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お前も猟兵なら、生主できるよな?

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●まず、こちらの映像をご覧ください
「さあ今日も行くぞ 宴の日だよ YOUのハートに火をつけて」
 キマイラフューチャーは今日もポップな動画が配信中!(一呼吸)
 バーチャルキャラの LAP☆響く!
 What NAME Lapper?
「MY・NAME――芳醇麦芽・大☆吟☆醸!!」
 ディスプレイからお宅にラブコール☆
 視聴者のみんなー! 『アーイシテールゼーッッ!?』

 ――さて、以上はキマイラフューチャーで配信されている『悪質なラップ動画』の一部である。
 どこが悪質かって?
 第一に『芳醇麦芽・大吟醸なるバーチャルキャラクターは、実在しない』
 旧人類の残した技術を駆使し、ネット上の立体モデルに、リップシンクやモーションを投影させているのだ。
 キャラクターモデルもそう。
 金髪碧眼の中性的な容姿、乙女心をキュンとさせちゃうセクシーな美声。
 その二つで、アイドル的な特徴を際立たせ、主に女性リスナーを集めている。
 だが、どちらも着ぐるみの外側であり、ハリボテでしかない。
 おまけに、この自信たっぷりなラップ☆パフォーマンスにも問題がある。
 ……配信は一切録画せず、不定期の生放送のみ。アーンドゥ。
 自ら『会いに行けないイケメンラッパー』と、不必要なまでにプレミア感を増長させている。
 ――そうして、リスナーが外出しなくなるよう仕向けているのだ。

 しかし、こんな自己顕示欲の塊のような男もとい怪人。
 モテ格差で言えば――中の下あたりが関の山か。
『ティラノサウルス怪人』は、キメラ中心社会となった世界を転覆させることが目的。
 ――心の中では、顔の見えない相手に投げ銭しちゃうリスナーを嘲笑っているのだ!!
 促せ、少子化! 滅べ『キメラの未来』よ!!
「依って・寄って・因って・酔って・狂っちまうほど、盛り上がってこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッゼッッッッ!!」
 さあ、今日も張り切って引きこもれ……そして緩やかに滅びちまいな!!

●ということなんだゼ!
 配信映像の一部を視聴してもらった李・蘭玲(サイボーグのグールドライバー・f07136)は改めて向き直る。
「皆さんにはキメラフューチャーに転移して頂き、この少子化促進活動を目論む『ティラノサウルス怪人』の活動阻止、および怪人退治をお願いします」
 しかし、単純に倒すだけでは問題解決には至らない。
 その理由は、すでにファンと化したキメラ達は大吟醸の配信見たさに引きこもっているからだ。
 もし芳醇麦芽・大吟醸が消えたとしても……だ。
 ファンは次の不定期配信を心待ちにして、部屋に引きこもり続けるだろう。
「リスナーが引きこもったままでは意味がありません……まずは、配信する怪人からファンを横取りするところからでしょう。怪人よりも、視聴者をキュンとさせる……乙女心を鷲づかみする『アピールポイント』を用意してくださいね」
 例えば、力強い歌声、ヘッドバンキングや楽器をぶち壊すハードコア&パワフルなアピールに熱狂する者もいるだろう。
 テクニックに魅力を感じる者なら、伸びやかな歌声、こぶしの効いた演歌などクセのあるアピールが刺さるかもしれない。
 しかし、歌といっても表現方法はさまざまだ。
 事前に音声加工した楽曲に合わせ、キラキラと輝く特殊効果を用意しておくのも良いだろう。

「ですが、これだけでは怪人も負けたとは思わないでしょう……彼の土俵は『ラップ』ですから」
 本格的に追い詰めるタイミングになったら、真っ向勝負を仕掛ける必要がある。
 ――――そう、ラップバトルだ!!
「難しく考えず『ひたすらサゲて精神的苦痛を与える』もよし。視聴するキメラの皆さん達に問題提議して、恋について考えさせることも大切。……そもそも『この方法で目的を達成できるのか?』と、理路整然に説き伏せることも必要でしょう。ラップバトルを視聴するキメラの皆さんが勝敗のカギですよ」
 最終的に『どれだけリスナーの支持率を集めたか』が重要だ。
 多少はリズムがとち狂っても問題ない。
 重要なことは――リスナーのキメラ達を楽しませ、かつ魅了することにある。
「ファンを取られて、ラップも負けて。……となれば、怪人も黙っていないでしょう。実力行使で来たのなら後は殴り倒すのみですよ」
 猟兵の前に現れたそのときが、怪人が落日を迎えるとき。

「怪人がすぐ襲撃してくるよう、怪人の配信スタジオの近所にある公園から配信いたしましょう。私は皆さんが落ち着いて配信できるようバックアップしますので、全力のパフォーマンスをよろしくお願いしますね」
 グリモアディヴィジョンVSティラノディヴィジョン。
 前代未聞の配信バトルが幕開けとなる――!!


木乃
 木乃です。あけましておめでとうございます!
 新年一発目はキマイラフューチャーからお送りいたします。
 少子化を促してキマイラ社会の衰退を狙う怪人を撃破してください!

●シナリオの流れについて
 1.ときめきパフォーマンス!
 まずは視聴するキマイラ達に歌のパフォーマンスでアピールしていきましょう。
 胸キュンするようなパフォーマンスほど、被害キマイラ達も見続けてくれるようです。
 視聴者が集まり始めれば、怪人側も気づくので張りきって視聴率をあげましょう!
 ダンス、ヴィジュアルアピールもどんと来いですよ!!
(著作権的な問題があるので、歌はオリジナル歌詞でお願いいたします。過度のパロディ・オマージュ、成人向け要素の強いお色気アピールも不採用とさせて頂きますので、あらかじめご了承ください)

 2.ラップバトル!
 怪人が気づいた頃合いにラップバトルを仕掛けます。
(怪人側の様子がわかるように、蘭玲が怪人側の配信映像を仲介してくれるようです)
 リスナーの支持率が猟兵に傾くほど、相対的に怪人側も下がっていきます。
 支持率が変動しなかったり、少ないと怪人の有利は覆せないため、ここが勝負どころです。
 とにかく視聴者を楽しませて、怪人の支持率を下げていきましょう!
(こちらも著作権に抵触する歌詞は採用いたしかねますので、オリジナル歌詞でお願いいたします)

 3.実力行使(ステゴロ)
 なんやかんやで猟兵の配信現場に乗り込んできます。
 返り討ちにしてやってください!

 それでは皆様のご参加をお待ちしております!
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第1章 冒険 『トキメキマイラ・ラブロマンス』

POW   :    幼馴染や妹系キャラ(弟とかでも可)に扮し、押し掛ける。バブみを強調してオタクをオギャらせてもいい。

SPD   :    さじ加減が難しいツンデレキャラになりきり、突き放しては惹きつけオタクを悶えさせる

WIZ   :    かつて一世を風靡したダウナー系キャラを演じる。歴代の人気ヒロインは決まって軍艦の名前なのは何故だろう

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

琴葉音・ラース
ほほう、ラップ系バーチャルキャラクターの自分に喧嘩売ってるっすね。その喧嘩買ってやるっす!
シンフォニック・キュアをつかって、癒されてるように錯覚させるっす!自分、ダウナーキャラじゃないから演じるの難しいっすけど、自分の歌に酔えっす!

「見た目はダウナーだけれども心はホット、ワタシの持ってる思いは本物。不器用な自分の心をコントロール。表情筋が硬い、会えない日のワタシは死体、愛が開花する時代。あなたとワタシ恋がしたい」

語りかけるように、ゆったりバラード系をビートにして歌うっすよ!


湯櫂・萌子
【ユーベルコードは使用しない】

とびきりのパフォーマンスは
他の人が披露してくれるでしょうから
私は前座みたいなものをやりましょう。
いきなりアップテンポというのも
息切れしそうなので、穏やかな曲調のものにします。
動きもそれほど激しいものではなく、
左右にリズムをとる程度のステップにするわ。

(セリフ)
まずはご視聴ありがとうね。
楽しい時間になるように頑張るから。


昼と夜がどうしてあるのか知っている?
それは誰かと誰かが出会うため。
明るい空も街の灯りもそうなんだよ。
キミは今どこにいるのかな。
探してみて、きっと見つかるから。


歌い終わったら
「おあとがよろしいようで」
と、ぺこりと一礼してから会場の脇へと下がります。


朝ヶ谷・ひいろ
一人で部屋にこもりっパ☔なんてカビ生えんじゃん?!😫💦
ゼッテー皆でつるむ方が楽しいっしょ。٩( ᐛ )( ᐖ )۶

ってワケで、人懐っこく俺のトークと【コミュ力】爆発💥させて場を繋ぎまっす!
チャラいとかマジ褒め言葉だし😎💪🏻✨
「ちっすちーっす、ひいろって言いまーす。どうぞよろピコ☆」

心を掴む秘訣はコールアンドレスポンス。そして第三者の存在。
「コメントありがと! 今日はいっぱい話しかけて俺の事、独り占めしてくれる?」
俺へのコメントはできる限り即レス。
他の閲覧者より目立ちたいって気持ちや、自分のコメントに反応されたいって気持ちを煽って全体のコメント数稼いで行く作戦なん✨マジ名案じゃね?



●猟兵ちゃんねる!
 近未来感あふれる遊具ではしゃぐ、キマイラキッズ達の傍ら。
 野外テーブルにノートパソコンを広げ、ハンディカムは即席の配信機材として設置されている。
 今回の怪人、『芳醇麦芽・大吟醸』はネットとラップを駆使してキマイラ社会の崩壊を企てているが、
 単純に討伐するだけでは問題が解決しない――彼のファンとなったキマイラ達の解放も任務の一環となる。

(「ラップ系バーチャルキャラクターの自分に喧嘩売ってるっすね、その喧嘩買ってやるっす!」)
 『バーチャルキャラクターに扮し、ラップを悪事に利用している』と聞いて、琴葉音・ラース(激情爆音ラッパー・f10509)は赤い瞳に怒りの炎を宿す。
 愛すべきラップを悪用する怪人、許すまじ!!
「つーかさ。一人で部屋にこもりっパなんて、カビ生えんじゃん?」
 軽薄そうな印象を受けるものの、引きこもるキマイラ達の身を案じる朝ヶ谷・ひいろ(天河で溺れん・f00164)
 マジあり得んてぃーな今回の状況に「ぜってー皆でつるむ方が楽しいっしょ!」とひいろは脱・ヒッキーを声高に宣言。
 猟兵達の用意が整ったとみるや、怪人の配信状況を立体映像として表示させる。
 ――意味ない世界になにを見るんだい? All Wright!I Like、with at You☆
『イケボ』
『だいちゃんカッコイイ!』
『マジ惚れる……』
 リズムに合わせ、全身を弾ませる怪人の仮想体へコメントが送られていく。
 配信サイトのトップにも表示されていた様子は、視聴者の盛り上がりからも、人気の程がうかがえる。
 ――視聴者数は現時点で1000人弱。
 不定期配信をリアルタイムで視聴する人数としてはかなり多い。
「とりまMCやっから、歌はよろピコー」
 ひいろは後ろ手で振り返すと、カメラの前に立ち、湯櫂・萌子(人間っていいな・f08613)が後を追う。
「あの、前座みたいなものが必要だと思いますので」
 萌子とひいろが並び、配信開始の合図が送られる。

 ゲリラ配信にもかかわらず、『猟兵』の二文字に釣られてチラホラ視聴者が集まりだす。
「ちっすちーっす、ひいろって言いまーす。どうぞよろピコ☆」
『初見です』
『マジで猟兵の配信?』
 つらつらと流れてくるコメントを流し読みしつつ、ひいろは頭の中でピックアップしていく。
 コミュ力とは瞬発的な判断力も求められるのDA!
「コメントありがと! 猟兵の配信ってのはマジマジ、宣伝しちゃってオッケーだから!」
 ネットワーク伝いに口コミして欲しいと伝えつつ、ひいろが本日の主旨を発表。
 コメントだけ出なく、サイト内広告を出すリスナーも出始めた。
「つー訳で、最初の一曲目いっちゃいますか!?」
 と、ここで萌子にバトンタッチ。
(「いきなりアップテンポというのも息切れしそうですよね、ここは穏やかな曲で……」)
「まずはご視聴ありがとうね。楽しい時間になるように頑張るから」

 小さく微笑んだ萌子は深い紫の瞳を伏せ、大きく息を吸い込む。
「――昼と夜がどうしてあるのか知っている? それは誰かと誰かが出会うため」
 細い体をゆったり揺らすたび、烏羽色のローブが合わせて揺れ動く。
 しっとり歌う萌子の声を聞き入っているからか、コメントの流れは一時的に緩やかになる。
「明るい空も街の灯りもそうなんだよ。 キミは今どこにいるのかな」
 祈るような歌声。
 切なさのただようフレーズを口ずさみながら、無機質なカメラレンズに視線を向ける。
 ディスプレイ越しに、スピーカー越しに、意識を向けている視聴者のもとへ届くように。
「探してみて、きっと見つかるから――……」
 月夜の薄明かりを思わす、静穏な声音はそよ風となり過ぎていく。
 視聴者の反応はいかがか、萌子はチラと画面を一瞥する。
『綺麗な歌』
『感動した!』
 コメントは概ね好意的なもの。
 歌っている途中から視聴者の数は少しずつ増え、先ほどの倍の人数がカウントされている。
(「よかった……」)
 萌子は安堵しつつ一礼し、ラースと入れ替わる。

(「自分も張り切っていくっすよ!」)
 軽く挨拶をすませたラースはユーベルコードを発動させる。
(「さあ、自分の歌に酔えっす!」)
 ――シンフォニック・キュア。
 魔力をこめた歌声で観客を魅了すべく、ダウナー系に扮するラースが声楽を奏でる。
「見た目はダウナーだけれども心はホット、ワタシの持ってる思いは本物――不器用な自分の心をコントロール」
 電子の海に伝播する歌はバラード調のもの。
 言葉は韻を踏むようにリズムよく、伸びやかな声で視聴するキマイラ達へ語りかける。
「――表情筋が硬い、会えない日のワタシは死体、愛が開花する時代……あなたとワタシ、恋がしたい」
 退廃的なフレーズを織り交ぜながらラースは歌いきり、キマイラ達からコメントが飛び交う。
『これは神配信確定だわ』
『強くて歌も上手いって、猟兵すげー!』
 絶賛するコメントの数々にラースも嬉し恥ずかし、むずがゆし。
 少しずつリスナーは集まり始めているが、依然として怪人との差は埋め切れていない。 芳醇麦芽・大吟醸に猟兵の歌唱力を見せつけろ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

湯櫂・萌子
【ユーベルコードは使用しない】

下がってからBGMを軽快なポップ調に変えてもらって、次の歌の繋ぎをします。
「コメントくれた人はありがとう。それでこれを見てくれている方たちは、もちろんだけどラップが好きなのですよね。だから、ちょっとだけでもいいから、私たちにラップの良いところを教えてくれますか?」
視聴者さんにコメントを促すトークをして放送の一体感が出せるようにつとめます。



一旦、入れ代わった萌子は、盛り上がり始めた様子に思案する。
(「視聴者さんと一体感を出せるようにしたら、もっと楽しんでもらえるかな……」)
 怪人のゲリラ配信より、より多くの視聴者を引き寄せる必要がある。
 今の勢いなら――別の猟兵が歌い終わったタイミングで、萌子は再びカメラ前に立つ。
「コメントくれた人はありがとう。それでこれを観てくれている方たちは、もちろんだけど……ラップが好きなのですよね?」
 萌子は「ちょっとだけでもいいから、私たちにラップの良いところを教えてくれますか?」と、視聴者に向けて尋ねる。
 ――ここで盲点があった。
『聞いてて元気が出るよね』
『スカッとする?みたいな』
 実際にラップを聴いているらしいリスナーから、意見が出始めたが、
(「……あれ?」)
 流れるコメントが目に見えて減ったのだ。
 おそらく、ラップを聴いていない層がコメントできなかったこと。
 視聴者全員がラップ好きというわけではない、という状況が浮き彫りになったからだろう。
 ――同時に『怪人の配信にのめり込んでいる者達へ、この配信がまだ届いていないこと』を意味する。
 ラップ好きならば、ラップを配信する者の元へ集まるのは必然。
(「怪人はトップページに出るくらいだし、今は注目を集めることが先決……ってことだね」)
 配信はまだ始めたばかり、箸休めするには少々早かったようだ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

馬駒・つの
ゴッドファザーつの様が邪魔するぜ👊🌼
【存在感】ばっち💮でなうおんえあ!

やぱ女の子が求めるものは
恋とか夢とかキラキラとか🎀
それから何より「共感」だよね🥂
【手を繋ぐ】気持ちと【コミュ力】で
だいちんが大好きな心にホールインワン♥️🏌️

二次元でも三次元でも
女の子を全肯定する恋のうたをお届け💌

会えないけど好き?
魔法のパンチライン刻む王子様
会えないから好き?
灰被りでも許される恋

だけどホントは
お洒落してかわいくして
君の最高速度のフロウを聴きに行きたいっ💖

みんなも同じ気持ちなら
【グブレ】でだいちんとの勝負服にぱわっぷできるよね💄✨

最後はみんな【言いくるめ】て
簡単な振り付け一緒に踊ろっ💃💃



小休止を挟みつつ、リスナーを集める猟兵達。
 登場と共に存在感をアピールしたのは馬駒・つの(??タッタ・ラッタ??・f00249)
「ゴッドファザーつの様が邪魔するぜ☆ やぱ、女の子が求めるものは恋とか夢とかキラキラとか……それからなにより『共感』だよね?」
 持ち前のコミュ力と、感情を繋ぎ合わせようとする気持ちが浮かぼうとする、
 つのの言葉に『うんうん』『わかる~』など、支持コメントが集まり、チャームポイントの八重歯を覗かせ、つのはニッコリ。
 今日のつのの歌は『二次元でも三次元でも、女の子を全肯定する恋の歌』
 アップテンポなビートを刻み、つののダンスとラブソングが始まる。

「会えないけど好き? 魔法のパンチライン刻む王子様♪ 会えないから好き? 灰被りでも許される恋♪」
 灰被りなお姫様だって恋したい! 王子様だって夢見ちゃうもん!
 いつだって、素敵な恋は女の子を夢中にさせちゃう――逢えない時間のもどかしさを明るいフレーズに!
「――ドローンかもかもー☆」
 そしてユーベルコード『グッドナイス・ブレイヴァー』でドローンを展開☆
 視聴者の応援により武装がぱわっぷする、おあつらえ向きな能力が本領を発揮する――!
『衣装が変わり始めた!?』
『すげぇ!!』
 乙女の恋心を解せぬボーイズ&メンズも、つのの変化する姿に歓声をあげた。
「だけどホントは――お洒落してかわいくして、君の最高速度のフロウを聴きに行きたい~っ! みんな~!つのと一緒に踊ろ~っ!」
 ハイテンションガールのパフォーマンスにつられ、一緒に踊っているのだろう。
 コメントの流れが一時的に緩やかになるが、つのの服装は変化し続ける。

 広告を見て訪れた視聴者も来たようで『初見、マジで猟兵が配信してる!』と驚きの声も増えてきた。
 リアルタイム視聴者は900人を突破……遂にトップページへ表示される。

大成功 🔵​🔵​🔵​

湯櫂・萌子
ラップってノリとリズムが重要みたいですね。
歌うというよりは早口で話しかける風な感じに


ふとした時に見つめる白い指先
まっすぐに伸ばしたら
そこには今までは気づかなかった
誰かの優しさが光ってる。


ローブの袖をはためかす様に振ります。



(「ラップ……ノリとリズムが重要みたいですね」)
 なかなか奥が深い……唸る萌子は、再びカメラの前に立つ。
 トップページに表示された今、怪人の配信と同程度の注目があるはず。
「せっかくラップについて教えて頂きましたので、ここでラップに挑戦してみたいと思います」
 丁寧に頭を下げる萌子に向け『頑張れー』『わくわく』と声援や、楽しみにするコメントで画面が埋まっていく。
 
(「歌うというより、早口で話しかけるような感じですよね……」)
 真っ黒いローブの袖をはためかせ、萌子は初じめてのラップに挑む――。
「ふとした時に 見つめる白い指先 まっすぐに伸ばしたら そこには今までは気付かなかった 誰かの優しさが光ってる――」
 拙いながら懸命に歌いきった萌子に、視聴者から歓声のコメントが送られる。
 ――同時に、怪人の配信画面にも変化が。
『猟兵も歌の配信してるって』
 複数のウインドウを開いていた者が、なにげなく流したのだろう。
 まさか怪人が配信しているとはいざ知らず――!

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『ヒプノスティックマイク!!』

POW   :    ラップバトルを正面から受けて立つ

SPD   :    ワザを編み出す、有利になる情報を掴む

WIZ   :    知恵や口車で勝負自体をうやむやにする

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『ちょっとちょっと、他の配信を視ながら俺のも視てたの? 浮気されたら俺かなしい!』
 明るく振舞っている芳醇麦芽・大吟醸だが、カメラの向こうでは、頬を引き攣らせていることだろう。
 しかし、自らの土俵に上がろうとしているのだ。
 まだ勝ち目はあると踏んだのだろう――なにがしかの操作をする動きをして、
『……うわ、マジで猟兵が配信してる!?』
 猟兵の配信画面を表示させたようだ。
 あちらの配信を視聴していたファンも『奇跡のコラボ』と、盛り上がり始めている。
 ――裏を返せば、ここで支持率を下げられれば芳醇麦芽・大吟醸としては、大火傷どころでは済まない!
『良い機会だし、ここで……突発ラップコラボを申し込んじゃおうと思いまーす!』
 コラボ、と体のいい言葉を選んだが、実際は自身の技量を誇示しようというつもりだろう。
(「そっちから仕掛けてきたんだ、恨むのはお門違いだからな!」)
 ――猟兵たちは申し込みを快諾すると、いよいよ怪人との勝負が始まる!
伊美砂・アクアノート
分身して二人でラップバトル

お前浮気すんなってそう俺はずっとラブだって
いつだって嘯く君それ嘘だって知ってる僕
自分なんでウソ言うの?テメェ舐めてんの甘い飴
オレら舐められてんだよアイって名前のキャンディ

今日は機材トラブってダメだったって突然切られた生配信
そーいや今日の運勢は凶だったーついてねぇな生ビール呑も
当然切れてる冷蔵庫の中身今日も裂けてるチーズを齧る
避けてるのは現実逃避すらできない減ってく預金通帳見る
キレてるのは親 切られたのは電話
エンがなくなって笑えない笑ってる

えんえん泣いたって助けなんてねえ
延々動画見たって誰もオマエ見ちゃいねえ
此処には金々言うヤツしかいねえ
クレクレ言う奴は分けちゃ呉れねえ



 伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)、もう一人の自分を呼び出すと同時に斜向かう。
 瓜二つの人間が現れ、『なに今の!?』『猟兵すげー!』など驚愕するコメントで溢れかえる。
 前置きはなく一呼吸おいてすぐにラップを口ずさむ。
「お前浮気すんなって そう俺はずっとラブだって いつだって嘯く君 それ嘘だって知ってる僕 自分なんでウソ言うの? ――テメェ舐めてんの甘い飴 オレら舐められてんだよ アイって名前のキャンディ!」
 絶妙なライムを刻む伊美砂のラップは機知にも富んでいた。
 所々に含まれるダブルミーニング、小粋なパンチライン――リリックのオチも見事なものだ。
『あなたの安っぽいライムじゃお話にならない』
 門前払いする伊美砂のラップに大吟醸が口を挟む余地なし。

 だから『二人』でやってみせると、もう一人の伊美砂がマイクを握る。
「今日は機材トラブって ダメだったって 突然切られた生配信 そーいや今日の運勢は凶だったー ついてねぇな生ビール呑も 当然切れてる冷蔵庫の中身 今日も裂けてるチーズを齧る 避けてるのは現実 逃避すらできない 減ってく預金 通帳見る キレてるのは親 切られたのは電話 エンがなくなって笑えない笑ってる」
 ブラックジョークが冴え渡るぅ!
 キマイラフューチャーには無縁の世知辛さだが、二人同時にパフォーマンスしてみせる柔軟さは視聴キマイラ達に大ウケ。
『辛すぎて面白いまである』『皿割ってバナナでコケてタンスに小指ぶつけるレベルの災難だ……』
 まさに多重人格者の伊美砂ならでは芸当であり、怪人には真似できぬテクニックである。
「えんえん泣いたって助けなんてねえ 延々動画見たって誰もオマエ見ちゃいねえ
此処には金々言うヤツしかいねえ クレクレ言う奴は分けちゃくれねえ」
 解るか、この辛さ? 解るよな、このやるせなさ!
 一部の視聴者に刺さりそうな伊美砂のリリックだが、ここは楽しいリゾート世界・キマイラフューチャー。
 そういう人の方が少ないから、きっと大丈夫SA!
 刺さっているとしたら……画面向こうの怪人さんかな? イエーイ見てるぅ?
 ――伊美砂のWラップに興味を持った大吟醸の視聴者は、徐々に引き寄せられていた。   

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘルガ・リープフラウ
この世界の「らっぷ」は初耳ではありますが、要は韻を踏みリズムを刻めばよろしいのですね?
ならば持てる全てを尽くして、わたくし流の「らっぷ」を披露いたしましょう。

(フィドルの音色に合わせ、紡ぐはフォルクローレ。
歌い出しは静かに、揺蕩う波の如くにゆったりと)

♪秘めし言葉を 紐解いて
 春のきざしを 寿(ことほ)いで

(一転、春の訪れに喜び華やぐ祝祭のリズム、アップテンポの民族調音楽に合わせ)

♪歌え 歌え 祝い踊れや
 いとし 恋し 清き乙女や

 交わす杯 満たすは甘露
 縁(えにし)の糸を結びし伴侶

 花を召しませ 恋を召しませ
 萌ゆる命のよろこびに
 共に手を取り 生くる百年(ももとせ)
 永久に祈りを捧げませ



 猟兵たちの歌う姿を見ていたオラトリオのディーバ、ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)にとって、『ラップ』は未知の世界だった。
(「初めて耳にしましたが……要は韻を踏み、リズムを刻めばよろしいのですね?」)
 ここまで場を盛り上げた仲間のおかげで、ヘルガも要領を得られてきた。
 愛用のフィドルを手にし、白翼の歌姫が遂に生配信の場に立つ。
「持てる全てを尽くして、わたくし流の『らっぷ』を披露いたしましょう」
 ワイプに映る大吟醸(の仮想モデル)は既に出鼻をくじかれ、しどろもどろしている。
 それを一瞥し、ヘルガも先の猟兵らに続こうと、軽やかな音を奏で始めた。
「――秘めし言葉を 紐解いて 春のきざしを 寿(ことほ)いで」
 さざ波のような静かな出だしに乗せて、ゆったりと身を揺らす。

 リズムは次第に跳ね踊る小鹿のように、春の訪れに華やぐ祝祭のように、ヘルガは音色を変化させていく。
「歌え 歌え 祝い踊れや いとし 恋し 清き乙女や」
 ラップ、というとヒップホップやクラブサウンドのイメージが強く、視聴者のほとんども従来のものを想起していた。
『なんだか珍しい曲調だね?』『俺はけっこう好きだけど不思議な感じだな』
 そのため、毛色の異なるヘルガのパフォーマンスに『ラップっぽくない』というコメントも少なくなかった。
 だが、ラップとは『歌唱法』を指したもの――フォルクローレに織り込んだヘルガのスタイルはなんら問題なく。
 さらに違和感なく、成立させているヘルガの手腕も発揮されていた。
「交わす杯 満たすは甘露 縁(えにし)の糸を 結びし伴侶」
 テンポは渦を巻く春の一番風のごとく、口ずさむライムは視聴者を虜にしていく。
 春めいた気候は心に種まき、芽吹いた双葉が寄りあいFeeling!
「花を召しませ 恋を召しませ 萌ゆる命のよろこびに」
 瞼に浮かぶは春の色。風に揺れ、恋に咲き、爛漫と織りなす出会いの季節。
 乙女心を交えたライム、浮かれちゃうもの・春だもの!
「共に手を取り 生くる百年(ももとせ) 永久に祈りを捧げませ」
『お祭りの歌なのかな?』『素敵なラップだったよ猟兵さん~!』
 可憐にして流麗。
 エキゾチックなラップに面食らっていた視聴者も、ヘルガが歌いきる頃にはすっかり魅了されていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬飼家・ヤング
なかなか楽しいことになっとるのう
ほんだらわいも、いっちょええとこ見せたろか!

\ DJ B・A・K・A・U・K・E!!!! /


そこのウブでいなせなお嬢ちゃん 悪い男にゃご用心
引っかかったら最後 骨の髄までしゃぶられボロ雑巾

街で噂のジゴロは色男
だけど頭の中身はエロいこと
自称クールな天才!(天才!)
実はルーズな変態!(変態!)

今日もナンパに精出し night & day
だけど見事にふられて悩んで
モテのトレンド追いかけ day by day
いつも見ているサイトは出会い系

そこへ参上 我らがイェーガー!
正に惨状 泣く子はいねーがー!

鬼畜セクハラエロ厨出会い厨
クズは丸めてぽぽいぽーい!

※アドリブ歓迎



 O・T・T・Y・A・N オッチャン! O・T・T・Y・A・N オッチャン!
 O・T・T・Y・A・N オッチャン! O・T・T・Y・A・N オッチャン!
 独特なチャントとともに、カスタネットメガホンを手にした姿が躍りこむ。
 あれはなんだ? ゆるキャラか? 世紀のモテ男か?
「ほんだらわいも、いっちょいいとこ見せたろか!」
  アレは――馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)こと、DJ B・A・K・A・U・K・Eだぁぁぁーーー^!!
 白黒のボーダーメガホンを上下しながら、ゴーゴーダンスで華麗に参☆戦ッ!
 40センチ弱の全身をフルに使って、ナニワのフリースタイルラップで勝負に出る。

「そこのウブでいなせなお嬢ちゃん 悪い男にゃご用心! 引っかかったら最後 骨の髄までしゃぶられボロ雑巾」
 チャキチャキなリズムで織りなすリリックは、なかなかシビアで容赦がない。
 陽気なステップとオーバーアクションでヤングは続け、
「街で噂のジゴロは色男 だけど頭の中身はエロいこと! 自称クールな天才? 実はルーズな変態!」
 視聴者の与り知らぬ事情をどストレートに折り込み、ディス・ディス・ディスりのオンパレード。
 華麗なスナップでメガホンからはトン・カン・トン・カン鳴り響く。
「今日もナンパに精出し・night & day! だけど見事にふられて悩んで? モテのトレンド追いかけ day by day! いつも見ているサイトは、出会い系!?」
 アドリブ芸も難なくこなす、遊び人ヤングの独擅場には視聴者も、
『風刺ラップってとこかな?』『毒舌が面白いおっちゃんだわ』
 感心したコメントが続々流れ込んでくる。
「そこへ参上 我らがイェーガー! 正に惨状 泣く子はいねーがー!?」
 最後に両手に掲げた金棒(メガホン)を顔の前でぐるぐる回し、
「鬼畜・セクハラ・エロ厨・出会い厨・NG! クズは丸めてぽぽい・ぽーい!」
 ペイッと掲げてフィニーッシュ!
 痛烈な抒情詩をユーモラスに歌い上げるナニワスタイルに、リスナーの関心は急速に動き出していた――。  

大成功 🔵​🔵​🔵​

マッド・クイーン
WIZ
(「もっと愉快な仲間たち」と一緒に歌います)

我が国を宣伝する良い機会です!

(泥の国を治めるマッド・クイーンと愉快な国民は泥の塊さ)
どろのくにーを
おさめる マッド クイーン と
ゆかいな こく  みぃーん は
どろのか たま  りぃー  さ

(泥の国の唯一の騎士はスクラップボディの操り人形)
どろのくにーの
ゆいいつ  のき しぃー は
スクラップ ボ  ディー の
あやつり  にん ぎょー う

国民7号、なんですか? 歌の途中ですが発言を許します。
ラップとは少し違う気がする?
当然です。
これはわたくしたちの得意分野、ミュージカルへ誘導する為の一種の"フェイント"なのです。
まだまだ歌いますよ!


リカルド・マスケラス
正面からラップバトル

「ラップっすかー。まー、得意って程でもないっすけど、やるだけやってみるっすよ」
そんなゆるい感じで参戦する狐のお面。マイクとかは念動力でなんとかしてるんじゃないですかね?
「見てるか吟醸?MC参上!」
せっかくラップやるならMCバトル風に相手を【挑発】するのがいいっすかね?
「wackな奴よりワクワクさせるぜ! お前にaim、刻むぜrhyme! 今日が君の、氷河期到来?」
氷河期とか絶滅とか恐竜の嫌がりそうなワードも入れて挑発したい
「守りに入るか引きこもり! 身一つ相手に暴君broken?」
暴君竜=ティラノ
「お前にゃ化石がお似合いっす」
相手がティラノだって分かってるからこその挑発っす



 視聴者の関心はグリモアディヴィジョンに!
「ラップっすかー。まー、得意って程でもないっすけど、やるだけやってみるっすよ」 ボリボリと頭を掻いて、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)も重い腰をあげる……カメラさん、リカルドさんの本体は狐面のほうなので!
 しかし、多くの猟兵達によってリスナーの関心はほぼ独占状態。
 ここで一気に盛り上げたいところ。
 手にしたマイクはマスク側に傾けつつ、カメラに向かって軽く手を振り――いざ尋常に!
「見てるか吟醸? MC参上!」
 気合いの入った口上から挑発的な態度、リカルドは正統派ヒップホップスタイルで勝負。
 ワイプ越し、仮想キャラ越しでも解るほど狼狽する怪人めがけ、リカルドが一気に畳みかける!
「wackな奴よりワクワクさせるぜ! お前にaim、刻むぜrhyme! 今日が君の、氷河期到来?」
 ――Alright、そんじゃ氷点下めがけて垂直落下だWannabe吟醸! 絶滅・必滅・格別ヤべー見物だぜ!?――
 ティラノ怪人本体をディスるワードをバンバン羅列し、ダイレクトアタックをぶちかましていくリカルド。
『おおー王道スタイルだ!』『フリースタイルにガチで来るの燃えるな』
 正体を知らないキメラ各位には、リカルドのリリックを理解しきれていないようだが、小気味よいライムの刻みっぷりは視聴者をいっそう虜にする。
「守りに入るか引きこもり! 身一つ相手に暴君broken?」
 突き立てた中指を反対の手で自主規制する姿が、また小馬鹿にしているような挑発パフォーマンスとして成立させる。
「お前にゃ化石がお似合いっす、ネットの海に沈めHater」

 リカルドの見事なラップに続けとばかりに、『もっと愉快な仲間達』が押し寄せる!
 10人の陽気な小人達と傀儡騎士を伴い、現れたのはブラックタールに非ず。
 泥から生まれたマッド・クイーン(泥の女王・f19876)なり!
「MC? いいえ、わたくしはMQ!」
 女王が名乗りあげると小人達も肩を揺らして歌いだす。
 ――どろのくにーを おさめる マッド クイーン!
 ゆかいな こくみん は どろのかたまりぃー さ!
「もちろん、わたくしの国にはナイトもおります」
 どろのくにーの ゆいいつ のきしぃー は?
 スクラップボディー の あやつり にんぎょーう!――
 歌に合わせてマッドは糸を手繰り、からくり騎士は仰々しく頭(こうべ)を垂れる。
「あのー女王さま?」
「国民7号、なんですか?」
「これってラップとは少し違う気がするのですが」
 それもそのはず。得意分野のミュージカルに誘導するためだからSA!!
 それに思い出して欲しい、グリモア猟兵の発言を。
 重要なことは――『リスナーのキメラ達を楽しませ、かつ魅了することにある』と!
 主旨から外れてしまってきても、ここまで来たら関係なし。
 リスナー達はまだまだ歌い続ける、泥の女王のパフォーマンスを楽しんでいるのだから――そして、唯一面白くないと目くじらを立てたあいつがやってくる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ティラノサウルス怪人』

POW   :    ザウルスモード
【巨大なティラノザウルス】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ティラノクロー
【鋭く長い爪】による素早い一撃を放つ。また、【装甲をパージする】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    学説バリエーション
対象の攻撃を軽減する【羽毛モード】に変身しつつ、【体から生えた鋭く尖った針のような羽毛】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●大吟醸は、強敵でしたね……。
「テメェら、いい加減にしやがれ!!」
 気づけば放送枠を閉じたらしい芳醇麦芽・大吟醸……改め、ティラノサウルス怪人が配信中の公園へ現れた。
 隠れ家に近いこともあって、場所を特定してすぐに駆けつけた模様。
「よくも他人の配信ジャマしやがって、迷惑極まりねぇことしてくれたな」
 いや、先に突っかかってきたのはそっちだし?
 勝ち目があると思って勝手に『コラボ』とか言い出しただけだし?
 猟兵のパフォーマンスに狼狽して、なにも出来なかったのは自業自得だし?
 ――10割10分、自爆である。
「うるせぇー! こうなったら公開処刑でもしなきゃ気が済まねぇってもんだ……ぶっ殺す!!」
 逆上する怪人は鋭い牙をむき、真昼の公園に似合わぬ殺気をふりまき襲いかかってきた――!
徳川・家光
「すみませんね。あなたの『流儀』を、利用させていただきます」
 敵の流儀とは、即ち配信者の「性(さが)」。
 なんだかんだ言って、敵はまだ「写りの良さ」や「画面構成の良さ」を気にした動き、足運びが見受けられます。
 ならば僕は、わざと「動画映え」しない位置……茂みの中や、看板で丁度隠れる位置など……に移動した上で、敵が見栄えのよい位置に動こうとする無意識の動きを読んだ上で、
「身は空、心は虚にて、柳流鉄を穿つ」
 必殺の無刀取り(カウンター・エア)で、華麗なるカウンターを決めます!
 なんだかんだ、格好いい戦い方を意識してしまっている家光なのでした……。



「では、お相手しましょう。長く苦しい戦いもこれで決着です!」
 市井へのお忍び……ではなく、猟兵として居合わせていた徳川・家光(江戸幕府将軍・f04430)がスッと前へ出る。
 猛進する怪人はすかさず家光に飛びかかった――鋭いツメは不規則に降り注ぐが、そのような暴力でなにするものぞ!
 抜刀した家光は鮮やかな剣術をもって連撃を逸らしていく。
『おいおいおい死ぬぞあいつ』『なんでやり返さないの!?』
 一見すると押されているように見えるためか、視聴者のコメントは不安一色。
「ヒャハハハどうしたどうしたァ!? さっきの威勢はどこにいきやがったドちくしょうがよォ!!」
 怪気炎をあげる怪人であるが、家光とて無策で挑んだわけではない。
(「……予想通り、カメラの前に立つとどうしても『動き』に出てしまう。配信者の性(さが)ですね」)
 怪人が使用した立体モデル配信技術は、実在する人物のモーションを投影する代物。
 つまり、一挙手一投足を配信映像へダイレクトに反映させる――家光は『そこに付け入る隙がある』と考えたのだ。
 猛攻を受け流しつつ怪人の動きに注意すると、確かにカメラへ背を向けないよう立ち回っていた。

 ゆっくりと後退する家光を追って、カメラも動いていき……だんだんと遊具へ近づいていく。
「くっそ、ちょこまか動きやがってぇ……GYYYYAAAAAAAAAaaaaaa――――!!」
 ならば、と怪人は恐竜の本能を剥き出し、その肉体を膨れ上がらせていく。
 一時的に理性を捨て、巨大化する怪人に、
「すみませんね。あなたの『流儀』を、利用させていただきます」
 好機とみた家光は回り込むように遊具の陰――カメラから斜向かい――へと飛びこんだ!
 ……悲しいかな。染みついた配信者の習性は、怪人に障害物の排除より動画映えする位置取りを優先させる。
 生じた僅かな隙に納刀した家光は瞼を伏せ……無防備な姿をさらす。
「身は空、心は虚にて、柳流鉄を穿つ」
 体勢を整えた巨体は家光を押し潰そうと急接近し、配信画面は悲鳴で埋め尽くされた…………だが、鬼気迫る突撃は家光への致命傷には至らない。
「――御留流、無刀取り」
 自身の数倍はある巨躯を家光は右手ひとつで押さえ、反転するように左掌打が怪人の顎下へ強烈な返礼を見舞った。
 自ら放った一撃をそのまま叩き返され、巨大なティラノサウルスが宙に浮く……華麗な逆転劇に熱くならぬ者はいない。
『どういうことなの……?』『怪人君ふっとばされたぁ!!』『猟兵やべー!?』
 驚愕の場面に動揺が走るコメント欄……イメージ通りの格好いい戦法を決めた将軍もニッコリである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

焔邑・彩
えっ、えー。うそー。
さっきまで将軍様がいらしてたって本当?
あー、一目でもお会いしたかったのにー。
と怪人を完全無視したミーハー魂全開の為、相手の攻撃は全て受けてしまいます。
全身に突き刺さった鋭く尖った針のような羽毛を蒼炎で燃やしつつ、反撃の蒼炎を使用します。
攻撃を軽減するといっても、それ羽毛よね。
ということはよく燃えるわよね。



 華麗なカウンター技に魅了されていたのは視聴者のみならず。
「えっ、えー。うそー」
 同じくその場にいた焔邑・彩(終焔葬蒼・f18363)も大迫力の光景に目を丸くする。
「あ、これってもしかして……お目通りのチャンス?」
 しぼんでいく怪人の存在そっちのけ。
 ミーハー全開の彩は前線に飛び出し、痛む顎下を押さえたオブリビオンは鋭く睨む。
「っ、ぐ……舐めたマネしやがってぇ……!」
 今度は全身に力を込めると、針のような細長い羽毛が生え伸びていく。
 無警戒に飛び出した彩に向かい、怪人は怒りに任せて地面すれすれを疾駆し――、
「邪魔なんだよォォ!!」
 霰弾のように羽毛を全方位へ飛散させ、彩の柔肌に針状の羽が無数の擦過傷をつける。
 吹き出す僅かな血飛沫は髪を赤く染め、激しい痛みに足を止めた。
「いったーい……! なにすんのよ!?」
「テメェこそなにしに来てんだよ!! そんなに死にてぇなら、まずはテメェからだッ!」

 再び攻撃態勢に入ろうと、公園内を縦横無尽に走り攪乱しようとする怪人だが、彩は肌に刺さる羽を一瞥し。
(「これって、ユーベルコードよね? 刺さってるっていうことは……効果が発揮されてる、と言えるわよね」)
「ヒハハハハハハッ!? 怖くて声も出ねぇか!!」
 先ほどの一撃でまた調子づき始めているが、そうは猟兵が許さない――彩の眼に宿る獄炎が揺れる。
「私の反撃はここからよ」
 体からあふれ出る火球が刺さる羽毛を焼き払い、散開して恐竜怪人を追尾していく。
 尾を引く火の玉に羽毛針を飛ばして相殺しようとするが……『羽毛』って燃えるんだよねこれが!
 勢いは落とされたものの、突破した火炎は怪人の羽毛に着火し火だるまに。
「アヂャヂャヂャ!?!?!?」
「戦闘中に調子に乗るのはやられフラグだからやめたほうがいいよー?」
 いちおう忠告しておくが、地べたを転げ回っているうちはそんな余裕もなさそうだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

リカルド・マスケラス
「語るに落ちるとはこのことっすねー。配信とか口走らなければ、頭のおかしい乱入者で済んだっすけど」
とまあ、大吟醸=ティラノ怪人を観客にも理解してもらった上でバトル開始

「おっとり刀の大トカゲ!お呼びじゃないんでGO日陰!」
【挑発】しながらまずは敵の攻撃の回避専念。理性を失って暴れている隙に【念動】で鎖分銅を操り【ロープワーク】で絡ませて動きを拘束する
「sucker野郎はさっさと退場! 狐のお面が斬り捨て御免!」
周囲の観客の想いを武器に載せ、鎖鎌による【正義代行】でたたっ斬る。
ついでに観客同士の心を繋げる効果もあるので、さらに盛り上がってくれればいいっすね

「獣のmaskにゃけだるいtask OK?」



「語るに落ちるとはこのことっすねー。『他人の配信』とか口走らなければ、頭のおかしい乱入者で済んだっすけど」
『まるでさっきまで生放送してましたって言ってるようなもんだ』と、リカルドが強調すると、察しの良い視聴者がざわつきだした。
『そういえば大吟醸の配信、終わってから出てきたよね』
『まさか、大吟醸は怪人だった……?』
 物議を醸すコメント欄を一瞥し、リカルドは怪人へ仕掛ける。
 ようやく火の粉を払った恐竜怪人は呻き声を漏らし、ハ虫類独特の迫力がこもった眼に殺意を滲ませ、
「余計なことをベラベラとォ……!」
「いや、かんっぜんに自白だったっすよー? それにバトルはまだ終わっちゃいないっす!」
 青筋を立てるオブリビオンに、リカルドは挑発的な笑みを浮かべる。
「おっとり刀の大トカゲ! お呼びじゃないんでGO日陰!」
 おちょくるように鎖分銅を振り回し、LAPパフォーマンスを続行しリカルドは挑発する。
 その姿に怪人はさらに青筋をピクピク震わし、再び巨大化の兆候を見せ始めた――今度は一息に潰す方向に切り替えたようだ。
「WRRRRRYYYYYYYAAAAAAAAAAAA――――!!!」
  遊具や低木を巻き込み、太い尻尾を奮って暴れる怪人へリカルドは隙間を縫うように飛び込む。

 目の前に跳ね転がるジャングルジムを軽々駆け上がり、巨大怪人の頭上へリカルドは一気に躍り出た!
「Rope WorkでHard Lock! 根こそぎ・巻き込み・叩き込む!」
 怪人が大きく首を振る一瞬。放った分銅は首元に絡まり、リカルドは振り回されるように宙を舞う。
『離すなー!』『チャンスチャンス!!』
 熱狂する視聴者らの支持率はリカルドの言葉で猟兵に傾き、怪人退治の声援をコメントに流していた。
 ――近くにいなくとも画面越しに視聴していれば、それは『オーディエンス』の一形態と呼べる。
 見えない繋がりを証明するように、リカルドの鎖鎌に義憤の輝きが増していき――。
「――sucker野郎はさっさと退場! 狐のお面が斬り捨て御免!」
 放たれた刃が分厚い皮膚に爆風と裂傷を刻み込む。
「GGGGAAAAAAAAAAAAAAAAAA……!?!?!?」
 足をもつらせたように転倒する怪人から飛び退き、鮮やかな着地を決めるリカルド。
 おっと、目の前にはカメラマン――ここで一言どうぞ!
「獣のmaskにゃけだるいtask OK?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

伊美砂・アクアノート
【SPD:羅漢銭・須臾打】はいどーもーっ! 猟兵の伊美砂だよー! 今日はねー、このコインを使った戦闘技術を披露してみたいと思いまーす! 口上を述べつつ、【早業10、投擲10、2回攻撃10、スナイパー9、視力5】で、敵さんにコインを射撃します。……ね、簡単でしょう? え、早すぎて判らない? それじゃあ次は、もう少しゆっくり射撃してみましょー!(約0.02秒の速さでコイン早撃ちを継続して) …いかがでしたか? 猟兵の戦い方がよく判ったのではないでしょうか? 次回は、猟兵の持つ武器について紹介してみたいと思います。それではさようならー!(銃器二丁をフルオートで連射しながら終わりの挨拶)


フィッダ・ヨクセム
「はいはい、バス停を乗せたバスが通るぜ、ッと!」
終点を告げる遠吠えを発動しながら鬣犬(名前:バス)に乗ッて衝突目当てで突ッ込む

昼間の公園にも危険が一杯なんだぜ?
誰が此処が平和な公園だッて言ッたよ、いッてねェよな?
「バス停あるところにバスは突ッ込んでくるんだぜ?」
そんな所で殺意ばらまいてんじャねェよ
交通事故起こしたくなッただろ!

対策無しで突然それを狙うから、反撃に傷を貰うのは仕方がねェ
うるせー奴は黙ッたかよ?
…ッてバスてめェは笑ッてんじャねェよ!

攻撃は回転動力炉に全力魔法で炎の魔力を通して強化を施した俺様の本体、歪んだバス停で受けてやるさ
つーかてめェ、良い爪してんな…手入れしまくり感すらある…



 カメラ前に飛び出す伊美砂はどうやら人格が変わったらしい。
「はいどーもーっ! 猟兵の伊美砂だよー! 今日は私の得意技を披露しちゃうから見逃さないでくださいね?」
 伊美砂が視聴者に向けてメッセージを送る間に、鬣犬――いわゆるハイエナ――に跨がる孤影が突撃する。
「はいはい、バス停を乗せたバスが通るぜ、ッと!」
 鬣犬のバスに騎乗するフィッダ・ヨクセム(停スル夢・f18408)は縮んだ怪人めがけ、牙を剝き、傷口をさらに深くさせていく。
「ッてぇな!?」
「昼間の公園にも危険が一杯なんだぜ? 誰が此処が平和な公園だッて言ッたよ、いッてねェよな?」
 のこのこ現れた慢心を棚に上げるのはよろしくない。
 実際、平和な公園とは言われていないのだ!
「意味分かんねぇことぬかしてんじゃねぇぞゴルァ!!? まとめてぶっ潰すッ!」
 五指の爪を鋭く伸ばし、威圧するとフィッダめがけて双爪を連続で振り下ろす。
 空を切り、肌に触れずとも擦過を残してフィッダの肌に傷をつけていく。
「てめェ、良い爪してんな……」
 ネイルケアまでバッチリとか美意識高いコンサバ系OLか?
 直撃だけは避けようと回転動力炉に火を灯し、直撃を避けようと立ち回る。

 さて、フィッダが前衛を務めていることは伊美砂も好都合。
 視聴者を意識しつつカメラに向かって一枚のコインを取り出す。
「今日はねー、このコインを使った戦闘技術を披露してみたいと思いまーす!」
 コインを袖口に忍び込ませ、注目は怪人を相手取るフィッダのほうへ。
 ひしゃげたバス停に取り付けた回転動力炉は火を噴き、フィッダが爪での一撃にはじかれた直後。
「――スイッチ!」
 追撃しようと踏み込んだ怪人へ、目にも留まらぬ速さでコインが肩口に突き刺さる。
『え? ……え?』『いま飛ばしたの?』
「え、早すぎて判らない? それじゃあ次は、もう少しゆっくり射撃してみましょー!」
 怪人も肩に突き刺さった痛みに困惑し足を止めていた。
 その隙にゆーっくり狙いをつけ、伊美砂はコインを射出する。
「いってぇぇーッ!? なんなんだよこのコインは!?」
『全然見えない!!』『こんな笑うしかないわ』『猟兵やばいよやばいよ』
「いかがでしたか? 猟兵の戦い方がよく判ったのではないでしょうか?」
 伊美砂の解説は『すごく凄いなにかを観た』とは伝わったので、とにかくよし!
 足止めを食らった恐竜怪人に、体勢を立て直したフィッダがバスと飛びかかる。
「バス停あるところにバスは突ッ込んでくるんだぜェ!?」
 バス停フルスイングを側頭にぶちこみ、歪んでいたバス停がさらに歪んだ気がする。「うるせー奴は黙ッたかよ?」
『いやぁフィッダもどっこいだと思いますがね、ヒャハハハハハハ!』
「バスてめェは笑ッてんじャねェよ!」
 奇妙な合致に翻弄される怪人だが、これがグリモアディビジョンのバトルスタイルよ。
 フラフラと上体を揺らすオブリビオンにはもう少し堪能しててもらうとしようか!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

日輪・黒玉
……ぴーちくぱーちくうるさいトカゲです
騒音によるご近所迷惑というのを少しは考えたらどうですか
ああ、そんなことを考えられる頭があるなら最初からあのようなくだらない配信とやらはしていませんか、失礼しました

なんにせよ、さっさと倒して終わりにさせて頂きます
【スカイステッパー】による空中の動きを混ぜた立体的な移動で敵を攪乱
隙を見て、懐へ跳び込んだ蹴りをお見舞いし離脱
それを繰り返すヒット&アウェイ戦法を行います
身軽になっても速くなっても空を足場にできる分、回避にはこちらが分があるでしょう
焦れて大振りな攻撃を繰り出したら、一気に【スライディング】で懐に潜り込んで本命の蹴りをぶち込んでやります

【アドリブ歓迎】



「……ぴーちくぱーちくうるさいトカゲです、騒音によるご近所迷惑というのを少しは考えたらどうですか?」
 大げさに溜め息をこぼす日輪・黒玉(日輪の子・f03556)であるが、考える頭があるならば、『キマイラフューチャー少子化促進ラップ生配信』などというトンチキバーチャル配信は行わない。
 もっと有意義な利用方法があっただろうに、どうしてそれを選んだのやら……なんであれ、市民の憩いの場である公園での暴行。
 黙って見過ごせるものではない。
「――さっさと倒して、終わりにさせて頂きます」
 黒玉のレガリアスシューズに空気が瞬時に込められ、圧縮したそれを機動力にして宙へ飛ぶ。
 さすがに疲弊の色が濃くなってきたオブリビオンは、肩を揺らして呼吸するが、戦意が衰えた訳ではない。
「どいつも、こいつもよぉ……!」
 ギロ、と鋭い視線が黒玉を捉える――両手の爪先が凶悪な光を放ち、少女に向けられる。
(「攻撃は単調、こちらの動きさえ読ませなければ」)
 軌道を予測させまいと、黒玉は迫る一撃を飛び越え、さらに怪人の頭上を飛び越える。

「怪人の割にこすい方法使って、不特定多数に迷惑かけて、くだらないことばかりやってて。黒玉の動きについてこれるとは思えませんね」
 やれやれと肩を竦める黒玉へ、勢いを乗せた凶爪が弧を描き――。
(「隙ができ……」)
 踏み込もうとした直前。
 もう一方の爪が目測以上の速さで反対側から急接近していた。
 宙を蹴るように距離をとる黒玉を、怪人は追い込みをかけようと追撃をくりだす。
(「対峙してみると、予想以上にすばしっこいわね」)
 一撃を見舞う前に爪の餌食にされかねない――回避に徹する黒玉の髪が一房、風圧で飛び散っていく。
 ――だが、蓄積されたダメージが彼女に光明をもたらした。
「フゥッ、ファァァ……――ッ!!」
 がむしゃらに仕掛ける怪人は確かに黒玉より俊敏だった、間一髪で避けられた場面も少なくはない。
「はぁ、はぁ……」
「畜生がァァーーーーーーーッ!?」
 ……だが、持久力を消耗するスピードも、負傷する怪人のほうが早い。
 ガク、とバランスを崩した怪人は自ら蹴散らした遊具に爪先を捕られた――まるで『これ以上壊さないで』とすがりつくように。
「クソ、なんで、こんなとこにっ」
 自暴自棄での自業自得による自爆芸。
 茶番劇としてはパーフェクトな流れだが、黒玉にとっては大きな隙でしかない。
「自分で壊したことも忘れたんですか――――呆れ果てます、ねッ!」
 滑り込むように懐へ。
 そのまま無防備な鳩尾めがけ、全体重を乗せた黒玉の膝蹴りがぶちこまれる。
「っ、ぷ…………んぅ……!」
 衝撃に嘔気がこみあげた怪人は頬を膨らます。
 だが、『放送事故』はあってはならぬと配信者の矜持がそれを押し止めた。
 ――いよいよもって大吟醸の進退は窮まってきた。
 視聴者は固唾を飲んで配信に食らいついている――!

成功 🔵​🔵​🔴​

アス・ブリューゲルト
まさか、トリを務めるのか?
内心驚きつつ、それを見せず格好良く振る舞う。
あのとき見たTVが役立つか?

「俺は、通りすがりの猟兵アス…だ」
むっ、まだ緊張するな。撮影となると堅くなってしまうが、【覚悟】を決めたら少しは落ち着いてきた。
「行くぞ、ティラノ怪人!」
POWをメインに使って攻撃。【先制攻撃】で愛用のブラスターを使っての【一斉射撃】【誘導弾】で一気に距離を詰めての【零距離射撃】。
「まだまだっ!!」
【カウンター】【だまし討ち】を交えてのとどめのUCを使う。
「恨みはないが、お前には消えてもらう」
最後には
「また、つまらぬものを倒してしまったな」
くるりと敵が倒れるのを背に格好良くポーズを決めるとしよう。


火土金水・明
「相手は、等身大の恐竜さん?。」「にゃー?。」使い魔の黒猫のクロと相手の姿を見ます。
【POW】で攻撃です。【先制攻撃】で【高速詠唱】した【破魔】の【属性攻撃】の【全力魔法】の【ねこねこ・ロックンロール】で『ティラノサウルス怪人』を【フェイント】を掛けつつ【範囲攻撃】でどこに動いても狙えるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。(召喚された黒猫は、使い魔の黒猫とそっくりです。)
「さあ、戦いを終わらせましょう。」「にゃん。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



 さあ配信も佳境を迎え、いよいよ『終わり』が見えてきた。
 見せられないものがうっかり映り込む事態は避けられ、後は討ち取るのみ。
 互いの動きに気を巡らせていた猟兵達の中でも、ついに動き出す者が。
「どう見ても等身大の恐竜さん、よね?」
 火土金水・明(人間のウィザード・f01561)と一緒になって、使い魔の黒猫も「にゃー?」と首を傾げる。
 怪人、というより二足歩行するトカゲと言って差し支えない容姿。
 明の感想におかしなところはどこもなく、ただただ事実でしかない。
 その一人と一匹の他に、悩ましげに眉を寄せていたのがアス・ブリューゲルト(サイボーグのフォースナイト・f13168)
(「まさか、トリを務めるのか? ……俺が?」)
 絶好のチャンスを逃す理由はない。
 吐き出したら不味いものを抑えるように、口元を押さえ込んだハ虫類へドギツーいお灸を据えてやるだけだ。
 横目でカメラを見れば、レンズはアス達の方に向いている――驚きと緊張をひた隠し、アスは視線をオブリビオンに戻す。

「にゃぅ。にゃー」
「うん、長引かせるだけ時間がもったいないし……戦いを終わらせましょうか」
「にゃんっ」
 先を促そうと顔を押しつけるクロに頷き返し、得物を向けた明は、思考を巡らすアスを置いて先手を打つ。
 えずく恐竜怪人に向かって明が踏み出すと、すぐさま攻撃態勢に移る。
「猫の子仔猫 獅子の子仔獅子!」
 高速詠唱によって呼び出されたのはクロそっくりの巨大な黒猫。
 明の魔力を借り受けたビッグキャットは、ずっしりと仁王立ち、破魔の光を宿す銀の剣を構えた。
「行きます!」
 黒猫は明の一挙手一投足を投影し突撃する。
「ハァハァ、クソッ、クソォ……なんで、こんな目に……!!」
 恨み節をこぼすオブリビオンは自らも巨大化し、明の巨大猫へ真正面から掴みかかってきた。
『ふぅ~にゃぁ~!』
「場数は踏んでいるんですよ、引きつけるくらいどうってことないですから」
 のらりくらりと右往左往。接触寸前に避けて転ばされたと思えば、足を止めて攻撃を誘発させられ。
 ――翻弄させつつ勢いが落ちた瞬間、明は銀剣を握りしめた。
「1発、さらにもう1発!」
 放たれた剣戟から、弾けるように光が拡散する。
 広がる破魔の波紋は、雷撃のごとき怪人の骨身に衝撃を与えていく。

「……っと、固くなっている場合ではないな」
 猟兵の戦いは共同戦線であり、同時に捕り物競争でもある。
 必ずしも『トリ』になるとは限らない――己に活を入れ、アスは愛銃に指をかける。
「行くぞ、ティラノ怪人――!」
 イメージするのはあのとき見たTV!
 映るならばカッコいい自分の方がいい、覚悟を決めたアスは明の黒猫と揉み合う怪人の側面へ走りだす。
 巨体同士でぶつかりあっていることもあり、視線も上向きになっていたため接近することが容易にできた。
「確実に、当てていく!」
 至近距離から誘導弾の一斉射撃を放ち、片膝めがけ執拗に攻撃を仕掛ける。
「GGGGYYYYYYEEEEEEEEEEEEEEEE……!!?」
 グラリと傾きかけた怪人はアスの存在に気づくと、黒猫ごと振り払おうと豪腕を振り上げ――、
「あぶないっ!」
 薙ぎ払われる直前、明が攻撃範囲からアスを押し出す。
 頭上スレスレを通過した豪腕に黒猫が掻き消されたものの、砂埃を被る二人は事なきを得た。
「すまない、だが思ったより速いな」
「隙をみてさっきみたいに足を狙って、注意は私が引きつけます」
 消耗しきっている以上、片脚が使えなくなれば――互いに利があると確認し、明達は元に戻っていく怪人に向き直る。

 幸か不幸か。巨体で被弾部位が広がっていたことで、アスの誘導弾は熱傷で収まっていたものの、ガクガクと子鹿のように震えていた。
(「もう2、3発当てれば……いけるな」)
「……こぉうなったらぁぁァァァァ…………!!」
 一矢報いようというのか、気炎をあげたティラノ怪人は自らの装甲をパージしていく。
 追い込まれた状況では悪手でしかない。
 だが頭に血が上りきり、窮地に立たされたことで冷静さを失してしまった。
 ……ラップ配信で少子化促進なんて壮大すぎる作戦を一人で始めた怪人だ、頭の出来は察してあげよう!
「どれだけ素早く動こうと、黒猫さんの攻撃からは逃げられませんよ」
 明は再び4m近い巨大黒猫を呼び出すと、それに併せてアスも怪人の死角へ回り込む。
「テメェらだけでも、八つ裂きにしてやらぁ!!」
 装甲を脱ぎ捨てたことで身のこなしは格段にあがり、黒猫の銀剣も空を切る数は増えた――だが、周囲に広がる波動は着実に追い詰める。
「恨みはないが、お前には消えてもらう」
 衝撃に食い下がる怪人めがけ、アスの誘導弾は吸い込まれるように焼け爛れた片脚を射貫いた。
「ぐあぁあああッッ!?」
「大変回りくどい方法でしたが、キマイラフューチャーへの悪影響は見逃せません。これにて成敗です!」
 体勢を大きく崩した怪人めがけ、高々と掲げられた明の――放った黒猫の――刃は、露出した怪人の胸ぐらを袈裟に斬る。
 さらにアスはゼロ距離まで飛び込み――、
「放送事故は避けるべきだろう、グロテスク注意というやつだ」
 カメラワークから遮るように両脚の内蔵兵器を露出し、怪人の胸を貫いた。
「ア、ァ……ァァァ……――!」
 血の泡を吹き、怪人は仰向けに倒れていく。
「また、つまらぬものを倒してしまったな」
 亡骸にくるりと背を向け、アスは事もなげに銃を下げた。
 芳醇麦芽・大吟醸――その名が忘れ去られていくと同時に、引きこもっていたキマイラ達の日常も変わることだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年08月04日


挿絵イラスト