テレビウム・ロック! ~ムキ★ムチ パラダイス~
●あの仮面はちょっと
「……は!?」
サイバァでポップなキマイラフューチャーのとある一角にて、一人のテレビウム青年が驚きの声を上げた。
「ぼ、ぼくの美しい顔が!」
どうやらナルシストテレビウムさんのようだ。己の顔の画面をペタペタ触りながら、恐れおののくテレビウム。名はビューティーさん、25歳男性。
そんなビューティーさんの顔には今、でかでかと鍵のような映像が浮かんでいる。
「い、嫌だ! 僕のあの高画質で美しい画面(個人の感想です)を返してくれ!」
膝から崩れ落ちるビューティー。
そんなビューティーに忍び寄る影、影、影。
「……あぁ、誰かわからないけれど、僕のことを慰めてくれるんだね……!」
喜びの涙……かどうかよくわからない汁を拭いながらビューティーが表を上げる、と。
「……ななななななんなんだ君達はーーーーっっ!!」
目の前に現れたのはおびただしい数の妖しい仮面達。
ふよふよ浮きながらビューティーへワラワラと向かってくる。
そして仮面の瞳部分から放たれる妖しい光線が。
「ひょおおっ! 僕を狙ってのかい!? 顔は、顔は止めて!」
かくしてビューティーは仮面に狙われることとなった。
●じゃあ素顔がどうなのか気になる
「と、いうわけで。自分に自信のあるテレビウムさんを救っていただきたいのです、ふふ!」
明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)がソワソワと猟兵達へ願いの声を上げる。
「キマイラフューチャーの街中を出鱈目に逃げるテレビウムさんのすぐそばに転送させていただきます。お手数おかけいたしますが、テレビウムさんを護りながら仮面を撃破していただければと思います」
とはいうものの、ちょっとやそっとじゃテレビウムも倒れることはないだろう。戦いに専念しても問題ない。
「一体何が起こっているのか……私もわかりかねております。何卒、あのテレビウムさんも救っていただけますと幸いです」
よろしくお願いいたします、と明智は深々と頭を下げた。
あけっちあ
はじめまして、こんにちは。
あけっちあと申します。
春のテレビウムさん祭り、せっかくなので乗っかってみました。
4/30までの完結目指して楽しみながら執筆させていただきたいと思います。
全体的にゆるっとネタ寄りな雰囲気でお送りしたいです。
第1章はテレビウムを追う謎の仮面達を蹴散らしていただきます。
第2章も集団戦。第3章はボス戦となります。
テレビウムさんの名前は『ビューティー』さん。
ナルシストなだけで敵ではありません。
名前長いので『アレ』とか『被害者』とでも略していただければ。
成功青丸7個ということでサクサク返せれば、と思いつつ。
何卒よろしくお願いいたします!
第1章 集団戦
『邪悪な仮面』
|
POW : 怪光線
レベル×5本の【闇】属性の【光線】を放つ。
SPD : 闇影の鎖
【自身の影】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
WIZ : 暗黒の力
予め【邪悪なオーラを纏う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
イラスト:夜月蓮華
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●逃げるテレビウム、追う仮面
「え、ちょ、何あれ? 黒?灰色?僕の美しい顔に仮面は不要なんだよ、うわぁー!」
パタパタ走り逃げるテレビウム。追う仮面たち。
「や~ぁぁめてぇぇ~」
泣きそうな25歳である。
榎・うさみっち
予知を聞いていつぞやの河童を思い出したとかなんとか
よっしゃ今回も俺の華麗な技でボコボコに…
え、そいつは敵じゃないって?
待て待て待てーぃ!!
という叫び声とともにヒーローっぽく現れるは
【あいとせいぎのうさみっちレンジャー】!
俺の前でこれ以上の悪事は許さないぜ!
ずらっと並んでポーズを決めつつ参上!
それにしてもこの大量の仮面きもちわるいな
こんなん夜に現れたら俺泣いちゃうぜ
怖気づきつつ気合いで突撃ー!
ヒーローっぽくパンチやキックやチョップしたり
1人が押さえ込み1人がエルボー決めたりと連携も
トドメはうさみっち戦隊スーパー合体!!
全員が連なり、1体の巨大なうさみっちのシルエットとなる!
正義の鉄槌、喰らえー!
●ぶーん、ぶーん、と近付く影
ピンク髪を揺らしながら現れた、一人の愛らしいフェアリー。
その鮮やかながらも深みのある蒼い瞳をキッと細めるのは、榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)。
敵達を見据え
(よっしゃ、今回も俺の華麗な技でボコボコに……!)
と気合をいれてググッと両の拳を強く握り、そして敵の前へと踊り出た。
「待て待て待てーぃ!!」
その声に、敵達がその進みを止めた。
「だ、誰だいっ!?」
テレビウムのビューティーが安堵の声を上げる。
「俺の前でこれ以上の悪事は許さないぜ! とぅっ!!」
とうっ、っと言いながらもジャンプでなくスイーーッとテレビウムと仮面達の間に立ち塞がるうさみっち。
その姿はピチッとした伸縮性のありそうなスーツ姿に、愛らしいヘルメット。
色はうさみっちカラーのピンクである。ちなみにミニスカだ。
「あいと!」
うさみっちがそう叫べば
「せいぎと!」
もう一人、うさみっちが現れた。
カラーリングはピンクではなく、レッドである。そしておでこには『1』と書かれている。
「ときめきと!」
更に現れし、ホワイトカラーのうさみっち。やっぱりおでこには『1』と書かれている。
「ゆめと!」
「……いつまで続くのかな?これ」
テレビウムの額に汗が伝う。そうこれはうさみっちのユーベルコードである『あいとせいぎのうさみっちレンジャー』の力。
「えーと、現時点で俺含めて34人になるな」
続々と入場してくる様々な色のうさみっちレンジャー達。
ちなみに今は『金と!』と言いながらゴールドカラーのうさみっちが入場してきている。
敵の仮面達もテレビウムも、固唾を飲んでうさみっちの入場を見守る。
ヒーロー&ヒロインの入場時はノーモア攻撃!そんなお約束を守っている模様。
そして、遂に34人目の玉虫色うさみっちが登場し、各々がポージング!
「我ら、うさみっちレンジャー! 敵は容赦なく泣かしてやるぜ、夜露死苦!」
バァン!と背中でカラフルな砂煙が舞ってるが、もう混ざりすぎて何色と言っていいかわからない。
えーと、じゃあもう戦っていいんですかね?と仮面たちが顔を見合わせた後
「ぐおおおおお!!」
と一斉に仮面がうさみっちへ向かう!
「うわ、この大量の仮面きもちわるいな」
若干敵に引きつつも、本体うさみっちピンクが向かってくる仮面を回し蹴りすれば、吹っ飛んだ先で待ち構えていた冷静キャラのうさみっちブルーが仮面にエルボーを喰らわせて叩き割る。
うさみっちブラックはニヒルな表情で仮面を膝蹴りし、と34色のうさみっちは各々仮面達を叩き割り、その実力を見せている……と思いきや
「な、なんで僕をっっ!」
ゴールデンうさみっち、テレビウムを敵と見誤っていたり。
まぁその、どっかのナルシスト河童と戦ってくださったこともありますから仕方ないですよね!
そんなゴールドをテレビウムから引き離すうさみっちブロンズ。そしてうさみっちフォレストグリーンは仮面の怖さにメソメソぴゃああ、と泣いている。そんなフォレストグリーンを慰めるうさみっちベージュ。
そんなうさみっち劇場が繰り広げられる中で
「あー、なんかキリがなさそうだぞ! みんな、あつまれー!」
ピンクうさみっちが声を上げれば、ワラワラぶーんぶーんと33体のうさみっちが集まり……
「トドメはうさみっち戦隊スーパー合体!!」
うさみっち達が連なり重なり……その額の数字が2、3、6、と増えていく。
そして現れたのは
『ジャイアーーント、うさみっちーー!!』
決してロボではない。もの凄く大きいうさみっちである。
「いっけぇー!!」
うさみっちピンクがピシッ!と指揮を取れば
「正義の鉄槌、喰らえー!」
大きなうさみっちが振るった鉄槌により、仮面たちは粉々に消えていくのだった。
「よっしゃー、まだまだ行くぜーー!!」
うさみっち戦隊の攻撃は、まだまだ続く……!
To be continued……!
大成功
🔵🔵🔵
■CM
お陰様で、仮面達をぶっ叩く猟兵が続々と集まった!
さぁ、第2章までしばし待たれよ…!
※お陰様でご参加者様にお集まりいただきましたので、1章の受付を終了とさせていただきます!
リプレイ完成まで少々お待ちくださいませーー!
桜雨・カイ
アドリブ連携歓迎
高画質で美しい画面…「イケメンさん」という事ですね
つまり仮面がビューティさんの顔に取り憑き自分もイケメンになりたいという事でしょうか?(大まじめ)
何はともあれ無理矢理はダメです。なんとかして仮面を止めないと
見つけたら【念糸】で編んだ網を張り巡らし仮面の接近を抑えます
人の顔に張り付いてもあなたはビューティさんにはなれません、
あなただって、立派な三つの目と迫力あるオーラがあるじゃないですか(大まじめ)
でも邪悪な光線はだめです!
攻撃が来るなら【破魔】の力を込めた【花嵐】とで仮面を攻撃します。
ビューティーさん、顔を心配してましたが大丈夫ですか?
もし怪我があるようなら【聖痕】でなおします
アレクシス・ミラ
アドリブ歓迎
一度、ビューティー殿から仮面を引き離さないと
【天星の剣】を仮面の行く手を阻むように降り注がせる
君!早く此方へ!と彼に手を伸ばす
助けに来たよ。もう大丈夫だ。安心させるように声をかけ
君を安全な場所まで護衛しよう
それまで、僕達から離れないで
…勿論、君の顔(画面)に傷一つ付けさせないよ
さあ、走って!
彼を守る事を優先し、近づけさせないように【天星の剣】で狙い穿つ
オーラを纏っている敵には優先的に狙う
近づかれたら伏せさせ、「なぎはらい」による「衝撃波」で「範囲攻撃」
攻撃にはマントに「オーラ防御」を纏わせてマントで防ぐように「かばう」
大丈夫、僕の事は動く盾だと思ってくれ
騎士として、守ってみせよう
瀬名・カデル
アドリブ歓迎
テレビウムのお兄ちゃんを助けるよ!
あのお兄ちゃん、あっちこっちふらふらしてるから追いにくいよぉ、うう、こっちかな?
こらー!仮面さん達そのお兄ちゃんをいじめちゃ駄目なんだよー!
羽で飛んでいきながら、テレビウムさんと仮面の間に割り込むよ。
沢山の仮面さんを相手にするなら、【鈴蘭の嵐】を使って攻撃!
それでも倒れなさそうな相手にはアーシェと一緒に戦っていっこずつ倒していくね。
無事にあのお兄ちゃんは助けられるかなぁ?
●立ちはだかる勇士達
「ひぃぃ、なんだかすごい……!」
愛らしいフェアリー猟兵のド派手でパワフルな闘いを見守りながら、相変わらず逃げの姿勢のテレビウム、ビューティー。
路地を懸命に走り逃げるも
「うわぁあああ!」
頭上から飛んでくる仮面達の姿に、思わず顔を覆った。その時
「こらー!仮面さん達っ! そのお兄ちゃんをいじめちゃ駄目なんだよー!」
愛らしい声色が通りに響く。声をした頭上へ首を向ければ、ゆっくりと落ちてくる天使の羽。そして
「んもー、あっちこっちふらふらしてるから追いにくかったよ、お兄ちゃん!」
愛らしく艶やかな頬をぷくっと膨らませて。柔らかな白い羽根を持つオラトリオ、瀬名・カデル(無垢なる聖者・f14401)が地へと降り立った。
こんな愛らしいお嬢さんに『お兄ちゃん』呼びしてもらえるなら今日は最高の日なんじゃないかな?とか思っているテレビウムは余所に
「いっくよー!!」
カデルの聖痕が更に光り輝き、ユーベルコード『鈴蘭の嵐』による効果で美しくも鋭い刃となり、迫る仮面に攻撃を加えていく。
天使から放たれる美しい光に見惚れそうになるビューティーだったが
「君!早く此方へ!」
凛とした声が響いた。
振り向けば、そこには美しく輝く金色の髪、そして澄んだ湖のような蒼い眼差しを持ったアレクシス・ミラ(夜明けの赤星・f14882)が手を差し伸べていた。その表情は真剣ながらも、追われるテレビウムを安心させるように口元に柔らかな笑みを浮かべている。
(これが本当の王子様か……!)
ビューティーが目頭を押さえる。そして、アレクシスの手を取ろうとした瞬間
「失礼するよ」
アレクシスの手を掴むより早く、アレクシスがテレビウムの手を掴み。グイッ
、と引っ張った。テレビウムはアレクシスの胸に抱かれる形となり
「星を護りし夜明けの聖光、我が剣に応えよ!」
素早くアレクシスが詠唱すれば、テレビウムに突撃せんとしていた仮面達に次々とユーベルコード『天星の剣』による光の剣が刺さっていく。
100本以上の刃に倒れいていく仮面たちだったが、それでも後から後から湧いてくる仮面達。
「思っていた以上に敵は多いみたいだね」
カデルが地上に降り立ち、鈴蘭の嵐を更に発動する。
「そのようだ」
カデルの言葉にアレクシスは頷いた。
「でも、もう大丈夫だ。僕らは君を助けるために来たんだ」
胸で護っていたテレビウムを背に回し。アレクシスは柔らかに言葉を紡いだ。
そこに、新たな声が重なった。
「つまり……仮面がビューティさんの顔に取り憑き、自分もイケメンになりたいという事でしょうか?」
シュタッ、と姿を見せたのは和の装いに身を包んだ桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)の姿。大真面目な表情で向かってくる仮面達を見据えている。
カイの隣にはカイト同じ背格好のカラクリ人形が。
彼もまた、カイ同じく小首を傾げている。
更に現れた猟兵の姿にテレビウムは安堵の表情を見せながら
「多分……そうだと思う」
ナルシストテレビウムさんも大真面目な声色で頷いた。
「どんな想いはあれど、無理矢理はダメです。ここで止めてみせますっ!」
一気に増えた猟兵に向かって、仮面達が更に数を増やし猛攻撃を仕掛けてくる。
しかし、仮面それぞれの個体の戦力は微々たる模様のようで。
カイが張り巡らせた念糸に捕まり、またカイの意思によって動く糸により仮面は真っ二つに割られ。またカデルの鈴蘭の花弁やアレクシスの剣技によって易々と斬り伏せられていく。
「行くよ、アーシェ!」
アデルもパートナーである黒髪の人形、アーシェと共に戦場で舞うように戦いを続けている。
そんな中、仮面が近づいてきては「ヒィィ~!」だとか「僕の美しい顔に傷はつけないでぇぇ~!」などと叫ぶテレビウム。
「もー、お兄ちゃん落ち着いてよ」
カデルが呆れたように唇を尖らせる。こちらが優勢なのは見て分かる。が、それでも闘い慣れていない一般テレビウムにとっては脅威としか言いようがない。
「だって、僕の顔に何かあったらぁぁぁ」
「場所を変えよう。ビューティー殿、僕から離れないで」
アレクシスがビューティーの手をそっと握り、道を示す。
「勿論、君の顔に傷一つ付けさせないよ」
そう言い、片目を閉じてウィンクするアレクシスにビューティーの顔がトゥンク、と赤らんだとか。
「さぁ、走って!」
「は、はぃいいっ!」
王子様に助けられる気持ちを味わうビューティーだったとか。
「人の顔に張り付いても。あなたはビューティさんにはなれません」
カイが諭すようなな眼差しで仮面を見やる。
その言葉にたじろぐ仮面。「いや、俺別にあの顔になりたいわけじゃねーし!」とツンデレなのか、本当に嫌がっているのかは正直よくわからないです。
だが、生真面目なカイさんは熱を帯びた口調で更に仮面に問いかける。
「あなただって、立派な三つの目と迫力あるオーラがあるじゃないですか!」
カイが仮面に向かってビシィッ!と指を差す。サラリと一本に結った黒髪が揺れた。勿論からくり人形なカイさんも仮面をビシィッっと指差している。
そんな2人の様子に「え、俺もっと自信を持ってもいいのかな……!」などと仮面が困惑したとかしないとか。
いやいや、何敵に諭されてるの!と仮面会議がワチャワチャされてるかと思いきや「いやとにかくテレビウム狙うのだー!」と仮面の一団がカイへと向かってきた。
「やっぱり相容れないのですね、残念です……」
少しだけ憂いを帯びた眼差しを見せるカイ。
「……桜のように、舞い散らします」
普段は温和な青の眼差しにキッと力を込め。仮面の集団へと手を向ければ。
急に、キマイラフューチャーの街角が華やいだ。
カイによるユーベルコード『花嵐』によってカイの武器が麗しい桜の花弁へと変化し、仮面断ちに鋭さと共に舞い狙う。
そんなカイの攻撃に
「桜吹雪と鈴蘭の競演だよ!」
カデルもユーべルコードを発動させ。美しく危険な花弁が仮面達を刻み付け、そしてその花弁と共に舞うように攻撃を仕掛けるカイのからくり人形と、カデルのパートナーのアーシェの姿。
美しい花弁と人形達の舞に見惚れ落ちるように、仮面達は身を崩し地へと堕ちるのだった。
「皆の力でだいぶ仮面は減ったようだ」
今、アレクシスはテレビウムをお姫様抱っこしている。彼を守ることを優先した結果である。他意はない。
それでも空いた手で剣を振るい、マントにオーラを纏わせて敵の攻撃を庇う様はまさに王子であった。
「この辺までくれば大丈夫だろう」
そっとアレクシスがテレビウムを下ろす。
あれだけいた敵も、カデルやカイ、そしてフェアリー戦隊の力で片付いたようだ。
「はっはっは、流石の敵も僕の美しさは壊せなかったようだね!」
安堵からか、また軽口を叩きだすテレビウム、に。
「危ないっ!」
アレクシスがテレビウムを咄嗟に伏せさせた。
影に紛れて近づいてきたぼろぼろの仮面が、最期の力と共にオーラを纏い体当たりをしかけ突進してきたようだ。
だが、その軌道はアレクシスにとっては容易に見えるものであり。
事もなげにアレクシスが刃を返せば、仮面は二つに割れポトリと地に落ちた。
「大丈夫、僕の事は動く盾だと思ってくれ。騎士として、守ってみせよう」
凛々しくも柔らかな表情を見せるアレクシスに、またしても頬を赤く染めるテレビウムだった。その前にその軽口を直せ。
「ご無事でしたか、ビューティーさん!」
「お兄ちゃん、怪我はない?」
カイやカデル、そしてぶーんぶーんと猟兵達が集った。
「ビューティーさん、顔を心配してましたが、大丈夫でしたか?」
怪我があれば聖痕で治療を……とカイがテレビウムの顔を覗き込んだ。
「……あれ?」
カデルが声を上げ、首を傾げた。
「えっ、な、なんだいっ!?僕の顔に何かあったのかいっ!?」
慌てふためくテレビウムに
「鍵の映像ではなくなっているようですね……。今度はやじるし、でしょうか?」
カイが首を傾げれば、サラリとした黒髪が揺れ。
「……どこを指しているのだろう」
アレクシスが腕を組み、ふむと考える。
このままここに留まっていても、事態は変わらないだろう。
そう判断した猟兵達は、とりあえずテレビウムの顔に映る矢印の指し示す方向へと向かって行くこととした。
To be continued……!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第2章 集団戦
『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』
|
POW : ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ : ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
イラスト:ヤマトイヌル
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●光り輝き顔面
仮面の追手を追い払った猟兵達。
しかしテレビウムの顔に現れた『鍵』の印は消えることはなく、代わりに現れたのは矢印のマーク。
その矢印が示す先にテレビウムと共に向かう、が。
背後から、圧倒的な存在感を感じる。
振り向けば、そこにビキニ一丁の不審者軍団。
ゴリッゴリでムッキムキのマッチョ達がじりじりと近付いてくる。
アルパカ顔のつぶらな瞳は、テレビウムにロック★オン!
「フェェェェ~~」
と甲高い雄叫びと共にテレビウムを狙い迫る!暑苦しい!
さぁ、猟兵諸君!
マッチョなアルパカブラザーズを蹴散らし、テレビウムと共に矢印が指し示す場所へ向かうのだ!
アレクシス・ミラ
カデルさん◆f14401と
アドリブ歓迎
今度は不審者…だと…
だが、やるべきことは変わらない
彼を救い、守る為に来たのだから!
ビューティー殿、まだ走れるかい?
いざとなればまた君を抱えて走ろう
…しかし、あれは戦うより通報した方が…
…カデルさん、あれは君が思うような動物じゃない…
うん、動物じゃない。
基本は守勢
相手の攻撃を「見切り」、「武器受け」で止め、滑らせるように「カウンター」で斬る
あのポーズは油断できないな…っ
カデルさん!少しの間、ビューティー殿の護衛を頼む!
立ち止まると敵に向き直り
…力勝負がお望みかい?では、お望みどおりに
光纏う剣を薙ぐように振り抜き【天流乱星】
彼を守ってるのは僕だけじゃないんでね
瀬名・カデル
アドリブ歓迎
アレクシス(f14882)と一緒!
お兄ちゃんはビューティーっていうんだね。
今度はすっごい動物さん達に追われちゃってる…?!
すっごい筋肉の動物さんからビューティー助けなきゃだよね、アレクシス、一緒に頑張ろう!
…え、あの動物さん達って動物さんとは違うのー!?
アーシェと一緒に応戦はするけど、
(ポージング)あの姿は一体何をしているの…?
うーん、転ばせたらいいのかな?
アレクシスにビューティーさんの事を頼まれたら、ボクはビューティーの腕を引っ張って後退しつつ動物さん達からビューティーを護るんだよ!
いざとなったら、ビューティーさんを掴んで飛んでみる!
攻撃をうけたら【生まれながらの光】で回復も!
●それは、まだ変な鳴き声が聞こえる前のお話
「へぇ~、お兄ちゃんはビューティーっていうんだね」
瀬名・カデル(無垢なる聖者・f14401)の赤と青の瞳が楽しそうに細められた。
「はっはっは、美しい僕に相応しい名前だろう!」
謎の仮面の猛攻を乗り切ったからか、狙われていたテレビウム・ビューティーの声は明るい。
しかし、まだ安心しきれてはいないのか。その身は凛々しい騎士様、アレクシス・ミラ(夜明けの赤星・f14882)の背中にそっと寄り添いながら進んでいる状況であり。
「アレクシスも『アレクシス』って感じするよね」
カデルはそう言いながらアレクシスを見上げる。
「あー、でもアーシェ、な感じもするし……」
人差し指を己の顎に添え、むぅ、と悩む表情を見せるカデルに、アレクシスじゃ和柔らかな笑みを零しながら
「アレス、とも呼ばれるよ」
「そういうの聞くと、僕もあだ名が欲しくなるね、はーっはっはっはっは!」
ビューティーが腰に手を当てて高笑いする、と
『フェェェェ~~』
気の抜けた鳴き声が響いた。
アレクシスとカデルが素早い反射神経と真剣な面持ちと共に振り向けば。
そこには、ムッキムッキなボディを持つマッチョメン……ならぬマッチョアルパカズの姿が……!
(今度は不審者……だと……!?)
アレクシスの瞳からハイライトが消えた。
しかしそれとは逆に
「うわぁ、凄い筋肉の動物さんだねー」
カデルの瞳は興味に光り輝き。何もかもが新鮮で物珍しく見えるカデルにとっては、このマッチョなアルパカたちも「こういう村人かな?」位な勢いである。
(あれは戦うというより通報した方が……)
ジリジリと近付いてくるマッスルアルパカーズ。
ジリジリと、背中にテレビウムを隠しながら後退するアレクシス。
ムキマッチョアルパカーズは威嚇するように「ふぇっ!ふぇっ!」と唾を飛ばしてくる勢いだ。
「あれ? この動物さんは敵?」
アルパカを指差し小首を傾げるカデルに
「……カデルさん、あれは君が思うような動物じゃない……」
アレクシスの瞳のハイライトは消灯したままだ。
「……え、あの動物さん達って動物さんとは違うのー!?」
「うん。動物じゃない」
頷くアレクシスに
「へー、色んな人がいるんだね!」
明るく笑うカデルに、いや人でもない、と突っ込む間もなく
「ふぇぇ~っ!」
気の抜けた声でアルパカ達が迫ってくるのだった!
その瞬間、アレクシスの瞳にハイライトが差し込んだ。
アルパカ1号の大ぶりな攻撃をアレクシスはヒラリと身を翻し躱すと、咄嗟に鞘から騎士剣を引き抜き続くアルパカの攻撃を刃で受け流す。
そして舞うように剣を回転させ、アルパカの身体を斬りこむ。
「どんな敵であろうと、やることは変わらない。ビューティー殿を守るために来たのだから!」
堂々とした立ち居振る舞いで誓いを述べた後、チラリとテレビウムに視線を向け笑むアレクシス。その姿にキュンと胸をトキメかせるテレビウ(略)
「ボクだって負けないよ! 行くよ、アーシェ!」
カデルもまた、アルパカとテレビウムの前に立ち塞がり器用に指先の糸を動かす。するとアデルが携えていた人形、アーシェが生を受けたかの如く活き活きと動き出した。
「行くよっ」
アデルの華麗な指捌きに反応するように、アーシェはアルパカの攻撃を避け攻撃を返す。
「ふぇぇ~~」
気の抜けたアルパカの声ながら、その攻撃は力強い。
「なんか気が抜けるんだけどっ!」
アデルの声、そしてアーシェの表情も眉間に皺が寄ったように見える。
「ビューティー殿、まだ走れるかい?」
アレクシスがそっとテレビウムに問う。
「は、はっはっは、も、勿論じゃないか、はっはっは!」
足、ガックガクですわこのテレビウム。
これは駄目だ、と瞬時に悟るアレクシス。
無言でそっとテレビウムを抱き抱える紳士である。
こうして応戦しながらもテレビウムの顔に浮かぶ矢印に向かう御一行。
なかなか追いつけないと思ったアルパカ達が、急にポージングを始めた。
「え?! 何?」
唐突なフロント・リラックス(正面向きで自然な立ち姿)から、フロント・ダブル・バイセップス(腕を上げ、上腕二頭筋を見せつけるポージング)へ、そしてバック・ラット・スプレッド(背を向け、背中の広さをアピールするポージング)と次々にポージングを変えていく。
(いやいや、背を向けているし……!)
アレクシスの瞳からハイライトが再び消える。
「あの姿は一体何をしているの……?」
思わず立ち止まるカデル。しかし、そのアルパカ達の様子に只ならぬものを感じ始めた。
「もしかして……力を溜めているのか? あの姿は油断できないな」
アレクシスが呟く。
「うーーん、転ばせればいいのかな?」
アーシェと共に近づこうとするカデルをアレクシスがそっと制した。
「カデルさん、少しの間、ビューティー殿の護衛を頼む」
ビューティーを下ろせば、わかったよ!とカデルがビューティーの腕を取った。
アレクシスがアルパカたちへと近付いていく。
その足音に、アルパカ達も気付きアレクシスに向き直った。
その姿は彼らのユーベルコード『ポージング』により、更に筋肉は盛り上がり、身体はテカり、湯気が出て、まぁアレさ加減と力強さが増している。
「「「ふぇぇ~!」」」
相変わらず気の抜けた攻撃ではあるが
(先程よりは強く、重い……!)
アレクシスが向けた刃に乗る重みは先程とは段違いに思える。
だが。
「全て――斬り伏せる!」
アレクシスのユーベルコード、『天流乱星』が発動する。
輝く刃から生まれた斬撃、その初撃を逞しい肉体で受けきったアルパカ達。その攻撃だけでも相当なダメージな所に、更に放たれる光の刃が続々とアルパカ達の身を切り裂いていった。
「うっわ、綺麗な光だねー」
カデルが空からアレクシスの刃の光にほふぅ、と息を吐いた。
「そ、それよりもはっ、早く地上に降ろしてくださぁあいっっ」
「あんまり空、慣れてないのかな?」
カデルに手を掴まれ上空を飛ぶテレビウム。相変わらず顔は矢印だが焦りと恐れの表情は見て取れる。
「大丈夫大丈夫、何かあったら『生まれながらの光』で回復するからっ!」
悪戯な笑みと共に、カデルはビューティーにウィンクするのだった。
To be continued……!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
榎・うさみっち
さっきの仮面といいこのアルパカといい
やたら変なのばっかに追われるナルニウム可哀想に…
最近汗ばむ季節になってきたというのに更に気温が上がるぜ…
はい!暑い季節といえばー!
\こーしえんー!/(どこかで覚えた言葉)
というわけでいでよ【こんとんのやきゅみっちファイターズ】!
ズラッと整列して\お願いしまーす/と帽子を取って開戦!
打者やきゅみっち!そいつはサンドバッグだ打て打て!
投手やきゅみっち!そいつは全部ストライクゾーンだ投げろ投げろ!
千本ノックでホームランボールもお見舞いするぜ
スポーツマンシップ?勝てばいいのだ勝てば!
俺は監督として後ろからふんぞり返って指示
だってあのアルパカ、近寄ったら暑苦しそうだし
桜雨・カイ
仮面に続いて今度はアルパカですか…ビューティさん種族を超えて好かれるイケメンさんなんですね(大まじめ)
でも今は急いでます、ここは先に行ってください!とビューティさん達を先に行かせます。
相手と自分の腕をこっそり見比べる(鍛えても人形と体格が変わることはないので、筋肉は少しうらやましい)
はっ…いえなんでもありません!行きます!
三人もいるし、あまり近づいては危なそうですね。
【錬成カミヤドリ】で錬成体を作成、【フェイント】で動きを交わしつつ【二回攻撃】で手数を増やして攻撃します。力では劣るかもしれませんが、早さならまけませんよ。
終わったら、みんなの後を追いかけます。
アネモス・アルビレオ
アドリブ・絡み歓迎
ビューティーさん、イケメンでカッコいいよ🌟
そして、アルパカさんもイケマッチョでカッコいい🌟
イケメンとマッチョなら、残念だけどイケメンを僕は守るよ!
だってイケメンって美少年の延長だし
仕方ないね♂
というわけでアルパカさん!(びしっと指さしながら)
「肉体ポージング対決を挑むよ!」
ここでユーベルコード:ゴッド・クリエイションを発動!
「人間以上の筋力」を持ったマッスルマンを創造して対決させる!
どっちも頑張れー!
僕はその隙に……叡智の杖でボコボコにするよ。
ビューティーさん、その矢印の顔もとってもイケメンで素敵だよ!
と悲しんでいたらフォロー。
元美少年(と仮定)にはとことん優しく、だよ!
●The Chaos
「さっきの仮面といいこのアルパカといい……やたら変なのばっかに追われるナルシスム可哀想に……」
そっと目じりに手を添え涙を拭う仕草を見せる榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)。そんなうさみっちに同感、と頷くのは桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)である。
「仮面に続いて今度はアルパカですか……」
先の猟兵達の手によりいくらか撲滅されたアルパカ達。しかしまだまだアルパカ軍勢は、ナルシストテレビウムのビューティー目掛けて「ふぇぇ」と気の抜ける鳴き声を発しながら追いかけてきており。
猟兵の一行はそのアルパカ軍勢に攻撃を加えつつも、テレビウムの矢印の示す先へと向かっていた。追いかけてくるアルパカ、追われるテレビウム。
「……これだけ追っかけてくるということは……」
感慨深げにカイが呟いた。
「それだけビューティーさんは種族を超えたイケメンなんですね」
「はーっはっはっはっは! それならば仕方ないよね!」
ダメよカイさん、このテレビウム調子に乗るだけだから!
共に歩みを進めるうさみっちはノーコメントと思わしき無表情でぶーんぶーんと前を進む、が
「そう! ビューティーさん、イケメンでカッコいいよ!」
頭上から、涼やかで愛らしい声が響いた。
思わずうさみっちやカイが足を止め見上げれば、そこには淡い青の髪をふわふわのツインテールにし、頭にちょこんと王冠を乗せた愛らしい天使の姿。
その天使の瞳はキラキラとした輝きを放ちながら、テレビウムをビシィッ!と指差している。
「ん? フェアリーでもオラトリオでもないのか?」
うさみっちが首を傾げれば、カイは
「やっぱり種族問わず愛されるイケメンなんですね、ビューティーさんは」
と納得顔だ。カイさんの純真さに今後が心配である。
「と、いうかこの少女はどなたなんだい!?」
テレビウムが空から降りてくる愛らしい少女と、うさみっちやカイを交互に見る。
すると、羽の生えた少女……否、『性別:美少年』であるアネモス・アルビレオ(神は云った。「美少年あれ」・f17321)は指をちっちっちっと横へ振った。
「僕はアネモネ。美少年猟兵だよ!」
きゅるるん★と愛らしく決めポーズ!する姿は服装も相まって、どう見ても美少女である。
「男性の方なのですね、とても見えませんね」
感心するように目を見張るカイに、それ程でも☆と得意げで愛らしい笑みを浮かべるアネモネ。
そんなやりとりの中、近づいてきたアルパカ軍団にアネモネはズバビシィッ!と力強く、しかししなやかに人差し指を向ける。
「アルパカさん達もイケマッチョで格好いいよ!」
まさか褒めの矛先が自分に向かってくるとは思わなかったアルパカ軍団。「ふぇぇ」と歓喜の鳴き声を叫ぶ。
「でも!!」
テレビウムを指差し
「イケメン!」
カイを指差し
「超イケメン!」
うさみっちを指差し
「美幼年!」
いや、幼くねぇし!とうさみっちが声を上げるが、アネモネはするっと聞き流し
「イケメンと美幼年とマッチョなら、僕はイケメンと美幼年を守るよ!だって、イケメンは美少年の延長だし、美幼年はこれから美少年に育つのだから!」
熱く語るアネモネに、カイは容姿を褒められたことに照れ笑い。うさみっちは「だから美幼年てなんだよ!」と抗議を続ける。
それ以上に、憤慨するのはアルパカ達だ。「ふぇぇ~!」と上げる鳴き声は先程よりが怒気が籠っている、気がする。
「さぁ!アルパカさん。ここで対決だ!」
アネモネが両手を広げ迎え撃つ体制を取れば
「ビューティーさん、ここは私達に任せて先に入っててください!」
カイが先程までアルパカと戦っていた2人の猟兵にテレビウムを任せる。
「それじゃ俺もー」
とうさみっちがテレビウムと共に先へ進もうとするが
「君の出番はここだよ!」
にっこりとした笑顔を見せるアネモネに羽を掴まれた。
「ぴゃあああああ!!」
羽を掴まれジタバタするうさみっちの叫びと共に、アルパカ軍団との戦いの火蓋は切られたのだった。
「さぁ! まずは僕が肉体ポージング対決を挑むよ!」
愛らしくメルヘンな衣装を翻し、軽やかなステップでアネモネがアルパカに近づけば、アルパカもまた筋肉に力を込めながら進み寄ってくる。
「おいで、僕のマッスルマン!」
アネモネが指をパチン★と鳴らせば、アネモネのユーべルコード『ゴッド・クリエイション』により人間とは思えない程の筋肉を持ったマッスルマンが想像された。
「うっわ、暑苦しいわー」
うさみっちの瞳からハイライトが消える。
しかしそれとは逆にカイの蒼い瞳が輝く。あれ、この光景デジャブかな。
カイは己の腕とアルパカ怪人、またアネモネが作り出した筋肉超兄貴の腕を見比べる。
ムキムキ、ムッキムキに対して、筋肉はあるがほっそりとして見える腕。
(少し、羨ましい……)
どんなに鍛えても、どうしても人形と同じ体型から変わらない模様のカイ。ムキムキマッチョに憧れがある模様……ではあるが、そのままの君が好きだよ!
どこか羨望の眼差しを見せるカイの姿をジィっと見るうさみっち。
「あ、な、なんでもありませんっ。私も行きますっ!」
そう言うと、カイはユーベルコード『錬成カミヤドリ』を使用し自分の本体である人形を複製した。その数35体。
あっという間にアルパカ軍団より多い人数となり
「さぁ、もっと激しく美しいポーズを見せておくれ!」
アネモネの声に、更に筋肉を見せつけてくるマッチョメン。
カイも真面に戦う……のかと思いきや、アネモネの言葉につい、マッチョポージングをそれぞれに披露する。しなやかな筋肉もそれはそれで良いものです。
「……なんだこれ」
うさみっちが呟く。
みんな頑張れー!と愛らしく手を振るアネモネに、その言葉に応えるアネモネz・マッチョマン。そしてカイ人形ズとアルパカ軍団。筋肉の押し売りである。
「……最近汗ばむ季節になってきたのに更に気温と不快指数が上がるぜ……」
その時、うさみっちのメーターが振り切れた。
いやむしろ、このノリに乗ったもの勝ちだ、と悟ったとかそうでないとか。
「はいっ! 暑い季節と言えばーーーっっ!」
「「「「こーーーしえーーーーん!!!!」」」」
ちなみに呼びかけはうさみっち、応えたのもうさみっちである。
正確に言えば、呼びかけに応えたのはうさみっちのユーベルコード『こんとんのやきゅみっちファイターズ』により現れた釘バットや鉄球を構えた野球服やきゅみっちナインズの皆さん。
ちなみにカイは『子牛園……牧場でしょうか?』とほのぼのとした想像を繰り広げていたのはここだけの話である。
そして、どこかからウーウーーウーーーとサイレンが鳴れば(幻聴かもしれない)、ズラッと整列したやきゅみっちーずが帽子を取り礼儀正しく、そして笑顔で「お願いしまーーす!」と叫ぶ。
一体何が……!とアルパカ達は勿論、ポージング対決に勤しんでいたアネモネズマッチョやカイ軍団の動きも止まり。
「行け、ファーストやきゅみっち!」
いつの間にかベンチにふんぞり返ったサングラスやきゅみっち(本体)が指示を出せば、釘バットを持ったうさみっちがアルパカ目掛けてフルスイングッッ!
「ふぇぇ~!」
鳩尾をぶっ叩かれたアルパカの叫び声がグラウンド(幻覚かもしれない)に響く。
「交代!今度は投手だ、投げろ投げろ!」
監督うさみっちの指示通り、投手やきゅみっちがボールを思いっきりアルパカの顔面に目掛けて投げる。
「デッドボール!!」
いつの間にか審判化してるアネモネズ・マッチョメン。
そしてアネモネ自身も「頑張れっ、頑張れっ!」とチアリーダーの如くどこからかコンコンして取り出したポンポンで応援している。キマイラフューチャーの利便性万歳。
流石にデッドボールで怒りだしたのか、アルパカズはうさみっちは勿論、カイ軍団やアネモネズ・マッチョメンに怒りに身を任せた攻撃を仕掛けてくる。
「おおっと、乱闘だー!」
監督うさみっちが己の頭の帽子を触り、謎のサインを示せば、カイ軍団がやきゅみっちーずに手際よくボールを投げ渡し、それをガンガン打ち込んでアルパカに当てる、というバッティングセンターばりの光景が見られ。
ついでにアネモネも叡智の杖でアルパカズをボッコボコに叩いている。とても良い笑顔のままで。
カイもまた、走者の如く素早いスライディングキックでアルパカ達を蹴散らしていく。
「……野球って、こんなに激しい種目なんですね……!」
カイが汗を拭くが、この間違った野球知識は早々に正しいものに塗り替えられることを願ってやみません。
こうして。
圧倒的な数と攻撃力により、アルパカ軍団は釘バッドで殴られ、ボールをぶつけられ、カイに蹴られアネモネの杖に叩かれ、アネモネズ・マッチョメンの濃厚な筋肉笑顔の前にその身を屈したのである。
「勝てばいいのだ、勝てば!」
うさみっち監督がヒーローインタビュー(幻想かもしれない)で得意げに応えたのは言うまでもない。
「はーっはっはっはっは! やはり正義と美しさの前に悪は滅びるんだね、はっはっはっは!」
猟兵達の手に寄りアルパカ軍団は見事に一層された。
「ビューティーさん、その矢印の顔もとってもイケメンで素敵だよ!」
アネモネが心配と共に矢印顔テレビウムに声をかけるが、可愛い子ちゃん(美少年)にそんなことを言われたら、むしろこのままでもいいのかもしれない、と思ってしまいそうな程。
すると、テレビウムの顔の矢印が点滅をし始めた。
「これは……もうすぐ目的地に到着する、ということでしょうか?」
カイが真剣な表情で首を傾げれば、更に猟兵達は前に進むのだった。
To be continued……!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『牝山羊怪人マリアディジー』
|
POW : 救済の女神は惨劇へと現れる(デウスエクスマキナ)
【自身の生命力】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【より強く速く相手に浸食する活性状態】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : お姉さん特製・ふしぎウイルス
【体に力が入らなくなる、肉体へのウイルス】【頭がボーっとなる、精神へのウイルス】【お姉さんにメロメロになる魅了ウイルス】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 大丈夫?疲れてなぁい?私の『ここ』においで…?
小さな【子も軽く包み込む圧倒的な母性の塊】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【優しさが詰まった極上の居心地】で、いつでも外に出られる。
イラスト:すねいる
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠マックス・アーキボルト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●その先に待つ者
ナルシストなテレビウム、略してナルシスム・ビューティーを護り切り。
彼の顔に現れた矢印に向かって進んでくると……そこは、なんの変哲もない公園だった。
「はっはっは!一体ここに何があるというの…ダロ…ウ……カ」
ビューティーの顔が激しく点滅したかと思えば、眩い光を放ち始めた。
そして彼の身体が動かなくなり。
ビューティーの顔には『900』の文字が浮かぶ。
そしてその数字が規則正しく、1秒に1ずつ減っていく。
不安げな眼差しでそのテレビウムを見守れば
「ほっほっほっほ!やっと追い詰めましたわね!」
現れたのは、ムッチムッチでもっこもこでふっわふわな羊気味ガール。
「みぃんな纏めて、闇に葬りますわよ♪」
ウィンクする牝山羊怪人マリアディジー。おっきな乳をバインバインと揺らしつつ、テレビウムを狙う!
さぁ、猟兵達よ! 動けぬテレビウムを護り切り、羊女性オブリビアンをガガガッ!と倒すのだ!
【締切ご連絡】
こちらの執筆状況関係で申し訳ございません、
三章〆切を『4/28(日)8:30頃』とさせていただきます。
何卒よろしくお願いいたします…!
榎・うさみっち
そうか…そういうことだったのか!
900…1秒1ずつ減っていくカウント…
つまり、このまま15分が過ぎてしまった時
ナルシスムのテレビは木っ端微塵にビッグバンしてしまうんだ!!
ナ、ナンダッテー!!
まずは急いでこのおっぱい怪人を倒すぞ!
【さわりごこちばつぐんのうさもっちスライム】発動!
この技のスゴイ所は!すっごい伸縮性と弾力性、
そして極上のもちぷにマシュマロお肌だー!
ピチピチの7歳だからな!おばさんとはツヤもハリも違うのだよ!
などと【挑発】しつつ地面や公園の遊具を利用して
跳ね返りまくりトリッキーな動きで体当たり攻撃
他にも撹乱したり足元狙って転ばせたり
あの乳は飛び込むと色んな意味でやばそうだから避ける
アネモス・アルビレオ
※アドリブ・絡み大歓迎
わービューティーさん😭
これって何?自爆するとか?爆発するのはリア充だけだって😭
怪人さん。ちょっと質問(唐突に素に戻る)
牝山羊とかっておっぱいいっぱいあるのに二つだけ大きいのは何で?
他のはどこかな。
まあいいや、自爆スイッチは止めさせてもらうよ😡
公園ならいっぱい遊び道具があるよね、と探す。
よし、滑り台にジャングルジム
「皆、美少年になーれ♪」
ユーベルコード:ビショーネン・クリエーション発動!
美少年軍団を作るよ!
女性だから顔は駄目、ぽかぽかってしちゃえ!
無機物の数だけ美少年は48を超える。
群がったりして怪人が動かなくなったら解除。
公園の遊具で押しつぶしちゃうよ!
ごめんね😅
ルベル・ノウフィル
spd
「お姉さんは山羊、僕は狼。そう、狩りの時間でございます」
UCリザオビ
蛇竜に騎乗し
敵UCで魅了され
「お姉さん! 僕の蛇竜に乗ってドライブしませんか」とデートに誘い、まんまと敵にやられる
「だ、騙しましたね」
痛みで正気に返った僕は妖刀・墨染で敵の角を斬り落とし、
ちょっとドキドキしながら「この角、記念に持ち帰ろう」と胸に誓うわけです
「僕たちは狩られる者と狩る者の関係なので」
とお姉さんに刀を振り上げ、しかしなんとなく傷つけることに抵抗を感じてしまう……だって綺麗なお姉さんだから(魅了されている!)
はっ、いやいや。これも世界のためでございます(正気に戻る)
~繰り返し~
「な、なんて恐ろしい敵…」
アレクシス・ミラ
カデルさん◆f14401と
アドリブ◎
このカウントダウンは一体…
それにまた彼を狙う輩か!
…仮面、筋肉の次は…巨乳…?
…こんな状況で悪いが、力を貸してくれ
【君との約束】を発動するも鈴の音が妙に渋ってるような…
うん、何かごめん
ビューティー殿を背に、防御力重視で戦う
敵の侵食攻撃は見切って盾受け
カウンターに突きを繰り出す
攻めるカデルさんに若干危うさを感じながら
彼女を支援するように動く
…っカデルさん!
剣を一度収めると彼女の手を引き、母性の塊とやらを防ぐように盾受け
…余所見をされては困るな
貴様の相手は僕だ
攻撃重視に変換、シールドバッシュで殴る
…大丈夫、僕がついてる
ティー殿か…いいね
彼が戻ったら呼んでみようか
瀬名・カデル
アドリブ歓迎
アレクシス(f14882)と一緒
(カウントが減っていくのが見えて、焦燥感にかられる)
無事に助けたら…ビューティーにあだ名、つけてあげるね。
だから、もうちょっとだけ頑張ってね!
あのおっぱいの大きな怪人さんを早く、やっつけないと…!
アーシェと一緒にフェイントと早業、2回攻撃で怪人に攻撃するよ。
焦っちゃってるのかな、ボク。
攻撃がうまく通らなくて…!
いけない、アレクシスに心配かけさせちゃった…
落ち着いてちゃんと周囲を確認して、アレクシスが気を引いてくれているうちに【君がための光】を発動。
強化したアーシェでもう一度対決するよ!
もう一度行こうアーシェ、ビューティー…ティーの為に一緒に舞って…!
桜雨・カイ
ビューティーさん!
アルパカの次は山羊の女性ですか…やはりビューティさんは種族を超え(以下同文)。
これがゼロになるとどうなるんですか!?
大丈夫ですビューティーさん。
ゼロになる前に止めますから、心配しないでください、ね。
敵とは距離をおいて攻撃
その…敵でも女性の……に間違って触れてはいけないと思うので。
必要ならば【聖痕】でウイルスを取り除いたり、吸い込まれかけた人を【念糸】で引き戻します。
先日手に入れた【巡り扇】を持ち、舞うように手を動かす
うまく行けばいいんですが…(【エレメンタルー】で火の攻撃)まだ思いどおりに操るのは難しいですが、周囲の人には怪我させないように扇(に宿る精霊)に念じます
●減りゆくカウント
「このカウントダウンは一体……!?」
テレビウムのビューティーを護り続けていた美しき騎士、アレクシス・ミラ(夜明けの赤星・f14882)が不穏な様子に目を見張る。
テレビウムの顔は光り、その画面にはカウントが刻一刻と減っている状況。テレビウムの身体に触れてみても、反応はなく直立不動を保っている。
「これがゼロになるとどうなるんですか!?」
桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)もまた、その整ったかんばせに不安と焦りの色を浮かべれば
「そうか……そういうことだったのか!」
バッテン口のまま、真実を見つけたかのように目を見開いたのは名探偵榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)。
「900から1秒に1ずつ減っていくカウント……つまりこのまま15分が過ぎてしまった時!」
名探偵うさみっちが眼鏡をくいっと上げる(ただし眼鏡はかけていない)
「もしかして……やっぱり……!」
麗しく夢かわいい美少女に見える男の娘、アネモス・アルビレオ(神は云った。「美少年あれ」・f17321)はその愛らしい口元を両の掌で覆い、青い眼差しを震わせた。
「ナルシスムのテレビは木っ端微塵にビッグバンしてしまうんだ!!」
うさみっちが持論を述べた後、ナ、ナンダッテーと一人二役。
しかしそう思っていたのはうさみっちだけではなかった。アネモネもまたこのカウントダウンが終わる時にはテレビウムが自爆するのでは、と予感を抱いており。
「爆発するってことは何!? リア充だったってこと!?」
アネモネの言葉にカイが「リア……充……!?」と首を傾げ。後で誰かに聞こう、とその単語を筆でメモりつつも
「大丈夫です、ビューティーさん」
話しかけても反応はないが、しかしきっとその言葉は届いていると信じて。カイは言葉を続ける。
「ゼロになる前に止めますから、心配しないでください、ね」
カイの優しい眼差しと、心を落ち着かせるような柔らかな眼差しに、テレビウムの首が少しだけ頷いたようにも感じられた。
また、アレクシスに寄り添い、事態を見守っていた愛らしき天使、瀬名・カデル(無垢なる聖者・f14401)も胸に大事なパートナーのアーシェを抱きながら心を落ち着かせ
「無事に助けたら……ビューティーにあだ名、つけてあげるね」
焦りに駆られ、眉根を寄せていた表情を和らげ、口角を上げたカデル。
絶対に助けられる。だってこれだけの頼もしい猟兵達がいるのだから。
「だから、もうちょっとだけ頑張ってね!」
カデルが笑みを見せた瞬間。
「ほーっほっほっほっほ!!!」
突如公園に響いた高笑いに、猟兵達が振り返った。
●山羊乳怪人と通常運行
敵も味方も高笑い系か、といくらかの猟兵が呆れた後。
歩み寄ってくる影。
なんかもう、自身の頭よりも一回り大きな乳が2つ、動く度にバルンバルンと弾みながらやってくる様子は色気を通り越して凶器である。
アレクシスの瞳からまたハイライトが消えた。
(仮面、筋肉の次は……巨乳……?)
こんな敵達と戦うために生まれたんじゃない! とアレクシスさんが思っていないか心配です。
「やっと追い詰めましたわね! 私の仮面ちゃんとアルパカちゃんを一網打尽してくれちゃったのは貴方達ですのね! テレビウムだけでなく、貴方達もきっちょんぎっちょんにしてみせますわよ!」
ピンクの髪をなびかせて、ズビシッ! と猟兵達を指差す。
「アルパカの次は山羊の女性ですか……」
カイが真剣な眼差しで山羊女怪人を見据える。
「やはりビューティさんは種族を超えて愛されるイケメ……」
「怪人さん」
アネモネがシュタッと手を挙げた。
先程までテレビウムの自爆の可能性に瞳を涙で潤ませ、己の震える身体を華奢な両手で抱き「ビューティーさん……!」とその自爆するかもしれない運命に心を痛めていた表情と仕草とは打って変わって、至極冷静な真顔と声色だ。
「なぁに、お嬢ちゃん?」
腕を胸の下に回し、その乳を見せつけるようにアッピールしてくる山羊女怪人。
きっと山羊女からしたらアネモネは乳少な目美少女に見え、そしてマウントを取りに来ているのだろう。
「牝山羊とかっておっぱいいっぱいあるのに、二つだけ大きいのは何で?他のはどこかな?」
へー、ヤギっておっぱいいっぱいあるのかー、と回りの猟兵達がほっこりした知識を得る。乳首が2つのヤギもいれば、乳首が多い山羊もいるらしいよ、世界って不思議だね!こんなに乳首乳首言うリプレイになるとも思ってなかったよ、不思議だね!
「私のおっぱいの数なんてどうでもよろしくてよ!!」
ハハーン、さてはコイツ他のおっぱいも隠し持ってるタイプか、もしくは人工的な大きさに変えたタイプだな? と猟兵達が思ったか思ってないかはさておき。
敵の山羊女に動揺を与えたのは確実のようだ。
「まぁいいや。自爆スイッチは止めさせてもらうよ」
アネモネのその言葉と共に、隙が出来たと感じた猟兵達が一斉に戦闘態勢を取る。
「自爆……スイッチ?」
山羊女怪人が小首を傾げつつ、まぁいいわ!と身構えた。
その時。
上空からバッサバッサと力強い羽音が響き渡った。
新たな敵の援軍か……!? と思えば、山羊女怪人も驚きの表情を見せており。
現れた死霊蛇竜が高度を下げれば、その背中に一人の人狼少年が乗っているのが確認された。
夜空を思わせる藍色の髪を持ち、赤く輝く瞳は真剣みを帯び、敵である山羊女怪人を見据えた。
「お姉さんは山羊、僕は狼。そう、狩りの時間でございます」
凛とした声と共に、死霊蛇竜の背中からトゥッ!と飛び降り、シュタッ!と他の猟兵達と山羊女怪人の間へと着地したのはルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)。
「さぁ、僕の墨染、存分に哭きなさ……」
ルベルが妖気を纏いし黒き刃、墨染を手に山羊女に斬りかかる、が。
山羊女からフェロモンがフェロっと振りまかれた。
「お姉さん! 僕の蛇竜に乗ってドライブしませんか」
スチャッ!と刃を懐に仕舞い、片膝をつきどこから取り出したのか愛らしく彩られたイースターエッグを捧げる始末。
えぇーーっ、とその変わり身の早さにアレクシスの瞳のハイライトがまた消えた。
ついでにルベルの墨染もえぇーーっと哭いた気がする。
「……こいつは案外油断ならねぇな」
名探偵うさみっちがぶーんぶーんと上空を飛びながら腕を組み、チラリとテレビウムの顔を見れば、そのカウントは既に600を切ってる。
「早くあのおっぱいの大きな怪人さんをやっつけないと…!」
カデルはその視線を、跪いているルベルに満足そうな表情を見せる山羊女に向け。己のパートナーであるアーシェと共に近寄り攻撃を仕掛けていく。その姿は2人で舞いを舞うよう。カデル達の闘いを支援するようにアレクシスはユーベルコード『君との約束』を発動させる。
(……こんな状況で悪いが、力を貸してくれ)
カラコロと軽やかな鈴が鳴らす音は、大切な友人との約束、想いを呼び起こさせる。
アレクシスの心の内に、大切な人と虹の前で過ごした時間が蘇る……が。敵と状況のせいなのか、なんかその大事な人が呆れている姿が浮かんでくるのは気のせいだろうか。
(うん、なんか、ごめん)
アレクシスが脳内の彼に謝れば、仕方ねぇなと己の防御力は強まったのを感じ。
背中にテレビウム、ビューティーの存在を感じながら、アレクシスは騎士剣を構えカデルに続き剣技を繰り出していく。
その頃。
「えぇと……あの、目を覚ましてください」
カイが尚も敵の姿に目をハートマーク浮かべさせているルベルをひとまずズリズリひっぱり後退させていた。「お、おねぇさぁぁぁん!!」とルベルは今も足をジタバタさせている、が。
「あんなおばさんで良いのか?考え直せ」
うさみっちがルベルの顔の前へと飛んでいき、頬を柔らかな手でぺチペチと触れる。
「……はっ!?」
正気に戻ったと思われるルベル。
「だ、騙しましたね」
その赤い瞳が怒りで真っ赤に燃えている。
恐ろしい敵ですね、と頷く純真無垢ヤドリガミなカイと「ははーん、コイツさては美人に弱い……!?」と容易に気づく名探偵うさみっち。
「今度は負けませんよ!」
そう言いルベルは黒き刃を手に山羊女へと向かっていった。
……数十秒後、彼はまた山羊女怪人に求愛し、カイに引っ張られ戦線から離され、うさみっちによりやや強めのほっぺたピチピチを受け正気に返されたという。
「お前本当に魅了されてる!?素じゃねぇのか!?」
「魅了です、断じて魅了でございます、あぁ怖いあぁ恐ろしい」
「これは迂闊に動けませんね…」
深刻な表情で敵から距離を取るカイであった。
●揺れて跳ねる色々
さて、そんなルベルが行ったり引き戻されている中で。
(……くっ、アルパカたちみたいにはいかないね……っ)
アーシェと共に攻撃を繰り出すカデル。空を舞い、アクロバティックにアーシェと共に手数を増やし乱打するが、流石ボスとも言えようか
「ほーっほっほっほ、私のふかふかボディに傷をつけるのは難しくてよ!」
山羊女怪人が意外にも俊敏に動き回り、研ぎ澄ました爪で反撃をしかけてくる。
「さぁ、纏めて私の餌食になるがいいですわ!」
なりふり構わず攻撃しているように見える山羊怪人だが、確実にカデルを追い立てて居るようだ、と防戦しながらアレクシスは思う。
「落ち着いて、カデルさん」
アレクシスが山羊女の爪を刃で払いのけながら、カデルに声をかける。
カデルのオッドアイはテレビウムの数字と敵の姿を行ったり来たりしているようにも見え。
(焦っているのかな、僕……)
攻撃が上手く通らないゆえに、更に踏み込むカデルの姿に
「……カデルさんッッ!」
突出しかけたカデルの腕をアレクシスは掴み、己の元へと引き寄せた。
カデルの目の前に広がるのは敵のユーベルコード【母性の塊】。それを予見したアレクシスは盾でカデルを庇い護り。あの中に引き込まれたらマズイ状況になっていただろう、と2人は思う。
「アレクシス、ありがとう……!」
カデルがアレクシスを見上げ、感謝の意を伝えればアレクシスは気にしないで、というように首を振った。
「あぁら、素敵な場所にご招待しようと思いましたのに……残念ですわね、ほーっほっほっほっほ!」
相変わらずに乳を揺らし近づく山羊女。
「私のおっぱいビンタを受けてご覧なさい」
敵はその視界にカデルを捉えた。
痛そう……と眉間に皺を寄せるカデルを護るようにアレクシスが進み出た。
「断る。……余所見をされては困るな」
アレクシスがキッと山羊女を睨む。
「そうだぜ! 余所見をする暇なんてないんだぜ! 見ろこのピッチピッチでぷっにぷにのボディを!」
うさみっちがぶーんぶーんと叫び山羊女に近づき叫ぶ。
「見よ! 俺のなめらかもちぷにぢから!」
うさみっちのユーベルコード『さわりごこちばつぐんのうさもっちスライム』が発動し、うさみっちの姿がもっちもっちの触り心地に変わった。
元々ぷにっと感は半端なさそうだが、現時点でのうさみっちさんだと35mにも伸びれる。17.2cmが35mである。相当だね!
「この技の凄い所は! すっごい伸縮力と弾力性!」
うさみっちは地面と空中をぷにぷにぽんと飛び跳ねている。ゴム鞠の如く。
「そして何より……極上のもちぷにマシュマロお肌だーーっ!」
そう叫びながらうさみっちが山羊女怪人へとボディアタァァッックッッ!!
「ごふぅっっ!」
山羊女怪人の腹にクリーーンヒットした。そしてその腹からうさみっちは激しくバウンドすると公園の滑り台のてっぺんにスチャッと着地し。
「そりゃあ、もう一丁ーーーっっ!」
その場で何度かバウンドした後、もう一度うさみっちが己の身体を山羊女怪人へとぶつけるため勢いをつける。
「おばさんとはハリもツヤも違うのよだ!
「おっ、おばさ……!?」
年齢不詳の怪人は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。
「ピチピチの7歳児の愛されふわとろマシュマロボディを満喫してみろーーっっ!」
弾丸の如き速さでうさみっちが怪人へと迫る。
避けようとするも、動きを制御するようにアレクシスが剣を振るうものだから身動き取れずうさみっち砲を腹に喰らう怪人。
「更にもう一丁ーーッッ!」
うさみっちが更に速度を上げバウンドし怪人目掛けて弾みをつければ
「そう何度も喰らってたまるものではありませんのよ!」
怪人が爪を立て、更にユーベルコードの『ふしぎウィルス』を発動させる。さっきいつの間にかルベルさんが喰らったと思われるアレです。
「……させません!」
うさみっちがその動きを急ブレーキしようとした時、カイの力強い言葉が響いた。見ればカイの聖痕が光り輝いている。そしてその聖痕は怪人が放つピンクのフェロモンを吸い込んでいた。
「な……!?」
物凄い吸引力を誇る掃除機すらビックリするレベルでフェロモンを吸いとるカイの聖痕。浄化作用が半端ないのをうさみっちは見届けながら
「よっしゃ、ならば行くぜーーっ!」
ふわもちうさみっちがピンボールの如く怪人の足元にぶつかれば、怪人は派手に転倒し。跳ね返ったうさみっちが公園内の遊具にぶつかっては跳ね返り、うさみっちピンボールと化している。
(……あ)
チアガールと化していたアネモネが良いこと思いついた♪と小悪魔な笑みを浮かべ。
公園の遊具達を指差し、もにゃもにゃっと念を込めるアネモネの姿を他所に
「よくも少年の純真を踏みにじりましたねっ」
ルベルが倒れた山羊女怪人に追撃を仕掛けようと飛びかかる。
そして容赦なく妖刀・墨染を振りかざした。
「や、やめてほしぃメエ♡」
先程の魅了効果の効きを知ってか、山羊女怪人が媚びへつらう甘い声をかければ
「あっ!手元がッッ」
山羊女怪人の角がルベルの刃によって切断された。
「イッ、イッタァァァアアアィッ!! 何すんのよ!!!!!」
角に痛覚はあったらしい。デリャアッ!!と山羊女怪人はルベルを思いっきり突き飛ばした。
(この角、記念に持ち帰ろう)
巨乳山羊女怪人の角を胸に抱き吹き飛ばされるルベル。
「え、えぇと……えいっ」
カイが念糸を使用し、幸せそうな表情で空飛ぶルベルをくるくるっと捕えた。
「役に立ったようで良かったです」
「恐ろしい敵でございます……!」
ルベルは真剣な表情で己の額の汗を拭った。
カイもまた頷いた。
「そうなんです。その……敵でも女性の……に間違って触れてはいけないと思うので」
遠距離から支援に徹していたカイ。紳士である。
うさみっちも相変わらずのもちふわマシュマロピンボールで攻撃をしかけているが、あの乳は飛び込むと色んな意味でやばそうだから、と一番大きな的は避けているわけで。
攻撃が通るようになり、カデルとアーシェ、またアレクシスも連携し山羊女怪人をジリジリと追い立てている。
そんな中
「よっし、みーーんな、美少年になーーれ!」
公園内にアネモネの明るい声が響き渡った。
皆の視線が集まったことに満足そうに頷き、愛らしくポージングを取れば。
滑り台がシュッとした美少年に変化した。続いてジャングルジムが少年らしからぬ筋肉を持った美少年に、ベンチが穏やかな物腰の美少年になったかと思えば、シーソーが二面性のありそうな美少年に変化したり……とにかく公園の無機物たちが美少年に変化した。
アネモネのユーベルコード『ビショーネン・クリエーション』恐るべし。
遊具を始め、看板やらなんやら48を超す遊具たちがアネモネと同じ位の美少年へと変化したわけで。
「さぁ、いくよ!ACB48達!」
アネモネ・クリエーション・ビショウネンの略です。勝手につけてますごめんなさい。
あと遊具にぶつかってピンボールしてたうさみっちさんはジャングルジム美少年と派手に正面衝突してたことも此処に記載いたします。
そして、わーーーっ!と山羊女怪人へと群がるACB48。
「え、なに、なんなのっ!?」
山羊女怪人も迫ってくる美少年にまんざらでもない表情をしている様子で
「一応女性だから顔はダメだよー!」
アネモネがのんびりとした口調で美少年達に告げれば
「はい!アネモネ様!」
と規則正しい返事が返り。ぽこすかと女怪人を叩く。
そして叩かれながらも、どこか恍惚の表情を見せる山羊女怪人。
「このまま美少年に任せれば片はつくのかな?」
カデルが叩かれている山羊女怪人を見る。
「そんな気もするが……」
アレクシスがテレビウムのビューティーの画面を見れば、残り4分程。
果たして時間内に倒せるのだろうか、とアレクシスが思案した瞬間。
「一瞬、美少年に倒されてもいいかも、なんて思いましたけど……わたくし、負けませんわよぉぉおお!!」
山羊女怪人がどぉん!と力づくで美少年ズを弾き飛ばす。ボスの最期の粘り強さを見せて来た。
むしろ少し肌ツヤが良くなってる気もする。
「くっ、しぶといおばさんだな!」
うさみっちがまたもバウンド体制を取り、カデルはアーシェと共に戦闘態勢を整える。
「僕たちは狩られる者と狩る者の関係なのでっ!」
ルベルが刃を手に山羊女怪人へと走り寄れば
「攻撃しないでほしいメェ♡」
「……ッ!」
刃が空を斬り、そして跪くルベル。
「だって……綺麗なお姉さんだから……ッ!」
だむだむと拳で地を叩くルベルの姿。
「なぁ、あれは魅了の効果なのか?なぁ、なぁ?」
うさみっちがルベルを指差し首を傾ければ、アネモネが
「優しさって罪だよね♪」
と愛らしく笑い。アネモネのいつの間にかレベルアップしていた愛杖🌟しゃいにーらぶじ🌟を宙に掲げくるりと回す。
「美少年達よ、とにかくあの怪人を捕まえてー!」
「はい、アネモネ様!!」
吹き飛ばされた美少年達が再度山羊羊怪人を取り囲む。
「同じ手は喰らいませんでしてよ!」
美少年ズを吹き飛ばそうとする怪人だった、が!
「はい、かーーいじょ!」
アネモネが愛らしく笑い、指を鳴らせば。
美少年達が無機物の姿に戻る……ということで
「お、重ッ……!なんなのですの!!」
怪人はジャングルジムの間に挟まり、シーソーに潰され、『この公園でサッカーは禁止です』と書かれた看板が目の前に立ち、ベンチに座らされ荒縄で縛られていた。どこにあったんだ荒縄。
「痛いよね、ごめんね!」
そう言うアネモネの愛らしいかんばせは、非常にサディスティックに感じられたとか(ルベル氏談)
「あぁっ、時間が……っ!」
テレビウム、ビューティーのカウントは100を切っていた。
カデルの声にアレクシスがビューティーの元に走る。
(被害なんて出させない……!)
騎士道精神で大きく腕を広げ、ビューティーの前に立ちはだかり。
「決着、つけますっ」
カイが武器である巡り扇を手に怪人に近づくと同時に、カデルはユーベルコード『君がための光』を発動させ、アーシェに更なる破壊力を与える、敵前へと進み出る。
「もう一度行こうアーシェ。ビューティー……ティーの為に一緒に舞って……!」
カデルの声に、アーシェが頷くように首を動かした。
そんな二人の姿に、カイは今はまだ気ままな反応を示す扇に宿る精霊に強く念じる。
(どうか……今は、力を貸してください!)
カイもまたユーベルコード『エレメンタル・ファンタジア』を発動させ、扇の火の精霊の力を強めた。そしてその扇を山羊女怪人に向かって振り舞う。
カデルとアーシェの舞のような攻撃と、カイの炎の精霊の火力が相乗し。
縛られたままの山羊女怪人は炎に包まれた。
「ジーーンギーースカーーーン!!」
最期の雄叫びと共に、山羊女怪人の姿は炎の中に消えていくのだった
(え、ヤギもジンギスカンなの?)
猟兵達の間にザワッとした空気を残して……。
●カウントダウン
「一件落着でございますね!」
ふぅ、と爽やかな笑顔を見せるルベル。手には山羊女怪人の角がしっかりと抱かれている。
「この日のことは忘れません……!」
ルベルは瞳を閉じ、敵の姿を想い返す。たわわな胸部とか。艶のあるぽってりとした唇とか。むっちりとした太腿とか。
「ちょ、ちょっと待って!」
「止まらない……のか?」
カデルが声を上げれば、アレクシスはテレビウムのビューティーの顔を覗き込んだ。
その数字は残り10……9……
「ぴゃあああああ!! 爆発するぞーー!!」
うさみっちは鳴き声を上げながら空を飛び上がる。
「皆、下がって!」
アレクシスが叫べば、カデルやアネモネ、羽のある者達は上空へ飛び上る。
逆にカイはアレクシス同様、爆発の被害を抑えるために前へと進み出た。
「3……2……」
アレクシスは盾を手に、歯を食いしばり。カイもオーラ防御を発動した。
「1……0」
突如、周辺から声が響いた。
『システム・フラワーズより緊急救援要請』
『全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり』
『テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う』
公園のどこからだろう、もっと外からだろうか。
しかしその声はしっかりと猟兵達の耳へと届いた。
この声は……? と誰もが首を傾げた瞬間に。
「はーーっはっはっはっはっは! よく寝たよね!」
テレビウム、ビューティーが両腕を上げ、伸びをした。
「……なんだ、自爆じゃねーじゃん。フェアリー騒がせなヤツめ」
うさみっちが空中からゆっくりと降りて来た。そしてぺちぺちとテレビウムの画面を叩く。
「心配しちゃったよ、もうっ! ティー、本当に寝てたのっ?」
カデルが愛らしく頬を膨らませれば
「いや、いつもはこんなことにならないよ、初めてだよ! なんだったんだろう……?」
ビューティーが首を傾げた。
「でも、ティー殿が無事でよかった」
カデルのつけたあだ名に異論はなさそうな様子にアレクシスも笑みを浮かべ。自分も彼をあだ名で呼んでみる。
「はっはっは、命の恩人な皆には好きなように呼んでもらいたいよ!」
高笑いするビューティー、の顔が。鍵でもない。矢印でもない。数字でもない。
「それはティー殿の本当の顔……だろうか……? それとも新たな試練……?」
アレクシスの瞳のハイライトは消え、腕を組み悩みだす。
「え、何、どんなイケメンなのっ?」
ワクワクとしながらテレビウムの顔を見たアネモネ。
「……イケ……メン……?」
その動きが固まった。
「はーっはっはっはっはっは! 遂に僕の美しい顔が戻ったんだね!!」
そそくさと手鏡を取り出し己の顔を見、
「あぁっ、そうだよ! 究極の流線美を兼ね備えた美しさだろう!! あぁ、なんと美しいんだ、この僕……!」
どれどれ、とうさみっちとルベルがビューティーの顔を見た。
「お前の美の基準がわからねぇ……」
まだ河童の方がわかる気がする、とうさみっちは思い。そして
「……『へのへのもへじ』と読めるでございますね!」
朗らかに、ルベルが笑えば。
「確かに私の世界では人気のある表情かもしれませんね」
カイは真剣な面持ちで頷くのだった。
かくして、キマイラフューチャーを騒がせる事件の一つはひとまず幕を下ろした。
しかし同様な事件が多発しているこの世界。
システムフラワーズに、メンテナンスルート。
果たして、このキマイラフューチャーの世界に何が起こっているのか。
まだまだ猟兵の力が必要となりそうだ。
それいけ、愛すべき猟兵達!
大成功
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