NINJAがカギを出荷よー。そんなー!
●忍ばない者と書いてNINJA。
ここはとある街の裏路地。そこを慌てた様子で一人のとてもまるっこいテレビニウムが物を蹴散らしながら走っていた。
「たっけてーーー!!」
いつもなら顔には表情を表す顔文字が ディスプレイに表示されているが、今の彼女――らんらんの顔に表示されているのはカギのマーク。
いつからかわからない、いつも通りらんらんが出荷よーと食べ物を運んで皆と楽しく食べていたら気づいたら顔がこうなっていた。何かおかしい所があるかなと友人知人たちと話していた所に、怪人達に取り囲まれ襲われたのだ。
散り散りになって逃げだすも、怪人たちはらんらんを集中的に狙い追ってくる。
友達の方に行きたいけど大事な友達だしね。じゅわじゅわな事にされたら困るし?でも大変な事に変わりない。
後ろを振り向きたいけど振り向いたら負けな気がする。というか追いつかれる。
でも見ちゃう。だって――。
「ニンニンニン!!」
「ニン!」
「ニンニンニンニンニン!!」
NINJAが追ってくるのだから。
「やーん!!ねぇねぇなんで追って来るのー!!」
「ニンーー!」
「うわなにこれ怖い! はあまじはあ!?」
本当に負けそうならんらん。丸っこいテレビニウムは窮地に追い詰められるのだった。
ずるんずてん、ずざー。
あ、こけた。
●こんな感じでもピンチです。
「わふっ。皆ー! 事件だよー!」
肉球を机にぽふぽふして集まった猟兵達に声を掛けているのは黒柴・豆太郎(豆柴わんこ・f00077)だ。椅子に立って精いっぱい声を掛ける姿はとても愛らしい。だが、事件とあれば誰かが危機に陥っているという事だ。猟兵達はもふもふしたい衝動を我慢して話を聞くことに。
「えっとね、キマイラフューチャーでテレビニウムさんたちに異変が起きたって話は聞いてるかな? 顔にカギのマークが出るってお話」
色々な世界の話題に事欠かない猟兵達もその話は聞いたことがあると頷く。豆太郎も肉球型のグリモアを展開して一人の丸っこい……こう…太った豚さんのようなテレビニウムを映し出す。
「この子、らんらんっていうテレビニウムさんなんだけど。この子も顔にカギのマークが出てて追われてるみたいなんだ。何が原因でこうなったかわからないけど、助けない理由もないし、とても友達思いの良い子だから助けてあげてほしいんだ」
とても特徴的なテレビニウムでちょっと馴染みの有りそうな愛嬌のある名前だ。だが、豆太郎の言う通り助けない理由なんてない。
「今は忍ばない忍者……忍者って何だろうね。とりあえず紫御殿っていう仮面が本体の忍者さん達に追われてるから急いで助けてあげて!」
暁月
はい、暁月です。危機な事には変わりはありませんがシリアスなんて無かった。
今回はキマイラフューチャーでテレビニウムを助け出す依頼になっております。三章通して戦闘となっておりますので戦いたい人はぜひ参加を。
追われてるらんらんは一般人なので戦えません。らんらんだからしかたないね。
一章、二章共に集団、三章はボス戦となっております。
今回は4月30日までにシナリオを完結する予定ですのでいつもより早い執筆になる予定です。
それではみなさん、振ってのご参加をお待ちしております。
友人や旅団での参加の場合はIDや旅団、チーム名などの記入をお願いします。
第1章 集団戦
『紫御殿』
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POW : 仮面合身の術でござる!
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【男子がカッコいいと思うもの】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD : 仮面手裏剣の術でござる!
【懐】から【自動追尾する真っ白な仮面】を放ち、【相手の視界を塞ぐこと】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 仮面狼群の術でござる!
【仮面を被った狼の群れを召喚、爪や牙】が命中した対象を切断する。
イラスト:りょうま
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ユキ・コシイ
【あいや待たれよ!】
『どーもニンジャさん、ナノ山と』
【テレ彦と】
…ユキです
『その子には指一本触れさせないぞ!』
…というわけで、何が起こっていて何が目的かはわからないけど…
オブリビオンの動きは、阻止して間違いはないはず。
さあ忍者の皆さん…私が、猟兵がお相手です。
集団で来ようと、狼の群れを召喚しようと…
数には数で対抗。【HIGH TRUE LOVE】を歌い上げながら自律兵器群を呼び出し…一斉攻撃で仮面を砕いちゃいましょう。
…あと、鍵マーク隠せば…オブリビオンに狙われにくくなるかな?と思ったり
らんらんちゃん、コンコンしたらでてきた…これ
これで顔隠してみない…?(おもむろに掲げる顔文字めいたお面)
●出荷を阻止せよ。
猟兵達が駆けつけた時には丸っこい子ブタの様なテレビニウム――らんらんがオブリビオン達に囲まれていた。
今にもその凶刃を振われそうならんらんは――
「やーん! 捕まえて私に酷い事をしようとしてるんでしょ! 同人みたいに! 同人みたいに!」
「いや、それはないニン」
「真顔で否定された!? というか喋れたんだ!」
意外と余裕がありそうだった。これなら急ぐ必要もなかったかもしれないが、オブリビオンは速く倒すに越したことはない。
ユキ・コシイ(失われた時代の歌い手・f00919)は紫御殿達の注意をひきつけるべく、大声で声を掛ける。
【あいや待たれよ!】
『どーもニンジャさん、ナノ山と』
【テレ彦と】
「……ユキです」
『その子には指一本触れさせないぞ!』
「ニンニン!!」
くっ、猟兵か。とでも言ってるのだろうか。紫御殿は仮面の瞳に殺意を滾らせユキをにらみつける。
そこでやっと猟兵達の存在に気付いたのか。らんらんは目を――ディスプレイがカギになってるから解らないが多分目を輝かせて興奮した様子で立ち上がる。
「おほっーーー! 猟兵さんだ。やっちゃえやっちゃえそこだー!!」
【その前に】
『早く』
「……離れて。邪魔」
「あ、はい」
しょぼーんとした様子でらんらんはそそくさと物陰に隠れる。だがまた追われたらどうしようと思ってるのか、その場から動かない。猟兵達としてもまた追いかける事から始まるのでそっちの方が有りがたかった。
紫御殿達も猟兵達を倒さなければらんらんを狙う事は出来ないと判断したのか、らんらんを追う事もなく仮面の瞳をギラリとユキに向ける。
「貴方達の目的が何か知らないけど……オブリビオンの動きは、阻止して間違いはないはず。さあ忍者の皆さん…私が、猟兵がお相手です」
ユキは武器を構えるでもなく、まるで何かを披露するかのように優雅に進み出て、『ナノ山さん』と【テレ彦】を両手を広げて相手に向け、小さな口を開く。
「歌うことも、愛することも全て、私に委ねて―」
ユキが披露するのは【HIGH TRUE LOVE】。無論ただの歌ではない。
歌に寄せられるように空間が歪み――無数の自律兵器群が紫御前を囲むように姿を現す。
歌に気を取られて先手を逃した紫御前達だが、そこはNINJA。素早さだけなら負けるつもりは多分ない。
即座に近場の無機物――段ボールやコンテナなどを取り込み、二倍の大きさと化してユキを叩き潰さんと拳を振り上げる。
その姿は雑なつくりではあるが、素材にダンボールも使っている事もあり見事な超合金っぽいロボの姿となった。素材は雑だが、ユーベルコードの恩恵により驚異的な一撃を生み出す。らんらんは怯えている。豚、じゃない。一般テレビニウムだから仕方ないね。
超合金的なダンボール拳がユキを捕え――るよりも早く、展開した自立兵器軍が拳を反らす様に一斉射撃で腕を撃ち貫き、その巨体が仇になったのかコンテナとダンボールで出来た身体に幾重ものの弾丸が穿たれる。
素材が素材だったが、見た目は立派だった紫御前達の段ボールロボ群は崩れるように倒れ、黒い霧となって消滅していく。
残骸も残さずに消えた紫御前達。ここだけはNINJAらしいともいえるだろう。
自分を追ってたオブリビオン達が消えたと思ったのか、ほっとした様子でらんらんが物陰から転がりながら出てくる。どう見ても豚っぽい。
「助かった―。もうなんだよーあれー。やんなっちゃう。でもでももう――」
「ニンニンニン!!」
「ニン!」
「くそげー!!」
助かったと思いきやまた上からNINJAが降ってきた。らんらんは叫びながら転がるように元の場所に収まる。
どうやら次々と集まりだしているようだ。
ならば好都合。全てを倒せばもっと安全になる。そう思い猟兵達は各々に武器を構えるのだった。
成功
🔵🔵🔴
ハロ・シエラ
何故彼女が狙われるのかは気になる所ですが、まずは守る所からですね。
私は特段射程に優れる訳でもありません。
彼女の近くで襲い来る敵を叩きます。
必然的に【カウンター】主体の戦闘になるでしょう。
相手は複数、動きを【見切り】ながら【早業】で素早く倒します。
ユーベルコードも使ってとにかくスピード重視で一人ずつ片付けましょう。
攻撃をかわしたいのは当然ですが、視界を塞がれると困るので、仮面手裏剣だけは優先して斬り落としたいと思います。
それでも視界を奪われてしまったら……【第六感】で戦うしかないですね。
●誰よりも速く
「ニンニンニン!」
「ひゃわーーー!? なんか飛んできた―!」
らんらん目掛けて投げられた白い仮面。これを顔に叩きつけられればらんらんの可愛い顔……顔? 画面が仮面で覆い隠され逃げる事も出来ないだろう。
無論、当たればの話だが。
キンキンキンと金属同士がぶつかり合い、仮面が地面にたたき落とされる。
「彼女には手を出させません」
紫御前達の前に立ちはだかったのはハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)だ。彼女の早業の剣技の前には仮面手裏剣は一つたりとも通ることはなかった。
「ニンッ!」
舌打ちの代わりだろうか。やはり先に猟兵を仕留めるべきだと次はハロに向けて仮面手裏剣が飛び交う。その数は六つ。六体の紫御前から放たれた仮面手裏剣がハロの視界を防ぎ、倒しやすくすべく襲い掛かる。
「捉えられないほど、疾く!」
極限まで集中力を研ぎ澄ませたハロの持つ蛇切の名を冠し、蛇の血と毒で鍛えられた特殊な形状の短剣――サーペントベインにより一閃、二閃、三閃と瞬く間に叩き通し、こじ開けた仮面手裏剣の隙間を掻い潜って紫御前に肉薄し、仮面を狙って横に一閃。
「ニンーー!?」
たったそれだけの一撃で紫御前は消滅し、続けざまに目の前の仲間がやられて硬直している紫御前の仮面の額を穿ち連続で仕留めていく。
だが、その時後ろから妙な音がした。嫌な予感がしたハロは斬りこむのを止めて横っ飛びに回避する。
すると、今までハロが居た場所には紫御前達が放った仮面が通り過ぎた。この仮面手裏剣は当たるまで追尾する性質をもっていたのだ。
まずは放たれた仮面手裏剣を全て切り落とすべく、刃を振う。
無論、紫御前本体からの攻撃も気を付けなければならない。視界は仮面手裏剣に向けなければならないので第六感を駆使して見えない攻撃を紙一重で避ける。
「ニン!?」
流石に背後からの攻撃を避けられたのは驚いたのか、嘘っ!? と言わんばかりの声が上がる。途中で喋っていたような気がするがあれは何だったのだろうか。
だが、大きく手を突きだしたのはハロにとって絶好の機会だ。腕を強引に引き寄せ、素早い素手の一撃で仮面を打ち砕き消滅させていく。
「次はあなた達です」
「ニンー!?」
仮面手裏剣さえ片付ければ後は楽なものだと言わんばかりに、紫御前達が再び手裏剣を投げる暇もなく瞬く間に次々と紫御前達が消滅していく。
最後の紫御前を片付けると、一息入れるがハロは決して油断していなかった。なぜなら――
「ニンーー!」
次々とやってくる紫御前達の気配を感じ取っていたのだから。だが、ハロはやることは変わらない。敵よりも疾く仕留める。それがらんらんを守ることにつながるのだから。そう思い、ハロは再びサーペントベインを構えて紫御前達に向けて駆けるのだった。
成功
🔵🔵🔴
メイベル・リーシュ
【JCU-FP】
※アドリブ◎
■グループB
ストーキングのつもりでしたが
この状況は、想定外ですわね
「……あるじさま?」
この方『同じ』ですのね
なら、警戒は必要ないですわね
ルーイさんという娘も、ぐいぐい来ますわね
「そうですわ。私の主様になって欲しいと思っていますわ」
■合流
ここまでお傍にいられるのは初めてなのですけど
ルーイさんに促されて、抱きついてしまいますわ
「……」
幸せすぎて言葉が出ませんわ
鐘の音で力が漲ってきますわね
青髪の少年と背中合わせで踊るように
Blutschwertで【生命力吸収】しつつ
からくり人形のヒルデを操り
ひっかきによる【2回攻撃】
ヒルデのひっかきは軌跡に氷の結晶の残る【属性攻撃】ですわ
リーファ・レイウォール
【JCU-FP】
■グループA
「まぁ、そこまで気負う事はないわ。何とかなるわよ」
歩夢が緊張しないように声をかけておくわ
サバイバルでは一緒のチームを組んでいるし
動きやすいでしょ?
■合流
ルーイと、銀髪の少女がベルカに抱きついてるのを見て
「遠足みたいね♪」
実際、緊張感ないけどね
開戦の鐘が鳴らされるのと同時に、ベルカの声
「それじゃあ、大勢(たいせい)は任せるわね?」
ユーベルコードで、雷属性の双檄を召喚するわ
UCで召喚した双檄はベルカに任せて【援護射撃】ね
【戦闘知識】【聞き耳】【見切り】を駆使して回避と追撃よ
【空中戦】で鎌の斬撃で【衝撃波】を発生させて【吹き飛ばし】よ
※アドリブ◎
高辻・歩夢
【JCU-FP】
アドリブ歓迎
■グループA
「だいじょぶ。緊張はしてないよ……」
お兄ちゃんも、お姉ちゃんも、いつも優しいから
だから、大丈夫……
■合流
同じ年頃の女の子2人に抱きつかれてるお兄ちゃんを見て納得
面倒見良いもん
懐かれるよね
僕も……
「歩夢、世界の未来に舞い殉じる――」
【ダッシュ】【ジャンプ】【踏みつけ】で相手を翻弄するように動いてく
攻撃は、基本的に日本刀と小太刀形状の黒剣による【2回攻撃】の斬撃
ユーベルコード発動するときは
【ダッシュ】で間合いを詰めて〔旋風斬〕で切り結ぶ
【2回攻撃】の斬撃と【衝撃波】には【生命力吸収】を織り混ぜていくね
ツインテールの女の子と背中合わせで
舞うように切り伏せるよ
ルーイ・カーライル
【JCU-FP】
アドリブ歓迎だよ
■グループB
「お兄ちゃんのことが好きなの?」
『主様』になって欲しいってことは、チャペルちゃんと一緒かな?
メイベルちゃんの手を取って
「それじゃあ、遠くから見てないで、一緒に行こ? チャペルちゃんもいいよね?」
お兄ちゃんたちに合流するために、連れていくね
■合流
「えへー。お兄ちゃーん♪」
戦う前に、お兄ちゃん分補給。別に、いいよね?
「ほら、メイベルちゃんも」
って、促しちゃうよ
お兄ちゃんからのお願い
俄然頑張っちゃうんだから!
「初陣だけど、頑張っちゃうよ」
ユーベルコードで、弱点の武器召喚するね
お兄ちゃんたちの邪魔にならないように【見切り】で逃げるよ
チャペル・フォレストパレス
【JCU-FP】
アドリブ等歓迎
■グループB
「貴女は、何者ですか?」
対峙したのは、銀髪に碧眼のミレナリィドール
敵は忍者と聞いていましたが……
「最近、あるじさまを付け狙っているのは、貴女ですか?」
ルーイは、こういう時に仲良くなるのが得意ですね
害意は無いように見えますし
「そうですか……。では、来て頂きましょう」
■合流
「では、開戦の鐘を鳴らさせて頂きます」
『祝福の音色。これが、私の能力(ちから)』
詠唱をしてUCを発動、指定した能力は、それぞれ
ベルカ→POW
リーファ→WIZ
ルーイ→WIZ
歩夢→SPD
メイベル→SPD
邪魔にならないように【見切り】【第六感】で回避しながら
【念動力】で攻撃して行きましょう
ベルカ・スノードロップ
【JCU-FP】
連携・アドリブ歓迎
■グループA
「歩夢くん、大丈夫ですか?」
戦い慣れてはいないでしょうが
その辺りは、サポートしてあげないとです
■合流
ルーイはともかく、初めて会う少女に抱きつかれるのは困惑しますね
撫でてあやしますけど
「緊張感、確かに無いですが『遠足』ではないですよ。リーファさん」
チャペルの開戦の鐘の音と共に
「それじゃあ、リーファさん、ルーイ。お願いしますね」
リーファさんと、ルーイが【UCで召喚した武器】を活用させてもらいます
【槍投げ】【投擲】【誘導弾】【串刺し】を付与して攻撃します
「個人的に、この世界に思い入れは強いのですよ」
――だから、護り抜いてみせますよ
●護り抜くために
次々と何処からかやってくる紫御前達。だが猟兵達は互いにかばい合い、そして協力して立ち向かっていた。
その中で、統一された動きを見せている者達がいた。
【JCU-FP】の面々だ。
「歩夢くん、大丈夫ですか?」
「だいじょぶ。緊張はしてないよ……」
「まぁ、そこまで気負う事はないわ。何とかなるわよ」
心配そうに小柄の少年――高辻・歩夢(ロストクロニクル・f16213)に声を掛けているのはベルカ・スノードロップ(享楽を求め続ける"ようかん"司祭・f10622)とリーファ・レイウォール(Scarlet Crimson・f06465)の二人だ。
二人とも戦いなれていない歩夢を援護しながら次々と迫る紫御前達を時には十字架で薙ぎ払い、鎌で切り捨てていた。
そのような最中、小さな影がベルカに向けて飛び込むように突っ込んだ。それをベルカは何でもなさそうに受け止める。それは見知った顔でここで合流する予定の子達だったからだ。
「えへー。お兄ちゃーん♪」
「あるじさま……♪」
ベルカに抱き付いたのは、ルーイ・カーライル(シンフォニック・エンジェルギア・f17304とチャペル・フォレストパレス(もりのようかんの付喪神に選定された当代担当・f14933)の二人だ。二人ともベルカをとても慕っている二人――否、彼らの後ろにあと一人潜んでいた。
「……あるじさま?」
「わひゃあ!?」
思いっきりベルカをストーキングしていたのはメイベル・リーシュ(銀月に照らされし殺戮人形―キリング・ドール―・f15397)だ。らんらんの後ろに隠れてストーキングしていたので、らんらんの腰が抜けたのは割とどうでもいいことだろう。どうせ逃げられないしね。
すると、チャペルが一歩前に出てメイベルを無機質な瞳で見つめる。メイベルもまた負けじと見つめ返す。
「貴女は、何者ですか?」
「貴女と同じモノですよ」
「最近、あるじさまを付け狙っているのは、貴女ですか?」
「付け狙っているとは失礼ね。後ろから見守っているのよ」
それはストーキングというのではないかというのをらんらんは言えなかった。だって下手に口を出せば狩られそうなんだもの。出荷されちゃいそうだもの。目の前で繰り広げられる修羅場の様な何かを繰り広げられてガタブルしていると、空気を読めない紫御前達がベルカ達に襲い掛かるが――。
「「邪魔っ!!」」
チャペルのオーラとメイベルのナイフによって撃ち落とされ、残りはベルカ達が零さないようにと仕留めていく。
無残に紫御前達が落とされると、ルーイが無邪気な笑顔でメイベルに駆け寄る。
「お兄ちゃんのことが好きなの?『主様』になって欲しいってことは、チャペルちゃんと一緒かな?」
「そうですわ。私の主様になって欲しいと思っていますわ」
ルーイの問いかけに堂々と胸を張るメイベル。それを聞いたルーイはにっこりと万人を穏やかな気持ちにさせる笑顔でメイベルの手を取る。
「それじゃあ、遠くから見てないで、一緒に行こ? チャペルちゃんもいいよね?」
「そうですね。構いませんよ」
チャペルも害意が無いのであれば特に拒否することはなく、ルーイはチャペルとメイベルの手を引いて再びベルカに抱き付きに行く。
三人とも抱き留めたベルカを見ながらリーファは楽しげな笑みを浮かべる。
「緊張感ないわねぇ。まるで遠足のようね♪」
「緊張感、確かに無いですが『遠足』ではないですよ。リーファさん」
らんらんの目から見てもどう見ても緊張感の欠片もない。そして自分もその中に飛び込みたいけど腰が抜けたから動けない。
穏やかな空気もここまでだった。次々とやられることに業を煮やしたのか、今までよりも大勢で紫御前達が猟兵達を取り囲むように布陣し、仮面からギラギラとした殺意を向ける。
その中で真っ先に動いたのはチャペルだ。
「では、開戦の鐘を鳴らさせて頂きます。祝福の音色。これが、私の能力(ちから」
言葉通り祝福の音色が戦場に鳴り響く。その音色は各々に適した力を増幅させるものだ。
力を受け取ったベルカは自分たちを慕う子達の頭を撫でて敵に視線を向ける。
「それじゃあ、リーファさん、ルーイ。お願いしますね」
「ええ。それじゃあ、大勢(たいせい)は任せるわね?」
「初陣だけど、頑張っちゃうよ」
リーファが雷を纏った双檄を、ルーイが相手の弱点になる武具を召喚し、それを受け継ぐようにベルカが力を注ぐ。ベルカはこの場にUCにより召喚された物を操る力を行使していたのだ。
「個人的に、この世界に思い入れは強いのですよ」
――だから、護り抜いてみせますよ。
二人分の力を注がれた180本ものの双檄と150本の武具。それらが一斉に解き放たれたのを合図に、各々が得意な分野を生かして紫御前達に迫る。
豪雨の如きの武具と双檄に撃ち抜かれる中、チャペルは弾幕の中に潜んで念動力で次々とサポートする様に穿ち、機会を見ては仮面を狙って壊していく。
ベルカに双檄を預けたリーファは鎌を構えて、大きく振りかぶり衝撃波を飛ばしていく。衝撃波は双檄と武具の波の中に混ざり、強烈な一撃となって多くの紫御前達を消し飛ばしていく。
メイベルは歩夢と背中を合わせながら二人でダンスをするかのように剣舞を繰り出し、からくり人形による踊る様な連続攻撃を、日本刀と小太刀の二刀流による残像を伴った衝撃波を放ち、破壊の嵐を生む。紫御前達もただではやられるつもりはなく、雨のように穿たれる中、攻撃を仕掛けるもその傷は直ぐに塞がった。
二人が紫御前達を傷つける度にその傷が塞がり、全く持って無駄に終わった紫御前は大きな隙を晒して仮面を砕かれ消滅していく。
まるで嵐の様な猛攻撃が繰り広げられ、それが止んだかと思うとらんらんは這い出るように物陰から顔を出して周りを見渡す。
周りには、特に怪我をした様子もないらんらんが憧れた猟兵達が誰も欠けることなく立っていたのだ。
小さな子達がベルカに抱き付いてるのはちょっと憧れた違うが許容範囲だろう。
しばらく周りを警戒するが、援軍がやってくる気配がなくようやく戦いの終わりを感じ取ったらんらんはぺたりと座り込む。
「良かったー……助かったー。ねぇねぇ、猟兵さん。らんらんを助けてくれてありがとう!」
ようやく動けるようになったらんらんは、カギの画面のまま猟兵達に頭を下げてお礼を言うのだった。
本来ならばここではそれに相応しい画像が出てくるのだろうが、未だカギのままだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
第2章 集団戦
『雀牌戦闘員』
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POW : 国士無双
予め【異なる顔の戦闘員が14人揃う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : 三元牌
【3人同時攻撃】による素早い一撃を放つ。また、【鳴く】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 立直
【相手の行動を読み、作戦通りの攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【狙いすました一発】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
イラスト:ケーダ
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●カギに向けて出荷よー。わーい。
「はふー助かったけど、ねぇねぇ。まだお顔戻ってない?」
戻ってないと猟兵達が堪えるとそっかーとらんらんは落ち込んだようにどうしようかと悩む。
すると、今までカギの画像になっていた顔が一瞬のノイズの後に表示が変わった。
「わわっ、なになに!?何があったの?ねぇねぇ!」
らんらんのカギだった顔は今は、何やら地図の様な表示となっており、特徴的なものは豚の顔をした矢印と……先ほどまでらんらんの顔に移っていたカギが画面端に移っている。
らんらんが回ると豚の形をした矢印がくるくると回る。どうやらこれがらんらんなようだ。
「え、地図?んー……よくわからないけど、このカギの所に行けば何かわかるのかも。ねえねぇ、猟兵さん。一人で行くとまた怖いことになるかもしれないから、一緒にいってくれる?」
今度は地図の顔のままお願いをしてくるらんらん。丸っこい地図と思えば愛嬌があるのかもしれない。
未だ狙われた原因も不明で更にこの謎の地図だ。誰か、何者かがテレビニウム達に干渉しているのかもしれない。このまま放置する事も出来ず、猟兵達はらんらんの願いを聞き届け――やはり襲われることになった。
「チー!」
「チーチー!!」
「出来の悪そうなのが出てきたー!? やーん」
雀牌戦闘員がらんらんと猟兵達の道を防ぐように現れ、一斉に襲い掛かる!
猟兵達はらんらんをその辺のゴミ箱に押し込んで迎撃態勢を取るのだった。
ハロ・シエラ
地図の通りに行けばそこに何かあるのでしょうか。
文字通り、この問題を解決する鍵であれば良いのですが。
彼女をお送りする事には依存は無いんですが、まぁ……こうなりますよね。
あんまり綺麗な場所では無いですが、命には変えられません。
彼女にはじっとしておいて貰って、我々は敵を叩きます。
相手は複数人で連携して襲ってくる様子。
ならばまずは【おびき寄せ】ましょう。
少しくらいの攻撃であれば【激痛耐性】でしのげますし、【見切り】で致命傷を受けないように戦います。
私を無視する敵にはダガーを【投擲】し、こちらに注意を向けます。
ある程度集め、護衛対象からも離れたらユーベルコードにて一気に片付けて差し上げましょうか。
●雑な鳴き方。
「チー! チーチー!」
「多分、それ鳴き方間違ってると思う。ひゃわっ! こっち来ないでー!」
威嚇する様に雀牌戦闘員達がらんらんと猟兵達を取り囲み、ゴミ箱の中から突っ込んだらんらんに対し、激しい勢いで詰め寄るが雀牌戦闘員達の行く手を阻むようにダガーが雀牌戦闘員の前に突き立つ。
ダガーを投げたのはハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)だ。ハロは自身に警戒を抱く雀牌戦闘員の前に立ちはだかり、サーペントベインの切っ先を向ける。
「それ以上行かせません。らんらんさん……でしたっけ」
「そうだよー。なになに?」
「危ないので引っ込んでてください。綺麗な場所とは言い難いですが命には代えがたいので」
「はあまじはあ!? あ、怖いからいうとおりにするね」
らんらんは素直にゴミ箱の中に納まった。妙に様になってるのは何故か判らないが、これでこの防衛ラインさえ守ればらんらんに攻撃が通ることはないだろう。
雀牌戦闘員は殺意が篭った視線……視線? 目が無いので恐らく殺気をむき出しにしハロに向けて複数で襲い掛かる。雀牌戦闘員は先ほど戦った紫御前達と同じく集団で力を発揮するオブリビオンだ。
「チー!!」
「チー! チー!」
「チーチーチー!!」
やたらむやみに鳴く雀牌戦闘員。それはもう喧しい位に鳴き続けるが、鳴けば鳴くほどその動くは速くなり、地を駆け壁を蹴ってハロに襲い掛かる。
三方から繰り出される高速の攻撃。だが、その攻撃はハロのたった一振りにより防がれた。
「逃げ場はありません、そこは私の間合いです!」
業火を纏った斬撃が雀牌戦闘員を迎え撃ち、次々とその身を焼き、魂を焦がしていく。雀牌戦闘員は速かったが、やたら無暗に鳴いた雀牌戦闘員は上がることなくその身を塵と化し消滅していく。
雀牌戦闘員達は次々と三人同時に襲い掛かるが、絶え間なく交差する様に繰り出す炎の斬撃により焼き焦がされていく。
その炎が激戦の狼煙となったのか、気づけば無数の雀牌戦闘員が集まりだし猟兵達とらんらんを仕留めるべく囲み、一斉に襲い掛かる。
だが、それでもハロは怯むことはない。やることは単純だ。らんらんを守り敵を排除する。それだけなのだからだ。
そう思い、決めたハロはダガーを投げて一体の雀牌戦闘員の額を貫き、焼き焦がすべくサーペントベインを振うのだった。
成功
🔵🔵🔴
チャペル・フォレストパレス
【JCU-FP】
アドリブ等歓迎
「今回も開戦の鐘はお任せください」
ユーベルコードで、戦場全体の猟兵の能力をアップさせます
上昇能力は、対象の【選択UC】の【判定能力値】を指定
【念動力】で同じ顔の怪人を3~4人セットで壁にぶつけてあげます
「ポン」とか「カン」とかいう物らしいですが
後は、あるじさまが華麗に仕留めてくれうrでしょう(全幅の信頼/妄信)
戦闘終了後、救出対象であるテレビウムを見据えます
「さっき、羨ましいと思っていましたか?」
でも、ごみ箱に詰め込まれていましたね……
「害意が無いので、あるじさまに懐くのは構いませんが……先に、お風呂は入ってください」
ベルカ・スノードロップ
【JCU-FP】
アドリブ歓迎
■戦闘前
「ところで……字牌はチー出来ませんよ」
故に
「あなた達全員罰符を払って頂きます」
命で、です
■戦術
【全力魔法】による槍召喚
【範囲攻撃】に【誘導弾】を付与
動きを【見切り】
【槍投げ】【投擲】【スナイパー】で確実に当てて
【串刺し】にして【傷口をえぐる】ことにしましょう
■戦後処理
「ところで、この子(らんらん)の扱い酷くないですか?」
大丈夫なんでしょうか。
「大丈夫ですか?」
無意識に【誘惑】混じり。
『救助対象』ですし、無下には出来ませんよね?
リーファ・レイウォール
【JCU-FP】
アドリブ◎
「歩夢も身体あったまってきたみたいね」
ここから、少し激しくなりそう……なこともなさそうね
通常攻撃は、風の魔法攻撃(技能:属性攻撃、2回攻撃、スナイパー)
歩夢とメイベルの行動を確認(目で見える範囲以外は音で判断)しながら
射線や効果範囲に誘い込み(技能:援護射撃、視力、聞き耳、戦闘知識)
回避行動は【第六感】【残像】
防御行動は【武器受け】【オーラ防御】
チャペルのUC直後に、【高速詠唱】【全力魔法】のUC発動
双戟を【誘導弾】にして【串刺し】狙い
「解決したら、温泉でも行く?」
ベルカが誘いたいであろう『この場にいない誰かさん』も誘ったりもしてね
平和になってから、でしょうけどね
ルーイ・カーライル
【JCU-FP】
アドリブ歓迎だよ
チャペルお姉ちゃんのUCを合図にボクのUCを発動
【属性攻撃】も付けちゃうよ
召喚されたのは水属性の『串刺しの鳥が刻印された札』
「コレ、なんだろ? わかんないけど、やっちゃえー」
召喚した札を嗾けます
【見切り】は回避だけじゃなく、攻撃にも活用するね
戦闘終了後
お兄ちゃんが、テレビウムの子を気にかけてるみたい
「んー。ハッキングされちゃってるのかな?」
電脳魔術士なのに、何もしてあげられないのかぁ……
■UC解説
水属性
麻雀において捨て牌を置く場所を『河』と呼ぶ事から
串刺しの鳥が刻印された札
一度も和了れていない人が持つ札
一切有効打を打てていない証で
雀牌戦闘員にとっては、きっと屈辱
高辻・歩夢
【JCU-FP】
アドリブ可
「……わけがわからないよ」
それが正直なところ、かな
それでも、足を引っ張らなくて良かった
「歩夢、世界の未来に舞い殉じる――」
UCを発動するときは
メイベルって子と、踊るように〔旋風斬〕で切り結ぶよ
今回も【2回攻撃】の斬撃と【衝撃波】には【生命力吸収】を織り混ぜていくね
ルーイちゃんや、リーファお姉ちゃん、ベルカお兄ちゃんの
UCによる武器の雨の中【ダッシュ】【ジャンプ】【踏みつけ】で相手を翻弄するように動いてくね
なんとなく、さっきからテレビウムの子が
ルーイちゃんや、チャペルちゃん、メイベルちゃんを
羨ましそうに見ている気がする
やっぱり、ベルカお兄ちゃんが気になるのかな?
メイベル・リーシュ
【JCU-FP】
からくり人形:ヒルデ
主様(まだ未承認です)の護りたい世界なら
それだけで護る価値がありますわ
だって、ベルカ様のためですもの
チャペルさんの鐘の音に
「それじゃあ、ヒルデ行きますわよ」
魔力を流し込み動かしますわ
歩夢さんと背中合わせで踊るように
舞い踊り、斬り刻ませて頂きますわね
私の斬撃で【生命力吸収】してヒルダの魔力にしつつ
ヒルダのひっかきを混ぜた【2回攻撃】
軌跡に氷の結晶の残る【属性攻撃】
気付かぬ内に事切れる【暗殺】ですわ
「主様の許に来る娘は拒みません」
「でも、主様の許から去ろうとする娘は、狩りますわ」
誰かが【同担歓迎系のヤンデレ】とか言っていましたわね
その通りだと思いますわ
アドリブ◎
●罰符
雀牌戦闘員達に囲まれた【JCU-FP】の面々。らんらんを守るように布陣しているが、鳴き声を聞いたベルカ・スノードロップ(享楽を求め続ける"ようかん"司祭・f10622)はとあることに気づき、十字架型の鈍器を構えながら雀牌戦闘員達に無慈悲な事実を告げる。
「ところで……字牌はチー出来ませんよ」
「チー!?」
実は知らなかったようだ。鳴き声がこれなので字牌の面々は本来は鳴けないのだ。
「故にあなた達全員罰符を払って頂きます。―――命という罰符を」
「あるじさま。今回も開戦の鐘はお任せください」
ベルカの言葉を受け継ぐようにチャペル・フォレストパレス(もりのようかんの付喪神に選定された当代担当・f14933)が進み出て、鐘を鳴らす。
「祝福の音色。これが、私の能力」
戦場に鳴り響く不釣り合いで綺麗な音の導。その音は【JCU-FP】の面々の力を増幅する。それを合図にするようにベルカの185本の槍が、リーファ・レイウォール(Scarlet Crimson・f06465)の180本ものの双檄が、ルーイ・カーライル(シンフォニック・エンジェルギア・f17304)の150本の串刺しの鳥が刻印された札が雀牌戦闘員達に襲い掛かる。
合計515本という圧倒的な物量が雀牌戦闘員達の身体を打ち据え、無数にいた雀牌戦闘員達を消し飛ばしていく。
辛うじて残った雀牌戦闘員達も、二つの小さな小柄の影によって切り刻まれ、消えていく。
「それじゃあ、ヒルデ行きますわよ」
「歩夢、世界の未来に舞い殉じる――」
メイベル・リーシュ(銀月に照らされし殺戮人形―キリング・ドール―・f15397)と高辻・歩夢(ロストクロニクル・f16213)の二人は、紫御前の時と同じく背中合わせに庇い合い無数の武器が飛び交う戦場を踊るように舞い続ける。
メイベルはヒルデと呼ばれた人形に魔力を流し、辛うじて武器の中を潜り抜けた雀牌戦闘員達を引き裂き、歩夢が雀牌戦闘員の影に影に隠れていた雀牌戦闘員を残像を伴った衝撃波――旋風斬にて止めを刺す。
無数の武具の嵐の中でも無邪気に楽しく踊る姿は万人を魅了するだろう。
「歩夢も身体あったまってきたみたいね」
「そうみたいですね」
ベルカとリーファは微笑ましい様子で二人を眺めている。その視線に気づいた二人は「お兄ちゃん」と「主様」の期待に応えるべく嵐の中に小さな妖精のように踊りながら雀牌戦闘員達を仕留めていく。
開幕で鐘を鳴らしたチャペルも、武具の嵐により削られていく雀牌戦闘員達を念動力でぶつけ合っていく。同じ顔をぶつければ、チーという鳴き声の中にカンやポンっと謎の音が鳴るが気にしたら負けだろう。
武具の嵐は絶え間なく雀牌戦闘員達を削り切り、仲間を盾にしてらんらんやベルカに迫る雀牌戦闘員もいたが、メイベルと歩夢が割り込んで三等分に切り分ける。
500本以上の武具の嵐は雀牌戦闘員達の行動すらも大きく鈍らせていた。痛みを堪えリーファに攻撃を仕掛けるも、その動きは遅くあっさりと見切り風の魔法により胴体に二つの穴が開いて消滅させる。
武具の嵐が終えればそこには傷だらけになった雀牌戦闘員達の姿があった。だが、猟兵達は攻め手を緩める事はない。
窮鼠猫を噛むという言葉もあるように、オブリビオン相手に油断は禁物だ。
「ひゃーー!?」
今もまたせめてらんらんを仕留めるべく、一体の雀牌戦闘員が仲間を踏み台にしゴミ箱に向けて飛び蹴りを繰り出すも、歩夢が更にその上に跳躍し地面に叩き付け、メイベルが操るヒルダによって止めを刺される。
中には遅れたお蔭で武具の嵐の被害を逃れた雀牌戦闘員達もいたが、もはやその数は少ない。圧倒的な数で叩き潰そうとした雀牌戦闘員達はそれを上回る物量により叩き潰されたのだ。
それでも雀牌戦闘員達は逃げる事はない。彼らは世界を滅ぼすべく動いているのだ。らんらん達、テレビニウムを狙うのもその一環なのかもしれないとしたら、見過ごすわけにはいかないのだ。
無事な雀牌戦闘員達はひと塊となってらんらんに向けて一直線に向かうが、歩夢とメイベルが踊るように切裂いて前方の雀牌戦闘員を屠り、リーファとチャペルが風の魔法と念動力で仲間同士でぶつかる様に叩き付けて一斉に纏める。
ベルカが〆るべく、十字架を傷を抉るように雀牌戦闘員達に叩き付け、纏めて串刺しにし、雀牌戦闘員を消し飛ばしていく。
今ので最後の雀牌戦闘員だったのか。追加増援がやってくる気配もなく、ごそごそがらんと音を立ててらんらんがゴミ箱の中から出てくる。
「ねぇねぇ。もう大丈夫? 大丈夫?」
生ごみは入っていなかったので左程酷い匂いはしないのが幸いか。だが紙ごみばかりだったせいで紙屑が多くらんらんについていた。
それをベルカが丁寧に取り除き、片膝をついて目線を合わせてらんらんお顔――地図の形した画像を見つめる。
「大丈夫ですか?」
「おほーー!? あ、ごほん。だ、だだだだ大丈夫だよー。皆が助けてくれたからこの通り怪我もないよ」
美少年に心配されるという夢の構図にらんらんは興奮するも直ぐに気持ちを抑える。普段なら抑える事は絶対出来ない。だってらんらん初心な豚ちゃんなんだもの。
それでも抑える事が出来たのは、らんらんの顔に移った地図が否応にでも冷静さを叩き付けてくるのだ。
早く、一刻も早くこの場所に、カギの場所に向かわなければならない。
何故なのか判らないが、助けてくれた皆にお礼を言いつつ守られながらカギのマークの元に向かっていく。
襲撃も先ほどの雀牌戦闘員で打ち止めだったのだろう。警戒を緩める事はないが襲撃は無く、無事カギのマークの所までたどり着くことが出来た。
カギのマークの場所は一件何処にでもありそうなビルだった。だが、そこは不自然にも周囲に溶け込みすぎていた。他のビルは出入りがあるにもかかわらず、そのビルだけはあるだけで誰も入らない。それでも誰も疑問に思わない。猟兵達でさえもらんらんが「入ろう」というまで入る気が起きなかった。
何者かの手により不自然なまでに馴染まされていたビルの中にらんらんと猟兵達は入っていく。そこで何が起きるのか、覚悟を決めて猟兵達は足を進めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『『フードファントム』グラトニー姫』
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POW : フードスペシャリテ・フルコースモード怪
戦闘中に食べた【料理 】の量と質に応じて【全身の細胞及び潜在能力が限界突破】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : スパイス・ミル
単純で重い【全てを粉砕する拳 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
WIZ : グラトニー戦闘員
戦闘力のない【グラトニー戦闘員達 】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【おだてられたり、甘やかされたりする事】によって武器や防具がパワーアップする。
イラスト:ケーダ
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「秋山・軍犬」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●動けないらんらんは出荷よー。そんなー!
らんらんを囲むようにビルの中に入った猟兵達。
ビルの中は何処にでもありそうなものが並んでおり、一見不自然ではないが何処か違和感を感じさせていた。
だがその違和感よりも先に、らんらんに異変が起きた。
「おほーー!? え、なになに。ナニコレナニコレ!?」
高らかに鳴く子豚……じゃないらんらんの顔がノイズが走ったかと思ったら900という文字が流れ、899,898、897とカウントが始まり段々減っていく。
「動けないんだけど、動けないんだけど!? あ、でも動かさないでね? 何か動いたらダメな気がするの」
動けない事に慌てながらも、動かさないでとお願いするらんらん。何者かの干渉を受けているのは間違いないようだ。
だが、動けない獲物を放っておくほどオブリビオンも抜けてはいない。
「ちゃーしゅー、トンカツ、角煮ーどれにしよっかなー」
まるで夕飯を決めるような声を出しながら、一体のオブリビオンが階段から現れた。
「動けない子豚ちゃんはー……出荷よーー! やっきぶたーー!」
「そんなー!?」
『フードファントム』グラトニー姫。暴食の名を持つオブリビオンが食欲の赴くままに動けないらんらんに向けて襲い掛かる!!
ハロ・シエラ
食べるつもりなんですか?
テレビウムの方を……?
どうしても金属やプラスチックの比率が高そうな気がしてしまいますが……
まぁそれはこの際置いておきましょう。
カウントダウンも気になります、念の為に早く決着を付けなければ。
敵は食べる程に強くなる様子。
【先制攻撃】でなるべく食べさせない様に戦います。
【早業】の【毒使い】で、対処し切れなかった料理に毒を盛ってもいいですね。
効くかどうかは分かりませんが、食欲が無くなる様な毒を。
少なくとも質は落ちると思われます。
敵が食べるのを諦めたら、こちらがユーベルコードにてレイピアを強化して仕留めにかかります。
敵からの攻撃も含めて動きを【見切り】一気に畳み掛けましょう。
●悪い子も良い子もたーべちゃーうぞー。
まるでご馳走を前にした子供の用に上機嫌でうごけないらんらんに迫るグラトニー姫。その手には何かの骨付き肉があり、美味そうに骨ごと咀嚼しながら迫るが、その前を立ちふさがる様に猟兵達は布陣し、各々に武器を構える。
「全くじゃまだなー。ご馳走の邪魔をするのは罪なんだよ?」
(食べるつもりなんですか? テレビウムの方を……?)
がりっと骨まで喰らい付くし、子供が腹立ったように頬を膨らませて抗議するグラトニー姫。テレビニウムを食べるとしても金属とプラスチックの比率が可なり大きくマトモに食べれそうにないだろうと内心疑問に思うのはハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)だ。
しかし、グラトニー姫が何を考えてらんらんを食べようとしているのか解らないし解りたくもないが、凶行を食い止めなければならない。
「罪を犯したら罰なんだよ……。だから……君たちを罰として……いっただっきまーす!」
何処からか取り出した料理を手に、鋭くフォークをハロに向けて突きだす。その手は好物を前にした様な動きで、当たればただでは済まないだろう。
ハロは疾風の如く繰り出されたフォークを早業で弾き、レイピアーーリトルフォックスを料理に向けて突きだす。リトルフォックスの先は紫色に染まっており、毒を負荷させた一撃だ。当たれば料理は毒に染まる事だろう。
グラトニー姫は料理を持って戦う事に長けているのか、当たることはなかったが毒が僅かに降りかかるもそれを気にせず、戦闘中の真っただ中だというのに戦いながら食べていく。
流石の暴食。毒すら喰らうのかと思いきや、山のように積まれた料理を最初は見る見るうちに喰らい続けていたが途中で食べるペースが落ちていく。
「……? なんか美味しくない……? ナニカシタ?」
「少々食欲を失わせるような毒を」
「ふざけた事を……もういい。これ要らない」
毒に侵された料理をグラトニー姫はごみを捨てるかのように投げ捨てる。しっかりとゴミ箱に入れたのは偶然か、姫を名乗る矜持としての常識を守るのか。そもそも戦いながら食べるのは常識外でオブリビオンに常識を守らせるのはお門違い。
フォークとリトルフォックスが幾度となく交差し、互いに高速のラッシュの打ち合いを繰り出すグラトニー姫とハロ。拮抗しているかに見えていたが、徐々にグラトニー姫が押されていく。
食えば食うほど強くなる力。それがグラトニー姫だがその食欲を毒により失われた今、今以上の力を出すことは出来ない。
今が絶好の好機だと判断したハロはリトルフォックスに力を、己が全身の力を注ぎ込む。
「吼え猛れ、『シルバーフォックス』!!!」
ハロの持つリトルフォックスが銀色に光り輝き、秘められた力を解放する。
そこから繰り出された一撃はグラトニー姫のフォークを弾き飛ばし、グラトニー姫の肩を穿ち吹き飛ばした。
見た目華奢な身体だがオブリビオンだ。それを吹き飛ばした一撃はグラトニー姫に大きなダメージを与えているが、ハロはそれ以上の追撃を繰り出すのは中々に困難だ。ハロが繰り出したユーベルコードは体力を代償にするもので、玉の様な汗が流れて維持し続けるのは命に係わるだろう。
グラトニー姫は滑るように地面に着地し、傷む肩を押して地面に刺さったフォークを掴みとる。
その視線は食欲と殺意が混ざった喰らい尽くしてやるとまさに暴食の眼光。
食うか食われるか。決着は――どちらかがこの世に喰われた時――
成功
🔵🔵🔴
メイベル・リーシュ
【JCU】
からくり人形:ヒルデ
主様にとって『ナシ』なら遠慮は必要ありませんわね
この身体、この心、そしてこの命
全て主様に捧げますわ
故に、それ故に――
「その咎、狩り獲らせていただきますわ」
ヒルデに魔力を流し込み起動
今回も、歩夢さんと背中合わせで舞いますわ
「斬り刻ませて頂きますわね」
【生命力吸収】を込めた斬撃
吸収した生命力は、ヒルダの糧と私自身の活力にしつつ
ヒルダの【氷】の【属性攻撃】ひっかき
「食べてばかりでは、殿方に振り向いてはもらえませんわよ」
気付かぬ内に生命力を奪う【暗殺】攻撃ですわね
「ここで死ぬ貴女に言っても、詮無い事ですわね」
主様に見初められなかった時点で、穏やかな最期は迎えられませんもの
リーファ・レイウォール
【JCU】
連携・アドリブ歓迎
「ベルカとして、あれはアリ?」
この世界の根幹に関わりそうだけど……
緊張感が無いのは相変わらずね
「『猟兵商業組合』で『七つの大罪』に対応するのは誰か? って話があったのだけどね」
「その【暴食】は、私よりも食べるのよ」
でも
「私、あなたより食べる自信があるわ」
敵の動きを【見切り】ながら
回避は【第六感】【残像】で
防御は【武器受け】【オーラ防御】で行いながら
距離を詰めて直接両手で触れて、UCを発動
「それじゃあ、凍り付きなさい」
この世界を、あなた達の好き勝手にはさせないわ
凍り付いた部分から【生命力吸収】
凍った身体を脆くして、あの子たちが砕きやすくしないとね
ベルカ・スノードロップ
【JCU】
※アドリブ歓迎、連携歓迎
アリか、と聞かれましたが……
「愚問ですね。ナシに決まっています」
そう答え
「チャペル!」
「さて……【暴食】ですか……」
『猟兵商業組合』の【暴食】さんよりは食べないでしょうね
「私が、自称しているのは【色欲】です」
この世界で猟兵が英雄なら、あまり気にはされなそうですが
「そんな事は関係ないです」
UCを【全力魔法】で発動してルーイが召喚した武器を操作
【範囲攻撃】に【誘導弾】を付与
その上で、動きを【見切り】【スナイパー】で狙い
【投擲】で穿ちます
「この世界は好きなので、あなた方の好きにさせるわけにはいかないのです」
数は少なくても、脆い部分を狙い撃ちしますよ
チャペル・フォレストパレス
【JCU】
あるじさまの声に応えるために
「開戦の鐘を――!」
上昇する能力は、例によって
対象の【選択UC】の【判定能力値】
「あるじさま、皆々様も、存分に、お暴れください」
【念動力】で、動きを止めましょう
長時間止める必要はありません
止めるのは一瞬。その一瞬が致命の隙となるのですから
力の行使は誰がためか
それは――
「あるじさまのため」
ひいては、それがこの世界の人々のためとなりましょうが
そこまで、欲張りなことは申しません
仕える主が、この世界を護りたいと望むのであれば
その助けをするのが、私の役目、私の役割
「あるじさま、その御心のまま、望むままに行動なさいませ」
高辻・歩夢
【JCU】
アドリブ◎
ベルカお兄ちゃんも、リーファお姉ちゃんも
あまり焦ってはなさそうだね……
経験の差なのかな?
僕は油断できないけど
「歩夢、世界の未来に舞い殉じる――」
言葉通り、メイベルちゃんと背中合わせで舞い踊るように〔旋風斬〕で切り結ぶよ
今回も【2回攻撃】の斬撃と【衝撃波】に【生命力吸収】を織り混ぜていくよ
チャペルちゃんが動きを止めて隙が出来たところや
リーファお姉ちゃんが凍らせた部位を狙って、攻撃を打ち込んでいくね
ルーイちゃんが、無茶苦茶してるみたいだけど
【ジャンプ】【踏みつけ】で足場としてうまく利用していくね
ルーイ・カーライル
【JCU】
えーと『システム・フラワーズ』に絡む事件って
話を聞いたけど……
よくわかんないや
「ボクは、お兄ちゃんのために頑張るだけだもん!」
チャペルお姉ちゃんのユーベルコードの鐘の音が聞こえたら
ボクのUCを発動
ユーベルコードを発動して、あとはお兄ちゃんに託すよ
【見切り】で避けながら積極的に攻めていこうかな?
メイベルちゃんと、歩夢くんの邪魔になるから
近づかないようにするよ
遠距離の属性攻撃かな
ガジェットを操作して【属性攻撃】
属性は【地】
ビルの床や壁で、凍り付いた敵を、バコン、ドッカーンって感じで、攻撃しちゃうよ
「お兄ちゃんの邪魔するなら、壊しちゃうんだからね!」
●システム・フラワーズより
「ベルカとして、あれはアリ?」
「愚問ですね。ナシに決まっています」
リーファ・レイウォール(Scarlet Crimson・f06465)の問いに、ベルカ・スノードロップ(享楽を求め続ける"ようかん"司祭・f10622)は即効で首を横に振り、拒絶の言葉を口にする。
どう見てもグラトニー姫は彼にとって受け入れられる者ではなく、ナシとしか言えない存在だったのだ。
「チャペル!」
「開戦の鐘を――!」
チャペル・フォレストパレス(もりのようかんの付喪神に選定された当代担当・f14933)はベルカの合図に即応で答え、鐘を鳴らす。するとこの場にいる猟兵達に力が漲り、処罰するための力を付与する。
「ボクは、お兄ちゃんのために頑張るだけだもん!」
難しい話はよくわからない、だがルーイ・カーライル(シンフォニック・エンジェルギア・f17304)はたった一つだけ判ることがあった。お兄ちゃんの為に頑張る! ただそれだけが真実で彼女の正義だからだ。
ルーイの背後から無数のナイフが召喚され、周囲に展開される。だが、彼女がやるのはここまでだ。あとは――大事なお兄ちゃんに任せる。
召喚されたナイフを引き継いだベルカは全力の魔力を持って引き継ぎ、ナイフの刃を魔力で纏い、狙いを定めてグラトニー姫に解き放つ。
ナイフは猟兵達を食おうと駆けているグラトニー姫に向かって真っすぐ飛び、グラトニー姫は横っ飛びで避けるもナイフは其の背を追いかけるように追尾する。
「あーもうついてこないでよっ」
「逃がしませんよ。この世界は好きなので、あなた方の好きにさせるわけにはいかないのです」
ついには追いつかれ。ナイフに最も弱いと思われる関節部分を狙われるもフォークで弾き続けるが魔力により刃の範囲が広くなったナイフはグラトニー姫を刻んでいく。そこに飛び込むのは高辻・歩夢(ロストクロニクル・f16213)とメイベル・リーシュ(銀月に照らされし殺戮人形―キリング・ドール―・f15397)のコンビだ。
ナイフが繰り出される中を恐れることなく、グラトニー姫を仕留めるべく背中を合わせながら歩夢は残月を振るい、メイベルはヒルダを操る。
迫るナイフをフォークで弾き飛ばし迫る二人を剛腕で粉みじんにするべく振るう。マトモに当たれば猟兵とは言えども致命的な傷を負うだろう。
だが、当たる直前にナイフが肘に突き刺さり、その威力を激減させる。
「歩夢、世界の未来に舞い殉じる――」
「斬り刻ませて頂きますわね」
その隙に歩夢とメイベルはグラトニー姫の懐に飛び込み、超高速の超連続攻撃と衝撃波を伴った連撃を叩きこみ、その体に大きな傷を負わせてドレスを切り裂く。
「キャアァアアア!!」
余りのも痛みにグラトニー姫は苦悶の叫びをあげながら、地面に転がるように打ち付けられらながらも、フォークを地面に突き刺して壁に打ち付けられるのを済んでで食い止める。
「あーもうっ! なんで食べるの邪魔するの! 私はただ食べたいだけなのに! 子豚ちゃんを頭からバリバリと食べたいだけなのに!」
「怖いよ!?」
食べられる姿を想像したのか、543と表示されたらんらんがビクつきながらグラトニー姫の方を見やる。動けなくて退屈なので体育座りで待っているようだ。
グラトニー姫の視線がらんらんに向かうも、横からの鎌の一撃がグラトニー姫に迫りフォークで受け止めて拮抗する。
「『猟兵商業組合』で『七つの大罪』に対応するのは誰か? って話があったのだけどね」
暴食と暴食がぶつかり合い、ギリギリとフォークとリーファの鎌がせめぎ合う。
「へぇー、猟兵にも暴食がいるんだ」
「その【暴食】は、私よりも食べるのよ。―――私、あなたより食べる自信があるわ」
「じゃあ私があなたを食べてあげるわ! おなかすいたから食わせなさい!」
グラトニー姫はフォークを大きく振りかざすも、リーファは紙一重で見切り、肌に迫りかければオーラを身体に纏い防ぎきる。
数度グラトニー姫のフォークとリーファの鎌が交差し、金属音が高らかに鳴り響く。
グラトニー姫を鎌で大きく弾き飛ばせば、グラトニー姫が吹き飛ばされ地面を滑るように着地する。再度駆けるべく、足を踏み出すが突如その体が動かなくなる。
チャペルの念動力だ。チャペルは戦いの中機会を伺い、動きを止める隙を狙っていたのだ。
体力があるうちは念動力も通ることはなかっただろうが、度重なる攻撃により消耗したグラトニー姫は念動力により文字通り足を引っ張られその動きを数秒止めてしまう。
だが、猟兵達にとってはその数秒だけで十分だった。
真っ先に動くのはたった今まで戦っていたリーファだ。
「"滅びの風"をその身で浴びるといいわ。強力な冷気は呼吸を致命傷に変えるのよ」
液体窒素と同程度の強烈な冷気がグラトニー姫を包み込み、その体を氷結させ、心身ともに体力を奪っていく。
綺麗に手入れされていただろう髪も、健康的に見える肌も凍りついていく。
足先から頭まで凍りついたグラトニー姫は氷の彫像となり――そこにルーイのガジェットの一撃が、歩夢とメイベルの交差が、ベルカのナイフが突き刺さりグラトニー姫は粉みじんに粉砕され、氷の粒子となって消滅していった。
戦いが終えてもらんらんの数字は減り続け、ついには0となる。その瞬間、らんらんの画像にノイズが走り、プツりと不穏な音が鳴ったかとも思いきや、普段のらんらんの顔文字に戻った。
「ねぇねぇ、おわった? おわった? あ、動けるみたい。良かったー。猟兵の皆さん、ありがとー!」
恐らくこの中でのリーダーはベルカであろうとらんらんは察し、律儀に頭を下げてお礼をいう。子豚ちゃんでもお礼は言えるのよ。
しかし、この事件は何だったのだろうと猟兵達とらんらんが首を傾げていると、突如けたたましいブザーが鳴り、その後二機械の声が響く。
『システム・フラワーズより緊急救援要請』
突如の警告の様な声にらんらんは勿論、猟兵達も動きを止めて何が来ても良いように構える。らんらんは丸くなって猟兵達の中に入り込んだ。守ってもらう気満々だ。
『全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり』
『テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う』
『繰り返す――』
数度繰り返されたアラームと救援要請の声。
らんらんの窮地から始まった事件は、まだ始まったばかりの様だ。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2019年04月30日
宿敵
『『フードファントム』グラトニー姫』
を撃破!
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