テレビウム・ロック!~って映画の宣伝なんですよね?
――それは、何気ない日常から始まった。
「さぁ、やってきましたよ。映画フェス!略して、えいフェス!今日はどんな映画に出会えるんで……あ、あれ?」
映画に関する動画投稿者……エーミ。
彼女の画面に謎の鍵が表示された時、その運命が狂い始める。
「その鍵の謎について、調べますか?」
「この鍵の……謎?」
突然現れた、ベルーガ。
「調べますか?」
「調べますか?」
「調べますか?」
彼女が下す決断は、そしてベルーガに跨る中年の正体とは……!
君に、この謎が解けるか。
続きは劇場で!
「――って、事ですよね!これ。いやー、リアルで観客を巻き込むプロモーションなんて凝ってるぅ!」
ひゃー、このイベント凄い気合入ってますよぉー!と、のんきに体をくねくねさせているエーミに、無情な弾丸が撃ち込まれんとしていた。
●
「みなさま、みなさま、急ぎキマイラフューチャーへ向かって、テレビウムのエーミさんを助けてあげてくださいまし!」
いつも以上に大慌てで、ぴょんぴょんしているのは、ケットシーのグリモア猟兵――フィリオ・グラースラム(煌氷の刃・f10324)であった。
今、キマイラフューチャーでは、一部のテレビウムの画面に、謎の鍵が表示されるという事件が起こっている。
そして、彼らテレビウムに大量のオブリビオンが迫っているのだ。
「どうして鍵が表示されたのかは、よく分かりませんの。けれど、このままではテレビウムさん達がみんなオブリビオンに……」
だが今ならば、まだ間に合う。
鍵の謎についても気になるかもしれないが、まずは鍵が表示されたテレビウム達をオブリビオンから守るのが先決だ。
「みなさまに助けてほしいのは、動画投稿者のエーミさんというテレビウムさんですの」
飛田須映見―とびだす・えいみ―というニックネームで、映画に関連した動画投稿をしている彼女は、今、映画関連のイベントを楽しんでいる真っ最中だ。
動画のファンからは、『エーミさん』と呼ばれて親しまれているらしく、イベント会場では、きちんの運営に許可を取った上で生配信を行っている。
「そのせいか、オブリビオンに襲われているのに、それを映画のぷろもぉしょん……というのもだと思っているみたいなんですの」
つまりお客さん参加型の、斬新な映画の宣伝だと思っている。
そして、動画投稿者たるエーミがそう言うので、周りの観客も、そして動画の視聴者たちも、これは映画の宣伝なのだと思い込んでいる。
もしも本当に命を狙われていると分かれば、パニックに陥るかもしれない。
「なので、映画の宣伝だと思わせたまま、オブリビオンをやっつけて来てくださいませ」
ベルーガを撃退した後も、まだ増援が現れる事が予想されるが、難しく考える事はない。
どんなジャンルの、どんな役をするのか。その役は、エーミさんとはどんな関係なのか等を決めて、それっぽく振舞いながら、現れた敵を全て倒せばいいのだ。
急に辻褄の合わない展開になったり、あからさまにジャンルが変わったりするかもしれないが、そこはまぁ別の映画の宣伝に切り替わったという事で。
「それではみなさま、エーミさんの事、よろしくお願いしますにょ!」
音切
音切と申します。
本シナリオは、ノリと勢いとスピード重視にて、進行させていただきます。
そしてオープニング冒頭のような感じで、
何となく、映画の宣伝っぽい文言が散らばったリプレイになる(予定)です。
どんな映画の、どんな役割を演じるのかは、
全章で一貫した設定にしてもいいですし、毎章ごとに変えても問題ありません。
ノリと勢いがあれば、大体何となりますので、好きな設定でお越しください。
(一応、レーティングは目安PG12くらいまででお願いいたします)
全キマイラヒューチャーが歓喜とか涙とかするプレイングを、お待ちしております。
よろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『何も答えてくれないベルーガ』
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POW : おまえを消す方法
【全て消すモード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : ベルーガに乗った中年
【ベルーガの調教師】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ : ベルーガがせめてきたぞ
戦闘用の、自身と同じ強さの【熱線銃装備の軍用ベルーガ】と【ガトリングガン装備の軍用ベルーガ】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
イラスト:ケーダ
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
荒月・紫音
映画の宣伝っぽくって言われてもなぁ。
よくわかんねぇけど、
ダンスの修行しながら悪と戦う映画、
とか言っておくか。適当だけど。
「さぁて、最初に踊ってくれる奴はいるかな?」
まずは、「風乗」で蹴り飛ばすぜ。
それから、回し蹴りとか側転からの蹴り上げとか、
蹴り技多めで攻撃していくぜ。
相手からの攻撃はスライディングとか
【絶望の福音】で攻撃をかわしていくぜ。
できる限り、映画のパフォーマンスっぽくみせるぜ。
アドリブ・絡みは歓迎だぜ!
響くローラー音。
白いベルーガたちの間を抜けて、颯爽と駆け抜ける一陣の赤い風。
それは、高く飛びあがったかと思えば。流星がごとき蹴りで、1体のベルーガを吹き飛ばす。
体を捻り着地して。スピードを殺すように地面を踏みしめれば、ローラーが激しい摩擦音を上げる。
ようやく動きを止めたその赤い風に、いつの間にか現れた、ベルーガに跨る中年が何者だと問う。
「ひゃー、ようやくメインキャストのお出ましですかぁ!」
この登場の仕方、完全にヒーローものじゃないですかぁー!と盛り上がるエーミと、その動画の視聴者たち。
とはいえ……。
(映画の宣伝っぽくって言われてもなぁ)
ヒーローものならば、ここで名乗ったりするところだが。
出身世界が出身世界なだけに、映画のような娯楽とは縁遠く。
その宣伝と言われても、荒月・紫音(光現の奏舞手・f06279)には、今一つピンと来ない。
己に出来る事と言えばそれは……。
「さぁて、最初に踊ってくれる奴はいるかな?」
「ふぁ!まさかの、ダンス映画ですかー!?」
――より高みへ行くために。男はリズムを刻む。
紫音のレガリアスシューズが唸りを上げる。
溜めは一瞬。
一気にトップスピードで飛び出せば、まずは側面からの蹴り上げ。
その動きを目で追う事すらできずに、ベルーガが吹き飛ぶ。
「まだまだ、俺の修業に付き合ってもらうぜ」
軽快に、まるでそこにも床があるように中空を蹴って、蹴り下ろしの蹴りを2体目のベルーガに。
――そのステップは魂のビートにして。
ベルーガに跨る中年が鼻を鳴らす。
「ふんっ、そんな甘いダンスで……ぐはっ!?」
「おっと悪い。リズムが狂っちまった」
――まさに、死の舞踏。
「――とういうやつですねぇ!!」
多彩な蹴り技で、次々とベルーガを屠る紫音の姿に、バトルものですよ、アクションですよぉ!と、飛び跳ねるエーミ。
「調子に乗るなよ、若造が!」
鼻から血を流した中年が、怒りのままにホイッスルを吹き鳴らす。
途端に、何匹ものベルーガが、統率の取れた動きで紫音を追い立て始めるけれど、彼が捕まる事はない。
この地面も、ベルーガたちでさえ。紫音にとってはただの舞台。
そんな紫音のステップに魅せられて。
「アクション出来る俳優さんとか!いっそもうファンです!」
「えっ?」
体をくねくねさせる。割とミーハーな、エーミなのだった。
成功
🔵🔵🔴
霧枯・デスチーム
【2m半のガジェット、ブラザーに乗り込み行動。アドリブ・協力歓迎】
映画だってよ、ブラザー。
『それは楽しそうですね、ガージ。どのような物がお好みで?』
ダイでハードなアクションだナ!
映画風かー。じゃあ猫パイロットというのを印象付けるために猫姿で登場、その後ブラザーを呼び出して乗り込むとかした方がカッコ良さそうだナ!
役割はアクション映画の正義感ある巻き込まれ系な面白黒人だナ!見ず知らずだけどエーミを守るために明るく適当なノリと勢いでガトリングガンぶっ放すぜ!
装甲猟兵デスチームの【盾受け】と【怪力】を利用して暴れまわるぜ!
「おいらに任せナ!王様だってぶん殴ってみせらぁ!」『ですが請求書だけはご勘弁を』
ベルーガたちの猛攻は続く。
「よぉ、お嬢さん。何かお困りかナ?」
「こ、このパターンは……!」
アクション系でよくある、黒みがかった褐色肌のナイスガイが登場するシーン!出来れば、車に乗ってて、窓から軽く身を乗り出してる感じでお願いします!と、期待感いっぱいに振り返ったエーミ。
「なっ……なんと!」
車じゃなくて、ロボ……ですと!?
そこに居たのは、愛機に寄りかかるようにして立つ、霧枯・デスチーム(100万回殺しても殺せない猫・f13845)。
彼の役は、あらゆるアクション……そう、たとえばパニックホラーアクション何かでも、場の雰囲気を和らげる、ちょっとコミカルで正義感のあるナイスガイ。
ならば、セリフはこうだ。
「よぅ、ブラザー。この白いののせいでレディがお困りだ」
『それは容認できませんね』
「だナ」
颯爽と、大きなガジェット―ブラザー―へと乗り込めば、ブラザーにブォンと光が灯り立ち上がる。
「映画だってよ、ブラザー」
『それは楽しそうですね、ガージ。どのような物がお好みで?』
デスチームの口元に笑みが浮かぶ。
――ダイでハードなアクションだナ!
「えぇぇ!?それ、セットじゃなくてマジで動くんですかぁ!?」
鍵ではなく、いつも通りの顔が表示されていれば、おそらく大口を開けて驚いてくれているのだろうエーミに、ぐっと親指を立てて見せて。
「おいらに任せナ!王様だってぶん殴ってみせらぁ!」
――その2人。危険につき。
ブラザーの手にしたガトリング砲。
その回転動力炉が唸りを上げれば、瞬く間にベルーガたちがぶっ飛んでいく。
――その2人。はちゃめちゃにつき。
『ですが請求書だけはご勘弁を』
――そんな凸凹コンビが、鍵を持つ女性のために大乱闘!?
「でもこれ、ストーリーどうなってます?」
ダンサーを志す青年は、無情にも戦争に巻き込まれていく的な?
それでロボット物的な?
しかも、パイロットとAIのコンビ物的な?
「色々抑えてきてますね!これぇ」
エーミを狙い突進してきたベルーガを、ブラザーの盾で受ける。
2匹、3匹とさらにベルーガが突っ込んでくるけれど。ガンともせずに。
「吹っ飛ばすぞブラザー!」
『了解』
その盾で、ベルーガたちを打ちあげて、ガトリング砲を派手に撃ち鳴らせば。
エーミの動画視聴者数は、ぐんぐん上がっていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
エトワール・フィラントゥ
まぁ!テレビウムさまのお顔に鍵が!
何故でしょう…なぞなのです
ですが今はエーミさまをお助けしませんとっ
…にゃ?映画、とは何でしょう
エトワールはメイドでございますの
皆さまのお困りの声あれば
お掃除用具ちゃんズでササっと解決いたしますわ
ですので皆さま、ご安心くださ…
え、メイドは見た的にゃスパイアクション映画?
もふきゅん系諜報員の時代キタコレ?…よ、よくわかりませんが
それで良いのでお下がりくださいませっ
イルカさまの狙いはエーミさま
ですがこのままでは観客の皆さまも危険なの
武器受けやなぎ払いで脅威から皆さまをかばいます
ダッシュとジャンプで素早く近づき、
不思議な塗料ちゃんで動きを無効可なのですっ
※アドリブ歓迎
(……にゃ?映画、とは何でしょう)
慌てていたグリモア猟兵に、あっという間に飛ばされて来てしまって。
結局、映画とは何のかは聞きそびれたまま。
(ですが今はエーミさまをお助けしませんとっ)
テレビウム達の画面に現れたという謎の鍵。
謎は未だに謎のまま、原因も分かっていないけれど、今は先にやらねばならない事があるのです。
そう。エトワール・フィラントゥ(小さな星・f06523)はメイドなのですから。
困っている人の声を、聞こえぬふりは出来ません。
お掃除用具ちゃんズの準備も万全。
これでササっと解決を……。
「メイドきたこれぇー!」
「にゃ?」
エトワールの姿を見るなり、はしゃぎ飛び跳ねるエーミ。
だってメイドですよ。メイド。戦争ものでメイドと言ったら……。
「ずばり言い当てましょう。貴女はもふきゅん系諜報員ですねぇー!」
そう戦争における情報戦の要。
スカートの中から出てくる武器はロマンなのです。
――そのメイドは、幼女にして。
「……よ、よくわかりませんが」
――もふもふー!?
「それで良いのでお下がりくださいませっ」
――しかもこの姿で諜報員。こんなメイド、見たことなーい!
「ちょっと要素盛り過ぎのような気がしますけれど、私はそういうの嫌いではありませんよぉー!」
ほら、視聴者コメントにも『もっとやれ』っていっぱい流れてますし……と、のんきなエーミは、とりあえず置いといて。
熱線銃やら、ガトリングガンやら。
随分と物騒なものを装備しているベルーガたち。
その銃口はエーミへと向いているけれど、このままではエーミだけでなく、観客たちにも危険が及ぶ。
素早くベルーガへと駆け抜けたエトワールが、猫の手型のモップを振り抜けば。
ベルーガの銃に、体にと張り付く塗料。
カラフルに染まり行くベルーガたち。だが効果はそれだけではありません。
「キュキュ!?」
自分たちの異変に気が付いて、ベルーガが鳴き声を上げる。
銃が、体が、動かなくなっていく。
「おぉ、スパイの秘密道具ですか!すごいですねぇ」
エーミからの拍手を浴びながらも、エトワールのお掃除はまだまだこれから。
銃弾を散らかすなんて、そんな事はメイドとして許しません!
大成功
🔵🔵🔵
煌天宮・サリエス
そう、私は煌めく黄金の炎を纏いし天使。そんな設定でGOというわけです。
空から救済対象の場所を確認し、ユーベルコードを発動。
黄金の炎を纏い、敵と少女の間に舞い降ります。
「安心してくださいテレビウムの少女よ。天は貴女を救うために私を遣わせたのです。」
とほほ笑んで【誘惑】する。少女には自分がヒロイン役だと思ってもらう……という作戦です。
戦闘は、【オーラ防御】と攻撃を軽減するUCの特徴を活かした特攻を行います。
召喚した取り巻きは炎の矢で撃ち抜きつつ、炎を纏った斧槍で本体を叩き切ります。
空を行く影があった。
他の猟兵たちは、先にエーミの元へと向かっているが、煌天宮・サリエス(救済がための供物・f00836)は、黒翼を羽ばたかせ空から戦闘の様子を、そしてエーミの位置を確認する。
今から自分は、煌めく黄金の炎を纏いし天使。
迷えるテレビウムを救うために、天より遣わされたもの。
地上では、武装ベルーガたちの熱線銃とガトリングガンの銃口に囲まれて、エーミが悲鳴をあげていた。
「きゃー。エーミさん絶体絶命ですぅー」
とても余裕のある怖がり方をして、しゃがみこんだエーミの元に、いま天使が舞い降りる。
……って、えっ?
「これって、そんなファンタジー世界だったんです?」
戦争物なのに?と首を傾げるエーミ。
(戦争物の流れだったんですか)
ジャンルが食い違ってしまったようだが、慌てる事はない。
サリエスが魅了の力を込めて、穏やかに微笑んで見せれば。
あぁ……つまり、神々をも巻き込んだ何たらかんたらな戦争だったんですね天使様!と世界観を綺麗にうやむやにして、祈りのポーズをするエーミ。
――その天使、優美にして苛烈。
纏ったオーラで、弾丸を防いで。
エーミを背に守れば、サリエスの纏いし炎が矢へと変じて、お返しとばかりにベルーガたちへ降り注ぐ。
――その天使、華麗にして。
怯むベルーガへと肉薄して繰り出されるのは、炎を纏いし斧槍の無慈悲な一撃。
それは、装備したガトリングガンもろともに、ベルーガの体を両断する。
――冷酷。……だが。
――地上に降りた天使の命は刻一刻と擦り減っていく。
「…って、そんな重たい設定なんですかぁ!?」
エーミは少し慌てるけれど、彼女も伊達に数多の映画を見てきた訳ではない。こういう場面で言うセリフといえば……。
「もう私のことなど見捨てて、お逃げください天使様。このままでは…!」
それでもサリエスは、命の削れ行く苦しみを笑顔の下に隠して。穏やかに、そっとエーミの頬に手を当てた。
「安心してくださいテレビウムの少女よ。天は貴女を救うために私を遣わせたのです」
たとえこの命が燃え尽きようとも。
――鍵の女性を守り抜くために。
ああぁ……と、何故かぷるぷる震えだすエーミ。
「やべーですよぉぉぉ。このヒロイン設定やべーですよぉぉぉ!」
サリエスの美しい微笑みに、何か違う世界に目覚めてしまいそうになるエーミなのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『紫御殿』
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POW : 仮面合身の術でござる!
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【男子がカッコいいと思うもの】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD : 仮面手裏剣の術でござる!
【懐】から【自動追尾する真っ白な仮面】を放ち、【相手の視界を塞ぐこと】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 仮面狼群の術でござる!
【仮面を被った狼の群れを召喚、爪や牙】が命中した対象を切断する。
イラスト:りょうま
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「いやぁー、怒涛の展開でした」
興奮冷めやらぬまま、体をくねくねさせながら熱く語りだすエーミ。
ダンサーを目指す青年が、スパイも活躍するロボ戦争に巻き込まれて、戦いはいよいよ神々をも巻き込んだラグナロク的な?
何部作になるのか、ちょっとよく分かりませんけど、役者さんのレベル高すぎですよこれぇ!……って。
「何か画面の鍵が、くるくるし始めたんですけどぉ!?」
――エーミの鍵が回り始めた時、新たなるシリーズの幕が開く。
「うそぉ!?まだ続くんですかこれ!?」
――鍵の導きのままに、進め。でなければ……。
「お前たちを、その場所へ向かわせる訳にはいかないでござる」
「え?忍者!?新シリーズ、時代物なんですか?」
――エーミの命は、ない。
「よく分かんないですけど、鍵の指す方に行けばいいんですねぇー!」
走り出すエーミと、追いかける忍者たち。
ここに、斬新な映画のプロモーションの第2幕……もとい、鍵の指す方へ向かって街中を駆けるエーミを、オブリビオンの追撃から守りぬくという、壮大な逃亡劇の幕が上がった。
煌天宮・サリエス
新しい扉を開かせてしまったのですか!?
内心冷や汗をかきながら……とりあえず、ファンタジー的設定を続行
「私を遣わせた神と敵対する神を信仰する集団ですか。」
「滅することには変わりませんが、ここは一つ、天使の奇蹟を見せしましょう。」
自分の視界を奪おうと襲い掛かる白い仮面を1つ吸収し光り輝く
「貴女の業は貴女に返る。」
光が収まると、そこには白い仮面を両手に持った忍者風天使がいた。
得た特性は対象の動きを一時的に封じる能力。両手に持った白い仮面で顔面を強打することで視界を奪い、動きを封じて倒します。
敵の攻撃は強化された反応速度とスピードで躱します。
シュールだって?
奇蹟にコメディもシリアスも関係ないのです?
「待つでござる、そこなテレビウム!」
「待てと言われて、待つテレビウムは居ませんよぉー!」
逃げるエーミと、迫りくる忍者の集団。
「私を遣わせた神と敵対する神を信仰する集団ですか」
駆けるエーミに合わせて、低空飛行しながらサリエスが呟く。
勿論これも、エーミに映画の宣伝であると思わせるための、小芝居なのだが。
戦闘を走る1人が懐へと手を差し入れ……取り出したのは、白い仮面。
攻撃を仕掛けてくるつもりか――。
「滅することには変わりませんが……」
標識を捕まえてくるりと半回転し、サリエス地に足を降ろす。
天使様!?と、足を止めそうになるエーミに、先に行くよう促せば。
「天使様、私のために……!」
と、何やらエーミからキラキラしたオーラが溢れ出ているような……。
先の戦いで、魅了の力を籠め過ぎただろうか。
内心冷や汗をかきつつも、エーミの中で天使役で定着しているのならば、それに乗り続けるのがいいだろう。
「ここは一つ、天使の奇蹟をお見せしましょう」
忍者の放った仮面が、サリエスの体へと食い込む。
その衝撃に、息が詰まって。後ろへ1歩2歩、後退しかけるけれど、それでも倒れる事はなく。
辺りをまばゆい光が包み込む。
――天使、現る。
「貴女の業は貴女に返る」
収束していゆく光から現れたのは、大きな翼。
その翼がばさりと羽ばたけば。舞い散る羽の中に佇むサリエスの姿が現れる。
纏う装束は、忍びのごときそれへと変わり果て、その両の手には白い仮面が握られていた。
――忍者VS忍者風天使。遂に激突!
「おぬし、何者でござるか!」
その異様な姿に、気圧される忍者たち。
だが、そんな忍者たちには構わずに、すっかりと忍者風の天使と化したサリエスはエーミの方を振り返る。
「さぁ、貴女は今のうちに……!」
――勝つのは、どっちだ。
「――って、どーして怪獣映画みたいになってるんですかぁ!」
ここは涙を流しながら、天使様と離れ離れになるシーンではぁ!?
エーミの叫びが、むなしく街中に響く。
忍者風天使がゴリラのごとき力で、忍者の顔面を強打すれば、うぐぉぉぉと痛みに転げまわる忍者。
あぁ、さようならシリアス。
そこには確かに、奇蹟があった。
けれど、胸きゅんシーンなんて、どこにも無かった。
成功
🔵🔵🔴
荒月・紫音
よくわかんねぇけど、
今度はエーミを守りつつ追いかければ良いんだよな?
今度の相手は忍者ってか。
和風なものなら、和風で勝負って事だな!
日本舞踊風に舞いつつ、足払いとか手刀とか使って相手するぜ。
そんなに紅が見たいか?なら、みせてやるぜ!
使うユーベルコードは【狂咲紅椿】。
花片に魅了されて眠れ!なんちゃってな。
アドリブ・絡みは歓迎だぜ!
1歩、道路を蹴るたびに。軽快なローラー音が響く。
縁石を軽く飛び越えて。階段も手すりを滑り降りれば、ますますスピードに乗って、紫音はエーミを追走する。
エーミの画面の鍵は、一定の方向を示し続けている。
(今度はエーミを守りつつ追いかければ良いんだよな?)
その鍵が、何処へ導こうとしているのかは分からないが。エーミを追うのがオブリビオンだというならば、今は彼女を守り切るのみだ。
「あっ、ダンサーのお兄さん……その靴、ズルくないですかっ!」
はぁはぁ、ひぃひぃと、既に息が切れ始めているエーミ。
「だったら、あんたもダンスを初めてみるといい」
体力付くぜ、と笑みを返して。
今もまだエーミに『ダンサー役』だと思われているのなら、今回も応えねばなるまい。
しかし、今度の相手は……。
「観念するでござる!」
忍者だ。どう見ても忍者だ。しかも、ござる口調。つまり、和風。
「和風なものなら、和風で勝負って事だな!」
――無情な戦い。
「お主、邪魔をする気でござるか!」
忍者たちが、すっと2本の指を立てるようにして印を結べば、植木の影から、ビルの隙間から……どこからともなく、狼たちが現れて。
一様に面を被った不気味な狼の群れが、その強靭な脚力でエーミを囲まんと展開してくる。
――その中でも、彼は夢を諦めなかった。
「狂い咲け、焔の華」
紫音の足元が、赤に染まる。
レガリアスシューズが、椿の花と化してはらはらと散りゆけば。その花びらは、なお赤き炎を纏って舞い上がる。
迫る狼の牙を、まるで扇を振るっているかのように、穏やかにいなせば。その払った手を追従する椿の花びらが、狼を燃やし尽くす。
それはまるで、美しい殺陣のようでもあり。そして日本舞踊のようでもあり。
次々と、狼たちが燃えて散り行く中を、舞い続けるその様はまさに――。
――本能寺のごとく。
「花片に魅了されて眠れ」
「こ、これは……ジャパニーズみやびぃ!」
サムライ・カミカゼ・ハラキリ的なやつ!と、はしゃぐエーミ。
どうやら先のセリフは、映画の宣伝っぽいセリフとして、正解だったようだ。
けれど、意識してそんなセリフを言うというのも、どこかこそばゆくて。
なんちゃってな……と、小さく誤魔化す紫音なのだった。
成功
🔵🔵🔴
霧枯・デスチーム
【2m半のガジェット、ブラザーに乗り込み行動。アドリブ・協力歓迎】
「次はニンジャか。こう見えておいらはカラテの達人だぜ、かかって来いってんだ!」
『私の操縦に関係ない要素ですね』
「チクショウなんてこった!」
エーミを守りながら面白黒人枠を貫くぜ!。
必要とあらばエーミを抱えながら【ダッシュ】したりアンカーガンで建物の上に上がったりしてみるか。
敵が多かったり、必要とあらば味方や無関係な存在を巻き込まない状況に限り突っ込んでいって【MAX】を使用して吹き飛ばすぜ。
「ちっ、しょうがねえか。ちょっと行って来るぜ!…良い女になれよ、エーミ!」
『なお、自爆攻撃の様な演出なだけで死にはしません』
「はっ……ひぃ……エ、エーミさん……もぅ、体力が……」
元々は、キマイラフューチャーの一般人でしかないエーミ。
それほど体力がある訳でもなく、足元がふらつき、転ぶかに見えたエーミを。しかし、すんでの所で金属の手が救い上げる。
「よぅ、無事かい?お嬢さん」
――あの2人組が返ってきた!
「あぁ……ナイスガイのっ、ターン……きたぁー……」
がくっ。
ブラザーの手の上で、エーミが力尽きる。
『あまり無事ではなさそうですね』
――今度の敵は……。
「なんでござるか、あのからくり仕掛けは!?」
すっかりと数が少なくなった忍者が、白い仮面を放ってくる。
「次はニンジャか。こう見えておいらはカラテの達人だぜ」
『私の操縦に関係ない要素ですね』
操縦席で、型の構えをして見せるデスチームを、ブラザーが一蹴する。
「チクショウなんてこった!」
ほら、かかって来いってんだ!と、やけっぱちにガトリング砲で仮面を叩き落すまでが、コミカルなナイスガイと相棒のお約束のやり取りというものだ。
――そして彼らに迫る、最大の危機!?
続けざまに乱射されたガトリング砲によって、1人、また1人と倒れていく忍者たち。そして……。
「こうなれば最後の手段を……仮面合身の術でござる!」
「忍者で合体ってなんですかぁー!?」
ようやく少し体力を回復したエーミの叫びを無視して、今や最後の1人となった忍者が、道端に停まっていたトラックの元へと駆ける。
忍者が、懐から取り出した白い仮面をトラックに押し付けたかと思えば、瞬く間にトラックと忍者の体が合わさって、ブラザーに引けを取らないロボへと変形してしまった。
『ガージ』
「あぁ、敵さんもいよいよ本気って事だナ」
そっと、エーミを地に降ろす。
あーあ。まったくしょうがねぇか。と、デスチームは口元に笑みを作る。
こういうシーンで、ナイスガイはあえて笑うのだ。
「ちょっと行って来るぜ!……良い女になれよ、エーミ!」
ちらりと振り向きざまに、親指を立てて見せて。
ブラザーが、トラック忍者ロボへと駆けていく。
迷わず、躊躇わず、真っ直ぐに。そして。
――赤い閃光が、全てを飲み込んだ。
「無茶しやがってぇぇぇー!」
全て消えてしまった。吹き飛んでしまった。
そんな、切ない余韻の中。冷静なブラザーの声が響く。
『なお、自爆攻撃の様な演出なだけで死にはしません』
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『アヤカ・ウザカワ』
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POW : そんなにあたしに関わりたいの?仕方ないなあ♪
全身を【構ってオーラ】で覆い、自身が敵から受けた【痛みや苦しみ】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : もっとアタシに構えー!
【音や煙が派手な様々な火器を装備したモード】に変形し、自身の【回避力と移動力】を代償に、自身の【命中と攻撃速度】を強化する。
WIZ : 世界で一番可愛いのはアタシ!
【笑顔】【挑発的なポーズ】【自分を見ろというオーラ】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
イラスト:つかさ
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠リサ・ムーンリッド」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
忍者たちを退けて。
鍵が導くままに進み進んで、たどり着いたのは……ただのビル街。
立ち並ぶビルの中に作られた、休憩広場。
公園という程でもないが、そこそこの広さがあり、長椅子が2基に自動販売機が3台並んでいる。
「鍵は確かに、ここを指してるんですけど……」
もう走れませんよぅ……と、長椅子に倒れこんだエーミ。
「あ、あれ……?」
――その体が光るとき。最終章の幕が開く。
「うわ、眩しいです!私、何かすんごい光ってますよぉー!?」
突然、エーミの体が輝き始める。しかも……。
「なんかっ、動けないんですけどー!?」
――そして、シリーズ最強の敵、現る。
「あー、いたいたぁ♪」
携帯端末を片手に、近づいてくるピンク髪の少女。
「ってゆーか、アタシが一番乗り?あいつら使えなさすぎ」
でも、まぁいっか。アタシが自分で捕まえる所からやった方が、きっと視聴者数も上がるわよね、と。くすくす笑う少女は、まごう事なきオブリビオン。
「さて、そこの鍵のテレビウム。アタシにバラバラにされて、いっぱい視聴者数を稼いでね!」
あからさまに、エーミの命を狙っているこの敵を排除しなければ、エーミの命はない。
「えっ、何ですか?今こそ鍵の秘密が的なシーンですか、これ?」
エーミの方はと言えば、相変わらずの調子なのだけれど。
彼女は今、長椅子に倒れこんだ態勢のまま、動くことが出来ない。
そして、鍵が示したこの場所で、彼女に異変が生じているというのなら、おそらく無理やり動かす事もしない方がいいだろう。
エーミを守りながら、このピンク髪の少女を倒す。これが最後の戦い。
斬新な映画のプロモーション最終章……エーミ防衛線の幕が上がった。
煌天宮・サリエス
ギャグも人を守る天使の面を少女に見せた
最後は、天使の無慈悲さと神への狂信を魅せよう
『呪いの剣袋』から大量のビー玉を取り出し上に投げる
「偉大なる主は言いました。」
ビー玉は黒い霧に変わりサリエスの周囲を漂う
「あらゆる手段を用いて」
黒い霧は集まり、幾本もの禍々しい闇の鎖に変わる
「神敵を滅せよと。」
鎖は意思を持つかのように、オブビリオンに襲い掛かる
私が使うのは生命力の簒奪と力の封印がメインのコード
捕縛した後は、『イーラの劫火』を用いて切り刻むだけ
敵の笑顔とポーズは鎖に遮られて見えず、オーラによって攻撃力が下がったなら辛い時間が増えるだけなのでしょう
「偉大なる主よ。無事、少女を守り神敵を滅ぼしました。」
アリス・フォーサイス
なんだか、楽しそうだね、ぼくも混ぜてよ。
あ、ぼくも動画を配信するよ。
ひらひらの衣装で魔法少女やるよ。
魔法少女、アリスちゃん、とうじょー!
映画の宣伝てことで、ど派手にやっちゃえ。
全力魔法で火属性の渦を自在にあやつり、派手に攻撃していくよ。
さらに、アナロジーメタモルフォーゼでビルを巨大ロボットに変えて乗り込むよ。
マジカルロボ、はっしーん!
炎の渦をよけながら、このロボの攻撃を防げるかな。
目からビーム!、マジカルロケットパーンチ!
ハッキングでかっこよく、かつ、応援したくなるような動画を配信して、エレクトロレギオンの能力でさらにパワーアップだ。
荒月・紫音
最終ステージか。
とにかく、近づけさせなきゃオッケーってやつだな!
じゃ、はじめっから本気で行くぜ!
使うユーベルコードは【参舞奏装】。
重視する効果は状態異常力。
「さて、修業の成果、みせてやるぜ。」ってな。
スライディングからの蹴り上げや側転、
死角からの足払いとかで翻弄してやるぜ。
オーラが切れた頃合いをみて、一撃喰らわせるぜ!
アドリブ・共闘は歓迎だぜ!
霧枯・デスチーム
【2m半のガジェットブラザーに乗り込み行動。アドリブ協力歓迎】
「よし、ここぞという所で死んだと思ってたナイスガイの登場だ」
『既に死んでいないと伝えてあります、ガージ』
「ファーック!ブラザーてめえこのやろう!」
エーミは動けないみたいだから相手を近づかせないように立ち回るぜ。
敵も今までより強くなってるみたいだし、リミッターも解除してブラッドショルダーモードを起動!
パワー増し増しのガトリングガンをお見舞いしてやるぜ!
「わりーナ、このお話のレーティングはPG12指定だぜ!」
『なのでお子様も安心なハッピーエンドで終らせましょう、ガージ』
――その鍵を、守り抜け。
「いやですー、最終章なのに、私こんな体勢のままはいやですぅー!」
長椅子に寝っ転がった体勢のまま、叫ぶエーミ。だがその体は、未だ眩しく輝き続けており、指先一つも動かす事はできないようだ。
「面白いテレビウムはっけーん。じゃあ、さっそく中身がどうなってるのか、バラバラにしてみよー♪」
応援よろしく!と、現れたピンク髪のオブリビオン―アヤカ・ウザカワ―は、手にしたスマートフォンに向けてポーズを決める。
――鍵を守るため、立ち上がるものたちがいた。
「最終ステージか」
激しい修行に、血の滲む日も数え切れないほどあった。新たな敵、見慣れぬ異文化のリズムに戸惑う事も。だがそれでも、諦めずに立ち上がり続けてきたのは、全てはこの、ラストステージの為……と、そんな感じの設定で。
腕を回して、体をほぐしながら紫音はアヤカを見据える。
――今こそ修業の成果を見せる時。
「さぁ、始めようぜ。ラストステージだ!」
闘志は、既にフルスロットル。
ぐっと重心を落とし、体を低く構えて。
――刻め、ソウルビートを!
踏みしめたレガリアスシューズは、過去最高の唸りを上げて、風さえも置き去りに紫音は駆ける。
その激しいステップに、ローラーも熱を上げて。噴き出す火花は、流星のごとく尾を引いた。
「ちょっとぉ、アタシよりも目立つつもり?」
視聴者の視線は、全部アタシのものなんだからねと、不機嫌に頬を膨らませたアヤカの体から、ピンクのオーラが放たれた。
――ここに、視聴者争奪人気バトルの幕が開く。
紫音の鋭い蹴りを腕で受け止めて、アヤカが紫音の目を睨み返す。
闇雲に攻撃したところで、アヤカの纏うオーラのせいで、敵の戦闘力が増してしまうだけだ。
それならばと、紫音のステップはますます冴えて。華麗にアヤカを翻弄する。
――今宵センターを飾るのは誰だ。
「その勝負、ちょっと待ったー!」
唐突に割り込んできた声。
何者かと、皆が見上げる自動販売機の上に、可憐な少女のシルエットがあった。
配信開始っと、なにやら端末を操作する謎のシルエット。
「なんだか、楽しそうだね、ぼくも混ぜてよ」
えーいと飛び上がり、広場の中央へと降り立ったアリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)は、ふんわりとスカートを翻してくるりとターンから、ポーズを決める。
「魔法少女、アリスちゃん、とうじょー!」
そしてアリスの背後に吹き上がる、炎の柱。
「センターは譲らないよ!」
カメラ目線で可憐なウィンク!
――世はまさに、大配信時代。
「いや登場の仕方が、完全にヒーロー系でしたよぉ!?」
後ろで炎出てましたし!と、動けないながらも、ツッコミだけは忘れないエーミ。
だって、映画の宣伝って聞いてるし。
だからこそ、とにかくド派手に。演出の手を抜かないのが、配信者の心得だ。
魔法少女のお約束だって、きっちり抑えてきますとも。
「それじゃあ、いくね。アナロジーメタモルフォーゼ!」
「あぁ、変身バンクきたぁー!」
近くの比較的小さなビルが、その形を崩し、幾何学的な光へと分解されていく。
その不思議な光は、アリスの元へと集まって。
眩しい程に輝いたかと思えば、その光から現れるのは赤、青、黄色の魔法少女らしいビビットカラーをした……巨大なロボット。
そのコックピットに座ったアリスが、無邪気にアヤカを指さす。
「マジカルロボ、はっしーん!」
あれ?変身バンクは?
「もう完全に戦隊物ですよぉぉぉぉ!!」
魔法少女の定義が完全崩壊しているが、結果的に視聴者数さえ上がるなら何でもありなのです。
少年から中年まで広い年齢層のハートをがっちり掴んで、視聴者数を追い上げてくるアリスの配信。
鍵のテレビウムのエーミ。オブリビオンのアヤカ。魔法少女アリス。
――戦いは、配信三国志時代へと突入した。
「って、ふざけんじゃないわよ」
アヤカが怒りの形相で、奥歯を噛み締める。
配信において、正義とは可愛い。可愛いとはアタシ。つまり……。
「世界で一番可愛いのは、アタシなんだから!」
アヤカの体から放たれたオーラが、マジカルロボへと襲い掛かる。
だが、どこからかカツンッ……と。何か硬質的な物が、コンクリートに落ちる音がした。
「偉大なる主は言いました」
佇む1人の天使。サリエスの手にする袋から、ビー玉が落ちる。
それはあまりにも多く。受け止めきれずに、サリエスの手から零れたビー玉たちが硬質的な音を立ててコンクリートへと落ちていく。
そのビー玉達から、黒い霧が立ち込めて。
徐々にその色を濃くしていく霧の向こうへと、サリエスの姿が隠れていく。それはまるで、宵闇へと堕ちていくかのように、黒く、深く。
「て、天使様……?」
今までとは明らかに違う、不穏な空気を纏うサリエスに、不安げな声を上げるエーミ。
――あらゆる手段を用いて。
サリエスの身に纏う黒い霧が、鎖へと変じた。
ジャラジャラと挑発的な音を立てて、動き回る闇色の鎖。
サリエスの目が妖しく光り、その口が歪な笑みを浮かべた。
――神敵を滅せよ。
アヤカへと向かって、鎖が飛ぶ。
蛇のごとくうねり、激しく金属音を立てながら、飢えた猟犬のごとくアヤカへと喰らいついていく。
「しつこいなぁ!」
いくら飛び退いてかわせども、その度に向きを変えて、幾度でも襲い掛かってくる鎖に、アヤカは苛立ちを募らせて。
手にしたスマートフォンを掲げると、その体が派手な光を放ちながら変形し始めた。
質量を完全に無視して大量の銃火器が次々と展開され、もはや要塞のごとき姿へと変貌するアヤカ。……というか、もうどう見てもロボである。
「結局、路線変更ですかぁ……」
思わずあきれた声を出す、エーミ。
「人を売れないアイドルみたいに言ってんじゃないわよ!」
数え切れぬ程の銃口が、一斉に撃ち鳴らされれば。その激しい銃弾の嵐に、アヤカを追尾していた鎖も、次々と射抜かれて沈黙していった。
「どーせそこのテレビウムさえバラバラにしちゃば、アタシの勝ちなんだから!」
その銃口が、動くことのできないエーミの方を向く。
「ひゃぁ、今までで一番の危機ぃー!?」
発砲音……そして、上がる爆炎。
勝利を確信したアヤカが、笑い声をあげる。
だが、爆心地に立ち込める煙の中から現れたのは……。
「よし、ここぞという所で死んだと思ってたナイスガイの登場だ」
消えゆく煙の中から現れた、グレイの金属質な体。煙に紛れて吐き出される蒸気。そして、灯る青い光。
それは、腕を交差させ、その背にエーミを守る巨大ガジェットの姿。
死んだと思っていた仲間が、主人公の危機に颯爽と現れる。会心の登場シーンに思わずぐっと拳を握るデスチーム。
だが……。
「あぁ、生きてるって知ってましたよー!」
でも嬉しいですぅーと、きゃっきゃと喜ぶエーミ。
デスチームの思惑は外れ、配信の視聴者たちさえも楽し気に『知ってた!』コメントの大乱舞である。
だって……。
『既に死んでいないと伝えてあります、ガージ』
「ブラザーてめえこのやろう!」
「ここまでだな」
「そーれ、マジカルロケットパンチ!」
綺麗にオチも付いたところで、すかさず接敵した紫音の回転蹴りが、マジカルロボのロケットパンチが、次々とアヤカの銃砲を破壊していく。
そして、阻むものの無くなった闇の鎖が、アヤカを縛り上げれば。ユーベルコードの効果は途切れ、そこには、元の姿へと戻ったアヤカの姿が。
そんなアヤカを、イーラの劫火を手にしたサリエスは、冷たく見下ろす。
縛る鎖によって、もはやユーベルコードを放つ事も、そして動くこともできぬアヤカ。
ならばあとはただ、その身を切り刻むのみ。
この刃を以て示すのは、天使の無慈悲さと神への狂信。
御身に代わり、この身が下す神罰をご照覧あれ、主よ。
サリエスは、どこか歪んだ冷酷な笑みを浮かべて。炎のように揺らめく怨念に塗れた刃を、ゆっくりとアヤカへ――。
「わりーナ、このお話のレーティングはPG12指定だぜ!」
「あぁ、いい所だったのに!」
ちょっと刺激が強いから、お子様には見せられないよと、ブラザーの体がカメラ……もとい、エーミの視線を遮る。
『お子様も安心なハッピーエンドで終らせましょう、ガージ』
ブラザーの両肩の回転動力炉が、赤く輝き唸りを上げる。
その輝きは、頭部に、腕に、足に。そして……携えるガトリングガンに。次々と灯っていく。
ブラザーのボディが赤く輝く時、その生命力を力と変えて放たれる衝撃波は、なお赤く光り輝いて。激しくアヤカを打ち据える。
「くっ、アタシがこんな……!」
ダメ押しとばかりに飛び込んできた紫音が、ラストを飾るステップを踏む。くるくると体を回転させて、息も付かせぬ速さで繰り出される連続蹴りで、アヤカを空中へと蹴り上げれば……。
「必殺、目からビーム!」
魔法少女よろしく、ウィンクしてみせたマジカルロボの目からビームが放たれて。
「こんなヒーローものの悪役みたいなやられ方いやぁぁぁ!!」
アヤカの叫びが空しく響き渡る中、スライディングしながら着地した紫音と、ポーズを決めるブラザー&マジカルロボの後ろで、大きな爆炎が上がった。
「爆死は全年齢OKなんですねぇ……」
ゆっくりと広がり落ちてくる火の粉と煙を眺めて。ぼそりと零したエーミの呟きが、猟兵達の勝利を告げるのだった。
全ての敵を打ち滅ぼして、静けさを取り戻した広場で。
「偉大なる主よ。無事、少女を守り神敵を滅ぼしました。」
何事もなかったかのように、穏やかな表情に戻ったサリエスが呟けば。
「映画本編では、天使様が黒幕なのでは……」
若干、顔を青ざめさせるエーミなのだった。
●エンディング
「あれ?戻ってます!顔が戻ってますよぉー!」
それに体も!と、ようやく長椅子から体を起こすエーミ。
あれほど眩しかった光も、すっかり収まって。画面にも鍵ではなく、喜びに満ちたエーミ本来の顔が戻ってきていた。
まぁ、何はともあれ。全ては映画の宣伝という事で、ごり押しする事ができたようだ。
この映画が、上映される事はないのだけれど。製作費が足りなくなって作成中止なんて良くある話だ。
それに宣伝のみで十二分に盛り上がり、クライマックスまで堪能してしまった感じもあるので、エーミ自身も、その視聴者たちも、満足してくれているだろう。
だから全て、めでたしめでたしという事で。
●エンドロール後のおまけ映像?
「楽しいプロモーションを、ありがとうございましたぁー。これもう、はやく編集版の動画もアップしないとなので、私は急いで帰りますねぇー!」
慌ただしくも、しかしちゃっかりと猟兵達と握手を交わしてから、去っていくエーミ。
その背中がビルの陰へと消えた、その時。――声が、聞こえた。
四方より幾重にも重なり合って聞こえるその声は、まるで周囲のビルそのものが喋っているかのように猟兵達へと語りかける――。
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」
大成功
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