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ロック!ロック!ロック!

#キマイラフューチャー #テレビウム・ロック! #テレビウム #システム・フラワーズ

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●グリモアベースにて
 とある日、あなたはグリモアベースへと訪れた。
 どうやら今日のベースはいつもよりも騒がしく、様々な喧騒が生まれては消えている。
 また、声を掛けているグリモア猟兵の数も多い。
 ともなれば、何かよからぬ事が起こりつつあるのだろう。

「あ、そこの方!良かったらお仕事請けてもらえませんか!」
 手をぶんぶんと振り、あなたに声をかけてきたのはグリモア猟兵のシュテルンヒェン・ライヒナシュナイデ(バトルメイド・f14769)だ。
 彼女の右手にはパイ(?)が掲げられている。彼女が手を振るたびにパイからは悪臭が立ち上り、徐々にこの辺りの空間を蝕んでいった。

「実はキマイラフューチャーにてテレビウムたちの顔に『鍵のような映像』が表示されるようになっているんです。さらに、そのテレビウムたちを狙ってオブリビオンが襲撃に来るみたいです!」
 最初はテレビウムたちなりの流行だと考えられていたが、様々なグリモア猟兵が予知をしたともなれば見過ごせない。
 人為的なものなのか、固体ごとのバグかは分かってはいない。明らかに情報は不足している。
 しかし、オブリビオンが絡むとものなれば、あなたたち猟兵の出番である。

「グリモア猟兵の子も被害を受けているようなので、バビューンと行ってバババ!って片付けちゃってください!」
 メイドは元気よく頭を下げる。同時にパイ(?)の悪臭も撒き散らかされる。
 正直、そのパイをどうにかする方が先決なのではないか。
 あなたはそう思いながらも、依頼を引き受ける事にした。

●キマイラフューチャーにて
 赤、緑、青、それから蛍光色。辺りには様々な色彩が散りばめられていた。
 ポップでサイバーな都市には人間の姿は無く、闊歩するのは『キマイラ』と呼ばれる住人たちである。
 ここは人類滅亡後の地球によく似た惑星、キマイラフューチャーだ。

 現在、この町では未曾有の現象に悩まされていた。
 一部のテレビウム達の顔に、突如「鍵のような映像」が映し出されているからだ。
 バグなのか、体調不良によるものかは分からず、映し出された者に共通点が見当たらない。おまけに、そのテレビウムたちを狙って怪人たちが襲い来る。ともなれば、住民たちは逃げ惑うしかない。

 だが、その瞳は僅かに煌いている。
 何故なら、怪人たちが現れるというのはつまり「怪人をやっつけるめちゃくちゃかっこいいヒーローがやってきてくれる」からである。

「――助けて、ヒーロー!!」
 今しがた、怪人に追いかけられていたひとりのテレビウムが声を上げた。
 現れたのはグリモアベースより転送されてきた「怪人をやっつけるめちゃくちゃかっこいいヒーロー」である、あなただ。


ゴリラ
 初めましての方は初めまして。そうでない方はこんにちは。ゴリラでございます。
 今回は期間限定のテレビウム・ロック!のリプレイを執筆させて頂ければと思い、こちらを投稿させていただいております。
 第一章で襲われているテレビウムたちを守り、最終的にオブリビオンとの戦闘となります。
 毎度のことで恐縮なのですが、メイドのパイ(?)に関してはスルーしていただいて構いません!拾っていただける方にはそれに触れたリプレイを書かせていただきます。プレイングのどこかに記載いただければと思います。
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第1章 集団戦 『働き蜂戦闘員』

POW   :    御槍奉公
【槍】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    飛行モード
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    数で圧す
自身が戦闘で瀕死になると【さらなる増援】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:森乃ゴリラ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

煌天宮・サリエス
「数で圧殺など弱者の理論。強者の理論というものを教えてあげましょう。」
反転:救いの光花を発動。大量にいる相手……即ち、私の贄だ。さあ、傷つけるといい……対価は貴様らの生命力で我慢してあげよう。
『呪いの剣袋』からビー玉を2つ取り出して直剣の形状に戻し二刀流の構えを取る。
相手の攻撃は【オーラ防御】を使用して受け、被ダメージが高くなると予想した攻撃に対しては【武器受け】で受け流していきます。
受けたダメージや【生命力吸収】で強くなる以上、攻撃を続けることが戦闘力強化と回復につながるのです。
「さあ、おいで有象無象の蜂君達。虫は高蛋白質で美味しいのだから。」



 煌天宮サリエスはキマイラフューチャーの世界へと降り立った。

 その直ぐ先では件のテレビウムが両手を上げ、ぴょこぴょこと跳ね、なんとも気の抜けるような声色で周りに助けを求めている。
「うわーーーお助けーーーー!!」
 その背後では、蜂をモチーフにしたオブリビオンたちが槍を構え、テレビウムを追いかけまわしている。

「数で圧殺など弱者の理論……強者の理論というものを教えてあげましょう」
 サリエスは全身を『救いの光花』で覆った。
 呪いにより黒く穢された花は見るものを魅了する。唐突に現れた光は働き蜂戦闘員の視線を奪い取る。
 サリエスは武器を構える事なく、その視線を受け止めた。
 無防備に思える身体に槍が向かう。
 服を切り、皮膚を裂く。それに満足げに笑うものが一人。

「私の贄だ――さあ、傷つけると良い」
 サリエスの衣服に血液が付着し赤黒く変色していく。
 同時に、光花を纏う光が増した。

「対価は貴様らの生命力で我慢してあげよう」
 サリエスは呪いの剣袋からビー玉を二つ取り出した。
 掌に乗せたそれは瞬く間に形状を変え、剣のような姿となる。

 そのまま片手ずつに剣を持ち、二刀を振るう。
 軽やかな攻撃は風を斬り、働き蜂戦闘員の槍を圧し折った。

 見た目からは想像できぬほど強化された身に敵などいない。
 働き蜂戦闘員の攻撃など軽く受け止め、次々にその攻撃をいなしていく。
 サリエスの身体に傷が増える度に、その動作には重みが備わっていた。
 一撃一撃が必殺のような威力を携えている。同時に、大量に居た働き蜂戦闘員の姿も徐々に減っていく。

 働き蜂戦闘員がサリエスを攻撃をするたびにサリエスは強化され、さらには回復までされていく。
 ――最早サリエスを殺せる者などいない。
 働き蜂戦闘員はそれを察し、僅かに後ずさった。だがもう遅い。

「さあ、おいで有象無象の蜂君達。虫は高蛋白質で美味しいのだから」
 狙いは定められた。逃れる術などない。



「か、かっこいい~~~~~!!」
 サリエスの手によって助けられたテレビウムは興奮気味に声を上げた。
 顔にはグリモア猟兵の情報通り、鍵の映像が表示されている。
「すごい!!羽はえてる、かっこいい~~!!」
 賞賛の声は止まず、テレビウムはサリエスの周りをぐるぐるとまわった。
「……ありがとうございます」
 サリエスはそれにやや困惑気味で答えた。
「握手してください!!握手!!」
 テレビウムが手を差し出した瞬間、その顔に異変が生じる。
 鍵のような映像は僅かに乱れ、地図の映像と重なった。
 どうやらこの都市のどこかを示しているらしい。
「もしかして、ここに行けばいいのでしょうか……?」
 鍵の映像がある限りオブリビオンの襲撃はやまない。
 今はこの手がかりに頼るしかないだろう。
 テレビウムの握手に応えながら、サリエスは次の目的地を定めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四軒屋・綴
(改変絡みアドリブ歓迎)

いつもながら刺激的な味だなッ!(虚ろな目)

まずはユーベルコードッ!本場とあれば全力だッ!【防具改造】で高らかにBGMを鳴らしながらジャンプッ!防御力重視の蒸気機関車系ヒーローに変身してヒーロー着地を決めるぞッ!

さてッ!今回の相手は槍使いだなッ!となればシンプルに速攻が良いだろうッ!敵の槍を徒手空拳で捌きつつブーストダッシュで間合いを詰めて零距離戦に持ち込みプロレス風に勝負を決めるぞッ!具体的には突きをかわして背面に回り込みジャーマンスープレックスで決めるッ!

「待てぇいッ!」
「勇・蒸・連・結ッ!ジョウキングッ!只今到着ッ!」(謎の爆発)



「いつもながら刺激的な味だなッ!」
 決して不味いとは言わないのが四軒屋綴である。が、目は虚ろでありパイの評価を如実に物語っていた。
 そんなメイドのパイを思い出しながら、四軒屋はグリモアベースを後にする。
 降り立つ先はメイドの依頼の通り、キマイラフューチャーの世界だ。

 転送された先ではテレビウムが働き蜂戦闘員に追い回されていた。
「た、助けてええええええ!!」
 甲高い声がヒーローの助けを呼んでいた。
 ――ならばやることは決まっている。

 四軒屋は蒸騎構築で変身をしてから、改造した防具を用いて音楽を流し始めた。
 アップテンポでテンションの上がるそれはヒーローに相応しきBGMである。

「ふんッ!」
 逆光を背に、先ずはジャンプで高く舞う。
 防御力重視の蒸気機関車系ヒーローに変身をし、一回転。テレビウムと蜂を分断するように着地を決めた。

「待てぇいッ!」
 高らかに声を上げた。戦闘員たちは困惑したのか、槍先が僅かに揺れている。

「勇・蒸・連・結ッ!ジョウキングッ!只今到着ッ!」
 言い終えればどこからともなく爆発が起き、四軒屋の登場シーンを熱く彩った。
 背後で守られていたテレビウムからは歓声が上がり、やる気も気力も十分である。

「うおおおおッ!!」
 四軒屋は戦闘員へと飛び掛る。槍使いともなればシンプルに片を付けるのが良いだろう。
 敵の攻撃を徒手空拳で華麗に捌き、ブーストダッシュで間合いを詰めていった。槍のような武器は零距離戦に持ち込めばこちらが有利となる。
 相手の槍を奪い、背後を取る。これで舞台は全て整った。

「うおおおおお!」
 決められたのは見事なジャーマンスープレックスである。
 次の餌食はどいつだ。四軒屋が体勢を整えると、戦闘員たちは僅かに後退をする。
 だが、それを逃すヒーローではない。
「覚悟しろッ!」 始まったのは正しくヒーローショーであった。


「す、す、すご~~~~い!!ヒーローだーーーー!!」
 四軒屋が戦闘員たちを退け幾ばくか。助けられたテレビウムはぴょんぴょん跳ねながら四軒屋に握手を求める。
 それに快く応じるの四軒屋はまさにヒーローに相応しい。
「サインして、サイン!!」
 テレビウムが興奮気味にそう語る。
 その顔にはグリモア猟兵の言っていたとおり、鍵のような映像が映し出されていた。
「いいだろうッ!」
 四軒屋が応じようとすれば、テレビウムの顔にノイズが走る。
 数秒の間、顔は乱れていたが直ぐに治まった。
 しかし、よくよく見れば先ほどよりも顔の映像が変化していた。
 テレビウムの顔には鍵の映像と、それから地図のような模様が描かれている。
「ふむ……ココに何かがあるのか?」
 四軒屋は目的地らしき場所をちょんと指先で押した。
 どうやら次なる目的地はここらしい。
「よし行くかッ!」
 手がかりがほかにある訳ではない。
 先ずはここへ赴き、更なる情報を集めていくべきだろう。四軒屋は次なる目的地を定めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サンタンヘル・デルフトゥーロ
『UC』
→見えないリングロープやコーナーポストがあるかの様に上がったりバウンドしたりできる

颯爽と登場し群がる敵を蹴散らして名乗り。
→高所から飛んできた落差を利用し、”ランセ”(アームホイップ)で数人まとめてなぎ倒す
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、
 テレビウムの祈りがワタシを呼ぶ!
 正義の使者、未来聖天使見参!」

・槍をかわしつつローリングソバット
・UCロープリバウンドで勢いを付けた素早い立ち回りから”コルバタ”(人工衛星ヘッドシザース)
・UCポスト三角跳びからAに飛び付きヘッドロックしつつBの頭を足で挟み込み、2人まとめて投げ
・向かって来た所を蟹挟みで倒し”カバージョ”(キャメルクラッチ)で極め



 サンタンヘル・デルフトゥーロは意気揚々とビルから飛び降りた。
 風を切り、蛍光色が散らばるビルの合間を滑空していく。
 くるくると綺麗にひねり回転を入れ、落差を利用して戦闘員たちの下へと飛び込んだ。
 戦闘員たちが急襲に対処できるわけもなく、数人まとめてランセの餌食となる。

「――天が呼ぶ、地が呼ぶ、テレビウムの祈りがワタシを呼ぶ!」
 着地と同時に名乗りをあげ、サンタンヘルは顔を上げた。
 その顔の半分はマスクで覆われているが、誇らしげに上げられた口元が全てを表している。
 己こそが『怪人をやっつけるめちゃくちゃかっこいいヒーロー』なのだ、と。
 
 どこからともなく戦いのゴングが鳴らされた。
 サンタンヘルがポーズを決めれば、けたたましい爆音と共に光が爆ぜた。
 完璧な登場シーンである。
 彼女の後ろから興奮したテレビウムの声が聞こえてくる。
「正義の使者、未来聖天使見参!」
 サンタンヘルはUCによって作られた見えないリングに飛び上がった。

 急な襲撃に戸惑っていた戦闘員ではあったが、テレビウムに向かうにはまずサンタンヘルを倒す必要があると理解をした。
 数名が見えないリングロープを潜り、戦いのリングへと上がる。

「来るが良い、ワタシの力を見せてくれよう!」
 戦闘員たちが槍を構えるのにも動じず、サンタンヘルは戦闘員へと飛び込んだ。
 槍の攻撃を華麗にかわし、先ずは一体目にローリングソバットを決める。腹部への一撃は重く、そのまま吹き飛ばされ動かなくなってしまった。
 別の戦闘員が飛び掛ってきたのを察知し、見えないリングロープに身体を預けた。
 限界までロープを引き、その反動を利用して相手の身体を絡め取る。
 コルバタが決まり、綺麗に宙を回りながら戦闘員を下敷きにするように地面へと落ちた。嫌な音が立てられたが気にしている暇などない。
 全ては正義の為である。

 サンタンヘルの獅子奮迅たる動きは止まらない。
 リングポストから飛び込み、ヘッドロックからの足技をはさみ、二人まとめて投げ飛ばす。更には、向かってきた別の戦闘員を蟹挟みで倒し、キャメルクラッチで意識を落とした。
 千切っては投げ、千切っては投げである。
 攻撃の手を休められることはなく、一方的な猛攻が続けられている。

「はあああああ!!」
 サンタンヘルが最後の一人にスープレックスをかましたところで、どこからともなく試合終了のゴングが鳴らされた。
 勝者は言わずもがな、両腕を力強く突き上げたサンタンヘルである。


「怪我はないか、テレビウムよ」
 サンタンヘルは髪をなびかせ、助けたテレビウムの元へと駆け寄った。
 幸いなことにテレビウムに怪我は無い。おかしいところがあるとすれば、グリモア猟兵が言っていた『顔に鍵の映像が映し出されている』事くらいだろうか。

「うん!うん!大丈夫!!それよりも~~~~おねえさんかっこいい~~~!!」
 テレビウムはぴょこぴょこと跳ね回っている。
 先ほどサンタンヘルが行ったプロレス技をたどたどしい動きで再現しようとし、しりもちをついてしまった。
「あ、そうだ。ねえねえ、サインして!あのね、サインして!」
 テレビウムがサイン帳を出そうとすると、突如顔にノイズが走った。
 数秒後には、鍵の映像と共にどこかの地図のような模様が浮かび上がっている。
「これは、地図か……?ならば、これが手がかりになるかもしれない」
 そうと決まれば話は早い。
 サンタンヘルはサイン帳にその名をつづり、テレビウムに地図が指し示した場所への同行を求めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナズヴィ・ピャー
【アレをソレで】
成る程キマイラフューチャーで何やかんや。
パイは後で戴きますのでそこの窓から投げ捨てておいて下さい
(中略)
遠 慮 し ま す !
(取っ組み合い)
UCパイの運命や如何に…

●きまいらふーちゃー
告:神経系修復完了 ログ破損…修復…修復不能……破棄
当機に何が起きたのでしょうか(ぷすぷす
ログが破損しているじゃないですか
つまり…ぐぬぬ

●たすけてなずえもん
…委細さっぱりですが承知しました
まあキマイラフューチャーっぽい所ならアレな感じの輩は怪人でしょう
怪人なら少々力加減を間違えても大丈夫でしょう

チョークスリーパーからの首置いてけ絞りをピガー
告:内燃機関に異常圧力…

あっ(過熱蒸気ズドーン



「遠慮します!!!!!!!!」
 力強い否定がグリモアベースに響いた。
 声の主はナズヴィ・ピャー。それに対峙するは彼女の天敵であるメイドである。
 何やらわあわあと騒いでいた二人ではあるが、途中から取っ組み合いへと変化した。
 めきめきと骨が軋む音が響くが、両者一歩も譲らぬ態度でそれに臨んでいた。
 誰か止めろと思うかもしれないが、触らぬパイになんとやらである。

「キマイラフューチャーでの依頼は請けます。パイも後で頂きますので、とりあえずそこの窓から投げ捨てておいてください!!」
 ナズヴィが吼える。だがしかしメイドは怯まない。
「食べます、本当に後で食べます!!当機のこの綺麗な目を見てください!!嘘をついているように見えますか!?」
 ナズヴィの死んだ目がメイドの姿を映していた。まったくもって説得力が無い。
「遠慮します!!!!!!!!!!!」
 ミレナリィドールの絶叫がグリモアベースに響いた。


「神経系修復完了……ログ破損を確認、修復……修復不能……破棄します……」
 ナズヴィの口からお決まりのシステム音声が鳴り響く。
 破棄します、破棄します、破棄します。
 システム音声が三回ほど続いた頃、ナズヴィはようやく意識を取り戻した。
「っは!?……当機に何が起きたのでしょうか」
 その口からはぷすぷすと何かが燻る音が響き、灰色の煙を漏らしていた。
 エラーの確認をしようにもログは破損、その殆どが破棄されてしまったようだ。
 つまり、あの勝負は……。
「ぐぬぬぬぬ、なんですかあのメイド!!」
 ナズヴィはごしごしと口元を拭った。
 僅かに残ったパイ(?)の欠片が細かく砕かれ、悶絶しそうな臭いを撒き散らしている。
「置き土産までええええええええええ!!」



 気を取り直して、ここは転送先であるキマイラフューチャーの世界である。
 ポップでサイバーなテイストが主なる町は鮮やかで、そして同時に賑やかだ。
「委細さっぱりですが、まあ承知しました」
 ログの大部分が破損してしまっていたが、依頼の内容についてはバックアップから引き出すことができた。
 テレビウムの顔に『鍵の映像が映し出されている』それの謎を解くのが、今回の依頼である。
 丁度、今しがた目の前を慌しく駆けていったテレビウムがそんな感じの顔を……顔を……。
 少し遅れて、蜂をモチーフにした戦闘員がそれを追いかけていった。

「…………幸先が良いですね」
 アレな感じの輩と、情報源になりそうなテレビウム。
 追いかけぬ理由など無い。
「怪人なら少々力加減を間違えても大丈夫でしょう」
 こちとら気分は最悪に近いのである。ウサ晴らしに付き合ってもらいましょう、偶然現れた哀れな怪人たちよ。

 ナズヴィは逃げ回るテレビウムとそれを追いかける戦闘員たちの後を追った。
 最後尾にいる一人にタックルを仕掛け、そのままチョークスリーパーをかけようとする。
「首置いてけ生絞りを――」
 ピガーーーーー。
 長めのエラー音が鳴り響く。
 同時に『内縁機関に異常圧力』システム音声が語りかける。
「あっ」
 どうやら蒸気が規定圧に到達してしまった。
 となれば、後はそれが開放されるのみである。
 ナズヴィの身体からは白い煙が立ち上がり、高威力の過熱蒸気が辺り一帯を包み込んだ。


「す、すごーーーーい!!おねえさん猟兵!?!?」
 結果的に言えばテレビウムは助かった。
 その他は助からなかったが、全て戦闘員の怪人だったので問題はない。
 よかった、ほかの犠牲者がいなくて。ナズヴィはその言葉を飲み込み、テレビウムの言葉に頷いた。
「そうです。当機はテレビウムたちに起きている怪異を追っています」
 指差した先、テレビウムの顔には情報通り『鍵の映像』が映し出されていた。
「そうなんだー!!確かにこれ困ってるんだ……あ、まってお話の前に、先にサインがほしいな!!」
 テレビウムが油性ペンを取り出す。同時に、その顔にノイズが走った。
 鍵のような映像は僅かに乱れ、地図の映像と重なる。
 どうやらそれは、この都市のどこかを示しているらしい。

「これは……ふむ、手がかりと捉えてもよいでしょう」
 そもそもほかに手がかりなどはない。
 今はこれの謎を追い、解決へと近づくのが良いだろう。
 ナズヴィはテレビウムの頭に自らのサインを入れ、テレビウムに囮もとい同行を求めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ゲソフレイム』

POW   :    汚物は消毒でゲソーッ!
【松明に油を吹き付け発射した火炎放射】が命中した対象を燃やす。放たれた【油の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    俺色に染めてやるでゲソーッ!
レベル分の1秒で【ベタベタするイカスミ】を発射できる。
WIZ   :    見るがいい、これが俺の変身ゲソーッ!
対象の攻撃を軽減する【激情体】に変身しつつ、【右腕に装備された火炎放射器】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:ケーダ

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 あなたがたは追われているテレビウムを助け、同時に新たな手がかりを得た。
 テレビウムの画面には鍵だけではなく、どこかの地図が表示されたのだ。
 しつこい敵の追撃をふりはらいながらそこまで向かうとしよう。
 テレビウムを守りながら移動するのは大変かもしれない。
 だが、ヒーローにはやらねばならぬ時がある。そしてそれが今なのだ。
煌天宮・サリエス
追っ手を眺めながら呟きます
「蜂の次はイカですか。焼いたイカはとてもおいしい」
【熾天使の書】を開き、白き炎を生み出す。
相手は炎を使うらしいが、それがユーベルコードの産物なら炎すら焼却してイカを焼き上げれるでしょう。

「さあ、特等席で見るといいです。これが、『ワイルドハント・単独戦闘担当』煌天宮・サリエスが使う炎すら焼き尽くす炎だ。」
己が所属する旅団の名と担当を高らかに謳う。
テレビウムに魅せるのは、熾天使の炎。
神の敵すべてを焼却する聖なる炎の顕現させ、イカを美味しく焼き上げる光景。

私がいる限り、あなたの安全は確実に守られます。
集団戦は得意ですから。

アドリブ歓迎



 サリエスは新たに出現した追っ手を眺め、そして呟いた。
「蜂の次はイカですか」
 両手に持っている炎が気になるところではあるが、キマイラフューチャーらしいポップなデザインである。
 その数は多く、犇めき合っているので割りと地獄めいてはいるが、所詮はただのイカだろう。
「――焼いたイカはとてもおいしい」
 うっそりと呟かれたそれに、並走するテレビウムも大げさに頷く。
 ならばやるべき事は一つである。

 サリエスは熾天使の書を開き、聖なる炎を生み出した。
 轟々と音を立てて燃える炎は勢いが強く、イカの持っている松明よりも眩い光を携えていた。
 相手も炎を使うらしい。
 だががそれがユーベルコードの産物ならば、その炎すらも焼却してみせよう。
 
「さあ特等席で見ると良いです」
 イカたちに対して、テレビウムに対して、歌うように語り始める。

「これが、『ワイルドハント・単独戦闘担当』煌天宮・サリエスが使う『炎すら焼き尽くす』炎だ」
 己が所属する旅団の名と、担当を高らかに謳う。
 言葉の端々からは自信と誇りが見え隠れしていた。
 かっこいい名乗りにテレビウムが歓声を上げぬはずもない。
 きゃーきゃーわーわー。騒ぐ声を背後に、サリエスは炎の勢いを強めた。

 放った炎は龍の如くうねり、火の粉を撒き散らしながらアスファルトの上を這う。一見すれば禍々しく思えてしまうかもしれない。だが、それは確かに聖なる輝きを備えていた。

 神の敵をすべて焼却する炎に不可能など無い。

 聖なる炎はイカの炎を丸呑みにして、己の糧へと下した。
 そのまま、右往左往し始めたイカごと高温でじっくり焼き上げる。

「こんなところでしょうか」
 イカ達が動かなくなった頃、サリエスは燻る炎を避けてイカの元へと近づいた。
 どのイカからもぶすぶすと灰色の煙が上がっていた。
 その煙に乗って、美味しそうなイカの匂いが当たり一面に広がっていく。

「うわーーーー!!おいしそう!!」
 テレビウムはご機嫌でイカの周りで飛び跳ねている。
 暫くすると、様子を伺っていた別のキマイラたちも匂いに誘われてやってきたようだ。

「ではみなさんで召し上がりましょう」
 命を無駄にしてはいけない。
 サリエスの指示の元、急遽イカ焼きパーティーが決行された。
 住民たちの手により、様々な調味料が用意された。
 甘辛いソースに、にんにくの利いたソース、オリーブオイルやベーシックなしょうゆなど多種多様である。

「勿論、依頼は忘れていませんよ。召し上がったら参りましょう」
「うん!!」
 サリエスとテレビウムはイカを片手に方針を語る。
 追われている身であるが、このときだけばかりは和やかな時が流れていった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

四軒屋・綴
(アドリブ改変絡み歓迎)

ふむ……つまりこれは『地図』で、そして『鍵』を持って行けば『扉』が開くッ!

テレビウムッ!君の力が必要だ……俺と合体してくれッ!さながら『縁情咆装ジョウライン』と……ダメか。

という訳で状況に合わせて防具を改造したりしてテレビウムを直接身体に入れつつブーストダッシュで逃げるッ!『モックズブッパ』で牽制射撃も交えるが……イカんせん手数が8本ほど足りないな……

という事でユーベルコードだッ!指差し確認しつつ『氷の竜巻』で道を形成ッ!滑ることでスピードアップッ!

ついでに途中でループコースター作成ッ!一回転の勢いを乗せた『モックズブッパ:ソードモード』で止めだッ!



「なんと……ふむ、つまりこれは『地図』で、そして鍵を持っていけば『扉』が開くッ!」
 何故、急に地図が表示されたかは分からない。
 オブリビオンに追いかけられていたせいか、あるいは猟兵が来たおかげか。謎である。
 だが、こうして表示されたのならば、何かしらの意味があるのだろう。
 今はそれを信じて行くしかない。

「テレビウムッ!君の力が必要だ……俺と合体してくれッ!!」
 四軒屋は大声でそう述べながらテレビウムの肩を掴んだ。
 両者とも表情が読みづらく、今現在どういった感情かは分からない。
 だが流れる雰囲気はとても熱いものだ。

「よし!!では『縁情咆装ジョウライン』ッ!……とはいかないが、目的地へと参ろうッ!」
 四軒屋はテレビウムを直接身体に入れられるように防具を改造した。
 抱えて走ってもいいのだが、急襲を受けたときにどうしても反応が遅れてしまうのはヒーローとして辛いものがある。
 だが、この方法ならば心置きなくブーストダッシュで駆け抜けられる。

 四軒屋はテレビウムを身体と防具の間に入れ、加速しながら目的地へと向かう。
 だが、そう易々と目的地へ通してくれないのがオブリビオンである。
「むッ!現れたなオブリビオンッ!」
 蜂の群れを追い払ったら、次に現れたのはイカの群れである。
 モックズブッパでけん制射撃を交えたいところではあるが、多数の敵を相手にするともなれば、イカんせん手数が8本ほど足りない……。

 ならばここはユーベルコードの出番だ。
 指差し確認を交えながら、あたりの様子を伺った。
 幸いなことに、オブリビオンの出現を察知した住人たちは建物に閉じこもっているようであった。
 これならば、何も気にすることなく敵を倒す事ができる。

「混然列車ッ!」
 四軒屋は氷の竜巻を起こし、道路の上に簡易のスケートリンクを作った。
 滑ることで更なるスピードアップがを計るためである。
 モックズブッパを片手に構え、イカのオブリビオン相手に射撃攻撃を行う。
 どうやら相手方は水は得意でも氷はそうではないらしい。
 吸盤が氷に張り付き、上手い具合に連携を取れないようだ。
「ならばここで決めるしかないッ!!」
 今がチャンスである。
 四軒屋はスケートリンクから一回転用のループコースターをつなげた。
 モックズブッパを変形させ、ライフルからソードへと変える。
 氷を蹴り、勢いよくループコースターへと滑り込む。勢いを殺さず、そのまま一回転。加速された速度のままにソードモードで氷に張り付いていたイカの手足を切り裂いた。
 風を斬る音が鳴り、空気の刃が広がっていく。
 小気味良い音が鳴り終えた頃には、全ての脚を切断されてしまったオブリビオンの姿があった。
 うねうねと蠢き、その場で立ち往生している。

「うむ、それならば追ってはこれまいッ!来いッ!揃いにしてやるッ!」
 四軒屋はソードを構え、立ちはだかるオブリビオン全ての手足を切断してまわった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サンタンヘル・デルフトゥーロ
急がなくてはならないが、追っ手の攻撃によって周囲に被害が広がるとなれば……
「すまない、正義の使者たるもの、市民を犠牲にする事はできないのだ……未来聖天使の名にかけて成敗する!」

・炎を掻い潜ってフライングニールキック
・触腕を掴んでアーチ(門)を飛び越え、滑車の原理で投げ飛ばす
・屋上からミサイルキック
・触手同士を結び固めて動けなくする
「これが本当の”エル・ヌド”(結び目固め)だな!」

・テレビウム(または市民)に火炎が向けられたら身を挺してかばい、炎を受けて炎上した状態で反撃
「正義の怒りを見るがいい……ビバ・メヒコ!」
→炎のプランチャ(ボディアタック)炸裂

戦後「待たせて悪かった、さぁ急ごう」



 サンタンヘルとテレビウムはオブリビオンに追われていた。
 先ほどの蜂の戦闘員たちではなく、新たに出現したオブリビオンによってだ。

 本来であれば、オブリビオンを交わしながら目的地へと向かうのが正しいのだろう。
 だが、ここでオブリビオンを放置してしまえば他の住人たちに被害が及ぶ。

「すまない、正義の使者たるもの、市民を犠牲にする事はできないのだ……」
 サンタンヘルがテレビウムにそう告げれば、当のテレビウムは全てを分かっているような態度で応える。
「ヒーロー、だからね!」
 そう、ヒーローならば仕方が無いのだ。
 テレビウムはそっとサンタンヘルから離れ、瓦礫の影で応援を始めた。

「ああ、未来聖天使の名にかけて成敗する!」
 テレビウムにそう誓い、サンタンヘルはイカのオブリビオンの群れへと飛び込んだ。


 サンタンヘルは一番近い場所に居たオブリビオンに向かい、フライングニールキックを試みる。
 刺突のように松明が向かってきたが、それらは難なく掻い潜ることができた。
 どうやら奴ら、そこまで素早い生物ではないようだ。
 松明を交わしてから、半身翻してからのキック。映画のようなコンボにテレビウムの声援が一際大きくなる。
「まだだ、次!!」
 横から触腕による打撃をかわし、隙を見てその触腕を掴み取った。
 少しぬめつくのが気になるが仕方あるまい。
 サンタンヘルは掴んだまま門へと上がり、そのまま飛び降りる。するとオブリビオンは滑車の原理で飛んでいってしまった。その先に別のテレビウムがいない事を祈るばかりである。

 オブリビオンを千切っては投げ、千切っては投げ。サンタンヘルの猛攻は止まらない。
 とある固体には、建物の屋上からのミサイルキック。
 別の固体たちには触手同士を結んで動けないようにしてしまう。
「これが本当の『エル・ヌド』だな!」
 軽いジョークも忘れずに。猛進するさまはヒーローのように逞しい。

 見事な快進撃を見せていたサンタンヘルに恐れを抱き、数体のオブリビオンがテレビウムの元へ向かった。
 そうだ、最初から狙いはあちら側であった。サンタンヘルを倒せなくとも、テレビウムさえなんとか倒してしまえば良いのだろう。
 オブリビオンは持っていた松明を振りかざしながら、隠れていたテレビウムを炙り出そうと蠢き始める。
 テレビウムは急襲を受け、わたわたと逃げ回っていた。

「卑劣な……!!」
 相手はユーベルコードも使えぬ弱者である。なんたる不届き者め。
 サンタンヘルはテレビウムを守るために駆けた。
 翳された松明におびえることも無く、その炎をその身に宿す。
 パチパチと音を立てながら、身体が炎上をし始めた。
 だが、それがどうしたというのだ。

「正義の怒りを見るが良い……ビバ・メヒコ!!」
 燃え盛る正義の前では、このような小火など臆するに足らず。
 サンタンヘルは炎を纏ったままプランチャを決め、オブリビオンの身体を焼いていく。
 少し香ばしく、美味しそうな匂いに涎をたらすものがひとり。
「わあ、おいしそう」テレビウムの暢気な声が響いた。


 戦闘が始まって幾ばくか。
 サンタンヘルのおかげでオブリビオンの群れはあらかた片付いた。
 あたりには手足を焼かれたイカたちが折り重なっている。これならば、放っておいてもキマイラフューチャーの住人が食べてくれるだろう。

「待たせて悪かった、さぁ急ごう」
 サンタンヘルはテレビウムにそう声を掛けた。
 すると、テレビウムは嬉しそうにサンタンヘルの周りを飛び跳ね始める。
「ううーーー!!かっこいい!!さすがヒーローだー!!」
 そういわれて悪い気はしない。
 サンタンヘルは礼の代わりにマスク越しの微笑を見せた。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナズヴィ・ピャー
【イカ焼きください】
ふむ、この辺りで祭りでもやってるんですかね?
実物を見たのは初めてですが、活きの良い焼きイカとおぼしき何かが追ってくるではないですか
あんなデカい奴を食すとなると…切り分けるんですかね?

…違う?
アレは怪人?(新事実
当機には最初から判っていました
小粋なジョークという奴ですよ





さて、イカ焼きもどきを始末しましょう
…好き勝手暴れようにも囮……ゲフンゲフン
護衛対象を守りながらとなると盾になる必要がありますね
ジャガーノートで自分というか的を大きくしつつ攻撃を全て受け止めますか
なーに、魅惑のぼでーは熱や衝撃に強いのです

イカ焼きもどきは細切れにして博士へのお土産にしてしまいましょう



 ナズヴィは目の前に現れたオブリビオンを見て、僅かに首を傾げた。
「ふむ、この辺りで祭りでもやってるんですかね?」
 そう呟く彼女の前にいるのは、イカ型のオブリビオンの群れである。
 びちびちと音を立てながら触手をくねらせ、大人数で行く手を阻んでいた。

「実物を見たのは初めてですが……活きの良いイカとおぼしき何かが迫ってくるとは。おそるべしキマイラフューチャー……あんなデカいやつを食するとなると、やっぱり切り分けるんですかね?」
 食べるのか、あれを。
 テレビウムのそんな視線を受けながらも、ナズヴィはうんうんと頷く。
「分かりました、じっくり焼きましょう。そちらの方が美味しそうです」
「食べるの!?!?」
 冗談だと思っていたテレビウムから驚きの声が上げられた。
「あれは食べられるイカですよね」
「ち、違うよ!!あれは怪人だよ!!」
「……違う?アレは怪人?」
 本当に?
 ナズヴィは改めてイカに視線を向けた。
 鋭い目つきはまあ良いとして、触腕に握られている物はイカが持つにはどうみてもおかしなものであった。
 普通のイカが、松明など掲げているはずもない。
「…………」
「…………」
 両者に沈黙が落ちる。
 あっ、これは素で間違えていたんだ。テレビウムの心の声がそっと聞こえ始めた。

「いえいえ、当機には最初から分かっていましたよ。これは博士仕込みの小粋なジョークという奴ですよ」
 ナズヴィは無い胸を張ってそう言い放った。
 さらりと博士のせいにしているのは最早いつもの事である。
 テレビウムは若干うたがわしげな視線を向けているが、そこはヒーロー補正でなんとか乗り越える事ができた。
「どちらにせよ、邪魔立てするのであれば容赦はしません」

 さて、イカ焼きもどきをどうやって始末してくれようか。
 いつも通り、好き勝手に暴れようにも、今回は囮……ではなく、護衛対象が居るのだ。
 何も考えず、いつも通りに動けば護衛対象は確実に巻き込まれるだろう。それだけは避けたいところである。

 ならば的を大きくして、テレビウムに視線が集まるのを邪魔立てするしかない。

 ナズヴィは魔導蒸気式ジャガーノートを召喚して、それに騎乗した。
 全ての攻撃をこれで受け止めれば、テレビウムまで吹き飛ぶ事も無いだろう。
「なーに、魅惑のぼでーは熱や衝撃に強いのです」
 技術力の結晶は伊達ではないのだ。
「そうだ、イカ焼きもどきは細切れにして博士へのお土産にしてしまいましょう……さて、料理の時間です」


 戦闘が終わったのはそれから暫くしての事であった。
 あたり一面にはナズヴィが丁寧にじっくりと焼き上げた『イカ焼き』たちが転がっている。どれもこれもこんがりと焼かれ、香ばしい匂いをあたりに撒き散らしていた。

「しかし、自分たちの炎で焼かれるとは皮肉ですよね……」
 てっきりあの松明、イカたちにしか使えないと思っていたら、まさかの使用可能であった。
 それに気付いたナズヴィが、火猫が如く暴れまわったのは言うまでもない。

「さて、では行きましょうか。目的地に」
 炙ったイカを口に食みながら、ナズヴィとテレビウムは地図の示す場所へと向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『なぞなぞハカセ』

POW   :    なぞなぞハカセの初製作マシーン
【なぞなぞがわからなくてモヤモヤ】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【全自動罰ゲームマシーン「おしおきくん」】から、高命中力の【しっぺとかデコピンとかそんな感じのやつ】を飛ばす。
SPD   :    なぞなぞハカセのお気に入りマシーン
戦闘力のない【全自動なぞなぞ考案マシーン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【ワシの考えた最強のなぞなぞ(自称)】によって武器や防具がパワーアップする。
WIZ   :    なぞなぞハカセの試作マシーン
自身に【スーパーウルトラハイパーなぞなぞジェット】をまとい、高速移動と【究極かつ至高のなぞなぞ(個人の感想です)】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。

イラスト:荒雲ニンザ

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はコトト・スターチスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 あなたが辿り着いたのはなんの変哲も無い公園であった。
 遊具があり、開けた場所があり、河川敷へと続くコンクリートのトンネルにはゴッドペインターたちが描いたイラストがたくさん並べられている。

 何もないではないか。

 そう思いつつ、テレビウムとともに敷地内に足を踏み入れた。
 すると、テレビウムが突然光り始める。

 顔の映像が光っているわけではない。
 どうにもテレビウム自体が光を発しているようだ。
 声を掛けてもテレビウムが応えることはない。
 何者かに意識をのっとられているかの如く、その場に立ち尽くしたままである。

 あなたがなんとかしてテレビウムを助けようと考えていると、その背後にはいつの間にかオブリビオンが立っていた。
 テレビウムを追いかけてきたのだろうか、その視線は発光しているテレビウムを捉えて離さない。

 あなたが遮るようにたてば、オブリビオンはようやくあなたの方を向いた。そして――。

「パンはパンでも食べられないパンはなーんだ」
 なんとオブリビオンはなぞなぞで勝負を挑んできた。


---------------------------------------------------
マスターより
なぞなぞはパンのなぞなぞであっても、そうでなくてもかまいません。
正解しても不正解でも、それにより失敗することもありません。
ただ、普通に答えるよりは捻って答えてあげるとオブリビオンが喜ぶかもしれません。
煌天宮・サリエス
「食べられないパンだと!?」
……パンなのに食べられない……そんなものパンではない
「……私ならどんなパンでも食べれる。」
呪いの剣袋からビー玉を取り出し直剣に変形させ翼に取り込む

――黒騎士の力の一つ武具との融合による異形化。その部分開放――

「この通り、武具だと思えば私の体に取り込み糧にできる」
ドヤ顔で、剣と化した羽を持つ翼を開き言い放つ
「即ち、これは食事。なら、食べられないパンはないはずだ。」
……決まった

翼を利用した攻防一体の戦いをします。羽を飛ばして攻撃し、翼で自分の身を包んで防御します。

そういえば、ものすごいパイがあるらしいですが、私の携行食料のどちらがすごいのでしょう。後で、試してみますか。



「食べられないパンだと!?」
 パンなのに食べられない、そのようなパンが存在しているのか。
 いやそもそも、食べられないのであればそれはパンではないのではないだろうか。
 サリエスは出題されたなぞなぞに真摯に向き合い、そして答えを出した。
「……私なら、どんなパンでも食べれる」

 サリエスが呪いの剣袋から取り出したのは小さなビー玉だ。
 直剣へと変形させ、黒騎士の力を解放した。
 この身は武具との融合による異形化を行う事ができるのだ。つまり。
「この通り、武具だと思えば私の体に取り込み糧にできる」
 サリエスは剣と化した羽を広げた。この身体は、取り込んだものの性質を組み込むことができるのだ。
 そう付け加えた表情は自信に溢れ、かつ誇らしげであった。
「即ち、これは食事。なら、食べられないパンはないはずだ」
 なぞなぞハカセに向かって指をさす。
 ――決まった。
 そのような呟きが聞こえてきそうなほど、サリエスは自信に溢れていた。

「――なるほど」
 そう相槌を打ったのはなぞなぞハカセであった。
 思いのほか低い声色はどことなく色気を感じさせる。静かに頷くさまは、登場シーンの軽快さはなんだったのか?と思うほど落ち着いていた。
「相分かった、ならば試してみようではないか!!」
 なぞなぞハカセが懐から取り出したのはフライパンであった。
 どうやらハカセが用意した答えはこのフライ『パン』だったらしい。
「貴殿が食せるというのであれば、食して見せよ!!」
 フライパンが投げられ、二人の間にドサリと落ちた。
「良いでしょう、二言はありません」
 サリエスは黒騎士の力を使い、フライパンをその身の糧とする。
 数秒後、翼からは取り込んだフライパンに良く似たものがつけられていた。
「すばらしい!!」
 拍手喝采である。
「その知恵に免じ――」
「帰っていただけますか?」
「それはならん、わしとてオブリビオン。滅びる時は貴殿らの手によってしかありえない」
 なぞなぞハカセは懐から様々な道具を取り出した。
 アイス、コロッケ、タコ、掃除機。様々である。おそらくは、ハカセが用意している答えなのだろう。
「いざ、尋常に勝負!!椅子は椅子でも――」

 戦闘が終わったのはそれから暫くしてのことだ。
 ハカセが攻撃として放ったものをサリエスが取り込み続け、ついには出せるものが無くなってしまったためである。
 なぞなぞが無ければただの老骨。そう述べるハカセには哀愁が漂っていた。
「申し訳ありませんが、仕事ですので」
「よい、よい。覚悟はしている、さあ葬ってくれ」
 聊か悲しい分かれ方だが仕方あるまい。
 サリエスは猟兵で、なぞなぞハカセはオブリビオンである。分かり合える事があったとしても、理を変えることなどあってはならない。

 ゆっくりとサリエスの翼が上げられる。
 そこには先ほどから取り込み続けた様々な物体がついていた。
「それで葬られるのなら本望である」
 なぞなぞハカセ、最後の声が静かに響いた。



 ところ変わってグリモアベース。
 サリエスはふと、パイの存在について思い出した。
「そういえば、ものすごいパイがあるらしいですが、私の携行食料とどちらがすごいのでしょう。後で試してみますか」
 この何気ない呟きが、後の『携行食料vsパイ事件』として世に語り継がれる事になろうとは、露ほども思っていないサリエスなのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


 サリエスがオブリビオンを倒した直後、テレビウムの発光はおさまり、顔に映っていた鍵の映像もなくなってしまった。
 テレビウムはそれに喜んだ。だがそれもつかの間。
 辺り一帯には誰かの喋り声が響く。
 まるで『周囲の建造物が喋った』かのような反響具合だ。

「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」

 解決したはずの事件に、更なる事件の追加。
 あの声が正しければ、このテレビウムたちを救うことで何かが開放されるのだろう。
 サリエスはその声を聞きながら、次なる救出へと向かうのであった。



------------------------------------
 マスターより
 描写が抜けていて申し訳ありませんでした。
 これにてサリエス様の描写は全てとなります。
 お手数お掛けして、申し訳ありません。
四軒屋・綴
(アドリブ絡み改変歓迎)

これ光は……いや、そうだな、君も戦っているのだろうッ!

ならば背中は任せて貰おうッ!このジョウキングにッ!

なぞなぞ博士……恐るべしッ!ここはブーストダッシュで敵のなぞなぞを回避しつつ蒸気機関車型装備の一斉発射ッ!時間を稼ぐッ!

しかしこの難問……そうかッ!わかったぞッ!

パンはパンでも食べられない?いいや違うなッ!貴様には『食らわせて』やろうッ!この『パンチ』をッ!

全速力で駆け込みユーベルコード発動ッ!なぞなぞの答えを物理的に叩きつけるッ!

そして俺からの謎々だッ!『いつも後悔してるお猿さんはなーんだ』ッ!そうッ!『もうこりゴリラ』というわけだッ!(謎のドヤ顔)



「これは、この光は……」
 四軒屋は発光し始めたテレビウムを心配そうに見守っていた。
 だが、彼もまたこの地に生きる者である。何も心配することなどない。

「いや、そうだな、君も戦っているのだろうッ!」
 言わずもがな分かる、分かるぞ。
 四軒屋はテレビウムに背を向け、オブリビオンに対峙する。

「ならば背中は任せてもらおうッ!このジョウキングにッ!」
 傾き始めた夕日を背に、四軒屋は拳を握り締めた。


「貴様にこの謎が解けるかな!」
 なぞなぞハカセは先ほどの「パンはパンでも食べられないパンはなーんだ」を再び提出してきた。
 今度は召喚した全自動罰ゲームマシーン「おしおきくん」から、やたらとポップなデザインをした指モチーフのぬいぐるみが飛ばされてくる。
「なぞなぞハカセ、恐るべしッ!」
 四軒屋はブーストダッシュでそれらを回避しながら、蒸気機関車型装備より一斉発射を放つ。
 互いが互いの玉を討ち落とし、白い煙幕が湧き上がる。
 四軒屋はそれに身を隠しながら、なぞなぞハカセの元へと接近していた。

「しかし、この難問――」
 パンなのに、食べられない。そのようなパンが存在していよいのだろうか?
 なかなか答えの出せないせいで、もどかしさが襲い来る。
 だが己には守るべきものがあるのだ、この拳で守るべきものが――。

「そうかッ!わかったぞッ!」
 四軒屋の目に迷いは無かった。
 弾幕を抜け出し、一直線に向かうはなぞなぞハカセの元である。

「パンはパンでも食べられない?いいや違うなッ!貴様には『食らわせて』やろうッ!」
 それが、答えだ。
 四軒屋は全速力で駆け、ユーベルコードを発動した。
 攻撃の予備動作に入った右腕が、新幹線のようなフォームへと変化する。加速から放つのは、四軒屋が導き出したなぞなぞの答えだ。
「この『パンチ』をッ!!」
 突き出した右腕がなぞなぞハカセのボディへとめり込んだ。
 時が止まったかのような静寂が一瞬辺りを支配し、再び動き始める。

「そして俺からの謎々だッ!『いつも後悔してるお猿さんはなーんだ』ッ!」
 なぞなぞハカセは答えを紡ごうとしたがそれは叶わない。既に命は風前の灯である。

「――そうッ!『もうこりゴリラ』というわけだッ!」
 ドサリ、オブリビオンが地に伏せる。
 それを満足そうに眺める四軒屋の表情は、満足そうなものであった。


 四軒屋がオブリビオンを倒した直後、テレビウムの発光はおさまり、顔に映っていた鍵の映像もなくなってしまった。
 テレビウムはそれに喜んだ。だがそれも束の間。
 辺り一帯には何者かの喋り声が響く。
 まるで『周囲の建造物が喋った』かのような反響具合だ。

「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」

 解決したはずの事件に、更なる事件の追加。
 あの声が正しければ、このテレビウムたちを救うことで何かが開放されるのだろう。
 四軒屋はその声を聞きながら、次なる救出へと向かうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナズヴィ・ピャー
【なぞう゛ぃ】
ふむ、当機になぞなぞバトルを挑みたいのですね?
パンはパンでも略…





その心は!
パンチです(バキー
パンは食べるもの(バキー
パンチは食らわせるもの(バキー
…不正解?

なんということでしょう(バキー

●フェアプレー的精神に則り交互に出題
では次は当機が出題しましょう
まずはこちらをご覧下さい(地面に砂時計の絵をカキカキ
この砂時計はそこらへんで売っている一般的な物です
この砂時計は砂が落ちる寸前です
それは何故でしょうか





●フェアプレー精神とか飽きたから殴りますね
不正解!!(バキー
正解は…なぞなぞ怪人の命は風前の灯火だからです(バキー
貴方は分解しても食べられそうにないので研究素材にしましょう



●なぞう"ぃ
「ふむ、当機になぞなぞバトルを挑みたいのですね?」
 魔導蒸気文明の英知、それの結晶たるミレナリィドールに謎解きで勝負とは片腹痛し。
 ナズヴィは得意げな顔で問題文を復唱する。
「パンはパンでも……」
 食べられないパン。果たしてそんなパンがこの世に存在しているのだろうか?
 カビの生えたパン……も食べられなくは無い、はず。今度確かめる為に博士に渡してみよう。
 さてさて、オブリビオンは博士を自称している。ともなれば、やはり求められている答えは普通のものではないのだろう。少々捻る必要があるとみた。

「食べられないパン、ありますね」
 ナズヴィは腰を落とし、拳を握り締める。
「その心は!!」
 叫び、突撃した。脚力に力を配分し、縮地が如くその距離を詰める。
「パンチです!!」
 ナズヴィの右フックがなぞなぞ博士のわき腹に入った。
 そのまま拳を振りぬき、今度は左ストレート。
「パンは食べるもの、そしてパンチは食らわせるもの!!」
 渾身のコンボを決め、飛び退き体勢を整える。
「……あれ、何を言いたいんでしたっけ」
 なぞなぞとは少し趣向が変わり始めたような気がする。もしかして、不正解?
 首をかしげてみたが、オブリビオンは打撃のせいで地に伏せている。ええい軟弱者め。

「では次は当機が出題しましょう、まずはこちらをご覧ください」
 ナズヴィは木の枝を拾い、地面になにやらイラストを描き始めた。
 三角形が二つ、上下に繋がっている。書き足された模様から、砂時計だと推測することができた。
「この砂時計はそこらへんで売っている一般的なものです、ですがこの砂時計は砂が落ちる寸前です。それは何故でしょうか」
 これはなぞなぞなのか。
 オブリビオンは身体を起こしながら、その問いの答えを探していた。
 だが、探せど探せど答えが出てくるわけもなく、時間ばかりが過ぎていく。

「もう良い頃合でしょう。残念、答えられなかったので不正解です」
 ナズヴィは指を鳴らし、オブリビオンを威嚇する。
 逆行も相俟って、死んだ目が更に淀んで見える。
 小さく聞こえたのはオブリビオンが息を呑む声か、あるいは悲鳴か。
「正解は……なぞなぞ怪人の命は風前の灯火だからです」
 この砂時計はオブリビオンを表していた。
 そんななぞなぞが有ってたまるか。オブリビオンはそう反論しようとしたが、それは叶わない。
 口よりも早く、ナズヴィの拳が振り下ろされたからである。
 バキリ。鈍い音が響いた。

「さてさて、貴方は分解しても食べられそうにないので研究素材にしましょう」
 ナズヴィがそう呟いた直後、テレビウムの発光はおさまり、顔に映っていた鍵の映像もなくなってしまった。
 テレビウムはそれに喜んだ。だがそれも束の間。
 辺り一帯には何者かの喋り声が響く。
 まるで『周囲の建造物が喋った』かのような反響具合だ。

「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」

 解決したはずの事件に、更なる事件の追加。
 あの声が正しければ、このテレビウムたちを救うことで何かが開放されるのだろう。
 ナズヴィはその声を聞きながら、次なる救出へと向かうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

サンタンヘル・デルフトゥーロ
⇒なぞなぞ
「トラコタルパン!」
その植民地様式の鮮やかな町並みは、ワタシが愛するメヒコの歴史を後世に伝えて世界遺産に数えられたという……(徹底したメキシコ推し)

メヒコの素晴らしさについて語りたい事は山ほどあるが、今はオブリビオンの成敗が先か……!

・伸ばした手を取り”ランセ”で鋭く巻き投げる
・なぞなぞを言おうとする所に軽快なミドルキック連打→UC三角跳び延髄斬り
●フィニッシャー
高速UCロープワークで翻弄した所へ”コルバタ”(人工衛星ヘッドシザース)で3回転
→勢いそのまま空中脇固めに移行し倒す
→背後から両腕を極めつつ、足を使った羽交い絞め
「ワタシの”ジャーベ”(サブミッション)が解けるかな?」



「トラコタルパン!!」
 サンタンヘルは力強く答えた。
 植民地様式の鮮やかな町並みは、特徴的な景観をしている。
 そして愛するメヒコの歴史を後世に伝えた功績もある。世界遺産に登録されるのも納得の理由である。

 メヒコの素晴らしさについて語りたいことは山ほどある。
 だが、一度始めてしまえば止まることなど、いや、止められることなどできはしない。
 今はともかく、オブリビオンの成敗が先だ。

「行くぞ、オブリビオン!」
 なぞなぞハカセが、次なるなぞなぞを出してこようとしていたが知ったことではない。
 問題を出す前に攻撃してしまえばこちらの勝ちである。
 攻防一戦、どちらも容赦の無い猛攻が続く。
 だが先に仕掛けたサンタンヘルが有利なのは変わらない。
 近づかれた場合はランセで鋭く巻き上げ、距離を取られた場合は近づいてからのミドルキック連打。オブリビオンが退こうものならユーベルコードを駆使してからの延髄斬りである。

 先に膝をついたのはオブリビオンであった。
 体力勝負に負け、そして得意のなぞなぞを出題することも儘ならない。
「そろそろしまいだ!」
 サンタンヘルはメキシコ式ロープワークでオブリビオンを翻弄し、コルバタで三回転。勢いを殺さぬように反動をつけ、オブリビオンを空中脇固めへと移行した。
 成す術も無く倒れこんだオブリビオンに背後から両腕を極め、足を使った羽交い絞めを行う。
「私のジャーベが解けるかな?」
 ギリギリと音を立て、オブリビオンは絞められていく。
 どこからともなく聞こえてきた3カウントを皮切りに、サンタンヘルに軍配は上がった。ヒーローの勝利である。

 サンタンヘルが倒したオブリビオンから離れた直後、テレビウムの発光はおさまり、顔に映っていた鍵の映像もなくなってしまった。
 テレビウムはそれに喜んだ。だがそれも束の間。
 辺り一帯には何者かの喋り声が響く。
 まるで『周囲の建造物が喋った』かのような反響具合だ。

「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」

 解決したはずの事件に、更なる事件の追加。
 あの声が正しければ、このテレビウムたちを救うことで何かが開放されるのだろう。
 サンタンヘルその声を聞きながら、次なるリングへと向かうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月22日
宿敵 『なぞなぞハカセ』 を撃破!


挿絵イラスト