●キマイラフューチャー世界、ある街角
光の差さない暗がりの路地裏。その一角で頭を抱えて隠れているテレビウムがいる。彼の名前はトーマス。このキマイラフューチャーの世界でどこにでもいるテレビウムの一人、だったはずだ。
「うう、どうしてこんなことに…」
そう彼はなんの変哲も取りえもない、普通の一般テレビウムだったはずだ。だが突如自分の画面に現れた鍵のディスプレイ表示がすべてを変えてしまった。
あちこちで、怪人達による鍵を表示するテレビウムの捕獲が始まり、トーマスもそれに巻き込まれてしまった。友人達は無事なのか、もう怪人達に拉致されてしまったのか。そう思うと恐怖で身体が震えてしまう。
「こっちに逃げたパカー!」
「さっさと探すニャー!」
そう言っている射ちに怪人達が路地裏へと入ってきた。このままではトーマスが見つかるのも時間の問題だ。そして待っているのは、怪人達の拉致。その後はどうなるかわからない。
「だ、誰か…助けて…助けて下さい」
●グリモアベース・ブリーディングルーム
「ちょっと緊急事態が起きたけー、キマイラフューチャー世界に行ってきて貰えんかのー」
気怠そうな声を出しながらも、少し緊迫しているのか表情が引き締まっているグリモア猟兵の一人、メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)。今、キマイラフューチャーで起こっている変事について、電脳ウィンドウを交えて説明を始める。
まずきっかけとなったのが、テレビウム達の画面に突如映し出された鍵の映像。これはすべてのテレビウム達に映っているわけではなく、また鍵のテレビウム達に共通点は見当たらない。
そしてその鍵が映ったテレビウム達を怪人が襲い始めているのだ。襲撃といっても危害を加えるということではなく、身柄を拉致や確保の意味あいが強いようだ。そしてそれはこの鍵の映像を映し出したテレビウム達に何か謎があるということに他ならない。
怪人達は何かを知っているようだが、メイスンの予知でもそこまではわからない。だがこの事変は何か大きな事件に発展するかもしれない、という予感も感じさせる、とメイスンは告げる。
「そこで皆には一人のテレビウムの少年を保護してほしいんじゃのー。トーマスというんじゃけど、今はある路地裏で隠れているけど、怪人に見つかるのは時間の問題なんじゃのー」
そのトーマスも鍵の画面を表示しているという。ならば助け出し、共に鍵の謎に迫るのもありかもしれない。
「とはいえ、怪人達も必死じゃけー、荒事は確実じゃ。頼むのー」
そうして転移を実行するメイスン。キマイラフューチャーの事件の影を探るべく、猟兵達は出陣する。
ライラ.hack
いつもの楽観キマイラとはわけが違う。
どうもこんばんわ、ライラ.hackです。
●概要
皆様には突如現れた鍵の映像を映すテレビウムの少年トーマスを怪人の魔の手から守って頂きます。
怪人達との戦闘メインとなりますが、トーマスを助け出すことに成功すれば、鍵の謎に迫れるかもしれません。
それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』
|
POW : ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ : ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
イラスト:ヤマトイヌル
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●薄暗い路地裏の一角
頭を抱えて暗い路地裏に隠れるテレビウムの少年・トーマス。だがその顔に表示された鍵の画面は光を放ち、怪人達を呼び寄せる一助となってしまう。
「見つけたパカー!」
「鍵のテレビウムパカー!捕まえてボスのところに連れていくパカー!」
そうして現れた怪人アルパカマッスルブラザーズ達は筋肉を誇示しながら、トーマスに近づく。
「うわあ!だ、誰か助けてー!」
その悲壮な声に応えないわけにはいかない。転移したてだが、まずは筋肉怪人を排除せねばならない!
リステル・クローズエデン
ふむ、状況は不明ですが。
とりあえず、アルパカは懲らしめるという事で。
毒使い+マヒ攻撃+投擲で手裏剣をアルパカに向けて投げ。
同時にUC用の仕込みの種も罠使いにて ばらまいておく。
さらに、パフォーマンス+挑発+存在感+楽器演奏でギターをかき鳴らし
此方に注意を向けさせる
「よう。むさ苦しい、ダサ獣(じゅう)ども」
さらに高速詠唱+全力魔法+範囲攻撃でUC発動
一気に成長させた蔓で相手の動きを制限する。
「お似合いですよ。」
まあ、結構すぐに破られると思うので。
追加でマヒ毒付き手裏剣を投げつけ。
UCを追加で発動。時間稼ぎします。
可能ならばテレビウムを鼓舞しつつ、かばいます。
「まあ、なんとかしますよ。」
ショコ・ライラ
《呼び声に応じて》ただいま参上ーっ
転移したら即ユーベルコード発動
(間延びした声と裏腹に)全速力で現場に到着して即【クイックドロウ】でアルパカを撃ち抜くよ
お待たせトーマスくん。よく頑張ったね
大丈夫、君はもう助かった
ここからは私達の出番…ヒーローの時間だよ
“不利な行動”とやらを取った瞬間にそれを【見切り】
コードの力も使い、【残像】を交えての縦横無尽の【フェイント】で撹乱回避
即座に【カウンター】で【クイックドロウ】
こんな奴の攻撃は効かない、ヒーローはこんな奴に負けない…
そう魅せるための後の先スタイル
守るべき者が私を信じてくれるなら、私の『ヒーローとしての矜持』は確固たるものになる
ならば、私は負けない
エメラ・アーヴェスピア
突然映りだした鍵、それもテレビウム限定、ね
Vキャラクターには何の影響もなさそうだし何かあるのでしょうけど…
考えている場合じゃないわね、仕事を始めましょう
…そうよね、キマイラフューチャーよね…!
いきなり妙な奴等の前に転送されるのは非常に反応に困るわ…!
砲撃を叩きつけたい所だけど救助優先よ、『出撃の時だ我が精兵達よ』!
全機、盾と魔導蒸気ライフルを装備
三班に分け、一班はオブリビオンの妨害、もう一班はトーマスさんの確保、護衛
最後の一班は私の護衛よ。全機、【盾受け】で【かばう】のよ
余裕があるなら他の同僚さんの為に【援護射撃】
私の最優先目的は護衛よ
こちらは引き受けたわ、存分に戦いなさい
※アドリブ・絡み歓迎
●猟兵、参上!
「さあ、俺達と共にくるパカー!」
量産怪人アルパカマッスルブラザーズの筋肉モリモリの腕がトーマスを抱えて連れ去ろうとする。トーマスも必死にもがくが、怪人の膂力には到底及ばない。
「い、嫌だー!誰か、誰かー!」
「そんなこと言ってもこんな路地裏じゃ誰も来ない……パカーー!」
トーマスの脇を抱えていたアルパカ怪人の眉間に穴が開く。どうやら拳銃の射撃のようだが、あまりの速さに何が飛んできたのかすらわからない。そんな電光石火の攻撃を炸裂させた人物が颯爽と怪人達の前に現れる。
「ただいま参上ーっ!」
そうして現れたのは女性。大きな体軀、涼やかな目元、デキる女オーラを漂わせたショコ・ライラ(そこにちょこんとショコライラ・f17060)だ。どこから現れたかというと、何と空から飛んできたのだ。まさしくヒーローとしか言えない登場の仕方と言える。そして彼女の周りはチョコレートの甘い香りに包まれている。
「あ、あなたはもしや……」
「お待たせトーマスくん。よく頑張ったね。大丈夫、君はもう助かった。ここからは私達の出番…ヒーローの時間だよ」
助けの光に感動するトーマスに対して、安心させるような笑みを浮かべるライラ。だがアルパカ怪人側も黙っているわけではない。
「ブ、ブラザーーー!」
「よくもブラザーの鍛えようがない眉間に!卑劣な奴パカー!」
そんなアルパカ達と派手に名乗りを上げたライラの後ろで、二人の猟兵はとても冷静に状況を見つめていた。その二人とはリステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)とエメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)だ。
「突然映りだした鍵、それもテレビウム限定、ね。Vキャラクターには何の影響もなさそうだし何かあるのでしょうけど…」
「ふむ、状況は不明ですが。とりあえず、アルパカは懲らしめるという事で」
ゴシック人形のような服に身を包むエメラが思案を重ねている間に、青のドレスと日本刀を構えたリステルは状況の打破を提案する。二人とも冷静なのはサイボーグである所以もあるだろうが、戦闘となれば冷静沈着の方が有利に運べるということを彼女等は知っているからだ。
「確かに、あなたの言う通りね。考えている場合じゃないわね、仕事を始めましょう」
「幸い、彼女が引き付けてくれるので、ありがたいです」
そう言ってエメラとリステルは戦闘態勢に入る。そうしている間にアルパカ怪人とライラとの戦端が開かれつつあった。
「いつも心にチョコレート、そこにちょこんとショコライラ。──私のチョコが甘いうちは、君の好きにはさせないぜ?」
決め台詞のように言葉を紡ぎ、ライラ自身のヒーローの矜持を示す。そのチョコの甘い香りと共に、ライラの内から力が溢れてくる。これこそ彼女の能力「呼び声に応じて(ライラズロウ)」だ。あふれ出る力と自信はライラに何物にも負けないという気持ちを与えさせてくれる。
「何かチョコパカー!そんな甘い考えは、この筋肉が撃ち砕いてやるパカー!」
そうしてあからさまにライラの目の前でポージングをはじめて筋肉を誇示するアルパカ怪人。敵に一見隙を見せる行動こそ、アルパカ怪人の真骨頂。それによって戦闘能力が向上するのだ。だがそれすらもライラにとっては想定内のことだ。アルパカ怪人のポージングの後に筋肉が隆起したのをしかと見届けた。つまり攻撃やスピードは上がっているだろうと予測をつけたのだ。
「くらえパカー!」
「そんな攻撃でヒーローに当たるとでも?遅い、遅い!」
アルパカ怪人のパンチングやラリアットをヒーローで覚醒した能力を使い、時には残像ができるほどの動きで、時には天高く飛翔して、時には巧みにフェイントを織り交ぜて回避するライラ。その動きに、端で見ているトーマスは魅了される。
「す、すごい……!」
そんなトーマスの言葉の後に、ライラはカウンターと言わんばかりにアルパカ怪人の眉間を目にも止まらぬ速さで撃ち抜いていく。彼女の銃はビームキャノンであり、その熱線は的確にアルパカ怪人の脳天を貫く。守るべき者、トーマスがライラを信じてくれるなら、彼女の『ヒーローとしての矜持』は確固たるものになる。
「ならば、私は負けない」
その確信の言葉と共に、ライラの戦闘能力はさらなる向上を見せていた。だがアルパカ怪人もさらにポージングで戦闘力を上げて対抗をしようとしていた。だがそんな彼等に浴びせられたのは無数の手裏剣と銃弾であった。
「…そうよね、キマイラフューチャーよね…!いきなり妙な奴等の前に転送されるのは非常に反応に困るわ…!」
マッスルポージングをしているアルパカ怪人に戸惑いながらも、銃弾を叩き込んだのはエメラの「出撃の時だ我が精兵達よ(メイクアサリー)」の魔導蒸気兵達だった。総勢35機の精鋭達は、皆盾と魔導蒸気ライフルを装備している。彼女はそれを三班に分けた。一つがさきほどのアルパカ怪人への攻撃役、もう一班が自身の護衛、そしてトーマスを護衛する班である。現状、トーマスの安全はエメラの魔導蒸気兵によって守られており、ライラも心置きなく戦えている状況だ。
「とはいえ、私の最優先目的は護衛。しかと守りなさい」
「小生意気な小娘パカー。お前から……って力が入らないパカー!」
援護射撃と護衛をこなすエメラを先に叩こうとしたアルパカ怪人だったが、何故か身体が痺れて動かない。それはエメラの銃弾の効果ではなく、もう一つ身体に刺さった手裏剣にあった。それはエステルの手裏剣――彼女の毒の知識を利用したオブビリオンすら有効な麻痺毒を塗り込んだ効果であった。
その手裏剣によって麻痺されたアルパカ怪人達は、ライラの正確無比なビームキャノンと、エメラの魔導蒸気兵の射撃の餌食になっていく。そして手裏剣を投げていたリステルはオレンジ色のギターに持ち替えて演奏を開始。圧倒的なパフォーマンスで繰り出される演奏は戦闘用音楽となり、アルパカ怪人達を音波で切り裂く。
「よう。むさ苦しい、ダサ獣(じゅう)ども」
「な、舐めやがってパカー!」
あからさまな挑発ではあったが、頭に血が上っているアルパカ怪人達ではそれを判断するのは不可能であった。滾る筋肉のまま突撃をする。だがその時、リステルが撒いた罠が開花する。
「五行木術。伸びて捕らえよ、緑の手」
リステルが詠唱すると、地面から無数の蔓が一気に成長し、アルパカ怪人達を捕らえる。これこそリステルの「我流忍術・絡み蔓(トラエテ・シバッテ・イタブッテ)」。予め、アルパカ怪人の進路に種を撒いておいて、挑発をするような真似をしたのだ。見事に引っかかったアルパカ怪人達は蔦に絡まり醜態を晒している。
「な、なんだこの植物はパカー!」
「お似合いですよ」
その蔦はかなり頑丈のようでアルパカ怪人の筋肉を駆使した膂力でもそう簡単に切れそうもない。だがこの不利な状況、アルパカ怪人の能力が向上するには十分な条件である。ならば脱出の手段もあるというもの。
「あらあら、これは」
「いい的だね」
だが絶好の的がそこにいるのだ。それを逃すほどライラもエメラもお人よしではない。蔦に絡まれたアルパカ怪人達は容赦なく二人の射撃の餌食となる。
こうして3人の猟兵達の硬柔織り交ぜた攻撃によって、アルパカ怪人達を撃退し全滅させることができたのだった。トーマスはその様子を見ていることしかできなかったが、とても頼もしく映ったであろう。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『ジョン・ドゥ・キャット』
|
POW : キャスパリーグの災禍
【凶事を呼び込む巨大な怪猫】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : ボイオティアの眼
【額に、全てを見透かす大山猫の目を開眼して】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : ウルタールの猫葬列
【殺されて死んだ、無残な姿の猫たち】の霊を召喚する。これは【爪】や【牙】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:ハレのちハレタ
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●一難去って
「あ、ありがとうございます!猟兵の皆さんですよね?」
そうだ、と猟兵達が頷くとテレビウムの少年トーマスは手を握って喜んでいる。さきほどの恐怖の表情とはまったくの別物だ。
「やっぱり!僕、皆さんの大ファンなんです!サインいいですか?」
そうやって無邪気にはしゃぐトーマスを見て、多少の安心感が出たと感じた猟兵達。さきほどはおびえた感じだったが、これが素の彼なのだろう。だがどうしてこんな暗い路地裏に逃げ込んできたのだろう、という疑問がよぎる。隠れるにしても路地裏にしては遮蔽物はほとんどなかった。これではあまり隠れるにしては意味がない。
「あ、それは僕もそれは不思議だと思ったんです。でもここに来なきゃいけない、って気になって」
そういうトーマスの顔の画面を見ると、表示されていた鍵が点滅していた。そしてその鍵の方向は路地裏の奥へと示している。
「えっ、鍵の方向に?……はい、何故か僕もそこに行かなくちゃいけない気がするので」
猟兵達が鍵の謎について解き明かしたいと提案すると、トーマスはそれを了承してくれた。それに怪人達が来ても守ってくれる、とさきほどの戦いで信頼された証であろう。
そうして路地裏の先へと進む。だがそこに進路を邪魔する者達が現れる。
「あそこにいたニャー!」
「むさ苦しいアルパカ共はしくったようだニャ―!アタシ達でやるニャー!」
そこに現れたのは猫の怪人であるジョン・ドゥ・キャットの大群であった。これを突破しなければ路地裏の先へは進めない。猟兵達は武器を構え、戦闘が始まる。
中村・裕美
「……鍵。……よく分からないけど……守っておけば……いいのね」
とりあえず、倒すより妨害の意味合いを込めて爆撃。
ステルスボムで空間に【ハッキング】を仕掛け、見えない爆弾で攻撃
「……見えない爆弾も……見透かせるかしら?」
見透かせることは織り込み済みなので、【高速詠唱】【早業】【範囲攻撃】によって高速で複数地点に爆弾を設置。相手の攻撃予測の処理速度を超えるように爆撃を仕掛ける
「……起爆……起爆……起爆」
相手が回避に躍起になったら、それはそれでトーマスくんを目的地へいかせるのに気をそらせると思うし。
「……いずれにせよ……プランには……問題ないわ」
エメラ・アーヴェスピア
ふふっ…こんな時でも応援してくれるなんて、さすがキマイラフューチャーね
その期待には、答えてあげたいわね
それにしても…何処かに誘われているのね
一体何が起こるやら…
さて、私は護衛を継続よ
ただ確保する必要があった先程よりは数は要らないわね
Lv10を三体とLv1を五体に変更、Lv10の機体にトーマスさんの護衛を任せるわ
【盾受け】で【かばう】事と同僚さん達への【援護射撃】を忘れずに
Lv1は攻撃、援護要員に
同僚さん達が攻撃を当てる隙を作りなさい、撃破できれば問題ないけど
私の護衛は猟犬と盾があれば十分よ。ガトリングで攻撃もさせようかしら
ああ、それとドローンを熱源探知で配置、不意打ち防止よ
※アドリブ・絡み歓迎
ショコ・ライラ
路地裏に誘き寄せられてた…?
罠と言うよりは、もっと…何かの意思に導かれたみたいな言い方だね
(考えこむ姿はぼけーっとしてるようにしか見えない)
っと。また変なのが来た
ちょっと可愛いけど、…敵は敵。やってしまおう
速く動けばそれに反応するのかい
ならば──
《FoP》、コードを使う微かな動きの起こりを嗅ぎ分け
【勇気】をもってぎりぎりまで引き付け(これもぼーっとしてるように見えるかもだけど)
寸前で【見切り】、最小限の【残像】を伴った【フェイント】の動きで回避、即【クイックドロウ】で【カウンター】
理性のない状態で反応できるかい?
額に開眼?ふふ、いい的じゃん
分かってても反応できない速度で撃ち抜いてやる
神舵・イカリ
たまたま通りを歩いてたら、路地裏での戦闘を見かけて参戦した(的なノリ)
「大勢で少数を、か。わかりやすくヒーローが戦うべき場面だな! ーー 変身!!」
ベルトに【CHANGE】のカードをセット、白いアーマーを纏う姿になる
「名もなき猫の群れなら、その無念晴らしてやるよ! 」
【SPIRIT】のカードをセットして、力を解放
「両の腕に輝き乗せて、黄金の風をこの手に掴め! ぶちかませ、アンカード・ティアーズ!!」
黄金の輝きを纏い、高速で移動しながら、猫の群れに無数のラッシュを叩き込む
彼らの魂を鎮魂する、猫の意思を受け継いで
※アドリブや他キャラとの絡み歓迎です!
●襲撃前の雑談
「ふふっ…こんな時でも応援してくれるなんて、さすがキマイラフューチャーね。その期待には、答えてあげたいわね」
エメラ・アーヴェスピアは憧れの猟兵達を前に無邪気にはしゃぐトーマスを微笑ましく思っていた。そして何としても怪人の手から守ってあげたいとも願う。こんな少年が危険に晒されるなど、彼女には許せないことだったのだろう。
「それにしても…何処かに誘われているのね。一体何が起こるやら…」
「路地裏に誘き寄せられてた…?罠と言うよりは、もっと…何かの意思に導かれたみたいな言い方だね」
路地裏を先行するトーマスを見ながら発現したエメラの疑問に対して、ショコ・ライラは考え込んだ姿で呟く。さきほどのヒーローのような凛々しさはなく、どちらかと言えばぼけーっとしてるようにしか見えないのだが、思考は冴えてはいた。
「……鍵。……よく分からないけど……守っておけば……いいのね」
そう皆の後ろからついてきて呟いたのは、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)。牛乳瓶のように厚いメガネをかけて、長い黒髪が特徴的な多重人格者だ。少しネガティブ思考でダウナー系少女ではあるが、電脳戦に関しては無類の強さを誇る。少し強気な発言もオブビリオン相手ならでは、といった感じなのだ。
そんな会話をしながらトーマスに追いてきていると、敵の怪人の襲撃にあったわけだ。
●キャット包囲網を突破せよ
ターゲットであるトーマスに向けて殺到するジョン・ドゥ・キャット達。だがそれをさせるほど猟兵は甘くはない。
「私の護衛はまだ継続中よ」
トーマスの近くにいたエメラが手をかざすとすかさず「出撃の時だ我が精兵達よ(メイクアサリー)」を発動。魔導蒸気兵が現れるが、今度は数を調整してある。10体が合体した精鋭魔導蒸気兵3機がトーマスの前で護衛をし、残りの5機がエメラの近くに侍る。
そしてトーマスに近づくジョン・ドゥ・キャットを容赦ない射撃で撃退する。途中でボイオティアの眼で回避し始める個体も現れたが、近づいても盾で攻撃を受け、カウンターに蒸気銃を叩き込まれるのだ。まさしく護衛としては完璧な仕事をこなしていた。
「なら、背後とかに回り込んで……ギニャー!」
正面からダメなら死角へと回り込もうとしたジョン・ドゥ・キャットは突如爆発に巻き込まれる。そこには確かに何もなかったはずだった。だが何かがあったのだ。
「……見えない爆弾も……見透かせるかしら?」
それは裕美の能力「ステルスボム」で空間の座標指定を行った場所に見えない爆弾を設置していたのだ。つまり爆弾は在って、視えなかっただけだったのだ。ジョン・ドゥ・キャットもボイオティアの眼を駆使してステルスボムを発見しようとするも、すでに複数箇所仕掛けられており、機敏に動くには厄介であった。
「……起爆……起爆……起爆」
「ニャー!この女、やばいニャー!」
そんなステルスボムを次々と設置していては、ジョン・ドゥ・キャットが近寄っては爆破していく裕美。そんな危険な爆弾魔に対して、ジョン・ドゥ・キャットも回避に手一杯になっていく。
「攻撃を当てる隙を作りなさい、撃破できれば問題ないけど」
そんな裕美を援護するべく、エメラの魔導蒸気兵の援護射撃が火を吹く。絶妙に行動を邪魔をする射撃はジョン・ドゥ・キャットの回避を一歩遅らせ、裕美のステルスボムの餌食となっていく。
「くそニャー!ならまずはあの女二人から…ニャー!」
二人の奮戦があり、もはやトーマスに近づくことすらできないジョン・ドゥ・キャット達。ならばと今度は裕美とエメラを撃破しようと攻撃を試みる。だがエメラの方は魔導蒸気兵の上に魔導蒸気猟犬まで護衛に張り出しており、不意打ちに備えて魔導蒸気ドローンまで偵察に飛ばしている徹底っぷりだ。近づく輩は次々と倒されていく。
ならば爆弾を空間に設置し続けている裕美に近づこうとするジョン・ドゥ・キャット。
「……いずれにせよ……プランには……問題ないわ」
自分に狙いが定まれば、トーマスへの危険が回避できるし、その分目的地へ向かえる可能性が増える。そう思っての発言であるし、さらに仲間がそれを許すはずがないという信頼でもあった。
「ちょっと可愛いけど、…敵は敵。やってしまおう」
裕美への進路に立ち塞がり、銃を構えるのはライラだ。さきほどの勇猛果敢なヒーローではなく、どちらかというとぼーっとした感じでジョン・ドゥ・キャットを迎え撃つ。
「邪魔ニャー!切り裂くニャー!」
野生の猫のような機敏な動きで、翻弄しようとするジョン・ドゥ・キャット。だがそれを見てもライラは冷静であった。さきほどまでのエメラや裕美との戦いでだいたいの行動は見てきている。
「速く動けばそれに反応するのかい。ならば──」
「FoP(フレグランス・オブ・ピットフォール)」発動。ライラはコードを使う微かな動きの起こりを嗅ぎ分け、ぼーっとしているようでギリギリまで敵を引き付ける。そして寸前で攻撃を見切り、紙一重でその爪を回避する。その後、その眉間にすれ違い様のカウンターの射撃を撃ち込む。
まさしく神業である。敵もボイオティアの眼で見ながら回避しようにも、ギリギリまで動かないライラのカウンターには対応できるはずもない。
「額に開眼?ふふ、いい的じゃん」
そう微笑むライラはまさしくカウンターの鬼となった瞬間であった。能力によって敵の怖気も感じ取ったのか、心に余裕すら生まれている。
そしてそんな敵に動揺が走る中、ヒーローは遅れて参上する。路地裏のビルの上から戦う姿を見ていたのは、神舵・イカリ(転生したらVtuberになってた件・f03294)。人間に見えるが、バーチャルキャラクターである。とある異世界から渡航してきた際のトラブルから電子体になった身であるのだが、その際に変身ヒーローとしての資質も身に着けたようだ。そしてたまたま通りを歩いてたら、路地裏での戦闘を見かけ、見渡しのいいビル上まで登って参戦してきたわけだ。
「大勢で少数を、か。わかりやすくヒーローが戦うべき場面だな! ーー 変身!!」
そう言うとイカリはベルトに【CHANGE】と書かれたカードをセットする。するとベルトは発光し、その光がイカリの身体を包み込む。そして光は白いアーマーとなり、それを纏う姿になる。
「変な野郎が出て来やがったニャー!次から次へと…纏めて片づけてやるにゃー!」
そういうとジョン・ドゥ・キャットの身体が変化をし始め、凶事を呼び込む巨大な怪猫に変身を遂げる。その姿はまさしくキャスパリーグの災禍と呼ぶにふさわしく、理性の光は失われ、動く者を破壊し続ける獣と化す。だがイカリはそんな獣の前でも恐怖を感じることはない。なぜならば彼がヒーローであるからだ。
「理性のない獣なら、その強さごと凌駕してやる!」
そう言って【SPIRIT】のカードをセットして、力を解放を解放するイカリ。その身には黄金の粒子霊体が周囲に纏わりつく。
「両の腕に輝き乗せて、黄金の風をこの手に掴め! ぶちかませ、アンカード・ティアーズ!!」
イカリは黄金の輝きを纏い、目にも止まらない高速で移動しながら、獣と化したジョン・ドゥ・キャットに無数のラッシュを叩き込む。これこそ彼の必殺技「クアンティアーズ・ゴールデンウィンド」だ。
「早く動く奴に反応するんだろ?なら俺の動きについてきてみろ!」
「中々に頼もしいヒーローが参戦してきてくれたものだ」
高速移動と飛翔能力も得たイカリはカウンターに専念するライラとも連携し、遠距離攻撃組に近づく敵を次々となぎ倒していく。
そうして数十分もしない内にジョン・ドゥ・キャット達の群れは壊滅し、包囲網を脱したトーマスと一行は見事、目的地まで辿り着くことが出来たのだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『暗黒面『斬裂の支配者ロード・リッパー』』
|
POW : 魂を蝕む触手の群れ
【暗黒面 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【蠢く蒼の触手のかたまり】から、高命中力の【魂を蝕む触手の一撃】を飛ばす。
SPD : シンクロ・ザ・ネメシス
【暗黒面の感情で塗潰す事により支配した 】【一般人のイケメンな猫耳キマイラ男子の体に】【斬裂の支配者 ロード・リッパーの身体能力】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ : 次はどんな子にしようかなぁ?猫耳は外せないよね。
対象のユーベルコードに対し【支配していたイケメンな猫耳キマイラ 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:夜月蓮華
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ティアー・ロード」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●テレビウムの鍵の謎
ジョン・ドゥ・キャットの包囲網を突破し、目的地と思しき場所まで到達したトーマスと猟兵達。だがそこは路地裏の奥で、廃棄されたテレビ達の山があるだけの場所だった。
「こんな場所に一体……、でもなんだろう。ここに来ないとって…」
そう言ってトーマスはその廃棄テレビの一部に触る。するとどうだろう。点滅していた鍵の画面が光り輝き、トーマス自身も光を放ち始める。
「うわわっ!こ、これは一体……!」
その姿を見ていた猟兵達も驚きを隠せない。薄暗い路地裏でこのような発光現象は神々しさすら感じさせる。だがそれは敵方にもわかりやすい目印となっていた。
「チッ、ボスの言っていた通りの状況になっている!」
舌打ちしながら現れたのは、量産怪人アルパカマッスルブラザーズやジョン・ドゥ・キャットに指示を飛ばしていた怪人、斬裂の支配者ロード・リッパーだ。自身が支配しているイケメンな猫耳キマイラを引き連れて路地裏に駆けつける。
「だけど、あの現象が収まるまで15分はかかるらしい。それまでに何としても止めるんだ。いくぞ、僕の猫耳キマイラ達!」
そういって発光し続けるトーマスへと向かうロード・リッパー達。それを阻止すべく立ち塞がる猟兵達。まだ鍵の謎は解けたわけではないが、この発光が収まった時、何かがわかることだろう。今はただ、戦うのみだ!
ショコ・ライラ
こいつ、一般人を操って──?
──
お前
絶対に許さない──許せない、許せない!!!!!
ダメ、もう
私の逆鱗に触れた…キレた
《呼び声に応じて》発動
無辜の民を守るヒーローとして
民を利用する輩は心底──許せない!
全速力で飛行し猫耳キマイラを飛び越えて
直接リッパーに突っ込んで
操られた一般人が割り込んでこないように【吹き飛ばし】
私の『痛快』も使えるかな
もしどうしても猫耳ズに庇われるなら
リッパーひっ掴んで真上に全力飛翔
行動の起こりを【見切り】
何もさせないくらい苛烈に、冷静に【カウンター】の【零距離射撃】
怒りは暗黒面の感情?違うね
これは義憤…民を守り邪悪を憎む正義の光
穢れ無き意志の力と私は信じるよ
中村・裕美
「……ここが……正念場かしら?……それにしても猫耳少年……いい趣味してると言えば……いいのかしら?」
戦闘はリアリティハッキングで猫耳キマイラ達の肉体情報に【ハッキング】して支配の及んでいない健全な状態へ上書きし直して、ロード・リッパーによる支配という【封印を解く】。そんな感じでキマイラ達を開放して相手の手駒を減らしてゆく。相殺に猫耳少年を飛ばしてくるなら、その子から先に開放するればいいし
「……電脳魔術は……色々なことが……できるのよ」
疲労に関しては装備してるエナジードリンクを飲んで【気合】で乗り切る
本体への攻撃に対しては味方に任せるが、自分の手が空けばドラゴンランスで攻撃
リステル・クローズエデン
(なるほど、まだ裏があるという事ですか)
戦闘地点から離れた場所から、迷彩で目立たないように隠れ
視力と暗視で様子を確認。
一旦、護衛から離れ。周囲を確認していましたが。
15分以内にここに現れそうな怪人はいないようです。
彼らを阻止すれば、ひとまずは大丈夫そうですね。
ならば、嫌がらせという名の援護を行いますか。
相手の行動を見切り。
指揮官の行動を阻害するように
【炸裂穿牙】使用
暗殺+投擲+援護射撃+スナイパー、武器落としor目潰し、
呪詛+マヒ攻撃で攻撃。
チャンスがあれば二回攻撃で即座に追撃。
とにかく、敵の行動を邪魔するよう遠距離援護に徹します。
「させるわけないでしょう。そんなあからさまな手を。」
神舵・イカリ
「元凶の登場か。猫…猫、な。だったら、こっちも!」
カードをスキャンして、データモンスター《量子の猫/クアントロム・キャッツ》を召喚
続けて【COPY】のカードをスキャン
「クォンタムウェポン、インストール! ーー《キャッツ・ザ・リッパー》!!」
右腕に4本の猫爪を装着し、トーマスを守りながら猫耳キマイラや、ロード・リッパーに斬りかかる
「お前を倒して、ボスっていうのが誰か、教えてもらうぜ! くらえ…クアントロム・スラッシュ!!」
※アドリブや他キャラとの絡み、歓迎です!
エメラ・アーヴェスピア
さて、後は防衛するだけね。判り易くて助かるわ
と、言ってもまた嫌な敵ね…
仕方ないわ、私は守りに徹しましょうか
一般人が巻き込まれると、私の兵器は攻撃力が高すぎて厳しいのよ…
と言う訳でUC、戦術等は先程と全く同じ、トーマスさんの護衛に徹しさせてもらうわ
変更点は装備ね、使用する弾丸を電気スタン弾にしておくわ
これで一般人のキマイラ達を無力化するわよ
これは逆に私の様な兵器を使う人物じゃないと厳しい手段の筈
一般人の方は任せなさい、オブリビオンの方は任せたわよ、同僚さん達
※アドリブ・絡み歓迎
●キマイラに降臨するヒーロー、躍動す!
「さあ、行くよ。僕の猫耳キマイラ達!」
そう言って斬裂の支配者ロード・リッパーは、自身のコントロール下にあるイケメンな猫耳キマイラ達に発破をかける。目が正気ではないとはいえ、彼等はキマイラフューチャーに住む一般人である。怪人の犠牲者でもある彼等を傷つけるのは、猟兵の沽券に関わる。
「こいつ、一般人を操って──?」
それを見て真っ先に冷静さを失ったのはショコ・ライラだった。一般人を操るという行為は完全に彼女の逆鱗に触れたのだ。つまり、彼女の中で何かがキレた。仲間との連携も何も考えずロード・リッパ―に突っ込もうとする。
「だめですよ、ライラさん。冷静さを失っては」
そのライラを肩を掴んで止めたのは、さきほどまで護衛を離れていたリステル・クローズエデンだった。一旦皆から離れて周囲を警戒し、さらに迷彩機能で隠れ驚異的な視覚能力でトーマスに近づく敵を監視していたのだ。そして冷静に状況を見つめていたサイボーグ忍者は暴走しそうなライラを止めたのだ。
「皆さん、15分以内にここに現れそうな怪人はいないようです。つまり彼らを阻止すれば、ひとまずは大丈夫そうですね」
「そう、後は防衛するだけね。判り易くて助かるわ」
「……ここが……正念場かしら?……それにしても猫耳少年……いい趣味してると言えば……いいのかしら?」
リステルが齎した情報に、後方支援組のエメラ・アーヴェスピアと中村・裕美は納得したように頷く。今も発光しているトーマスに15分間、近づけなければいい。防衛戦という意味では、ある意味わかりやすい条件であろう。
「とは言っても、一般人が巻き込まれると、私の兵器は攻撃力が高すぎて厳しいのよ…」
「……私の電脳魔術なら……大丈夫よ」
今まで護衛で活躍してきたエメラの出撃の時だ我が精兵達よ(メイクアサリー)の魔導蒸気兵だが、さきほどの怪人達とは違い、今度の相手は洗脳されている一般キマイラ。殺さずに制圧するには攻撃力が高すぎる。エメラが頭を抱えていると、裕美は電脳ウィンドウを開いて対策の準備を開始している。
「本当にっ嫌な敵ね…。仕方ないわ、私は守りに徹しましょうか」
「ならば僕は、嫌がらせという名の援護を行いますか」
エメラは考えを纏めたようで、意を決して魔導蒸気兵に指示を飛ばす。そしてエステルは再び迷彩で景色と同化していく。そしてロード・リッパーと猫耳キマイラ達がトーマスに殺到する。
「来たわね。私はトーマスさんの護衛に徹しさせてもらうわ」
その進路を遮ったのはエメラだった。戦術はさきほどの怪人と同じ、近づく敵への一斉射撃。だが今回の変更点は装備だ。さきほどの実弾とは違い、使用する弾丸を電気スタン弾。つまり非殺傷弾だ。これにより猫耳キマイラ達を行動不能にしようという話だ。
「ガっ!」
強力なスタン弾を喰らうとキマイラ達は身体を痙攣させて、そのまま動かなくなる。身体能力が上がったわけでもないので、いともたやすく無力化していく。そしてそれをさらに助長したのが裕美の電脳魔術によるハッキングだった。「リアリティハッキング」と呼ばれる能力は猫耳キマイラ達の肉体情報にハッキングして支配の及んでいない健全な状態へ上書きし直し、ロード・リッパーによる支配を解く。まさしく荒業だった。
「……電脳魔術は……色々なことが……できるのよ」
ロード・リッパーが追加で飛ばしてきても片っ端からハッキングして健康な状態へと上書きしていく裕美。だがその能力にも代償があり、急速な疲労感が裕美を襲ってくる。だがそれを手持ちのエナジードリンクを飲み干し、自分に活を入れてリアリティハッキングを続ける。それを援護するようにエメラのスタン弾の射撃がキマイラ達に突き刺さり一般人を無力化していく。
「くそ、ならば僕の猫耳キマイラ達に僕の能力を…」
「あなたにはまだ裏がありそうですが、させるわけないでしょう。そんなあからさまな手を」
暗黒面を増幅させ、自身の身体能力を宿すシンクロ・ザ・ネメシスを発動しようとした瞬間、迷彩で隠れていたリステルが背後から出現する。そして呪刀・消銘の連撃を繰り出す。それは咄嗟にロード・リッパーのナイフで防がれてしまうが、行動を阻害することには成功した。すぐさまリステルは距離を取り、その行動の最中に苦無を投擲する。
「こんなモノでは僕には……ぐわっ!」
ロード・リッパーがナイフで苦無と叩き落とした瞬間、爆発が起きる。そう、それはただの苦無ではない。リステルの必殺技「炸裂穿牙(サクレツセンガ)」によりオーラを込めた苦無だったのだ。それはロード・リッパーの思っていた以上に重い一撃であり、防いだ瞬間ナイフが弾かれた。そして自身の身体に刺さった瞬間、爆発したのだ。
「し、しかも煙幕だって……!」
爆発して発生した煙によって、ロード・リッパーの視覚が奪われていく。その間にも裕美のハッキングとエメラの援護射撃によって一般キマイラ達はどんどん無力化していく。そしてエステルの苦無爆弾を避け続けるロード・リッパーはこの膠着に舌打ちをする。
「後はお任せしましたよ。イカリさん、ライラさん」
「おう、任せろ!奴が元凶か。猫…猫、な。だったら、こっちも!」
リステルがロード・リッパーの行動を縫い止めている間に、まずは一般キマイラ達の壁がなくなるのを待っていた神舵・イカリが動く。
「電脳の海に揺蕩う数多の可能性! 俺の呼びかけに応じ、今その片鱗をここに現せ! 量子召喚!!」
手持ちの猫のカードを引き、それを自身の装備でスキャンする。そしてその情報を下にデータモンスター《量子の猫/クアントロム・キャッツ》を召喚する。さらに【COPY】のカードをスキャンし、その猫達を量産していく。
「クォンタムウェポン、インストール! ーー《キャッツ・ザ・リッパー》!!」
さらに装備のカードをスキャンし、召喚複製した猫達の右腕に4本の猫爪を装着させる。その鋭い爪は敵を切り裂く一助になるだろう。それが全員分となれば頼もしいことこの上ない。武装も完璧に整えたイカリの精鋭キャット達は、一般キマイラを飛び越え、ロード・リッパーに殺到していく。
「お前を倒して、ボスっていうのが誰か、教えてもらうぜ! くらえ…クアントロム・スラッシュ!!」
猫の俊敏性を活かした、複数モンスターによる超高速連続攻撃はロード・リッパーの身体を容赦なく引き裂いていく。その止まることのない連撃にロード・リッパーは全く対応することができないでいた。
「く、くそ!思ったように身体が……」
実はリステルが突き刺した苦無にはもう一つ細工があったのだ。呪詛のオーラと共に麻痺毒も混ぜ込んでおり、それが時間経過と共に体内に回ってきているのだ。そんな状態で俊敏に動くイカリのデータモンスターの対応ができるはずもない。
「場は整ったようね。一般人の方は任せなさい。頼んだわよ、ライラさん」
今も裕美と共に一般キマイラの無力化を続けているエメラの一声によって、ついにライラが動く。「呼び声に応じて(ライラズロウ)」を発動させ、甘い香りを放ちながらも、矜持より勝っているのは怪人への怒りだ。
「お前は、絶対に許さない──許せない、許せない!」
何の罪もない一般キマイラが利用されている。無辜の民を守るヒーローとして、民を利用する輩をライラは心底許せずにいた。その気持ちに応えるように全速力でロード・リッパーの元まで飛行し、一般キマイラを距離を離すべく全力の拳で殴りつけ、ロード・リッパーを吹き飛ばす。リステルの妨害工作、イカリのデータモンスターの連続攻撃、これにより意識外の攻撃にあったライラの攻撃は綺麗に入る。
「ぐおおお、貴様ッ!」
「卑劣な怪人の攻撃が当たるとでも!」
ロード・リッパーも追撃して近づいてきたライラにナイフで攻撃するも、それを瞬時に見切り、カウンターとして熱線銃の零距離射撃を苛烈に叩き込む。その痛みにロード・リッパーの表情は苦悶に歪む。
「だ、だけど、その怒りは暗黒面だね。ならば!」
そう言うとロード・リッパーはライラに向けて手をかざし、暗黒面を発現させたライラの魂を掌握しようと試みる。だがその行動は空振りに終わる。ロード・リッパーの思惑とは裏腹に、何も起きなかったのだ。
「ば、馬鹿な!」
「怒りは暗黒面の感情?違うね。これは義憤…民を守り邪悪を憎む正義の光。穢れ無き意志の力と私は信じるよ」
その光に包まれた義憤の心と共にライラは熱線銃の引き金を引く。それはロード・リッパーの心臓と脳天に正確に突き刺さる。そしてトドメと言わんばかりにイカリのデータ・キャットの爪が首を掻っ切る。鮮血と共にその命を散らした怪人ロード・リッパーは、生命力の枯渇と共にボロボロと身体が崩れ去り、消滅していった。
●テレビウム・ロックの解除
ロード・リッパーの消滅を確認する頃には、怪人が口にしていた15分が経過する。トーマスの身体は強烈な発光を放っていたが、その光も収まる。そして顔の画面を見ると鍵の表示も消え去っている。驚きと安堵で力が抜けたトーマスの身体を、傍で護衛していたエメラが抱きかかえる。
「大丈夫かしら?」
「は、はい。大丈夫です。一体何だったのでしょう、あれは」
トーマスが疑問に思ったのも無理はない。強烈な光を放ち、何かが起こるかと思ったのだが、何かが起こった気配はない。どこかの世界に繋がる鍵かと思っていた猟兵もいたようで謎は深まるばかりだ。
だが次の瞬間、山になった廃棄テレビの画面に光が灯る。それは何も移さないノイズの砂嵐の画面だったが、壊れて電気も通っていないテレビがなぜ、と疑問に思っていると、そのテレビ群からこのようなアナウンスが聞こえてくる。
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」
そのアナウンスが2~3回ほど繰り返され、廃棄テレビ達は再び物言わぬものへと戻る。画面は何事もなく何も映し出していない。
全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』、侵入者、テレビウム・ロック、メンテナンス・ルート、そして救援要請。今、キマイラフューチャーで何者か、または勢力が動き出している。そしてそれを止めることができるのは猟兵達だけなのだ。そんな現状の不安を感じている彼女達をトーマスの声が響く。
「ありがとうございました!何か大変なことが起こっているようですけど、皆さんなら大丈夫ですよね!」
そう、こんなに無垢な期待を抱いている者達がいる。その期待に応えるためにも、戦い勝利せねばならない。猟兵達はこうして、キマイラフューチャーで巻き起こるだろう戦いの第一歩を終えたのである。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵