#アルダワ魔法学園
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●御指導御鞭撻のほど
魔導蒸気機械と魔法によって築かれた、何層もの地下迷宮。
その中をさまようモンスターや精霊、魔導蒸気機関による機械たち。
アルダワ魔法学園は地下迷宮の上に鎮座し、学生たちは這い出ようとする災魔たちと戦う宿命にある。学園であるからには新入生が入ってくるわけで、今は春。
卵の殻をかぶっているも同然、初心者マークが見えるような学生たちがフロアを歩む。
その行き先、木陰の闇の中から彼らを凝視する大きな目があった。
古来より「森の知恵者」や「哲学者」などと呼ばれ、あるいは音もなく行う狩りのさまから「森の忍者」とも言われる猛禽――フクロウである。
立派な戦力となる前に新入生の心をバッキリ折るべく、それは密かに待ち受けていた。
●鳥類には頼んでない
グリモアベースでテス・ヘンドリクス(人間のクレリック・f04950)が、ぴょんぴょこ跳ねて猟兵仲間へ声をかけていた。
「アルダワ魔法学園の新歓コンパだよ!」
最近よく見る依頼である。アルダワ魔法学園には古来「迷宮新歓コンパ」なるならわしがあった。歓迎パーティののち迷宮探索、が一般的であるようだ。
今回の依頼で預かる新入生は三人。いずれも13歳で実戦経験はない。彼らと一緒に迷宮へ挑むことになる。
「それでね、どうも最初のフロアは人工降雪システムがあるみたい」
中には雪を見たことがない子もいるという。せっかく雪が降るのなら、雪を使った遊びを一緒にして親睦を深めておこうというわけだ。身体を動かして暖まったあたりで、次のフロアへ挑むことになる。
「ほら、イースターってあるでしょ? エッグハントとかして遊ぶっていう。それのたまごみたいなのがたくさんあるの」
フロアは美しい緑に覆われ、あちこちにカラフルなたまごが隠されている。そしてたまごを叩くとぱかりと割れて、中から色々なものが飛び出る。
「これがね、色々なものが孵るの。大体はひよことかうさぎとかお菓子なんだけど、たまにモンスターとか出てくるから、皆にはこの対応をお願いしたいかな」
新入生たちについて、軽い戦闘のレクチャーやお手本を見せてあげるといい。
しかし最大の問題は森の奥深く、施錠された区画へ足を踏み入れた時に起こる事態だ。
「この森フロアの一番奥にフクロウたちがいるよ。でもね、ふかふかでもふもふなの。人をダメにするの。このモフの誘惑に沈まない魂を持てる人間はごくわずか……」
魅了スキルでも持っているのか。
話を聞いていた猟兵たちが色めきたつ、が。
「ちなみにモフに沈まない奴は、モフびんたで物理的に沈めるみたい」
まさかの力技。ちょっと目が遠くなった猟兵たちへ、テスが慌てて言い募った。
「あ、ホントにびんた強いんだよ? 新入生だけだとちょっと躊躇われるレベルで。結構な数で群れてるから、皆に手助けして欲しいんだよね」
つまり新入生の教導とサポートが主な仕事になる。それに、入学ほやほやの未来と希望あふれる子供たちが、フクロウにびんたされるのを座視するのもなんだ。
ひとつ先輩として、新入生たちを守り導いて貰いたい。
六堂ぱるな
はじめまして、もしくはこんにちは。
六堂ぱるなと申します。
拙文をご覧下さいましてありがとうございます。
●状況
アルダワ魔法学園でのシナリオになります。
第1章は雪の降る地下フロアでの歓談です。雪だるまや雪像を作るのもいいし、かまくら制作にチャレンジするのもいいでしょう。熾烈な雪合戦もアリです。
第2章はその更に地下にある、庭園のようなフロアになります。あちこちにカラフルな模様が描かれたたまごがあるので、新入生について手分けして叩いてみましょう。
第3章となるフクロウたちのいる庭園の一角へは、たまごのどれかに隠されている鍵が必要になります。
●新入生
エミリオ 竜騎士の男の子。好奇心が強く動物好きです。
ライモンド 精霊術士の男の子。口数が少なく感情を露わにしません。
ミケイラ シンフォニアの眼鏡女子。おっとりしていつも笑顔です。
シナリオのここだけ出たいな、といった部分のみの参戦も大歓迎でございます。
皆さまのご参戦をお待ちしております。
第1章 日常
『迷宮に降る雪』
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POW : 雪だるまを作ったり、固めてかまくらを作ったり
SPD : 雪合戦をしたり、彫刻を作ったり
WIZ : 雪で一句詠んだり、ライトアップしたり
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
剣堂・家留魔
私も初めての依頼になるのでな。年齢はかなり上だが初々しい気持ちで新入生と親しむ事にしよう。
ふむ雪か…私は寒いのは得意ではないが、凍えてなにもしないわけにはいかないな。
よし、雪だるまを作ろうではないか。一人一つずつ雪だるまを作れば互いにどんな個性があるか分かるはずだ。雪だるまも芸術の一種だからな。
ふふふ、昔を思い出すな。大きな雪だるまが好きな私の子がいたものだ。こうやって雪玉をゴロゴロしてると我が子の声が聞こえてきそうだ。ごろごろ…ごろごろとな。
よし、形はできたな。ふふふ杖で目を書き、口を書き、木の枝を折って四本の手と一つの鼻、二本の角を作れば完成だな。
これが私のしもべ、魔法氷像零式だ!
御形・菘
体質なのか身体が動かしづらくなるので、実は寒いのは少々苦手なのだがな
しかーしモフびんた! 動画的に実においしそうな技ではないか!
これを他の者に譲るわけにはいかんのう
とゆーことで、新人諸君ははじめましてだな!
はっはっは、ビビるのは仕方ないが仲良くしようではないか、握手握手!
妾は初見さんウェルカムな邪神であるからな~
さて、ならば妾は雪だるまを作ってみるとしようか
できるだけ、どデカいヤツ! デカい雪だるまはロマンよ!
雪玉をごろごろ転がして、背丈よりも大きく育てていくぞ
上半身を持ち上げて乗せる時は手伝ってくれんか?
皆で協力しないといかんぐらいの大きさにしたのでな
息を合わせて、よいしょー!
泉宮・瑠碧
雪だ…
春は緑の芽吹く季節で喜ばしいが、僕は冬も好きだな
ライモンドは雪を見た事はあるだろうか
僕はあまり力仕事は出来ないので…
小さめの雪だるまでも一緒に作ろう
自分も似た感じなので感情に関して悪いとは思わないが
ライモンドがそういう性分というだけならば良いのだが…
様子はよく見て
好き嫌いや雰囲気位は感じ取れる様に努めよう
作りながら訊いてみる
精霊は好きか
それに森や草花に…
もふもふしたものや動物とか
僕は今挙げたもの、どれも好きなんだ
君は?
無理に話さなくても良い
嫌がられてはいないのなら、沈黙の空気も嫌いでは無いからな
言いたい事が言えないとか、何かあったのなら、心配なだけで
最後の雪だるまの頭は一緒に持ち上げよう
●雪華ちらつく地下の森
地下であるにも関わらずちらつく雪は不思議な感慨を誘う。
迷宮の複雑に入り組んだ魔導蒸気機関は、何故か人口降雪システムを備えていた。天井の高い地下空間は、踊るように降る氷の粒を結晶に育てていく。
「雪だ……」
泉宮・瑠碧(月白・f04280)は雪の結晶へ手を伸ばした。季節はとうに春、雪など季節感がずれること甚だしい。しかしイースターが春を象徴するお祭りという側面もあることを思えば、その手前で雪を見ることは象徴的でもある。
「春は緑の芽吹く季節で喜ばしいが、僕は冬も好きだな」
「ふむ、雪か……私は寒いのは得意ではないが、凍えてなにもしないわけにはいかないな」
赤い瞳を細めて天を仰ぎ、剣堂・家留魔(魔道の追求者・f04254)が身震いした。ケットシーの彼といえども寒さはこたえる。ここは身体を動かさねばなるまい。
その点、爬虫類成分多めの体質的な意味で、御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)にとってもこのフロアは試練だった。寒いと身体が動かしづらいので苦手なのだ、が。
「しかーしモフびんた! 動画的に実においしそうな技ではないか! これを他の者に譲るわけにはいかんのう」
迷宮の最奥にいるというもふもふのフクロウたちにたかられ、人をダメにする魅惑のモフびんたを浴びる邪神。これ配信者として見逃せないイベントである。
ちなみにめっちゃ下方からの視線を意識して朗々たる口上を述べた菘を、期待の新人たちは口をあけて見上げていた。目を白黒させているミケイラはともかく、エミリオは目を輝かせているし、ライモンドは他の仲間を見る目とまるで変わらない。
その辺は関知せず、とっても邪神然と菘は一同を見回した。
「とゆーことで、新人諸君ははじめましてだな!」
「は、はじめまして」
驚いた顔のまま戻れないらしいミケイラがおずおずと一礼した。そんな反応には慣れている菘、至って鷹揚に手を差し出す。
「はっはっは、ビビるのは仕方ないが仲良くしようではないか! 妾は初見さんウェルカムな邪神であるからな~」
「やっぱり邪神さんなんですね! ちょっとツノとか触ってもいいですか?!」
「やめろ、失礼だろ」
ウェルカムと聞くまでもなく前のめりだったエミリオが勢い込んで菘の手を握り、その反応を二度見したライモンドが制止する。と言ってミケイラのような驚きも見せず、エミリオに続いて差し出された菘の手を握り返して会釈した。
「すみません。俺ら、まだあまりほかの世界の方にあったことがなくて」
「あ、そうなんです。驚いた顔をしてしまってごめんなさい」
ライモンドの言葉で我に返ったミケイラが、慌てた顔でぺこりと頭を下げた。もちろんそんなこと菘は全く気にしないわけで。
「いやいやそうは見ぬであろうからな、よいよい。よき手本とするのだな」
もちろん猟兵との交流が多い学園生もいるが、新入生の彼らにとっては既にしてバラエティに富むトリオであるのも事実であった。その辺り、猟兵としては先刻承知だ。
「さて、ならば雪だるまを作ってみるとしようか。できるだけ、どデカいヤツ!」
「僕お手伝いします! 雪触るのも初めてなんです!」
エミリオがぴんと手をあげた。好奇心の強い彼らしい反応ともいえる。
雪だるまという提案には家留魔もうんうんと首肯した。
「いいね。雪だるまも芸術の一種だからな、作ろうではないか」
ついでに言えば一人一つずつ雪だるまを作れば、互いにどんな個性があるか分かろうというもの。この三人を把握するいい取っかかりになるだろう。
「あの、私も雪を見るのが初めてで……一緒に作ってもいいですか?」
遠慮勝ちながらミケイラに申し出られて、家留魔がいいともと笑ってみせる。結果、自然と瑠碧の相棒はライモンドとなった。
「雪を見た事はあるだろうか?」
「俺は見慣れています」
どうやら北方の出身で雪には馴染みが深いらしい。雪に対する反応の薄さも納得だ。
「僕はあまり力仕事は出来ないので……小さめの雪だるまでも一緒に作ろう」
瑠碧にこくりと頷いて、ライモンドは彼女についてきた。
これが猟兵として初めての任務になる家留魔は、ミケイラと一緒に雪玉を転がしながら初々しい気持ちに胸を躍らせていた。年齢はかなり上でも、初めては特別なものなのだ。
「ふふふ、昔を思い出すな。大きな雪だるまが好きな私の子がいたものだ」
「子……ども?! ですか?! あ、いえ、少し年上ぐらいなのかと、勝手に思って」
ミケイラの眼鏡がずり落ちかけ、慌てて押し上げて家留魔を見やった。年齢を予想しようのない外見のせいだろう。
「意外かな? こうやって雪玉をゴロゴロしてると、我が子の声が聞こえてきそうだ」
寒さや雪の冷たさに笑いあいながら並んで雪玉を転がす、という経験も久し振りで。
目を輝かせて雪に触れるミケイラの様子も微笑ましかった。
「雪ってふわふわして冷たくて、不思議ですね」
小さな手を赤くしながらも楽しそうで、時々雪に足をとられながら雪玉を転がして家留魔についてくる。大きくなる雪玉が少しぐらいいびつでもかまわない。
「よし、形はできたな。ふふふ……」
白い息を吐いて目を輝かせるミケイラの前で、家留魔は杖で雪だるまの頭に目と口を書き入れた。手分けして木の枝を拾ってくると、胴体に手を、顔に鼻と角をつける。
あまり大きな雪玉は作れなかったが、いかにも子供と共作という風情の王道の雪だるまが完成した。
「これが私のしもべ、魔法氷像零式だ!」
「わあ、完成ですね!」
鼻の頭もちょっぴり赤くしたミケイラが、声を弾ませて雪だるまに抱きついた。
ライモンドの様子に注意しながら、瑠碧は雪だるまづくりに精を出していた。あまり感情の発露がないという点では自分も似た感じだろう。彼もそういう性分というだけならいいのだが、つい気になる。
「精霊は好きかな? それに森や草花に……もふもふしたものや動物とか」
雪だるまの頭となる雪玉を転がしながらの問いに、ライモンドは瞬きだけして彼女を見返した。その目にちらつく戸惑いを見て取って瑠碧は微笑んでみせる。
「僕は今挙げたもの、どれも好きなんだ。君は?」
しばらく応えはなかった。
黙々と雪玉を転がすライモンドと並んで歩きながら、瑠碧も急かすことなくただ待つ。無理に話さなくてもいいと思うし、拒絶の気配がない今、沈黙も悪くない。
かなりの時間が過ぎてから、ぽつりと応えはこぼれた。
「……精霊も、自然も。動物も好きです。……俺はわかりやすく楽しそうにできなくて。楽しんでいるつもりなんですが」
「そうか。うん」
言葉少なに頷いて、瑠碧はライモンドの様子を思い返してみた。
うまく表現できないことに困ってはいるようだが、言いたいことが言えない、という風ではなかった。口ぶりからすれば以前何かはあったのかもしれないけれど、彼なりに表現は続けているらしい。
ぺたぺたと丁寧に胴体部分の雪玉の形を整えたライモンドは、頭になる雪玉を寄せてきた瑠碧のそばへ学園服の袖をまくってやってきた。
「手伝ってくれるのか。ありがとう」
「いえ」
二人で呼吸を合わせて雪玉を胴体の上へ押し上げる。
いっぽう菘は寒さと戦いながら雪玉を転がし爆走中である。
「デカい雪だるまはロマンよ!」
「ラジャーです! うわでも冷てえええええ!!」
元気いっぱいにエミリオが声をあげる。雪を知らないという彼は、ラッセル車のごとくわざわざ雪の深いところへ突っ込んでいった。雪玉を見失いついでに足をとられて勢いよく転がる。
「まだまだ! 背丈よりも大きく育てていくぞ!」
菘の勢いに楽しそうにノって、エミリオは一緒にひたすらに雪玉を転がした。勢いは満点だが少しばかり形がでこぼこだったりする。でも雪だるまなんてものは、楽しいのが一番大事なのだからして。
「これ乗せるの手伝ってくれんか?」
若干動きが鈍くなってきた菘に頼まれたエミリオは元気いっぱいに返事した。
「もちろんです!」
ところが大きすぎて、とても二人では雪だるまの頭が持ち上がらない。ちょっと転がしすぎたようだ。そこで全員で力を合わせて担ぎあげることにした。
「「「「「「よいしょー!」」」」」」
息をぴったり合わせた全員の協力で、大きな雪玉は巨大ともいえる胴体の上に無事におさまった。
三者三様。菘・エミリオペアの大きくて勢いのある雪だるま、瑠碧・ライモンドペアのお手本のように美しい球状の胴体と頭の雪だるま、家留魔・ミケイラペアの楽しんで作った感満載の雪だるまが出揃った。
とはいえ雪での楽しみはまだ序盤。次が控えているのである。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
霧城・ちさ
雪の降る地下とは変わっていますわね。とってもめずらしいですの。
私も雪で遊んでみますわね。雪合戦も望むところですわっ。
私は雪うさぎを作ったり大きなゆきだるまを作ったりしたいですの。私を助けてくれるうさぎさんの像とかも作ってみますわね。雪で形を作るだけでなく良さそうなものを探して目とか口とかも付けてみたいですわっ。
いつまで残っているかわかりませんがとても楽しい時間が過ごせそうですわね。
雪合戦をするなら負けそうなチームに加勢しますわっ
ユーフィ・バウム
※アドリブ・連携大歓迎です!
【世界知識】事前にアルダワ魔法学園のことも
学んで臨みますね
私の育った森とは違いますが、自然を感じるフロアは楽しみです
雪を見るのは初めてですか?私もですっ!
初めて見る雪にはやっぱり感動しますし、
新入生の方々は私と同い年
なんだか親近感も沸いて、親しくいろいろと語りかけますね
【怪力】ですので雪だるま作りやかまくら作りは
率先して働きますよっ!
形はふくろうの形やうさぎなど
ちょっといたずら心を出して仲間の顔をモチーフにしたものも
挑戦してみましょうか
雪合戦をやるならば喜んで挑戦
こちらは程よく力加減して、でもよく当たるように投げつけます
気分は、森の狩ですね、さぁ当てていきますよーっ
サンディ・ノックス
3人とも交流を深めたいけど
輪に入れないヒトがいたらそちら優先、声をかける
相手の様子を観察し入れない理由を推測
観察を勘付かれたら警戒心持たれかねないので
穏やかな表情・声色・話し方・仕草全てに気を遣う
きっかけがつかめないだけなら後押しする
他が雪合戦で盛り上がっていれば一緒に参加しようと誘い
作業が好きそうなら雪像作りを勧め
作成後に同業者達へ声掛け、一緒に褒めたり
怖がっているなら穏やかな調子で話を続け
他のヒトも同じで怖くないよと安心させ一緒に輪に加わる
3人とも大丈夫なら万遍なく話しかけ興味のあることから話を引きだす
かまくら作りに参加し
こんな見た目だけど力仕事も行けるんだよってちょっと驚かせるのもいいね
雪像づくりに挑んでいる者は他にもいる。雪玉を転がしながら天井を仰いで、💠霧城・ちさ(夢見るお嬢様・f05540)は小首を傾げた。
「雪の降る地下とは変わっていますわね。とってもめずらしいですの」
「迷宮のシステムのなかでも、ちょっと変わっているようです」
ミケイラがずりおちる眼鏡を押し上げながら微笑む。もしかするとすぐ溶けるのではと思ったちさだったが、どうやら人がいる間は降り続けるシステムのようだ。
「あの、雪のうさぎさんってどんなふうに作るんですか?」
ミケイラに問われて、ちさは思わず笑みをこぼした。いつも助けになってくれる白と黒のうさぎさんに似せて雪を固めているところだ。
「木の実や木の葉で目とか口とかを表現できるんですの。ほら、こんなふうに」
フロアは普段は初冬あたりの植生があるらしく、雪を少し搔けば素材は時々見つけられる。ちょうど落ちていた赤い木の実で雪のうさぎに目をつけた。耳は長めの木の葉で表現すると、いかにもうさぎらしくなる。
「わあ!」
シンフォニアの少女がぱっと明るい笑顔になる横で、エミリオはユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)と話が盛り上がっていた。
「雪を見るのは初めてですか? 私もですっ!」
「ほんとですか! 俺も今日初めてで、超感動してます!」
アルダワ魔法学園のことを勉強してやってきたユーフィだったが、雪の実物は彼女には衝撃だった。新入生たちと同い年ということもあって話しやすさや親近感も加速する。
「私の育った森とは違いますが、自然を感じるフロアは楽しみです」
「森ですか。俺は街中で育ったんで、森もすごく興味あります!」
「色々な生き物がいますよ。可愛かったり、美しかったり」
雪の塊を器用にうさぎやふくろうの形に作ってみせると、エミリオが目を丸くした。見たことがないわけではないが馴染みがないらしい。
「今日はこんな仲間も来ているんですよ?」
ちょいちょいと雪玉を加工して、よく一緒の任務にでる少年の顔を形作ってみせる。
二人のようにはっきりとした反応は少なかったが、ライモンドが孤立しているわけではないのだろうとサンディ・ノックス(闇剣のサフィルス・f03274)は見ていた。
うまく話すきっかけが掴めないだけなのなら、水を向けて経験させればいい。苦手意識が強そうなので、なるべく自然にサンディは雪像づくりを勧めてみた。
「雪に慣れているなら、友達の雪像とかどうだろう?」
「……そうですね、じゃあエミリオを」
「なんでだよーミケイラのほうがいいだろ!」
別に嫌がっているというわけではなく、笑ってエミリオが手を振った。そうか、と呟いたライモンドが作業をやめる。
「大丈夫だよ、彼は嫌がっているわけではないんだから」
柔らかくサンディが促すと、戸惑った顔ながら頷いて雪像を作り始める。生来器用らしい少年はよく特徴をとらえた友人の雪像を作り上げたので、新入生たちも猟兵も驚きの声をあげたほどだった。
「すごいな、上手いものだよ」
「……そう、ですか」
言葉少なに、しかし確かに嬉しそうにライモンドが頷く。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
天星・零
指定UCを使って夕夜と二人で新入生と雪合戦
新入生がいるならチーム分けしてやります
ルールは一人3回当てられたら退場。チーム全員当てられて0人になったら負け
零『戦いは苦手なんですが‥ふふ、皆様が楽しめるように頑張りますね』
夕夜「いや、ただの雪合戦だからな!?少しくらい手加減を‥」
夕夜の言葉ににっこりと微笑みを返してそのまま勝負開始
夕夜に対しては【フェイント】や【だまし討ち】など使える技能はなんでも使って割と容赦無く
夕夜も前述ではツッコミだがやはり楽しそうにして挑発したり使える技能を用いて楽しそうに行う
新入生もいるなら一緒に楽しめるように配慮しながら行う(ただし手加減はなく)
キャラの口調はステシ参照
シビラ・レーヴェンス
かまくらつくる。
人工降雪システムか。学園の技術進歩は目を見張るものがあるな。
それは置いて。私は寒さをしのぐ場所(かまくらのこと)でも作ろう。
他の者の邪魔になる場所は後々面倒そうだから端の辺りに作ろうか。
狭いと窮屈に感じるから少し広めに作るとしよう。
内で過ごす。
椅子も欲しいところだが場所がない。体育座りでいいだろう。
…これで茶のセットがあれば快適この上ないのだがな…。
まあいい。この場所から外を眺めていようか。
…。……。………。
「白雪の 下から顔出す 若葉かな」
…ん。上手くいかない。
◎アドリブ可
レガルタ・シャトーモーグ
オデット(f04351)と同行
屋内なのに雪が降るのか…
この世界は良く分からないな
オデットの奴がかまくらに引き篭もるって言ってたから
便乗して引き篭もる
かまくら造りは漆黒の共犯者に手伝わせる
熊が何とかしてくれそうなら傍観…
かまくらができたら暖まりながら干し肉を炙って食べる
固い干し肉も炙るとちょっと柔らかくなるんだ…
餅も美味そうに見えるので勧められたら遠慮なく1つ貰う
一応礼は言っておく…
こっちの干し肉は、食うか…?
ふと思ったんだが、七輪の熱でかまくらは溶けないのか…?
オデット・クレイトン
レガルタ(f04534)と参加
※アドリブ、悪乗り大歓迎
人工降雪システム……改良してかき氷生成マシーンとか出来ませんかね?
ビジネスチャンスな予感ですが、カマクラ作ってのんびりしましょうか
【血の追跡者】で熊を召喚して、カマクラを作るための雪をかきだしてもらいましょう
私もスコップでも持ってきて形を整えますかね
完成させたら、七輪とかお餅とか醤油とか海苔とか持って軽く[料理]して、中でぬくぬくしましょう
思えばアマツカグ…サムライエンパイアな世界にばっか行ってましたし、そっちの文化染み付きそう
あ、お餅焼けました。醤油つけて炙った海苔巻いて……レー君も食べます?
熊には迷宮内の索敵、[情報収集]をさせてます
一通り雪に慣れた頃合いで、天星・零(多重人格の霊園の管理人・f02413)は手を振って新入生たちと仲間を呼び集めた。
「みんなで雪合戦をしませんか」
そんな遊びがあることを知らない仲間ふたりにライモンドが説明を始める。Enigmaでもう一人の人格を実体化し、零と夕夜は別のチームに別れることにした。
「戦いは苦手なんですが……ふふ、皆様が楽しめるように頑張りますね」
「いや、ただの雪合戦だからな!? 少しくらい手加減を……」
あまりにもやる気に満ち溢れた夕夜が慌てた顔でツッコんだが、零はにっこりと微笑みを返しただけだった。やばい本気だ。
そしてゲームルールをおおむね把握したエミリオは、当然のごとくやる気満々だった。
「――うん、だいたいわかった。なら勝負しようぜ、ライモンド!」
「……言うと思った。俺は慣れてるから、ミケイラはエミリオと一緒にやれ」
「そう? うん、わかった」
溜息まじりのライモンドがミケイラに言い聞かせ、夕夜の側を選んで離れる。しかしこれでは3対2となるので、ユーフィがぱっと手をあげた。
「じゃあ私も参加しますよ!」
「決まりですね」
零が微笑み、いざ、決戦開始!
途端に零は夕夜めがけてフェイントと雪玉の剛速球をくらわせた。そうなる気はしていても不意を突かれた夕夜が喚く。
「お前、本当に手加減する気ないだろ?!」
「勝負に情けは禁物ですよ」
すかさずライモンドが応戦し、零が雪山の陰に飛び込んだ。隠れることがおろそかになりがちなエミリオが顔面に雪玉を食らって後ろに吹っ飛ぶ。
「気分は森の狩ですね、さぁ当てていきますよーっ」
危ないことがないよう程よく手加減を忘れず、でも手を抜くことはせずのユーフィだ。
雪まみれになりながらもエミリオやミケイラは楽しそうで、嫌というほどやったというライモンドは零からの不意打ちを食らいながらも善戦する。
「隙あり、ですよ……?!」
3つ目の雪玉を食らって退場となったエミリオの仇とばかり、零がライモンドを仕留めようと飛び出した瞬間。
「それはお前のことだぜ!」
動きを読んだ夕夜が顔面に思い切り雪玉を叩きつけた。人数差のある零チームの旗色が悪くなってくる。と、突然ピンクの髪とドレスを躍らせてちさが飛び交う雪玉のさなかへ飛び込んだ。
「勝負はまだわかりませんよ。私も参戦しますっ!」
明るい飛び入り宣言とともにちさが雪玉を握って参戦した。少しばかり新入生たちより年上だけれど、こんな楽しそうな騒ぎを見逃す手はない。
雪合戦の勝者はしばらく決まりそうにない。
寒い地域出身のシビラ・レーヴェンス(ダンピールの電脳魔術士・f14377)は、雪が降るような場所では必要なものを心得ていた。かまくらである。
雪は馴染み深い彼女にとって、人工降雪システムのほうがよほど驚きだった。
(「学園の技術進歩は目を見張るものがあるな」)
人工とはいえ雪には違いない。程よく湿気を含んでかまくらにも向いていそうだ。フロアの端を選んで雪を高く積み上げていると、話し声が近付いてきた。
「屋内なのに雪が降るのか……この世界は良く分からないな」
シビラと同じぐらいの年頃の男の子、レガルタ・シャトーモーグ(屍魂の亡影・f04534)が天井を仰ぎながらぼやいている。連れだって歩くオデット・クレイトン(三歩下往く・f04351)はすごく真顔だった。
「人工降雪システム……改良してかき氷生成マシーンとか出来ませんかね?」
大規模ビジネスチャンスな予感がばりばりするが、それはそれ。血をもって作られた熊を召喚すると、オデットは雪を掻きださせていく。
「まあ、かまくら作ってのんびりしましょうか」
【視えざりし屍の招聘】で漆黒の共犯者を呼び出したレガルタ、熊の手伝いに雪集めを命じると雪山の陰に避難した。そこへサンディがやってきた。
「かまくらを作るなら手伝うよ」
声をかけられたと気づいたシビラがおもむろに振り返る。見るとサンディだけでなく、雪まみれの新入生三人もついてきていた。
一人では時間がかかりすぎるし、かまくら作りも彼らのいい経験になるかもしれない。
「……そうか。助かる」
「やった!」
淡々と首肯するシビラを見て、エミリオがぱっと表情を輝かせた。まだまだ体力を持て余しているらしく、率先して雪を集め始める。成形は慣れているライモンドがミケイラに説明し、オデットも持参したスコップでやってみせる。
「俺はこんな見た目だけど、力仕事も行けるんだよ」
線の細いサンディが大きな雪の塊を上へ押し上げると、ミケイラは驚いた顔をした。
「猟兵さんたちは本当に、すごい力があるんですね」
「すごく鍛えたら皆さんみたいになれますか?」
やはりエミリオは強くなることを目標としているようだが、ライモンドが相変わらずの無表情で首を振った。
「皆さんは俺たちとは違う。世界に選ばれた人たちなんだ」
「そうなのね……でも色々な世界に行けるなんて、素敵ですね」
ミケイラに憧れの視線を向けられて、サンディはにこりと笑い返した。
小半時もすると二つのかまくらはほぼ同時に完成。天井に換気用の小さな穴をあけると、オデットは黒い翼を膨らませて若干フォルムが丸い少年に声をかけた。
「レー君、かまくら出来ましたよ」
「入るすぐ入る引き篭もる」
全体の大きさの割に小さな入口からレガルタが這い入っていく。後に続いたオデットは七輪に火を入れてお餅を焼き始めた。じんわり暖かくなる中で思い返す。
(「思えばアマツカグ……サムライエンパイアな世界にばっか行ってましたし」)
すっかり東洋の文化が身に染みついた感がある。
身体が温まってきたレガルタも、干し肉を七輪の上に乗せて炙り始めた。こうすると少し肉が柔らかくなって食べやすい。
「あ、お餅焼けましたね」
声をあげたオデットが焦げ目のついたお餅をとった。醤油をつけて、海苔は七輪で軽く炙って手早く巻きながらレガルタのほうを向く。
「レー君も食べます?」
最近食生活が急速に文明化しつつあるレガルタ、さっきから膨れたお餅が美味しそうに見えていたので遠慮はしなかった。
「いいのか。じゃあありがたく貰っておく……こっちの干し肉は、食うか……?」
「頂きます」
厳かなる等価交換。それからふと、もう一つのかまくらを見やる。
自作のかまくらを完成させたシビラは、その中で体育座りをして収まっていた。
椅子も欲しいところだったが持ってこなかった。まあいいか、と外を眺めることにする。小さめに作った入口の先、深々と雪が降り積もる外が見えた。
……。………。…………。
すごく、暇です。
(「これで茶のセットがあれば快適この上ないのだがな……」)
考えたちょうどその時、入口ににゅっとオデットとレガルタが顔を覗かせた。
「お茶淹れたんですけど飲みます?」
「モチとか食べるか?」
とっさに言葉が出なかったシビラだったが、めちゃくちゃ考えた挙句に頷く。
もちろん新入生たちやユーフィ、サンディにも振舞われ、柔らかなお餅と熱々のお茶は一行の身体と心を温めた。
「思ったんだが、七輪の熱でかまくらは溶けないのか……?」
かまくらを眺めながらのレガルタの問いに、三人の新入生が顔を見合わせる。四人の視線を浴びたオデットは、ふわふわの銀髪を振って笑みを浮かべた。
「溶けますよ。でもいろいろあるんで大丈夫です」
雪自体が断熱性が高いとか、溶けていくけど外気温の低さでまた凍るとか、詳細な説明を省くことにする。
「大丈夫なのですか、不思議ですね!」
まだちょっと鼻の頭が赤いエミリオがミケイラと笑いあっている。そんな二人を眺めてライモンドもかすかな笑みを浮かべていた。
凍えるほどではなく、けれど着実に降りしきる雪を、シビラは見上げた。
「白雪の 下から顔出す 若葉かな」
詠んでみてから、きゅ、と眉を寄せた。
(「……ん。上手くいかない」)
けれどこの冬を象徴するフロアから春を思わせるフロアへ。この先の道行を思えば、そう悪い句でもなさそうだ。
オデットの【血の追跡者】の偵察によると、階段を下りた先にある次のフロアはこことは一転、春の森のような様相らしい。敵対する存在も見当たらなく、たくさんの卵があちこちにあるようだ。
アルダワ魔法学園の将来を担う新入生と猟兵たちは雪を介してすっかり打ち解けた。和やかな雰囲気の中、一向は次なるフロアへと歩を進める。
それは一転して美しい春の森を模した、緑の世界だった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
第2章 冒険
『イースターバニー♪』
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POW : てやてや! 退治しちゃえー!
SPD : つかまえた! 確保完了!
WIZ : どこから出てるの? 出元を探るよ!
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●緑萌えるたまごの森
相変わらず地下世界であるにも関わらず、そこは美しい森だった。
厳密には森林ではなく、庭園が緑に呑まれたように見える。天に太陽はないが木々の葉も草花も艶があり美しかった。
そしてその緑の絨毯のあちこちに、カラフルに彩られたたまごがちらちら見える。
このフロアのたまごは、叩くと何かが「孵る」。
飛び出してくるものはひよこだったりうさぎだったり、何故かお菓子だったりもする。時々小さなうさぎ型のモンスターが出てくることがあるので、そんな時は新入生に戦いのお手本を見せてあげてほしい。大丈夫、戦いはワンパンで終わる。
このフロアのたまごのどれかに、問題のフクロウがいる庭園の奥へ入る鍵があるので、それを見つけてもらいたい。
霧城・ちさ
地下に森、また珍しい光景ですわね。
いろいろな色のたまごがあるのも不思議ですわっ。
私は目視でたまごがいっぱいありそうな方向に向かいつつたまごを割ってみますわね。目印はなさそうですしとにかくいっぱい割っていきますの。
ひよこやうさぎが出た場合はちょっと触らせてもらったあとに逃がしますわね。お菓子はそのままにはしておけませんし回収していきますの。後で学生のみなさまとお茶を飲んだりできるといいですわね。
モンスターが出た場合はちょっとかわいそうですが倒させてもらいますの。一応怪我とかありましたらみなさまを回復したり簡単な手当てはさせて戴きますわっ。
アドリブなどは大丈夫ですの。
シビラ・レーヴェンス
雪の部屋の後は植物か。本当に不思議な世界だな。
ふむ。卵を産む植物とは聞いたことがない。本当に植物か?
触れるのは危険な可能性もある。まずは観察をしてみるか。
卵を出すところをみたいが上手くいくかどうか…。
次は触れてみようか。私の手袋はどこだったかな。
害はなさそうだが迂闊に素手で触れるのは危険だ。
葉や枝や樹の根元などを念入りに調べてみよう。土壌もな。
卵を産んだ(?)部分も調べてみるぞ。構造を知りたい。
一応鍵も探しておこうか。フクロウにも会いたいしな。
ん? モンスター? そういえば出るんだったな。
私にみせられる実力がまだあるとは思えないが…。
【エレクトロレギオン】を召喚し戦わせよう。召喚数は程々だ。
剣堂・家留魔
【探索として卵を割っていく。】
さてと、探索だな。卵をたくさん割っていこうではないか。何が出るかお楽しみでカラフル…ふふふ、割るのが楽しくなるものだ。
(卵を割りうさぎのモンスターと遭遇)む、モンスターか。これは私達にとって危険なもので倒さなくてはいけないな。
今回は武装のサイコキャノンを試しておこう。
皆のもの下がっていなさい。私が華麗にそのモンスターを倒して見せよう。狙いを定めて撃てば兎というすばしっこい種族でも当てることは出来るだろう。
魔法と言うのは大きく役に立つものなのだが、ペースは考えないといけないからな。相手によって使うものを選ぶことは魔法使いの基礎ではないだろうかね?
どこからともなく差し込む光は太陽光そのもののようにしか見えない。
上のフロアは景色に相応しい寒さを感じたがここは一転して暖かで、うたた寝したくなるような陽気だった。
「雪の部屋の後は植物か。本当に不思議な世界だな」
天井を見上げて呟くシビラの隣で、ちさが目を輝かせて辺りを見渡している。
「地下に森、また珍しい光景ですわね。いろいろな色のたまごがあるのも不思議ですわっ」
手入れを怠って緑に覆われた庭園のような風景のあちこちにたまごが見える。ピンクや黄色、淡い緑といったパステルカラーで彩られたたまごは、芝生や蔦の絡まる塀の上、木の枝の間などに見受けられた。
もちろんそんな景色など見たことのない新人三人組も、目を瞠って見入っている。
「とにかくいっぱい割っていきますの」
「そうですね!」
ちさの明るい声に我に返ったように、エミリオが近くのたまごへ駆け寄った。環状に盛り上がった芝生の中に産み落とされたようなたまごへ手を伸ばすと、シビラが制する。
「ふむ。卵を産む植物とは聞いたことがない。本当に植物か?」
まったく尤な指摘に、エミリオがあって顔で振り返った。一般的なイースターではたまごを隠すのは大人の仕事だが、この森にはあいにく仕掛け人はいそうにない。
であれば触れるのは危険な可能性もある。辺りをしげしげと観察していると、蔦の間から突然ぽこっとたまごが顔を出した。
「……出たな……害はなさそうだが迂闊に素手で触れるのは危険だ」
卵を出すところを見たいとは思っていたが、本当に目撃するとは思わなかった。ぱたぱたと黒いドレスのあちこちを探って手袋を取り出すと、シビラは白い手に嵌めてたまごに触れてみた。
真剣な顔で見つめる新人三人の前で、蔦や蔦が絡んでいる木を慎重に調べてみる。しかし植物自体は至って普通のようで、たまごが出るのはどうもフロアの仕様らしい。
「たまごが出る場所に、目印などがあるわけでもなさそうですわね?」
鳥の巣のような蔦の中のたまごを眺めて、ちさはこつんと叩いてみた。
ぱかっ、と文字通り音をたててたまごは割れて、中から飛び出したのはひよこである。
「まあ、可愛いらしい!」
ぴよぴよと鳴くひよこをそっと両手で抱いて、ちさは思わず笑顔になった。温かな体温と様子からするに、多分間違いなく鶏の雛だろう。
「何が出るかお楽しみでカラフル…ふふふ、割るのが楽しくなるものだ」
目をきらきらさせて家留魔も手近なたまごを叩いてみた。ぱかんと開いたたまごの中には、茶色いうさぎが鼻をふんふんさせている。片手におさまるほどの小ささだ。
「構造を知りたいが、難しそうだな……一応鍵も探しておこうか」
一体どうやってたまごの中に雛やらうさぎを仕込めるのか。気になるシビラだが、今日の大本命は新人たちがフクロウにしばかれないようにすることだ。芝生の上のたまごを叩くと、やたら明るいファンファーレが鳴って棒つきキャンディやクッキーの詰まった袋が飛び出した。
「お菓子は置いておけませんし拾っていきましょう。あとでお茶など如何でしょう?」
「いいんですか? お茶、したいです」
ミケイラが嬉しそうに笑顔を見せる横で、家留魔がこつんとたまごを叩く。
お菓子を出したたまごの観察を終えたシビラがやってきて、割れたたまごから飛び出したうさぎを見て首をかしげた。他のうさぎとちょっと違う。
「ん? モンスター? そういえば出るんだったな」
フロアと森の構造に集中力を結構もっていかれていた彼女である。とはいえ孵ったのは外見もサイズも普通のうさぎだった。頭に小さな王冠をかぶっている点だけが見分けるポイントっぽい。
「む、これは私達にとって危険なもので倒さなくてはいけないな」
「……とても、害がなさそうなのですが……」
おずおずとミケイラが申し出る。彼女がそう言うのも無理はないが、今後の彼らのためにもここでお手本を見せなくてはならない。
「戦いでは見かけに惑わされず、きちんと見定めなくてはいけませんわ。今回はちょっとかわいそうですが、倒させてもらいますの」
ちさのレクチャーを聞いてミケイラがはいと頷く。倒さねばならない相手だと三人が理解できるのを待って、家留魔はサイコキャノンの準備をしつつ手で後退を指示した。
「皆のもの下がっていなさい。私が華麗にそのモンスターを倒して見せよう」
王冠をかぶったうさぎはつぶらな目で辺りを確認しつつ、家留魔に後足で蹴りかかる。脛を狙った俊敏な蹴撃を一発食らいつつ、家留魔は魔法の一撃を的確に命中させた。
「このように狙いを定めて撃てば、すばしっこい種族でも命中させることが出来る」
「無駄撃ちを避けるためでもあるのですね」
ライモンドの言葉に頷いて、家留魔はそのとおりと肯定する。
「魔法と言うのは大きく役に立つものなのだが、ペースは考えないといけないからな」
新人三人は大真面目に聞いていたが、彼の脛を別の王冠うさぎがだっしだっしと蹴りつけているのもチラチラ見ていた。シビラが向こうで孵したやつだ。
蹴りのダメージ自体はほとんどなし、実害はないけど非常に気になる。特に蹴られてみたい気持ちになってくるあたりが。
「相手によって使うものを選ぶことは魔法使いの基礎ではないだろうかね?」
「勉強になります」
「もちろん、こうして仲間がダメージを受けた場合は治療をするんですの」
種類は違えど魔法や精霊、竜の力を使う以上、この三人は魔法使いには違いない。家留魔のレクチャーにライモンドが首肯する間に、ちさが傷を癒してみせた。治療の実践を見せるいい機会だし、かすり傷でも見過ごせないものだ。
その向こうでは、他のたまごを幾つか叩いてみたシビラが首を傾げている。
「……ふむ、たまごの色による違いはないのかな」
すっかり研究モードの彼女へ、ちさがにこやかに声をかけた。
「シビラさまもぜひ、お手本を見せてあげて下さいませんこと?」
振り向いたシビラが目を瞬く。それから自分に蹴りを食らわせる王冠うさぎたちを見下ろして息をついた。
「……私にみせられる実力がまだあるとは思えないが……」
促されはしたものの、彼女は己の力には懐疑的だ。とはいえ猟兵には違いなく。
不意にシビラの周りの風景が揺らめき、王冠うさぎの数だけ機械兵器が現れた。自分と家留魔に攻撃を試みるうさぎへビームを一閃。幻のように王冠うさぎが消し飛ぶと、レギオンたちも無へと還っていった。
とてもメカメカしいものを見て目を輝かせるエミリオをよそに、シビラは再びたまごの森の研究へと戻っていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
天星・零
『これを叩けばいいのですか‥ではまず一回』
そのあとは優しく叩いていきながら指定UCで情報を収集し出所を探します。
出たのが生き物なら微笑みながら優しく撫でた後、次の卵に行きます
・敵対して攻撃してくるモンスターが出てきたら
『痛っ‥ふふ、おいたは駄目ですよ?いい子ですから』
と言って再度撫でようとする
もし、もう一度攻撃してきたら
『‥。ふふ、おいたはだめって言いましたよね?』
微笑みを相手に向けて
【恐怖を与え】そうなくらいの雰囲気で相手をちょっとお仕置き(ワンパン)します
『他者には優しくしないとですよ』
ずっと微笑みながら
そのあとは引き続き何事もなかったかのように指定UCで出元探索
キャラの口調はステシ参照
サンディ・ノックス
(いい子たちだな
真っ直ぐで謙虚
力の差を理不尽に思ってもおかしくないのに…なんて心が強いんだろう)
そんな思いを心に秘めて
「鍵が必要みたいだけど気負いすぎることもないよ
せっかくだし、この状況を楽しもう」
彼らの発想を尊重してたまごの在処を探す
確実に確認しながら進むか、あたりを付けて探すか
自分だったらどこに隠す?と尋ねたり
戦闘では敵に効果的な攻撃を見極め戦う方法を教えつつ軽く実践
脚を狙い機動力を奪うとか
目を狙い情報収集手段を奪うとか
相手はウサギだから目より耳で情報収集しているかもと相手から推測するとか
…猟兵と埋められない力の差はあるかもしれないけど、持っている力を最大限に活かす工夫はできるんだよってね
御形・菘
当然ながら妾はコンコンコンの神でもある! はっはっは、任せるがよい!
とゆーことで、卵をコンコンっと
うさぎ型とは、実に癒し系動画になりそうであるな!
美味しそうで可愛らしいの~
しかし妾は哺乳類やら鳥とどうも相性が悪くてな、何故だか威嚇かガチ逃げされるのよ……
では戦いの見本を見せるとしようか!
……マジで他言無用にしてほしいが、妾の戦い方は、お主らが今後相対する敵の挙動として覚えておくが良かろう
尻尾と翼を使ったお主らとは異なる独特の機動、もちろん尻尾自体も武器よ
そして挙動が予測しづらい邪神オーラに、膂力に任せた左腕の全力の一撃、どう凌ぐ?
今は対処できんでも仕方ない、しかし想定をして、作戦を練っておけ!
新入生たちの大体の性格を掴めたサンディは、猟兵たちや仲間と顔を合わせながら話し合う彼らを眺めて息をついた。
(「いい子たちだな……真っ直ぐで謙虚、力の差を理不尽に思ってもおかしくないのに……なんて心が強いんだろう)
彼我の実力差が余りにもあれば、もはや同じラインで考えることはしない。猟兵たちの親しみやすく、真摯な対応があればこそでもある。
飛び出すうさぎやひよこは心和むものだし、お菓子も彼らには魅力的だろう。それでも三人は時々集まって、真剣に話し合っていた。
「鍵が必要みたいだけど気負いすぎることもないよ。せっかくだし、この状況を楽しもう」
サンディが穏やかに声をかけると、幾分ほっとした表情を見せる。
そしてとてもフレンドリーな邪神は、たまごを叩く手間を惜しむタイプではなかった。
「当然ながら妾はコンコンコンの神でもある! はっはっは、任せるがよい!」
上機嫌の菘が隠れもしていないたまごへ近づくと、無造作にコンコンと叩く。
パステルカラーで彩られたたまごから飛び出すうさぎ。これ配信者にとっては願ってもないアタリの予感がする。
「実に癒し系動画になりそうであるな!」
可愛いうさぎやひよこをもふもふするだけで再生回数ガンガン稼げるのは間違いなし。なんですけど。
「美味しそうで可愛らしいの~」
うっかり口から出るのがそれなあたり、菘の邪神たる所以である。冒頭部分に首を傾げたミケイラだったが、今までがとても親切なのであんまり気にしていない。
「妾は哺乳類やら鳥とどうも相性が悪くてな、何故だか威嚇かガチ逃げされるのよ……」
「そうなんですか? 何故でしょう、気持ちは伝わると思うんですけど」
爬虫類がベースのキマイラだからねってツッコめる人はここにはいなかった。実際うさぎが見たことないぐらいの超速で走り去っていく。
「これを叩けばいいのですか……ではまず一回」
興味津々でたまごを覗き込んでいた零が、やさしくたまごを叩いてみた。勢いよく飛び出したのはふかふかのひよこで、ちょうど差しのべた零の手の中におさまる。撫でてから地に下ろしてもぴよぴよ鳴いてついてきた。
「これが刷り込み……」
彼の金の髪を何となく見ながらライモンドが呟くのを背に、別のたまごへ。叩くとお菓子がぽんと飛び出す。
ひよこを引き連れて幾つ目かのたまごを零が叩くと、初めて王冠うさぎが飛び出した。もちろん問答無用で飛び蹴りがお見舞いされる。意外に痛い。
「痛っ……ふふ、おいたは駄目ですよ? いい子ですから」
手を伸ばして撫でようとするとぱっと飛び退いた。鼻をふんふんしてからもう一発飛び蹴りが炸裂する。零の微笑みがちょっと深くなった。
「……。ふふ、おいたはだめって言いましたよね?」
笑顔を真正面から見た王冠うさぎの毛がぶわっと逆立った。今度は飛びのく隙を与えず零がワンパン。王冠うさぎは幻のように消えていく。
脂汗を浮かべるライモンドに、零はにこりと笑って続けた。
「他者には優しくしないとですよ」
「はい……」
こくこく頷くのを見届けると、再びたまごの探索開始。【超記憶の叡智と飽くなき探求】を起動した零は、少しずつ情報を蓄積していった。
どうやらたまごの配置に必然性もパターンもなさそうだ。たまごは無作為に配され、中身はどうやってか生後1日程度の状態で孵るように設定されている。
たまごの中身の出現確率はほぼ同じで、探索が進めば当然王冠うさぎも増えていった。
飛び交う王冠うさぎを軽々と躱しながら、サンディは実戦について説明する。
「敵に効果的な攻撃を見極めることが大切だよ。脚を狙い機動力を奪うとか」
鞘に収めたままの剣でうさぎの足を一撃。うさきっくを回避して、半回転しながら頭にこつん。そのたびにふわりふわりと王冠うさぎが消えていく。
「目を狙い情報収集手段を奪うとか……ウサギだから目より耳で情報収集しているかも、と相手によって推測すること」
「肝に銘じます! 俺は騎士だから、仲間を守らなくちゃいけないし!」
「では戦いの見本を見せるとしようか!」
朗々と宣言した菘が翼を広げた。無駄な動きは一切なく、的確に王冠うさぎに一撃入れて仕留めていく。
猟兵たちなら一撃で倒れる王冠うさぎは、まだ入学したての新入生たちでは二、三度攻撃しなければならなかった。
「……やっぱり世界に選ばれる人たちの力はすごいですね」
実力差を知っていても、目の当たりにすれば埋められない差を実感しているのだろう。ライモンドが表情を蔭らせる。だからサンディは笑顔で続けた。
「力の差はあるかもしれない。けど持っている力を最大限に活かす工夫はできるんだよ」
どこまでも柔らかな言葉に、ライモンドが素直に首肯する。槍を構えるエミリオに、菘が真顔で言い聞かせた。
「……マジで他言無用にしてほしいが、妾の戦い方は、お主らが今後相対する敵の挙動として覚えておくが良かろう」
「えっ。何故ですか?」
菘に危険を感じないエミリオが不思議そうに問い返す。キマイラならではの自身の身体を示して、菘は思考を促した。今後の彼らが先達を頼れるとは限らない。なればこその親心じみたものだ。
「尻尾と翼を使ったお主らとは異なる独特の機動、もちろん尻尾自体も武器よ。そして挙動が予測しづらい邪神オーラに、膂力に任せた左腕の全力の一撃、どう凌ぐ?」
「尻尾が……そう、ですね。いろいろな敵が考えられますよね」
ミケイラは考えがまとまらないようで、つっかえつっかえそうとだけ言った。ライモンドも思考を巡らせているのか答えはない。
「今は対処できんでも仕方ない、しかし想定をして、作戦を練っておけ!」
「「「はい!」」」
三人の新入生たちの返事が重なった。
王冠うさぎがすべて退治され、辺りはぴょんぴょこ跳ねる普通のうさぎとよたよた歩くひよこが増えて、お菓子を抱えたエミリオがきゅっと眉を寄せる。
「うーん、フクロウも気になるんだけどなあ。鍵、なかなか見つかりませんね」
「自分だったらどこに隠そうと思う?」
尋ねられたエミリオが難しい顔になって唇をかんだ。
「……逆にあんまり隠した感じじゃないとことか。よく見えそうな目線の……」
「そういえば、おまえはいつもそうだな」
「あ、悪戯してライモンドの教本隠した時も教卓の中だったわ」
「今言う?! 猟兵さんたちの前で言う?!」
とても真顔のライモンドに続いてミケイラもぱっと笑みを浮かべ、顔を真っ赤にしたエミリオが絶叫する。仲のよさそうな三人の騒ぎを、サンディは笑って聞いていた。
そんなわけで鍵の捜索は、エミリオの意見を参考に進めてみることになる。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
ユーフィ・バウム
※非オブビリオンは無力化に止めます
※アドリブ・連携大歓迎です!
これは本当に美しい森ですね……
なんだか懐かしさに嬉しい気持ちが沸きつつ、
さぁて張り切ってたまごを叩きましょう!
新入生について回り、たまごを叩きます
出てくるのが動物なら【動物と話す】。会話を試みます
お話ができたなら、これは癒しの時間ですね……♪
うさぎ型のモンスターは危険かもしれませんので、
必要あれば新入生を【かばう】。
そして戦いのお手本をということで、モンスターの懐に入って
ぐーぱんち!《トランスバスター》!
「ふふ、森の勇者の一撃ですよ!」
倒したなら得意げです
され庭園の奥へ入る鍵はどのたまごでしょう
【野生の感】で何かわかるといいのですが
レガルタ・シャトーモーグ
オデット(f04351)と同行
雪の次は森か…
原理はよく分からんが、卵を叩いて回ればいいんだな
中身がモンスターだった時の為に一応警戒しながらダガーの先でコンコンと叩く
モンスターだったらさっくり【暗殺】
最初は1つずつ叩いて回るが、だんだん面倒になって両手に持った飛針を同時に全方向に投げて一括開封
モンスターが複数出たら【2回攻撃】【残像】視えざりし屍の招聘で対応
菓子が出たらオデットの犬にやる
…1個くらいは味が気になるので持って帰るか
オデットは菓子食わないのか?
オデット・クレイトン
レガルタ(f04534)と参加
※アドリブ、悪乗り大歓迎
戦いのお手本……私の戦い方はあまり参考にならないと思うんですが
●行動
さて、たまごを探して叩いていきましょう
『動物使い』【血の猟犬】を使用
合体させて12体にさせた後、3組に分ける
叩く卵の周囲に配置させ、何か出てきた瞬間に背後、死角から攻撃させます
1班が攻撃したら、別方向から他の班で攻撃させたりと連携を重視
攻撃を喰らった猟犬は合体させます
私自身は『迷彩』『忍び足』で気配を消し、猟犬のサポート
[紅月]を『投擲』したり、たまに前に出て死角から[蒼月]で斬りつけます
あ、わんこ達、お菓子だったら食べちゃっていいですよ
うーん、お宝とか出ませんかね?
泉宮・瑠碧
フロア毎で全く違う空間とはいつ見ても凄いな
此処の緑も、日は無いが元気に見える
そして…ひよこ
素晴らしいものの宝庫だな
鍵は、卵を叩いていけば良いのか
…中に在るものが痛くないと良いが
宝探しみたいなものだと伝えれば
新入生達も楽しめるだろうか
…ただ、何が飛び出すかは不明なので注意は忘れずにな
ライモンドの事も杞憂だった様だし
僕も探すが、三人の様子を見守ろう
ひよこが出てきたら、手に乗せて幸せに浸る
動物も鳥も好きだが、ひよこも好きなんだ…
モンスターが出てきた時は
…小さくてうさぎ型で、戦い難いな
心情的に攻撃し難いので
触れるなら撫でて子守唄を唄った後に永遠揺篭を
お手本では無さそうなので、こういう戦い方もある位だな
雪のちらつくフロアが上にある以上、明らかにここは相当に深い地の底のはずだ。しかし目の前に広がる庭園を見渡すと、瑠碧には感慨しか浮かばない。
「フロア毎で全く違う空間とはいつ見ても凄いな……此処の緑も、日は無いが元気に見える。そして……ひよこ」
呟く瑠碧の目の前を、仲間がたまごから孵したひよこがさえずりながら横断する。
「素晴らしいものの宝庫だな」
「ええ、これは本当に美しい森ですね……」
相槌をうったのは別の世界とはいえ森の出身であるユーフィだった。作り物ではない、確かにここで生育している植物の瑞々しい匂い。森への懐かしさを思い起こした彼女の胸には、懐かしさと嬉しさの入り混じった気持ちがこみ上げていた。
「雪の次は森か……」
正直なところ、寒くなければ御の字ぐらいの気持ちのレガルタである。むしろこうした遺跡じみた森は、身を潜める場所が多くて落ち着くぐらいだ。オデットのほうは探索自体はいいけれど、戦いのレクチャーと言われると任せておけとは言いにくい。
「お手本……私の戦い方はあまり参考にならないと思うんですが」
今のところ大したモンスターが出るわけではないし、まあいいかと思いなおして【血の猟犬】を起動する。たまごを割るにしても効率を考えるのだ。
愛用のダガーを抜いたレガルタは、新入生たちの注意を引かないように木陰へ入る。
「原理はよく分からんが、卵を叩いて回ればいいんだな」
緑色に彩られたたまごに近づいたレガルタは、警戒を忘れずダガーの先でコンコンと叩いた。ぱかっと割れたたまごの中からお菓子が飛び出す。
いつの間にかレガルタの傍で槍を構えていたエミリオが息をついて、それから邪気のない顔で問いかけた。目が口ほどによくものを言っている。興味津々なのだと。
「えと、レガルタさん天使なんですよね。黒い翼超カッコいいなって! 俺思って!」
「……そ、そうか……」
御使いと呼ばれる種族には違いないが、なんとも応対に困る。すごく困る。目が泳いでいる彼への助け舟、と新入生との交流も兼ね、ユーフィは元気な声をあげた。
「さぁて張り切ってたまごを叩きましょう!」
「はい! すごいわくわくしますね!」
エミリオがたまごを叩くと、今度は白いうさぎが飛び出した。逃げられる前にユーフィは話しかけてみる。
『こんにちは。うさぎさん、鍵を知りませんか?』
きょとんとした顔で二人を見上げたうさぎは鼻を忙しく動かした。
『かぎ、わからない。ねえ、おかあさんなの?』
『おかあさんではないのですが、少し撫でてもいいですか?』
『いいよ!』
「はわ、撫でていいそうですよ!」
「話せるんですか、すごいっすね!!」
うさぎを抱き上げて二人でしばらく撫でまくる。
たまごの中身がうさぎやひよこだったらと思うと、瑠碧は少し不安を覚えた。
「まあ、宝探しみたいなものだ……中に在るものが痛くないと良いが」
ミケイラも不安そうだ。それでも何が出てくるかという期待がよくわかる。
「……何が飛び出すかは不明なので注意は忘れずにな」
先達としての忠告をしてからたまごを叩く。飛び出してきたのは王冠をかぶったうさぎ――モンスターだ。
「……小さくてうさぎ型で、戦い難いな」
「本当に……」
みごとなうさぎキックを食らわせてくるのも構わず、瑠碧は手を伸ばして子守り歌を歌いながら撫でる。そしてそっと【永遠揺篭】を起動した。眠りをもたらす砂袋を持った見えない精霊が、王冠うさぎをあっという間に眠りへ落とし込む。
「お手本では無さそうなので、こういう戦い方もある位だな」
きちんと倒す気になれないからこそだったが、ミケイラは笑顔で首を振った。
「いえ。とても勉強になります」
ライモンドはオデットの【血の猟犬】が気になるようで、彼女が召喚した猟犬を合体させたり、3つに組わけしてたまごの周囲に配するのを観察していた。
気配を消したオデットがたまごを叩くと、ぽんとお菓子が飛び出してくる。
「あ、わんこ達、食べちゃっていいですよ」
主の言葉に従って猟犬たちがクッキーを食べるのを眺めて、ライモンドが口を開く。
「召喚術ですよね。よく知らない術式なんですが……見せて頂いてもいいですか?」
ずいぶんと勉強熱心らしい。ふわふわの長い髪を揺らして、オデットは頷いた。
「いいですけど……気をつけて下さいね」
こつんとたまごを叩くと、中から王冠うさぎが飛び出してきた。途端に配されていた猟犬が容赦なく食いつく。はいと頷くライモンドは、実戦的な手法を知りたいようだ。
別のたまごを叩いたユーフィのところでも王冠うさぎは飛び出していた。エミリオが蹴られそうになるのを、ユーフィが身をねじ込んで庇う。
「ご、ごめんなさい!」
「大丈夫ですよ。それに……」
今こそ冒険の先輩としてお手本を見せる時。王冠うさぎが跳ねた一瞬、踏み込んで【トランスバスター】のぐーぱんちをお見舞いする。ぱちこーんと入った一撃で王冠うさぎはふわっと消えた。
「うわすごい! 一発KOですね!」
「ふふ、森の勇者の一撃ですよ!」
歓声をあげるエミリオに、ユーフィは自慢げに笑ってみせる。
「……まだまだあるんだろう。面倒だな」
一つ一つ開封する手間に飽いたレガルタは、仲間や新人たちに当たらない場所のたまごを選ぶとはばたいた。暗色のマントを一閃、一息に飛針を幾つも放つ。使い慣れた針は的確にたまごを撃ち、ぽぽぽんとうさぎやひよこ、お菓子に王冠うさぎが飛び出した。
目の前のたまごからよたよたと出てきたひよこを手に乗せて、瑠碧とミケイラが幸せな溜息をつく。ふわふわの羽毛に可愛いらしいさえずり、すべてが可愛いでできていた。
「動物も鳥も好きだが、ひよこも好きなんだ……」
「私もです。可愛いし、守ってあげたくなりますよね」
満面の笑みのミケイラが、ずり落ちる眼鏡を押し上げながら首を縦に振りまくる。掌の中の温かで柔らかな感触は、それだけで人を幸せにするのだ。
お菓子をすべてオデットの猟犬に放ろうとして、ふとレガルタは手を止めた。ひとつくらいは味が気になるし、持って帰ってみてもいい。
「オデットは菓子食わないのか?」
レースの袋に詰められたクッキーを懐にしまいながら問いかけると、オデットはちょうど月の魔力を宿す剣で王冠うさぎを斬り伏せたところだった。
「うーん、お宝とか出ませんかね?」
「いや……そのお宝に相当するのが鍵ってことじゃないのか」
「あ」
フロアにあるたまごを一通り割り尽くした頃、瑠碧が首を傾げて仲間を振り返った。
「鍵がなかなか見つからないな」
「そうですわね……」
応えたユーフィがふと言葉を切る。野生の勘が囁いたのは、多分その時だった。レガルタの荒業の成果で見渡す限りのたまごは割れていて――目線の高さの枝の上、たまごの殻の影でちかりと何か光った。
「あった、鍵ですわ!」
上半分が丸い鳥籠をモチーフにした鍵はアンティークっぽい細工で、小さなユーフィの手には少し余るぐらいの大きさがある。
それを誰かが見ていたように不意に。庭園の奥へ向かうフェンスが軋みながら開いた。
苔むした石畳の先にはもう一つの鉄のフェンス。そこに、鍵を差し込むべき南京錠が下がっているのが見える。
フクロウへの道は開けたようだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
第3章 集団戦
『モリフクさま』
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POW : 翼びんた
単純で重い【翼】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 人をダメにするもふもふ
【胸部のモフモフ】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : うぉーみんぐあっぷ
予め【羽ばたく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
イラスト:橡こりす
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●秘められた庭園の主
南京錠に鍵を差し込んで回すと、がしゃんと大きな音がした。
錆びついて見える鍵はしかし滑らかに外れ、厳かにも聞こえる音でフェンスが開く。
その先は今までの庭園よりもはるかに緑深く、蔦のからまるフェンスや密集した木立で薄暗くすらあった。とはいえ、石畳の足元が見えないほどではない。
ガーデンテーブルと椅子が置き去られた円形の広場。
囲む木立のそこここに、羽ばたく音すらたてない猛禽たちが潜んでいる。
剣堂・家留魔
ここにいるのは猛禽類のフクロウだったな…。例えケットシーよりモフモフでキュートであろうとそれが決定的な勝因にならないことを見せてやろう。
私はサイキックブラストによる電撃でフクロウを退治しようとする。一般的にフクロウは夜行性…つまり、かすかな光で動けると言うこど。ならば強い光を放てる電撃は奴らの弱点と言えるのではないかね?
ふふふ、今回は獰猛な猛禽類と聞いているからな。悪いが手を緩めるつもりはない。いくらモフモフが魅力的でもそれが私に当たる前に決着がつくのだからな。
一流の魔術師相手にまともに戦わせてくれるなどと思わないことだ。戦う前から最適の戦いかたを用意するのが私なのだよ。
シビラ・レーヴェンス
視界が悪いところは不愉快だ。どうも落ち着かない。
それはさておきこの部屋は迂闊に入ると危険だな。
罠にハマるのは視界が悪いことより不愉快になる。
慎重にいこう。視界の確保が最優先だな。
【ウィザード・ミサイル】を停空できないか試す。
火だし灯りの代わりにはなるだろう。停空できればだが。
停空できなければ引火するもの。
むぅ。引火したらこのフロアが火の海だな。やめた。
同業者や新入生(仲間)達を援護するように遠距離から攻める。
経験は皆無で不慣れだが連携や協力をしてみよう。成功するか不安だがな。
敵の行動阻害やダメージ以外は望んでない。危機の場合守護する。
【ウィザード・ミサイル】を上手く使用しこちらを有利にしよう。
御形・菘
妾の方が少数意見らしいが、鱗のザラザラとかの方が癒されんかのう?
とはいえ視聴者にモフモフの方がウケが良いのは事実!
妾はちゃんとその辺を考えておる!
それでは動画のクライマックスに相応しい技を使うとしよう
右腕を高く上げ、指を鳴らし、高く鳴り響けファンファーレ!
もちろん味方の炎は即消すぞ
はっはっは、モフモフに超囲まれる妾、絵的には最高ではないか?
ビンタは…この程度は慣れたものよ、余裕の笑顔で我慢!
どんどん来るがよい、大歓迎であるぞ!
ちなみに新人諸君にアドバイスをするとだな
食らってはマズい部位と、ヤバい勢いの攻撃だけは、見極めて絶対にガードしておるよ
致命傷は避けるのはとっても大切!(←ビンタ継続中)
待ち受けるフクロウの数は相当なものになる。そこで猟兵一行は隊を三つに分けて広場へ突入することにした。
最初のチームに入りはしたものの、シビラはなんとも居心地の悪い思いをしていた。
(「視界が悪いところは不愉快だ……どうも落ち着かない」)
見通しが悪い場所は罠が仕込まれていても気付きにくい。罠にハマるというのは視界が悪い以上に不愉快だ。
「迂闊に入ると危険だな」
「そういえば、ここにいるのは猛禽類のフクロウだったな……」
家留魔がもの思わしげに呟く。一般的にフクロウは夜行性、つまり、かすかな光で動けると言うことだ。
「ならば強い光を放てる電撃は奴らの弱点と言えるのではないかね?」
「……恐らくは」
応えてシビラは考える。灯りが欲しいところだが、【ウィザード・ミサイル】は自在に操れる系列とは違って、滞空させておくのが難しい。辺りを見回してみると、燭台らしき釣り台が幾つか見つけられた。
「引火するもの……むぅ」
うっかりすると辺りが火の海になりそうだったが、幸い辺りは生木がほとんど。釣り台には枯れた蔦が絡みついていて、【ウィザード・ミサイル】を命中させるといい具合に照明になった。
今回の録画のクライマックスとなる舞台は、幾分薄暗いせいで忘れられた庭園的な雰囲気抜群の広場の中央。そこで菘が右腕を高く掲げて指を鳴らした。途端に辺りに高らかにファンファーレが鳴り響く。
そのファンファーレを聞いたものすべての身体に炎が宿った。菘から目が離せない衝動にかられる炎こそはユーベルコード【見よ、この人だ】である。
「はーっはっはっは! 妾だけを刮目して見よ!」
仲間と新人たちの炎を即座に消し去り、菘はフクロウへ朗々と語りかけた。
当然ながらフクロウたちが脇目も振らずに突撃、本能で何かを感じたか、半数は即座にびんたを浴びせ始めた。もう半数は体当たりじみたもふもふ波状攻撃である。
「はっはっは、モフモフに超囲まれる妾、絵的には最高ではないか?」
予想以上に羽毛がふわふわ翼がもふもふ。正直なところ『鱗のザラザラとかの方が癒されんかのう』とか思ったりもするが、自分が少数派である自覚も、視聴者にモフモフの方がウケが良いのも菘はちゃんと把握していた。
「どんどん来るがよい、大歓迎であるぞ!」
「大丈夫っすか?! 痛くないんすか?!」
痛いがそこは笑顔で我慢。身を案じてくれるエミリオに鷹揚に笑ってみせる。
「この程度は慣れたものよ。ちなみに新人諸君にアドバイスをするとだな。食らってはマズい部位と、ヤバい勢いの攻撃だけは、見極めて絶対にガードしておるよ」
余裕かつ優雅にフクロウたちと戯れているかに見える菘であるが、かのびんたは地味に重い打撃。それが連続で叩き込まれている今、油断はノックアウトに繋がる。
「覚えておくのだぞ。致命傷は避けるのはとっても大切! っぷう」
語尾にびんたの重みが滲み出ちゃったりしているが、実際そのぐらいで済んでいるだけ大したものだった。実際エミリオが目を輝かせて見入っている。
「こ、これが邪神の余裕……! 強者であるが故に、弱者には寛大なんすね!!」
「もちろんだともへぶう」
顔面にびんたが入ってももちろん寛大ですのでスルー。しかし若干距離をおいて眺めてみると、燃え上がる炎の中で猛禽の集中攻撃を受けるトカゲ感がすごい。
しばしのふれあいタイムが終了すると、おもむろに家留魔が両手に稲光を這わせた。
「ふふふ、今回は獰猛な猛禽類と聞いているからな」
青白い光は電圧の高さを証し、何羽かのフクロウが振り返ったが、もう遅い。薄暮を裂くような光が走り、菘を取り巻くフクロウの半数を絡めとった。猛禽達の羽毛が逆立ち、無感情に見える大きな目も揺れる。
「悪いが手を緩めるつもりはない」
人の目すら灼く光は夜行性の猛禽には目くらましにも等しい。雷の直撃を受けなかったフクロウたちも目標を見失ってふらふらと飛び回り、蔦に突っ込むものもいた。
まだ動けるフクロウたちが目をしぱしぱさせている間に、さらなる光が突き刺さる。百を超えるシビラの炎の矢だ。
空に鮮やかな軌跡を描き、家留魔を狙うフクロウたちを次々と撃墜していく。
連携経験は皆無で一抹の不安を覚えていたシビラだったが、魔法主体の家留魔の動きは予測しやすかった。炎の明るさでフクロウたちが混乱したことも利している。
それでも菘の陰になっていた数羽が、羽ばたきでうぉーみんぐあっぷして家留魔の隙をつこうと飛びかかる。
しかし不意を打たれるほど家留魔は油断していなかった。振り返りざまの雷撃は再びフクロウたちを痺れさせ、びんたを食らうことなく動きを止める。
「いくらモフモフが魅力的でも、それが私に当たる前に決着がつくのだからな」
鼻先数センチ、魅惑の羽毛は家留魔を捉えられず。雷撃に身を震わせるフクロウたちへ、再びシビラの放った魔法の矢が降り注いだ。仲間の援護のために距離をとり、後方から目を配っていた彼女ならではの的確さだった。
炎にまかれたフクロウたちが苦し紛れに飛び回り、広場を火の粉がちらちらと舞う。
そんな幻想的な風景を最後に、彼らへ向かってきたフクロウたちは全滅した。
録画を確認した菘は予想以上の画に上機嫌だった。
「素晴らしいサポートに感謝だ。めっぽう取れ高のよさげな画が確保できたし、新人諸君に完璧なガードを開陳できたとも思うが、如何せん攻撃のしようがなかったのでな!」
からからと豪快に笑う彼女に家留魔がヒゲをひねりながら笑みを返す。
「なに、当然の仕事だとも。一流の魔術師相手にまともに戦わせてくれるなどと思わないことだ。戦う前から最適の戦いかたを用意するのが私なのだよ」
二人の会話を黙って聞いていたシビラは、新人たちの視線を浴びていることに気がつくとしばらく考えてから口を開いた。
「……見通しの悪い場所では視界の確保が最優先だ。私は連携は不慣れだが、慎重にいくことに専心した」
彼らに今必要なのは、乏しい実戦経験を補う知識と思考のトレーニング。冷淡に見えるシビラはしかし、必要なことを伝える努力を怠りはしなかった。
三者三様に感心しきりの新人たちである。
ミケイラはシビラの言葉を聞いて、一生懸命手帳に何かを書きつけていた。術主体の戦いを想定しているらしいライモンドは、家留魔に随分と感銘を受けたようだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ユーフィ・バウム
これはまさにふかふかでもふもふなフクロウ……
またまた可愛らしい敵。
これは実に触れたくなってきますね
ですが、ここは使命を果たすのみなのですと
【怪力】での《トランスクラッシュ》!
ボディアタックでモリフクさまに飛び込んでいきますよっ
エミリオさん達のお手本になるようパワフルに戦いましょう
【力溜め】からの【なぎ払い】で多くの相手を叩き伏せるのです
敵からのモフびんたは、【オーラ防御】体とオーラで受けきります
やりましたね!それでは反撃、ですっ!
【空中戦】からの《トランスクラッシュ》
完璧なフォルムのヒップをもって、ぺっちゃんこですよっ
無事にモリフクさまを倒しきったら、
お疲れ様でーす!とエミリオさんにハイタッチ
オデット・クレイトン
※アドリブ、悪乗り大歓迎
最近、あの変なトリモドキをよく見ますね
……枝に止まれるんでしょうか、あれ?
敵の奇襲を受けないよう、上空を注意しておいた方が良さそうですね
●行動
【血の猟犬】『動物使い』を使用
12体になるまで合体させ、3組に分けます
1班が攻撃したら、別方向から他の班で攻撃させたりと連携を重視
猟犬は私の[呪血]で作られてますし、『2回攻撃』『マヒ攻撃』『毒使い』で弱めていきましょう
攻撃を喰らった猟犬は合体させます
私自身は『迷彩』『忍び足』で気配を消し、猟犬のサポート
[呪血]を染み込ませた[紅月]を『投擲』(2回攻撃、毒使い、マヒ攻撃)したり、たまに前に出て[蒼月]で斬りつけます
レガルタ・シャトーモーグ
またこの丸いやつか…
あまり深く考えずに、さっさと殲滅するのが得策だな…
羽撃いて【空中戦】で追い詰める
こっちに攻撃してくるなら木を盾に回避
枝葉で敵の視界を制限するように隠れながら攻撃
飛針に【毒攻撃】で毒を載せて投げて敵の機動力を落として仕留めやすくする
程よくレンジ内に捉えられたら鈴蘭の嵐で一気に攻撃
撃ち漏らした分は飛針とダガーで仕留めて回る
あの目が虚無な鳥には近づかない様に一定の距離を取りながら立ち回る
近づくと、色んな意味でヤバい気がする
最後の一羽まで油断せず殲滅する
霧城・ちさ
またかわいらしい敵が現れましたわね。攻撃するのも少し躊躇うその姿がまずいけませんわっ。もふもふしていそうですし触って確認したいですの。
でもいけませんわね。お手本になるような戦いをしていきますわっ。
他の猟兵さん達とも協力して攻撃をされそうな方がいましたら守りながら戦っていきますの。
もう姿に惑わされて手を抜くような事はありませんわっ。1体1体全力で攻撃していきますわね。敵の移動や攻撃手段として翼がポイントになりそうですし狙えたら狙っていきますわっ。
とはいえ消えてしまうのはちょっと惜しいようなもふもふでしたわね
三隊に分かれたうちの一つとして広場に入ると、暗がりの梢に佇むようにフクロウがとまっているのが見えた。見るからにふくふくのアンバランスなほど丸い体、きょろりとした目。寒い日の雀のようにふっくらした姿にちさがちょっと心動かされる。
「またかわいらしい敵が現れましたわね……攻撃するのも少し躊躇うその姿がまずいけませんわっ」
「ええ、これはまさにふかふかでもふもふなフクロウ……またまた可愛らしいですわね」
その点、ユーフィも全面的に同意した。猛禽であるはずなのに可愛いらしさが先にたつとは驚きの敵である。
最近この手のオブリビオンと連戦する羽目になっていて、若干苦手意識が育ちつつあるレガルタはげんなりした顔になった。
「またこの丸いやつか……あまり深く考えずに、さっさと殲滅するのが得策だな……」
特に目が虚無ってるところが近づき難い。別の世界で似た目の鳥と交戦したオデットも複雑な表情で眉を寄せた。
「最近、あの変なトリモドキをよく見ますね……枝に止まれるんでしょうか、あれ?」
「とまってるぞ」
「……本当ですね……」
先がちょっと丸まってるだけに見えるが、それだけで枝やフェンスをホールドしているらしい。さすがオブリビオン謎の握力。
ふわふわの体をモフりまくりたい衝動にかられはするけれど、ユーフィは思いきった。
「ですが、ここは使命を果たすのみなのです。行きますよ!」
「はいっ! 超頑張ります!!」
気合い十分のエミリオが槍を構えて気合いを入れると、ちさも気力を奮い立たせる。
「もう姿に惑わされて手を抜くような事はありませんわっ。私の大事なお友達、風の精霊さん! その力を私に貸して欲しいですの!」
ちさの姿が不意にぶれ、風の精霊へと変じた。一番近いフクロウの傍らへ素早く踏み込むや、肘打ちから回し蹴りと流れるようなコンボを見舞う。たおやかな容姿に似合わぬ体術は【精霊降臨】によるものだ。
(「ふわふわのもふもふです……!」)
新人たちのお手本になるような戦いをと念じるちさ、念願の感触に内心歓喜である。
ぱっとフェンスから飛び立ったフクロウへはユーフィがボディアタック。激突の一瞬で確かにもふもふの羽毛を感じつつ、肉体を武器として叩きつける。
異変に気付いたフクロウたちが一斉に飛び立った。即座に翼を利して追撃をかけたレガルタが、枝葉に隠れながら立て続けに斬りつける。傷ついて高度の下がったフクロウたちへは、オデットの【血の猟犬】4体が食らいついた。二羽が即座に消え去り、オデットの呪血で作られているが故の猟犬の毒に侵され一羽が衰弱する。
12体にまで減らして強化された猟犬は、3班に分けることで互いや猟兵と連携攻撃を行う。その様子を見て、ライモンドはエミリオと目標を合わせて戦い始めた。ミケイラは二人の傷を治療することに専念しているようだ。
フクロウの攻撃や特性を思い返して、ちさは仲間に声をかけた。
「移動や攻撃手段として翼がポイントになりそうですし、狙えたら狙っていきますわっ」
「なるほど、試す価値はあるな」
頷いたレガルタがフクロウの突撃を躱しざま、毒を塗った飛針を翼に撃ちこむ。途端に羽ばたくことすら満足にできなくなり、フクロウがよろよろと下降していった。力を溜めたユーフィがラリアット気味のなぎ払いで弾き飛ばす。
効率的に敵を沈められるならそれに越したことはない。気配を消してオデットも猟犬のサポートをすべく前線へ紛れこんだ。
精霊の力を借りて小さな炎の竜巻を生み出したライモンドは、フクロウを一羽消し去ったものの反撃を受けて転がった。更なる追撃はオデットの【血の猟犬】たちが食らいついて一羽を仕留め、注意をひきつける。
「ライモンド!」
慌ててミケイラが歌を歌って傷を塞ぎ、彼女に遅いかかりそうなフクロウにはレガルタの飛針とオデットの紅月が突き刺さった。マヒしたフクロウがぽろりと落ちて、石畳の上で消えていく。涙目のミケイラにレガルタが言い聞かせた。
「最後の一羽まで油断するな。一定の距離を取りながら立ち回れ」
「は、はい!」
レガルタ自身注意していることだ。あの目が虚無な鳥に近づくと、色んな意味でヤバい気がする。傷ついた血の猟犬を統合し、3班の数を調整しながらオデットは油断なくフクロウの動きを見定めていた。
ちさとユーフィの攻撃を逃れたフクロウがこちらの群れと合流し、包囲状態になるのもちゃんと見えていた、ので。
「レー君代わってくれるんですかお餅のお礼ですねありがとうございます!」
「はあっ?! おい?!」
レガルタが叫ぶより一瞬早く、オデットが残像を残して包囲から消えた。羽ばたいて三百六十度確認、どちらへ動いてもフクロウの迎撃を受ける。ならば――紅色の瞳をわずかに細め、彼は告げた。
「ちょうどいい、食らえ」
飛針とダガー、携える刃が光に変わって千々に乱れる。光は小さな鈴蘭の花びらとなり、レガルタを中心にフクロウたちを巻き込んで渦をまいた。無数の鋭利な刃に裂かれて羽毛が飛び散る。
しかし傷の浅いフクロウが二羽レガルタの前後を挟み、反撃の翼びんたを食らわせた。もう二羽が更なる攻撃を加えようとした時。
「お引き受けしますわっ」
素早く割って入ったちさが、レガルタに迫るオブリビオンへハイキックを捩じこんだ。フクロウが石畳に叩き落されて消え去り、もう一羽が慌てたように距離をとる。
逃れた一羽も、気配を殺し風景に紛れたオデットから逃れられなかった。月の魔力を宿した蒼月に連続で斬り裂かれ、あえなく消えていく。
「これぞ連携ですねえ」
「……れんけいだったな」
にこやかに笑うオデットをジト目で眺めるレガルタである。鈴蘭の嵐をなんとか耐えたフクロウへ、エミリオが召喚した幻影ドラゴンのブレスを浴びせて仕留めた。
そして最後の一羽はユーフィの前へ。もふもふの翼びんたを受け止めたユーフィの小柄な身体は石畳を割って地を穿つ。しかしユーフィも自慢の身体とオーラで受け切った。
「やりましたね! それでは反撃、ですっ!」
フェンスを駆けあがったユーフィがフライングボディアタックでフクロウを直撃。更に上からのヒップアタックを食らわせる。鍛えられた、けれど柔らかで完璧なフォルムを誇るヒップの圧で、フクロウはぺちゃんこに畳まれた。
「これでこちらは全部でしょうか?」
「ええ……とはいえ、消えてしまうのはちょっと惜しいようなもふもふでしたわね」
もうちょっと堪能したかった気もするちさである。猛禽にもかかわらず、まさに水鳥のダウンの如き感動のふわふわ羽毛が名残惜しい。
「……そうですね。私もちょっとだけ、触りたかったかも……」
先ほどよりも実戦的な戦いに参加したミケイラは緊張気味だったが、やっと息をついてそんな感想が出た。改めてちさが微笑みかける。
「お疲れさまですわ。全部終わったら、お茶をご一緒しましょうね」
「はい、是非」
嬉しそうなミケイラにわずかに微笑み、ライモンドもレガルタとオデットに一礼した。
「……実戦の手本を、ありがとうございます」
「お手本になってるかはわかりませんけどね」
突然お礼をされて表情に困ったレガルタに代わり、オデットがにこりと笑って応え。
「「お疲れ様でーす!」」
期せずして声を揃え、ハイタッチをかわしたユーフィとエミリオだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
天星・零
『ふふ、いや今回の敵はなかなか可愛らしい。ちょっと倒してしまうのが残念です。』
相変わらず微笑みながら
【第六感】を働かせながら万が一もないように
【情報収集】と【追跡】で戦況を把握しつつ、また敵を見失わないようにしつつ弱点も見つつ
見切りながら戦う。
相手が近くにいたらØ、遠くにいればグレイヴ・ロウ、【毒使い】の技能で張り巡らせつつマフェッドスレッドで攻撃。猛毒を用いて弱らせる
終盤になってきたら
『みなさん離れててください。ちょっと危ないので』
新入生が近くにいるなら微笑み距離を取るよう促したあと指定UCを出し
『【死した嘆きの魔女】。お願いします』
和かな笑顔で微笑みレーザー発射
キャラの口調ステシ
アドリブ可
サンディ・ノックス
随分と可愛らしいフクロウだな
この見た目で油断させたり手触りで惹きつけたり…ふふっ
オブリビオンじゃなかったら似た者同士、仲良くなれたかもしれないね
もふもふ攻撃は
「仕事中に惑わされるなんて気の抜けたことはできないよ」
「……でも、ちょっとだけなら」
と根負けしそっと撫でてそのまま夢中になっているように振る舞う
モフに沈んだとフクロウが信じ油断したころに【だまし討ち】、ユーベルコード、解放・夜陰発動
生み出す水晶はできるだけ多数のフクロウに突き刺す
新入生にフクロウの羽ばたきは大きな攻撃の前触れだよと教えつつ羽ばたき中に攻撃したり
攻撃を【見切り】、回避して
相手が変わっても森で話したことは活かせると行動で示すよ
泉宮・瑠碧
…梟も攻撃し辛い
鳥は好きだし、可愛くて…
すまない
僕は主に精霊祈眼と援護射撃で補助
攻守で第六感や木立の葉音を聞き
梟の位置を把握
水の精霊に願い
梟達の翼が濡れる様に水で包む
多少の水では弾くなら覆ってしまおう
飛べなくなるしな
水を逃れたり向かってくるなら
新入生達や周囲に被害が及ばない様に
風の精霊に願って吹き飛ばして貰う
戦闘知識で判断し
怪我人が出ればミケイラ
隙のある個体が居ればエミリオ
数が多いか援護にはライモンドへ
新入生達には戦果も重要だろうが
自分が無事で在る事も仲間の為になる
生きて帰る事が何よりの戦果だと思う
自分に何が出来るか、どの手段が最適か
今と先を見据えて選べると良いな
終えれば梟達へ
謝罪を込めて祈る
木陰やフェンスの上から一行を眺めるフクロウ達は、一見害がありそうには見えない。その点では猟兵の最後の班のメンバーも似通った感想を抱くものが多かった。
「随分と可愛らしいフクロウだな」
にこやかに笑うサンディばかりでなく、わずかも油断はしていない零も笑みを見せた。
「ふふ、いや今回の敵はなかなか可愛らしい。ちょっと倒してしまうのが残念です」
可愛らしく感じることと油断なく勘を働かせることは別の問題だ。予想以上のフクロウの可愛らしさに困惑した瑠碧が、三人の新人たちの視線を浴びて口ごもる。
「……梟も攻撃し辛い。鳥は好きだし、可愛くて……すまない」
「い、いえ、そんな。攻撃しづらいのはわかります」
元気印のエミリオも同じ感想のようで、ミケイラもフクロウに目を奪われていた。
かすかな羽音をたててフクロウたちが飛び立つ。その全体を視野に収めながら、零は素早く距離をとりながらグレイヴ・ロウを操った。死角から十字の墓石の如きからくり人形が突出し、フクロウたちを打ちのめす。
きゅ、と首を傾げたフクロウが力強くはばたいて突進を仕掛けたが、零はグレイヴ・ロウで迎え撃って叩き落した。
バランスを失った数羽を狙い、瑠碧は水の精霊に願って水で一気に包み込む。自慢のもふもふの羽は水に濡れ、自由を奪われ宙でもがいた。その姿を哀れに思いながらも、かすかに背後で響いた羽音を聞き逃さない。
紙一重、瑠碧の鼻先をかすめたフクロウの翼びんたが重い音をたてて石畳を砕いた。見た目の可愛らしさに反する、なんという力技。
「仕事中に惑わされるなんて気の抜けたことはできないよ」
そうは言ったもののフクロウたちは次々と彼の周りへ集まってくる。穏やかな笑みを浮かべたサンディは、好奇心に耐えかねたように手を伸ばした。
「……でも、ちょっとだけなら」
指先が胸の羽毛、魅惑のもふもふゾーンに埋もれて、感触に夢中になったように攻撃はおろそかになった。次の瞬間どっと押し寄せたフクロウたちに埋め尽くされる。翼びんたの重い音が立て続けに響いた。
「サンディさん!」
囲まれて顔も見えなくなった彼へ、ミケイラが悲痛な声をあげる。救出しようと飛び出しかけたエミリオを制し、瑠碧が指示を飛ばした。
「ちょっと待つんだ。僕たち猟兵は戦い慣れている、簡単に倒れたりしないんだ。まずは敵の数が多いのだからライモンドが精霊の力を借りて、エミリオの攻撃の援護を」
「あ、はい!」
我に返ったエミリオが槍を握り直し、ライモンドが風の精霊の力を借りてつむじ風を
起こした。サンディにたかるフクロウが数羽吹き飛び、狙いすましたエミリオの槍が順次息の根を止めていく。
「そうですね、焦らず着実に。落ち着いて対処していきましょう」
瑠碧の指示に同意を示し、零も三人に言い聞かせながら前線へ出た。フクロウたちのただ中でかすかに煌めくのは彼のマフェッドスレッド。踊るような一閃で鉤爪の猛毒に侵されたフクロウが力なく地に落ちていく。
それでもすべての敵を一度で捉えることはできない。サンディは尚、十羽にのぼる猛禽に囲い込まれている。
完璧な包囲と連続攻撃の嵐で沈まぬ敵はいない。フクロウ――否、オブリビオンたちも確信していた。それをサンディもよく承知の上で触れたのだ。
(「見た目で油断させたり手触りで惹きつけたり……ふふっ。オブリビオンじゃなかったら似た者同士、仲良くなれたかもしれないね」)
【解放・夜陰】の発動。
魔力の集中を悟った数羽のフクロウが虚ろな目に同様の色を浮かべた。笑みを含んだ声は、外から隔絶された包囲空間でのみ聞き取れたことだろう。
「あぁ、見えちゃったんだ? 気付かず“俺”に染まっていれば幸せだったのにねぇ」
青い瞳が、酷薄な笑みがたたえる昏い悪意が象るように。
二百にも届こうかという漆黒の水晶が彼の周囲に凝集し、四方八方へ放たれた。獲物を求める悪意の欠片は至近のフクロウたちがハリネズミのようになるほど突き立ち、あっという間に形を失って消えていく。
最も近くにいたライモンドの目にもそれは一瞬の黒い嵐であり、だからサンディの表情には気付かなかった。
「無事でしたか」
「……心配してくれたのかい? ありがとう」
変わらぬ微笑みを返して、サンディは漆黒が鞘を払って剣をふるい始める。森での指導の続きのように、戦いの手を休めず彼は三人に説明した。
「いいかい、フクロウの羽ばたきは大きな攻撃の前触れなんだよ」
言葉どおり、距離を詰めたフクロウが翼びんたを仕掛けてきた。動きを見切って躱したサンディの横から飛び出したエミリオが、槍の一突きで仕留めきる。
「本当だ、覚えておきます!」
「それに、夜行性で視覚に頼った攻撃が予想されるということですね」
森でサンディに聞いたことを思い出し、ライモンドが炎の竜巻を召喚して放った。目くらましを食って動きの鈍ったフクロウが、羽を焦がされ散り散りになる。
突進してくるフクロウを風の精霊に願って吹き飛ばし、瑠碧も戦場に立つ上で忘れてほしくないことを語って聞かせた。
「君達には戦果も重要だろうが、自分が無事で在る事も仲間の為になる。生きて帰る事が何よりの戦果だと思うんだ」
「はい。みんなで戻れなくては意味がないです」
声を掠れさせたミケイラが首肯し、二人の仲間を気遣わしげに見やる。エミリオもライモンドも戦果ばかり求める気性ではないことが、瑠碧には幾分安心だった。
「自分に何が出来るか、どの手段が最適かを考えて動くんだ。今と先を見据えて選べると良いな」
三人が殊勝な顔でそれぞれに頷く。初陣の彼らも猟兵たちの指導を受けて、随分とこなれた戦い方が出来るようになってきた。それを見定め、零は手をあげて仲間を制した。
「みなさん離れててください。ちょっと危ないので」
フクロウたちも半数以下となり、今飛び交う個体もそこそこに弱ってきている。新人たちに距離をとるよう促して、零の詠唱が響きわたった。
「魂よ集え……空は翳り、地は呻く。腐敗する血肉……亡者が知るのは癒えぬ苦しみ。今一度の命を得、奈落の底に沈む、嘆きを解き放て!!」
熱風が沸き起こり、静かな空気を舐めてちりちりと灼く。現れたのは燃え上がる十字架に磔にされた女性だった。驚きにミケイラが息を詰め、エミリオとライモンドも目を瞠って無言のうちに退る。
「【死した嘆きの魔女】。お願いします」
和かな笑顔を浮かべた零の言葉と同時、輝く魔法陣が展開した。エネルギーが収束し、赤紫の光がフクロウたちめがけて放たれる。
輝きはまるで不吉な朝焼けのようで。
高密度のレーザーは一羽も残さずオブリビオンを焼き尽くし、魔女は任を終えるとふっつりと消え去っていった。
後にはわずかな羽毛が舞うばかりで、それも地に落ちる前にぼやけて消える。
深い息をついた瑠碧は目を閉じ、倒すしかなかったフクロウたちへの謝罪を込めて暫時祈りを捧げたのだった。
無事に迷宮新歓コンパを終えた一行は、何事もなく地上へ帰還した。猟兵たちが先輩としてガードと教導に力を尽くしたおかげで、三人の新入生たちには目立った怪我もなく、初めての迷宮探索を終えた充実感で喜びあっている。
「本当にありがとうございました」
折り目正しくライモンドが一礼すると、エミリオも慌てて並んで頭を下げた。
「すごく勉強になりました! 俺超頑張って腕を磨くんで、またいつか教えてもらえたら嬉しいです!」
にかりと笑ってミケイラにもほら、と促す。少しはにかんだ顔の彼女も、深く一礼して猟兵たちに笑顔を見せた。
「とてもお世話になりました。教えて頂いたことを忘れずに頑張ります」
彼らの笑顔も言葉も、丁寧で行き届いた猟兵たちの心遣いと行動あればこそ。
不思議な迷宮をともに潜り抜けた新入生と猟兵たちは、笑顔をかわしてそれぞれの道へと再び戻ったのだった。
大成功
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