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テレビウム・ロック~孤独の鍵~

#キマイラフューチャー #テレビウム・ロック! #テレビウム #システム・フラワーズ #ソリの日々

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 彼は、1人だった。
 特に嫌われていたわけでもない。蔑まれていたわけでもない。
 ただ普通に、何の特徴もなく、過ごしていただけ。
 特別に親しい友人もなく、気付けばいつも1人で。
 ふと、何かの拍子に寂しいと思うこともないわけではなかったけれども。
 それもすぐに消えて、また起伏のない日常を漫然と過ごしていく。
 彼の日常は、そんな平穏すぎる時間で築かれていた。
 誰かに求められることも、追いかけられることも、なかった。
 その時までは。
「ん? 何だ? 鍵?」
 いつからだったのだろう。
 気付いたら、彼の顔に鍵が映っていた。
 テレビウムである彼の顔は、当然テレビ画面で。
 そこにぼーっとした彼の顔が映っているのがいつもだった。
 笑顔でもなく。怒り顔でもなく。泣き顔でもなく。
 平坦な、何でもない、無表情とも言える表情。
 それが今は、宝箱でも開けられそうな鍵の映像を映し出している。
 もちろん、彼が望んで映したものではない。
 そもそも、この鍵の映像が何なのかすら、彼には分からない。
 疑問符だけが浮かんでは、解決できずに増えていく。
 そこに。
「見つけたでござる」
 仮面を被った女忍者が、現れた。

「テレビウムの顔に鍵が浮かんできた」
 九瀬・夏梅(白鷺は塵土の穢れを禁ぜず・f06453)は、猟兵達を見回して告げる。
 キマイラフューチャーにいる、液晶テレビの顔をした妖精種族。
 その顔のテレビは、当人の望む、好きな動画を再生できるのだが。
 そこに唐突に、鍵の画像が映し出されたのだという。
 もちろん、当人の意思によるものではなく。
 キマイラフューチャー全てのテレビウムに鍵が映し出されたわけではない。
 鍵が映るテレビウムに何か特徴や共通点があるわけでもなく。
 それだけでも不可解な事象なのだが。
「さらに、その鍵を映したテレビウムを、オブリビオンが襲ってきている」
 面倒そうな顔をして、夏梅は頭を抱える。
「何が何だかさっぱりだが、今現在、襲われているテレビウムがいるのは確かだ。
 見捨てるわけにもいかないだろう?」
 そこで、猟兵達に声がかかったのだと話を締めて。
「とりあえず助けてやってくれ」
 よろしく、と夏梅は苦笑を見せた。


佐和
 こんにちは。サワです。
 鍵の浮かんだテレビウムを守ってやってください。
 理由はよく分かりませんけれども。

 全章通じて、オブリビオンが鍵の映ったテレビウムを襲ってきます。
 守っていただくテレビウムは、OPにある『彼』です。
 猟兵ではない、普通のテレビウムのため、戦闘はできません。
 最初は人通りの少ない裏路地にいます。

 それでは、彼と鍵との逃走劇を、どうぞ。
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第1章 集団戦 『紫御殿』

POW   :    仮面合身の術でござる!
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【男子がカッコいいと思うもの】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD   :    仮面手裏剣の術でござる!
【懐】から【自動追尾する真っ白な仮面】を放ち、【相手の視界を塞ぐこと】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    仮面狼群の術でござる!
【仮面を被った狼の群れを召喚、爪や牙】が命中した対象を切断する。

イラスト:りょうま

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 鍵を顔に映したテレビウムは、呆然と立ち尽くす。
 いつも通っている、どこか薄暗い、人気のない寂れた裏道。
 稀に、誰かとすれ違うことがないわけではないけれども。
 その相手が、じっとこちらだけを注視してくるのは。
 周囲を囲むように近づいてくるのは。
 いつも通りとは程遠いことだったから。
「……え?」
 突如顔に映された鍵のことよりも、集まってくる忍び装束の女性達の方が衝撃的で。
 呆然と、彼は周囲を見回して。
 仮面を被った紫色の忍者に、目を瞬かせると。
「モテ期?」
 的外れな呟きを否定するかのように、女忍者……紫御殿が襲い掛かってきた。
指矩・在真
テレビウムの画面に鍵…どういうことなんだろうね
でも今は目の前の怪人に集中なんだよ!

問答無用で【ハック・ユア・マインド】使っていくよ!
「2回攻撃」「範囲攻撃」で動ける狼の数を減らしていこう
紫御殿も狙えたら反撃されなくて済むし、積極的に巻き込みたい!

みんな目的を忘れて棒立ちになったところを攻撃
宙にウィンドウ画面を展開、「属性攻撃」でそこから電撃を飛ばすよ
「スナイパー」の正確さでしっかり確実に当てていこうね

テレビウムを狙う狼さんがいたら「衝撃波」でその狼さんをぼくたち猟犬側に飛ばすよ!
その子を傷つけちゃダメなんだってば!!

絡みアドリブ等大歓迎


カイジ・レッドソウル
アドリブ、共闘歓迎
「てれびうむノ保護ヲ優先」

そう言って呪剣を構えテレビウムを【武器受け】【かばう】
テイルブレードで【なぎ払い】しつつ距離をとってテレビウムを守ります
「本機ノ側カラ、離レテハイケナイ」
と保護しつつ
敵に何か共通があるかも知れないので【撮影】しつつ【情報収集】
1人を上手く【ふみつけ】ることが出来れば
「ナゼ、彼ヲ狙ウ」と
【傷口をえぐる】ように【恐怖をあたえる】
吐くとは思っていない
手がかりを探ソウと思う

だが最重要はテレビウムの保護だ
できるなら抱きかかえるなりしたいが
近くのものをサイコキネシスで動かしつつ数をへらして行こうとします


ラウル・シトロン
テレビウムの顔に鍵が浮かぶ事件か。
色々と気になるけど、今は狙われているテレビウムを助けないとだね。

狼の姿になるよ。
近くにいる敵は噛み付いたり引っ掻いたりして、少し遠いところにいる敵は小さな火球を飛ばして、敵を倒すことに専念しよう。
敵からの攻撃は聞き耳を立てたり野生の勘を働かせたりしながら、逃げ足で避けるよ。
避けられないと感じたら、小さな火球で燃やせるものなら燃やそうと思う。
ただ、小さな火球じゃ無理だと思ったら、すぐに全力魔法で【ウィザード・ミサイル】を使おう。



 一足飛びに間合いを詰め、握った飛苦無を突き刺そうとする紫御殿。
 避けるどころか、何が起こっているのかすら分かっていないようなテレビウムは、ただその動きをぽかんと見つめてしまい。
 その刃が届く直前、テレビウムの前に大柄な背中が割り込んだ。
「てれびうむノ保護ヲ優先」
 呪剣アオス・シュテルベンで苦無を受け止めたカイジ・レッドソウル(プロトタイプ・f03376)は、テレビウムを背に庇ったまま、背部のテイルブレードを抜き放ち、紫御殿へと一閃する。
 肩から深く切り裂かれながらも、紫御殿は後ろに飛び離れ。
 空いた空間に、立ちはだかるように、指矩・在真(クリエイトボーイ・f13191)とラウル・シトロン(人狼のひよっこ探索者・f07543)が飛び込んできた。
「テレビウムの画面に鍵……どういうことなんだろうね」
「確かに、色々と気になるけど」
 言葉を交わしながら、在真とラウルは肩越しにちらりとその鍵を見る。
 液晶テレビ画面に映る、宝箱でも開けられそうな鍵の映像。
 だが、当のテレビウムは、勝手に映し出された鍵よりも在真達を見て。
「うわぁ。猟兵だぁ」
 困惑を感激が塗りつぶしているようでした。
 状況が上手く把握できていないからこそ、分かりやすい部分に……憧れの猟兵達が目の前にいる、という部分に反応しているのかもしれない。
「本機ノ側カラ、離レテハイケナイ」
 どこかふらふらと、戦いをよく見ようと出てきそうな、危うい雰囲気を感じて、カイジが牽制するような声をかける。
 その言葉を肯定するように、在真はこくりと頷いて見せ、ラウルは八重歯を覗かせ笑いかけてから、2人は前へと視線を戻し。
「目の前の怪人に集中なんだよ!」
「今は狙われているテレビウムを助けないとだね」
 改めて、紫御殿に向き直る。
 テレビウムに襲い掛かった1人の後ろにも、紫御殿は何人も姿を見せていて。
「仮面狼群の術でござる!」
 その傍らそれぞれに、仮面をつけた狼の群れが現れた。
「行くでござる」
 1人の指示に、召喚された狼全てが地を蹴る。
 迫り来る狼の波を、だが在真は落ち着いた大きな瞳で見つめながら。
「特殊コード申請……承認完了」
 呟くような声と共に、在真の周囲に幾つものウィンドウ画面が展開された。
 見た目にはただ、それだけ。
「もう君が動く理由なんてないんだよ?」
 狼達は戸惑ったようにぱらぱらと足を止め、互いに顔を見合わせたり、紫御殿へ問いかけるかのように振り返ったりし始める。
 画面から無音で広がる見えない妨害電波が、記憶を封印したのだ。
 テレビウムに襲い掛かっていた理由を見失い、目的を忘れて立ち尽くす狼の群れ。
 広範囲に広がった電波は、紫御殿も捕えていたらしく、女忍者達もおろおろと互いに仮面を見合わせている。
 そんな状況のうちに。
 紫御殿が立ち直り、狼達へ新たな指示を飛ばす前にと。
 人狼たるラウルは狼の姿へとその身を変え、近くの狼へと襲い掛かった。
 太い牙で噛みつき、鋭い爪で引き裂き。
 加勢するべきかとこちらに視線を向けた周囲の狼達には、小さな火球を飛ばす。
 在真も、宙に展開したウィンドウ画面から今度は電撃を飛ばし、ラウルの死角や届かない場所にいる狼を、正確に1匹1匹を撃ち抜いていった。
 さらに、道端に置いてあったゴミ箱や自転車などの物体をカイジが見つめると、ふわりと浮かんだそれらは狼達へと飛んでいって。
 不意の飛来物にまた戸惑うそこへと、ラウルが牙をむいて飛び込んでいく。
 電波にサイコキネシスに援護を受け。
 ラウルも火球を炎の矢に変え、着実に狼を燃やし消し、噛み裂き倒していく。
 忘却による棒立ちの状態から、反撃という目的を新たに得て、襲い掛かってくる狼が増えてきたけれども。
 耳を立てて音を聞き、顔を巡らせ隙なく周囲を見て、野生の勘も働かせながら。
 牙を爪を避け、逃げつつも、一瞬の好機を逃さずに、牙で爪で炎で倒していった。
 狼の群れがどんどんその数を減じていく中で。
 一番遠くにいて、妨害電波の影響が薄かったと思われる紫御殿が2人、ラウル達を避けるルートでテレビウムを狙って飛び掛かってくる。
 だが、テレビウムはちゃんとこちらの指示に従ってくれていた。
 傍から離れなかったカイジが、ひょいとテレビウムを抱え上げると、攻撃を避けたその流れの中で呪剣を振るい1人を切り裂く。
 負傷に下がるのはそのままに、もう1人の足を狙って一閃し。
 さらに蹴りを放って地に転がすと、その背をぐっと踏みつけた。
「ナゼ、彼ヲ狙ウ」
 静かな声色に、うひっ、と抱えたテレビウムが声を上げる。
 自身に向けられたものでないと分かっていても感じる恐怖に、周囲の温度が数度下がったような錯覚すら覚えて。
「答えると思うでござるか?」
 だが、踏みつけられ恐怖を与えられて尚、紫御殿は仮面の向こうに笑みの気配を見せ、望むものを与えてなどやらないと反抗を見せる。
 とはいえ、カイジ自身も吐くとは思っていなかったので。
 先ほど物品を動かしていたサイキックエナジーを足の下の紫御殿に向け、呪剣の一突きと共に1人を倒し消した。
 そのままテレビウムを小脇に抱え、カイジは戦況を見る。
 人間の大体4分の1程度と小さな身体のテレビウムと、人間より格段に大きな身体のウォーマシンのカイジ。
 抱えたままでも戦闘に支障はないし、守るにもこの方が便利だし。
「猟兵に抱えられてる……!」
 テレビウムも不快どころか感激しているようだし。
 下ろさないままで、周囲を見回す。
 ラウルと在真の連携で、狼はもう数える程しか残っておらず。
 だが紫御殿は戦意を取り戻し、こちらへと改めて迫り始めていた。
 先ほどから続けている撮影を尚も継続しながら、より多くの情報を集め。
 少しでも手掛かりをと探していく。
 とはいえ最重要は、当然、テレビウムの保護。
 それも忘れずに。
「かっこいいなぁ……」
 腕の中でうっとりした声を上げるテレビウムをちらりと一瞥してから、カイジはまた、紫御殿達を見据えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

仁科・恭介
※アドリブ、連携歓迎
【目立たない】よう隠れて様子をみながら【携帯食料】を食んでいたが
動揺ではなく勘違いしていることに苦笑い
「そのシチュエーションをそのまま使おう」【学習力】

マフラーを口元まで引き上げ声をかける
「えっと、どこのストーカーさんかな。彼も困ってるだろ?」
【ダッシュ】で壁を駆け抜け忍びと彼の間に割り込む
「しかしおたくモテるねぇ」と言いつつ壁をトントンする
また【吸血】本能で忍者の血の匂いを覚える
「これで目つぶしされても最低限はいけるか」
出てきたアイテムを【目立たない】ように忍者になげ隙を作り斬る
斬った事で崩れた囲みの一角を彼を抱えて抜ける。まずはそれだ
「君、一体何人の子に恨みかったの?」


ユウカ・セレナイト
*アドリブや誰かとの連携は歓迎です*

鍵付きのテレビウムさんを襲うオブリビオン……
何か秘密があるのかしら?
とはいえ、訊いてもお答えはなさそうね

さて、さて、誰かがいらっしゃるならご一緒しましょう!
私、一人では何もできないものね
ああいえ、何もというわけではないのだけれど!
音楽を奏でることならば、誰にも負けない自負はあるわ!

勇ましく旋律を奏でて、味方を【鼓舞】しながら
敵さんたちを引きつけていきましょう
テレビウムさんのほうへ行かせるわけにはいかないわ
ほらほら、敵さんこちら、手の鳴るほうへ!

引き付けたなら弓を横薙ぎに一振り
音の波が生み出す衝撃波で迎え撃ちましょう
倒せなくとも、隙くらいは作ってみせるわ


アイン・ローレンス
【SPD】

んー、なぜ鍵が映りオブリビオンに狙われるのか…不思議ですね
何も分からないまま追いかけ回されるだなんて可哀想です
一刻も早く助け出してあげましょう!

【第六感、聞き耳】を頼りに僅かな音も逃さぬよう裏路地を走り回る
見つけた!のは良いですけど…なんだか嬉しそう?
でもあの紫のお姉さんたちは危ないので、私たちからあまり離れないようにして下さいね
大丈夫、必ずお助けします!

彼を護るように位置取り「友の友」でまいたけ軍に手伝って貰います
皆さんが動き易いよう鎖で拘束したり、隙を見て鎌で攻撃を
【全力魔法、範囲攻撃、属性攻撃】
白い仮面は私が風の魔法で【吹き飛ばし】道を作ります!
攻撃が来たら彼を抱え【見切り】



「モテ期、か」
 携帯食料片手に隠れて様子を見ていた仁科・恭介(観察する人・f14065)は、テレビウムの様子に思わず苦笑を零していた。
 まさか、恐怖や戸惑いではなく、前向きな勘違いが出て来るとは。
 思いもかけない呟きを拾い、これはこのシチュエーションをそのまま使ってあげようかと面白がるように笑う。
「見つけた!」
 そこに、少し息を弾ませて、アイン・ローレンス(気の向くままに・f01107)も裏路地を駆け寄ってきて。
「……なんだか嬉しそう?」
 テレビウムがウォーマシンに抱えられる様子に、こてんと首を傾げた。
 怖がっていないのは、まあ、良かったのかな、と思いつつ、でも周囲を狼と紫御殿に囲まれている光景は楽しいものではないだろうから。
「何も分からないまま追いかけ回されるだなんて可哀想です。
 一刻も早く助け出してあげましょう!」
「そうだな」
 頷く恭介に振り向けば、柔和な笑みが背中を押した。
「さて、さて、私もご一緒しましょう! 私、1人では何もできないものね。
 ああいえ、何もというわけではないのだけれど!」
 朗らかに、どこか歌うように、飴色のヴィオラを携えたユウカ・セレナイト(すべての夢見る者たちへの賛歌・f13797)も肩を並べて。
「音楽を奏でることならば、誰にも負けない自負はあるわ!」
 銀月のように目を細め、そのまま歌い紡ぐのは、未来を紡ぐ者たちへの譚歌。
 ユウカが確かにできること。
「さあ語り讃えましょう、そのみちゆきを」
 鼓舞するようなその歌声に力をもらいながら、恭介とアインも戦場へと駆け出した。
 紫御殿の間をすり抜けつつ、マフラーを口元まで引き上げると、恭介は面白がるように声をかける。
「えっと、どこのストーカーさんかな。彼も困ってるだろ?」
 仮面の向こうに微かな困惑を感じながら、笑みを深くして。
 路地の壁も蹴り駆けながら、包囲網を飛び越えるかのようにして着地する。
「すごい……」
 抱えられたまま顔だけをこちらに向け、感激するテレビウムにひらりと手を振り。
「しかしおたくモテるねぇ」
 言いながら恭介は、すぐ傍の壁をコンコンと叩く。
 キマイラフューチャーの特徴である不思議な壁から出て来たのは、何本もの、色とりどりのカラーペン。
 赤を青を黄を緑を、さり気なく受け止め、持ち替えると。
 目立たぬ小さな動作で紫御殿へと投げ放つ。
 恭介からのカラフルな投擲を、紫御殿は油断なく避け躱して。
 そこにサムライブレードを携えた恭介が迫る。
 さらに、回避により空いた道をアインが駆け抜け、合流した。
「あの紫のお姉さんたちは危ないですから」
 テレビウムの前へ守るように立ちふさがると、ふわりと広がるウェーブのかかった銀色の長髪が煌めいて。
 その輝きに注がれる視線を感じ、アインはふと、振り向く。
「大丈夫、必ずお助けします!」
 任せてください、と軽く両手を拳にして見せて笑いかければ。
 アインの周囲に現れる、鎖鎌を抱えるように持った鼬の群れ。
「かまいたち軍団、まいたけ軍です」
 アインの紹介にキリッとした眼差しを見せた27体の鎌鼬は、一斉に紫御殿へと飛び行き斬りかかった。
 鎌の刃が、連なる鎖が、閃き飛び交うその中で。
「仮面手裏剣の術でござる!」
 紫御殿は懐から真っ白な仮面を取り出し、放つ。
 手を離れた仮面は、真っ直ぐに飛ぶかと思いきや、途中でその軌道を不規則に変えて、回避動作を取っていた恭介を捕え、その顔を覆う。
 塞がれた視界に、恭介は小さく舌打ちして。
 だが、刀を振るうと、負傷していた紫御殿へと斬りかかっていく。
 仮面越しに姿が見えているわけではない。
 頼りにしたのは視覚ではなく、嗅覚だった。
 ダンピールの吸血本能で最初から覚えておいた紫御殿の血の臭いを嗅ぎ分け、その匂いを切るように刃を振るったのだ。
「最低限はいけるか」
 手応えを感じながら、でも不便は不便だなと思っていると。
「動かないでくださいね」
 アインの声に一瞬、恭介は動きを止める。
 1体の鎌鼬がその鎌を振り下ろし、白い仮面は綺麗に両断され、剥がれ落ちた。
 よくできました、と鎌鼬を撫でて褒めるアインに、お礼の会釈を送ると。
「ほらほら、敵さんこちら、手の鳴るほうへ!」
 包囲網の向こうで、残っていたユウカが紫御殿を引き付けるべく動き出す。
 外周にいた紫御殿が近づいてきたところで、ユウカは弓を横薙ぎに一振り。
 音の波が空気を震わせ生み出した衝撃波が、紫御殿の足を止めた。
 アインも、尚も飛んできていた白い仮面を風の魔法で吹き飛ばし、さらに風を強くして紫御殿も吹き飛ばせば、大きく開かれる道。
「今です!」
 アインの声に、猟兵達は走り出した。
 とりあえず包囲されている状況から逃げ出して、戦況を変えるために。
 ユウカはさらに歌声を響かせ、その道行きを支援して。
 抱えられたテレビウムと並走した恭介は、追いかけて来る紫御殿達を肩越しに見やる。
 最初に現れた時から数を減じているものの、まだまだ残るオブリビオンを。
「君、一体何人の子に恨みかったの?」
 おどけたような恭介のセリフに、テレビウムはぶんぶんと首を横に振っていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

栗花落・澪
【星海花】で参加

狙われていたテレビウムを守るため
抱き抱えるようにしながら【オーラ防御】しつつ後ろに退き

出来るだけどこかに隠れててね
流れ弾が来ないとも限らないから

いつでも守れるようなるべくテレビウムの傍に
囲まれた時を警戒し背後の地面を一時的に
【高速詠唱】の氷の【全力魔法】で凍らせる事で
壁を足場にしたり跳ばないと超えられないようにして時間稼ぎ

他の2人の攻撃と時間差で隙を埋めるように
氷の【全力魔法、範囲攻撃】を敵に飛ばし
数減らし、または致命傷にはならずとも
凍結による鈍化や動き封じ狙い

更に敵のWIZ発動動作が見えたら【指定UC】を発動
分身達と共に【歌唱催眠】
獣の聴覚を潰し更に忍者達にも睡魔のデバフ


ヘスティア・イクテュス
【星海花】
鍵のテレビウム
目的は分からないけどやらせはしないわ!


零と澪の間、どちらも援護にすぐ回れる位置で立ち回るわよ
さぁ、行くわよ!

ミスティルテインで零の攻撃タイミングとズラして射撃&攻撃の隙を埋めるよう攻撃を行い
回避しづらく&零に反撃しにくいよう立ち回るわ
後ろは任せなさい!

UCのフェアリーズは弾幕で狼の群れへ対処&澪の方へ向かわないように進路を防ぐようにね

自身への攻撃はガーディアンの【バリア:オーラ防御】で対処よ


囲まれたら澪が時間稼ぎしてる間にそっちへ援護を
アベル(ティンク・アベル)一部フェアリーズ操作を預けるから零の援護お願い!


天星・零
【星海花】

『僕は霊術師なので前で戦うのは苦手なんですけど。ふふ‥これも依頼なので仕方ないですね。』

万が一がないよう【第六感】と【情報収集・世界知識】の能力より観察眼と知識の観点から戦況と相手の弱点(または急所)を常に観察しながら戦闘

武器のグレイヴ・ロウで遠距離から攻撃、防御をするが、近接に持ち込まれたら武器Øで対応、防御は星天の書-零-で【オーラ防御】

WIZ技が来たら

『おや、狼。それなら僕も家族を出しましょう。おいでルー。』

指定UCを使って一緒に戦ってもらう。
時には一緒に連携したり臨機応変に
敵を吹雪により氷状態にさせたり剣を用いる

UC口調は秘密の設定参照
キャラの口調はステシ参照


木元・杏
※連携・アドリブOK

「彼」をかばうように割り込む
サムライエンパイアじゃ見慣れない景色で少し緊張
でも、襲ってる人達は見慣れた服装だからほっとして
……変だけど、ん、いつもどおり

大丈夫、たすけにきたの
……あなたお名前は?
たすけたい人の名前知らないのは変だから

第六感働かせながら【絶望の福音】で仮面を放つタイミングを計って。
うさみみメイドさん(人形)、早業で女忍者に近付いて攻撃を仕掛けて?

わたしも仮面は見切って避けて
避け切れないものは剣の白銀の光でオーラ防御

あなたたち、誰かに頼まれたの?
……おんなのひとをけしかけて
おとこのひとをおいつめる事、
おとうさんは何て言ってたかな
…………つつもたせ?(首かしげ)



 木元・杏(微睡み兎・f16565)は、サイバーパンクな街並みを眺め、その身に少しだけ緊張を走らせる。
 猟兵として様々な世界に行くのは初めてではなかったけれども。
 見慣れない世界には、物珍しさと共に警戒してしまっていて。
 杏は、裏路地とはいえ充分ポップな光景をじっと見つめていた。
 そこに、顔に鍵の画像を映し出したテレビウムを伴った猟兵達が駆け込んでくる。
 追いかけるのは、紫色の忍装束を纏い、紫色のポニーテールを靡かせた、白い仮面の女忍者達。
 紫御殿を見た杏は、どこかほっとして息を吐いた。
「……変だけど、ん、いつもどおり」
 見慣れたサムライエンパイアを感じさせる相手に、何となく緊張を解いて。
 脇に抱えられたままのテレビウムを庇うように割り込んだ。
「大丈夫、たすけにきたの」
 肩越しに味方だと声をかけてから、紫御殿と対峙する。
 杏に続き、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)と天星・零(多重人格の霊園の管理人・f02413)も飛び出して。
 ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)は、皆の援護を意識しながら、立ち位置を調整する。
 途中でちらりとテレビウムを見て、そしてそれを抱えたウォーマシンへと視線を送り。
「カイジ、そのまま守ってあげていてね」
 頼んだわよ、と笑いかけた。
 赤いフェイスカバーに覆われた顔が首肯し、そっとテレビウムを持ち直す様子を確認してから、ヘスティアはビームライフルを構える。
「さぁ、行くわよ!」
「僕は霊術師なので前で戦うのは苦手なんですけど。
 ふふ……これも依頼なので仕方ないですね」
 零はゴールドとワインレッドの瞳を細めて笑うと、応えるように片手刃を出した。
 増援に警戒するように足を止めた紫御殿を刃でそっと指し示すと。
 その足元の地面から突き出す十字架の墓石。
 グレイヴ・ロウの攻撃力もさることながら、下からという思わぬ方向に紫御殿達は慌てふためき。
 その動揺を狙って、ヘスティアはミスティルテインを撃ち込んだ。
 墓石とビームライフルの時間差攻撃。
 それが一段落した、と思ったそこに。
「今度は僕だよ」
 高速で呪文を唱え、待ち構えていた澪が、全力で氷魔法をばら撒いた。
 広範囲を賄う分威力が落ちたのか、紫御殿にさしたるダメージにはならなかったようだが、澪の狙いは氷そのもの。凍結し冷えた身体は、動きが鈍くなっていて。
 そこに再び、グレイヴ・ロウとミスティルテインの連撃が下から上から放たれる。
 そんな戦況を油断なく見据えていた杏は。
「……あなたお名前は?」
 不意に後ろへ振り返ると、テレビウムに声をかけた。
「ぅえっ!?」
「たすけたい人の名前知らないのは変だから」
 思わぬ問いかけに素っ頓狂な声を上げるテレビウム。
 そんなに可笑しな問いかけではないのだけれども。
 憧れの猟兵が、自分なんかの名前を聞いている。
 誰にも気に留められなかった自分を、猟兵が知ろうとしている。
 その状況をどこか信じられずに、テレビウムは呆然としてしまい。
「さきに名乗るべき、だったね。
 わたし、木元・杏。こっちは、うさみみメイドさん」
 その状況を違う風に解釈したらしい杏は、傍らのうさ耳付きメイドさん人形と共に、胸に手を当て自身を示すようにしながら名乗る。
 そして改めて。
「お名前は?」
「……ソリ。ソリ・テュード」
「そう、ソリね。よろしく」
 交わした名に頷くと、杏のセミロングの黒髪が肩口でさらりと揺れた。
 そのまま元の通りに前へ向き直り、杏が見つめた先で。
 紫御殿が懐から白い仮面を取り出す。
「仮面手裏剣の……」
 だがそれが放たれる未来を阻止するように、うさみみメイドさんが一気に間を詰め、拳を蹴りを繰り出していく。
 操り糸と共に、腰に巻かれた桜色のリボンもふわりと踊り、舞うように流れるように連撃を続けて。
 うさみみメイドさんの最後の一撃が、紫御殿の腹部を捉え、打ち倒した。
「こうなれば、再び仮面狼群の術でござる!」
 数を減じた紫御殿は、対抗するように周囲に仮面をつけた狼の群れを召喚。
 手数で押していこうとするけれども。
「おや、狼。それなら僕も家族を出しましょう」
 ふわりと微笑んだ零が、傍らを指し示すように手を広げる。
「おいでルー」
 狼には狼を。
 呼びかけに応じ、姿を現した命凍らせる氷霧の銀狼は、零に寄り添うようにその身体を摺り寄せつつ、柔らかな金髪を見上げて。
 その意図を読み取ると、仮面の狼の群れへと飛び込んでいく。
 周囲に纏う、絶対零度の氷の吹雪が次々と仮面の狼達を凍り付かせ、その先の紫御殿へと飛びかかるように襲い掛かった。
 さらに澪も、氷魔法を重ねて、銀狼のサポートをしながら。
「い……いけー、僕の分身!」
 生み出したのは、小さな小さな澪自身。
 数える気を失くすほどの無数の小天使は、無邪気に遊びに行くかのように、狼達へと群がっていった。
「あら、それ何て技だったかしら?」
「言わない! 意地でも言わないぞ!」
 くすくす笑うヘスティアに、ムキになって言い返す。
 ちなみに、極めて小さい天使の物量アタック、です。
 自身が小柄で華奢なことを気にしている、カッコよくなりたい男の子の澪には、確かに『小さい』とか『可愛い』は自分で言いたくないところでしょう。
 女の子と見まごう程に小さくて可愛いから余計。
「いくよ分身!」
 ヤケクソ気味に叫ぶ澪の心中を欠片も気にせず、小さな澪の群れは、楽しそうに可愛らしく歌を紡ぎ、澪とその声を重ねて狼を倒していく。
 とはいえ、相手の数も一気に増えているので。
 他に対処する隙をついて、3匹の狼が死角へと回り、零と澪へと襲い掛かる。
 とっさに澪が冷気を向け、氷の壁を作るけれども。
 低い壁はあっさりと狼に飛び越えられ。
 だが、飛び越えるその動作で稼いだ数舜に、ヘスティアが叫ぶ。
「来なさい! フェアリーズ!」
 今度は、小型の妖精型ドローンが召喚された。
「アベル、一部フェアリーズ操作を預けるから零の援護お願い!」
『かしこまりました』
 サポートAI端末であるティンク・アベルとの分担で、零と澪それぞれを庇うようにドローンを操作、ミスティルテインによる砲撃と合わせて弾幕を張り、死角を守っていく。
「後ろは任せなさい!」
 頼もしい声を聞きながら、澪は小天使達と共に歌にさらなる力を込めて。
 零は銀狼と並走するように、冷気を纏い、狼の群れの間を突っ切っていった。
 杏も、うさみみメイドさんを操り、狼達を殴り避けて。
 白銀の光を集めた剣で、花弁のように温かな陽の色を舞い散らせながら、紫御殿と切り結んでいく。
「あなたたち、誰かに頼まれたの?」
 苦無と陽光が交差し、金属音を響かせる中で尋ねるけれど。
「答える必要はないでござる!」
 返ってきたのは、やはり回答を拒否する言葉。
 そう、と杏は、さほど残念そうでもなく静かに告げ、剣を大きく跳ね上げた。
 逆手に持った飛苦無を弾かれ、少しバランスを崩した紫御殿に、うさみみメイドさんが肉薄し、叩き込まれる拳の連撃。
 ふらり、と揺れた紫御殿は、杏の一閃で膝を折る。
 倒れるその姿を見下ろして。
「おんなのひとをけしかけて、おとこのひとをおいつめる事。
 おとうさんは何て言ってたかな」
 ふと、昔の記憶を思い出すかのように、こくんと首を傾げる杏。
「……つつもたせ?」
「おとーさん何教えてるの!?」
 いたいけな少女の口から出た答えに、思わず澪の頬を冷や汗が伝った。
 その頃には全ての狼は姿を消していて。
 残る紫御殿も2体のみ。
 それでも苦無を手に斬りかかってくる紫御殿だけれども。
 ヘスティアの周囲を漂う小さな球体状のドローンが自動でバリアを展開し。
 卵に入った小さな天使がその殻で受け止めて。
 攻撃が止まったところに、銀狼の吹雪が広がり、氷結に封じ込める。
 そして、零がグレイヴ・ロウで攻撃しつつ足元を崩したところへ。
「鍵のテレビウム……目的は分からないけどやらせはしないわ!」
 ヘスティアのビームライフルが撃ち込まれ。
 紫御殿は崩れるように姿を消した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『アキクサさま』

POW   :    ぽかぽかの風
【召喚したヒーターの熱風】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    どっちが本物?
【もう一羽のアキクサさま】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    究極の平和主義
全身を【スーパーもふもふモード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。

イラスト:橡こりす

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 紫御殿が消えた裏路地に、元の静寂が戻ったのを確かめて。
 抱えられていたテレビウムのソリは、やっと地面へ下ろされる。
「ええと、あの……ありがとう……?」
 礼を言うソリの歯切れが悪いのは、結局何が何だか分からないままなのと、未だ液晶テレビ画面に鍵の画像が映ったままだからだった。
 どうしたものか、と猟兵達が互いに顔を見合わせていると。
「あ、あれっ!?」
 ソリの慌てた声に、皆の視線が集まる。
 先ほどまで鍵だけだった画面に、地図も映し出されていた。
 簡易な地図は、要所の目印を記すと共に、少し離れた場所を矢印で指し示していて。
「ここに向かえ……ってこと?」
 誰かがぽつりと呟く。
 その正誤を話し合う間もなく。
 今度はピンク色の鳥が、無数の大群を作り、裏路地の向こうから迫ってきた。
「うわわわ!?」
 鳥が現れたのは、地図に示された場所とは逆方角。
 それならばと、猟兵達はソリと共に駆け出す。
 ピンク色の鳥のオブリビオンから逃げるように。
 そして、地図に示された場所へ向かうために。
仁科・恭介
※アドリブ、連携歓迎
「女の子の次は鳥ですか…いやぁ、ソリ君モテるねぇ」
逃げるにしても少し時間を稼がないと…と【携帯食料】を食みつつ鳥たちを見据える
鳥たちを見ると(【学習力】)どうも先頭二羽くらいならまとめて抱えられそうだ
なら、それを押し返したら足並み乱れるかな
「後から追い付く!」
UCで両足、腰、両腕の細胞を活性化し、クラウチングスタートの態勢から鳥の群れに【残像】を残すスピードで【ダッシュ】
そのままタックルの要領で鳥達を押し返す
後ろから来る鳥たちに押しつぶされろ
これだけやれば時間も稼げるだろ
苦し紛れに無敵状態になったら御の字
「進軍は止まったか。じゃ一羽ずついくか」
サムライソードを抜きつつ斬る



「女の子の次は鳥ですか……いやぁ、ソリ君モテるねぇ」
「えっ、いやっ、そのっ」
 走りながらにこにこと話しかける仁科・恭介(f14065)に、ソリは途切れ途切れに返事にならない返事を返す。
 人間より小さなテレビウムの身体、しかもどうやら運動が得意には見えないソリには、逃げるのが精一杯のようで。
 もしかしたら、モテ期、とか口走ったのを後悔しているかもしれない。
(「逃げるにしても少し時間を稼がないと……」)
 その様子に、恭介は走りながら齧っていた携帯食料を一旦仕舞うと、足を止めた。
 くるりと踵を返し、相対するのはピンク色の鳥の群れ。
 普通の鳥より格段に大きく、丸っこい身体のアキクサさまは、どうやって飛んでいるのか一瞬疑問に思うほど小さな羽をわたわたさせて向かってくる。
 その数、100に近いかもしれない。
 ならば、と恭介は群れの先頭に飛び込み、両腕それぞれに1羽ずつ、アキクサさまを抱え捕えながら押し返した。
 驚いて、鳴き騒ぐアキクサさまの足並みが乱れ、追う動きが少し止まり。
 そして恭介と共に走っていた猟兵達が振り返っていたが。
「後から追い付く!」
 声を飛ばすと、仲間達はすぐさま駆け出していった。
 アキクサさまもその動きを追うべく、また羽ばたき始めるけれども。
 そこに、クラウチングスタートの要領でダッシュをかけた恭介が突っ込んでいく。
 共鳴によって、足や腰や腕の細胞を活性化させ、残像が見える程のスピードで。
 抱えたアキクサさまにより表面積を増やした状態で。
 全力でぶちかますタックル。
 多くのアキクサさまをもふもふっと巻き込んで、さらに、後ろから飛んでくるアキクサさまと挟んで押し潰すように抑え込む。
 とはいえ、鳥の数が数。
 全てのアキクサさまを止めることなどできるわけもなく、大半は恭介を避けてソリへと飛び向かったけれども。
 思った以上に多い数が恭介を取り囲んでいて。
 まずは邪魔者を排除しようというのか、次々にヒーターを召喚し始める。
 臨戦態勢を取る明らかに数の多い敵に、完全に周囲を囲まれ逃げ道も見えない程の状態に、だが恭介は不敵に笑い。
「進軍は止まったか」
 時間稼ぎには充分以上の役目を果たせていると実感する。
 後は、ここに残ったアキクサさまが、再びソリを追わないようにできれば文句なし。
 だから。
「じゃ、1羽ずついくか」
 数の差など気にもせず。
 すらり、とサムライソードを抜き放ったかと思うと一閃させ、恭介は手近な1羽を早速斬り倒した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイン・ローレンス
【WIZ】

鍵に地図…なんだか宝探しのようになってきましたね!
ただ地図の場所にあるのはお宝かはたまた罠か…
どちらにせよたどり着くためにはこの鳥をなんとかしなければ
どれだけの数で来ようと関係ありません、広範囲で一網打尽にしてあげますよー!

【全力魔法、属性攻撃、範囲攻撃】
「エレメンタル・ファンタジア」雷の津波【マヒ攻撃】で動きを止めるよう試みます
スーパーもふもふモード?なんですかその素晴らしい響きは!
こちらの攻撃が効かないのは厄介ですが、動けないのは好都合ですね
モードが切れても動けないよう【2回攻撃】氷の津波でガチガチに覆い尽くしておきましょうか
…よし。このあとは皆さんにお任せします!


ヘスティア・イクテュス
【星海花】
地図と鍵…
どういう結果をもたらすのか分からないけど

海賊としては見逃せないわよね!


モフりに行った澪を見て、じゃあ体で足止めよろしく頼むわよっと
あの娘の犠牲は忘れないわ


澪で止められない分は
フェアリーズを召喚してビームを一斉射撃
これで数を減らすか足止めを狙うわ

可能ならアベルの遠隔操作でそのままそこに足止め出来れば行幸
ダメでもまぁ、完全に距離を詰められなければ良いわね

それじゃあソリ行きましょうかと
後は道中の護衛、数が多そうならわたし達も足止めに回るわよ零


栗花落・澪
【星海花】で参加

結構いるなぁ鳥さん
可愛いんだけどなぁ…敵なんだもんなぁ…

とりあえず【UC】で大量の分身を出し
攻撃部隊と攻撃部隊を守る卵部隊とで一斉に鳥達に向かわせ
僕の魔力と共鳴させて氷魔法の【範囲攻撃】

あれ、もしかして攻撃誘発させれば勝手に止まる?
気付いた瞬間瞳を輝かせ

ソリ君大分疲れてるだろうし
僕囮するから先行ってて!
引きつけてる間に2人は残りよろしくねっ

ほらほらーおやつだよー
★Candy popの【誘惑】+飛行で誘導
数減らしとして貢献

上手い事誘導されてくれた鳥さん達は本当に餌付けしたり存分にもふもふして
満足したら光の【破魔、全力魔法】で痛みを与えず
陽だまりのような暖かさで浄化していきます


天星・零
【星海花】

対象を護衛しながら

『ふふ‥宝の地図と鍵宝探しは冒険の匂いですか。なら、差し詰め彼らは冒険者の行く手を阻む魔物‥‥いや、困りましたね。こんなに可愛いと倒したくないですね。』

指定UCを使い吹雪を起こす

万が一のないように【第六感】
WIZ技で対抗してきたら

『おや、動けなくなるのですね?ふふ‥これは好都合‥』

栗花落さんの囮役の申し出に

『えぇ、いいですよ。お願いしますね』
と、微笑み見送った後
ヘスティアさんに振り返り

『ふふ‥さて、逃げましょうか。』

と言って、逃走
万が一追ってこないように、指定UCで再度吹雪起こして今度は凍らせる+武器のグレイヴ・ロウで道を塞ぐ

UCの口調は秘密の設定
キャラはステシ参照



「鍵に地図……なんだか宝探しのようになってきましたね!」
 ちらりとソリの画面を見ながら、アイン・ローレンス(f01107)がどこかわくわくしたような口調で呟く。
「地図の場所にあるのはお宝か、はたまた罠か……」
「どういう結果をもたらすのか分からないけど、海賊としては見逃せないわよね!」
 うんうんと頷くヘスティア・イクテュス(f04572)も、期待に胸を弾ませた。
 父のような海賊になるために、冒険譚は欠かせない。
 憧れの背中を追いかけるかのように、ヘスティアは走り行く。
「ふふ……宝の地図と鍵宝探しは冒険の匂い、ですか。
 なら、差し詰め彼らは冒険者の行く手を阻む魔物」
 仲間の様子に微笑んだ天星・零(f02413)は、そのままちらりと背後を見やり。
「……いや、困りましたね。こんなに可愛いと倒したくないですね」
 魔物、とは言い難い愛らしさに苦笑する。
 丸々としたピンク色のアキクサさまは、丸々とした瞳をじっとソリに向けて、丸々としたちっこい翼でわたわたと追いかけてきていた。
「結構いるなぁ、鳥さん」
 栗花落・澪(f03165)も肩越しに振り返ると、しみじみと呟く。
 道の向こうが見えないくらい、裏路地にひしめく、まさに群れ。
 不意に足を止めた恭介が、タックルをかけつつそこに突っ込んで行き、わちゃわちゃっとピンク色が集中するけれどもそれもすぐに解けて。
 足止めにより気持ち減ったものの、まだまだ密度が薄まったとは言い難い、数の多すぎるアキクサさまの群れは、変わらずソリを追いかける。
 その、飛んでるというより転がっていると言いたくなるような姿を見て。
「可愛いんだけどなぁ……敵なんだもんなぁ……」
 澪は残念そうに、どこかしゅんとした声を零した。
 アインも丸っこい可愛さに、澪同様、心惹かれたけれども。
「でも、たどり着くためにはこの鳥をなんとかしなければ」
 迷いを断ち切るかのようにぶんぶんと首を横に振ってから、足を止め振り向くと、キリッと生命の杖を構えて見せる。
「広範囲で一網打尽にしてあげますよー!」
 振り抜かれた杖の動きに呼応するように、巻き起こるのは雷の津波。
 言葉通り、裏路地を塞ぐように広く生み出された雷は、追い来るアキクサさまの群れ、その先頭集団を飲み込んだ。
 麻痺したように動きを鈍くして、地面に落ちて行くアキクサさま。
『僕もやる?』
「えぇ、お願いします。ルー」
 並走していた銀狼が問いかけるのに、零が淡く微笑み頷けば。
 命凍らせる氷霧の銀狼の咆哮と共に生み出される、氷の吹雪。
 こちらはアキクサさまを凍らせることで落としていく。
 さらに。
「いっけー分身!」
 動きの鈍ったところへ襲い掛かるのは、5cm弱の小さい小さい澪の軍勢。
 1羽に対して数体ずつ群がると、卵の殻に入ったものが盾となり反撃を警戒する中で、ぽこぽこと何だか可愛らしい攻撃を繰り出していく。
 アキクサさまは次々と倒れ、姿を消していたが。
 最中、もふもふっと身体を膨らませると、小さい天使の攻撃が全て弾かれるようになっていった。
「あれは……スーパーもふもふモード」
「なんですかその素晴らしい響きは!」
 見抜いたヘスティアの声に、アインが瞳を輝かせる。
 防御力を上昇させ、こちらからの攻撃が効かなくなる無敵モードなのだが。
 元々、丸々として可愛い見た目が、さらにもふもふふわふわになっていて。
「何て可愛……っ」
 思わずアインは両手で口元を抑える。
 しかし、無敵とはいえ万能ではないようで。
「おや、動けなくなるのですね?」
 もっふと鎮座したままのアキクサさまを見て零がその欠点を察しました。
「もしかして、スーパーもふもふモードを誘発させれば勝手に止まる?」
「そういうことでしょうね。ふふ、これは好都合……」
 澪も気付いて推測すれば、零が微笑み頷いて。
 なるほど、と頷き返した澪は、小さな澪と自身の魔力とを共鳴させる。
 分身との連携で範囲をさらに広くした氷魔法で辺りを覆えば。
 冷気に反応するかのように、アキクサさまは次々ともふもふになっていった。
「僕、囮するから先行ってて!」
「あっ、でしたら私も囮になります」
 声を飛ばす澪に、アインもはいっと立候補。
 囮2人は次々と氷と雷の魔法を広げていく。
「栗花落さん、アインさん、お願いしますね」
「体で足止めよろしく頼むわよ、澪」
 提案通り、零とヘスティアはこの場を託すと。
「ふふ……さて、逃げましょうか」
「ええ。あの娘の犠牲は忘れないわ」
 微笑む零に頷いたヘスティアは、一瞬、上を見上げて遠い目を見せてから。
「それじゃあソリ、行きましょうか」
 何もなかったかのように顔を戻すと、ソリや他の猟兵達と共にまた走り出した。
「何か酷いこと言われてた気がするー」
「仲良しさんですね」
 ぷうっと頬を膨らませる澪に、アインは微笑まし気な笑みを向けて。
 無敵なアキクサさまに、今度は氷の津波を巻き起こす。
 狙うのはダメージではなく、凍結による行動阻害。
「これならモードが切れても動けませんよね」
 足止めにと何度も氷を重ねていった。
 そして澪は、オラトリオの白い天使の羽を広げると、ふわりと宙に浮く。
「ほらほらー。おやつだよー」
 手の平を広げて見せるのは、Candy popから取り出した可愛らしい飴玉。
 誘惑の魔力の影響か、純粋に飴玉そのものに惹かれてか、アキクサさまは澪の後をついていくように軌道を変えて。
 ゆっくり振り向き、迎え入れた澪は、そのまま手を差し出し飴玉をあげた。
 小瓶の蓋を叩けば中身は増えて、次々と転がり出る美味しい飴玉。
 群がる鳥達は大喜びで。
「うわぁ。もふもふー!」
 うずうずしていた澪が、我慢しきれず抱き付いてくるのを、飴玉のお礼に存分にどうぞとでも言うかのように受け入れてくれた。
「ああっ、やっぱり」
 それを見上げたアインも、それならば私もともふもふなアキクサさまへと飛びついて。
「……素晴らしいもふみですね……」
 うっとりと天然羽毛に顔を埋める。
「これは、いつまでも埋もれていたいような……でも、駄目ですよね……」
「そうだよねー」
 おっとりと間延びした声を交わす、アインと澪。
 永遠に埋もれていたい程のもふもふだけれども。
 相手はオブリビオンだし、ソリのこともある。
「ちゃんと後で浄化するから」
 痛みもなく、光を以って。
 陽だまりのように暖かく、終わりを迎えられるから。
 そう告げた澪は、またアキクサさまに顔を埋める。
「だから今は……もふもふー」
「はい。幸せです……」
 アインも倣って、ピンク色の毛並みをぎゅっと抱きしめた。
 もふもふを堪能しながらも、2人の氷魔法は十数羽のアキクサさまを止めて。
 しかし、後続のアキクサさまは、壁となった仲間を飛び越えてソリを追う。
 まだまだその数は、多い。
「アベル、足止めして」
『お任せください』
 ちらりと肩越しに振り返ったヘスティアが、再び迫り来るピンク色に、サポートAIのティンク・アベルと共に戦闘用妖精型ドローン・フェアリーズを向かわせた。
 小さなビームが無数に飛び交い、アキクサさまを数羽仕留めるけれども。
 その間にも後続の群れが飛び越え、追いかける波は止まない。
「数の暴力ってこういうことかしら」
「なかなか、振り切るのは難しそうですね」
 ため息交じりに言うヘスティアに、零も苦笑を浮かべる。
 グレイヴ・ロウを地面から突き出し、壁のように行く手を遮ってもみたけれども。
 やはり、一瞬勢いを止められるものの、すぐに乗り越え、間をすり抜け、ピンク色の波は止まらない。
「わたし達も足止めに回るわよ、零」
「えぇ、いいですよ」
 見かねたヘスティアが足を止めるのに頷いて、零もくるりと踵を返した。
 先へ、とソリと残る猟兵達に声をかけてから、アキクサさまに向き直り。
「アベル、サポートを」
「ルー、またお願い」
 互いの傍らに付き従う、端末と銀狼へと呼びかけると。
 ビームの雨、そして氷の吹雪舞う墓石が、アキクサさまへと向かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ラウル・シトロン
野生の勘で追い付かれそうな予感がしたら、【レプリカクラフト】で道に鳥もちを敷いて足止めするよ。
恐らく空を飛んで避けようとする敵もいると思うから、それに対してはまた【レプリカクラフト】を使ってかすみ網も張ろう。

この罠で取り零した敵には狼の姿になって、ダッシュで噛み付いて倒していこうと思う。


木元・杏
追っ手!
ソリを守りながら走って
地図の場所へ皆で向かうの

追っ手、強そう?
何だかピンクで、まぁるい気がし……(振り返って)

…………かっ (わいい、と後に続く)

……(深呼吸)
胸きゅんはあと!
うさみみメイドさん、行って
人形をもふ……アキクサさまの群れにつっこませて
ソリの姿が見えなくなるように目潰し
でも数が多いね

地図を見て……
ソリ、矢印の場所って知ってる所?ここの住人のソリなら知ってるかも
もしわかるなら、道案内お願い
なるべくアキクサさま達が少しずつでしか通れない裏道を、ね?
知らない時は第六感働かせる

【サイコキネシス】で入った道を看板とかで塞いだりして
追手の追跡を遅らせるの
ごめんね、後で元通りに戻すから


指矩・在真
狼のもふもふの次は鳥のもふもふ…
撫でたかったけど、オブリビオンなんだよねー…残念

あっちも手数を増やしてくるならこっちも手数を増やしたいし、【ライオンライド】を使おう
おいで、レオくん!

『騎乗』でソリ君も乗せたら、レオくん…全力ダッシュで逃げて!!
ぼくはレオくんの上でアキクサさまの動きを『情報収集』
回避や行動の法則を見つけたら、1カ所にまとめ上げるように『衝撃波』を軽く飛ばしていくよ
ある程度まとまったところで電撃による『属性攻撃』を『2回攻撃』、『スナイパー』のように正確にズドドンっと発射!
これで少しは数が減ってくれるといいんだけどなぁ

絡みアドリブ等大歓迎


木元・祭莉
双子の妹のアンちゃん(f16565)追っかけて!
……母ちゃんがね、父ちゃんの法螺をホンキにしないよう、付いてけって。

あきくささま?(振り返り)
わわ、桃色ー。サクランボの弾丸みたいー♪
……って、でっかーっ!?(接近)

えーと、足止めするのがいいのかな?
「やあやあ、われこそはーっ」
……気を引いてみる?
「ちーちちちち♪ コケコケー♪」(←飼ってるメンドリの真似;パフォーマンス)

うわ、分身した!?
どっちがホンモノって?
おいら知ってる、殴って手ごたえある方だ!(←脳筋)

群れにたかられたら、チャーンス♪
本隊と十分距離取ったの確認して。

「鳴き声比べと行こっか!」
せえの~。

『ぼえぇーーー!』(人狼咆哮)


カイジ・レッドソウル
アドリブ共闘歓迎

「迎撃開始、太陽の馬車始動」
少しでも数を減らすため【太陽の馬車】で敵集団に突進
テイルブレードで【なぎ払い】【範囲攻撃】からの呪剣による【串刺し】【2回攻撃】

「イカセハシナイ」
本機を無視してソリを攻撃しようとしたら最高速度で敵に体当たりでソリを【かばう】

引き続き【情報収集】の為に【撮影】



「狼のもふもふの次は鳥のもふもふ……」
 紫御殿が召喚していた狼を思い出し。
 ちらりと後ろのアキクサさまを見て。
「撫でたいけど、オブリビオンなんだよねー……残念」
 心の底から指矩・在真(f13191)はため息をつく。
 襲い掛かろうとこちらに迫ってくるピンク色の波は、数えられない程の数で。
 それならこちらも手数を増やさないと、と在真は黄金のライオンを召喚した。
「おいで、レオくん!」
 呼びかけに、在真の倍ほどの大きさを持つライオンは、穏やかな瞳を向ける。
「ソリ君、乗って」
「ぅえぇ!?」
 騎乗した在真が、レオくんの背の上から誘うように手を伸ばせば。
 レオくん登場に目を輝かせていたソリは、驚いておどおどしていたけれども。
 その身体がひょいと持ち上がる。
 カイジ・レッドソウル(f03376)は小柄なソリをあっさりとレオくんに乗せた。
 ソリを身体の前に抱えるようになった在真は、大丈夫、とにっこり笑うと。
「レオくん、全力ダッシュで逃げて!」
 飛ばした指示に、在真とソリを乗せたレオくんは走り出す。
 これなら運動が得意ではなさそうなソリも、無理なく逃げられるだろう。
 レオくんの背で走り疲れたようにくたっとするソリを見て、カイジは静かに頷き、そして護衛するように横を走り出した。
 木元・杏(f16565)も、休憩するソリを、そしてその液晶テレビ画面に新たに映し出された地図をじっと見て。
「ソリ、矢印の場所って知ってる所?」
 レオくんに乗っている今なら聞けると、並走しながら問いかける。
 土地勘のない杏には分からないけれど、キマイラフューチャーに住み、この裏路地をいつも通っているソリなら知っているかもしれないと考えたのだが。
「は、はいっ。美術館です」
 予想通りソリはすらっと答えた。
 杏はこくりと頷くと。
「道案内、お願い。
 なるべくアキクサさま達が少しずつでしか通れない裏道を、ね?」
「右とか左とか言ってくれれば、ちゃんとレオくんが走るから」
 在真も、良い提案だと納得し、杏と声を揃える。
「僕が道案内……猟兵を案内……
 あ、わ、分かりました! 頑張ります!」
 嬉しそうにソリは顔を上げ、レオくんの上から行く先をしっかり見据えると、戸惑いながらもしっかりと指示の声が飛び始めた。
 狭くて人通りも少なく、入り組んだ裏路地を。
 くねくね曲がりながらも、決して表通りに出ずに進んでいく。
 澪とアインが、そしてヘスティアと零が、足止めにと離れていくが。
 その作戦の効果を最大限に引き上げているのが、この道案内だった。
 ラウル・シトロン(f07543)も、その恩恵を受けていく。
「仕掛け罠は得意なんだ」
 言って、レプリカクラフトで作り上げたのは鳥もち。
 文字通り、鳥を捕獲するための糊を手早く裏路地に仕掛けると、狭い道ゆえに密集したアキクサさまは1羽、また1羽とひっついていった。
 とはいえ、相手は普通の鳥より大きなアキクサさま。
 その巨体から生み出される力で、かかっても引き離せる者もいたり。
 1羽がかかれば、同じ鳥もちに他のアキクサさまはかからないほど面積を占めたり。
 思った程の効果は得られないかと思ったラウルは、もう1つ、罠を生み出す。
 それは細い糸で絡めとるように捕える、かすみ網。
 アキクサさま用に、通常より太目で頑丈な糸で作り上げたそれを、空中に広げ、仕掛けると、そこに1羽が突っ込んだ。
 網に気付き、逃れようと暴れるけれども、普通より太目とはいえまだまだ細い糸はその動きに余計絡まり、頑丈な糸は切れることなく絡み付いていく。
 結果、アキクサさまは、ぐるぐる簀巻きにされたような恰好で、宙にぷらんと揺れる事となった。
 1羽、また1羽と、ぷらーんとなるアキクサさまが増えていく。
 しかしこちらも、1つの罠に1羽がかかれば他の鳥は同じ罠を避けていて。
 罠を作り出すよりも、迫って来るアキクサさまの方がまだまだ多い状況。
 多少の足止めにはなるものの、押し留めるには、足りない。
 大分数を減じているとはいえ、罠だけで対処するのは難しそうだった。
 それであれば、とラウルはその身を狼に変えて。
「また後で」
 短く告げるとダッシュをかけ、アキクサさまに噛みつきかかった。
 罠に続いて狼、という、鳥の天敵の連続出現に、ピンク色の群れは慌てたように大騒ぎを見せ、警戒する鳴き声や羽毛が舞ったけれども。
 数羽を残してまた、アキクサさまの進軍は再開される。
「迎撃開始、太陽の馬車始動」
 そこにカイジの声が凛と響いた。
 大柄な身体を電気が覆い、まるで太陽になったかのように光り輝いたかと思うと、増強された戦闘力を以ってアキクサさまの中へと飛び込んでいく。
 そのスピードは目で追うのがやっとという程。
 アキクサさまは、何が起こったのか分からない、といったぐるぐる目で弾き飛ばされ、切り裂かれて、消えていった。
 ソリの近くへと戻ると一度攻撃を止め、効果を確認したカイジは。
 再び電気を纏うと飛翔し、すれ違いざまにテイルブレードで薙ぎ払い、呪剣で貫いて、迫り来るアキクサさまを次々と蹴散らしていく。
 度重なる足止めと攻撃に、さすがのアキクサさまも数が少なくなったと実感できるようになってきた、その時。
「アンちゃん、見つけた!」
「まつりん」
 飛び込んできたのは木元・祭莉(花咲か子狼・f16554)だった。
 無邪気ににぱーっと笑った祭莉に、妹の杏が静かに驚いていると。
「母ちゃんがね、父ちゃんの法螺をホンキにしないよう、付いてけって」
 一応、お兄ちゃんらしい説明を添えて、杏の隣に並ぶ。
「それで、何してるの?」
 ……勢いで来たと言わんばかりではありますが。
 杏は気にせず後ろを指差した。
「アキクサさま、追われてる」
「あきくささま?」
 祭莉は示すその動きに倣うように振り返ると。
「わわ、桃色ー。サクランボの弾丸みたいー♪」
 零れ出た素直な感想に、杏も改めて後ろを見やる。
「……かっ……わいい」
 逃げるどころか逆に飛び込みたくなるほどの愛らしさに息を飲んだ。
 気持ちを落ち着かせるように深呼吸するけれども、胸きゅんなもふもふは変わらず。
「うさみみメイドさん、行って」
 そんな動揺を振り払うように、杏は糸を繰り、うさ耳付きメイドさん人形をアキクサさまの群れの中へと突っ込ませる。
 杏の代わりのように、ピンク色のもふもふと戯れるうさみみメイドさんを見て。
「……って、あきくささま、でっかーっ!?」
 その大きさからの対比に、祭莉は思わず驚きの声を上げていた。
 さらに、路地に置いてあった看板やら荷物やらがひとりでに、アキクサさまを妨害するように動くのに気付いて、祭莉は妹を見る。
「ごめんね、後で元通りに戻すから」
 サイコキネシスを使いながら呟く杏に、祭莉はこくんと首を傾げて考えると。
「えーと、足止めすればいいのかな? 任せて!」
 思った以上の大きさにも物怖じせずに、アキクサさまへと正面から対峙した。
「やあやあ、われこそはーっ」
 まずはと名乗りを上げてみるけれど、アキクサさまの視線はソリに向いたままで。
 気を惹く、気を惹く、どうやって? と考えた結果。
 思い浮かんだのは、飼っているメンドリのたまこ。
「ちーちちちち♪ コケコケー♪」
 物真似をする祭莉に、アキクサさまは戸惑ったように視線を向けると。
 少し考え込むような間を空けた後、分身して2羽に増えた。
「うわ!? どっちがホンモノって?」
 驚き疑問符を浮かべる祭莉だが、それも束の間。
「おいら知ってる、殴って手ごたえある方だ!」
 まごうことなき脳筋思考で1羽を手応えなくかき消すと、こっちがホンモノ、と言わんばかりにもう1羽へと改めて殴り掛かっていく。
 なんだかんだで暴れる祭莉に、アキクサさまが少し集まってくると。
 チャーンス♪ と祭莉は笑う。
「鳴き声比べと行こっか! せえの~」
 無邪気な人狼咆哮は、音程外れな曲のように響き渡り、不協和音がアキクサさまを一網打尽にしていった。
 そんな兄の活躍(?)から離れていきながら。
 杏はソリを隠すようにうさみみメイドさんを操り、時折アキクサさまへと突撃させては牽制の動きを取っていく。
 在真も、レオくんの上からアキクサさまの動きを分析して。
 軽い衝撃波でその動きを誘導すると、纏めたところに正確な電撃を撃ち込んでいった。
「大分、数が減ってきたね」
 在真の言う通り、壁のように群がっていたアキクサさまも、あと数羽。
 足止めに攻撃に確かに数を減らしてきていた。
 変わらずソリを狙ってはきているものの。
 うさみみメイドさんがその視線を遮りつつ殴り掛かり。
 在真の精密な電撃が確実に撃ち抜いていく。
 そして周囲を飛び回るカイジは。
「イカセハシナイ」
 猟兵を無視してソリへと真っ直ぐに向かってきた1羽を、これまで以上のスピードで追いすがり、最高速度の体当たりで弾き飛ばした。
「あっ。あそこです。あれが、地図にあった美術館です」
 レオくんの上で、ソリが行く手を指し示す。
 ポップな外装で色鮮やかな建物が鎮座するのを見て。
 カイジがまたスピードに乗り、在真の電撃が、うさみみメイドさんの拳が、残りのアキクサさまを一気に打ち倒した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ギヴ』

POW   :    あそんであげる
小さな【メリーゴーランド】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【遊園地】で、いつでも外に出られる。
SPD   :    しあわせになあれ
いま戦っている対象に有効な【すてきなプレゼント】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    ……わすれちゃったの?
自身が戦闘で瀕死になると【楽しかった思い出】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:棘ナツ

👑7
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠コルチェ・ウーパニャンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 普通、美術館というと、落ち着いた雰囲気の建物を想像するものだが。
 そこはさすがキマイラフューチャー。
 目にも鮮やかなビビッドカラーに塗られ、可愛らしくもポップな飾りが付けられまくった、どこか騒がしい建物になっていた。
 まあ、周囲と比較するならば、これが普通なのでしょう。
 確かに、ライオンの背から降りたソリの画面が示しているのはこの場所だけれども。
 アキクサさまを倒して無事に辿り着いたのだけれども。
 その美術館は、広い庭に不可解なオブジェが幾つかあるものの、特に美術館らしくないものがあるわけでもない、何の変哲のない場所で。
 ゆえに、どうすればいいのかなど、誰にも分かるはずもなく。
 鮮やかな建物を目の前に、次の行動を決めかねていた、その時。
 ソリが突然、光り出した。
「うわわっ!?」
 驚き慌てふためいたソリは、その場にぺたんと座り込む。
 これだけ目立てば、囮に残っていった仲間達も迷うことなく合流できるだろう。
 しかし、便利なだけではもちろんなく。
 光に惹かれるかのように、オルゴールの音を響かせて、新たなオブリビオンも舞い踊るように姿を現した。
 くるり、くるりとギヴは回る。
 ソリからの光だけでなく、色とりどりのイルミネーションの光も纏って。
 くるり、くるりとギヴは回る。
 スカートをふわりと翻し、頭のメリーゴーランドと共に。
 くるり、くるりとギヴは回る。
 バレエ舞踊のように。遊園地のように。
 オルゴールの音を響かせ、楽しい楽しい夢を紡ぎ上げながら。
 座り込んだソリは、そんなオブリビオンを見上げたまま、動かない。
 光ったまま、動けない。
 くるり、くるりとギヴは回る。
 紡がれるのは楽しい思い出。
 まだソリが独りではなかった、幼い頃の記憶。
 あそぼう、と迎えに来てくれた子がいた。
 手を引かれて公園に行けば、幾つもの笑顔があった。
 いつしか誰も迎えに来なくなって。
 公園に誘ってもらえなくなって。
 気付けば、食料を得るために決まった壁をコンコンしにいくだけの日々。
 それでいいかと思っていたけれども。
 思おうとしていたけれども。
「楽しかったなぁ……」
 魅入られたソリがうっとりと呟いた。
 くるり、くるりとギヴは誘う。
 オルゴールの音だけを響かせて、甘美な夢に捕らえるように。
 そして、その夢の繊手は、猟兵達へも伸びていく。
亜儀流野・珠
そこのお前、ソリから離れて貰おうか!
ソリよ!この戦いが終わったら楽しい事を探しに行くといい!
昔を想うのも良い!が、立ち止まるのは無しだ!
勿論こいつに捕らわれるのも無しだ!
お前の可能性は俺たちが守る!だから後は自由に楽しめ!

さて…何してくるか読めん。表情も読めん。
が、踊るのが得意なのは分かるぞ!
…俺も舞うとするか!(狐の爪を構え)
走り、跳び!「風渡り」で上下左右の空を蹴りかく乱、
隙を見て飛び込み斬る!そしてまた舞う、を繰り返し戦うぞ!
怪しい行動を見せたら少し引き、何かしてきたら様子見つつ全力回避だ!

戦闘中でもなるべくソリのことは気にしておこう。
敵がソリを優先して狙うようだったらすぐ駆け付ける!


ラウル・シトロン
なんだか凄い光が見えたから急いで来たけど、とりあえずソリをオブリビオンから離そう。

まず全力魔法の【ウィザード・ミサイル】でオブリビオンを攻撃するよ。
その間に狼の姿でソリにダッシュで近づいて引き離そう。
オブリビオンからは少し距離を取って、小さな火球や【ウィザード・ミサイル】を使いながら、ソリを守ろうと思う。

戦いながら、ソリに「大丈夫?」とか色々と声を掛けようと思う。
僕の楽しかった思い出は、その、色々とあって、今をそれなりに楽しんでいるから何とも言えないけど、振り返りたくなることもあるよね。
今と比べてちょっと辛くなるけど、でも、過去と違って今は変えようとすれば変えられるから、僕は今の方が好きだよ。


仁科・恭介
※アドリブ、連携歓迎
ギヴが現れたあと、ソリの状態がおかしくなったため何等かの精神攻撃を受けたと【学習力】で判断
「ソリしっかりしろ。今日のお前はモテ期だろ!」

SPD
【携帯食料】を食み真紅に変えた瞳でギヴ、猟兵、美術館の間取りを確認
依頼対象保護のためギヴを攻撃する
くるくる回るのを止めるため【ダッシュ】で間合いを詰め軸足を狙い切り払う
もう一方の脚と鋏は刀で防御するが、いざとなったら【残像】を使用して回避する
壁際に行ったら【目立たない】よう壁をコンコンし、でてきたアイテムが何であれ投げつけ隙を作る
隙ができたらUCを乗せた【ダッシュ】の勢いを借りて渾身の突きを狙う

「随分モテたね…明日はきっと良い日だよ」


木元・杏
ソリ?大丈夫?
様子を確認出来たら道案内のお礼を言って、周囲を見て

美術館、楽しそうね?
ソリ。終わったら皆と一緒に美術館見てまわろう?
そのあとは、ご飯持って公園でピクニック
きっと楽しいよ。約束(こくり)
だから、ソリを守らせて?

メイドさん、おもてなし(こく)
後ろからうさみみメイドさんを操るの
見切りと早業でするりとスカートのハサミを避けて殴って
フェイントも混ぜてひらり回避
続く人の攻撃に繋げる

わたしはオーラで防御に注意を払い
ギウの意識が前に集中したところで【華灯の舞】

わたしの楽しい思い出は、家族とのおでかけ
あなたの思い出は?

楽しいは思い出だけにするのは勿体ないね
これからも新しい「楽しい」を紡いでいくの


木元・祭莉
なんか出たね!
くるくる回ってる……くるくる……

母ちゃん……? ←くるくる回る着ぐるみ

「楽しかったなぁ……」

ソリと一緒に呟いた声が聞こえて。あれ、おいらの声だ。

光景が目の前で回ってるー。
父ちゃんと母ちゃん、アンちゃんとカナタちゃんがいて。
海辺で、蒟蒻とカンガルー食べて。

母ちゃんに撫でられて、父ちゃんに褒められて。
……母ちゃん……父ちゃん……(ぐしぐし) ←泣き虫


アンちゃんの声がして、耳がぴくってした。
……うん。そうだよね。

あのときも、楽しかったけど。
でも、今でも新しい幸せ、いっぱい見つけてるもんね!(ぱんち!)

おいら、まだまだいろいろ、やってみたいし!
ギヴを倒してから、一緒に美術館、見ようー!


アイン・ローレンス
【SPD】

合流が遅くなってしまい申し訳ありません!
とても素晴らしいもふみでした……恐ろしい
あら?ソリくんがとても輝いていらっしゃいますね!

「友の友」でまいたけ軍に手伝って貰います
9匹ずつ合体させ、強力ないたちを3体に
残った1匹は素早く動き敵を翻弄し
合体した3体は敵を囲うように位置取り、死角から強力な攻撃をおみまいです!
私は少し離れた所からまいたけ軍の援護を
【2回攻撃、全力魔法、属性攻撃、マヒ攻撃】
命中率を重視した小さな電流を放つ
痺れて少しでも動きが止まってくれればラッキーです

私、プレゼントは仲の良いお友達から貰いたい派です
なのであなたからのはいりません!
【第六感、聞き耳】を駆使して【見切り】


栗花落・澪
【星海花】

大事なのは未来だよ
変えたい事
取り戻したい事があるなら
今度は自分から動かなきゃ

過去に囚われた人がいれば【オーラ防御】で庇いつつ
【破魔の歌唱】で現実に引き戻せるか試す

残念だけど、僕にとっての楽しいは“今”だから
囚われるものはなにも持ってないです

【空中戦】で動き回りつつ
敵もプレゼントも焼き尽くす炎の【全力魔法】で援護
着地と同時足場に【破魔】を宿した★花畑を複数形成

味方の攻撃でいずれかの花畑に敵が触れたらUC発動
全ての花畑から集めた花弁を【催眠歌唱】で操作
美しく舞い散らせ気を引き
零さん夕夜さんと合わせ左右から花弁の斬撃を与えて
2人の武器が花弁を纏っているように魅せる演出攻撃

※聖痕設定ステシ


ヘスティア・イクテュス
【星海花】
美術館ってもう少し落ち着いた…
って、ソリ!しっかりしなさい!

お宝の前には最後に番人ってわけね
じゃあ片付けさせてもらおうかしら?

過去に囚われた人にはタロスの貼るバリア【オーラ防御】で庇うわ


確かに過去にも楽しい思い出もあるわ!
けれで今も十分楽しいわ!無論明日もね!

小さかった頃、家族で過ごした日々も浮かぶも
今の皆で過ごす日々も負けず劣らず楽しい思い出
囚われないわよ

ティターニアを噴かして空中戦
敵に捕らえられないよう動きながらミスティルテインを撃ち澪、零の援護

さぁ、二人ともパーティーの準備はいかがかしら?
ミサイルを放って弾幕を…
敵の視界を奪ったわ、後は頼むわよ!


天星・零
【星海花】

『ソリさんダメですよ。過去に囚われては』

味方・自分の状況が不利な場合は星天の書-零-の霊術で【オーラ防御】

万が一がないよう【第六感】、【追跡】技能で敵を常にマーキング

『仕方ないですね。ウェビル‥あの方と遊んで差し上げて』

指定UCを使い一緒に攻撃してもらいます
ウェビルに撹乱してもらいつつ自身も遠距離からグレイヴ・ロウと猛毒のマフェッドスレッド、近距離はØで攻撃


・終盤
栗花落さんのUCと自身のUCを組み合わせて攻撃します
前者のUCが終わったら【オルタナティブ・ダブル】を使い、零は横から別人格の夕夜は上から縦方向にそれぞれの形状のØで斬りつけます

UC口調秘密の設定
キャラの口調ステシ


カイジ・レッドソウル
アドリブ共闘歓迎

「障害ヲ排除スル」
触手を斬り伏せ敵に立ち向かいます
テイルブレードの【なぎ払い】電撃【属性攻撃】【マヒ攻撃】
呪剣、黒剣による【串刺し】【二回攻撃】
POWはソリと思われるので触れる前に【武器受け】【かばう】
「惑わされてはいけない」
「行ッテモ戻ッテハ来ナイ」
機械的に淡々と言って前に立ちます

WIZに対しては感情無く無言でぶっ壊します

全て終わった後ソリに
「キツイ事ヲ言ったノダト思ウ。スマナイ。本機ハ、そう言ッタ事ニ慣レテハ居ない」
そう言ってあるツイッ●ーアドレス書いた紙を渡シ
「何も無くても連絡して構わない」
表情は分からないが、何となく優しい



 くるり、くるりとギヴは回る。
 楽しい思い出を紡ぎながら。
 そんなオブリビオンが、木元・祭莉(f16554)にはだんだんと、向日葵の着ぐるみ姿に見えてきて。
「母ちゃん……?」
 懐かしい姿に思わず呼びかける。
 向日葵のように笑う母が、海辺で祭莉に笑いかけていた。
 父もカナタも、家族みんなで出かけた思い出。
 兄弟仲良く遊んで、蒟蒻とカンガルー食べて。
「楽しかったなぁ……」
 聞こえたのはソリの声か。祭莉の声か。
「おでかけ、楽しかったね」
 傍らに並ぶ双子の妹、木元・杏(f16565)も同じ思い出に目を細めた。
 目の前に広がる、大切で懐かしい、楽しい記憶。
 祭莉の頭を母の手が優しく撫でて、父の声が朗らかに褒める。
「……母ちゃん……父ちゃん……」
 思わず零れた涙を、祭莉はぐしぐしと拭って。
「でも、楽しいは、思い出だけにするのは勿体ないね」
 そこに聞こえた杏の声に、ぴくりと狼耳が立ち上がる。
「これからも新しい『楽しい』を紡いでいくの」
 振り向けば、そうでしょう? と手を差し伸べる妹の姿。
 楽しい思い出の光景に小さく微笑んで。
 でも、魅入られることなく今を、そしてその先を見ている金色の瞳。
「……うん。そうだよね」
 祭莉は涙を払い退けて、にかっと元気な笑みを取り戻す。
「あのときも、楽しかったけど。
 でも、今でも新しい幸せ、いっぱい見つけてるもんね!」
 片手で杏の手を握り、もう片方の拳をぐっと突き出せば、周囲の景色が一変した。
 海辺から、ファンシーな美術館前へと。
 遊ぶ家族達から、光ったまま座り込んでいるソリへと。
「ソリ? 大丈夫?」
 戻った双子は、足元のソリを気遣うようにしゃがみ込む。
 でもソリは、そんな2人の動きが見えていないように、ぼうっと虚空に画面を向けて。
 その前を、一振りの刃が通過する。
「惑ワサレテハ、イケナイ」
 背部から抜いたテイルブレードを振り下ろした姿勢で、カイジ・レッドソウル(f03376)が淡々と告げた。
「思い出ノ中ヘ行ッテモ、過去ハ戻ッテハ来ナイ」
 機械的な声は、友人の輪の中にいた思い出からソリを引きずり出すように響く。
 そう、思い出は戻らない過去。
 今の自分は独りなのだと。
 カイジに現実を突き付けられたように感じて、ソリは大きな大きなその姿をどこか怯えたように見上げた。
 でも。
「ソリさんダメですよ。過去に囚われては」
「しっかりしなさい!」
 天星・零(f02413)が、ヘスティア・イクテュス(f04572)が。
「ソリ、今日のお前はモテ期だろ!」
 そして仁科・恭介(f14065)が。
 ソリに声をかけながら、ソリを心配しながら、ソリの傍へと駆け戻ってくる。
 さらに。
「そこのお前、ソリから離れて貰おうか!」
 びしっとギヴに指を突き付けて、亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)が高らかに声を上げ。
「なんだか凄い光が見えたから急いで来たけど、とりあえずオブリビオンから離れた方がいいかな」
 ラウル・シトロン(f07543)は、状況を把握しきれない中でもまずはソリのことをと考えて、狼姿で一気にソリの元へ駆け寄った。
「お宝の前には最後に番人ってわけね。
 じゃあ、片付けさせてもらおうかしら?」
 ヘスティアの背中で、ティターニアと呼ぶ白いジェットパックが妖精の羽のように広がっていく。
 ソリの周囲に集い、ソリを守ろうとする猟兵達。
「あ……」
 憧れのその姿に画面を巡らせて、ソリは実感していく。
 今の自分は独りではないのだと。
「合流が遅くなってしまい申し訳ありません!
 とても素晴らしいもふみでした……恐ろしい」
 アイン・ローレンス(f01107)と栗花落・澪(f03165)も、髪に数枚の鳥の羽を絡ませて、どこか満足そうな笑みを浮かべて合流し。
「あら? ソリくんがとても輝いていらっしゃいますね!」
「動けないの? それじゃあ、オブリビオンを食い止めなきゃね」
 すぐさま事態を把握すると、アインは杖を構え、澪は零と並んで立ちはだかる。
 くるり、くるりとギヴは回り。
 その繊手を再びソリへと差し伸べてきたけれども。
「障害ヲ排除スル」
 腕ごと斬り落とす勢いで、カイジの呪剣が振るわれた。
 しかし、ひらり、とギヴは回転の動きで避け。
 だがカイジはそれすらも読み切ったように、すぐさま黒剣を突き出す。
 串刺しは避けられたものの、二の腕を切り裂いた呪われた剣は、異端の血を啜る。
 そこに、1匹の小さないたちが駆け込んできた。
 ちょろちょろと足下を動き回るいたちに、ギヴはその回転を少し狂わせながらも、鋭い鋏で切り裂き倒して。
「まいたけ軍、突撃です」
 その隙にと、お腹に9と刻印された3匹のいたちが三方から鎖鎌を振るい。
 合わせてアインの生命の杖が振るわれ、電撃が放たれた。
 電撃自体は威力が低いけれども、掠めたギヴは痺れて動きを微かに淀ませて。
 鎌に小さくも傷を受け、鎖に絡みつかれていく。
 頭部がメリーゴーランドであるゆえに、その表情も感情も読み取れないけれども。
 くるり、くるりと回ろうとする動きは、踊り続けようとするのは分かるから。
「俺も舞うとするか!」
 狐の爪を構えて、珠が飛び込んでいった。
 空中を何度も蹴り、回るギヴの周囲を言葉通りに舞うように、縦横無尽に飛び回る。
 風渡りの舞いに翻弄されるギヴの様子を油断なく捕らえた珠は、途中で飛び行く方向を蹴り変え、広がるスカートの端を薙刀で深く切り裂いた。
 牽制するように、ギヴは鋏を大きく振り回して珠を狙うけれども。
 珠はすぐさま空中を蹴って、ギヴから距離を取る。
 空いたその空間にダッシュしてきたのは恭介だった。
 茶色だった瞳を真紅に輝かせ、食べ終えた携帯食料の袋がその場に取り残される勢いで間合いを詰めると、ずっと観察して狙っていた回転軸に刃を向ける。
 低い姿勢で振り抜いた刀は、トウシューズを履いた軸足を深く切り裂き。
 ぐらり、とギヴの体勢が大きく崩れた。
 その動きで、スカートに繋がる鋏が、足元にいる恭介へ降り注ぐようにその刃を向けてくるのを、刀で防御しつつ、残像を残す程のスピードでその場を離れる。
 全ては避けきれず、浅い傷が恭介に残るけれども。
 それ以上の戦果を確信して振り向けば。
「メイドさん、おもてなし」
 こくりと頷く杏の繰る、うさみみメイドさんがギヴに肉薄していた。
 拳を振るうメイドさんのエプロンスカートがふわりと揺れて。
 受けるギヴのミニスカートもふわりと広がる。
 揺らめく布の競演だが、ギヴのスカートには鋏が連なっているから。
 うさみみメイドさんは突き出す拳をぴたりと止めてフェイントとし、迫り来る鋏をひらりと避けると道を開けた。
「どっかーん!」
 そこに飛び込んだ祭莉の灰燼拳が、ギヴの身体を捉え、吹き飛ばす。
 足に、胴体に、負傷が続くギヴは、立て直すかのように猟兵達との間を空けて。
「おいで、僕のお友達。
 ……ウェビル、あの方と遊んで差し上げて」
『はい、零。丁重にお相手いたします』
 零の傍らに姿を現したピエロの霊が、トランプを手に慇懃な礼を送ると。
 おどけた動きながらも素早くギヴへと迫り、トランプをばら撒き視界を攪乱した。
 その動きの裏で、零は服に仕込んだワイヤーを操り、先端の鉤爪がギヴに迫る。
 くるりと避ける動きを読んで。
 ティターニアで空に居たヘスティアが、羽を広げ飛んだ澪が、ミスティルテインと炎の魔法を降らせた。
 ソリと共に後方に下がっていたラウルも、上空からのタイミングに合わせるようにウィザード・ミサイルを飛ばして。
 集中砲火の中で、オルゴールの音がとぎれとぎれに響いていく。
 それでも、ギヴはユーベルコードを発動させ、唐突にアインの目の前にプレゼントの袋が現れた。
 ひとりでに開いた包みの中から出てきたのは、もっふもふのぬいぐるみ。
 アキクサさまを思い出すフォルムに一瞬アインは息を飲むけれども。
「私、プレゼントは仲の良いお友達から貰いたい派です。
 なのであなたからのはいりません!」
 ぎゅっと目を瞑って杖を振るうと、いたち達が鋭い鎌でぬいぐるみを切り刻んで。
 空から澪の炎が降り注ぎ、燃やし尽くしていく。
 その間にとギヴはソリへと手を伸ばすものの。
 カイジの呪剣が振るわれ、珠が駆け付け、ラウルが庇うように立ちはだかった。
 狙うものへ手は届かず。
 四方八方からの連撃で傷は深まり。
 迫り来る猟兵達に向け、ギヴはまたオルゴールを奏でる。
 紡ぎ上げるのは、楽しかった思い出。
 それが今度は攻撃として、惑わし捕え襲い掛かってくるけれども。
「確かに過去に楽しい思い出はあるわ!」
 ヘスティアは、防御衛星ガーディアン:タロスを展開して守りを固め、叫ぶ。
 幼い頃、家族で過ごした懐かしい日々。
 目の前に広げられた光景は、もちろん大切なものだけれども。
「けれで今も十分楽しいわ! 無論明日もね!」
 今の皆で過ごす日々も、負けず劣らず楽しい思い出。
 だから過去に囚われなどしないと、強く強く今を見据える。
「残念だけど、僕にとっての楽しいは『今』だから」
 澪も、穏やかに微笑み、皆を導くように歌声を響かせた。
 過去と言うには近い、優しく力強い腕の幻影が招くのを、ゆるりと押し退けて。
「大事なのは未来だよ」
 琥珀色の瞳は真っ直ぐに『前』を見据える。
「変えたい事、取り戻したい事があるなら、今度は自分から動かなきゃ」
 ふわりと広げた羽を畳み、静かに地に足をつけて。
 揺るがず、澪はギヴと対峙する。
 上着を脱げば眩しいくらいに白い細腕が現れ、左側の二の腕に刻まれたブレスレットのように美しい花柄の模様が晒される。
 同時に、澪の周囲に幾つもの綺麗な花畑が生み出された。
 ふわりと静かに吹いた風に、花弁が緩やかに舞い上がる。
 ソリは思わずその光景に見惚れて。
「大丈夫?」
 すぐ傍からの心配そうな声に振り向くと、人の姿に戻ったラウルが見つめていた。
 じっと見つめ返していると、ラウルは小さく苦笑して。
「僕の楽しかった思い出は、その、色々とあって、今をそれなりに楽しんでいるから何とも言えないけど、振り返りたくなることもあるよね」
 訥々と語りかけながら、狼耳と共に瞳を伏せ、思い出に浸るような仕草を見せる。
 それでも、ラウルはすぐに琥珀色の瞳を開くと。
「今と比べるとちょっと辛くなるけど……
 でも、過去と違って今は変えようとすれば変えられるから」
 力強く輝かせて。
「だから僕は、今の方が好きだよ」
 ソリに迷いなく笑って見せた。
「ソリよ! この戦いが終わったら楽しい事を探しに行くといい!」
 そこに珠の声が高らかに響く。
「昔を想うのも良い! が、立ち止まるのは無しだ!
 勿論こいつに捕らわれるのも無しだ!」
 銀の長髪を結ぶ赤いリボンを揺らし。
 再び、びしっとギヴを指差して。
「お前の可能性は俺たちが守る! だから後は自由に楽しめ!」
 珠は自らの爪のように薙刀を振るい、ギヴへと向かう。
 その動きに、恭介が近くの壁をコンコン叩き。
 出て来た陶器の小物入れを、それが何かを見るより早くに投げつけた。
 くるりと回り、陶器を叩き落とすギヴ。
 そこへ珠の狐の爪が、恭介のサムライブレードが揃って突き出され。
 貫くまではいかなかったけれども、深くその身体に傷を刻む。
 さらに追うようにカイジが無言のまま突撃し。
 高圧電流を発すると、思い出ごと燃やしにかかった。
「美術館、楽しそうね?」
 そこにぽつりとかけられた声。
 見上げると、杏の金色の瞳がじっとソリを見つめていた。
「ソリ。終わったら皆と一緒に美術館見てまわろう?
 そのあとは、ご飯持って公園でピクニック。
 きっと楽しいよ。約束」
 こくりと首を小さく傾げて、紡ぐのは未来へと続く話。
「おいら、まだまだいろいろ、やってみたいし!」
 祭莉も妹と並んでソリににぱっと笑いかけて。
「まずは、一緒に美術館、見ようー!」
 今へ、未来へと、誘うように。
 過去から引き戻すように。
 手を差し伸べる。
 光っているせいか身体が動かし辛いので、頷き返すのが精一杯だったけれども。
 祭莉は嬉しそうに笑みを深め、杏も小さく微笑んだように見えた。
「それじゃあ、終わらせないと、ね」
 杏は静かにギヴへ指先を向けると、桜の花弁を思わせる白銀の光が放たれて。
 並走するように飛び込んだ祭莉がまた大威力の一撃を打ち込む。
 それを空から見下ろしたヘスティアは。
「さぁ、零、澪。パーティーの準備はいかがかしら?」
 声をかければ澪が空へと微笑み、零が2人にその身を分ける。
 もう1人の零は、銀髪を揺らし、シルバーとマリンブルーの瞳に強気な笑みを浮かべると、頭身程の刃を虚空から引き出した。
 零自身は片手刃を握り締めて。
「いつでもどうぞ」
 金髪の下でゴールドとワインレッドの瞳を細める。
 2人の返答に頷くと、ヘスティアは声を張り上げた。
「さぁ! 素敵なパーティーを始めましょうか!」
 途端、ヘスティアから数多のマイクロミサイルが放たれ、ギヴの周囲で爆発すると、炎と煙とをまき散らす。
 弾幕に奪われた視界の中、戸惑うようにオルゴールの音が響き。
 その音色を辿って、2人の零が迫り行く。
 横から金色の零が。
 上から銀色の夕夜が。
 澪の紡ぐ歌声で美しく舞い散る花畑からの無数の花弁をその身に纏い。
 それぞれの刃に、花弁の刃も添えて斬りつけた。
 ギヴはもう回ることなく。
 がくんと膝を折ると倒れ伏し、オルゴールのネジが切れたかのようにゆっくり音色が止まると共に、その姿を消した。
 ふぅ、と息を吐いた零の肩に肘を置いた夕夜の姿も消えていき。
 戦いの終わりを感じると共に、ソリの光がおさまっていく。
 そして、光と共に、ソリの画面に映っていた鍵の映像も消えていて。
 ぱちぱちと目を瞬かせるソリの顔が戻ってきた。
「ソリくんの画面は、普段はこんなお顔だったのですね」
 覗き込んだアインがにっこり笑い。
 ラウルが差し伸べた手に助けられてソリが立ち上がる。
 その時。
「システム・フラワーズより緊急救援要請」
「全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』に、侵入者あり」
「テレビウム・ロックの解除数が多ければ多いほど、開放されるメンテナンスルートは増加する。至急の救援を請う」
 まるで美術館が喋ったかのように、突然響き渡った何かの声。
 恭介が慌てて周囲を見回すけれども、建物などに変化は見られず。
 声の告げた内容を理解しきれず皆の間を疑問符が飛び交う。
 ソリもどこか不安そうに、きょろきょろしていたけれども。
「心配するな。俺たちに任せておけ!」
 どんっと珠は自身の胸を叩いて見せた。
「言っただろう? お前は自由に楽しめ!」
 杏と祭莉を指し示し、約束があっただろう? と笑いかければ。
「ソリ、美術館行こう?」
「一緒に見ようー!」
 双子がそれぞれに手招きしていた。
「にしても、美術館ってもう少し落ち着いたところじゃあ……」
 改めて前衛的すぎる外観を見ながら、へスティアも澪と零の下に降り立ち笑い合う。
 アインもいたち達に微笑んで、労をねぎらっていると。
 膝を折ったカイジが、さらに身を屈めてソリの画面を覗き込んできた。
 それでも大柄な身体に、そして先ほど向けられた機械的な言葉に、ソリはつい、びくっと身を震わせてしまう。
「キツイ事ヲ言ったノダト思ウ。
 スマナイ。本機ハ、ソウ言った事ニ慣レテハ居ナイ」
 しかし、ゆっくりと差し出されたのは、連絡先を書いた小さな紙。
「何モ無クテモ連絡シテ構ワナイ」
 フルフェイスマスクに覆われているカイジの表情は全く分からない。
 淡々とした声も先ほどと変わらない。
 でも、マスクの向こうの気配が、紡がれる声が、何となく優しいものに感じられて。
 ソリはカイジを見上げて思う。
『……今度は自分から動かなきゃ』
 そうだ。僕は自分で何かをしようとしていなかった。
『……楽しい事を探しに行くといい!』
 そうだ。僕は行かないでただ待っているだけだった。
『……約束』
 そうだ。僕は期待するだけで何かを決めたりしていなかった。
 紙を受け取りながら、幾つもの声を思い出して、ソリは思う。
 ここから動かなきゃいけないのは、僕だ。
 独りが寂しいなら、未来を変えたいなら。
 猟兵達のように自分で動かなきゃいけない。
 小さくとも。1つずつでも。
 ぎゅっと紙を握り締めたソリに、恭介がにっこり笑いかけた。
「随分モテたね……明日はきっと良い日だよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月30日


挿絵イラスト