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邪神が来りて狂気は芽吹く

#UDCアース

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#UDCアース


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 村民よりも野生の鹿やイノシシの方が遥かに多いであろう辺境の村。
 朝の村内。ごみ捨て場付近には、井戸端会議にふける主婦たちの姿があった。
「そうなのよ~、うちの子も鳥のお化けを見たって言うの!」
「あら、みゆちゃんも?」
「不気味よねぇ……大園さんのところに人が出入りし始めてからじゃない?」
 3人の主婦たちの話題の中心は、村では大地主として知られている大園家の変化についてだった。
「それって、例の宗教の人たちでしょ~?」
「大園さんの家も気の毒よね……不妊症で悩んでるとは聞いてたけど、それで――」
「娘が変な宗教にはまるなんてねぇ……」
「外から来た旦那さんの入れ知恵じゃないの? よそ者が来るとろくなことがないわね!」
「本当よね~」
「うちの旦那がね、深夜に大園さんの屋敷の裏の方から、焚火の煙が上ってるのを見たとか言ってたわよぉ」
「なんか怖いわよね~、はやく出て行ってくれたらいいのに」


「猟兵の皆さん、よく集まってくださいました!」
 グリモア猟兵の1人、プルミエール・ラヴィンスによってグリモアスペースに招かれた猟兵たちが顔をそろえる。
 『クリーチャーが現れる未来を予知しました』と切り出すプルミエールは、グリモアから映し出されたUDCアースの未来について語る。
「ある辺境の村に、『牙で喰らうもの』と呼ばれる邪神を復活させようとする動きがあるようです」
 村民たちの噂の的である大園家には、最近村民以外の人間が頻繁に出入りするようになった。怪しい新興宗教に入れ込んだ長女は教団関係者を招き入れ、村民たちを不安にさせている。
「ここの村の人たちは閉鎖的な考えの方ばかりで、よそ者はとにかく信用できないというスタンスですね。外から来た皆さんのことを、教団の関係者と疑う人もいるかもしれません」
 村民は外部の人間にそれほど友好的ではない。大人ほどその気色が強いだろう。
「その大園さんのお屋敷の付近では、子どもたちが鳥のお化けを見たと口々に訴えています」
 村には廃校寸前の小学校があり、全校生徒の数は2桁に満たない。子どもたちから情報を聞き出すことも可能かもしれない。主に校庭が子どもたちの溜まり場になっている。と説明を続けるプルミエールは、
「『牙で喰らうもの』は、生物を喰らう事で、無限に成長する暴食の邪神です」
 邪神の復活を懸念し、『牙で喰らうもの』について更に言い添えた。
「都市1つを喰らい尽くすほどに成長することもあるそうです。しかし、復活を遂げたばかりの段階であれば、その脅威は不完全なものです。皆さんの力を合わせれば、邪神の復活を阻止できるはずです!」
 大園家の敷地内で不穏な動きがあることは確かだ。村民だけに限らず、屋敷に出入りする信徒を捕まえてうまく口を割らせれば、儀式の詳細についても判明する可能性がある。


夏雨
●『UDCアース』の世界、現代の地球へ向かいます。
 儀式場に潜入し、邪神復活を阻止しましょう。成功条件は儀式を阻止する、または邪神の撃破です。

●周辺の調査を行い、大園家についての情報を聞き出そう。
 行動内容にも左右されますが、『腕力』などで口を割らせる場合は【POW】、怪しい場所に忍び込むなど、『隠密行動』を心がける場合は【SPD】、『知性』を駆使し、話術などによって情報を聞き出す場合は【WIZ】の値が成否基準にもなります。

 個性豊かな猟兵の皆さんの参加をお待ちしています。
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第1章 冒険 『閉鎖的な村』

POW   :    腕力などの力を誇示する事で情報を引き出す

SPD   :    村の要所に忍び込む等して情報を調査する

WIZ   :    村人との会話で必要な情報を引き出す

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ライズ・シャロウブリッジ
信徒の人間に話を聞くというのも選択肢の一つ…ともすれば、教団とのこともあるし、宗教画とかの概念もあるかも。
という訳で、宗教画家を装って「こちらで儀式を行うと仲間から聞いた。儀式の様子を絵として残し、広めることで信徒を増やしたい。ぜひ詳しい話を聞かせてもらえないか?」と言って信徒の味方のふりをして細かい開始時間や方法、(儀式を行う上で)気を付けなければいけないことを聞き出してみたいな。
聞かせてもらった情報は当然、その儀式を止めるために使わせてもらうんだけれどもね。
もし疑われるようなら、自分でその邪神の絵を描いて実力を証明してみようか。うまくいけば信じてもらえるかも。



密かに邪神復活の儀式が進行しようとしている村内を探索すれば、まばらな村民からはどこか冷ややかな視線が突き刺さる。よそ者を警戒する閉鎖的な村の空気に触れつつ、ライズ・シャロウブリッジ(ペイントドリーマー・f00080)は大園家の周辺の様子を窺っていた。
 村民たちは妙な宗教にかぶれた大園家を敬遠しているようだが、ライズは1人の男が大園邸付近をうろついていることに気づく。黒ずくめのその男は、屋敷の周囲を見回っているようにも見える。
 男が信徒であるなら、儀式についての情報を聞き出そうと、ライズは接触を試みた。
「失礼だが、こちらで儀式を行うと仲間から聞いた」
 怪しむ男に対し、ライズは宗教画家であることを装う。
「儀式の様子を絵として残し、広めることで信徒を増やしたい。ぜひ詳しい話を聞かせてもらえないか?」
 疑念を募らせる男は「あんた、どこの支部の人間だい?」とライズを追及しようとする。しかし、ライズは透かさずスケッチブックを取り出すと、
「ぜひ邪神の姿をこの目で見たい。儀式の開始はいつだ? どんな条件が必要なんだい?」
 『牙で喰らうもの』から連想される姿を描いた邪神の絵を男に見せた。
「これは……」
 男は吸い寄せられるようにライズの絵に見入る。画家というのも納得の腕前を見せられ、男はライズの描く禍々しい邪神の姿に感銘を受けたようだが、
「腕は確かなようだが、末端の俺の一存で決められることではないんでね」
 儀式への参加を拒む意志を示した。
「今夜行われる儀式のことで、ここに出入りしている人間は過敏になっている。うかつに近寄らない方が身のためだぞ」
 男が脅し文句と共にもらした儀式の時間を、ライズは聞き逃さなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

田中・ストロベリー
これだけ大きなお屋敷なら、裏口もあるよね?そこからこっそり入って、焚き火の跡から何を燃やしていたか探ろうかな。何か見つかればそれを持って一時屋敷から撤退、何もなければ…鳥のお化けが気になるから、空も気にしながら屋敷の構造や不自然なところがないか探していこう。こっそりね!




 表から見る限り、大園邸に特段変わった様子はなかった。
 ライズが信徒の注意を引いている間に、田中・ストロベリー(🍓・f00373)は大園邸の裏側へと回り込み、敷地内に侵入を果たす。屋敷の裏側にも広い庭があり、以前は家庭菜園があった痕跡が見受けられる。踏みならされた裏庭全体を見渡せば、焚火の痕跡が点在していることがわかる。その痕跡を探ろうとするストロベリーは、塀に沿って慎重に足を運ぶ。
 留守の状態なのか屋敷に人の気配はなく、すべての雨戸やカーテンが閉め切られている。見つからないよう周囲を警戒していたストロベリーは、再度焚火の跡を観察する。円を描くように複数の痕跡があり、その中央には焦げた鉄の棺桶のようなものが置かれている。
(「ここが儀式場で間違いなさそうね! で、あの箱みたいなのは何かしら?」)
 棺桶の中が気になるストロベリーは、素早い動作で中を覗きに向かう。中には何かの燃えカスが残されていて、ストロベリーはあるものに視線を吸い寄せられた。
 煤だらけの人間の歯が棺桶の隅に転がっているのを見つけ、邪神復活の儀式の一端に触れたストロベリーは怖気立つ。
(「何なの、これ……! 他を調べてる皆にも伝えなきゃ」)
 ストロベリーは速やかにその場を後にする。
 塀の向こうへ戻ろうとしたストロベリーだが、ふと庭に根付いた大樹の根元に目を向けた。そこには黒い鳥の羽が散乱していた。
(「まさか、鳥のお化けのものなの?」)

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャガーノート・ジャック
(ザザッ)牙を喰らう、とは大層な名前だな……何にしても調査をしなければ始まらないか。//(ザザッ)本機はSPDを活かし村の要所に忍び込む形で調査を行うとする。忍び込む先は一番良いのは大園家に直接……なのだろうけれど、時期尚早ならば「井戸端会議をしていた主婦3人の家、もしくは村内の役場か警察等村人が有事の際に頼りそうな施設等」に潜入する事としよう。村民に気付かれない様拙速な行動を心がけ諜報に当たる。仮にグッドナイス・ブレイヴァーで他参加者に状況を見せ、わかりやすく諜報内容を共有できるならその様にしよう。
本機の行動指針は以上だ。オーヴァ。(ザザッ)




 村内にある駐在所では、高齢の男性2人が巡査と話し込んでいた。
「孫は不審者が鳥の化け物に見えたのかもしれんじゃろ?」
「なんとかならんかのぅ」
 暇を持て余した隠居老人2人に付き合う困り顔の巡査。田舎の日常の風景かと思えば、老人の訴えは切実なものだった。
「考蔵さんの小学生の孫は、化け物に襲われそうになったちゅうて、引きこもってしまったんじゃ」
 考蔵老人の友人は、その孫の現状を語る。
 ジャガーノート・ジャック(オーバーキル・f02381)は駐在所の塀の影に隠れて息を潜め、3人の会話を盗み聞いていた。
「化け物の正体がわかれば、孫も立ち直ってくれると思うんじゃが……」
「最近、大園さんのところにも妙な連中が出入りしとる……子どもらにもしものことがあったらどうするんじゃ!」
 ジャガーノートは老人たちの話の内容を考察する。
(「鳥の化け物、か……大人たちには認知されていない存在のようだ」)
 唸るように相槌を打っていた巡査だが、「わかりました! 夜の見回りを強化しましょう」と老人たちに約束した。
 ジャガーノートは遠くに見える校舎をしばらく見つめ、駐在所から離れていく。
(「校庭に向かった者もいたな……こちらの情報と比較する必要がありそうだ」)

大成功 🔵​🔵​🔵​

曙・ひめ
「この村を訪れるのは、初めてでして…」
村に来た旅芸人の一座と名乗って、校庭に参ります。
同年代の村の子どもたちに接触して、話術で情報を得られるか試みますね。
笑顔で、村の外の話をしたり、村のお話をきいたり、戦巫女の神楽舞を披露したりして、打ち解けられるように努めましょう。
「わたくしたちの一座は、大園さんのお屋敷の方に滞在することになっていると村長さんより伺ったのですが…。どのような方なのでしょうか?」
と、自然に話の話題を本題の大園さんのお話に持っていきましょう。そのまま、大園さんのお屋敷についての話を聞き出したいと思います。


朝凪・深月紅
子供たちが見た姿、直接聞けばより詳しく場所や姿、印象なども教えてもらえそうですね。
ただ聞くだけというのでは教えてもらえないかもしれませんし、大道芸人を装い、からくり人形と私で芸を披露、楽しませてからお話を聞いてみましょう。
場所は放課後、小学校の校庭がよさそうですね


ウサコ・ブラック
難しいことはよくわからないけど、とりあえずは「突撃!隣の小学校」って感じで、小学校のみんなと遊ぶのよ!
あんまり子供の数も多くないみたいだし、私がいればいろんな遊びができるかも!仲良くなれるといいな!
仲良くなれたら大園さんのお話を聞いてみたいのよ。

仲良くなっても教えてくれない?
そんな時は子供たちと勝負よ!ママからもらった今日のおやつをかけて!
競技は腕相撲がいいのよ、まさか6歳の女の子に勝負を仕掛けられて逃げる子はいないのよ。
勝負で勝ったらいろいろ教えてね。

戦闘はなさそうだけど、なにかあったら灰燼拳でぶん殴るのよ




 村の小学校の校庭には、小学2年生から5年生ほどの子どもたちが数人ほどたむろしていた。
「この村を訪れるのは、初めてでして……大園さんのお宅はどちらでしょう?」
 各地を旅する芸人一座の1人を装う曙・ひめ(紅飛蝶・f02658)は、子どもたちに接触する。
 華やかな着物を着た見慣れない少女、ひめに対し不思議そうな表情を向けながらも、子どもたちは校庭からも見える大きな屋敷を素直に指し示した。
 ひめと共に校庭を訪れた朝凪・深月紅(妖狐の人形遣い・f02133)は、
「ありがとうございます。お近付きの印に、私たちの芸を披露させてください」
 自らのからくり人形を従え、示し合わせたひめと視線を交わす。
 戦巫女の神楽舞を踊るひめに対し、からくり人形を操る深月紅はひめの動きに合わせ、人形に振り付けを真似させた。
 まるで生きているかのような人形の動きと、シンクロするひめの舞いに子どもたちの視線は釘付けとなる。
「すごーい!」
「どうなってるの!?」
 歓声をあげる子どもたちの心をつかんだところで、ひめは真の目的を果たすために子どもたちに尋ねた。
「わたくしたちの一座は、大園さんのお屋敷の方に滞在することになっていると村長さんより伺ったのですが……。大園さんは、どのような方なのでしょうか?」
 再び『大園』の名前を出すと、子どもたちは水を打ったように静まり返る。
「大園さんの家には……鳥のお化けが出るんだよ」
 小学2年生くらいの女の子が、もじもじしながらも答えた。
「それは怖いですね。一体どのようなお化けなのですか?」
 努めて優しく聞き返す深月紅に対し、子どもたちは口々にお化けの存在を訴える。
「本当にいるんだよ!」
「りょうちゃんが食べられそうになったの!」
「鳥のお化けはおっきくて、気持ち悪い顔がついてるんだ!」
 しかし、そんな子どもたちを止めようとする存在が1人現れた。
 『やめるんじゃ、みんな!』と鋭く声をあげたのは、子どもたちの中でも最上級生と見受けられる少年。
「こいつら、大園さんちと関わってるちゅーことは、お化けの手下かもしれんぞ」
 騒然となる子どもたちだが、1人の女子は言った。
「でも、いい人そうだよ、ショウちゃん……」
 『ショウ』と呼ばれた厄介そうな少年を見つめ、深月紅は心中でつぶやいた。
(「たくましい想像力の持ち主ですね……」)
「他の奴はだませても、俺はだまされねえぞ!」
 疑ってかかるショウ少年に対し、2人について来たウサコ・ブラック(ふわふわじゃなくてベトベトになった・f05324)は物申した。
「私たちのどこがお化けの手下に見えるのよ!」
 愛らしいウサギの姿でもありながら、ウサコのブラックタールの風体は説得力に欠けるものがある。しかし、特異な力によって、ウサコたちの姿は世界の住人に違和感を与えず、子どもたちは補正された姿だけを見ている。
「私たちはそんなお化けなんてへっちゃらなくらい強いんだから!」
 そう言って胸を張るウサコは、ショウに勝負を挑んだ。
「腕相撲で証明してあげる! この勝負に私が勝ったら、もっとお化けのことを教えてもらうよ」
 渋る素振りを見せるショウに対し、ウサコは更に条件を出す。
「ただでとは言わないよ? あなたが勝ったら、私のママのおいしい手作りおやつをあげちゃうよ!」
 ウサコはプライドをへし折らない程度に手加減をしながら、俄然やる気を出したショウの相手をする。6歳の女の子と言えど、猟兵であるウサコには到底敵わない。
 決着がつく最後まで粘ったショウは、年下の女の子に負けてしまい、悔しさを露わにした。
 ひめは誠心誠意、悪意がないことをショウに向けて伝えた。
「わたくしたちに任せてください。皆さんに悪さをしないよう、お化けを(物理で)説得してみせますから」
 ショウを含む子どもたちは、ぽつぽつとお化けに遭遇した経緯を語り出した。
「母ちゃんに怒られると思って、話してないことがあるんだ」
「私たち本当はね、夜にこっそり抜け出して、大園さんちの裏庭で何を燃やしてるのか見に行こうとしたの」
 子どもたちにとってはほんの肝試し感覚だったが、率先して大園邸に近づいた子は襲われかけ、あまりの恐怖に外に出られなくなったという。
「お化けは夜になると出てくるんじゃ」
「お化けはね、子どもの声で私たちを呼んでたの」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『嘲笑う翼怪』

POW   :    組みつく怪腕
【羽毛に覆われた手足】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    邪神の加護
【邪神の呪い】【喰らった子供の怨念】【夜の闇】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ   :    断末魔模倣
【不気味に笑う口】から【最後に喰らった子供の悲鳴】を放ち、【恐怖と狂気】により対象の動きを一時的に封じる。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


各々の猟兵たちが集めた情報を照らし合わせた結果、夜を待って大園邸に向かう流れとなった。
 夜中になり、焚火の煙が上がる屋敷の前までたどり着くと、何やら読経のような声が裏庭の方から響いてくる。儀式が行われていることを確信する猟兵たちだが、聞こえてくる声はそれだけではなかった。
「お母さん、お母さん」
 それは明らかに子どもの声であった。周囲の暗闇に目を凝らす、あるいは持ち寄った光源で声の主を照らそうとする者もいただろう。
「お母さん、お母さん」
 不自然に繰り返されるその声は、頭上を旋回し始めていた。
 猟兵たちを見下ろす影は、子どもたちが見たという鳥のお化けの姿だった。漆黒の翼を広げた鳥の体には、薄気味悪い笑みを浮かべた人間の顔があった。虚空の闇に染まったがらんどうの両眼が、猟兵のひとりひとりに向けられる。
 5体の翼怪が猟兵たちに狙いを定め、その頭上を旋回し始めていた。
 大園邸内に踏み入ろうとすれば、クリーチャーが行く手を阻む。猟兵たちはどう対処するだろう。
ジェット・ラトリオック
(トリモドキか…何でもいい。)
俺は俺に、出来ることを。

【拷問具:断割鉈】を鞭のように変形させ、「怪力」「ロープワーク」「早業」を併用して、命中率重視で攻撃。
集団に対しては「なぎ払い」で対処。「二回攻撃」も利用し、追撃で「傷口をえぐる」。
「逃げ足」も使用して、敵からは距離を取りつつ戦闘を行う。

強化に対してはどうしようもない。強化された個体を集中攻撃で対処。

断末魔だけは無しだ。許せない。
「気合」「呪詛耐性」そして「覚悟」を使い、無理矢理にでも動く。
敵が油断し接近してきたなら、その面に鉄鉈を全力で叩き込んでやる。




(「トリモドキか……何でもいい」)
 大園邸の儀式場を急襲するために加勢しに来たジェット・ラトリオック(黒玉の蛸・f01121)は、躊躇することなく大型の鉈を抜き放つ。
 俺は俺に出来ることを――。
 バケツを逆さにしたような鉄兜の下の表情がどれほど冷徹なものか、ジェットの所作から推し量ることは難しくない。
 猟兵としての能力を発揮するジェットによって、細く裂けていく刃の一部はロープ状に伸び出し、ムチのように振り向けられた。クリーチャーの翼に巻きつくと、その両翼を容赦なく切り落としていく。ジェットのムチさばきによって両翼を削がれた1体は、悲痛な声をあげながら地面の上をうごめき続けた。
 敵味方入り乱れる中、鉈をさばくジェットは群がろうとするクリーチャーを振り払い、決して寄せつけようとしない。
 しぶとく這いつくばるクリーチャーは、子どもの断末魔のような叫び声を発し、ジェットの精神をかき乱してその動きを封じにかかる。しかし、鉈の柄をきつく握り締めるジェットは、奥底からせり上がった狂気をどうにか押しとどめ、目の前に迫ったもう1体の横面をなぎ払った。
 クリーチャーは地面に転がされ、ジェットは何にも惑わされない気構えを見せつける。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジャガーノート・ジャック
(ザザッ)(ピー)(ガガ)――一体幾人の子供の命を奪った。貴様らと貴様らの主を殺す。

(ザザッ)SPDで速やかに攻略する。使用するのは「クィックドロウ」。
1秒間に15弾、「二回攻撃」の使用で更に倍の30弾。単純計算で1秒あたり一体につき6弾は敵の体に叩き込める計算となる。
「スナイパー」の使用で命中精度も向上させる。
この弾幕を持って敵を攻撃、敵の殲滅もしくは被弾による行動力の低下を狙う。撃ち漏らした敵の処理は友軍に任せる。

(ザザッ)――子供を虐げる者は何人であれ許しはしない。狩られる恐怖をその身に刻め。

――本機の行動指針は以上、これより任務の遂行を開始する。オーヴァ。(ザザッ)


朝凪・深月紅
すぐにでも儀式自体を止めに行かなくてはならないのですが……
とても気分の悪くなる鳴き声……子供たちの不安の元凶にもなる訳ですね。
こちらを見つけているようですし、すぐに終わらせて進みましょう。


からくり人形にサムライブレイドを持たせた状態で伏せ奇襲を狙います。
奇襲後はわざと狙いやすいように見せつけて、
相手を出来る限りまで引き付けつつ
力を抜き直撃を受けないように精神を集中させ、
からくり人形によるカウンターを狙っていきます。

使用技能:誘惑1、フェイント1、残像1




 不意を突くように飛び出した朝凪・深月紅のからくり人形は刀を構え、深月紅の十指の動きに従ってクリーチャーへと斬りかかる。相手の攻撃を引き付け、それをはね除ける勢いで攻撃に転じる鮮やかな刀さばき。
 1体のクリーチャーは凄まじい速さで刃を翻す人形から、深月紅に狙いを移す。深月紅は脱力するほどに無心の状態で攻撃を受け止めたかと思えば、その反動はすべて吸収される。深月紅とつながる人形はそれらすべてを攻撃の糧とし、至近距離に飛び込んだクリーチャーを刺し貫いたうえで激しく突き飛ばした。
 深月紅は涼しい表情で服についた羽毛を払い落としながら、
「子どもたちの心に平穏を取り戻すためにも、すぐに終わらせます」
 ジャガーノート・ジャックは芋虫のようにうごめいていたクリーチャーの1体にもとどめを刺し、次々と襲いかかるクリーチャーの間をすり抜けていく。
 黒豹を連想させられる機械鎧の姿を模した肉体に、電子の心を持つジャガーノート。残る4体のクリーチャーも確実に葬ろうと、ジャガーノートの銃は絶えず硝煙を吹かす。ジャガーノートの銃口は対象を穴だらけにするまで捉え続け、連続で放たれる熱線が2体のクリーチャーを次々と追い詰めていく。
 引き金を引く合間に、ジャガーノートはノイズ混じりの声でつぶやいた。
「――子どもを虐げる者は何人であれ許しはしない。狩られる恐怖をその身に刻め」
 大園邸前での交戦を気取られていても不思議はないが、儀式の進行はどれほどのもなのか。裏庭からは、絶えず信徒たちの声が響いていくる。
 たちまち2体が残るのみとなったクリーチャーたちだが、焦りを募らせる猟兵たちを前に、その禍々しいオーラを発散させた。ボタボタと血を滴らせ、自傷と引き換えに並みならぬ邪神の呪力を引き出そうとする。
 ジャガーノート、深月紅を始め、一層の覚悟を持って相手に挑む猟兵たち。強化された状態のクリーチャーにも決して引けを取らない。ジャガーノートは相手を撃ち損じないように努め、深月紅の反撃に怯む対象に連射を浴びせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ウサコ・ブラック
邪神とガチンコバトルもいいけど、ここは儀式を邪魔して復活を阻止するのよ。
儀式は焚火と読経がキーなのかしら?
とりあえず焚火を消して、ワーワー騒いじゃうのよ!読経してる人がいたら軽くぶったたくのよ、うるさい!ってね

ギャーギャー騒いでいたら案の定クリーチャーが飛んできたのよーー
とりあえずにゅういんでぶん殴ってパワー勝負するのよ

あと、焚火を消しちゃうと光源がなくなりそうだからヘルメットライトを装備していくのよ。夜のクリーチャーだったら光を嫌がったらしないかしら?


田中・ストロベリー
ここで、遮二無二お屋敷に突っ込めば、生け贄にされちゃった人を助けられるかも知れない。でも、もしタッチの差で邪神が召喚されてしまったら…鳥のお化けと邪神、いっぺんに相手しなくちゃいけない、って訳ね。
…超!高速で!お化けをやっつけて儀式も邪魔して、生け贄にされちゃった人のことも助けるよ!

勝負はスピード命。あんまり…使いたくはないけど、ユーベルコード魔力解放を使って短期決戦に持ち込むよ。相手に飛ばれたら風の刃で追撃、もしくはフック付きワイヤーで引きずり落とせないか試してみるね。
もし先にお屋敷に突入する人がいるなら、全力でそのバックアップに回るよ。
ここで、お化けは全部倒す!




 両者の攻撃が交錯する中で、ウサコ・ブラックは儀式の妨害をしようと大園家の敷地内に踏み込み、裏庭へと突き進む。田中・ストロベリーはウサコを阻止しようとするクリーチャーの動きに目を光らせる。
「ただ只管の沈黙。私の古い悲しみ。夜明けの薄明すらも届かぬ深淵の王よ。すべては過ぎ逝くものなればこそ─―」
 早急に片をつけようとするストロベリーの周囲には、詠唱が進むと共に気流が現れ出す。
「約定に従いて、我に風の加護を」
 やがてその気流はたなびくマントの形を結び、風を操る力を顕現させる。
 ウサコの背後へと滑空し始めた1体のクリーチャーを狙い、ストロベリーは風の刃を放った。勢いよく吹き飛ばされるクリーチャーを追撃に向かうのと同時に、戦闘域は裏庭を見通せる場所まで遷移していく。
 ウサコは真っ先に裏庭を見通した。大きな円を描くように燃やされる炎に、その炎を囲むようにして呪文を唱え続ける黒ずくめの信徒たちの姿。炎の円の中央にある鉄の棺桶にも火がくべられ、より大きな火柱が立ち昇っている。
 ウサコは果敢に焚火の一部を蹴散らすが、信徒は誰1人気にも留めず、一心不乱に呪文を唱え続ける。その時、棺桶の中から何かが動くのが見えた。駆け寄ったストロベリーも同時にそれを垣間見る。棺桶の中で炎に包まれてもがく人の腕が、常軌を逸した邪教の全貌を物語っていた。
 凄惨な光景にも戦いている暇はない。一刻もはやく儀式を中断させようと、
「うるさーい! やめないなら、お仕置きするのよ!」
 ウサコは叱りつけるように信徒の1人をビンタしたが、それ以外の信徒はまるで動じない。その間にもウサコへと迫ったクリーチャーは、羽毛に覆われた異形の手足でつかみかかる。ウサコは透かさず拳を振り向け、クリーチャーの顔を歪ませるほどの威力を放つ。
 ウサコによって突き離され、宙を舞ったクリーチャーの体は、更にストロベリーの暴風の刃を受けてバラバラにされる。放射された風刃はすべての火の勢いを打ち消し、鉄の棺桶を横倒しにした。
 十数人の信徒たちは遂に慌てふためき、猟兵たちの前から逃げ果せようとする。その混乱の中で、1人棺桶の付近で右往左往する信徒がいた。その1人、ナイフを手にした信徒の前に、ストロベリーは立ちはだかる。
「もう終わりよ! これ以上生け贄は選ばせないわ」
 すべてのクリーチャーの息の根を止めた猟兵たちを前にして、男は震える手でナイフを握っていたが、
「闇こそが、狂気こそが真の救いなのだ! 光に支配された者たちよ、偽りの真理を信じ続ける者たちよ――」
 意味不明なことをぶつぶつとまくし立てる男は、次第に狂気じみた笑い声を発しながら、棺桶のすぐそばまで後ずさる。
「有るがままの真理を受け入れるがいい!」
 そう言い放った直後、男は手にしたナイフで自身の首筋を深々と掻き切った。男の体は力なくくずおれ、地面には赤黒いシミが広がっていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『牙で喰らうもの』

POW   :    飽き止まぬ無限の暴食
戦闘中に食べた【生物の肉】の量と質に応じて【全身に更なる口が発生し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    貪欲なる顎の新生
自身の身体部位ひとつを【ほぼ巨大な口だけ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ   :    喰らい呑む悪食
対象のユーベルコードを防御すると、それを【咀嚼して】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


ためらいを捨て去った信徒は止める間もなく自らの命を切り捨てた。凄惨な最後を見せつけられ、強かに精神を抉られた者も少なくないだろう。しかし、それだけで終わりではない。地面に広がった血だまりが棺桶の端に触れたとき、その場にいる全員がはっきりと地響きを感じた。
 不穏な兆しと共に、棺桶の中で何かが動く。信徒の死体は棺桶からあふれ出したうごめく影のようなものに取り込まれ、膨張と収縮を繰り返すその物体は、更なる脅威の姿を形成する。
 目の前のものすべてを喰らいつくすために現れた巨大な顎と鋭い牙。巨体を支える巨木のような腕と足。体のあちこちに見られる不自然な口腔から舌を垂らし、よだれを滴らせ、『牙で喰らうもの』は異様な姿を現した。
 鼓膜をビリビリと震わせる咆哮で目の前の猟兵らを威圧し、『牙で喰らうもの』は最初の獲物を求めて動き出そうとしていた。
朝凪・深月紅
起きてしまいましたか。見るに喰らう事そのものが目的な姿、その先に何を望むのかしら……。でも、これ以上面倒が増える前に終わらせましょう。
子供達の穏やかな明日のためにももう起きないでください。


生物を喰らう事で強化されるという情報を意識、一定の距離を保つように動きますが
角に追い詰められないように開けた場所を陣取り
からくり人形による牽制で相手の意識を誘いながら、相手の行動後の隙にに合わせられるよう
フォックスファイアを【10個】合体させたもので狙います。


使用技能:誘惑1、フェイント1、残像1


ウサコ・ブラック
うわー!結局出てきてしまったのよ!気持ち悪いわ!

こうなったら正面から力強くパンチを叩き込んでいくしかないのよ。
パワー勝負で病院どころかあの世送りにしてあげるのだわ

攻撃するときは「怪力」でダメージの増加を狙うのよ
ついでにぶん殴るときは顔面、特に牙が折れるようにいくのだわ

組みつかれて食べられそうになったら「グラップル」を使って投げたりして上手く回避できるようにするのよ。

できれば一人じゃなくて、仲間と一緒に戦ってかく乱できると嬉しいわ




「起きてしまいましたか」
「うわー! 結局出てきてしまったのよ! 気持ち悪いわ!」
 この世の何よりも邪悪で醜悪な姿、『牙で喰らうもの』を前にして、朝凪・深月紅とウサコ・ブラックは表情をしかめる。
 屋敷の1階を越えそうなほどの巨体で、邪神は猟兵たちを威圧する。この巨体が村に野放しにされる訳にはいかない。深月紅は覚悟を決めたように、険しい表情で人形を操る十指を構える。
 ――子供達の穏やかな明日のためにも、もう起きないでください。
 刀を構える深月紅のからくり人形は、相手をけん制するように邪神と正面から対峙する。互いに出方を窺うように、じりじりとした足取りで距離を測る。
 猛獣に似たうなり声を喉の奥から響かせ、邪神はすべてを噛み砕こうと牙をむく。邪神をかわし続ける人形に一定の距離を取らせ、深月紅は邪神の意識が人形に向くように仕向けた。その深月紅の背後には複数の狐火が浮遊し始め、やがて燃え盛る炎の集合体となって、裏庭全体を照らした。
 邪神が炎に目を奪われた瞬間、強化された狐火は邪神へと迫る。邪神は炎すら喰らい尽くそうとワニのような口腔を広げ、深月紅の放った狐火に喰らいついてみせた。しかし、いくら暴食の邪神と言えど、体内から焼け焦げる感覚に耐えることはできない。喉を焼かれた邪神は黒煙を吹き、痛々しい声を上げながら何度もえずき始める。
 苦しみ悶え、隙だらけな邪神に対し、ウサコは透かさず距離を詰めようと向かっていく。その動きを阻むのは、邪神の腹部に見える口腔からカメレオンのようにすばやく伸ばされる長い舌。ウサコは瞬時の判断で身を翻し、次々と伸ばされる舌の動きを読んでかわし続ける。
 まるで別の生物のように動く長い舌は、常人ならば反応することすらできない速さを見せる。しかし、軽快な身のこなしのウサコを捕えることは容易ではない。
「あの世送りにしてあげるのだわ!」
 跳ね上がるように邪神の至近距離へ迫ったウサコは、ウサギのように愛らしい見た目とは裏腹に、その拳から強烈な威力の一突きを放つ。邪神の正面に備わる上唇の辺りを砕くように命中し、バキバキと鈍く痛々しい音が聞こえてきた。
 ウサコは邪神の巨体を大きく傾かせ、速やかに距離を取ろうと動く。跳ぶように後退していくウサコを逃すまいと、邪神も即座に反応した。
 瞬時に伸ばされた長い舌は、ウサコの左手にわずかの差で巻きつき、ウサコを引きずり回そうとする。当然抵抗するウサコは邪神の舌と引き合う。張り合い続ける両者は一歩も譲らず、緊迫した状態の中で咄嗟の判断を迫られる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


伸び切った邪神の舌は、対象を一向に放す気配がない。差し迫る仲間の危機に、猟兵はどう対処するだろう。
シオドリック・ディー
うー、どうしてこんなものに命を捧げちゃうんでしょう、意味わかんないです!善良に真っ当に生きている人たちのためにも、こんな冒涜的な存在は消し去らないと!
ユーベルコード展開。技能【全力魔法】【武器改造】で強化したガジェットで攻撃です。【操縦】オレ自身は非力なので後方
に。
全身穴だらけにしてさしあげます!あー、でもなるべく頭中心に吹っ飛ばします!【2回攻撃】で隙を見せずに連撃連撃!
オレに向かってきたら【カウンター】で武器で殴るとか魔法ぶっぱなすとか反撃してから距離とります。おまえの相手はガジェットですよ!



――うー、どうしてこんなものに命を捧げちゃうんでしょう、意味わかんないです!
 邪神の全貌を目の当たりにしたシオドリック・ディーは、強く拒絶反応を示していた。
 仲間を追い詰めようとする邪神を退けようと、
「ユーベルコード展開――」
 シオドリックは槍を構える騎士型のガジェットを召喚した。
「全身穴だらけにして差し上げます!」
 ガジェットを駆使するシオドリックは、その意志の通りに騎士のガジェットを操縦し、突き出した邪神の頭に槍の切っ先を向けさせた。
 ガジェットの動きを見た邪神は即座に舌をしまい直し、向かってきた切っ先の根元をその手でつかんだ。すると、邪神はシオドリックのガジェットを振り回し始め、ガジェットは槍を手にしたまま屋敷の塀に激突した。邪神は透かさず標的をシオドリックに絞り、咆哮を響かせながら突進してくる。
 簡単に握りつぶされてしまいそうなくらい華奢なシオドリックに、邪神の手が伸ばされた。しかし、シオドリックは構えていたステッキでその手を鋭く弾き返す。息をつく間もなく、シオドリックの機械仕掛けの左足は何かに巻き取られる。邪神の口腔の1つから飛び出した長い舌は、巻き取ったシオドリックの体をあっという間に宙高く放り出した。
 着地体勢を取ろうと、空中で身を翻したシオドリックは、真下に見えたものに一瞬目を見張る。視界に映ったのは、大口を開けて連なる鋭い牙を見せつける邪神の姿だった。
 シオドリックを飲み込もうとする邪神によって、わずかな間に切り変わる局面。だが、シオドリックのガジェットもまだ動きを止めていない。真上を見上げる邪神の側面に突撃し、再度放たれた切っ先は邪神の体を深く穿った。ガジェットは邪神を突き飛ばすほどの攻撃を放ち、シオドリックも見事に受け止めてみせた。

成功 🔵​🔵​🔴​


邪神はすぐ様体勢を立て直すと、全身の牙をむき出し、両手を振り回しながら攻撃を仕掛けようする者らを威圧してきた。猟兵の1人に伸ばされたように見えた邪神の手は、残されたままのクリーチャーの残骸をつかみ上げた。それをむさぼり喰らう邪神の体には、変化が現れる。腹部に新たに現れた牙を噛み合わせ、猟兵たちを捕えようとする長い舌を2つの口腔から出し入れし始めた。
ヴァシリッサ・フロレスク
地上最大の爬虫類・イリエワニの顎は、彼のT-REXに匹敵する数トン/c㎡という咬合力を持つ。然し、その開口する力は、存外に弱い――仲間の為に、陽動しつつ攻撃手段を少しでも封殺したいね。まずその行儀の悪い大口を閉じて貰うか。【戦乙女式吶喊鎗】で一気に距離を詰め、頭上からパイルバンカーで上下顎【串刺し】を狙うよ。地ベタに張り付けに出来たら尚良し。腕や舌は厄介だね、銃撃と【武器受け】で凌ぎたいけど、元々【捨身】、多少の血肉はくれてやるよ、あたしの血は焔硝と一緒さ。【ブレイズフレイム】で焼いてやるよ。肉を斬らせて骨を断つ。最後に死んでなきゃ"勝ち"さ、今のあたしには仲間がいるからね――後は頼んだよ。


東雲・ゆい
やっばいお口いっぱいの謎生物だこれ!
こんなの初めて見る~! ぷにぷにしてるのかなぁ♪
食べられたらどうなっちゃうんだろ~♪
きゃ~~どきどき♪

ってわけで~お口いっぱいの謎生物とバトルじゃーい!
なんか普通にやったら負けそうだし★ヒロイックフォースで強くならなきゃ~
ペイントブキでペンペン叩いて【挑発】して、わざと敵に捕まっちゃおっかな~
それでお口の中にポイってされて~わたし大ピンチ♪
これだけピンチになれば強くなれるよね?
食べられるドキドキ感を味わったら~中から★グラフィティスプラッシュでガンガン攻撃するの!

え? 食べられたあとのこと?
えっへへへへ♪
考えてないや……きゃっきゃっ♪
出られるよね……?




 巨大な杭を打ち出すパイルバンカーを構えるヴァシリッサ・フロレスクは、敵の陽動のために動き出そうとするが、
「やっばいお口いっぱいの謎生物だこれ! こんなの初めて見る~!」
 東雲・ゆいも喜々として邪神の前に躍り出た。
 手強い敵と相対する逆境を力に変え、ゆいの身体能力はアドレナリンの分泌と共に高まっていく。
 ほぼ同時に踏み出した両者を捕えようと、邪神の腹部から左右の舌が飛び出す。
 天真爛漫な笑顔を浮かべるゆいは、
「こんなの初めて見る~! ぷにぷにしてるのかなぁ♪」
 平然と邪神の舌をかわし続け、はしゃぎ回る子どものように活力あふれる動きで、邪神の矛先を鈍らせる。
 ヴァシリッサは飛び出す舌の動きを封殺しようと、邪神に正面から挑みかかった。掲げた杭の先端を舌で巻き取られるが、ヴァシリッサの眼光は不敵に輝く。
 ヴァシリッサが自らの腕に刻んだ裂傷からにじみ出した血は、地獄の炎となって放射された。その炎は邪神の舌を焼き切り、ヴァシリッサは勢いを止めることなく邪神の頭上へと迫る。
 一方、邪神の背後へと回り込んだゆいは、
「食べられたらどうなっちゃうんだろ~♪ ――」
 背中にもぽっかり開いた邪神の口腔に向かって飛びかかった。

 ――ワニの開口する力は存外に弱い。当てが外れたとしても、多少の血肉はくれてやるよ。
 宙高く踊り出たヴァシリッサは、邪神の大顎を狙って杭の先端を向けた。
 ――最後に死んでなきゃ"勝ち"さ、今のあたしには仲間がいるからね。
 捨て身の戦術を実行に移した刹那にヴァシリッサは目標を捉え、突き出た邪神の上顎に杭を打ちつけた。その衝撃で邪神が倒れ伏す直前に、「きゃ~~どきどき♪」というゆいの声がくぐもって消えていくことにヴァシリッサは気づいた。
 ゆいは自ら邪神の口腔に飛び込むようにして、背中の口腔に一飲みにされていた。たちまち邪神の胴体は中からの衝撃でぼこぼこと起伏を繰り返す。
 ヴァシリッサの打ち出した杭を受けて倒れると同時に、邪神は背中の口腔からカラフルな塗料を大量に吐き出した。塗料と体液にまみれたゆいも同時に吐き出され、ヴァシリッサは一瞬目をむいた。
「きゃっきゃっ♪ ベタベタして気持ち悪いの~~」
 ゆいを案ずる視線をよそに、飲み込まれた本人は笑い転げていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フィロメーラ・アステール
「さーて、あたしの必殺攻撃の出番だな!」
【スーパー流れ星キック】を発動するぞー!
この技は、まず【ジャンプ】から【ダッシュ】【スライディング】によって【残像】が出るほどに加速!
それから光の【属性攻撃】の魔力を纏った【全力魔法】で、【勇気】と【気合い】を込めた【踏みつけ】をお見舞いする技だぜ!

めちゃくちゃド派手で痛そうな衝撃によって相手は死ぬ!

……と、見せかけて実のところは動きを封じるのがメインの技だぞ!
この光の輝きの【パフォーマンス】で味方を【鼓舞】して、次の一撃に望みを託すからな!
誰かー、キメてくれー! お【祈り】も捧げるぜー!


ヴァシリッサ・フロレスク
※アドリブ大歓迎です!

「……とんでも無い娘(f06429)がいるもんだねえ」

「――っと、感心してる暇は無いね」

基本方針は、

・出来るだけ邪神の動きを拘束するべく、【串刺し】状態の維持を図る。
・自身へ攻撃が集中する様、「クルースニク」による【捨て身の一撃】で注意を惹き付けたい。
・味方への攻撃は、【早業】ファストドロウからの銃撃【2回攻撃】で極力阻止。
・抵抗が激しい場合、若しくは味方の攻手に加勢がいるようであれば、【血統覚醒】or【ブレイズフレイム】or【囚獄の燎火(ヴァルプルギス・ヴァッハフォイア)】で一気に畳み掛ける。

――身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ。仕舞いにしようじゃないか。


アレクシア・アークライト
 ごめん、出遅れた!
 「牙で喰らうもの」、来ちゃってたか。あいつは敵を喰らって回復するから、接近戦は得策じゃないんだけど……って、ええ!? あいつに喰われて無事に出てきたの、初めて見たわ。それだけ、弱っているのかもしれないわね。今が畳みかける時かも!

 あの伸びてくる舌に捕まったら面倒だから、味方に当たりそうなときは弾かなくちゃいけないわね。(念動力)
 あとは、口を開いたら、その中に思いっきり念動を連続で叩き込んであげる!(2回攻撃、サイコキネシス)

 それにしても、いくら田舎だからって、こんなに目立つようにやってくれちゃって。
 後始末するこっち(UDC)の身にもなって欲しいわよね。




「――っと、感心してる暇は無いね」
 大量の塗料を吐き出した背中の口腔は何度もえずいているが、本体はまだ抵抗する力を見せる。
 ヴァシリッサ・フロレスクはパイルバンカーを備えた自身の片腕で、邪神の大顎を地面に押さえつけていた。暴れ続ける邪神の顎に、更に短剣を突き立てて阻止しようとするが、遂に押し返される。その瞬間、フェアリーのフィロメーラ・アステールが加勢に乗り出した。
「さーて、あたしの必殺攻撃の出番だな!」
 30センチに満たない大きさのフィロメーラは一気に加速し、流星の如く宙へと躍り出た。フィロメーラの姿を遠目から見れば、地面を這う高速の瞬きが邪神へと突き進むように見えた。その瞬きが邪神と接触した瞬間、押さえつけられていた状態から開放されようとした邪神は、風圧を伴うほどの凄まじい衝撃を受けて仰向けに倒れ込んだ。
 ヴァシリッサはとどめを刺そうと、パイルバンカーを構えて邪神へと向かっていく。尚も邪神は抵抗を続けようと起き上がる様子を見せるが、
「あいつに食われて無事に出てくる人がいるなんて――」
 アレクシア・アークライトは邪神に向けて念動力を集中させ、その動きを押さえつける。
「それだけ弱っているのかもしれない、今よ!」
 アレクシアはヴァシリッサの攻撃を後押しした。
 飛びかかるヴァシリッサの目は真紅の瞳に変化し、ヴァンパイアの力の覚醒を意味していた。極限まで増大した能力を引き出し、ヴァシリッサは邪神の中心を貫こうと巨大な杭を打ち出した。
「いけー! キメてくれー!」
 ヴァシリッサを鼓舞するフィロメーラの横で、アレクシアは邪神の傷口を深くまで広げるようにサイコキネシスを発動した。邪神の体は二重の衝撃を受け、地面の中にずんずんと沈んでいった。

 夢中で杭を打ったヴァシリッサは、気がつけば消し炭のように脆くなった邪神の死骸を見下ろしていた。
「いくら田舎だからって、こんなに目立つようにやってくれちゃって……」
 アレクシアは邪神が倒れた衝撃で崩壊した塀の一部を眺めながらぼやいた。
「後始末するこっちの身にもなってほしいわよね」
 そう言って、UDCエージェントでもあるアレクシアはため息をついた。
「じょうほーとーせー? とか言うのやるんだっけ? なんか大変そうだねー」
 他人事のフィロメーラの一言に対し、ゲス顔がデフォルトのヴァシリッサは続けた。
「ここの世界の勝手はわからないからね。ゆーでぃーしー? とかいう組織がいろいろ都合よくしてくれるんだって?」
 後始末の期待、責任を背負ったアレクシアは、笑顔を引きつらせながらも同じ猟兵たちの協力を仰いだ。
「そうよ、UDCは猟兵のことを全面的にバックアップしてくれるわ。これからも邪神の復活を阻止するためにも、よろしくね。オブリビオン殺すべし、よ。慈悲はないわ」
 猟兵たちの協力により、邪神復活の計画は阻止された。世界が猟兵たちを必要としたとき、いずれまた同じ世界に訪れることになるだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月06日


挿絵イラスト