんどはそっちのおにーさん? なんだか無愛想だねー」
「無愛想で悪かったな」
上野は冷静だ。敵の挑発に乗らず、ただいつものようにルーチンをこなしてゆく。
――恐れず、迷わず、侮らず。
――呼吸を整え――力を抜き――専心する。
――熱はすべて四肢に込め、心は水鏡。
――この身は敵を討ち砕くために存在する。
上野は静かに、銀木犀の身体的特徴と戦闘の癖を見抜かんと注視する。
(リーチの短さを、一瞬で敵の懐に潜り込める俊敏性でカバーしているのか。こちらの攻撃が外れたら、すかさずカウンターを繰り出してくる狡猾さも併せ持っている……)
彼の戦闘知識によって、敵の技能を正確に見定めてゆく。
そして上野は悟る。
この勝負、一瞬でカタが付くと。
(予告状を命中させてから、ルールを宣言するまでにラグがある。つまり、予告状自体は喰らってもダメージを受けることはない! なら、方法はひとつ!)
その結論に至った上野、不遜な態度で敢えて言い張る。
「そんな遠くにいたら、当たるものも当たらないぞ。どうした? 自慢の俊足は飾りか?」
「猟兵っていうは、いちいち癪に障る言い回しをするよね!? 飾りかどうか、みせてやる!」
銀木犀はフェイントを交えながら上野へ急接近!
「予告状! 当ててやる! そして、一歩でも動いたら、おにーさんの身体が粉々に吹っ飛ぶ命令を下してやる!」
銀木犀は上野の警戒態勢に用心しているのか、なかなか予告状を放ってこない。
だから、敢えて上野は自ら動く。
「そこだっ」
素早い足払いを繰り出す上野、だが銀木犀はそれを飛び越え、満を持して予告状を投げつける!
「その姿勢! 避けられないよねっ! 喰らえっ!」
ギリギリまで銀木犀を惹き付けた刹那、上野の身体は急激に目まぐるしく動き出す。
「ありがとな。近付き過ぎたおかげで、軌道が見え見えだ!」
上野の日々鍛えられた体幹は異常なまでのブリッジを実現させ、予告状はその腹の上を通過! 予告状が命中しなければ、命令は無効!
「そんな回避の仕方あり!?」
「ケンカにアリもナシもないな! オラッ!」
起き上がった勢いで上野は頭突き!
銀木犀は奇襲を直撃してたたらを踏んだ。
そこから上野の素早いローキックで足を止めると、更に一歩踏み込んだ。
「――捉えた」
予告状のカウンターの本命、上野の全体重を乗せた必殺の右ストレートが、銀木犀の左頬に突き刺さった!
「ぐげっ!?」
再び地面へ叩き付けられ、転がってゆく銀木犀を見て、上野は言ってのけた。
「鍛錬が足りない。出直してこい」
大成功
🔵🔵🔵
水心子・静柄
ネズミのキマイラ…字面だけ見るとドリームな国の黒服の人達を呼びそうな案件ね………だ、大丈夫よね?
さてとどんなルールだろうとオブリビオンは攻撃して倒すという選択肢以外ないわ。予告状が当たってもルールを宣告される前に攻撃を開始すれば最悪で相討ちは狙えるはず!運が良ければルールの宣告自体を邪魔も出来るはずよ。そんな訳で相手が予告状を投げるタイミングを歴戦の勘に頼って、投げたタイミングで相手の口めがけて射合の一斉掃射よ。破ったダメージが大きくても相討ちなら、後は他の人がどうにかしてくれるはず。
既に足元が覚束ない銀木犀の元へ、水心子・静柄(剣の舞姫・f05492)が、本体である納刀状態の脇差を携えて馳せ参じる。
「ネズミのキマイラ、ね?」
何だかいろいろと危険な香りがするけど大丈夫か?
そんな考えが過るが、すぐに静柄は目の前のオブリビオンへ意識を集中させる。
「もうあなたの攻撃は見切ったわ。さぁ、予告状でも何でもぶつけてきなさい」
「言われなくても……」
銀木犀は苛立ちながら、懐から予告状を取り出した。
それを振りかぶってオーバースローで全力投擲!
「投げ付けてやるっ! 喰らえーっ!!」
手裏剣めいたカードが高速で静柄の肩に当たった。
「命中した! お前に下す命令は――」
「命令なんて言わせないわよ」
静柄は一瞬にして29振りの納刀状態の脇差を複製すると、矢雨の如く銀木犀へ向けて高速射出!
その数振りが銀木犀の背中を強かに突く!
「ぐっ!? こいつ、わたしが命令する前に攻撃を!?」
「言ったでしょ、命令はさせないわ! これが私の居合、いや、射貫く居合よ!」
鞘に収まったままの29本の複製脇差が飛来しながら銀木犀をしっちゃかめっかちゃかに殴りまくる!
乱雑に動き回るそれらに、流石に銀木犀の俊足も役に立たない!
「いたたたた!? やめてよっ! もう怒った! おまえのユーベルコードを――」
禁止する、という単語を口にしようとした直前にに、銀木犀の口へ脇差の鞘の先が高速で突っ込まれる!
銀木犀の前歯が吹き飛ぶ!
口内を突き上げられて銀木犀は嗚咽を止められずにその場にしゃがみ込む。
「あら? もう喋れないわね?」
命令を完全に阻止して静柄は、29振りの複製脇差を操り、銀木犀の身体の関節を固めるように組み付いた。
手足が拘束されて身動きが取れない銀木犀は恐怖した。
静柄は、本体である納刀状態の脇差を上段に構えていたからだ。
「他の猟兵が頑張ってくれたおかげで、私は楽が出来たわ。さて、安心しなさい。一瞬で骸の海へ送ってあげる」
静柄が渾身の膂力で脇差を振り下ろす。
それは正確無比に銀木犀の脳天を叩き割り、一瞬でその存在を此の世界から消滅させたのだった。
テレビウムの乙女の顔の画面の光が収まってゆく。
と、同時に、今度は周囲の建物全体から、謎のアラート音とともに電子音声が聞こえてきた。
【全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり】
【テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する】
【至急の救援を請う】
「……何だったのかしら、今の?」
音声が収まると、テレビウムの乙女の意識も回復。
彼女は猟兵たちにお礼を告げると、そそくさと去っていった。
だが、先ほどのアナウンスは何かの前触れに違いない。
キマイラフューチャーの今後の動向を、猟兵たちは注意を払わねばならないであろう。
大成功
🔵🔵🔵