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テレビウム・ロック!~スリーピングキューティーのカギ

#キマイラフューチャー #テレビウム・ロック! #テレビウム #システム・フラワーズ

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「ふわわ……今日もお昼寝日和ね……」
 ピンクのネコ型テレビウムのネムコちゃんは、お昼寝がだいすき。
 今日も日当たりのいい公園のベンチで、すやすや気持ちよさそうに眠っています。
 チカチカ――。
 あれれ、おめめを閉じているお顔の画面が点滅しています。
 チカチカ、カチャリ。
 大変です! 可愛らしいお顔が鍵のロック画面に代わってしまいました!
 ネムコちゃんに襲い掛かるピンチは、それだけではありません。
 とてもとても可愛くない、悪そうな仮面が続々と屋上に群がって来ました。
 小さな身体を覆うように、集まった仮面たちの影が落ちます。
 「むにゃむにゃ……うーん……助けて、ヒーローッ……ぐぅ」


「寝言かい!?」
 グリモア猟兵のメリー・アールイー(リメイクドール・f00481)は、緊急の予知夢に飛び起きたそうだ。跳ねた寝癖もそのままに、グリモアベースで猟兵たちに召集をかける。
「ちょっと急ぎのお仕事だよ! キマイラフューチャーのテレビウムたちの顔の画面に、突然『鍵のような映像』が浮かび上がる事件が多発しているんだとさ。あたしの予知もそのひとつだね。みんなに助けてもらいたいのは、この子なんだけど……」
 メリーは救助対象のネムコちゃんの写真を見せると共に、彼女が昼寝をしている公園を地図で示す。
「随分と呑気な子みたいでねぇ……自分の身に起きてることにも気付かずに、ずーっと寝てるのさ。しかも、近くに湧いたオブリビオンがその子を狙っとるみたいでねぇ。これは、なるはやで助けに向かわんとね」
 無防備に眠る彼女が戦闘の被害を受けないように、注意も必要となるだろう。
 何故テレビウムの画面がロックされたのか。何故オブリビオンに狙われているのか。現時点ではまだ何も分からないが、オブリビオンと衝突すれば更なる動きがみられるかもしれない。猟兵たちには臨機応変な対応を望みたいところだ。
「それじゃあ、頼んだよ、ヒーロー。よろしゅうにーっ」


葉桜
 OPをご覧いただきありがとうございます。葉桜です。
 期間限定シナリオです。なるはやで頑張ります!
 下記の注意事項を必ずご覧になってご参加下さい。

 注意事項。
 『4月30日朝8:30までの完成した成功シナリオ数』
 によって、その後の展開が変わります。
 そのため、成功度に達し次第、プレイングを締め切らせていただきます。
 基本的には先着順です。スムーズに章を進行させる為、ご了承下さいませ。

 第一章、集団戦。第二章、集団戦。第三章、ボス戦です。
 どの章でも、冒頭を書いてからプレイングの募集を開始致します。

 シナリオの進行状況は、ツイッタ-とマスターページでなるべく細かく告知させていただきます。ご参加お待ちしております!
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第1章 集団戦 『邪悪な仮面』

POW   :    怪光線
レベル×5本の【闇】属性の【光線】を放つ。
SPD   :    闇影の鎖
【自身の影】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
WIZ   :    暗黒の力
予め【邪悪なオーラを纏う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。

イラスト:夜月蓮華

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●訂正
OPの前半に不備がございました。
「とてもとても可愛くない、悪そうな仮面が続々と屋上に群がって来ました。」
 は、「とてもとても可愛くない、悪そうな仮面が続々と公園に群がって来ました。」の誤りです。
 第一章の戦闘場所は『公園』です。大変失礼致しました。


 猟兵たちはグリモア猟兵のテレポートにより、救助対象のテレビウムが眠る公園に飛ばされた。
 そこには既に『邪悪な仮面』が群れを成し、攻撃手段にもなる自身の影を彼女落とそうとしている。
「んー……お日様ぽかぽか、気持ちいー……すやー……」
 ごろりと寝返りを打って見えたその顔の画面には、確かに鍵の映像が映し出されていた。
 安らかにお昼寝を続ける彼女を、何とか助けよう!
エルシー・ナイン
ずいぶんとお寝坊さんなテレビウムのようですね。
彼女の安眠を守るためにも、オブリビオンは排除あるのみです。

ネムコちゃんの前に立ちはだかり、【拠点防御】で彼女を守り切りますよ。仮面の攻撃は【覚悟】を決めて【オーラ防御】で耐えます。

敵の方から群がってきてくれるなら好都合。撃ち放題ですね。
ブラスターを【クイックドロウ】で連射して【範囲攻撃】で迎撃しますよ。
接近されたら【零距離射撃】で撃ち落とします。

苦戦している仲間がいるようでしたら【援護攻撃】もしましょうか。
とはいえ、最優先はネムコちゃんを守りきることですので、余裕があればですが。


ルパート・ブラックスミス
UC【燃ゆる貴き血鉛】を起動、大剣と短剣に燃える鉛を纏わせる。

青い翼で飛翔し【空中戦】から【先制攻撃】。【誘導弾】として技能する短剣を【投擲】。敵を射ち抜きつつ救助対象の周囲に着弾させ炎上。敵の影を阻む光源にする。

後は自身も救助対象を【かばう】為に炎と救助対象の間に着地。敵の怪光線は大剣で【武器受け】しつつ短剣投擲と翼からの熱風(【属性攻撃】)で反撃していく。

救助対象が目覚めたら避難させられるよう常に退路確保は意識して戦うが……というかまさかまだ起きないのか。春眠とて戦の音ぐらいは覚えていてほしいのだが。

【共闘・アドリブ歓迎】


レイ・キャスケット
この状況でも一切危機も感じずにお昼寝続けてられるなんて平和だなぁ……キマイラフューチャー
って言ってもられない?とりあえず謎の現象を探る前に危ない仮面は排除しないとね

闇の力には光で対抗って相場が決まってるよね
ヒーローっぽく光の剣を生成して【2回攻撃】やフラッシュでの【フェイント】を軸に【ダッシュ】で前後衛を行き来して攪乱戦法
怪光線は【全力魔法】を込めた光の剣の【範囲攻撃】で【武器受け】
暗黒のオーラを纏いだしたらオーラごと≪二重可変の三稜鏡≫で光の環を描き極太ビームで浄化の【属性攻撃】

流石にこれだけ暴れたら起きるよね?テレビウムの子


千栄院・奏
ヒーローを呼んでいると聞いて、『スプラッター』参上したよ。

ちょっとヒーローらしくはないかもしれないけど、そこは諦めてくれ。なに、助けるのはしっかりやるさ。ヒーローらしく、ね。

【血濡れの『スプラッター』】を使用し戦闘、うるさい武器だしネムコちゃんは起きてくれるかな? 起きてくれたら少し離れているように伝えよう。

さらに流れ弾が彼女に飛ばないよう、光線は避けずに全て切り払うよ。それなりの本数がありそうだけど、足の速さならともかく、剣の速さはそれなりのものだと自負してる。手の届く範囲のものだけならやれないことはないだろう。
切り払いに成功したらそのまま接近、二振りの鎖鋸剣で両断するよ。




「ずいぶんとお寝坊さんなテレビウムのようですね」
「この状況でも一切危機も感じずにお昼寝続けてられるなんて平和だなぁ……キマイラフューチャー」
 危機感とは無縁の世界でほんわかのびのびと育ったであろう救出対象の眠れる少女と、おどろおどろしく迫り来る暗黒面の敵。この温度差は何なのか。頬を掻いて呟くレイ・キャスケット(一家に一台便利なレイちゃん・f09183)の隣で、エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)は笑顔を浮かべたまま、淡々と与えられた任務を行動に移す。
「救出対象、ネムコちゃんの保護を行います」
 エルシーは素早く救出対象の元へ駆け寄るが、敵はもう目前まで迫っていた。仮面の影がネムコに差しかかる、その直前。
「そうはさせん……!」
 ネムコに最も近い仮面を貫いて、燃え盛る短剣が地面に突き刺さった。着弾地点から生み出された炎の光が、辺りの影を消していく。それは、すでに青い炎の翼により飛翔していたルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)が得意とする必殺技『燃ゆる貴き血鉛』による投擲だった。敵の攻撃を未然に防ぐことに成功したルパートは、ネムコを庇えるようにその傍へと着地する。
「無事なようで良かったです。ここからは私も彼女を守り切ります」
「では共に彼女を護衛しよう。敵は複数だが、二人なら互いの背後の死角も補えるはずだ」
 眠り続けるネムコのベンチを背に挟むようにして、二人はブラスターガンナーと燃える大剣を構えた。

「闇の力には光で対抗って相場が決まってるよね」
 一方で、レイも足のホルダーに収められていたブランクソードを取り出して敵と対峙していた。普段は柄しかないそれは、レイの魔力により刃が形成される。今回はヒーローらしさをイメージした光の剣だ。
「さあ、ボクが相手になるよ!」
 ネムコに向かおうとする仮面の注意を引き受け、また一体でも多く排除出来るように。魔法学園の制服のスカートを翻して仮面へ駆けて近寄ると、その怪しい金の瞳の目の前で刃からフラッシュを放った。目を眩ませるのは一瞬で十分だ。一度、そして二度。瞬時に切り刻まれた仮面が、再び現世を見ることはない。
 レイが仮面の集団を撹乱する中、距離を取った幾つかの仮面たちは、自分たちの影から生み出した邪悪なオーラを纏い始めていた。徐々に暗黒の力が蓄えられていくが、その予備動作を彼女は見逃さなかった。半透明な羽衣は眩い色に変化し、目の前に光の環を描いて力を収束させていく。
「集めて集めてその身を放て……『二重可変の三稜鏡』!」
 環の中心に翳した彼女の手から放たれる強大な光のビームは、仮面が蓄えた暗黒のオーラを浄化していく。闇の活動エネルギーを封じられた仮面は、苦しそうにその動きを停止させられている。
「鎖鋸剣【桜花】【梅花】リミッター解除!」
 華々しいチェーンソーの駆動音が轟いた。先程のビームを避けて逃げようとしていた仮面が、真っ二つに切り落とされる。
「ヒーローを呼んでいると聞いて、『スプラッター』参上したよ」
 ヒーロー名を名乗りながら、二刀のチェーンソー剣を振り回す彼女の本名は、千栄院・奏(『スプラッター』・f16527)。血飛沫の代わりに舞う粉砕された仮面の破片が、その破壊神っぷりを物語っている。
「ちょっとヒーローらしくはないかもしれないけど、そこは諦めてくれ。なに、助けるのはしっかりやるさ。ヒーローらしく、ね」
 遅れてやってたヒーローは、理知的な笑顔でそう微笑んだ。

 さて、これだけ激しい戦闘の渦中。肝心の救助対象者はというと……。
「うるさい武器だしネムコちゃんは起きてくれたかな?」
「ふふふ……勇者さまー、助けてくれてありがとー…すやー」
 彼女の寝言に、猟兵たちは嘘でしょという空気で凍りつく。どうやら眠り姫はまだまだ夢の中のようだ。
「……っ!ネムコちゃん!!」
 猟兵たちが目を離した一瞬の隙に、浄化の光で一時的に動きを封じられていた仮面が自由を取り戻していた。金色の瞳から怪光線がネムコに向かって真っすぐに飛ばされるのに逸早く気付いたエルシーは、その大きな体でネムコに覆い被さり盾となる。怪光線の多くはルパートの大剣とレイの光の剣が盾受けをして防いだが、幾らか擦り抜けてしまった闇がエルシーの身体を焦がした。
「すまない、エルシー殿!!」
「だ、大丈夫です。身を挺してでも守る覚悟は出来ていました」
 エルシーは予め防御に集中していた為、闇のオーラによる力の大半を逃がせたようだ。エルシーは自分の怪我には目もくれず、即座にビック・ブラスターを連射モードにシフトチェンジ。次なる攻撃の為、またエネルギーを溜めようとする仮面たちに向かって標準を合わせて、広範囲に『クイックドロウ』の雨を降らせた。
 手負いの中次々と仮面を砕いていく頼もしい仲間に続いて、ルパートは青い炎の翼から熱風を飛ばし、怯ませたところで鉛熱を纏う短剣の投擲で仕留めていく。
「あともうひと頑張りだよ!」
「ばらばらになりたい者から来るといい」
 光と闇のヒーローはそれぞれの敵に向かって走る。レイの光の剣が仮面を浄化し、『スプラッター』が愛用の鎖鋸剣の回転速度を最大にした。右の梅に左の桜、それぞれの鎖鋸剣に美しい春の花が咲く。すかさず怪光線が『スプラッター』を狙うが、流れ弾をネムコに飛ばすわけにはいかない、と彼女に避ける選択肢はない。そもそも、その場から退くよりも確実な方法があるのだ。
「足の速さより、剣の速さの方が自信あるからね」
 光の速さで飛んできているはずの光線が、余さず切り刻まれる。その剣技は見る者に恐怖を与えそうなほど激しいものであったが、切り刻む毎に闇を花びらに変えていく繊細な美しさも兼ね揃えていた。そのまま二振りの鎖鋸剣は最後の仮面を両断して、荒ぶる音を静めたのだった。

 こうして、猟兵たちは邪悪な仮面たちの襲撃を退けることに成功した。
「……流石にこれだけ暴れたら起きると思ったんだけど」
「春眠とて戦の音ぐらいは覚えていてほしいのだが」
「すぴ~~すぴ~~」
 呆れ果てた猟兵たちを取り残して、ネムコの平和な寝息だけが公園を占領していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『紫御殿』

POW   :    仮面合身の術でござる!
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【男子がカッコいいと思うもの】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    仮面手裏剣の術でござる!
【懐】から【自動追尾する真っ白な仮面】を放ち、【相手の視界を塞ぐこと】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    仮面狼群の術でござる!
【仮面を被った狼の群れを召喚、爪や牙】が命中した対象を切断する。

イラスト:りょうま

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 ぴこーん。ぴこーん。
 オブリビオンを退けて暫くすると、眠り続けるネムコの顔の画面が突然切り替わった。
 それはナビの地図のようだ。
 現在地の公園から狭い路地裏のルートを指し、終着点では鍵のマークが点滅している。
 ここに行け、という何者からかの指示だろうか。猟兵たちは首を傾げる。
「見つけたでござるぞ!そのテレビウムをこちらに寄越すでござる!!」
 しかし、敵は考える時間など与えてはくれない。
 次なる敵の集団が、再びネムコを狙って襲撃を続けにやってきた。
 理由は分からない。しかし、今はこの画面の指示に従うしかないのだ。
 次なる任務は、ネムコを護りながらこの画面が示す終着点まで向かうことだ。
 なお、ネムコが起きる気配は微塵もないので、誰かが運んで行くしかない。
 (「自分がネムコ運ぶ」というプレイングが多数あった場合は、こちらの判断でどなたかにお任せするか、戦闘中に彼女が行ったり来たりするか、どちらかになります。お気軽に挙手してみて下さい。希望者が誰もいなくても、誰かに運んでもらいます。)
ルパート・ブラックスミス
専用トライクに【騎乗】。
他の猟兵がネムコを護衛しない際は後部座席に乗せトライクが内蔵する鉛を拡張し保護(【武器改造】【物を隠す】【かばう】)
護衛がいる場合は囮として先陣を切り敵を【挑発】し【おびき寄せ】よう。必要なら他の猟兵を乗せる。

突撃形態、UC【荒狂い破滅齎す戦車】に変形。敵を蹴散らしながら終着点まで強行突破する。
仮面や狼は【誘導弾】こと短剣の【投擲】で迎撃。ロボは大剣の刃を鉛で巨大化させ【なぎ払い】だ。

ロボ。ウォーマシンではなく騎乗する鉄巨人か。ほう……(興味津々)
いいだろう。騎士、いや鉄人ルパート・ブラックスミスが相手だ。
愛機よ、打ち破ってみせようぞ。

【共闘・アドリブ歓迎】


千栄院・奏
ネムコちゃんを起こして事情を説明する時間はなさそうだね……というか、起きるよね? フリーズしてたりしないよね、この子?

私は御覧の通り二刀流だし、この子を抱えながら戦う、というのは少し難しいかな。丸鋸飛刃もあるし片手でも戦えないことはないけど。

狭い路地裏で身長の2倍のロボットに変形なんてされたら、どかさないことには前に進めそうにないね。

でも、この狭い路地でその大きさ。果たして存分に動けるかな?
できないなら懐に潜り込んで、【血濡れの『スプラッター』】でジェノサイドモードに変形した二振りの鎖鋸剣の連撃でばらばらに解体して残骸を踏み越えて先に進もう。

これ、絵面としては私の方がヴィランや怪人側だよね……


レイ・キャスケット
名は体を表すっていうか、眠り猫のネムコちゃん、まぁこのまま最後まで寝てた方が怖い思いをせずに済むのかな

味覚と嗅覚を触媒に≪魔導受容体≫で周囲を索敵しながら目的地を目指すよ
ボクは両手が塞がってても【高速詠唱】と絡めて魔力の塊をぶつけて【吹き飛ばす】簡単な無【属性攻撃】魔法程度なら使えるからネムコちゃんを背負って動こうかな?奇襲攻撃にも対応しやすいしね

狼の攻撃は【第六感】と【ダッシュ】で回避するし仮面で視界が見えなくなっても敵と味方の位置関係くらいは魔視で対応できる
対ロボはさすがに背負った状態だと分が悪いから敵の処理かネムコちゃんの護衛どちかはお任せしたいかも
自分で攻撃する場合、ロボには電魔法!


エルシー・ナイン
この状況でまだ寝ていられるとは、ネムコちゃん、かなりの大物ですね……

体格的に私がネムコちゃんを運ぶのが一番効率がよいかと思いますので、私が運ぶことにしましょう。
護衛として【小型エルシー軍団】を召喚しておきます。一撃で消滅してしまいますが、盾代わりにはなってくれます。

ワタシ自身は、ネムコちゃんを背負っている以上被弾はできませんので、攻撃を【見切り】、【残像】を残しながら回避していきますよ。
どうしても避け切れない場合はネムコちゃんを庇って【拠点防御】と【オーラ防御】で耐えきります。

もし他の方がネムコちゃんを運ぶ場合でも戦術は一緒です。小型エルシー軍団に護衛をさせて、ワタシ自身も護衛に加わります。




 新たな敵の襲撃を受けた猟兵たちは、一斉にネムコを覆うようにベンチ上で頭を突き合わせた。一言二言交わすだけ。そして、猟兵たちは散り散りとなり、あっという間に公園を後にする。ベンチには既にネムコの姿はなかった。
「なっ、なんと!? 忍者を惑わせるとは小癪な奴らめ…っ! 一体、誰があのテレビウムを連れて行ったのでござるかーーっ!!」
 猟兵とオブリビオン忍者の鬼ごっこの幕開けだ。

「さあ、ネムコ殿は後部座席……いや、眠っていて掴まれないのであれば、収納スペースに隠れていてくれ! 自分が必ず、その地図が示す場所までお連れしよう!」
 ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)はそう声を張り上げると、専用の大型トライクに跨りエンジンを吹かし、大通りを猛スピードで飛ばしていく。
「ふはは、馬鹿め、丸聞こえでござるぞ! そこの鉄人っ! 待つでござるーっ!!」
 オブリビオン忍者『紫御殿』はルパートに狙いを定めて追いかけた。普通の人間の脚でならトライクに追いつくことなど不可能であるが、紫御殿は屋根や看板、自動車などを足場にして飛ぶように駆けていく。ござるござる言うだけのニワカ忍者ではないようだ。更に、ルパートが行く道を先回りしていた忍者集団が彼の前方に立ちはだかった。敵集団が忍術を披露する前に、自身の晴れ舞台を察してかトライクが激しく唸る。
「我らが駆ける前には勝利の未来。しかし駆けた後には屍と瓦礫のみ!」
 ルパートの詠唱により、トライクは燃える鉛に包まれて超加速する。予期していたよりもずっと速く、眼前に迫った荒れ狂う熱き戦車に、忍者たちは一瞬で蹴散らされたのだった。
「むむ、中々やるでござるな、鉄人! ではこれはどうでござるか……忍法、仮面合身の術でござる!」
 後ろから追いかけていた紫御殿は、なんと、路肩に停めてあるガチガチにカスタマイズされた改造車に触れて、自身の身長のニ倍のロボットに変形したではないか。
「ロボ。ウォーマシンではなく騎乗する鉄巨人か。ほう……」
 ルパートのその声色から、興味津々な様子が伺える。合体ロボは、やはり男の子の……いや、男のロマンの集合体なのだろうか。
「いいだろう。騎士、いや鉄人ルパート・ブラックスミスが相手だ。愛機よ、打ち破ってみせようぞ」
 呼びかけに応えるようにトライクは唸り、車ロボに向かって直進する。車ロボもまた、大きな車輪をフル回転させてルパートを轢き潰そうと突進していた。ルパートは自身の炎鉛でトライクと融合して操作しながら、鉛で巨大化させた大剣を構える。合体したモノ同士の、一瞬の交差。ルパートの背後で、車ロボの巨体が道路に崩れ落ちた。
「これで誘き寄せられた敵は全てか……後は自分も目的地へ向かうとしよう」
 残念だったな、こちらは外れくじだ。と、もう意識のない壊れた車ロボに空の収納スペースを見せる。ルパートは見事に敵を引きつけ、囮の役目を果したのだった。

 ルパートが敵集団を陽動した後、他の猟兵たちは再び集合して、ネムコの画面が示す裏路地のルートから目的地へ向かっていた。入り組んだ路地の脇、人の倍の高さはある塀には猫のステッカーやチラシがベタベタと貼られている。エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)の大きな腕に抱えられたネムコにとっては、走る振動も揺り籠のようなものなのか、変わらず深い眠りの中だ。
「この状況でまだ寝ていられるとは、ネムコちゃん、かなりの大物ですね……」
「ネムコちゃんを起こして事情を説明する時間はなさそうだね」
「まぁ、このまま最後まで寝てた方が怖い思いをせずに済むのかな」
 名は体を表すっていうか、眠り猫のネムコちゃんだね。と呆れ顔の千栄院・奏(『スプラッター』・f16527)とレイ・キャスケット(一家に一台便利なレイちゃん・f09183)は、エルシーとネムコを挟んで前後に構えて、護衛用の隊列を組んでいた。既にレイは『魔導受容体』を展開済みで、味覚と嗅覚を触媒に周囲の生命反応や魔術を探知し、入り組んだ道の先に敵がいないか確認しながら先を急ぐ。そんな幾度目かの曲がり角を通り過ぎた時だった。

「……っ! 気を付けてっ。前方の塀の上に生命反応あり!それと背後にも一体! 多分さっきのオブリビオンの一味だよっ」
「了解しました。ミニエルシー軍団、招集です。全機、緊急発進して下さい!!」
 レイのコールに間髪入れずに返答したエルシーは、直ちに自分と同じ姿の小型ロボを召喚して、両脇の塀の上へと配置する。
「やっと見つけたでござるぞ! 仮面狼群の術でござる!」
 姿を見せるや否や、先制攻撃を仕掛けた紫御殿の召喚獣である仮面狼の群れが、エルシーに向かって牙を剥く。主人とネムコを庇う為に、ミニエルシー軍団は次々と仮面狼に飛びかかって応戦するが、鋭い牙や爪の餌食となり次々と消滅していった。このままでは本体まで届いてしまう、ネムコを庇って攻撃に耐える体勢を取ろうと、エルシーが覚悟を決めようとした時。
「エルシーくん! しゃがんで!」
 レイの声に反射的にエルシーは身を低く屈めると、エルシーを食い千切ろうと大口を開けた狼の口腔内に、魔力の塊が投げつけられて弾き飛んだ。
「感謝ですっ」
「どういたしましてっ。ついでにネムコちゃんを預かるよ。ボクは両手が塞がってても攻撃出来るから!」
 エルシーの腕からレイの背中へ、引き続き眠り続けるネムコを移動させる。両手が空いたエルシーはビック・ブラスターを構えて、残ったミニエルシー軍団と共に護衛に移る。ネムコを背負うレイも無属性の魔力を練って、いつでも発射出来るように準備を整えていた。再び起き上がった狼を操る忍者と睨み合う中、破壊兵器を名乗るエルシーだけは笑顔を浮かべたままだ。
「かしこまりました。それでは遠慮なく完膚なきまでに破壊します」

 その戦闘の背後でも、もうひとつの戦いが繰り広げられていた。
 コンコン、コンコン。後方にいた紫御殿が何度か塀を叩くと、猫グッズばかりが出てきたようだ。その中のひとつを手に取り呟く。
「ふむ、これが一番まともでござろうか……」
「何を悠長にコンコンしてるの?……ヒーロー『スプラッター』押して参るよ」
 『スプラッター』は二振りの鎖鋸剣をジェノサイドモードに変形させて、激しい駆動音を鳴り響かせた。
「こちらも参るぞっ、仮面合身の術でござる!」
 すると、紫御殿は先程コンコンして得た猫グッズ……招き猫と合体して、巨大招き猫ロボと変形してみせた。ガシャコンガシャコン、その場で招いている。
「……全然強くなさそうなんだけど、その合体でいいの?」
 しかし、そんな心配は無用と言わんばかりに。
 ガシャコンガシャコンガシャガシャ……チュドーン!!
 招いていた手が『スプラッター』目掛けて飛ぶ……ロケットパンチだ! このままの軌道では、避けても反対側で戦っている仲間たちに当たってしまう。
「……っ!? そうはさせないよっ」
 避けられなければ壊せばいい。鎖鋸剣の高速連撃が舞う。桜と梅の花弁を散らしながら、飛んでくるロケットの腕をスクラップにしてやった。そのまま壊れた腕を踏みつけて、本体の招き猫ロボへと駆ける。
「この狭い路地でその大きさ……果たして存分に動けるかな?」
 確かに。腕は飛ばせたが、その巨体は路地に挟まれてぎゅうぎゅう詰めだ。動きの鈍いロボットは後退も出来ぬまま、ただひたすらに桜花と梅花の餌食となる。激しい解体音が暫く鳴り響いていた。

 ミニエルシーと共闘して追い詰めた狼をエルシーがブラスターで撃ち貫き、手薄となった紫御殿もレイの高速魔法が捕らえて、無事ネムコを護り抜くことに成功した。後方には、原型を留めない程刻まれたロボだったものの残骸の山が積み上がっていた。その山を踏みしめて、ゆっくり降りてくる奏は溜息を吐く。
「これ、絵面としては私の方がヴィランや怪人側だよね……」
 まあ、否定は出来ない。それでも任務を達成できれば結果オーライだと、仲間の健闘を讃えあったのだった。

 目的地でルパートとも合流し、作戦の成功を喜ぶ猟兵たち。そして案の定、今回も一度たりとも目を覚まさずに安眠を続けているネムコであった。
「というか、起きるよね? フリーズしてたりしないよね、この子?」
「すぴ~、すよ~……」
 フリーズはしていないようだが、ネムコのスリープモードを解除する方法はあるのだろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『天竺牡丹』

POW   :    わたしのモノになっちゃえ!
【天竺牡丹に恋する矢】が命中した対象に対し、高威力高命中の【恋慕の情】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    大活躍の予感!
予め【使い魔の時計版がぐるぐる回る】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
WIZ   :    一緒にがんばろ?
【異性を魅了する声と仕草】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。

イラスト:彩

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 目的地は、とある時計塔の前の広場だった。
 調度からくり時計が定時を告げて、現れた猫人形たちが踊り出す。
 その時。ネムコの画面が突然眩い光を放つ。驚く猟兵、眠り続けるネムコ。
「みぃつけたぁ! もう、そんな子ばっかり可愛がって、ずるいんだぁ」
 同時に現れた愛らしい幼女は、弓を引いて猟兵たちを狙う。
「ねぇ、そんな子よりも、わたしと遊ぼうよ」
 甘い声に騙されてはいけない。
 この『天竺牡丹』もテレビウムを狙うオブリビオンの一人だ。
 しかも、先程の仮面や忍者よりもずっと凶悪な能力を秘めているようだ。
 光を放ち続けるネムコを護りながら、この敵と戦って欲しい。

 なお、この戦闘は光が収まるまでの15分ほどの内に行われるものとする。
 その間はこの時計塔前の広場からは動けない。
亜儀流野・珠
ははは、襲われても光り出してもまだ寝るか!肝が据わってるな!
折角だから起きるまで見守ってやろうじゃないか、なあピンクの女子よ!

ネムコは動くことも動かすこともできない状態のようだしな。傍に付き守るぞ!
近寄るなら薙刀・狐の爪で斬る!
距離を置くなら…俺は動かず、「俺たち」に行って貰おう!奥義「千珠魂」…俺たち召喚だ!
そして召喚した俺たちを投げる!
「俺たち」は投げられた勢いのまま薙刀で斬り掛かる!木槌で殴り掛かる!相手が空中に居ても届くぞ!
大勢いるからな!投げても投げてもタマは尽きん!
投げられた後の俺たちはお前を追い回すぞ!
お前の目的は分からんが、ネムコの事は諦めるがいい!


ルパート・ブラックスミス
…戦術的にも騎士としても矢面に立つべきは自分だ。敵の矢から味方やネムコ殿を【かばう】。

恋する矢だと…馬鹿な、敵を相手にこのような感情…これでは戦うなど…!

否、ここは抵抗ではなく己を【言いくるめ】る!
ツンデレ、殺し愛。この世には愛故に傷つけんとする思想があるという!

UC【炎抱きて白熱せし鋼肢】起動。
この輝きは我が昂り、矢を受けるほどに増す!火を点けたのは貴女だ、受けるがいい、我が想い!


正気に戻った後は平静を装うが恥辱や悔恨から女性陣の方を向けない。

(以下ブツブツと)
否…否、初恋にあらず…生前の記憶が亡いだけだ…幼女嗜好(ロリコン)でもない…「俺」の中じゃノーカンだから…!

【共闘・アドリブ歓迎】


エルシー・ナイン
一体ここに何があるのか分かりませんが、今はとにかく敵を排除し、ネムコちゃんを守り抜くのみです。
下手に騒がれると守りにくいので、こうなったら最後まで寝ていてもらえると助かります!

なるべく防御に重点を置いて【拠点防御】と【オーラ防御】でネムコちゃんの盾になり、味方が敵を撃破するまで【時間稼ぎ】をしましょう。
敵の矢は【スナイパー】らしくブラスターで迎撃し撃ち落とします。
余裕があれば味方への【援護射撃】も行いましょう。

隙があれば、【LC式全武装一斉射撃】で【範囲攻撃】を行い、天竺牡丹と使い魔を同時に狙い撃ちますよ。
周囲や仲間に被害を出すわけにはいきませんので【誘導弾】で確実に敵だけに当てに行きます。


レイ・キャスケット
さてさて、目的地に着いたのはいいけどここに何があるのかな?
ネムコちゃんの眩しくて見えない画面に謎が隠されてるのかもね

何あの幼女、ハートの天使…や、堕天使?
正直今の今まで状況はさっぱりなんだけどネムコちゃんを守り通すっていう明確な目的はあるわけだしとりあえずあの子は返り討ちだよね

付与の羽衣に氷を纏わせそこから【高速詠唱】で小さく数の多い氷の礫の嵐をばら撒くように【援護射撃】して敵の退路を制限するように味方の攻撃をアシスト
多少のダメージを気にせずボクの氷に突っ込んでくるようなら【フェイント】に氷の光の複合【属性攻撃】の≪リフレクト・リフレクティア≫できっちり攻撃していくね


千栄院・奏
戦うとメディアに色々言われそうな敵だね……いや、ここは私のいた世界じゃないし、大丈夫かな?

ま、今更か。やろう。

二振りの鎖鋸剣および10枚の丸鋸飛刃で戦闘するよ。
同性だから大丈夫……じゃなかったら困るし、敵の矢には当たれないね。かといって避けてネムコちゃんに当てられても困るから、丸鋸飛刃と鎖鋸剣の二段構えで撃ち落とそう。武器になら恋慕の情なんて飛ばせないしね。

うまく接近出来たら【血濡れの『スプラッター』】での連続攻撃で一息に決めるよ。
見た目は愛らしい幼女? そうだね……それが何か?
見た目で騙すとか攻撃を躊躇わせるなんてことは、もっとヒーローらしいヒーローにするといい。




「ははは、襲われても光り出してもまだ寝るか! 肝が据わってるな! 折角だから起きるまで見守ってやろうじゃないか、なあピンクの女子よ!」
「正直今の今まで状況はさっぱりなんだけど……ネムコちゃんの眩しくて見えない画面に謎が隠されてるのかもね」
 途中で合流した亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)は未だ惰眠を貪り続けるピンクのネコ型テレビウム、ネムコに豪快に笑いかける。突然、自分が背負っていたネムコが光り出して驚くレイ・キャスケット(一家に一台便利なレイちゃん・f09183)だったが、直ぐに今の状況の整理、そして推測を行っていた。目的地であったここに何があるかも、テレビウムが襲われるこの状況も、何も分からないままだ。ただひとつはっきりしている、ネムコを守るという目的を果たそうとする矢先――何かが風を切る音がした。
「いっくよーっ! さあ、誰がわたしのものになってくれるのかなーっ??」
 それはオブリビオン『天竺牡丹』が猟兵たちに……いや、レイの背にいるネムコに向かって放った、ハート型の矢の音だった。猟兵たちはネムコを庇う為、反射的に自分の身体や武器で攻撃を受け止めようとする。
 ドスッ――と。その矢を胸に受けたのは、両手を広げて堂々と仲間を庇う勇敢な騎士、ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)だった。そしてそのまま胸を押さえて膝を着き、苦悶の声を洩らす。
「恋する矢だと……馬鹿な、敵を相手にこのような感情……これでは戦うなど……!」
 ルパートの鎧内の炎が、鉛が、激しい鼓動を打つように渦巻き身を焦がす。
「わー! 自分を盾にするとか、なんてカッコいい鎧ちゃんなの! ステキステキッ! こっちに来て~!!」
「グアァァァーーッッ!!」
 あの幼な子が、可愛くて愛おしくて――ッ。暴れ狂う恋情を鎮めようと鎧が軋む程身体を押さえこむが、いつまで彼の精神が持つか分からない。

「何あの幼女、ハートの天使……や、堕天使? 魅了を使ってくるのは厄介だね……。みんな、ルパートくんにも警戒ね。ボクたちに攻撃してくるかもしれないから」
「了解しました。ワタシは防御に集中します。ネムコちゃんをどうかこちらへ」
 エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)は皆に忠告をするレイからネムコを受け取ると、その小さな身体をしっかりと胸に抱いた。いざという時には、自分の身体で庇えるようにオーラ防御も纏っておく。
「下手に騒がれると守りにくいので、こうなったら最後まで寝ていてもらえると助かります」
「むにゃむにゃ、お昼寝、だーいすきー……」
「ははっ、夢でも寝てるのか? 俺も傍に付き守るぞ!」
 エルシーの隣で、レイと珠も臨戦態勢を取る。
「戦うとメディアに色々言われそうな敵だね……いや、ここは私のいた世界じゃないし、大丈夫かな?」
 自分の世界で恐怖の対象として見られる視線を思い出す。……今更か。やろう。バッシングが怖くて守るべきものを守れないようなら、ヒーローなんて名乗れない。千栄院・奏(『スプラッター』・f16527)も二振りの鎖鋸剣と十枚の丸鋸飛刃を構えた。

「やだー、こわーい。もーちょっと……わたしの仲間に――って、わわっ、何なにっ!?」
 天竺牡丹は弓使いだ。猟兵たちに攻撃しやすい距離を保ったまま、ふわふわ宙に浮かんでいると、突然小さな『何か』が空から飛んできた。鋭い刃物が、ふわふわなスカートの裾を切り裂いた。
「来ないならこっちから行くぞっ! 奥義『千珠魂』……俺たち、召喚だ!」
 召喚した小さな自分の分身を、珠が、投げる、投げるっ! 分身たちは投げられた勢いのまま、薙刀で斬り掛かる、木槌で殴り掛かるっ!
「大勢いるからな! 投げても投げてもタマは尽きん!」
 空中から天竺牡丹に飛びかかる分身たちは、避けられても避けられても、わちゃわちゃと彼女の後ろを追い回していた。
「……っ!! ウザいっ! このチビたち、めちゃくちゃウザいんですけど!?」
 お気に入りの服を駄目にされて、げきおこな天竺牡丹はシュピピピッと矢を連射する。撃ち貫かれた分身は魅了される前に一撃で消滅してしまうから、敵の手駒を増やすことにはならない。そして、これで敵に隙が出来た。
「マルチプルミサイル、ロック解除。ブラスター、ガトリング照準セット」
 エルシーの腰部に装着されるミサイルポッドが展開され、連射モードのビック・ブラスターとLC9型ガトリングガンの銃口が敵を捕らえる。照準は天竺牡丹と使い魔、範囲攻撃によるLC式全武装一斉射撃、準備完了。
「対象を完膚なきまでに殲滅します。オールウエポン、フルファイア!」
「わわわわ、ちょっ、まっ、タンマタンマッ!!」
 ミサイルが、熱線が、銃弾が、堕天使と時計を追う。猛スピードで翼を羽ばたかせて逃げる彼女たちの後ろに、チュドンチュドンと着弾していく。その射撃は見事なもので、これだけの広範囲攻撃を行っているにも関わらず、周りにまだ残る珠の分身には一弾も当てることは無かった。珠の分身も並走して薙刀を振るい続ける。
「お前の目的は分からんが、ネムコの事は諦めるがいい!」
 それらの猛攻をサポートするように、レイは付与の羽衣に氷を纏わせて、小さな氷の礫を敵の進行方向にばら撒いた。
「後ろは銃弾の雨、横は刃の旋風、前は氷の嵐……さあ、どうする堕天使さんっ!」
「……っ、何よこんな小さな氷っ!全然痛くないんだから…って、いたたっ、地味に痛いーっ」
「それじゃあ行くよ! 魔法の合わせ技! クラッシュドアイス! からの~リフレクト・リフレクティア!」
 その氷の小石は、ただの布石に過ぎなかった。レイの放った魔法の光線が氷塊に当たって反射反射反射……無数の乱反射を繰り返し、光の檻のように天竺牡丹を包囲する。
「きゃーーっ! ……っ、助けてっ、私の大好きで格好いい時計ちゃーーんっ!!」
 天竺牡丹の甘い声に使い魔の時計版は超スピードで、愛しの主人と光線の間に割り込み、強力な一撃をその身で受ける。――パリン。そして真っ二つに砕け落ちた。

「ああーーっ! わたしのっ、わたしの時計ちゃんが……っ、よくもやってくれたわねっ!」
 使い魔を失った天竺牡丹は、目に涙を浮かばせて弓を引き、猟兵たちに向けて乱射した。
「同性だから大丈夫……じゃなかったら困るし、ね」
 その無数の矢に対するのは空飛ぶ丸鋸飛刃だ。十枚の刃は縦横無尽に飛び回り次々と矢を落としていく。その刃を潜り抜けたとしても、エルシーのブラスターによる援護射撃と、『スプラッター』の鎖鋸剣によって一瞬で粉々にされるのだった。
 篠突く矢の雨にも臆することなく、『スラッター』は敵の攻撃を撃ち落しながら、天竺牡丹に向かって前進を続けた。次第に追い詰められていく幼女は、ガタガタと震えている。
「こ、こんな可愛い幼女に! そんな物騒な武器を振るおうっていうの!?」
「確かに愛らしい幼女だね。……それが何か?」
 オブリビオンを見下ろす、ダークヒーローの瞳は非常にクールだった。
「……見た目で騙すとか攻撃を躊躇わせるなんてことは、もっとヒーローらしいヒーローにするといい」
 悪を捌くのに情けは無用だと、とチェーンソーの稼働音が鳴り響く。
「ひ、ひぃぃっ!! やだやだっ!! 誰か助けてよーーっ」
 助けを求める悲痛な声も虚しく、一瞬で右手と左足が切り落とされた。幼女から吹き出す鮮血と甲高い悲鳴。桜花と梅花が、より美しく深紅に染まっていく。苦しまないよう連撃で止めを刺そうとすると、チェーンソーを構える『スプラッター』の腕を、鎧の手が掴んだ。
「鎧ちゃんっ!? ……も~、遅いよー、待ってたんだからーっ!!」
「……君は今、『敵』なのかな?」
 その問いにルパートは答えない。恋とは、複雑なのだ。
「……自分は、気付いたのだ。猟兵であろうと、この胸の熱き想いに抵抗するなど出来ない。しかしそれならば、この想いごと己を言いくるめてしまえばよいのだと! ツンデレ、殺し愛。この世には愛故に傷つけんとする思想があるという!」
 熱弁が終わる頃には奏の姿はそこになく、距離を置かれていた。愛を語るルパートの四肢を燃やすは恋慕の炎。熱く熱く、白熱した鋼肢を、呆然として動けない天竺牡丹に向かって振り被る。
「……えっ、何。そういう展開!? 嘘でしょ!? ちょっとっ、騎士でしょあんたっ、守りなさいよーーっ!?」
「この輝きは、騎士ではなくひとりの男としての我が昂り。火を点けたのは貴女だ……! 受けるがいい、我が想い!」
 ルパートの想いを乗せた炎拳が彼女を穿つと、爆ぜるように噴出した青き劫火に飲み込まれて、オブリビオンは跡形も残さず消え失せた。男心を弄ぶ堕天使には、鎧の激しい想いは少々熱過ぎたようだ。

「……よし。無事にオブリビオンを滅することが出来て、何よりだ」
 こうしてオブリビオンの襲撃を食い止めた猟兵たちであったが、漸く正気に戻ったルパートは、平静を装うものの恥辱や悔恨から女性陣の方を向けずにいた。
「否……否、初恋にあらず……生前の記憶が亡いだけだ……幼女嗜好(ロリコン)でもない……『俺』の中じゃノーカンだから……!」
「見て下さい! ネムコちゃんの光が消えましたよ」
 ルパートの呟きを遮るように、エルシーが声を上げる。確かにネムコの画面の光は消滅し、恐らく元の姿だと思われる、幸せそうに目を瞑る顔が映し出されていた。案の定、今回の戦闘でもずっと眠り続けていたネムコを、いい加減に目を覚ましなさいと起こそうとした――その時だった。

 時計塔の針が猛スピードで回転し、音楽が高速で流れた。
 先程定時を迎えたばかりのはずだが、再び猫人形が飛び出して、狂ったように踊り出す。
 時計塔全体から、作られた機械の音声が大音量で響き渡る。
 その後を追うように、猫人形たちからも様々な高さの声が続いた。
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「「「緊急救援要請! 緊急救援要請!」」」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「「「侵入者あり! 侵入者あり!」」」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、解放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う!」
「「「救援を請う! 救援を請う!」」」
「んー、うるさいなぁ。ふわわ……よく寝たぁ」
 漸く目覚めたネムコは、何も知らぬまま、大きな欠伸を零し伸びをした。
 彼女に事の顛末を説明しようにも、猟兵たちとっても不明なことだらけなのだ。
 謎が謎を呼ぶ『テレビウム・ロック』事件。
 そのひとつは、ひとまず解決出来たと言っていいだろう。
 一旦報告に帰り、新たな情報が届くの待つとしよう。
「……ぐー、すぴー」
「「「また寝るなーー!!!」」」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月27日


挿絵イラスト