テレビウム・ロック!~視聴率激上がりの秘訣
●しばらくお待ちください
住民が思い思いに愉快に暮らす世界、キマイラフューチャー。
彼らの日々はいつも賑やかだが、今日は一体どんな日になることやら。
「で、今日の朝の占いは最高のツキに恵まれてるラッキーデーなんだって!」
「すごいじゃん! それでマヤ、いつもよりテンション高かったんだねー」
顔がテレビ画面のようになっている可愛らしい妖精種族、テレビウムのマヤとシアは他愛ない会話を弾ませながらてこてこと街を歩いていた。
「いやぁ、ついついにやけ顔になっちゃうよねー」
「ボクたち顔に出やすいからね……って、えっ!? なにその顔!?」
「うん?」
シアの驚き方に首を傾げるマヤは、近くのやたらとつやつやした鏡のような建物に自分の顔を映し出した。
「そんな変な顔してたの――変な顔してたー!!」
そこには、自分の顔でありながら自分がまったく意図しない顔、ドットを組み合わせた鍵のマークのようなものが大きく表示されていた。
「にやけ顔が限界突破すると『鍵』になるの?」
「いやいやそんなわけないよ! 『嬉しすぎて鍵かけた』とか言わないでしょ!」
「これは流行るね」
「自分で言っててちょっと思った」
流行る要素は微塵もなかった。
何をどうしても消えない『鍵』にどうしようかと二人で思案していると、どこからか地響きのような重い音が聞こえてきた。
いや、地響きだけではない。何か叫び声のようなものも……。
「おおおおおおお!! 見つけたぞ『アガリ牌』ッ!!」
「「ひえっ!?」」
間違いであって欲しかったが間違いなくその声の、地響きの主たちはマヤとシアのもとへと迫ってきていた。
それは頭部が麻雀牌の、いかにも怪人な群れ。
「な、なんだかよくわからないけど逃げて、マヤ!」
「でもっ!」
「いいから!」
突如出現した『鍵』、そして『見つけた』との言葉。これらに関連があるかはわからないが、とにかく相棒を逃がそうとシアは牌男の群れに立ちはだかった。
「本当によくわからないけど! と、とまれぇー!」
「むう!? 貴様、邪魔をするつもりか!」
戦闘を走る『中』の顔をした男を中心に、群体のスピードがやや落ちる。
「心意気は良い、が、クズ牌に用はないわー!!」
「ええー!?」
牌男たちはシアを綺麗に避けながら逃げるマヤを追いかけた。
「フハハッハハ! 待てい待てい!!」
「あーもう! 何がラッキーデーなんだようー!」
●謎の鍵
「テレビウムさんがピンチっス!」
どたばたとしながら文坂・いち子(人間のサイキッカー・f13991)
「ある時なんの脈絡もなく本人の意思とも関係なく自分の画面……つまり顔っスね。顔に鍵のような映像が出たまま消えなくなるテレビウムさんが現れたんスよ」
すべてのテレビウムに異常が出たわけではないが、その数は一人や二人ではないようなのだ。
他の現場には既に猟兵が向かっているため、この場にいる者はマヤというテレビウムの対処・救出に専念することになる。
「鍵が出たテレビウムさんはなぜか怪人がわんさか追ってくるようになるっス。マヤさんも例外ではなくたくさんの怪人が迫り来ることになるので皆さんはまずコイツらを叩きのめして逃走を助けて欲しいっス!」
マヤは一般人なため、怪人に対しては逃げるしかない。
鍵が出ている限り、恐らく怪人たちの手は決して緩まないだろう。
「なのでどうか、落ち着くまで護衛をお願いしたいっス」
詳しい状況までは把握できていないようで、少し申し訳なさそうにいち子は猟兵たちを送り出す。
「善はなんとやらということで、とにかくよろしくっスよー!」
黒柴好人
これもまたロックだね。
黒柴です。
第1章で大量の雀牌戦闘員をなぎ払い、
第2章で更なるたくさんの追撃を蹴散らして、
第3章では追っ手のボスが現れるのでテレビウムのマヤを護りながらこれを撃破しましょう。
当シナリオは【4月30日朝8:30】までの完成を目指す、ちょっと急ぎ足の展開となります。
通常より早めにリプレイを返していく予定ですのでお乗り忘れのないようお気を付けください。
それでは、よい護衛と乱闘を!
第1章 集団戦
『雀牌戦闘員』
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POW : 国士無双
予め【異なる顔の戦闘員が14人揃う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : 三元牌
【3人同時攻撃】による素早い一撃を放つ。また、【鳴く】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 立直
【相手の行動を読み、作戦通りの攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【狙いすました一発】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
イラスト:ケーダ
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
片瀬・栞
いやいやいや。鍵がアガリ牌って何処のローカルルールよ(ツッコミ
いや違う。鍵がどうこう抜きにしたって
十何人の男が一人の女の子追い掛け回す時点で事案よ!事案!
なんとか安全な所に誘導しないと!
>行動
【POW】アレンジ、共闘歓迎
とりあえずマヤちゃん優先ね。シアちゃんは大丈夫かな?
余裕があれば一緒に連れて行く。行動優先は敵の撃破より二人の安全。
武器はショットガン。二人に近いところから敵を撃って
牌頭を吹き飛ばそう!
リロードの隙はUC【従属種吸血鬼の残滓】で怪力付与してキック!
14人揃いそうなら武器を変更
「JB!ぐれぽん!装填3!」
『ready.』
ぽんぽんぽんと3射して多いトコを【範囲攻撃】で【なぎ払い】!
アレク・アドレーヌ
鍵ねぇ…まぁよくわからんがとりあえず事件だって事はわかるがなんでテレビウムだけを狙うかね?それが謎だから一斉に事件が起きたわけだが。
とは言えここはヒーローの出番か…いやいうほどヒーローって容姿ではないが。
しかし麻雀牌がテレビウムを襲うって絵面が地味に混沌じみてるな
ここはUCを使ってから【怪力】と【鎧砕き】でねじ伏せる戦い方をした方がいいか。
いかんせん数が多いしほぼほぼ削りきらんと面倒なことになりそうだ…
(アドリブ歓迎
「もー! 何が何だかわかんないー!」
街中を必死に走るテレビウムのマヤは、息を切らしながらちらりと後ろを振り向く。
数十メートルの間を開けて、顔が四角くて表面に文字や記号のようなものがが書いてあったりなかったりする集団が自分目掛けて迫ってきている。
「一体何が目的なのーッ!?」
怪人にまともな答えは期待しないが、この理不尽な状況を少しでも理解したくてマヤは叫び問う。
「お前は例えるならアガリ牌!」
「オラオラァ! 御託はいい!! 大人しく掴まれィ!!」
「この数で追っているのです。逃げるだけ無駄というものですよ」
先頭集団の『中』、『發』、『白』の3人組の返答を聞いても結局よくわからない。
「あっ……!」
脚がもつれ、マヤはころころと地面を回転しながらぺしゃりと転んでしまった。
「よォし! これでツモだァァァ!!」
「だ、誰か……っ!」
飛びかかった中は、マヤに手を……。
「そうはさせない」
「何!? ぐあッ!!」
掛ける直前、横から割り込んできた人影に吹き飛ばされた。
「中! ……貴様、誰だ!」
「悪者の邪魔をするのはヒーローだと相場が決まっているだろう?」
いうほどヒーローって容姿ではないがと、トーンを落とした声で呟くアレク・アドレーヌ(出来損ない・f17347)。
「さて、お前らをここから先に通すつもりはないのでな」
ガントレットの拳で振り抜いた姿勢を戻しながら、マスク越しに雀牌戦闘員たちを睨み付ける。
「一人で一体何ができるというのです?」
「今のうちだ。索子隊ィ、あのアガリ牌を囲めェ!」
「「「おうさ!」」」
白と發の横から複数の『ソーズ』と呼ばれる竹を模した緑や赤色で表現された図柄の戦闘員がわさわさとマヤに迫る。
しかし。
「鍵がアガリ牌って何処のローカルルールよ!」
ばがん、ずばんととてつもなく大きな炸裂音と共に索子戦闘員たちの頭部が粉みじんに吹き飛んでいく。
「何ィ!? もう一人仲間が……!」
「いやいや違うそうじゃなくて、十何人の男が一人の女の子追い掛け回す時点で事案よ! 事案!」
12ゲージのショットシェルを『いばら』と呼ぶショットガンに再装填しながら、残った戦闘員を蹴り飛ばす片瀬・栞(白蓮天弓・f17024)。
ひとまずの安全を確保した栞は、マヤのもとへと駆けつけた。
「マヤちゃん大丈夫!?」
「だ、大丈夫……。もしかして猟兵さん……?」
「そ! ちなみにシアちゃんはここに来るまでに安全な場所に移動してもらったから安心してね」
栞の言葉にマヤは――表情こそ鍵のままだが――ほっとした様子が見て取れた。
「マヤが無事に逃げる、その助けに来た」
なおも迫り来る戦闘員を力でねじ伏せるように叩き潰しながら助っ人である旨を簡単に説明するアレク。
「ええい、喋りながらとは何とも余裕な……グハッ!」
「麻雀牌がテレビウムを襲うって絵面が地味に混沌じみてるしよくわからんが、何でそんなことをするかね?」
圧倒的な力の差を見せつけても、猪武者のように次々と突っ込んでくる戦闘員。
「マヤを追うのを諦めてもらいたいものだが……いや、戦闘員はそういった役回りか」
「あー、下っ端感溢れてるからねぇ。そのストレスに耐えきれずに女の子を追い回してしまったと……」
「そんなわけあるか!」
哀れみの眼差しを向けるアレクと栞に憤慨する戦闘員。
「ならば、その戦闘員の恐ろしさをとくと味わって貰いましょうか」
白そう言いながら両腕を広げると、『顔』が異なる戦闘員たちが集結し始めた。
「これこそ我らが無敵無双の型!」
13人集まり、勝ち誇ったように笑う戦闘員。
「さあ、貴様らの命運もあと一人で尽きる!」
「JB! ぐれぽん! 装填3!」
『ready』
栞は見た目スマートフォンの戦術補助端末に声を掛けると、彼女の手元に指定した武装、
回転式のチャンバーに3発の榴弾が装填されたグレネードランチャーが転送される。
「吹き飛べー!」
「ん? え、ちょっと! あと一人だって――」
シャンパンの栓を抜くようなちょっと可愛らしい発射音とは裏腹に、着弾と同時に戦闘員たちは爆煙に包まれた。
「これで少しは静かになったかな?」
「そう思いたいが、どうやら千客万来というものらしいな」
煙が晴れてくると、まだまだ多くの人影が浮き上がってくるのが見える。
「いかんせん数が多い。ここでほぼほぼ削りきっておかないとな」
「それならあたしも! まだまだ残弾数に余裕はあるし」
「いや、栞はマヤを連れて先に行ってくれ」
「先が見えない以上マヤちゃんの安全と離脱を優先すべきってこと、だね」
アレクは頷くと、栞に背中を向けた。
「……敵はそんなに強くはないけど、気を付けて! さあ、行くよマヤちゃん!」
「え、あ、わかったよ……!」
「JB、わんわん!」
取り回しが良い武器を取り出し、栞はマヤと共に駆け出すのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
二條・心春
一人の一般人を狙うのにこの大人数…怪しいですね。いったい何が起きているんでしょうか?
まずは敵を倒さないといけませんね。戦いながら逃げるなら、機動力が必要かな…。【ウェポン・ブースト】を発動して、槍にブースターを付けて戦いましょう。機動力を活かして、「第六感」を働かせて敵の攻撃を避けつつ攻撃しましょう。動きを読まれないためにも、槍から「衝撃波」を放ったり、「槍投げ」しちゃうのもありかな。
マヤさんが逃げ遅れているようなら、ブースターで一緒に逃げましょう。魔女の箒みたいな感じで槍に跨って一緒に乗れば安定すると思います。
…ええと、ジェットコースターとか、そういう系の乗り物は平気ですか?
ヴィクトル・サリヴァン
うーんテレビウムは謎が深い…
とにかく危なそうだし助けに行かないとね。
考えるのは後から、まずは行動。
可能ならシアにも猟兵が助けに来たから大丈夫、と伝えて安心させてからマヤを追う。
怪人が沢山走ってるからその音を目印に追跡。
発見したらマヤを巻き込まないよう注意しつつエレメンタルファンタジアで氷と津波を合成、不意討ちで雀牌戦闘員を一気に巻き込み攻撃。
見つかったら行動読まれるかもだしアドバンテージ先に稼いどきたいし。
基本はマヤを護るよう立ち回る。
護衛に来た事を簡潔に伝え少しでも安心させられないかな。
攻撃は奇襲と同じく氷の津波、もしくは炎の竜巻織り交ぜ数減らし優先で一気に攻めるよ。
※アドリブ絡み等お任せ
「マヤさん、まだ走れそうですか?」
「な、なんとかー!」
二條・心春(弱さを強さに・f11004)はシンプルながらも機能的な直槍、それに高出力ブースターを搭載させたものを手に、マヤの少し前を走っていた。
時間を稼ぎ、数を減らすべく残った先発の猟兵たちからマヤの護衛を引き継いだのだ。
「いくつも路地をランダムに曲がってはみましたが……」
後ろを確認すると、姿こそ見えないが雀牌戦闘員の大群が地を駆ける気配を確かに感じる。
いや、背後だけではない。
何かを感じた心春は、素早く右方向を注視する。
「むっ、いたぞー!」
すると側面からも塀を乗り越えた戦闘員がもさもさと迫ってきた。
「まるでゾンビ映画の主人公になった気分です――ね!」
ブースターを点火させた槍を真っ直ぐに突き出すことにより生じた衝撃波で、なるべく速度を落とさないようにしながら邪魔者を振り払っていく。
「ぐわあッ!」
(「一人の一般人を狙うのにこの大人数……怪しいですね」)
心春はマヤの様子を見るべく足を止めずに視線を落とす。
多少疲れてはいるようだが、怪我などは負っていない。
だが、やはり顔は『鍵』のまま。
(「本当にこの鍵はいったい……」)
「猟兵さんうしろ!」
マヤの鬼気迫る声に振り返ると、戦闘員の先頭集団が速度を上げ突っ込んでくる様子が見えた。
「あわわ、このままじゃ追いつかれちゃう!?」
「それなら大丈夫ですよ」
しかし心春は一切取り乱さずに徐々に足を緩め、マヤを自分の背中に隠すようにして立ち止まった。
「フハハ! アガリ牌どもめ、ようやく諦めがついたようだな!」
「もうすぐそこまで怪人が!? こ、これからどうする――」
戦闘員の魔の手が迫る、その時。涼しげな風が心春を、戦闘員たちを吹き抜けた。
次の瞬間。
戦闘員が心春たちに近い位置から次々と波が襲い掛かるように凍り付いていくではないか。
「……え?」
一瞬の出来事に、マヤはきっとぽかんと口を開けているに違いない。
「いいタイミングでした、ヴィクトルさん」
「うん、うまくいってよかったよ。二人ともケガとかしてない?」
近くのビルの屋上にいたヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)は、非常階段を使って心春たちの前まで降りてきた。
「はい、それは大丈夫ですが……マヤさんはここまで走り続けていましたから、少し休ませたいですね」
「そうだね。少しの間なら襲われることもなさそうだから、ちょっと休憩しようか」
音で大体の気配はわかるんだ、とヴィクトルは頼もしそうに胸を張った。
念のために物陰に隠れ、一息つく三人。
直前にもう一度シアの安全を確認してきたんだけど、と前置きしてマヤに話しかけるヴィクトル。
「一切危害は加えられていないから安心して。それに約束してきたから。マヤを必ず助けてくるって」
「そっか……ありがとう」
ぺこりと頭を下げるマヤ。
「それにしてもこんな子をあの人数で追い掛けるというのは不可解ですよね」
「うん、その謎を解くためにもまずはこの場を切り抜けるために――ん?」
ふと、ヴィクトルは僅かに顔を上げた。
心春もまた槍を握る手に力を入れ、周囲を警戒する。
「……ヴィクトルさん」
「うーん、嗅ぎつけるのが早いなぁ」
不安そうに二人を見上げるマヤの頭をぽんぽんするヴィクトル。
「心配しないで」
「は、はい……」
かすかに独特な叫び声と振動が空間を震わせている。
「私に考えがあります」
心春はそう言うと、しゃがみ込んでマヤに視線を合わせた。
「ええと、ジェットコースターとか、そういう系の乗り物は平気ですか?」
「……へ?」
やがて。
戦闘員たちは一行の潜伏場所に近付いていた。
「ううむ、この辺りだと思うが」
「むっ、あれは何だ!?」
「鳥か!」
「飛行機か!」
「いや……」
それはウェポン・ブーストを最大出力で展開した槍に跨がった心春とマヤだ!
「どうです、魔女の箒みたいでしょう?」
「あわわわわわ!?」
「……上手く制御できれば良いのですが」
「えっ、今なんて!?」
地面すれすれながらも超高速でかっ飛んで行く二人。
「ええい、いくら速くても追い掛けるぞ!!」
「そのガッツだけは認めるけど、いい加減これで終わりにしようか」
「何ッ、貴様……!」
心春ロケットに気を取られていた戦闘員の群れはまたしてもヴィクトルに不意を突かれる形となった。
気付いたときにはもう遅い。
渦を巻き竜巻と化した業火が一団を飲み込み、全てを灼き尽くした。
「やれやれ、これでこっちは片付いたかな。それにしても」
三又銛の石突で地面を突き、息を吐くヴィクトルは二人が飛翔……した方向を眺めるのだった。
「あれはジェットコースターの域を超え過ぎているんじゃないかな」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』
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POW : ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ : ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
イラスト:ヤマトイヌル
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
どうにか無事に雀牌戦闘員の群れから逃げることができたマヤは、あらためて協力してくれた猟兵たちに頭を下げた。
「ありがとう! きっとこれで顔も元通りになるかなっ?」
おお、確かに顔に変化が。
ん? いや、何か期待していた変化と違うような。
「え? 顔が戻って……なくて、鍵がある場所を示すようになった?」
恐らくその場所に行かなければならないのだと猟兵は説明する。
「そ、そうなんだ……」
がっくりと肩を落とすマヤだが、ふるふると首を振って猟兵を見上げた。
「でもヘンな怪人はやっつけてくれたし、もう大丈夫だよね!」
「成程成程、ヘンな怪人か」
「そうそう、あの顔が豆腐みたいな…………へあ?」
声のした方を見て、マヤは固まった。
「では我らは該当せぬな、兄弟!」
「ああ兄弟、我々はヘンではないものな」
「これこそ美、これこそ芸術よな兄弟!」
ムッキムキのアルパカ頭がつぶらな瞳でポージングしていたのだ。
それはもうそんなものを見たら身体は動かなくなるのは仕方がないよね。
「はっはっは。失礼、見とれてしまったか?」
「いいとも、どんどん見てくれ! だが失礼ついでに」
「我々にそのプリティーなテレビウムを頂戴したいのだがね!」
「へ、へ……」
へんたいだー!!
片瀬・栞
いやいや変でしょ、へんたいでしょ!
たいへんへんたいよ!(ツッコミ
>行動
【POW】アレンジ、共闘歓迎。
飛び道具主体だしあたしはマヤちゃんの護衛ね。なるべくそばで戦おう。
サブマシンガンを使用。UC【クイックドロウ】で近いところから撃ってく。
近づけさせないように連打。リロードはJBに一旦格納して装填済のを取り出す。
無理せず一緒に戦う人に声を掛けて、ヤバいときは手伝って貰うよ。
相手がポージングした瞬間に武器変更。
「JB!とげとげ!」
『Destroy them all.(ブッ潰せ!)』
頭めがけて鎖付き棘鉄球が飛ぶよ。ごしゃっと。
「ん、よし。ジャストヒット。銃よりこっちが使い易いね。やっぱ。」
二條・心春
うーん…さすがにこれはかわいくないですね。
私は敵の動きを止めて、マヤさんと逃げることに専念します。今回は【召喚:大烏賊】を発動します。ここはクラーケンさんの出番ですね!敵がポーズしている間に触手で麻痺させて、動きを止めましょう。
そんなにポージングが好きなら、ずっとそのままでいればいいんじゃないですか?
敵はクラーケンさんに任せて、私自身はマヤさんを護衛しながら進みます。…さっきはすみません。あまり人は乗せないので、上手く加減ができなかったみたいです。
「第六感」で敵の位置を素早く察知し、拳銃で攻撃して危険を排除します。彼女も疲れてるでしょうから、無理せず休みつつ、お話ししながら進みましょうか。
アレク・アドレーヌ
…麻雀牌の次はマッチョに襲われるテレビウム。
実に混沌じみているな。しかもまた事案。
さっき麻雀牌どもには力でねじ伏せたがこのマッチョどもには力ではなく速さでねじ伏せた方がいいかもしれんが…戦闘は他の猟兵に任せてマヤ抱えて逃げた方が早いかもしれんな
UCを使ったのち【逃げ足】【早業】【ダッシュ】で…振り切るぜ!
でも土地勘ねぇからどこに逃げりゃいいんだ?
(アドリブ歓迎
ヴィクトル・サリヴァン
はっはっは、事案だねコレ。
こう、まともな子には少々目の毒過ぎるからなるべく見ないように盾になるかな。
…進路がそっちを示してる?なら全部ぶっ飛ばして更地を突っ走る感じにするしかないよね。そうだよね。
…こんな濃いのがそう何度も来るわけないしここさえ乗り切れればきっと。
そんなわけでUCで突風と氷を合成、横殴りの雹を氷の礫の様にして纏めて攻撃しよう。
姿的に寒さには弱そうだし。頭はともかくとして。
ほらほら冬将軍のお通りだ、こんなむさ苦しいのは好みじゃないとのことだよ。
それでも堪えてにじり寄ってくるなら銛投げで攻撃したり尻尾でしばいて吹っ飛ばして、とにかくマヤに近づけないよう護ろう。
※アドリブ絡み等お任せ
「いやいや変でしょ、へんたいでしょ! たいへんへんたいよ!」
栞は勢いよくマヤと筋肉の間に滑り込むと、とりあえず一撃ぶん殴っておくことにした。
「おうふ! おっと失敬、筋肉の独り占めはよくないことだったな」
「お嬢さんにも挨拶代わりのフロントダブルバイセップスをご覧に入れよう!」
「さあ見よ! そしてテレビウムを差し出してほしい!」
「見ない見えない見たくない! どさくさに紛れてマヤちゃんを要求しないでよね!?」
栞はマヤを抱え、一気に10mくらい変質者……もとい量産のアルパカマッスルから離れた。
「我らは量産なれど、鍛えた筋肉はオンリーワン!」
「いつでもどこから見られても問題ないように常にパンプアップしているというのに」
「何故拒むのか! そしてプリーズテレビウム!」
いいこと言った風のマッスルたちは、どこか悲しそうにリラックスポーズで天を仰いだ。
「うーん……さすがにこれはかわいくないですね。あと3体目の人……人? 妙にしつこいのですけど」
心春は何とも残念そうな表情でタブレット端末を構え、臨戦態勢に入る。
動物好きな心春としては、色々言いたいことがある相手に違いない。
「麻雀牌の次はマッチョか……。しかもまた事案とは」
「はっはっは、事案だねコレ」
アレクとヴィクトルもいつでも通報、もとい攻撃できるようにそれぞれ得物を手にする。
「ああいうのはこう、まともな子には少々目の毒過ぎるからあんまり見ないようにね」
ついでに情操教育に悪影響が出てはいけないと、ヴィクトルは大きな身体でマヤの視線を遮った。
「ほう、薬も過ぎれば毒となる……と?」
「安心するのだ。筋肉に過剰摂取はない!」
「プロテインを飲み、そして筋肉を鑑賞すれば百薬の長というしな!」
どこからツッコんだものか。
「マヤさんの安全は最優先として、鍵が示す場所というのも気になりますね」
「これはもう全部ぶっ飛ばして目的地まで更地を突っ走る感じにするしかないよね」
そうだよね、とヴィクトルは首を傾げる。
「ヴィクトルくん意外と考えが大胆すぎない!? ぶっ飛ばすのはへんたいだけにしておいた方が?」
「皆、ここを任せてもいいか?」
マッスルたちから目を離さずに、勿論警戒のためだが、とにかく何か考えがある様子のアレクが口を開く。
「いいけど、どうするの?」
栞の質問に、アレクは行動で応えた。
「ほわあ!?」
「マヤを危険から遠ざけたくてな」
すなわち、マヤをお姫様抱っこのような形で抱えたのだ。
「紳士だ……! ああいや、そういうことなら任せて。絶対に通さないから!」
「またどこから敵が現れるかわかりませんし、こちらもなるべく早く合流します」
「ここさえ乗り切れればきっとどうにかなると思うし、頼んだよ」
栞と心春、ヴィクトルからゴーサインを受けたアレクは、『スピードシフト』にスタイルチェンジ。
文字通り速度に特化したスタイルであり、その速力たるや他の追随を許さないだろう。
アレクは栞と心春に頷きを返すと、地を蹴る……寸前でぴたりと止まった。
「ど、どうしたの?」
「そういえば土地勘ねぇからどこに逃げりゃいいかなと」
「あー、えっと……それならこの街のことはよく知ってるから、ちょっとくらい迷子になっても大丈夫!」
「そうか、なら案内は頼んだ。なるべく揺らさないようにはするが、しっかり掴まっていてくれ」
マヤの手にぎゅっと力が入ったことを確認すると、アレクは今度こそ、初速から可能な限りの速さで駆け出した。
「ほう、速いな。筋肉は鈍重であると考えたか」
「だが鍛えぬいた我々の筋肉は枷ではないのだよ!」
「敏捷にして剛健たる我らの筋肉、とくと味わうといい!」
追い掛けるアルパカマッスルブラザーズ!
「通さないって言ったでしょー!」
「「「ぬおおおおお!!」」」
そして兄弟たちに襲いかかる無数の拳銃弾!
栞は撃ち尽くした「わんわん」と呼ぶ二丁のサブマシンガンを一度JBに格納すると、すぐにフル装填された同じ銃を取り出す。
「どうしても邪魔をするのであれば」
「容赦は」
「せん!」
逸る気持ちが台詞を短くしているのか、マッスルたちは思い思いの筋肉映えするポージングをして自らを奮い立たせた。
「JB! とげとげ!」
『Destroy them all』
JBもヤツらを「ブッ潰せ」とばかりに勢いよく新たな武器を顕現。今回の武器は名前から想像しやすいのではないだろうか。
鎖の先端にえっぐい棘がびっしりと生えた鉄球。それを投擲。
するとアルパカヘッドに『ごぎゃぐしょめりごしゃ』といった聴いたらしばらく耳から離れないことうけあいな破砕音を轟かせながら命中するという寸法だ。
「ん、よし。ジャストヒット。銃よりこっちが使い易いね。やっぱ」
小さく拳を握り締める栞。
「そんなにポージングが好きなら、ずっとそのままでいればいいんじゃないですか?
」
堅い地面が水面のように揺らめく。
かと思えば巨大な烏賊がゆっくりと威圧感と共に浮上し、彼らを睥睨する。
「クラーケンさん、お願いします!」
心春の声に、大烏賊は触手の一本一本でマッスルを捕縛していく。
そうなれば最後、触手から強力な麻痺毒が注入されて身動きを封じるのだ。
「ずっとポージングというのはいいアイディアだね」
動けないマッスルに追い打ちをかけるヴィクトル。
エレメンタル・ファンタジアで突風と氷の礫を組み合わせて極寒地獄を作り上げる。
「ほらほら冬将軍のお通りだ。こんなむさ苦しいのは好みじゃない、とのことだよ」
「き、筋肉質な猛者は脂肪がない分寒さに弱い……」
「だが、常に筋肉火力発電すれ……ば……」
「死の淵こそ、我らが肉体美は……」
やがて彫像のように固まったマッスルたちは、粉微塵となり消えていった。
打撃、麻痺、氷結の連続攻撃の前には筋肉だけでは対抗できなかったのだ。
筋肉は何も悪くない。
筋肉は裏切らず、語りかければ応え、共に成長していく人生のパートナーである。
彼らは筋肉を悪用し、そして事案を起こした。
それが許されなかったのだ。
やがて走り回っていたアレクたちと合流し、猟兵たちはあらためて鍵の目的地へと向かうことにした。
「さっきはすみません。あまり人は乗せないので……」
道中、心春は拳銃を手に警戒しながらも先の戦いでの槍ブースターについて頭を下げた。
「ううん、終わってみればあんなすごいスピードで街を駆け抜けることなんてそうそうないから楽しかったよ!」
「そう言っていただけるとありがたいです」
「そんなことがあったのか。なら立て続けに超スピードを経験して疲れただろう」
アレクもマヤを気遣って、休みたいときはいつでも言ってくれと話す。
「大丈夫大丈夫! みんな助けてくれているのはわかってるから、本当ありがとう!」
「無理しないでくださいね。せめて今はゆっくり歩きましょうか」
「まったく、こんないい子が次々と襲われるなんて、許せないねまったく!」
再びサブマシンガンを携行しながら栞はぷんすかしている。
あれからヘンタイ……もといオブリビオンに遭遇はしていないが気は抜けない。
「そろそろ目的地みたいだね」
にょいっとマヤの顔を覗き込むヴィクトルは、位置関係に間違いが無いことを確認。
この先に一体何が待ち受けているというのか。
大成功
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第3章 ボス戦
『マルチプル・アースムーバー』
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POW : タイヘン キケンデスノデ チカヅカナイデクダサイ
【放り投げた瓦礫や、ドリルの一撃など】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を瓦礫の山に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD : シャリョウガ トオリマス ゴチュウイクダサイ
【ブルドーザー形態による猛烈突進攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : ゴメイワクヲ オカケシテオリマス
【排気マフラー】から【環境に厳しい有害物質たっぷりの黒煙】を放ち、【強烈な粘膜刺激と視界の悪化】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:おおゆき
👑7
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠グァンデ・アォ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
鍵に導かれるままにとある場所にたどり着いた猟兵たちとマヤ。
そこは特に何の変哲も無い建物に囲まれた空き地だった。
「ここがゴール? それにしてはなんにもないし、なにか起きるわけでも……」
そんなことを言っていると期待通りか期待を裏切ってか、突然マヤの顔がものすごく輝きだした。
「えっ、えっ、なにこれ! も、もしかしてスーパースターになった!? スターのみが放つといわれるオーラ的な光を出しちゃってる!? っていうか動けないんだけどー!?」
自分の意思とは関係なくとんでもなく眩い光を放射しはじめたマヤは、どうやら身動きが取れなくなってしまったようだ。
こんなところを狙われたりしたら……。
「キケンデス キケンデス スミヤカニ タイヒシテクダサイ」
こんなところだからこそ狙うのがオブリビオンの仕事だろう。
三方を囲む建物の一部がひび割れ、かと思えば吹き飛び、中から腕のドリルを高速回転させた工業用ロボットのような姿をした怪人がのっそりと現れた。
「な、なにあれー!? 危険なのはそっちじゃないの!?」
「キケンデス キケンデス テレビウムヲ カイシュウシマス」
例に漏れず、やはりマヤ目当てのようだ。
「チカヅケバ キケントハンダンシマス ゴチュウイクダサイ」
棒読みの合成音声は猟兵たちに警告しているつもりなのだろう。
迷うことはない、このロボを破壊しマヤを救うのだ!
片瀬・栞
スーパーロックスターってやつかしら。
いや、そうじゃない(セルフツッコミ)そういう場合じゃないよね。
>行動
【POW】
チェーンソーで片方のキャタピラに
【鎧無視攻撃】と【鎧砕き】で集中攻撃。
どっちかのキャタピラが壊れたら
ブルドーザーになってもまっすぐ走れないんじゃないかなあ。
キャタピラが壊れたら
次はその細っこい足(それでもあたしよりは大きそうだけど)ね!
UC【バンダースナッチ】で片足を絡めとる。
その後両足巻き込んで絡みつくようにぐるぐる走り回ろう
ドリル攻撃は【ダッシュ】とヘッド【スライディング】で気合で避ける
飛んでくる瓦礫に当たり埃まみれになりつつ
なんだろうね。この光るの。落ち着くまで見守ってよう
ヴィクトル・サリヴァン
おお、輝いてる。本当にスターの素質あるのかもね。
…いやいや、動けないのはちょっとまずいね。
ここまで来たんだし筋肉も乗り越えたし、ぶっ壊して守り切るとしようか。
瓦礫投げやドリルは回避、もしくは銛で受け流す。
野生の勘を活かして起動とかタイミング読めたらやりやすそうだけど。
危険と言いながら向こうからやってくるのは何とも理不尽。
もしマヤに流れ弾とか行きそうな場合は間に割り込み庇おうか。
こんなの当たったら未来のスター?には大ダメージだろうし。
瓦礫の山を増やされる前に隙を突いて、もしくは隙を作るように銛を投擲。
UC発動し水の鯱の追撃で噛み砕かせよう。
戦闘後は何が起こるのか興味津々に。
※アドリブ絡み等お任せ
二條・心春
その警告には従えません…逆に貴方のような危険なものから皆さんをお守りするのが私の役目ですから!マヤさん、もう少しの辛抱ですからね。
今回も【ウェポン・ブースト】を使いましょう。ブースターに加えて、槍に風を付与した「属性攻撃」で、敵の黒煙を、皆さんが巻き込まれないように吹き飛ばしながら攻撃しましょう。私自身は「毒耐性」「激痛耐性」があるから、何とかなると思うんだけど…。
黒煙がなくなったら、今度は槍に炎属性を付与して、ブースターの出力全開で突撃します。硬そうな金属の体ですが、私の槍で貫いてみせます!
アレク・アドレーヌ
最後の最後まで事案だったな…いやこれは事案というより一歩間違えたら労災か
しかしまたベタなロボだな…
とりあえずUC使って【怪力】で応戦するとして…流石に複数同時の相手は無理だから一体動き止めるのが精いっぱいだから残りはやっぱり任せるとして…【鎧砕き】で粉砕出来りゃいいけど。
敵の攻撃はもう【気合】でどうにかする。根本的解決には至ってないけど気合いでどうにかできんだろ
(アドリブ・共闘歓迎)
「この輝きは百年に一人の逸材のみが発せられるオーラみたいなヤツだったりー!?」
顔から光を放出し続けるマヤは気が動転しているのだろうか、よくわからないことを叫んでいる。
「おお、輝いてる。本当にスターの素質あるのかもね」
「スーパーロックスターってやつかしら」
鍵だけに、ってね。
「いや、そうじゃない! そういう場合じゃないよね」
「いやいやその通り。動けないのはちょっとまずいね」
中空でちょっぷを振るう栞と首を振るヴィクトルは、あらためて現状を確認する。
一方、光るマヤは猟兵たちの近くにいるが何故か動けない。
他方、壁を突き破って現れた二足歩行の工業機械型怪人『マルチプル・アースムーバー』はまだ距離がある。
「敵は一体か。今までわらわら出てきた雑魚とは違う……自信があるということか」
アレクは「もしもの時は俺が食い止めよう」とパワーシフトにスタイルチェンジし、アースムーバーの動きを注視する。
「しかしまたベタなロボだな……」
「ロボだよねえ。危険と言いながら向こうからやってくるのは何とも理不尽だけど」
棒読みの音声や知能がありそうでないような動作、そしてドリル。
文句の言いようのないザ・ロボである。
「何にせよ、これも事案……いや、事案というより一歩間違えたら労災か」
怪人は事業として未届けであろうし、保険にも加入していないだろう。
「スミヤカニ ココカラ タイヒシテクダサイ タイヒシテクダサイ」
アレクの心配を知ってか知らずか、運転室に灯る目のような光をきょろきょろ動かしながらショベルアームを上下させるアースムーバー。
滑稽な動きで、一見丁寧にも思える対応だが。
「その警告には従えません……逆に貴方のような危険なものから皆さんをお守りするのが私の役目ですから!」
心春の言葉を聞くや、アースムーバーはぴたりとその動きを止めた。
直後、運転席の目が赤に染まった。
「キケンブツヲ ハイジョシマス アンゼンカクニンニ ゴキョウリョククダサイ」
怪獣の唸り声のような重いエンジン音が鳴り響くと、運転席の横にある排気マフラーから黒煙が噴出した。
1m先も見通せないほど密度の濃い霧のような不気味な排気ガスは、ゆっくりと猟兵、そしてマヤへとその領域を伸ばしてくる。
「なんだあの異様な煙は。不完全燃焼を起こしているのか? 喋るくせによほど古いエンジンを積んでいるようだな」
「いえ、きっとこれはただの排気ガスではないはず!」
心春は危険を感じ、槍に風を纏わせる。
ブースターに火を入れ、飛び出した勢いと付与した風の力を用いて黒煙が薄くなるまで吹き飛ばした。
「けほっけほっ……」
「心春ちゃん、大丈夫!?」
「はい、毒には耐性がありますし……少し煙が目にしみたくらいです」
少し煙を浴びてしまっただけで目の端に涙を湛える心春を見るに、どうやらかなり有毒な成分が含まれているようだ。
猟兵ならまだしも、これがマヤに直撃していたらと思うと……。
「ゴメイワクヲ オカケシテオリマス」
「ああ、一応迷惑を掛けている自覚はあるんだね」
「謝り方が『怒られてふてくされた男子小中学生』のそれって感じでとってもなあなあなんだけどー!?」
勿論、エコなんか微塵も考えていないこの怪人の排気ガスは環境もガンガン汚染していくだろうからそういった意味でも素早い撃破が望ましいだろう。
ガスが効かないと分かると、アースムーバーはちょっと格好いいプロセスを経てブルドーザーの形にがこがこ変形していく。
「ロボが変形……だと……」
ヒーローとしては気になるところではあろうが、それよりも車両の形になったということは次に何をしてくるかといえば。
「おっと、これは突っ込んでくるね」
エンジン音が一段、二段と高まってくるところでヴィクトルはマヤの前に立つと、自らの巨体を絶対防御の壁とした。
「大丈夫、未来のスターは絶対に護るから」
少し振り返り、シャチスマイルでマヤを安心させるのも忘れないのがバーのマスターをも務める彼の心意気。
「それなら安心してあのロボと力比べができるな」
誰よりも先頭に出て両の拳を打ち付けあい、そしてガントレットを装着した腕を交差させるアレク。
「もしかして受け止めるつもり!?」
「俺の怪力は伊達ではないからな。それに、根本的解決には至らないけど大体の問題は気合いでどうにかできんだろ」
「最終的にはやっぱりパワーだよね」
「ヴィクトルくんといいアレクくんといい、考え方がパワー系!」
本気か冗談か。白いマスクは応えないが、アレクは緑色の身体に力を漲らせていく。
「シャリョウガ トオリマス ゴチュウイクダサイ」
刹那、安全第一という言葉をどこかに捨て去った猛烈な突進を繰り出す怪人。
鈍重そうな見た目とは裏腹にスポーツカーのトップスピードもかくやという速度の突撃に、しかしアレクは正面から受け止める。
耳を覆いたくなる金属音、飛び散る火花。
それでもアレクは立っている。受け止めている。
「俺が労災の申請をする必要が出る前に……やるんだ!」
脚は地面をえぐり、少しずつ押されている。
それでも拳をアースムーバーのボディに深々と突き刺し、耐える。
「よし、ぶっ壊すとしようか」
シンプルなことだとヴィクトルは銛を手に駆け出した。
危機を察知したアースムーバーはショベルで地面を削り取り、その瓦礫をヴィクトルへと投げつけるが、アレクの足止めでうまく姿勢が制御できないのだろう、正確とは言い難いまばらな投石が迫る。
易々と銛で弾き――勿論、それらがマヤの方向に飛ばないように調整しながら――アースムーバーとの距離を縮めていく。
「さあ、追いかけて、齧り付いて――喰い千切れ」
防御に使っていた銛を投げつけると、それは機械の身体に深々と突き刺さる。
それだけではない。それがアンカーとなり、現れた水で象られたシャチの牙がアースムーバーの車体に大きな傷を与えていく。
これはたまらないと、うまく制御できない脚の代わりに腕を振るって抵抗する。
「ソンショウヲ カクニン タイヘン キケンデスノデ チカヅカナイデクダサイ」
「うわっ、あぶなー!」
肉薄していた栞は、全力で半身を捻りながらかろうじて暴れるドリルアームをヘッドスライディングで回避。
少しでも遅ければ大幅なダイエットに成功していたところだ。
「……やっぱり気合いって重要かも」
さらに前転を繰り返し、前進しようとあがくキャタピラまで達すると、立ち上がりざまにチェーンソーでベルトを叩き斬る。一回では斬れない。ならば何度も削るまで!
ついに断ち切られたキャタピラは、アースムーバーの速力を大きく削る。
これ以上のブルドーザー形態は不利であると合理的な判断を下したのだろう、無理矢理にでも二足歩行形態へと変形していく。
「なら次はその細っこい足ね! とはいってもあたしよりは太そうだけど!」
鎖が付いた棘鉄球をぶんぶん振り回したかと思えばそれを怪人の脚部へと投げつけ、その片脚を絡め取る。
チェーンデスマッチのように互いを鎖で結ばれ、そして正面には怪力を誇るアレク。
サリヴァンがマヤを覆い隠し、最早怪人は八方塞がり。
「マヤさん、もう少しの辛抱ですからね」
槍に炎を纏わせ、しっかりと目標を見据える心春。
相手は鉄の塊。装甲は相当のものだろう。
だから何だというのだ。
ただただスペックの限界までブースターの出力を上げ、刺し貫くだけでいいのだ。
「貫いてみせます!」
心春の槍は胴体を、そしてそこから斜め上に突き抜け運転席をも貫いた。
「ガガガ シンコクナ ダメージ キキキケンデスノデ ウゴゴゴゴゴ」
ふらふらあらぬ方向へ歩行するアースムーバーは、やがてコテンと倒れ爆散した。
「みんな、本当にありがとうございました!」
様々な脅威を粉砕し、自分を護り抜いてくれた勇敢な猟兵たちにマヤは元気よく深々と頭を下げた。
その顔はもう鍵でもないし光ってもいない。
猟兵たちはマヤ本来の可愛らしい顔を取り戻した恩人なのだ。
「結局よくわからなかったけど、こうして顔も元に戻ったしみんなには」
『システム・フラワーズより緊急救援要請』
「ひゃあお!?」
突如、何の脈絡もなく何者かの声が周囲に轟いた。
それはマヤでも猟兵でも、無論怪人の声でもない。
『システム・フラワーズより緊急救援要請。全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり』
「えっ、なになに今度はなんなの!?」
声はまるで周囲を囲む建物……その壁面全てがスピーカーにでもなったとしか思えないところから聞こえてくる。
『テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う』
声は一方的にそれだけを告げると聞こえなくなった。
猟兵たちは新たな戦いの予感を胸に、マヤを待っている者のところに送り届けるべくその場を後にするのだった。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2019年04月30日
宿敵
『マルチプル・アースムーバー』
を撃破!
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