Rock 'n’Rock
●
薄暗い路地をかける小さな影。
その顔面はブラウン管テレビのような外見をしており、彼がテレビウムと呼ばれる種族であることが見て取れる。
しかしその顔面には、普段あまり見られない『鍵のような映像』が映りこんでいた。
「おう、ろけんろー……」
ギターを背負い、モヒカンを模したファーを頭に乗せたテレビウムが駆ける。
その表情?には、言い表せない焦燥感が滲んでいた。
その焦燥感の原因は、背後からやってきた。
“異様な被り物”をした怪人たち。
襲われる心当たりは無いが、溢れる殺気が間違いなく自分に向いていると確信出来る。
逃げなければならない。
しかし、その距離は刻一刻と縮められていった。
「おぅ、へるぷみー」
テレビウムは駆け続ける。
心の中に浮かぶ、絶望という言葉を振り払いながら。
●
「皆様、事件で御座います。」
グリモアベースにて猟兵たちに語り掛けるのは筋骨隆々の執事、セバスティアン・ヴァンホーン(真なるお嬢様を探して・f14042)だ。
セバスティアンによれば、現在キマイラフューチャーの世界にて、同時多発的に事件が発生しているようだ。
その事件の共通点は一点、『鍵のような映像』が映り込んだテレビウムがオブリビオンに襲われているという。
その映像が映り込んだテレビウムたちには、共通点も見受けられないらしい。
「原因については不明ですが、善良な市民が襲われている事実を見逃すことは出来ません。皆様、対処をお願い致します。」
未だ不明点は多いが、まずはテレビウムの人命を優先し、救助に向かわなければならない。
猟兵たちは頷くと、事件現場へと向かうべく立ち上がった。
「おそらくこれは、大きな事件の前触れ……皆様、お気をつけて行ってらっしゃいませ。」
きみはる
●ご挨拶
お世話になります、新人マスターのきみはるです。
せっかくですので、全体シナリオに参加させて頂きたいと思い、筆をとらせて頂きました。
今回はキマイラフューチャーということで、上手く書けるかわかりませんが、過去作よりギャグ寄りになれるように頑張ります。
●シナリオについて
このシナリオは『4月30日朝8:30までの完成した成功シナリオ数』によって、その後の展開が変わる』ものとなります。
その為、最低限の人数にて先に進ませて頂き、締まる前に投げて頂いたプレイングでも返却させて頂く場合がありますことを予めご承知おきください。
●テレビウムについて
本依頼用に適当に考えました。
今後の依頼で出ることや、キャラクター化はまずしないと思います。
第1章 集団戦
『大頭頭ズ』
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POW : x形拳
【様々な生物や機械、自然現象等を模した拳法】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : i極拳
【健康体操のようにも見える連続した攻撃動作】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : n卦掌
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【大地の中を走る気の流れの噴出点(龍穴)】から排出する。失敗すると被害は2倍。
イラスト:ケーダ
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
明智・珠稀
ロックなテレビウムさん達を守るため
やってまいりました、ふふ!
さぁ、戦い愛ましょう…!
■戦闘
UC『明智・ザ・ジャイアント』使用
【ダッシュ】で追われているテレビウムさんの盾になるように動く
明智(大)と共に妖刀を構え
敵に【先制攻撃】。
【なぎ払い】や【衝撃波】にて目に入る敵に
【殺気と共に】
「く、ふふ、ふはははは!」と愉しそう&狂気的に攻撃を
「あぁ、貴方の素顔が見たいです、ふふ!」
と【鎧砕き】で頭の面を叩き割りたいお年頃
相手の攻撃は明智(大)と共にオーラシールドでの【オーラ防御】
万が一テレビウムさんに被害が及びそうならば【かばう】
「さぁ、私の大いなる愛に包まれてください、ふふ!」
※アドリブ&絡み大歓迎!
●
「我ら、大頭頭ズ。お命頂戴アル。」
逃げ惑うテレビウムを追いかけるのは、中華風の被り物をした一団。
頭部が隠されているものの、その声と風貌から、老若男女様々な者が入り混じっていた。
ふざけた外観とは裏腹に、狭い路地を大人数で入り乱れながらもけっして互いを阻害すること無くなめらかに移動する様から、その一団が只者では無いことが見て取れた。
「へるぷ、へるぴみー!」
ついにその凶手が届かんと、大頭頭ズの一人が壁を蹴りテレビウムへと躍りかかる。
しかしその拳は、巨大な刀で受け止められた。
「私、やってまいりました……ふふっ!さぁ、戦い愛ましょう!」
艶やかな笑みを浮かべながら割り込んだのは、明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)だ。
いや、その男は一見、明智・珠稀であったが、その存在はただの明智・珠稀では無かった。
その身の丈は3mを優に超し、裏路地を完全に塞がんと立ちふさがった巨人。
その名は『明智・ザ・ジャイアント』
明智・珠稀のユーベルコードで生み出された巨人だ。
そのインパクトに気圧され視界から外れがちだが、その足元にはただの明智・珠稀も立っていた。
「邪魔するなアル」
大頭頭ズは一子乱れぬ動きで隊列を組むと、まるで演武のような統一された動きにて構えを作る。
「フッ、ハァ!」
まるで威嚇するかのように型を披露する大頭頭ズ。
その一瞬の誤差も無い統一された動きはまるで、芸術をも思わせる。
「おう、あんびりーばぼー。」
その技は命を狙われているはずのテレビウムさえも魅了した。
その動きは段々と激しくなり、その舞は佳境を迎えていた。
しかしその舞は、無慈悲に振るわれた巨大な刀によって薙ぎ払われた。
「く、ふふ、ふはははは!」
明智・ザ・ジャイアントが振るう刀は衝撃波さえも引き起こし、大頭頭ズを蹂躙する。
「あぁ、貴方の素顔が見たいです、ふふっ!」
その顔には嗜虐の笑みが浮かび、大頭頭ズを震撼させた。
「さぁ、私の大いなる愛に包まれてください、ふふっ!」
成功
🔵🔵🔴
アストレア・ゼノ
◆POW
◆アドリブ歓迎です
緊急事態と聞いて急いでやって来たよ
初めて目にするキマイラフューチャーの光景に困惑しながらも
迫りくる怪人達を迎え討とう
さあ、行くぞグウェン!
相棒の仔竜を槍へと変じ、怪人の群れに飛び込み大暴れだ
数の不利を覆す為なら【敵を盾にする】のも厭わない
攻撃を【見切り】、敵を【なぎ払い】ながら
UC【ドラゴニック・エンド】で次々と【串刺し】にしてやろう
三千院・操
……鍵が浮かび上がるってどういうこと? なんかの実験?
ま、なんでもいいけど面白そう!
あのテレビウムを守っていればその理由もわかるよね!
それじゃあ行くよ? 『死人宴は終わらない』!
UCを使用して数で迎え撃つ!
召喚するのはテレビウムの死者! 木を隠すならなんとやら、ってね!
死者達には適当に敵を妨害する指示を飛ばしつつ、死者達が敵をひきつけてる間に呪詛を纏った『The Healer』でなぎ払ってくよ!
相手が【n卦掌】を使用する気配があれば、『葬送曲』を使って壁や床に叩き付けるね!
この攻撃はユーベルコードじゃないから、n卦掌は発動しないはず!
脱力状態なら、攻撃はよぉく通るよね!
※アドリブ絡み歓迎
●
猟兵たちにの活躍により襲撃を妨害された大頭頭ズ。
一糸乱れぬ統率を乱されると同時に、挟み撃ちをするかのように新たな集団に襲いかかられた。
しかし、その集団は顔面に砂嵐を映したテレビウムたち――その動きは動く死者として代表的な所謂ゾンビを連想させる。
「木を隠すならなんとやら、ってね!」
そのゾンビのようなテレビウムたち――ゾンビウムたちを生み出したのは、筋骨隆々の青年、三千院・操(ヨルムンガンド・f12510)だった。
保護対象であるテレビウムの存在を誤魔化すかのようにゾンビウムたちは大頭頭ズへとなだれ込み、乱闘を開始する。
大きな人間の頭の被り物をした集団と、テレビを被ったかのような外観の集団との大乱闘。
路地裏はあっという間に喜劇のような様相を呈し始めた。
「なめるなアル!」
混乱により動きを乱した大頭頭ズであったが、一度落ち着きを取り戻せばその動きは本来のキレあるものに戻っていた。
両手を大きくあげると左右に向けて手首を下り、左足を上げると背筋を伸ばす――その構えは一部では荒ぶる鷹のポーズと呼ばれる構えだ。
「x形拳喰らうアル!」
様々な動物を模した動きをとりながらゾンビウムへと徒手空拳を繰り出す大頭頭ズ。
決して弱くは無いゾンビウムたちであったが、一撃を喰らえば一人、また一人と数をへらすゾンビウムたちは次第に劣勢へと追い込まれていった。
「さあ、行くぞグウェン!」
劣勢に追い込まれる戦いの渦へと、アストレア・ゼノ(災厄の子・f01276)は飛び込んでいく。
その手に握るは相棒の仔竜を槍へと変じた愛槍――竜槍グウェン。
数の不利をものともせず、敵陣中へと飛び込むと竜槍グウェンを突き出した。
雷撃が如き鋭き突きが走り、大頭頭ズが一人を貫く。
アストレアの背後をとらんと飛び掛かる大頭頭が一人に対し、彼女は敵を貫いたままの槍を振るう。
その槍捌きの滑らかさは渓流が如く。
貫いた敵をそのまま盾とし身を翻した彼女は、そのまま愛槍を横に振るい敵を薙ぎ払う。
「貫け!ドラゴニック・エンドッ!」
一際体格の良い大頭頭を貫いた竜槍はそのまま姿を相棒の仔竜へと変え、勢いよく巨体を刎ね飛ばした。
「隙有アルね!」
手に持つ槍を竜へと変えた無手のアストレアへと、隙ありと叫んだ大頭頭ズは躍りかかる。
しかしその連携は、禍々しい呪詛を纏った大鎌――『The Healer』を振るった操に邪魔された。
「おれのことも忘れないでよね!」
強大な膂力で振るわれる大鎌が敵を薙ぎ払う。
それに対し、大柄な武器はその懐に入ってしまえば刃は届かないとばかりに小柄な大頭頭が滑り込む。
しかしその身はアストレアが手へと戻った竜槍グウェンに貫かれ、静かに地に伏したのだった。
大頭頭ズは態勢を立て直さんと集結した。
すでに狙っていたテレビウムはその姿が見られないが、目の前の敵を打ち払った後にゆっくりと探せば良い。
再び大技を出さんと槍を振りかぶるアストレアに対し、受け流しの構えをとらんと脱力する。
「n卦掌アル!」
しかしその構えをとった大頭頭たちの身は、脱力するどころか突如不可視の力に締め付けられ、硬直した。
目を凝らせば周囲に日の光を照り返す何かがうっすらと見てとれた――その光の伸びる先へと視線を伸ばせば、グローブを嵌め構えをとる操の姿が映る。
「ちょ、待つアル!」
身動きが取れなくなり、防御技すら封じられた大頭頭ズの視線をアストレアに戻せば……その視界は大きく口を開けた白き仔竜に覆われた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『雀牌戦闘員』
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POW : 国士無双
予め【異なる顔の戦闘員が14人揃う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : 三元牌
【3人同時攻撃】による素早い一撃を放つ。また、【鳴く】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 立直
【相手の行動を読み、作戦通りの攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【狙いすました一発】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
イラスト:ケーダ
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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戦闘を終わると、物陰に隠れていたテレビウムがおずおずと猟兵達の前へと出てきた。
「せんきゅーべいべー、みーの名前はロック……宜しく、ろけんろー。」
猟兵達がホッと一息つきながら自己紹介を交わす。
助かったとばかり安心していた次の瞬間、ロックの顔面に映し出された鍵が動き出す。
あたふたと顔を振るロックの画面の動きを見るに、鍵は常に一方向を指しているようだ。
猟兵たちは相談の結果、事件の手がかりを求めて鍵の指し示す方向へと向かうこととした。
しかしその行く末は、一筋縄では行かないようだ。
猟兵たちを追撃するべく、新たな一団が現れた。
その膨大な数を見た猟兵達の頭にある言葉が思い浮かぶ……それは『無限湧き』
猟兵達はロックと共に駆ける。
敵の追撃を打ち払いながら。
天翳・緋雨
【アドリブや絡みは歓迎です】
随分多くのテレビウムに影響が出ているみたいだね…
ボクも協力するとしよう
「キミはお先に進むといいよ。ここはボクが撃退する」
テレビウムに告げると不可思議怪人達に立ちはだかる
ユーベルコードは『陽炎』を
『ダッシュ』『ジャンプ』『残像』『空中戦』『見切り』等を絡めた近距離転移で回避しつつ隙を狙っていく
好機と見たら『踏みつけ』『鎧無視攻撃』『カウンター』『属性攻撃』等を主軸に攻撃を叩き込み無力化していこう
(攻撃方法は電撃を纏った蹴りやサイコキャノンから放つ衝撃波)
これでもパフォーマーの端くれなので『ダンス』や『パフォーマンス』を組み込んだ立ち回りが出来るといいな!
明智・珠稀
ろけんろーですロックさん。
おや、更にお顔がロックですね…!
お顔の示す先に何があるのか気になりますが
ひとまず追っ手を倒してみせましょう、ふふ!
■攻撃
黒革の鞭を手に
「ふ、ふふ。数には数を、です…!さぁ、いでよたまちゃん人形たちよ!」
UC【行け!たまちゃん人形!】で
妖刀を構えた明智からくり人形180体を召喚。
「さぁ、ロックさんを護りながら進みますよ、ふふ!」
己も鞭で敵に攻撃を仕掛けつつ、
ロックさんに敵を近づかせないようからくり人形を指揮し、通せんぼ。
明智人形、攻撃は勿論
麻雀の白牌に落書きしたり、ネクタイ外したり
くすぐったり、とやりたい放題
「只の時間稼ぎですよ、ふふ!」
趣味です
※アドリブ、絡み大歓迎!
アストレア・ゼノ
◆SPD
◆アドリブ・絡み歓迎です
ゴブリンよりも性質の悪い連中め
このままじゃ埒が明かないな
【ダッシュ】【逃げ足】で目的地へを目指しながら
追いすがる敵を【咄嗟の一撃】で撃退するが
湧き続ける増援には思わず舌打ちをしてしまう
もし高い場所が苦手ならすまない、跳ぶぞロック!
とロックに声を掛け、【怪力】の片腕でロックを抱えたら
UC【竜言語・騎竜召喚】で幻影ドラゴンを呼び寄せ
【ジャンプ】でその背に【騎乗】しよう
行けそうなら他の仲間も乗せて行きたい所だが……
そこは現場で判断しよう
【空中戦】【地形の利用】で
奴らが一度に通れないような狭い路地の真上を一っ飛びだ
●
猟兵たちは駆ける。
傍らには狙われているテレビウム、ロックを連れて。
敵の数は膨大。
倒せど倒せど、無限とも感じるほどに新手が現れ続けてきた。
「キミ達はお先に進むといいよ。ここはボクが撃退する。」
天翳・緋雨(第三の瞳を持つ少年・f12072)は足を止める。
多勢に無勢、しかし猟兵たちにとっての勝利は無事ロックを逃がし、謎を解き明かすこと。
であるならば、足止めとして残るのだって悪くは無い。
(サード・アイ起動…。予測演算開始…!)
緋雨の第三の瞳が開眼する。
飛び掛かる複数の雀牌戦闘員の拳が緋雨を捉えたかと思えば、突如移動し背後を取ると両掌から高圧電流を放つ。
すかさず別の雀牌戦闘員が再度背後をとれば、次の瞬間には宙に現れると同時に体を捻り衝撃波を放つ。
その変幻自在の動きこそ、短距離の瞬間移動を可能とする緋雨のユーベルコード、『陽炎』の力だ。
戦闘を続けながら駆け、跳躍し、敵の攻撃を避け、四肢を振るうその様はまるで一種のダンスパフォーマンスのようだ。
猟兵たちは駆ける。
後方の敵の一団は引き離した。
裏路地さえ抜ければ……そう思い通りを出た猟兵たちの前に現れたのは、包囲するかのように周りをぐるりと囲む雀牌戦闘員たちだ。
「ふ、ふふ。数には数を、です…!さぁ、いでよたまちゃん人形たちよ!」
明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)の呼び声と共に召喚されたのは、どこか明智・珠稀とよく似た印象を抱く人形たち――その名は明智からくり人形。
そのどこか抜けた愛らしい顔で気を抜くなかれ。
その数は百を優に超え、二百に届かんばかりの軍勢だ。
その一体一体がそれぞれに妖刀を携え、カタカタと口を開閉しながら雀牌戦闘員へと切りかかった。
「さぁ、ロックさんを護りながら進みますよ、ふふ!」
黒革の鞭を手に、ロックを携えながら先に進む珠稀。
その傍らには、先ほど共にロックを助け出したアストレア・ゼノ(災厄の子・f01276)もいた。
共に駆け続けたアストレアは息を整えながら、忌々し気に槍を振るう。
「ちぃ、これほど増援が続くとはっ!」
しかし、増え続ける敵に対し思わず舌を鳴らしてしまう。
「ふふ、それでは時間稼ぎと参りましょうか、ふふっ!」
雀牌戦闘員と切り結んでいた明智からくり人形は珠稀の指示を受けると、突如雀牌戦闘員へと飛び掛かる。
ネクタイをほどきにかかったかと思えば、全力でくすぐる。
服を脱がしにかかったかと思えば、顔面に落書きをし始めた。
時間稼ぎと豪語する珠稀の言葉に対し、その恍惚の表情を見たアストレアは絶対に趣味だと確信した。
たまらんとばかりに戦闘から謎の絡みに変化した明智からくり人形と距離をとった雀牌戦闘員。
その白地の顔はうっすらと赤みがさしていた。
「えぇい、この変態どもめがっ!」
奥の手だと吐き捨てた雀牌戦闘員は、それぞれ異なる柄の戦闘員が並ぶ――すると、突如大きな力を纏い始めたではないか。
「我ら雀牌戦闘員は役を作ることで力を発揮する。この国士無双はその中で最も強力な技だっ!」
そう豪語し、強大なオーラを纏い始めた雀牌戦闘員であったが、強くなったオーラはそのまま小さく萎んでいった。
「一体何が起こったというのだ!って、白っ!」
そう呼ばれたのは本来顔面に何も刻まれていない雀牌戦闘員――しかし現在は、明智からくり人形の悪戯書きによって“黒”と書き込まれていた。
いやはや、人生何が役に立つのか分からない。
「今だっ!」
周囲は相も変わらず囲まれているが、敵が混乱した今が好機。
とっさに腕を振るったアストレアは『竜言語・騎竜召喚』により、幻影のドラゴンを召喚する。
その身の全長は約3m。
小柄なロックと共に大人二人を運ぶには十分な馬力だ。
「もし高い場所が苦手ならすまない、跳ぶぞロック!」
ロックを抱えたアストレアはドラゴンへと飛び乗る。
主人を認識したドラゴンは一度大きく方向すると、突風を巻き起こしながら飛び立った。
ちゃっかり鞭でドラゴンの足を絡めとり、つかまった珠稀を引っ張りながら。
「うぅぅぉぉおおおぉおお!ろけんろぉぉぉぉ……。」
ロックの絶叫を聞かなかったことにし、アストレアはドラゴンを飛翔させる。
わざと駆け抜け辛いような路地裏の上を飛ぶも、怪人らしい卓越した身体能力を活かし、ビルの屋上を飛び交いながら追っては迫り続ける。
しかしながら空中はアストレアの独壇場。
時折高いビルを利用して飛び掛かってくるも、身体能力が強化されたアストレアの敵では無かった。
しかし、敵の目的はあくまでロックなのだ……油断は出来ない。
新たにこちらへと飛び掛かるのは、“中”と刻まれた雀牌戦闘員が二人。
ドラゴンを自在に駆りながら空中戦を繰り広げるアストレアが叩き落とそうとしたその瞬間……。
「ポンッ!」
目の前の二人が息を揃えて“鳴いた”かと思えば、同じ柄を刻まれた三人目が突如として背後に現れた。
「しまっ!」
槍を突き出そうとした体勢のアストレアはとっさに身動きが取れない。
しかしその窮地を救ったのは、宙を蹴りながら追いついた緋雨であった。
「おまたせっ!」
緋雨が奇襲をしかけた雀牌戦闘員を吹き飛ばせば、アストレアは迷わず全面の二人を弾き飛ばす。
気付けば、追いすがる雀牌戦闘員の姿は確認出来なくなっていた。
「ふふっ、どうやらあの空き地がゴールのようですよ!」
鞭で吊り下げられていた珠稀の言う通り、どうやら目の前の空き地が到着地のようだ。
ドラゴンは主の命を受けひと鳴きすると、ゆっくりと着地した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『餅巾着侍』
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POW : 御澱流・田楽刺し
【長巻を用いた鋭い刺突攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【煮え滾る味噌だれ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 御澱流・チカラモチ
自身の肉体を【つきたての餅めいた形質】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ : ちくわと鉄アレイ
【伝説的なニンジャマスター】の霊を召喚する。これは【食べると体力を回復出来るちくわ】や【当たるとダメージを受ける鉄アレイ】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:marou
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ハヤト・ヘミング」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
怪人たちの追撃を蹴散らし、一行が辿り着いたのは何の変哲も無い空き地であった。
何かあるかと歩みを進めると、突如としてロックの顔面がかつてないほどの激しい光を放つ。
「わっつ!ろけんろー!」
あたふたと両手を振り回すが、どうやら足が進まなくなってしまったようだ。
原因が分からない以上、下手に動かすのも危険かもしれない。
観察を続ければ、ゆっくり、ゆっくりと光は少しづつ弱まっていく。
時間はかかりそうだが、この場は静観が正しそうだと意見を交わす猟兵たちの元へと、新たな刺客が現れた。
「拙者、餅巾着侍……切り捨てご免。」
その怪人は、これまでの怪人たちと同じく、異形の頭部を持つ者。
しかしその威圧感は、これまでの有象無象とは一味違う強さを予感させた。
今、猟兵たちの戦いは佳境を迎える。
天翳・緋雨
【絡み・アドリブ歓迎です】
おや、ろけんろークンがちょっと危険かもー?ボクらが撃退しないとね!
ボクに飛び切りの一撃はまだないから
進路を阻んだり背後から狙うと見せかけて相手の注意を引くよ
ユーベルコードは【陽炎】を
【見切り】【残像】【空中戦】【ダッシュ】【ジャンプ】辺りを活用ししつつ短距離転移を織り交ぜてオデン怪人の攻撃をとにかく避ける!
反撃は【フェイント】や【カウンター】【属性攻撃】で隙あらば怪人の体勢を崩したい
(サイコキャノンから衝撃波を放ち叩きつける狙い)
他力本願な部分はあるけど仲間が痛撃を与えると信じるよ
撃退出来たら仲間の奮闘を称えつつろけんろークンの安否や事態の推移を確認したい
気になるよね
●
天翳・緋雨(第三の瞳を持つ少年・f12072)は飛び出した。
目の前の怪人はこれまでの数で押すタイプでは無く、一騎当千。
故に選ぶのは、突撃では無く、攪乱。
再び『陽炎』により第三の目を解放すると、短距離転移モードへと移行する。
緋雨が飛び出したのはあえて敵の真正面。
「笑止、蛮勇と勇気は違う者と知れ……。」
餅巾着侍が持つは長巻。
その長柄の大太刀を鞘から抜けば、目にもとまらぬ突きを繰り出す。
「御澱流……田楽刺しっ!」
一の太刀は大太刀、続けて繰り出される二の太刀はあつあつに煮え滾る味噌だれ。
初撃が少しでも掠り動きを乱せば、広範囲に散りばめられた煮えたぎる味噌だれにより火傷を負う。
対し、緋雨は体を捻るように初撃を避ける。
敵の攻撃は苛烈だが、回避に全力を注げば避けられないことは無い。
続いて襲い掛かる味噌だれ。
至近距離に来れば芳しい香りが食欲を刺激する。
緋雨は雑念を振り払うと、短距離転移により餅巾着侍の背後へ回る。
「背中ががら空きだよっ!オデン怪人クン!」
両手に嵌めたサイコキャノンにより、増幅されたサイキックエナジーを放つ。
衝撃波が大気を振るわせながら餅巾着侍を襲った。
しかし、砂煙が晴れた先には――着物が乱れたものの、健在な餅巾着侍が立っていた。
「拙者の名は、餅巾着侍……断じて、オデン怪人などという名前では無い。」
表情は読み取れないが、どうやら怒っている様子の餅巾着侍――戦闘には支障が無さそうだ。
(ボクには、飛び切りの一撃はないんだよねぇ。)
回避に特化した己の能力を悩ましく思いながらも、こちらを向いた餅巾着侍の後方にいる仲間へと視線を送る。
その表情には、悔いるものは何も無い。
己は陽動、仲間と共に倒せれば、それで良いのだと。
成功
🔵🔵🔴
明智・珠稀
…おや、なんと美味しそうなお方…!(じゅるり)
しかし、非常事態なロックさんを攻撃されるわけには参りません…!
勝負いたしましょう、ふふ!
■行動
オーラシールドを発動させ、ロックさんに攻撃が当たらぬよう留意
「さぁ、貴方のお相手は私ですよ。私だけを見てください、ふふ!」
熱っぽい視線で妖刀を手に餅巾着侍に迫る
UC【愛しのご主人様♡】を発動し、流し目ビームを撃ちまくる
自身と赤い糸で結ばれたら、なるだけロックさんと引き離すように動く。
敵UCにはオーラシールドと【激痛耐性】を
「あぁ、熱い味噌だれ…!こんにゃくになった気持ちです、ふふ!」
うっとりしちゃうド変態、妖刀でカウンダ―攻撃を
※アドリブ、絡み大歓迎♡
アストレア・ゼノ
◆SPD
◆餅巾着やおでんが何かは知らない
◆アドリブ・絡み歓迎です
成程、厄介な戦い方をする敵のようだな
ならばこちらも、それなりの【覚悟】を持って相手になろう
煮えたソースだろうが鉄の塊だろうが、
私の【鋼の心臓】を跳ね上げる事は出来ないさ
敵まで一直線に【覚悟】で突き抜け【激痛耐性】で食いしばり、
手にする槍で【ダッシュ】で【串刺し】を狙う
小細工に慢心して油断した時がお前の命取りだ
腹を【串刺し】にしてやったらそのまま【グラップル】で槍ごと組み付いて
いつも【敵を盾にする】時のように、
敵が仲間の大技から避けるのを全力で邪魔してやろう
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アストレア・ゼノ(災厄の子・f01276)は駆ける。
大地を踏みしめ、敵の懐へと肉薄する――敵の注意は仲間の猟兵が引いている。
「御澱流……チカラモチッ!」
至近距離へと踏み込んだアストレアにようやく気付いた餅巾着侍。
とっさに無理な体勢で反撃するべく、己が肉体を“つきたての餅めいた形質”へと変質し、腕を引き伸ばしながら長巻を振るう。
その技の本質は遠い相手への一撃、加速する為の距離が足りずその威力は半減。
本来ならば一刀両断するべく放たれたその必殺の一撃はアストレアの肩口を捉えるも、威力が足りず刀は止まり致命傷とは成り得なかった。
しかしながら肩口を裂かれるその傷に、凡夫であれば動きを乱すであろう。
対し、彼女の『鋼の心臓』は乱れない。
「せいっ、やぁああっ!」
アストレアは雄叫びを上げながら槍を突き刺し、敵の中心を貫いた。
「くっ、不覚!」
身体を寄せたアストレアに対し、とっさに切り捨てようとする餅巾着侍。
しかし、その斬撃は半透明の盾に防がれた。
「さぁ、貴方のお相手は私ですよ。」
次いで接近するは明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)。
「ちぃ……御澱流、田楽刺しっ!」
槍により動きを阻害された餅巾着侍は、腕だけで刺突を行なう。
腰の入っておらず先ほどの勢いの無いその一撃であっても、未だ苛烈。
珠稀がその手から放つ半透明の盾を打ち砕くと、その勢いのまま頬を浅く斬り裂く。
そしてその初撃を掠りでもしたのであれば、追撃からは決して逃げられない。
珠稀は煮え滾る味噌だれを正面から被る。
高温の味噌だれが服に染み込み、皮膚を焼いていく。
その粘性故にからみつき、痛みは一瞬では終わらない。
そしてしっかりと、味を染み込ませていく。
「あぁ、熱い味噌だれ…!こんにゃくになった気持ちです、ふふ!」
しかし珠稀は、その狂気を以って痛みに耐える。
その恍惚の表情はまるで、その痛みを楽しんでいるかのようだ。
「私だけを見てください、ふふ!」
至近距離から、珠稀の流し目ビームが炸裂する。
爆発の煙と痛みに目を細めた餅巾着侍が目にしたのは、己が小指と珠稀の小指に繋がれた、運命の赤い糸。
「えぇい、奇怪なっ!」
とっさに糸を切り捨てようとするも、まるで宙を切るかのように手応えが無い。
「運命の赤い糸を切ろうとするなんて、無粋ですよ。ふふっ!」
味噌だれまみれの珠稀に戦慄する餅巾着侍。
とっさに身じろぎをして改めて、その痛みから己が体を固定する槍の存在を思い出す。
「私の存在を忘れてしまってもらっては困るな。」
逃げ出そうとする餅巾着侍に対し、槍ごと組みつくアストレア。
技を極めるかのように器用に背後へと回ると、餅巾着侍の身体を珠稀へと向ける。
「や、やめるのだっ!」
逃げ出そうとする餅巾着侍へと、ゆっくりと珠稀の顔が近づいていく。
「あーっ!」
辺りに延々と爆音が木霊した。
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炭となった餅巾着侍を倒し暫くすると、漸くロックから放たれていた光が収まったようだ。
猟兵たちがロックの顔を覗き込むと、映り込んでいた鍵の映像も無くなっている。
猟兵達とロックが喜んでいると、突然声が響き渡る。
その声の主は見当たらず、まるで周囲の建造物が喋り出したかのようだ。
「システム・フラワーズより緊急救援要請。」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり。」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う。」
「しすてむ・ふらわーず?……ろけんろ。」
事件は一先ず解決したものの、猟兵達の胸には新たなる大事件の予感に対する不安が渦巻いていた。
大成功
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