0
テレビウム・ロック!~ねこねこねずみ~

#キマイラフューチャー #テレビウム・ロック! #テレビウム #システム・フラワーズ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー
🔒
#テレビウム・ロック!
🔒
#テレビウム
🔒
#システム・フラワーズ


0




●鍵
 それは突然のことだった。キマイラフューチャーで今日ものんびり楽しく過ごしていたテレビウムさんのお顔に、鍵のような映像が映し出された。
 お顔の突然の変化に驚いたのも束の間。そんなテレビウムさんへ、猫さんな怪人が襲いかかる。
「わ、わああぁ!?」
 そうして、鍵付きテレビウムさんの行方を知る者は、誰も居なかった。

●猫と猫と鼠
「いたいけなテレビウムを保護してやってほしいんだ」
 急ぎの案件だから簡単に、と前置き、エンティ・シェア(欠片・f00526)はその概要を説明する。
 まず前提として、キマイラフューチャーの各地でテレビウムの顔に鍵のような映像が映し出される現象が起きている。
 そして何故だかそんなテレビウムを狙って怪人の群れが襲いかかってくるのだという。
「件のテレビウムはモチという名でね、テレビなお顔がちょっぴり丸い、ついでに体も丸めでふくよかなお嬢さんだ」
 そんなお嬢さんを襲う不埒な怪人をぜひとも退治てくれまいかとエンティは言い、メモをめくって敵の詳細を列挙する。
 第一陣として襲いかかってくるのは猫人間とでも言うべきか。新人類実験の失敗作という自覚があるゆえか、キマイラを憎む性質がある。
 彼らを撃退した後の第二陣は猫な耳(多分)を持つ忍びの集団。本体は仮面の部分だ。忍というが目立ちたがりなので忍んで奇襲とかそう言うことはないらしい。
「モチ嬢の画面の鍵が文字通りの役割を果たしてなにかが起こるということはわかるのだがね、オブリビオン連中はどうやらそれを邪魔したいようだ。彼女を保護していれば、ボス格の敵も出てくるだろうね」
 ボス格の怪人は鼠だよ。そう告げてから、実際の能力などは対峙してから把握しておくれとメモを閉じる。
「急行すれば、モチ嬢が襲われる直前に割り込めるだろう。武運を祈るよ」


里音
 キマイラフューチャーが大変ですね。
 猫な敵(集団)と猫っぽい敵(集団)と鼠風な敵(ボス)とを退治してテレビウムを守ってあげてください。
 なお、モチ嬢はちょっぴりふくよかな以外は普通のテレビウムと同規格です。

 第二章、第三章開始時点での状況を冒頭文章で投稿予定です。
 プレイングの参考にどうぞ。

 このシナリオは4/30完成を目指すため、早めのプレイング締切が想定されます。
 特に受付期間等は設けません。途中参加も一つの章のみの参加も歓迎ですのでお気軽にどうぞ。
133




第1章 集団戦 『ジョン・ドゥ・キャット』

POW   :    キャスパリーグの災禍
【凶事を呼び込む巨大な怪猫】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ボイオティアの眼
【額に、全てを見透かす大山猫の目を開眼して】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    ウルタールの猫葬列
【殺されて死んだ、無残な姿の猫たち】の霊を召喚する。これは【爪】や【牙】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:ハレのちハレタ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

樫倉・巽
騒がしいことだな
このまま放っておくのも寝覚めが悪い
人助けといくか
気兼ねなく斬れそうな相手だろうしな


襲われるテレビウムの元に駆けつけキマイラであることを利用して相手を挑発
注意をこちらに向けさせてテレビウムを守ろうとする

「俺はお前達が思うほどたいしたものじゃない、ただの蜥蜴だ。一つ相手になろう」

殺意を漲らせて相手を睨み付け隙を探りながら戦い
隙を見つけたら一太刀で切り伏せる覚悟で【蜥蜴剣術無天流】の技を使い斬りかかる
狙うは敵の急所、首、心臓、目
呼吸を合わせ後の先を狙う

動きが荒いなら隙も多いだろう
静かに佇み機を見て撃つ
焦らずに我慢して時を待つ
水のように冷たく、流れるように
戦いの中に生きる道はある


サンディ・ノックス
到着したら即モチさんの元へ向かい
第一声は「もう大丈夫だよ」
続けて助けに来たこと、仲間も駆けつけることを伝え不安を和らげてあげたい

彼女から離れない
解放・夜陰で生み出した水晶は1体に集中攻撃、数減らし優先
朔で敵を絡め取り盾にすれば効率的だし並行して行う
彼女への攻撃は当然庇う

召喚される霊を見ても俺はなんとも思わないけど彼女はきっと怖いよね
召喚の前兆がわかれば召喚前、わからなくても出現したら即座に目を覆…って、テレビウムの視認方法に自信ないな
仕方がない、抱き寄せて霊を見せないようにする
勿論、急にそんな行動したことは謝る

霊にも魔力の塊の水晶は効果あるかな
攻撃結果を見て本体を潰すほうが早そうなら本体を潰す




「わ、わああぁ!?」
 猫のような姿の怪人が集団で襲い掛かってくる光景に、悲鳴を上げたテレビウム、モチ。
 しかしあわやと思われたその時、ふくよかボディの前に颯爽と現れた存在がいた。
「もう大丈夫だよ」
 柔らかな声が、助けに来たよと続ける。窮地に突如現れたサンディ・ノックス(闇剣のサフィルス・f03274)の姿に、モチのときめき指数が跳ね上がった……気がする。いわゆる吊り橋効果ってやつだ。
「騒がしいことだな」
 サンディ諸共と突撃してくる猫人間を抜き身の刃で牽制し、樫倉・巽(雪下の志・f04347)はやれやれと嘆息してみせた。
 人助け、のつもりではあるが、その相手が気兼ねなく斬れそうな存在というのは小さくない。
 それに、この猫人間――ジョン・ドゥ・キャットに、自分の存在はおあつらえ向きというやつだった。
「お前達が本当に狙いたいのは、俺のような奴じゃないのか」
 深緑色の鱗に覆われた二足歩行の蜥蜴。猫人間達の目に映る巽がキマイラであることは、彼らもすでに認識しているようで。
 鍵を握るモチへの意識も残しながら、その本能が、巽へと敵意を向けた。
 上手く注意を向けられたか、と内心で呟きつつ、巽は剣を構え、迎え撃つ姿勢を取る。
「俺はお前達が思うほどたいしたものじゃない、ただの蜥蜴だ。一つ相手になろう」
 言うや漲らせた殺意に、猫人間達もあてられたように低く唸る。モチはその光景にちょっぴりビクビクしているようだ。気付き、ぽん、と宥めるようにその頭を撫でるサンディ。
「大丈夫だよ。あの人も仲間だから」
 モチを守る力があるのは巽だけではないと伝えるように、サンディは漆黒の水晶を無数に作り上げ、その刃のように鋭利な切っ先を一体の猫人間へ全て差し向けた。
 同時に漆黒のフックを持つワイヤーを絡めて体制を崩してやれば、敵は躱す暇さえ与えられず、ぎゃ、と短い悲鳴だけを残して散る。
 それを皮切りに、猫人間達が一斉に襲いかかってくる。
 数の面では負けている状態だ。サンディはモチの傍にぴったりと付きつつ、より近い対象へ水晶の刃を確実に当てていく。
 巽もまた、ただの蜥蜴に手こずるとは、と挑発を重ね、憎しみから来る怒りに攻撃が大振りになったところで確実に心の臓を貫いていく。
 いかな全てを見透かす大山猫とて、獲物を捉える瞬間は無防備というもの。多少の引っ掻き傷はもらうが、その爪が食い込む瞬間を狙いすました急所突きは、効果的に敵を屠る。
「そう苛立っては動きも荒くなるだろう」
 ずしん、と。突如重量を増した足音を捉え、巽は顔を上げた。
 見上げるほどの巨大な怪猫へと变化した猫人間は、憎きは巽のようなキマイラだと確かに思っていたはずなのに、最早理性的な動きは無く、鋭く飛ぶサンディの水晶の方へと意識を奪われているようだった。
 狙った敵へと向かった水晶が、その速さ故に怪猫の標的となったことに気がついたサンディは、ならばと矛先を変え、お望み通り、じゃれ付かせてやる。
 突き立てられた水晶に取り込まれるような感覚に、怪猫はぎょろりとした目でサンディを振り返る。
 それに、サンディは微笑みかけて首を傾げた。
「あぁ、見えちゃったんだ?」
 黒く、光を飲み込むような色の水晶の源たる、悪意の存在が。
「気付かず“俺”に染まっていれば幸せだったのにねぇ」
 一瞬で屠られていれば、何も感じずに済んだかも知れないのに、と。耐久力が仇となったねとサンディはわらう。
 倒れないなら仕方がない。おまけでもう一撃。
 その巨大な体躯の殆どを漆黒色で覆われて、ようやく怪猫は絶命した。
 明らかに強大だった仲間があっさりと倒されようとも、猫人間達は動じない。数が減らされるならばと召喚した猫の霊を、次々とけしかけてくる。
「おっと」
 それはいけない。凄惨な死に方をした猫の霊など、モチが怖がってしまうじゃないか。
 見せたくはないが、テレビウムの視覚に当たる範囲を正確に覆える自信は無くて。
「ごめんね」
 仕方がないとばかりに、サンディはモチを抱きしめる。腕の中のふくよかなテレビウムがひょえっとなっているのは気付かないふり。
 そうやってモチを庇いつつも、水晶は休まず仕事をする。
 猫の霊を狙うより召喚した本体を狙う方が効率的だと、悪意色の水晶が中空を奔る。
「寄ってたかってとは、正にこの状況だな」
 短くこぼして、猫の霊を蹴散らした巽もまた、霊の本体たる猫人間へ肉薄した。
「キマイラなんて……!」
「そうか、憎いか」
 その憎しみも、嫌悪も、それが乗せられたような爪や牙も、何もかもさらりと流して、巽は構える。
 焦ることなどなにもない。心は何も乱されない。ただ凪いだ気持ちで、握りしめた一振りを、振るうだけ。
 戦いの中にこそ、己の道があると知るゆえに。
 敵の数は随分減った。さぁ、もう一押し――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

竹城・落葉
 【POWで判定】
 どうやら、新たな動きがあったようだな。我も現場へ急行するとしよう。
 我は名物竹城を手に『支柱一閃』で、敵を切り伏せよう。また、【早業】と【2回攻撃】で、素早く確実に、敵を一掃するぞ。
 しかし、モチというテレビウムのお嬢さんにとって、こうした戦いの場というのは、刺激が強すぎるだろう。それに我は基本、無表情で冷酷に戦うから、更に刺激が増すだろう。だから、戦いが一通り終わったら、ぎこちないながらもケアをするぞ。モチの目線まで屈み、「怖がらせてしまって、すまなかったな」と、申し訳なさそうに、優しい声色で語りかけよう。
*アドリブ&共闘、歓迎です


エア・ルフェイム
何も知らぬ幼気な乙女を傷つけるとか…
例えお天道様が許しても、エアちゃんは絶対許さない!
マナーのなってない不届きにゃんこ達は
遠慮無くびしっとばしっと成敗しちゃうゾ!

走りに走って現場に急行
モチちゃんを発見したら
不安を和らげられる様、にっこり笑顔で駆け寄り
もう心配ないからね
乙女の敵はエアちゃん達におまかせ!

言うが早く武器を構え
近づく敵をロックオン
スナイパーと援護射撃も利用しながら、煉華で撃ち貫く
接近戦では鞭型にした焔棘の女王でお相手を!

猫の霊達には焔華刃をそっと放つ
それはせめてもの手向けの花
ゆくべき場所へ導く灯火になれば

鋭利な爪牙は絡繰り人形のロン君で武器受け
私の猫ちゃんも負けちゃいないでしょ?




 いたいけなテレビウムのピンチに、新たな猟兵が駆けつける。
「数は減っている様子、か。ならば助成するとしよう」
 竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)が振りかざしたいかにもな鈍器を袈裟懸けに一閃させれば、名刀がごとく敵は切断される。
 違和感しか無い素早い斬撃が二度繰り出されれば、また一体、猫人間は消失した。
「次」
 淡々とした声は、落葉の無表情さと相まって、冷酷さを際立てる。
 お気楽のんびり、いつでもどこでもヒーローショー気分で猟兵達の戦いを観戦したりもするキマイラフューチャーの住民であるモチではあるが、戦いの最前線で作業のように敵を切り続ける光景ともなれば恐ろしさを感じないわけでもなくて。
 ちょっぴり体を縮こまらせていたところへ、たたたっ、と軽快な足音が駆けつけてきた。
「大丈夫?」
 ひょこん、と小さな視界へ目線を合わせ、微笑みかけたのはエア・ルフェイム(華焔・f02503)。
 そのままにっこりと笑うと、エアはぱっと両手を広げつつ胸を張った。
「もう心配ないからね。乙女の敵はエアちゃん達におまかせ!」
 言うが早いか、くるりとモチを背にするように身を翻し、銃を構える。
「何も知らぬ幼気な乙女を傷つけるとか……例えお天道様が許しても、エアちゃんは絶対許さない!」
 素早く狙いを定めて引き金を引けば、朱よりも紅き煉獄の焔が撃ち出され、猫人間を穿つ。
 その炎の弾丸が齎したのは、熱と痛み、それから己の憎しみさえ昇華されるような不思議な感覚。それを拒絶するように肉球の足で地を蹴り突撃するも、緋色の鞭に絡め取られ、エアに辿り着く前に無力化された。
「マナーのなってない不届きにゃんこ達は、遠慮無くびしっとばしっと成敗しちゃうゾ!」
 その姿は、モチの思うヒーローそのもので。一瞬感じた恐ろしさも綺麗に払拭される。
 そんな様子をちらりと横目にだけ確かめて、落葉は短く息を吐く。
(後ほど謝らねばな)
 そのためにも、彼女の安全を確保するのが最優先。すでにまばらとなっている敵は、群れであれども連携はさほど取れてはいないようで。
 バラバラな攻撃を受け止め、受け流し、深く踏み込んでは一太刀のもとに切り伏せた。
 そうやって戦場を素早く動き回る落葉へ、巨大な怪猫へと転じた一体が背後から凶爪を振りかざす。
「あ、危な……!」
 思わず、と言った風に声を上げたモチが、あわやと目を瞑りかけたが、ガキン、と重く鋭い音を立てて、その爪は間一髪、名物竹城によって受け止められた。
 超攻撃力を得た一撃は、流石に重い。足を引き受け流すか、いや、それでは押し負けるか。
 一瞬の思案が選んだのは、一拍、耐えること。
 それにより動きを封じてしまえば、後方より撃ち出される焔の弾丸が、巨大な体躯を捉えてくれるから。
 焔に焼かれ、悲鳴を上げながら身を捩る巨躯へ、今度は落葉が肉薄し、一閃。
 悲鳴は断末魔へと代わり、ずしんと重い音を立てて、怪猫は崩れ落ちた。
 それでも猫人間達は止まらない。何かに命じられているのか、あるいはそれがオブリビオンとしての本能なのか。定かではないが、執拗にモチを狙う。
 額に顕現させた大山猫の瞳は、振るわれる落葉の鈍器をひらりと回避させ、そのまま脇をすり抜ける隙を見つけた。
 立ちはだかるエアへは、己の爪を振りかざし……けれど、それは羅刹の少女に届くこと無く、猫の姿のからくり人形に受け止められた。
「私の猫ちゃんも負けちゃいないでしょ?」
 そうして、動きを止めれば。後は言わずもがな。落葉による追撃の一閃に黒猫人形の爪が重なり、先程の怪猫よりもよっぽど脆い猫人間の体は崩れ去るのみ。
「後は、貴様だけか」
 最後の一体へと視線を向けて、落葉は再び武器を構える。
 簡単にやられてなるものかと猫の霊が召喚されるが、それももはや脅威にはなりえない。
「舞え、舞え、焔の華」
 エアの詠唱に応じ、血色の花が猫の霊に咲いて。かと思えば、燃え上がる。
 怨みを抱えたまま死んだゆえに喚び出されてしまったのならば、せめてゆくべき場所へ導く灯火を。
 火の粉を背に、落葉は懐深く踏み込んで、最後の一太刀を浴びせた。
 そうして、戦闘の余韻が消える頃。落葉はモチを振り返り、歩み寄ってその目線に屈み込んだ。
「怖がらせてしまって、すまなかったな」
 ぎこちなくはあるが、その声音は優しかった。ふるふると首を振ったモチは、助けてくれてありがとう、と言った直後、自身の画面の違和感と眼の前の落葉の驚いたような表情にぺたぺたと画面に手を触れた。
「これは……地図?」
 地図のような画面に、ぴこんぴこんと明滅する鍵印が映し出され、モチはゆっくりとある方向へと向く。
「あっち……みたい」
 導かれている。その感覚に戸惑いながらも、モチは進みだした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『紫御殿』

POW   :    仮面合身の術でござる!
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【男子がカッコいいと思うもの】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    仮面手裏剣の術でござる!
【懐】から【自動追尾する真っ白な仮面】を放ち、【相手の視界を塞ぐこと】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    仮面狼群の術でござる!
【仮面を被った狼の群れを召喚、爪や牙】が命中した対象を切断する。

イラスト:りょうま

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●多分猫
 第一陣を退き、モチが進みだした直後。
「行かせないでござる!」
 どこからともなく現れた猫耳(多分)の仮面くノ一が、モチの前に立ちはだかる。
 お命頂戴つかまつる、なんて言い出しかねない勢いの新手に、モチはふくよかボディをぴゃっと跳ねさせて、逃げるように駆け出した。
 それでも、行き先は己の画面が示す場所。
 その場所に何があるかを知るためには、路駐しているバイクに合体したり、顔面めがけて仮面を飛ばしたり、狼の群れを放ったり、忍術という名のユーベルコードを駆使する忍び集団を迎撃し、モチを導くしかあるまい。
 ……なお、一生懸命走るモチだが、結構ちんたらしているし体力もさほどないので、その辺も、フォローしてあげると良いかもしれない。
竹城・落葉
 【SPDで判定】
 どうやら、新たな敵が登場したようだな。地図のような画面が示す場所へ赴く為にも、退けるしかあるまい。
 我は『森の賢者』を発動。詠唱と共にゴリラ達を召喚し、敵を拘束して貰おう。その後、名物竹城にて切り伏せよう。また、拘束する事によって、他の猟兵が有利に戦えるよう、サポートするぞ。
 さて、モチ殿は一生懸命ながらも、ゆっくりと走っているようだな。もし、本人が気にしているようなら、「我は気にしてない、己のペースで進むと良い」と伝えよう。あと、モチ殿は突然出現したゴリラ達に対して、どんな反応を示すのだろうか?そこも、ちょっぴり気になるな。
*アドリブ&共闘、歓迎です


樫倉・巽
向かう先があると言うなら
それを邪魔する者がいるなら
倒して道を切り開くまでだな

モチの進む近くを走り
やってくる敵を睨み付けながら刀をもって露払いをする
「行かせないというなら斬るまでだ。死にたい者からかかってくるがよい。殺す覚悟があるなら殺される覚悟があるとみて間違いないかな。」
 斬らねば斬られる、覚悟などとうの昔にできている

ただ刀を振る
それだけだ

裂帛の気合いを込め、【剣刃一閃】を使い何かと合体した接合部や仮面の端など、継ぎ目がある場所を狙い両断しようとする
元は2つだったものだ、ただそれを元に戻すだけのこと
必要なら迷わずとどめを刺す

刀を構え、敵を牽制しながら
モチと仲間が通る道を作ろうとする


サンディ・ノックス
忍んでないござる口調の忍び…
ふふ、知り合いを思い出してなんだか和んじゃう

さて状況確認
モチさんは頑張って走っているけどきっとすぐ疲れちゃうだろうな
フォローしてあげたいけど俺の今回の戦法だと巻き込んでしまうし
気の利く同業者がいることを期待しよう

基本は狙いを一人に絞り暗夜の剣で仮面を狙う
敵がユーベルコードを発動したら
自分以外が狙われても庇いに行き剣で受け、魂喰らいを発動
「便利なそうな力だね、俺がもっと上手く使ってあげるよ」

狼は一頭で一人を襲わせる、足止めに最適だ
仮面手裏剣はモチさんに近かったり合体しているなど脅威が大きいものに対し使用
合体の借用は難しいかな…バイクはそんな使いかたするものじゃないよ?




 もちもちもちもち……。
 そんな効果音が聞こえてきそうなテレビウム・モチの一生懸命の駆け足。
 だが無情にも、その行く手を阻むオブリビオンの魔の手が迫る。
「行かせないでござ――」
「ウホ、ウホホホ、ウホオオオォォーーッ!!」
 忍ぶでもなく堂々と現れた猫耳仮面くノ一の声を掻き消すような雄叫び。それと同時に、どこからともなくゴリラが現れる。
「へぇっ!?」
 これにはモチもびっくり。それ以上に屈強なゴリラトリオに襲いかかられたくノ一の方がびびってた。
 森の賢者を召喚し、襲いかかる敵を地面に縫い付けた落葉は、またしてもサムライブレイドのような切れ味のバール的な物体で敵を切り伏せていく。
 どこから突っ込めば良いのかわからない光景をちらっと見て見なかったことにして、モチはもちもち駆けていく。
「うむ、向かう先があるというのなら、それを邪魔する者がいるなら倒して道を切り開くまでだな」
 駆けるモチの傍らに付き、ゴリラ……でなはく落葉が取りこぼした敵を牽制するように刀を構え、巽は敵を睨みつける。
「行かせないというなら斬るまでだ。死にたい者からかかってくるがよい。殺す覚悟があるなら殺される覚悟があるとみて間違いないかな」
 無論、巽にはその覚悟がある。それこそ、とうの昔に決めた覚悟が。
 隙のない構えにじりと距離を詰めたくノ一は、道路の脇に停められていたバイクにひらり跨ると同時、見る間に無機物との合体を果たし、自身の倍の大きさのロボに変形した。
「まったく、バイクはそんな使い方するものじゃないよ?」
「笑止! 乗り物との変形合体は少年の憧れでござる! ロマンの力は偉大でござる!」
 やれやれと嘆息してみせたサンディに反論と同時にロボパンチを繰り出せば、飛び退いた後の地面がごっそり抉れた。
 確かに戦隊系のテーマとして扱われることもある乗り物系の変形や合体は少年心を擽るだろう。そしてその浪漫は敵のユーベルコードの威力を増すのだろう。
 しかしサンディには、浪漫よりも和み要素の方が強かった。
(忍んでないござる口調の忍び……ふふ、知り合いを思い出してなんだか和んじゃう)
 近しいものとの共通点を見つけると、ほほえましい気持ちになったりするものなのである。
 とは言え知り合いそのものでもないのは百も承知。戦う準備はとうにできていて、サンディは握った黒の剣を躊躇いなく敵の顔面へ差し向けた。
 こちらが本体だということは知っている。だからこそ的確に狙い、仕留めていく。
(あの合体技を借用するのは、ちょっと難しいか……)
 眼前の仮面を両断し、ちらりと周囲を見渡したサンディは、モチの傍で敵と斬り合っている仲間目掛けて放たれようとしている狼を見留め、地を蹴った。
 庇うように、割り込んで。全てが漆黒色の暗夜の剣で、獰猛な牙を受け止める。
「仲間を庇うか!」
「いいや」
 半分くらいはそうだけど。目的はこちら、と。サンディは黒剣が『喰らった』技の感覚を確かめるように、振る。
「便利なそうな力だね、俺がもっと上手く使ってあげるよ」
 構えて薙げば、その刀身から先程くノ一が使ったのとそっくりそのまま同じ狼が飛びかかってきた。
 同じものなのに御せない獣に襲いかかられ困惑したように応戦する敵を尻目に、サンディは別の敵へと刃を向ける。
 足止めに便利な技をありがとうと、すれ違いざまに微笑んで。
 自分が狙われている恐怖と、めちゃくちゃ近い位置で展開される攻撃の応酬に、モチはびくびくしながらも懸命に走っていたが、ふくよかボディは伊達じゃない。あんまり普段は運動しないタイプのテレビウムは、よろよろと消火栓に凭れ掛かり、ぜぇぜぇと足を止めてしまった。
「はぁ、はぁ……ご、ごめんなさい、ちょっと、休憩……」
 まだまだ先は遠いのに。怖いのもこんなに一杯いるのに。
 守ってもらって、いるのに。
 情けなさにじんわりと悲しい気持ちになってくるが、無情かな、表情を映し出すテレビ画面はまだマップのまま。
 しかしそんなモチの気持ちは、きちんと、伝わっていた。
「我は気にしてない、己のペースで進むと良い」
 振り返らずに告げるのは、戦闘中の己の表情を自覚しているゆえ。
 露を払うのは任せておけ、と。端的に述べる落葉に、巽もまた頷く。
「言ったはずだ。邪魔する者がいるなら倒して道を開くまで」
 飛びかかってくる狼からモチを庇い、切り伏せて、剣士達はその力強い背中で、モチを励ました。
 そんな彼らを見つめてから、モチは再び走り出す。先程よりもゆっくりだが、今度は、きっと止まるものかと心に決めて。
 もちもちした足音が少し離れれば、すぐに傍に。見守るように立つ巽は、背には父性にも似たものを滲ませつつも、向かい合う相手に向けるものは、殺意、のみ。
「おぬしらには二度言う必要はないな」
 覚悟があるなら来るが良い。
 応じた者へは、覚悟を返そう。
 路上駐車の乗り物を狙いすまして合体してくる敵の攻撃を見極め、巽は裂帛の気合と共に一閃する。
 元が二つなら分断して戻すまで。真っ二つに両断された敵の方は、元の形状に戻ることは、なかったけれど。
「ゴリラ殿、頼むぞ」
「ウホオォ!!」
 屈強な賢者と共に敵をねじ伏せては切り捨てて。落葉はふと、モチの行く先を見つめ、そこに目立つ時計塔のようなものを目に留めた。
「どうやらあの場に向かっているようだな」
 ならばもう少し。頑張れ、と心の中でエールを送り、執拗に迫ってくる敵へと向き直った。
 やがて、退治する敵の数もまばらとなり、ついには途絶えた頃。モチは息を切らせながら時計塔のある広場へと駆け込んだ。
「こ、ここ……ここまで、きたよ……!」
 指示通りに来たよ、と訴えかけるようなモチの声に応じたように、その顔の画面が輝き出した。
「モチさん!?」
 その異変にサンディが声を上げるが、彼女の安否を確かめる間もなく、新たな敵の気配を察知する――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ザニーユ・モア』

POW   :    ぺちゃんこになっちゃえ!
【対象の頭上】から【対象のレベルの二乗tの重さの金床】を放ち、【ぺちゃんこにする事】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    スラップスティックショータイム!
いま戦っている対象に有効な【コミカルな結果を引き起こす道具】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    もっと笑わせる為に!
戦闘力のない【カートゥーン風に変換されるテレビカメラ】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【出演者の滑稽な姿を見た視聴者の笑い】によって武器や防具がパワーアップする。

イラスト:笹にゃ うらら

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はクロ・ネコノです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 突如光りだしたモチは、その場から動けないようだ。
 その状態が無事なのか否か。それすらも確認できないまま、猟兵達は新たな敵と対峙する。
「見つけたぞー!」
 鼠の耳と尻尾を持った、やんちゃな笑顔の少年。
 一見すればただそれだけだが、少年の登場と共に、なんだか周囲の雰囲気がやたらとコミカルになったような、気がする。
「さぁ、張り切っていこう!」
 体が伸び縮みする勢いの――むしろほんとに伸びてるし縮んでいる、大げさな挙動で気合を顕にした少年は、周囲にテレビカメラを配置する。
 どこからともなく聞こえる拍手。
 それが姿の見えない視聴者への、コミカルショータイムの開幕の合図。
 すなわち、戦いの幕開けであった。
竹城・落葉
 【POWで判定】
 今はシリアスな場面だというのに、そのようなコミカルな空気を纏って登場されては、雰囲気が台無しではないか。という訳で、モチ殿を狙うオブリビオンは、全て切らせて貰うとしよう。最後まで、気を引き締めていくぞ。
 我は『極術一閃』を発動。名物竹城を振るう事で切断するが、外れても、その余波で相手を切断する。また、「少しは空気を読め!」と攻撃的な言葉を掛ける事で、相手や召喚した物体を切断するぞ。
 戦いが終われば、モチ殿の体調に異変は無いか、確認しよう。そして、ここまで頑張った事へ、労いの言葉を掛けるぞ。「ここまで、よく頑張ったな」
*アドリブ&共闘、歓迎です


樫倉・巽
モチの様子も気になるが
今は敵を斬ることを考えるだけだな
もとよりそれしか能が無いのだからな

敵を斬ることが俺の全てだが
それで何かが助かるならそれもよい
参るか

絶対に下がらず、何者も通さない覚悟で
モチと少年の間に立つ

まずは防御に徹して刀で相手の攻撃を受け流しながら機を窺う
時折殺気を込めた視線を送り相手の間を乱そうとしながら
相手の呼吸、間合い、思考、じっくりと観察つつ耐え続ける
死中に活、危機こそ好気
とどめを刺しに来るなら隙も見えやすいというもの
呼吸を合わせ【三日月二連】で迎え撃つ
相手の攻撃を見切ったなら回り込みながら振り上げるように地の一撃を見舞い
その勢いのまま相手の頭蓋に天の一撃を振り下ろす


エア・ルフェイム
ひ、光ったー!?
あっでもテレビウムちゃんだし、
画面が光るのはおかしい事じゃない…?!

…落ち着いて私深呼吸!
誰よりも一番わけわかんなくて不安なのはモチちゃんの筈!!
そういうことだわんぱくネズミボーイ!
エアの目が黒い内は好き勝手はさせないぞ!

基本は後方から煉華での狙い撃ち
援護射撃も活用しつつ、
金床が降ってくる気配があれば回避を優先
仲間に危機が迫ってる時は声かけてお知らせ

可愛い顔して中々やるじゃない…!
これはエアちゃんのとっておきも披露しなきゃかな
心や身体あっちこっち痛んでも、笑顔は忘れない
だって正義の味方ってそういうもんでしょ!

気合い入れ直して、焔双牙で右腕を変化
遠慮無くガブリと噛み付き頂きます!


サンディ・ノックス
住んでいる次元が違う奴が出てきたなぁ
あちらのパワーアップにもなりそうだし、コミカルな雰囲気に合わせる理由はないね
モチさんが怖がるかもしれないと自粛していた変身も解禁しよう

胸鎧を基に黒基調の赤いラインが入った全身甲冑姿へ変身
動けないモチさんをいつでも庇える距離で戦うけど
俺を狙った攻撃に巻き込まれる可能性も増すからぴったりとはつかない

俺、落ち着かないから目立つの嫌いなんだよねと
テレビカメラを壊せるか試す
壊して敵が再配置するのに集中してくれればベスト
玉桂の小刀を投擲し、招集・紫を発動
そうでなくても挙動が大袈裟だから小刀を刺す隙はあるかな
獣の幻影は黒く青紫の瞳の巨大な猫の形をとる
相手は鼠だから当然かぁ




「ひ、光ったー!?」
 突然光りだしたモチに、エアは驚愕の声を上げたが、よく考えればテレビウムは顔がテレビ画面なのだから光ってもおかしくはない……?
 一先ず落ち着こう。エアはとりあえず深呼吸をした。
(誰よりも一番わけわかんなくて不安なのはモチちゃんの筈!!)
 わけも分からず襲われ追われ、ついには動くこともできない状態での会敵だ。怖くないわけがない。
 今は、そんな彼女の不安を少しでも解消するのが役目ではないか。
 よし、と気合を入れたエアは、なんだかアナログ2D感のする鼠に向かってびしっと指を差す。
「そういうことだわんぱくネズミボーイ! エアの目が黒い内は好き勝手はさせないぞ!」
 宣言に、そう来なくっちゃと言わんばかりにぴょんと跳ねた鼠は、勢いよく助走をつけて突撃してくる。
 ……が、途中で突如鼠の足元に現れた謎の物体に、つるんっ、と足を取られ、かと思えばすっ転んだ勢いのままぎゅるんぎゅるん大回転して突撃してくるではないか。
「わわわわ~~!」
 勢いよく飛び出していった割の早々の自滅に、姿の見えない視聴者はウケている様子。
 だが、対峙する猟兵達は、やれやれと嘆息していた。
「今はシリアスな場面だというのに、そのようなコミカルな空気を纏って登場されては、雰囲気が台無しではないか」
 転がる勢いに巻き込まれれば、一緒に伸び縮みしながらぎゅるんぎゅるん回る大回転に巻き込まれてしまいそうだ。さらなる笑いを提供してやる義理はないと、落葉は名物竹城を構える。
 明確な敵意を持つ一閃は、相手を真っ二つにする勢いで振るわれるが、寸でのところでぴょいーんと跳ねて避けられた。
 小さく舌を打つ落葉だが、振り抜いた刃の余波は、鼠が設置したカメラの一台を破壊する。
 それを見て、なるほどとサンディはカメラの破壊が可能なことを心に留め置く。
「俺、落ち着かないから目立つの嫌いなんだよね」
 それにきっと、お子さん視聴者にはこの姿は怖がられてしまうだろう。
 思案と共に、サンディは変身した。黒が基調の胸鎧。赤いラインが胸元から伸びるに従って、その鎧は全身を包む甲冑となる。
 傍にいかついのが居てはモチが怖がるかも知れないと少しは思うが、住んでる次元が違いそうな、コミカルな敵の雰囲気に引きずられてはいけない。本日のメイン公演は二次元カートゥーンアニメではなく、実写舞台だ。
 ちらりとだけモチを振り返るが、自身の異変にまごまごするばかりで、周囲にまで気が回っていないようだ。
 これなら大丈夫かなと小さく笑んで、ぴょいんぴょいんと飛び跳ねて回る鼠の姿を目で追った。
「妙に素早いのは多少厄介か」
 ちょこまかとした動きになるのは鼠ゆえだろうか。それとも視聴者向けのアクションだろうか。
 考えたって仕方のないことだし、元より巽には興味がなかった。
 逃げ回れども追い立てず、突撃する機を狙って迎え撃つ。そうして、斬る。
 それだけしか能がないなどと軽い自嘲をよぎらせるが、心が揺らぐわけでもない。
(それで何かが助かるならそれもよい)
 モチと鼠の間で間合いを計りながら隙無く構えた巽は、跳ねていた鼠が空中でポーズを決めてぎゅいんと突っ込んでくるのに合わせ、剣を薙いだ。
 回り込むようにして、振り上げられた刀を振り上げる。同時に、隙を狙っていたサンディの小刀が鼠の足に突き刺さる。
「おおっととと!」
 漆黒色の小刀足を止められたが、巽の振り上げた剣は浅い。間合いをとって再突撃――などとは、いかない。
 彼らの技は二撃繋がる。
 下段から振り上げた一閃は地の一撃。高く振り上げた刃は、勢いを持って振り下ろされ。
 頭蓋を狙った神速の剣を、体を雑巾のように拗じらせて躱す鼠だが、ひらり容易くとはいかず、肩から腕を持って行かれる。
 次いで青紫色の瞳が迫り、飛びかかった。
「相手は鼠だから当然かぁ」
 サンディの二撃目は、黒い影色の獣。鼠相手ならばと巨大な猫の姿を取った幻影は、見つけた玩具で遊ぶように鼠を転がし始めた。
「ずいぶん凶悪なじゃれ付きだな」
 本来なら四肢が食いちぎられるスプラッタな場面になりそうなところだが、鼠少年のカートゥーンパワーでコミカルな雰囲気に転じてしまっている。
 そのまま笑いを取りつつ難を逃れようとする鼠に、落葉はすぅと息を吸って。
「少しは空気を読め!」
 一喝。その声は攻撃性を伴って飛び、物理的な刃となって鼠少年の腕を飛ばした。
 それでもスプラッタにはなりきらない。飛んだ腕が、まるで独立したかのように指先をくるくる回し、ちょいちょい、と何かを――モチを指し示す。
「モチちゃん、危ない!」
 その動きに気付いたエアが咄嗟にモチに駆け寄れば、直後、彼女の頭上に巨大な金床が発生する。
 しかしモチは自力では動けない。抱えて退避するには遅すぎた。
 どん、と突き飛ばすのがやっとで、びたんと地面に倒れ込んだモチは、エアが金床の下敷きになるのを、見てしまった。
「お、おねえさ……」
 だが、確かに下敷きになったエアの上から金床が消失すれば、ひらひらと紙のようになったエアが暫し漂って……にゅん、と元の三次元の姿に戻った。
 二次元と三次元を行き来したような奇妙な体験に、精神が蝕まれるような感覚を覚えながらも、同時に受けたダメージに、エアは苦悶の表情を浮かべる。
 だが、それは一瞬だ。
「可愛い顔して中々やるじゃない……! これはエアちゃんのとっておきも披露しなきゃかな」
 にっ、と笑ったエアは、目のあったモチに大丈夫というようにウインクをしてみせる。
 めちゃくちゃ痛いしなんなら気分も最悪だが、それでも笑顔は忘れない。
 それが、正義の味方というものだから。
「大事ないか」
「無いこともないけど大丈夫」
 巽の短い問いに応えながら気合を入れたエアは、援護射撃を行っていた銃をひょいと左手に持ち替えて、空いた右腕を振りかざす。
「身も心も、全部私達のもの!」
 声に応じるように、その腕が炎を纏い、次の瞬間には鋭い牙を持った虎の頭部に変身する。
 遠慮なく噛みつかせてもらおうか、と地を蹴ったエアに合わせ、落葉と巽は左右から鼠の逃げ場を奪うように肉薄する。
 どれを狙うべきか、ときょろきょろ視線を巡らせているさまも、恐らく、コミカル狙いのアクションなのだろうが。
「目立つのは嫌いだって言ったよね」
 笑いによって力を与えるテレビカメラは、サンディが残さず破壊した後。
 応援する声のなくなった途端パワーダウンした感覚に、鼠少年の顔がいよいよ焦る。
「我も言っただろう、空気を読めと」
 撮れ高など気にするから、追い詰められるのだと、足元でびたびたしていた腕だったものを踏みつけながら落葉は言って。
 同時に詰めた巽と共に、その刃でもって斬り伏せる。
 コミカルエフェクトは発動しない。そのまま、鼠少年が最期に見たのは、大きく口を開けた鋭い牙が、迫る瞬間。
 がぶっ――。
 暗転、切断、強制終了。
 ホラー映画さながらの幕引きによって、オブリビオンは討伐された。
 驚異の去るのとほぼ同時に、モチの発行も収まったようだ。
 改めてモチの様子を確かめに歩み寄った落葉がその顔を覗き込んでも、鍵もマップも映っていない。
 あるのは、ぷるぷるとあふれる涙を耐えようとしているテレビウムの表情だけだった。
「体調に異変はないか。痛む場所など無いか?」
「あ、ありません……」
「なら、良かった。ここまで、よく頑張ったな」
 労う一言に、ぶわっ、と画面が泣き顔に変わった。
「ふええぇ、皆さん、ありがとうございましたぁ……!」
 傷つきながらも守ってくれて、見守ってくれた猟兵達に、テレビウムの少女は一生懸命感謝を述べる。
 その姿に微笑ましげな表情を浮かべた、その瞬間だった。
 広場にそびえる時計塔が――いや、その場にあるあらゆる建造物が、一斉に喋りだしたかのような音を立てる。
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」
 周囲に反響して、やがて余韻を残して消えていく声に、猟兵達と共にモチもまた、不思議そうに辺りを見渡した。
 一体、その声は何者で、どこから発せられたのか。今はまだ、定かではない。
 だが、一人のテレビウムの日常が取り戻されたことだけは、確かなことだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月25日
宿敵 『ザニーユ・モア』 を撃破!


挿絵イラスト