9
イースターバニーの甘い罠!

#アルダワ魔法学園 #猟兵の食欲全開シナリオ #デブシナリオ #飯テロ #どうしてこうなった #作者は頭がおかしい

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アルダワ魔法学園
#猟兵の食欲全開シナリオ
#デブシナリオ
#飯テロ
#どうしてこうなった
#作者は頭がおかしい


0




 アルダワ魔法学園地下に存在する隠しダンジョン。
 そこは異様な光景が広がっていた。
「腹ン中がパンパンだぜ……」
「じゃけん、どんどんイキましょうね~っ! うッ……!」
 くちゃくちゃと水っぽい音を立てて男たちはがっついてゆく。
 一方、女も負けていなかった。
「しゅごぉいぃぃ~いっ! もうらめ、むりぃ~っ!」
「あはっ……♥ なにこれぇ~!? もっと、もっとちょうだぁい?」
 息も絶え絶えに求める姿は、もはや狂気、いや狂喜か。
 男も女も老いも若きも、この場では等しくよだれを垂らして快楽を貪る。
 ――目の前にそびえる、スイーツの山を腹一杯に喰らいながら!

「一瞬でも『えっちな依頼』だと思った人、その顔を引っ叩くから前に出てねっ!」
 そんなことを言って馬鹿正直に前に出る猟兵は恐らくいないはずだ。
 ……いないと信じたい。
 このグリモア猟兵は『技能:怪力』持ちのゴリラガールだぞ?
「えっちな予知は桃色の閃光や急須の人に任せておけばいいとして、うん、まずはこの状況を説明しなくちゃだよね……」
 蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)はFXで有り金全部溶かす人の顔ような放心状態のまま、猟兵へ解説を始めた。
「アルダワ魔法学園の地下にはまだまだ隠しダンジョンがあるんだけど、今回はその中のひとつをみんなに攻略してもらいたいんだよ……。はぁ、なんであたいは食べ物ネタの予知になるとカオスになるんだろう……?」
 溜息をひとつ吐いたのち、レモンは言葉を継ぐ。
「とある階層で、イースターエッグがどこからともなく転がってきて、迷宮探索の邪魔をしてくるんだよっ! だから片っ端からカチ割るんだけど、中身はとっても美味しいお菓子やケーキの類なんだよ~っ!」
 ふむ、此処までは一見、平和である。
 異世界でもイースター祭にちなんだものが存在するのは興味深いが、いったいそれが何の問題なのだろうか?
「問題は、このスイーツを食べて食べて食べまくらないと、隠しダンジョンへ辿り着けないってことだよっ!」
 ……ナニソレ?
「隠しダンジョンへ繋がる扉はね、重さを感知して開閉するっぽいんだけど、今のみんなの体重では何も反応しないんだよね……」
 ……話が見えてきた。
 つまり、予知の通り、スイーツを食べまくって太れと!?
 それで道が拓けると!?
「そういう事だよっ! 遠慮せずに食べまくってデブになってね!! あ、ちなみに、隠しダンジョンのボスが究極の美容痩せ薬を持ってるっぽいから、それを飲めばすぐに元の体形に戻れるよっ! だから安心して、吐くまで食べてきてねっ!!」
 エグい依頼内容と思うか、食べ放題ヤッターッと思うかは、猟兵諸君次第である。
「それじゃあ、アルダワ魔法学園へ向けて、しゅっぱ~つ!」
 こうして、アルダワ迷宮弾丸デブツアーが幕を開けたのだった!


七転 十五起
 デブれ、猟兵Go!(合言葉)
 七転十五起、なぎてんはねおきです。
 このシナリオは【デブシナリオ】です。
 決して【えっちなシナリオではありません】ので、ご了承ください。

 このシナリオは【デブシナリオ】ですので、第二章までは【デブになるプレイング】を積極的に採用してプレイングボーナスを内臓脂肪のように積み重ねてゆきます。
 読んだだけで高カロリーを摂取できそうな濃い内容のプレイングをお待ちしてます。
 フェアリーやケットシーのような小柄な種族でも、デブになると何故か扉が反応するようです。ご安心ください。
 ウォーマシンやメカっぽい猟兵用に、何故か甘い給油ポイントが備え付けられています。こちらもご安心ください。しっかり体重がなんやかんやで増加してデブになれます。
 細けぇこたぁいいんだよっ!

 それでは、皆様の挑戦、お待ちしております!
213




第1章 冒険 『イースターバニー♪』

POW   :    てやてや! 退治しちゃえー!

SPD   :    つかまえた! 確保完了!

WIZ   :    どこから出てるの? 出元を探るよ!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちは問題の迷宮のフロアまで到達する。
 目の前には、色とりどりのイースターエッグがごろごろと床を転がり、歩くスペースもないくらいにひしめき合っているではないか!
 試しにひとつ割ってみると、中からマカロンが飛び出してきた。もうひとつ割ると、今度はチョコレートが出てきた。エッグの中身はそれぞれ違うらしい。
 勿論、その味は超絶美味であった。嗚呼、多幸感で空が飛べそう。
 猟兵たちは早速、エッグの対処に追われる羽目になる。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・[POW]重視
・アドリブ◎

■行動
で、出来るだけ食べて、体重を増やせば良いのですねぇ?
でしたら、出来るだけ動かずに食べられる様、何処かに腰を落ち着けて[近くの卵][近くに来た卵]を順に叩き、そのままいただきますぅ。
とても美味しいみたいですし、楽しみですぅ。
[短時間で太る]=[短時間で吸収される]筈ですから、[限界まで食べる]→[一休み]の繰り返しで、可能な限り食べ尽しますぅ。

ただ、元に戻れない不安と、太った自分を見てみたい好奇心は有りますが、どこまで太れば良いのでしょう?
この先も[同様の仕掛け]が有るかもしれませんし、[先に進める]様になってからも、食べながら進んで増量しておきますぅ。


レパル・リオン
えーっと、この迷宮、人数が増えれば重くて扉が開くんじゃないかな……(UC【分身】で88人に増える)

……ダメ?そっかー…じゃあ、太ってもしょうがないわね!怪人退治のためだから!

「みんな、食べまくるわよー!」「「「「「おーー!!!」」」」」

「どれどれー?」「はむ…んー!」「おいしー!」「このお菓子、かわいい〜!」「撮影しとこーっと!」「ちょっと、あたしのよ!」「あたしのだってば!」「ケンカしないの!」「ちくわ大明神」「なによ今の?」「しらなーい」「わいわい」「がやがや」

そんなわけで88人のレパルちゃんは、一人残らず食べまくり太りまくり、通行の邪魔にならないように1列に並んで迷宮を進むのだった。


鮫兎・醒闇
「私の為にあるような迷宮がきたわね!」

まずは迎え酒ならぬ迎えプロテインを一気飲みしてから、大食い10併用のユーベルコード暴飲暴食発動よ!脂肪はパワー!リミッター解除ね。(チョコドーナツをチョコドリンクで流し込みながら高カロリーバーを貪り)
自前の触手でお菓子を集めてホオジロ鮫型触手で一気飲みよ!
甘味に飽きたら持参したピザで肉を挟んでチーズをかけたやつがあるけどみんなも食べる?

「もぐもぐ……もっともっと持ってきなさいっ!」(弾け飛ぶバニー服、肥大化しすぎた過重過剰過積載。腹やら尻肉やらが地面についても膨らみ手足が地面に届かなく)

「ふぅ…ふぅ…転がればまだ移動できるかしら?」


【手加減無用】


鍋島・小百合子
SPD重視

罠の匂いが実に漂うのじゃが…
甘味がそんな場所に転がっておる事を不思議に思わんのじゃな…

「これ、道端に落ちているものを食べるなどはしたないぞや」
他の猟兵と共に迷宮内を行軍
歩く場所もないのならどかせつつ手に取った卵の中の甘味を食していく(自分から注意しておいてなのだが…)
他の猟兵からのおすすめの甘味を紹介してもらいながら大食い併用で片っ端から平らげていく
「腹も減っては戦もできんしのう。毒も罠もないのであるならば戦闘に備えて食べていくといたそうかの」
「まだまだいけそうじゃぞ。たんと食そうぞ」

いかん…腹が膨れすぎて鎧も着物も着るのがキツくなってしもうた……

他の猟兵との絡み・アドリブ歓迎



 床一面に転がる極彩色のイースターエッグを眺める猟兵たち。
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は足元のエッグを搔き分けて前へ進もうとするが、ゴロゴロと転がるエッグに足を取られて非常に歩きにくい。
「で、出来るだけ食べて、体重を増やせば良いのですねぇ?」
「じゃが、罠の匂いが実に漂うのじゃが……」
 鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)は訝しがりながらエッグを掻き分けて迷宮内を行軍せんと試みる。
 フロア自体はそこまで広くなく、30分もしないうちに外周を辿って戻ってきてしまう程度の広さだ。
 だが、ひたすらエッグがひしめき合って歩行の邪魔である。
「この奥に扉があったのじゃ。扉の前の石板が沈む仕掛けになっておるゆえ、そこに乗れば扉が開くかもしれぬな?」
「えーっと、だったらこの迷宮、人数が増えれば重くて扉が開くんじゃないかな……?」
 レパル・リオン(イェーガー・レパル参上!・f15574)の言葉に猟兵たちがそれだと言わんばかりに目を見開く。
「だったらユーベルコードで分身して、その扉の仕掛けに乗ってくるわね!」
 早速、レパルはエッグの海と化した床を掻き進み、扉の前へ到達すると、ユーベルコード『分身(ウルブズラッシュ)』で分身87体を出現させる。
「みんな! この石板の上に集まって!」
「りょうかーい!」
「乗ればいいのね?」
「ちょっと、押さないでよ?」
「おしくらまんじゅう状態」
 分身たちは口々に思ったことを口から発して非常に賑やかである。
 本体であるレパルも石板の上に乗っかると、総勢88名の重さで石板が沈……まなかった。
「……ダメ? そっかー……」
 あとで猟兵たちが気が付いた事だが、総体重ではなく現在の体重から加算された重量をカウントしているようだ。
 なのでいくら人数を増やして石板を押し込んでも、それぞれの体重加算がゼロゆえに扉が反応しなかったのだ。
 肩を落として戻ってきた88人のレパルに、鮫兎・醒闇(兎と鮫となんかの触手・f02122)が状況を察する。
「うまくいかなかったようね? やっぱり食べて太るしかないわ!」
 フードファイターの血が騒ぐのか、鮫兎の声に気合がみなぎっている。
「つまり、私の為にあるような迷宮がきたわね! 食べまくって太るわよ!」
 迎え酒ならぬ迎えプロテインを一気飲み! この時点で一食分のカロリーを手軽に摂取してしまっているぞ!
「私のユーベルコードの出番のようね? 暴飲暴食・グラトニーモード! 脂肪こそパワー! 更にチョコドーナツをチョコドリンクで流し込みながら高カロリーバーを貪ってリミッター解除よ!」
 更にこの数分で、既に鮫兎の摂取カロリーが成人女性の一日分のカロリーを超過してしまった!
 そしてユーベルコードによって、体重が増加し徐々に肥満化してゆくではないか!
「さぁ、みんなも食べて食べて食べまくるのよ! 既に戦いは始まっているわ!」
 気合の入った鮫兎の激励に、他の猟兵たちも各自動き始める。

「でしたら、出来るだけ動かずに食べますぅ」
 夢ヶ枝がダンジョンの床に座り込むと、周囲のイースターエッグを掴んでは床に叩きつけ掴んでは床に叩きつけるという省エネぶりを披露。
 エッグの中からはチーズケーキやバターカップなどいかにも高カロリーなスイーツばかりが出現してくる。
「とっても美味しいですぅ。他のエッグには何が出てくるのか楽しみですぅ」
 その後も夢ヶ枝のところへ転がってくるエッグを捕まえては床に叩きつけて中身のスイーツを食べるという行為を繰り返してゆく。
「マカロン、タルトタタン、プリン、エクレア、シュークリーム、いちご大福……幸せですぅ」
 大量の甘味を堪能し、仕事を忘れて満喫する夢ヶ枝だったが、満腹になるにつれて眠気が押し寄せてきた。
「むにゃむにゃ……お昼寝をしたら、また食べるのですぅ……すぅ、すぅ……」
 そのまま寝転んで眠りだす夢ヶ枝は、膨れ上がったおなかと更に大きくなった両乳房の重量にうなされながら食っちゃ寝を繰り返してゆく。
 行きつく先は、豊満体形を通り越して、超肥満体系へまっしぐらだ。
 一方、こちらはレパルたちが奮戦していた。
「みんな、食べまくるわよー! これも怪人退治のためだから!」
「「「おーー!!!」」」
 87人の分身たちへ向けて、本体のレバルが号令を掛ける。
 すると、分身たちは一斉にイースターエッグを捕獲し始め、数を稼いでゆく。
「どんどん集めるのよ! そしてどんどん割って食べるわよ!」
「どれどれー?」
「はむ……! んー!」
「おいしー!」
「このお菓子、かわいい~♪」
「撮影しとこーっと!」
「ちょっと、あたしのよ!」
「あたしのだってば!」
「ケンカしないの!」
「ちくわ大明神」
「なによ今の?」
「しらなーい」
「ちくわブルアァァァァッ!」
「いやだから今の何よ!?」
「クシャミじゃない?」
「「「マ????」」」
 同じ顔した分身たちがお菓子を巡って大はしゃぎ。
 それを眺めていた鍋島はカルチャーショックを受けていた。
「これ、道端に落ちているものを食べるなどはしたないぞや……。ううむ、甘味がそんな場所に転がっておる事を不思議に思わんのじゃな……」
 さすが異世界、と鍋島は納得した様子で、足元のイースターエッグを掴んで床に叩きつけて割ってみることにした。
「自ら忠言しておいてなんなのじゃが、此処は郷に入らば郷に従えの精神でゆくのじゃ」
 すると割ったエッグからは饅頭が出てきた。
「おや? 見慣れた菓子が出てきおったぞな。さりとて、饅頭はどれも味は同じじゃろうて?」
 鍋島は何気なくその饅頭を一口頬張った。
 すると、鍋島の脳内で八尺大玉花火級の衝撃と甘味の大輪が瞬時に広がってゆくではないか!
「美味! 誠に美味であるぞ! この饅頭、斯様な迷宮に転がしておくには口惜しいほどの出来栄えじゃ……!」
 痛く感銘を受けた鍋島は、他のエッグの中身も気になり始めていた。
「腹も減っては戦もできんしのう。毒も罠もないのであるならば戦闘に備えて食べていくといたそうかの」
「その饅頭、おいしそうね? 私の『ピザに肉を挟んでチーズを上からかけてベーコンで巻いたデカイやつ』と交換してみないかしら?」
 鮫兎が突如、横から差し出したのは甘味ではなく、もはやカロリーという名の第六天魔王ノブナガであった。
 これには鍋島、さらにショックを受けていた。
「このタマゴは甘味以外も出るのかえ!?」
「いいえ、これは私のお弁当よ? 甘いものばかり食べているとしょっぱいものが食べたくならないかしら? だからお裾分けよ、遠慮はいらないわ!」
 にちゃぁ~と邪悪な笑みを浮かべながら鍋島にノブナガフードを押し付ける鮫兎。その傍らで、自身に生えた触手でエッグをかき集め、もうひとつの触手――ホオジロ鮫型触手でエッグの殻ごと一気飲みしてしまっていた。もはや味よりもカロリー吸引機と化している鮫兎の体は、あっという間にまるまると肥えていった。
「もぐもぐ……もっともっと持ってきなさいっ!」
 それでも鮫兎は食べることをやめようとしない。
 既にパツパツのバニースーツからは肉がはみ出して溢れかえり、もはや球体。
 肥大化しすぎた過重過剰過積載の彼女は、腹やら尻肉やらが地面についても、脂肪で膨らんだ手足がもはや地面に届かない。現にスイーツは触手で絡めとり、そのまま口に運んでいるまでに至っていた。
「ふぅ……ふぅ……! 少し動いただけで息が上がてしまいますし、さすがに立てなくなってしまいましたかね? まぁ、転がればいいでしょう。あ、私の『ピザに肉を挟んでチーズを上からかけてベーコンで巻いたデカイやつ』を食べたい人はいますか?」
「はいはいはい! 食べたい食べたい!」
「むにゃむにゃ……食べますぅ」
 レパルも夢ヶ枝も、魔王の食べ物を口にしてしまい、カロリーは一気に5000キロカロリーを突破!
「わらわもまだまだいけそうじゃぞ。たんと食そうぞ。お勧めの甘味があれば教えてたもれ?」
 鍋島もまだまだ食べる食べる食べる!
 あっという間に蹴鞠の鞠のようなふくよか体形に変貌を遂げていた。
 このフロアで食べ物を食べると、何故かやたらと太るようである。
「あのぅ、チョコブラウニーとかいかがでしょうか? 甘くて美味しいですぅ」
 夢ヶ枝が差し出したチョコブラウニーを、鍋島は受け取った瞬間に口の中へ頬張ってしまう。
「うむ! 苦みと甘味の調和が実に素晴らしいのじゃ! 甘露甘露じゃ!」
 もはや鍋島、行動もデブになりつつある。実際危険だ。
「いかん……腹が膨れすぎて鎧も着物も着るのがキツくなってしもうた……少し緩めねば……」
 故に全身の贅肉をぽよんぽよんしながら、鍋島は帯や紐を緩めざるを得なかった。
「そういえば……」
 夢ヶ枝がふと考えを口にして述べる。
「ただ、元に戻れない不安と、太った自分を見てみたい好奇心は有りますが、どこまで太れば良いのでしょう?」
「そういえば、そうよね……」
 鮫兎はむしゃむしゃと羊羹を丸ごと一本かぶりつきながら思考を巡らす。
 だが羊羹が美味しいので考えることをやめた。
 夢ヶ枝は自分の勘と推論をその場にいる猟兵へ告げた。
「この先も同様の仕掛けが有るかもしれませんし、先に進める様になってからも、食べながら進んで増量しておきますぅ」
「そういうことなら、既にエッグはいくつも捕獲済みよ! 次のエリアでも中身を食べることができるわ!」
 レパルと分身は揃いも揃ってモフモフなボールと化していた。
「でも、そろそろいいんじゃないかしら? 扉の前へ移動しましょう?」
 レパルをはじめとする夢ヶ枝、鮫兎、鍋島たち、そしてレパルの87人の分身たちは、文字通り転がりながら一列になって扉へ向かい始めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎

最後には元に戻るんだよね? で、スイーツなんだよね? ――食べる。
とりあえず、知り合いに気づかれると恥ずかしいから、適当なウィッグで変装、服装は適当なゆったりめのジャージ。
基礎代謝が異常な程良いから、多分相当なペースで食べないと太れないから、【選択UC】で可能な限り高カロリーなものを狙って(スナイパー15)食べる。
妹(f12932)に似てる似た臭いの太った人がいるけど、多分気のせいだよね。華織、太ってないし。
「ほら、泣いてないで行くよ! ところで名前は? ――私の妹と同じだね。じゃあ、貴女も私の妹だ。私はトモ。カオリの事はしっかりと守るからね!」


紅葉・華織
※アドリブ・連携歓迎

食べまくっても最後には元通りなんだよね? ――なら、食べるしかないね!
取り敢えず、大事なこの制服がダメになったら嫌だから、学校指定のジャージか何かで行こうっと。太った事ない私だけど、どうなるかな……【選択UC】で高カロリーっぽいものを狙って食べる事にしようかな。

――うう、聞いてはいたけど、これは辛い……。動けるけど、太った身体なんて、お姉ちゃん(f07893)には見せられない……。
「あ、ありがとうございます。私、華織って言います!」
それにしても、トモさんからはお姉ちゃんに似た臭いがするけど、絶対違うよね。お姉ちゃん、太ってないし。


マルグリット・エーレ
【POW】甘いものが出てくるイースターエッグね

でも残念ね。私、いくら食べても太らない体質なものだから、貢献できないかもしれない。ま、いいわよね。可愛い私が甘いもの食べているだけで、他の猟兵の士気も上がるってものでしょう♥

【大食い】でパクパク食べましょう。甘いものだから、ユーベルコードで身体能力がバンバン上がっているから、イースターエッグわりほーだい。
あ、撮影ドローンで【撮影】しながら、動画配信しときましょ。
他の猟兵たちとお菓子食べ放題迷宮攻略してみたとかなんとか。

でも、本当に残念。太れないっていうか、いくら食べても超絶可愛いとか、私罪な存在よね♥

てなわけで、他の猟兵のお口にお菓子詰め込みましょ


イヅナ・フカクサ
【WIZ】
出どころを抑えてみようと思います。これでいーすたぁえっぐも取り放題やし、いつでも供給遮れるしね。
でもうち細身やし、食も細いしで上手いこと太れるんやろか?
まずはお一つ…はむ…こ、これは!
こってりとした甘さが口の中に広がって…はむ…美味しい!
もぐ…これはまさに、はむ…甘みの宝石箱や!もぐもぐ…。

ふー、だいぶ食べたわぁ。
手鏡で容姿を確認…おお、なんて福々しい…。胸も大きなってるし、案外このままでも悪くないかも?
…うぅ、体が重くて…よいしょ…立ち上がるのも一苦労やし、ふぅふぅ…小走りするだけですぐ息が上がる…しかも全身のお肉が揺れて走りにくい…こらあかん!
前言撤回や、絶対元の体型に戻ったる!



 同フロア内の別の個所では、4人の猟兵たちが既にエッグハント――といっても目の前にあるエッグを掴んでは割りまくる作業を粛々と行っていた。
 紅葉・智華(紅眼の射手/妹捜索中/自称・全サ連風紀委員・f07893)は何故か変装してこの任務にあたっていた。
(最後には元に戻るんだよね? で、スイーツなんだよね? なら、やることはただひとつ)
 ――食べる。
 智華はその目に食欲という名の炎をともして静かに燃え上がっていた。
 だが万が一、知り合いに鉢合わせしたら全世界サイボーグ連盟こと全サ連の風紀委員(自称)の名折れというか恥ずかしいので、明るい茶髪のウィッグに眼鏡、ダボダボのジャージといういで立ちで依頼に参加していた。そして既にまん丸に太りまくっていた。
 その隣は同じくジャージ姿の紅葉・華織(奇跡の武術少女/姉捜索中・f12932)がむしゃむしゃとロールケーキをまるまる一本、恵方巻が如く丸かじりしていた。
「ぷはぁ! ロールケーキ一本丸ごとキメるなんて夢みたいだよ! それに食べまくっても最後には元通りなんだよね? ――なら、食べるしかないね!」
 目を輝かせている華織もまた、既に河豚の如くまん丸に脂肪で膨れ上がっていた。
 その横で平然と大量のスイーツを消費してゆくのはマルグリット・エーレ(秘せるフラクタル・f09722)である。
「甘いものが出てくるイースターエッグね。素敵よね? まるで私のために存在しているみたい」
 甘い物特化喰い(スイーツハンター)のフードファイターであるマルグリットにとって、この状況はまさに極楽(エデン)である。
 食べれば食べるほど、ユーベルコード『だって女の子は甘いものでデキているから(フードファイト・シュガーモード)』の効果で身体能力が向上してゆき、高速で食べまくることができるので、更に食べる勢いが増すばかりである。
「残念ね。私、いくら食べても太らない体質なものだから、貢献できないかもしれない。ま、いいわよね?」
 マルグリットはいきなり撮影用ドローンを飛ばすと、蛍光ピンクと蛍光グリーンのビビットカラーな『猫耳バンカー付きスマートフォン』で動画配信を開始した。
「フォロワーのみんなー、今日も超絶可愛いマルグリットでぇす♥ 今日の動画配信は、他の猟兵たちとお菓子食べ放題迷宮攻略してみた♥でぇす♥♥♥」
 動画を撮影しながら、迷宮内に転がるイースターエッグを掴んで割ってみせるマルグリット。
「見て見て? 中に甘いお菓子が入ってる♥ 可愛い私が甘いもの食べているだけで、他の猟兵の士気も上がるってものでしょう♥」
 動画の撮影を行いながら、セルフィでマルグリットはどんどんイースターエッグを掴んで割って掴んで割ってを繰り返す。
「甘いものを食べると、ユーベルコードで身体能力がバンバン上がってイースターエッグわりほーだい♥♥♥」
 時折、ドローンカメラが舐めるようにマルグリットをローアングルから撮影してかわいさアピールも欠かさない。
 その傍らで、イヅナ・フカクサ(妖狐の陰陽師・f14345)がしきりに周囲を見渡していた。
「このいーすたぁえっぐ、出所はどこやろか? それさえ判れば、あとは取り放題やし、いつでも供給遮れるしね」
 イヅナは食べる前にエッグの出てくる場所を探り当てようとしていたのだ。
 確かにこのまま割り続けても埒が明かない。
 早速、イヅナは耳を澄ませ、目を凝らし、エッグが流れてくる“上流”を目指す。
 イースターエッグを掻き分けて進むこと5分。
 遂に、壁や天井から張り巡らされた配管のひとつから、ポロンポロンとエッグが零れてくるのを目視確認するイヅナ。
「ここが出所やろか? 取り放題とはいえ、流石にもうええやろ?」
 意外とハイペースで部屋に転がり落ちてくる卵の数は、猟兵が放置していたらこの部屋が埋まってしまうことを危惧させるのに充分であった。
「……少しの間、塞いでおくわ」
 自分の尻尾を少し漉くと、ほんの少しだけ毛が抜ける。
 だが、それは配管を塞ぐのに事足りるだけの毛玉である。
 配管の出口に毛玉を押し込んで蓋をすると、ピタッとエッグの供給は収まったのだった。
「これでいつでも毛玉を取り除けば、欲しい数だけもらえるわけやね。さて……」
 イヅナはどうにか来た道を戻ると、イースターエッグを手に取り、しげしげと観察。
「なんやタマゴとは思えないほどきれいやわ。この中に甘味が入ってるんやね? でもうち細身やし、食も細いしで上手いこと太れるんやろか?」
 割と人見知りがちな彼女は、小声でそう呟く。
 まずはこの場でまずはひとつ味見をしてみることにした。
 エッグから出てきたのはカスタードプリンであった。
「タマゴの中にたっぷたぷに入ってる……。いただきます。はむ……む!? こ、これは!」
 イヅナは思わず目を見開いて感動に全身を打ち震わせて叫んでしまう。
「こってりとした甘さが口の中に広がって……はむ……美味しい! もぐ……これはまさに、はむ……甘味の宝石箱や! もぐもぐ……」
 プルプルのプリンの濃厚な甘味と滑らかな舌触りを堪能してしまったイヅナは、もうこの場から動こうなんて考えもしない。
 あまりのおいしさに手近なエッグを捕まえまくり、どんどん中身を消費してゆくことで頭がいっぱいである!
「あら? あなた、甘いもの好きなの?」
「え、あ、まぁ、……嫌いではないですね?」
 マルグリットの問いに、方言が混じった丁寧語で、急に小声になってしまうイヅナ。
 そんなイヅナの目の前に、マルグリットが大福を差し出した。
「よかったら食べる? 私、太れないっていうか、いくら食べても超絶可愛いとか、このダンジョンで貢献できなくて本当に残念。私、罪な存在よね♥」
 急にカメラ目線で訴えるマルグリット。
 きっと、配信を見たフォロワーたちは心を射抜かれて尊死しているだろう。
「ということで、この大福はあなたが食べて? 私の代わりに太って?」
 そういうマルグリットも、ユーベルコードによってめっちゃ高速でエッグを割って中身を口の中に運んでいるではないか。
 むしろ早すぎて動作がゆっくりに見えるレベルの高速食事シーンである。
 それでも体形が全然変わらないマルグリットの脂肪燃焼率が半端ない。
 高速移動のカロリー消費が摂取カロリーを上回っているからなのかもしれない!
 イヅナもマルグリットの言っていることが本当だと判ったので、差し出された大福を受け取ることにした。
「そ、そういうことやったら……食べますね? あむ……んっ♥♥♥♥♥」
 大福の極上の美味しさに、イヅナの目が思わず♥になってしまっていた。
 その一方で、智華と華織は、互いを励まし合いながら食べ続けていた。
「次は……それだ! わ、レアチーズケーキ! カロリー高そうだ」
 智華がユーベルコード『虚構の神脳(イミテーション・ラプラス)』で割ったエッグの中身を未来視するように予測して、高カロリーなものばかりを狙って食べていた。
「マルグリットさんほどではないけど、私も基礎代謝が異常な程良いから、多分相当なペースで食べないと太れないんだ」
 そういう智華だが、しっかりと丸々太っていた。もはや原型が分からない程度には、ブクブクと。
「うらやましいです……。私はもうきついです……。もう泣きそう……」
 涙ぐむ華織もまた、完全に子豚体形へと変貌していた。
 内心、こんな姿を失踪中の姉に視られたくないと思うと涙が込み上げてくる。
 華織は重度のシスコンであった。
「ほら、泣いてないでまだまだ食べるよ! ところで名前は?」
 ハンカチを差し出す智華に名前を訊かれ、華織はパンパンに膨れ上がった指先で涙を拭いながら答えた。
「私、華織って言います……! ハンカチ、ありがとうございます!」
「――カオリか。私の妹と同じ名前だね。そういえば、どことなく面影が似ているような……?」
「そうなんですか? 偶然ですね!」
「ああ、すごい偶然だ。でも私の妹はカオリみたいに目が細くないけどね?」
 それは首回りと頬肉に付いた脂肪が顔面の中央に集まって、目元を押し上げて糸目にしているからなのだが、智華は気が付いていない。というか自身も顔の周りに贅肉を蓄え、顔面の面積が普段の倍になっている事に気が付いていないようだ。顎とかお肉がたっぷんたっぷんである。
「それじゃ、今からカオリは私の妹分だ。私はトモ。カオリの事はしっかりと守るからね!」
「はい、よろしくお願いします! 私も失踪したお姉ちゃんを探していて、トモさんに匂いが似てるなぁなんて思ってました!」
「へぇ、それは偶然だ」
「でもトモさんは違いますね! 私のお姉ちゃんはそんなに顔のパーツが中央に寄ってませんから。そもそも太ってませんし」
「うちの妹も太ってないなぁ。まぁ、もう少し食べよう。太らないと扉は開かないからね、カオリ?」
「はい、頑張ります、トモさん!」
 智華と華織は、第一印象が既にデブの状態で出会っていたので、痩せている状態の互いの姿を目視できていない。
 その上、そこからさらに太ってしまっているので、完全にお互いに面影がない状態である。
 面影がないといえば、イヅナもそうだ。
 手鏡で自分の姿を確認すると、その変貌ぶりに驚きの声をあげてしまう。
「ふー、だいぶ食べたわぁ。マルグリット様、わんこそばの如く甘味をうちに供給するんやもん、えらい食べてもうたわ。……おお、なんて福々しい……。胸も大きなってるし、案外このままでも悪くないかも? どこかの世界では、こういうのを“ゆるきゃら”いうらしいですね?」
「うん可愛い可愛い! でも私の方が超絶可愛いけど♥」
 他者を褒めつつ、撮影どろーんへの自己顕示欲を欠かさないマルグリットである。
「さて、もうそろそろいいですよね? 扉の前に移動を……って、うぅ、体が重くて……よいしょ……立ち上がるのも一苦労や」
 何とか立ち上がり、扉の前へ移動するにも、手足が思うように動かないうえに体重が増えたために一歩の負担が大きすぎた。
「ふぅふぅ……小走りするだけですぐ息が上がる……しかも全身のお肉が揺れて走りにくい……こらあかん!」
 他の猟兵とともに扉の前の石板に辿り着くと、決意の言葉とともに石板を踏み抜く。
「前言撤回や、絶対、元の体型に戻ったる! 覚悟しぃや、ここの首魁!!」
 怒れるイヅナが石板をぐぐぐっと足で下に押し込むと、目の前の扉が地鳴りを上げて開き始めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 冒険 『悪夢の体重増加!恐怖の肥満化迷宮!』

POW   :    体重増加を気合とパワーで乗り越える!

SPD   :    全ての罠を華麗に避ける!

WIZ   :    太っても効率よく動けるアイディアで乗り切る!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 地獄をくぐり抜けた先は、地獄だった……。
 あれだけ食べて太りに太った猟兵たちが目にしたのは、生クリームのトラップやチョコレートの触手生物、スポンジケーキの壁といった、お菓子の迷宮であった。
 どうやら『迷宮ごと食べ進まないと先へ進めない仕組み』らしい!
 つまり、迫りくるスイーツ製の罠を(食べながら)くぐり抜け、隠し通路を(食べ進めて)見つけ出し、襲ってくる触手を(チョコレートで出来ているので貪って)打ち倒し、ここの隠しフロアの主たるボスの部屋へ通ずる扉へ辿り着かねばならないのだ!
 そして、入り口の前に掲げられている黒板には、へったくそな文字が書かれていた。
「今より更に太って、ぱつんぱつんになって逢いに来てね、子豚ちゃんたち♥」
 ……マ?
 恐らく、今回も今よりも体重を増やさないと扉が開かれないのだろう。
 だが不思議とこのフロアにいると、無限に食欲が湧いてくるのだ。
 何の魔術的操作術かは知らないが、むしろ好都合である。
 猟兵たちよ、より一層にデブ行動を極めるのだ!!
鮫兎・醒闇
「ぶふぅ…ふぅ…ど、どんどん力が湧いてくるしまだまだ太れるわ!」
(声が野太く息切れしつつもユーベルコード効果でまだまだ膨張中)

今回の間食は揚げバターよ!バター塊に衣をつけてバターで揚げて砂糖をまぶした素敵スイーツ!お菓子と交互に頂くわ!
というかそろそろ転がるのも面倒になってきたし動きたくないから、チョコ触手の巣に突撃したり、生クリームの供給パイプに直接吸い付いて常時カロリー補給していくわ!自前の鮫触手も全部供給源に噛みつかせてころフロアを全部私たちの肉で埋める勢いでね!(肉塊化状態で床にめり込みつつ

「うふふぅ!もっともっと太らせてぇ!」(ぼぉん!ぶくぅ!と音が聞える勢いで肥大化中

【手加減無用】


紅葉・華織
※アドリブ・連携歓迎

方針:WIZ

トモさん(f07893)と一緒に踏破する!
私も【選択UC】(見切り7)で周りを確認(情報収集2)しながら、危険を避けつつ食べていく!
暗いところがあれば、妖手裏剣『煌刃』を光源にして進む。甘いものを切り分ける必要があれば、予備の普通のナイフで切るよ!
流石に『月華』は此処の敵にとっておきたいし。
それにしても、トモさんは私よりも食べているのに、太るのが遅いというか、少し横ばい気味……? 体重は増えているみたいだから、踏破は大丈夫だと思うけど。
基礎代謝が良いって凄いなぁ……。

「トモさんの眼って凄いですね! 未来視……そういうのもあるのか……」
「切り分けておきました!」


紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎

方針:WIZ

フードファイター(嘘)トモ(偽名)は動けるデブ(なう)。とはいえ、腹の中の物があるのに素早く動くのは危険行為。ここで吐くのはカロリー的に良くない。
引き続き【選択UC(SPD)】(第六感11,見切り11)で今度は罠や触手を避けて通る。
カオリ(f12932)と安全なルートを探しつつ(情報収集5)、食べながら進む。寧ろゴール近くで食べるべきかもだけど。
それにしても、基礎代謝が上がってて太るペース落ちている気が……?
まあ、食べるからいいや。

「この先は危ない。迂回路があるし、そこの方が高カロリーだ。そっちにしよう」
「寧ろ直感だけのカオリのが凄いよ」


マルグリット・エーレ
【SPD】ふんふーん?またもや同じ罠っていうか、手法なのね?二度連続で同じトラップっていうのも、味気ないと思うの。

というか、アレね。さっきの動画配信、なかなかよかったじゃないの。
なら、ユーベルコードで私を二人に増やしましょう。

残念ながら、太らない体質故、他の人たちのお口に突っ込むしかないわけなの♥
でも大丈夫よね。可愛い私二人から手ずから食べさせてもらえるわけだから♥

あ、私も少し(ではない量)は【大食い】で食べちゃうわね♥はぁい、あぁん、胸元こぼれちゃったぁ♥

可愛い私による【誘惑】【パフォーマンス】による私二人によるイチャコラ動画配信♥しましょ♥

大丈夫大丈夫ギリギリだから、ギリギリ(?!)


夢ヶ枝・るこる
■方針
・[POW]重視
・アド/絡◎
・手加減無用/やり過ぎ大歓迎

■行動
更に食べて太りながら進め、という事ですねぇ?
解りました、この体では回避等は難しいでしょうし、全て食べ尽して進みますぅ。

[罠]は掛かった時点で近くに有る筈ですから、それを手に取れば食べられますぅ。
通路は逃げない分食べ易いですし、食欲に任せて[迷宮ごと食べ尽す]つもりでいけば、扉を見落とす事も無いでしょう。

そして、この量を食べ尽すとなりますと、体重が5桁に届く(越える?)可能性も有りそうですかねぇ?
こうなりますと、[どこまで太れるか]試してみたい気がしてきますぅ。
[隠し扉]が見つかっても、時間と量の許す限り食べ尽くしてみましょう。


鍋島・小百合子
POW重視

甘味の食べ過ぎで衣も纏えぬような力士の如き肢体になってしもうたわ…うう…
それでもまだ食えと申すか…!

「ええい!ままよ!このまま食べ進めてくれるわ!」
腰に着けた小太刀で黒板を斬り捨てつつ
自身のふくよかを通り越した体に鞭打つように迷宮内の菓子を大食いを併用して平げながら進む
失せ物探しで迷宮内を調べ祈りつつ隠し部屋を見つけれるよう善処す
歩行が困難な場合は横に転がって移動する(その際刃物等は布等で包んでおく)
胃に限界がきた他の猟兵がいれば鼓舞する
「敵を見つけたらこの暴食地獄ともおさらばじゃ。わらわも負けぬ故負けるでない!」

なお他の猟兵との絡み・アドリブは可


イヅナ・フカクサ
【SPD】
わぁ、美味しそうなお菓子がこんなに沢山…じゅるり…。
って、さっきまで怒ってたはずやのに頭の中が食べることで一杯や!これが、甘い物の魔力…。
出来るだけ罠は回避する方向で行こうと思います。動けへんようになっても困るし…。
そやから、全ての罠を華麗に…避けられたらええんやけど…。
回避できなかった場合はもちろん美味しく頂きます。はぁ…甘さが口一杯に広がって幸せ…。
わっ、ちょこれーとの触手が体に巻き付いて食い込んで…きゃーっ!お腹周りの太さと贅肉の存在を再認識させるのはやめてーっ!
こ、こうなったら徹底的に食べてあげようやないの!くりーむもけーきも、ぜーんぶ食べつくしたるっ!ねっ、皆さん!



 猟兵たちの目の前に現れたハイパー高カロリーダンジョン!
 その入り口に掲げられた黒板の文字に、すっかりまん丸な体形になってしまった鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)がわなわなと身体を震わしていた。
「甘味の食べ過ぎで衣も纏えぬような力士の如き肢体になってしもうたわ……うう……それでもまだ食えと申すか……!」
 あまりの理不尽な要求と、それでも自然と湧いてくる食欲に、鍋島の精神のタガがとうとう外れてしまった。
「ええい! ままよ! 然らば、このまま迷宮丸ごと食べ進めてくれるわ!」
 腰に着けた小太刀で黒板を斬り捨て御免!
 どすどすと床を踏みながら、鍋島が一番槍としてスイーツダンジョンへ突入してゆく。
 その後ろでは、イヅナ・フカクサ(妖狐の陰陽師・f14345)が自身の体の変化に困惑していた。
「わぁ、美味しそうなお菓子がこんなに沢山……じゅるり……。って、さっきまで怒ってたはずやのに頭の中が食べることで一杯や! これが、甘い物の魔力……!」
 鞠のように球体となった自身の身体、その胃には既に大量のスイーツが詰め込まれているはずなのに、それでもこの場所にいると空腹感を覚える矛盾。
 イヅナだけではなく、この現象は他の猟兵たちも体験している真っ最中だった。
「ぶふぅ……ふぅ……! ど、どんどん、力が湧いてくるし、まだまだ、太れるわ!」
 ユーベルコード『暴飲暴食・グラトニーモード』の効果も相まって、一番肥えている鮫兎・醒闇(兎と鮫となんかの触手・f02122)。その声はかつての鈴の音めいた声ではなく、食料を求めて低く唸るケダモノの声と化していた。
 判りやすく表現すると、UDCアースの日本国大阪府の新世界で飲み過ぎて、酒焼けしたオバハンのやたらドスの利いた低い声そのものである。
 そんな鮫兎は転がりながら迷宮の壁を触手で喰らいながら掘削してゆく!
 触手が壁を破壊し、鮫の歯が飛び出てくるチョコレート触手を嚙み砕いてゆく!
 一方、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)も、おっとりとした口調ながら、既に入り口付近のスポンジケーキの壁をはぐはぐと美味しそうに貪っていた。
「つまり、更に食べて太りながら進め、という事ですねぇ? 解りました、この体では回避等は難しいでしょうし、全て食べ尽して進みますぅ」
 そう言うと、ぎゃるるるるるっと体を回転させてスポンジケーキの壁に突っ込んでいったってオマエは何をやっているんだァーッ!?
「剣刃一閃ですぅ。武器で切り分けて食べやすくしますねぇ?」
 ああ、なるほど。体がパンパンに膨れ上がってしまっているので、うまく腕を振るうことが出来ないゆえに、転がることで剣を振るっているのか。
 だが、直進すると罠に引っかかるぞ!
「きゃっ!? 生クリームが体に掛かってべとべとですぅ!」
 夢ヶ枝の豊満すぎるボディに真っ白なべとべと生クリームがぶっかけられてしまった!
 しかし何故だろう? 全然えっちな感じがしないぞ?
 今の彼女の姿は、白い塗料を塗りたくられたダルマにしか見えないほど肥えに肥えてしまっていたのだ。
「でも、この罠は食べられますぅ。逆に手で掬って食べ尽くしてみせますぅ」
 夢ヶ枝は生クリーム罠の噴出口へ直に口を付けると、ちゅーちゅーと吸い出し始めた!
 あ、この絵面はちょっといけませんね、ピンナップで発注すんなよ、絶対発注して挿絵にすんなよ!?
 そのすぐそばで、鮫兎も鮫触手で生クリームを直飲ませながら、謎の触手でチョコレート触手を薙ぎ払って自身の口元に運んでいた。
「あ~、もう、動くのしんどい……面倒くさい……黒糖蒸しパンになりたい」
 デブになると、体が重たくなるゆえに四肢を動かすのも一苦労である。
 すると気力面まで重たくなり、何をするにも億劫になる。
 これが『心の贅肉』! こうしてデブが加速し、痩せることが出来なくなる!
 猟兵の心を堕落させる魔の迷宮、なんたる脅威!
 しかし、この脅威にまったく物怖じしない猟兵がいた。
「ふんふーん? またもや同じ罠っていうか、手法なのね? 二度連続で同じトラップっていうのも、味気ないと思うの」
 甘味の女王様こと、マルグリット・エーレ(秘せるフラクタル・f09722)だ!
 既に少量(とは傍目から見て言えないほどの棒内な量)の迷宮のスイーツに手を付けているにもかかわらず、マルグリットの体形は維持されたままである。
「ほら私、超絶可愛い上に太りにくい体質だから? あまり貢献できないから、他の猟兵のお口に押し付けることしかできないわけなの♥」
 そう言いながら、マルグリットは紅葉・華織(奇跡の武術少女/姉捜索中・f12932)の口へロールケーキの柱を口に押し込まんとする。
「マルグリットさん、ストップストップ! ちょっとお腹が……」
 涙目の華織、前回の部屋で割と限界だったのに、この迷宮で空腹中枢をブーストさせられて食べているので、正直言って此処にいる猟兵の中で一番食べられていなかった。
「ト、トモさん、バトンタッチ!」
 バレーボールのようにポンポン跳ねながら、紅葉・智華(紅眼の射手/妹捜索中/自称・全サ連風紀委員・f07893)ことトモさんに救援を求める華織。
「マルグリットさん、代わりに私が食べるであります」
「そういうことなら、あ~ん♥」
 マルグリットはマシンガンめいてトモさんの口の中へ次々とスイーツを押し込んでゆき、生クリームで口の中を潤してゆく!
「えいえいえいえいえいえいえいえいえい♥」
「おごごごごご!?」
 怒涛の糖分摂取にトモさん、必死に喰らい付く!
 サイボーグという特性ゆえか、彼女の基礎代謝が常人より高く、太っているとはいえ華織と比べてみるとその膨張率の少なさは一目瞭然だ。
 まさに動けるデブサイボーグ少女トモ!
「うっぷ、カオリが食べられない分、私が食べてみせる!」
「トモさん、かっこいい……!」
 華織の羨望の眼差しに、トモさんは胸(というよりお腹)を張って誇らしげ。
「それじゃ、私は他の子にお手伝いをしてくるわね? いくら食べても太れないっていうのも罪な私よね♥」
 マルグリットは夢ヶ枝に駆け寄ると、彼女を転がしながら壁や柱やらチョコスライムを巻き込んでゆくのであった。
「こうなったら、もぐもぐ、自力で移動は難しかったので、もぐもぐ、動かしてもらえるのは、ごっくん、とても助かりますぅ」
「それはどうも? というか、アレね。さっきのフロアの動画配信、なかなかよかったじゃないの。なら、ユーベルコードで私を二人に増やして、次枠いっちゃうわね♥」
 マルグリットはユーベルコード『秘せるフラクタル(オルターエゴ)』で、衣服が微妙に違うもう一人のマルグリットを呼び出した。
「はぁ~い♥ 2枠目の配信でぇす♥ 今回は、ユーベルコードで、もう一人の私と一緒にスイーツダンジョンを攻略してみた♥ってことでお送りするわね♥♥♥」
 2人に増えたマルグリットからスイーツを与えられる夢ヶ枝。
 その姿はまるで世話されるまん丸な赤ん坊のようである。
 そして同時に2人のマルグリットも控えめに壁一面分のお菓子を高速で食い尽くしてゆくではないか。
「あぁん、胸元こぼれちゃったぁ♥」
 生クリームトラップが片方のマルグリットの胸元に零れると、もう片方のマルグリットがそれを拭こうと近付き、互いの両胸を押し付けるように拭き取りだした。
「ねぇ、可愛い私たちのこんな格好、どう思う? 私2人によるイチャコラ動画配信♥しましょ♥」
 2人のマルグリットが上目遣いで生クリームを舐めとれば、その小悪魔的パフォーマンスで配信は大いに盛り上がった。

 カオスな状況になっている一方、真面目に迷宮を探索している猟兵たちもいた。
「わらわの勘が、この方向が怪しいと告げておるのじゃ……あむあむあむ」
 どすどすどすと歩きながら、壁を小太刀で切り刻んで食べてゆくのは鍋島だ。
 この迷宮のいいところは、壁や障害物がすべて可食部となっているため、まっすぐ食べ進んでショートカットが出来るのだ。
 しかし、この迷宮の制作者はそれを見越しており、鍋島は幾度となく生クリーム砲とチョコ触手の被害にあっていた。
 その被害は、ともに探索を進めていたイヅナにも降り掛かる。
「わっ、ちょこれーとの触手が体に巻き付いて食い込んで……きゃーっ! お腹周りの太さと贅肉の存在を再認識させるのはやめてーっ!」
 降り掛かっている最中であった!
「うちの勘はだめだめやったわ! こうなったら、徹底的に食べてあげようやないの! “くりーむ”も“けーき”も“ちょこれーと”も、ぜーんぶ食べつくしたるっ! ねっ、皆さん!」
「イヅナ殿のおっしゃる通りじゃ! 敵を見つけたらこの暴食地獄ともおさらばじゃ。わらわも負けぬ故負けるでない!」
 鍋島はイヅナに巻き付くチョコ触手を小太刀で切断すると、仲良く2人でもぐもぐと食べてゆく。
「はぁ……甘さが口一杯に広がって幸せやわぁ……」
「うむ、美味なのじゃ……!」
 サムライエンパイアにはチョコレートというものが珍しい存在のはずである。
 他世界でそれを堪能する2人は、瞬間、猟兵の仕事を忘れていた。

「トモさん、切り分けておきました!」
「ありがとう、カオリ。そういう気が利くところは、本当に私の妹にそっくりだ」
 華織の差し出す生クリームたっぷりのスポンジケーキの壁を貪る智華。
 華織の胃が限界を迎えているので、その分、智華が食べるほかないのだが、なんだか一向に太る気配がない。
「それにしても、トモさんは私よりも食べているのに、太るのが遅いというか、少し横ばい気味……?」
「やはりそう思う? エネルギーを摂取した分、基礎代謝が上がってて太るペース落ちている気が……? まあ、食べるからいいや」
 そう言って、壁を食べてゆき、最短距離をショートカットしてゆく2人。
 その行く手をチョコ触手が邪魔をする。華織の光る手裏剣が触手の影を捉えたのだ。華織のユーベルコード『天性の超直感(ナチュナルセンス)』の恩恵である。
「こっちは危険です! あっちから回り込みましょう」
「了解。ここで格闘戦を挑んで腹部に一撃を喰らったら最後、間違いなく私は吐くぞ。腹の中の物があるのに素早く動くのは実際、危険行為。ここで吐くのはカロリー的に良くない」
 智華は華織を連れて、ルートを迂回してゆき、チョコ触手との戦闘と生クリームトラップを第六感で回避し続けてゆく。
「まって、私の目で今、この先を視るから」
 智華のユーベルコード『虚構の神脳(イミテーション・ラプラス)』で、掘り進めた際の未来視を行えば、この先には生クリームトラップの噴射口がある事が判明する。
「この先は危ない。迂回路があるし、そこの方が高カロリーだ。あっちまでもう少し食べ続けよう」
「トモさんの眼って凄いですね! どういう原理なんですか!?」
 華織の質問に、智華が答えた。
「簡単に言うと未来視だ。数秒先の未来を読み取ることが出来るんだ」
「未来視……そういうのもあるのか……」
 納得する華織に対し、智華は倍以上に膨れ上がった顔に苦笑いを浮かべていた。
「寧ろさっきみたいに直感だけで危険を回避するカオリのが凄いよ」
「そんなことないですよー!」
 口では謙遜するが、華織は褒められて嬉しそうだ。
「なんだか、トモさんに褒められると本当のお姉ちゃんに褒められたみたいで嬉しいです!」
「私も妹と接しているようですごく気力ががみなぎるんだ。何故だろう?」
 2人はしきりに首を傾げていた。

 さて、鮫兎はどうなったかというと、既にその肉体は迷宮の一部と同化しているといっても過言ではないほどまで肥大化を遂げていた。
「うふふぅ! もっともっと太らせてぇ!」
 ぼぉん! ぶくぅ! めぎめぎぃ!
 奇妙な擬音とともに鮫兎の贅肉がウエハースの天井を押し上げ、スポンジケーキの壁を圧し潰して喰らい尽くしてゆく。
「ダメ押しの今回の間食は『揚げバター』よ! バターの塊に衣をつけて、バターで揚げて砂糖をまぶした素敵スイーツ! そのカロリーは200gで脅威の1400キロカロリー!」
 既に1万キロカロリーオーバーを摂取している鮫兎が、ここにきて更にぶっこんできやがった!
 だが、揚げバターは実在するスイーツである。
 アメリカのアイオア州で開催されるお祭りの屋台で実際に売られている揚げバター。現地ではメープルシロップをたっぷりと付けて食べるのがメジャーな食べ方なんだとか。
「るこるにも揚げバターをあげるわ! 一緒に太るのよ!」
「ありがとうございますぅ。もはやここまでくると、不思議とどこまで太れるか、自分との戦いになってきますねぇ? 体重はどこまで増えたのでしょうかぁ? 流石に、1トンはいかないでしょうけどぉ?」
 ああ、夢ヶ枝は思考もデブになってしまったようだ。
 揚げバターを貪りながら、ゴロゴロと転がってゆく。
「それにしても、隠し扉が見付かりませんねぇ?」
「だいぶ食べ尽くしたわよ? どこに行けば次の部屋に通ずるのかし、ら?」
 鮫兎が寝返りを打った次の瞬間であった。
 ずぼぉっと、鮫兎の下の床が抜けてしまったのだ!
「アーッ!?(ドップラー効果)」
 鮫兎の声が真下へ落ちてゆき、やがて消えてなくなった。
「鮫兎様ぁ!? ってきゃあああ!?」
 振り返った夢ヶ枝の床も、彼女の体重に耐え切れずに抜け落ちてしまった!
 立て続けに猟兵2人が真下に落下してゆく緊急事態に、残された者たちは動揺する。
 ……だが、マルグリットは違った。
「ふんふん、なるほどね。食べまくって、一定の体重になると床が抜け落ちて次のフロアにいてるようね? この下、スロープになっているわよ?」
 マルグリットが穴の中を覗き込むと、中は奈落の底ではなく、ベルトコンベヤーめいたスロープになっており、どこかに繋がっているようだ。
「つまり、このフロアの扉は、最初から足元にあったのね? それに気付いちゃう私ってば超絶可愛い♥」
 自画自賛のマルグリット、まさかの偶然(クリティカル)の発見である。
 まるまると肥えた他の猟兵たちは、意を決して床を突き破って落下すると、そのままどこかに運ばれてゆくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『影うさぎリーダー』

POW   :    影兎鋭刃(エイトリッパー)
自身の肉体を【影に潜ませたり、影を立体的に好きな形】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
SPD   :    影兎聖域(エイトサンクチュアリ)
【漆黒のエネルギー弾】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に自分だけ通過可能なワープゾーンを作成し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    永遠の影兎(エンドレスエイト)
全身を【影で形成された漆黒の衣】で覆い、自身が敵から受けた【光やエネルギー】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠中村・裕美です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちが転がり込んだのは、やたらファンシーな家具や小物が集まったフロアだった。
 そこには青髪の兎少女が腕を組んで待ち構えていた。
「あ、ほ、本当に来た……!? うわ、本当に丸々太って……」
 兎少女は目を輝かせていた。
「カワイイ……、子豚ちゃんカワイイ……! はぁはぁ……」
 猟兵たちは一瞬で理解する。
 こいつ、デブ専だ……! しかも発情してやがる!!
「だって、顔面偏差値上位の奴らなんかに私は相手にされないし、構ってくれる人たちは大抵下心ありきのヤリモクだし、どうせ私は下半身だけのオブリビオンですよ……。でも子豚ちゃんたちは私が介護してあげないと何もできないから、もっとみんな太ればいいと思うよ……!」
 うわぁ。
 ビッチな上にかまってちゃん、更にはヤンデレって性癖麻雀だったら役満じゃねーか!
 歪みに歪みまくったこんな災魔(オブリビオン)が地上に出たら、アルダワの世界の人々が全員デブになってコイツに飼い慣らされてしまう未来が待っている!
 そんな絶望的な未来を回避するべく、戦え、猟兵たち!

 ――あれあれ~? よく見ると、兎娘の後ろにある本棚に、例の究極の美容痩せ薬っぽい小瓶が並んでいるぞ~?
 あれをどうにか奪えば、一気に痩せることができるし、敵をフルボッコにできるんじゃないかな~??
鮫兎・醒闇
【手加減無用連携歓迎】
「大丈夫よ!わたしも太ましい娘は大好きだからぁッ!

痩せ薬?そんなものは無いわ。
兎少女ちゃんをここまで育てた私の肉で誘って、おびき寄せるわね。
あと揚げバターおいちい。

「太らせただけで満足なの?…触って埋もれて安眠してみたいのよね?

誘惑されたところでユーベルコード【暴飲暴食返し】発動!兎少女ちゃんに私と仲間たちと周囲のスイーツのカロリーを全て注ぎ込むわ!なにもできなくなって介護されるのは兎少女ちゃんのほうよ!うふふん!(ものっすごい肉塊になった兎ちゃんをきつきつ紐ビキニに着替えさせて揉みまくり愉悦&動画配信&揚げバターぶち込む

おやつに二階に戻って全部食べつくして帰ろうかしら?


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡/やり過ぎ◎

■行動
巻き込んで[薬]を割らない様、[彼女]を本棚から離す必要が有りそうですぅ。
本棚には注意しつつ、転がりながら斬りつけましょう。
或る程度離せましたら、[彼女]と本棚の間に立ち、誰かが[薬]を回収するまで妨害するか、私の方で回収しますぅ。

[薬]をすぐ飲むかは状況次第ですぅ。
今の姿で当てられそうなら、体重が乗る分この姿の方が良いでしょう。
難しければ[薬]を飲んで回復し斬りかかりますぅ。
ただ何故か、以前より胸だけ重い気が?

終了後、まだ[予備]等を含め[薬]が有り、[スイーツ]が残っているなら、折角ですから[限界まで食べ尽して(=太って?)]から[薬]を飲みましょうかぁ。


紅葉・智華
※アドリブ・連携歓迎

この状況で薬を獲れるのか。罠の可能性もある。
――いや違う。薬なんて必要ない。
異常な基礎代謝に、硬質化、つまり真の姿解放。身体を鈍色に染めて、カロリー消費しながら電脳魔術と【選択UC】で蜃気楼発生(目潰し10,だまし討ち7)。義眼も全力解放。……あ、やっぱりそうか。
「華織、嘘つきな姉さんでごめんね」

体型が戻った頃合で変装も解く。いつもの軍服ワンピースも着る。
妹(f12932)を前に嘘をこれ以上吐けない。
【ダッシュ10】で接敵。相手には薬に一直線と見せかけてからの04MVによる連続攻撃(2回攻撃10)。
「行くよラプラス――妹の為に安全な道を確保する」
終わったらクールに去る予定。


紅葉・華織
アドリブ・連携歓迎

……トモさん、何その身体、金属……?
あれ、なんかお姉ちゃんの臭いが濃く……え、嘘、まさか――
「お姉ちゃん……?」

あ、行っちゃった……。でも、トモさんが智華お姉ちゃん(f07893)だとすれば、きっと私達が薬を獲りに行けるようにっていう時間稼ぎの筈。
「みんな! 今のうちに薬を獲りましょう!」
【選択UC】(ダッシュ10)で一気に本棚に接近! 身体は変わろうと縮地なら大丈夫……じゃなかったけど到着!。

薬さえ飲めれば『月華』の一太刀で(鎧無視攻撃7)で終わり。

倒した後

あとお姉ちゃん。逃がさないよ。
「薬は確保したからもっかい太って? 変装せずに太って、お姉ちゃん?」
嘘をついた罰ダヨ?


レパル・リオン
まってー!まってー!(太った分身を率いて)
あ、黒兎怪人!やっつけなきゃ!
【変身】っ!って、きゃー!うまく走れないー!(ゴロゴロと転がって火の輪をくぐる。変身はできる)
…よし!いくわよ、みんな!パンチ!キック!パンチ!(数の力で攻めるが、体に対して手足が短くて攻撃が届かない)
…じゃあ、これならどうだ!ジャイアントスイング、からの、ボディスラムだーっ!(レパルたちが2人1組になり、レパルがレパルをぶん回し怪人に投げつける)

え、薬?怪人を倒してから飲むけど、それがどうかした?


マルグリット・エーレ
【WIZ】ふんふーん?子豚ちゃん好きなのね。
まるまるしててかわいいわよね、子豚ちゃん。でもね、申し訳ないんだけれど、その子豚ちゃんも含めて、世界は私に夢中なのよ。ごめんなさいね。私かわいいから

【存在感】あふれる【パフォーマンス】!見るもの全てを【誘惑】するような端麗な容姿!そんでもって、いくら【大食い】しても、まるで変わらないスタイル!

今まで散々食べてきた甘味のおかげで、ユーベルコードは絶賛超強化中♥

光やエネルギーを受けて比例する強化なら、ただのヴァイオレンスなスプーン(物理)ならどうかしら?

え、今の動画【撮影】は配信していいのかって?大丈夫、ギャップよギャップ♥

はぁい、お尻ぺんぺーん♥


鍋島・小百合子
POW重視

他者を食い物にし家畜にしよう等鬼畜の諸行!
力士にされた女子の恨みを知るがよい!

「その豚に息を仕留められるのなら貴様の本望じゃろう!」
猟兵が痩せ薬を奪うまで敵の足止め・妨害を担う
自身の太った体を使って敵が嫌がるぐらいにしつこくまとわりついたり体当たりを繰り返す(パフォーマンス、手をつなぐ、ダッシュをそれぞれ併用)
痩せ薬で体型を奪還できたら反撃開始
小太刀を抜いたらUC「災禍刺刀撃」発動
至近距離までじわじわと近づいていき、咄嗟の一撃・鎧砕きを併せた小太刀による串刺しをお見舞いする
「食べ物で遊んだ天誅じゃ!飢えに苦しむがよい!」

お腹が少し膨れておる…?

なお他の猟兵との絡み・アドリブはお任せ



「大丈夫よ! わたしも太ましい娘は大好きだからぁッ!」
 開口一番、己の欲望を吐露する鮫兎・醒闇(兎と鮫となんかの触手・f02122)。
 お前はいったい何を言っているんだ。
 その体は豊満を通り越して肉塊であった。
「太らせただけで満足なの? ……触って埋もれて安眠してみたいのよね?」
 揚げバターを頬張りながら、ぶよぶよの身体を揺らして影兎少女を誘う鮫兎。
「ほら、おいで? おいで? 揚げバターおいちぃ!」
「はふぅ……子豚ちゃん! きゃわたんきゃわたん!」
 影兎少女が足を進めさせようとするも、寸でで留める。
「……なんて、行くと思った? どうせ、あなたたち猟兵の狙いは後ろに並んでる痩せ薬でしょ!?」
 きっと険しい表情を浮かべて猟兵たちを睨みつける影兎少女。
 しかし、この発言で猟兵たちは確信した。
「やはり、究極の美容痩せ薬は実在したのじゃな!」
 鍋島・小百合子(朱威の風舞・f04799)は福々しいその体を何とか起こして、浮腫んだ指を影兎少女に突き付ける。
「他者を食い物にし家畜にしよう等鬼畜の諸行! 力士にされた女子の恨みを知るがよい!」
「……口が滑っちゃったみたいだけど、あなたたちはその姿がお似合いよ!」
 影兎少女は、強がってみせるが。
「どうやら、巻き込んで薬瓶を割らない様、彼女を本棚から離す必要が有りそうですぅ」
 痩せ薬を奪取せんと夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はサムライブレイドを抜き払って握っている。
 どうやら戦闘準備は整っているようだ。
 ……太り過ぎてもはや立ち上がることすら困難な状態だが。
 どこぞの服役中のタコみたいな名前のイタリアンマフィアも、ここまで太っていなかったんじゃないかな?
 そんな漂う戦闘の気配などお構いなしといわんばかりにマルグリット・エーレ(秘せるフラクタル・f09722)が真顔で言ってのけた。
「ふんふーん? 子豚ちゃん好きなのね。まるまるしててかわいいわよね、子豚ちゃん。でもね?」
 マルグリットは撮影ドローンを部屋中に飛ばしながらあざといポーズ!
「申し訳ないんだけれど、その子豚ちゃんも含めて、世界は私に夢中なのよ。ほら、見て?」
 マルグリットが髪を掻き上げただけで、動画配信を閲覧している視聴者からのコメントが増加するのだ。
「ね? 存在感あふれるパフォーマンス! 見るもの全てを誘惑するような端麗な容姿! そんでもって、いくら大食いしても、まるで変わらないスタイル! ……ごめんなさいね。私かわいいから♥」
「あ~、あんたはぶっ殺すわ~、ああいう女マジ嫌いだわ~!」
 影兎少女が私怨丸出しのネガ感情を剝き出しにしたまま、部屋の調度品の影の中に潜ってゆく。
「影に潜れるのか! どこ行った!?」
「トモさん、気を付けて!」
 紅葉・智華(紅眼の射手/妹捜索中/自称・全サ連風紀委員・f07893)と紅葉・華織(奇跡の武術少女/姉捜索中・f12932)は背中合わせで部屋の周囲を警戒。
 すると、マルグリットの傍の本棚の影から、漆黒の刃が飛び出してきたではないか!
「あら、手品かしら??」
 だがマルグリットは高速移動で軽々とこれを回避。
「今まで散々食べてきた甘味のおかげで、ユーベルコードは絶賛超強化中♥ お返ししてあげる♥」
 マルグリットは『銀の小指』――小指というには大きすぎる身の丈のスプーン型ロッド(撲殺用)をフルスイング!
 影の刃をぶん殴る……のだが、それは不思議とゴムみたいにグニャリと衝撃を吸収、スプーンを包みこんでボヨヨンと弾き返した!
「いったぁ~いっ! 影の身体が伸び縮みしなかったら死んでたじゃないの!?」
 影から転がり出てくる影兎少女。どうやら攻撃の衝撃そのものはダメージとして蓄積されるようだ。
 ユーベルコード『だって女の子は甘いものでデキているから(フードファイト・シュガーモード)』で膂力が強化されたマルグリットのスプーン攻撃でさえもへし折れない柔軟性を発揮するのであれば、並の武器で切りかかっても切断や破壊は難しいであろう。
「なるほどね? 陰に潜んでいる間は体が柔らかくなるのね??」
「そういう事よ! でもあんた、なんて馬鹿力なのよ!?」
「私は人呼んで甘味の女王様。スイーツを食べれば食べるほど、俊敏に、そして強くなっちゃうの♥♥♥」
 胸を寄せて谷間を強調するマルグリットに、影兎少女はキレた。
「だからいちいちあざとい言動をしないで! めっちゃイライラする!」
 影兎少女は、よほどマルグリットのようなアイドル然としたキラキラな存在が嫌いなのだろう。自分が影の化身だからだろうか……?
 そんなやり取りを眺めていた智華は、義眼『虚構の神脳(イミテーション・ラプラス)』の未来予測高速演算によって密かに作戦を練っていた。
(この状況で薬を獲れるのか? あの小瓶の中身が毒薬、つまり罠の可能性もある)
 後ろを振り返る。
 丸々と肥えたカオリは、脂肪が邪魔する首を必死に回しながら智華へ不安げな視線を送る。
 その面影で、智華は確信を抱いた。
(――いや違う。薬なんて、必要ない!)
 次の瞬間、智華の身体から大量の水蒸気が立ち昇り始めたではないか。
「トモさん!? どうしたんですか!? って、この熱は、一体!?」
「ぐッ!? う、があァァァァ!?」
 智華の身体が炎に包まれたかのような熱を大量放出!
 周囲の者たちも熱源たる智華から一様に歩を退かせてゆく。
「熱……!? なによ、あれ? 人間ストーブ!?」
「ああ……なるほど、言い得て妙だな。金属製の身体に炎が宿れば、それはもはやストーブだ」
 影兎少女の言葉に、ブクブクに膨れ上がっていた智華は不敵に微笑む。
 その身体が超代謝によって徐々に萎んでゆくのだ。
 流れ落ちる大量の汗は気化し、次第に部屋は濃霧に包まれて視界が悪化してゆく。
「異常な基礎代謝、肌は鋼の如く硬質化、人工皮膚は剝げ落ち、金属のそれになってゆく……!」
「……トモさん、何その身体、金属……? なんで? トモさんから、お姉ちゃんの匂いが濃く……え、嘘、まさか――」
 全身を鈍色に染めた智華――サイボーグたる真の姿を曝け出した彼女は、背中に相対する少女へ告げる。
「そうだ、私はサイボーグ。超柔軟性特殊合金の身体と異能の義眼を持つ、電脳魔術の生ける人形であります。……華織、嘘吐きな姉さんでごめんね。ずっと、逢いたかった」
「智華お姉ちゃん!?」
 変装用のジャージを脱ぎ捨てたその下に着込んでいたのは軍服ワンピース。
 濃霧の中へ飛び込む智華を見送る華織は、しばしその肥えた身体で茫然と呆ける。
 だが、すぐに目の前にずっと探していた、大好きな姉がいた事実に涙が滲む。
 そして今、自分の出来ることを遂行すべく立ち上がった。
「みんな! 今のうちに薬を獲りましょう!」
「わらわが彼奴を止めようぞ! 華織殿は薬棚へ!」
 鍋島がボーイング球めいて影兎少女へ転がってゆく!
「華織様、私もお供いたしますぅ」
 夢ヶ枝は転がりながら丸鋸めいた剣刃一閃を繰り出しながら影兎少女へ突撃していった!
 2つの肉弾が影兎少女へ衝突!
「言ったはずでしょ? 影になれば、私の身体は柔らかくなるのよ!」
 鍋島の体当たりと夢ヶ枝の斬撃が、ぶるんっとした影状の影兎少女の身体に減り込んでゆく。
「なんと、無傷じゃと!?」
「刃が全然刺さりませんねぇ?」
 2人の猟兵に挟まれた影兎少女は無敵かと思いきや、涙ぐみながら攻撃が当たったところをしきりに擦っていた。
「でもやっぱり痛いっ! 何度も喰らったら、痛みで私、ショック死しちゃうわ、こんなの! あ、でも、子豚ちゃんぷにぷにできて、これはこれで幸せかも……へへ♪」
「こ、これ、やめんか! ひゃぁん!?」
「くすぐったいですぅ~! はう……、そこは、ああんっ」
 影兎少女が子豚になった猟兵をペロペロと舐りまくる!
 まずいぞ! 青少年の何かがとっても危険だ!
「R-18指定になんてさせるものか。屈折率改変完了。これでお前には視えない」
 智華が濃霧の中、薬棚へダッシュで走ってゆく。
 その足音で勘付いた影兎少女は、猟兵2人を圧し転がして撥ね除けると、智華へ漆黒のエネルギー弾を発射!
「その足音、棚には近付かせないわ!」
「ああ、知ってるよ。既にその反撃は予知している!」
 智華は義眼の演算能力をフル活動させ、漆黒のエネルギー弾を04-MVアサルトウェポン[MOMIJI's CUSTOM]で撃ち抜く!
 ユーベルコード『蜃気楼より顕れ出でる紅眼の死神(ミラージュ・デス・クリムゾン)』!
「そんな、エネルギー弾が相殺されたですって!?」
「行くよラプラス――妹の為に安全な道を確保する!」
 素早く2発目の弾丸を影兎少女へ発射!
 濃霧の中から飛び出した魔弾は、影兎少女の腹を突き破って、その服を紅く朱く染め上げる!
 更に智華は愛銃を連射!
 影兎少女はその場に留まることなく銃弾を回避すると、邪魔する猟兵たちへエネルギー弾を負けじと連射!
 太っていても動けるのが猟兵なのか、ゴロゴロと各自が転がって被弾を回避。
 だが、エネルギー弾が着弾した場所は影兎少女だけが通過できるワープゾーンとなり、彼女の力を増してしまうのだ。
「ほらほら、こっちよ、こっち!」
 バカスカと漆黒の弾を撃ってはワープゾーンで別の場所へ逃げてゆく敵の戦術は厄介極まりなかった。
「もう、撮影用のドローンを壊さないで!」
 マルグリットはスプーンでエネルギー弾を撃ち返しながら苦情を申し立てる
「これじゃあ、薬棚に近付けない……!」
 華織も普段と違う身体の不自由さも相まって、敵の攻撃を凌ぐ事で精いっぱいだ。
 次第に霧も晴れ、視界がクリアになってゆく!
「まずいぞ! 視界不良で不意打ちのアドバンテージがなくなったら、こっちが不利であります!」
 智華が焦る。焦ってはいけない。自分に言い聞かせながらも、瞬間移動する影兎少女に有効打を与えられないもどかしさを感じていた。
「ああ、こんな時、だれか援軍に駆け付けてくれたらいいのですが……」
 だが、現実は非情である。
 夢ヶ枝の願いは虚空に消える。
 ……かと思いきや。
「まってー! まってー!」
 ゴロゴロゴロ~と転がってきたのはレパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)!
 そのまま影兎少女をひき潰してゆく!
「あひゃん♪」
 恍惚の笑みを浮かべて影兎少女は床に減り込んで微笑んでいた。
 レパルが壁にぶつかると薬棚が大きく揺れ、置かれていた薬瓶が飛び散ってゆく!
「いけないっ! えーいっ!」
 華織は薬棚へ飛び付いた!
 何本かは割れてしまったが、華織の太ましい身体が多くの薬瓶を肉布団となって受け止めることに成功!
「みんな、痩せ薬をゲットしましたよ! これを飲んで!」
「わらわにも!」
「こちらもお願いしますぅ」
 華織は鍋島と夢ヶ枝に小瓶を投げ付け、2人がそれをキャッチ!
 立ち上がった影兎少女が目を丸くして叫んだ。
「あ! 痩せ薬は私専用なんだから!」
「知らないよ、そんなこと!」
 ゴクゴクと華織が瘦せ薬を飲み干した。
 鍋島と夢ヶ枝も服用すると、途端に3人とも爆発!
 ナンデ!?
「「アバーッ!?」」
 突如もくもくと上がる爆煙に、レパルは理解が追い付かない。
「な、なんなの!? よく分からないけど、黒兎怪人! やっつけてやるわ! このイェーガー・レパルが相手よ!」
 レパルは誰もが内に秘める生命誕生のパワーに覚醒すると、自身の目の前に炎の輪が出現!
「変身ッ! って、きゃー! うまく走れないー!?」
 前へつまずく形でレパルは転がると、そのまま炎の輪をくぐって変身完了。
 ライオンっぽいコスチュームの魔法少女になったレパルは立ち上がると、彼女は改めて名乗りを上げる。
「ミラクル! マジカル! 魔法少女! イェーガー・レパル!! がおーっと参上!!」
 ポーズをするも、お腹の肉が邪魔してどうにも決まらなかった。
「……よし! いくわよ! パンチ!」
 しかし脂肪が邪魔で影兎少女に届かない!
「キック!」
 しかし脂肪が邪魔で影兎少女に届かない!
「パンチ!」
 しかし脂肪が邪魔で影兎少女に届かない!
「なによ! 全然届かないじゃない!」
 そもそも、10歳のレパルの身体付き自体、手足のリーチが短いのだ。
「こうなったら、分身よ! お願い、手伝って!」
 改めて分身を99体呼び出したレパルは、彼女たちに両足を掴んでもらってグルグルと砲丸投げめいて振り回してもらい始める。
「今だよ! ジャイアントスイング、からの、ボディスラムだーっ!」
 2人1組、つまり50組のレパルが相方を振り回して、50人のレパルの巨体が飛んでゆくのだ。
 コワイ。
「ああ~、モフモフぷにぷにたまらなぁ~い♪」
 しかし、圧し潰される影兎少女はダメージを受けながらもどこか幸せそうだ!
「そんなに幸せなら、もぉ~っと幸せにしてあ・げ・る♪」
 動くのが面倒くさくて戦闘を傍観していた(敵のエネルギー弾を触手でパリング防御だけしていた)鮫兎は、ようやくその重い腰を上げる。
「太るのも好きだけど、太らせるのはもっと好きだったり!」
 そう言うと、鮫兎のホオジロザメ型触手の口から、自分の摂取した余剰カロリー・仲間の摂取した余剰カロリー・周囲の食糧を変換した肥育カロリー弾を生成し、発射した!
 その脂肪の塊めいた白きエネルギー弾は、影兎少女をいとも容易く呑み込んでいった。
「ユーベルコード『暴飲暴食返し』よ! 兎少女ちゃんに私と仲間たちと周囲のスイーツのカロリーを全て注ぎ込んだわ! なにもできなくなって介護されるのは兎少女ちゃんのほうよ! うふふん!」
「ちょ、まっ、えええええええええ!?」
 影兎少女の身体が、倍、倍、更に倍へと急速膨張!
 着ているゴシックな少女趣味の服装はビリビリと敗れ、フリルだらけの下着もはち切れ、全裸の肉の塊と化してしまう。
 脂肪のスライムめいた身体になった影兎少女は、自身の身体を見て驚愕!
「ああ、私、可愛くなっちゃったぁ~!」
 嗚呼、性癖って死ぬまで治らないんだなぁ、と猟兵たちは遠い目で虚空を眺めてしまう。
「マルグリット! 動画配信、まだやってるかしら?」
「ええ、やってるわよ? カワイイ私と子豚の兎さん、コントラストで余計に私が可愛く映っちゃう♥」
「だったら、この水着を彼女に着せてあげて!」
 鮫兎がマルグリットに手渡したのは、どうみても縄だった。
 マルグリットは合点がいったとばかりに頷いた。
「なるほどね? ボンレスハムね?」
「スリングショット! 別名ブラジリアンビキニよ!」
「やっぱり縄じゃないコレ? ま、いいわ、オブリビオンの全裸で運営に垢BANされたくないもの」
 マルグリットは強化された俊敏性を無駄にフル活用し、デブ影兎少女を緊縛した。
「どう? 芸術的に縛り上げてみたわ」
「まさかの梯子股縄伸腕後手縛り! 肉が食い込んで絶景じゃない、やるわね!!」
 梯子股縄伸腕後手縛りが分からない場合は検索してみよう。
 別になぎてんさんがそういう趣味を持っているわけではないぞ!
 分からないことがあったら、人は検索をするんだよ。
「げほっ! 脂肪燃焼方法が爆発とか、聞いてませんよ!」
 一方、爆発による脂肪燃焼で激ヤセを果たした華織は爆煙を手で払うと、愛刀である妖刀『月華』を鞘から抜いて身構える。
「剣とは即ちただ寄って斬るのみ――」
 縮地で間合いを瞬く間に詰め寄った華織は、妖刀『月華』を下段から逆袈裟に振り上げ、そのまま影兎少女を胴斬り!
 ユーベルコード『赤枝流剣術【唯寄斬】』!
 その切れ味は、厚く覆われた脂肪の鎧を簡単に切り裂き、内臓まで刃を通してゆく!
「食べ物で遊んだ天誅じゃ! 飢えに苦しむがよい!」
 本来はじりじりと距離を詰めてから一気に飛び掛かるつもりだったが、相手が動けないのならばその必要はなくなった。
 鍋島は床を蹴って弾けるように飛び掛かると、抜刀した小太刀で刺突の串刺しを繰り出す!
「放つ鎧貫く剛の一刺……受けよ!」
 ぶよぶよに膨れ上がった腹に突き刺さった一撃は、刃と衝撃を臓物まで到達させて影兎少女に血反吐を吐かせる。
「なんだか、戻っても胸が重い気がしますぅ」
 夢ヶ枝はもとから大きい胸元の重量を気にしながら、サムライブレイドの鋭い太刀筋で剣刃一閃!
「的がデカいと照準を合わせなくて楽だな」
 智華も視界に入るところを手あたり次第撃ち抜くと、影兎少女の弾痕から血飛沫が上がる!
「ほぉ~ら、お食べ!」
 鮫兎は飛び上がって肉弾ボディプレス!
 そして揚げバターを影兎少女の顔面にべちゃぁっと押し付けた!
「やっぱり、戦闘シーンはギャップよねギャップ♥」
 トドメにマルグリットは『銀の親指』――あまりにも巨大すぎた鋼のスプーン状の棒を振り上げる。
「それじゃ、トドメをイッっちゃう♥ はぁい、お尻ぺんぺーん♥」
 マルグリットの豪快な鉄の棒の高速フルスイングが、巨塊の影兎少女の胴体をへし折ったかと思えば、そのまま天井へ向けてホームラン級ライナーでかっ飛ばした!
「おデブはカワイイ~!」
 断末魔まで欲望まみれの影兎少女は、そのまま天井に激突するとそのまま頭から墜落。
 落下の衝撃と自重によって頭蓋骨と頸椎が完全に潰れ砕ける音が響き、そのまま絶命!
 哀れ災魔はしめやかに爆発四散!
 ナムアミダブツ!

 戦闘が終わると、全員が痩せ薬を飲んで元の体系へと戻った。
「スリングショットを持っていてよかったわ!」
 はち切れたバニースーツの代わりに水着に着替えた鮫兎は、夢ヶ枝が見つけた出口で上層へ戻ろうとする。
「そういえば、上層のスイーツ迷宮、まだ食べきれていなかったわね? せっかく瘦せ薬があるのだから、ダンジョン完全破壊も兼ねて食べ尽くして太ってみるのも面白そうね?」
「私もご一緒させてください、鮫兎様ぁ。今度こそ限界まで太ってみますぅ」
 夢ヶ枝もノリノリで上層へ戻ってゆく。
「あれ? でも食べ過ぎると床が抜ける仕掛けだったような?」
 ま、いっか、とマルグリットは2人に事実を告げぬまま、彼女も上層の後片付けという名のスイーツパーティーに参加する。
「なんだか何がしたいのか分からない怪人だったわね! でも魔法少女イェーガー・レパルの敵じゃなかったようね!」
 カッコいい決めポーズをしながらレパルは誇らしげに胸を張った。
 ただ、魔法少女を公言しているが、その立ち振る舞いは完全に女子プロレスラーであった。
「ぐぬぬ、心なしか、鎧甲冑がきついのじゃ。腹が、出ているような……? 戻ったら鍛錬を倍にせねば……!」
 何とか鎧甲冑を再び身にまとうも、違和感を覚えて不安を隠せない鍋島。
 そして、待望の再開もつかの間、紅葉姉妹に別れの時が迫っていた。
「まさか、華織も猟兵だったなんて……」
「華織の事はどうだっていいよ! 智華お姉ちゃん、その体、どうしたの!? 今までどこに行ってたの!? 華織、心配したんだよ……!」
「……ごめん。でも見たでしょ、私のこの身体? ……もう、昔のお姉ちゃんじゃないのよ」
「待って、智華お姉ちゃん!」
「――さよなら」
 クールに去ろうとする智華。
 それをユーベルコードの縮地で一瞬で接近して両手でガシッと姉を羽交い絞めにする華織!
 その目はハイライトが消え、完全にヤンデレシスコンの闇に飲まれていた。
「お姉~ちゃ~ん。逃がさないよ~? ねぇ、上の階でパーティーがあるんだって? 一緒にもう一回太ろう? 大丈夫、瘦せ薬はもう少し確保できてるから、ね? 逃げようったって無駄だよ? もう華織、お姉ちゃんの匂いを絶対見失わない。どこの世界にいても、絶対に華織は智華お姉ちゃんを見つけ出してみせるよ!」
 この名がセリフを僅か3秒足らずで耳元で発せられたら、智華でなくとも発狂せざるを得ない。
「華織、止せ! 早まらないで! かお、華織ィィィィッ!?」
「智華お姉ちゃん、だ~いすき♥♥♥♥♥」
「アアアッー!?」
 他の猟兵は、決して後ろを振り向くことはなかったという。

 こうして、隠しダンジョンの攻略に成功した猟兵たち。
 しかし、まだまだアルダワ地下迷宮には隠しダンジョンが隠されているに違いない。
 猟兵たちの奮戦記はまだまだ続くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月25日


挿絵イラスト