テレビウム・ロック!~ウィーウィルロックユー!
●
ローリィ、という男がいる。彼はテレビウムである。
趣味は動画鑑賞。好きなものは和む動物の動画。
時折顔に流して見せては、友達と一緒に「この子可愛いね」なんて笑い合っていた、キマイラフューチャーにはよくいるテレビウムである。
しかし、彼は何の運命か、鍵を握ってしまった。
――いや。握らされた、という方が正しい。
「うわ、うわわ、何なんだーー!? 化け物に鍵に、次々と! だ、誰か助けてぇー!」
何故ならその鍵は勝手にローリィの顔(画面である)に現れて、オブリビオンを引き寄せ始めたのだから!
●グリモアベースにて
「大変大変っ、大変だよー! キマイラフューチャーで事件だよー!」
メッティ・アンティカ(f09008)は今日も跳ねる。今日も跳ねているが、同じ事件で跳ねた事は一つもなく、そして、今日は特に大変だと跳ねている。
「集まってくれてありがとう! あのね、キマイラフューチャーにいるテレビウムさんが狙われる事件が起こるんだ! というより、既に起きていると言った方が正しい!」
「狙われるのはローリィというテレビウムだよ。彼自身に猟兵やグリモアの素養はなくて、本当に、ただの一般人なんだ。だけど……突然彼の顔――画面だね。それに謎の鍵が現れて、オブリビオンが彼を狙って来るんだ」
自分で言いながらも不思議そうに、メッティは首を傾げる。本当に、ただの一般人なんだよ、と付け加えるのは、自分に言い聞かせているようだった。普通に生きている一般人が、どうして狙われるのだろうか?
「多分、画面に現れた鍵が――カギなんだと思うんだけど……うーん、ちょっとそこまではぼくも見えなかったんだ。とにかく、ローリィさんを守るためにみんなの力を貸して欲しい! 彼は今、狙われて逃げる真っ最中だ! 彼を守って、オブリビオンを倒しちゃってよ!」
掌にグリモアを輝かせ、黒猫は門を開く。その先にはキマイラフューチャーの景色が見えた。いつもと変わらない景色だが、果たして、テレビウムが次々と狙われる意味とは何だろう?
key
俺たちがお前をボッコボコ!
こんにちは、Keyです。
●目標
「テレビウム“ローリィ”を保護せよ」
●立地
ローリィはとにかく町中を逃げ回ります。
みなさんは彼を追いかけるオブリビオンを倒すことが主目的となります。とにかく倒して倒して倒しまくりましょう。
どうしてテレビウムの顔に鍵が現れるのか、その謎もついでに解明してください。敵を倒していけば自然と判る事ですが……。
●
第一章、第二章は集団戦です。
とにかくローリィが狙われるので、如何に彼を守るかが肝要です。
その先はご自身の目でお確かめください。なんてね。
皆さんの健闘を祈ります。
では、いってらっしゃい。
第1章 集団戦
『ジョン・ドゥ・キャット』
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POW : キャスパリーグの災禍
【凶事を呼び込む巨大な怪猫】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : ボイオティアの眼
【額に、全てを見透かす大山猫の目を開眼して】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : ウルタールの猫葬列
【殺されて死んだ、無残な姿の猫たち】の霊を召喚する。これは【爪】や【牙】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:ハレのちハレタ
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ネムネ・ロムネ
※アドリブ連携歓迎
あ。猫さん。かわいいです。好き好き。
ローリィさんの映す子たちは本当に可愛いのですよ
ネムも実は大好きなジャンルですね
でもこの鍵は一体?
オブリビオンを引き寄せる鍵?
まーいいです。ネムに任せるのですよ(銃に弾を装填しながら)
今回は移動、護衛しながらの集団戦ですね
開戦したらすぐにUCを発動しておくのですよ
きっと高速移動に適したスーツになってくれる筈なのです
敵は速く動く物を無差別に攻撃したり、沢山の霊を出したりと
ローリィさんには少し荷が重いですね
高速移動しつつもガトリングガンの【援護射撃】【なぎ払い】や手榴弾の【範囲攻撃】バズーカの【衝撃波】で応戦し、面での制圧を心がけるのですよ
ゴアゴア・トゥエニワン
ゴアァン⦅カギであるか…果たして何のカギなのであろうな?⦆
何かを開けるためのカギなのであろうか、それとも何かを閉めておくためのものなのであろうか?
まぁ、情報も少ないし今はとにかく蹴散らすであるか。
【SPD】
予想ができるからと言って、全ての攻撃が避けられる訳ではないであろう。
さぁ、お前さんらはこの動きについてこれるであるかな?
【選択したUC】の効果で付与した【残像、ダッシュ】で高速移動しながら【早業】でガンブレードによる射撃を御見舞いするである。
相手が回避するより早く攻撃を当てればいいのである。
あわよくば此奴らから今回の騒動について【情報収集】できんであろうか。
(アドリブ、連携、大歓迎)
「ひい、ひい、なんなんだ~~!?」
顔に鍵を映したまま逃げ回るローリィ。路地に入っても、街を走っても、あっちから猫、こっちから猫――猫というか、二足歩行しているから、半分人間かもしれない。ともあれオブリビオンと呼ぶ――ええい、きりがない!
でも、捕まったら確実にヤバい。気がする。気がするじゃなく、絶対ヤバい。だって既に殺す気で来てますもん、この人(?)たち!
「タマとったニャー!!」
「う、うわああ!」
一匹が先回りしてローリィの進路を塞ぎ、左右からオブリビオンが爪を振り下ろす。ローリィは「あ、死んだわ俺」と思った。死ぬと思ったから、身を守る動作や、まして移動など出来る筈もない。
「……。……、あれ?」
「大丈夫です?」
のに。ローリィはオブリビオンの魔手から逃れていた。
何故か。ガジェットスーツを身に纏ったネムネ・ロムネ(移植された心・f04456)がローリィを抱えて屋根の上に跳んでいたのである。身を解放し、怪我がないか確かめるネムネ。
「あ! 君は時々俺の動画を見に来てくれてる人!」
「はい。ローリィさんの動画は可愛くて好きなのですよ。でも、今は鍵ですね」
「そうなんだ! 何もしてないのにこの鍵が映って、そうしたらあいつらが……」
「把握済みです。だいじょーぶです、ネムとあちらさんに任せるですよ」
あちらさん?
ローリィがネムの見た方向に視線を映すと、猫が吹き飛ばされていた。いや、何もないのに吹き飛ばされるのはおかしい。しかし勝手に吹き飛ばされているようにしか見えない。
「な、なにが起こってんだあ……?」
「ともあれ、ローリィさんは此処で大人しくしててください。ネムたちがお掃除するですよ」
「だ、大丈夫なのか!? 怪我とかしないようにな!?」
「はい、任せるのです」
ひょい、と屋根から降りるネムネは、ガジェットスーツのギアをフル回転させる。片手にガトリングがんを持ち、高速の戦場へ参入する。
「おのれ、邪魔をするニャ!」
「ゴアアン」
説明しよう。前者がオブリビオン、後者は猟兵、ゴアゴア・トゥエニワン(寛大なる元モフモフ団頭領-ドン・ゴアゴア・f13912)である。よくわからない図だが、彼はゴアゴアとしか喋れないため、此処は翻訳ピアス「ゴアリンガル」に活躍してもらおう。
「鍵……か。何を開けるための鍵なのであろうな? 気になる所だが、まずは掃除から始めねばならないようである。扉の前を綺麗に掃除しなければ、開くものも開かないのである」
高速でオブリビオンに向かって距離を詰め、すれ違いざまにその胴体と頭に弾丸を叩き込む。モフモフが高速で動く様は、まるで彼自身が弾丸になったかのようだ。
オブリビオンも額に第三の目を開き、彼の動きを予想・回避しようとするが――
「無駄である。判っていても避けられない攻撃がある事を知ると良いのである」
ともすれば、今のゴアゴアは弾丸よりも速い。彼の動きを予想したとしても、避けたところで弾丸を叩き付けられる。
「ネムがいるのも忘れないでもらいたいのです。点で予測するなら、面で制圧するまでですよ」
がりりり、とガトリングガンが唸る。残像を残して奔るゴアゴアは、勝手に避けてくれるだろう。そう信じて放つ、制圧射撃。
二振りの銃が放つ弾丸は、オブリビオンの数を確実に減らしていく。
「ニャー!! 第一部隊がやられたニャ!」
「であえであえー! 手勢がいるニャー!!」
「やれやれ。これでは、情報を聞き出すどころではないであるな」
「全くです。ただ、一匹一匹ははっきり言って雑魚です。とにかく、ローリィさんを守るのです」
銃を構えなおす二人。街の猫のごとく際限なく、オブリビオンはテレビウムを狙ってやってくる。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
霧枯・デスチーム
【2m半のガジェット、ブラザーに乗り込み行動。アドリブ・協力歓迎】
攻撃予測持ちに対処しつつ護衛かー。面倒そうだぜブラザー。
『ですがやるんですよね、ガージ?』
あったりめえよ。おいら達にヤれねえ事はねーぜ!
UCの効果で【魔導斥力場】を展開して逃げ回るローリィの盾になるように動くぜ。
あっちが攻撃を予測するなら【精神に干渉する妨害魔術】で動けないようにしてガトリングガンで蜂の巣だ。
あんまり多いようなら【兵装召喚魔術】でバズーカ砲でも召喚して火力で一網打尽だナ!
「ローリィ、かわいい猫動画が好きなんだって?なら後でとびっきりかわいい猫を見せてやるぜ」
『ガージ、今は格好好い所を見せましょうね?』
「攻撃を予測する猫とか、もう猫の範囲を超えてるナ。面倒そうな依頼だぜ、ブラザー」
『ですがやるんですよね、ガージ?』
「あったりめえよ。おいらとお前、ヤれねえ事はねーぜ!」
霧枯・デスチーム(100万回殺しても殺せない猫・f13845)は有人……ならぬ有猫型ガジェット“ブラザー”に乗り込み、唸るようにエンジンを噴かす。
『回転動力炉、想定範囲内で出力上昇。オールグリーン、ブラッドメイジシステムを起動します。斥力場展開、妨害魔術展開、兵装召喚します』
ガジェットが炉を回して唸る。移動しながらの魔術・兵装展開は無事に完了し、ブラザーのアナウンスに合わせて、相手を遠ざける斥力場、精神に干渉する魔術、そして右腕に大きな砲がセットされる。
ローリィが屋根の上から安全地帯を探して逃げ出したのを確認すると、デスチームは其れを守るように動き、猫たちを妨害する。
「ニャー! 邪魔するニャー!!」
「猫の癖に生意気ニャー!!」
「あんたらだって猫だろーが!! ニャーニャーうるせえな!」
「フーッ! 莫迦にするニャー!」
猫たちが唸り、四つん這いになる。牙を見せて喉を鳴らせば、その体がめきめきと大きな何かに変化してゆく。その様はまさしく凶事。悪意を押し固めたような巨大な猫。にゃあと図体に似合わぬ鳴き声をあげると、一気にデスチームに襲い掛かった。
「はっ、本性現したってか!」
『敵性存在多数確認。ですが目標は無事に逃走しているようです、ガージ』
「まあ、このテの輩は代わりに理性を失うってのが定番だ。なら話は早い」
『OK、ガージ。兵装温度安定、展開します』
斥力で猫を押しのけるように、ガジェットが奔る。急発進、ブレーキ、一気にターンして右腕を上げた。展開した兵装――ガトリングガンが一気に咆哮を上げる!
ガルルルルルルッ!!
それはまさに、ガジェットの唸り声。吐き出された弾丸は大きな大きな的――巨大猫たちにブチ当たり、その肉を削り取り、血を吐き出させる。最初に最も前にいた者が、そして後続が次々と倒れ行く。
「まだまだ行くぜ! ブラザー!」
『OK、ガージ。兵装召喚します』
ガジェットが唸り、左腕を上げる。魔術によって召喚された“其れ”は、一気に砲を吐き出し――そう。バズーカ砲である。
轟音に猫たちの悲鳴は掻き消される。周囲の建築物も被害をこうむっているが、まあ、後からなんとかなるだろう。
「ひ、ひ、ひえええ……」
ローリィは逃げ出したはいいものの、恐ろしい音と爆風に怯えて縮こまっていた。そこに横付けするガジェット。
「よう、ローリィ」
「う、うわあ! 俺は善良な一市民です撃たないで!」
「判ってるよ。かわいい猫動画が好きなんだって?」
「え? あ、ああ……好きだけど……」
「なら、後でとびっきり可愛い猫を見せてやるぜ」
『敵性存在を確認。ガージ、今は格好良いところを見せましょう』
「だナ。ローリィはそこでじっとしてナ、片付けてくるからよ!」
ガジェットは再び動き出す。唸りを上げて、兵装に弾を装填。次の敵を食い散らかしにゆく。
大成功
🔵🔵🔵
ナミル・タグイール
・何でも歓迎
鍵といえば宝箱にゃ!きっとお宝がどこかにあるんデスにゃー!
鍵もお宝もナミルが頂くにゃ!(追いかける猫)
オブリビオンなんかに鍵は渡さないにゃー!
鬼ごっこ中なら敵動いてるだろうし【堕獣の腕輪】つかっちゃうにゃ!
でっかくもっふりなって大暴れして蹴散らしてやるマスにゃ!
理性なくなるけど鍵ちゃんは頑張って逃げてにゃ。敵は倒してあげるにゃ!
追いかけ回してグシャっグシャっとにゃー
相手がでっかくなったらデカ猫バトルにゃ!
【呪詛】ましましで捨て身で噛み付くにゃ切り裂くにゃー!
落ち着いたら鍵よく見せてにゃ。逃げたりするなにゃ!
…鍵を画面から取り出せたりしないにゃ?(画面に手を突っ込もうとする猫)
ナミル・タグイール(呪飾獣・f00003)はお肉とお宝が大好きである。
「にゃにゃーん! 鍵といえば宝箱! つ・ま・り……きっとこの鍵をクルっと回せばキラっと光るお宝があるんデスにゃー! 鍵もお宝もナミルが頂き! という訳で邪魔なキャットたちにはご退場ねがうデスにゃ!」
彼女の身体を飾るのは、黄金の装飾に黄金の紋様。耳にはピアス、爪まで金色――まあ、呪われた宝飾が多いのだが、それはさておいて――大好きなお宝のためなら、彼女はどんな労働も厭わない。そう、戦闘とかね。
「暴れるデスにゃ! 死にたくない奴は今のうちに逃げる事をおすすめするにゃー!」
相手の猫たちが唸りをあげて、凶事の獣に変貌してゆく。――すると、まるで感染でもしたかのようにナミルの毛皮も膨れ上がり、彼女は咆哮した。怪猫と魔獣の一騎打ち。まるで映画のよう。
「アアアアアアアッ!」
「う、うわああああ!?」
ローリィの幸いたるところは、彼らより移動力が低かったところだろう(というより、脚が震えて単純に動けないのだが)。彼の知る所ではないが、呪われた猫たちは速く動くものに興味を示し、爪と牙を向ける。つまり、彼らより遅く動いている限り、襲われる事はないのだ。
ナミルは一気に“速く動くもの”――目の前のキャスパリーグに襲い掛かる。その速度に反応して、次々とキャスパリーグが動いた。
呪詛を孕んだ爪が、一気に相手を切り裂く。呪いはじわりと毒のように沁み込んで、相手を内側から苛んでいく。それは彼女が着用している装飾品の呪詛なのか、魔獣の恩恵なのか、その辺りは判らないが。
切り裂く。殴る。蹴りつける。噛む。
出来る限りの暴力的手段でもって、ナミルはキャスパリーグ達を蹴散らしていく。元々少なかった猫たちは、次々と呪詛に爪に牙に倒れ、数を減らしていき……ナミルの傷は次々と増えていき……やがて、戦場に静寂が戻った。
「にゃー! 大暴れしてすっきりしたにゃ! ローリィは無事デスかにゃ?」
「ひえ! は、はいぃ。無事……です……」
「うんうん、良い事にゃ! その鍵をよく見せてにゃー! 取り出せたりしないにゃ?」
「キャー! 画面を! 画面をひっかくのはやめてー!」
落ち着いたナミルは、ローリィの画面に映る鍵を物欲しげに見つめ、爪で画面をつついたりしてみる。
すると。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『働き蜂戦闘員』
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POW : 御槍奉公
【槍】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 飛行モード
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ : 数で圧す
自身が戦闘で瀕死になると【さらなる増援】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
イラスト:森乃ゴリラ
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●受信
「あ!」
「あ?」
ローリィがはっと上げた声に、猟兵たちは彼を見つめた。
「何か受信したかも!」
彼がそう言うと同時、画面に異変が起こった。鍵だけを映していた画面が砂嵐を起こし……ぱっ、と街の地図が表示される。
「んん!? これ何!? ねえ、何が起こってるの!?」
ローリィは慌てているが、こっちが訊きたい。
取り敢えず大人しくさせつつ確認すると、街の地図の一点に鍵マークがついていた。これは、此処に行けという事だろうか。
「えー? でも、此処って道のど真ん中で……何にもないとこだよ? ……とはいえ、そこに行かないと俺のこの画面、元に戻らないんでしょ……知ってる……」
がっくりと肩を落とすローリィ(落とす肩があるのか、とか言ってはいけない)。まあまあ、と猟兵がなだめていると――ぶうん、と日常にそぐわない音が聞こえた。
正確には、日常にあり得る音。忌避されるべき、……虫の羽音だ!
「う、うわあああ!? 何あれ!?」
ローリィが指さす先には、蜂のようなヒトのような者。こちらへ真っすぐ飛来してくる……ああ、考えたくはないが第二波だ!
つまりはこう! 敵を撃退しつつ、ローリィを目的地へ送り届けろ、ってことだ!
ネムネ・ロムネ
※アドリブ連携歓迎
次から次へと騒がしいったらねーですね
今度は蜂のお客さんですね
遠距離の敵にはバズーカの【誘導弾】で
近距離に迫る敵には拳銃の【咄嗟の一撃】【クイックドロウ】【先制攻撃】等で冷静に対処していきましょう
怯えるローリィさんを【鼓舞】して移動を促すのです
まぁまぁ、ローリィさん
ほら、恐くねーですよ
ネム達はローリィさんを助けに来たヒーローなのです
ヒーローが負ける筈がないのですよ
ネムもローリィさんの動画をまた見たいのです
ローリィさんの動画にいつも元気を貰ってたのですよ
だから立ち上がって一緒に行きましょー
慌てる事はねーです
自分のペースでいいから目的地を目指すのです
ん。
ネムに任せるのですよ
霧枯・デスチーム
【2m半のガジェットブラザーに乗り込み行動。アドリブ協力歓迎】
「挨拶が派手になりすぎたかもしんねーナ、ブラザー」
『請求書が怖いですね、ガージ』
「キマイラフューチャーの人なら笑って許してくれるだろ。…許してくれねーかナー」
ローリィを守りながら【ダッシュ】で行動。途中でヘバるかもしれねーからその時は片手で抱えて移動するぜ。
敵が多そうだから【ブラザーアームズ】で追加のガトリンガンを召喚して撃ちまくる。敵が飛んできたら命中率重視の誘導ミサイルを召喚する。
「はっはぁー!ハチの巣にしてやるぜぇー!」
『建物を吹き飛ばさない配慮をしても、穴だらけにしたら一緒だと思うのですが』
今度の敵はみゃあみゃあにゃあにゃあこそ言わないが、羽音が何よりも雄弁に敵意を伝えてくる。8の字ダンスで槍穂を構え、黄色と黒の残像を残しながら迫りくる。
「も、もう勘弁してくれよ~~……」
「次から次へと、騒がしいったらねーですね」
「全くだ。派手な挨拶のお陰かもナ」
『請求書が怖いですね、ガージ』
「……この世界の人なら、笑って許してくれねーかナー」
ひいひい言いながら走るローリィだが、その速度は明らかに落ちてきている。テレビウムだって疲れるし、体力には限界がある。しかし、ふとローリィは、自分の脚が宙に浮いている事に気付いた。デスチームがガジェットの片手でローリィをつまみ上げたのである。
「う、う、うわああ!?」
「仕方ねーナ、おいらが運ぶから掃除は大体そっちに頼むぜ!」
「任されたのです。仕方ねーナ、なのですが、掃除の方が割と楽かもしれません」
ガション。
ネムネが構えたのはバズーカ砲。どんと轟音打ち鳴らされて、飛ぶ砲弾は誘われるがごとく向かってきていた蜂の群れに着弾する。轟音と共に吹き飛ばされるもの、風を捉えられなくなり飛行不能に陥るもの。
「ローリィさん、ほら、恐くねーですよ。ネム達はローリィさんを助けに来たヒーローなのです。ヒーローは負けないのです。ネムも、ローリィさんの動画をまた見たいのです。いつも元気を貰ってるから、これはお返しなのです」
「お、お返し……? 俺に……?」
「ハッハー! だってよ! 全く泣ける話だが、泣いてる場合じゃねーナ!」
『良い話ですね。任務が終わったら、動画の閲覧を推奨します、ガージ』
「終わって気が向いたらナ! とにかく、今はローリィをエスコートするのが先だ! っと」
ぶうん、ぶうん。
羽音と共に、デスチームの前に立ちはだかる蜂。彼らは……不幸としか言いようがない。だって選択肢は二つ。ネムネのバズーカ砲に蹴散らされるか――
「こっちもやるぜ! ブラザー、アレくれよアレ!」
『アレ、では判りませんが、これでよろしいですか、ガージ』
「判ってるじゃねーか! ローリィ、耳を塞いでナ!」
「えっ、耳?」
――というローリィの言葉は、見事な斉射音に掻き消されて誰にも聞こえなかった。追加セットされたガトリングガンによる前方一掃。更にガジェットの背中部分にセットした発射口から、誘導型のミサイルを発射して空の敵を蹴散らす。
そして僅かな突破口をこじ開けるように――ガジェットは奔る!
「さてさて、行った先には何があるのかね?」
『余り良い予感はしませんね。請求書の群れでなければいいのですが』
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ナミル・タグイール
にゃー!宝の地図にゃ!偉いにゃー偉いにゃー!(ローリイをなでなでごろごろする猫)
きっとここに行けばお宝があるヤツにゃ!
死守してあげるからどんどんゴーにゃ!
・行動
ジャラっと金ぴかつけて【偽りの幸福】にゃ!
思いっきりジャンプして飛びついて落としてやりマスにゃー!
勢いのままビルとかにドッカンとかできないかにゃ。捨て身突進にゃ!
槍は爪とか装飾で頑張って防ぐにゃ。金ぴかガードにゃ
余裕ができたらローリイを抱えて移動してショートカットしたいにゃ。
守ってあげるからこっち来てにゃ。怖くないにゃ?
金ぴか鎖で体にしっかり縛り付けてジャーンプにゃ!
鍵も地図もナミルのものデスにゃー!
走り去るガジェットを目で追い、ナミルはうふふ、と嬉しそうに表情を緩ませた。
「間違いないにゃ、あれは宝の地図にゃー! ここほれニャーニャーってやつにゃ! きっとお宝が埋まったり浮いたり置いてあったりしてあるんだにゃ! こんな処で止まってるわけにはいかないにゃ、ナミルも追いかけるのにゃー!」
だから――邪魔者は排除にゃ!
ナミルの全身をじゃらり、煌びやかな黄金が彩る。それは煌びやかだが――全て呪われている。どんな呪詛があって、どんな逸話があったのか。それは恐らくナミルも覚えてはいないだろうが……彼らの呪詛は複雑怪奇に絡み合い、結果として彼女に身体強化を施す。爪が尖り、牙が物欲しげに光る。呪いすら力に変える。まったく、黄金とは、黄金にとりつかれたものとは、タフなものである。
「にゃにゃにゃーっ! 飛んでるものは落とすのにゃ!」
呪いが乗っかったナミルは、思い切りジャンプ! 手始めに一匹、オブリビオンを捉えた。そいつを蹴り落として更に片手でもう一匹。そいつを真横に吹っ飛ばしてもう一匹。更に宙返りして尻尾でもう一匹を叩き落とした。
本物の蜂よろしく集まってくるオブリビオンが、攻撃力の在りそうな穂先をナミルに向ける。
「ふふん! じゃーらじゃーら、金ぴかの輝きには誰も勝てないのにゃー!」
長く伸びた爪で穂先を引っかけて、僅かに右にずらすだけ。それだけで槍は急所をはずれ、ナミルの頬を掠めるにとどまる。くるりと回転するように捉えた穂先に足を付け、大地に向かって高速ジャンプ。まるでナミルまで蜂になったかのように跳び、串刺しにしようと四方八方から差し出された槍を避けきった。
「どかーんにゃ!」
一度地面に這いつくばって、もう一度ジャンプ。槍が噛み合っている部分に向かって思い切り右アッパーをぶちかませば、相手は体勢を崩す。其処を突く。跳んでは噛み、跳んでは切り裂き、跳んでは蹴り付け、跳んではブン殴る。このナミル、前から思っていたがバリバリの肉体派である。
「この調子でいくにゃ! お宝は、ナミルのものデスにゃー!」
大成功
🔵🔵🔵
樫倉・巽
やれやれ、ここでもか
全く騒がしいことだ
生まれた世界への恩もあることだ
助太刀いたそう
ローリィ達を見つけたらローリィと蜂どもの間に割って入り
ローリィ達が逃げる時間を稼ごうとする
「ここは任せてもらおうか、お前達は今のうちに地図の場所に向かうがよい。」
【蜥蜴剣術無天流】を使い戦う
この数だ、倒すことよりも時間を稼ぐ方が大事になるだろう
刀を抜き相手を睨み付けて威嚇しながら相手の出方を窺う
流れるように構えを変えながら視線と刀で相手を牽制し
向かってきた相手と呼吸を合わせて刀を振る
羽の付け根、首、腹、相手を効率よく無力化できる場所を狙う
ローリィ達に蜂どもが行きそうになったら手数で牽制して足止めを狙う
「任せたぞ」
「やれやれ、此処でもテレビウムか……」
樫倉・巽(雪下の志・f04347)は全く騒がしい、と“砂塵渡り”を抜き払う。騒がしい、されど此処は我が故郷。テレビウムたちの平穏のため、彼は刀を光らせる。
どうやらローリィとやらは既に移動中であるようだ。ならば迅速に移動が出来るよう、時間稼ぎをする役が必要になる。其の役、喜んで引き受けようとも。
「俺はただのトカゲ、鍵も地図も手元にはないが――相手になろう」
蜂たちは或いは大地に足を付け、或いは羽根で飛びながら、槍を構える。相手が相当のつわものであると認識したようだ。
まず三匹が前に出た。槍の軌道は判りやすく、つまり、一撃に全てを込めている――ならばと巽は一閃を軽く、まず一撃目で槍を払い、二撃目で更に払った。上下に逸らされた槍がコントロールを取り戻す前に一、二、三閃。美しい三日月を描く軌道は、鋭く疾く正確に、蜂たちの腕を切り落とした。
蜥蜴剣術無天流。強さとは何か。天とは、頂点とはいずこにあるのか。求道者たる巽の刀捌きは、それでも迷いは一切なく。次の一振りには力を込めて一閃。腕を落とした者の後ろにいたオブリビオンに踏み込み、そっ首をふつと飛ばす。
「(羽根の付け根、首、腹、腕)」
澄み渡る境地にて速やかに、相手を無力化できる箇所を計算する。まるで決められた筋をなぞるかのように、刀は鞘走る。瞬く間に数匹を無力化した巽に、蜂たちは集まってくる。そうだ、もっと来い。其れが俺の役目なれば。
――羽音がぶうんぶうんと鳴いて、けれど、直ぐに静かになる。
その場で最後に高く天に哭いたのは、キン、と刀を鞘にしまう音だった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『敏腕ハッカー・都南・佳』
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POW : セクシー格闘家系トナカイ娘召喚
【ハッキングで認知を変えたバーチャル女子】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD : となのーずビーム
【赤い鼻から発射されるビーム】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ : 超絶ウルトラ必殺ハッキングッ!!
【愛用ハッキングマシン】から【認知を書き換えるプログラム】を放ち、【認知障害】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:Miyu
👑7
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「シリカ・シリウス」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●相互通信
「あ、此処だ! 此処だ!」
ローリィが街の道をよく知っているのか、単に判りやすかったのか。鍵の場所に辿り着くと、ローリィは声を上げた。
夜に開くのだろう。シャッターが閉められた建物が多くある中で、ローリィは周囲を見回し、ふうと疲れた息を吐く。
「いやー、ほんとに何もないね。なんでこんなとこが――」
おや? ローリィの ようすが !
何もない、と言ったその口だが、ローリィの全身が突然輝きだす。そしてその画面に表示される「15m」の文字。
どこかに受信施設があるのだろうか? 何処から送信された情報なのだろうか? 判らないが、とにかく15分間、ローリィを守って耐え凌ぐしかないようだ。
そう、彼からね。
「ふう……猫の動画、ねえ。バーチャル美少女の方が数百万倍有意義だと思うんだけどね」
現れたのは2.5頭身の愛らしい二足歩行トナカイ。可愛いと侮るなかれ。彼はハッキングを趣味とする、立派なオブリビオンなのだから!
黒瀬・ナナ
あらあら、なんだか大変な事になっているみたいね。
よぉし、ここはおねえさんが一肌脱いであげようじゃ……わぁ!何あの可愛いトナカイ!ふわふわもこもこ!
……ハッ!危ない危ない。愛らしい見た目に惑わされる所だったわ。皆も油断しちゃ駄目よ。
風神様のお力を借りて飛び回り敵をかく乱しながら攻撃を『見切り』
隙を見つけたら自慢の『怪力』で振るう薙刀で一気に『なぎ払い』
オマケで『マヒ攻撃』も付けておいてあげる!
万が一敵からの攻撃が当たりそうな時にはローリィさんを『オーラ防御』併用で『かばう』わね。
痛くても泣かない、『気合い』で我慢するっ
※他猟兵様達との絡み、アドリブ等大歓迎です。
ネムネ・ロムネ
※アドリブ連携大歓迎
にゃんこさんの動画は不滅です
数億万倍有意義ですね
その事をどうか、この15分の内に良く理解していくと良いのですよ
敵の射線上にローリィが入らない様に意識して戦うのですよ
心強い味方が駆けつけてくれてるのです
霧枯さん
旅団ではよく合ってしてましたけど、こうやって火器を合わせるのは今回が初めてですね
戦闘中話しかける事はしないですけど、息を合わせていくのです
一人で戦うより、勝手ですけど背中を預けた方が“交渉”は有利に運べるのですよ
敵は一人なのです
拳銃の【先制攻撃】や
狙撃銃の【スナイパー】、
ガトリングの【援護射撃】で一点集中の突破を試みるのです
ローリィさん
無事終わったらまた動画、見せてね
樫倉・巽
面倒な相手だ
とは言え、斬ればいいことに変わりは無いか
殴ると言うことは殴り返せると言うこと
奪うと言うならこちらも奪えると言うこと
その覚悟があると言うことだな
無論手加減などせん
全力で相手をしよう
ローリィ達のいる場所に駆けつけ助太刀する
「故あってお前達を助けに来た。」
ローリィの位置に気を配り、何かあったらすぐに庇えるようにしておく
トナカイを前に刀を構え気合いと殺気で相手を威圧しようとする
存在の濃さが勝敗を分けるものだ
ましてや時間を稼ぐ必要があるとすれば尚更
隙を窺い、機を見つけたら【三日月二連】を使う
刀を振るときは命を奪う時
それだけのこと
「誰かを踏みにじる者は誰かに踏みにじられるものだ。悪く思うな。」
霧枯・デスチーム
【2m半のガジェットブラザーに乗り込み行動。アドリブ協力歓迎】
「…野郎、猫と美少女どっちが可愛いか体で教えてやるぜ」
『ガージはどちらが可愛いと思いますか?』
「両方」
それはそれとしてガトリングガンはぶち込む!
テンションのままにリミッター解除してブラッドショルダーモードを起動、肩を真っ赤に染めて破壊力マシマシのガトリングガンをぶち込むぜ!
ローリィが攻撃されそうなら身を挺して庇おう。
終ったらブラザーから降りてローリィにお疲れさまぐらい言っとくかネー。かわいい猫を見せる約束もあるしナ!
ナミル・タグイール
ぴっかぴかにゃー!?(輝くローリィにはしゃぐ猫)
周りに何もなさそうだしローリィがお宝だったにゃ?
このぴかぴかは渡さないにゃ!ナミルのにゃ!
攻撃は最大の防御にゃ!攻めまくって守るデスにゃ。
捨て身突撃ニャ!無理やりUC当てるにゃ!
【黄金の鎖】でジャラっと召喚されたトナカイを拘束したいにゃ。
呪いの鎖でパワーダウンデスにゃー!
捕まえたら敵ごと鎖を振り回して武器にしてやるマスにゃ!
せくしーとなかいはんまーデスにゃ。
本体も攻撃できていっせきにちょーにゃ!どっかーんにゃー!
<15m>
「にゃんこさんの動画は不滅です。数億万倍有意義なのです」
ネムネは無表情にそう言うが、なんとなく――なんとなく、怒っている気がする。輝くローリィを背に、オブリビオンに向かい合う。
「判ってないなぁお嬢さん。確かに猫は可愛い。それは認めよう。けれど、美少女には敵わないんだよね。すらりと伸びた足、桃色の唇、例えば――そう。髪型はボブが良い」
言うと、オブリビオンの手元にバーチャルコンソールが現れる。かたかたぽん。手慣れた様子でコンソールを操作すれば、あら不思議! オブリビオンの傍に、スレンダーでボブヘアの可愛いバーチャル女子が現れたではないか!
<14m>
『うふふ♪ ご主人様をお守りしちゃう』
「野郎、召喚が出来るのか……! まあいい、猫と美少女どっちが可愛いか、体に教えてやるぜ!」
『ガージはどちらが可愛いと思いますか?』
「両方!」
「ネムは断然猫派なのです」
ネムネとデスチームは旅団ではよく顔を合わせる仲だ。火器のタイミングを合わせるのは今度が初めてだが……其れでも息をぴったり合わせて、互いに武器をオブリビオンに合わせた。
「おっと、乱暴は嫌いだね。美少女ノイズ、範囲設定っと」
『ご主人様~~~! 其のコマンド、ちょっと画質悪くなるから嫌って言ったのに~~!』
<13m>
――ガルルルルッ!
二人のガトリングガンが吼える。其れはさながら、無数の狼が唸りを上げるよう。美少女もろともオブリビオンを捉えたと思った弾丸は――いや、オブリビオンを捉え切れていない。美少女がノイズがかって広がり、オブリビオンを隠す。その後ろから放たれた赤い光線が、弾丸の群れを残らず焼き払う。
「ノイズモード解除、さあ、暴れてきたまえ」
『やったぁ~~☆ ご主人様を守るため、いっきまーす!』
銃火器のクールタイムを狙い、トナカイめいたコスチュームに身を包んだバーチャル女子は大地を蹴る。ネムネに向かって飛び掛かり、彼女が拳銃に持ち替えるよりも早く拳を――
<12m>
『ブラッドショルダーモード、起動。システムオールグリーン、ライフリミッター解除、レッドゾーン設定』
『あっ! いやーん!』
横合いから跳んできた真っ紅な衝撃波に、バーチャル女子が一瞬霧散する。ネムはその隙に大きく跳び下がり、衝撃波の元――デスチームに感謝の眼差しを送りながら、拳銃を握り直した。
「ありがとうなのです」
「いいって事よ! このモードは長く使えねーが、15分耐えるには十分だ! そうだろブラザー!」
『その通りです、ガージ。レッドゾーンまで余裕があります』
「余裕がないと困るんだがナ!」
『んも~~! トナ子怒った! 貴方達を瓦礫にしちゃうゾ!』
バーチャル女子は拳を握って可愛いポーズをとると、一気にデスチームに殴りかかる。ブラッドショルダー……肩を赤く染めたガジェットと拳を撃ちあい、放たれるガトリングガンの弾丸をも恐れない。何故ならバーチャルだから。命がないから、恐れるものがない。
<11m>
「さて、次はどうしようか……ロングヘアにメッシュの女子でも」
「こちらを忘れないで貰いたいのです」
悠然とそれを観戦していたオブリビオンは、さらなるバーチャル女子を召喚しようとしていた。その肩がぴょん、と跳ねて、オブリビオンは片眉を上げる。見れば、焼け焦げた丸い銃創。
ネムネがライフル銃に持ち替えて、狙撃体勢に入っていた。更にもう一発、タン、と撃ち放つ。大人しくやられるオブリビオンではない、鼻からの赤い光線が鋭い弾丸を焼き払う。
「リアル女子はこれだから。なんだい、猫を侮辱されて怒ったのかい?」
「それもありますが、何よりネムは猟兵なので」
「そうよね。猟兵だからオブリビオンを倒す、何の違和感もないわ!」
声が混じり入る。
<10m>
ネムネが振り返ると、そこには薙刀“迦陵頻伽【花嵐】”を構えた黒瀬・ナナ(春陽鬼・f02709)が立っていた。刃が下になるように薙刀を構え、不敵に笑う。
「なんだか大変な事になってるわね! 大丈夫、おねえさんが来たからには心配いらな……あっ、よく見るとあのトナカイ可愛い……」
「ほう、美少女も悪くないが美女もいいな。和装でミニスカなのが良い。よく判っている」
「しかも褒められちゃった……! やだ、嬉しい! って、そうじゃなーい! 危ないわ、愛らしい見た目と甘い言葉に惑わされるところだったわ。みんなも油断しちゃ駄目よ!」
きりっと眉を吊り上げて、ナナは周囲に呼び掛ける――が、惑わされそうになっていたのはそもそも彼女一人であって……
「うるさーい! さあ、行くわよ! わたしはあなた、あなたはわたし!」
くるくると薙刀を回し、神を呼ぶナナ。呼ぶのは神様、風神様。足に加護を纏わせて、風を助けに天を舞う!
「空を舞う和服美女。データに加えておこうかな……それはそれとして」
コンソールをトトン、と叩いたオブリビオン。ナナが俊足で彼の眼前に現れても、余裕は崩れない。
<9m>
「随分と余裕じゃない……! なんだか癪ね!」
「余裕のない者から負けていく。それはバーチャルでもリアルでも同じでね」
振りかぶったナナ。しかしトナカイの赤い鼻が煌き、光線を連射する。それはまるで、先程たらふく浴びたガトリングガンのようでもある。
「わ、わわわ……ッ!」
薙刀の刃で弾丸の雨を受けながら後退するナナ。風神の加護を得た足で横に飛べば避けられる。でも――
「(後ろには、ローリィさんが……!)」
「そうだよね。だから君は避けられない」
「ッ!」
連射の後には、必殺の一撃を。
攻撃力に全振りしたオブリビオンの光線が、ナナを狙って奔り――
<8m>
「疾ッ!!」
「……おや?」
光線がしぱん、と左右に分かたれた。其れは狙ってのものではない。眼鏡をくいと片手で上げてオブリビオンが見た者は、着流しを来た蜥蜴の姿。
「……故合って助けに来た。怪我はないな?」
「あ、ありがとう……ええ、貴方のお陰で無事よ」
かくなる上は、と防御の体勢をとっていたナナが、ほうと息を吐く。後ろのローリィにも怪我はないようだ。……必要ならば庇うのもやむなしと考えていたが、出来れば痛くない方が良い。
巽はナナにオブリビオンを目くばせする。同じ刃を持つ者同士、此処は協力する必要がある、と。
「おやおや、刃物を持って危ない人たちだ。じゃあ、刃物を持った美少女でも召喚しようかな……例えばツインテールでヤンデレ、周囲を破壊する感じの……」
<7m>
オブリビオンがコンソールを操り、再びバーチャル美少女を召喚する。背は低めでツインテール、暗い眼差しに刀を一振り。
『お兄ちゃんの邪魔をする奴は、殺す……! お兄ちゃん、下がってて!』
「ああ。君の活躍を此処から見ているよ」
『嬉しい……! お兄ちゃんが見てる! 私、頑張るよ!』
「うわ、悪趣味……」
「ふむ。理解出来ないが、あれは悪趣味なのか」
「理解できない方が良いわ……」
言いつつも、武器を構える二人。まずは巽がバーチャル美少女に仕掛ける。正眼の構えからすり足、一気に肉薄して刀二振りがぶつかり合った。
その隙に跳躍力・脚力のあるナナが2人を飛び越えて、オブリビオンを狙う。
『お兄ちゃん!』
「目を逸らすな。おぬしの相手は、この、俺だ」
美少女の刀を押し払い、払いのけるような横一文字に斬り付ける巽。美少女は唇を噛みながらも、巽の剣戟を受けずにはいられない。
<6m>
「おやおや、物騒だね」
「やあああああッ!」
気合一閃。斬りかかったナナを再び襲う赤い光線――だが。
「おや?」
ナナの姿がトナカイの目の前から……消えた。正確には、消えたように見えた。
「風神様の加護、ナメないでよね!!」
ついで、肉を裂く音と、背中に熱。少ししてオブリビオンは、己が斬られたのだと知る。
一気に空中を跳んだナナはオブリビオンを“追い越して”背後に着地し、薙刀で逆袈裟に斬り上げたのだ。
『ああああ! お兄ちゃん! お兄ちゃん!』
「――それがおぬしの隙か。哀れな」
マスターであるオブリビオンの負傷にパニックに陥るバーチャル少女。其の感情の揺れを見逃す程、巽は素人でもなく、また、優しくもなれない。
刀を握り直すと地を削るように、一気に斬り上げた。バーチャル少女の剣が宙を舞い、デジタルノイズになって消える。驚いたような、絶望したような顔をする暗い少女の顔を一瞬見据えた後――そのまま一気に刀を振り下ろし、電子生命を両断した。
三日月二連。一度三日月が見えたなら、次の三日月で命を落とす。
バーチャル少女には命がない……けれど。確かに其の太刀筋は、彼女の命脈を両断せしめた。
<5m>
「にゃーっ! ぴっかぴかにゃ! これがゼロになったらどうなるのかにゃ? ローリィがお宝だったのかにゃ? ならナミルが頂きデスにゃ!」
色違いの眸をきらきらと輝かせ、ナミルは尻尾を振る。ローリィがお宝だとして、どうやって回収保存するのか……そこまでは彼女は考えていないだろうが。
「あれがお宝か。そうだね、お宝に見えるかも知れない。まあ僕には、彼女たちさえいればいいんだけど……今度はそうだな、大きなハンマーを扱う幼女にしよう」
かたかたとコンソールを操るオブリビオンの指先(?)には迷いがない。片方の肩を撃ち抜かれているというのに、痛む素振りさえない。オブリビオンゆえなのか、違う理由があるのか。兎も角、コンソールに呼ばれて現れたのは、巨大なハンマーを持つ少女。
『ご主人様、守るのです』
「……なんだかネムと口調が似てる気がす、」
「邪魔はさせないにゃー!!」
むっとした反論もなんのその、ナミルが振りかぶってー、投げた!
咄嗟に少女はオブリビオンを守り、ハンマーを奮う。ぼこんと殴られて空中で黄金の爆炎を上げたのは――
<4m>
『……!?』
「くっくっく、引っかかったにゃー! 呪いマシマシのチェーンデスマッチにゃ!」
じゃらり、輝く黄金の鎖。ナミルとバーチャル少女を繋ぐ其れは禍々しいほどに輝いて、お互いを離さぬと巻き付いている。グレイプニール――伝説に謳われる、破滅の獣を繋ぐものの名を冠した鎖は、決してどちらをも逃がしはしない。
「今のうちにゃ! 総攻撃だにゃ!」
「みてーですね。ネムに口調が似てるあんちくしょうにお見舞いしたいところですが、そっちは任せるのです」
「ブラザー、ブラッドショルダーはまだいけるナ!?」
『ライフリミット解除中、まだいけますよ、ガージ』
「行きましょう、トカゲさん!」
「とか……うむ」
「総攻撃か、させないよ。生憎ネタ切れではあるが、弾切れではないのでね!」
トナカイの鼻が赤く輝き、熱線を放つ。素早く前に出たのはデスチーム。赤い衝撃波で光線のエネルギーを打ち消し、更に高速移動をしながら弾を受ける事でガジェットの傷を掠り傷に留め、仲間を守る。
ネムネはその場に留まり、ライフルを低く構える。狙うはオブリビオンの脚。
「――跪け、です」
冷たい一言と共に打ち出された切っ先鋭いライフル弾は、狙い違わずオブリビオンの片足首を貫いた。飛び散る血液、まさしく跪いたオブリビオン。
「うっ……!」
『ご主人様!』
<3m>
「にゃー! お前の相手はこっちにゃ!」
『えっ……!? きゃああ!』
ふわり、バーチャル少女の身体に浮遊感。ナミルがぶんと鎖を振り回し、相手のバーチャル少女を持ち上げた。たっぷりと有り余るほど内に溜めた呪詛の力か、怪力のせいか、それとも傷を厭わぬ覚悟の賜物か……どれでもあって、きっとどれでもない。事実を淡々と述べよう。ナミルはバーチャル少女を思い切り持ち上げ振り回し、本体であるオブリビオンに叩き付けたのである。
『きゃーー!! ご主人様ーー!』
「ああ……すまないね、消えてくれ」
『了解ですぅ!』
その一言で、電子生命は中空へと還る。その隙を逃す猟兵たちではない。
「疾ッ……!」
巽が距離を詰める。オブリビオンは尚も不敵に笑い、コンソールへ手を伸ばすが――
「させん! おぬしの技、見切った」
<2m>
すぱん、と何かが中空に跳んだ、とオブリビオンは視認した。確かに、ぴょんと跳ねたように見えたのだ。いや――「刎ねた」か。オブリビオンの腕は肩から両断され、跳ねるように上空へ飛んだ腕が、塵となって消えていく。
「……残念だよ。また会うことがあれば、君たちにバーチャル美少女を布教しよう」
「最後まで口の減らない奴ね! 年貢の納め時よ!」
「そのようだ」
ナナが巽の陰から肉薄し、オブリビオンを深々と薙刀で切り裂く。同時、デスチームのガトリングガンが咆哮を上げ、ネムネの弾丸がその額を捉え――
―― 一握りの塵が、さあ、と消えて行った。
●エマージェンシー
戦闘を終えて振り返った一同が見たのは、「1m」の文字。
やがてその1分が過ぎると……さっきまで輝いていたローリィははっとして、きょろきょろ周囲を見回した。
「ん!? お、俺、いま何を……」
「お宝にゃーー!!」
「はぶうっ」
ナミルのもふもふに抱きしめられて、至高の苦しみに陥るローリィ。いや違う、俺はお宝じゃないぞ!? と喚いても、ナミルには何処吹く風。だって金ぴかに光ってたにゃ、光るのはお宝に間違いないのにゃ!
そんな平和に見えるやりとりに、一同が顔を見合わせ笑い合っていると――
ふおーん。
ふおーん。
まるで風に色と音を付けたような、そんな音が周囲から鳴り響く。
何処から聞こえる、ともいえない。いうなれば、周囲の上空全体から鳴り響くような……
「システム・フラワーズより緊急救援要請、システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」
「至急の救援を請う……」
やがて、また静かになる周囲。
ナミルはきょとん、として上空を見上げている。その隙にローリィは楽園のような苦しさから逃げ出して、走り出した。今度はオブリビオンではなく、ナミルから逃げるのだ。
「あっ! 待ってにゃ! ナミルのお宝ー!!」
「……なんだか穏やかじゃねーナ、ブラザー?」
『ええ。ローリィ氏に挨拶し損ねたのも損失かと思われます、ガージ』
「システム・フラワーズ……聞いた事はないけど、物資供給機構って言ってたわね」
「救援要請か。……また騒がしくなりそうだな」
「なのです。取り敢えず今は、あの猫さんを止めてローリィさんの猫動画を見るのです」
ネムネの言葉に一同が笑う。
猟兵の仕事は、どうやらテレビウム救助だけでは終わらなさそうだ。
大成功
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