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りあるわーるど・れいどあたっく!

#キマイラフューチャー #テレビウム・ロック! #テレビウム #システム・フラワーズ

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「緊急の依頼です! 向かえる方がいらっしゃったらお願いします!」
 グリモアベースでありったけの大声を張り上げるプルミエール・ラヴィンス(はじまりは・f04513)。
 何だ何だと集まった猟兵達に彼女は勃発した異変について簡易説明を始めた。

 普段ならばハジけて愉快なキマイラフューチャー。
 だが突然、楽しい日々を謳歌するテレビウム達の中に、【鍵っぽい画像】をテレビ画面(すなわち顔)に映した者が現れた。
 しかも該当するテレビウムは漏れなく怪人御一同様に追っ駆け回されている、と。
 何それ新手の鬼ごっこですか、なんて生易しい話じゃない。相手怪人だし。
 それは一大事だと応じる猟兵達だが、プルミエールは更に酷い事実を付け足した。
「普通のテレビウムさんなら自分の住む街の地理とか裏道とか分かる方もいると思うんです。ですが、今回向かっていただく対象は、全く! その辺が当てになりません!」
 おい待て住民の癖に地理分からねえって……まさか、なあ。
「ご存知の方がいるかどうかは分かりませんが、カラビヤン・オダマキ(Little-Jane-Doe・f16643)さんという小さなテレビウムさんでして」
 ……どうして巻き込まれちゃったんだあのちっさいの!!

 ともあれ。
 ちっさい事が幸いしたか山積みの箱の陰に潜伏中のカラビヤン、その傍にプルミエールが転送してくれるという事なので即合流して周囲を探す怪人撃破が第一の任務。
 怪人フルボッコ中に情勢が変われば現実世界不案内な彼女を守りつつ追加対応に入って欲しい、という。

「本当に突然の事なので、何故、というのは全く分かりません。ですが、間違い無くあの世界に大きく関わる事だというのは分かります。どうか、宜しくお願いします!」


蔓這霜
 皆様おはようございます、蔓這霜と申します。
 ……よりによってとんでもない事態が発生したようです。
 猟兵の皆様、ご助力頂けます様宜しくお願いします。
 カラビヤンの外見等はMS頁からご確認下さい。戦闘の役には立ちません。

 ◇第1章:合流、即怪人フルボッコ。

 ◇第2章・第3章:章進行に伴い判明致します。

 なお各章開始時に状況補足等を行う為の序文が入ります。
 プレイングは序文掲載後に御投稿いただきますようお願い致します。
 当方もリアルタイムアタックでお応え出来るよう頑張ります。

 それでは皆様とのご縁を頂けます事を祈りつつ。宜しくお願い致します。
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第1章 集団戦 『アキクサさま』

POW   :    ぽかぽかの風
【召喚したヒーターの熱風】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    どっちが本物?
【もう一羽のアキクサさま】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    究極の平和主義
全身を【スーパーもふもふモード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。

イラスト:橡こりす

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 何故よりにもよってこんな日に外出してたんだ彼女、という向きもあるにはある。
 ただ、住んでいる部屋に、逃げ場の無い空間で怪人に襲撃されるよりはマシだった、と思うしかない。
 ……プルシアンブルーのコートは酷く目立つのだ、という現実を除けば。

 そして彼女を追っ駆け回す怪人達も、中々目立つ風貌でございまして。

 ――リアルタイム・レイドクエスト、開始!
宮落・ライア
OKOKつまり近づく怪人叩きのめしながら守ればいいのだな!
オケー!

へーい!援護救助護衛のデリバリー!到・着!
災難だねー。

で、追い掛け回してた怪人…は…え?
あれ?あれが怪人?
なにそのぱっと見微笑ましそうなのどかな追走劇。
見てみたかった。

まぁいっか。
ちょっとぽかんとしたけど気合い入れなおして吶喊!
ダッシュで近づいてヒーター召喚したらジャンプで射線から外れて
落下しながらグラウンドクラッシャー!



「へーい! 援護救助護衛のデリバリー! 到・着!」
 体育座りで様子を窺っていたカラビヤンの背後、しゅたっと降り立つ宮落・ライア(英雄こそが守り手!(志望)・f05053)。
 驚いて顔を上げたちっさい彼女の画面に映るは確かに鍵。無駄に凝った形状で回転。緊迫感何処。
 災難だねー、と隣に座るライアがそっと箱の隙間から周辺を窺うと……飛び回るアキクサさまの群れ。緊迫感何処ー。
「あれ? あれが怪人?」
「です、ちぃちぃちくちく寄って集ってきてもっふもふの壁作ってきたんです」
 なにそのぱっと見微笑ましそうなのどかな追走劇。見てみたかった。

 余りの緊迫感の無さにぽかんとするライアだったが、接近する怪人を叩きのめし守るという任務を思い出し立ち上がる。
 気合を入れ直し、視界内一番邪魔なアキクサさま目掛け一直線にダッシュ!
 くるりと振り向いたアキクサさま、慌てて流石に季節外れのヒーターを眼前にお呼び出しして進路を塞ぐ、も。
 だんっ、とヒーターを足場に跳び上がり武骨で巨大な大剣を振りかぶった。

 ――どごぉっ!

 落下しながらのグラウンドクラッシャーが炸裂、地面に生まれるクレーター。
 そして直撃即死待ったなしのアキクサさまは……ぽしゅっ、きらりん! と可愛らしく消滅した。緊迫感何処ー?
「オケー! それじゃ次はあっち!」
 響く轟音でちぃちくちーと寄って集ってくるアキクサさま達に向かってライアは駆け出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィロメーラ・アステール
「おのれー! もふもふしやがって!」
そんなのあたしには効かないぜ!
怪人は消毒だー! 無慈悲!

【星の遊び場】を発動するぞ!
世界よ、オブリビオンを倒す力を貸してくれー!
【祈り】と魔力を捧げ、火【属性攻撃】の竜巻を起こす!

もふもふするということは、気流の影響をモロに受けるということ!
そして動けない!
つまり竜巻に吸い込まれるのを回避する手段はない!

ほぼ無敵みたいだけど熱と酸欠が重なれば無事ではすまないぜ!
お、ついでに【破魔】の力も込めて聖なる炎にしよう!
なんやかんやでヤキトリになれー!

暴走しやすい技だから【気合い】で制御を強化しておくぞ!
もしものときは【オーラ防御】でのバリアも検討だ!



 ちぃちくちっちっちー、とまだまだ寄って集ってもっふもふなアキクサさま御一同。

 カラビヤン目指し飛んでくる桃色の群れの前に、きらりきらりと星屑が降る。
「おのれー! もふもふしやがって!」
 そんなのあたしには効かないぜ! とフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)が元気に登場!
「世界よ、オブリビオンを倒す力を貸してくれー!」
 己が魔力を、祈りを世界に捧げる彼女の周囲に炎を思わせるほの赤い風が吹き込んでくる。
 ゆらりと姿がぶれるは陽炎か、仕上げとばかりに破魔の力でそっとひと押し。
「あたしにまかせろー!」
 『星の遊び場(トリッキー・スター・ファンダム)』、彼女の一声を待っていたかのように渦巻き蹂躙する聖き炎。
 驚いたアキクサさま達は我先にスーパーもふもふモードでやり過ごそうとするが、暴れ回る熱風に足元掬われツイスターグリルにご招待。
 幾らほぼ無敵とはいえ、酸素奪われ炙られぶん回され……これは焼き鳥タワー不可避の様相。無慈悲!
 残念ながら大皿へ盛られる前にぽしゅぽしゅ、きらきらりん! とやっぱり可愛く消滅していくアキクサさま達。
 暴走を抑える為に込め続けていた気合いを緩やかに解いたフィロメーラの周囲には、最早一羽たりとも残ってはいなかった。怪人消毒完了!

大成功 🔵​🔵​🔵​

エダ・サルファー
可愛い見た目だろうが実際可愛かろうが、オブリビオンはオブリビオン。
正直何で鍵の画像が浮いてるテレビウムを狙ってるのかとか全然わからないんだけど、オブリビオンなら推定有罪で良いでしょ。
というわけで、覚悟してもらうよ!

さて、数もいるし飛び回ってもいるみたいなので、ここは聖職者式猫騙しを使わせてもらおう!
ほぼ無敵のもふもふモードで回避するのもいるだろうけど、まあ永遠に無敵状態なわけじゃなかろうし、効果が切れるまで猫騙しを続けてやるぜ!
さあ、早めに観念して消えたほうが身のためだぞー。
なかなか観念しないようなら、動けないうちに近寄って、殴ったり蹴ったりで骸の海に送り返してやるぜ!



 カラビヤンが箱の陰に隠れる前に比べ結構数が減ったアキクサさま達。
 それでもちっちちー、と邪魔する御一同様を阻む更なる援軍。
「正直何で鍵の画像が浮いてるテレビウムを狙ってるのかとか全然わからないんだけど」
 キマイラフューチャー全土を現在進行形で駆け巡る猟兵達の総意を代弁したエダ・サルファー(格闘聖職者・f05398)。
 だがオブリビオンなら推定有罪とさっくり断じて一掃開始。

「さあ、聞いて驚け!!」
 彼女はたった一度、祈りを込めてぱちんと手を打ち鳴らしただけ。
 だが、それだけでエダの足元から周囲を薙ぎ払う衝撃波が波紋のように広がっていく。
 にもかかわらず、アキクサさまのみを過不足なくピックアップして叩き飛ばす反面環境には完全無害。
 信仰の加護だけで狙い分け出来るって凄いな聖職者!
 必死に致命傷を逃れたアキクサさまが、どっすどっすとヒーター召喚して最高出力の熱風をお返しするけどエダが怯む筈もなく。
 再びぱちんと手を叩くとヒーター共々地に落とされていく桃色もっふ達。凄いな聖職者式猫騙し!
 
 ぽしゅぽしゅ、ぽしゅっ。きらっ、きらきらりん!
 さっきから無駄に可愛く消滅していく怪人達。
 だが漸く、最初の鬼ごっこはこれにて終了と相成りました。……はい、最初の。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『働き蜂戦闘員』

POW   :    御槍奉公
【槍】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    飛行モード
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    数で圧す
自身が戦闘で瀕死になると【さらなる増援】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:森乃ゴリラ

👑7
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「猟兵の皆さん、助けていただいてありがとうございました」
 ぺこりと頭を下げるカラビヤン。やっぱり画面の中では無駄に凝った鍵がくるくる中。
 さてこれからどうしたものかと猟兵達が考えている、と。

 ――ぴこん。

 画面の映像が変わった。
 多分……多分一帯の広域地図。中央に佇むさっきの鍵。そして結構離れてそうな地点に鍵穴マーク。
 首を傾げながらその場でゆっくり回ってみるちっさいテレビウム。
 ……ある方向で、鍵の先が、ぴたりと鍵穴を指した。

「「「くぉらー! そこのゲーマー置いてけぇー!!」」」

 ……緊急事態なのに邪魔すんじゃねえよ四方八方から降ってくる蜂っぽい怪人共!
 だが手掛かりはこれだけ、こいつ等撒きながら鍵の示す方向に行ってみるしかあるまい。第二回鬼ごっこ、只今開始!
宮落・ライア
なんじゃらほい。トレジャーラリーみたいだな。
んー…なんなんだろ。
こなして行って良いのかどうなのか。

ああん?
こっちは今考え中なのだよ!
その羽毟って黒く染めて蟻怪人にしてやろうか!
黒の染料は……血って乾くと黒いよね。

【ダッシュ・ジャンプ】で降ってき終わる前に先制で切りつける。

一々逃げるのと殲滅だったら…殲滅の方が面倒じゃないと思うんだボク。
さぁ…ばらされたいのから掛かって来い。

【見切り・野生の感・武器受け・カウンター・剣刃一閃】で
攻撃をそらした流れのまま一刀両断



 話は少しだけ前の時間に遡る。

「なんじゃらほい。トレジャーラリーみたいだな」
 宮落・ライア(英雄こそが守り手!(志望)・f05053)が画面の変化をしげしげ眺める。頭に浮かぶ疑問符。
 ……申し訳ない、多分一緒に首を傾げるちっさいのがそういう中身なせいです。
 鍵を画面に映した者だけ怪人が狙うというのは、この鍵が回収対象だからという事になるのだろう。追うが緊迫感皆無の桃色でも。
 だが何故、鍵が狙われる?
「これ、このままこなして行って良いのかどうなのか分からないよね?」
 画面の指示(?)に従う事が、もし怪人の目論見を助ける事だったら……?

「「「くぉらー! そこのゲーマー置いてけぇー!!」」」
「ああん? こっちは今考え中なのだよ!」
 空気読めやとばかりに、最悪のタイミングで降ってきやがった先頭の戦闘員を振り向きざまダッシュジャンプで掻っ捌くライア。
「その羽毟って黒く染めて蟻怪人にしてやろうか!」
 多分足元で瀕死の蜂だった筈の人、時間経過で黒くなりそうですね何故とは言わないけど!
「いちいち逃げるの面倒だから殲滅しようか。さぁ……ばらされたいのから掛かって来い」
 ちゃき。
 刀閃かせ攻防一体の斬撃を見舞う彼女の周囲、積み上がる怪人の成れの果て。ああ、飛んで死にいる夏の虫。

成功 🔵​🔵​🔴​


 てってって。
 第一陣を撒いて(?)地図に従い小走りで進む猟兵達。
 てってって。
 ……少しずつ、鍵と鍵穴の距離が狭まっていく。
エダ・サルファー
ふむふむ、地図の鍵穴マークにカラビヤンを連れて行くのが正解かどうかはわからないけど、とりあえず他に手がかりも無いし、何かしらの思惑に乗っとけばも良いんじゃないかなぁ。
怪人たちの手助けになるとしても、その場で潰せば良いわけだし。
うむ、案ずるより産むが易しって言葉もあるしな!
昔のドワーフは「罠ははまって踏み潰す」とも言ってるし!

とりあえず、今はカラビヤンを狙ってくる怪人たちを潰していこうじゃないの。
幸い、何もしなくても近寄ってきてくれてるし、手近な奴から掴んで聖職者式脳天逆落としの餌食にしてやるよ!
さあ来い、カラビヤンが欲しかったら私を倒してからにするんだな!


レパル・リオン
これなら楽勝かな?でも油断大敵!

多分こいつら、まだ沢山いるわよね…
それなら思い切って、こっちから探してやっつけるわ!
【分身】で増やしたあたしを周辺の怪人の捜索に向かわせるわ!
ビルとか高い所を移動して、怪人を見つけたら飛び降りて急襲するわ、【先制攻撃】の【グラップル】で首を折りにいくわよ!
バレても総勢90人越えのあたしが、囲んで叩いてやるわ!



「とりあえず他に手がかりも無いし、何かしらの思惑でも乗っとけば良いんじゃないかなぁ」
 てってけてってって。
 結局の所、鍵穴マークの地点にちっさいのを連れて行くのが正解かどうか分からない。
 しかし、情勢が変われば追加対応を……とプルミエールも言っていた。
 そんな訳で傍目緊迫感の無い場所移動兼護衛は続く。
「まあほら、怪人たちの手助けになるとしても、その場で潰せば良いわけだし」
 エダ・サルファー(格闘聖職者・f05398)がなかなか物騒な事を仰れば、
「そうだね、さっきの感じなら楽勝かな? でも油断大敵!」
 現地っ子のレパル・リオン(イェーガー・レパル参上!・f15574)が辺りを警戒しながら並走する。
「うむ、案ずるより産むが易しって言葉もあるしな! 昔のドワーフは『罠ははまって踏み潰す』とも言ってるし!」
 一寸怪人さん可哀想になってきましたね。これ容赦行方知れずになる奴だ。

 さて鍵と鍵穴の距離が移動開始比三分の一を切った頃。
 ……おかしいな、さっきからあの蜂共が最初程仕掛けてこないんだけど。
「カラビヤンを狙ってくる怪人を随時潰せばいいかと思ったが……ぴたっと止まったな」
「でもあいつ等沢山いるはずよね……それなら思い切って、こっちから探してやっつけるわ!」
 漸く策でも練り始めたかどうかは分からずも、出て来ないなら探して潰すまで。レパルが己の分身を何人も何人も生み出しては全方位に走らせる。
 その一人が進行方向斜め右のビル屋上から影に飛び降りる、と。

「「「ぎゃあぁぁぁぁ!? 降ってきたー!!」」」

 無数の叫び声と共に戦闘員一同わらわらわらと大出現。待って伏兵台無し。
「出てきたわね! あたし達が相手よ!」
 本当のレパルの一声に、分身レパル達が戻り押し寄せ怪人共の首を折らんと襲い掛かる。
「カラビヤンが欲しかったら私を倒してからにするんだな!」
 逃げてるのか迫ってるのか分からない蜂相手にエダも祈りで身体能力を引き出した跳躍式バックドロップを見舞っていく。聖職者の操る肉体言語って凄いんだなぁ。
 いや、何とかジャンプして逃げようとしたり槍を振り回したりしてるんですよ向こうも。だが相手が悪かった。
「総勢90人越えのあたしが、囲んで叩いてやるわ!」
「掴んだ! 決める! ほら次もう一人!」
 やっぱり容赦は行方知れずになりました。アキクサさまは可愛く消えたのに、こいつ等うず高く積み上がって消えやしないよ近所迷惑な……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


てってって。
鍵穴の地点までもう少し。
てってって。
……それにしても、一体何処なんだろう。
フィロメーラ・アステール
「このままだと辿り着いた先でも、延々と蜂軍団が攻めてくるかもしれないな!」
いっそ問題が片付くまで撒いておくのはどうだろう?

【創成したる唯の連星】を発動!
カラビヤンの偽者を作り出すぜ!
カラビヤンは世界に一人しかいないので完成度アップ!
本体は【迷彩】魔法の【物を隠す】効果で隠れ身!

次に敵が来たら【パフォーマンス】で鍛えた演技力を用いつつ、偽者を引き渡す!
あたし達もう走れないよぉ~……ごめんなカラビヤン(演技)

そこで遠隔操作によって偽者が【ダッシュ】!
「猟兵にはもう頼らない!」とばかりに一人で駆け出す!
小柄を活かした【スライディング】で敵をかわしつつ、遠くの方まで連れ去ってもらうぞ!



 撒いて逃げる、と書いて一切合切殲滅、とルビを振る逃避行。
 伏兵大失敗でいい加減学んだのか本気出して追走してくる蜂軍団。
 しかも数の勝負に賭けた様で……おい先程の何倍連れて来た何故先に出さない!?
「このままだと辿り着いた先でも、延々と蜂軍団が攻めてくるかもしれないな!」
 フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)の危惧も危惧で済まなくなってきた。
 いっそ本当に問題解決まで撒こう、と保護対象を手招き。
 手早く彼女に迷彩魔法を掛けて植栽の陰へ誘導、身長も相俟ってぱっと見分からない。
 そしてフィロメーラが取った手段はというと。
(「ふふ、『本物』はこっちだぞ!」)

 ――ちっさいのが、増えた。

 何と『創成したる唯の連星(ユニバーサルミメーシス)』で偽物カラビヤン誕生!
 しかも偽物とて精巧に生み出せる条件は『唯一無二のもの』。寧ろこんな子みたいなの複数居たら困りますので画面内の映像まで完璧だ!
「あたし達もう走れないよぉ~……ごめんなカラビヤン」
 疲労困憊、偽物に涙浮かべて詫びる星屑煌めく妖精さん。勿論全部、演技。
 とうとう追い付いた蜂怪人達が掻っ攫おうとした瞬間、偽物カラビヤンが第三の方向へ全力ダッシュ!
 縁石花壇垣根を利用しスライディング交え一人で逃げる様を見遣り一安心。遠隔操作が保つ距離まで逃げ続けておくれと願いつつ、植栽のちっさい本物と再び駆け出した。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『ギヴ』

POW   :    あそんであげる
小さな【メリーゴーランド】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【遊園地】で、いつでも外に出られる。
SPD   :    しあわせになあれ
いま戦っている対象に有効な【すてきなプレゼント】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    ……わすれちゃったの?
自身が戦闘で瀕死になると【楽しかった思い出】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:棘ナツ

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠コルチェ・ウーパニャンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 漸く漸く、鍵と鍵穴がぴったり重なる位置に辿り着く。
 きらきらした装飾の噴水がある他はよくある公園といった雰囲気。
 で、着いたはいいけどどうすれ……ば…… ……え??

 ――肝心のちっさいのが、本当に何の前触れも無く、突然光り出した。

 眩い光の中、何とか目を凝らせば画面にはあの鍵と目まぐるしく減り続ける数字、Now Connecting...の文字。
 多分、数字はタイマー動作。多分、設定時間は15分。
 ならば待つしかないかしらと猟兵達は思案するが、そうは問屋が卸してくれなかった。

 響き渡る自鳴琴の音。
 音なのに、まるで囁きが聞こえてくるようで。

 ……かえりましょう。
 ……ゆめのくにへ、かえりましょう。
 ……あなたのいるばしょは、ここではないでしょう?
 ……さあ、いっしょに、ここではない、おもいでのくにに、かえりましょう……?

 違う。

 例え非現実世界の住人と揶揄されるカラビヤンだけれど。
 絶対に渡しては、いけない。

 あんなに美しく自鳴琴の音で語るあれは、まごうことなく、怪人だから……!
宮落・ライア
15分かー結構長いなー。
……。
まぁそうだよね。
それだけあれば来るだろうね。
指一本触れられると思うなよ。

にしても変な怪人だな……。


素敵なプレゼント?
なら、お前の敗北。
ボクに必要なのは英雄の証明。ボクが欲しいのはヒーローの証明。
お前程度じゃ到底足りないだろうけれど。
【自己証明】発動
けれどそれに必要なのは、お前に死だよ。
【覚悟・剣刃一閃】


フィロメーラ・アステール
「悪いが、思い出の持ち合わせは無くてな!」
まあ強いて言うなら。
猟兵になってからの日々は色々と楽しんできた!

……って、そんな思い出を持ち出したら!
倒した敵が復活するかも!?
もしくは一緒に戦った仲間の猟兵達!?

むむむ、【おわりを印す天の客星】を使う!
【全力魔法】で終焉の星を呼び出し、【破魔】【属性攻撃】の閃光で召喚されるもの達をかき消すぞ!
ここではない場所へ還るのはお前たちの方だぜ!
【気合い】を込めて【吹き飛ばし】てやる!

他に敵の召喚したものがあれば、一緒に片付けて支援できるかな?
精神攻撃なら【鼓舞】する声をかけるだけでも効果ありそう!
【第六感】のテレパシーを使えば、遊園地まで届けられる……かも!


エダ・サルファー
ふむ、今までのとは違って、なかなか強そうなのが出てきたっぽい?
とはいえ、ここまで来てそう簡単に渡す訳にはいかないな。
さっきも別の怪人たちに言ったことだけど、改めて言っておこう。
……カラビヤンが欲しかったら、私を倒してからにするんだな!

正直攻撃手段もよくわからない相手だが、そんなことで怯むつもりはないよ!
自分の一番得意なやり方、つまり近接しての格闘戦を挑ませてもらう!
そして隙あらば聖拳突きを叩き込むって方向でいくよ!
必殺と名乗ってるのは伊達じゃないってのを見せてやるよ!


レパル・リオン
(分身は消えてる)
…遊園地怪人…!?うっ、何だか変な気分に…
「…本気でいくわ!変身っ!」
全力で抵抗して本気で殴ればいい、なんて単純な話じゃなさそうね…

とにかくあたしはあの怪人を【挑発】しながら攻撃するわ!
「遊ぶって言うなら、あたしと遊んでよ!」
「…格闘技でね!」

当てるまでが大変そうだけど、腕でも足でも1回へし折ってやれれば、そこから思いっきり攻め立ててやるわ…!

「…猟兵なめんなっ!」



 はじけてゆかいなこのせかいは。
 かつてひとのいとなみがほろびたせかい。
 きらきらと、くるくると、ふわふわと、かなでてまわるおもいでのかけら。

 ……一見滅びを齎す骸の海からの再来者に見えぬ麗しき怪人をも、駆り立てる事態とは、何なのだろうか。

「悪いが、思い出の持ち合わせは無くてな!」
 ふふん! と自慢げにフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)が響き続ける自鳴琴の誘いをはね除ける。
 強いて言えば猟兵として過ごす日々をこれでもかと楽しんできた彼女ではあるけれど。
「……まぁ、そうだよね」
 15分なんて時間があれば流石に追っ手の一人や二人現れても不思議は無い。
 しかし何とも、今までとは毛色の違う、何か。
「ふむ、今までのとは違って、なかなか強そうなのが出てきたっぽい?」
 宮落・ライア(英雄こそが守り手!(志望)・f05053)の嘆息に重なる、エダ・サルファー(格闘聖職者・f05398)の値踏み。
 目的地到着で己が分身を全て解いたレパル・リオン(イェーガー・レパル参上!・f15574)の心が騒めく。
 鋏飾られたチュチュ揺らし優雅に一礼する憧憬追憶の化身たる姿は、きれいなのに、おそろしい。
 それでも、それでも。
 此処に集う我等は猟兵。彼の者はオブリビオン。決して相容れぬ。阻むならば、排すまで。退けろ。無辜を護れ。

 ――あそびましょう? あそびましょう?
 自鳴琴の囁きに、踊る足取りに、最初に応えたのはレパル。宙に炎が輪を成し燃え上がる。
「……本気でいくわ! 変身っ!」
 炎の輪を飛び潜り抜けるは勇猛なる獅子。その加護を得た少女の衣服が煌めく黄金の戦装束に染め変わる。
「改めて言っておこう。……カラビヤンが欲しかったら、私を倒してからにするんだな!」
 此処でも選ぶは今日だけでも数多の怪人達を地に沈めて来た聖職者式格闘戦。地を蹴るエダに迷い無く。
 真っ向からの勝負を選んだレパルとエダを迎え入れる怪人。躱し、仕掛け、その姿は絢爛で、だが何故か儚さすら滲む舞踏遊戯。
 拳掠めて裂ける憧憬舞踏着、その度に弾ける光の欠片。
 獅子の炎は誕生の炎。燦々と煌々と、生命という名の薪をくべ続けながら燃え上がる。
 その祈りは力に変わる。彼女の身体を、意志を、強靭に柔軟に律する為に。

 ――さあ、あなたもしあわせになりましょう。プレゼントを、うけとって?
 あの自鳴琴の音色は、確かに、ボクに問いかけてくる。刀を交える隙間に、滑り込むように。
「……なら、お前の敗北だ」
 贈り物を押し付けてくるというのなら、何より一番、それを寄越せ。
 ボクが欲しいのはヒーローの証明。ボクに必要なのは英雄の証明。だけど、お前なんかがそれを与えてくれるとでも?
 ……青いリボンで束ねられていた筈のライアの銀髪が、その瞬間翼のように広がったのは、錯覚ではなかった。

 ――ねえ、あなたもおどりましょう? みているだけなんて、つまらないでしょう?
 くすくすと笑うように、自鳴琴の音はフィロメーラにも手を伸ばす。
「そっちこそ、あたしに出逢えるなんてラッキーなんだぞ? まあ独り占めにはさせられないけど!」
 纏う光で憧憬残滓につれなく反撃する彼女。だがこれが怪人の全てではないなという思いもあった。
 目の前の怪人は、まるで回転木馬の中心でくるくる舞う人形のよう。仲間の猟兵達の攻撃を幾度も幾度もその身に受けて、なお。
 ……何かまだ隠しているもの、失われているものがあるのではないか、と。

 ――みなさん、ゆめのくにのプレゼントを、あけてくださいな?
 自鳴琴の旋律が反響する。ふしあわせ達を絡め取るように。
 虚空から舞い落ちる紙吹雪。猟兵達に降り注ぎ貼り付き、過去の顎で生命の輝きを奪い取る。
 あるいは避け、あるいは払い落し、あるいは蝕まれながら……刀を振り上げた。
「負けられない……死ぬことも止まることも認められない……わたしは、託された! 選ばれたんだから!」
 期待は裏切らぬ、意志は違えぬ、祈りは心深くに。だから――お前の死を、寄越せ!!
 ……己の証明にはただ生きるだけなぞ許されぬと呪縛を幾重にも鎖して。ライアは斬る、追憶の音色を。
 傾いだチュチュに迫る拳。ありったけを、祈りと共に。そう簡単に、渡せやしない!!
「くらえ必殺!聖拳突きぃっ!」
 エダの拳の先で舞い上がる憧憬残滓。逃がすものかと黄金は掴む。さあ、遊んでよ!!
「……猟兵なめんなっ!」
 破砕音。あり得ぬ方向に曲がる節。レパルの姿が、憧れし英雄達のそれとぴたり、重なる。

 ――やめて。やめて。こわさないで……わすれて、しまったの?

 ああ、かぞえるのもあきらめたくなるほどのまぼろしがおそいかかる。たのしい、うれしい、なつかしい。……だから、かえりましょう?

「残念だな! ここではない場所へ還るのはお前たちの方だぜ!」
 思い出は思い出に。オブリビオンは骸の海に。終焉を告げよ、『おわりを印す天の客星(スペースファイナライザー)』!!
 幻影達も紙吹雪も全て巻き込み解き放つ閃光を、映画フィルムの如く広がり包み込む輝きの帯を、フィロメーラは呼び覚ます。
 消えていく。消えていく。骸の海より来たりし欠片が、ひとつづつ。

 ――わすれないで、わすれない、で、……わすれ、な……

 自鳴琴の囁きも、一番最後に、消えていった。



 猟兵達が振り向いた時には、カラビヤンから放たれていた光も消えていた。
 あの無駄に凝った鍵も、一緒に。
 そして、次の瞬間。

 “――システム・フラワーズより緊急救援要請――”

 “――全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり――”

 “――テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う――”

 周囲に林立する全ての建物から、一声に流れ出した一言一句違えぬ音声。

 このせかいそのものからの、たすけをもとめるこえのように。


「猟兵の皆さん! もし、もしもまだご助力願えるのならば……他のテレビウムさんたちを、お願いします……!!」

 出せる限りの全てを込めた声で、要救助者からグリモア猟兵へと戻ったテレビウムが深々と、深々と頭を下げたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月21日


挿絵イラスト