キマイラフューチャー、某所。喫茶店!
「鍵! 俺の画面に! 鍵がぁ―――――っ!?」
鍵マークを画面に浮かべたシーカー・ワンダーは、あたふた走り回った挙句にすっころんだ。驚いたキマイラのウェイトレスが飛び下がり、床に突っ伏した彼に恐る恐る近づいていく。
「あの……大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃ……ないです……」
倒れたままのシーカーに、ウェイトレスが手を伸ばしかけた、その時である! 通りに面した喫茶店の窓をぶち破って複数体の影が乱入! 席や客を吹き飛ばして店の中に乗り込んだ。ハッと顔を上げてそちらを向いたシーカーの目に移ったのは、五体のソフトクリーム型怪人!
「いたプリ! 鍵マークが顔に出た、テレビウムプリよ――――――っ! 捕まえるプリ―――――っ!」
「…………………。ッぎゃ――――――――っ!?」
絶叫し、店を飛び出すシーカー。彼を追いかけ、ソフトクリーム怪人達も同じく店を飛び出した。
そういうわけで、キマイラフューチャーで事件が起こった。
突如、テレビウム達の顔に鍵の映像が浮き上がり、怪人達に襲われている。今回の事件に巻き込まれたシーカー・ワンダーもまた渦中に巻き込まれ、量産型怪人達に追い回される羽目になった。
最初の追っ手は自称『ウコンソフトクリーム』怪人。見たまんまの姿で、どこからともなく大量に湧いて出来る厄介な存在だ。現在シーカーを追い回しているのは五体のみ。しかし数はこれから増えていくだろう。シーカーに戦闘能力は全く無い。追い付かれればほぼ確実に捕まってしまうので、代わりに追っ手を追い払ってほしいのだ。
なお、追跡の手はウコンソフトクリーム怪人だけではない。彼らを退けても別の怪人が押し寄せてくるので、注意してほしい。
鹿崎シーカー
(親愛なる猟兵の皆さんへ。皆さんの中にはアドリブ・連携を私の裁量に任せるという人がいるかもしれない。そういう人は、『一人称・二人称・三人称・名前の呼び方(例:苗字にさん付けする)』等を明記しておいてもらえると、私がとても助かります。ただし、これはお願いであって強制ではない。これの有る無しでプレイングを弾くとか判定に補正かけるとかそういうことは無いのでごあんしんください)
(ユーベルコードの高まりを感じる……!)
第1章 集団戦
『自称『ウコンソフトクリーム』怪人』
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POW : たべられません
【硬化させた頭部を回転させること】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : それじゃないプリ!!
【自分を排泄物扱いした相手に連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 芳醇な香り
【頭部】から【奇妙なニオイ】を放ち、【困惑】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:笹にゃ うらら
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
神羅・アマミ
語尾がプリとか、キマイラ中のティーカップが破壊し尽くされる前に殲滅せねば!
いや、何のことかわからなければええんじゃ。
コード『結髪』を発動!
「やーいウンコー!えんがちょえんがちょえっぴっぴー!」と遠巻きに挑発を繰り返し、注意をこちらに向けさせるよう試みる。
無論それは連続攻撃を誘い出すことも意味し、高速移動による回避からのブラスト照射に繋げ、奴らを跡形もなく消滅させてやるんじゃよー!
ヒャハー!汚物は消毒じゃー!
しかし、外見やキャラ的に近接戦闘を挑まねばならぬタイプで本当に良かったと思う。
新たな追撃が来るまでは喫茶店で時間でも潰して待つか。
え?騒ぎでそれどころじゃない?
常に動じないのが猟兵じゃよー!
シュデラ・テノーフォン
え、シーカー君が?
じゃ助けたらシーカー君撫でられ…いやそれは置いといて
助けないとね
いたいた、シーカー君こっちおいで
とりあえずCenerentolaに氷の精霊弾をセットして
シーカー君の後ろの地面に発砲
もうアレウコンでいいよね、の足元を凍らせて足止め
その間に避難してて
安全なトコ行った?なら掃除しようか
その前に良いかな一言だけ
俺の!嗅覚は!人間よりかはあるんだからな!
困惑より怒りしか湧かないよ、もう速攻骸の海に還そう
来ないで欲しいからCenerentolaを複製して一斉発射
氷漬けにしてAschenputtelで一体ずつ確実にブチ抜く
それでも来ちゃった奴は変なドリル含めて指輪の盾で受け流し後零距離射撃
シーラ・フリュー
大変な事になってます…?シーカーさんは…まだ大丈夫そうですね。
でしたら私もお手伝い致しましょう。見てしまったからには放ってはおけませんので…。
どうでも良いんですけど、ウコンって苦手で…いえ、別に汚い意味ではなく。
そう捉えられてしまったのなら失礼致しました。ウコンの話しかしてないはずなんですけれどね。
【SPD】
リボルバーを使用して【早業】と【2回攻撃】を駆使してひたすら撃ちます。囲まれないように位置取りには気を付けます…。
リロード中に近寄られたら攻撃を【見切り】つつ【カウンター】の【狼牙】で対応を。
クリーム部分よりコーンや足の部分を狙った方が良いかもしれません、そちらを重点的に狙ってみましょう。
ラルフ・アーレント
ハッキングでも無さそうだしテレビウムも受難だよなぁ……。
まあ兎に角、お触りは勿論捕獲なんて不可! とっとと帰るか黙ってぶっ飛ばされてろ!
防衛重視でバトルキャラクターズ使用。まだオレ未成年なんで二日酔いに効く類のはお呼びじゃねーです。
強化は4を目途に、相手の強さや集団戦法とかの【戦闘知識】を考慮して強化。
オレ自身はシーカーを【かばう】の重視。キャラに指示出しつつ、近付いてくる奴には鉄塊剣で脚を【なぎ払い】、【吹き飛ばし】て引き剥がす。機動力削げたら上々。
連続攻撃だけど、曖昧な表現の相手にやったら自分で認めた事になるよなぁ、って鎌掛けるか?
アドリブ・連携歓迎
一人称:オレ 二人称:アンタor呼び捨て
ショコラ・リング
ボク・貴方・名前+さん
なにやらキマイラフューチャー各地で事件が起こっているようでございますね
シーカーさんも襲われているそうで、一先ず救助に向かわなければなのです
ボクは逃げるシーカーさんと怪人達の間に割り込むように陣取り、怪人が範囲に入り次第【災厄招来】にて攻撃を仕掛けます
相手は近距離タイプ、ボクは遠距離タイプですからね、その場にいる皆様と協力しつつ、この位置取りをキープしつつ怪人を減らしていくのです
それにしても何故オブリビオン鍵を目指すのでしょうか?
宝箱みたいな感じなのでしょうか?(シーカーさんの顔に移った鍵をジーっと見ながら)
お顔が空いたり……するわけないですよね
バル・マスケレード
えっウンコじゃん。
なあウンコだよなアレ。
ソフトクリームとかほざいてるけどどう見てもウンコだろ。
ウンコじゃねェかどう見ても。
……おい心の声を絞るな! ウンコだろうが!
目を逸らすんじゃねェ!! アレはウンコだ!!!!
宿主の女(の心の声)と言い争って、一見すりゃ隙だらけ。
だがウンコどものウンコみてェな不意打ちなぞ〝視えて〟んのさ。
ウンコとか触りたくねェから回避したら距離を取って
銃で正確にウンコどもを撃ち抜く。
「ウンコはウンコらしく地面に転がってやがれッ!!」
な、所詮はウンコだったろ?
再び宿主に語りかけ……だから何で黙んだよ!
ウンコをウンコっつってるだけだろうが!!
(アドリブ歓迎)
(二人称:テメエ)
「ひーぎゃああああああああああああああああああっ!」
街中に悲鳴を響かせながら、シーカー・ワンダー(ワイアードワーカー・f00478)は必至に走る。その後ろからは五体のソフトクリーム型怪人の群れ! 先頭を走るソフトクリーム怪人は鬼気迫る表情で叫んだ!
「待つプリーッ! 大人しく捕まるプリィーッ!」
「嫌だ! 絶対ロクなことのならないのが目に見えてる!」
「チッ……」
舌打ちしたソフトクリーム怪人は左手に抱えたトイレットペーパーの穴からホイッスルを取り出した。
「なら、何が何でも止まってもらうプリーッ!」
PPEEEEEEEEEE! 笛の音が轟いた瞬間、彼の両サイドを小型トラックが駆け抜ける。ソフトクリーム移動販売車が二台、シーカーに向かって急接近! 肩越しに振り向いたシーカーの目に、助手席の窓から乗り出し輪状にした縄を振り回す怪人の姿が飛び込んだ。
「ぎょええええええええ!?」
「取り押さえるプリよーっ!」
『プリ―――――――っ!』
怪人が繰り出した投げ縄が真っ直ぐシーカーをめがける。縄の輪が彼の頭上に迫った、その時である!
「お、いたいた」
BLAM! 銃声が響き縄が半ばから切断された。前に向き直ったシーカーよりやや離れた地点、シュデラ・テノーフォン(天狼パラフォニア・f13408)はガラス細工を施した銃に蒼い弾丸を込めて構える!
「シーカー君、こっちおいで」
BLAMBLAMBLAM! 頭を下げて走るシーカーの頭上を弾丸が抜け、移動販売車二台の足元に命中して一瞬で凍らせストップをかけた。前につんのめる車体。助手席の怪人がフロントガラスに頭をぶつけて困惑!
「プリッ!? 何事プリか!」
「わからんプリ! いきなり止まったップリ!」
必死にアクセルを蹴りつける運転手怪人。だが移動販売車は動かず、凍てついた地面に捕まって動けぬ! その後方まで広がる氷の大地は、徒歩で追跡していたソフトクリーム怪人達の膝下までをも凍らせていた。氷を剥がそうとする怪人達のうち一体が、足を引っ張りながら呻く。
「ぐにゅううううううっ! プリぃぃぃぃ…………っ! ……プリッ?」
ふと空を仰いだ怪人の目が、水面めいて広がる巨大な波紋をしっかり捉えた。波紋は中央から円形の小宇宙に変貌! 唖然とする怪人達の前に立ちふさがったショコラ・リング(キマイラのアーチャー・f00670)は、小宇宙に弓を引いた。
「原初の闇より来たりし災厄よ! 我らに仇なす者を射よ! 災厄招来!」
SHOT! 放たれた矢が小宇宙に吸い込まれた次の瞬間、星のひとつひとつが輝きを増し始めた。ショコラは人差し指を真上に突き上げ、怪人達へ振り下ろす!
「エンシェント・カタストロフィ!」
小宇宙が流星群を吐き出した! 雨の如く降り注ぐ光がソフトクリーム怪人達をまとめて急襲、凍土を粉々に打ち砕いて噴煙を上げる。もうもうと立ち込める噴煙を貫き、三体の怪人がショコラに飛びかかっていく!
「邪魔するなっプリーッ!」
『プリ―――――――ッ!』
放物線を描いて迫る怪人トリオ。だがそのコーン部分を鉛弾に打ち抜かれてノックバック! アスファルトに落ちバウンドする彼らを遠目に、バル・マスケレード(エンドブリンガー・f10010)は銃を手の中で回転させた。
「ふん。テメエらウンコどものウンコみてェな不意打ちなぞ視えてんのさ。そんでもって消毒チャンスだ! やっちまえッ!」
バルが合図を出すと共に、虚空に身を躍らせた神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)が真紅の和傘を開いてソフトクリーム怪人三体に向ける。傘布から石突部分へ、眩い光子の光が集中!
「眩き光子に誘われ、自らその身を焦がしに来たか! 妾が水先案内人となりて、直々に躯の海へと渡してやろうぞ! 死ねぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」
KADOOOOOOOOM! ぶっ放された極太の光線がソフトクリームトリオを呑み込み大爆発を引き起こした。やや離れた地点、尻餅をついて固まるシーカーの前に、ラルフ・アーレント(人狼のブレイズキャリバー・f03247)とシーラ・フリュー(天然ポーカーフェイス・f00863)が着地。そろって彼の方を振り返った。
「ようシーカー。ハッキングでも無さそうだしテレビウムも受難だよなぁ……」
「団長!」
「まだ大丈夫そうですね。でしたら私もお手伝い致しましょう。見てしまったからには放ってはおけませんので……」
「シーラさん! もしかして、助けに……!?」
その時、爆煙の中からクラクション。煙を突っ切って現れた二台の移動販売車と二体のソフトクリーム怪人のうち、ホイッスルを手にした怪人が猟兵達を指差す。
「やいやいやい! 一体どこの手のものプリ! そのテレビウムを横取りしようって言うなら容赦しないップリよ!」
がなり立てる怪人に、ラルフは無骨な大剣の切っ先を向けた。
「ハ! 派手に追い回しておいて一体どの口が言いやがる! まだ鬼ごっこ続ける気なら、こっちもアンタらに容赦はできねえ!」
「にゃにおう……!」
拳をわななかせる怪人。一方、シュデラはシーカーの顔を覗き込む。
「大変だねえ、シーカー君。怪我はしてない?」
「シュデラさん……ショコラ君まで……! 助かった! 本当にもう駄目なのかと……!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねるシーカー。シュデラと一緒に鍵の浮いた画面を見つめ、ショコラは小さく首を傾げた。そして、シーカーの頭をモフモフと撫でまわす。
「おわっ!?」
「うーん…………。それにしても、何故オブリビオン達は鍵を目指すのでしょうか? 宝箱みたいな感じなのでしょうか? お顔が開いたり……ん?」
はたとショコラの手が止まる。シーカーの顔に映った鍵が回転し始め、背景が荒い網目状の模様に変わった。鍵は回転を止め、網目の一角を矢印めいて指し示す。ショコラとシュデラはそろって目を丸くした。
「これは……地図、でしょうか」
「ん、なんの地図かな。キマイラフューチャー……なのは間違いないと思うけど。シーカー君、この場所に何か心当たりとかない?」
「心当たり?」
シーカーが聞き返し、さらに沈黙思考ソフトクリーム怪人が口を挟む!
「地図……!? 今、地図って言ったプリか!?」
怪人は焦った様子で片手を突き出した。
「は、早くそのテレビウムを渡すプリ!」
「誰が渡すか異臭野郎! お触りは勿論捕獲なんて不可! とっとと帰るか黙ってぶっ飛ばされてろ!」
「黙るのはそっちプリ! どうしても退かないって言うなら力尽くで……!」
その場の空気が一気に張り詰め、怪人達が身構える。そんな中、バルが右耳に手を当てた。
「……うん? なんだよ。…………えっウンコじゃん」
空気が凍る。猟兵達の目がバルに向くも、彼は耳に手を当てたまま独り言を言い出した。
「なあウンコだよなアレ。ソフトクリームとかほざいてるけどどう見てもウンコだろ。ウンコじゃねェかどう見ても。……おい心の声を絞るな! ウンコだろうが! 目を逸らすんじゃねェ! アレはウンコだ!」
「…………。あの、バルさん」
呼び止めるシーラ。が、ホイッスルを下げたソフトクリームはうつむき、握り込んだ両手を震わせる。
「ウ、ウンコ……ウンコって言われたプリ……」
怪人がホイッスルを加えて強く吹き鳴らす! 販売車二台が爆散し、中から飛び出した十体のソフトクリーム怪人が着地。合計十二体のソフトクリーム怪人がアメフト選手めいて身構えた!
「シーカー君、安全なところに避難して」
「あちらは私達で請け負います。どうかご無事で」
シーカーは数歩下がって逡巡したのち、頷いた。
「……ありがとうございます! 今度なんか御馳走しますね!」
ラルフが足元に大剣を振り下ろして地面を砕く! 赤熱した亀裂が爆炎を噴き、額に『4』と書かれた炎の巨人を六体生成。次の瞬間、怪人達が地を蹴った!
「ボクらはウンコじゃないプリ――――――――ッ!」
『プリ―――――――ッ!』
疾走してくる怪人の群れ。ラルフは大剣を横薙ぎに振った。
「AからCはシーカーを守れ! D、E、Fはあのウコン連中の足止めだ! 行けッ!」
『ARRRRRRRRRRRRGH!』
咆哮した炎の巨人のうち三体がシーカーの方へ、残る三体が怪人達を迎え撃つ! 対するソフトクリーム怪人からは六人突出。ペアを三組作って炎の巨人三体に拳のラッシュを繰り出した! 巨人と怪人ペアの連撃同士が衝突し合って火の粉を散らす。残る六人の怪人がそれらの真上を飛び越えて猟兵達へ突撃を敢行。シーラはマグナムを構え、呟いた。
「どうでも良いんですけど、ウコンって苦手で……いえ、別に汚い意味ではなく」
「いいや、わかるよ」
返答するシュデラの頭上に複数の大型拳銃が円を描くような形で出現。ちらと後方を一瞥し、シーカーを抱えた炎の巨人が路地に消えていくのを見送ったシュデラは、手中の銃に弾丸を込めた。
「さて、シーカー君は安全なところ行ったかな? なら掃除しようか。……その前に良いかな一言だけ」
バル、シーラ、シュデラが同時に銃を構え、ショコラが銀の弓を引く。
「俺の! 嗅覚は! 人間よりかはあるんだからな!」
BRRRRRRRRRRRRRR! 横殴りの雨じみた一斉掃射が怪人六体に襲いかかった! 防御態勢を取る怪人達のコーンや足に弾丸が次々命中し、氷や紫煙で包み込む。押し阻まれる怪人達へ、アマミは大声で挑発!
「やーいウンコー! えんがちょえんがちょえっぴっぴー! そんなところで止まってどうした! まるで厠に詰まったウンコのようじゃの! 否、まさしくウンコであったなー!」
「ぐぎぎぎぎぎ……!」
ソフトクリーム怪人は歯噛み。弾幕を防御しつつ、両足を折り曲げて跳躍! アマミへロケットめいて急接近!
「ウンコじゃ! ないプリィィィィィイイイイイイッ!」
六体が空中でコマじみて回転しながら回し蹴りラッシュ! だがアマミは真後ろにスライドしてこれを回避し、開いた和傘を突きつけた。石突にチャージされる閃光!
「ヒャハー! 汚物は消毒じゃあああああッ!」
CADOOOOOOM! ぶっ放された光線がソフトクリーム怪人達を呑み込み空中を水平に突っ切る! その真下、炎の巨人と対峙していた六体は拳の連打で巨人を押し退け、突撃を再開。うち三体が頭部をドリルめいて回転させ、別の三体が頭を回す怪人をつかんでジャイアントスイング! 回転速度を速めながら突っ込む彼らを再度張られた弾幕が襲う。が、ソフトクリーム六人は弾幕を跳ね返しながら突き進む!
『プ―――――――リィ―――――――――ッ!』
三体のドリルヘッドが投げ飛ばされた! 弾幕を弾き返しながら一直線に飛来する三体を、猟兵達は素早く飛び下がって回避する。空中で後方一回転を決めたバルは蒸気くゆらす銃口を、地面に突き刺さったドリルヘッドに向けた。
「ウンコが飛んで来てんじゃねえよ……ウンコはウンコらしく地面に転がってやがれッ!」
BFOMBFOMBFOM! 煙の塊じみた弾丸が飛来してきた三体へ飛ぶ。そこへ走り込んで来た投擲役三体が投げ飛ばした三体を引っこ抜き、バットめいて振るい煙弾丸を打ち払った! 着地したラルフは大剣を振りかぶって叫ぶ!
「吹っ飛ばす! シーラ、けん制頼んだ!」
「わかりました」
リボルバーを排莢・リロードしたシーラは仲間を振り回す三体の足元を狙い、銃撃! アスファルトが爆ぜ、慌てて足を引っ込める三体に低姿勢ダッシュしたラルフは、炎をまとわせた大剣を横薙ぎに振るう。撃ち出された爆炎の波が怪人達の下半身に命中、そのまま後ろへ吹き飛ばした!
『プ―――――――リ―――――――ッ!?』
「まだオレ未成年なんで、二日酔いに効く類のはお呼びじゃねーです。ショコラ!」
「はいっ!」
ショコラは足元に矢を突き刺した。一瞬にして生えた大木に持ち上げられた彼は、仲間を手放して転がる三体に狙いを着けた。蒼く光る弦を引き絞ると同時、その手に漆黒の矢が作られる。ショコラは小さく祝詞を唱えた。
「捧げるは我が祈り。矢に纏いたるは神の怒り。全てを薙ぎ払う破壊の果てに創造を!」
SHOT! 撃ち出された矢が空を斜めに突っ切る! 慌てて起き上がった五体は急いで散開。黒い矢は逃げ遅れた一体に命中し、CABOOOOOM! ブラックホールめいた大爆発を引き起こした! 一気に収束する黒い爆発。残された巨大なクレーターを背後に再突撃する怪人達に、シュデラとバルが銃口を突きつける。しかめ面で鼻をこすり、シュデラは呟く。
「全くもう……来ないで欲しい、って言ってるんだけどな」
「ウンコだしな。触りたくもねえっつーの!」
バルが言い放ち、二人は共に銃撃! 飛来する蒼い弾丸と白い煙の塊を、先行するソフトクリーム怪人二体が拳で打ち払ってなおも突っ込む! 前傾姿勢で頭部を超高速回転!
「プリプリプリプリプリプリ! 仲間の仇ップリ!」
「そしてボクらをウンコ呼ばわりした報いプリ―――――――ッ!」
ソフトクリーム怪人二体がロケット頭突きを繰り出した! 真っ直ぐ飛んでくる二体に眉根を寄せたシュデラは、彼らに左手をかざす。中指に嵌まった指輪が純白の閃光を放ち、ガラス細工じみた大型シールドを張ってロケット頭突きをガード。ソフトクリームはなおも回転数を上げていく!
「プリプリプリプリプリプリ! こんなものぉぉぉぉぉおおおおおッ!」
響き渡る掘削音。甲高くつんざく音色を撒き散らしていたソフトクリーム怪人二体が、突如として凍りつく。硝子のシールドごと氷像と化した怪人を渋い顔で見やり、シュデラは純白に灰銀色のアクセントを加えた拳銃を抜いた。
「……臭いが、臭いがここまで来てる。きつい……」
BLAM! BLAM! 二発の銃声と共に、怪人二体が凍ったガラスの壁もろとも破砕! 千々に崩壊する壁の後ろで鼻をつまんで膝を突くシュデラ。彼に飛びかかったソフトクリーム怪人が、残った二体の足をつかんで振りかぶる! 頭部をドリル回転させる二体!
「これで死ぬプリよ――――――っ!」
シュデラめがけて降り下ろされた二体の怪人が、虚空で雷雲に激突! 黒いコートの上から雷をまとったバルは、電雷散らす銃を片手にソフトクリーム怪人を睨む!
「さっきからプリップリップリップリ……語彙力までウンコかテメエら!」
BFOOOOOOM! バルの銃口が雷雲を噴射する! 後方回転跳躍回避したソフトクリーム怪人はすかさず両手の二体を振り回し、シーラが撃ち出す銃弾を弾いた。BLAMBLAMBLAM! 連続して撃ちだされる弾丸を、ソフトクリーム怪人は右手の仲間をプロペラめいて回転させて防御する!
「プリプリプリプリプリプリプリプリ! そんな攻撃はもう効かないプリ!」
シーラは表情を変えないまま銃口を跳ね上げて排莢。その刹那、ソフトクリーム怪人は飛び出した! バルが繰り出す雨雲を右手の怪人でしのぎながらシーラまで距離を詰め、左の怪人で槍じみて突く! 刺突がファーの付いた上着を貫きズタズタに引き裂く……が、血飛沫は無い。ジャケットを脱ぎ捨てて屈んだシーラは怪人の懐に踏み込み、下段からコーンの胸めがけてサイドキックを放つ! SMASH!
「プリャッ!?」
ソフトクリーム怪人が仰向けになって宙を舞う! リロードを終えたシーラはそのままコーンの背中を銃撃六連射で破壊した。あふれ出す大量の生ウコン。アスファルトの上をバウンドした怪人は両手の二体を投げ出し、背中をまさぐって悲鳴を上げた。
「プリィィィィィィィ! ボクのウコンがぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
直後、頭部のドリル回転を止めて起き上がる二体ごと、怪人の周囲を暗雲が取り囲む。銃から黒い雲を出したバルは、全身に紫電をまとわす!
「ったく、苦労させやがって……。だが洗浄完了だ! くたばれ!」
バルを包む電撃が一層強まる! 次の瞬間、黒雲が黄金色に輝き凄まじい稲妻を噴き出した!
『プ――――――リ――――――ッ!?』
雷鳴に混じってソフトクリーム怪人達の悲鳴。そして、CABOOOOOOM! 暗雲が内から爆発四散し、帯電した生ウコンの雨を降らせる。雨雲が晴れた先、怪人達が落下した地面には焦げ跡のみ。怪人の全滅を確認したシーラは、銃を収めてシュデラに手を差し伸べた。
「大丈夫ですか? お怪我は?」
「ああうん、大丈夫。鼻が曲がりそうってだけだから」
鼻の下を擦り、シュデラがシーラの手を借りて立ち上がる。他方、そびえ立つ巨木の下で和傘を閉じたアマミは、ぐっと背中を伸ばして呟く。
「さて、喫茶店で暇を潰すとするかの」
「ちょっ、アマミさん!?」
大樹から降りて来たショコラが慌ててアマミの前に滑り込む。
「そんな呑気にしてていいんですか!? シーカーさんの位置も次の襲撃がいつかもわからないのに! ここはみんなで追いかけて……」
「何を言うか。常に動じないのが猟兵じゃよー!」
そう言い残し、駆け足で近場のカフェに飛んでいくアマミ。彼女の背中を呆然と見送るショコラの肩を、ラルフが叩く。
「お疲れさん」
「ラルフさん……」
見上げてくるショコラの目を見返し、ラルフは狼耳の後ろを掻く。
「さっきのアレ、なんだったんだ? 地図がどうとか言ってたが」
「それが……シーカーさんの顔に地図が浮かび上がって……どこかを示してるみたいだったんですけど」
「なんだそりゃ。……じゃあ、その示してるって所に行けば、この騒動は収まるってことか?」
ショコラは自信無さげに首を縮めた。その時、横合いからバルの声。視線をそちらに滑らせると、彼は片耳に手を当てて喚き散らしていた。
「な、所詮はウンコだったろ? ……いやだから何で黙んだよ! ウンコをウンコっつってるだけだろうが! おい! 小声でボソボソ言うなハッキリ言え! あれは! ウンコ! だっただろうがッ!」
「……バルは一人でなに叫んでんだ?」
神妙に呟くラルフの後ろで、ショコラは微妙な表情のまま沈黙した。
大成功
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第2章 集団戦
『雀牌戦闘員』
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POW : 国士無双
予め【異なる顔の戦闘員が14人揃う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : 三元牌
【3人同時攻撃】による素早い一撃を放つ。また、【鳴く】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 立直
【相手の行動を読み、作戦通りの攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【狙いすました一発】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
イラスト:ケーダ
👑7
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
シュデラ・テノーフォン
良かったシーカー君無事で
ご馳走楽しみってアレまだ来るの?
麻雀?ルール知らないなァ
その顔、良い的だね
シーカー君追いかけながらヘッドショット決めてこうか
にしても何だろうねその鍵と地図
行けば何かわかるのかな
と言うかさっきから全速力だろうけど大丈夫?走り疲れたなら俺抱えて行こうか?
小脇に抱える形になっちゃうけど
あァうん、数が多いし面倒だな
悪いけど俺役とか知らないんだよ駒共
固まってくるのは雷の精霊弾で根こそぎ感電させて
撃ち漏らしが来たら仕方ないなァ、後ろご覧よ
白雪鏡に姿映して奴等を足止め
動けなきゃ攻撃読むもないよねって事でやっぱりヘッドショット
お前達にシーカー君のもふもふ触らせるなんて絶対に許可しないよ
ショコラ・リング
ボク・貴方・名前+さん
シーカーさんの位置の特定は、大量に湧いて出てくる怪人を探した方が目立ちそうですし、分かりやすいかもでしょうか?
それにしてもこの必死さと、先ほどの地図の時の様子と言い、怪人側は何か知っているのでしょうか?
シーカーさんを救出してそこに向かいたいところでございますが……まずは目の前の脅威を取り除かねばなりませんね
どうせなら、どうせなにも分からずに追っているのでしょう?とかカマを掛けてみましょうか
ボクは基本後衛としてシーカーさんを庇うように動きつつ、
第六感で相手の動きを先読みし、範囲攻撃と【其ノ弓ニ矢射ラズ】を組み合わせて、顔の絵柄を変えて……もとい、ヘッドショットしていきますね
神羅・アマミ
何やら四角い顔を持った敵がワラワラ湧いてきおったのー!
知っておるぞ、なんかジャラジャラ混ぜた後に積んだり引いたりする謎の遊戯じゃろ!
しかしどういうことじゃ?予備の牌まで混ざっておるようじゃが…それではゲームが成り立たないのではないか?
そこでコード『特機』を発動!
ソードビットを器用に操作し、白に対して「中」や「発」の文字を彫り込んでやる。
へへ、なかなか優しいじゃろ妾。
言うても奴ら、牌の組み合わせ次第で強くなったりするんじゃろ?
だったら予備の奴だけじゃなくて結局全員の顔を弄り回し、互いの判別をつきにくくしてやると結果として弱体化に繋がるのでは?
一萬とかお手軽に一本足して十萬にしてやるぜー!
バル・マスケレード
おっ、麻雀か。
ルールは知ってるぜ。ちょっくら遊んでやろうじゃねェか。
(堂々と宇宙バイクに乗りながら)
ただバイクの【操縦】テクで轢き倒すだけじゃあつまらねェ。
UCでバイクに炎を纏わせて衝撃に耐えられるよう「防御力重視」強化。
文字通りデッドヒートといこうじゃねェか!
オラオラどきやがれ!いやどくな!轢かれろ!!
さらに武器である伸縮自在の棘を用いた【ロープワーク】。
目についたヤツを棘で縛りあげ、市中引き回し轢き倒しだオラァ!
「こいつで〝上がり〟ってワケだな、ヒィーッハァーー!!」
……は、麻雀のルール?
だから知ってるって。
牌を全部「倒した」方の勝ちなんだろ?
(アドリブ、その他ヒャッハーな振る舞い大歓迎)
柚月・美影
幼馴染のせっちゃん(f01444)達と連携
真打は遅れてやってくるものよ!
宇宙バイクに【騎乗】しながら戦闘
【クライミング】で地形に関係なく走り回り【時間稼ぎ】で引き付ける
相手の国士無双は【罠使い】【念動力】で罠カードを実体化させ防ぎ
三元牌は【罠使い】で【カウンター】を合わせて行く
立直は【野生の勘】で回避優先
攻撃はお馴染み『バトルキャラクターズ』
相手は複数だし【念動力】【二回攻撃】で連続攻撃
「ギャラクシー・クロノスドラゴンにマジックカード『銀河開闢』を使用!開闢の時より来たれ、黄金に輝く時空の暴君!ネオ・ギャラクシー・クロノスドラゴン!!贄を喰らいて薙ぎ払え、タイラント・オールタイム!!」
ラルフ・アーレント
地図なぁ、そこにある何かを解錠する為の鍵、とか?
先ず、避難したシーカー探さないと。地図が示した場所に向かってると仮定して、地図見た仲間の話と現地の案内図とかで凡その位置絞って【ダッシュ】で追跡。
怪人は発見次第即ぶっ飛ばす方針で。だから!ウチの!癒し系団員に迷惑掛けんじゃねーっての!
今度は前衛で【2回攻撃】しつつ、【気絶攻撃】で仲間が痛打与える為の隙作りに専念するかな。
【見切り】で回避もするけど、後衛やシーカーの方に敵が行き過ぎないように【かばう】のも忘れずに。
あと仲間の行動阻害しない範囲で、ブレイズフレイムでシーカーへの道塞ぐように炎展開しとくか。ちょっとは怯ませられるかもだし。
シーラ・フリュー
シーカーさんがご無事で何よりです。
それにしても何でしょうね、この地図…。これを狙っているという事はとても重要な物なのでしょうか…。
さて…とりあえず目の前の事をどうにかしないと。一難去ってまた一難ってやつですね…。…先ほどのウコンよりかはだいぶマシですけど…。
と、引き続きリボルバーを使用して【早業】と【2回攻撃】を駆使しつつ攻撃です。
リロード中に近寄られたら攻撃を【見切り】つつ【カウンター】で【狼牙】を。
同じ牌をくっ付けないように…かといっていろいろな牌を集めすぎないように…ううん、結構難しいですね…!
…まぁ、難しい事はあまり考えずに、近くにいる敵を倒していけばなんとかなりそうですね、多分…!
天門・千里
一人称:私
連携:美影(f02086)
なるほどね?…なんで麻雀なんだろう…。
え?敵は敵なんだから、ぶっ飛ばせば関係ないって?
そのとおりかもね。
まずは異なる戦闘員が14人揃わないようにしよう。
出てきたら片っ端から宇宙バイクに【騎乗】して
【衝撃波】で【吹き飛ばし】
「はいちょっとどいて危ないよー(どーーん)」
【情報収集】と【戦闘知識】で相手の行動を予測し、
予測地点に「ヤドリギ投げちゃえ」を使用
こっちも【吹き飛ばし】どーん
素早い動きも【戦闘知識】を利用して【カウンター】
「ふ。動きが見え見え。まるで将棋だな…麻雀だわ」
また、作戦通りの攻撃に対しても【咄嗟の一撃】による【カウンター】や【オーラ防御】でガード
ソフトクリーム怪人集団壊滅後、しばらくして。
シーカーは入り組んだ路地裏を息せき切って駆け回っていた。威嚇する野良猫の横を通り過ぎ、ネズミが走り回るゴミ箱の前を横切って開けたストリートに飛び出す。反対車線に見える錆びたドラッグストアの看板を遠目に、地図の浮いた画面をなぞる。
「えーっと……今がドラッグストア前に来たから、次はダイナーがある十字路に行けば良くって……あっちか!」
右折してダッシュを再開する彼の後方、扇風機じみた音を立てながらやって来る黒い車の中で、ダークスーツを来た助手席の男が運転席の男に耳打ちした。
「オイ、アレ」
「アア」
運転手は頷き、ハンドルに据え付けられたスイッチを押す。一方シーカーは無人の歩道をひた走り、やがて広い十字路に差し掛かった。青になった信号機を見て足を速めた次の瞬間、十字路の四方からクラクションが鳴り響く! 信号を渡りかけたシーカーの目の前を大量の黒い車が突っ切った!
「うひゃっ!?」
シーカーが急停止すると同時、十字路の四方から続々と黒い車が突入し、すぐに十字路を埋め尽くす。一斉に開かれた車のドアから降りてきたのは、麻雀牌の頭部を持つダークスーツの男達! 手に手に白い点付き棒を模した武器を持った彼らを見上げ、シーカーは悲鳴を上げた。
「ぎゃあああああああ! 出たああああああああっ!」
トタタタタと後ずさる彼を前に、麻雀牌戦闘員の一人が首を鳴らしてにじり寄る。手には点棒型刀!
「オ前カ。顔ニ鍵出テルテレビウム言ウノハ。一緒ニ来テモラオウ。抵抗スルナラ、両腕斬リ落トシテデモ……」
「ひぃっ!」
切っ先を突きつけられ、シーカーはサッとハンズアップ。じりじり後退する彼の左右から、新たな麻雀牌戦闘員二人が首と拳を鳴らして迫る。直後、エンジン音が轟いた! 街の空に飛翔するバイクの影三台。三輪バイクに乗った天門・千里(銀河の天眼・f01444)とエアロバイクにまたがったバル・マスケレード(エンドブリンガー・f10010)がハンドルをひねる!
「はいちょっとどいて危ないよー」
「いやどくな! 轢かれろぉぉぉぉっ!」
銀河色の光とスミレ色の爆炎を灯したバイクがシーカーに迫っていた三体めがけて垂直降下! 慌てて身をひるがえして逃げる三人の背後に墜落したバイクは銀河色の衝撃波を放った! CABOOOOOOOM! 膨れ上がった二色の衝撃波が逃れんとする三体を、他の戦闘員と車まとめて押しのけ吹き飛ばす。空中、残ったモノバイクに騎乗した柚月・美影(ミラクルカードゲーマー・f02086)は二枚のカードを高く掲げた。
「真打は遅れてやってくるものよ! 渦巻く銀河よ! 悠久の時の彼方より、神竜の力を解き放て! レイヤード召喚!」
カードが眩い閃光を放ち、星空めいた色合いの巨竜の影が現れる。背に『Ⅰ』から『?』の文字を時計じみて刻んだ歯車を背負いた竜は、光を弾き飛ばして咆哮! 美影は地面に転がった麻雀牌戦闘員達を指差した。
「攻撃よ、ギャラクシー・クロノスドラゴン! ギャラクティック・オーバーブラスト!」
竜は開いたアギトに蒼光を溜め、彗星の如きブレスを吐き出す! 十字路の中央に突き刺さったブレスは大爆発を引き起こし、黒塗りの車群をビル群より高く打ち上げた。頭からアスファルトに突き立ち、爆発炎上していく車体を余所に着地した美影は、両腰に手を当てて胸を張る。
「よーし! ざっとこんなもんかしら……って、あれ?」
目を丸くし、周囲を見回した美影は、千里の方に向き直った。
「せっちゃん、あのモフモフした子は?」
「知らん」
千里はバルに視線をパス。
「知ってる?」
「知らねえ。さっきまでは居たよな。……うっかりぶっ飛ばしたか?」
彼らの後方約20メートル、シーカーは雪玉めいて転がっていた。
「のああああああああああああああああああっ!」
道端に置かれた空き缶をボーリングの如く吹き飛ばし、なおをも速度を上げて転がる彼を、誰かの両手がすくい上げるように止める。画面を回転させるシーカーを見下ろし、シュデラ・テノーフォン(天狼パラフォニア・f13408)は和やかに微笑んだ。
「良かった、シーカー君無事で」
「シュ、シュデラさん……何度もすみませ……うえぇぇぇぇ……」
頭を揺らしながら大の字に伸びるシーカー。そこへ麻雀戦闘員が頭上で点棒型薙刀を振り回しながら飛びかかる!
「キィエエエエエエエエエイッ!」
勢いつけた大上段斬撃! シュデラの脳天めがけたそれを、ダッシュで割り込んだラルフ・アーレント(往日は焼けた匣の中・f03247)が掲げた大剣の腹でガードする。刃を跳ね返された戦闘員に、ラルフは大剣の腹で脳天殴打! さらにバッティングじみた打撃で腹を打ち据えた!
「ゴァッ……!」
「だから! ウチの! 癒し系団員に迷惑掛けんじゃねーっての!」
SMASH! 撃ち返された麻雀牌戦闘員が垂直に飛び、地面にぶつかって回転バウンド。転がる薙刀戦闘員の左右を駆け抜けた別の戦闘員達が突撃してくる! ラルフは紫炎をたたえる左目に手を触れた。指の隙間から覗く炎が紅蓮に変色し、光線めいて飛翔! 戦闘員達行く手の地面に横一直線の熱線を刻み、爆炎の壁を生み出した! 炎壁の奥から動揺の声!
「これでちょっとは止まっただろ。アマミ!」
その時、和傘を広げた神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)が降り立つ。たたんだ傘の石突で地面を突いた直後、周囲のビル窓を砕いて複数のソードビットが出現! アマミは鉄下駄を打ち鳴らして傘を炎壁に突き出す。
「さあ征け特機よ! 何かわからん者共に美しき剣舞を見せるのじゃ!」
ソードビットの群れが魚群めいて炎壁に殺到! 火の防壁を貫いた飛剣が奥に居た麻雀戦闘員達を次々襲い、ダークスーツごと体を引き裂く!
「グワーッ!?」
「下ガレ! 体勢ヲ、グワーッ!」
「グワーッ!」
火の粉と散った炎壁奥で斬り刻まれる戦闘員達。その姿を見たアマミは口の端を吊り上げた。
「おお、麻雀か! 知っておるぞ、なんかジャラジャラ混ぜた後に積んだり引いたりする謎の遊戯じゃろ! ……しかし、これはどういうことじゃ? 予備の牌まで混ざっておるようじゃが……それではゲームが成り立たないのではないか? ……いや、そうか」
アマミはギザ歯を見せて悪い笑み。そして手にした傘を麻雀戦闘員達に向け、字を書くように動かし始めた。ソードビットの一機が白い無地の戦闘員頭部牌に切っ先を突き立て表面を削る! その他複数の麻雀戦闘員達の顔面に機械剣が襲撃!
「お主は中でお主は発じゃ。お主は……一萬か。では十萬にして、三萬のお主は五萬に、と」
「グワーッ!」
「グワーッ!」
「グワーッ!」
立て続けに響く掘削音と悲鳴。激しく飛び交うビットを点棒型刀でいなした戦闘員の真後ろ、回り込んだシーラ・フリュー(天然ポーカーフェイス・f00863)がリボルバーで胸部銃撃殺! 反転して白地に『中』と彫られた予備牌戦闘員の頭部に二度引き金を引いて撃ち殺し、斜めに跳躍してビットを足場に二段ジャンプ。空中から弾丸をバラ撒いて仰向けになった戦闘員達の心臓を連続で撃ち抜いた! 地に足つけ弾倉を開いたシーラに、点棒型の槍を構えた戦闘員が走り寄る!
「貴様ァーッ!」
シーラは眉間狙いの刺突をバク宙で避け、薙ぎ払いを槍蹴り上げで妨害。戦闘員の懐に飛び込み、鋭い後ろ回し蹴りで顔面左半分粉砕殺! 槍持ち戦闘員が力なく横たわると共に、新手の麻雀戦闘員が二十体乱入。怒りに肩を震わせながら横一列に並び立つ彼らの手には、四角い銃口のサブマシンガン!
「ヤツラ、同胞ヲ!」
「ヤハリ新人類ハ野蛮人ネ! コレ仲間ノ仇!」
BRRRRRRRRRRRRR! 一斉砲火が放たれ、シーラはとっさに真横へダッシュし路地へと退避。シーカーを抱え上げたシュデラへと飛ぶ流れ弾に、ラルフとアマミがインターラプト。それぞれ大剣と開いた和傘を回転させて一斉砲火を完全防御! 足元に散らばっていく麻雀牌をチラと見下ろし、ラルフは毒づく。
「銃弾まで麻雀なのかよ! 冗談は頭だけにして欲しいぜ!」
「なんじゃ、あ奴ら洒落が利いておるのう! ……じゃが困った。これでは彫刻が続けられん」
「……アンタ、実は楽しんでんな?」
にやにやと笑うアマミを隣に溜め息を吐くラルフ。それから数秒して射撃が止んだところで、二人の後ろでハイジャンプしたショコラ・リング(キマイラのアーチャー・f00670)が銀弓の弦を引き絞る! 手には青白く冷気を放つ矢!
「彩りを無に変える、冷酷なる息吹よ……!」
「退避シロ!」
銃を下げた戦闘員達が背を向けると同時にSHOT! 飛翔した矢は空中で無数に枝分かれして麻雀射撃隊全員をカバー。そのまま逃げ出す彼らを押し潰し、猛吹雪を巻き起こして消滅。後に残った氷河と氷像化した麻雀戦闘員達を遠くに、ショコラは音も無く着地した。
「間に合いました! ビンゴでしたね、ラルフさん!」
「ああ、顔の地図覚えてくれてて助かったぜ。怪人連中も悪目立ちしてたしな。……さて」
二人はシュデラに抱えられたシーカーの方を振り返る。顔の画面には相変わらず鍵と地図。せっつくように地図の一か所を差し続けるドットの鍵を、路地から出て来たシーラがじっと覗き込む。
「それにしても何でしょうね、この地図……これを狙っているという事はとても重要な物なのでしょうか……」
「んー……なんだろうなぁ。そこにある何かを解錠する為の鍵、とか? なんかあったか? ここ」
ラルフが首を傾げ、ズボンのポケットから折りたたんだ案内図を取り出す。ショコラは爪先立ちしてラルフの手元を見下ろし、地図とラルフの顔を交互に見やった。
「何かありましたか?」
「……いーや、ただの空き地っぽい。なんなんだ……?」
案内図をたたんでポケットに押し込み、ラルフは耳の裏をガリガリと掻く。口元に手を当てたショコラは沈黙思考。氷漬けになった戦闘員達に横目を向ける。
「この必死さといい、先ほどの地図の時の様子といい……怪人側は何か知っているのでしょうか?」
「どうだかなぁ。さっきのウコン連中、結局何も言わなかったし」
難しい顔をする面々を前に、シュデラはシーカーを高い高いするように持ち上げた。特定位置を指す鍵は、やがてピコピコと電子音を響かせ始めた。
「ともあれ、ここに行けば何かわかるのかな。と言うか、さっきから全速力だろうけど大丈夫? 走り疲れたなら俺抱えて行こうか? 小脇に抱える形になっちゃうけど」
「え? え、あー……」
しばらく視線を泳がせ、後頭部を掻く。やがて彼は頭を下げ、小さめの声で呟いた。
「……お邪魔でなければ、お願いします。多分、俺の足で行くより速いだろうし……」
「決まりだね」
シュデラがシーカーを小脇に抱えた、その時である! 彼らの前後を塞ぐように黒塗りのバンが大量に集結。ドアを開けてぞろぞろと降車したのは新手の麻雀牌戦闘員達。総勢は前後合わせて百人以上! ショコラは弓を構え直し、シーラはリボルバーの弾倉を確認。
「とりあえず、まずは目の前の脅威を取り除かねばなりませんね」
「一難去ってまた一難ってやつですね……大変です」
「あァうん、数が多いし面倒だな」
シュデラは呟き、太もものホルスターからガラス細工を施した大型拳銃を引き抜いた。
「悪いけど俺役とか知らないんだよ駒共。お前達にシーカー君のもふもふ触らせるなんて絶対に許可しないよ」
麻雀牌戦闘員のうち、先頭に立つ一体が首と拳をゴキゴキ鳴らす。顎を軽く振った彼の隣にランチャーを担いだ麻雀牌戦闘員が片膝立ち姿勢で砲撃体勢。巨大な麻雀牌の弾頭を持つロケットが火を噴いて射出して飛翔した! ラルフは大剣を下段に構え、ワン・インチ距離まで迫った弾頭を斬り上げて軌道を逸らす。明後日の方向へ飛んでいったロケットが爆発した瞬間、先頭麻雀牌が点棒型の刀を突き出した!
「カカレ!」
鬨の声を上げて一斉に走り出す多数の麻雀牌戦闘員達! 同じく飛び出した猟兵達のうち、先行したアマミの後方から無数のソードビットが飛来する。疾走しながらアマミは赤い和傘を打ち振る!
「また顔面いじくり回してやろうかの! 死ねえええええええええッ!」
ピラニア魚群めいて殺到するソードビットの前に、大柄な戦闘員が立ちふさがって麻雀卓型タワーシールドを構えた。凄まじい勢いで盾に突き刺さっていくソードビット! タワーシールド戦闘員を飛び越えた別の戦闘員二人が、横殴りの雨めいた機械剣の乱舞をジグザグダッシュでかわしながらアマミへ迫る。点棒型刀を手にした片割れが繰り出す刺突を、アマミはバックジャンプ回避! 刀戦闘員の背後から出た拳銃持ち戦闘員がアマミを狙った。
「死ネ!」
BLAM! 麻雀牌弾を華麗な一回転で避けたアマミ。そのまま右側に回り込んだ刀戦闘員の斬撃に和傘を振って弾いた彼女に、タワーシールドを頭上に掲げた大柄戦闘員が突進していく! 脳天めがけたタワーシールド振り下ろしをバク宙回避したアマミは空中で拳を握り込んだ。腕先を覆う無骨な武者鎧の籠手!
「彫刻できんじゃろうがウロチョロすんじゃねぇ! しゃらくせえ、これで諸共に死ねぇぇぇぇぇいッ!」
虚空を蹴ったアマミは三人めがけて流星めいた急降下パンチ! CRAAAAAASH! 爆裂する舗装道路を横目に、シーラは全力疾走してくる麻雀牌戦闘員六人を真っ直ぐ見据えて真っ直ぐに走る。
「同じ牌をくっ付けないように……かといっていろいろな牌を集めすぎないように……ううん、結構難しいですね……!」
六人のうち一体が懐に突っ込んだ両手を引き抜き、両手十指に点棒を合計八本挟み込む。走りながら右手の点棒をシーラへ投げつけ、一拍置いて左手の分も投擲! シーラはスライディングで飛来する点棒の真下を潜って二度銃撃した。投擲戦闘員が両膝を爆ぜさせ転倒!
「グワーッ!?」
素早く身を起こして跳躍したシーラの足元を麻雀牌弾が掠める。抱え込み前転しながら着地したシーラに、頭部が巨大麻雀牌になったハンマースイングが襲いかかった! シーラの鼻先に突き立った大剣がハンマーを防御して鈍い音を響かせる。ハンマー装備戦闘員の懐に飛び込んだラルフは、右腕肘に装備したエンジンをジェット噴射させた。
「おおおおおおおおらァァァァァッ!」
ロケットじみた右ストレートがハンマー持ちの顔面を強打! のけ反り、力無くよろめくハンマー持ちを前蹴りで退けたラルフは、頸動脈狙いで突き出された点棒型柄の槍を身を反らして回避。突き立てた大剣を引っこ抜いて振り回し、槍使いの側頭部を殴打した。
「シーラ! ハンマーと槍!」
「援護をお願いします……!」
屈み姿勢でリボルバーを構えるシーラに、麻雀牌を模したメリケンサックを嵌めた二体が殴りかかる! ラルフは片方の脳天を大剣の腹で殴りつけ、もう片方の顔面に飛び膝蹴りを叩き込んだ。BLAMBLAM! シーラのリボルバーが硝煙を上げ、ハンマー持ちと槍使いの胸に風穴を開ける。メリケンサック持ち二体を両脚で蹴ったラルフは彼女の頭上を突破し、左目から炎のビーム! 二人を突破しようとしていた二体の戦闘員の間を突き抜けた炎は、地面にぶつかって爆発。炎の壁を生み出して道行きを阻む!
「行かせねえっての!」
ラルフは振り返った二体の顔面を大剣の腹でまとめて殴り、そのまま地に叩き伏せた。その時、空中を錐揉み回転跳躍しながらショコラが矢の無い弓を引き絞る。視界に昏倒したメリケンサッカー二体とラルフに組み伏せられた二体を収め、SHOT! 四体の頭部にまとめて風穴が空いた! シーラの真横に着地したショコラは再度弓を引いて声を張る。
「シーラさん、ラルフさん! 少し数が多いです。引き撃ちに徹しましょう!」
「そうも行かないようです。……ショコラさん、あの車の影を」
点棒刀三人組に銃撃けん制しながら、シーラが視線で遠くを示す。戦闘員達が乗ってきた車の一台、猟兵達に横腹を向けた車体の影から三体のランチャー戦闘員が飛び出した! BOMBOMBOMB! 三発同時に放たれた麻雀牌弾頭に、ショコラは銀弓の弦を引く。青白い光の矢を生成して射出! 広範囲に枝分かれした矢が冷気を撒き散らしながら麻雀牌弾頭三発を捉え、三人の射手へ押し戻す。が、ランチャー持ち三体は車の影に引っ込み身を守る! 凍った車へショコラは矢を番えず弦を引く!
「隠れても無駄です、ボクの弓に矢は不要……!」
「待てショコラ!」
ラルフの警鐘にハッと顔を上げるショコラ。彼とシーラの左右にサブマシンガン二丁持ちした戦闘員が六体ずつの計十二体! 顔の文字は形違えど全てが緑。戦闘員の一人が号令を発した。
「撃テ!」
「クッソ!」
大剣を投げつけたラルフがショコラの前に割り込み、防御態勢を取った。ショコラとシーラを挟んでラルフの反対側に突き刺さった大剣を炎が包み、爆炎の人形を作り出す。BRRRRRRRRRRRRRRR! サブマシンガンから放たれた麻雀牌弾丸がラルフと炎人形に降りかかる!
「ぬおおおおおおおおおおッ!」
「ラルフさん!」
「おっと、そのまま動かないでね」
BLAM! 銃声が響き、ラルフ側のマシンガンナー達が一斉に感電! 二発目の銃声と共に炎人形側のマシンガンナー達が感電! 膝から崩れ落ちる十二人の隣をシュデラが駆け抜けた。右手にガラス細工の拳銃、左手にシーカー! 九体の戦闘員達が投げる点棒型ジャベリンを複雑軌道スプリントで掻い潜り、そのうち一体に銃口を向ける。
「その顔、良い的だね」
BLAM! ガラス細工の銃が火を噴き、ヘッドショット! 弾痕から迸った電光が左右に広がり九体の麻雀戦闘員をまとめて感電殺してのけた。その時、シュデラを三体の戦闘員が取り囲む。拳を振りかぶる彼らに対し、シュデラは白翼を広げて垂直回転跳躍回避! 三方向から拳を打ちつけあった三体の頭上に、三つの白い光がわだかまり破裂。宙に現れたガラス細工の拳銃三丁は銃口を下方の三体に向け、ひとりでに発砲して銃殺! ふわりと着地したシュデラに殴りかかる新手の三体の顔面に、三本のソードビットが直撃した。真ん中のビットの柄に飛び乗ったアマミは、和傘を指揮棒めいて左右に揺らす。
「さあて、まだまだ行くぞい!」
高く振り上げた和傘を勢い着けて振り下ろす! 空から雨の如く降り注いだ無数のソードビットが麻雀戦闘員達が乗ってきた車へ次々と突き刺さって連鎖爆発炎上せしめた! 剣の柄から高く跳躍したアマミは和傘の石突を先頭の戦闘員に突きつけ、閃光をチャージ!
「眩き光子に誘われ、自らその身を焦がしに来たか! 妾が水先案内人となりて、直々に躯の海へと渡してやろうぞ! 死ねぇぇぇぇぇぇぇッ!」
ZGYUUUUUUUM! ぶっ放された極太の光線が先頭に立つ麻雀戦闘員に降りかかる。その間に横入りしたのは麻雀卓型タワーシールド! アマミの光線をガードし、振り払った盾持ちはタワーシールドを頭上に掲げた。そこへ飛び乗る拳銃使いと刀使い。盾持ちはアマミめがけてタワーシールドを投げつける! 盾ごと投げ出された拳銃使いは盾の上からアマミへ銃撃し、横っ飛びで盾から脱出。残された刀使いは傘を振るって麻雀牌弾を叩き落としたアマミへ飛び出した!
「死ヌノハ貴様ダ! 真ッ二ツニシテヤル!」
「やってみるが良いわ! お主は一萬か。なら七萬に書き換えてくれようぞ!」
空中で斬り結ぶ傘と剣。滞空剣戟を繰り広げる二人の下方、盾から飛び降りた拳銃使いが槍使いの刺突をバック回避するシュデラに銃口を向ける。狙いはシーカーを抱える左腕! BLAM! 発射された弾牌を、横合いから伸びた手がつかみ取った。ラルフは握り止めた弾を振りかぶり、射手に投擲! 辛うじてクロスガードした拳銃使いに長距離跳躍で攻め込み、脳天を大剣の腹で殴る! ラルフはふらつく拳銃使いを蹴倒してシュデラに呼びかけた。
「シュデラ! あんまり前出過ぎんなよ! ウチの団員抱えてんだから!」
「大丈夫。シーカー君を落としたりなんてしないさ」
「ならいいけどよ!」
言い返しつつ、大剣を横薙ぎに振るって殴りかかる三体を弾き飛ばすラルフ! 三体が仰向けに地面に倒れたところで、ハイジャンプしたショコラが銀弓の銀を打ち鳴らした。三体の顔面に大きな風穴が空いたところで、サブマシンガン戦闘員がショコラの脇腹に銃口を突きつける! BLAM! 戦闘員の手から銃が跳ね飛ぶ。サブマシンガンを撃ち抜いたシーラは再度の銃撃でヘッドショット殺を決め、弾倉開いて排莢。直後、ハンマーを下段に構えた戦闘員がシーラへ肉迫!
「リィィィィィィィチ! ハィヤアアアアアアアアアアアアッ!」
振り上げられる寸前、シーラはハンマー持ちの顎に跳躍蹴り上げ! 腕を閃かせて高速再装填させた銃をハンマー持ちの胸に押し当て、引き金を引いた。BLAMN! ハンマー持ちの胸に大穴が空き死亡! 前方回転から着地を決めたショコラは、奥の先頭戦闘員に弓を引く。
「そろそろ諦めて撤退しては如何です? どうせなにも分からずに追っているのでしょう?」
「舐メルナヨ……手駒ハマダイル! 国士無双銃撃隊! 構エェェェッ!」
先頭戦闘員が両腕を開くと、アサルトライフルを抱えた十四体の麻雀戦闘員が並び立つ。全員同時に銃を構え、全員同時に銃口を向けた所で、先頭麻雀戦闘員が猟兵達を指差した!
「撃テェェェッ!」
BRRRRRRRRRRRRRRRRRR! 一糸乱れぬ一斉射撃が無数の麻雀牌弾丸を飛ばした、次の瞬間! ビル壁を疾走して来たモノバイクがジャンプし、銃撃隊の車線にダイブ。ドラゴンと共に飛び込んだ美影は一枚のカードを突きつけた!
「トラップ発動! ギャラクシー・タイラント・ロアーッ!」
『GRRRRRAAAAAAAAAAAAAAAAAAAARGH!』
ドラゴンの咆哮が麻雀牌弾丸を吹き飛ばし、国士無双射撃隊に襲いかかった! 両腕を交叉した射撃隊に降りかかる弾幕のしっぺ返し。美影は後ろを振り向いて叫ぶ!
「せっちゃーん!」
直後、三輪バイクが戦場に突入! 緩くドリフトして停車したバイクの上、千里は蒼い刀身の剣杖を振りかぶった。
「ふ。動きが見え見え。まるで将棋だな。……麻雀だわ。せーい」
投げられた剣杖が大きく弧を描いて飛翔し、射撃隊の目と鼻の先に突き立った。刀身は銀河色の光を宿し、BOOOOM! 光の爆発が十四体まとめて木っ端めいてふっ飛ばす! そして爆風を貫く一台のバイク! スミレ色の炎をまとったバルは、左手のイバラで捕らえた七体の戦闘員を引き回しながら突進していく!
「イヤァ――――――ッハァ―――――――ッ! 市中引き回し轢き倒しだオラァァァッ!」
「何ヲシテイル! 撃チ殺セ!」
先頭の命を受け、車の影から顔を出した三体がロケットランチャーを発射した。だがバルは車体前輪を跳ね上げてウィリー走行。そのまま竜巻めいて回転し、イバラで捕らえた七体を弾頭めがけて投げつける! フレンドリーファイアからの爆轟! バルはウィリーしたままバイクごとジャンプし、先頭の麻雀戦闘員をひき潰しにかかった!
「テメェも礫・殺・だオラアアアアアアアッ!」
だが間一髪滑り込んだ麻雀卓タワーシールド持ちがバルのバイクを受け止める! 力任せに押し返されたバルに襲いかかる点棒刀使い三体。三方向から振り下ろされた刃はしかし、一瞬で編まれたイバラの網に捕らわれた! バルは左手でサムズアップし、親指の先に紫色の炎を灯す。
「燃えろおッ!」
親指の炎をイバラの網に押し付けた刹那、BOOOOOOOM! 紫色の爆炎が三体を粉微塵に消し飛ばした! 炎を一刀両断した薙刀使い戦闘員はバルの顔面に斬り上げを繰り出す。バルはバイクごと跳躍側転を決めて回避! その真下をバイクに乗った千里が走って特攻をかけ、薙刀使いを跳ね飛ばす! ドリフトを決める彼女に、車の影から顔を出したランチャー砲手三人組が麻雀牌弾頭を撃ちだした! 千里は手にした三本の蒼い短剣に銀河色のオーラを込める。
「ほいっと」
投げられた三本の短剣がロケット三発に命中し起爆! バイクのブレーキをかけて爆炎に突っ込むのを阻止した千里に、炎の中から飛び出した戦闘員が拳を振りかぶる! とっさに腕を交叉してフックを受けた千里はバイクシートの上を後転して転げ落ち、アスファルトに片膝立ちで着地。右足に銀河色のオーラを溜め、彼女はバイクの後部を蹴り上げた! バイクの先端が殴りかかった戦闘員の顔面にめり込む!
「グアッ……!」
「んー……そらっ」
蹴り足が振り上げられ、三輪バイクごと戦闘員が吹き飛んだ。右足の爪先で地面を叩く千里に、二刀流戦闘員三体が続けざまに襲撃! 直後、空中の三体を天の川じみた光が飲み込み横一直線に帯を引く。美影はモノバイクを駆りながらカードを突き出した!
「トラップカード、さらにオープン! ギャラクシー・スイーパーッ!」
天の川が右から左へ連鎖爆発! 美影は突き出したカードをポケットに仕舞い、もう一枚のカードを取り出して天空へと投げ上げた!
「ギャラクシー・クロノスドラゴンにマジックカード『銀河開闢』を使用! ギャラクシー・フォームチェンジッ!」
空高く飛翔したカードが銀河色の渦と化す! 美影のドラゴンは一声吠えて彗星の如き光に包まれ、渦へと飛翔し飛び込んでいく。一瞬収縮した渦は爆発的に膨張し、青空を銀河に塗り替えた。美影は拳を突き上げて高らかに叫ぶ!
「開闢の時より来たれ、黄金に輝く時空の暴君! ネオ・ギャラクシー・クロノスドラゴン!」
天より竜巻じみて回りながら降り来たるのは、巨大な輪の中に収まる三つの歯車と、それを背負った三つ首の巨竜! コスモスの如き色合いの目を持つ竜は大気を震わす咆哮を繰り出した。
「これでトドメよ! 贄を喰らいて薙ぎ払え、タイラント・オールタイム!」
ドラゴン背部のギアが超高速で回転し、空に広がる銀河を吸収していく。三つ首が大きく息を吸い込み、宇宙のような色彩のブレスを発射! ブレスは先頭戦闘員の前に立ちはだかる麻雀卓タワーシールド戦闘員三体を容易く消し飛ばし、KRA-TOOOOOOM! ビッグバンめいた大爆轟を引き起こして残党戦闘員達を一掃! 爆発の余波を受け、木の葉じみてふっ飛ぶ先頭戦闘員。彼の真上にバイクと共に飛翔したバル!
「こいつで上がりってワケだな! 行くぜ相棒! ヒィィィィィィィィィィッ……」
DRRRRNG! DRRRRNG! エンジン音を響かせたバイクがマフラーから紫炎をジェット噴射して虚空を斜めに斬り裂き、先頭戦闘員に頭から体当たりをぶち当てる! CRAAAAASH!
「ハァ―――――――――ッ!」
バイクは戦闘員ごと地面に突っ込み、巨大なクレーターを生み出した。
●
数十分後。一行は都市の一角、ビルに囲まれた四角い空き地に辿り着いた。足を止めたラルフが角の焦げた案内図を開く。その表情は怪訝そうだ。
「ここだな。ここ……の、はずだぜ」
「ここですか」
シーラが言い、周囲を見回す。空き地には四隅に積み上げられた廃材があり、足元は固い土。見上げれば四角く切り取られた青い空。空き地を囲むビルの壁は灰色にくすみ、スプレーで落書きがされていた。シーラは小さく首を傾げる。
「……何も無いように見えますが」
「おかしいですね……」
ショコラがシュデラに抱かれたままのシーカーの顔を見る。顔の画面には変わらず地図が浮いていた。
「でも、確かにここを差してますよね。どうですか? シーカーさん」
「いや、俺に言われましても……そもそもなんでこれ出たのかだってわからないし……」
気まずげに呟くシーカー。シュデラは顎に手を当て、考え込む。
「ともあれ、少し調べてみようか。間違いならもう一回地図を見直すとかして。こんな空き地なら、そう時間もかからないだろうし」
「なんじゃ、宝探しか? ここに何か埋まっとるのか?」
「お、いいね。見つけた宝は早いもん勝ちにするか? それとも山分けか?」
アマミとバルが楽しげに口を挟む。一方、美影とバイクを押して空き地に入って来た千里は気だるげな表情でぼやいた。
「めんどい……美影、帰っちゃだめ?」
「せっちゃん……多分もうちょっとだから頑張ろうよ」
美影が苦笑しつつ言った、その直後! シーカーの顔からけたたましいBEEP音が響く。驚く一同の前で、彼の画面に『15:00』の表示が出現し、『14:59』に変化。数値がカウントダウンを始め、シーカーの体が輝き始めた。
大成功
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第3章 ボス戦
『牝山羊怪人マリアディジー』
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POW : 救済の女神は惨劇へと現れる(デウスエクスマキナ)
【自身の生命力】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【より強く速く相手に浸食する活性状態】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : お姉さん特製・ふしぎウイルス
【体に力が入らなくなる、肉体へのウイルス】【頭がボーっとなる、精神へのウイルス】【お姉さんにメロメロになる魅了ウイルス】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 大丈夫?疲れてなぁい?私の『ここ』においで…?
小さな【子も軽く包み込む圧倒的な母性の塊】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【優しさが詰まった極上の居心地】で、いつでも外に出られる。
イラスト:すねいる
👑7
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠マックス・アーキボルト」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
神羅・アマミ
くっ…豊満な肉体を惜しげもなくさらけ出しおって!
世の中には貧相なバデーにコンプレックスを持っている人もいるんですよ?
貴様のような思いやりのない奴は消滅させてやるー!
奴の放つウイルスに近づくのは得策でないが、逆にそれさえ封じ込めてしまえば攻略は容易と見た。
コード『結髪』を発動、敵とは常に距離を取りながらブラストを照射!
超高温度にて空気中のウイルスを焼くことが目的のため、目標に対し必ずしも攻撃をヒットさせることは意識しない。
ともすれば、敢えて外すことによって動きを誘い出し、他の猟兵との連携にも繋げられるやもしれぬ。
何やらデジタル表示がカウントをはじめたらしいが、3秒でカタをつけてやるぜー!(無理)
柚月・美影
幼馴染のせっちゃん(f01444)ととものちゃん(f04019)達と連携
光ってカウントダウンとか何事!?
ああ、もうっ!
アタシのターン!ドロー!
〇戦闘
【騎乗】【クライミング】で地形関係なくバイクで移動
マリアディジーの翻弄を狙う
攻撃は可能な限り【時間稼ぎ】【罠使い】【念動力】で実体化させた罠カードで防ぐ
または【野生の勘】で回避
「これがカードゲームの妙ってものよ!」
攻撃は《バトルキャラクターズ》
【念動力】【二回攻撃】で強化
「ネオ・ギャラクシー・クロノスドラゴンに装備マジックカード『ドラゴンの誇り!』を装着!これで連続攻撃と貫通効果を得る!ネオ・ギャラクティック・オーバーブラスト…2連打ァッ!!」
シュデラ・テノーフォン
うわシーカー君どうした?…ってココでボスなんだ
悪いけど俺今シーカー君に和んでもふもふ堪能できて幸せなんだ
君に興味は全く無いから狩るよ
シーカー君降ろすから安全なトコに居て。俺の後ろでも良いよ?
コレでもパラディンだからね、なんて笑って
早く顔元に戻ると良いね
ウィルス面倒だし風の精霊弾で吹き飛ばそうか
風を荒れ狂わせ、でも味方の攻撃阻害しない様調節
序でに砂煙起こして目眩し
その間にマスケット銃へAccoladeを付与
狙い定め煙幕吹き飛ばす勢いで光線銃の一撃を叩きつける
足りないならGlasregenで複製。幾らでも相手するよ
シーカー君に手出すなら指輪の盾等でかばう
それでもし敵に捕まっても振り払って零距離射撃
シンシア・ポーフォリア
おっぱいに弱く釣られるともの【f04019】を一番知っているので、ため息交じりアンニュイな微苦笑をしつつ、フォックスファイアで攻撃しつつ炎の道を作って、メロメロになっているとものを回収。
回収第一で、攻撃はするけど牽制中心。
回収したとものの額に軽くキスをして、抱き寄せてともののを自分の豊かな胸で抱きしめ、髪を撫でるように梳いて甘やかす。
そして、とものがやる気になったら離して、ぱっぱととものの身だしなみを整えて、攻撃できるようにする。
潦・ともの
おっぱい大好きな私がやるべきことはひとつ!
メロメロになる?
『はっ!既にメロメロだ!抱きしめたいな!おっぱい!』
フォースを自分に使いたわわに抱き着きます!
あ、貧乳(f01444)とそこそこ(f02068)と連携しmいや
美影のドラゴンを【第六感】感じ【武器受け】でその攻撃を防ぐ!
美影風にいえば速攻魔法発動!『心変わり』!
攻撃を防ぐともそもそおねーさんの『ここ』に戻ろうとします
美影と千里以外の邪魔はしません。
怒られると怖そうという僅かな理性
本気でツッコミや攻撃を受ければ
ほわほわたわわに魅了されているのであっさりぼこられます。
何より大好きなまま(f04420)に抱っこされれば大人しくなります
ラルフ・アーレント
爆弾解除系より防衛系のゲームのが得意なんだけど、これどっちだと思う?
冗談は置いといて。何にしろ横槍は無い方が良いだろ? 怪人にはとっととご退場願おうぜ。
速攻の意を込めて紅の燈火使用。この状態で【見切り】とか【ダッシュ】で回避すりゃ、よく分かんねぇウイルスとやらもある程度対応できるだろ。
寿命?知ったこっちゃねぇな。それより見知った奴のピンチのがオレ的には一大事なんだよ。
【2回攻撃】を活かして衝撃波を上手く当てて、シーカーや後衛との距離稼ぐように【吹き飛ばし】。隙ありゃ【捨て身の一撃】だって叩き込んでやる。
モフモフ具合はシーカーの方が上なんで、怪人のおば……、オネーサンはご退場願います、っと!
ショコラ・リング
ボク・貴方・名前+さん
この場所に着いた途端シーカーさんが大きな音を出して輝き始めながら画面にカウントダウン……
はっ!? ば、爆発とかしないですよね!?(あわあわしながらシーカーさんの身を案じ)
鍵であるシーカーさんがこの場にいる事で何かが起こるということでしょうか
何が起こるのかはわかりませんが、まだ時間もありますし、怪人側も諦めていないようですし、一先ずシーカーさんと地図に示されたこの場所を守らねばなりませんね
防衛戦ならば2回攻撃と【神樹の矢】で陣地を形成しながら相手を攻撃するのです
シーカーさんのことは最後まで守り通すのですよ
天門・千里
一人称:私
雑な口調
やる気なさげ
美影、とものと連携
で、でか…説明不要…地面見えてんのか
と【高速詠唱】で【衝撃波】を伴うウィザード・ミサイルを【スナイパー】ばりに敵の足元に撃ち込む
妨害してくるとものに対しては
「そんなおっぱいに惑わされるんじゃない!モウヤメルンダ!」
と【全力魔法】でミサイルを撃つ
この千里容赦せぬ!
ふしぎウィルスは【情報収集】【戦闘知識】で的確に
【オーラ防御】でガードしつ【カウンター】で反撃
「そんなものは食らってやれない。でもこれは喰らえ」
母性の塊に吸い込まれた味方は【封印を解く】で無理やり引きずりだす
好きを見て武器で【串刺し】にしようとしつつ
「お前たちに鍵はやれん。どっかいけ」
シーラ・フリュー
えっ、カウント…?って、眩しいです…!?何ですかこれ、シーカーさん、大丈夫ですか…!?
と、とりあえず…敵をどうにかしないとですね…!?
それにしてもこの怪人さん、大きいですね…いえ、何とは言いませんが…。
別に羨ましい訳じゃないです、大きすぎるのもよくないので…。
…と、リボルバーを持って【早業】と【2回攻撃】でひたすら撃ちます。リロードは今回は一旦下がって様子見を。
後は…敵は1体ですしどっちかと言えば大ダメージを期待した方が良いですね…という事で。
余裕があれば【ダッシュ】で近寄って【零距離射撃】で【猟犬の咆哮】も狙ってみたいですね…。
こっちに寄ってきて頂けるのなら【カウンター】でもアリですが…。
BEEP! BEEP! BEEP!
けたたましいサイレンと共に、路地裏が純白の光に包まれる。柚月・美影(ミラクルカードゲーマー・f02086)とシーラ・フリュー(空夜・f00863)は目を片手で庇いながら声を上げた。
「ちょっ、光ってカウントダウンとか何事!?」
「眩しいです……!? 何ですかこれ、シーカーさん大丈夫ですか……!?」
閃光の中、シュデラ・テノーフォン(天狼パラフォニア・f13408)に抱えられたままのシーカーは手足をばたつかせて慌てふためく。
「大丈夫! 大丈夫だけど待って! カウントダウンしてるのはわかる! わかるんだけど今俺どうなってるの!? っていうかどうなるの!?」
「落ち着いて、シーカー君。光ってカウントダウンしてるだけだから」
「落ち着けないんですけどーっ!?」
手で光を遮るシュデラに、悲鳴で返すシーカー。ショコラ・リング(キマイラのアーチャー・f00670)は手で影を作りつつ、カウントダウンを繰り返す画面に目を凝らした。
「この場所に着いた途端、シーカーさんが大きな音を出して輝き始めながら、画面にカウントダウン……はっ!?」
ショコラの顔がサッと青ざめた。
「まさかとは思いますけど……ば、爆発とかしないですよね!?」
「爆発!? 爆発するの俺!?」
「しないわよ、おばかさん達」
響いた声に、その場の面々が一斉に頭上を見上げる。空を四角く区切るビルの屋上。その一辺に、逆光により黒くなった人影がひとつ立っていた。胸元や腹、足の付け根に穴の開いたフェルトめいた生地のスーツ。デフォルメした山羊の帽子の下からはピンクのウェーブヘアが流れる。そのバストは大型クッションじみたサイズの異常豊満。牝山羊怪人マリアディジーは勢いつけて両膝を曲げた。
「とーうっ!」
跳躍、前方抱え込み回転からの垂直落下! BOFFと柔らかな音を立てて着地したマリアディジーのバストを見、女性陣の頬がわずかに引きつる。天門・千里(銀河の天眼・f01444)は若干後ずさりながら呟いた。
「で、でか……説明不要……地面見えてんのか……」
「大きいですね……いえ、何とは言いませんが……」
シーラの言葉を聞いた神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)がゴスロリじみた和服の胸を見下ろした。胸元に手をやり、強張った指をワキワキと動かす彼女を余所に、一歩踏み出すマリアディジー。即座にショコラとシュデラが弓と拳銃を構えてけん制!
「止まってください!」
マリアディジーが立ち止まる。油断なく射撃体勢を取りつつ、ショコラは蒼光で出来た弦を引く。
「爆発しない、と言いましたね? この一件、やはり貴方たち怪人は何か知っているのですか?」
「知ってるわ」
マリアディジーは悠然とした笑みを浮かべたまま言い、唇に指を這わせた。
「知りたい? そのモフモフ君くれるなら教えてあげてもいいのだけど」
「却下。シーカー君は渡さないよ」
シュデラが即答。やや不服そうに口を尖らせるマリアディジーを睨みつつ、ラルフは肩に大剣を担いで腰を落とす。
「なあシーラ。俺、爆弾解除系より防衛系のゲームのが得意なんだけど、これどっちだと思う?」
「え? ……えーっと、爆発しないらしいので、防衛系でしょうか……?」
「なるほどな」
軽く笑い、ラルフは表情を引き締めた。
「ま、冗談は置いといて。何にしろ、横槍は無い方が良いだろ? 怪人にはとっととご退場願おうぜ。とりあえず爆発しないってわかったわけだしな」
「賛成だ。悪いけど俺今シーカー君に和んでもふもふ堪能できて幸せなんだ。君に興味は全く無いから狩るよ」
言いながら、シュデラは小脇に抱えたシーカーを揺する。
「シーカー君、降ろすから安全なトコに居て。俺の後ろでも良いよ? コレでもパラディンだからね」
「あ、えーっと……と、とりあえず邪魔にならないところ居ます……あと万が一爆発しても大丈夫なとこ……」
「わかった。気を付けてね」
下ろされたシーカーは急いで駆け出し、路地裏角に積まれたタイヤの中に入り込む。路地裏を塗り潰していた白光が消えると共に身構える猟兵達。マリアディジーは微笑みながら、胸の谷間に手を突っ込んだ。
「あら残念。殿方に振られるのは初めての経験だわ。お姉さん、すこーしショック受けちゃったからぁ……」
ゆっくり押し広げられた胸の谷間が桃色の輝きを放つ!
「頑張って誘惑してみようかしら!」
手が引き抜かれると同時にピンクの煙が爆発して路地裏を一気に呑み込んだ! 直後、煙は荒れ狂う大竜巻と化して垂直上昇。続いて噴き上がる砂煙から飛び出したマリアディジーを追い、爆炎に包まれたラルフとモノバイクに乗った美影が壁面を駆け上がっていく!
「逃がさねえよ! 焼き尽くしてやらぁぁぁぁッ!」
ラルフが振り上げた大剣を燃やして一閃! 縦一直線の炎の衝撃波を横一回転してかわしたマリアディジーは、胸元から引き抜いた三本の注射器を投げナイフめいて投げる。ラルフの前に滑り込んだ美影が左腕のデバイスにセットした山札に触れた。
「アタシのターン! ドロー! トラップ発動、銀河聖盾!」
宣言してカードを投げつける美影。カードは光輝き縦長六角形の盾と化して注射器三本を防御した。砕けた注射器からあふれ出す桃色の煙。ビル壁を駆け下りたマリアディジーは盾を飛び越え、胸から取り出したメスを投擲! 美影はバイクをスライディングめいて倒し、ラルフはジャンプ。二人の間をメスが突き抜けると同時、ラルフは燃える大剣を真横に振り抜く!
「おらああああッ!」
BOOOOM! 横薙ぎ爆炎の衝撃波がマリアディジーへと迫る。身を丸め、体を乳房の間に隠した彼女を紅蓮の衝撃波が打ち据え天高くに打ち上げた。もう一枚のカードを引き抜く美影!
「攻防一体のコンボ! これがカードゲームの妙ってものよ! ギャラクシー・ジェネラルを召喚して銀河聖盾を装備!」
出現しっぱなしの盾に投げ放たれたカードが、虚空で銀河色の重装騎士に変化して盾を左腕に装着。放られたボールめいて空中で回転し、落ちてくるマリアディジーへ突進したギャラクシー・ジェネラルはショルダータックルじみたシールドバッシュを叩き込む! 再度空へと打ち上げられるマリアディジー。次の瞬間、地上の砂煙を突き破って巨木が天突くが如く伸長! 無数に伸びた枝が四方の壁に突き刺さり、さらに高く伸びた数本はマリアディジーを追い越して大量の葉を茂らせる。枝葉の根元、大樹の幹頂上には弓引くショコラ!
「捧げるは我が祈り。矢に纏いたるは神の怒り。全てを薙ぎ払う破壊の果てに創造を!」
ショコラの手から漆黒の矢が伸びた。防御態勢を解いたマリアディジーは宙に身を躍らせながら、ショコラを見下ろして笑う。
「あら、怖い」
「メテオアロ――――――ッ!」
SHOT! 弦が弾かれ、暴風が葉をさざ波めいて震わせる。放たれた矢はマリアディジーが両手で開いた胸の谷間に飲まれて消滅! 目を見開くショコラに、マリアディジーは小型グレネードを三つ投下した。中途で爆発したグレネードから桃色の霧が噴き出しショコラを襲う! 巨木の幹を駆け上がるアマミは、和傘を突き出し光を溜めた。
「くっ……豊満な肉体を惜しげもなくさらけ出しおって! 世の中には貧相なバデーにコンプレックスを持っている人もいるんですよ? 貴様のような思いやりのない奴は消滅させてやる―――――――っ!」
ZGYUUUM! ZGYUUUM! ZGYUUUM! 三条の光線が桃色の霧を貫き、マリアディジーの体を掠める。霧散するピンクの霧を遠目にしたマリアディジーは一回転して手近な枝に着地した。膝を曲げて枝を蹴り、ショコラにバストで体当たり! ショコラは飛び下がって避けるも、胸を樹に当てバウンドしたマリアディジーがバク宙からかかと落としを繰り出した。ショコラは頭上で両手を交叉して蹴り足をガード!
「シーラさん!」
即座に後方回転したマリアディジーが居た場所を二発の銃弾が突破! 軽いステップで飛び下がるマリアディジーに、離れた枝で片膝を突いたシーラはリボルバー銃撃!
「あら、あら!」
BLAM! BLAM! 二発の銃撃を踊るように避けたマリアディジーは飛び下がるシーラに二本の注射器を投げつけた。思い切り身を反らして注射器を避けたシーラは、そのまま連続バク転を打ちつつ銃撃! コマめいて回転したマリアディジーはムチめいてしなる蹴りで弾丸を弾いた。リボルバー弾倉を開いたシーラは排莢して合図!
「シュデラさん、カバーお願いします……!」
「了解」
マリアディジーの背後に白翼を広げたシュデラ! 翼から引き抜いた羽を純白のマスケット銃に押し当てた瞬間、白い閃光がマリアディジーの視界を潰した。顔をしかめて手で目を庇うマリアディジー。一方シュデラの手中ではマスケット銃が大型光線銃に姿を変える!
「んっ……!」
「十二時の魔法を君に。Accolade!」
KYUUUUUUNG! 白光が空間を切り裂きビルの壁に風穴を空けた。眉根を寄せたシュデラが見上げた先、羊毛球じみた形態になったマリアディジーは高所、斜め上に伸びた枝にぶつかりピンボールの玉めいて縦横無尽に跳ね回る! そして巨樹の林冠をぶち抜いた所で防御形態を解除。胸元に両手を差し入れ、野球ボール大の鉄球を二つ取り出した。
「んもう、激しいんだから。ちょっとイタくしちゃう、か・もっ!」
マリアディジーは両手を高く掲げ、両手の球をダンクシュートめいて投下した。生い茂る葉に空いた大穴を抜けて落下した球はウニじみて無数のトゲを生やす。三輪バイクに乗って巨木を駆け上がって来た千里は球体を見上げ、右手人差し指を突き上げた。指先に銀河色のオーラが集中!
「そんなものは食らってやれない。でもこれは喰らえ」
千里の指が銀河色の光線を発射し、トゲ鉄球を二個とも消し飛ばす! 光線はそのまま大樹の茂らせた葉を突き抜けてマリアディジーへと一直線! 広げた胸の谷間に光線を吸収したマリアディジーのすぐ目前に、真紅の光をまとった潦・ともの(星達の眷属・f04019)が飛来した。驚いて目を開くマリアディジーの乳房を見たとものは、紅く光ったまま豊かな胸の谷間にダイブ!
「メロメロになる? はっ! 既にメロメロだ! 抱きしめたいな! おっぱい!」
「……あらあら?」
まばたきするマリアディジーの胸に潜り込むともの。次の瞬間、梢を突き破って美影が飛び出す。傍らには重装兵と銀河色の四枚翼ワイバーン! 美影はマリアディジーを指差した!
「ギャラクシー・ジェネラル、ギャラクシー・ガンマ・ワイバーンの二体で攻撃!」
咆哮した重装兵とワイバーンがマリアディジーめがけて突撃していく! 猛スピードでワン・インチ距離へ迫った二体の剣と牙を、胸の谷間から顔を出したとものが赤いレーザーソードで受け止めた。美影が愕然として声を上げる。
「ちょっと、とものちゃーんっ!?」
「んむ……たわわなおっぱい……」
うわごとめいて呟き、二体を斬り捨ててマリアディジーの胸に潜り直すともの。一拍遅れて梢から出て来たシーラが、困惑の目で美影を見やった。
「……あの、撃ってもいいんでしょうか。撃たない方がいいんでしょうか……?」
「う、うーん……」
美影は困り顔で黙り込む。マリアディジーは胸元から引き抜いた二本の注射器を二人へ投擲! 我に返り注射器を回避する二人の間を突き抜けたマリアディジーは、再度巨木の幹頂点に着地した。彼女の高所を取った千里、背後を取ったショコラ、真正面で二門の光線銃を構えたシュデラがマリアディジーを照準! 虚空の千里が蒼く輝く拳を振り抜く!
「そこを動くなーっとー」
千里の拳が振り抜かれ、蒼光の矢が雨の如く降り注ぐ! が、マリアディジーの胸から飛び出したとものが光剣を振り回し矢を片っ端から叩き落とす! ショコラがぎょっとし、シュデラが鋭く両目を細めた。
「なっ、とものさん!?」
「んん……? どういうことかな、これは」
二人の隙を突いたマリアディジーが妖しく笑い、ショコラへ振り返りざま注射器を投げた! ショコラは右肩に突き刺さったシリンダーの中身を流し込まれて表情を失う。眠たげな顔で千鳥足を踏む彼に駆け寄るマリアディジーに、シュデラは光線銃二門の引き金を引いた! KYUKYUUUUUUNG! 背後から飛来する白光を肩越しに見たマリアディジーはジグザグステップで光線を避け、ショコラに豊かなバストでタックルをかます。胸の谷間に飲み込まれるショコラ! その時、千里の矢をさばき切ったとものは着地し、バク宙を決めてマリアディジーの胸へと飛び込み姿を消した。アマミは渋い顔で千里の方を向く。
「……なんじゃ今の」
「おっぱいにやられたっぽい。あー、面倒くさ……」
「ふふ。あなた達も虜になっていいのよ?」
ぼやく千里を遠くに、マリアディジーは両手十指に桃色のメスを握って構える! その背後から轟炎をまとい突っ込むラルフが大剣を振り抜いた!
「悪いな。モフモフ具合はシーカーの方が上なんで、怪人のおば……オネーサンはご退場願います、っと!」
隕石めいて突撃し、BOOOOM! 爆発した紅蓮の炎が巨木に飛び散り、そこら中を延焼させた。防御に使った片腕を焦がされたマリアディジーがバックスキップで後退。その時、彼女の周囲を紅蓮の爆炎がぐるりと囲み、陣の中に閉じ込めた! 指先に狐火を灯したシンシア・ポーフォリア(Lyrical Fashion Artist・f04420)は、アンニュイな微苦笑を浮かべて溜め息を吐く。
「遅れて来てみれば……もう、やっぱり釣られちゃったのね」
シンシアは狐火を握りしめ、その手を下段に振りかぶった。
「しょうがないんだから」
シンシアが腕を振り上げ爆炎の波を繰り出す! 炎陣を突き破った波は閉じ込められていたマリアディジーを一息に包み込んだ。噴火じみて上がる火柱! その時、同じく炎陣を突っ切った美影がカードを掲げる。
「マジックカード、銀河再誕! 蘇れ、ネオ・ギャラクシー・クロノスドラゴン!」
美影の頭上に巻き起こった宇宙色の渦が弾け飛び、三つ首の巨竜が姿を現す! 美影は二枚目のカードを引き抜き、三つ首の巨竜に投げつけた。ドラゴンの胸にカードが光となって吸い込まれ、巨体に激しいオーラが燃え上がる。
「そしてネオ・ギャラクシー・クロノスドラゴンに装備マジックカード『ドラゴンの誇り!』を装着! これで連続攻撃と貫通効果を得る!」
次の瞬間、マリアディジーを捕らえていた火柱が彼女の胸の谷間に流入! すすけた服をはたいたマリアディジーの胸から飛び出したとものが巨竜に斬りかかる。ドラゴンの片腕が赤い光剣を受け止め、とものを軽く打ち払った。ふっ飛ばされながらも空中で身をひねり、斜め上に伸びた枝に着地したとものに、蒼い剣杖を手にした千里が肉迫!
「せっちゃん! とものちゃんをお願い!」
「はいよー」
千里は手中で剣杖を取り回して輝かせ、とものに投擲! 跳躍回避したとものの居た場所に突き刺さった剣杖は空色の大爆轟を引き起こした。滞空する千里は爆轟から飛んできた剣杖をつかみ取り、前後反転。反対の枝に降り立ったとものに呼びかける!
「ともの! そんなおっぱいに惑わされるんじゃない! モウヤメルンダ!」
「千里! 邪魔は良くないですの! いくら自分が貧しいからって!」
「……あぁ?」
千里の目が殺気立つ。直後、彼女の全身から噴炎じみた蒼のオーラが噴出し、剣杖に収束していく! 蒼光の巨大バリスタに変貌した剣杖を、千里はとものめがけて全力投射! やや顔をひきつらせたとものをバリスタの光が塗り潰す。KRA-TOOOOOOM! 巨木の一角を消し飛ばす青い爆発を余所に、マリアディジーは胸元から取り出したグレネードを四方八方にばらまきまくる! 次々に破裂し拡散するピンクの煙が、アマミの光線に穿たれ、裂かれ、消し飛ばされた。
「おらおらおらー! ご自慢のウィルスはどうしたのかの!」
「やーねえ、もう……」
アマミに軽く肩をすくめるマリアディジー。彼女の側面に回り込んだシュデラが、両手に持った純白の砲二門を構える! マリアディジーはスプレーを取り出し、クイックドロウめいてシュデラに噴霧! シュデラは片方の砲を手放し、ガラス細工の拳銃を抜いて銃撃。弾丸代わりの突風で桃色の煙を吹き飛ばし、逆の手の方で白光のレーザーを放つ! バク宙でこれをかわしたマリアディジーに、大上段に大剣を持ち上げたラルフが突っ込む。全身を燃やした隕石の如き神風特攻!
「ウィルスごと燃やしてやるぜ! 食らえッ!」
斬り下ろしで撃ち出した爆風がマリアディジーを捉える! ラルフは大剣を回転させ、その場で刺突! BOOOOM! 槍じみた炎がマリアディジーに直撃し、そのまま奥のビル壁に叩きつけた。顔を歪めつつ、マリアディジーは胸元から注射器を三本取り出す。が、それらは銃声と共に砕け散る! リボルバーを神速リロードしたシーラは傍らに落下した千里に合図!
「千里さん、救出を……!」
「あいよー」
指笛を鳴らした千里は、ひとりでに走って来た三輪バイクに飛び乗ってマリアディジーへ飛びかかった。壁から身を剥がそうとする彼女を、剣を横薙ぎ一閃したラルフの爆炎が抑え込む! 銀河色のオーラをまとった千里はマリアディジーの胸の谷間に手を突っ込み、ショコラを引きずり出した。やや呆けた顔のショコラは瞬きを繰り返して千里を見上げた。
「う……千里、さん……?」
千里はショコラの腕を持ったまま振り回し、シュデラに向かって投げつける。両手の銃を手放してショコラを受け止めたシュデラは、彼のきょとんとした表情を覗き込んだ。
「大丈夫かい、ショコラ君」
「え……あ、は、はい! すみません、もう大丈夫です!」
首を振って跳ね起きるショコラ。一方、壁から背中を剥がしたマリアディジーは、凶悪さを交えた微笑みを浮かべて呟く。
「んもう。本当に……なってない子達なんだから!」
大きく開いた胸の谷間から大量の注射器がマシンガンめいて飛ぶ! とっさに防御体勢を取った猟兵達が注射器に襲われている隙に、マリアディジーはビル壁を真っ直ぐ駆け下り始めた。その先にはシーカーが隠れた積みタイヤ! その光景を高所の枝から見下ろしたシンシアはとものを抱き寄せ、額にキス。自分の胸元に埋めるように抱き寄せ、とものの長い黒髪を手櫛でとかす。
「ともの。好きなのはわかるけど、他の人に迷惑かけちゃだめだからね? 帰ったらいくらでも甘えさせてあげるから」
「うむん! わかった! ……これ以上やると、千里に本気で怒られる気がするわね」
苦笑したシンシアの胸を離れたとものは枝を飛び降り頭から垂直落下! レーザーソードを手に、振り返りざまに投げつけられたメスや注射器を斬り払う。とものは紅色の光で体を包み、空中で一回転。頭を上向け、両腕を真っ直ぐ真上に伸ばした。
「んーと、これ、これ、これ……これで良し! それっ!」
とものが両手を振り下ろすと同時、赤い光に包まれたアマミ、シーラ、ショコラがとものの両サイドを突っ切って垂直に落下していく! 赤光が消えると同時に巨樹の幹に足を着けて駆け出す三人。マリアディジーは胸元から取り出した地雷型爆弾を巻き散らし、壁や幹にセットして指を鳴らした。BFOOOOOOOM! 征く手を遮る桃色の霧に、アマミは輝く和傘を突き出した!
「今更小細工など通用しないのじゃ! 死ねぇぇぇぇぇいッ!」
ZGYUUUM! ZGYUUUM! ZGYUUUM! 連射された光線が桃色の霧を貫き、奥のマリアディジーの姿をさらす。アマミを追い越したショコラが矢をつがえずに弓を引く!
「今じゃ! 撃て!」
「はい!」
SHOT! 弦が弾かれ、マリアディジーの右肩甲骨に穴が空く! ショコラは続けてもう一度矢無しの弓を射ってマリアディジーの左ふくらはぎに風穴を空けた。足をもつれさせ、マリアディジーが速度を落とす!
「シーラさんっ!」
「行きます」
幹を蹴ったシーラが彼我の距離をぐんぐん縮める。千切れかけた足を踏みしめ、シーラを見返ったマリアディジーは胸元を大きく開いてシーラに飛びかかった!
「つーかまーえたっ!」
だがシーラは素早く屈んで乳房を回避、マリアディジーの腹に鋭いサイドキックを叩き込んだ!
「ふっ!」
SMASH! 蹴り飛ばされタイヤの山めがけて墜落していくマリアディジー! しかしその背中はガラス細工のバリアに追突。バリアを挟んでマリアディジーの真下、左手を伸ばしたシュデラが指輪を光らせる。
「くっ……!?」
「シーカー君には指一本触らせないよ。ラルフ君!」
マリアディジーはすぐに起き上がろうとする。その腹をバイクに乗った千里が押し潰し、鎖骨を剣杖で射抜いてバリアにピン止め。そのままバイクを蹴って飛び上がる!
「お前たちに鍵はやれん。どっかいけ」
直後、ガラス細工バリア越しに紅蓮の炎が怪人を照らす。燃える大剣を手に回転するラルフ!
「とっとと、離れやがれッ!」
BOOOOOOOOOM! 火山噴火じみた炎の一撃がマリアディジーを空中へと押し戻す! 吹き飛ばされた彼女は、道を開けたシーラ、ショコラ、アマミ、ともの、千里の間を抜けて高く高く、巨木を追い越し四角く切り取られた空へと飛翔した。モノバイクで壁面を駆け抜けた美影に続き、三つ首の巨竜がマリアディジーを目と鼻の先に捉える! 美影はマリアディジーを指差した!
「行っけえええええッ! ネオ・ギャラクティック・オーバーブラスト……第一打ァッ!」
ドラゴンの首三つがそれぞれ咆哮し、銀河色のブレスを吐き出した! 即座に体を丸めて防御形態を取ったマリアディジーをブレスが飲み込む。美影はVサインを突き出し、再度マリアディジーを指差した!
「私のバトルフェイズはまだ終わっていないわ! ネオ・ギャラクティック・オーバーブラスト……二連打ァァァァァッ!」
二度目のブレスがマリアディジーへ迫り、CABOOOOOOM! 大爆発が路地の空を覆い隠した。
●
BEEP! BEEP……! BEEP……。
甲高い音がフェードアウトし、積まれたタイヤから伸びていた光が消え失せた。隠れていたシーカーがひょっこりと頭を出した。画面は元通り、緩い表情が浮いている。ショコラとシュデラがそろって顔を覗き込む。
「お、戻ったみたいだね」
「シーカーさん、ご無事ですか?」
シーカーは自分の顔をモフモフと触り、小さく呟く。
「……うん。爆発してない。どっこもおかしくない。顔も戻ったぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねるシーカー。仲間達が安堵の表情を浮かべた、その時である! 周囲の壁から突如鈍い反響音じみた音が響き渡った。再度身構える猟兵達。やがて音は潮が引くように消えていき、代わりに電子音声が鳴った。
「システム・フラワーズより緊急救援要請。全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり。テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」
大成功
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