テレビウム・ロック!動画編集から逃げ……やっぱ逃げて!
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「毎回あなたへのオススメからボクの動画見てる人!
ど、う、し、て! まだチャンネル登録してくれてないんですか、この機会に登録してね、みんなだいすきAiLだよ! ふう、挨拶はこんな感じでいいかな」
彼女の名は、AiL(えーあいるー)。
キマイラフューチャーに住むごくごくフツーの動画投稿者なテレビウムだ。
今日も今日とて、自分の投稿する動画を楽しみにしてくれているチャンネル登録者(と偶然見てくれる人たち)の為に、動画作成に励んでいたのだが……。
最初は、ほんのわずかな違和感だった。
ジ、ジジ……ジジ……ッ!
「?」
なんだか、自分の視界……もとい液晶にノイズが走った気がする。
ああ。液晶、といっても目の前の動画編集用の液晶ではなく……。
なにか妙な電波でも受信してしまったのだろうか、と首を傾げるもファンは待ってはくれないのだ。
動画編集から、逃げるな。
そうそうに編集作業へ戻ろうと――。
ガシャンッ!
なんだろう、なにか……そう、まるで”なにかを施錠する”ような音が。
「え、ちょっ、前見えな……ってうわっ、うわああああ!? なんだこれっ!? ぼぼ、ボクの顔に鍵が! 鍵があああああ!?」
ロックオーン!
突然自身の液晶に浮かんできた見慣れぬ鍵のマークに慌てふためくAIL。
しかし、彼女の受難はまだ始まったばかりだった……。
「なんでボクが追われるのー! ていうか解放してくれないと動画編集が進まないよー!? 誰かたすけてーーーーー!!!!」
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「はーい、毎回あなたへのオススメから私の依頼見てる人! なんでいいねしたりチャンネル登録しないの! みんな知ってるキマイラフューチャーが誇る超絶美少女電脳ばーちゃるあーてぃすとのシエルよ!」
グリモアベースに緊急招集された猟兵たちを出迎えたのは、そんなちょっとウザい彼女――シエル・アインストール(ばーちゃるあーてぃすとシエル・f03731)だった。
「さて、そんなわけで依頼よ! キマイラフューチャーで大事件発生!」
彼女が言うには、いまキマイラフューチャーでテレビウムの液晶画面に”鍵”が映し出され、その鍵が映し出されたテレビウムをオブリビオンが襲うという事件が発生しているらしい。
「んー、本当なら私も実況生配信しながら駆けつけたいんだけど……」
視えてしまったから、まぁ仕方ないわね、とすこしだけ不満そうなシエル。
ひとりのグリモア猟兵が視たその事件のもとへ猟兵たちを送り出せるのは、そのグリモア猟兵自身だけだ。
だから、その仕事を知らんぷりで放り出して別の事件にただの猟兵気分で駆けつける……なんてことは、許されない。
「そういうわけだから今回はみんなに任せることにしたから!」
頑張って、とサムズアップするシエル。
「で、みんなにはAiLっていうテレビウムの女の子を守って貰いたいの」
何故彼女を含む鍵が映し出されたテレビウムたちが襲われるのか、そこまではグリモア猟兵であるシエルにも解らないという。
だが、放っておけば”ただ鍵が映し出された”というだけで、オブリビオンの犠牲者が出てしまうのだ。
「それって、なんかイヤ」
AiL、否、彼女だけではない。
多くのテレビウムたちはただ、楽しく日常を謳歌していただけだ。
その日常が、わけも知らぬ名も知らぬ、突然浮かび上がってきた鍵のせいで壊されてしまう。
そんなこと、誰だって許容出来るはずはない。
「一体この鍵が何なのか、ほんとに解らないんだけど……でもま、まずは彼女を守ることから!」
改めて、みんなに任せたわよ。とシエルは猟兵たちを送り出したのだった。
あかわデラックス
サヴァ、みなさまこんにちは!
あかわデラックスです。二本目まして、今回はキマイラフューチャー!
テレビウムたちの液晶に映し出される謎の”鍵”。
どうして鍵が表示されるようになったのか、明日までに考えてきてください。
そうすれば、理由がわかるはずです……嘘です、まだわかりません。
失礼、脱線しました。
では説明と参りましょう!
第一章は集団戦。だだっ広い公園で、彼女に襲い来るオブリビオンの群れを撃退してください。
第二章は集団戦。まだまだ彼女に襲い来るオブリビオンの群れをもっかい撃退してください。
第三章はボス戦。さらにさらに彼女に襲い来るボスオブリビオンを……って!
戦闘ばっかりかーい! 撃退! 撃退! 撃退してください!
はい、そんなシナリオです。ちょっと勢い重視のギャグっぽい感じ?
なお、こちらは期間限定シナリオとなっております。
”4月30日(火)の朝8:30までにクリアした全体の依頼本数”によって何かが起こる……かもしれません?
それでは皆様のご参加、どしどしお待ちしております。
第1章 集団戦
『何も答えてくれないベルーガ』
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POW : おまえを消す方法
【全て消すモード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : ベルーガに乗った中年
【ベルーガの調教師】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ : ベルーガがせめてきたぞ
戦闘用の、自身と同じ強さの【熱線銃装備の軍用ベルーガ】と【ガトリングガン装備の軍用ベルーガ】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
イラスト:ケーダ
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●零
ベルーガ、教えてくれ。
なぜ鍵が映し出されたテレビウムは襲われる?
ベルーガは何も教えてくれない……。
教えろよ、おーしーえーろーよーなぁベルーガぁーーーー!
●
「なんでボクが追われるのー! ていうか解放してくれないと動画編集が進まないよー!?」
キマイラフューチャーのとある公園。
そこには息も絶え絶え、襲い来るベルーガの群れから必死に逃げ回る鍵付きのテレビウム――AiLの姿があった。
「なんか、なんか助かる方法! いや、もうこの際だからどうしてボクを追いかけ回すの、教えてよベルーガあーーーー!?」
何故自身を追い回すのか、その答えが知りたい。
そんな彼女の問いかけにピタ、とベルーガたちの動きが一瞬止まり――。
「え、もしかして答えてくれるやつ? 教えてくれるやつ?」
首を傾げながら、おそるおそるベルーガへ一歩近づくAiL。
だが、ベルーガは何も答えてくれない。
ただただ、まるでパソコンがフリーズしたかのように、沈黙したままだ。
「……え、ちょ、ちょっと? な、なんか言ってよベルーガ」
……。
…………。
………………。
どれだけの時間が経っただろう。
ながい、ながい、沈黙の果てに。
「キュイイイイイイイイッ!!!」
これが、答えだ!
そう言わんばかりにイルカっぽい鳴き声とともに再び襲いかかるベルーガの群れ。
そう……ベルーガは、なにも答えてくれない。
答えを教えてくれないんだ、これがな。
「うわああああああ、やっぱ教えてくれないんじゃん! なんでこんな事になるの! ボクはただ、いつもみたいに動画作りしてただけなのに……」
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
死にたくない、死にたくない。
こんな、訳もわからないまま終わるなんて嫌だ。
誰か、誰か。
誰でもいい、誰でもいいから、ボクを助けて。
その声に――。
祇条・結月
鍵が映る……か。
やだな。こういうことに、鍵っていうものが関わってくるの。
鍵は、居たい場所を守るためのものだから。それが奪う側に回る、なんて
止めなきゃね
中距離を保って戦う
向かってくるベルーガの群れを苦無と銀の糸で迎撃するよ
【投擲】【スナイパー】で確実に隙を見つけて刺していって、接近されたら【罠使い】と【敵を盾にする】で即席のワイヤートラップで対応。
近距離に入れずに敵の動きを制限していくよ
味方に【援護射撃】が必要そうならそっちも忘れずに
ベルーガの弱点、ってどこだろうね。操る調教師も合わせて狙っていけばいいのかな。刃の雨を降らせて、ベルーガも調教師もまとめて落としていく
……少しだけ、機嫌、悪いのかも
マニッシュ・ベリー
ロックだって!?呼んだかい!?
追われているハニーの元に颯爽と駆けつけるぜ!
ハニーには【勇気】を与えて励まそう。
「やあハニー!ピンチヒッター登場だぜ!」
ん?…ロック違い?……顔がロック?
……なるほど。
つまりロックンロールってことか…(?)
この熱い思い、お前らにぶつけるぜ…シロイルカ!
ぶん殴るには丁度いいサンドバッグだぜ!
正面から突っ込む!
相手の攻撃は【武器受け】で止める!
そんで【グレイテスト・ヒッツ】でぶっ叩く…!
超耐久力ぅ?
うるせ~!!知らねえ~!!!
ROCKNR
OLL
雪華・グレイシア
さてさて、気になる謎は出てきたけれども
生憎と謎を解くのは怪盗の仕事じゃなくてね
できることをやっていこうか
まずはレディの救出、だね
開幕の出番は彼に任せるとしようか
歌と共に呼び出すのは霜の巨人
攻撃としぶとさが自慢な相手なら凍らせてしまうのは有効な手段のはず
動きの鈍った【敵を盾にする】ことで攪乱しながら、潰して回るとしようか
【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】
幻武・極
へえ、人気者は大変だねえ。
オブリビオンにまで追いかけられてっとそんな冗談を言っている場合じゃないね。
まずはイシコロ気流でボクとAiLを透明にするよ。
ベルーガに消される前にボクが消してみたよ。
そして、透明のまま戦闘用のベルーガを召喚したベルーガを不意打ちで攻撃していくよ。攻撃に衝撃波を加えることでボクが発する物音をごまかしておいてどんどんベルーガを退治していくよ。
難駄芭院・ナナコ
何だか事件の予感がするぜ!
待ってろよ!生きてろよ!
アタイたちがやっつけてやるぜぇ!
POW
何について調べる?おまえを倒す方法だ!
その方法についての答えは、そう!そう!そう!この感じ!黄金果実活性法だ!
(彼女がバナナと答えを導き出すためのタイムは、僅か0.05秒に過ぎない!ではひらめきシーンをもう一度見てみよう!)
うおおお!とにかくバナナだ!いただきます!
高級バナナの芳醇な香り、もっちりとした食感、適度な酸味と甘み!
こいつぁパーフェクトだぜぇ…!ごっつぁんです!
うおおおお!漲るバナナパワー!誰にも負ける気はしねぇ!
そして急成長!これがバナナの力だ!
「さぁ纏めてぶっ飛ばしてやんよぉ!」
心禰・白雨
大丈夫だ。
シエルのチャンネル登録は済ませてある。
いいねはその時の内容次第かねー。
なんだこのイルカは!
何でも調べるって言うなら自分が助かる方法でも調べてな!
そして、こいつが速く動くものから襲うって言うなら。
怪力で素早く物を投げつけて注意を逸らしつつ近づいて。
怪力と櫻狩で捕まえて、時間を掛けて絞め倒してやるぜ。
投げるものに反応しないようでもまあ櫻狩の間合いに入れば先手打てる自身はあるぜ。
万力のような力で握り潰してやる!
※他の参加者さんとの絡みや
アドリブなど大歓迎です。
玄崎・供露
しょーじきな話テレビウムに起きてる異常についてはまだ考える段階じゃないと思うぜ。物理的なウイルスなのか電脳的なウイルスなのかどうかも解らんし、それを解るようにするには……まずは、クソイルカどもを退けなきゃあな?
ユーベルコード発動。調教師だろうと召喚されたベルーガだろうと、対象が……的が増えるってことに変わりはない。こっちが呼んだドローンには適宜指示をして多対一で当たらせる。
テレビウム狙いってことで向こうから発動範囲内にやって来てくれるんならより効果的だな。もちろん手出しなんかさせんが
電脳魔術士舐めんな、お前を消す方法なんざ知ってるっての
●
「やあハニー! ピンチヒッター登場だぜ!」
ロックと聞いてやってきました、とAiLのもとにいち早く駆けつけたのはマニッシュ・ベリー(ロッキンブルー・モンスター・f12703)だ。
「助けがいるんだろ? なんだかロックな事になってるみたいだし、オレに任せて……ん、ロック違い? 顔がロック……なるほど」
まじまじ、と鍵が表示されたAiLの液晶を見つめ思考すること一瞬。
そう、ロックはロックでも、ROCKじゃなくて……LOCKです。
音楽ジャンルじゃなくて、施錠するほう。
もしかして、マニッシュさん勘違いしてました? いやまさかそんな、ハハハ。
「ま、つまり……ロックンロールってことか!」
「よ、よくわからないけど多分そう!」
なんだか良くわからないけど本人が納得しているならそれでOK、といわんばかりにAiLもぶんぶん首を縦にふる。
「よしきた! ハニーに手出しはさせないぜシロイルカども!」
ジャーーーーン!
愛用であり、自身の本体でもあるアイスブルーなカラーが美しいエレクトリックギター、Mタング65年型をかき鳴らすマニッシュ。
そのまま、ギターを振りかぶると……フルスイング!
ドント・ストップ・ミー・ナウ!
誰にも止められない、止まらない勢いのままに真正面からベルーガにギターを叩きつける。
その威力たるや、超耐久力を会得して突っ込んでくるベルーガもお構いなしとホームランするほどだ。
「超耐久~? うるせ~! 知らねぇ~!」
オレの熱い思い、受け止めてみやがれと次々にサンドバッグにしてやるぜー!と不敵に笑うマニッシュであった。
●
何について調べますか。
その問いかけに彼女が答えるまでに要した時間はおよそ0.05秒に過ぎなかった。
「調べるのはお前を倒す方法、そしてそれは――!」
関智的ハイテンションボイスと共に掲げたバナナにむしゃあ、と齧り付く難駄芭院・ナナコ(第七斉天バナナチェイサー・f00572)。
瞬間、高級なバナナの芳醇な香り、そしてもっちりとした食感に適度な甘味と酸味が口の中に広がっていく。
スクスクソーウル(黄金果実活性法)!
そう、そう、そう、この感じ!という彼女の声と共に段々ナナコの身体がスクスク~と急成長を遂げ大人の身体へと変身していく!
「これがお前らを倒す方法……即ち、バナナだ! うめー! バナナうめー!」
って何それ凄い!?と突然急成長を遂げたナナコの姿に鍵が表示されたまま、AiLも思わず目をぱちくりさせる。
「な、なんかよくわからないけど凄い! が、頑張れー!」
「おうとも、わたくしたちに任せておきなさい! こんな連中、やっつけてやりますの~!」
口調も大人っぽくなったナナコ。
デリシャスバナナブレイカーを連結させ、何だか南国風味な香りを漂わせながら構えを取るナナコは最早向かう所敵なし。
「さあ暴れ暴れ暴れまくるわよ~~~~~!!!」
心を掻き立てるバナナガッツを武器に、今ナナコの秘められた力がベルーガたちへ牙を剥いた!
●
何について調べますか?
何について何について何について――――。
「なんだこのイルカは! なんでも調べるって言うなら自分が助かる方法でも調べてな!」
眼前に迫りくるシロイルカ、もといベルーガの群れに呆れながらそう言い返したのは、心禰・白雨(赤糸結び・f02212)だ。
「お前が速く動くものから襲うっていうなら、こうだ」
持ち前の怪力で、公園の岩を引っこ抜くとそのまま勢いよくベルーガたちの方へ向けて、シューッ!
超高速!全て消すモード!に覚醒し、速く動くものを無差別に攻撃し始めていたベルーガたちは突然飛来した豪速球に思わず気を取られ――。
そのスキを見逃さず自身のもっとも得意とするリーチへ入り込んだ白雨が、その万物を握りつぶすほどの凄まじい怪力でガッチリとホールド。
「ぎゅえっ!?」
たっぷりと時間をかけて絞め倒してやる……。
まるで万力の如く、ぎりぎりと圧力がかけられていき、ベルーガの愛らしい顔からは想像もつかないような蛙が潰れたような声が思わず漏れる。
一匹絞め落としたあとは、今度はそのベルーガを砲丸投げのように投げ――。
またその飛来した仲間に気を取られたベルーガを――。
「す、凄い! 動画にしたい! あ、いや今はそんな場合じゃなかった! でも凄い、がんばれー!」
まさに、ちぎっては投げ、ちぎっては投げなその様子にAiLも思わず拍手をおくりながら応援するのだった。
●
ズウウウウン!
大地を揺らす轟音とともに、冷気を纏った土煙が舞い上がる。
「気になる謎は出てきたけれども――」
生憎と謎を解くのは、怪盗の仕事じゃない。
ゆうに自身の二倍はあろうかという巨大な”霞の巨人”の肩に立ち、ベルーガたちを見下ろすは怪盗――雪華・グレイシア(アイシングファントムドール・f02682)。
「あ、あなたは!?」
「何、世間を騒がす――怪盗ですよ」
身につけたマントをふわりと翻しながら、AiLの前に降り立つとこれまた手慣れた動作で彼女の手を取る雪華。
「ではレディ、危ないですから……」
下がっていていただけますか?
認識阻害の魔術が込められたマスクの下の笑顔に、キャーーーー!と黄色い声をあげるとAiLはそのまま物陰へと隠れたのだった。
「さて……」
愛歌。
咆哮せよ、霞の巨人。
人形遣いであり指揮者である雪華の動きをトレースするように、思うがままに動く巨人が咆哮とともにベルーガたちを蹂躙する。
「しぶとさが自慢なようだけど、凍らせてしまえば関係ないね」
時に凍りつき、動きの鈍ったベルーガを盾にしながら、霞の巨人は吠え続ける。
まるで終末戦争のように……雪華の敵を、すべて滅ぼし尽くすまで。
●
「しょーじきな話、なんでお前らがテレビウムを追いかけ回しはじめたのはわからないし」
何なら考えるような段階ではない、と玄崎・供露(テクノマンサー・f05850)は思う。
電脳的なウイルスであれ、物理的なウイルスであれ。
テレビウムたちに起こっている異常の原因を探るには、それこそまだ鍵が足りていない。
「まずは、お前らクソイルカどもを退けないとな?」
まだまだAiLを追いかけ回しているベルーガたちに視線を向ける供露。
自身の周囲にふわふわと浮かぶ小型タブレット――電子魔術板をぱしっと手に取ると素早くタブレットで電脳空間へアクセスする。
直後、彼女の背後が歪み電脳空間から現れたドローン――自律可動式戦闘兵器がベルーガに一斉射撃を開始した。
「AiLと言ったな? あのクソイルカどもは、お前を狙ってるみたいだからな」
後ろに隠れていろ、と彼女を背に庇うように立つと、そんな彼女を追いかけ押し寄せてきたベルーガをドローンが取り囲む。
「そっちから射程圏内に入ってきたんだ、覚悟は出来てるよな? もちろん、彼女に手出しもさせないし……それと」
何について調べますか、じゃねえよと供露が言う。
「お前を消す方法なんざ知ってるっての」
電脳魔術師を舐めるな、とセーラー服の隙間から溢れ出した血液が固まり、やがて歪な紅い刃物へと変わっていく。
「覚悟は出来てるなクソイルカども? ああ、嫌なら消えずに済む方法を自分で検索してろ。まあ」
無理だろうがな、と黒いマスクの下の鋭い牙をちらつかせながら供露がにやりと不敵な笑みを浮かべながらドローンと共に突撃していった。
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「にしても、人気者は大変だねえ……ってそんな冗談を言っている場合じゃないね」
戦いの最中、ヤレヤレとため息をついたのは幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)だ。
「そう、そんな場合じゃないから! たすけて!」
「オッケー、ボクの隠密術を見せてあげるよ。さぁ、ボクの手を取って」
「え!? う、うん!」
ぱっ、と言われるがままに極の手を取るAiL。
「どう? ベルーガに消される前に……ボクが消してみたよ」
イシコロ気流。
極の隠密技によって彼女と、彼女に触れてオーラを浴びた対象であるAiLは今、透明人間となっていた。
「う、うわ、凄い! これ、ボクも透明になってる!?」
自慢げに微笑む極と、初めて体験する透明人間に少し胸を踊らせるAiL。
ベルーガはというと、折角AiLに一斉攻撃を仕掛けようと戦闘用ベルーガを新たに召喚したというのにその対象が忽然と目の前から姿を消してしまい、どうしたものかと辺りをキョロキョロとしている。
「スキありっ!」
物音が消せない、という自身のユーベルコードの弱点を逆手に、衝撃波をわざと放ちその音に紛れて極が次々とベルーガへ不意打ちを仕掛けていく。
突然周囲の仲間たちが感電したように痺れ、あるいは凍りつきながら見えない敵に次々と襲われていく。
「検索、見えない敵、対処法」
混乱しながら見えない敵への対処法を思考し、模索しようとするベルーガ、しかしその答えはどれだけ調べても出てこない。
闇雲にただ数に任せて熱線銃やガトリングガンを撃ちまくるだけの的など、もはや羅刹の少女の敵ではなかった。
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「鍵を持つ者よ、君は我々に捕獲される運命にあるのだ、さあ行けベルーガ! あの鍵を手に入れるのは我々だ!」
「知らない知らない、助けてーーーー!」
ベルーガにまたがる調教師の男が、鞭を鳴らす。
その鞭の音に従うように猟兵たちから再び狙いをAiLにさだめたベルーガたちが、彼女のもとへ押し寄せようと――。
「ムッ!? ぜ、全体止ま……うおわあああああっ!?」
直後、彼女を追おうとしたベルーガたちの頭上から、銀色の雨(シルバーレイン)が降り注いだ。
「ぐっ、今日の天気は快晴……降り注ぐ刃の雨に時々注意しましょう、などという予報はなかったはず! ボーイ、君の仕業かね!」
自身とベルーガたちに降り注ぎ、その身体を裂いた鋭い銀の雨に苦虫を噛み締めたような表情になりながら、調教師が見据えるはひとりの少年。
「答えが欲しいなら、ベルーガに聞いてみたらどうかな」
構えた苦無を先ほどのように素早く、正確に調教師へ向けて放つのは祇条・結月(キーメイカー・f02067)だ。
「彼女の瞳に映し出された鍵を手に入れる邪魔……しないで頂きたいな、ボーイ! 行けベルーガ! 我々の望みのために!」
舌打ちとともに鞭を鳴らす調教師と、それに操られるように結月へ襲いかかるベルーガ。
「鍵が映る……か」
こういうことに、鍵が関わるのは嫌だなと結月は思う。
鍵は、居たい場所を守るためのものだというのに。
それが奪い、奪われるなんて、そんなことのために使われるなんて。
「止めなきゃね」
接近戦に持ち込まれぬよう、後ろに跳びながら刃の雨を迫り来るベルーガたち……否、その後方で指示を送る調教師へ放つ。
彼がいる限り、ベルーガたちは統率の取れた動きで的確にAiLを、鍵を狙って来るだろう。
狙いが結月に迫るベルーガたちではなく、その先にいる自身であることに気付いた調教師。
直ぐさま、自身を守れと再度ベルーガに指示を出そうとするもそれは残念ながら敵わない。
「み、見事だ……」
綺麗に眉間を貫いた彼の投擲技術を褒め称えながら、調教師が崩れ落ち、消滅する。
「そんな言葉要らないよ」
鍵を悪用しようとする輩に、賛美を貰ったところで嬉しくなんてない。
少しだけ、機嫌が悪そうに吐き捨てるように呟いたあと、結月は残るベルーガへ向かっていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『雀牌戦闘員』
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POW : 国士無双
予め【異なる顔の戦闘員が14人揃う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : 三元牌
【3人同時攻撃】による素早い一撃を放つ。また、【鳴く】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 立直
【相手の行動を読み、作戦通りの攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【狙いすました一発】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
イラスト:ケーダ
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●当たり牌
「ほんとにみんなありがとー! おかげで助かったんだよ!」
ありがとー!とぺこぺこと鍵が表示されたまま、お礼に頭を下げて回るAiL。
猟兵たちの活躍によって、ベルーガたちは殲滅され彼女の液晶に映し出された鍵を狙う脅威は去った……はずだった、が。
「見つけたぞ! 鍵! 我らの鍵よ!」
突然、公園内にやたらアクロバティックな動きで降り立ったのは頭部が雀牌になった怪人――雀牌戦闘員!
「お主のその鍵は、我らが和了(あがり)を迎えるために必要なもの、そう、いわば当たり牌! ロンロンロンロンロンーーーー!」
お主の身柄、我らが貰い受けると突如襲いかかる雀牌戦闘員たち!
どうやら、危機はまだ去ったわけではないらしい……!
祇条・結月
……鍵。鍵がテレビウムに映ることそのものが大事だってこと?
……やっぱり、お前たちにこの子を渡すわけにはいかない、ね。
この子が居たい場所を守るし、鍵も渡さない。
とはいえ、麻雀って得意じゃないんだよね。
なので、ちょっとずるしてみよっか。
敵はコンビネーションが良いみたいだから、完全に囲まれないように苦無の【投擲】と【スナイパー】で牽制して戦う。
≪三元牌≫を狙ってくるのがわかったら、こっちも加速して、敵の一人を優先的に「削って」倒すことに専念するよ。
その技は、さ。3人そろってること、が【鍵】なんだろ?
これで、解錠済み、だよね?
この調子で役が作れない連中を作っていって、確実に潰していく
●
「……鍵。鍵がテレビウムに映ることそのものが大事だってこと?」
鍵映すテレビウムの少女、AiLを背に庇うように立ち、そう問いかけるは祇条・結月(キーメイカー・f02067)。
「チーッチッチッチー! そう簡単に鳴く、もとい答えると思うなら」
そんな結月の問いに、甘いぞお主!とやたらコンビネーションの取れた動きとポージングで煽ってくる雀牌戦闘員たち。
「……」
なんだろう、別に答えが返ってくるとは思っていなかったもののちょっとイラッとした。
「やっぱりお前たちにこの子を渡すわけにはいかない、ね」
この子が居たい場所を守り、鍵も渡さない。
「(とはいえ、麻雀って得意じゃないんだよね……)」
猟兵といえど彼はまだ十五歳の、どこにでもいそう普通の少年である。
むしろ麻雀が大好きかつ大得意で常に雀荘に入り浸り、果ては自身の血液まで賭けた麻雀勝負に入り浸るのが趣味……なんて設定がなくて本当に良かった。
そんなことになったらもう、ユヅキってタイトルで十数年に渡って鷲の名を関したお爺ちゃんと延々戦いを――。
失礼、脱線しました。
ともあれ、麻雀がそんなに得意でない結月。
そんな彼が麻雀勝負で勝てるとしたら――。
「(ちょっと……ずるしてみよっか)」
ほんの少し、悪巧みを頭に巡らせる結月の表情は何処か楽しげで、不敵な笑みだ。
個の力はそれほどではないものの、数で圧倒してこようとする雀牌戦闘員たちに囲まれぬよう、構えた苦無を的確に放ち、牽制する。
「くっ、これでは近づけぬ……! 發(ハツ)! 中(チュン)!」
「あいや判った!」
「承知の助よ、白(ハク)殿!」
真っ白な顔の雀牌戦闘員――白の声に呼応するように發と中の顔を持つ雀牌戦闘員が跳ぶ!
「我ら白發中!」
見るが良い猟兵よ、鍵持つ少女よ……。
「三人揃えば無敵の役牌!」
これぞ、麻雀における最強の鳴き――たった三人だけで役を作り出す無敵のスリーメン・スクワッド! トリニティアタック!
「その名も、三元はっ……いってええええええ!?」
三元牌!と決めポーズを決めようとした中(チュン)。
その顔を――時空すら裂く銀色の光を纏った結月の刃が、ゴッソリと削り取った。
「その技は、さ。三人そろってること、が【鍵】なんだろ?」
これで、解錠済み、だよね?
そう、銀の光を纏ったまま、得意げに笑みを浮かべる結月。
「お、おのれ! 白殿が増えてしまったではないか! これでは三元牌が出来ない! あ、でも白があとひとり増えれば鳴く事が……ぎゃああああッ!? 今度は私の顔があああああ!?」
次々と、顔を削り取られ阿鼻叫喚に包まれる雀牌戦闘員たち。
「うわああ……凄いけど、なんか痛そう……」
そんな様子を物陰に隠れながら見つめるAiL、その液晶画面に――。
ジ、ジジ……。
再び、ノイズが走る。
それはまるで、鍵が初めて自身の液晶に映し出されたときのよう。
「え、えっ、な、なにこれ、え、ええっ!? これって!?」
大成功
🔵🔵🔵
●幕間-座標-
AiLの液晶に表示された鍵が、変化する。
それはまるで彼女の困惑を映し出すコンパスのように最初はくるくると。
しかし……程なくして鍵は、一つの方角を指し示す。
「座標だ!」
「座標が出たであります!」
「示されたのは何処か! どの方角か!」
その液晶に映し出された鍵が指し示すものに最初に気付いたのは、敵対する雀牌戦闘員たちだ。
「行かせるわけにはいかぬ!」
「それを渡すわけにはいかぬ!」
それこそ。
その、鍵が指し示すその場所こそ――。
「我らの和了に必要不可欠な、鍵なのだから!」
鍵が示すもの――座標。
おそらくは、そこにこの事件を解くための本当の鍵があるのかもしれない……!
玄崎・供露
……ふゥん、座標ねェ。しかし【和了】に例えるっつーことは、なんだ。運任せな所もあるんだろうな。少しずつ読めて来たぜ。
答え合わせの前に、てめェらは邪魔だァな、悪いがてめェら纏めてトんで貰うぜ――
お前らの戦い方はなんとなく理解してる、一人一人がパーツになって集まって特定のパターンを満たすとパワーアップする。なら揃わないように一つ一つ弾いてバラせば良いんだ。適当にな。そんであとは各個撃破ってな
ルールを知らない空間(アクマ)の打ち手で和了れるもんなら和了って見ろよ
ウェンディ・ロックビル
つまり、AiLちゃんをその場所まで守っていけばいいってことだよねっ!まーかせてっ!
同じ世界のよしみっ、動画投稿者のよしみ(僕はまだデビュー前だけど)でお助けしちゃうよ!
とにかくAiLちゃんが戦闘員さんたちに捕まらないように、AiLちゃんを抱えて逃げ回るぜっ!
鬼さんおいで、僕を捕まえられるなら捕まえてみなっ。なーんて。
相手が速度を高めて捕まえようとしてきたら――
AiLちゃん、ちょっと危ないから捕まっててねー。
ユーベルコード発動!最高速度ですり抜けるよっ!
AiLちゃんを守りたいのはほんとだけど、他の猟兵さんたちが戦う上で、囮になれたらなーって。これAiLちゃんには内緒ね!
※アドリブかんげーです!
●
「も、もしかしてこの鍵が指してる方向へ行けばボクの鍵のこととか色々わかるってこと!?」
自身の液晶に新たに映し出された座標と、それを示す鍵。
そこへ向かえばこの訳のわからない状況がなんとかなるかもしれないと、少しだけ希望が見えてきたAiL。
「つまり、AiLちゃんをその場所まで守って行けばいいってことだよねっ! まーかせてっ!」
きっとそうだよ、と彼女を安心させるようにAiLに微笑むはウェンディ・ロックビル(能ある馴鹿は脚を隠す・f02706)。
「同じ世界のよしみっ、動画投稿者のよしみでお助けしちゃうよ!」
本当は、まだ動画投稿者としてウェンディはデビュー前なのだが……そこは気にしちゃいけないところ。
そう、作りたいと思ったその日、その時から君はもう投稿者なのだ! デビュー待ってるね!
「ふゥん、座標ねぇ。しかし、和了に例えるっつーことは、なんだ」
運任せなところもあるのかもしれないな、と少し呆れた様子で話す玄崎・供露(テクノマンサー・f05850)。
少しずつだが、状況が読めてきた気はする。
「答え合わせの前に、てめェらは邪魔だァな、悪いがてめェら纏めてトんで貰うぜ……ウェンディ」
「よしきた! AiLちゃんは任せて!」
そっちは任せた、と目配せした供露に応えるように頷き、そのままひょい、とAiLを抱え上げるウェンディ。
「え、ちょっ!?」
突然抱え上げられてびっくりするAiL、そんな彼女に。
「だーいじょうぶっ! AiLちゃんが捕まらないように僕頑張るからね!」
笑顔でそう言うと一目散に雀牌戦闘員たちから背を向けて、ウェンディがAiLを抱えたまま走り出す。
「お主、逃げるつもりか!」
「卑怯、卑怯なり! 総員、鍵を逃がすなーーーーーー!」
一瞬、そんな彼女の様子にあっけにとられていた雀牌戦闘員たちだったが、直ぐさまウェンディ(とAiL)を追いかけ回し始める。
「えへへ、鬼さんおいで、僕を捕まえられるなら捕まえてみなっ、なーんて」
あっかんべ、と舌を出し挑発しながら、父親譲りのサバンナ仕込みな俊足で公園の敷地を走り回るウェンディ。
「あかん、早い、あの子早和了すぎる!」
「ええい、早打ちなら我らとて負け……グエッ!?」
「ええい、取り囲むのだ! 我ら一人ひとりでは無理でも束になってかかれば……あひいんっ!?」
ヘトヘトになりながらウェンディを追いかけ回す雀牌戦闘員が何か――見えない鞭に弾かれたかのように、次々と宙を舞う。
「いい囮役だぜ、ウェンディ」
完全にウェンディに気を取られていた彼らを、供露が振るう見えない鞭が襲っていく。
「お前らの戦い方はなんとなく理解してるからな」
一人一人がパーツになって集まって、特定のパターンを満たすとパワーアップする。それが、雀牌戦闘員たちの必勝法。
ならば、それを防ぐにはどうすればいいか……簡単な話だ。
「ひとつひとつ弾いて、バラせばいいんだ、適当にな」
幸いにも、鍵を持つ少女を抱え逃げ回るウェンディに彼らは夢中だったわけで……。
そんな彼らを弾くことなど、ルール無用の空間(アクマ)の打ち手である供露にとっては、実に容易いことであった。
「(どうやら、上手く囮役が出来たみたい……!)」
自身の後方で悲鳴を上げながら次々と宙を舞う雀牌戦闘員たちをちらりと見やり、ウェンディは内心、ガッツポーズを決めた。
「はぁ……はぁ……ま、待てこの! 待たんかお主! お願い、まって、ねぇ! ねぇってば!」
肩で息をしながら、必死にスピードを上げて全速力で追いかけてくる雀牌戦闘員の言葉に、キキーッと急ブレーキをかけ振り返るウェンディ。
「え、な、なんで止まるの!?」
「……AiLちゃん、ちょっと危ないから捕まっててね―」
急に動きを止めたウェンディに困惑するAiL。
「ハーッハッハッハ! ついに諦めたか小娘! 作戦通り!」
貴様が疲れ果て、動けなくなるこの瞬間を待っていたのだ!
大地を蹴り、やたらアクロバティックに回転しながら必殺の蹴りをウェンディへ見舞おうとする雀牌戦闘員。
「必殺! 立直一発! 満貫キィーーーーーーック!」
「う、うわあああもう駄目だーーー!?」
雄叫びとともに自身に迫る怪人の蹴りにもう駄目だ、と目を閉じるAiLだったが。
すかっ!
直後、AiLがきいたのはなんとも拍子抜けするような、何かが空を切る音だ。
「え、あれ、ボク……生きてる? ていうか、痛くない……?」
「なっ、なぜだ! なぜ当たらん! なぜだあああああ!?」
オラオラオラオラオラァ!
目の前で放たれる雀牌戦闘員の拳が、蹴りが、その全てが空を切っていく。
彼の攻撃が当たるその瞬間、ウェンディの姿が”まるで蜃気楼の様に”歪んでいるのだ。
「君じゃあ、僕のお散歩にもついてこれないみたいだね」
否、歪んでいるというのは正しくはない。
より正確にいえば、ウェンディの動きが”余りにも速すぎて止まっているように見えている”だけだ。
もっとも、それを目の前の彼やAiLは知るよしもないのだが……。
「おら、後ろがら空きだぞ」
「グワー!?」
見えているのに決して攻撃が当たらない相手に夢中になっていた雀牌戦闘員を、供露の見えない攻撃が無慈悲に弾く。
ルール無用のコンビ打ちに、雀牌戦闘員たちは次々と悲鳴を上げながら倒れていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
幻武・極
へぇ、鍵が目当てなんだ、鍵ならボクも持っているけどね。
ボクに勝ったら、鍵を見せてあげるよ。
相手の攻撃(捨て牌)から狙いを推測し、オーラ防御で守りを固めた低打点になる攻撃(牌)で誘いをかけるよ。
防御に成功したら、反撃開始だね。
相手が調子にのって立直をかけたら、ボクは模倣武術でコピーした立直を追っかけでかけるよ。
●
「へぇ、鍵が目当てなんだ。鍵ならボクも持っているけどね」
ボクに勝ったら、鍵を見せてあげるよと挑発するのは幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)。
「何、本当かお主! ならば我らが勝利し!」
お主の鍵も、いただいていくと息巻く雀牌戦闘員たち。
もっとも、彼らが求める鍵と、極の持っているという鍵が同じものとは限らないのだが……。
「先手必勝! 我らの怒涛の連携攻撃、受けてみるが良いわ小娘ェ!」
次々と地を駆け、宙を舞い襲い来る彼らの攻撃を避け、ときにオーラを用いた防御で守りを固め――勝機が訪れるその瞬間を待つ。
「ハーッハッハッハ! 守ってばかりでは結局勝てぬのが麻雀よ! お主には、焼き鳥がお似合いよぉ!」
焼き鳥。
もちろん食べるほうではなく、麻雀のローカルルールのひとつである。
半荘が終了するまでの間、一度も和了ることが出来ずにゲームが終了してしまった者にはペナルティが課せられるのだ。
「リィーーーーーチ!」
防戦一方の極に、調子に乗った雀牌戦闘員が点棒に見立てた武器を片手に立直をかける!
「立直一発跳満でェ……吹き飛ぶが良いわぁーーーーーッ!」、
大地を蹴り、空高く飛び上がるとそのまま落下の勢いにまかせて点棒を振り下ろす雀牌戦闘員。
命中すれば文字通りにトバされるであろう一撃、しかし――。
「へぇ……いいね、それ」
その攻撃を、ダメージを受けつつもオーラで防御した極が不敵に笑った。
防御に成功するとほぼ同時、取り出した鍵型のメモリを愛用のゲームデバイスに差し込む。
『対象ノユーベルコードノ記録二成功シマシタ』
「な、なんだ!? お主、何を!?」
突然デバイスから流れ出した不可解な電子音声に狼狽する雀牌戦闘員。
「教えて欲しい? それはね――」
こういうことだよ、とにんまり微笑む極の手には、先ほど自身が用いた点棒が握られている。
「追っかけ立直ってね、キミの武術は”覚えさせて”貰ったよ。それじゃあ――」
反撃開始。
早速だけど、トバしてあげるねと。
幻武流・模倣武術の力で完全に敵の力を我が物にした極の一撃の前に為す術もなく雀牌戦闘員は崩れ落ちた。
成功
🔵🔵🔴
心禰・白雨
んっ!? あの妙に顔の薄い牌は……!
牌を削り白を作り出す使い手がいるらしいな。
おれも怪力で真似できねえ事はねえが。
全部白で染めたら字一色四槓子になるしな、別の手を使う!
「お前らがその鍵でどんな役をそろえようとしているのか知らねえが! 和了なんてさせねえよ!」
とりあえず敵の狙いがAiLからその座標に逸れたのは善しかな?
国士無双崩しを狙う
一萬、こいつを狙って赫絲で絡めとり
一萬の一の字に怪力で縦に1の字を削り墨を入れて十萬にしてやる。
「てめえはもう存在しない牌になった! 何の役を作る事もできねえ!」
まあ、実は何かできたとしても顔も見た事無い牌になれば
周りの牌が混乱してコンビネーションを崩せるかな?
●
「んっ!? あの妙に顔の薄い牌は……!」
心禰・白雨(赤糸結び・f02212)の目に飛び込んできたのは、時空すら切り裂く光を纏った銀の鍵の担い手によって削り取られ、のっぺらぼうにされたあわれな雀牌戦闘員たちだ。
「(おれも怪力で真似出来ねえことはないが……)」
もしかすると、もしかするとだが、全員白に染まったらとてつもない役が完成してしまうかもしれない。
そう、何処かの世界の総理大臣が作り出したありえない役みたいな……。
「よし、行くか」
何かを思いついたように飛び出す白雨。
彼の目の前に立ちはだかるは、十四人もの異なる顔の雀牌戦闘員たち。
国士無双――ヤオ九牌すべてを一枚ずつ揃え、更にそのうちどれかひとつを雀頭とする和了の形。
その中の一人……一萬(いーわん)の顔をもつ雀牌戦闘員に狙いをさだめるや否や、すかさず赫絲を放ち絡め取りそのまま自身の元へ引き寄せると、その怪力をもって一萬の顔を縦に引き裂く。
「うっぎゃあああああ!? 顔があああああ!?」
哀れ、十萬(麻雀には存在しない牌=役を作れない役立たず)となってしまった一萬戦闘員が、痛みとショックからか顔を抑えてのたうち回る。
「うわあ……なんかまた痛そうな事になってる……」
のっぺらぼうにされるのも相当あれだが、これはこれでまた大分痛々しい感じだな……と一部始終を見ていたAiLが思わずそんな言葉を漏らす。
「お前らがその鍵でどんな役をそろえようとしているのか知らねえが! 和了なんてさせねえよ!」
さぁ、次に顔に新しい文字を刻まれたいのはどいつだ?と陣形を崩され、狼狽える雀牌戦闘員たちへにじり寄る白雨であった……。
大成功
🔵🔵🔵
難駄芭院・ナナコ
ははーん、この子が何かしらの鍵って事なんだな。
そして怪しい奴らめ!怪しい目的の為に使おうってのはわかってんだぜ!
テメーらには渡さねぇぜ!(びしぃ!)
WIZ
麻雀ってのがよくわかんねぇけど、とりあえずアイツらの妨害すりゃいいんだな!
へっへっへ、ならばその一発ってヤツをとにかく邪魔する!
そして黄金果実の絨毯で足止めする!
あわよくばこっちもなんかいい感じにそろえる!
オイ、これ黄色いのってのはないのか!なんだ、この真っ白いのがあんじゃねーか!これにバナナを貼り付けて…はい、上がりィ!
うるせーーー!しらねーーーー!上がれば良かろうなのだァー!
●
「ははーん、要するにこの子が何かしらの鍵って事なんだな。そして怪しい奴らめ! テメーらがこの子を怪しい目的のために使おうってのはわかってんだぜ!」
テメーらにAiLは渡さねぇ!
ビシィッ!と指差しポーズを決める難駄芭院・ナナコ(第七斉天バナナチェイサー・f00572)。
「麻雀ってのがよくわかんねぇけど……」
とりあえずアイツらの妨害すればいいんだな!とゴソゴソとナナコ特製バナナ専用携帯バナナの皮捨て袋から取り出したるは、食べ終えた大量のバナナ……の皮。
それをまるで、捨て牌が河に流れていくかのように公園内へ放っていく。
「ぬおっ!?」
「な、なんだ!? 何故こんな所にバナナの皮が!?」
その敷き詰められた足の踏み場もないほどのバナナの皮――黄金果実の絨毯に引っかかった雀牌戦闘員たちが次々と滑り、あるいは動きを封じ込められ立ち往生していく。
「えへへ、ばいばーい!」
俊足の少女に抱え上げられたまま、逃げ回るAiLがそんな彼らの様子に手を振りながら笑う。
「よーし、足止め成功だな!」
そんなAiLにサムズアップすると、身動きが取れなくなった雀牌戦闘員たちを次々とナナコが今度は黄金果実の一撃で吹き飛ばしていく。
「にしてもおい、この麻雀の牌って奴、黄色いのはないのか!」
バナナの皮にずっこけて頭を打ってのたうち回ったり、あるいは吹き飛ばされ気絶する雀牌戦闘員たちの顔を確認していくナナコ。
「お、なんだ! 真っ白いのがあんじゃねーか!」
彼女の目に止まったのは、自らの顔を失い、のっぺらぼうにされていた哀れな雀牌戦闘員。
「ち、違っ、我輩は白殿じゃ……!?」
もともとは違う牌の文字が刻まれていたであろうその顔に――。
べちゃあぁっ……。
「ああああああ!? いやなにすんのお主ィーーーーッ!? 気持ち悪うぅーーーー!?」
無言のまま、バナナの皮を貼り付けるナナコ……って本当に何してんの君ーーーー!?
「はい、和了ぃ!」
バナナの皮を張り付けて、黄色い麻雀牌完成!と満足気にガッツポーズを決めるナナコ。
「そんな和了があるわけ……ぐええっ!?」
うるせー!しらねー!あがれば良かろうなのだぁーーー!とバナナ牌になった雀牌戦闘員をフルスイング。
「アタイのフィールドでまともな麻雀が出来ると思うなよ……? さぁ、この調子でどんどんバナナに染め上げてやるぜぇーー!」
公園の敷地内が、甘いバナナの香りと黄色い牌に埋め尽くされたのはこの、すぐ後の出来事であった……。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『アヤカ・ウザカワ』
|
POW : そんなにあたしに関わりたいの?仕方ないなあ♪
全身を【構ってオーラ】で覆い、自身が敵から受けた【痛みや苦しみ】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : もっとアタシに構えー!
【音や煙が派手な様々な火器を装備したモード】に変形し、自身の【回避力と移動力】を代償に、自身の【命中と攻撃速度】を強化する。
WIZ : 世界で一番可愛いのはアタシ!
【笑顔】【挑発的なポーズ】【自分を見ろというオーラ】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
イラスト:つかさ
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠リサ・ムーンリッド」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ラスト・クォーター
「こ、この辺りのはずだけど……」
鍵が映し出した座標。
その座標の指し示した場所は、何の変哲もないキマイラフューチャーの都市の一角だった。
別段、鍵に関わりがありそうな建造物も見当たらない。
「うーん、別の場所なのかなあ……?」
鍵に関わる何かが解るかもしれない。
そう思っておとずれた場所で何の手がかりも得られず、意気消沈するAiL。しかし――。
「え、あ、ああああああ!?」
諦めて別の場所を探そうと、その場を離れようとした直後。
突如、AiLの液晶画面がまばゆい光を放ち、その顔に『15分お待ち下さい』という文字が表示される。
「な、なにこれ動けな……え、えええええ!?」
まるで石のように固まったまま、動けずに光を放ち続けるAiLに猟兵たちが駆け寄ろうとしたそのとき――!
「見つけた! このアタシよりそんな輝いて目立とうなんて、許せない!」
世界で一番可愛いこのアヤカ・ウザカワを置いて目立とうなんて、許さないわよ!と何処から湧いて出てきたのか突然オブリビオンがその場へ降り立った!
「15分なんて言わず、永遠にアタシに釘付けにしてあげる! アタシに、構えーーーーー!!!」
間の悪い、という言葉がこれほどまでに似合う相手も居ないかもしれない。
本来ならば彼女にかまっている暇はないのだが、放置することも出来ないだろう。
決して気を抜くことの出来ない15分が始まる――!
雪華・グレイシア
やれやれ、ナイトの真似事なんてのは柄じゃないんだけどね
可憐なレディのためだ、もう少し頑張るとしようか
生憎とキミはボクの好みじゃないんだ
おまけにあそこのレディのような愛嬌もない
だから、キミとのダンスは彼にお願いしようか
事件の最初と同じく歌と共に呼び出すのは霜の巨人
直接やり合うのは巨人に任せるよ
彼相手じゃ戦闘力の増強はともかく、生命力吸収なんてのは役に立たないさ
ボクは巨人の影に隠れながら【予告状】を武器代わりに【投擲】して【目潰し】
巨人の攻撃を援護するとしよう
そろそろ閉幕だ、アンコールはなしだぜ?
【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】
祇条・結月
えぇ……まさかここで無関係のオブリビオンが乱入とかじゃない、よね。
……とはいえ、守るよ。
君には僕らが構ってあげるから、さ。15分と言わず骸の海へ還れ
動きは鈍重だけど、火力と砲撃速度は厄介、だな……!
おまけに狙ってやってるのかわからないけど、音と煙で煩いし見えにくい……
とはいえ、向こうも視界は遮られるだろうし、お互い様、か
味方が攻撃を通す隙を作るために思い切って接近するよ
≪鍵ノ悪魔≫を降ろしつつ、なるべく砲撃は躱しながら距離を詰める
よけきれない分だけは透過して回避するよ
充分な距離まで近づいたら、銀の糸を絡めて火器を奪う、向きを固定してしまう、なんかで動きを封じる
幻武・極
へえ、そんなに構ってほしいんだ。
なら、ボクが相手をしてあげるよ。
と言いつつも羅刹旋風の準備の為、時間稼ぎをしながらゲームデバイスを振り回しているだけだけどね。
ある程度チャージ出来たら、ご希望通り相手をしてあげるよ。
羅刹旋風の2回攻撃の気絶攻撃で攻撃するよ。
望みどおりに構ってもらっているんだから、苦しみではなくて幸福だよね。
あと、気絶してしまったら痛みも感じないよね。
心禰・白雨
【POW】
はーん。おまえ誘ってんのか。俺を挑発しようっていうのか。
そんな安い挑発に俺が乗ってやろうってんだ感謝しろよ。
しかし、あのオーラは痛みや苦しみを戦闘力へ変換するというのか!
くそ、これは俺の能力じゃあ不利だ。これは力押しじゃあ勝てそうにねえ。
でも、だが、しかし。力押しする!
ダメージを受ける度に戦闘力を上げ生命力を吸収するっていうんならよ。
一発でデカく体力を削れば関係ねえよなあ!
羅刹旋風だ! 墨縄輪(黒い金属の腕輪のような物)を嵌めた腕を入念に回し
鳩尾にズドンと一発撃ち込んで入れてやるぜ。
難駄芭院・ナナコ
座標についたぜ!でもなんかヤバヤバな感じになっている!
そんな時に現れやがったなオブリビオン!邪魔はさせねぇぜ!
うおおおお!輝いて目立つならばまけねー!
このアタイも【存在感】でアピールしちゃうもんね!
「見よ!このバナナの美味しさを!うまそうだろ!」
POW
えぇい、なかなかやるじゃねぇか!
ならばアタイの十八番!黄金果実の一撃でぶっ飛ばしてやんよぉ!
相手をふっ飛ばして時間を稼げりゃいいんだがいつまで持つか!
ココが勝負所だぜぇ!バナナのパワーが強いってのを教えてやんよォ!
敵をぶっ倒せたならAiLちゃんの無事を確認!
もう何にもないだろーなー?ならば大丈夫だな!
●補足
アドリブ歓迎!好きにやっちゃって下さい!
玄崎・供露
うるっせェなそれどころじゃねェんだこっちは! ちっと退いてろ画面が見えねェ邪魔だ邪魔……っだー! 痛い目にあっても知らねぇからな……!
そんなに視線がお望みならくれてやんよ。そんなポーズしなくたってなァ! 視線を向けてジャスト10秒、【空間の指】発動だおらァ!
死ぬほど痛ェだろうがこいつァ手前の自業自得だからな!恨むのはお門違いってもんだぜ!
●
「あ、ああ……お前、お前! 思い出した! チート動画とかいっぱいあげてるアヤカ・ウザカワ!!!」
たどり着いた座標。
そこに突然現れた桃色の髪をサイドテールにし、赤い眼鏡をかけたジャージ姿のオブリビオン――アヤカ・ウザカワを見たAiLが指をさしながら叫んだ。
そんなAiLの態度に、苛ついたように睨みつけながら舌打ちをするアヤカ。
「そう……アンタに酷い仕打ちを受けたアヤカ・ウザカワよ! というか今まで忘れてたわけ、この動画投稿者のクズが! アンタのせいでアタシがどんな思いをしたか……!」
動画投稿者のクズ、という言葉にAiLがびくっと肩を震わせ、俯く。
「今の言葉、聞き捨てならないけど……」
「可憐なレディにそのような暴言なんて、相応の理由が有るなら聞かせて貰いたいものですね」
そんなAiLを庇うように、祇条・結月(キーメイカー・f02067)と雪華・グレイシア(アイシングファントムドール・f02682)が言う。
「ふん、いいわ……教えてあげる。そいつ、AiLはアタシがみんなのために心を込めて作った動画をダシにして、否定して、自分の動画や生配信の視聴者を増やそうとしたのよ!」
アヤカの口から飛び出した言葉に、思わず顔を見合わせたふたりが本当なの?とAiLを見る。
「ち、違う! 違うよみんな、聞いて! ボクはただ、アヤカが作ってたチートプレイや、ハッキング講座の動画は危ないって注意喚起する動画を作っただけなんだよ!」
「それ、世間じゃ余計なお世話って言うのよ、知らない? おかげでアタシの動画を楽しんでてくれたみんな、困ってたんだから!」
「困ってるのは、普通にゲームを楽しく遊んでるボクたちや視聴者のみんなだよ!? チートなんか使ってBANされたり、もっと大変なことになったらどうするの!? アヤカは責任取れるの!?」
「はぁ? なんでアタシが責任取るのよ、責任取るのはアンタのほうよこのクズ! アンタのせいでこちとら生配信しても視聴数上がったりなのよ! 挙句の果てに危険な動画を上げるな、なんて下らないコメントまで増えて! 代わりにこのクズはよくやったって褒められて……アタシより目立ってさぞ気持ちよかったでしょうね! どう、これでわかったでしょ? そいつは、アンタたち猟兵が助けるような価値なんて全く無いただの目立ちたがり! 自分さえ良ければそれで良い、ただのクズよ!」
クズ!
クズ、クズ、クズ!
クズ、クズ、クズクズ、クズクズクズクズクズ!
相手に呪いをかけるように何度も、何度も、何度も繰り返される罵倒。
「ボクたち動画投稿者は……みんなを楽しませるために動画を作ってるんだよ、みんなが笑顔になってくれるといいなって――」
「アタシは、アタシに構って欲しくて作ってるの! そんなもん、知らないわよばーーーーかっ! アンタも、アンタのその鍵も、全部、全部メチャクチャにして! 鍵に夢中になってる連中みんな、みんなアタシに夢中になればいいのよ!」
そんな理由で、この大事なときにこの場所に現れたのか。
その、滅茶苦茶で、幼稚で、独りよがりで、陳腐な彼女の理屈に。
「さっきから黙って聞いてりゃうるっせェな! それどころじゃねェんだこっちは!」
「要するにテメェの逆恨みじゃねえか! アタイ意味わかんねぇぜ!」
「ほんと聞いてるだけで頭が痛くなってくる理屈だな、子供か?」
ふたりの会話を聞いていた玄崎・供露(テクノマンサー・f05850)、難駄芭院・ナナコ(第七斉天バナナチェイサー・f00572)、心禰・白雨(赤糸結び・f02212)が思わず頭を抱えながら言う。
「そんなに構って欲しいなら、ボクたちが相手してあげるよ」
そのかわり、AiLには一切手出しさせないけどね、と幻武・極(最高の武術?を追い求める羅刹・f00331)も彼らの言葉に続く。
「ちょ、ちょっと、なによこの空気!?」
「君がAiLを狙う理由はよくわかった。この子が、AiLが何も悪くないのも」
動けないAiLの肩にそっと手を置くと、大丈夫。僕らが守るよ、と優しく結月が微笑んだ。
●
「やれやれ、ナイトの真似事なんてのは柄じゃないんだけどね」
可憐なレディのためもう少し頑張るとしよう、と雪華が謳うは霞の巨人。
「生憎とキミはボクの好みじゃないんだ、おまけにあそこのレディのような愛嬌もない」
アイシング・ヨトゥンヘイム――咆哮とともに姿を現した霞の巨人の影に隠れながら自身は怪盗らしく、投擲武器に見立てた予告状をアヤカへ投げつける。
「むっきー! ちょっと隠れてないでアタシとワルツでもしなさいよ!」
投げつけられた予告状を躱しながら、文句有りげな顔でアヤカが言う。
「好みじゃないレディと踊る趣味はなくてね。キミには巨人とダンスがお似合いだ」
そう言って、スポットライトの当たらない巨人の背でステップを踏む雪華。
その動きに合わせるように、霞の巨人の巨体が舞う。
「じゃあ、どういう子が好みなわけ? このアヤカ・ウザカワより可愛くて愛嬌のある子なんて居るっていうの!?」
「それは……」
「それは!?」
「……どうでしょうね」
一拍間を置いて、にこりと仮面の下の雪華が微笑んだ。
「え、なにその意味深な笑み! ムカつくんですけど!? 誰のこと考えてるかしらないけど、アタシを見なさいよぉーーーーー!」
「残念ですが」
お断りします、と返答代わりの予告状とともに、巨人の重い拳がアヤカの身体に振り下ろされる。
「そろそろ閉幕だ、アンコールはなしだぜ?」
華麗にターンを決めて、アヤカに背を向けながらまるで第四の壁の向こう側――舞台の観客たちに向けるように雪華が静かに頭を下げる。
「って勝手にアタシを終わらせるなーーーーーー! あとアタシより目立つな、カメラ目線で!」
ホコリまみれになりながら、構ってオーラ全開。巨人の腕を持ち上げ、振り回し立ち上がるアヤカを見て思わず雪華がうわっ、と声を上げた。
「ふふ……言ってなかったかもしれないけど、アタシ、結構マゾヒストだから――」
今の一撃、すっごく気持ちよかったわ、とぺろり、と恍惚そうな表情で舌なめずりをするアヤカ。
心なしかその身体を覆うオーラも最初に比べて強く、強く輝きを増している気がする。
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「おいおい……あのオーラ、痛みや苦しみを戦闘力へ変換するというのか!」
自身の能力や戦術では不利だと瞬時に悟る白雨。
単純な力押しでは、どんどんあの構ってちゃんはどんどんパワーアップして行くに違いない。
だが、それでも――。
「力押しで行く! ダメージを受ける度に戦闘力を上げ生命力を吸収するっていうんならよ。一発でデカく体力を削れば関係ねえよなあ!」
「その案、乗ったぜ! アタイも力押しが十八番……っていうかそれくらいしかできないからな!」
あえて、不利なことをわかった上で力押しで攻めることを決意した白雨の隣で、ナナコが言う。
「いいね、ボクも手伝うよ、と言いたいところだけど……ちょっとだけ準備させて欲しいかな」
必殺の一撃のために愛用のゲームデバイスを振り回し、その力を少しずつ高めながら極が言う。
「……どうやら狙いは俺と同じらしいな。なら」
「アタイが先に行くぜ、二人はそれに続いてくれよな!」
動けないふたりの代わりに、先に自分がまず道を切り開くとナナコがにィッ、と笑いながら飛び出す。
「うおおおお! 輝いて目立つならばまけねー! 見よ! このバナナの美味しさを! うまそうだろ!」
ゴソゴソと何処からか取り出したるは黄金色に輝く超巨大な冷凍バナナ。
「バナナ、バナ、バナナ!? 美味しそう……ってなるかぁー! 突然バナナを見せたからって目立てるなんて思わないで、ていうか凍ってるじゃないのそれ!」
そう言いつつも、突然のバナナに思わずツッコミながら視線を奪われるアヤカ。
「ふっ、お前はもう……見惚れている。そして喰らえ、アタイの十八番! 黄金果実の一撃(冷凍)!」
バナナをむしゃっ、と頬張るとそのまま跳躍。
手にした冷凍バナナを思い切りアヤカに向けて振り下ろす!
「バナナ豆知識そのいち! 冷凍したバナナで殴ると~~~~!」
「いったああああああっ!? でも気持ちいいーーーー! もっと構ってーーーー!」
凍ってカチカチになった冷凍バナナで思い切り頭部を殴りつけられたアヤカが涙目になりながら、思わず叫ぶ。
そう、痛い!
気持ちいいかは……ちょっとナナコには解らなかったけど。
ともあれ、頭を抑えながらちょっと気持ち悪い笑みを浮かべるアヤカに――。
「チャージ完了! 望み通り相手をしてあげるよ!」
「構え構えって……その安い挑発に俺が乗ってやろうってんだ感謝しろよ」
冷凍バナナを構え直したナナコの左右から、今度は極と白雨のふたりが息を合わせるように飛び出した。
「え、ちょっ、左右から同時ってそれはちょっとズルくな――」
左右から一糸乱れぬ連携で今にも襲いかからんとするふたり。
視線をいったりきたり、右往左往させながら叫ぶも時すでに遅し―ーほぼ同時に、ふたりの羅刹旋風が彼女の鳩尾目掛けて叩き込まれた。
瞬間、ズドン!という凄まじい音とともに錐揉み回転しながらアヤカの身体が吹き飛び、地面に叩きつけられる。
「望みどおりに構ってもらっているんだから、苦しみではなくて幸福だよね……あと、気絶してしまったら痛みも感じないよね?」
「これで立ち上がったら、どんだけマゾだって話だぞ……」
流石にやったか?とアヤカの消滅を確認しようと近づいた三人に――。
「ふふ、ふふふ……いいわ、その反応。お決まりの台詞! だったら、それに!」
応えるのも、アタシの役目だとアヤカが目を輝かせながら更に強大になったオーラとともに立ち上がる。
その身体に、自身の力で生み出した大小、様々な火器を纏いながら。
「さぁ、もっと、もっと、もっと――」
アタシに構えーーーーー!とすべての火器が、一斉に火を吹いた。
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新たに全身これ火薬の塊、大量の火器を武器に猟兵たちに息をつかせぬ攻撃を開始したアヤカ。
動きこそ鈍重なものの、その凄まじいまでの火力とオートエイムでもしているのではないかと言わんばかりの正確な射撃に辺りが煙と爆音に包まれる。
「動きは鈍重だけど、火力と砲撃速度は厄介、だな……!」
「ふふ、褒めてくれてありがとー! もっと褒めて! 構って! ほらほらほらッ!」
赤色、青色、黄に緑、派手な煙を噴射しながら放たれたランチャーが結月の頬を掠め、そのすぐ後ろにあった喫茶店に命中、爆発炎上させる。
その光景たるや、騒ぎを聞きつけたキマイラフューチャーの住人たちもいつものヒーローショー気分ではないと、すぐさま蜘蛛の子を散らすように逃げていったほど。
「わ、わわ……みんな逃げて、逃げてー! これショーとかじゃないから! うわあああ、こっちにも来たああああ、ボクも逃げ……逃げれないんだった! 助けてー!」
住人たちに光った液晶のまま、逃げてー!と叫ぶAiL。
そんな彼女にも、ファンシーな煙とともにミサイルが迫り――!
「あぶねェ! 動けないんだから人の心配してる場合かっての!」
もうダメだ、と顔を両手で覆ったAiLの前に供露が立つと、そのまま飛んできたミサイルを歪刻印で生み出した武器で一刀両断。ふたつに分かたれたミサイルは直後、AiLの真後ろで爆発した。
「AiL大丈夫!? くそ、狙ってやってるのかわからないけど、音と煙で煩いし見えにくい……!」
向こうも視界自体は遮られていてお互いさまではあるのだが……。
「それでも当てて来ようとしてんだ。なんか使ってやがんなあいつ?」
「ウォ、ウォールハックだよ! あいつ、ゲームするときでも壁とか全部スケスケにしちゃうって生放送で言ってた!」
AiLの言うそれは、FPSゲームで用いられるチートのひとつ。
本来、見えない場所にいる相手を壁越しにでも視認する卑怯な技術だ。
「ふふ、気付いた? この眼鏡をかけてれば、アンタたちの居場所なんてすぐに解るんだから! どう、欲しくなった? なんだったらアタシの動画で紹介してるから見――」
「いらねェよこのチート野郎!」
供露の返答にえー、つまんないの、と落胆するような声が煙の向こうから聞こえてくる。
「見えてるなら、じっとしてても仕方ない。供露」
僕が、スキを作ると小声で耳打ちする結月。
「……ジャスト10秒。それだけありゃぁ、充分だ」
「10秒だね」
わかったよ、と頷いた結月は鍵を取り出すと……おもむろに自分の胸へと突き刺した。
「えっ!?」
何してるの、と言おうとしたAiLの言葉を制止する結月。
「ごめん、少しの間だけ……僕を、見るな」
どくん、と心臓が跳ねるような音と共に結月の胸に痛みが奔る――。
と同時にまるでその心を閉ざすように黒い外套と、仮面が結月という存在を覆い尽していく。
そのさま、まるで鍵に宿された悪魔が乗り移ったかのよう。
「うっ、くっ……!」
胸に、否、全身に奔る痛みに耐えながら、鍵ノ悪魔を下ろした結月が一直線にアヤカのもとへ駆ける。
「え、速ッ!? 何々、何のチートよそれ!」
先ほどまでとは比べ物にならない凄まじいスピードで自身のもとへ迫る結月を迎撃せんと直ぐさま、砲撃を開始するアヤカ。
しかし、そのすべてが鍵ノ悪魔に宿された権能によって躱されていく。
「(捉えた!)」
自身の射程距離にアヤカを捉えた結月がすかさず銀の糸を放つ。
その糸によってアヤカの持つ火器が次々と絡め取られ、奪われ、無力化されていく。
「こ、この! すり抜けとか、そんなチート使って勝とうなんて恥ずかしくないわけ!?」
「君にだけは言われたくない」
「ああ、俺も同感だぜ。おら、そんなに視線がお望みならくれてやんよ」
ジャスト10秒。
なぞれ、という供露の言霊に合わせるように、もうひとりの悪魔――空間の指がその力をもって、アヤカの身体を空間ごと抉り取った。
瞬間、身体から噴き出す大量の鮮血にアヤカの顔が流石に苦悶に歪む。
「死ぬほど痛ェだろうがこいつァ手前の自業自得だからな! 恨むのはお門違いってもんだぜ!」
「……骸の海へ還れ」
「そんな、嫌よ……もっと、もっとアタシに構って、構っ――」
最後の最後まで、アタシに構えと。
そう言い残しながら、崩れ落ちたアヤカの身体は静かに霧散した。
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「ボク、間違ってたのかな……」
アヤカが消滅したあと、少ししょんぼりとした声で静かにAiLが呟く。
「さっきの彼女の言葉を気にしているのかい、レディ」
そんなAiLに寄り添うように、雪華が言う。
「うん……ボクが、彼女の動画を否定したのは、それはほんとのことだから、それでアヤカが傷ついたのなら……」
彼女の言うように、動画を作って誰かを楽しませようとする資格なんて、自分にはないのかもしれない。
「どーだろな、まァ、お前のやったことでアイツが傷ついたのは確かだろうが……」
「そもそも危険な動画あげてたんだろ、なら自業自得だろ」
でも、それでも。
なんだか、心に今度は楔が刺さったようにAiLのなかに、アヤカの言ったクズという言葉がこだまする。
「誰かを楽しませる自信、なくなっちゃった?」
その問いかけに、力なくAiLが頷いた。
いまだ光り続ける液晶画面では、彼女の表情はわからないけれど……ほんの少しだけ、泣き出しそうな、そんな表情に思えて。
「ならさ。思い出して見たらどう?」
ごそごそとポケットの中から結月は古びた鍵を取り出すと、彼女へそっと差し出した。
「え、えっと……」
「触れてみて、きっと君にとって大事なものを思い出せる場所に鍵が、連れて行ってくれるから」
おそるおそる。
結月が差し出した、その鍵に触れるAiL。
瞬間、AiLはなにかに吸い込まれるような感覚に陥り……。
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不思議な鍵に吸い込まれ、AiLがたどり着いたそこは、彼女の記憶を元につくられた見慣れた自室を模した鍵の世界。
「(あれ、ここってボクの部屋……?)」
きょろきょろ、きょろきょろ。
いつもと変わらない自室の光景。
もしかして自分は夢でも見ていたのだろうか、と思ったのもつかの間。
「や、やったーーーー! またコメントが来てる! わっ、マイリス登録まで! やった! みんな楽しんでくれてる!」
「(ぼ、ボク!?)」
目の前に広がる光景のなか、PCデスクに腰掛けながらモニターに表示された自分のつくった動画のコメントに喜ぶAiLの姿がそこにはあった。
「(あ、あ……)」
不意に、AiLの目の前がにじむ。
なにか、熱いものが液晶画面に溢れてきて目の前が見えなくなる。
思い出した、思い出せた。
そう、顔も知らない、名前も知らない誰かが、自分の動画を通じて、つながって、一緒に楽しんで――。
それが嬉しくて、だから自分は――。
「ボクは、動画を作りたいって思ったんだ」
ぱりぃん、と鍵の世界が砕け散る。
「お、帰ってきたなAiL! アタイとバナナでも食うか、美味いぞ! ていうかなんか光消えてね? 鍵も消えてるぞ!」
メモリア。
結月の鍵が見せてくれた優しい泡沫の夢からさめたAiLにバナナを差し出すナナコが、いち早く異変に気付く。
彼女の言うとおり、先ほどまであんなにも眩しく光り輝いていた液晶画面は今はもう光っておらず、鍵もまた表示されていない。
「あ、本当だ! 動ける! 身体も自由に動ける!」
先ほどまでのしょぼくれた姿はどこへやら。
バナナを受け取り、やったー!と喜びながら飛んで跳ねて走り回るAiL。
「なんだかよくわからないけど……一件落着ってことでいいのかな?」
「んー、だといいんだがな……」
これで終わりかな、と言う極に少しだけ釈然としない様子で白雨が言う。
確かに液晶画面から鍵は消えた。
だが、何故だ。
オブリビオンを倒したから?
それとも、AiLが元気を取り戻したから?
そもそも、座標とはなんだったのか、その疑問に答えるように――。
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「システム・フラワーズより緊急救援要請」
終わりは、また始まりでもあると。
突然、周囲の建造物すべてが喋りだしたかのようにその救援要請は始まった。
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う、繰り返す――」
――システム・フラワーズに侵入者あり。
――至急の救援を請う、繰り返す。
「おいおい……もうなんにもないと思ってたらなんかヤバヤバな感じじゃないかこれ!」
オブリビオンたちとの連戦を終え、ようやく落ち着いたところにもたらされる救援要請。
果たして、システム・フラワーズとは。
侵入者とは一体誰のことを指しているのか。
謎は、深まるばかり……。
大成功
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