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かような姿の者が男子である筈がない

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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「かような姿の者が男子である筈がない、去れ女」
 噂に聞く首を求めて彷徨う怪異と遭遇してしまった、少年が立ちすくんでいると怪異は虫でも追い払うかのように手を振り、立ち去っていった。
「……解せぬ」
 命を拾ったことは幸いであった筈なのにどこかモヤモヤとしながら怪異の立ち去った方向を少年は見やる。
「誇りの為にも異を唱えるべきであったのだろうか」
 だが、その怪異は地位の高い武士を狙うと伝え聞く。親の七光りといえど充分に襲われる可能性のあった少年はつい思いとどまってしまったのだ、自分は男だと主張することを。

「何というか、男の娘と言うのも大変ですね」
 グリモアベースのとある場所、君達の前でサムライエンパイアの世界にて事件が起こることを明かしたのもまた、男の娘だった。
「正確には二つほど事件が起こっていて、その背後にそれなりに強力なオブビリオンが居るようなんですよ」
 一つは目の前の方の男の娘ことフェリクス・フォルクエイン(人間のパラディン・f00171)が語った地位の高い者の首を狙い武士のオブリビオンが彷徨うと言うモノ。たまたま見た目が男に見えず命拾いした少年と言う実例が存在するので、見た目で襲撃対象を選んでいるようにも思われるが。
「もう一つは、最初の事件が解決してから少ししたところで、ちょうど狙われる人が出るようなんです」
 狙われるのは最初の事件で命拾いをした少年であるため、情報収集などの理由から接触し位置を把握しておけば自然と二件目の事件とも遭遇することになります、とフェリクスは言い。
「どの世界であろうと、オブビリオンの良いようにしてやる訳にはいきませんから」
 よろしくお願いしますねと君達に頭を下げたのだった。


聖山 葵
 女の子と思いました? そう、男の子なのです。

 と言う訳で、今回はサムライエンパイアの世界で事件を解決しつつ暗躍を邪魔されて馬脚を現した強力なオブビリオンを成敗して頂く風味のお話となります。

 最初はまず見た目重視の彷徨える武士オブビリオンの事件から解決をお願いします。
 一つめの事件を解決すれば、もう一つの事件についてもフェリクスくんが説明してくれた通り、一件目の事件で犠牲になりかけた少年が災難に直面する為、件の少年のことをある程度気にかけていれば半ば自動的に二つ目の事件にも巻き込まれることとなるでしょう。
 ちなみに二件目の事件は、どうやら女性や男の娘が標的にされるようです。

 では、プレイングお待ちしておりますね。
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第1章 冒険 『おまえの首をくれ』

POW   :    正々堂々一対一で勝負

SPD   :    地の利がある場所に罠など仕掛ける

WIZ   :    アイテムやユーベルコードを上手く活用

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

筒石・トオル
地位の高い武士を狙うという事は、その地位にとって代わりたい者が背後にいるのかな?
まあ何にせよ、危険な武士オブビリオンを放置するわけにはいかないね。
既に狙われた少年──えっと男の娘だったか──がいるわけだし。
強い相手に正面から挑むのは危険だから、僕は『ヒプノシスリストラクション』で動きを止めようと思う。その間に他の人が攻撃してくれるといいな。


白金・ジュン
WIZ判定

「コミュ力4、追跡2」で首狩りの怪異が現れた場所を聞きこみして特定
時間帯を合わせてその場をうろつき、現れるのを待つ

遭遇したらユーベルコード使用して戦闘へ
「ダッシュ1、怪力3、オーラ防御1」使用して
召喚体に「マジカルロッド」による肉弾戦で退治させる

セリフ

・探索時
うう……、一人でこんなところ歩いて
襲われるの待つのってきっついなー
いっそ早く出てきてくれないかな

・問答
訂正しろ、オレはれっきとした男だーっ!
何の為だか知らないけど、もうこんな事は終わりにさせてやる!

・戦闘
来い!ピュア・ホワイト、『マジピュア・ウェイクアップ!』

・召喚体が殴りかかるのを見ながら
魔法少女って魔法(物理)が多いよな……



「地位の高い武士を狙うという事は、その地位にとって代わりたい者が背後にいるのかな?」
 首を傾げながら筒石・トオル(多重人格者のマジックナイト・f04677)は、問題のオブビリオンが目撃されたと言う場所へと向かっていた。
「まあ何にせよ、危険な武士オブビリオンを放置するわけにはいかないね。既に狙われた少年──えっと男の娘だったか──がいるわけだし」
 そう言って思い浮かべた顔が白金・ジュン(魔法少女使い・f05521)の者だったのは、目撃場所の情報を手に入れてきたのが聞き込みをしていたジュンからであったと言うだけで他意はない。
「それはそれとして――」
 一緒に行かなくて良かったのかなと口にしたのは、そのジュンが一人先行しているからであり。
「うう……、一人でこんなところ歩いて襲われるの待つのってきっついなー」
 トオルが向かおうとしている場所で、ジュンは単身問題のオブビリオンを探して彷徨っていた。日はもうとうに落ち、周辺は薄暗く、風に揺れる木々のざわめきはまるで人の声のよう。
「いっそ早く出てきてくれないかな」
 弱音が漏れるのも無理はない不気味さであり。
「手柄首はどこぞ……大将はどこぞ……」
 本当に出てきた場合、それは救いであると言えるのか。
「うわっ、本当に出た」
「漸く人が通ったかと思えば、また女か」
 思わず後ずさったジュンを見て落胆の色を隠さぬ武者は虫でも追い払うように手を振って去れと言う。
「訂正しろ、オレはれっきとした男だーっ!」
 だが、幾ら気が弱かろうと、ジュンとさいてはここで命拾いした少年の様に口を噤むわけにはいかなかった。
「何? その態で男子と申すか。ふむ、なれどわしが求め」
「何の為だか知らないけど、もうこんな事は終わりにさせてやる! 来い! ピュア・ホワイト、『マジピュア・ウェイクアップ!』」
 何か不満でもあるのか困惑顔でブツブツ呟く武者オブビリオンの言葉に被せる形で叫んだジュンは魔法少女の様な姿の霊を喚び出し。
「おごぶっ」
「魔法少女って魔法と言う名の物理攻撃が多いよな……」
 皮肉に紛れもなく女と思しき霊にマジカルロッドで殴り倒される様を眺めて霊の召喚者であるジュンはボソっと漏らした。
「うぐぐ、おのれ! 手向かい致すか! 見逃してやろうと思うたがもう許さん! 叩ききってくれ――」
「光よ我が願いを叶えたまえ。聖なる力、邪なる者を封じる力をここに」
 くれるわと続けようとしたところで、駆けつけたトオルが眼鏡から点滅する光を放った。
「何だ、面妖な?! ぬ、身体が」
 怒りのまま太刀を振り上げた怪異はたじろぎ、身体を動かそうとして狼狽する。放たれた光の催眠効果がオブビリオンの身体から自由を奪ったのだ。
「何とか間に合ったようだね」
 だが、戦いはまだ始まったばかりだ。
「ぬうぅ、おのれぇ」
 乱入者への怒りを露わにしつつ武者オブビリオンは催眠に抗おうとするのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アトシュ・スカーレット
【POW】【2回攻撃】
【心情】
人は見た目じゃねぇんだよ、マジでふざけんな…!!

【戦闘】
【トリニティ・エンハンス】は【炎の魔力】を選択

Joyeuseと村雨を近接形態にして、一対一で斬りかかる
舞を踊るような連撃をお見舞いするよ!

戦闘終了した場合、生き残った子が男に見えないことにショックを受けているようなら
「わかる。オレも初対面だとほぼ確実に間違えられるんだ…」
と共感するよ…
「嫌なら、嫌だって言ってみればいいんじゃない?少なくとも、オレはそうしてるよ。」
「だって、悔しいじゃん。嫌な事を押し付けられるのって。自分を否定された気分になるし。」


秋津洲・瑞穂
「推参っ!」
「……なんか手を出したくない雰囲気だけど、回れ右してもいい?」

地位のある武士といえば、嗜みの武芸も相応に修めているはずで。
そういう相手しか狙わない覚悟とあれば、斬り合うのもいいかと
思ったんだけどなー。

まーでも、なんか辻斬りさんが可哀想になって来たから、
真っ当な立ち合いもさせてあげよう。

「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります」

コードは剣刃一閃だけを使う。
【勇気6】【2回攻撃6】【鎧無視攻撃6】【残像6】【オーラ防御6】
があるから、二段突きとか鎧通しとか色々できそうね。
一通り切り結んだら礼をして、他の人に舞台を譲ろう。

――それなりのダメージは入れておくけどね。
どっちが辻斬りだか(ぽそ


華上・ユーディ
ほい、今回は
武士は食わねど高楊枝…

少し違うか?
サムライエンパイア!

フェリクスさんの
被害じゃないか…


美少女deはなく
少年の安全を守るね!

他の猟兵さんと連携し。

オブリビオンとワンマンたいじするなりよ。

【pow】で一対一
まずは自分で名乗り上げ。
一騎討ちを申しこむなり
敵は 強敵なりよ

敵の攻撃は紙一重に
かわしながら野生の勘
で防ぐモッチィよ。

純粋な白兵戦で鎧砕きと属性攻撃&二回攻撃を拳に乗せて。

UIの爆砕拳で一撃必殺を狙う

しかし、まぁ…相手を
ちゃんと選ぶなりよ!

可愛い男の子は
志光の宝モッチィよ。
……あ、失言、ゲフン(汗)

教師としてあるまじき行為なりな(苦笑)


筒石・トオル
接近戦を仕掛けてる人が居るなら、僕は熱線銃で「援護射撃1」を使用して『クイックドロウ』による、文字通り援護射撃をするよ。
サムライ相手だからって、剣で応戦する必要はないからね。
銃は卑怯だとか言われないかな?
「大将首を狙うなら、まず男女の区別がつくよう、人を見る目を養ってからやり直しな!」
仲間が射線上にならないよう位置取りしてバンバン撃つよ。
※覚醒時は瞳の色が金色になります。



説明を聞いたアトシュ・スカーレット(銀目の放浪者・f00811)は激昂した。その胸中が口をついて出たなら間違いなくそう叫んでいただろうが。
「推参っ!」
 駆けつけ、スタッと着地した秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)は周囲を見回し。
「……なんか手を出したくない雰囲気だけど、回れ右してもいい?」
 救いを求めるように問いを発す。男の娘へ刃を振り下ろさんと動かない身体を何とか動かそうとする武者オブビリオンを見せられては、無理もないのかもしれない。
「次はオレだ」
「ぬおっ、ちょっ」
 更に身動きが取れない間に進み出たアトシュに斬りかかられ慌てふためく状況へと事態が変われば尚のことか。
「地位のある武士といえば、嗜みの武芸も相応に修めているはずで。そういう相手しか狙わない覚悟とあれば、斬り合うのもいいかと思ったんだけどなー」
 残念さを隠そうともせず瑞穂は嘆息するが、オブビリオンだって一方的に殴られてそのままというわけにはいかなかったのだろう。
「ぎゃあっ、ぐぅっ」
 殴られるだけではなく、現在は剣や刀に形態を変えた大型拳銃による舞を踊るような連撃に晒され、悲鳴をあげ、反撃もままならない様子だけれども。
「ほい、今回は武士は食わねど高楊枝……少し違うか? サムライエンパイア!」
 誰に向けてか説明しつつ華上・ユーディ(天真爛漫☆無刀の焼き餅・f02310)は首を傾げ。
「フェリクスさんの被害じゃないか……美少女ではなく、少年の安全を守るね!」
 武者オブビリオンと戦っている猟兵の方をちらりと見て、それがグリモア猟兵の少年で無いことを確認してから、言い直しながらも宣言すると武者オブビリオンの方へと向かい。
「まーでも、なんか辻斬りさんが可哀想になって来たから、真っ当な立ち合いもさせてあげよう」
 目にしたのは、生温かい眼差しを注ぎつつ抜刀した瑞穂だった。
「はぁ、はぁ、もう少しで……む?」
 呼吸を乱しつつも漸く催眠から抜け出せそうな所だったオブビリオンも近づいてきた瑞穂には気付き。
「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります」
「なんと?!」
 名乗りを受けて驚きに目を見張る。
「漸くまともに立ち会える者が出てきたかと思えば、女の童とは……」
 複雑そうな表情を浮かべるが、瑞穂は待たなかった。
「な、早」
 性別と年齢で侮ったのは、武者オブビリオンの失敗だった。そして、好意で立ち会いを申し出たのに明らかに落胆した様を見せられては怒りを覚えたって無理はない。
「ぎゃああっ」
 剣刃一閃。その踏み込みからの斬撃に瑞穂の感情がのっていたかは分からない。
「ぐうっ、ぬかった。よもや、これほどのっ、使い手とは」
 油断を捨ててオブビリオンは何とか二撃目を受け止め。そこから暫し、攻防が続く。
「感謝するぞ、瑞穂とやら。調子が狂うておったがそれも先程までよ。ぬしを斬り、わしは――」
 再び手柄首を求め彷徨うとでも言いたかったのだろうか。だが、オブビリオンが最後まで言い終えるより早く、瑞穂は一礼して退く。
「は?」
「他の人も待っているようだから」
 このまま死合えば、オブビリオンか瑞穂かどちらかが倒れての決着しかなく、瑞穂が負けた場合はグリモア猟兵の少年が逃がすだろうが、武者オブビリオンが倒れては一対一の勝負を待っていた他の猟兵達の立つ瀬がない。だからこそアトシュも瑞穂が名乗りを上げた時点で相手を譲ったのであろうし。
「第7侍女冒険隊、隊長華上・ユーディ。一騎打ちを申し込むのよもっちぃ」
「っ、隊長か!」
 あまりにアレな流れだったが、奇跡的に次の相手は武者オブビリオンの意に沿うた。
「よかろう、いざ」
「勝負なのよ」
 これまでの戦いで傷つきながらも武者は笑い、ユーディは握った拳に力を宿しながら駆け出す。
「うおおおおっ」
 雄叫びと共にオブビリオンが刀を振りかぶり。
「もっちぃ! この一撃は重いですよ?!」
「ごばっ」
 野生の勘で刃をかいくぐったユーディの拳がオブビリオンの腹へとめり込む。
「ぐううっ、なんのっ」
 だが、武者オブビリオンは歯を食いしばり懐に飛び込んできたユーディの頭へ刀の柄を打ちつけようとして。
「サムライ相手だからって、剣で応戦する必要はないよね。けど、銃は卑怯だとか言われないかな?」
 ポツリと漏らしたのは、トオル。眼鏡から光を放ってからずっとこの場にいたのだ。そして、手にした熱線銃はオブビリオンに向いており。
「うぎゃーっ」
 容赦なく放たれた援護射撃に武者オブビリオンが悲鳴をあげる。銃がどうのと言うより、一騎打ちの最中の外野からの攻撃と言う意味合いで卑怯呼ばわりされても仕方ない気がするが。
「大将首を狙うなら、まず男女の区別がつくよう、人を見る目を養ってからやり直しな!」
「ぎゃっ、止め、卑きょ」
 もう一騎打ちの順番待ちをしている猟兵も居ない。遠慮無くバンバン撃ちまくるトオルから逃げまどう武者オブビリオンだったが、もうこの時点で満身創痍。耐えきれず倒れ伏したのは、きっと無理もないことだった。
「しかし、まぁ……相手をちゃんと選ぶなりよ!」
 視線を逸らし、倒れた武者オブリオンは見ずにユーディは言い。
「可愛い男の子は、志光の宝モッチィよ。……あ、失言、ゲフン」
 余計な感想を付け加えると空咳で誤魔化すのだった。
「教師としてあるまじき行為なりな」
「どこからツッコめばいいの、これ?」
 苦笑するユーディの姿を含む光景を眺めながら瑞穂はボソッと漏らす。どっちが辻斬りだかどころではない結末はオブビリオンがかなり不憫であった。尚、この時アトシュの姿はもう戦場にはなく。
「わかる。オレも初対面だとほぼ確実に間違えられるんだ……」
「そ、そうか」
 そのオブビリオンに勘違いされた少年の元を訪れ、共感しながら軽く肩を叩いていた。
「しかし、何故だろうな。皆が私を女子の様だと言う。別に女子の服を着ているわけではないというのに」
「嫌なら、嫌だって言ってみればいいんじゃない? 少なくとも、オレはそうしてるよ」
 話題に上れば思い出してしまうのか俯く少年にアドバイスをすると、更に言葉を続ける。
「だって、悔しいじゃん。嫌な事を押し付けられるのって。自分を否定された気分になるし
「そう……そうだな。感謝する」
 少年も吹っ切れたのか、笑顔を見せ。
「思い立ったが吉日か。良し、今日から自身が男であることを務めて主張して――」
 二つ目の事件が起こったのは、この直後であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『帯回しの怪』

POW   :    城下町の見回り、張り込み

SPD   :    女装して迎え撃つ

WIZ   :    狙われる女性の傾向からターゲットを絞って尾行

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「うわ、わ、わっ」
 少年が突然回り出した。否、袴の紐を引っ張られたのだ。それは、帯回しの怪。本来なら女性を襲って帯を回す存在の筈だが、男である少年が襲われたのは女顔だったからだろうか。
「っ、痛」
 回された少年は尻もちをつき。
「一体何……が? 居ない?」
 周囲を見回しても居るのは猟兵達のみ。帯回しの怪も途中で性別違いに気づいて逃げ出したのだろう、たぶん。だが、このままでは新たな犠牲者が出てしまってもおかしくはない。例えそれがツッコミ所に満ち溢れた怪異であろうと、犠牲が出るようであれば何とかする必要があるのだ。
秋津洲・瑞穂
「犯人は独楽回しがしたいのかしら」

お正月だしね。

ともあれ、読めたわ。
そこの女の子みたいな襲われ少年を歩かせておけば、
きっとまたまた襲われる。
むしろ女性がたくさんいても真っ先に襲われる。

というわけで、襲われさんの後ろを堂々とついて行きます。
「まあまあ、お茶とお団子奢ったげるから」
とかなんとか誤魔化しながら、なるべく人ごみの方に。

帯回しさんが出たら鞘のまま峰打ち。「こら」ゴン、と。
その後は剣刃一閃を使い、
【残像7】【オーラ防御7】【鎧無視攻撃6】【2回攻撃6】
で戦いつつ【時間稼ぎ7】をしておくね。

出なかったらお散歩で終わらせるつもりだけど、
よそに出たなら襲われさんの手を引いて【ダッシュ7】でGO。


アトシュ・スカーレット
【SPD】

【心情】
…嫌なんだけど、不本意なんだけど、女の人を囮にするのは気がひけるから引き受けるけど…
オブリビオンは切り刻んでいいよね?

【行動】
【情報収集】してわかった傾向からオブリビオンが【誘惑】されそうな衣装に着替える

惹きつけられそうなら、なるべく人気がない【目立たない】場所に移動する

(女性に間違われるほどの美少年ではあるが、基本間違えられたくないという考えの方が強いので、かなり不満ではあるが、我慢している)


白金・ジュン
WIZ判定

・行動
「情報収集1、コミュ力4、礼儀作法1」で
聞き込みをしてターゲットを絞り込み
「視力2、追跡2」【ユーベルコード】を使用して尾行する

・UC演出
詠唱セリフを言いながら媒介道具のカードを取り出してこすると
ポンッ! と音を立てて半透明の
額に☆マークがついた犬だか猫だかわからないヌイグルミめいた
ミニマスコットが現れジェスチャーで了解!とやってから追跡を始める

・心情
地位のある男子の次は着物女子が狙われるときたもんだ
……最後のオチが見えてきたような気がするぞ(ぶるっと寒気を覚える)


筒石・トオル
敵の好みは分からないけど、良いではないか~をやるなら長い髪の方が良さそうだね。あと帯を引っ張るなら細身の人とか。
狙われ易そうな人(女装した仲間)を囮にして尾行する。※追跡1使用
僕は子供だから、狭い場所や隠れるのは得意だよ。
敵が途中で気付いて逃走を図りそうになったら『ヒプノシスリストラクション』で動きを止めるよ。
「自分から襲って来ておいて、逃げるなんて虫が良すぎないかな?」



(「地位のある男子の次は着物女子が狙われるときたもんだ」)
 間違いでとは言え両方の事件に巻き込まれた少年についてはお気の毒としか言いようがないが、聞き込みをするジュンにとってはある意味他人事の筈であった。
「……最後のオチが見えてきたような気がするぞ」
 にもかかわらず、何故寒気を覚えるのか。聞き込むことで推測してしまった未来と言うか顛末は、ジュンにとっても掃討よろしくないモノだったのか。
「犯人は独楽回しがしたいのかしら」
 そんな一人の猟兵が身震いした場所からは少し遠く、帯回しの怪の逃げ去った犯行現場で瑞穂は首を傾げた。お正月だしと時期的なものもあってかそのまま自己解決にも至るが、それはそれ。
「ともあれ、読めたわ」
 そこの女の子みたいな襲われ少年を歩かせておけば、きっとまたまた襲われると瑞穂の視線が二度も災難に遭った少年に向けられ。
(「オレ?!」)
 少年の心のケアをした時からずっと少年の隣にいたアトシュは、視線の意味を誤解して顔を引きつらせ。
「敵の好みは分からないけど、確かに『良いではないか~』をやるなら長い髪の方が良さそうだね。あと帯を引っ張るなら細身の人とか」
 誤解してのリアクションを見てトオルが納得した様子を見せた段階でもう流れは決まっていたのだと思う。
(「……嫌なんだけど、不本意なんだけど、女の人を囮にするのは気がひけるから引き受けるけど」)
 様々な葛藤があったようだが、結局の所アトシュは折れた。
「そなた、どう言う……何故着いてくるのだ?」
「まあまあ、お茶とお団子奢ったげるから」
 そして、着替え終わった後に災難にあった少年の後ろを着いて歩く瑞穂が何やら少年を宥めている様を見て勘違いに気づいた時にはもう遅すぎて。
「……オブリビオンは切り刻んでいいよね?」
 誰にも聞こえないぐらいの声で、ポツリと漏らす。その目はどことなく虚ろだった。こうして怪異を誘き出す作戦は始まった。
「聞き込みをした結果、一番襲われそうなのが味方って言うのはね」
 微妙そうな表情で引き返してきたジュンも媒介道具のカードを取り出した。事件にあった少年も有力候補ではあったのだが、既に一度襲われ、帯回しの怪は間違いに気づいている。ならば、居合わせはしたモノの変装によって姿の変わったアトシュの方が囮にかなうと見たのだろう。
「おいで、頼みが有るんだ」
 カードを擦りながら詠唱すれば、軽く爆ぜるような音を立てて額に星マークの付いた犬だか猫だかわからないぬいぐるみめいたモノが出現し、半透明の身体で了解のジェスチャーをするなりアトシュの尾行を開始する。
「ああ、そっちに行くんだ」
 結果として猟兵達は二手に分かれる形となったわけだが、向かう先もバラけた。瑞穂が少年を人が多い場所へと誘導していったのとは逆に、物影から見守るトオルの視界内でアトシュは人気のない方へと歩いているのだ。
「行動動機を探る意味合いもあるのかな?」
 これならどちらが襲われるかである程度怪異の行動傾向も読めそうな気はする。まぁ、判明した直後に猟兵によって退治される可能性も否めないが。
「あ」
 それからどれ程尾行しただろうか。小さな身体を活かして物影に隠れていたからかトオルに気づく様子もなく前を素通りしたナニカは音も立てずアトシュへと歩み寄る。
「今度こそ、間違いは無し……良いではないかっ!」
 それこそが先に逃げ出した怪異だった。時を蹴るなりアトシュの帯に手を伸ばしたのだから。
「ギャアアッ」
 だが、怪異が帯を引っ張り被害者を回すことは能わない。襲ったはずの相手から逆に攻撃されたのだから。
「うぐ、罠か、逃げ……なっ」
「光よ我が願いを叶えたまえ。聖なる力、邪なる者を封じる力をここに」
 痛む箇所を抑えつつ踵を返そうとした帯回しの怪はアトシュに背を向けて漸く気づく、さっきまでの背後にいたトオルの存在を。
「なん……身体が」
「自分から襲って来ておいて、逃げるなんて虫が良すぎないかな?」
 自身の眼鏡からはなった光がもたらした催眠効果で動きを封じられた怪異を眺めトオルは言う。
「どうやらこっちだった、よう――」
 瑞穂が少年の手を引き、走ってアトシュたちの元に辿り着いたのは、それから暫し後のこと。
「はぁ、はぁ、うぐ、我が滅びよう……とも、いずれ第二第さ」
「やかましい」
 動けないところを袋叩きされ息も絶え絶えだった怪異はあっさりと滅び。
「あれは、あの時の……しかし、これはどういう」
「それは」
 口を開いた瑞穂が少年へどう誤魔化そうかと考えていた時のこと。
「あれー?」
「え?」
 猟兵でも少年のモノでもない声に幾人かの猟兵が振り返れば、そこには一人の少女が立ち猟兵達を眺めていたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『妖狐』明日香』

POW   :    妖狐の炎
レベル×1個の【妖狐の力 】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
SPD   :    野生の開放
【真の妖狐の力 】に覚醒して【九尾の狐】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    スコールシザーズ
自身が装備する【鋏 】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠暁・碧です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ふぅん、どうにもおかしいと思ったらそう言うことになってたんだ……」
 何処か精神的に病んだような表情で、少女は手にした鋏に視線を落とす。
「もう。駄目だよ、わたしの邪魔をしちゃあ」
 邪魔、と言うことはこの少女こそ今回の事件の黒幕なのだろう。何がどうしてこんな事件を起こしていたかは謎であるが、少女は猟兵達への敵意を隠そうともしない。もっともオブビリオンである時点で戦いはもう避けられそうにはないのだが。
「何がどうなって居るというのだ」
 まだ状況の飲み込めない少年が居合わせたまま、戦いは始まろうとしていた。
アトシュ・スカーレット
【POW】
【心情】
うん、てめぇが今回の黒幕なんだな?そうなんだな?
よし、斬る

【戦闘】
武器は村雨もJoyeuseも剣と刀にするね。有言実行、だよ

【絶望の福音】で相手の攻撃を予測し、【残像】が見える速度で回避

【怪力】を生かして【鎧砕き】で守りごとぶった斬る!
なんなら、【傷口を抉る】ついでに【串刺し】でもいいんだぜ?
(串刺しの際はルルディに切り替える)

「あんた、なんで今回こんな事しでかした?返答によっては元々ない容赦をさらに無くすけど?」

【戦闘終了】
「えーと…その、こんなことに巻き込んでごめんね?」
こういう者です、と天下自在符を見せる
同時に今回の詫びに彼関係で何かあれば無償で働くことも約束する


白金・ジュン
WIZ判定
・真の姿に変身
媒介道具のスレイヤーカードを胸元に抱き
祈りをささげると背後に召喚されたゴーストが憑依
ゴーストの衣装、髪と同じ姿に変身する
「希望の戦士ピュア・ホワイト、皆の未来を守ります!」

・行動
少年をかばいながら行動の理由を問いただし
離れた場所へ逃がしてから戦闘へ

ユーベルコードを使用
手に持ったマジカルロッドから伸ばした光のリボンを操り
すべての鋏の持ち手の部分を綺麗なリボンの花で
プレゼントの如くラッピングして動きを封じる

・セリフ
さあ、こっちへ!今のうちに逃げてください

あなたがあの怪異たちを操っていたんですね
何でこんなことをしているんですか
理由を聞かせてください

※他者と協調行動、合同プレ可


筒石・トオル
「邪魔してごめんなんて言わないし、この後も邪魔させて貰うよ」
もふもふは好きなんだけどね…。流石に敵に擦り寄るわけにはいかない。

妖狐の炎に対抗して、防具のオーラ防御を使用。
UC『トリニティ・エンハンス』【水の魔力】で自身の防御力を強化。
自身や味方に放たれた炎を受け止め、守り重視で動くよ。
ルーンソードで炎を切り裂いたり、弾き返したりする。
※属性攻撃(水)、フェイント、薙ぎ払い使用
「キミの力はこんなもの?」
煽れば集中力が乱れるかなー…と。


有馬・ナオ
何かサムライエンパイアの
事件で。辻斬りならぬ。

男のこが
襲われる事件でしゅか。

黒幕があらわれたなら
此処からがヒーローの
出番でちゅ。

男のこを守るっち。
桜さんいきますよ!
お菓子あげますから(涙)

【pow】で勝負しまちゅよ。

皆さんが攻撃を
専念出来るように。

相手を挑発しながら。
盾をかざし

距離を詰め走り
盾受けをしまつ。

ユーディ先生が近距離近付くまで耐えましゅる。


桜さん忍耐して下さい。
動けなくなりますが。
UIのアルティメットボディ
を活用し長期戦を堪えます。


皆さん頑張って…
桜さんが、お腹を空かして
だちゅいするまえに
終わらせて下さい(涙)


イヴ・ハルゼンヌ
サムライエンパイア
初めてだぜ!

観光はしたいが
狐狩りした後にするか(苦笑)

ユーディ先生も
毎回、色々な事に顔を突っ込んでいるな。

いたいげな 美少年は
守りきるぜ(漢を見せるぜ)

おれは【SPD】の能力勝負
仕事は完璧に。

狙撃距離を詰める為
目立たない、ダッシュ、スライディングのスキルを併用。


確実に仕留めれる距離に
入ったら。

遠距離 射撃の構えをとり
UI千里眼射ちにいくぜ!?
必ず当てるそれが
狙撃者のポリシー。

美少年は必ず守るぜ。


マリア・ハルゼンヌ
サムライエンパイアは
初めてです…

今回の黒幕は
精神的に病んでます…

それでも オブビリオン
我々、猟兵の宿敵…

解決せねば。

戦闘は【 Wiz】を 使用致します

私は、皆様の支援を致します。

敵の攻撃は
武器受けを使いながら
防御を堅め。

出来る限り敵の
スコールシーザスを
打ち落とします。

ダメージには
激痛耐性で堪えます。


回復には
UIの精霊の賛歌で
皆様の傷を癒させて頂きます。


秋津洲・瑞穂
単に、最後まで巻き込まれてもらおうと思っけふんけふん。

ほら、タイトルネタにもなってるのに中途退場はもったいないし。
落ちにも登場してくれないと。え、メタ止めろ?

とりあえずまー、襲われさんの安全確保。ちょっと離れててねー。
相手が近づいてきたら割り込むから。【ダッシュ8】で。

そして、襲われさんからそんなに離れるわけにはいかないので、
巫覡載霊の舞で飛び道具攻撃。
明日香が炎やシザースを使ったら、そっちの排除を優先ね。
【2回攻撃8、なぎ払い7、鎧無視攻撃8、残像8、オーラ防御7】
を適宜使って砲台アタックっ!

滅べこら。

何がなんだか解らない? 大丈夫、私もよ。


華上・ユーディ
黒幕登場ですか…

何はともあれ
妖狐さんをふんじばれば
事件は解決モッチィね?

こほん、今回は真面目に。

冥土猟兵として
にこりと笑い一礼

ご主人様となる、
紳士淑女様には忠義を…

其処のオブリビオン様には
間違いを正さねばなりませぬ…

可愛いは正義!
ましては美少年をつけ狙う
とは言語道断…

この事件のツケ

冥土送りにて
御退場願います。

後に続く猟兵さんの
為にここやりまする。

powでお仕事!

キマイラ形態…
ミノルタウルス(闘牛)解除

マラソンランナーよろしく
ダッシュフォームをとり。

近距離迄の距離を
一気に詰めます。

美少年をいじめた罪万死なり

UI爆砕拳で
一撃必殺をお見舞いします。



「単に、最後まで巻き込まれてもらおうと思っけふんけふん」
 視線をそらしつつ弁解めいたことを口にしていた瑞穂は、咳き込んで誤魔化し。
 カードを胸に抱き祈りをささげたジュンが背後より現れた霊に憑依され真の姿へと変貌する。
「希望の戦士ピュア・ホワイト、皆の未来を守ります!」
 首狩りの怪異と戦った時に喚んだ魔法少女のような霊と同じ服装、髪型で。こう、アニメで出てきそうな感じのポーズを決め。
「さあ、こっちへ! 今のうちに逃げてください」
 すぐさま巻き込まれた少年をかばうように立つと、避難を促すが。
「む、しかし――」
 女扱いされて見逃されたりした少年としては他者に守られ逃げるということに抵抗を覚えたのか躊躇いを見せ。
「とりあえずまー、逃げるかどうかは別として、近すぎると危ないからちょっと離れててねー」
 妥協というか、その場にとどまらせるのはよろしくないという意味合いでは同じ意見であった瑞穂が後方へと少年を追いやる。中途退場はもったいないとか思うところはあっても、それはあくまで無事であることが前提なのだろうから。
「邪魔してごめんなんて言わないし、この後も邪魔させて貰うよ」
「へぇ……」
 もふもふは好きなんだけどねとは口に出して続けず向けた視線の先、妖狐の少女は剣呑な目つきでトオルを見返す。いくら尻尾がもふもふでも相手はオブビリオン、トオルとしてはするよるわけにはいかず。
「何かサムライエンパイアの事件で。辻斬りならぬ。男のこが襲われる事件でしゅか」
「サムライエンパイアは、初めてです。……今回の黒幕は、精神的に病んでます」
 有馬・ナオ(チョコファイター・f10768)の呟きに周囲を見回してから口を開いたマリア・ハルゼンヌ(エルフのクレリック・f06545)は鋏を持った妖狐の少女へ視線を留めた。
「それでも オブビリオン。我々、猟兵の宿敵……解決せねば」
 モノローグ的な何かなのだろうか、だが至った結論は間違っていない。オブビリオンは倒さねばならない相手なのだ。
「だよな。おれもサムライエンパイアは初めてだし、観光はしたいが、狐狩りした後にするか」
 苦笑しつつもイヴ・ハルゼンヌ(エルフのアーチャー・f06540)は物陰から手にした弓に矢をつがえる。
「黒幕があらわれたなら、此処からがヒーローの出番でちゅ。男のこを守るっち。桜さんいきますよ!」
 ナオも宿主の桜を促した。涙声でお菓子あげますからと続けてやっと動いてもらったように見えたが、それはそれ。
「何はともあれ、妖狐さんを退治すれば、事件は解決モッチィね?」
 視界の中で動き始めた仲間たちを認めつつユーディは歩き出す。
「こほん、ご主人様となる、紳士淑女様には忠義を……其処のオブリビオン様には、間違いを正さねばなりませぬ……」
 咳払いし、にこりと笑い笑顔のまま一礼するとジュンの少女を示す。
「あなたがあの怪異たちを操っていたんですね。何でこんなことをしているんですか、理由を聞かせてください」
「あんた、なんで今回こんな事しでかした? 返答によっては元々ない容赦をさらに無くすけど?」
 ジュンとアトシュによって絶賛詰問中の少女を。
「なんのことぉ? って、言っても無駄だよね。けど、話さなきゃ駄目? ああ、冥途の土産ってやっ、ぐ」
 言葉の途中だった妖狐に斬撃が放たれたのは、きっと無理もないことだったと思う。
「うん、てめぇが今回の黒幕なんだな? そうなんだな? よし、斬る」
 と、少女が登場した直後からアトシュの顔が全力で語っていたのだ。割と殺気立っていたところで話すのを渋るようなそぶりを見せたのなら堪忍袋の緒が切れてもおかしくはない。むしろ、努力したほうだと思う。
「ぐううっ、痛いじゃないか。よくも……やってくれたね」
「油断するほうが悪いでしゅ! ここからはワタシたちが相手でちゅ!」
 なし崩しに戦闘が始まってしまったとしても、これは仕方がないだろう。激昂するオブビリオンの前に進み出て、注意と敵意を引き付けるべく桜に盾をかざさせてナオが挑発し。
「なら、切り刻まれちゃってよ」
 妖狐は複製した無数の鋏を放つことでこれに応じた。
「正義は不変なのです!」
 駆け出していた桜の体をナオは即座に超防御型へと変え。ただ、複数の鋏はすべてがナオたちへとは向かわなかった。一つ一つを別々に操作できる鋏のいくつかは、他の猟兵たちにも向いた。当然ながらを除けば一番多くの鋏に狙われたのは、アトシュである。
「遅いね」
 だが、飛来した鋏が貫けたのはアトシュの残像のみだった。まるで十秒先の軌跡がわかるかのような動きで鋏をよけて見せ。
「させません」
 流れ弾と言っても差支えのない少数の鋏、その半数を琥珀色に装飾されたメイスとディフェンダーでマリアが打ち払い。
「甘いよ」
 水の魔力で自身の防御力を高めつつ、残りをルーンソードで叩き落としたトオルは首を傾げる。
「キミの力はこんなもの?」
「っ、馬鹿にして……」
 意図して煽ったわけだが、妖狐の少女からいきなり斬りかかられて反撃をしのがれた形だ。
「可愛いは正義! ましては美少年をつけ狙うとは言語道断……この事件のツケ、冥土送りにて御退場願います」
「な」
 もっとも、トオルの言葉に気を取られたのは妖狐にとって失敗だった。声に振り返れば、ユーディが身をかがめ闘牛のごとく突進してくるところだったのだから。
「この一撃は重いですよ……美少年をいじめた罪万死なり!」
「がふっ」
 懐に飛び込まれ、至近距離から拳の一撃を受けたオブビリオンは跳ね飛ばされたかのように弧を描いて吹き飛び。
「ユーディ先生も毎回、色々な事に顔を突っ込んでいるな」
 距離をつけるため滑り込んだ姿勢のまま師が一撃を見舞う様をその目にしたイヴは、弓につがえていた矢を放物線を描き落下する妖狐めがけて放つ。
「いたいげな 美少年は守りきるぜ」
「きゃあ」
 きっとツッコんでは駄目なのだろう。矢は少女に突き刺さり。
「う、く……よくも、よくもっ」
 身を起こすとオブビリオンは再び無数に増やした鋏を飛ばす。
「さ、桜さん忍耐して下さい」
 盾を叩く鋏の音を聞きながらナオは桜を激励し。
「考えることは皆同じね」
 神霊体に変身した瑞穂はなぎなたを振るい発生した衝撃波で鋏を撃墜する。数人がかりで味方を守るべく猟兵たちに動かれては、誰かに痛手を与えることは能わず。
「今度こ」
「マジカル・リボン、ラッピングプレゼント!」
「何、これ……」
 それどころか、再び放とうとした鋏のすべてをジュンのマジカルロッドから放たれた光のリボンにからめ捕られて攻撃自体を止められ。
「あーあ、邪魔するから悪いんだよ?」
 真の姿まで解放したジュンによって鋏を封じられた妖狐の少女の姿は嘆息を残して溶け。
「コウカイシテモ、モウオソイカラネ」
 九尾の狐へ変わると光のリボンを引きちぎる。
「追い詰められて本気か」
「モウコウナッチャシカタナイヨ。シナズ、タダサイナンニミマワレルヨウニシテ、ワタシガタスケテイゾンサセルツモリダッタケド、モウイイヤ」
「え」
 追い詰められたことで自棄にもなったのか、オブビリオンはあっさりと語った。事件を起こした理由を。
「つまり、襲われさんを騙して言いなりにするのが狙いだったと……」
 たまたま災難に見舞われたのではなく、ピンポイントで件の少年が妖狐の狙いだったらしい。
「そう言えば、親父さんは身分の高い武士だっけ」
 権力面の理由で少年に近づこうとしたとしても、不思議はない。
「モウイイヨ、ココカラドウコウデキルナンテ、オモッテナイカラ。ミンナコロシテ、ソレデオワ――」
「滅べこら」
「オベバッ?!」
 終わりにするとかそう続けたかったであろう九尾の狐の言葉を遮ったのは、瑞穂の放った衝撃波。
「とりあえず、動機については聞かなかった、それでいいか」
 二つの事件がただ不幸な少年を精神的に追い込むためだけのモノだったとアトシュは思いたくないのだろう。妖狐が他の事件を考えていれば女装の必要もなかったかもしれないなんてわかってしまえば。
「グゥ、バカニシテェ」
 憤怒の表情で夥しい数の炎を作り出した九尾の狐は当然のごとくそれを放とうとし。
「ウグッ」
 苦痛にうめいて身をよじる。猟兵たちとて黙って攻撃されるのを待っている訳がない。
「さあ、今のうちに!」
「すまぬ」
 流石にこの状況では足手まといにしかならないことを否応なく理解した少年はジュンにいや、猟兵たちに頭を下げると戦場を離脱すべく駆け出し。
「追い詰められたってことはあと一息で倒せるってことでもあるよな。だったら――」
 イヴは再び弓を引き絞る。
「美少年は必ず守るぜ」
「グッ」
 放たれた矢は風を切って九尾の狐の体に突き刺さり。
「皆さん頑張って……桜さんが、お腹を空かしてだちゅいするまえに、終わらせて下さい」
「フザケ、グアアアッ」
 涙ながらにナオが応援する中、アトシュが先の斬撃で出来た傷口めがけて突き込んだルルディの穂先が文字通り九尾の狐を串刺しにして背から顔をだし。
「オノレェ!」
 傷つき、武器で貫かれて尚、オブビリオンは抗う。ばら撒くように放たれた炎が猟兵たちを襲い。
「全ての者に加護を……」
 傷ついた猟兵たちをマリアが歌声で癒す。
「ヌウウッ、ハァ、ハァハァ……シブトイ……ヤツラメ」
 呼吸も荒く、傷口からは血をしたたらせ、喘ぎながらも九尾の狐が鋏を複製し始め。
「もう一撃よ、もっちぃぃ!」
「ガハッ」
 放とうとする寸前でユーディに拳を叩きこまれ、体をくの字に折るがひとりでに宙に浮かんだ鋏は獲物を狙うように先端を猟兵達に向け。
「ウ、ク……」
「いい加減、滅べこら」
「グ、アァァァァァッ」
 浮かぶ鋏ごと衝撃波で薙ぎ払われたオブビリオンが絶叫を上げのけぞる。
「アぁ、こんナ……とこロで、どう……して」
 その体躯が少女のモノへと戻りながら崩れ落ち、地面に転がっていた複製の鋏たちにピシリとヒビが入る。それが、一連の事件を起こしていたオブブリオンの最後だった。
「えーと……その、こんなことに巻き込んでごめんね?」
 結局アトシュ的には、巻き込んだというか妖狐の少女の狙いが最初からその少年だったということはなかったことになったのだろう。戦いが終わり、避難していた少年と再会したアトシュはそう言って頭を下げつつ、自分はこういう者です、と天下自在符を見せる。
「そ、それは……」
 身分的にも天下自在符を見せられればおおよそのことは察してくれたのか。驚きから我に返ると、ありがとうございましたと少年も頭を下げ。そんな少年に困ったことがあれば力になると約したのは、想定していた顛末とは違う結果ではあっても共に苦労をした間柄故か。
「何がなんだか解らない? 大丈夫、私もよ」
 とは言え唐突な申し出に少年はまだすべてを理解できてはおらず、何割かの困惑を残した少年の肩を瑞穂は軽くたたくとそう言って肩をすくめ。
「それより約束だったものね、お団子食べに行きましょうか」
 少年の袖をつかむと歩き出したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月10日


挿絵イラスト