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傾奇者は悪に魅入る

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 派手な身なりの男たちが、街を闊歩する。その出で立ちは異様で、色鮮やかな女物の着物を身に着け、マントのように陣羽織を羽織っている。
 姿が異様なだけならまだしも、彼らはその振る舞いも粗野で迷惑極まりないものだった。我が物顔で道を占拠し、近くにいる女性に絡む。注意しようとする者がいれば、待ってましたとばかりに喧嘩に発展する。
 道行く人々はその振る舞いに眉を顰めるものの、手出し出来ずに遠巻きにするしかない様子である。

 賑わうグリモアベースに、一人のケットシーが入ってくる。
 彼はいつもは肩にかけている羽織を、何故か今日はしっかり袖を通して身につけている。そしてそばにあった椅子にとび乗ると、眼の前にいる猟兵達へと語りかけた。
「皆の衆、よく集まってくれた。それがしはケットシーの剣豪、久遠寺・篠だ。早速だが、皆の衆にはサムライエンパイア世界に向かってもらいたい。このところ街の治安を騒がせている傾奇者達の行動が異様だ」
 篠はそう言うと、懐から地図を取り出し、机の上へと広げだす。街の地図のようで、碁盤の目状に道が広がっている。その道の多さから、街の規模の大きさが伺えた。
「皆の衆に向かってもらう場所はこの華やかな街。特にこの辺りは武家が多く、元々は上流階級のための、というか、治安の良い街だったのだが、このところ、その武家の子息達が奇妙な行動を取り始めた」
 次に机に置きはじめたのは、その若者達の姿絵である。女性物の着物をだらしなく身に着け、皆腰には大きな太刀をさしている。傾奇者、と猟兵の中から声が上がるのに、篠は頷く。
「平和すぎてつまらんなどとほざいて、彼らが街のあちこちで悪さをしている。初めの頃は反抗期の子供がグレているレベルだったが、ついに組織的に街で戦を起こそうという計画を遂行し始めているようだ……そして、その奥に、オブリビオンの姿がある」
 ケットシーの眼光が鋭くなる。彼はその小さな手で腕組みをすると、尻尾を揺らす。
「街で傾奇者たちを見つけるのは簡単だ。何しろ目立つからな。そこへ行って、どうにかしてこいつらから首謀者の情報を引き出して欲しい。恐らくオブリビオンはどこかに根城を築いている。そこに攻め込み、オブリビオン諸共拠点を潰すことになる」
 しかし、と、篠は言葉を続ける。
「傾奇者たちは体格は良いがまだ大人になりきれない子供。できれば命はとらず、武家に返してやって欲しい」
 篠は広げていた資料を全て回収すると、それらをまとめて文にし、表に『依頼状』と認める。
「面倒ではあると思うが……皆の衆、頼んだぞ」


三橋成
 皆様こんにちは、三橋成(みはし・せい)です。
 今回は街で傾奇者たちをこらしめる・お説教をするシナリオです。
 ユーベルコードを使うもよし、小細工なしにいくもよし、自由に行動いただければと。
 その後には傾奇者達を唆していたオブリビオンの根城に攻め込んでいくことになりますので、どうその情報を引き出すかも考えていただければと思います。

 格好良い物語を皆様と紡いで参りたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『傾くなら傾き通せるか?』

POW   :    痛い目に合わせ反省させる

SPD   :    悪事を失敗させ意気を挫く

WIZ   :    説得するなどで改心を促す

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

御剣・刀也
やれやれ。手のかかるガキだ
ま、反抗したい時期は誰にだってあるからな
けど迷惑をかけるのはいけねぇ。しっかり灸をすえてやるか

わざと傾奇者の格好をしている者の前に出て、正面から堂々と、退きもせずものおじもせず歩く。ぶつかったらすまん。と言って通り抜ける
それでいちゃもんをつけてきたら
「お前ら、意地を張りとおす自由は斬り殺される自由と同じって、わかってるんだろうな?」
本気の目と気迫で子供を威嚇する
「その覚悟があるならその喧嘩買ってやる。ただし、死んでも文句言うなよ?」
と、刀に手を賭けるそぶりは見せず、気迫だけで黙らせるよう頑張る



街は今日も賑わっている。街並みは美しく、活気があり、あちらこちらで商いもあれば人々が生活を営んでもいる、そんな街。けれどその一角だけが異様であった。
 派手な装いをした傾奇者達が道を占拠し、他のものは遠巻きにそれを見ているだけ。近づいて余計な騒動に巻き込まれたくないのだ。賢明な判断だろう。
 傾奇者達の素行は日増しに悪くなっており、先日も喧嘩で大怪我をした者が出たそうだ。死人が出るのもそう遠くはないと噂されている。
 と、そんな彼らに、無防備に近づく一人の男がいた。
 御剣・刀也は道を塞ぐようにたむろっている彼らに歩み寄ると、そのまま通り抜ける……が、行き違う間際肩がぶつかった。
「すまん」
 と、そう一言残して立ち去ろうとしたところ、待ってましたとばかりに傾奇者の一人が刀也の行く手を塞ぐ。
「ちょいとあんた待ちなよ。俺様にぶつかっておいてすまんの一言たぁどういう了見だい。詫びがしたいなら相応の態度と物があるんじゃねぇのか」
 背後からかかる、肩をぶつけた者の言葉に、刀也は大きく肩で吐息してみせる。
「お前ら、意地を張りとおす自由は斬り殺される自由と同じって、わかってるんだろうな?」
 振り向きざま、睨めつけるのはその青い瞳。
「その覚悟があるならその喧嘩買ってやる。ただし、死んでも文句言うなよ?」
 腰にさした刀に手はかけず、ただ気迫のみで圧倒する。傾奇者は、僅かたじろぐような様子を見せたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルフトフェール・ルミナ
偉い所の若様ねえ……そういうお年頃なのはわかるけど、限度がねえ……。
僕の一族のモットーは、『地味カッコイイ』なんだ。
きっとご先祖様に黒歴史があって、子孫に伝えたんだと思う。

悪さしてる傾奇者を見つけて、普通に『止めなよ』って止めに入ろう。
僕のこの弱そうな姿形だ、きっと良い玩具と思って絡んでくるよ。
一応『人を困らせるの良くない』位は言ってみるけど、きっと聞かないよね。
騒ぎを長引かせ、他の傾奇者も集まって来たら、魔術『縛』を使う。
殺傷能力はないけど、そこらへんの壺も割れない程弱るんじゃないかなあ。
「お武家さんの生まれなんでしょ? この街を護る血筋に生まれて、何やってんのさ。かぶく相手を違えてるよ」



しかし、仲間の手前もあるのだろう、傾奇者は一旦の間のあとに威勢を取り戻して刀也へと食って掛かる。
「止めなよ」
 そこに割って入ったのは、ルフトフェール・ルミナだった。
 背も高くなく、柔和な雰囲気を持つ彼を見た瞬間、傾奇者達の威勢がさらに盛り上がる。
「おいおい、止めなよ。とは笑わせるねぇ。怪我したくなけりゃ坊っちゃんはすっこんでな」
「人を困らせるのは良くないよ」
 ルフトフェールがさらに忠言を重ねると、瞬間彼らの大笑いが巻き起こる。
「とんだいい子ちゃんだな、俺様達が可愛がってやろうか」
 そう、傾奇者達がわらわらとルフトフェールの方へ集まってくる。それこそが、彼の狙いであった。
「我、三種の触媒もて、異形を縛る力を顕にせん。力よ、囲みこみ捕縛せよ。十重二十重に」
 ルフトフェールが紡いだのは呪。そして放たれたのは、刺草や荒縄。それらは傾奇者に当たると、その手足を縛る。
 ぎゃー、と、みっともない悲鳴が上がった。
「お武家さんの生まれなんでしょ? この街を護る血筋に生まれて、何やってんのさ。かぶく相手を違えてるよ」

成功 🔵​🔵​🔴​

鞍馬・景正
私も戦乱の世に生まれていれば、と空想した事はなくもありません。
が、それはそれ。同じ武士として度の過ぎた振る舞いは諫めねば。

彼らを訪ね、素行の悪さを諫めましょう。
絡まれれば願ったり。名乗りをあげて喧嘩を買いましょう。

「徳川家旗本、元書院番務めの鞍馬――今は致仕しておりますが」
刀を抜く事もありません。
柔術の要領で投げ飛ばし、当身を食らわせ程々に痛い思いをして頂く。

抜刀して斬りかかられれば【武器受け】で白刃取りし、そのまま【怪力】で刀身を砕いてみせます。

「――最近、貴殿らを焚き付けている者がいると聞きました。その者の居場所、何を企んでいるか等、素直に白状すれば家に逃げ帰ることは許しましょう」



仲間の幾人かを捕縛され、いよいよ傾奇者たちが気色ばんだ。
「野郎ども、やっちまおうぜ」
 彼らはその腰に携えた刀を抜き去り、日の本に晒された白刃が煌めく。
 そして一歩踏み込んだところで、目前に一人の武士が立ちふさがった。
「私も戦乱の世に生まれていれば、と空想した事はなくもありません。が、それはそれ。同じ武士として度の過ぎた振る舞いは看過できるものではありません」
 凛とした声が、俄に騒然とした道に響く。
「なんだてめぇ」
 その身なりから、眼の前に立ちふさがった男が自身達に近しい存在だと気づいた傾奇者の一人が問う。
「徳川家旗本、元書院番務めの鞍馬――今は致仕しておりますが」
 鞍馬・景正は刀に手もかけずにそう応えるが、頭に血の上った傾奇者達はこの機を逃すなとばかりに刀を振り上げ、斬りかかっていた。
 が、景正はその振り下ろされた刃を両手で白刃取りすると、そのまま手首を返すようにして刀身をへし折る。
「なん……だと、刀が……!」
 自慢の刀を折られた男が慄くのも無理はない。素手で刀を折るなど並の者が出来ることではない。
「最近、貴殿らを焚き付けている者がいると聞きました。その者の居場所、何を企んでいるか等、素直に白状すれば家に逃げ帰ることは許しましょう」

成功 🔵​🔵​🔴​

暴星・メテオ
「カブキモノだかなんだか知らねーがイキがってワルぶるなんてマジカッコ悪いぜっ!こりゃアタシがマジモンの"イキ"ってヤツを教えてやんねーとな!」
【POW】
傾奇者達が暴れてる所に堂々と乗り込み勝負を挑みます
派手な連中に負けないくらいド派手にガガーン!と登場します
「オラオラ!何人でもまとめてかかって来いやっ!」
相手はチンピラなのでUCは使用せず持前の喧嘩殺法で相手します
ただし手加減はしません
「本当にカッコつけたいなら拳は他人の為に振るうもんだぜ!」



すっかり出鼻を挫かれ気圧された様子の傾奇者達だったが、その奥にいる首謀者のことを尋ねられると、彼らの瞳に再び闇が宿った。
 それこそが、オブリビオンが彼らを操っていることの証拠でもあろう。
「言葉はいらねぇ、まとめてやっちまえ!!」
 傾奇者たちは各々の敵と定めた者に斬りかかり、いよいよ喧嘩へと発展したその最中、学ランをはためかせ登場したのは、一人の少女。暴星・メテオ。
「カブキモノだかなんだか知らねーがイキがってワルぶるなんてマジカッコ悪いぜっ! こりゃアタシがマジモンの"イキ"ってヤツを教えてやんねーとな!」
 彼女は拳を自身の掌にぶつけ威勢良くそう言い放つと、向かい来る傾奇者達を拳で殴り飛ばしていく。
「オラオラ!何人でもまとめてかかって来いやっ!」
 ユーベルコードは使用しないという温情を与えながら、顔面や鳩尾を殴り飛ばすその力に一切の手加減はない。そして楽しそうである。
「本当にカッコつけたいなら拳は他人の為に振るうもんだぜ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

一郷・亞衿
「……何かと物騒なこのご時世、歌舞伎者貫くのも大変じゃない?」
悪事を働いている歌舞伎者たちを探して、襲われてる人や店とかがあれば間に立ち塞がるようにして守りつつ、静かに歌舞伎者を挑発します。
相手がこちらに襲い掛かって来次第、UC《クラウド・アトラス》を使用!かつて女忍者だった頃の【前世の記憶を強く想起することによって】、攻撃を紙一重で避け続けます。
相手がビビったり焦ったりしたら、脅し目的で《未詳生物:オルゴイコルコイ》を使うのもいいかも。デスワームの見た目はノヅチ(妖怪)っぽいし、大層驚くと思うな!
「自由には責任が伴う、ってやつ。覚悟が無いなら止めといた方が良いよ──これ、経験者からの忠告ね」



「……何かと物騒なこのご時世、傾奇者者貫くのも大変じゃない?」
 最早大規模な喧嘩の祭りに発展した最中、一郷・亞衿は相対した者に語りかける。彼女の見た目はいたって普通の女の子。スカートを揺らしこの喧嘩の中に混ざっている様子は一見して異質だ。
 そこを弱点と見たか、傾奇者は彼女を斬りつけようと刃を翻す。
 しかし、その瞬間亞衿はかつて女忍者だった頃の前世の記憶を想起すると、勘を取り戻したかのように紙一重で刃を避ける。ふわりと宙を舞った身のこなしはまさに忍者。
「出でよデスワーム!」
 そして反撃のように唱えると、その場に巨大なミミズ状の生物を召喚する。それは未詳生物、外見の迫力は、使役者の亞衿でさえその顔面を見たがらない。
 傾奇者の命を奪うつもりはなく、それ故、その怪物に攻撃を行わせることはない。
「ひっ、ひぃ……ッ、おたすけ……」
 しかし、その見た目だけで傾奇者の腰を抜かせることには成功する。
「自由には責任が伴う、ってやつ。覚悟が無いなら止めといた方が良いよ──これ、経験者からの忠告ね」
 革靴を履き直すようにトントンと地を蹴り、亞衿は紫の瞳を向けてそう貴重な忠言を残したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

遠呂智・景明
「俺からすりゃ美学が足りねぇ。誰かに言われた傾奇者なんざダセェだけだぜ?」
「このご時世真面目に奉公してる方がよっぽどかっこいいと思うがよ」

道行く傾奇者の一団にそう声をかける。
【コミュ力】を用いて対話を試みるがおそらく上手くはいかないだろう。

「戦場も知らぬ小僧っ子ども。俺が相手をしてやるよ」

喧嘩になれば【殺気】【見切り】【フェイント】【吹き飛ばし】を用いて刀は抜かず軽い反撃に済ませる。
逃げるのならばそれでよし。確実に話の聞けそうなのを一人は捕まえておく。

「お前らにいらん事吹き込んだやつのことくらい教えてくれねぇか?」
これ以上俺も暴力には訴えたくねぇしよ、と拳を握り笑顔で。



「戦場も知らぬ小僧っ子ども。俺が相手をしてやるよ」
 そう傾奇者に声をかけながら、かかってくる傾奇者達を殺気や投げ飛ばしだけでいなしているのは遠呂智・景明だった。いくら刀を振り回し挑みかかっても、強く打撃を受けることもなく、その彼の腰に下げられた刀が抜かれることもない。
 しかし、そうして何度もやりあっていれば、自ずと傾奇者達の体と頭脳に刷り込まれていくのだ、この男にはかなわない、ということが。
「俺からすりゃ美学が足りねぇ。誰かに言われた傾奇者なんざダセェだけだぜ?」
 また一人傾奇者の刀を握る手を叩き刀を奪いながら、彼はそう語る。
 そして背後から斬りかかられた刀を見切って避け、フェイントを挟んで背後から背中を蹴りつけると傾奇者がすっ転ぶ。
 周囲の仲間たちの大立ち回りもあり、辺りの傾奇者たちはすっかりその意気を失っていた。
「お前らにいらん事吹き込んだやつのことくらい教えてくれねぇか?」
 派手な装いが土に塗れてみすぼらしくなっている傾奇者の一人に近寄り、景明は拳を握り笑顔でそう問いかける。
 一瞬の間の後、その笑顔に気圧され、とうとうその男が口を開いた。
「街の側にある山の中に山城があって、そこに格好いい頭領がいるんだよ……俺たちが街で戦を起こせば、頭領の仕事がしやすくなるからって……そしたら俺たちを仲間に入れてくれるって言ったんだ」
「このご時世、真面目に奉公してる方がよっぽどかっこいいと思うがよ」
 悪に魅入られ、半べそをかきながらそう情報を漏らした武家の子息に、景明はそう一言で返す。
 不意に、周囲から拍手が撒き起こった。この喧嘩を見物するため、知らず知らず人だかりが出来ていたようだ。
 こうして、街での成敗は終わった。猟兵達の次なる目的地は、頭領のいるという山城である。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『彼岸の兜風鈴』

POW   :    風鈴の音が響き渡る
予め【風鈴の音を響かせ続ける 】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    風鈴の音が共鳴する
【共鳴振動となる甲高い風鈴の音 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    風鈴の音が死者を呼ぶ
【黄泉の国 】の霊を召喚する。これは【悲鳴】や【武器】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:marou

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


猟兵達は傾奇者から聞き出した情報を元に、頭領のいるという山城までやって来ていた。山城は簡素で小規模だが、山の斜面に沿ってつくられ、攻めてゆくにはいくつもの石垣を超えねばならない。
 そして、その山城を守るように、数多の兜風鈴が浮遊している。
 その数は、とても全てを根絶やしには出来ないだろう。道中の兜風鈴を倒しながら、頭領のいるであろう本丸まで到達する必要がある。
一郷・亞衿
連携意識していこうかな……(※合同リプレイにはして頂け無くとも構いません)

「速攻かけようか。ちょっと、提案があるんだけどさ」
猟兵たちに声をかけ、【セピア色の写真】を懐から取り出して同意した猟兵たちを匿います(《学校怪談:閉ざされた旧校舎》の効果)。

「さーて、と。出て来い、ターボババアっ!」
呪われた数珠を掲げ、《都市伝説:ターボババア》を使用。一説によれば最高速度140km/h以上とも言われる【でかいババア】の怪異を呼び出して肩に騎乗し、強引に突破しようとします。最悪でも匿ってる他の人は無傷で済む、はず。

ある程度進んだりヤバくなった時は合図して、猟兵たちに写真から出現して貰おう。討ち入りじゃあ!



鬱蒼とした木々が視界を塞ぎ、高い石垣が通路以外からの侵入を防ぐ、簡素ながらも堅牢な山城。警戒にあたる兜風鈴の魍魎が浮遊する中を、一人の少女が、石段を駆けている。
 侵入者の登場に、兜風鈴が俄に騒がしく共鳴しだし、少女……一郷・亞衿を苛んだ。
「ってて……音の攻撃って厄介」
 音による攻撃はその辺りに居るもの全てを対象とし、そして耳を塞いでも頭を中心に走る痛みが軽減することはない。しかし、彼女はここに一人きり、その範囲攻撃が甚大な被害を生むことを防いでいる。
「さーて、と。出て来い、ターボババアっ!」
 行く手を複数の兜風鈴によて塞がれれ、呪われた数珠を掲げて亞衿は唱える。その声に呼応して顕れたのは、三メートルを優に超えるかというサイズの大きな……ババア。
 彼女はそのババアに飛び乗ると、さらにそのまま無理やり石段を駆けていく。
 そして、またしばらく侵入を成功させ、今度は敵に囲まれてしまったところで、彼女はポケットからセピア色の写真を取り出すと、進行方向へと向けた。
「皆、出てきて!」
 その写真から現れたのは、今までそこに潜んでいた仲間の猟兵達。その奇術は、亞衿が仕掛けた仲間達との連携であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

遠呂智・景明
「ここがその山城か。んで、チリンチリンとやかましいなおい」
山城から聞こえる異音に顔を顰め。

「まあいい。さっさとその同僚とやらのとこに行かせてもらおうじゃねぇか」
腰から【大蛇切 景明】と【黒鉄】を抜くと【剣刃一閃】を発動。
【2回攻撃】による連撃で【鎧無視攻撃】を行う。音がうるさいとかなわない。可能な限り打撃ではなく斬撃で真っ二つに。

「耳障りな音聞かせるんじゃねぇ!」
敵のユーベルコードによる強化をさせない方向で動く。
1人ではカバーしきれないだろうから、他の猟兵とも協力する。



写真から飛び出し敵の真っ只中に下ろされた遠呂智・景明は、その周囲に鳴り響く騒音に顔を顰めた。
「ここがその山城か。んで、チリンチリンとやかましいなおい」
 兜風鈴のかき鳴らす音は猟兵達への攻撃ともなり、そしてその音を戦場に響かせ続けることで、彼らを強化して行くことにも繋がる。相乗効果で強くなっていく群れは、集団戦になると非常に厄介な相手だ。
「まあいい。さっさとその頭領とやらのとこに行かせてもらおうじゃねぇか」
 景明は周囲に視線を走らせて状況を整理した後でそう呟くと、腰から『大蛇切 景明』そして『黒鉄』の二振りの刀を抜き、駆け出す。
 同時に周囲に集まり、物理で体当たり攻撃を仕掛けてくる兜風鈴。
 彼は走りながら刀を振るい、真っ二つに斬り落とす。その斬撃は一筋ではなく、二刀流の分だけ連撃を増し、複数戦では有利に働いた。
「耳障りな音聞かせるんじゃねぇ!」
 再び群れ強化のために音を発しはじめた個体に跳びかかると両断し、景明は着地する。その背に、別の兜風鈴が迫っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鞍馬・景正
――傾奇者たちの華美な装い、あれは裏腹に心が空虚なるが故と見た。
それに付け込んでの篭絡は卑劣と言わざる他ない。
敵将が誰であろうと、鞍馬の名にかけて斬らねばならん。

その為にも、押し通る。

◆突破
【ダッシュ】と【ジャンプ】で山城まで急行する。
立ち塞がる風鈴にのみ狙いを絞って、【鞍切】で道を空けて貰おう。
その音色を厄介と判断し、特に喧しいものは優先的に斬り捨てる。

もし拙く風鈴どもに群がられても、他の猟兵たちへの注意がその分だけ逸れるなら良しとしよう。

同様に苦戦している仲間がいるなら助太刀し、共に敵将まで罷り通る。

突出しすぎて背後や側面から不意打ちされぬよう警戒も厳重に、【見切り】も駆使していきたい。



仲間の背を取った敵影に迫り、同じく刀を携えた鞍馬・景正はそれを見事な一太刀で斬り捨てる。
「共に押し通るぞ」
 仲間へそう声をかけ、再び駆け出す動きは非常に身軽で素早い。
 しかしその耳は冴え、異様な程に騒々しいこの戦場にあっても、敵の発する音色の種別を聞き分けていた。
 彼は眼の前に立ちふさがる敵と、群れを強化する個体を優先的に斬り仲間を先導し先へと走っていく。
 しかしその胸中には、街で相対した傾奇者の存在がいまだ燻っていた。彼らは猟兵達に懲らしめられた後、武家に戻ると約束してくれたが。
 傾奇者たちのその華美な装いは、見た目と裏腹に心が空虚が故の行為なのではないかと、彼は推察する。そして、そんな若者の心に付け込んだ卑劣な手口を、景正は許せない。
「敵将が誰であろうと、鞍馬の名にかけて斬らねばならん」
 風鈴の騒音の中、口をついて出たのは決意の言葉。
 彼は刀の柄を握る手に一層の力を込め、眼の前に立ちふさがる敵をまた一体切断した。

成功 🔵​🔵​🔴​

御剣・刀也
山賊ども、良い所に城作ったな
しかもそこに行くまでに兜風鈴の山か
いいねぇ。面白い

兜風鈴が音を響かせ始めたら攻撃は読みやすくなるが攻撃力がどんど名がっていくので早めに潰す
共鳴させられたら逃げるより音のほうが早いと思うので突っ込んで攻撃する
死者を呼ばれたら邪魔されない限り無視して兜風鈴を攻撃する
兜風鈴も本丸へ向かうのに邪魔する奴だけを優先的に潰して、それ以外は目もくれず相手にもせず、本丸をただ一気に目指す
「一騎駆けは戦の華。邪魔する奴全部斬り捨てる!!」



「いいねぇ。面白い」
 仲間達が連携を強める中、そう声を上げていっそう足を早めたのは、御剣・刀也だった。
 彼は本丸に続く石段に入ってくる敵だけに集中し刃を振るう。その攻撃方法は敵の挙動を見るなり突っ込み斬りかかるという非常に荒っぽいものであったが、その行動には理由があった。
 今相対している敵は音を操るため、音から逃げるのは速度的に厳しい。ならば避けるより突っ込んでしまった方が早いという単純明快な理由が。
 そしてそれは、集団戦というスピードを要求される戦いにおいても成果を上げていた。
「一騎駆けは戦の華。邪魔する奴全部斬り捨てる!!」
 発する気迫は凄みを増し、そしてこの戦場を心より楽しんでいることが伺える。
 仲間から僅か突出し先を行った刀也であったが、しかし、石段を駆け上ったところで歩みを止めた。
 その目の前に、大門が構えていたからである。その門は重々しく閉ざされ、周囲の石垣からして容易に回り込めそうもない。
 本丸に向かうには、この門をなんとかして開けなければならないだろう。
「山賊ども、良い所に城作ったな」
 刀也がそう呟いてしまうほど、この城は防衛戦に特化したつくりになっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

日月・獏ノ進
単騎駆けをちょっと離れた位置で追えば先駆けに敵が目が向いて
僕への攻撃が手薄になるかなーと思ったけどそこまで悪くない手だったかな?

大門か、石垣に囲まれてガッチリと門は閉ざされてるぽい…
なら門にピタリと背中を預ければ
向こうから門や石垣を破壊してでもな攻撃もないだろうし、
むしろ敵の攻撃の方向は限られるから後からくる仲間と併撃が可能かも?
もしそんな攻撃をしてきたら門に当たるよう仕向けるか。

という訳で門の所から【アサルトウェポン】で風鈴に銃乱射。
そして距離を取ってくれたら占めた物、振り向き様の大門への
【接撃の計】を叩きこんで破壊を試みる。
壊せなかったらその時はその時、併撃狙いに徹底して次の人に託す。


マユラ・エリアル
防衛戦用の城か……攻略のし甲斐があるというものだ
さて、さっさとこんな門突破して頭目の所に行こうじゃないか
速攻で進む、風穴を開けるぞ


【POW】で戦闘
【トリニティ・エンハンス】を使用し自身を強化
攻撃力重視にしてルーンソードで門を攻撃
ルーンソードに炎の魔力を纏わせて焼き斬ってやろう

人一人通れる道が作れればいいさ、さっさと穴を開けるぞ
兜風鈴が此方を攻撃して来たら、ルーンソードで裁く
『見切り』や『カウンター』の技能を活用し、反撃で倒していく
まずは門を通れるようにする事を優先して行う

さあ、さっさと本丸に向かうとしよう
ここから先が一番大事なんだからな


御剣・刀也
ち。頑丈な扉だな
魔、此処をぶち壊してさっさと総大将の所に行きますか

兜風鈴が邪魔をしてきたら、あまりにしつこい、目につく奴は倒すが、それ以外は基本無視して城門を攻撃する
兜風鈴が集まってきたら、相手をするのをやめて城門の破壊に全力を尽くす
「どうせくたばるなら、後ろを向いてるより前を向いて前のめりに倒れてぇ」
兜風鈴の妨害がそれほどれもないのなら、目立って邪魔をする奴は斬り捨てて他は無視して扉の破壊を目指す



「ち。頑丈な扉だな」
 力を込めて大門を押し、並大抵のことではその門を開けられないことを確認した御剣・刀也はそうぼやく。真下に立って見上げれば、その大門の堅牢さを肌で感じることが出来る。
 ふっと響いた風鈴の音に、背後に迫る兜風鈴を振り返りざま斬り捨て、仲間が揃うまでその場を守るべく刀を振るいはじめた。
「単騎駆けをちょっと離れた位置で追えば、僕への攻撃が手薄になるかなーと思ったけど、そこまで悪くない手だったかな?」
 大門を見て、真っ先に行動に移したのは日月・獏ノ進だった。彼は刀也からは少し離れたところから石段を上ってきていたが、大門の姿に一計を案じることを思いついたのである。
「俺を囮にしてやがったのか」
 獏ノ進の言葉に刀也が反応する。
「単騎駆けの齎すメリットを活用しただけですよ」
 彼は刀也に追いつくと、そう軽口でかわしてピタリと門を背にして立つ。そして、アサルトウェポンを構えた。
 それは自動詠唱機構を備えた銃火器。小柄な獏ノ進にそのアサルトウェポンはやや大きいように傍から見れば感じられたが、彼は精確さと破壊力を併せもってこちらに迫ってくる兜風鈴を狙い一掃していく。
 門があって先に進めないということは、すなわちその門を背にしてしまえば背後を気にする必要がなくなるということ。気を一点に集中することで、より精確な攻撃が期待出来る。
「早くこちらへ」
 そう獏ノ進に援護されて石段を上りきったのは、マユラ・エリアル。彼女は青い瞳を大門に向けると、魔力を集め己の強化を図る。
「人一人通れる道が作れればいいさ、さっさと穴を開けるぞ」
 マユラが操り引き寄せるのは炎の魔力、水の魔力、そして風の魔力。まるで森羅万象を操るが如く、森の中で風がさざめき、彼女に味方する。
 マユラの自己強化に合わせて、刀也も大門の方へと向き直る。獏ノ進はこちらに迫る兜風鈴を攻撃し続け、牽制する役目を担った。
「どうせくたばるなら、後ろを向いてるより前を向いて前のめりに倒れてぇ」
「速攻で進む、風穴を開けるぞ」
 マユラと刀也は視線を交わし、無言の合図を送り合うと、魔力によって強化されたルーンソードと一閃の鋭い威力を放つ刀を同時に振り下ろす。
 一瞬の間の後、大門の一角が斬り落とされ反対側に抜け落ちた重々しい音が響き渡った。
「さっさと総大将の所に行きますか」
「ここから先が一番大事なんだからな」
 大門を抜け、再び襲い来る兜風鈴を薙ぎ倒しながら、マユラと刀也は我先にと先を駆ける。
 敵の突進してくる攻撃を見切り、受け流すようにして捌いていくマユラの立ち回りはどこか優雅だ。
 その二人の後を、僅かに離れて追う獏ノ進は戦距離はアサルトウェポンでの射撃、近くに寄って来た敵へは隠し持った小刀による高速の一撃を放つという二段構えで隙がない。
 そしてついに、猟兵達の眼の前に建物の扉が迫った。山に沿う形で建つのは形式上は平屋だが、その重々しさ、堅牢さは見るだけでも伝わってくる。
 彼らは山城の本丸へと辿り着いたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『美形な山賊頭領』

POW   :    行けっ!
【従わせた部下の山賊達】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    死ねっ!
【両手の鉄爪】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    皆殺しだっ!
【我を忘れる程の怒りに満ちた状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。

イラスト:ちゃろ

👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠犬憑・転助です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


本丸の扉をこじ開け内部へと侵入を果たした猟兵達の前に、頭領と呼ばれた男が待ち構えるようにして立っていた。その周囲には、手下と思われる山賊たちが控えている。
「見事な城攻めだったよ」
 山賊頭領、オブリビオンが猟兵達へそう語りかける。その面立ちは端整で、鳶色の美しい瞳が涼やかに場を眺めていた。
「だが、この場からは帰せねぇな」
 彼の両の手に装備された黒き鉄爪が、耳障りな金属音を発した。
御剣・刀也
帰せねぇ?
そりゃこっちの台詞だ
てめぇが帰る場所なんてねぇんだよ
悪党にも悪党の矜持があるならそれに準じて散れや

山賊を嗾けてきたら
「なんだ?自分で戦うことが怖いのか?腰抜けが」
と挑発する
挑発に乗って爪で斬りかかってきたら
「上等!!」
と真っ向から斬りあう
真っ向から斬り合って不利になってきたら強者との戦いを喜び、楽しみつつ、距離を取る
挑発されたら
「そんな下手な挑発じゃガキも釣れねぇぞ」
と逆に煽る
我を忘れるほどの怒りに満ちたら
(理性があるとは思えねぇな。何か法則があるはずだ)
と、冷静に相手の動きを見定め、速く動く物に反応してるのを見たら
なるほど。とそれを仲間に伝える



「帰せねぇ? そりゃこっちの台詞だ」
 山賊頭領の発した言葉を受けて、御剣・刀也が一歩前へと進み出る。
 本丸の内部は板張りの床に、丸太をそのまま使用した太い梁が特徴的で、幾本かの柱はあるものの間仕切りなどはない広い一室。今はただ、戦いのためにのみそこに存在していた。
「てめぇが帰る場所なんてねぇんだよ。悪党にも悪党の矜持があるならそれに準じて散れや」
 青い瞳で睨み据え言い放った刀也の言葉に、山賊頭領は笑い声を上げる。
「面白いことを言ったもんだ。俺の家はここ、そこに乗り込んで来たのがお前達だってこと、忘れんなよ……お客さん?」
 鉄爪をつけた腕を上げ、彼は周囲に従っている山賊たちへと指示を飛ばす。
「行けっ! 手数で攻めろ」
 応と威勢の声を上げ、山賊たちがその手にした刀を握りしめ、まずは突出した刀也へと斬りかかってくる。
「なんだ? 自分で戦うことが怖いのか? 腰抜けが」
 向かってきた山賊たちを迎え撃ち、刃を交えて攻防を繰り広げながらも、その意識は頭領の方へと向いている。
 一方挑発された頭領の方は、山賊たちの後ろで愉快そうに戦況を眺めているだけであった。どうやらその基質は愚かではないらしい。傾奇者達を、そして配下の山賊たちを誑し込むだけの才覚を併せ持っている。
 直接頭領との戦いに持ち込みたかった刀也だが、彼を直接動かすには、言葉による挑発ではなくそれ相応の攻撃手段を考えねばならないだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​

遠呂智・景明
「お邪魔しまぁすってな」
【錬成カミヤドリ】を発動。
周囲の山賊たちを牽制する意味を込めて部屋の各所に刺す。仮に近寄ってくれば【殺気】を込めて【恫喝】し刀で山賊たちを斬る。
「迂闊によると大怪我じゃすまねぇぞ悪党共よう」

自分は腰から【大蛇切・景明】を抜くと【風林火陰山雷 風の如く】を発動。
頭領に対して【ダッシュ】で懐に飛び込むと先攻を狙い斬りかかる。
もちろんタダで当たるとも思わない。【フェイント】を混じえながら【2回攻撃】による連撃。そして隙を見せれば【風林火陰雷風の如く】の一撃を叩き込む。

「さあ、かぶこうぜ!」
敵からの攻撃は【見切り】【残像】を用いて回避する。


マユラ・エリアル
なんだなんだ
客に茶も出せないのか此処の頭目は
まったく最近の若い山賊はなっちゃいないと、近所で評判の山賊が言うのも分かるな
まあ嘘だが

●戦闘
距離を取って戦闘
【氷刃展開】を使用し氷の刃を形成
遠距離より頭領に対して攻撃を行う
攻撃をする際には、無数の氷刃で周囲を囲むように攻撃
致命傷は与えられなくても、足を攻撃したり凍らせたりして行動を阻害する

悪いが其方の間合いに付き合う気は無くてな
遠距離から削らさせてもらう

早く動く物を攻撃するようなので、攻撃用とは別に氷刃を囮として素早く動かし頭領をかく乱し此方の攻撃を当てやすくする

さて、氷刃の檻に囚われて貰おうか
さあ、スタイリッシュに決めようじゃないか


鞍馬・景正
随分と陋劣な策を弄する輩と思っていたが、鶏口程度の器はあるようだ。
――まずは配下たちを一掃する。玉を取るのはその後だ。

◆行動
部下たちから優先して攻撃。
ただしオブリビオンでないなら命は奪わず、気絶させるに留める。

脇差も抜き、二刀となって【鞍切】による【なぎ払い】【2回攻撃】で対処していこう。
――鞍切は基本にして奥義なれど秘太刀に非ず、剣術のすべてを動員した打ち。自然夢想にて繰り出すのみ。

また、乱戦で包囲されぬよう、柱を背に後ろから急襲されぬよう警戒も欠かさず。

頭領を優先して狙う仲間がいるなら、配下たちを積極的に【おびき寄せ】て横槍の入らぬよう微力ながら援護致す。


一郷・亞衿
魔法攻撃なら手下無視出来るかな?と思ったので、金属バット([ウィザードロッド]相当品)を掲げて魔法の矢を飛ばし、猟兵達の援護を行います。
ボスがこちらの事を鬱陶しがって直接接近戦を仕掛けて来たら、それに合わせて《プレデター》を使用。【冒涜的な形状をした展開式リストブレイド】を召喚し、<だまし討ち>めいた一撃を放ちます──が、これはブラフ。最悪避けられても良い。

「……本命はこっちだっ!」
自分なり味方なりの攻撃で相手が【焦燥】したらすかさず《未詳生物:オルゴイコルコイ》を使用!【強酸性の毒液】での装備破壊を狙います。

装備壊せたらとどめは他の人に任せようかな。切った張ったはそんなに得意じゃないしね。



「随分と陋劣な策を弄する輩と思っていたが、鶏口程度の器はあるようだ」
 攻防のやりとりを見た鞍馬・景正は、そう冷静に判断を下す。
「お邪魔しまぁすってな」
 一方、お客さんと言われたことを受けて、遠呂智・景明は茶化しながら室内へと踏み込んだ。
 そしてそれと同時に、携えた刀と同じものをいくつも複製すると周囲の山賊たちを牽制するように部屋の各所へと突き刺していく。
「なんだなんだ、客に茶も出せないのか此処の頭目は。まったく最近の若い山賊はなっちゃいないと、近所で評判の山賊が言うのも分かるな」
 景明に呼応し言葉を続けるのはマユラ・エリアル。
 彼女は山賊たちに近寄ることなく、数多の氷を纏った刃を宙へと浮かべる。
「え、そんな噂が立ってるの? っていうか、近所で評判の山賊って何」
 すかさずツッコミを入れた一郷・亞衿は金属バットを掲げ、マユラに合わせるように炎を纏う魔法の矢を準備する。
「嘘だが」
「嘘なんかい」
 軽口をたたき合う彼女達だが……否、だからこそ、だろうか。彼女達の連携は息が合っていた。
「悪いが其方の間合いに付き合う気は無くてな」
「ウィザード・ミサイル!」
 二人が頭領へ向け金属バットを、魔法剣を向けたと同時、マユラの氷の刃、亞衿の魔法の矢、合わせて膨大な数となったそれらが一斉に彼らへと襲いかかる。
 氷と炎入り混じったその攻撃はまるで雨のような弾幕を齎し、この場を制圧していく。
「くそ、皆殺しだっ!」
 頭領が怒りを顕に叫び、その身に纏うオーラを変化させる。しかし。
「まずは配下たちを一掃する。玉を取るのはその後だ」
「迂闊によると大怪我じゃすまねぇぞ悪党共よう」
 女性陣の援護を受けて、景正と景明の二人がすかさず身を翻す。
 お互いの携えているのはそれぞれの自慢の太刀。
 景正は脇差も抜き、こちらに対応しようと斬りかかってくる山賊たちに向かって刃を振るう。
 素早い身のこなしで敵を翻弄しながら、長短の武器をそれぞれに使い分け連撃を繰り出し、瞬く間に山賊たちを床の上に沈めていく。
 しかしそこが一面の血の海にならないのは、彼が斬りつけているのが刃の方ではなく峰による打ち技だからである。
「鞍切は基本にして奥義なれど秘太刀に非ず、剣術のすべてを動員した打ち。自然夢想にて繰り出すのみ」
 景正の語る技の美学に、景明がひゅうと口笛を鳴らす。
「やるねぇ景正、刀が喜んでるよ」
 そして彼らの間で、戦法は無言の裡に交わされた。
「速きこと風の如く。さあ、一瞬だ」
 景正が山賊たちを抑えている中、景明が頭領へと神速で駆け寄り懐へと飛び込むと目にも留まらぬ速度で斬りつける。
「ッ……!! 調子に乗ってんじゃねぇぞ!!」
 確かにその一撃は頭領の身を裂いた。しかし、一撃で倒れる程彼も軟ではなく、至近距離に寄った景明へと鉤爪を振り下ろす。
「氷刃の檻に囚われて貰おうか」
 その瞬間響いたのはマユラの声、そして頭領と景明の間に割って入るように差し込まれた魔法の刃。
 怒りによる自己強化でその能力を爆発的に向上させていた頭領は、その副作用でマユラの放った囮に鉤爪を取られる。そして景明は無傷で距離をとることに成功した。
「なんだと……」
「次はこっちだっ!」
 頭領が驚きの声を上げた瞬間、亞衿が金属バットを振るいその場に召喚したのは、凶悪な外見を持つ巨大なミミズ状の生物、デスワーム。
 それは街でも傾奇者達を脅すのに使用したものだが、しかし、あの時と違うことが一つ。
「やれ、デスワーム!」
 彼女が命じると、デスワームはその鎌首を擡げ、頭領へ向けて強酸性の毒液を吐きかける。
 それは頭領の身を焼き、彼の身を守っていた装備を破壊する。
 この間、頭領に忠誠を誓う山賊たちが一切の妨害を仕掛けられていないのは、景正がその相手を一手に引き受けていたからである。
 乱戦の最中でも柱に背を預け死角を生まない立ち回りは見事の一言。
 こうして、戦いは終焉へ差し掛かる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

佐田・忌猿
寝ている内に道具屋に売られ、棚に飾られながらずっと眺めていた。
最初はただのうっぷん晴らしだった傾奇者の奇行。
太平の世に血の滾りを発散する場所もなく鬱屈していたのもわかる。
それは自分で抱え消化していくしかない事だ。
後押し、取り返しのつかない場所に踏み出させようというのは悪事である。
許し難し!

今回は装着者がいなかったので、ふよふよと移動するしかなく出遅れた。
だが敵頭領との決戦に間に合った。

「佐田の忌猿、推参!」

化身体を構成し手刀と蹴りに苦無で戦闘に参加する。
隙があれば上空に吹き飛ばし、ジャンプからその首に足をかけてのニードロップを狙う。
外れても地形を変える効果で仲間の支援が出来れば幸いだ。



一時、話を過去に遡らせよう。
 佐田・忌猿は、傾奇者達がうっぷん晴らしをはじめた頃から事の次第を全て見ていた。彼は街の道具屋の飾り棚にずっといたのだ。
 彼は体を持たない仮面だった。人が装着すれば顔の上部を隠す鬼仮面。
 昼寝をしている内に気がつけば道具屋に売られており、棚に仕舞われてしまったからついぞ行動が出遅れた。しかし傾奇者と頭領との関係には思うところが深い。
(太平の世に血の滾りを発散する場所もなく鬱屈していたのもわかる。それは自分で抱え消化していくしかない事だ)
 長き時を経て、そして数多の人の無念を受けて変化した忌猿はそう若者たちへ理解を寄せる。
(しかしそれを後押しし、取り返しのつかない場所に踏み出させようというのは悪事である。許し難し!)
 場面は今へと移る。

 本丸の戦いが繰り広げられている空間、装備を破壊された頭領の眼の前に、まるで風に流されてきたかのように仮面が舞い込んだ。
「佐田の忌猿、推参!」
 そして仮面から生えるように生成されたのは化身体。
「天より下されし廣矛の御魂をここに……オブリビオン滅すべし!!」
 宙に突如出た彼は、そのまま頭領目掛けて強烈な踵落としを見舞う。その衝撃は凄まじく、頭領もろとも本丸の床さえも砕いた。
 それは、突然の終幕であった。しかし全ては、仲間の築いた布石あってのもの。静寂の後、場は勝利に沸いた。

 そうして、事件は落着を迎える。
 頭領に従っていた山賊たちは全て捕らえ、街の奉行に引き渡した。
 騒ぎを起こしていた傾奇者達はすっかり心を入れ替え……るところまではいかないだろうが、それぞれの武家に戻った。
 街は平穏を取り戻したが、新たな事件が起きたと騒ぎになった。
 道具屋から、高価な仮面が盗まれたらしい。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月02日


挿絵イラスト