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撤退戦

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●村の未来
「こらー! このニワトリ泥棒め!」
 家々が朝日に照らされる頃。農耕に励むいつもの日常が繰り返されるはずだったその村に、1人の村人の鋭い声が響き渡る。
 村人の男は棍棒を持ってニワトリ小屋のある庭に躍り出た。そして、おぞましい光景を目にする。薄汚い恰好の男がニワトリを噛み殺し、その肉にむしゃぶりついていたのだ。「ひっ!」と短い悲鳴をあげた村人に男は気づき、生気のない顔を村人に向ける。ところどころ腐った肉体から腐臭を漂わせ、男は村人へと襲いかかった。
 村のあちこちから悲鳴が聞こえ、異常な事態に気づいた時にはゾンビの大群が村へとなだれ込んできた。生者の肉を求め、ゾンビたちは逃げ惑う村人に群がっていく。やがて悲鳴が聞こえなくなった村には、屍だけが存在していた。

●未来を変える者たちへ
「ご機嫌よう、御主人様」
 グリモアベースへと招かれた猟兵たちの前に現れたのは、1人の青年。グリモア猟兵である青年は微笑を浮かべ、恭しく会釈してみせると、
「ミレナリィドールのノア・ローズタレットと申します」
 とある村の危機を救うために、ノアは猟兵たちの協力を要請した。
「皆様は、ヴァンパイアの虐政に苛まれる世界をご存知ですか?」
 その世界に存在する村の未来が判明した。ノアの予知によれば、生ける屍、ゾンビの大群が村へと押し寄せる事態が起こるというのだ。
「村を構成しているのは8世帯ほどの民衆で、ゾンビたちは200近い数で押し寄せます。このままでは戦う術を持たない村人たちは、全員命を落とすでしょう」
 そうなる運命を変えるためには、村人たちをゾンビから守り抜き、早急に避難させることが求められる。
「皆さんを村に召喚できるのは、ゾンビたちが到着するおよそ5分前になります。厳しい条件になりますが、どうか村人の皆さんの避難にご尽力ください」
 ゾンビの個々の強さは大したものではないが、数の暴力にどこまで抗えるかは定かではない。
 村人をゾンビたちから完全に遠ざけるか、ゾンビたちの数を一定数減らすことができれば、ゾンビたちは村の外れの森に引き返していくという。
「ゾンビたちが向かう森の奥には、ゾンビたちを従える死霊術士の工房があります。そこにある宝珠を破壊することで、ゾンビたちはただの屍に戻ります」
 ゾンビたちの痕跡を追跡する、村人たちから情報を得るなどして、その工房を突き止める必要がある。
 ノアはその死霊術士以外にも、ゾンビの大量発生に関わるオブリビオンの存在を示唆した。
「ゾンビの大群を生み出すには、それなりの労力が必要なはず……死霊術士は強力なオブリビオンの支援を得ていると考えられます。どうかくれぐれもお気をつけて」


夏雨
●『ダークセイヴァー』の世界に向かいます。
 この世界の人々は猟兵の存在を知りません。あなた達の戦いが、やがて世界に真の希望をもたらすでしょう。

●第1章 ゾンビの大群から村人を守れ
 ゾンビたちが村に着くまで、5分ほどの余裕があります。その間に村人に深刻な事態を理解させ、避難させなければなりません。非難する村人を守りながら戦い、完全に安全を確保するか、一定の数のゾンビを倒せば成功です。

●第2章 死霊術士の工房を突き止めろ
 ゾンビたちが去った後の村の状況は、悲惨なものでしょう。村の後片付けを手伝ってあげれば、喜んでもらえるはずです。
 村人から情報を得るか、ゾンビたちの痕跡を追跡するなどして、死霊術士の工房を見つけ出しましょう。工房にある宝珠を破壊できれば成功です。

●第3章 ボス戦
 ダークセイヴァーの強力なオブリビオンが現れます。

 個性豊かな猟兵の皆さんの参加をお待ちしています。
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第1章 冒険 『【撤退戦】村からの脱出』

POW   :    守りが薄いところを狙って突破。力で敵を足止めしつつ逃げる。

SPD   :    見つからないようにこっそりと脱出。速さを生かして敵を撹乱する。

WIZ   :    敵を罠にはめて時間を稼ぐ。姿を変えたり隠したりして逃げる。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ディー・ジェイ
「どうせ四方囲まれてんだ、正面突破で逃げるがはやい」(POW)

召喚されたと同時に村の中央にて空砲を一発、空に向かってぶっ放す。
何事かと集まってきた第一村人に対し短い説得をかけ、
「お騒がせして失礼、そして時間もないので単刀直入に一つ。
あと数分もしないうちにここへ人肉を貪る化け物共が押し寄せる。生きたまま食われたくなきゃとっととここに住民を集めろ。」
守ってやる、と彼らの常識外に存在する銃を見せながら半ば脅すようにせかす。
集合は全員じゃなくていい、どうせ他の猟兵がうまくやるさ。

先の銃声で敵が集まってくるのも想定済みだ。
その上で敵の集まりが薄いポイントを見定め、「何も考えず俺の後ろを走れ!」と叫ぶ。


名張・辿
死肉の掃除は鼠の仕事の範疇さね、頑張るかい

「目立たない」ように「忍び足」で包囲を脱出、
森の中でゲリラ戦を展開してゾンビの足並みを乱すことを目的としようか

森では【鼠鬼強襲】を使用して大きな鼠に「騎乗」して戦うかね
「世界知識」を元に森の小動物を探して、
「動物と話す」でゾンビの位置取りを聞きながら、
包囲を受けないように立ち回るよ
「頼むぜ、ちっこい旦那に姉さん達、あとで餌もってるから、な?」

逸れには襲い掛かって、大きな集まりには騒ぎを起こして引き付けてから「フェイント」や「逃げ足」を駆使して逃げるかね
その時々に合わせて乗ってる鼠は引っ込めたり呼び出しなおしたりするよ

無理はせず適当なところで引き上げるね


アーレイラ・モンクスフード
先ずは村人の説得ですね。時間も無いので、インパクト優先。
「森から危機が近付いています」
ユーベルコード使用、聖水の杭を限界数出し、森と村の間の地面に撃ち込みます。
「この力でも皆さんを守り切るのは難しいです。避難に協力を。」

撃ち込んだついでに、足場か荒れてゾンビの行進が送れれば幸い、聖水を嫌い迂回しても良しとします。

効果があり、忌避するようなら、他猟兵さんの配置、攻撃法法を見て、流すにしてもそちらに流れるように誘導し、村人達に流れないように試みます。

攻撃法法は主に、ユーベルコードでの敵集団に対する面攻撃ですが、
近付かれたなら、武器を大鎌形態にして、なぎ払いによる範囲攻撃も行います。


早見・葵
剣を構えながら、村の周辺を最速で走り回る。
外側にいる村人に声をかけて、すぐに避難するように促す。

敵が村に入る前に迎撃しつつ後退する。
村人の避難が順調だと判断できたら、攻勢に出る。
守りが薄いところへ向かい、Drache Jagdで迎撃する。
駆逐できれば進み、難しそうなら後退する。

周囲の猟兵と共闘しつつ、戦線を形成する。


バルディート・ラーガ
うへえ…ゾンビの大群が相手、しかもなりふり構ってられねえ状態と。
迅速に判断せにゃならんっつーわけですねえ。

まずは家をお尋ねして警告へ。え?見るからに胡散臭い?信じられない?
…場合によっちゃ口八丁手八丁、ちいとばかし嘘ついてでも連れ出しちまいやしょ。言い合う暇も惜しいですし。

ゾンビ軍団を吹き飛ばすにはちとパワー不足、つーわけで避難時は村人側のフォローに付きやしょう。こっちに迫ってきたらこの蛇の尾のなぎ払いで応戦して牽制と。…炎を纏ってるとはいえ一応生身なンで、噛みつかれないよう祈っときますかねえ。
【コミュ力・迷彩・なぎ払い】




 まだのどかな農村の姿を残している村のそばに、猟兵たちは召喚された。残された時間はそれほど多くない。早速行動を開始した各々は、全力で対応に当たろうとする。
 村の中央へと駆けつけたディー・ジェイは、上空に向かって空砲を撃った。耳慣れない破裂音が村に響き渡り、村人たちは恐る恐る家から顔を覗かせた。
 何事かと声をかけてくる年配の男性を捕まえて、ディーは事情を説明し始める。
「お騒がせして失礼、そして時間もないので単刀直入に一つ――」

「森から危機が近づいています」
 アーレイラ・モンクスフードは、森に最も近い位置に住居を構える村人の下までやって来た。
 アーレイラはゾンビの進行を遅らせるのを狙って、村の外との境界に透き通る聖水の杭を複数打ち込んだ。
「この力でも皆さんを守り切るのは難しいです。避難に協力を」
 不思議な術を使うアーレイラから危機感をあおられ、村人たちは半信半疑ながらも家を後にしようとする。
 村からも見渡せる鬱蒼とした木々の向こうには、無数の人影が見え隠れし始めていた。

 名張・辿は真っ先に森の中へと紛れ込んだ。森の奥から村へと進行するゾンビを妨害するべく、ゲリラ戦を仕掛けるためだ。
 ビーストマスターの能力を駆使する辿は、巨大なネズミを召喚し、森のリスたちにも協力を働きかけた。
「頼むぜ、ちっこい旦那に姉さん達、あとで餌もってるから、な?」
 辿の2倍ほどの大きさはあるネズミにまたがり、辿はゾンビの群れへと奇襲を仕掛けた。大量に進行するゾンビの一部は、辿の姿を追いかけ始める。
 リスたちは枝葉の上を移動し、キュルキュルとゾンビの動きを辿に伝える。リスたちの助けもあり、辿は自身を包囲しようとするゾンビたちの動きを避けて攻撃を繰り返す。辿のネズミは襲いかかったゾンビの体を易々と噛みちぎり、辿も接近しようとするゾンビに短剣を振りかざして応戦する。
 辿が状況に応じてたちまちネズミを退かせると、再び呼び出されたネズミは思いもよらぬ空間から飛び出し、ゾンビたちを追い込んでいく。

「あと数分もしないうちにここへ人肉を貪る化け物共が押し寄せる。生きたまま食われたくなきゃとっととここに住民を集めろ」
 ディーが避難を促すと共に、他の猟兵たちに尻を叩かれた村人たちがぞろぞろと顔を出す。村長らしき男性が点呼を取る間にも、バルディート・ラーガは最後の家に警告に訪れていた。
「ちょいとお邪魔しますよ」
 家長とその娘らしき少女の前に姿を現す竜派ドラゴニアンのバルディート。その両腕は揺らめく炎によって形成されている。父子が見るバルディートの姿は、猟兵が受ける特異な力により補正されているため、魔獣などと勘違いされる心配もない。
 バルディートが切迫した事態を説明する間も、少女の父親が椅子から立ち上がる気配はない。すると、父親から離れようとしない少女はバルディートに懇願する。
「父は足が悪いんです、1人では逃げられません!」
 バルディートは迷わずその場に屈み、父親に向けて背中を見せた。
「命があるなら何も問題はございやせん」

 早見・葵はすべての家屋の周辺を迅速に見回り、すべての村人が村の中央に集まったことを確信した。
 葵はアーレイラが設けた聖水の杭の前まで駆けつけ、村を目指してやって来る無数のゾンビたちの姿を確認する。
 敵の気配を察知すると同時に、聖水の杭は星光の輝きを放ち始め、剣を構える葵の勇壮な姿を照らした。それらを警戒してか、ゾンビたちの歩みは鈍くなる。それでも数人は葵の下にまっすぐに駆け出し、濁った両目で標的を捉えていた。
「奪わせはしない――」
 葵の剣さばきから放たれる鋭く閃く一撃は、襲いかかるゾンビたちを確実に停止させていく。
 ――私たちで守ります。
 葵は正面からゾンビたちの相手をし、村に踏み込もうとするゾンビを1人でも多く切り捨てようとする。
 ゾンビは次々と元の屍に戻っていくが、襲い来る数も増していく。ゾンビたちに包囲される前に、葵は聖水の杭の間をすり抜けていった。同時に葵の跡を追ったゾンビは杭の放つ光を受けて、朽ち始めた体を引きずりながらかろうじてついてくる。杭のそばを通り抜けていくゾンビたちは一様に影響を受けるが、杭が打たれた場所を大きく迂回する一群もいた。
 葵は守りの薄い範囲を突破しようとする一群に的を絞り、敵のかく乱に乗り出した者たちと戦線を形成しようとする。

「これで全員ですかい?」
 バルディートは父親1人をおぶった状態で、村人たちが集まる村の中央に現れた。
 次第に近くなるゾンビたちの無数のうめき声が、周囲の空気をざわつかせ始める。村人たちに付き添うアーレイラ、バルディートと顔を見合わせたディーは、
「何も考えず俺の後ろを走れ!」
 銃を構えて怒鳴るように言った。
 走り出した一行に対し、家屋の影から飛び出したゾンビが襲いかかろうと迫ってきた。しかし、それらのゾンビはまだ極少数に過ぎず、ディーの銃撃によって一掃される。バルディートは自身の尻尾をムチのように振り回し、近寄ろうとしたゾンビを弾き飛ばす。ユーベルコードを発動するアーレイラも敵の進路を妨げ、村人たちを速やかに村の外へと連れ出した。
 姿を現したおぞましい脅威に悲鳴をあげながら、村人たちは命を守るため、家族を守るために逃げることだけを考えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ヒルダ・ナインハルテン
守る戦いなら私にお任せですわ!村人には指一本触れさせませんわよ!

皆が避難し終わるまでゾンビ共の足止めに参りますわよ。ユーベルコード【シールドチャージ】でゾンビの群れに向かって突撃、さらに地形破壊の効果でゾンビの進行速度を遅らせますわ。あくまで二足歩行で空を飛ぶこともできないゾンビなら効果はあると思いますの。

初撃を与えたらそのまま敵陣で派手に暴れて注意を引き付けますわ。派手に音を立てたりして【挑発】すればいくらかは足止めできるかしら?襲いかかってきたら【盾受け】からの【カウンター】で確実に仕留めていきましてよ。




 家屋の間を縫うように侵攻し、いよいよ村の中にまでなだれ込むゾンビの群れ。
「村人には指一本触れさせませんわよ!」
 大きな盾を構えるヒルダ・ナインハルテンは、圧倒的な数で迫る敵の群れにも果敢に突撃していく。次の瞬間、ヒルダの盾に激しく体を打ち据えられるゾンビたちは、次々と空宙へはね飛ばされた。
 戦車のように微動だにしないヒルダはゾンビたちの間をどこまでも突き進み、激突されたまま動かくなるゾンビたちがヒルダの後ろに列をなしていた。
 限界まで突撃を続けたヒルダは、ゾンビたちの包囲の
中で停止する。ヒルダは襲いかかろうと注意を向けるゾンビたちにも隙を与えず、勢いよく振り上げた盾で豪快に地面を突き砕いた。強烈な衝撃で足場を崩し、ヒルダの一撃は周囲のゾンビたちを大いに怯ませる。
「さあ、見ているだけで満足なのかしら? かかってきなさいな!」
 多くの注意を引き寄せようと、ヒルダは声を上げてゾンビたちを駆り立てる。
 ヒルダに喰らいつこうと襲いかかるゾンビたちは後を絶たないが、ヒルダは決して隙を見せず、相手を寄せ付けない。盾を最大限に生かした戦術で立ち回り続けるヒルダは、パラディンとしての能力を凛然と見せつけた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴァシリッサ・フロレスク
「殿軍は十八番中の十八番だ。正面から行くよ。」
そう言うとヴァシリッサは、村の外の大群の中でも一際厚い層へ吶喊する。
魔力で拡張した「マント」を翻しながら、右手にした自動拳銃の「2回攻撃」(ダブルタップ)で牽制して注意を引き、ゾンビの攻撃を「武器受け」で耐える。立ち塞がる者は左手のパイルバンカーで「串刺し」にしながら、より敵中深くへ。
周囲に敵が十分殺到した頃合いをみて、地面へ赤熱したパイルバンカー突き立て、『囚獄の燎火(ヴァルプルギス・ヴァッハフォイア)』発動。
周囲の敵の足元から爆炎を噴出させ、纏めて焼き払う。
「死んでも死ねないなんて辛かろうよ、灰になれば成仏出来るかい?」




 他の猟兵の力が及ぶ範囲から迂回し、村へなだれ込む瞬間の一群を見つけたヴァシリッサ・フロレスクは、
「殿軍は十八番中の十八番だ。正面から行くよ」
 そうつぶやいてマントを翻し、右手には拳銃、左手にはパイルバンカーを構えて突貫していく。ヴァシリッサが撃ち込んだ弾丸はゾンビたちの注意を引きつけ、多くの流れを引き寄せた。
 ヴァシリッサは身の丈ほどもあるパイルバンカーを振りかざすと、力任せに群がるゾンビたちを退け、敵陣深くへと踏み込む。分厚い壁となってヴァシリッサの周囲を囲むゾンビたちだが、ヴァシリッサは冷静にパイルバンカーを打ち出す構えを見せた。
「死んでも死ねないなんて辛かろうよ――」
 ゾンビたちが一斉にヴァシリッサへと手を伸ばす中、赤熱した杭がその足元に向けて打ち込まれる。その衝撃によって地面は大きく砕け、同時に無数に刻まれた亀裂からは炎が噴出した。吹き上がる炎は瞬時に一帯のゾンビを飲み込んでいく。
「灰になれば成仏できるかい?」
 あくどそうなニヤけ顔を浮かべてつぶやくヴァシリッサの周囲には、黒焦げになったゾンビたちが大量に積み重なっていた。多数のゾンビが炎に巻かれて逃げ惑うが、ヴァシリッサを再度包囲しようとする後続の姿も確認できた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エメラ・アーヴェスピア
くっ…とにかく時間が無いわね…!
申し訳ないけど、私では村人を説得できる気がしないの
だから、時間稼ぎに出るわよ

まずは急いでドローンを打ち上げ、一番数が襲ってきそうな方面を確認【情報収集】
いきなり湧いて出るわけではないでしょうし、大丈夫なはず
そしてその方面に『この場は既に我が陣地』…!
どれだけ時間を稼げるかわからないけど…頑張らせてもらうわ
近づかせないように撃ち続ける…!
(【一斉発射】【拠点防御】【時間稼ぎ】【地形の利用】)

私自身も屋根に上ってガトリングに攻撃指示、マスケットで銃撃するわよ
限界ギリギリまで粘って猟犬で脱出ね

私にはこれ位しかできないけど…あとは任せたわよ、同僚さん…!




 エメラ・アーヴェスピアは村に着くなり偵察用のカメラを備えたドローンを打ち上げ、カバーリングを必要とする方面、ゾンビの進路などを確認した。
 ゾンビたちの足音が迫るのを背後に感じながら、
「くっ……とにかく時間が無いわね……!」
 エメラは村人たちが逃げ切る時間を稼ごうと、数十に達する小型の魔導蒸気砲台を召喚した。自立した状態で戦闘に臨む砲台たちに足止めを任せ、エメラは村を見渡せる場所に陣取る。
 屋根の上でマスケット銃を構えるエメラは、避難する村人たちに気づき始めたゾンビに照準を合わせた。浮遊能力を搭載したエメラのガトリングガンも自動射撃を行い、先行しようとするゾンビたちを一掃しようとする。
 援護に徹するエメラは、ゾンビたちの注意を充分に引き寄せた。エメラが立つ家屋の周囲にはゾンビたちが群がり始め、耳障りなうめき声であふれ返る状況となった。遠くに見える姿を見送り、エメラは心中でつぶやく。
(「私にはこれ位しかできないけど……あとは任せたわよ、同僚さん……!」)
 エメラの下には猟犬型の魔導蒸気兵器が駆けつけ、エメラはそれにまたがって包囲からの脱出を遂げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『彷徨える屍騎士を髑髏が笑う』

POW   :    村人の手伝いをして信頼を得る

SPD   :    周囲を見回り、墓場で痕跡を探す

WIZ   :    腐臭について確認する

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵たちの助けを借り、ひたすら村から遠ざかった村人たち。その中には親に抱えられ、震える子どもたちの姿もあった。
 ゾンビたちの追手を振り切ったかと思えば、遠くに見える無数の影は、今までの進路とは逆方向を目指し始めた。大群の只中で奮闘していた猟兵たちにも目もくれず、ゾンビたちは戦意をなくしたように森の方へ引き返していく。

 戦場と化した村には、ゾンビたちによる被害の後が残されていた。庭や田畑は踏み荒らされ、住人を探し回ったらしい屋内も荒らされている。大半の家畜が食い荒らされ、その死骸も散乱していた。
 村長は憔悴した表情を見せながらも、猟兵たちに感謝を伝えた。
「あなた方のお陰で助かりました……村の者全員が無事だっただけでも幸いです。しかし、またあのような魔獣に襲われたらと思うと……ここを安住の地とするのは間違いなのかもしれませんな」
エメラ・アーヴェスピア
ひと先ず…何とかなったわね
さて、これからなのだけど…技能的には私は追跡した方がいいのだけど…
…いえ、撃滅するだけが猟兵じゃないわ。今回は村人の手伝いをしましょう

『我が工房に帳は落ちず』…村人さん、私に手伝える事は無いかしら?
(聞いた内容を元に主に力仕事を工兵達で数に任せてお手伝いします)
…ただ問題は、私のような者の話を聞いてくれるかどうかね…
(※外見子供・第一章の説得を諦めた理由もこれ)

それとできればでいいのだけれど、同時に『出撃の時だ我が精兵達よ』を展開し
兵達に村内の残敵探索と見回りを任せたいわ

大丈夫よ、すぐに原因も何とかするわ。




 ゾンビたちの影は確かに森へと引き返していった。追跡を優先するべきか迷ったエメラ・アーヴェスピアだが、村の有様を見て途方に暮れる村人に対し、
「……村人さん、私に手伝えることはないかしら?」
 エメラは1人の女性に声をかけた。
 幼い頃に体を機械化したエメラの成長は止まっている。相手から見れば子どもに映る自身の外見を気にかけつつも、エメラは20もの魔導蒸気工兵を従え、協力する姿勢を示した。
 見たこともない魔導蒸気機械に戸惑いつつも、女性は踏み倒されてしまった家畜用の柵を指し示した。
「あの柵を直したいのだけれど……それに鶏小屋も荒らされてしまって、鶏が逃げ出したままみたいなの」
 エメラは「お安い御用よ!」と、快く修復作業を引き受けた。工兵たちは手分けして柵を修理し、まだ生き残っていた鶏を連れ戻して来たりと、目覚ましい活躍を見せる。
「驚いたわ、あなたは魔女だったの!?」
 自動で動き回る工兵たちを目の当たりにした女性は、興奮気味に言った。
「村外れの森にも魔女の伝説があるのよ。ひょっとすると、あなたのように実在したのかもね」
「魔女の伝説?」
 興味深そうに聞き返すエメラに対し、女性は魔女の伝説について語り出す。
「あの森を北に向かって奥に進むと、大きな樹があるのだけど、昔その樹の根元には魔女の家があったそうよ」
 そこに原因があるのかもしれないと、深刻そうな表情を見せるエメラに対し、女性は「本当かどうかはわからないけど」と付け加えた。
「あの辺りはどこか薄気味悪いから、遠目に見るだけで誰も近寄らないのよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アーレイラ・モンクスフード
家畜の埋葬、汚れた家屋の掃除などを手伝います。

住み慣れた土地を離れる、その判断に踏み切れるのはとても勇気のいることだと思います。

家の中の使い込まれた物などを見ては
「それでも、愛着のある土地を離れるのは辛いでしょう?私達に、賭けてみませんか?」

木の実や薬草の採集している人か、森に狩りに出ている人、樵夫などから森の中に怪しい建物が無いかの情報収集を行います。

そして、他の猟兵、後続の方にも分かるように公開します。
先の闘いでゾンビの攻撃方法なども把握していればそういったことも含めて情報の共有をしておきます。

暗黒の時代なのかもしれません。
それでも我々が一筋の光明となり
いずれは遍く照らす光とならんことを。




 家畜の埋葬や荒らされた家屋の掃除を手伝うアーレイラ・モンクスフードは、村人たちの会話を耳にする。
「今までこんなことはなかったのになぁ……」
「移り住むことも考えねぇと、子どもらを守るためにも」
「しかし、ひい爺さんの代から開墾した土地を今更捨てるのも――」
 使い込まれた家具や、家族の思い出が刻まれた家々を眺めれば、愛着のある土地を離れることがどれだけ辛いことは容易に想像できる。
 アーレイラは暗い表情を見せる村人の男たちに、森の異変について尋ねた。
「ゾンビたちは森の方へ引き返したようですが、何か森の変化に心当たりはありませんか?」
 狩人らしい体格のいい男は、考え込むように首をひねると、アーレイラの問いかけに答えた。
「そうさなぁ……最近、鹿やイノシシを見かけなくなった気がするな」
 男は狩りに出かけた際、獲物を求めて更に森の奥へと進んだそうだが、その先で不気味な光景を見たと言う。
「森の奥には、俺らが『魔女の樹』と呼んでるバカでかい樹があるのさ。その樹の根元から、青白い光がぶわっとあふれ出てたんだ」
「青白い光ですか……」
 その男以外の村人は半信半疑なようだが、男は見間違いではないと断言していた。
 アーレイラは何かを決意したように言った。
「愛着のある土地を離れるのは辛いでしょう? 私達に、賭けてみませんか?」
 男はアーレイラのことを案じて警告した。
「あんた、森に行く気かい? 村のもんは誰も近寄らねえよ、魔女の樹に近づいたら呪われるぞって言われてな」

成功 🔵​🔵​🔴​



 村人たちが口々に語る『魔女の伝説』、『魔女の樹』。森の奥に何かがあることは確かなようだ。手がかりを求める猟兵たちは、互いの情報を共有し合った。
ヒルダ・ナインハルテン
村人達のことが気掛かりですわ。まずは皆さんの様子を見て回って怪我人がいたら回復の奇跡『回復せし聖域の柱』で怪我を治していきますわよ。幸いにも【救助活動】には少しは心得がありますので。
「私は神官騎士として困っている人は見過ごせませんのよ。このぐらい朝飯前ですわ。」

その間に村人の方々から少しでも情報が欲しい所ですわね。怪我を治した人やその関係者から【情報収集】のため聞き込みを行いますわ。
「ここ最近なにか変わった事、どんな些細な事でも構いませんわ。思い当たる事はありませんこと?」


名張・辿
根無し草の俺が住処を語っても空しいだけだねぇ、原因除いて安心させちまおう

まずは村でゾンビが破壊した家屋やモノにと法則性がないか、何か目的が見えてこないか考えてみようかい
手伝い代わりにちょっくら「掃除」しながら痕跡を調べてゾンビの性質とかのヒントでも得られたら本格的に追跡を検討するかね

「動物と話す」で小動物の助けも求めて、ゾンビの痕跡を探るとする
出所がそのヒントや法則性、手がかりを拾えるように頑張ろうかい

「戦闘中はどうもねぇ、また森が騒がしくなるもの嫌だろう? おじさん達が片付けてくるからちょっくら手伝ってくれ」

得られた情報は皆と共有しようか、頭のいい人に考えてもらうにしても、情報ありきだよね


バルディート・ラーガ
フゥー危ねえ、なんとか振り切れたか…しかし、改めて目の当たりにするととんでもねえ頭数だ。早くに頭を潰さないとやってられねえや…

よっ、と、背中の旦那さんは無事ですかい?乗り心地の悪い背中ですいませンねえ。足の調子がよろしくない旦那さんとうら若きお嬢さん、二人だけでこの有様を片すのは骨でしょう。あっしもお手伝いさせて頂きますぜ。

…しっかしまあ、なんで奴らと黒幕はこの村を狙ってくるンでしょうねえ?世間話なんかしつつ、村に妙な由来なんかあったりしねえもんか、ちょっくら伺ってみやしょうか。
【コミュ力、ロープワーク】




「特に目的というか……目に付く肉を片っ端から喰らってただけなのかねぇ」
 家畜の死骸を掃除するのを手伝いながら、名張・辿はゾンビの目的を探ろうと試みたが、本能的な行動以外は見えてこなかった。
 辿は森の奥にあるという『魔女の樹』の話を他の猟兵を通じて聞かされる。
 森の奥へ進むべきかと思案する辿の下に、森での戦いに協力したリスの1匹がやって来た。屋根の縁から辿を見下ろすリスに気づき、辿は言った。
「戦闘中はどうもねぇ、また森が騒がしくなるもの嫌だろう?  おじさん達が片付けてくるから、ちょっくら手伝ってくれ」
 リスは協力を惜しまない旨を辿に伝え、リスの言葉を理解する辿はその理由に納得した。
「この村の嬢ちゃんが怪我した仲間を助けてくれたと……なるほどねぇ、旦那もなかなか義理堅いじゃないか」
 そのリスが見つめる先には、バルディート・ラーガに感謝を伝える少女の姿があった。
「ありがとうございました! あなたは命の恩人です」
「二人だけでこの有様を片すのは骨でしょう。あっしもお手伝いさせて頂きますぜ」
 少女の父親は、バルディートの申し出に心からの感謝を示した。
「すまんな、旅のお方……何から何まで、かたじけない。わしはフィリップと申します」
 バルディートは荒らされた屋内の掃除を手伝いつつ、フィリップからめぼしい情報を引き出そうとする。
「……しっかしまあ、なんで奴らはこの村に? 何か心当たりがあれば、聞かせちゃもらえませんか?」
 髭をなでながら考えを巡らせていたフィリップは、「以前にも、旅人が村を訪ねてきましてな」と、少し前の出来事というのを語り出した。
「なんでも、『魔女の宝珠』を探して旅をしていると話されましてな……わしらは森の『魔女の伝説』を伝え聞いているばかりですし、森の奥にある『魔女の樹』には近づくことすら避けておりました」
 その旅人は『魔女の樹』に向かったようだが、それ以降姿を見せることはなかったとフィリップは語った。

「私は神官騎士として困っている人は見過ごせませんのよ。このぐらい朝飯前ですわ」
 一方、ヒルダ・ナインハルテンは避難した際に怪我をした村人の治療に専念する。
 ヒルダが生み出す光の柱は聖なる輝きを放ち、足を擦りむいた子どもの怪我を高速で治癒させていく。
 暗い表情を見せていた子どもたちだが、ヒルダの不思議な術を見て目の色を変えた。
 母親の1人はヒルダに感謝を示しつつも、ゾンビの存在を憂慮して言った。
「あなたたちのような方が村にいてくだされば心強いのですが……また化け物に襲われたら、どうすればいいのか――」
 ヒルダは「その諸悪の根源を断ち切ってみせますわ」と堂々と宣言し、母親に尋ねた。
「ここ最近なにか変わった事、どんな些細な事でも構いませんわ。思い当たる事はありませんこと?」
 母親もフィリップと同様に、『魔女の宝珠』を探す旅人のことをヒルダに話した。そこへ辿が『魔女の樹』を調べにいくことを提案しに来た。
「ここにいる旦那が、その樹まで案内してくれるとよ」
 辿は自身の肩に乗っている1匹のリスを指して言った。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



 猟兵たちの案内を担うリスは、木々の枝葉を伝って森を駆けていく。その跡に従って森の奥へと進めば、村人の言う通り、大樹の影が見えてきた。遥か昔からこの地に根付き、何百年という樹齢を重ねてきたに違いない。
 大樹の反対側に回り込むと、苔むした岩と樹の根の間、根本には1つの部屋ほどの空間がぽっかりと空いていた。その中からはかすかに何かの光がもれている。
 根本の空間を覗き込むと、その中には抱え切れないほどの大きさの宝珠が鎮座していた。これはまさしくゾンビを操る死霊術士が扱う宝珠に違いない。
 周囲には猟兵たち以外の人の気配は感じられない。今ならば、邪魔されずに宝珠を壊すことができそうだ。
アーレイラ・モンクスフード
宝珠の破壊ですか、良い存在では無いでしょうが、臆する理由もありません。行きます。

「お気遣いありがとうございます。ですが、この身は既に呪われた身、魔女が呪うと言うなら存分に、と言って差し上げます」

今更呪いの一つが増えたところで変わりません。

真の姿の片鱗見せ、夜空のマントの中からユーベルコードで星の精霊を呼び出し、警戒状態で森へと進みます。

ゾンビが向かってくるならそのまま戦闘し数を減らします、来ないなら木の洞に入り宝珠をたたき壊します。

無反応ということは無いと思うので、洞の出入り口を星霊で固めゾンビに四方を囲まれない戦い方を心がけます。

元凶の大物が居るとしたらその出方次第で応戦もしなければですね。




「お気遣いありがとうございます。ですが、この身は既に呪われた身、魔女が呪うと言うなら存分に、と言って差し上げます」
 アーレイラ・モンクスフードは『魔女の樹』の存在を話した村人に対し、そう言い残して森の奥までやって来た。
「巡り廻る星の子ら、数多にして独りなる者よ、その一握を我が前へ――」
 真の姿の片鱗を見せるアーレイラは、銀河を切り取ったような星光を散りばめたマントを翻し、星の精霊の一群を周囲の警戒にあたらせた。
 森に潜んでいるであろうゾンビの姿を確認できないまま、大樹の洞の中の宝珠を目の前にするアーレイラ。
 アーレイラは警戒を怠らず、流星のように飛び交う精霊たちに指示を出し、洞の出入り口周辺の守りを固めさせた。
 ――今更呪いの1つが増えたところで変わりません。
 アーレイラは光輝くメイスを具現化させ、その先端を臆することなく宝珠に叩きつけた。青白く輝いていた宝珠には一瞬で大きな亀裂が走り、その輝きを失うと同時に台座から崩れ落ちた。原型をとどめずに砕けた宝珠を見下ろし、洞の外に出たアーレイラは再度大樹の周辺を見渡した。
 ゾンビを操っていた存在が現れることを警戒していたアーレイラは、遠くから響く馬のいななきを耳にした。やがて蹄の駆ける音が、アーレイラたち猟兵のもとに近づいてきた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『異端の騎士』

POW   :    ブラッドサッカー
【自らが他者に流させた血液】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【殺戮喰血態】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    ブラックキャバリア
自身の身長の2倍の【漆黒の軍馬】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    フォーリングローゼス
自身の装備武器を無数の【血の色をした薔薇】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「ああ! なんてことを……!?」
 蹄の音と共にやって来たのは、禍々しい空気をまとった漆黒の軍馬に、それにまたがる漆黒の甲冑騎士。騎士の軍馬に同乗していた術士らしきローブの男は馬から飛び降り、大樹の洞の前に膝をついて嘆いた。
 宝珠が破壊されたことを知った黒騎士は、兜の下から重々しい口調で静かに怒りを発した。
「この愚か者が……屍兵を仕向ける方角を誤るとは」
「お、お許しください! どうかお慈悲を!!」
 男は泣き叫ぶように黒騎士に懇願した。
「すべての責務は貴様にある――」
 鞘から剣を抜き放った黒騎士は、止める間もなく男をその刃で刺し貫いた。
「その命で償うがいい」
 胴体から剣を引き抜かれた男は、その場にくずおれ事切れた。
「我らの宝珠を破壊し、屍を戦力とする計画を頓挫させた貴様らも同罪よ。今ここで償え」
 黒騎士は猟兵たちを斬り捨てようと剣を構え、明白な殺意を示した。
アーレイラ・モンクスフード
数で攻めてこなかったのは幸いですね。
会話が聞こえてきましたが、怒りであまり冷静そうではない様子
挑発して攻撃をこちらに向けて、攻撃タイミングを計り易くならないか試してみましょう。

「愚か者?誤る?すべての責務?丁寧な自己紹介痛み入ります。」
ユーベルコードいつでも発動できるように心構えて姿を見せます。

「方角も何も、人を襲い屍兵を増やせばいずれ人の耳に入りますよ?」

敵の攻撃のタイミングに合わせてユーベルコードを発動、軽減しながらダッシュで近づき大鎌で攻撃を行います。

間合いによって武器を変形させ、戦闘方法を変えて動きを読みにくくさせます。




 宝珠の破壊に激怒しているであろう黒騎士に向かって、
「愚か者? 誤る? すべての責務? 丁寧な自己紹介痛み入ります」
 アーレイラ・モンクスフードは皮肉を込めて言った。
 相手の攻撃を誘おうと、アーレイラは挑発を続ける。
「方角も何も、人を襲い屍兵を増やせばいずれ耳に入りますよ?」
 騎乗したままの黒騎士の剣先からは決して目を逸らさず、アーレイラは感覚を研ぎ澄まして攻撃の機を窺う。
「私たち猟兵が、それを食い止める未来は変わりません――」
 すると、アーレイラの狙い通りに黒騎士は攻撃を仕掛ける。騎乗状態から放たれる一撃と共に、アーレイラは並みならぬ神の力を発露する。その気配を感知しながらも振り切った黒騎士の刃は、アーレイラの体を弾き飛ばした。しかし、黒騎士自身も反動を受け、馬と共に体を反らす。
 能力の発動と共に無傷に近い状態を維持したアーレイラは、黒騎士が怯んだ瞬時に自らの力を大鎌の形に顕現させる。光を放つ大鎌がその身へと迫ったが、黒騎士の剣は確実に攻撃を受け止めた。跳ぶように後退するアーレイラに向けて振りさばかれる剣は空を切り、アーレイラの武器は銃へと形態を変えた。
 アーレイラの銃撃をその甲冑で受け止めながらも、馬を走らせる黒騎士は動じることなく、距離を取ったアーレイラへ迫る。
 アーレイラは大樹の幹を駆け上がるようにして黒騎士の頭上へと躍り出た。再び出現した大鎌は黒騎士の首筋をなぞろうとしたが、その狙いは肩口へと逸れていく。
 確実に受け身を取って着地するアーレイラは黒騎士を見据え続け、互いに隙のない構えで相手をけん制し続ける。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

名張・辿
一応聞いとくよ、本来はあのゾンビども、何に使う予定だったのさ
なんて答えは期待せずに聞いてから戦闘開始しようかね

【鼠鬼強襲】を使用、「騎乗」して騎馬戦をしかけようか
小回り聞かせて速度より運動性で勝負かね

呼び出される軍馬を直接狙って、毒で体力を削ごうとしてみようか、
「医術」「毒使い」の見地から短剣に武器塗るなり、直接薬瓶投げつけるなりして毒を仕込むよ
この手の騎獣は生命力共有がお約束だしな

そうして意識を毒に向けられたら「フェイント」から「武器落とし」「盗み攻撃」で装備を奪えるか狙ってみようか、
手元から落とせれば「念動力」で回収しちまおう

上手くいかずとも毒の存在や手元に意識を割いてくれれば十分かね


バルディート・ラーガ
いわくつきの宝珠をブッ壊しちまって、いよいよ敵さんも真打がお出ましかい。油断せず…いきやしょうや。

一撃でお仲間さんを屠れるあの膂力、真っ向勝負はしたくねえなア…ここはあのお馬サンの足あたり、上手いこと絡め取れるかひと勝負といきやしょうかねえ。狙うは落馬、可能ならお馬サンの完全な無力化ですよう。




「小癪な――」
 猟兵の実力を見せつけられ、苛立たしそうにつぶやく黒騎士。その直後に名張・辿は問いかける余地を見出し、
「一応聞いとくよ、本来はあのゾンビども、何に使う予定だったのさ」
 辿の問いに対し、黒騎士は当然ながらにべもない反応を返す。
「貴様らと無益な話をするつもりはない。死ね!」
 騎馬戦に持ち込もうとする辿は、ゾンビとのゲリラ戦でも呼び出した巨大なネズミを召喚する。
 辿がまたがるネズミは、黒騎士の軍馬よりも遥かに優れた機動力を発揮する。小回りの良さを生かし、辿は翻弄される軍馬を狙う。引いては攻めるを繰り返す辿は、鉤付きの短剣に毒を仕込み、確実に馬を弱らせようと図った。
 馬は傷を負う度に黒騎士を振り落としそうな勢いで暴れ出し、黒騎士は手綱を取りながらもままならい状況に追い込まれる。右往左往しているように見えた軍馬だったが、その後ろ足は狙い澄ましたように辿のネズミを蹴り飛ばした。
 辿のネズミは、腹部に一撃を受けて「ギィイッ!」と尋常ではない一声をあげる。黒騎士は振り返り様に辿へ剣を向けたが、うずくまりかけたネズミは気力を振り絞り、辿を乗せてその頭上に迫った一振りを寸前で回避した。
 辿だけでなく、自らのオーラを駆使するバルディート・ラーガも、厄介な軍馬を無力化しようと行動に出た。
「ひと勝負といきやしょうかねえ」
 そうつぶやくバルディートは自らのオーラをその手に集中させ、砲弾と化す一撃を馬の足元目掛けて放った。軍馬諸共煙と爆風に巻き込まれた黒騎士だが、直後に馬から降り立った姿が煙の向こうに現れる。
 馬はバルディートの狙い通り、バルディートから伸びるエネルギー体の鎖によって足を絡め取られ、横たわったまま地面の上をもがいていた。
 剣を構えた状態でバルディートに意識を向けた黒騎士だが、辿は透かさずその妨害に出る。辿の短剣は確かに黒騎士の手元を捉えたが、黒騎士の剣は形を失い、ある物に変化した。
 剣は無数の薔薇の花びらとなって周囲に舞い散り、横たわっていた軍馬の姿も花びらとなって崩れていく。一帯に深紅の花吹雪が吹き荒れ、辿たちは黒騎士の間合いから退かざる負えなくなる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヒルダ・ナインハルテン
武器が変化…!?なんだか嫌な予感がしますわね…!
咄嗟に前に出ると●シールドリフレクトを使用して敵ユーベルコードの相殺を試みますわよ。【盾受け】それに味方を【かばう】ことで技能も使わせてもらいましてよ。

「私の盾と貴方のその薔薇とどちらが勝るかしら?いざ尋常に勝負ですわ!!」

あの厄介な薔薇をかき消せれば味方も一気に攻めることが出来ますわ。私が出来る一手は他の方の「攻めるための道」を作ること。一歩も引きませんわよ!!




 すっかり武器の形を失い、黒騎士の剣は深紅の花吹雪と化した。幻想的な光景ではあるが、オブリビオンが生み出すものには嫌な予感を禁じえない。
 ヒルダ・ナインハルテンは油断することなく盾を構え、誰よりも前に戦線に進み出ると、
「私の盾と貴方のその薔薇と、どちらが勝るかしら? いざ尋常に勝負ですわ!!」
 黒騎士の注意を引こうと啖呵を切った。
 周囲を漂っていた花びらは統制の取れた動きを見せ、ヒルダは同時に自らの盾に聖なる力をまとわせる。
 花びらは黒騎士の手の動きに沿って流れを変え、優雅に宙を舞っていた印象からはかけ離れた攻撃が放たれる。真っ赤な渦を巻き、空気を震わせる花びらの洪水がたちまちヒルダへと襲いかかった。
 ヒルダの体は激流に飲み込まれたが、掲げられた盾は微動だにしない。わずかな遮へい物となる盾は花びらの激流をかき分け、盾に突き刺さっても不思議ではない勢いの花びらを弾き続けた。
 盾を眼前に掲げ続けるヒルダだが、その体もただでは済まない。刃のように切れ味鋭い花びらが、ヒルダの四肢を数え切れないほどにかすめていき、絶えず痛みが走った。それでもなお黒騎士の攻撃を無力化しようとするヒルダは、盾を構える手に一層力を込める。
 激流の中、ヒルダが渾身の力で突き出した盾は、爆発的な反動を放って花びらを押し戻した。逆流した多くの花びらが散り落ちたが、ヒルダに向けて手をかざし続ける黒騎士は花びらの流れを止めない。

成功 🔵​🔵​🔴​

リコリス・シュピーゲル
これは騎士様、ご挨拶が遅れてごめんなさいね
はじめまして、そしてさようなら

【ミレナリオ・リフレクション】でフォーリングローゼスを模倣するわ
先程この目で学ばせていただきましたもの
騎士様までの道のりを薔薇で彩るなんて素敵だわ

懐に飛び込んだら、槍形態にしたフラムで鎧の継ぎ目あたりに突き刺すの
フラム、炎の赤も美しいと教えて差し上げて

もし他にユーベルコードで攻撃する方がいらしたら、私はその方を支援しますね
【ミレナリオ・リフレクション】で守りを固めて、こちらの一撃を確実に

「オーラ防御」や「見切り」等を駆使して先に倒れないよう努めなくては

絡みアドリブ等大歓迎




 リコリス・シュピーゲルは技を模倣する能力で対抗し、
「はじめまして騎士様、そしてさようなら」
 弱まりかけた花びらの勢いを完全に打ち消そうと働きかける。
 リコリスが操るバラの花びらと黒騎士の花びらは交り合い、次第に濃く渦巻いていた花びらは削られ、風に吹き散らされるばかりとなった。
「騎士様の最後の勇姿を薔薇で彩るなんて、素敵だわ」
 その一言と共に、リコリスに付き従う小型の翼竜のフラムは、槍の姿へと変身したその身をリコリスの手に委ねた。
 花びらを再生させようと力を集中させるあまり、黒騎士は鋭い動きで迫るリコリスに隙を与える。
 リコリスが放った槍の一突きは黒騎士の脇腹を捉え、甲冑の継ぎ目へ差し込んだ切っ先から確かな手応えを感じた。その瞬間、再び深紅の花びらは凄まじい勢いであふれ出す。
 足元から大量に舞い上がった花びらを、槍で振り払いながら飛び退いたリコリス。黒騎士は瞬く間に剣の形を復元し、リコリス目掛けてその一太刀を放った。リコリスは咄嗟に黒騎士の剣を槍で受け止め、その衝撃で弾き飛ばされながらも受け身を取った。
 リコリスから受けた傷を物ともしない動作で立ち回り、
「貴様らの最後にこそ相応しい花だ……無様な姿も少しは増しになるだろう……!」
 黒騎士が操る無数の花びらは、猟兵たちの周囲を覆い尽くそうと宙に舞い始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィロメーラ・アステール
待たせたなー、誰か星の光とか呼んでただろ!
ん? なんか違う?……まあ細かいことはいいや!
「ちょうどいい舞台があるからいっちょ踊っていくかー!」

【星の遊び場】を発動だ!
踊りの【パフォーマンス】で【祈り】を捧げ、【第六感】の超感覚を通じて星と交信!
星……つまり世界に【勇気】を与えて【鼓舞】することで、異物であるオブリビオンに対抗する力を活性化するぜ!
あたしの魔力も込めて聖なる突風を吹かせる【破魔】の【属性攻撃】の【全力魔法】を放ち、黒騎士の力を殺ぐぞ!

ついでに花びらを巻き込んで装備を【盗み】取ってやれー!
【気合い】でヤツの支配を断ち切れば多分イケる!
イケなくても気を惹くことはできるんじゃないかな!



 どこを見ても花びらが舞い始める中で、黒騎士は光り輝く蝶のような存在に気づいた。
「いっちょ踊っていくかー!」
 それはフェアリーのフィロメーラ・アステールが舞い踊る姿で、抑圧されたこの世界に勇気と鼓舞を与えようと、フィロメーラは全身を使ってそれを表現する。フィロメーラの踊りは世界への祈りを捧げると同時に、花びらの動きを乱す風を送り込んでいく。
「世界の星々よ……過去からの異物は取り除いてやるぜ。あたしに破魔の力を与えてくれよな!」
 フィロメーラらしい祈りの言葉を捧げると、その体から生じている聖者の輝きが増幅されていく。
 フィロメーラが巻き起こす風は、やがて土煙を巻き上げるつむじ風へと変化した。深紅の花びらを巻き込み、大半の花びらを土煙と共に巻き上げていく。その中に黒騎士も閉じ込められたように見えたが、フィロメーラが引き起こした風は異常気象級の猛威を振るい始めた。
 太い枝を折られる樹木、立っているだけでも強風の抵抗を受ける最中、フィロメーラは木の枝に必死にしがみついていた。
「あはははは! やばいぜー!」
 激しい魔法の暴走をフィロメーラ自身も制御できず、笑うばかりの本人を仰ぎ見ると、
「けど、やばい状況なのは相手も一緒だ! 結果オーライ☆」
 フィロメーラの言う通り、つむじ風の中から投げ出された黒騎士は樹の幹に激突し、今まさにその根元に膝をついている。
 共に動きを制限される状況の中、戦局はどちらに傾くのか――。

成功 🔵​🔵​🔴​

早見・葵
黒騎士も満身創痍のようですね。一気に畳みかけてしまいましょう
『本来であれば一騎打ちで倒したいところですが、そうも言っていられないのが猟兵です』
剣を構えて、一気に距離を詰めます。

桜華がいるなら援護を受けつつ、相手の攻撃を【見切り】
「タイミングは合わせるので、どうぞ好きなように。」

剣戟【武器受け】にて弾いていきます。
渾身の一撃を相手が放つなら【第六感】で察知して距離を取ります。

隙ができたら、白龍を槍に変化させ、突撃しDrache Jagdを仕掛けます。
【串刺し】【鎧無視攻撃】

倒せたなら、良好です。
まだ立っているのなら【投擲】で白龍を投げつけ、剣に持ち替えてもう一撃!

不幸がここで立ち切れたら良。


花咲・桜華
葵ちゃんのお願いだから手伝いに来たよ!
黒騎士もそろそろ永眠の時間だよー

ダガーとワイヤーフックを使い速さを活かした戦法でいくよ
【見切り】相手の動きを見て効果的な攻撃を選択する
【忍び足】葵ちゃんに意識が向いたら、音も立てずに近づいて攻撃する
【逃げ足】当たったらひとたまりもないから、攻撃したらさっさと離れる
ヒット&アウェイで相手の隙を造ることが目的だから、ダメージよりも攪乱になるかな

葵ちゃんが仕掛けるようなら、隙を作るために『奇跡の破壊者』で相手の動きを止めちゃうよ!

最後まで油断はしない。倒しきるまで攻め続けるよ!

倒したら、怪我してる人を手伝ってあげるかな。
大丈夫そうなら、葵ちゃんと帰るよー



(「本来であれば一騎打ちで倒したいところですが、そうも言っていられないのが猟兵です」)
 早見・葵は強風にあおられながらも剣を構え、共に加勢する花咲・桜華に耳打ちした。
「タイミングは合わせるので、どうぞ好きなように」
 桜華は屈託ない笑顔を浮かべて葵に応えた。
「了解! 全力で援護するよ」
 次第に強風が収まり始めるのを感じつつ、葵は幹に寄りかかる黒騎士へと攻めかかる。
 黒騎士は自らの手甲で葵の剣を受け止め、力強く葵の体を押し退ける。その直後に視界に深紅の花びらが舞い、黒騎士は葵に向けて確かな殺意を放つ。
 黒騎士の手に瞬時に現れた剣は、飛び退いていく葵の目の前の地面を深々と抉り、葵に対し連続で攻撃を仕掛けた。己の剣と剣で火花を散らす両者だが、葵は相手から放たれる強力な一撃を察知し、確実に攻撃を避け切る。
 黒騎士と互角に剣戟を繰り広げる葵。黒騎士が葵を打ち負かそうと意識を傾ける間にも、桜華はフック付きワイヤーを放って付近の木々の間を飛び移る。
 ワイヤーを利用して回り込み、予期せぬ死角から現れた桜華は黒騎士へと飛びかかった。ダガーの刃を黒騎士に突き立てようとしたが、寸前で桜華の動きを感知した黒騎士の腕とぶつかり合い阻まれる。地面にその身を投げ出した桜華に向けて黒騎士の刃が振り下ろされたが、瞬時に跳ね起きる桜華は相手のかく乱に臨む。
 黒騎士は力任せにねじ伏せようと、2人を幾度となくはね退けるが、しつこく食い下がる2人の連携が黒騎士の頑強な構えを崩していく。
「もう、そろそろ――」
 黒騎士が桜華の手の中で瞬く光に気を取られた瞬間、
「永眠してもらうよ!」
 桜華が発動したユーベルコードが黒騎士を襲う。
 耳をつんざくように轟いた雷鳴と共に閃光が走り、同時に振りかぶった桜華の手には鎖が現れる。
 怯んだ黒騎士を桜華の鎖が打ち据えようとするまでの刹那、小型の白龍が葵の手の中へ飛び込み、その姿を白銀の槍に変化させた。
 黒騎士を自らの槍で貫こうと踏み込む葵。神速の域に達する葵の一撃が黒騎士の胸部を捉え、分厚い装甲を確実に砕く。深く入り込んだ槍の根本をつかんだ黒騎士は、葵の動きを封じる行動を見せた。が、葵が剣を抜こうとした瞬間に黒騎士の体は傾き、地面に手をついてくずおれる体を支えた。
「お……の、れ……えぇぇ!」
 無念さをにじませて低くうめいた黒騎士だが、その体は間もなく骸の海への排出を促される。次々とめくれあがった兜の先端から、黒騎士の体は深紅の花びらとなって散り散りになる。風に吹きさらされた花びらは、どこまでも遠くへ運ばれ、その場から消え去った。

「やったね、葵ちゃん!」
 とどめを放った葵を称える桜華に対し、
「これでより多くの不幸を断ち切れればいいのですが」
 まだどこか悩ましい表情を見せる葵は、村人たちに原因の報告に向かうことを促した。
 実直に善行を貫くことを信念とする葵は、今回のことから感じたことを口にした。
「村人を守れたことも、オブリビオンを倒せたことも――協力が百を万にするのでしょうね」
「そうそう、ボクすごい頑張ったよね?」
 桜華が冗談めかした一言を言いながら葵の顔を覗き込むと、その表情はより清々しいものに変わっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月15日


挿絵イラスト