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テレビウム・ロック!~素敵な虚夢への招待状

#キマイラフューチャー #テレビウム・ロック! #テレビウム #システム・フラワーズ

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●降って湧いた『鍵』
 ルーファス・アルジェントは悲鳴を上げていた。
 今日は寝てばかりな先生の代わりに買い出しに来てた筈なんだ。コンコンだけだと料理も出来ないし。たまにはこうして買い物に行かないと、先生の身体が心配だ。
 けど、今はそんな心配をする余地が全く無い。ふと街並みに映える窓ガラスの方を向いたら、自分の顔が『鍵』を映し出して居たからだ。
「『何について調べますか?』」
 其処に突如として現れた白いベルーガの群れ。聞きたいことは山程あった。けれどベルーガは何も答えてくれない。むしろ此方を追いかけてくる。なんで?どうして僕なの!?
「ど、どーしてこんな事に……ああ、卵われちゃってる……でも急いで逃げなきゃ」

 銀色のテレビウムが急いでその場から逃げ去ろうとしていく中、
 遠くから、メリーゴーランドが回るようなオルゴールの音色が聞こえる。
 その虚夢は語る。お前は知らなくて良いのだと。

●鍵を握るは『鍵』
「えーと、なにかこう、珍妙な事態が発生しているようです」
 ゼルド・シュバイツァー(陽炎の仇刃・f12297)も頭を捻っていた。しかしながら緊急事態ということには変わりないらしい。
「キマイラフューチャーにてテレビウムが怪人達に襲われる事件が大量に発生しています。この世界だからしょうもないんだろうなぁとは思いましたが――どうやらそういうことではないようです」
 ゼルドが手書きでかりかりとテレビウムの絵を書いていく。その表情を表す筈であろう画面に出ているのは――『鍵』。
「このように、『鍵』が表示されたテレビウムが共通して襲われています。困ったことに、彼らの中には一定数猟兵も含まれているようなのですが……どういった了見なのでしょうか? ともかく、今回はこのテレビウム達の1人の救援に向かって頂きます」

「今回向かってもらうのは――そうですね、ルーファス・アルジェントというテレビウムの少年の所です。……どうやら買い出し中に突然『画面』が切り替わったみたいですね」
 そして怪人が襲ってきたという訳だ。なんにも無かった筈の平和過ぎる日常がちゃぶ台を返したかのように滅茶苦茶になったのだ。彼には同情する他無い。
「なんでも、怪人達はテレビウムの追跡にご執心なようです……少なくとも何度も集団を差し向ける程に。何度も交戦する事が容易に予測できます。しっかり準備を整えてから向かって下さい」

 そのまま転送準備を始めようとするゼルドを制すように猟兵の一人が声を上げる。まだ他にわかることは無いのか、と。それにはふるふると首を横に振った。
「そもそもこの『鍵』も謎に満ちてるんですよ……けれど、怪人が狙うだけの『何か』がある筈です。その謎も解いてきて下さると助かります」
 キマイラフューチャーに突如として始まった異変……その鍵は『鍵』が握っている。
 


逢坂灰斗
 TOPイラスト、二度見しましたが、まさかこの為の改変画像……!?
 逢坂灰斗です。

 今回はキマイラフューチャーに突如起きた異変の解決と、『鍵』の謎について迫って頂きます。

【MSより】
 このシナリオは全体的な👑数が少ないシナリオとなっております。お早めのプレイングをお願いします。

 登場するNPCの軽い設定も乗せておきますが、参考にするかはお任せします。

●ルーファス・アルジェント
 キマイラの医者先生の面倒を甲斐甲斐しく見ているテレビウムの少年。
 銀と白を貴重とした色合いをしている。
 なお、精神面は一般的なのでベルーガに『全て消すモード』で追っかけられてるだけでも悲鳴をあげる。

 なお、チームや団体で参加される方は迷子防止の為【一緒に参加される相手】か【一緒に参加するグループ名】を必ずご記述ください。
 では、お目に止まりましたら、宜しくお願いします。
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第1章 集団戦 『何も答えてくれないベルーガ』

POW   :    おまえを消す方法
【全て消すモード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ベルーガに乗った中年
【ベルーガの調教師】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    ベルーガがせめてきたぞ
戦闘用の、自身と同じ強さの【熱線銃装備の軍用ベルーガ】と【ガトリングガン装備の軍用ベルーガ】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。

イラスト:ケーダ

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

宮落・ライア
とーう!
さて、名乗りの前に静かにするかー。

質問?ああ、間に合ってるよ。
斬れば解決するから。

【侵食加速】で自身強化
【魔眼の継嗣】で敵の動きを【見切り】
【剣刃一閃】で切り捨てる。

うーん何処もかしこも怪人だらけ。
事件も事件だけどどこにこれだけ居たのやら。


篁・綾
…魚類?が地上にいるわ。物の怪みたいなものかしら。
ともあれ、捌いてしまいましょう。

テレビウムの人を【かばう】ように敵との間に割り込むわ。
その後、【挑発】して逆側に【おびき寄せ】ようとしてみましょう。
ともあれ、挨拶代わりに【見切り】で相手の位置を見極め、桜吹雪で【目潰し】をし、
【なぎ払い、2回攻撃、鎧無視攻撃、マヒ攻撃、衝撃波、範囲攻撃】を駆使して、
UC【月牙乱桜】を使用。
桜を散らす斬撃の嵐を飛ばして爆撃するわ。

敵からの攻撃は【見切り】で見極め【残像】で回避を。
無理なら【武器受け、オーラ防御、激痛耐性】で耐えるわ。
可能なら別の敵を射線に入れて【敵を盾にする】のもいいわね。



●捌きの時間
 ルーファスが諦めかけた時。激しく、桜花が吹き付けた。春色嵐に刻まれるように、取り囲んでいた集団が数を減らしていく。
 戦地に突如舞い踊った桜吹雪を、呆然と見つめる銀色テレビウムの少年の前に一人の影が護るように立ち塞がる。
「……可笑しいわね。魚類(?)が地上にいるわ」
 精確には哺乳類に属するどころか、バーチャルキャラクターの一種なのだろうが、そんな事は知らず、物の怪の一種として判断した篁・綾(幽世の門に咲く桜・f02755)は彼に取り付かせんとばかりに鍔迫り合いの始まる前から牽制を始める。その横からしゅたっと快活な掛け声と共に宮落・ライア(英雄こそが守り手!(志望)・f05053)が降りてくる。
 何者だ!?と本来は問答が始まる所であろうが、相手はそういうお約束を理解する存在では無い。
「『何について調「『何について調べま「『何につ「『何について調べ』」』」
 大量に現れたベルーガの群れは、何かの怨念か、それとも『習性』か。何も答えるつもりはないであろうに、壊れた機械のように同じフレーズを集団で捲し立てている。
 ライアはそれを制するように片手を伸ばし、応える。
「質問?ああ、『そんなもの』間に合ってるよ」
「ええ、確かに要らないわね。どうせ物の怪の類に近い物なのでしょう。だったら――」
「……斬れば解決するから」
「そうね、ともあれ、捌いてしまいましょう」
 再び、戦地に桜花が舞い散り始めた。

 狂乱するかのように全てを『削除』する方法を実行してきているベルーガの群れを、予測し切るというのは多少無理を要したか、期待が、祈りが、狂気にも近い決意が、与える力の代償とばかりにライアの身を『締め上げてきている』のは手痛かった。
 けれども、そんな事が無い様に綾は集団に対しての一計を講じていた。狂気にうかされたように熱線とガトリング装備のベルーガをけしかける相手の視線を一手に引き受ける事で敵陣の同士討ちを誘発させていった。
「『――ぎらり、ぎらり 光る弓張りの月よ 宵に揺られし月影の夢を 猛き風にて花へと散らせ』」
 言の葉と共に桜花を纏った斬撃が敵陣を斬り散らしていく。
 それならばと動けぬライアを狙おうとするのは『間違っていた』。
「そっちから間合いに来てくれるだなんて――」
 刹那をも刻む一瞬の斬撃。触れれば斬れる。寄らば斬る。
「……助かるね」
 真っ二つとされたベルーガは壊れたように文言を紡ぎながら消えていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

織部・樒
【ザフェル(f10233)さんと行動】
連携、アドリブOK

魚類、でしょうか? 何と面妖な……
しかも、不思議な問いかけまで(物珍しそうに)

ルーファスさんの動きを確認し、
敵がそちらへ向かわないよう留意して動きます
竜笛(獣奏器)にて獅子を召喚
ザフェルさんの待機する方面へと追い立てるように
回り込み威嚇します
もし逃げない場合は蹴散らす、
押さえつけるなどし無力化を狙います
戦闘中ですが、余裕があれば折角ですから
長年気になっていた事を尋ねてみましょう
「へっつい」の語源を調べたいのですが
……あ、答えては頂けないのですね……(少し残念そう)
付近に敵がいなくなったらルーファスさんを護るように
前に出ておきます


ザフェル・エジェデルハ
樒(f10234)と行動を共にする

かわいい顔してやることはえげつねぇのか
やだねぇ、オブリビオンってヤツは

何について調べますか?と聞かれたら試しに
お前を消す方法。と聞いてみる
これが分かれば苦労はねぇからな。まあ答えてくれるわけねぇが

攻撃前に【力溜め】で力を蓄え、樒に追いたてられた敵を
【グランドクラッシャー】で一気に叩き潰す
木端微塵にしてやんぜ!!
なお、戦闘中はルーファスの位置を気にし、彼の方に敵が
向かわないよう気をつけ、敵とルーファスの間に入るような
立ち位置を心がける

(他者との連携やアドリブOKです)



●何も答えてくれない?いいえ、実は――
「『何について調べますか?』」
 新たな猟兵達が現れても、当然の如くベルーガは定型文の如き質問を行ってくる。
「どうせなら『へっつい』の語源を調べたいのですが……」
 織部・樒(九鼎大呂・f10234)の淡い期待も虚しく、ベルーガ達は何も答えてくれない。代わりにルーファスが足元にしっかとしがみついて震えているような状況になる程度だ。
「たーく、答えてくれる訳がねーだろ?まぁ、試しに俺も聞いてみたいことがあんだよ」
 ザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)は知っていたとばかりに、肩を竦めながらも、どうせ答えちゃくれないだろうとばかりに問いを返した。
「――お前を消す方法」
 ……が、その質問の答は『返ってきて』しまった。
「『それは』」「『全部』」「『お前も含めて』」
 突如唱和するように、狂ったように。ベルーガ達から『削除』という言葉が連呼される。何も答えてくれない?いいえ、そんな甘い問題では最初から無かったのだ。
 ――こいつらは、最初から今までの恨みから『削除』する事しか頭に無い。

「――いいぜ、予定変更気味だが、そっちがそのつもりなら相手になってやる」
「ええ、全力で此方が『引き付け』ますから、後は元の手筈通りに」
 狂乱のベルーガの群れが殺到する前に樒は音色を奏でた。同時に現れる獅子に素早く跨がり、本来は追い込む予定ではあったが、ロデオの如くベルーガを御する調教師達を見て全て引き付けて『固めなければ』有効に策が回らないと悟った為だ。
(早く動く物を追いかけるようですが……今の付近の地図なら一旦大回りしながら元の位置に戻るのが得策ですかね)
 獅子も必死に全速力で駆け抜ける。なにせ後ろから追っかけてくるベルーガが全部が全部さっきから『削除』としか言ってないのだから。言葉の意味が理解できなくとも恐怖で逃げ出したくなる絵面だろう。
 だがしかし。既に機は熟した。大回りをした先に待っていたのは、怯えるルーファスを足元に控えさせたザフェルの姿。既に打ち込む準備は出来ている。
 彼はルーファスを急ぎ遠ざけさせると、大声で叫んだ。
「今だ、樒ィ!飛べ!!!」
 獅子が跳躍すると同時、その地点に振り翳されるは戦斧の渾身の一振り。
 ――その光景は遠目から見ればボウリングのピンがストライクで薙ぎ倒される様子にも見えただろうか。
 一箇所に固められるように殺到したベルーガは、地をも砕く一振りで纏めて木っ端微塵に吹っ飛んだのであった。

 ……ちなみに。ベルーガ共は死んでも答えてくれないので代わりに解説するが、「へっつい」は土間に設置されている『かまど』の事を指す言葉である。落語とかでよく聞く言い回しかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

スフィーエ・シエルフィート
※アドリブ・連携OK!
鍵ってことは、これは文字通りのモノなのかねぇ?
分からないけど、健気な少年を放っておく訳にはいくまいね
お姉さんが体を張ってあげよう

現場についたら精霊銃の早業・クイックドロウ・スナイパーさ
ベルーガ君達を牽制し、少年との間に割って入ろう
オーラ防御も念のため
「少年。イイ女が助けに来たよ。今のうちに安全な場所に身を隠しておいてくれたまえ」

さて、熱線とガトリングは厄介だ
ここは英雄譚に憧れた少女『殺陣』で攻撃を潜り抜けよう
熱線は氷の精霊銃で相殺し、炎の精霊銃で本体を狙い撃ち
ダメージを与えて解除させてから、鞭で引き寄せからの銃の乱射による華麗なコンボで粉砕してあげよう



●終幕を紡ぐ女
 ベルーガ達の集団は、明確な劣勢でありながらもルーファスへの執着を解かなかった。此処まで来ればタダの一般市民である少年も怯えが止まらないであろう。だが。
 ――魔力の込められた速射が間を割って入るように撃ち込まれた。

 つかつかと、踵の音が鳴り響く。その姿は予知をする時とも変わらぬ、演劇の壇上の如き流麗さで。ルーファスの眼の前にスフィーエ・シエルフィート(愛と混沌のストーリーテラー・f08782)は姿を現したのだ。
 時が止まったかのような一瞬にて、スフィーエは王子のように少年の手を取り、こう囁いた。
「少年。イイ女が助けに来たよ。今のうちに安全な場所に身を隠しておいてくれたまえ」
「え、あ……は、はい!!」
 一瞬何か間違いを起こしそうな表情をしていたが、少なくとも今の状況に置いて彼女の言葉は非常に頼もしかったに違いない。
 それを受けて身を隠そうとするルーファスを追おうとするベルーガ達を、焦らない、とばかりにもう一度牽制の魔弾が放たれる。
 舞台のフィナーレはまだ、演じられていないのだから。

「さぁ!お楽しみの時間だよ諸君!! スタイリッシュ・アクションで物語の締めと行こうじゃあないか!!」
 直後、ともすれば王子のようなその女が踵を鳴らし跳躍すれば、熱線とガトリングが飛び交う乱戦地をアクロバットを駆使しながらまるで銀幕の一場面を切り取ったかのように、鮮やかに跳ね回っていく。
(しかしながら――どちらも厄介な武装だ。熱線も、ガトリングもまともに浴びてしまえば痛手になるだろう、が)
 余りにも巨大な炎と氷、対を成す二丁拳銃がスラリと引き抜かれると。氷の咆哮が熱線を掻き消し、その隙に『武装のない』ベルーガへ炎の咆哮が解き放たれていく。
「物量だけでは演目としては精彩さが欠けるね。……それだけが残念だ」
 武装ベルーガが消えた瞬間を見計らい、鞭の一閃により、ベルーガ達がかき集められ、手繰り寄せられ。
「せめて、氷炎の花束でも贈ってあげようか。私からの最後のプレゼントだ」
 無防備な群衆は氷炎で彩られた花火の中で、骸の海へと還っていった。

●『鍵』が指し示すのは何処か
 此処を襲っていたベルーガ達の殲滅が完了した時、安全だと思ったルーファスが再び姿を現した。
「……あ、あの……助かりまし――」
 が、その『画面』には再び異変が起きていた。『鍵』が高速回転を始めていたのである。
「ふむ……待ち給え。キミの画面の『鍵』だが、回転を始めているようだね?」
 スフィーエの言葉を聞き、彼女のスマートフォンのカメラ機能で見せて貰う形で、彼自身も、自分の『画像』の変化に気付く。ルーファス曰く、こんな事はさっきまでの中では一度もなかった、というのだ。
 その最中に、回転がとある方向を指し、ぴたりと静止した。まるでコンパスのように。
「え、えっと……この鍵、変な方向に傾いて止まりましたけど……あ、『GO!』って出てます」
「つまりこれは……私達に『此処に行け』、と指示をしているのかな……?」

 『鍵』の謎はまだ解けない。……が、これが罠とも思えなかった。猟兵達は、『鍵』の示すその先へ、少年と共に歩みを進めていく――

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『ジョン・ドゥ・キャット』

POW   :    キャスパリーグの災禍
【凶事を呼び込む巨大な怪猫】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ボイオティアの眼
【額に、全てを見透かす大山猫の目を開眼して】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    ウルタールの猫葬列
【殺されて死んだ、無残な姿の猫たち】の霊を召喚する。これは【爪】や【牙】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:ハレのちハレタ

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●通りすがりの凶兆達
 猟兵達と歩を進める銀色のテレビウム。買い出しで慣れているのか、意外と健脚だった彼はぴこぴこと自分の画面の様子を見ながら歩いている。
 此処までなら和やかに終わる筈……だったのだが、そうは問屋が降ろさなかった。
「だめだ、お前は行かせない――」
 凶兆の猫達が行く手を阻むようにぞろぞろと、現れてきた。
 なんで、僕ばっかり……?そう言いたげなルーファスが縋るように見つめるのは、紛れもなく、猟兵達しか居なかった。

【MSより】
 今回のシチュエーションは『鍵』によって指し示された方向への移動中に発生する戦闘です。
 ルーファスを護衛しながらの戦闘となります。
 もし、移動手段が存在するPCによるプレイングがあった場合、その猟兵がルーファスを護送(複数人居た場合リレーする形で)、その他の猟兵が妨害しようとするジョン・ドゥ・キャット達の排除を担当する形で進行します。
(当然その旨のプレイングが無ければ共通して『目的地を目指しながら戦闘する』形で処理していきます)

【※執筆予定は4/22の1時以降となります。お早めにプレイングをお願いします】
宮落・ライア
何だなんか知ってるのか知ってるなら吐けぇぇぇい!!
吐かなければ猫じゃらし見せびらかすぞ。

むー語る舌もなしって?
なら仕方ない。
怪猫になられたら仕方ない。
手荒に行くよ。

敵に合わせてこっちも強化。【侵食加速】
【見切り】と【野性の感】で避けて
タイミングを合わせて【ジャンプ】し怪猫の額に
【怪力・グラップル】で【グラウンドクラッシャー】。
お座り! (?)

あらかた減ったらルーフェスは抱えて走るかな。
大丈夫。【ダッシュ】には自信があるから



●凶事との衝突
「何だなんか知ってるのか知ってるなら吐けぇぇぇい!!吐かなければ猫じゃらし見せびらかすぞ!!!」
 そう言いながら宮落・ライア(ノゾム者・f05053)はジョン・ドゥ・キャット達の前に猫じゃらしをフリフリしていた。だが、向こうはそれ以上に冷淡だった。
「お前が知る必要もない」
 ぺしりと猫じゃらしをはたき落としつつ、死んだ眼差しを向ける猫達は変化していく。
 お前には凶事を運びに来たんだ。お前には話す口も必要ない、とばかりに。
「むー、語る舌もなしって?なら仕方ない。怪猫になられたら仕方ない」
 同時に彼女の全身を駆け巡っていくモノが、彼女を昂らせる様に。狂気を加速させていく。
「――手荒に行くよ」

 ……だが、再び彼女は凶事を『踏み抜いて』しまった。彼女のこの強化は寿命を削らない代わりに、『呪縛、流血、毒のいずれか』の代償を受ける。ただの流血や毒で済めば良かったろうが、再びの『呪縛』が彼女を襲った。戦地の真っ只中で『動けなくなる』というのが非常に致命的であった。
「だけどね、私は……負けられない!死ぬことも、止まることも、認められない!私は託された!選ばれたんだから!」
 集団が殺到し、ライアをそのまま更なる凶事へと叩き込もうとした瞬間、彼女は呪縛を振りほどかんとするように、一振りの鉄槌を振り下ろした。
「――おすわりッ!!」
 ……座るどころではないその衝撃は、彼女に殺到した猫達を吹き飛ばすには十分だった、が。彼女のもう一つの目的を果たそうには少し、強化の代償が手痛すぎた様だった。

 ……肝心のルーファスは、ライアが大量の怪猫に群がられている中を急いでとてとてと逃げ出そうとしていた。呪縛でろくに動けない彼女では運んで貰うのも無理があったから、だ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

スフィーエ・シエルフィート
※アドリブ・連携OK!
ふむ、どうやらどこかの鍵のようなものなのかね
どの道、そこへ行く以外に手がかりはないわけだからね
道中の露払いは任せてくれたまえ

なんて思っていたら早速おいでなすったようだ
ここは牽制も兼ねて、ナイフを使って鈴蘭の嵐を発動しよう
目晦ましにもなるだろうからね
他の猟兵君達がルーファス君を連れだす時間稼ぎにもなるだろう

その後はつかず離れずの位置で殿を担当しようか
この無残な姿には同情するけど、私は虐待した覚えはないのでね
その恨みは別の糞野郎にぶつけてくれたまえ――と、引き続き鈴蘭の嵐

近づかれる前に牽制し、破魔の力で浄化してあげよう
そうして残った敵にとどめのジャッジメント・クルセイドさ


篁・綾
護衛して移動になる場合は【乱桜ノ庭】を起動、承知するなら彼を収納します。

その可否に関わらずUC【桜狐招来】で狐を呼び出して騎乗。
収納していないなら彼を【かばう】為に同乗させましょう。
舞い散る桜で【目潰し】をしながら、
【2回攻撃、破魔、鎧無視攻撃、マヒ攻撃、衝撃波】を駆使して相手を牽制しつつ、
【見切り、第六感】で相手の動きを予測しながら【空中戦、残像、フェイント】を駆使して回避、突破を。
無理な場合は【武器受け、オーラ防御、激痛耐性、呪詛耐性】で耐えましょう。
狐は手近な相手に噛み付き、必要に応じて敵に投げたり、【敵を盾にする】ようにしたりするわ。

…長居は無用。先を急ぎましょう。



●葬列に舞う花弁
 ルーファスは必死に逃走を図っていたが、集団相手である以上、小さなテレビウムには限界があった。
 あっさりと追いつかれてしまった彼の前に、二人の猟兵が盾となるように割り込んだ。
 スフィーエ・シエルフィート(愛と混沌のストーリーテラー・f08782)と篁・綾(幽世の門に咲く桜・f02755)はこの包囲された状況をどうにか抜け出さんと思案していた。
「彼は私が運びましょう。けれどこの数、巧くやり過ごさないと逃げ切れないわ」
 役割分担をそれとなく提案していく綾に、スフィーエは柔和に微笑む。
「ならば、殿は此方に任せたまえ。それに私とて、牽制の手が無いことはないからね――」
 大型ナイフが、彼女の手の内に収まると、それは鈴蘭の花びらと変じる。猫の葬列への花束とそれはなり得たか、一帯を吹きすさぶ嵐は猫達の目を欺くに十分であった。
 相手が気取られている内に綾がルーファスに桜色の狐火を差し出した。
「……今のうちに此方に触れて。私が倒れない限りこの中は安全だから」
 恐る恐るそれに触れたテレビウムの少年は嵐が収まる瞬間にはこの場から姿を消していた。彼がその時見たのは、桜の舞う、箱庭の世界。

「あいつが、居ない」
「どこにいった、探せ」
 軽い混乱に陥るが、猟兵達を放置する訳にもいかぬ一部の猫達は再び葬列を仕掛けてくる。けれども、その程度は予測が出来ていた。後は走り出すのみ。
「……弔花には不向きな気がするけれど、私からも」
 鈴蘭の花の代わりに舞い散るのは桜の花びら。同時に顕現した桜狐に跨った綾はスフィーエの方へ目配せを送る。
「ふむ、ではこの場からは『逃げ出させて貰おう』。追いたければ、私を突破してみたまえ」
 葬列の無残な姿には同情する。けれども、それは彼女らのしたことではない。当然そんな覚えも無い。
(その恨みは別の糞野郎にぶつけてくれたまえ――)
 くるりくるりと、再び入れ違うような形で鈴蘭の嵐が舞いだしたのを契機に、綾とスフィーエは、この包囲を『突破』した。追いすがろうとするものは、語り手たる女の導く光条により、過たず浄化されて行った。

「さて、方向は此方だったね」
 箱庭の世界から這い出してきたルーファスの画面を見ながらも、二人は油断なく構えていた。
「後もう少しでこの『鍵』の地点だから……無事に行かないと、ね」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

織部・樒
【ザフェル(f10233)さんと行動】
連携・アドリブOKです

不気味な魚類の次は不吉そうな猫が相手ですか……

引き続き獅子にお手伝いしてもらいます
ルーファスくん、乗ってください
私の前に乗っていただいて護送します
護送中は彼が振り落とされないよう後ろから身体を支えましょう
ザフェルさん他の皆さんの歩調になるべく合わせ進みます
敵の攻撃は基本的に他の皆さんに一任、但し万一此方に攻撃が及ぶ際は
獅子で避ける、スピードを上げる、身体で庇うなどして防衛
道中ルーファスくんが怯えているなら出来るだけ励まします
例えばこんな凄い冒険滅多に出来ないとかプラス思考な方面に


ザフェル・エジェデルハ
イルカっぽいのの次は猫か…。
こいつらはテレビウムを追いかける習性でもあんのか?
ま、『鍵』の謎を解くまで逃げ切ってやるけどな!!

樒(f10234)と共闘。他者との連携やアドリブOK

誰かがルーファスを護送するならその側を常に離れないようにし、
ルーファスも徒歩で移動するなら彼の近くを常に位置取り、
向かってくる敵を撃破する。
樒が護送ではなくライオンライドで敵の注意を引くようであれば、
その隙を突いて攻撃する。

攻撃は【串刺し】を狙うかのように【ドラゴニックエンド】を放つ
外したらそれでゲームオーバーだからな。
しっかり狙わせてもらうぜ子猫ちゃん!




 再び集まってきた猫の集団を見て、織部・樒(九鼎大呂・f10234)とザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)は、仲間からルーファスを預かると二人で獅子の背に跨った。
「イルカっぽいのの次は猫か……。こいつらはテレビウムを追いかける習性でもあんのか?」
 顎を擦るように考えを巡らせるザフェルに、獅子の主たる樒も思索しながら応える。
「きっと、そういう事では無いとは思います……が、これはそもそも『鍵』が狙いなのでしょうか?」
 此処まで怪人達が執拗に『テレビウム』のみを追跡していたという事例は過去のも無い。つまり、この事例の鍵を握るのも『鍵』、なのだ。
「ま、『鍵』の謎を解くまで逃げ切ってやるけどな!!」
「そうですね……後少しなようです。頼りにしてますよ、ザフェルさん」

 ……それは、津波とも形容できそうな光景であった。
 獅子の前方を除く四方八方から怒涛の勢いで山猫が迫ってきているのだ。
「おおっと、これだけいちゃあ何回も投げねぇと間に合わないな!!」
「分かってます!飛ばしますよ!!」
 速度を上げる獅子の背で、駆り手に抱きかかえられたルーファスは目を回していた。普段は医者先生の手伝いをしているだけの子なのだ。流石に今日一日の出来事だけでも濃密すぎて目を回しそうになっているだろうことは想像に難く無かった。
「ル、ルーファス君、こういうこと滅多に無いから逆に冒険みたいだって楽しんで見ましょうね?」
「で、でも、こんな速度で乗り物乗るなんて、経験するつもりもなかったよぉ……!?」

 ぐるんぐるんと目を回す彼の後方では、ひたすら槍を投げ込む男の姿があった。
「図体デカくなってくれたのは大歓迎だがよ……外したらそれでゲームオーバーだからな。しっかり狙わせてもらうぜ子猫ちゃん!」
 投げこんだ数だけドラゴンが召喚され、怪猫との怪獣大決戦(一方的)を行っている。……こんな緊急時でも無ければ、住人達が撮影にこぞってくるであろう光景だったのは間違いなかった。
 ……今のテレビウムの少年が見たら、間違いなく気絶しそうな程に。
「もうすぐみたいです!!」
「よっしゃ此方も猫ちゃん共は全部吹っ飛ばした!!雪崩込むぜ!!!」

 獅子が全速力でそのポイントへ駆け込んでいった。これで『鍵』の謎も多少は分かるだろう、と樒もその時点では考えていた。
 ――『鍵』が指し示す地点に到達した猟兵達を待っていたものとは。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ギヴ』

POW   :    あそんであげる
小さな【メリーゴーランド】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【遊園地】で、いつでも外に出られる。
SPD   :    しあわせになあれ
いま戦っている対象に有効な【すてきなプレゼント】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    ……わすれちゃったの?
自身が戦闘で瀕死になると【楽しかった思い出】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:棘ナツ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠コルチェ・ウーパニャンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●虚夢に至るオルゴール
 そこは、普段ならストリート・パフォーマンスの青年達が鎬を削り合うであろう、公園の広場の一角だった。
 特に『鍵』に関係する特殊な物は見当たらなかった――が、
 突如。オルゴールの音色が響き渡る。
 それは、嘗て見た朧のような幻想に、夢に誘うメリーゴーランドの歌声。
 人を、夢のまま、停滞させる、虚夢の導き手。

 猟兵達が構えた時、今まで一緒に来ていたテレビウムの少年に明確な異変が起きた。
「う、う……よくわからないけど、顔、が……」
 同時、ルーファスの『画面』が強く発光し始めた。彼自身はぐったりとするように突如動けなくなる。
 ……此の儘、動けない彼を狙われるのは危険だ!!彼を、護りきらねば――
織部・樒
【ザフェルさん(f10233)と行動】
連携・アドリブOK

鍵の謎を解く前に、アレを倒さなければなりませんね
心配ですがルーファスくんを介抱するのは後にして彼を護って戦います

敵の動作や攻撃方法をよく見て、行動パターンを予測し
適宜ザフェルさん、付近に猟兵がいるならその方にも声を掛け注意喚起
私はなるべくルーファスくんの傍、敵の導線を遮るように位置取り
ルーファスくん含め自分たちにUCの攻撃が来たら九字真言(手早く手印を結び九字を唱える)
にて相殺を試みます
相殺が無理ならせめて身体で庇います

戦闘後ルーファスくんがまだ倒れているなら介抱します
一体彼に何が起きているのでしょう
そういえば顔が発光していましたね……


ザフェル・エジェデルハ
いよいよ親玉の登場か?なんかキラキラしてんな。

樒(f10234)と連携して戦う。他者との連携やアドリブもOK

ルーファスに敵の攻撃が及ばないよう、彼の壁になれる位置取りを
常に心がけ、樒が彼をガードするタイミングで攻撃を行う
防御に徹する際は【力溜め】を行い【グラウンドクラッシャー】を
放つタイミングで一気に解き放つ
敵を仕留められるまたは、こちらが敗れると感じることが
あれば【捨て身の一撃】を放つ

さあて『鍵』ってのがなんなのか、きっちり教えてもらおうか!
中途半端な答えは許さねぇぜ!!



●虚ろを砕く槌
「いよいよ親玉の登場か?なんかキラキラしてんな」
 ザフェル・エジェデルハ(流離う竜・f10233)達の眼の前に現れたその怪人は、言の葉を紡がず、ただ、幻想をオルゴールの音で紡ぎ続けている。ただ一つ言えることは、あの『幻想』にルーファスが囚われてしまえば、『鍵』の謎は闇に葬られて消える、ということに相違ない。
「鍵の謎を解く前に、アレを倒さなければなりませんね」
 織部・樒(九鼎大呂・f10234)は自然と銀色のテレビウムの盾とならんとする位置を取る。程なくして、回り続けるメリーゴーランドの如き相手から、縁を切り落とす鋏が飛来する。
「……ユーベルコードでは直接攻撃してきませんか」
 樒が霊符を撒きながら攻撃を受け流すのを見たのに合わせ、ザフェルは『溜め』を解き放つ。
「なら、此方から先にかましてやるぜ!!」
 向こうが仕掛けてこないなら、此方から動くまで。振り抜かれた槌により、地を砕く程の衝撃を受けたギヴは、歪んだ音色を奏で始める。その『声』が紡ぐは、虚構のような、けれど見覚えのあるもの。
「……なんだ、ありゃあ」
 それは、何時見たものか。遠くの記憶。朧の果て。雲を掴むように不確かなソレが現していくのは、『楽しかった』夢。
 彼らには見えるものがそれぞれに違うかもしれない。オルゴールの音色は、その記憶を『忘れてしまったの?』と問い掛けてくる。彼方の最果てより来たらんとするそれが、二人を斬りつけようと襲うが――

 ……その夢は、長く、続かなかった。
「――青龍、白虎、朱雀、玄武、勾陳、帝台、文王、三台、玉女」
 ぼろぼろと、偽りは溶ける。そこに、最初から無かったように。
「……忘れてなど、居ませんよ。そうでなければ」
 彼は、ここに立っていないかも、知れないのだから。
 まるで一瞬音を外したかのように、ギヴの奏でる音色が歪んだが、その態勢を直ぐ様立て直す事は叶わなかった。壊れたモノを無理矢理にでも直すかのような、鮮烈な一撃が、回る伽藍に向けて解き放たれた。伽藍は地へ叩きつけられ、一時的だが、回ることを止める。
「――さあて『鍵』ってのがなんなのか、きっちり教えてもらおうか!中途半端な答えは許さねぇぜ!!」

 衝撃に歪んだ、伽藍のメリーゴーランドは答えない。
 ……ただ変わらずに、虚ろな過去の夢を奏でている。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

スフィーエ・シエルフィート
※アドリブ・連携オールOK!

さぁてさて、追手はこれで最後だろうか
おっと、ルーファス君、いきなり倒れてどうかした……と
これはまずいね。まずは彼を庇うような位置に行こう
そこでオーラ防御も展開して、殺気も放って威圧しようか

そこで時間稼ぎを行うように二丁拳銃を足元に乱射して牽制しよう
そこで程よく追い詰めたところで英雄譚に憧れた少女『聖剣』を発動!
超金属の刃をサーベルに纏わせ、巨大剣のようにして薙ぎ払う!
楽しかった思い出ごと、ね

「忘れてないさ。忘れてないから、この剣を扱えるものなのだよ」

今に活かせない思い出なんて、ただの停滞
誰が言ったかな
夢の為に永遠に縛るなど神ですら失敗と嘆いた、と……ふふっ


篁・綾
彼を【優しさ】で気遣いながら、【かばう】ように相手の射線上に立ち戦闘。
【見切り】で相手の動きを見極め、【鎧無視攻撃、2回攻撃、なぎ払い。、マヒ攻撃】を駆使してUC【桜花絶界】を使用、
舞い散る桜で【目潰し】しつつ【衝撃波】を飛ばして攻撃。
敵からの攻撃は【オーラ防御、激痛耐性、武器受け】で耐える。
完全に彼のいる範囲を補い切れるようなら、攻撃を投げ捨てる【覚悟】を決め、
【範囲攻撃】を駆使しUC【夢幻乱桜】を発動。我が身を桜の結界と化して彼を守るわ。

この場所の先に何があるかは知らないけれど。
…理不尽に、彼を傷つけさせたりはしないわ。絶対に。



●今に活かせぬ思い出
「……彼は、大丈夫かしら」
 画面を発光させたまま、ぐったりと動かなくなったルーファスを気遣うように、篁・綾(幽世の門に咲く桜・f02755)は盾となる位置に立ち。再び桜花を舞い踊らせている。
「此処は耐えきるか、向こうに『お帰り』願うしかあるまいね。……下手に彼に近寄らせるとまずいだろう」
 スフィーエ・シエルフィート(愛と混沌のストーリーテラー・f08782)は牽制射撃も兼ねながら、視界を塞がれたギヴに少しづつ追い込む様に傷を重ねていく。
 桜花の中では鋏の軌道も不安定で、その間隙を縫うように弾丸が伽藍の元へ突き刺さっていく。猟兵達が有利を取っているのは明らかであった。
(思ったより、攻撃的ではない相手、ね……護りも私一人で補えそう)
 綾はギヴの動きを見て、悟る。相手は鋏による攻撃を行うことはすれど、基本的には此方を異空間へ捕らえようとするか、先程のように『思い出』を現出させようとするだけだ。ならば、完全に護りに注力すれば、ルーファスの無事は確保出来る。
「――護りは私が請け負うわ」
「では私は全力で行かせて貰おう。……彼を頼むよ」
「この場所の先に何があるかは知らないけれど。……理不尽に、彼を傷つけさせたりはしないわ。絶対に」

 言葉を交わしたと同時に、状況は動いた。
 光り輝く画面のまま、動かない彼を夢想の世界へ連れ去ろうと、回転伽藍が踊るように彼の側に近寄ったが、桜花の帳が舞い降りた。気づけば、綾の姿が無い。
 それもその筈、この桜花で紡がれた結界は、『綾自身』で構成されているのだ。どのような悪意も、幻想も、内にあるテレビウムの彼には届きはしなかった。
「おっと、彼女の護りを抜けたいのかい?それよりは――」
 英雄の武器たる超金属の刃が虚構を紡ぐ伽藍へ突きつけられる。どちらも夢物語、あるいは残された物語から紡がれたモノであろうが、それが齎すであろう結果は対極だ。
「……私の相手をしてくれないかい?」
 王子の如き身振りでスフィーエが招くは剣戟を奏でる舞踏会の招待状。ギヴは舞い踊るように、その縁を断ち切らんと鋏を繰るが、聖剣の刃がそれを払い落とし、主には痛恨の一閃を加える。
 その瞬間流れ出すは、過去を抉り出す歪んだ音色。実体化するは少女と多量の書物。はらりはらりと捲る紙面から紡がれる数々の物語。それを忘れたとは、言わない。
「――忘れてないさ。忘れてないから、この剣を扱えるものなのだよ」
 だからこそ、紡がれただけの過去の『思い出』に閉じ込められる訳にはいかない。伽藍と過去は、更なる一閃の元に、両断されて、虚空に溶けていった。
「今に活かせない思い出なんて、ただの停滞。……誰が言ったかな、夢の為に永遠に縛るなど神ですら失敗と嘆いた、と」

●『鍵』の答え
 ギヴが打ち倒され、元の静寂を取り戻した広場だったが、今だ晴れぬ謎が1つ。
 ルーファスの方を見遣れば、何時の間にか、画面はいつも通りの表情を映し出している。
「皆さんありがとうございました、お蔭で顔も元に……あれ?なんで戻ってるんですかね?」
 猟兵達と共に彼も首を傾げるが、その答えは意外な所から帰ってくる事となる。

「――テム・フラワーズより緊急救援要請」
 その言葉は、周囲の環境から『直接』響くように、聞こえてきた。
 当惑する猟兵達を他所に、その『要請』は響き渡る。
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」

 キマイラフューチャーの大騒動は、すぐそこまでやって来ているのかも、しれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月27日


挿絵イラスト