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テレビウム・ロック!~チョップは斜め45度

#キマイラフューチャー #テレビウム・ロック! #テレビウム #システム・フラワーズ #アルパカ

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●テレビウムさん大ピンチ
 キマイラフューチャー。近未来的なポップでサイバーで自由な世界。
 そんなとある都市のとある衣服店で、一人のテレビウムが買い物を楽しんでいた。
「♪ふんふんふ~ん」
 コンコンコンしても、好みの服が出てくるとは限らない。そんな時はこの服屋さんに来れば自分に似合った服が色々見つかる。彼は明日のデートに向けての勝負服を買いに来ていたのだが。
「まぁ、お客さま良くお似合いで。こちらの鏡でご覧になって下さいまし」
「ありがとう。どれどれ、うん、よく似合う! ……あれ?」
「どうかなさいました?」
 何か違和感。店主も鏡を覗き込むと。
「あらあら、まぁまぁ、お客様。お顔の画面――」
「え-、なにこれなにこれ!?」
 テレビウムの顔のモニターに映ったのは『鍵』のマーク。
 おろおろするテレビウム。表情は鍵にジャックされて変えられないが声は半泣き。
 更にそこに追い打ちでもかけるかのように。
『アイヤー!』
 ど、ばーーん!!
『アイヤー、失礼するアルヨ』
 お店の扉を豪快に開いてやってきたのは、大きな中華風の被り面を着けた数人の男女。
『早速だけど要件言うヨ。そこなるテレビウム氏は我々に着いてくるヨロシ』
「え? い、いやだよ……!?」
 クソ怪しい怪人集団に対し、勇気出して拒絶の意思を示すテレビウム。
『そか、ならば実力行使ネ! ――ををっ?』
 がす。店内に入ろうとして何やら引っかかる大頭頭面の怪人達。
『ちょ、頭がつかえて入れないアルね。順番守るヨ』
『アイヤー失敬失敬』
 もたもたしているその様子を見て、あっけに取られていた店主は軽く首を横に振って、お客であるテレビウムに向かって叫ぶ。
「なんか良くわかんないけど、狙われてるみたいですしお逃げになって!」
「あ、う、うん!」
 呆然としていたテレビウムもその言葉に頷くと、でかい頭で入口につかえてる怪人達の隙間を器用に抜けて外に駆けていく。
『アイヤー、逃げられたネ!?』
『アイヤー、早く追うヨ!!』
『その前にそっち、一歩下がるネ!』
 入口から脱出した大頭頭ズも慌てて後を追いだした――。

●グリモアベースにて
「良く集まってくれましたにゃ」
 ロータス・プンダリーカ(猫の銃形使い・f10883)はミカン箱を積み上げた上に立ち、尻尾をゆらゆらさせながら説明を開始する。
「キマイラフューチャーで画面に鍵が映るテレビウムさん達の話、聞き及んでいることと思いますにゃ。そしてボクもそんな事件を一つ予知しましたですにゃ」
 ゆらゆら尻尾がちょっぴり膨らんで、そしてちょっと猫背になって。
「大きな頭の被り物をした人達が『アイヤーアイヤー』言いにゃがらテレビウムさんを追いかけるシーンでしたにゃ。何というか、ちょっと不気味な絵ヅラでしたにゃ」
 張り子の大きなお面は、中華街などでは馴染みがあるが、それを知らないと不気味なのかもしれない。初予知がこれでは刺激的すぎただろう。
「とにかく、怪しい連中をとっちめて下さいですにゃ! そしてテレビウムさんを助けてあげて、鍵の謎を解いてくるのですにゃ!」
 ピンクの肉球を握りしめ、ロータスは猟兵達を促し、転送の支度をするのだった。

●そして、再びキマイラフューチャー。
 都市の往来を必死になって走るテレビウム。
 それを怪しく踊り舞いながら追いかけてくる張り子頭の怪人達。
『アイヤー! 待つヨロシ!!』
『アイヤー! 逃げるダメヨ!』
「ひいぃぃぃっっ!!??」
 怪人達の魔の手が迫る! テレビウムさんの危機を救うのは君達だ!
 戦え、猟兵達!!


天宮朱那
 天宮です。最近担々麺がお気に入り。

 お顔に何やら鍵の画像が映り込んでいるテレビウムさん。
 それを狙う怪人達から助けてあげて下さい。
 割とアドリブ多用、ネタ歓迎。

 第一章、第二章は集団戦、第三章はボス戦の構成。
 OPで一章の導入分も記載しましたので、いきなりプレイング送っても大丈夫です。
 二章、三章は導入部が入る予定です。

 大体夜にリプレイ執筆作業することになります。
 今回はスピード重視なので、書きやすい方から書かせて頂くかと。
 台詞とか動作とか、バトルがイメージ出来るプレイングだと書きやすいかも。
 成功条件満たしたらどんどこ進みたいなーと。

 進行状態は都度、マスター紹介ページ等にお知らせ致します。ご参照下さい。
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第1章 集団戦 『大頭頭ズ』

POW   :    x形拳
【様々な生物や機械、自然現象等を模した拳法】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    i極拳
【健康体操のようにも見える連続した攻撃動作】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    n卦掌
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【大地の中を走る気の流れの噴出点(龍穴)】から排出する。失敗すると被害は2倍。

イラスト:ケーダ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ラビ・ラビィ
テレビウムの大事な表情を奪うとは何事ラビ!
その上追いかけ回すなど言語道断ラビ!

◆ひきつけまどわせ
「ラビ?!お顔に鍵が、ラビー!ラビも捕まっちゃうラビ?!」
真似っこして顔のモニターに『鍵』を映し出すラビ
もちろんわざとラビ
完全には騙せずとも、敵を迷わせたりは出来るはずラビ
何の反応もないなら、そうゆう情報を得たと納得するラビ

◆戦うラビラビ
【ラビコン・ショータイム】であいつらを倒せそうなラビコンを呼ぶラビ!
そしてラビも突撃ラビ!
「罪なき一般テレビウムをいじめる輩を成敗するラビ!」
「お前たちの顔にも鍵をつけてやろうか、ラビ!!」
(ぷんすこらびらび)

同族の危機にいつもに増しておこなラビなのでした



 今日のラビ・ラビィ(らびびうむ・f00825)は実に激おこ、であった。
「テレビウムの大事な表情を奪うとは何事ラビ!」
 同族の危機を聞いた彼女は居ても立っても居られず、現場に急行していた。
 早速見つけた、画面が鍵の画像になってしまった同胞と、それを追いかける奇妙な大頭頭の怪人達。
「その上追いかけ回すなど言語道断ラビ!」
 お顔のモニターがエラー起こしそうなくらい真っ赤になるも、思考は案外冷静で。
 早速作戦行動に出たラビは、てててっと同胞と怪人の追いかけっこの場に飛び出し。
「ラビ!? お顔に鍵が、ラビ―!」
『ぬぬ!?』
 その声に大頭頭ズの速度が緩み、不気味な頭をこちらに向けてガン見してきた。
 真似っこして顔のモニターに件の『鍵』を映し出したラビの姿。勿論わざと彼女の意思で表示させたもの。
『アイヤー!? あっちにも鍵のテレビウムがいるヨ?』
『アイヤー、そんな情報きてないアル』
『どっちも捕まえれば無問題ネ。こっちは任せるヨ!』
 一瞬迷いつつも、怪人集団の一人がこっちに向かってきたので引きつけながら逃げるラビ。完全に騙せなくても、少しでも敵の数を減らせれば御の字だ。
 とてててっと走って走って、やってきたのは裏路地の奥。
『追い詰めたネ。覚悟して捕まるヨロシ』
「覚悟するのはそっちラビ」
 振り返ったラビの顔はいつものラビラビスマイル。怪人も騙されたと気づきびっくり。
『アイヤー、騙したネ。タダじゃ済まないヨ!』
「ラビもタダで帰すつもりはないラビ!」
 挑発を挑発で返すラビ。謎の存在感と威圧感に一瞬竦みながらも、大頭頭怪人は必殺のi極拳を繰り出してくる!
『アチョチョチョチョーーーー!!!』
 だが。繰り出された最初のチョップを小さい身体を活かして回避すると、敵の連続攻撃はしばらく止まらない。
 その隙を見て、ラビは人差し指を立ててラビコン・ショータイムを発動! 現れたラビコンことラビに似た今回のガジェットは、大きな口を開けたウサギ型小型キャノン砲!
「罪なき一般テレビウムをいじめる輩を成敗するラビ!」
『らびらび・きゃのん・発射!!』
 ちゅどーん!! ラビコンのお口から小さくも強烈な砲撃が怪人の背部に炸裂!
『アイヤァーーー!?』
 ずどーんと宙に吹っ飛び、地面にぼてっと落ちてきた怪人。その上に飛び乗り、ぽかぽかとでかい頭を殴りつけ、首をぐぐっとあらぬ方向に引っ張りながらラビは言う。
「お前たちの顔にも鍵をつけてやろうか、ラビ!!」
 いつもにも増してぷんすこらびらびなラビである。
 そして、そのまま気を失った怪人はシュウゥっと消滅した。
「骸の海に還ったラビ? もう来なくて良いラビ!」
 消えた地面も足でげしげし蹴りながら、ひとまず一体しとめてご満悦なのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーイ・コスモナッツ
愛用の反重力シールドに飛び乗って、
ユーベルコード【流星の運動方程式】をON
現場に急行しますっ

追われているテレビウム子さんを
横から抱えさらうようにして、
まずは彼女を安全な位置へ
抱えたまま長距離を移動するのは、
彼女の身体にかかる負担が大きいですから、
手近な建物の屋上や、
歩道橋(あるのかなあ?)で降ろすのが良いでしょうか

安全を確認したら、
すぐにUターンして、
大頭頭ズを迎え撃ちます

戦闘では、
足もとを狙うなどして、
大頭頭ズを転倒させるよう試みます
あの大きなアタマだもの、
一度転ばせてしまえば、
簡単には起き上がれないはず!



『アイヤー、待つヨロシ!』
「いやぁぁぁ!!?」
 小さいが意外と早いテレビウムさんは必死に怪人の追跡を逃れるも、そろそろ息が上がって限界を迎えるのも時間の問題。
『さぁ、一緒に行くアル――』
「どいてくださーいっ!!」
 どがッッ!!
『アイヤーッ!?』
 突然怪人の一人が後ろから来た何者かに追突され吹き飛んだ。
 それは愛用の反重力シールドをスケートボードのように駆使して流星の如くすっ飛んできたユーイ・コスモナッツ(宇宙騎士・f06690)の颯爽なる登場であった。
「まずは逃げますよ!」
「ひゃああっ!」
 ユーイはそのまま疾走し、追われていた件のテレビウムを横から片手を伸ばて、すくい上げ抱えあげた。
「うわぁ、猟兵さんありがとう!」
「まだまだ油断出来ませんよ。余り遠くまで行けませんから」
 抱えたままこの速度で長距離移動はそれはそれで一般人なテレビウムの身体に負担がかかる。手近な歩道橋の上まで来たところで一旦下ろしてやると向こうを見やる。怪人達がここまで追ってくるまでの時間は稼げるだろう。
「下手に動かないで下さいね。大丈夫、私同様に多くの猟兵があなたを守ります」
「うん、わかったよ!」
 一時的な安全を確認したところで、ユーイはすぐにUターンして怪人達の元へ。
『アイヤー、戻って来たヨ』
『ココはワタシに任せてオマエらはあっちを捕まえに行くネ』
『アイヤー了解したアル』
 散開した大頭頭ズ。流石に全員を追うのは難しいと即座に判断し、その殿に残った一人を確実に仕留めようとユーイは真っ直ぐ突き進む!
 一方、怪人は必殺のi極拳を繰り出してきた!
『アチョーー!!』
 放たれる猛攻を前に、ユーイはシールドをウィリー走行に切り替え、盾を盾として使い受け止める。
「くっ!」
 鋭い連続攻撃を受け止めつつ、彼女は隙を見て身をかがめ、シールドの先を怪人の足下薙ぐように繰り出した!
『アイヤッ!?』
 ずてーん! 見事に転倒した大きな頭はその形状故に、感嘆に起き上がれずにじたじたしている。そこに、ゆらりとユーイは見下ろし加減に側に立つと微笑む。
「お覚悟してくださいね?」
『アイヤー……!』
 そしてまた怪人一人が骸の海に戻っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エレステイル・テイル
テレビニウムくんを助けにいくよ!
まずは引きはなすために、くろくんを投げて、ちょっとまちなさい!ってさけぶよ。
ああ、ボクをむしする……顔に鍵マークないからかな?
ちょっとまってー!(りんごも投げ)

ひきつけたか、おいつけたら、ガジェットショータイムで「ももまん」を投げつけるよ。
かわいいけどびっくり、これ爆弾なんだよ!
あ、くろくん、かじっちゃ……

うう、このひとたち、なんかあたまぐらぐらしてコワいんだよ。
i極拳ってふしぎなうごき。ながめてると、ねむくなっちゃいそう……
よけられなければ、くろくんを槍にもどしてうけとめるね。

とにかく、アナタたちはちゅうかがいにおかえり!

(煮るも焼くもお好きにどうぞ)



 歩道橋の上にて待機するテレビウムの元に、先程散開した怪人達が迫り来る!
『アイヤー、あそこにいるよ!』
『挟み撃ちするアルネ!』
 左右の階段に一体ずつ向かう大頭頭ズ。
 だが、その左右それぞれの階段近くには既にテレビウムを救出すべく、猟兵達が到着していた。

「ちょっとまちなさい!!」
 エレステイル・テイル(ドラゴニアンの聖者・f14363)が駆ける怪人に向けて叫びながら、手にした仔竜をぶん投げた。
 ごす。大きな頭にぶつかり、怪人は一瞬こっちを見るも。
『アイヤー、何するネ。お子サマに構ってる暇はないヨ。シッシッ』
 ――と、追い払うように手を振って引き続き歩道橋に向けて走り続ける。
「ああ、ボクをむしする……ちょっとまってーー!!」
 りんごも投げつけながら、エレステイルは必死に後を追いかけた。顔に鍵マークがないと興味持ってくれないのか、と軽く小首を傾げながら。
 歩道橋の階段を駆け上った辺りで何とか怪人に追いすがり、勢いそのままに桃饅頭の形状をしたガジェットを投げつけた。
 がすっと怪人の頭部にワンバウンドしてその目の前に転がるももまん。
『アイヤ? コレなにアルか』
 怪人が拾おうとした矢先に、仔竜がぱたぱた追いすがり、ガジガジ囓り始めた。
「あ、くろくん、かじっちゃ――」
 ちゅどーん。
 可愛い点心形状をしたそれ、びっくりどっきりのれっきとした爆弾なのであった!
『アイヤー!?』
 衝撃で怪人は階段ごろごろ転がり落ちた。流石にここまでやられては、怪人もエレルテイルをスルーする訳にもいかなくなった模様。
『何するネ! 邪魔するなら容赦しないヨ!』
 ゆらりゆらりと健康体操のようなゆっくりとした所作をとる怪人。
「うう、ふしぎなうごき……」
 眺めてると何だか眠気を催すのは何故だろう。おまけになんか、あたまグラグラしててコワいというかキモチわるいし。
『アチョー!』
 繰り出されるi極拳! だが、そこに割って入ってきたのは彼女の仔竜!
「くろくん!」
 がじっと敵の腕を噛んで妨害した隙に、仔竜は短槍としてエレルテイルの手に収まる。
「とにかく、アナタたちは―――」
 動作が止まらない怪人をキッと見据え、彼女は槍を突きだした!
「ちゅうかがいにおかえり!」
 宙に――大きな頭がすっ飛んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユラ・フリードゥルフ
なんていうか、うん。
恐怖だよね。

とにかく、早く助けなきゃね

敵の声はよく聞こえそうだし、確実に追いついて
届けばナイフで先制攻撃

追いかけっこは終わりだよ
その仮面で見られると調子狂うなぁ…

あっちとテレビウムさんの間に割り込んで

こんにちは、テレビウムのおにーさんかおねーさん
俺たちは猟兵。助けに来たんだ。

まぁ詳しい話は後にして、あっちの対応だよね

うん、うるさい!

脱力状態で受ければっていうならさ、俺のナイフ受けてたら
脱力状態ではいられないよねぇ

ナイフを放って、届いたタイミングで灰の棺よひらけを
他の猟兵の攻撃の為の時間稼ぎになれば良いし
よろしく、おにーさんかおねーさん?

アドリブ歓迎



「なんていうか、うん。恐怖だよね」
 客観的に見て、ユラ・フリードゥルフ(灰の柩・f04657)はそう結論づけた。
 何せあの大きな頭があまりにもシュールすぎる。無表情で瞳の光っぽいものすら書かれてないから余計に謎の恐怖心を煽るのだろう。
 そしてあれに追いかけられているテレビウムの心境を考えると――。
「とにかく、早く助けなきゃね」
 そして、向こうでアイヤーとか叫びながら歩道橋の階段登ってる怪人目がけてナイフを投げつけると、その仮面のサイドをスパッと斬り裂いた。
『アイヤ!? また邪魔者現れたカ』
「追いかけっこは終わりだよ――って、その仮面で見つめられると調子狂うなぁ」
 颯爽と怪人とテレビウムの間に立ち、にっこりと微笑むと。素早く後ろに歩を進めてテレビウムに視線を合わせて声をかける。
「こんにちわ、テレビウムのおにーさん。俺たちは猟兵。助けに来たんだ」
「うわぁ、本当に助けに来てくれた!」
「まぁ、詳しい話は後にして――」
 そう話している間にも怪人は彼の近くまで駆け寄って来ていたのだが。
「うん、うるさい!」
 がすっ。ユラは振り向きもしないで後ろ手に怪人の頭に裏拳放つと、ゆっくりと立ち上がる。
「まず先にこれの対応だよね」
『アイヤ、コレ呼ばわりは失礼アルよ』
 そう反論しつつも拳を繰り出してくる怪人の攻撃をいなしながら、ユラは両手にナイフを構えた。
「礼を尽くす相手には見えなかったものでね。失敬」
 ナイフを放つ。先程の一撃もあり、それを叩き落とそうと怪人が動いた瞬間。
「さぁ、逝ってもらおう――か」
 舞い散る花びらは桜色。そのナイフと、更に宙を斬り裂くナイフが無数の桜の花びらとなって怪人に襲いかかり。
『アイヤーーッ!?』
「脱力状態で受ければっていうならさ、俺のナイフ受けてたら、脱力状態ではいられないよねぇ」
 作戦が功を奏したことに満足気味に微笑み、やがて風で散った花びらの中には既に怪人の姿がないことを確認し、ユラはテレビウムの方を振り向いた。
「さて、改めてよろしく、おにーさん?」
 そこに他の猟兵達も次々に追いついて声をかけていく。
 ひとまず、目的のテレビウムは確保し、怪人の追っ手から守り切ったことに安堵した瞬間だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』

POW   :    ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ   :    ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。

イラスト:ヤマトイヌル

👑7
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 大頭頭ズの追跡を逃れ、件のテレビウムを救出した猟兵達。
 その時、彼の顔のモニタに変化が現れた。
「これは?」
「都市のどこかを示す図……?」
 鍵の他に、マップのような何かが投影されるモニタ。
 そこに行けば、この鍵の意味が解るのだろうか。
 そう考えていた矢先に、第二の刺客が現れる。
『うわははははは!!!』
 向こうのビルの屋上から見下ろすように怪人達の姿が現れた!!
『そのテレビウム、我々に引き渡して貰おうか!』
 大胸筋をひけらかしながら、アルパカマッスルブラザーズは大声でこちらに叫ぶ。
 こうしては居られない。早速、鍵の指し示す場所に向かわねば。
 猟兵達は早速テレビウムを守りながら駆けだしたのだった。

『むむ、逃げるか。そうは行くか!』
『兄貴、早く後を追いましょうぜ!』
『……しまったあぁぁぁこんな高い所に来たら降りる手間が!』
 飛び降りるとか出来ないみたい。何故登った。
大豪傑・麗刃
待たせたな!
ヒーローは遅れて登場するものなのだ!(ここはヒーローズアースではないが)

とりあえずわたしはあやしげなマッチョに戦闘仕掛けて、その間にテレビマガジンくんとみんなを先に進ませるのだ。
こういう時には定番のセリフがあるのだ。

ここは俺(こういう時の一人称はなぜか俺と決まっている)に任せてみんなは先に行け!俺も後から必ず行く!

……
行けるよね??別に本当に後から行ってもいいんだよね?

あと敵がポージングとかでわたしより目立つのが腹立つのだ。

わたしは怒ったのだー!!

(スーパー変態人発動)

これだけ光ってれば存在感も相まって目立ちまくって敵を足止めできるはずなのだ!

あとはまー刀とか斧とかでてきとーにやる



『急げ急げ』
『おいこら押すんじゃねぇ』
 わちゃわちゃとアルパカマッスルブラザーズがビルの屋上から階段に向かおうとしたその時であった。
「はーっはっはっは!!」
 どこからともなく高笑いが聞こえて――。
『あ、そこにいやがるぞ!』
 屋上階段の真上に仁王立ちしている男の姿があっさり目の前に見えた。
「待たせたな! ヒーローは遅れて登場するものなのだ!」
 理解を承知で記述しておくが、ここはヒーローズアースではなくキマイラフューチャーである。だがこの男、大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)はそんなことを気にする漢ではなかった。
『良くわからんが、我らの邪魔をするつもりか!?』
 ダブルバイセップスを決め、両腕の力瘤をこれ見よがしに見せつけながらアルパカマッスルその1は叫ぶ。
 その姿に何となくムカつく麗刃。自分より目立つとは、何とけしからん。
 麗刃は下の歩道橋に見える猟兵達、そしてテレビウムに向けて大声で叫ぶ。
「ここは俺に任せてみんなは先に行け!」
 シュタッとアルパカ達と同じ床に着地すると、武器を構えてキメ顔で言い放つ。一人称もさっきと違ってこんな時の特別仕様だ!
「――俺も後から必ず行く!!」
 その声が届いたのか、テレビウム達が駆け出すのが見えたところで、アルパカ達も黙っていられない。
『ええぃ、こんな早々に死にフラグ立てた変な奴に付き合ってられるか!』
『兄貴達は先に行ってくだせぇ! こいつはオイラが仕留めて後を追います!』
 そう言って一匹のアルパカが麗刃をいきなり羽交い締めにした隙に残りのアルパカブラザーズが階段を怒濤の勢いで駆け下りていく。
「あ、ちょっと待つのだ!?」
 じたじた藻掻く麗刃を必死になって抑える弟分マッスル。
 やがて地上に兄貴達の姿を認めると、そのアルパカはふぅ、と手を離して間合いを取った。
『さて、時間稼ぎも済んだところでオイラの筋肉の餌食になりな!』
「揃いも揃って怪しげなマッチョなのだ! しかも人のこと言えない見事な死にフラグ立てやがったのだ!」
『…………』
「……ん?」
『あ゛』
 一瞬の間を置いて弟分マッスルは口をぽかんと開けた。何か心底不安そうな顔。
「お粗末な奴なのだ……気付いてなかったのか」
『き、貴様こそ、後から行くとか言ったが本当に行けるのか?』
「……い、行けるよね? 別に本当に後から行ってもいいんだよね?」
 こっちも不安げな表情。少なくとも、この状況はどっちかの死にフラグが成就しそう。
 とにかく、と見事なボージングで自らの広背筋をアピールしながらアルパカは言う。
『筋肉殺法をお見舞いしてくれる!』
「くそぉ、わたしより目立つとか、腹が立つのだ! 怒ったのだーー!!」
 怒りにより髪が逆立ち、金色のオーラに包まれた麗刃はスーパー変態人へと覚醒を果たす! それを見て、強い存在感に一瞬敵もたじろぐも。
『オイラの筋肉だって負けてねぇ!! うぉぉぉぉぉ!!!』
「ふおぉぉぉぉぉ!!!」
 筋肉と変態が、爆ぜた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーイ・コスモナッツ
ポージングを決めている間は隙だらけ
いま攻撃を仕掛ければ、
容易く勝てそうではありますが、
私にはそのような真似はできません

ポージングが終わるまで、
じっと見つめて待っています
あくまで正々堂々と、
対等の条件でたたかいましょう!

……あっ、終わりました?
ようし、それではいきますよ!
ユーイスラーッシュ!

※【私の騎士道】の発動条件が満たされたことで
 アルパカマッスルブラザーズと同じように身体能力が上昇
 あとは普通に真正面から剣と盾とでたたかいます



「来ましたね」
 先程テレビウム達がいた歩道橋の上までアルパカ達がやってくると、そこにはユーイが待ち構えていた。
『むむ、貴様たった一人か』
『他の連中とテレビウム達は何処に行った!』
「聞かれても教えてやるつもりはありません」
 きっぱと断るユーイ。その表情を見て、アルパカ達は彼女を痛めつけた所で吐露するとも思えなかったらしく。
『やむを得ん。我らも探索力を強化した上で探しに行くしかあるまい』
『兄貴、やりますかいつもの』
 そう言って、弟分は首のもふもふから小型音源とスピーカを取り出し、何やら音楽を流し出した。
『ミュージック、スタート!』
 ぽち。
 ♪♪~~
 音楽に合わせてアルパカ達は流れるような美しくキレてる動作で、その筋肉をひけらかす。始めにモストマスキュラー。上腕を前に突き出すように見せつけ、次にダブルバイセップス、ラットスプレッドと次々と繰り出されるポージング!
 その間はというと、恐ろしい程隙だらけ。今ここで攻撃を仕掛ければ、間違いなく容易く勝てるであろう。
 だが、騎士としての矜持はユーイにそんな卑怯な真似は許さない。
 その間にも、バックダブルバイセップス、そしてサイドチェストを決めた所で音楽が途切れた。
「……あっ、終わりました?」
 ずっとそこまで体育座りをして眺めていたユーイは立ち上がってお尻に付いた砂をパンパンと払う。
「よぅし、それでは行きますよ!!」
 白銀の剣をすらっと抜き、ユーイは真正面から正々堂々と斬りかかる!
『そんなナマクラ刀、我らのパワーアップを遂げた筋肉に通用する……うおっ!!?』
 言いかけたところで一気に切り伏せられるアルパカ一体。想像以上の素早さと威力につぶらな瞳も丸くなる。
 そう、彼女が卑怯な真似をしなかったのは、己の信じる騎士道に従ったもの。その美徳のために不利になったところで、その思いは力となり、彼女の身体能力は明らかに増大していたのだ!!
 隙だらけの状態でポージングを行ったアルパカと同じくらいのパワーアップをしたことで、その力は五分と五分。一方的に負けることはない。
『よろしい、俺様の筋肉と、貴様の騎士道と、どっちが上か勝負しようじゃねぇか!』
 アルパカの一体の心に火が付いたのか、ユーイの斬撃をその上腕二頭筋で受け止める!
 その間に、他の数匹が彼女の横をすり抜けてテレビウム達を探しに駆けだした!
「くっ、待ちなさい! しかし、貴方のその挑戦を受けない訳には――!」
 そう叫びながら、ユーイは剣を引いて数歩下がって間合いを取り、一閃の横薙ぎを放つ!
「食らいなさい、ユーイスラッシュ!!」
『くらえ、メガトンマッスルパンチ!!』
 真正面から、筋肉と騎士道の誇りに満ちたぶつかり合いが今ここに始まった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エレステイル・テイル
ユラくん(f04657)と

地図かぁ。わたげ、どう?わかる?
(ふんすふんすするわたげ、目つきだけは自信満々である)
ユラくんが案内してくれるなら、安心だね!

わあ、アルパカさんだーむきむきだー!
うん……かわいくないね
え、くろくんも出撃拒否!?

ずっとポージングしてるけど、何も受け付けない強いカクゴをかんじるんだよ!
ガジェットショータイムでプロテインっぽい箱を投げつけるよ
これは勝手に動いて逃げるの。
追いかけてくれたらむぼーびになるってすんぽーだよ

わー、わー桜ふぶき、キレイだねぇ、わたげ
りんごで、ぼーんって応援するんだよっ
攻撃がきかないなら、ふきとばしちゃえ!

イライラするときは……ユラくんもわたげどうぞ!


ユラ・フリードゥルフ
エレステイルおねーさん(f14363)と

地図か、単純に考えれば迎えって感じだけど
エレステイルおねーさんは地図苦手なの?
わたげの方が読むんだ…

一応、俺も地図は読めるけど…
どのあたりのだろ、電脳世界を展開すれば分かるかな…

でもま、あれを片付けてからだよね
変なの出てきたし…
あれ、降りる手間かかっている間に、潰せないかな?
リンドブルム投げていい? え? やだ?

なんか変なポーズしてるから一応、ナイフで牽制はして、見る
プロテインっぽい箱って…え、動くのおねーさんそれ!?

あーもう! 何あのポーズ
めんどくさい。灰の棺で一掃する
開け、灰の棺

桜吹雪で喜ばれたら潰したくなるけど、もういい!

ん。おねーさんありがとう


ラビ・ラビィ
…あいつら、おバカラビ?
まあお調子者は戦いやすくて助かるラビ

◆誘導班
戦ってもいいけど…延々増えるの相手にしても無駄ラビ
とりあえず新たな情報にたどり着くのを優先するラビ

ということで、道案内するラビ!
救出したテレビウムのマップデータを分析!
そして【ラビコン・デュプリケイト】でラビコンを増やして
皆を案内させるラビ
追いつかれる前に辿りつくラビ!
「あっちらびー」「こっちらびー」

もしアルパカに捕まる個体が出たらバレないように嘘つかせるラビ
「らびは あくには くっしないらびー!」
「らびたちには たたかうちからは ないらび…」
「うう、あっちだらびー(><)」
(と悔しそうな表情で見当違いな方向を伝えるラビコン)



 アルパカマッスルブラザーズがもたもたしてる間に、ひとまず彼らの見える所から急いで移動したテレビウムさんとそれを守る猟兵達。
「それにしても……あいつら、おバカラビ?」
 ラビは駆けてきた方向を時折振り向きながらド直球な感想を口にする。
「わー、おねーさん容赦ない」
「だって事実ラビ。まあお調子者は戦いやすくて助かるラビ」
 微笑みながらユラが頷き、ラビはひとまず敵が見えないことを確認した。
「でもあれ、降りる手間かかっている間に、潰せなかったかな?」
 そう思い返しながら、ユラは手元にいる銀竜のリンドブルムに視線やると。
 ――全力で首を横に振られた。
「くろくんは?」
 エレステイルも黒い仔竜に問うと、やはり同様に首を激しく横に振った。
 ドラゴンランス二匹も刺さりたくない筋肉怪人達。恐ろしい存在である。
「戦ってもいいけど……まともに相手しても無駄ラビ。とりあえず新たな情報にたどり着くのを優先するラビ!」
 そう言ってラビは同胞たるテレビウムの顔を覗き込む。相変わらず、謎の鍵と謎の地図らしきものが表示されているのを見て、流石のラビもショボーンな表情を己のモニタに見せる。
 表示を見て、ユラは顎に手をあてて首を傾げた。
「単純に考えれば迎えって感じだけど」
「地図かぁ。ねぇ、わたげ、どう? わかる?」
 エレステイルは胸元に相棒である兎の『わたげ』を抱きかかえて画面を見せる。
「おねーさんは地図苦手なの? わたげの方が読むんだ……」
 ユラは呆れるやら感心するやら。見るや、ふんすふんすと鼻息荒いもふもふ兎。目つきだけは自信満々である。
 でも、そもそも兎が理解しても猟兵達が理解出来てないとどうにもならない感。
「一応、俺も地図は読めるけど……どのあたりのだろ、電脳世界を展開すれば分かるかな……」
 ユラは装備する眼鏡よりコンピュータにアクセス。
「お、そっちもやるラビ? こっちもマップデータ解析始めるラビ」
 ラビも同時に演算開始。電脳魔術師二人の手にかかれば、こんなデータおてのもの。
「よし、場所が具体的に解ったかな?」
「ユラくん達が案内してくれるなら安心だね!」
 エレステイルはテレビウムさんの手を取って行こう、と促し。
「ということで、道案内するラビ!」
 ラビは自分にそっくりなラビコンをラビコン・デュプリケイトで複製。ピンクの兎テレビウム・ミニマムサイズがわらわら量産された。
「わー、かわいい!!」
「あっちらびー」「こっちらびー」
 らびらび言いながら、駆けていくラビコン達を追いかけて進み、その後ろにもラビコン配置して追っ手を警戒。目的地に向けて移動を開始した。

『くそ、どこに行きやがった』
『兄貴、あそこになんかいますぜ!』
 やっと追いかけて来たアルパカ達。ピンクのラビコン達を見つけて駆けていく。
『こいつ、大頭頭ズの一人を殺ったピンクのテレビウムに似てねぇか』
『ああ、そうかもしれない。おいお前、鍵のテレビウムはどこにやりやがった』
 一体がラビコンを捕まえて締め上げるも。
「らびは、あくには、くっしないらびー!」
『なんだと?』
 ゆっさゆっさ。首がもげる勢いで揺さぶると、電子音声も揺れ揺れに。
「らびたちには、たたかうちからは、ないらび……」
『なら白状しな。目的のあいつはどこに行った』
「うう、あっちだらびー」
 悔しそうな表情で指をさし答えるラビコン。
『よぉし、行くぞ!!』
 ぽーん、とその場に放り出されるが、通信は途絶えてはいなかった。
 アルパカ達は知らない。そのラビコンは全く見当違いの方向を知らせていた事を。そして会話は全部ラビ本体に伝わっており、彼女から仲間の猟兵に伝わっている事に。

「わあ、アルパカさんだーむきむきだー! うん……かわいくないね」
 小さな広場に導かれたアルパカブラザーズを迎えたのは、エレステイルとユラの二人。
『くそ、あれは罠だったのか』
『まぁ良い。この貧相なガキどもを絞り上げるのみですぜ兄貴』
 ムキッとポージングをキメながら二体のアルパカ怪人は言い放つ。
「うわ、何か変なポーズ……」
 何か凄く圧がある。思わず足を一歩引くユラ。
 でもその格好の間無防備だし、とひとまず牽制代わりにナイフを投げてみるも。
『ふぅん!!』
 がしぃっと。分厚い大胸筋……俗に言う雄っぱいの谷間にて刃を受け止められた!
「……うそ」
 愕然とするユラ。というか、あのナイフ回収出来るんだろうか、とか思考のベクトル行方不明になりかけたその時。
「すごいね! ずっとポージングしてるけど、何も受け付けない強いカクゴをかんじるんだよ!!」
「いや、せめて攻撃くらい受け付けて欲しかった……かなぁ」
 はしゃぐエレステイルと真逆に頭真っ白になりつつあるユラ。
「それじゃ、マッチョなアルパカさんにプレゼントーー!!」
 エレステイルが喚び出し投げつけたのは、何やら箱。
『む……? うをををそれは!?』
『我らの血と肉になりしもの!!』
 目の色を変えたアルパカ達。彼らが見覚えのあるパッケージの箱、その側面にはこう書かれていた。
 PROTEIN(ぷろていん)。
「なに投げつけてるの、おねーさん……」
 頭抱えるユラ。気がついたらアルパカ達が箱目がけて駆け寄ろうとして――箱がすすすっと動いた!?
「これは勝手に動いて逃げるの」
「え、なにそれ」
「追いかけてくれたらむぼーびになるってすんぽーだよ」
 エレステイルの解説通り、アルパカが近付く速度に合わせてどーいう仕組みなのか逃げるプロテインらしき箱。
『待てぇぇぇ我らの聖なる栄養!』
『逃げて筋肉を苛めるとはなかなかやるな!』
 走りながらもバイセップスやらサイドチェストやらのポーズをひっきりなしに決めるその様子に……そろそろユラも限界を迎えていた。
「あーもう! 何あのポーズ!? もーやだもーやだ!!?」
 彼の中の何かが切れたらしい。
「めんどくさい。一・掃・す・る」
 手にしたナイフ複数本を一斉に投げつけ、そして己のユーベル・コードを発動させた。
「開け、灰の棺!!」
 ナイフが宙で散桜と成し舞う。桜吹雪はまるでブリザードの如く、筋肉怪人を呑み込んだ。
「わー、わー、桜ふぶき。キレイだねぇ、わたげ」
 感心しながらエレステイルは胸に抱いた自分の兎にその様子を見せながら微笑む。
『ふぐおぉぉ……!? これは我らを称える花吹雪――』
 がすん。何やら寝言を言って這い出ようとしたアルパカに、エレステイルが援護的に投げつけたリンゴが直撃し、敵は沈黙する。
 やがて、桜に覆われたアルパカ怪人は動きを止めるとそのまま消滅し、花びらだけが風に運ばれて姿を消した。
 全力で消してやると言う意思の元に行った攻撃の威力はハンパなかった代わりに、ユラは軽く肩で息をしているようでもあり。
 そこに、ふわふわのもふもふがそっと差し出された。
「……ユラくんもわたげどうぞ!」
「ん。おねーさんありがとう」
 マッスルは彼にとって悪だったが、ふわもこは正義。ようやっと、イライラが収まりつつあるユラと、それを見てニコニコするエレステイルなのであった。
「そっちは済んだラビ?」
 そこにラビコンを通じてラビからの通信。
「早くこっちに合流するラビ。目的の場所はもうすぐラビ!」
 その言葉に、ラビコンの案内を受けて二人は急行する。地図が指し示す場所へ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『怪人アルパカマッスル』

POW   :    ポージング
自身の【肉体美の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    鋼の筋肉
全身を【力ませて筋肉を鋼の如き硬度】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ   :    つぶらな瞳
【つぶらな瞳で見つめること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【瞳から放たれるビーム】で攻撃する。

イラスト:ヤマトイヌル

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はニィ・ハンブルビーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達がテレビウムと共に到着したのは小さな公園のような場所。
 人工的に植えられて季節の花を咲かせる、お花見をリゾートと化した、そんな桜並木がちょこんと存在する場所。
 サイケな色彩に負けない薄ピンク色に、プロジェクションマッピングがオートで更なる彩りを与える。
「ここが、地図に書かれていた場所なの?」
 そういえばお花見してなかったな、とテレビウムが数歩歩んだところで起きる異変。
「…………」
 突然、画面に鍵を表示したまま、彼のその全身が眩く光り出したのだ。
 猟兵達が声をかけても返事が無い。直立不動のまま、ただ光って動かない。
 きっと、この場所に来たのはそう言うことなのか――。
 その光が止むまで、下手に彼に触れない方がよさそうだ。そう思われた矢先。
『ふはははは!!』
 不敵な高笑いと共に、そいつは現れた。
 ―――既視感しかないシルエットであった。
『ここか、目的の場所とは。だが、まずは我が兄弟達の礼をしなければなるまい』
 今までで一番(上腕筋が)デカいアルパカマッスルの出現。頭を抱える猟兵もいた。
『さぁ決戦だ。我が大胸筋で受け止めてやる。かかってこい!』
 どうやら最後のボスはアルパカマッスル超兄貴が相手となるらしい。
 テレビウムの光はまだ暫く収束する気配も無い。彼が光っているうちは逃げるわけにもいかない。背水の陣とも言えるこの状況に、猟兵達は腹をくくるしかなかった。
宮落・ライア
ヒーローは登場を劇的にしないとね。
近場の高台から【ダッシュ・ジャンプ・空蹴】を駆使し
アルパカの直上に移動。最後に真下に【空蹴】の一回を使い加速。
あとは、重力加速度を乗せた【怪力・力溜め・鎧砕き・衝撃波・グラウンドクラッシャー】を直接ぶち当てる。

暫く筋肉成分はいらないなー。



『さて、誰から我が大胸筋と遊んでくれるかなぁ~?』
 じわじわとポージングしながらムキムキの筋肉を誇示して進むアルパカマッスル。
 そこに、遥か上空より一つの影。
「ヒーローは劇的に登場しないと、ね!」
 宮落・ライア(ノゾム者・f05053)である。広場を囲む高層建築の屋上から跳躍し、向かいの建物の壁を蹴り、アルパカの真上に跳ぶ!
 そして。真下に向けて空を文字通り蹴ると重力以上の加速を加えながら、肉薄した彼女は手にした骨の如き大剣を振り下ろす!!
「ボクの全力持っていけぇぇぇ!!!」
『ぬおぉぉぉっ!?』
 上からの奇襲。だが、アルパカも負けじと腕の筋肉に力を込め、両腕をクロスさせて受け止める!
 ごううぅんっっ!!
 アルパカを中心に地面がクレーター状に抉れて沈下。一撃当てたライアは素早く地面に着地すると、繰り出されるアルパカの剛拳を受ける前にバックダッシュしてその場を離れる。
「暫く筋肉成分はいらないなー」
 と、そんなことを口にしながら。
 まずは猟兵の先制攻撃から、戦いはスタートする。

成功 🔵​🔵​🔴​

大豪傑・麗刃
ふう。厳しい戦いだったのだったがようやっと追いついたのだ……って!
またマッチョが出てきたのだ!?

またわたしは怒ったのだやってもいいのだが、ちょっと疲れたのだ。
なんで刀と脇差(と呼ぶにはちょっと大きすぎる剣)の二刀流で普通に戦うのだ。

とりあえず、ポージングを崩してやるのが肝心なのだ。
相手がポージングをしたら、すぐさま至近距離まで近づく。わたしの個性的な顔は時として強力な武器にもなるのだ。

必殺!零距離鬼神フラッシュ!!

これで相手はポージングどころではなくなる気がするのだ。筋肉を鋼にする技とか、目からビームとかにも対抗できる気がしているのだ。
あとはまあ、立ち合いは強く当たってあとは流れでって感じで。



「ふう。厳しい戦いだったのだったがようやっと追いついたのだ……って!」
 死にフラグは見事に回避し、相手に押しつけてきた麗刃は、やってくるなりアルパカさんおかわり状態に目を丸くする。
「またマッチョが出てきたのだ!?」
 うん、またなんだ。すまない。
 流石にこうマッチョが続くと、麗刃の怒りの覚醒も続かないというかちょっと疲れたので、刀と大脇差の二刀流の構えで彼は対峙する。
『む、我が兄弟を倒せし猛者の登場か。これは血肉がたぎる』
 そう言ってモストマスキュラーを決めて上半身の筋肉を誇示し始めたアルパカに対し、麗刃はその隙を見逃さない。
「そのポージングを崩してやるのだ……!!」
 至近距離に一気に詰め寄る麗刃。その余りにも個性的な顔は、時として強力な武器となる。
「必殺! 零距離鬼神フラッシュ!!」
『ぶっほぉぉぉっwww』
 キマフュ的に言うと大草原不可避な渾身の変顔が炸裂し、アルパカの腹直筋(シックスパック)に多大なるダメージをもたらした。
 ただでさえ面白い顔してるのに、変顔されたらどんな威力になるんだろう。間近でしか見れなかったそれが、周りの猟兵達は気になって仕方ないレベルだが。
 当の麗刃本人は、この技を繰り出す事で己の自尊心にも後からダメージを受けるという諸刃の剣。
「って、いつまで笑っているのだぁぁぁ!!!?」
 少し顔を赤らめながらも、麗刃は腹筋崩壊しっぱなしのアルパカに追い打ちで顎から思い切り蹴り上げたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リステル・クローズエデン
バイク『プロト・コメット』に騎乗し乱入する。

「アルパカブレイク!」
視力+見切り+第六感で行動を見切り
ダッシュ+ジャンプ+騎乗+運転+吹き飛ばしで
『プロト・コメット』体当たりを行う。

うまく命中したり、躱された場合は再度攻撃を
受け止められたらその状態で
【呪炎武装】属性攻撃+吹き飛ばしで発動
バイクの前輪が赤きオーラに包まれ。炎となる。
「呪炎武装には、こういう使い方もあります。燃えろ!」

さらに、鎧無視攻撃+属性攻撃で【呪炎武装】刀にオーラを纏わせ
筋肉の鎧を貫きます。

相手の攻撃はオーラ防御で防ぎ。見切りと騎乗などで回避する

戦闘後、すぐさまその場を離れます

戦闘後は、バイクに騎乗し、すぐにここから去ります



 やっと笑いの発作が収束しつつあるアルパカマッスル。
 だがそこに――。
「アルパカブレイク!!!」
 どごぉぉぉっ!!!
 いきなりやってきた宇宙バイクに轢かれたアルパカ。リステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)の騎乗する灰色の流星、プロト・コメットである。
『き、貴様!! 我は筋肉の鎧があったから無事なものの……交通ルールは守れ!!』
 無法者がどのツラ下げて言ってるのかと言う問題もあるが、前輪の下敷きになり、何とかそこから逃れようとする怪人。
 だが、リステルの攻撃はこれで終わるものではない。
 エンジン全開。ギュルギュルと回転を再開した前輪は赤きオーラに覆われそれは炎と化した!
『あつ、あつつ!!?』
「呪炎武装には、こういう使い方もあります。燃えろ!」
 ボッ。アルパカの首回りのふわもこ部分に着火。余りの熱さにその場をごろごろ転がって火を消そうと藻掻く怪人。そこに、バイクから降りたリステルが素早く歩み寄り。
「更にこうです!」
 刀に炎を纏わせて筋肉の鎧に突き刺す!!
『おがぁぁぉっっ!!??』
 防御無視の攻撃は余りに強烈で、文字通り焼ける痛みでまだごろごろ転がっているアルパカ。
 そして、それを尻目にリステルは再びバイクに跨がると、何事もなかったようにそのまま走り去った。
『な、なんだったんだ今のは……』
 まだ頭に炎燃えてるアルパカは呆然とそれを見送るしかなかったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィロメーラ・アステール
「おのれ怪人! これ以上やらせないぞ!」
鍛えられた大胸筋を誇示したいようだが!
どんなに鍛えても敵わないものがある!

それは大宇宙の神秘だー!

異論があるなら受けてみろ!
などと【パフォーマンス】に乗せて真っ向勝負に持ち込むぜ!

【成層圏・重力隕石落とし】を発動!
重力波の【全力魔法】を込めた【踏みつけ】攻撃!

おっと、このままでは周囲の地形を破壊してしまう!
特にお花を吹き飛ばすのはよくないな!
【オーラ防御】展開!
周囲へ分散しようとする【衝撃波】を封鎖し、収束!

その結果、敵にさらなる負荷がかかるかもしれないけど!
これを耐え切ればもっと筋肉をアピールできる!
がんばれー! と【鼓舞】して、回避を封じてしまおう!



 戦場への乱入者は更に続く。
「おのれ怪人! これ以上やらせないぞ!」
『むむ、その声はどこだ!?』
 キョロキョロと声の出所を探すアルパカだったが。
「ここだ!! その円らな瞳は節穴か!!」
 フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)はその小さな身体から大きな声を張り上げてアルパカの前に躍り出る!
「鍛えられた大胸筋を誇示したいようだが! どんなに鍛えても敵わないものがある!」
『ぬぬ……? それは一体……?』
「それはな――大宇宙の神秘だー!」
 ……。
 …………。
 ………………。
『はい?』
「異論があるなら受けてみろ!」
『いや我には意味わかんないし!』
 脳筋に通じる話でもなかったらしく。ダブルバイセップスをキメながら平然と開き直る怪人。
「まぁ、いい。我が必殺の宇宙の一撃を受けよ!」
 そう言ってくるっと宙に舞うと、そのままアルパカの分厚い大胸筋目がけて飛ぶ!!
「成層圏! 重力隕石落とし!!」
『ぐおぉぉぉっっ!!』
 両腕をクロスしたその隙間に、フィロメーラの足先が食い込む!
 重力波に穿たれる大胸筋。彼女の大きさは小さいながら、その勢いは広場の地面に敵を中心に第二のクレーターを作るほど。
『ぐうぅぅ……こんな攻撃跳ね返して――』
「この攻撃を耐えきればもっと筋肉をアピール出来る! がんばれ!」
『なぬ!? ぬおおおおおおおおお!!!!』
 無駄に耐える分、重い衝撃が長時間続くという事に怪人は気付いてない模様。
 また、その衝撃で周囲の桜の花びらがぶわっと舞うのを見てフィロメーラは一瞬顔をしかめた。
「おっと、このままでは周囲の地形を破壊してしまう!」
 そう言って彼女は力を抜いてタンッとアルパカの胸板を蹴って後ろに下がる。
 地形は今更心配する必要は無かった。
 だって……先にクレーター一個出来てたのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

エレステイル・テイル
ボスのアルパカさん……?
アルパカさんのボス……?
どっちでもいいけど、テレビウムさんは守りきってみせるよっ!

だいきょーきんは、えんりょするんだよ。
ドラゴニアン・チェインで、ちゅどーんってやって、アルパカさんをこうそくするよっ。
オーラの鎖でぐるぐるーってまけば、ごじまんの筋肉見えないんだからね!
みんな! いまのうちに!!
??
……空とんでる気が……あれ、もしかして、ボクのたいじゅうかるすぎ……?

えっと、あとはりんごでたたかうよ。
ところでアルパカさんは草食なのに、どうやって筋肉きたえたのかな?
やっぱりプロテイン?

テレビウムさん、だいじょうぶかな?
どうおもう、わたげ?
え?
うん、えいぞうの桜、きれいだねー



 そこそこ激しいアルパカさんリンチが行われている間、エレステイルは心配そうに光るテレビウムを見つめていた。
「テレビウムさん、だいじょうぶかな? どうおもう、わたげ?」
 兎のわたげを胸に抱いてその顔を覗き込むと、わたげはきゅうぅと鳴いて上を見上げた。
「――え?」
 ひらひらと舞い落ちる桜の花びらに、プロジェクターから発せられる彩りがとても鮮やかで。
「うん、えいぞうの桜、きれいだねー」
 ニコニコと見つめていたその視界に。白い毛にプロジェクターの光を浴びて色鮮やかに彩られたアルパカマッスルがサイドチェストを披露する姿。
『我が筋肉も負けずと美しいと思うのだが、如何かなお嬢さん』
「ボスのアルパカさん……アルパカさんのボス……?」
 色々攻撃を受けつつも何とか振り切った上で目標近くまで肉薄(物理)してきたアルパカの姿に、エレステイルはテレビウムさんを庇うように立つ。
「どっちでもいいけど、テレビウムさんは守りきってみせるよっ!」
『宜しい。我が大胸筋がお相手しよう!』
「だいきょーきんは、えんりょするんだよ」
『ふむ、では大腿四頭筋が代わりにお相手――』
「そっちもえんりょ!!!」
 少し悲痛な声を上げながら、エレステイルはアルパカに向けてオーラの攻撃を放つ!
「ちゅどーん!!」
『ふおぉぉっ!!』
 ドラゴニアン・チェインが命中し爆発。そしてオーラの鎖はアルパカをぐるぐる巻きに拘束する!
「どう? これでごじまんの筋肉見えないんだからね!」
 今のうちにみんなで倒そう。そう言いかけたエレステイルだったが。
『うをををををっっっ!!!』
「!!??」
 気がついたら視界が天地逆さになっていた。上に地面があって、下に空が見える。
「……空とんでる気が……あれ?」
 もしかして――。
「ボクのたいじゅう、かるすぎ……?」
 なんということでしょう。オーラの鎖に拘束されたアルパカはその馬鹿力で逆にエレルテイルを振り回して遠心力で吹っ飛ばしたのだった。
「あーーれーーー?」
 ぽてん。近くの低層建物の屋上に何とか落っこちてきたエレステイル。
『ふんぬ!!』
 しかも鎖を筋肉で引きちぎって脱出してるアルパカさん見えるし。
「もー!! ばかー! ばかー!!」
『わ、こら、りんごを投げるな』
 屋上からぽいぽいとりんごをぶつけるエレステイル。アルパカさんは草食なのにどうやって筋肉きたえたんだろう、と疑問は尽きない。
「プロテインでおびきよせればよかったのかな」
 屋上より更にりんごを投げて次の仲間の攻撃まで牽制を続けるエレステイルなのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユラ・フリードゥルフ
ふぅん、あれがおっきなアルパカマッスル。
へぇ、ふぅん
……よし、潰そう。完膚なきまでに潰そう

テレビウムのおにーさんに手は触れさせないよ
庇うように前に立って
ナイフ程度じゃあの筋肉に阻まれるのは理解したし

今度はいくよリンドブルム
竜騎士の槍を構え、攻撃を
肉体美の誇示の為に、あのポーズするっていうなら
そのポーズが誇示にすらならなかったらどうかな?

俺の力とリンドブルムの力
届かせるよ

槍で串刺しになった気分はどう?
銀の竜の炎で焼き尽くしてやるよ

…突き刺さった槍と炎を逆手にとってポーズ取られたら…
うん、もう一回投げよう
強化されたって、めげないし

ここまで来たんだ。
逃げないし、守りきって見せるよ

アレンジ歓迎



「ふぅん、あれがおっきなアルパカマッスル」
 食らったりんごを一つ受け止めてモシャモシャと反芻して食らいながら再びテレビウムの近くにやってくるアルパカを見つめながら、ユラは呟く。
「へぇ、ふぅん」
 その声には既に感情らしきものは籠もってない。
「……よし、潰そう。完膚なきまでに潰そう」
 即決。もう筋肉はお腹いっぱいですと言わんばかりである。
 テレビウムはまだ光ったまま動かない。彼を守れるのは自分達だけだ。
「悪いけど、テレビウムのおにーさんに手は触れさせないよ」
 迫る怪人から庇うように前に立ってユラはその手に竜騎士の槍を携える。
 ナイフ程度ではあの筋肉に阻まれるのは先程理解した。というか、あんな光景もう見たくない。流石にドラゴンランスである銀竜も腹をくくったのか、今度は戦闘拒否はしなかった。
「今度はいくよ、リンドブルム」
 竜槍を構え、勢いよく放つ。怪人がその肉体美の誇示をする前に。そのポーズが誇示にすらなる前に――!!
「俺とリンドブルムの力、届けぇっ!!」
 普段は冷静沈着に見えるユラが、熱く叫んだその一撃と思いは、アルパカマッスルの分厚い大胸筋を貫いた!!
『ぐ、はぁっ!!?』
 そこまで猟兵達に受け続けたダメージは、鍛えられた筋肉に多大なる疲労を与えていた。
 回復して更に大きくする時間など、もはや与える道理も無い。
「リンドブルム、焼き尽くせ!!」
 銀の竜の吐き出す炎。それは筋肉の内側から怪人を苦しめる!
「ここまで来たんだ――」
 ちらとユラはテレビウムの方を見、微笑む。
「おにーさん。俺は逃げないし、守りきって見せるよ」
 あと、もう少しで、この戦いも終わる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーイ・コスモナッツ
SPDな剣攻撃で【鋼の筋肉】に挑みます、
いざ勝負!
……むむ、敵ながら見事な耐久力です

それでは私も奥の手を
反重力シールドに乗って、
ユーベルコード【流星の運動方程式】を起動!

動けないアルパカマッスルの体を、
よいしょ!と抱え上げて、
そのまま一緒に上空へ

加速をつけてどんどん上昇、
もっともっと上昇、
まだまだ上昇

ほら、皆があんなに小さく見える
この高さから落ちたら、
例えダメージは受けなくても、
たぶんとんでもなく怖いですよ?

【鋼の筋肉】を解いて攻撃しようなんて考えないほうが良いですよ
暴れたら、その瞬間に真っ逆さまですから

大人しく降参すればよし、
さもなくば……なんて脅かしてみようかな



 そう、あと少し。怪人・アルパカマッスルのダメージは大分蓄積を見せている。
「いざ勝負!!」
 ユーイは勝機を見逃さない。剣を手にして素早く駈け寄り、敵目がけて鋭い斬撃を浴びせるも。
『ふぅん!!』
 これ以上のダメージは危険と見たか。アルパカは全身を力ませ、己の筋肉を鋼の硬度に変えて耐える策に出た。
『効かぬ、そんな細腕の攻撃、我には効かぬぞ!』
「……むむ、敵ながら見事な耐久力です!」
 後ろに下がって距離を置いたユーイは、装備していた反重力シールドの上に飛び乗り、そしてユーベルコード『流星の運動方程式』を起動した!
「ブースト・オン! よいこらしょと」
 鋼の筋肉を保っている間は動けないアルパカのその身体、戦闘力を増強したユーイに抱え上げられぬことはなかった。
 そして――彼女と怪人はシールドに乗ってそのまま上空に滑空したのだ!!
『な、に……!? 貴様、一体何を!?』
「まだまだ! 更に、更に高く!!」
 加速をつけてどんどん上昇する二人。もっともっと、まだまだ――そして。
「ほら、皆があんなにも小さく見える」
 上空数百メートルで済む高さなのだろうか。かろうじてあのテレビウムの輝きが見えるその高さ。流石の怪人も余りの高さにプルプル震えている。
「この高さから落ちたら、例えダメージは受けなくても多分とんでもなく怖いですよ?」
『ひぃぃぃ……』
「鋼の筋肉を解いて攻撃しようなんて考えない方が……って、あれ?」
 既に力む余裕もなく、とっくに怪人の強度は通常に戻っていた。
「大人しく降参すればよし。さもなくば……」
『――降参など。此処に至るまでに散った兄弟達の無念、裏切る訳には』
「そうですか……仕方ありません」
『またいずれ蘇ったら会おう、猟兵(イェーガー)達よ』
「あっ!?」
 怪人は己からユーイの腕より逃れ、そのまま地上に落下していく!
 重い筋肉は速度を増しながら地面に直撃! 小規模の爆発が発生し、広場に三つ目のクレーターを生みだした。
 急いでユーイが地上に戻ってきたその時には。既に怪人は爆発四散したのかその姿は綺麗さっぱり消滅していたのだった。

 ――。
 ――――。
 ――――――。

 光が収束する。
 テレビウムの輝きは薄れ、彼はハッと意識を取り戻した。
「あれ? ボクは一体……?」
 その顔に写されたのは可愛い困った表情。先程まで映っていた鍵の姿形はもう見当たらない。猟兵に貸して貰った鏡を見て、自分の表情が取り戻された事に一安心のテレビウムはニコッとした表情を見せた。
「ありがとう、猟兵のみんな! おかげで助かったし、友達に自慢出来るよ!」
 あれだけ危険な目に遭ったのに、自慢出来ると言う言葉が出てくるのが、流石キマイラフューチャーのお気楽なところなのだが。
 だが、そこに突然。周囲の建物から発せられるかのような音声がその場に響き渡った。

「――システム・フラワーズより緊急救援要請」
「――――全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」

「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」

 ――異変は、まだ終わらない――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月30日


挿絵イラスト