テレビウム・ロック〜電子の鍵
●施錠は大事
「今日は何食べようかなぁ〜」
ふらふらと今日も今日とて気ままに暮らす一人のテレビウム、トロン。空色のボディが賑やかな街中で映える。
「よし、決めた!今日はハンバー………ん?あれ?どうした僕の顔!?」
画面が乱れたかと思うと、顔に映し出されたのは鍵。
「え?なにこれ!変えられないし!」
側頭部を叩いてみても、頭を振り回してみても、画面は鍵が映し出されたまま。
「うわーもう、勘弁してよー。表情どこ行ったのさ……」
ため息を吐いて、トロンがふと振り返ると、路地裏から突如、二足歩行の猫たちが飛び出してきた。
「いたニャ!ひっ捕らえろ!!」
一斉に向かって駆けてくる猫の群れ。反射的にトロンも走り始める。
「僕、何かしたっけ!?なんで〜〜〜〜!!!」
てこてこと必死に走るテレビウムの背中に、オブリビオンの爪が迫っていた。
●グリモアベース
「大変なんです!大変なんですけど……あの、えっと、とりあえず落ち着きましょう」
一番取り乱しているのは言ってる本人だと思うのだが。
カイム・ベルギアは息を落ち着けると視線に力を宿し、猟兵たちに向き直る。
「失礼しました。説明に入りますね。……キマイラフューチャーで事件があるようです。なんでも、テレビウム達の顔に鍵が映し出されるようなのです」
鍵?と首を傾げる猟兵に対して、カイムも首を傾げた。
「原因は私にはよく分からないのですが……鍵が顔のテレビウムが怪人の襲撃を受けているのです。十中八九、鍵が目当てですよね………ともかく、皆さんにはテレビウムの保護をお願いします」
猟兵の仕事はオブリビオンの脅威から世界を守ること。一般人が襲われているというならば助けない選択肢はない。
カイムのグリモアが展開され、猟兵達を送り出す準備が整った。
「急ぎ足になってすみません……いってらっしゃい」
ぺこりと頭を下げるカイム。彼女に見送られた先には、猫に追い詰められる青いテレビウムが一人、いた。
鈴の音
鈴の音です。期間限定、やるしかない!キマイラフューチャーでテレビウムに異変が起きているようです。助けてあげましょう。
最初は猫ちゃん部隊との戦闘です。まずはこの追い詰められた状況を打開しましょう。
シナリオの仕様上、なるべく速筆を心がけていきますので、どうぞよろしくお願いします。
それでは、プレイングを心よりお待ちしております。
第1章 集団戦
『ジョン・ドゥ・キャット』
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POW : キャスパリーグの災禍
【凶事を呼び込む巨大な怪猫】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : ボイオティアの眼
【額に、全てを見透かす大山猫の目を開眼して】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : ウルタールの猫葬列
【殺されて死んだ、無残な姿の猫たち】の霊を召喚する。これは【爪】や【牙】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:ハレのちハレタ
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
マックス・アーキボルト
なにか大きな騒ぎになってるみたいだね。まずはテレビウム達の安全確保だ!
【加速魔法式・攻性】を、早業・クイックドロウを使って、猫の集団をなるべく多く倒していくよ。全てを見透かせても、このスピードなら当てられるはず!
鍵の画面は気になるけど…猫たちが答えてくれるはずはないだろうし、住民を襲ってるのは見過ごせないしね!
※敵との会話、詠唱文など、アドリブアレンジ大歓迎です
「まずはテレビウム達の安全確保だ!」
現場に赴いたマックス・アーキボルト("ブラス・ハート"マクスウェル・f10252)は、背後のトロンを気にかけつつ、銃口を猫に向けた。
「……なぜ鍵を狙うんだ?」
じりじりと近づいてくる猫達に一言、問いかけた。
敵は質問にきょとんとしていたが、その後、マックスを鼻で笑った。
「お前に話すことなどないニャ。さっさと死ぬがよい」
猫のニヤリと口元が弧を描くと、額の傷がにちゃり、と開いた。そこにはもう一つの瞳。鋭い眼光かマックスの体を貫く。
不気味な姿を露わにした猫達が、その爪を光らせて一斉に飛びかかってきた。
「……これでも喰らえ!!」
マックスが銃のトリガーを素早く引くと、第三の瞳が強く見開いた。
「そんなもの、我らには当たらぬ………」
発砲されたとほぼ同時に、赤い血が宙を舞う。猫が一匹、射抜かれた。
周囲の猫達は動揺を隠せない。動きが止まる。
弾丸の軌道も速さもタイミングも、全てを見切る大山猫の瞳。これがあれば相手の攻撃など避けることなど容易い。……体がついていけばの話だが。
マックスの加速魔法によってスピードを増した弾丸は、発射とともに猫の体に到達したのだ。
もちろん、猫の瞳はそれすらも見透かしていた。だが、あまりの速さに回避行動が間に合わなかった。それだけの話だ。
「例え攻撃を見透せても、この速さについて来られるかな?」
マックスの軽い挑発の言葉に奥歯を噛み締めた猫達が、次々と撃ち抜かれては鮮血を散らす様子を、トロンはただただ見つめていることしかできなかった。
大成功
🔵🔵🔵
田中・香織
事情はよくわからないけど、怪人に襲われてる人はヒーローとして放っておけないわ。
ヒーローらしく名乗りを上げて戦いを挑みます。
(ヒーローに憧れて猟兵になったので)
敵の数が多いので、アームズフォートの大砲による砲撃で数を減らします。
(一斉発射や二回攻撃を併用して撃ちまくります)
ユーベルコードも状況を見て使用します。
もちろん、トロンに被害が行かないように気を付けます。
事情はいまいちわからないが、一般人が襲われているとなれば、助けないわけにはいかない。
「......穏やかな生活を脅かす怪人、この私、香織が相手になるよ!」
名乗りを上げて猫たちと対峙するのは田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)。ヒーローへの憧れが、その想いが彼女を突き動かす。
「悪は成敗よ!」
香織の身体に装着された砲台が火を噴いた。重い砲撃が猫たちに襲い掛かる。
猫は細い体でひらりと躱すも、着弾の衝撃で吹き飛ばされている。容赦なしに次から次へと撃ち込まれていく砲撃は猫を地面や建物に叩き付け、確実に戦闘不能にしていった。
着弾点の地面が陥没していることから、その威力が窺い知れる。周囲は穴ぼこだらけの地形に。
「......厄介ニャ。ならば!」
一匹が天高く鳴き声を上げると、呼応するように他の猫たちも声を上げる。不吉な鳴き声と共に、小さな肢体がめりめりと音を立てて、巨大な怪猫に。
舌なめずりするその姿はまさに狩人。獲物を委縮させる眼光。
「「「さぁ、喰おうぞ!!」」」
大口が開けば鋭い犬歯が覗く。
巨大な獣、蛇に睨まれた蛙の気持ちが分かる。だが、ここで立ち止まるわけにはいかない。
砲台が一斉に化け猫の方を向く。
「これで...!」
身体中の固定砲台が一斉に、大きな音を立てて発射された。高速の弾が獣たちの体を貫き、骨を砕き、肉を削いでいく。
香織の一斉発射は派手かつ強力で、狩人を刈り取る制圧射撃となって場を鎮圧したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シキ・ラジル
むむむっ、なにやら良からぬ気配がする
まっててテレビウムちゃん達!今助けるよー!
…ところでどうして鍵なんて映してるの?
まずは「アミィズ・マーチ」でミニシキちゃん達を集めるよー!
はいみんなー!3分の2はアタシと一緒にあの猫達をやっつける、残りの子達はテレビウムちゃん達に攻撃がいかないように「時間稼ぎ」お願いねー!
さて、いつも通りになっちゃうけどサウンドウェポンで「衝撃波」を出してどんどん「なぎ払う」よ!
猫達がまとまり出したらみんなで「一斉発射」で一網打尽だーい!あっテレビウムちゃん達のいる方にはしちゃダメだよ!?ミニシキちゃん達わかってるねー?
負の気質を受信したのか、シキ・ラジル(揺蕩う雷歌・f11241)も現場にやってきた。
転移先には猫。状況的にもこの猫が敵なのだろうと察した。
「よーし、今助けるからね!」
シキが一声号令をかけると、召喚されたのはミニマムサイズのシキそっくりな人形達。わらわらと足元に群がっている。
「えーっと、こっからここまでは私と一緒に戦う、で、残りはあの子の護衛!」
くるりと振り向いて指さす先はトロン。シキの指揮に従って人形達はそれぞれの持ち場へ。
「小人が集まろうと同じこと......」
「ふふ、それはどうかな......みんな、準備はいい?」
歓声が上がるとともに、シキがサウンドウェポンを鳴らし始めた。
力強い重低音のエネルギーは波となり、猫たちを吹き飛ばすほどに。頭を抱えながらじりじりと後退っていくのに容赦なく、シキは己の音楽を奏でるのみ。
「ぐぅ......こうなったら、行け!」
猫が地面を爪で一掻きすると、ふわりと湧いてきたのは、猫の霊。いずれも体の何かが欠損し、見るも無残な状態。
幽霊たちはシキには目もくれず、トロンめがけてその爪を突き立てようと迫る。
しかしそこには人形たちがいる。トロンを包囲するように立つミニシキが身を挺して守る。
そうしている間にも音の波でじりじりと追い詰められていく猫たち。
「そろそろチェックメイトだよ!あっテレビウムちゃん達のいる方にはしちゃダメだよ!?ミニシキちゃん達わかってるねー?」
こくりと頷いた人形達も楽器を構え、音をかき鳴らす。
大合奏は聞いた者の頭を割るほどの威力で広範囲に攻撃、耳の利く猫はばたばたと倒れていった。
「うーん、こんなもんかな。ありがとうね、みんな!」
すっかり伸びきった猫たち。きっと頭がガンガンしていることだろう。
「…...ところでどうして鍵なんて映してるの?」
ふとトロンに尋ねるも、彼は首をかしげるだけだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『紫御殿』
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POW : 仮面合身の術でござる!
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【男子がカッコいいと思うもの】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD : 仮面手裏剣の術でござる!
【懐】から【自動追尾する真っ白な仮面】を放ち、【相手の視界を塞ぐこと】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 仮面狼群の術でござる!
【仮面を被った狼の群れを召喚、爪や牙】が命中した対象を切断する。
イラスト:りょうま
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●鍵穴
「ふぅ、ありがとう...と、ありゃ?」
頭を垂れようとしたトロンの顔にノイズが走ると、何やら地図が映し出された。未だに消えない鍵の先端が指示しているのは、円形の広場。
「あーここ、噴水広場じゃん。なにかあるのかな...?」
思惑していると、建物の影からまた何かが飛び出してくる。
そこにいたのは忍者たち。地を蹴ってまっすぐにこちらに駆けてきた。
「え、また!?とりあえず逃げなきゃ!此処に向かうしかないね、ついてきて!!」
走り出したトロンが向かうのは、小さな噴水のある街の広場。まだまだ追っ手は追ってくる。逃げながら上手く迎撃して目的地までたどり着かねば......。
マックス・アーキボルト
またオブリビオンが現れた…でも向こうが積極的にテレビウムを襲ってくるってことは、間違いなく重大なことが起きてるってことだよね!まずは敵への対処だ!
【遠隔被操作ガジェット「操り機械人形」】を召喚して戦うよ。相手がこちらの視界を塞いできても、「操り機械人形」なら僕の状態にかかわらず戦闘を行える!ここはとにかくトロン君に攻撃がいかないよう守らなくちゃ!
「その鍵を渡すでござる!!」
後ろを走ってくる忍者の声が聞こえる。マックス・アーキボルト("ブラス・ハート"マクスウェル・f10252)はトロンの背中を追いかけながら、ちらちらと忍者を気にする素振りを見せる。
「向こうが積極的にテレビウムを襲ってくるってことは、間違いなく重大なことが起きてるってことだよね!まずは敵への対処だ!」
マックスは足を止めずに戦闘を試みる。
「止まるでござる!!」
装束から取り出された白い仮面がマックスの元へ飛んでいく。顔を左右に振って躱そうとするも、しつこい追尾で顔に張り付かれてしまう。
視界を塞がれ、マックスの走行スピードが落ちた。このままではトロンが捕らえられてしまう。
「よし、これで止まるはずでござ、る......?」
忍者が首を傾げた理由は、一つ、マックスが速さを取り戻したから、一つ、マックスの背中に機械が現れたから、である。
召喚されたガジェットはAIを搭載しており、宿主を最も効率的で正確に操ることが出来る。
マックスは仮面を付けながらも止まるどころか躓くことすらせず、左手を忍者たちに向けると、腕に搭載されたキャノン砲を容赦なく発砲した。
「うわ、そんなの聞いてないでござるよっ!」
衝撃で忍者の隊列が乱れた隙に距離を開ける。トロンが爆風に驚いて一瞬足を縺れさせのを、仮面を被ったマックスが知る由もない。
大成功
🔵🔵🔵
亜儀流野・珠
鍵を渡せ、か。
この鍵を手に入れると何かあるんだな?
誰かの命令か?自分たちの意思か?
まあどんな理由があろうと手出しはさせないがな!
追手の妨害・足止めは得意だ!奥義「千珠魂」…俺たち、召喚だ!
俺たちよ、奴らに薙刀・狐の爪で斬り掛かれ!
狐火で燃やせ!
しがみ付いて…えーと、叩いたりつねったりしろ!
数で圧倒だ!
もし突破されそうなら俺本人が木槌「砕」で叩き飛ばしてやる!
一回り大きい「俺」の攻撃は効くだろう!
俺本人はトロンの近くから離れないように戦うぞ!
安心して走れ!案内頼むぞ!
オブリビオンたちが何のために鍵を狙っているのかは分からない。裏に何かが付いているのか、そうではないのか………。
しかし、亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)としても、一般人に手を出させはしない、と決意している。
珠は妖狐だ。敵を欺き惑わし、妨害することも容易い。
トロンの隣を走りながらぐっと念じると、珠が分身した。本体より一回り小さいが、その数は150を超えている。
「よし、行くぞ、俺たち!!」
掛け声とともに分身たちが振り向いた。薙刀を握っている彼らは、どれを見ても珠そのもの。
「ふん、そちらが数ならこちらも、でござるよ!!」
忍者たちも念じると、各々が狼の群れを召喚した。一匹一匹が仮面を被っている。
「相手も多いなぁ………でも、やるしかないだろ!」
本体の背を見送りながら、分身たちは狼との戦いに身を投じた。
薙刀を振り回し、その首を、四肢を落とさんと奮闘する。
分身は数と相まって確かに強い。だが、狼の突進や引っ掻き、噛みつきを一撃でも喰らえばすぐに消滅してしまうのだ。
炎も駆使して善戦するも獣の勢いは凄まじく、分身が次々と消えていく。
「まずいな……そうだ、獲物の動きを封じろ、攻撃をもらわないようにするんだ!」
本体の指示に従って分身が行動を変える。武器を使った大振りで戦うのではなく、大勢でしがみついて袋叩きにする作戦に出た。
「ぬぅ、小癪なッ!ここは拙者が直々に……」
「おっと、そうは問屋が卸さないってな!」
しびれを切らして、珠本体に飛びかかってきた一人の忍者に、木槌の一撃を喰らわせた。
忍者は野球ボールの如く吹っ飛んで行き、ビルの壁に叩きつけられた。実に痛そうだ。
「背中は俺が守る。だから安心して走れ!案内頼むぞ!」
珠の言葉に深く頷いたトロン。振り向けば、未だしつこく抵抗する珠の分身たちに苦戦する、忍者たちの姿があった。
大成功
🔵🔵🔵
田中・香織
次から次へと、懲りないわね。
あちこちで襲撃事件が起きてるみたいだし、何か、大きな悪が、動き始めたみたいね。
重機関銃(アサルトウェポン)を敵の群れに撃ち込んで迎撃するわ。
重機関銃で撃ち漏らした敵は早撃ちのユーベルコードと拳銃型アサルトウェポンで仕留めるわ。
「次から次へと、懲りないわね」
田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)もトロンについて走りながら、後方の忍者を確認。
何やら街が騒がしい。他所でも事件が起こっているのだろうか。何か、何か大きなものが動いている気がする。
だが、考えに耽っている暇もない。未だに追跡の足を緩めない忍者が後ろにぴったりとくっついてきている。
香織は走る足を突然止めて、忍者に振り返る。
「これならどう?!」
香織の両手に構えられているのは、大きな機関銃。重厚な見た目からその重さが見て取れる。
香織の停止に思わず足を止めた忍者に、容赦なく機関銃を発砲した。
高い連射力で掃射をすれば、敵の群れは右から左へ、次々と撃ち抜かれていく。
「くっ、これでも喰らうでござる!」
忍者の懐から飛び出した仮面が、香織の顔に張り付こうと飛んで来る。
しかし、白い面には一瞬で風穴が空いた。仮面は地面に軽い音を立てて落ちる。
香織の手の中で煙を立てるのは、拳銃の形をしたアサルトウェポン。早撃ちの技術で見事仮面を撃ち抜いた。
煙と砂埃が立ち込めるなか、機関銃の銃声が止んだ。
静寂を妨げるものはもういない。ただ、忍者が赤くなって転がっているだけである。
追っ手がいなくなったことを確認すると、香織は遠くに見えるトロンの背中を急いで追いかけるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『敏腕ハッカー・都南・佳』
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POW : セクシー格闘家系トナカイ娘召喚
【ハッキングで認知を変えたバーチャル女子】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD : となのーずビーム
【赤い鼻から発射されるビーム】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ : 超絶ウルトラ必殺ハッキングッ!!
【愛用ハッキングマシン】から【認知を書き換えるプログラム】を放ち、【認知障害】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:Miyu
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「シリカ・シリウス」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●煌めく電子の鍵
「……はぁ、はぁ、疲れた………」
全力疾走で辿り着いたのは、こじんまりとした広場。中央に噴水と小さなベンチがあり、ビルに囲まれた特に変哲も無い場所。
「ここに何があるっていうのさ……ってちょっと待って!何!眩しッ!?」
きょろきょろと辺りを見回していたトロンが、突如光りを放ちはじめた。画面からでは無い。全身が煌めいている。
いきなりのことに困惑するトロンと猟兵たちの後ろから、一匹のトナカイがやってきた。
「おーあったあった。いやー光ってるね。じゃ、僕はこの子に用があるから」
猟兵たちをスルーしてトロンに向かうトナカイ。咄嗟に間に入ると、トナカイはその可愛らしい顔を歪める。
「………なに、邪魔するわけ?」
ぱたぱたと羽ばたく白い羽。展開されたのは電脳画面。こいつもオブリビオンだ。
トロンはわけもわからずに、光に包まれたまま地面にへたり込んでいる。彼は動けない。
ざっと15分、と言ったところか。鍵を守る最後の戦いだ。防衛を成功させよ。
亜儀流野・珠
その堂々とした態度…お前なかなかやるな?
だが俺たちも引かん!こいつに手出しはさせんぞ!
トロンは安心して待っていてくれ、なんとかする!
…しかしこのトナカイ、何するか読めんな。
まあとりあえず突っ込んでみるか!ダメでも隙くらいは作れるだろ!
ライオンよ頼むぞ!長物の「狐の爪」を持ち騎乗だ!
とりあえず全速力で突っ込む!
相手が何かしてきたら全力で横跳び!
斬ったり叩き落とせそうな攻撃だったら試みてみよう!
どうしても避け切れなかったら…ライオンの背を思い切り蹴り(すまん!)跳び、上から狐の爪を叩き込む!
接近戦になったら狐の爪だけでなく目眩ましに狐火でもぶつけてやろう。
羽持ちやもふもふな奴には火が良く効くんだ!
トロンの光を背中に受けて、亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)はトナカイと対峙する。
「その堂々とした態度...…お前なかなかやるな?」
そう言われて、都南・佳は少し嬉しそう。清々しい笑顔でにこにこしている。
「だが俺たちも引かん!こいつに手出しはさせんぞ!」
力強く宣言した珠。光っているトロンの表情は読めないが、恐らく安堵と少しの不安が現れていることだろう。
......とは言ったものの、相手が何をしてくるか皆目見当もつかない。電脳画面をポチポチ弄っているだけだし。
よし、ならばとりあえず突っ込んでみることにしよう。まずは敵の攻撃を知ることからだ。隙も作れたら儲けもんだ。
「ライオンよ頼むぞ!」
天高く叫ぶと召喚されたのは黄金のライオン。金の毛並みが光を反射してキラキラと輝いている。
珠は獅子に跨るとトナカイに向かって一直線に突撃。
「え、ライオン!?えーと、あーうーん......」
獣の姿にたじろいだトナカイ。しかし、その赤い鼻が光を収縮したかと思うと、真っ直ぐな太いビームが珠めがけて発射された。
無形のエネルギーを切り裂いて突破するのは難しい、と咄嗟にライオンの背を蹴って跳躍。
下方のライオンに、謝礼の意味を込めて手を合わせると、鋭い爪をトナカイに突き立てた。
「引っ掻きは痛いって炎は駄目だって!!」
立て続けに放った狐火が白い翼に命中。熱さにのたうち回るトナカイをさらに引っ掻く。痛いし熱いしで忙しそうだ。
トロンに狐火、トナカイの鼻......現場はこれでもかと明るく、広場の噴水も煌々と輝いていた。
大成功
🔵🔵🔵
田中・香織
これが最後の戦いね。
貴方たちの悪だくみもこれまでよ!!
アームズフォートの砲撃で遠距離から大砲を連射して攻撃します。
ユーベルコードの一斉射撃と合わせて手数で叩き潰します。
ハッキングやトナカイ娘も近づかれる前に砲撃してしまえば無害ですから。
ビームは武器受け(アームズフォートの砲身を盾にします)で防ぎます。
「貴方たちの悪だくみもこれまでよ!!」
トナカイを見据えて田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)はより一層決意を強く。
大量の追っ手はもう来ない。これが恐らく最後の戦いだ。
この戦いで活躍してきたアームズフォートがまだまだ火を噴く。
一斉に向いた砲口から砲撃を開始した。大砲のごとく威力と驚異の連射力で場を圧倒していく。
「ちょ、それは無理だよ!うむむ......使いたくなかったけど、来い、俺の嫁!!」
高らかに叫んだトナカイの隣に、一人のトナカイ女子が召喚された。可愛らしく二次元的ではあるが、確かにここにいるのだ。
露出度の高い服装で、トナカイの趣味が詰まりに詰まった一品となっている。
トナカイの指示で突っ込んでくる女子。しかし、それはあまりにも無謀であった。
砲撃の勢いに吹っ飛ばされてトナカイの横まですぐに戻ってきた。
「うわああぁぁぁあ!!くそ、よくも、よくもッッ!!!」
やけくそでビームを放つトナカイ。それに対し、香織は手を地面についてアームズフォートを立てると、ビームを円柱状の砲身を生かして受け流した。
協力者は使えず、お得意のビームも届かない。圧倒的な力の前に、都南・佳はただ立ち尽くすしかなかった。
大成功
🔵🔵🔵
マックス・アーキボルト
せわしなくて色々光ってて…目がチカチカしてきた…でも、謎の発光現象にオブリビオンの反応…この状況が終了すれば何か発展はあるはず!
【加速魔法式・防性】発動で、トナカイの鼻からビームを【見切り】を使って避けよう!【クイックドロウ】で反撃も行うよ!…鼻から出るビームってなにか避けたくなってくるな…。
もちろんトロン君が狙われるようなことがあったら【救助活動】も行おう!
※アレンジ・アドリブ歓迎
とりあえず、光がやばい。視覚に悪影響を及ぼしかねない閃光がマックス・アーキボルト("ブラス・ハート"マクスウェル・f10252)の目にも襲い掛かる。
かといって光に怯んでもいられない。謎の発光に新たなオブリビオン......事件が進展する兆しが見える。
マックスは地面を蹴ってトナカイへまっすぐに飛び込んでいく。燃えているトナカイがマックスの接近に気づくと、赤い鼻先を向けた。
「正面から来るなんて、撃ってくれと言ってるようなものだ!!」
鼻が赤く光り、細いビームが何本も発射されてマックスに襲い掛かる。
高速の光線に僅かな隙間を見出すと、体を捻ってすれすれで避けてみせた。
ビームは確かに速い。だが、マックスには軌道が見える。ビームの速度は全く変わっていない。自身が加速魔法で速くなることによって、主観では遅くなっているように見える、という仕組みだ。
避けないと怪我をするのは勿論だが、こう、鼻から出てきたものは反射的に避けたくなった。
「もらったっ!」
加速状態のままトナカイに突撃。よろけた敵に腕を押し付けて、問答無用の零距離射撃を放った。
トナカイは情けない声と共に飛んでゆき、見えなくなるほど遠くへ行ってしまった。
●キマイラフューチャーの謎?
無事にトナカイを討伐した猟兵たち。トロンの光も収まり、画面にもう鍵は映っていなかった。
嬉しそうにして謝礼を述べて述べられていたその時、声が耳に入った。
まるで周囲の建物が喋っているような、広場全体が音声に包まれている。
―――システム・フラワーズより緊急救援要請 全自動動物資供給機構『システム・フラワーズ』に侵入者あり テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、解放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う
......何やら緊急事態のようである。事件を解決したと思った安堵は、すぐに新たな不安で塗りつぶされた。
キマイラフューチャーのシステムに、一体何が隠されているというのだろうか。
大成功
🔵🔵🔵