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異形の腕は人々を捕える

#ヒーローズアース

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#ヒーローズアース


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●新たな世界 
 ヒーローズアース。
 現在地球に似たこの世界では、ヒーロー、ヴィランが存在する。
 その二勢力は交戦を繰り返し、悪を企むヴィランにヒーロー達が立ち向かい続け、この世界は保たれていた。
 そこに、過去の悲劇で終えた第三勢力『オブリビオン』が蘇ってしまってしまう。
 ヴィラン達はオブリビオンの配下となり、悪に立ち向かうヒーロー達を苦しめているのが現状だ。
 この世界へとやってきた猟兵達はヒーロー達を助けるべく、オブリビオンの討伐に当たることとなる。

●ビルに閉じ込められた人々の救出を
 そんなヒーローズアースのとあるビル街で、事件が起こっている。
 30階建ての高層ビルを、多数のヴィランが占拠してしまったというのだ。
「ケケ、大人しくしてな!」
 蜘蛛男を思わせるヴィラン達はこぞって人々達へと襲い掛かる。
「ひいいっ!!」
 ビルに取り残された人々は誘導されているとも知らず、怯えながら中層階に向かって逃げて行く。
 ビル利用者の多くは地上階や窓からの脱出、あるいは屋上からヘリコプターで救出をされてはいたが、5,60人ほどの人々が15階の大部屋へと集められて人質とされてしまう。
 ヴィランの要求は、ヒーロー達の命。
 それが満たされぬ場合、人質の命を奪ってしまうという。
「さあ、人質の命が惜しければ、その首を差し出せ!」
 ヴィラン達は上層の放送機器を使い、ヒーロー達へと要求を繰り返す。
 人質となった人々は怯えながらも、ヒーローの助けが来ることを信じて祈りを捧げるのである……。

●人々の救出、オブリビオンの撃破を
 グリモアベースにて、依頼を受けてくれる猟兵をセレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が探す。
 名乗りを上げる猟兵の姿を認め、彼女は笑顔を浮かべた。
「ありがとう。それでは、現状の説明をさせていただくわね」
 解決してほしい事件が起きているのは、ヒーローズアースのとあるビル街。
 それは、現地の記者によるタレコミから発覚したのだが、この裏にオブリビオンの影があることをセレインは予知していた。
「蜘蛛男のヴィランを操っているのは、『アーミーメン』と呼ばれるオブリビオンね」
 アーミーメンは元々、量産型ヒーローとしてヴィランと戦っていたのだが、残念ながら「ジャスティス・ウォー」で全滅してしまった。
 そんな彼らは哀れにもオブリビオンとして呼び出され、人々に害なす存在となり果ててしまっている。
 ただ、アーミーメン達もまたヴィランを操る実行役でしかない。おそらくはさらに後ろに黒幕がおり、ビル内に潜伏しているものと思われる。

 話を戻して、高層ビルを襲撃、占拠した蜘蛛男のヴィラン達。
 人々の多くはビルの外へと逃げ出せたようだが、残念ながら5,60名ほどの人々が中層階に集められて人質となっているようだ。
「関係者の話によれば、15階の大部屋ではないかと言われているわ」
 蜘蛛男達は配信設備の整っている上層のとある階で、ヒーロー達と交信を繰り返しているようだ。
 猟兵としては、ヒーロー達が蜘蛛男のヴィラン達を引き付けているうちに、人質の救出へと当たりたい。
 幸い、敵はビルを占拠していること、ヒーロー達に注意を向けていることもあり、人質の見張りは多くない。
 うまく潜入するか、警備システムをやり過ごして人質を助けることができれば、ヴィランを操るアーミーメン達が姿を現し、人質解放の邪魔をして来るものと思われる。
「ともあれ、まずは人質の救出の為、15階の大部屋を目指したいわね」
 どうか、うまく人々を助け、オブリビオン達の殲滅を。
 セレインはそうして、猟兵達へとこの事件の解決を託すのである。


なちゅい
 猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
 当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
 依頼で、セレインの立ち絵初公開シナリオです。以後、よろしくお願いいたします。

 ヒーローズアースにおいて、とあるビルがヴィラン達の手によって占拠されてしまいました。
 人々の救出、占拠されたビルの解放を行った上で、ヴィランを操るオブリビオンの討伐を願います。

 こちらのシナリオでは、
 第1章は、ビル内に侵入して人質の救出を。
 第2章は、猟兵に気づいて襲い来るオブリビオン『アーミーメン』との集団戦。
 第3章は、アーミーメンをけしかけていた黒幕『アシュラレディ』とのボス戦に臨む形です。

 まず、ビルへと侵入し、内部で人質とされている人々の救出を願います。人々の解放は窓からヒーロー達に運んでもらう形となるでしょう。
 大部屋で人質の救出を行っていれば、敵が向こうからやってくることでしょう。

 シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
 それでは、行ってらっしゃいませ。
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第1章 冒険 『デンジャラス・ハード!』

POW   :    ビルの外壁をよじ登ったり、通風孔を強引に通り抜ける。

SPD   :    階段やフロアを駆け回り、見つかる前に作業を終える。。

WIZ   :    パソコンやネットワークをハッキングし、システムを乗っ取り返す。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クーガー・ヴォイテク
人生の謳歌が大事だってんのによ、こりゃ謳歌できないって嘆きが聞こえてきそうだぜ
救いを求めるものに手を差し伸べるのも、教職者の務めってやつだしな

【WIZ】
ネットワークにハッキングして、監視カメラなどを乗っ取れば人質の解放もしやすいだろ?たぶんな

唇に人差し指を当て、しーっと静かにするように指示
「助けに来たぜ、騒ぐと気づかれるかもしれねえから、静かにしてくれよな」
小さい子や、見るからに情緒不安定な人がいたら飴ちゃんをあげて気を落ち着いてもらうと思うぜ

「人生ってやつは嫌なこともあるけどよ、良いことだって沢山あるもんだ。悪い夢から早く覚めて、もっともっと謳歌していこうじゃねえか……な?」


ディー・ジェイ
「スパイダーマッ!!って叫んだら不味いやつ?」
(圧倒的POW感)

まさかこんなポップコーン片手に映画館で眺めるような世界に来る羽目になるとは…最高じゃねぇか。

・映画に出てくる特殊部隊よろしく、両腕のグローブに仕込んだ鉤付きワイヤーで颯爽とビルを駆け抜けたい気分でな。16階の適当に侵入できそうかつ近くに通気口がありそうなポイントまで登ったら、lockerを使って壁を焼き切って侵入だ。
・通気口を下って人質とヴィラン共の位置関係が覗ける位置に移動し、上手く敵の隙を狙ってワイヤー伝いに静かに人質の近くへ着地。
拘束状態を手早く確認しながら、敵への奇襲行動を想定。

「反応はするな、あいつらにバレるからな?」


フィン・スターニス
どこの世界でも、オブリビオンの影響は大きい様ですね。
ともあれ、まずは人質の救出を優先しないとです。

ビルの裏手に回り込み、
外壁へ最大限まで伸ばした流星魔鎚を投擲し、
壁に引っ掻けた後、収縮させて一気に登ります。
途中に非常階段があれば、
一旦そこで止まり足場を確保して、再度投擲して登る事を繰り返します。

15階付近まで登ったら、内部に浸入し、大広間まで向かいますが、
その際は七彩の風衣で透明化しておきます。
見張りがいれば、手加減した気絶攻撃で無力化を試みます。


グルクトゥラ・ウォータンク
うむ、つまり今回は強襲(ラウド)ミッションではなく潜入(ステルス)ミッションというわけじゃな?任せろ、早速二丁の拳銃使ったアキンボーでドッジなビルドを…え、ちがう?そっかー。
とりあえず安全に人質を逃がすためにはまずネットワークをハッキングせねばな。特にカメラとか生かしてはおけん。かといって潰したらバレるからの。電脳妖精でカメラを【ハッキング】、人質の安全を確認しつつ他の猟兵に情報共有、人質救出に合わせてカメラの画像を一定時間でループさせて救出の発覚を遅らせるかの。
手持ちのガジェットボールズでビルの外壁に【破壊工作】で静かに穴を開けて人質の救出経路と猟兵の侵入経路にするのもいいかもしれんな。


カイザー・ロックウェル
ヒーローズアースか……俺様にはうってつけの世界だなあ!!
派手に暴れてやる! のは、人質を救出した後だな
おっしゃあ今行くぜ、ヒーロー!

『万能の鍵』で通気口やエレベーターの扉を破壊
開いた通路やエレベーターのロープ空間を飛び、大胆かつ迅速に15階へと向かう

大部屋へと潜入したら人質の救助
縄を解く、助けに来たヒーローへ誘導等のサポート。
……だがこんな大人しいことばっかやってられっかあ! かかって来いや蜘蛛野郎ォ!
存在感とパフォーマンス力を活かし、蜘蛛男を引き付けるヒーロー達と合流
敵を挑発して引き付けつつ、地形を利用したリボルバーの跳弾で人質の拘束を解いたり、退路を確保してサポートを続ける
★アドリブOK!


リヴェンティア・モーヴェマーレ
▼アドリブ、他の方との絡み大歓迎

▼本日のメインの子
由希(情報特化なハリネズミ)
他の子を出していただいても全然OKです

▼【WIZ】
人質を取るだなんテ、許せませんネ…
[ハッキング]は意外と得意なのデ、頑張っていきまショ
[迷彩]で[目立たない]ように注意しつつ潜入し[早業]で[情報収集]デス
一緒に居る由希にも周りを警戒して貰いつつ、情報が集まり次第使い慣れてるアンティーク型のハッキングツールを使い[ハッキング]を開始デス

悪い子にはオシオキしないとダメって博士が言ってましタ
悔い改めてくださイー!

また捕まってしまってはアレなのデ、脱出経路もしっかり確保しておいてスムーズに避難させてあげたい気持ち


白神・杏華
ふーー……これはやりたくなかったけど、仕方ない!
ビルの外壁を登ろう……!

フック付きワイヤーを使って、外壁に引っ掛けてビルを【クライミング】。
下は見ない下は見ない下は見ない……!
安全に登るために荷物は最低限に済ませて、身軽で行くよ。
これだけだと登ったところで窓を割れなそうだけど……レプリカクラフトでハンマーを作ろう。
クオリティは低いかもしれないけど、遠心力で叩きつけるハンマーにクオリティも何もないよね!

窓を割ったらすぐさま中に入る。怖いからね。
辿り着いたら、隠れつつ部屋の明かりを消したり石を投げたりして蜘蛛男の注意を引く。
彼らがいなくなったら、ささっと人質をヒーローに渡して行こう。



●新たな世界で
 ヒーローズアース。
 新たな世界へと足を踏み入れ、猟兵達のテンションも高まる。
「ヒーローズアースか……、俺様にはうってつけの世界だなあ!!」
 空中を浮遊するサングラスといった見た目のカイザー・ロックウェル(🕶・f04554)は、この世界の存在に心を滾らせていた。
「スパイダー……って叫んだら、不味いやつ?」
 とりあえず、ディー・ジェイ(Mr.Silence・f01341)のその一言は不味い奴なので、街の雑踏で叫び声を隠してもらって。
「まさか、こんなポップコーン片手に映画館で眺めるような世界に来る羽目になるとは……最高じゃねぇか」
 ガスマスクを装着した傭兵ディーは軽口を叩きつつ、ハリウッド映画を思わせるこの世界で待ち受ける出来事に胸を躍らせていた。

 猟兵一行は程なく、事件の起こっているビルを見上げる。
 集まる人々が不安げに現場の状況を見守る中、ヒーロー達がヴィランの対処に追われ、動き回っていた。
 一見すれば、この事件もヒーローズアースの日常なのだろうが、ヴィランをそそのかす影がいるとなれば、猟兵も黙ってはいられない。
「どこの世界でも、オブリビオンの影響は大きい様ですね」
 顔半分が隠れる眼帯で目元を隠すフィン・スターニス(七彩龍の巫女・f00208)は、人質を救出を優先するよう主張する。
「人生の謳歌が大事だってんのによ、こりゃ謳歌できないって嘆きが聞こえてきそうだぜ」
 生きていれば何とかなるという精神を持つ聖者の青年、クーガー・ヴォイテク(自由を愛する聖者・f16704)。
 救いを求めるものに手を差し伸べるのも、教職者の務めってやつだしなと、彼はビル内に取り残されている人質の身を案じる。
「人質を取るだなんテ、許せませんネ……」
 長い藍色の髪を三つ編みにした、リヴェンティア・モーヴェマーレ(ポン子2 Ver.4・f00299)が本音を語る。
 普段から、動物を連れているリヴェンティアは今回、情報特化のハリネズミ、由希をこの場に連れてきていた。
「【ハッキング】は意外と得意なのデ、頑張っていきまショ」
「派手に暴れてやる! ……のは、人質を救出した後だな」
 ビル内のシステムを乗っ取る方向で動く面々もいるが、カイザーは大胆不敵に叫びかけるも、一息ついて。
「おっしゃあ。今行くぜ、ヒーロー!」
 カイザーの叫びに仲間達が応じ、作戦を決行し始めるのだった。

●一気に突入!
 猟兵達がそれぞれの手段で人質の救出に動く中、ドレッドヘアーのドワーフ、グルクトゥラ・ウォータンク(サイバー×スチーム×ファンタジー・f07586)が何か得心したように大きく頷いて。
「うむ、つまり今回は強襲(ラウド)ミッションではなく、潜入(ステルス)ミッションというわけじゃな?」
 自信満々に告げたグルクトゥラは、ホルスターの銃へと手をかけて。
「任せろ、早速二丁の拳銃使ったアキンボーでドッジなビルドを……え、ちがう? そっかー」
 仲間達が首を左右に振るのに、彼はにんまりしつつ準備を整える。
「とりあえず安全に人質を逃がすためにはまず、ネットワークをハッキングせねばな」
 この場では、クーガーがビルのネットワークへとハッキングを考えていたが、現状、技術的なものは他メンバーに委ねる形だ。
「監視カメラなどを乗っ取れば、人質の解放もしやすいだろ? たぶんな」
「うむ。カメラは生かしてはおけん。かといって、潰したらバレるからの」
 同意するグルクトゥラは電脳妖精を使って、ビル内のカメラのハッキングを開始する。
「取り敢えず数だけは揃えたから、直に情報は集まるじゃろ」
 まず、彼は人質の安全を確認すべく、15階大部屋のカメラを確認する。
「……ふむ、かなり大勢おるが、危害は加えられてはおらぬ様子じゃな」
 グルクトゥラはカメラの関係をメインに操作することで、仲間をアシストする。
 さらに、ミレナリィドールであるリヴェンティアは自らの周囲にいくつもの画面を展開し、ビル内のシステムへと潜入する。
 ハリネズミの由希に警戒を任せ、しばらく、早業で警備システムに関する情報を集めていく。
「そろそろいいですかネ」
 ある程度情報が集まった段階で、リヴェンティアはアンティーク型のハッキングツール『Hacking to the millenary』を操作していく。
「悪い子には、オシオキしないとダメって博士が言ってましタ。悔い改めてくださイー!」
 あっという間に、システムを掌握してしまうリヴェンティア。ビル内の警備は完全に機能しなくなってしまう。
「おっと、これは俺の出る幕はなさそうだ」
 そんなハッキング技術に舌を巻きつつ、クーガーは直接助けに向かうことにしたようだ。

 他にも、別の手段を講じる猟兵の姿もある。
 カイザーはユーベルコードによって、鍵開けの技術を高めていて。
「オーケー、こんなドア俺様にかかれば一発だぜえ!!」
 閉ざされた扉など、彼にかかればなんのその。
 通気口からビル内へと潜り込んだ彼は、ヴィランがうろつく通路をやり過ごし、エレベーターへ。
 そして、エレベーターのかごが動かぬことをいいことに、ロープ空間を浮遊して一気に目的階へと移動していく。
 また、他にも、3人が別の手段でビルへの突入をはかっていた。
「ふーー……、これはやりたくなかったけど、仕方ない!」
 自身の通っている制服姿での参戦。ポニーテールに緑の瞳が印象的な白神・杏華(普通の女子高生・f02115)は、ビルの外壁を登ろうと決意する。
 登るに当たり、最低限の荷物だけを抱えて身軽になっていた彼女はフック付きワイヤーを使って外壁に引っ掛けつつ、ビルをクライミング。
(「下は見ない下は見ない下は見ない……!」)
 技術があるからといって、恐怖心がないとは限らない。出来るだけ上を見て、杏華は上階を目指す。
 フィンは手慣れた様子で、ビルの裏手から最大限に伸ばした暗器『流星魔鎚』を投擲する。
 壁に引っ掛けた後で収縮させ、彼女は一気に登っていく。
 時折、フィンは非常階段で足場を確保しつつ、再度上階へと投擲し、素早く外壁を登っていたようだ。
 ディーもまた、非常に手際良く外壁を登っていた。
 先程、この世界を映画に例えていた彼だが、それに登場する特殊部隊よろしく、両腕のグローブに仕込んだ鉤付きワイヤー『Silence,S2-log(ログ)』を使って壁をかけ上がる。
「颯爽とビルを駆け抜けたい気分でな」
 あっという間に外壁を登ってしまったディー。
 人質がいる一つ上の16階で通気口が近くにありそうなポイントで、彼は『Silence,S3-locker(ロッカー)』を使い、壁を焼ききって侵入していく。
 そんなメンバーを目にしつつ、必死に外壁を登っていく杏華。
(「これだけだと、登ったところで窓を割れなそうだけど……」)
 彼女はレプリカクラフトでハンマーを作っていく。
「クオリティは低いかもしれないけど、遠心力で叩きつけるハンマーにクオリティも何もないよね!」
 それを使って窓を叩き割った杏華は、すぐさま中へと飛び込んでいった。

●人質の救出を……!
 外壁から登っていたメンバーが一足早く目的階に到着し、ビル内へと突入して大広間を目指す。
 フィンは七色の風で光を惑わす衣を繕い、自らを透明化する。
 いち早く到達したこともあり、見張りのヴィラン、蜘蛛男を発見した彼女は手加減した一撃であっさりと気絶させてしまう。
「ふう……」
 やや遅れ、ようやく高所の恐怖から解放された杏華は隠れつつ、照明を消したり、小石を投げつけたりして蜘蛛男の注意を引こうとする。
 見つからぬように行こうと、彼女が行動していたその時……。
「かかって来いや、蜘蛛野郎ォ!」
 エレベーターを伝って登ってきていたカイザーが自らの存在感とパフォーマンス力を生かし、蜘蛛男達を引き付けるヒーローと合流し、引き付け役へと当たる。
「そっちは任せたぜ!」
 人質の解放も考えたカイザーだったが、仲間がいることと、何よりも大人しいことが性に合わない彼は、しばらく囮役を請け負うことにしていた。
 それもあって、杏華はほとんど隠れることなく人質の捜索に当たることができたようだ。

 ほぼ同タイミングで、人質に最も早く接触していたのはディーだ。
 通気口を使って大部屋へと侵入した彼は、そっと内部にいた見張りのヴィランを倒す。
「反応はするな、あいつらにバレるからな?」
 丁度、外ではカイザーがヒーローと共に暴れ出している。
 さらに、迷彩を施したまま侵入してきたフィンもまた、内部の見張りを卒倒させていた。
 手早く見張りを全員倒した彼らは、人質の拘束を解いていく。
 それから少し遅れて、ハッキング班もこの場へとたどり着いた。
 外がかなり騒々しくなっている状態ではあったが、クーガーは念の為にと唇に人差し指を当てて。
「助けに来たぜ。騒ぐと気づかれるかもしれねえから、静かにしてくれよな」
 捕まっていたのは、ほとんどがビルの関係者や職員達。
「人生ってやつは嫌なこともあるけどよ、良いことだって沢山あるもんだ」
 大人ばかりではあったが、ヴィランの襲撃で情緒不安定になった女性へとクーガーは飴ちゃんを差し出す。
「悪い夢から早く覚めて、もっともっと謳歌していこうじゃねえか……な?」
 ヒーローではないものの、猟兵の存在も認識しているヒーローズアースの人々。
 女性職員も安堵し、笑顔を見せていた。

 その間、グルクトゥラが人質の救出に合わせ、カメラ画像を差し替える。
 一定時間で録画していたものをループすることで救出の発覚を遅らせていたのだ。
「あとはそうじゃな」
 彼は手持ちのガジェットボールズを使い、ビルの外壁へと破壊工作して静かに穴を開けていく。
 他メンバーは別の手段で侵入していた為、この穴は人質の脱出経路として使われることになるだろう。
「脱出経路がしっかり確保できたたのデ、スムーズに避難させてあげたい気持ち」
 リヴェンティアは穴の外へと小さく手を振ると、空を飛ぶヒーローがこちらに気づき、穴へと近づいてきてくれていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『アーミーメン』

POW   :    アーミースタンバトン
【伸縮する警棒型スタンガン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    ラバーミューテーション
自身の身体部位ひとつを【伸縮自在のゴム】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    プロトデバイス
自身の装備武器に【アメリカ陸軍が開発した試作強化装置】を搭載し、破壊力を増加する。

イラスト:赤信号

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●悲しき操り人形達
 ビルで多数の人質を捕えた立てこもり事件。
 猟兵達の突入もあり、ヒーロー達がヴィラン、蜘蛛男達との交戦を開始していた。
 また、外からは空を飛べるヒーローが大部屋の人々の救出を開始している。
 猟兵の開けた穴から直接外へと避難する形をとっており、直接運ぶだけでなく、効率化を考えてかごに複数を載せ、2、3人がかりで運んで地上へと下ろしていたようだ。
 徐々に人質となっていた人々の数は減ってきているが、この事件の黒幕がそれを黙っては見ていない。
 警備システムもカメラも機能しない中、直接猟兵達を抑えようと大部屋に集まってきたのは、オブリビオンの群れ。
 それらはアーミーメンと呼ばれた、量産型ヒーローだ。
 過去、アメリカ陸軍の強化改造を受けた彼らは、脚光を浴びることなく戦い続けて全滅した悲しきヒーロー達だ。
 しかも、オブリビオンとして蘇らされ、護るべき人々に対して伸びる腕や伸縮する警棒型スタンガンを向けてくるのだから、哀れというほかない。
「…………」
 彼らは何も語らない。
 己の意志すら持つことすら許されず、ただ別の強いオブリビオンの配下となり果ててしまっている。
 可哀想ではあるが、彼らが蜘蛛男のヴィラン達を操っていたのは事実。これだけの規模の事件を起こしたのであれば、許されるはずもない。
 避難する人質を守る為、そして、哀れなアーミーメン達を骸の海へと還すべく、猟兵達は武器を手に取り、ユーベルコードを行使していくのである。
ディー・ジェイ
「団体さんのお出ましときたか!こっからは隠れる必要はねぇ、派手に行こうぜブラザー!」

と叫びつつも俺はサポートメインで動くがな!

・アーミーメン達に対する前衛を他の猟兵達に任せて、俺は敵からの奇襲警戒ついでに壁際or窓際に寄ってポジションを確保。
・視界が開けてるのを確認後、腕を伸ばして猟兵達の何かしらの行動を妨害しようとしている敵に向けて狙撃を開始。俺を狙ってきたら狙撃は止めずに背中に装着したspiderで砲撃を見舞ってやる。
安心しろ、屋内用に爆薬は抑えてある。敵は吹っ飛ぶがな!!
・接近を許したらワイヤーを射出して敵の脚に食い込ませて転倒を狙う。ゴムだろうが食いこませりゃ逃がさんだろうよ。


クーガー・ヴォイテク
まだ避難できてねえやつらもいるか…なら下がるなんて選択肢はねえよな

「安心しとけよ、俺たちが確り護ってやるからよ」
相手の攻撃を避けない、受け止めるという"覚悟""勇気""かばう""気合い"をもって
"聖者の誓い"を行う

傷ついた味方への"生まれながらの光"による治療を第一優先する
味方の猟兵を壁役として使い"ジャッジメント・クルセイド"によって"援護射撃"する
味方を抜け、自身へと迫った敵は"聖者の鉄拳"による"カウンター"
敵がラバーミューテーションで直接、人質を狙った場合"聖者の宣告"による無効化を狙う。又は自身が肉盾

「折角悪い夢から覚めるとこなんだ、大人しくしてくれないもんかね」
台詞絡みアドリブ歓迎


フィン・スターニス
人々の為に戦い、散っていったヒーロー。
彼等が甦り、その力を人々を脅かす為に使う。
本当に、オブリビオンは嫌になりますね。
被害を防ぐ為、そして彼等の為にも、
迅速に骸の海へとお帰りして頂きましょう。

第六災禍・藍の苦痛を発動させ、近接戦闘を挑みます。

薙刀でのなぎ払いと突きでの攻撃を中心に、
時折格闘での蹴撃も行います。

藍の苦痛の反射で動きが鈍った者がいれば、
優先して追撃をし、可能なら急所を狙い、確実に数を減らして行きましょう。


緋縅・善蔵
「別の世界からコンニチハ」
行動の初めに【オーラ防御】と【力溜め】で守りを底上げ。
ビル外部から〔バーニアジャンプ〕と【ジャンプ】で垂直飛びを繰り返し、敵が居る階層を発見したら壁や窓をブチ破って奇襲。
ビル内部から上がってきた猟兵と共同で敵を殲滅。
味方が未だ来ていなかった場合は〔ミサイルカーニバル〕と3門のアサルトライフルを【一斉発射】。敵を足止め、或は殲滅する。
敵からの攻撃は【電撃耐性】や【盾受け】で防ぎ耐える。
敵が格闘主体の場合は[月虹]で斬り払い、[獣の牙]の【カウンター】と【生命力吸収】を図る。
万が一、人質が残されていた場合は彼等までの道を迅速に〔斬鐡〕で切り拓き、彼等の盾になりながら後退。


白神・杏華
なんか怖い敵だね……見てると遠近感がおかしくなりそう。

と、とにかくまずは観察だね。突然飛びかかるのは愚策。相手の出方を見ないと。
……ふむ。腕がすごく伸びるんだね。それに、持ってる武器までよく伸びてる……。
となれば、そのリーチこそが弱点になりうるね。

相手の腕とバトンが伸び切ったタイミングで走っていき、腕や武器をなんとか避けつつ懐に入る。
近付けたら、拾ったガラス片とかで何でもいいから至近距離で攻撃するよ。
そして、透破抜きを発動する。

「そのスタンバトンの弱点はリーチの長さ! その長さ故に、懐に入られるとかえって反撃しづらくなる……それが弱点だよ!」


カイザー・ロックウェル
蜘蛛野郎の次はゴム野郎か!
オブリビオンなら遠慮は要らねえなあ! その長え腕をブチ抜いてやるぜえ!!

念動力で操る六丁の銃で『超制圧射撃』を仕掛け、面制圧を図る
味方やヒーローに手出しができないように絶え間なく射撃を加え、最後の人質が脱出するまで時間を稼ぐ
特にスタンガンは集中して吹き飛ばし、近づけさせない
命中率を上げてきたならしめたもの。先の蜘蛛男との立ち回りで存在感は十分に示していたハズ。即ち狙い通り!
俺様を狙った分だけ誰かがフリーになるはずだ。そいつに手柄は譲ってやる!
捨て身の援護射撃でサポートするぜ!

安心して消えな、ゴムのヒーロー。新しい時代を担うのは、俺様達なんだからなあ!!
★アドリブOK!


グルクトゥラ・ウォータンク
テイザーインカミーン!じゃなかったあれはスタンバトン持ったオブリビオン!何はともあれアサルト仕掛けてくる以上こちらも応戦せねばなるまい。

早々にユーベルコード発動!ガジェットボールズバタリオン!ボールズ召喚したらゴロゴロ部屋の中転がらせてオートでアーミーメン襲わせるぞい。武装は部屋の中じゃしショットガンを選択じゃ。室内戦用に銃身切り詰めたソードオフスタイルでいくぞい。わし自身は後方に下がって【援護射撃】【範囲攻撃】でボールズや猟兵たちと連携。「ランドメイカー」から頑丈な資材を取り出して遮蔽を作るのも忘れずにやっておこう。
さぁさぁかかってこんかいオブリビオン!



●ヒーローの成れの果て
 高層ビルの中層階。
 ヴィランとヒーローが交戦する最中、人質となったビルの関係者を外壁の外へと別のヒーローの手を借りることで逃がす猟兵達。
 だが、それに気づいたオブリビオン達がビル内から大部屋にいる猟兵達を襲撃してくる。
「…………」
 黙したまま長く腕を伸ばし、警棒型スタンガンを向けてくるアーミーメン達の群れ。
 その姿に、制服着用した緑眼の女子高生、白神・杏華(普通の女子高生・f02115)が少しばかり畏怖する。
「なんか怖い敵だね……。見てると遠近感がおかしくなりそう」
 とはいえ、ほとんどの猟兵達は現れたそのオブリビオンにも臆することなく、むしろテンションを高めてすらいて。
「テイザーインカミーン! じゃなかった。あれはスタンバトン持ったオブリビオン!」
 ドレッドヘアのドワーフ、グルクトゥラ・ウォータンク(サイバー×スチーム×ファンタジー・f07586)が叫ぶと、メンバー達は次々に声を荒げる。
「団体さんのお出ましときたか! こっからは隠れる必要はねぇ、派手に行こうぜブラザー!」
「蜘蛛野郎の次はゴム野郎か! オブリビオンなら遠慮は要らねえなあ!」
 ガスマスクの傭兵、ディー・ジェイ(Mr.Silence・f01341)の呼び掛けに、浮遊するサングラスといった見た目のカイザー・ロックウェル(🕶・f04554)は念動力で複数の銃を操り、向かい来る敵を威嚇する。
 まだ、人質の半数以上が避難待ちの状況。
 それを確認した自由人の青年、クーガー・ヴォイテク(自由を愛する聖者・f16704)は、下がるという選択肢はないと判断して。
「安心しとけよ、俺たちが確り護ってやるからよ」
 この場にまだ残る人々に、自らが立ち向かってその攻撃を受け止める意志を示すことで、クーガーは人質の人々に対して聖者の誓いを行い、その力を高めていく。
「…………」
 かつて人々の為に戦い、散っていったヒーローだったその存在は、何者かの意志によって甦らされ、人々の脅威となってしまう。
「本当に、オブリビオンは嫌になりますね」
 眼帯で目元を隠す少女、フィン・スターニス(七彩龍の巫女・f00208)は被害を防ぐ為、そして、彼らの為にも迅速に骸の海へとお帰り頂こうと、仲間と共にユーベルコードを発動していくのである。

●悲しきオブリビオン達
 リーチを生かして攻撃してくるアーミーメンの数は、この場の猟兵よりもはるかに多い。
「何はともあれアサルト仕掛けてくる以上、こちらも応戦せねばなるまい。ガジェットボールズバタリオン!」
 グルクトゥラは敵が仕掛けてくる前に、早々にユーベルコードを使う。
 この場にコマンダーボールズと、多数の小隊ボールズを呼び出した彼はそれらをオートに設定し、ゴロゴロと部屋の中を転がらせ始める。
 長く伸ばした腕を振るって飛び掛かってきたアーミーメン達に対して、猟兵も応戦を開始する。
「その長え腕をブチ抜いてやるぜえ!!」
 カイザーは念動力で六丁の銃を個々に操って大乱射し、視認する敵を纏めて撃ち抜き、時間稼ぎを始める。
 特に、彼は相手の持つ警棒型のスタンガンを警戒し、集中して吹き飛ばそうと試みていた。
「封印解除。藍色の魔力を糧とし、第六の災い、此処に発現せよ!」
 フィンはその直後に展開した防御結界によって、最も迫ってきたアーミーメン目掛け、伸びてくる腕をそのまま返してダメージを与える。
 さらに、フィンは薙刀【白霧】を手にし、薙ぎ払いと突きで向かい来るアーミーメンを攻め立てていた。
「と、とにかく、まずは観察だね」
 その間、杏華は突然飛びかかるのは愚策とアーミーメンを見つめていた。
「……ふむ。腕がすごく伸びるんだね。それに、持ってる武器までよく伸びてる……」
 そうなれば、そのリーチこそが弱点になると、杏華は分析していたようだ。
 そこで、ロボット風の全身鎧を纏った、緋縅・善蔵(首輪付き・f06737)が外から窓を蹴破り、奇襲をかけてくる。
 彼はビル外部でバーニアジャンプを繰り返し、垂直飛びを行ってここまでやってきたのだ。
「別の世界からコンニチハ」
 全身をオーラ防御と力溜めで守りを底上げした善蔵は、この場の猟兵と共同戦線を張る。
 小回りの利く『月光』を使い、彼は相手の体を切り裂いていく。
 さらにアーミーメンのスタンガンを、善蔵は持ち前の電撃耐性や装甲で受けつつ、まずは人質の盾になろうと動いていたようだ。
 盾となる仲間達の後方からは、クーガーが援護射撃へと当たる。
「悪いが、護ると誓ったんでな」
 彼は指先をアーミーメンへと向け、天からの光を放射していった。
 さらに後方、ディーは窓際に位置し、腕を伸ばして何かしら妨害しようとしてくる敵を優先的に、『AR-MS05』で狙撃していく。
 ディー自身を狙ってくる相手には、背中に装着した自立型破壊兵器『spider』で砲撃を見舞う。
「安心しろ、屋内用に爆薬は抑えてある」
 それでも、敵が吹っ飛ぶほどの威力は十分にある。
 爆撃に耐えた敵は向かってくるが、腕や武器を伸ばしきったタイミングで杏華がそれらを避けつつ懐へと入り、割れた窓ガラスで相手の体を斬りつけていく。
「そのスタンバトンの弱点はリーチの長さ! その長さ故に、懐に入られるとかえって反撃しづらくなる……それが弱点だよ!」
「…………!!」
 杏華によって弱点を指摘され、アーミーメンの動きが止まる。
 ユーベルコード【透破抜き】。
 弱点を知らせる広告のホログラムが周囲へと展開し、腕や警棒が一時的に伸ばせなくなった敵へ、猟兵達はさらに攻勢を強めていく。
 やむなく、試作強化装置を使って警棒型スタンガンを強化し、アーミーメン達は直接殴りかかってくる。
「さぁさぁ、かかってこんかい。オブリビオン!」
 ショットガンを手にするグルクトゥラは、ソードオフスタイルで戦いに臨む。
 さらに、彼は手のひら大のハードディスクドライブ『ランドメイカー』から資材を取り出し、遮蔽物としていく。
 それに隠れながら、グルクトゥラは先ほど転がしたボールズと合わせ、仲間の援護射撃を繰り返す。

 戦場に飛ぶカイザーの援護射撃。
 それらは、アーミーメン達の体を撃ち抜き、あるいは足を止めていく。
「当たるようになったなら、しめたもんだぜえ!」
 先の蜘蛛男との立ち回りによって、存在感を十分に示していたカイザーだ。戦いは彼の狙い通りに運んでいたと言える。
 その戦いの間に、人質の救出がヒーロー達の手によって進む。
 避難が進むのを横目にしながら、善蔵は前線で態勢を整え直したアーミーメンの振るう警棒型スタンガンを、短刀【獣の牙】でカウンターを叩き込んで体力を奪い取っていく。
 敵が接近してくるなら、こちらも接近戦に。
 ディーはワイヤーを射出し、敵の足へと食い込ませて転ばせてしまう。
「ゴムだろうが、食いこませりゃ逃がさんだろうよ」
 そいつ目掛け、フィンは蹴撃で急所を突いていく。
 フィンは続いて、自動展開した防御結界で攻撃を反射した敵が動きを鈍らせたのを見て、薙刀を素早く突いて止めを刺し、確実に数を減らす。
 交戦が続けば、猟兵達の体にも傷が増えてしまう。
 クーガーは聖なる光でメンバー達の癒しに当たりながらも、自らを肉盾として。
「折角、悪い夢から覚めるとこなんだ。大人しくしてくれないもんかね」
 クーガーは残り少なくなった人質を護り切る為にと【聖者の宣告】を働かせつつ、超高速で拳を打ち込む。
「人生を謳歌せよッ!!」
 そうして、クーガーはアーミーメンを卒倒させてしまう。
「安心して消えな、ゴムのヒーロー。新しい時代を担うのは、俺様達なんだからなあ!!」
 哀れなるヒーロー達へと告げたカイザーは仲間達へと手柄を譲りつつ、最後の1体が倒れるまで射撃を続けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『アシュラレディ』

POW   :    阿修羅旋風
予め【六本の腕に持った刃物を振り回す】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ブレイドストーム
自身が装備する【愛用の刃物たち】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    シックス・ディフェンス
対象のユーベルコードに対し【六本の刃物による連続斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:otomo

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●蘇りし戦闘狂の女
 高層ビル中層階、大部屋での戦い。
 アーミーメンを倒しきる頃には人質となっていた人々の救出、解放もヒーロー達の活躍によって進み、その姿は大部屋からなくなっていた。
 猟兵達はこれで無事に終わったと安堵していたのだが、新たな殺気を感じて武器に手にかける。
「やれやれ、ほんと使えない連中だね」
 そこに現れたのは、剣呑な雰囲気を纏う女性のオブリビオンだ。
 蜘蛛男にアーミーメン。いずれも特徴のある腕を持っていたが、こいつもまた特徴的な腕を持つ。
 腕そのものは普通の女性の腕なのだが、腕を6本も持っており、その腕全てに異なる刃を手にしていた。
「アタシが直々にやるしかないようだね」
 こいつは、アシュラレディと呼ばれるヴィランだった。
 優れた武術と強靭な肉体を持ち、数多くのヒーローと交戦したとされる。
 6本の腕に持つ刃による攻防もさることながら、複製した愛用の刃を念力で多数複製し、念力で操作して相手を切り刻むユーベルコード【ブレイドストーム】も脅威だ。
 オブリビオンとして復活している頻度が高い相手であり、それだけ知名度が高いヴィランだったのだろう。
 そして、オブリビオンとなり果てたことで、その力は一層強力になっているものと思われる。
「さて、どいつから切り裂いてやろうか」
 刃を一舐めしたそいつは、ゆっくりと距離を詰めてくる。
 猟兵達はこの事件の真なる黒幕を前に、その討伐へと乗り出すのだった。
クーガー・ヴォイテク
「さて悪夢の元凶がおいでなさったか」
味方の『援護射撃』として『二回攻撃』の【ジャッジメント・クルセイド】を放つ
敵に撃つ前に気づかれたら『フェイント』を混ぜていく

味方が傷ついたら優先的に『高速詠唱』しながら『祈り』【生まれながらの光】で治療

『第六感』を働かせながら相手を『情報収集』するように観察。何かを仕掛けそうになったら出ばなを挫くよう【聖者の宣告】で無効化を狙う

近づかれたら『覚悟』と『勇気』を決め、『怪力』による『カウンター』になる【聖者の鉄拳】で『鎧無視攻撃』となるよう急所を狙い味方の方へ『吹き飛ばす』

こいつも倒してよ、事件も解決して皆の笑顔を見ようや
それが一番ワースってな

アドリブ絡み歓迎


フィン・スターニス
黒幕の登場ですか。
使えないと言いますが、
貴女が使いこなせていないだけでは?
自身の未熟を、他者に転化させるのは、みっともないと思いますが?

それはさておき、
戦闘では、弓での援護射撃を主に行い、
他者の支援をしましょう。
敵の動きを見切り、予想して、矢を放ち、妨害します。

第四災禍・緑の暴風を使い、
吹き飛ばす事で、体制を崩す事も試みます。


リヴェンティア・モーヴェマーレ
▼アドリブ&他の方との絡み大歓迎
もり盛りのモリOK

▼本日のメインの子
響(戦闘特化なハムスター)
他の子が居ても全然OK

▼【WIZ】
事件のニオイ…な気持ち!
血祭にされる前に倒したい気持ち…

さぁ、ひびちゃん戦いのお時間でス!(ハムスターが本来の姿のルーンソードへと変身)
[2回攻撃]や[全力魔法]を駆使して[スナイパー]で命中率を上げつつ攻撃していきましょうカ

相手の攻撃で周辺の地形が破壊された場合はそれを利用しながらUCを発動でス[属性攻撃]を上乗せさせて更に攻撃力を上げていきたい気持ち

[激痛耐性]で多少の痛みは我慢出来ますガ、あまり酷い場合は下がって[目立たない]場所で[医術]を駆使して回復デス


ディー・ジェイ
「ヒュー、随分な美人が現れたもんだ。敵じゃなけりゃ是非とも口説きたいねぇ!」

・弾道を定めないことで相手の軌道予測を乱し、六本腕全てを使わせて弾の処理を行うよう仕組む。一瞬でもこっちに腕の処理が遅れりゃ、他の猟兵の一発を綺麗に決めるチャンスが作れるだろ?
火喰蛇もあえて打ち消すという動作をさせる為に使うのもありだな。
「美人なアンタにはこいつをプレゼントしてやるよ、ありがたく受け取ってくれや!」

・刃物を飛ばされたら、そこらに転がった雑魚ヴィランの死体?をワイヤーで引き寄せて肉盾にする。卑怯?人質使ってるアンタら相手にゃ上等だろ?
ついでにそれを盾にしたまま制圧射撃を敢行。一本でも多く刃物を撃ち落とす。



●修羅を名乗るヴィラン
 ヴィランによる人質事件が起こる高層ビル。
 猟兵達は15階の大部屋に捕らわれたビル関係者達の元に駆け付け、人質を解放させぬと襲ってきた多数のアーミーメン達を撃破した。
 50人はいた人質も、猟兵達の救出、そして、ヒーロー達が直接運搬してくれていたこともあって外への避難はほぼ完了していた。
 そんなタイミングになって、そいつは猟兵達のいる大部屋へと姿を現す。
「事件のニオイ……な気持ち!」
 三つ編みにした藍色の髪を揺らすリヴェンティア・モーヴェマーレ(ポン子2 Ver.4・f00299)が殺気を感じて、大部屋の入り口に目をやる。
「さて、悪夢の元凶がおいでなさったか」
 とある教団に属する聖者の青年、クーガー・ヴォイテク(自由を愛する聖者・f16704)が遅い登場の敵を見て、不敵に笑みを浮かべた。
「やれやれ、ほんと使えない連中だね」
 悪態をつきながら大部屋へと現れたのは、6本の腕を持つオブリビオン『アシュラレディ』だ。
 その姿に、ガスマスク着用のディー・ジェイ(Mr.Silence・f01341)が「ヒュー」と口笛を吹く。
「随分な美人が現れたもんだ。敵じゃなけりゃ、是非とも口説きたいねぇ!」
 事実、そのオブリビオンはスタイル抜群で、顔も美人と言えるレベルに整った女性ではある。
「お生憎様だけど、興味ないね」
 しかしながら、アシュラレディはディーのお誘いをバッサリと拒絶し、抜いた6本の刃同士を擦れさせる。
 そうした黒幕の登場を、大きな布帯で両目を隠すフィン・スターニス(七彩龍の巫女・f00208)が注視する。それは特別製らしく、内側からも視界は確保できるようだ。
「先程、使えないと言いましたが、貴女が使いこなせていないだけでは?」
 自身の未熟を他者に転化させるのはみっともないのではと、フィンはアシュラレディに指摘し、挑発する。
 それが気にくわなかったらしく、相手もフィンを睨みつけて。
「どうやら、あんたから血祭りになりたいらしいね」
 殺気を放つ敵に、リヴェンティアも真っ向から対抗して。
「血祭にされる前に倒したい気持ち……」
 相手の攻撃に対して、冷静に呟いた彼女もまた攻撃へと打って出るのだった。

●多彩な連続攻撃に……
 アシュラレディもまた、猟兵の動きに合わせて素早く跳躍して。
「そらそらそらそらっ!」
 6本の腕の刃物を振り回し、大きく振り回してから仕掛けてくる。
「さぁ、ひびちゃん。戦いのお時間でス!」
 リヴェンティアは戦闘特化なハムスター、ひびちゃんこと響を本来の姿のルーンソードへと変身させ、それを手に切りかかっていく。
 相手は6本の刃で連撃を仕掛けてくるが、予めモーションを見せていたこともあり、動きは幾分が見切りやすくなっている。
 とはいえ、それでも腕の数の分、敵の攻撃は多彩だ。
 リヴェンティアがスナイパーのスキルでアシュラレディを狙い、連続して刃を見舞っても、手数はあちらの方が上。
 持ち前の激痛耐性で痛みはある程度我慢できるとリヴェンティアも考えてはいたが、限界を上回る手数で攻め入ってくるだけに厳しい。
 だが、猟兵も1人で戦っているわけではない。
 クーガーは援護射撃の為にと相手に指先を向け、天からの光を連続して降り注がせていく。
 とっさに飛び退いてアシュラレディも回避していくが、クーガーもフェイントを織り交ぜつつ光を発していった。
 さらに、フィンが宝弓【月風】を引いて味方を援護する。
 フィンは眼帯の下から注意深くアシュラレディの動きを見切り、その先の立ち回りを予想して矢を射かけ、妨害していく。
「ちっ」
 舌打ちしたアシュラレディは攻撃パターンを変える。
 彼女は即座に周囲へと無数の刃を複製し、自身の周りに浮かび上がらせてみせた。
「行きな、アタシの愛しい刃物たち!」
 それらの刃は全てアシュラレディの意のままに動く。
 敵も見切らせまいと、多種多様な攻撃方法で刃による攻撃を飛ばしてくる。
 刃の嵐は、この場の猟兵達を一気に劣勢へと追い込む。
 ディーはすかさず、周囲に倒れたアーミーメンのワイヤーで引き寄せ、肉盾とした。
「哀れな連中さ。死んでなお使われるなんてね!」
「そんな彼らを使えないと切り捨てた上、人質使ってるアンタらに言われたくないね」
 そのままの態勢でディーは制圧射撃を行い、アシュラレディの操る刃物を1本でも多く撃ち落とそうとしていく。
 その間に、フィンは詠唱を行っていて。
「封印解除。緑色の魔力を糧とし、第四の災い、此処に発現せよ!」
 フィンが撃ち放つ圧縮した空気の塊はアシュラレディに着弾すると同時に解放され、敵の体を大きく吹き飛ばす。
「あうっ……!」
 相手と距離が生まれたことでクーガーは高速詠唱を行い、前線で刃の嵐に直接耐えていたリヴェンティアの癒しに当たる。
 クーガーは自らの体力をすり減らしながらも、彼女の体についた切り傷を塞ぐ。
 前線から下がることも考えていたリヴェンティアとしては、その援護はありがたいところ。
「ありがとう……の気持ち」
 感謝の言葉を口にした彼女は、アシュラレディが切り裂いた壁が崩れたことで出来た瓦礫を使いつつ、ユーベルコードを使う。
「――自然と共に散りゆくのデす……」
 リヴェンティアは己の剣に氷の力を乗せて鋭さを増し、さらに切りかかっていく。
「甘いね」
 だが、アシュラレディも6本の刃物を振るって連続攻撃を仕掛け、その属性の力を相殺してしまい、リヴェンティアの体を斬りつけていった。
「癒しの光が打ち消すッ」
 その瞬間、クーガーは敵の出鼻を挫こうと、光を放って敵のユーベルコードを相殺し返して、敵の連続攻撃を食い止める。
 さらに、ディーも弾道を定めさせぬようにして、『AR-MS05』で狙撃していく。
(「一瞬でも、こっちに腕の処理が遅れりゃ……」)
 そうなれば、他の仲間達が一発を綺麗に決めるチャンスが生まれると、ディーは考えていたのだ。
「美人なアンタにはこいつをプレゼントしてやるよ。ありがたく受け取ってくれや!」
 ディーが放つライターの炎はさながら空を這うよう蛇のように飛び回り、アシュラレディへと近寄っていく。
 さすがに、敵もそれを撃ち落とす為にと刃を差し向けるが、それによって相手の手数を使わせることこそがディーの目的。
 フィンがすかさず矢を射放ち、リヴェンティアが今度は剣に炎を纏わせて切りかかる。
「これしきで……っ!」
 それでも、アシュラレディは強引に押し通ろうとし、距離を詰めて片っ端から猟兵達を切りかかってきた。
「こいつも倒してよ。事件も解決して皆の笑顔を見ようや」
 クーガーも覚悟と勇気を決め、相手の刃に合わせて素手で殴りかかる。
 最もアシュラレディが無防備なみぞおちをクーガーは強く殴りつけ、その体を吹き飛ばす。
「それが一番ワースってな」
 丁度、リヴェンティアは自らの方へと飛んできた敵を、炎を纏ったルーンソードで切り伏せてしまう。
「終わり……デス……」
「こ、こんな、はずは……!」
 真っ二つになったアシュラレディの体は大きく燃え上がり、持っていた剣ごと消えてなくなっていったのだった。

 かくして、ヴィランによる高層ビルの占拠事件は解決する。
 表向き、ニュースや新聞では実行犯である多数のヴィランを倒したヒーロー達の活躍が大きく取り上げられていた。
 しかしながら、救出された人々は知っている。
 その影でオブリビオンの暗躍があったことを。
 そして、ヒーローと共にオブリビオンを討伐してくれた猟兵達の姿を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月13日


挿絵イラスト