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暗夜に駆ける六条の銀閃

#ヒーローズアース

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#ヒーローズアース


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●深く潜む闇
 人々の悲鳴が聞こえる。
 富める者は全てを奪われ、貧しきものは徒に嬲り殺される。
 護る者達が消え去り、正義を失った街は退廃を謳歌していた。
 歌うように略奪し、踊るように命を奪う。
 状況を憂うヒーロー達が悪党と戦うが、闇は深くに潜っている。
 末端の悪党を捕まえるだけでろくな情報を得られないか。
 ――若しくは。
 闇夜から放たれる六本の銀閃により、悉く斬り裂かれてその命を落としていった。

●再び人々の心に光を
「――夢を、視ました」
 グリモアベースの一角にて。墨文字の綴られた巻物を手に、陽子が淡々と告げる。
「新しく、発見された、世界。ひーろーとう゛ぃらん…悪党が戦う世界で。悪党が暗躍する予知を、視ました」
 夢で視た出来事を綴ったグリモアを読み上げ、集まった猟兵達を見つめる。
「強力な…六本の刀を手繰る、阿修羅のような首魁が率いる、集団。街を護る、ひーろー達を襲い。街を、手中におさめようと、しています」
 放っておけば、街の人たちは略取され、悲惨な未来がまっています、と目蓋をふせる。
「…それは、止めなければなりません」
 しかし、深い闇に潜った敵の首魁を見つけだすのは容易ではないと付け加える。
「まずは、街に蔓延る悪党を、一掃して、下さい」
 手下の多くがやられれば、首魁がでてこざるを得ないでしょう、と予測をたてる。
「どうか、悪夢を終わらせて下さい」
 感情の消えた瞳に、微かな希望の色をにじませ。
「夜に、闇に怯える街の人達を…救ってください」
 宜しくお願いします、と深々と頭を下げる。
 彼らの胸に、再び光をもたらしてくださいと囁き、集った猟兵達の手をとった。


八幡の人
 影に日向に、誰かを護るヒーローは燃えますよね!
 お世話になっております八幡の人と申します。
 新世界の依頼を提出させて頂きます。

 街を乗っ取ろうと暗躍するヴィラン率いる集団を討伐して頂きます。

●1章
 悪党達が、お店を襲い金品を強奪しようとしています。
 但し、彼らはヒーロー達を警戒しており、不利とみれば車両による逃走を試みます。
 街を熟知している彼らを追うのは容易ではありません。
 速度を活かして追いかける、聞き込みをして足取りを追う等、ご自身の得意な方法で追跡を行って下さい。

●2章
 闇の組織が取引を行う場所があるとの情報が流れています。
 猟兵達の力でその場所を突き止め、彼らのもくろみを阻止して下さい。

●3章
 集団を率いているヴィランとの戦闘になります。
 戦闘場所等は、3章の開始時点での情報を参照して下さい。
 ヴィランは改心する可能性が存在しますので、捕縛して下さい。
 改心するか否かは、皆さんとの接し方が影響する可能性があります。
 必ず改心するわけではありませんので、声をかけるかどうかはお任せ致します。

 楽しいリプレイをお返しできるよう微力を尽くしますので、皆様の熱いプレイングをお待ちしています。
 思いをたくさん込めたプレイングを頂けると嬉しいです。
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第1章 冒険 『悪党を追え!』

POW   :    身体能力を活かして追いかける

SPD   :    車を調達してカーチェイスを挑む

WIZ   :    魔法や超能力を活かして追いかける

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●略奪者は笑う
 浸食する闇に怯え、活気を無くし静まりかえった都市の一角。
 とある証券会社に、銃声が響き渡る。
 黒塗りの高級車から降りてくる人影達。
 黒いスーツにテンガロンハットのヴィラン達が、店から金品を強奪すべくにやけ面をしながら店へと歩みを進めている。
 このままでは、彼らは店へと押し入り、略奪の限りを尽くしていくだろう。
 金も、従業員達の命さえも。
 ここで逃がしてしまえば、また闇に潜み同じ事を繰り返すだろう。
エン・ジャッカル
へえ、ヒーローズアースですか。本の中にいるような空想の存在であったヒーローや神がいるとは胸が踊りますね。…とはいえ、それでも他の世界と同じく事件は発生するのですね。
であれば、見て見ぬふりなんて出来ないというものです。悪行を阻止させて頂きましょう。

車で移動するのであれば、相棒である宇宙バイクのアヌビス号の出番ですね。ブースターで加速して追いかけようと思います。可能であれば、アヌビス号の両側にあるシールドガンで相手の車のタイヤに狙撃して移動妨害を試みます。

ただし、ブースターで加速した場合の当然のデメリットとしてカーブしにくいので、その場合はモードチェンジでロボ型に変形してカーブしようと思います。


ベルベナ・ラウンドディー
悪党
正義の味方
その間を行き交う者と、振り回される者
どの世界も構造に大差は無いですね



【追跡・騎乗・吹き飛ばし】
…ええと高級車ですね
バイクの追跡に専心させてもらいます
とは言え土地勘も特にないうえ此方の愛機は直線番長…
入り組んだ場所に逃げられたら追い切れる自信はありませんね
正直、高速展開以外のことは出来そうにないので細かいことは他の方に任せますよ
なにかあったらこの世界のネットワークハックして私のヘルメットに情報ぶっ込んでください
要求にはなるべく応じますから。


【情報収集】
追跡途中、この世界の様子を脇目をくれながら簡単に把握しておきます
…最低、燃料補給できる場所は覚えておかないといけませんし。


フィロメーラ・アステール
「むーん! それ以上の悪行は許さないぜ!」
人助けのために颯爽と飛び出すぞー!

【パフォーマンス】で気をひいているスキに【迷彩】魔法で【物を隠す】ことで狙われそうな人を隠す!
ヴィランが撃ってきたら【オーラ防御】のバリアで防御だ!
他人に対してバリアを飛ばすこともできるぜ!

ヴィランが逃げ出したら【錬成されし対の双星】を発動!
あたしの分身を呼び出して追跡させるぜ!
発見されにくく、【空中戦】の技術で小回りにも対応、もちろんスピードだって【残像】が出るくらい速い!
見失っても【第六感】と【失せ物探し】の魔法で足取りを追える!
逃げられると思うなよー!

撃退や捕縛の決め手は仲間に任せるかな?
できたら援護もするけど!


リダン・ムグルエギ
今回の事件解決デザインは…盗ませる、よ

事前にユーベルコードで作った偽札(キチンと見ればすぐわかる程度のもの)をバッグに詰め込み
その札の隙間にGPS発信機を入れておくわ

そして、事件発生前後にヴィランの近くで
銃声や戦闘に驚いた感じで、中が見える程度にバックの口を開けた状態でそれを地面に落として
「えっ、何事……ひぃっ?!
って声を上げるわけ

運悪く巻き込まれた被害者を装い
逃げようとする相手に「行きがけの駄賃」としてバックを盗ませ
発信機で容易に追えるようにする…
今回はそんなデザインなの

「やめて、それがないと会社が…
等の台詞で
「容易に盗れそうな獲物」感を演出するわ

後は他猟兵へ情報を流しチェイスは全てお任せね



●集え異世界のヒーロー達
 整然とした証券会社の店内に、黒ずくめのスーツ姿のヴィラン達が押し入る。
「ご機嫌麗しくシティの皆さん!いやいやここにいる皆様は随分と懐具合がよろしいご様子!貧しい我々に『善意』の募金をお願いしにあがりました!」
 さあ、さっさと有り金をだすんだよと、銃口を向けられた客や店員から悲鳴があがる。
 店員が非常通報のボタンを押すが、ヴィラン達が謳歌するこの街では、しばらく救助は望めないであろう。
 それをわかっているヴィラン達は、にやけ顔で略奪を始めようとする。店内にいた人々の顔が恐怖に染まる。
 しかし。
「それ以上の悪行は許さないぜ!」
 店内に、小さな・・・けれど、凜と通る声が響き渡る。

●フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)
 悪党共に選ばれたこの街は、不幸だったかもしれない。たまたまこの場に居合わせてしまった人達は、運が悪かったかもしれない。
 けれど、先刻世界が繋がり、まじわった。
 そして今、なによりラッキーな事に、あたし達(ヒーロー)がここにいる。
 だから、堂々と悪党共に宣言しよう。
「それ以上の悪行は許さないぜ!」
 世界を駆けるラッキースターがきたからには、もう安心だぜー!
 声の出所をきょろきょろ探してるみたいだけど、小さいからって無視できないようにみせつけてやるぜ!
「どこをみてるんだ?しっかり探さないと、見失うぜー!」
 輝く粒子をまき散らして、連中の周りをとびまわるぜ。流星群みたいで綺麗だろー?
「なんだこの光は?!」「くそ、なんか小さいやつが飛び回ってやがる!どっかのヒーローか?!」
 こっちに気が向いてる間に、民間人と悪党共の間を光の粒子で壁にして、目隠ししておくぜ。ラッキスターから目をはなすなよな!その間に、お兄さんお姉さん達、椅子とか机の下に隠れときなよって合図おくっておくぜ。
 おっと、苛立って発砲してきたね、短気は損気だぜ?あたしの光は目眩ましだけじゃない、いや、あたしにも何の光なのか詳しくはしらないんだけどな!一点に集めれば、防御にも使えるぜ!
「そんな攻撃じゃあたしは捕まえられないぜー!あたしの仲間が来る前に、さっさと逃げたほうがいいかもしれないぜ?」
 人がいる店内で暴れられても厄介だからな。増援が来ることをちらつかせれば、分の悪いことは避けたいのか、舌打ちをしながら店内から逃げ出していく。
 よしよし順調、といっても逃がす気はないぜ?あたしの魔力を分けた分身つくって、追跡しておくぜー!魔力から生み出した魔力の分身・・・分裂?いやいや・・・。
『こんにちはあたし!それじゃあ、追跡は頼んだぜあたし!』
 ハローもう一人のあたし、って、本体はこっちだぜー?!
 
●リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)
 フィロメーラちゃんの方は、うまく追い出してくれたみたいね。
 なら、次はアタシの出番かしら。
 グリモアベースで作戦を聞いて、色々と事前に用意はしてきてるわよ。
 UDCの服を繕い直したこっちの世界の民間人らしい服装に、ボストンバッグ。
 バッグの中には札束がたんまりよ。まあ、アタシが創った偽札だけれど。
 今回の事件解決のデザインは・・・『盗ませる』よ。といっても、もちろんただでは盗らせないけれど。
「くそ!なにみてやがる、ぶっ殺されてえか!」
 通行人おしのけて車に向かおうとしてるみたいだけど、口が悪くてやーねぇ。
 その通行人って、アタシのことだけど。さて、演技(アート)の時間ね。か弱い民間人のふりをして、盛大にこけてあげましょう。
「えっ、何事ですか?!ひぃっ?!」
 受け身はとらずに、乙女座りで転倒。転倒した拍子に、口を開いたバッグを落とすのも忘れないわ。
 当然、中身の偽札が散らばるわね。
 やらしく目の色を変えてる連中の前で、慌てて偽札をかき集めてみせるわ。
「手ぶらで帰らされるところだったが、いいカモがいるじゃねえか」
「や、やめて!会社の大事なお金なの!それがないと、私の会社が・・・!!」
 顔を青ざめさせて、必死でバッグを胸元に抱き寄せれば、ほらとても狙いやすそうな獲物の完成よ。
「うるせえ、てめぇの会社なんか知ったことか!死にたくなけりゃおとなしく寄越しな!」
 少しだけ抵抗してバッグを押さえるけれど、程なくしたら渡してあげるわ。
 まーなんて嬉しそうな顔してるのかしらね。
 どうしてこんな事をしたのかですって?
 別に、嫌がらせで偽札を渡したわけじゃないわ。それだけの為にこんな面倒なことしないもの。
 当然、事前に仕込みはしてあるわ。アタシは結果を待つばかりよ。
「さて・・・後のチェイスは、他のみんなに任せましょう」 

●ベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンのバイク乗り・f07708)
 予想通り、車で待機してたやつらと合流して逃走にかかりましたね。
 それにしても・・・蔓延る悪党と、それを追う正義の味方。その間を行き交う者達と、振り回される者達。
 いくつも世界があるはずなのに、どの世界も構造に大差は無いですね。生き物の本質に、かわりはないということでしょうか。
 と、そんな考察を長くしている時間も無い。私は連中の車を追いかけましょうか。
 愛車にまたがりヘルメットをかぶれば。リダンさんが連中に盗ませた鞄に仕込んだ『GPS』からの位置情報が、ディスプレイを仕込んだヘルメットのシールドに送られてくる。
 この世界の地図情報まではまだ手にはいりませんでしたが、方角と距離がわかるのは有り難い。
 納得いくまで整備をした愛車のスロットルを開けば、寒空にエンジン音が響き渡る。
 クラッチ開き、ギアをつないで速度をあげれば、黒塗りの車の背が見えてくる。
 シールドの隙間から入ってくる風に混じるのは、都市の匂い。いく先々の世界や場所で風の温度や匂いの違いを感じられるのは、バイク乗りの特権ですかね。
 一般の車両の間を、発砲で威嚇しながら連中の車が加速する。その後を追うように、車の間を縫うようにして愛車を走らせる。
 高速展開は得意ですが、入り組んだ場所に入り込まれたら追い切れる自信はありませんね。 GPSは、連中だけじゃなく私達にも配られています。
 私は直線でプレッシャーをかけて・・・入り組んだ所にはいった時は、仲間にまかせましょう。
 後続の助けになるよう、街の道路データは随時発信しておきます。燃料を補給できる所は、特に大切ですしね。
 といってる間に、狭い路地の方に。面倒ですねっ。
「エンさん、そちらは任せましたよ!」

●エン・ジャッカル(風来の旅人・f04461)
 ヒーローズアースですか。あのヴィラン達を懲らしめるような、本の中にいるようなヒーローや神が、空想ではなく本当に存在する世界とは胸が躍りますね。
 とはいえ、そんなヒーロー達がいても、他の世界と同じように事件は発生するのですね。特に、この街ではそのヒーロー達まで狙われているとの事ですが。
 であれば、見てみぬふりなんてできないというものです。
 車を追うということであれば、バイク乗りである私達の出番ですね。
 相棒の宇宙バイク、アヌビス号と共に追走しましょう。
 直線路での追い込みはベルベナさんにお任せして、多少小回りのきく私達は路地に逃げ込まれた時の追走を担当します。
 今日も頼りにしてますよ、アヌビス号。重力化でも最大限の性能を発揮できる宇宙バイクにまたがり、追走を開始する。アヌビス号のコアから流れる光波が車体全身に行き渡り、風と一体化する。直線は背後のブースターを全開にして追いかけましょう。移動中に皆さん、道をあけてくださいね。
 ベルベナさんから通信が入るのと同時に、黒塗りの車が路地に飛び込むのが目に入る。
 バイクの状態では小回りがききませんが・・・。
「アヌビス号、モードチェンジ!」
 シートにまたがる私の体を起点として、声に応えるようにアヌビス号の車体が変形する。ギアが組み変わる音、装甲のフォルムがかわりつなぎ合わされる擦過音。
 瞬く間に、アヌビス号が私の体を包む巨人・・・犬頭を模した二足歩行の巨大なロボへと変形する。
 セミスレイブ方式に切り替わった操縦席でハンドルを握れば、巨人の体が意思に従い走り出す。
 二足歩行で路地に飛び込めば、リアガラス越しにヴィラン達が驚いている姿が目にはいる。どこに逃げても、逃がしませんよ。
「人の幸せを奪うのは看過できません。悪行は阻止させて頂きます」

●Side-Villain-
 ヒーロー達がいない間に証券会社を襲撃するだけの、楽な仕事のはずであった。
 それがどうだ。証券会社には得たいのしれない力を使う妖精がいて邪魔がはいった。
 今も、その仲間と思わしき連中が後を追ってくるかと思えば、巨大なロボに変形までしてくる始末。
 気のせいかもしれないが、ずっと鳥のような黒い影が車の上空を飛んでいるのも煩わしさに拍車をかけている。
 唯一の収穫といえば、通行人から奪った札束の詰まったボストンバッグ。
 これだけでも持ち帰れば、多少ボスにも面目も立つだろう。
 そんな彼らは、気づかない。
 土地勘を生かして狭い路地裏を進んでいたはずなのに、なぜか大通りに向けてハンドルを握っていることに。
 彼らは、気づかない。
 ボストンバッグの中から、メトロノームのようにかちりかちりと、一定のリズムを刻むオルゴールの音が鳴っていることに。

●リダン・ムグルエギ
 この都市の流行も、悪くないわね。面白いデザインの服がたくさんあるわ。
 別にさぼってるわけじゃないわよ。
 GPSを見る限り、二つ目の仕込みが効いてきてるんじゃないかしら。
 今回のデザインコンセプトは『盗ませる』よ。
 オルゴールのリズムを聴いているうちに、狭い場所にいたくなくなるような暗示を仕込んでおいたわ。動かずに仕事をするのも、アタシのやり方(アート)だもの。
 ちょっと悪いけれど、あの連中には、大通りを走る車の交通時間を盗んでもらうわ。
 交通量が多い所に暴走車両が逃げ込んで時間を盗ませたら、どうなるかわかるでしょ?
 そう、渋滞よ。

●フィロメーラ・アステール
 空を飛ぶあたしの分身からは逃げられないぜー!
 分身に捕まえる能力はないから、空から道の情報みんなに送って、ナビゲートするぜ。
 エンちゃん達三人に誘導されて、路地からそろそろ大通りに飛び出てくる頃だ。
 ベルベナちゃんに、最短距離のルートおくっとくから・・・。
『後はとっつかまえるだけだな、捕り物はまかせるぜみんな!』

●ベルベナ・ラウンドディー
 うまいこと皆、誘導をするものですね。有り難く情報を受け取り、愛車を最短距離で走らせる。
 誘導通り、交通量の多い通りに黒塗りの車が飛び込んできて・・・強引に走り抜けようとしますが、程なく渋滞に捕まり動きをとめましたね。
 愛車の上で直刀を抜き、車から降りて逃亡を図ろうとするヴィラン達へと突貫します。
 驚いたヴィラン達が発砲してくるのを、車体を地面すれすれまで傾けて回避する。
 捕縛ということでしたので、峰打ちで容赦してあげましょう。バイクの速度をのせた刀の背で、足を払って足止めを。本来はこういう使い方ではないんですけどね。
 残りは・・・。

●エン・ジャッカル
 他の方面に逃げたヴィラン達は、私が。
 アヌビス号で跳躍した後に、背後のブースターを稼働させる。
 重力に逆らい、渋滞する車を乗り越え黒塗りの車両の上に着地します。重量に耐えきれずに潰れた車を踏み越え、アヌビス号の腕で逃げるヴィランを捕まえます。
 それでも逃げる連中に、二門のシールドガンで退路を塞ぐように牽制の射撃をしておきます。逃げられませんし、逃がしませんよ。
「悪行が過ぎましたね。しばらく、独房で反省して下さいね」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

満月・双葉
【江戸川律】さんの運転するバイクの後ろに乗って追いかける敵に対する攻撃手に回ります。
律さん…よろしくお願いする、ね。
視力、暗視、聞き耳などで敵を補足し、律さんに教える事で敵を視界に収められる範囲内で追跡してもらいます。
攻撃は、スナイパーを利用して制度を上げ、眼鏡を外してユーベルコードを中心に、虹瞳での攻撃、武器の投擲、銃による射撃でカバーします。

運転は律さんに任せて安心して攻撃に集中出来るます

改心するかもと言うのなら、死なない程度にボッコにすれば良いってことかな。

アドリブ歓迎
絡みもご自由に


江戸川・律
チーム参加【満月双葉】

【双葉】を後ろに乗せ、愛車のバイクで追跡を行います。
予備のヘルメットを手渡して
「双葉、頼むな」とにっこり微笑み。
自分もペンギンぽいデザインのヘルメットを被ります。

「情報収集、騎乗、操縦」でバイクを操り
後ろから伝えられる双葉からの情報を信頼して追跡。

ただ地の利は向こうになるので、
渋滞や走行不可能な場所に逃げられそうな場合

「ごめん、ちょっと今から無茶する。しっかり掴まれっ!!」と

アクセルをフルスロットで吹かせながら
UC「Over Speed」を使用、「念動力」技能レベルを上げ
バイクを空中に浮かせて空を駆けて追跡を続行します。

アドリブ大歓迎



●潜む闇を暴け
 同刻。
 ヴィラン達が証券会社への襲撃を行い、車での逃走をはかったもう一台の黒塗りの車両。
 仲間の車両に追っ手が集中している事に安堵し、都市の闇へと逃げ込もうと車を走らせる。
 強引な運転に交通車両から抗議のクラクションが鳴るが、銃声で黙らせ前へと進む。
 自分たちの行き先を見つめる『視線』には気づかないまま。


●江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)
 ヴィラン達が支配しようとしてる都市かぁ・・・。
 このまま放っておいたら、ここも犯罪都市みたいになるのかな。
 そうはならないように、俺達がいるんだけどね。街に潜む闇を暴くのが俺の仕事だぜ。
 建物の間で身を潜めていると、仲間の猟兵達に追い立てられて黒服のヴィラン達が車で逃げ出してくるのが見える。1台は別判が追走にかかってるから、俺達はもう1台のほうだな。
 横で一緒に様子を窺ってた双葉に視線を向ければ、もの静かな頷きが返ってくる。
「それじゃあ、追走始めようか。俺は運転に専念するから、捕り物は頼むぜ、双葉」
「わかりました、何かあれば伝えるので、操縦は、律さん、お願いするね」
 予備のヘルメット双葉に渡して、バイクの後ろに乗せる。俺もジャーナリストとして情報収集は自信あるけど、双葉の目は信頼できるからね。
 逃走を図るヴィラン達の車両に悲鳴のような声が聞こえる喧噪に、後を追うためにバイクを走りこませる。
 シールド越しに見える風景に集中する。道をいく車の交通量、俺達が走り抜けられそうな進路、都市の、建物の並び。
 前方の車の流れをみれば、ヴィラン達が逃走する経路も見えてくる。地の利は向こうにあるけれど。
 その先をいく為に観察し、情報を頭にたたき込んで整理していく。
「どこに潜もうとしても、必ず捕まえるからね!」


●満月・双葉(星のかけら・f01681)
 犯罪都市、ですか。どの世界も、良い人達を悪人が狙う構図に、かわりはないんですかね。
 このまま放ってもおけないので、律さんと共に追跡します。高速での追跡は、あまり得意なほうではないので、操縦は律さんに、お願いします。
 情報調査員として、追跡になれている様子の律さんのおかげで。風を受け止める風防越しに、黒い車両の背中がみえてきます。
 『眼』で見える範囲にきたなら、僕もお手伝いができますね。
 背中からお兄ちゃんの銃をとりだして、前方を見据える。一般の車両を交わしながらの、高速で右に左に揺れる世界の中でも、僕の目はヴィランの車両を捉え続ける。
 両足で姿勢を保持して、風の流れと距離を測り、引き金を引く。
 空薬莢の排出と同時に、お兄ちゃんの銃から放たれた銃弾は、過たず黒塗りの車両のリアガラスを割り砕く。
 驚くヴィラン達の顔がみえます。これで、中が見やすくなりましたね。
 僕達の追走に気づいたようで、黒塗りの車両が路地裏へと逃げ込もうとするのが見えます。
 本来なら、狭い道に逃げ込まれるのは、厄介ではあるんですが。
「敵、路地裏へ逃走。律さん・・・お願いする、ね」


●江戸川・律
 できるだけ双葉が撃ちやすいように走らせてるつもりだけど、これだけ揺れる足場の上でよく当てるよね、流石双葉。
「敵、路地裏へ逃走。律さん・・・お願いする、ね」
 どこへ逃げても、追いかけ続けるよ。隠し事は、いつか見つかるものだからね。それじゃあ、行くよ!
「双葉、ちょっと今から無理するから、しっかり掴まれっ!」
 俺自身の限界を超える為に、一度眼を閉じて集中する。アドレナリンが極端に分泌されるような感覚と共に眼を開ければ、荒波のような世界の『情報』が流れ込んでくる。
 俺自身の感覚を普段の何倍にも研ぎ澄ませて、世界と、愛車に不可視の手を伸ばす。たどり着きたい情報への『道』は、見えずともそこにある。
 念動力で愛車を浮かせ。その『道』を走らせ、路地の上空へと至る。 眼下に、俺達の追跡を巻こうと、右に左に曲がり車をはしらせる光景が眼にはいるけど・・・全部お見通しだぜ。
 これなら、後はまかせてもいけるよな?


●満月・双葉
 僕達を乗せた、律さんのバイクが、念動力で空へと浮かび上がる。
 無理をしているはずですが、そこに道があるように、滑らかに空を走っていますね。
 ヘルメットを少し緩め、魔眼殺しをはずす。ヒーローズアースの蒼穹と、灰色の都市群をうつしていた視界が、虹色の世界へと一変する。 眼下を見据えれば。割れたリアガラスの向こうに、虹色の世界の中で異物のように暗い闇が見える。
 その異物を取り除く為に視線を集中すれば、虹色に輝く花弁が車両の中を埋め尽くします。これが、お姉ちゃんがみていた世界なのかな。 驚きか、花弁に視界を塞がれた為か、痛みからか、もしくはその全てにか。逃走していた車両がハンドル操作を誤り、建物の塀に激突しましたね。
「捕縛、ということですから。程ほどのところに、しておいて、あげますね。おとなしく投降するのを、お勧めしますよ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『闇取引を潰せ』

POW   :    怪しいと思われる非合法組織を襲撃するなどして、力技で情報を得ます

SPD   :    関係者への聞き込みや目撃者を探すなどして、闇取引の現場を特定します

WIZ   :    非合法な品の流通経路や取扱業者のデータから、取引現場を探り当てます

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●拡散する闇を捕らえよ!
 猟兵達の活躍により、ヴィラン達の一部を捕縛することに成功した。捕縛したヴィラン達から得られた情報の中に、『各企業の倉庫や貨物の集積場所が集まる区域のどこかで、闇取引が行われている』というものがあった。
 捕縛されたヴィラン達は直接関与する事はなかったが、他の都市等のヴィラン達と武器や情報、あるいは麻薬等の違法物品の取引が行われているとの事。
 局より渡された該当地区の地図をみると、大企業から中小企業迄、数多くの企業が保有する倉庫が建ち並ぶ街区。
 最近はヴィラン達の暗躍により、人が寄りつくことができず、機能停止している倉庫もあるのだとか。
 規模が大きな闇取引もされているとの事もあり、これを放置していれば、この都市のヴィラン達の強化だけにとどまらず、他都市のヴィラン達とのパイプラインの強化にも繋がってしまう。
 なんとか取引場所を突き止め、闇取引を阻止しなければならない。
ユウキ・スズキ
UCで35名の兵士を召喚、5人づつ分隊に分けたあと、1分隊と自分が輸送車に残り、インターネット上の情報を検索しつつ、怪しそうな場所を見つけ次第分隊を送って偵察、必要なら制圧する。もし、取引場所を発見し、1分隊での対処が難しそうなら、他の分隊も適宜合流させ、確実な制圧を図る事にしよう。
「さぁ、オペレーションを開始、ネズミ狩りを始めるとしようか?」
アドリブ、共闘歓迎。


ベルベナ・ラウンドディー
【追跡・失せ物探し・情報収集・学習能力】

「機能停止中の倉庫群」を捜索、ユーベルコードによる情報回収を狙う
無記録の情報も拾えるのがこの炎の強み、その点の役回りを務めます
…精度は悪いですが。


そもそも停止中…監視機能すらというならそれ自体が活動痕跡では?
他は侵入・破壊跡…そういえば奴等は現金を狙い、車を使ってました
なら物的な取引という観点で、車やケースの残骸など輸送手段特有の内容なら上等です
それらをサインとし、最終的に高密度の場所で拾える情報を期待します
何の脈もない輩の活動痕跡なら…?
ノイズですね。
仕事の邪魔した奴誰だ、殴るぞ



ロクな情報がないならそれも結果の1つ
倉庫を利用する企業との関連を疑います 


満月・双葉
【江戸川律】情報収集で先ずは…そうだ、ネットとかは使えるよね、律さん
ちょっとお願いしていいかな
何か怪しい書き込み…クチコミがないか
あれ、これ(思わず触ってパソコンが爆発する)…ほら、僕がパソコン使うと爆発するから
パソコン、幾らかな。弁償するから
その後は後ろから覗き込む形で、気になるものや勘に触れるものがあったら指摘してみます
後は分析かな…困った時には【山猿の弟子】で…ただの勘だよ
突入の時には…逃げる奴を見つけたら律さんに教えるね…武器の投擲と銃による射撃をスナイパーで制度を上げて援護射撃を
近くに来られたら零距離射撃と大根で殴りつけて…あと、合気道で投げ飛ばす気絶攻撃
女だからって舐めんなよ小悪党


江戸川・律
【満月双葉】と共同
ヒーローズアースに新しく開設した活動拠点「UBジャーナル」のオフィスで
「アンダーウェブ」に繋ぐことが出来ないかチャレンジしています
まさか新調した2台のパソコンの内、1台が爆発するとは思わなかったよ
弁償?大丈夫
初期不良で交換して貰えると思うからさ
「早業・情報収集・ハッキング」を屈指て
頑張るけどやっぱガードきついな正攻法では攻略できないか…
はぁ悪いちょっと身体頼む
指示はそこのマイクでよろしく
UC【Cyber-space】で意識を電脳世界にダイブしてプロテクトを解除して行きます
ネットの世界はマジで広大だぜ
さて調べた情報で目的の倉庫に向います
さぁーてちゃちゃっと頑張るか


フィロメーラ・アステール
「取引をしてるってことは……何らかの出入りは続いてるってことか?」
もしくは人を寄せ付けないための見張りがいるか。
何らかの動きがあるなら、きっと見える瞬間があるはずだぜ!

【迷彩】魔法を使って姿を隠し、倉庫街区に潜入!
見回りをして【第六感】にピンとくる場所をチェック!

そして【創成したる遺の連星】を発動だ!
石ころの複製を作り出し、怪しい場所の近くに仕掛けていく!
感覚共有により石ころを監視カメラ代わりにするぞ!
この石ころで怪しい奴、怪しい動きを探し出す!
猟兵の取り締まりから逃げた奴が引っかかる可能性もあるな!

……ちょっと作りが荒いけど、道端の石ころを観察するヤツなんてそうそういないから、たぶん大丈夫!


エン・ジャッカル
うーん、参りましたね。倉庫や集積場所だけでも多くありますので、虱潰しに探しても時間が経つだけですね。であれば、警察署に行って治安が悪い地区を絞り、そこで情報を収集してみましょうかね。

情報収集と言っても直接に情報を収集するのではなく、わざとストレートに闇取引をしているところを知らないかと尋ねて、はぐらかされた後にその者に影の追跡者を追わせて、そこから情報収集をしようと思います。

さてはて、上手くいくといいですが。勿論、尋ねた以上自分自身に危機が訪れる可能性はあるでしょうから、アヌビス号にはいつでも自分の元へ呼び寄せれるようにしておくことにします。


リダン・ムグルエギ
拡散する闇を潰すのは大事
でも、この街に猟兵では無い光、ヒーローの力という自浄作用を取り戻すことも重要だと思うの

まず新聞社に広告を打ちヒーローに呼びかけるわ
銀行強盗ヴィラン逮捕!今こそヒーロー立ち上がる時!連絡は此方まで…って感じで

一度消えかけた正義という流行を、再び生み出すのよ

ハローヒーロー
アタシは猟兵、アナタの親愛なる新しい協力者よ
アナタに似合う衣装は…あ、その前にお名前は?

連絡が取れたヒーロー達には防刃性強めに改造した衣装を渡し
聞き込みを手伝ってもらうの
ボタンを押すと周囲の猟兵に異常が伝わる特殊GPSも渡してね

猟兵だけで街を救ってもこの町は自立出来ない
だからアタシは未来のための一手を打つわ



●錯綜する電離網
 都市は、俄にざわめいていた。
――証券会社を襲ったヴィランが返り討ちにあったらしい。
――大通りでカーチェイスしてたのもみたぜ。
――もしかして……どこかから、ヒーローがきたのかしら?
 もしかしたら、都市が救われるかもしれない、そんな淡い期待。
――でも……まだまだヴィラン達は残ってるんだろ?
――下手な事して、ヴィラン達を怒らせたら……。
 今までヒーロー達が現れる度に、その悉くが行方を追えなくなっていた。
 期待を持ちたい気持ちと、またかなわないのかもしれないという落胆の狭間で、都市に住む人々の心は揺れ動いていた。

●動かぬ煽動者(リダン・ムグルエギ)
「……貴女方がヴィラン達を捕まえたというのは、本当でしょうか」
「当局に聴いてみてもらってもいいけど、こんなことで嘘は言わないわ」
 アタシがもってきた『広告』をみて、編集長さんが悩んでいるのを前に、もう一度声をかけてみるわ。
 ここがどこかって?『広告』っていうぐらいだから、この都市の大手の新聞社よ。
「ヴィラン達が闇取引をしてるって情報を掴んだから、この広告を広めて欲しいのよね」
「しかし……もし、貴女方がこれで捕まえられなければ、我が社が狙われる事になる!」
 その気持ちもわからなくはないけど。ここはどうしても協力してもらいたいのよね。
「じゃあ聴くけれど……貴方は、この都市が好きかしら?編集長さん」

●情報の海へ(江戸川・律/満月・双葉)
 ヒーローズアースでの拠点、UBジャーナルの設営も間に合ったな。俺達は、まずはここから情報収集を担当だな。
「律さん、ネットとかは使えるよね。怪しい書き込みとか、口コミとか、探せないかな」
「ネットの開通も、セキュリティもなんとか間に合ったよ。双葉はそっちのパソコン使ってくれな」
「……僕が触っていいなら、いいですけど」
 二人でやったほうが効率いいしな。表面でみえるようなところだとヴィラン達も監視してそうだから、アングラ…アンダーウェブにどうにか接触できないか試してみよう。
 しばらくサーチとアタックを繰り返してみるけど、セキュリティが堅い。神様までいる世界だから、セキュリティのシステムも独特だな。
 しばらくネットの海と格闘していると…不意に、間近で爆発音が耳にはいる。一体何事?!

 しばらく律さんが情報収集をしているのを見ていたけれど。
 指の動きと、画面の移り変わりが早すぎて、何をやっているのかあまり理解できない。
 律さんが、時折頭をがりがりとかいているから、難航しているのは伝わってきますけど。
 僕の目の前には、新調したばかりの真新しいパソコン。
 待っているだけも申し訳ないので……何かできないか、パソコンのスイッチをいれてみよう。もしかしたら、律さんが2台使うかもしれないし。
 起動スイッチは、多分これ、かな。丸いマークが書かれているスイッチに指を触れる。刹那。
 デスクトップパソコンの中から、爆発音が響き渡る。ついでに、放熱口から黒い煙も。
「何事、って双葉?!なんでパソコンが爆発してるの?!」
「…機械と相性、悪いから。僕がパソコン使うと、やっぱり爆発するから…」
 やっぱり、応援とか、分析に徹しよう。
 ……パソコン、幾らかな。

 突然の爆発にびっくりしたけど、まあ、相性が悪いなら仕方ない。
 相性が悪いと爆発するのか……?自爆装置はロマンがなくはないけど、そんな装置はつけてなかったはずなんだけどなぁ。
 っと、まあそれは後回しにして。やっぱ正攻法で攻略は難しそうだな。情報収集の為に、『潜って』みるかな。
 攻略対象のセキュリティ画面を開いて、一度ぐっとのびをして椅子に体を預ける。
「ウェブに潜ってくるから、悪い、体ちょっと頼むぜ」
 指示があったら、そこのマイクで宜しく、と双葉をみれば、俺がすることを察したのか頷きが返ってくる。
 意識を画面に集中する。目の前に広がるネットワークに、俺のニューラルネットワークを接続し、切り替えるイメージを膨らませる。
 繋げるという意思に、繋がったという確信がフィードバックする。
 再び眼を開けば、情報の海に飛び込んだような浮遊感。よしよし、電脳世界へのダイブは成功だな。
 ここからが情報調査局の腕のみせどころ、セキュリティの攻略いってみますかね。
『気になることがあったら、指示頼むぜ双葉!』

 律さんの体が脱力するのと同時に、スピーカーから律さんの声が聞こえてきた。意識をうつすのは、成功したんですね。
 指示を任されたので、パソコンに触れないように画面をみます。
 目まぐるしく変わる画面は理解できないけど、律さんが収集した情報が次々に送られてきて、開かれていく。
 違法な武器や薬の取引の目録、他の都市と取引がされているという情報律さん、ビンゴ、だね。
 具体的な取引場所と、取引日時の特定に難儀しているみたい、なのかな。
 画面に集中して、流れる画面を分析する。
「律さん、そっちじゃなくて、一度戻って、別のほう探してみて」
 了解、という応答からしばらくして。
 次の取引日時の情報が、画面に現れる。
『すごいじゃないか双葉!双葉の分析、ビンゴだったよ!』
 とりあえず情報がみつかったのなら、安心。まあ、分析といっても。
「ただの、勘だよ」
 電子の海の中で、律さんがこける気配がした。

●ハイドアンドシーク(エン・ジャッカル/ベルベナ・ラウンドディー)
 うーん、闇取引の取引場所の特定といっても、倉庫や集積場所だけでも多くありますので参りましたね。
 仲間から、今日の夜半にまた取引があるとの情報がはいったので、日中に私達で場所の特定までできると良いのですが。
 現地の調査のうちの一組は、私とベルベナさんのペアで行います。同じバイク乗りですしね。
「さすがにこの場所を虱潰しというわけにもいきませんが、エンさんのほうで何か案はありますか?」
 あらかた場所を絞れればやりようはあるんですが、とベルベナさんが頭をかく。
「まずは、闇取引の関係者がいないか現地を探してみましょうか。今夜が取引であれば、現場の人払いか何かできている可能性もあります」
 そういうことであればとベルベナさんに承諾をもらい、現地へと二人で愛車を走らせる。
 事前に、治安が悪い街区を警察署で確認をしました。闇雲に探して回っても仕方ないので、まずはそちらから当たりましょう。
 着いたのは閑散とした倉庫地区。元は流通の拠点として賑わっていた場所のはずですが…今は静まりかえっていますね。
「機能停止に追いやられてると聴いてましたけど、人がいなくなった建物は冷たいものですね」
 バイクから降り、このままでは廃墟となる倉庫をみながらこぼすベルベナさんに同意する。
 目的地につき、人を捜し回ること数十分。貨物車が通ることを前提につくられた広い道路で、黒服に身を包んだ人影を見つける。
 ベルベナさんと視線をあわせて、黒服のお兄さんの前にでましょう。
「こんにちは、少し道をお尋ねしても良いでしょうか」
「ああ?なんだてめえらは」
 できるだけにこやかに尋ねたつもりですが、すげないお返事。まあ、当然だと思いますが。
「このあたりで闇取引が行われているとのことですが、場所をご存じだったりしませんか?」
「……。はっ、そんなもん知らねえな。それに、ここで死ぬてめえらには関係ねーことだな!」
 はぐらかしているのか口封じか。黒服が銃を乱射してきました。少しこちらを窺うような間がありましたから、関係者かもしれせんね。
 とりあえずここは反撃することなく、打ち合わせ通りにバイクにまたがり、二人で離脱を図りましょう。
 置き土産に、私の『影』はおいていきますけどね。

 二人がかりなら交戦になっても取り押さえられるとはいえ、堂々と煽りにいくエンさんも肝が据わっていますね。
 今は、エンさんがおいていったエンさんの分身たる『影』が、先ほどの黒服のあとをつけている所でしょうか。便利そうな能力ですね。
 影からの情報を収集するエンさんと待つことしばし。
「影から連絡がありました。パシフィックサービスと看板のある敷地へ入っていきました。敷地にはいってから車両に乗り換えられたので途中で見失いましたが、敷地の裏手の建物のどこかだと思います」
 建物の中に入られたのは厄介ですね。とはいえ、足取りを追ってみましょうか。
 二人でそれぞれの愛車を走らせ、現場の近くへと急行する。敷地内に乗り入れると見つかる可能性がありますから、茂みに停車して中へと潜入します。
 入り口の監視カメラなどを確認しますが、完全に機能を停止している。まじまじとみれば、カメラから伸びている配管が切断された跡がみてとれる。ただ機能停止しているだけなら、こんな事をするはずがない。ここが取引場所かどうかは別として、何かはありそうですね。
 擬態で周囲の風景に溶け込みながら、二人で建物を目指して潜入します。元々は輸入商品を扱っている会社なのか、外国語の資料や品物が目立ちますね。金目のものは、荒らされてしまっているようですが。 人に出会わぬまま建物の中を散策することしばし。煙草の匂いの染みつく休憩所へとたどり着きます。食べ散らかした食べ物のパッケージ等から、誰かが出入りしている様子がうかがえます。
 ここなら、探ってみる価値があるでしょう。
「エンさん、ここで探りをいれてみますので。しばらく見張りと人払いをお願いできますか」
「かまいませんが、何をするのですか?」
「この部屋に残る『記憶』を探ります」
 私が前に手をかざすと、8立米程度の、熱と色の無い炎が室内で燃え上がる。この場所で過去にあったものを再現する炎です。まあ、精度が約束できないのが難点ですが。
 まずは2時間前ぐらいから現在までの記録から順にいきましょう。だめなら徐々に遡っていきます。
 まずはじめに映し出されたのは、部屋のソファーに座って、菓子を食べながら漫画を読む品のない黒服の男。しばらくだらだらと漫画を読んで、げらげらと笑い声をあげている姿。ノイズですね、殴るぞ腹正しい。
 根気強く映像を眺めていると、先ほどまで追いかけていた男性が部屋へとはいってくる映像が流れ始めます。
――……探りをいれてる奴が……おいはら…
――……さっさと移動……今夜…取引は、いつ…の…港湾の倉庫……
 ノイズ混じりの映像の中から拾えるいくつかの単語。ビンゴですかね。
「便利な能力ですね、ある程度はしぼりこめそうでしょうか」
「ええ、港湾にある倉庫ということでしたら、随分と絞り込めますね」
 情報を流して、虱潰しに探すのは、得意な仲間達に任せましょう。

●鉄壁の監視網(ユウキ・スズキ/フィロメーラ・アステール)
 別働で頑張ってる仲間達から、どんどん情報届いてるぜー!
 港湾地区の倉庫ってことなら、大分絞れそうだな。最後の追い込みは、あたしとユウキちゃんにまかせろってな!
「該当する倉庫は、大小併せて二八施設だ。半分は、俺が受け持とう。残り半分を頼めるか?」
「まかせろー!あたしがばっちり解決してやるぞー!」
 ユウキちゃんの肩越しからのぞき込めば、ユウキちゃんが入手した地図にしっかりマーキングが施されてる。さすが軍人さんだなー。
 あたしはこっちの黄色のマーキングされてるほう担当するぞ。今日のラッキーカラーだしな!
「夜までに全てを調べようと思えば時間が足りない。すぐに行動にうつる。貴殿の武運を祈る」
 まとめるものまとめて、さっとユウキちゃんが車から降りていく。 それじゃあ、あたしもいくぜー。
 さてどうやって探したもんかな。取引をしてるってことは、建物の中になんらかの出入りをしてるってことだよな。
 人にみられたくない取引をしてるってことなら、見張りとかたててるかもしれないよなー。
 じっと見張ってれば、いつかその瞬間を捉えれるはずだぜ!
 敷地内全部は監視できないから、とりあえずまずは見回りだな。
 ユウキちゃんにもらった地図に、怪しいポイントと監視しやすそうな箇所をメモっていくぞ。
 視覚をまげる迷彩魔法をあたし自身にかけながら敷地を飛び回って、びびっとくるところをピックアップ!
 それで、肝心の監視につかうものだけど……。うん、石っころならどこにあっても怪しまれないよな!ってことで、あたしと感覚共有できる石っころのレプリカを創成して、設置していくぜ!
 あんまり創りすぎても、あたしの頭がパンクしちまうんで場所は絞るけどな!仕込みはばっちりだぜ!
「あとは果報は寝て待てだな!」
 寝てたら監視できないだろうって?そういえばそうだったぜ!?

 賑やかな妖精の相方を見送り、輸送車の外へと出る。
 時刻は夕刻。海に沈みゆく陽を一瞥して、声をあげる。
「『総員、集合』!」
 俺の声に反応して、折り目正しく軍服を着込んだ小隊が、俺の眼前に現れる。総勢35名、そこにいるのが当たり前のように現れた仲間を見渡し、此度の作戦内容を伝達する。
「此度の作戦は、悪党共の闇取引場所の特定及び制圧だ」
 この悪党共には、この都市で活躍していたヒーロー達が多く惨殺されている。
「該当する倉庫は14施設、時間に猶予はない。貴殿等には、5人の分隊にわかれて潜入を行ってもらうことになる」
 俺の号令に、素早く5人ずつの分隊が形成される。統制のとれた仲間達の動きに、かつて率いていた仲間達を思い出す。
 悪党共にやられたヒーロー達には、家族がいただろう。仲間がいただろう。友人がいただろう。恋人がいたかもしれない。
 俺は顔も名前も知らない。けれど、残された人々…家族等の無念を考えれば、このまま悪をのさばらせておくことが、どうしてできようか。
「奴らは必ず捕らえなければならない。法で裁けないものをくだすのが、私たち傭兵の役割だ」
 故に、号令を下そう。誰かの仲間を、家族を奪う悪党共に鉄槌を下す為に。
「さあ、オペレーションを開始しよう。各員、配置につけ!」
 了解の言葉と共に、1分隊を残して仲間達が戦場へと散っていく。
「さあ、ネズミ狩りをはじめようか?」

 監視で待機してる間に、ユウキちゃんの部隊のほうからどんどん『クリアー』って通信がとんでくるぜー。さすが本職の軍人さんだな!
 あたしのほうの監視はまだ反応がないみたいだけど、ユウキちゃんのほうがあたりをひくかもしれないし、しばらくは我慢だぜ!
 だんだん夜が近づいてきて、視界がわるくなってくる。あたし本体なら暗視もあるんだけどなー。
 とか考えてたら……暗闇でなんか動いた?海側のほうから、もしかして明かり消した小舟かなんかで移動してきたのか?
 裏側に監視おいてなかったら見逃してたかもしれないぜ!もってるねあたし!
 ってことで…総員集合だぜー!

 次々と倉庫に潜入し、人気等がない旨の連絡が、各分隊から輸送車両へ届いてくる。
 半数以上の候補を潰した時点で、俺たちの方ははずれかと思っていると、フィロメーラから取引場所発見の報が届く。
 即座に俺の分隊を呼び戻し、目的の場所へと静かに移動する。
 倉庫の外でフィロメーラが手招きしている所へ合流して中をのぞき込むと、40名程の黒服達が取引を行っている様子がうかがえる。
 取引をしている物のサイズから、律や双葉がみつけた目録の武器であろうと推測できる。
 二つの組織が取引を行っているのか、二陣営の代表らしきやつらが箱やアタッシュケースを交換し、握手をしているのが見える。
 取引は終わったようだ、待っていてもこれ以上中の連中は増えまい。根こそぎおさえるなら今だろう。フィロメーラに視線で合図を送り。
「総員、突入!奴らに戦争ってものを教えてやるぞ!」

●天網恢々疎にして漏らさず
 ユウキの号令一下、暗い倉庫にフィロメーラとユウキの分隊が飛び込んでいく。
「ラッキスターのあたしが到着だぜー!そっちにとってはアンラッキーかもしれないけどなー!」
 目眩ましとばかりに、光の粉をまき散らしながらフィロメーラが飛び回る。
 突然の襲撃に驚いきはしたが、まがりなりにもヴィラン達。
 すぐに銃を手にし、侵入者への対応に銃撃を始める。
 マズルフラッシュに照らされたフィロメーラが、飛び交う銃弾を避けている間に。
 ナイトヴィジョンをつけたユウキの小隊が影のようにヴィラン達に忍び寄り、次々にヴィランを制圧をしていく。
 逃げだそうとするヴィラン達には…闇夜で白く輝く大根が投げつけられ、地面へと沈む。
 大根を回収するついでとばかりに、近づいた双葉がヴィランを投げ飛ばす。
「女だからって、なめんなよ、小悪党」
 捕縛ってことだから、とどめはささないけど、と呟く双葉の背中を守るように、律が銃を乱射する。
「あ、ユウキさんも合流してたんだね」
 小さく手をふる律に、見知りのユウキが片手をあげてかえす。
 倉庫の入り口から、二条のライトとイグゾースト音を立てながら、2台のバイクが飛びこみ。逃げ惑うヴィラン達を跳ね飛ばしていく。
「港湾のほうって情報、間違ってなかったようで安心しました」
「最後のとりものにも、ぎりぎり間に合いましたね」
 ベルベナが直刀で、ヴィランの獲物を突き壊し。エンがアヌビス号の機銃でヴィラン達を気絶させていく。
 倉庫は怒号とうめき声、マズルフラッシュと銃声で満たされていた。 出入り口を塞がれ、最後に残ったヴィラン達は、建物の壁を強引に突き破って脱出を図った。
 外へと逃げてしまえば、地の利のあるヴィラン達。これで逃げ切れると、近くに待機させている車両へと逃げ込もうとした刹那。
「にげちゃやーよ、追いかけるのめんどうくさいんだから」
 闇夜に、けだるげにたたずむ女性が一人。リダンが、逃げ道を防ぐように立っていた。
 一人ならば押し切れると、速度を落とさずに向かってくるヴィラン達をみて、リダンが口を開く。
「一人ならなんとかなるって、おもったでしょう?」
 やーねー、そんな危ないことしないわよ、とリダンがぱちんと指を鳴らすと。
 いつのまにか、ずらりと個性的なコスチュームの集団が立ちはだかり、敷地を包囲していた。
「ひ…ヒーロー?!どいつもこいつもヒーロー共か?!」

●消えぬ色彩(リダン・ムグルエギ)
 拡散する闇を潰すのは大事。
 アタシ達が、この待ちのヴィラン達を倒してあげることはできるわ。
 けれど、いずれアタシ達は別の場所にいく。だから、この都市の人々や、ヒーロー達が、立ち向かう心を取り戻す必要があると思うの。この都市の未来の為の一手を撃つわ。
 その為に、広告と電波を借りて、この都市の人々に呼びかけたわ。
 アタシ達は、貴方たちの親愛なる協力者。銀行強盗のヴィラン達を逮捕したわ。
 今まで、財産な仲間、それに家族や自由を奪われ続けて。
 悔しかったでしょう、つらかったでしょう。けれど、雌伏の時間は終わりよ。
 今こそ、立ち上がる時よヒーロー!
 再び戦う為の手伝いを、アタシ達がしてあげる。
 二の足を踏んでいたとしても……あるでしょう?貴方たちの心の中に、正義という炎(流行)が!
 そう呼びかけた結果が、今のこの状況ね。
 ヒーローもダークヒーローも、そして街の人たちも。ここにいる猟兵達の勇士をみて。自分の街を守るために、立ち上がったわ。
 ハロー、未来のヒーロー達。
 アナタ達ヴィランには、見えているかしら?
「どれだけ闇に消えたようにみえても。正義の色は消えないわ」
 世界は、そういうデザインでできてるのよ?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『アシュラレディ』

POW   :    阿修羅旋風
予め【六本の腕に持った刃物を振り回す】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ブレイドストーム
自身が装備する【愛用の刃物たち】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    シックス・ディフェンス
対象のユーベルコードに対し【六本の刃物による連続斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:otomo

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●暗夜に駆ける六条の銀閃
 猟兵達や、猟兵の勇士に再び正義の心を取り戻したヒーロー達の活躍によって、闇取引を行っていたヴィラン達は残らず捕らえられた。 猟兵達の活躍に、喝采があがる。
 しかし。
 闇夜に走った六条の銀の閃きが、空き倉庫を7つに分断し…轟音をたてて崩れ去った。
 そこにいる人たちが振り返った先には、がれきを煩わしそうに蹴りのけながら現れる、阿修羅のような6つ腕の女性。腕には、それぞれ一振りずつの刀が握られ、月明かりに照らされ鈍い光を放っている。
「あたしの所場で、何好き勝手なことをしてくれてるんだろうねぇ」 集まったヒーローや人々を睥睨して、せせら笑う。
「うちの部下共が世話になったようだけど…まさか、本気であたしを相手にできるとおもってんのかね?」
 馬鹿共が、一同に介したなら手間がはぶけるってもんだ、と笑い、6振りの刀を構える。
「ちったあ戦いごたえのあるやつはいるんだろうねえ!あたしに従わない連中から切り伏せてやるから、まとめてかかってきな!」
ベルベナ・ラウンドディー
本来は剣術勝負は避け、間合の外から集中砲火で臨むべきですが…
其方は得意な方に本領発揮できるよう、足止めに徹します
6つ腕と言え、背に目があるわけでも空を飛ぶわけでもないのなら皆さんならいい的になりえるでしょう



【見切り・早業・吹き飛ばし・衝撃波・串刺し・逃げ足】
要は6つ腕より早く此方の掛かりが届けばいいのです
吹き飛ばすか此方が退くか、絡み取られる前に一撃離脱の戦術を取ります
首を取りにいくのではないし防戦展開もまんざらではありません
…【学習能力】
その際は剣技を学ぶいい機会だと考えます
特徴を抑え、膠着状態に持ち込むだけでいい
しかし、格下相手の戦術しか知らなそうですし油断もあろうものなら


悪不(殺意全開)


水心子・真峰
ほう、この世界の阿修羅とはこんな姿をしているのか
凄まじい力だが顔は一つか、惜しいな
戦神よ、私は水心子真峰
ただ一振りの刀の化身だ
此度は是非お相手願おう

敢えて同じ技で挑もうか
狙うは相手の刃の無い部分の峰・背、両刃なら刃区・棟区だな
攻撃が放たれた直後、躱しながら叩き折ろう

とはいえ相手の方が本数が多い、仕掛けなければな
錬成した太刀に残像を付けながら一斉攻撃
これが大技と見せかけ
私自身はその幕に隠れながら背後へ回り
視線の届かない背面から一太刀入れよう
惜しいな、目が届かなかったか


ユウキ・スズキ
六本腕…ね…女を殴るのは趣味じゃないんだが…まぁいい。
その腕で何発銃弾捌けるか、試してみようか?
【一斉発射】で八咫烏とレヒツ、リンクス二丁を撃ち込んだあと、アンカーショットを後方の壁か何かに撃ち込んで、巻き取りながら急接近。
UCで一発ぶん殴らせてもらう。
その後も、隙があるようなら左腕の散弾砲を全弾撃ち込んで、
後は援護に徹する。
「さぁ、小悪党。懺悔の代わりに踊って見せろ、その気味の悪い六本腕で…」


フィロメーラ・アステール
みんなの集まっている場所に出てきてしまうとは……!
なんともアンラッキーなヤツだな!

とりあえず仲間への攻撃を【オーラ防御】のバリアで防御したり、【第六感】で察知した危険を教えたりしつつ、隙をうかがう!
集中できるタイミングが来たら【願い願われし綺羅星】を使うぞ!

この場にいる仲間やヒーロー達の正義の心を【破魔】【属性攻撃】の【全力魔法】で纏めて、敵に向かって放つ!
【気合い】を入れて、みんなの想いを集約だ!
……ひょっとしたらヴィランの中にも、何か想うところのあるヤツがいるかもしれないな!

そっちはひとり! いや6本!
こっちは、えーと……たくさんのパワー!
「お望み通りに、まとめてかかってやるぜ!」


リダン・ムグルエギ
あー
無理ねコレ
建物崩壊する一撃は衣装じゃ防げないわ

「散開して!
大事な街を悲しませないためには、死なない事を第一に!
あと、プランGよ!

今回ヒーローの衣装に仕込んだ催眠模様は一部の隠し布を剥がす事で完成するの
普段から催眠模様見せるのも変だしね
プランGは「攻撃か防御の直前にその布を剥がして」というものよ
使うタイミングは彼ら任せ

見た瞬間に発動する技を事前に見る事は無理よ
それに…衣装はヒーローの数だけデザインが異なるわ

「皆、二度は通じないわ!無理せず離脱して!

アタシは離脱したヒーローと共に捕えたヴィランを戦場外へ護送するわ
誰も死なせないのが大事でしょ

…後はアタシが手を出さなくても良さそうね
戦いも
この町も


エン・ジャッカル
おお、六本の腕とは。本で見たことがありますが、現実では見たことがありませんでしたのでなかなかどうしても好奇心が抱きますね。

っと、早速戦闘態勢に入りますか。残念、出来ればもう少し会話してみたかったのですが。では私もいつものように相棒であるアヌビス号と合体して戦闘態勢に入ることにしましょう。

さて、相手は阿修羅如くの六本の腕を持つ女性。恐らく本に出てた阿修羅のように六本の腕が持つ刃物で連撃して猛攻してくるでしょうから、シールドガンで連撃を捌いてカウンターを狙うのが良さそうですね。捌き切れないと判断した場合は、ブースターで距離を取って仕切り直しをしてから急接近して攻撃を仕掛けようと思います。


江戸川・律
【満月双葉】
アレはアシュラレディ?
マジか!?倉庫を刀で両断するなんて何の冗談だよ!?!?

豆腐の様に断ち切られた倉庫に驚いた表情を浮かべた後
頭を切替、すぐさま双葉と他の猟兵への援護重視で立ち回ります。
「情報収集」で周囲の状況を瞬時に確認
「罠使い・戦闘知識・早業・先制攻撃」で
「レプリカクラフト」によるこちらが有利に戦えるように
次々に壁や檻などを作成して行います。

しかし、あの切れ味だと…
この程度は多少の時間稼ぎにしかならないか
やったろうじゃん!!
数秒でも斬り込める時間を作ってやるよ!!

空中を舞う「ブレイドストーム 」を
次々に廃材も利用し
鉄の壁を作りながら移動範囲を絞りつつ封殺に掛かります。


満月・双葉
【江戸川律】ユーベルコードでお姉ちゃんを召喚しておき攻撃に加わってもらっておき、ここぞという時にお姉ちゃんと一体化することで変化する真の姿(黒い方。髪の毛に桜石がつく)を解放して、律さんの援護を受けて斬り込むよ。
斬り込めなくても僕たちの動きが他の猟兵達への援護に繋がったら良いわけだし遠慮なく動こう。
残像を見せる早業で動き回り、標的を絞らせないよ。
全力魔法で目を活性化。敵の防御の耐性を命とみなして脆い所を見抜き鎧無視攻撃を行うと同時に鎧破壊攻撃で他の人たちの攻撃も通りやすくなるようにしておこう。
敵の攻撃は、視力、暗視、聞き耳、第六感、野生の勘で見切り、見切れないものはオーラ防御で防ぐよ。



●月に叢雲
 朦々と粉塵が舞い散る夜の埠頭で、アシュラレディと猟兵達、そして都市のヒーロー達が対峙する。
 多人数を前にして尚、彼女は不敵な笑みを浮かべる。
「骨がありそうなのは8人ってところかね。あたしの憂さがはれるまで、精々楽しませてくれるんだろうねぇ」
 そんな傲岸不遜な様子をみて、律がうめくように声をあげる。
「あれがアシュラレディ?まじか、倉庫を刀で両断するとかなんの冗談だよ?!」
「まともに受けるのも、危険ですね」
 答える双葉は、じっとアシュラレディの動きを見定める。猟兵達を挑発するように、3対6本の腕が自在にうごめく。
「おお、六本の腕とは。本でみたことはありますが現実では見たことがありませんでした。不謹慎ながら、好奇心が沸きますね」
「ほう、この世界の修羅とはこんな姿をしているのか。私の國では三面六臂と伝え聞くが、顔がひとつしかないというのは惜しいな」
 その傍らで、興味深そうにエンと真峰が頷きを返す。仏像にみられるようなアシュラレディの造形は、悪党であることをぬきにすれば美しくもある。
「六本腕ね……女を殴るのは趣味じゃないんだが」
「女性ではありますが、剣術の腕はあの通りです。躊躇せずにいきましょう」
 やりづらそうに零すユウキとベルベナが、並んでそれぞれの武器を構える。言葉とは裏腹に、その構えに油断は無い。
「いくら腕に覚えがあっても、みんなの集まっている場所に出てきてしまうとは……なんともアンラッキーな奴だな!あたし達がやっつけてやるぜー!」
「人数はたくさんいるけれど、あの斬撃は厄介よねぇ。力のある悪党って面倒よねぇ」
 ヒーロー達の指揮をとるリダンとヒーロー達の周囲を、鼓舞するように光を散らしながらフィロメーラが飛び交う。
 先ほどの斬撃にひるみそうになっていたヒーロー達に、再び熱が宿る。生き様やスタンスは違えど、彼らの思いはひとつ。
『こいつに街を蹂躙させるわけにはいかない』
 それぞれの武器をとり、アシュラレディと向き合う。
「は……っ、こいつらが来るまで怯えて隠れてた奴らが、今更でてきて何ができるってんだろうねぇ!」
 二度と刃向かう気が起きないように、心も体もぶったぎってやるさ、と刀を振るい、アシュラレディが口角をあげる。
「おら、とっととかかってきな!」
 雲に月が隠され、照らすもののない闇夜で。
 猟兵(ヒーロー)達とヴィランの闘いが始まった。

●リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)
 建物を叩き切るって……とんだ馬鹿力よね。
 さすがに建物を崩壊させる一撃は、ヒーロー達にくばったアタシの強化衣装でも防げないわね。
「みんな、散開して!わかってるとは想うけど、あんなのまともに受けたらアウトよ!」
 アタシの指示に答えて、ヒーロー達が散っていく。元々は街を守ってたヒーロー達だものね、判断がはやくて助かるわ。
 大事な街を守ってヒーローが死んだなんて、残された人たちが悲しむだけだもの。誰も死なないことが第一よ。
「はっはぁ!散開するのはいいけど、あたしの速度についてこれるやつがどれだけいるかね!」
 散開して猟兵達の支援を行おうとしているヒーローに、アシュラレディが迫る。
 目視することも難しい彼女の斬撃に、驚愕した顔のヒーローの体がたやすく引き裂かれる。
「ように、みえたでしょうねぇ」
「手応えが軽りぃ……でこいかよ?!」
 彼女以外には、ヒーローの眼前を斬撃が通り過ぎる様子がきちんとみえてるはずよ。
 プランGよ。ヒーロー達がきちんと戦えるように、事前準備は怠ってないわ。
 ヒーロー達にくばった衣装を彩る模様。ワッペンやブローチ、スカーフとかで一部の模様を隠してあるの。
 それらをとって模様を完成させると、認識を一時的に狂わせる催眠模様になるわ。
 何度も使える手じゃないけど、攻撃か防御の直前に使うのが、事前に打ち合わせておいたプランGよ。
 使うタイミングは、彼ら任せだけれど、見た瞬間にかかる暗示は対処が面倒でしょう?
「小賢しい手ぇ使いやがって!鬱陶しいったらないねぇ!」
「皆、二度は通じないわ!使い切ったら、無理せず一度離脱して、仲間や捕まえたヴィラン達の護送にまわってちょうだい!」
 小賢しくてなんでも、誰も死なないのが一番よ。それに……。
「みんなの出番はまだ残ってるわ!しっかり備えておいて!」

●江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)
 うわぁ、すごい攻撃だな…。
 単騎で複数を相手取るって、状況の入り乱れる戦況。
 戦場の情報を集めて、戦場を操作するのが俺の役割だな。
 クラフトで仮設の足場をつくって、近くの屋根へと飛び上る。
 アシュラレディの動き、仲間の立ち位置。風の流れに逃げ込める場所。
 情報収集は俺の得意分野だからね、集めた情報をタイムレスで仲間達の端末に送るよ。
 機械苦手なメンバーはごめんな!
 眼下でヒーローの一人がアシュラレディの刃に捕らえられそうになる。
 やらせないっての!敵を捕らえる檻をイメージして、クラフトした檻でアシュラレディを閉じ込める。
「ああ?!邪魔すんのはどいつだ?!」
 いらだちの声をあげるアシュラレディが即座に檻を切り裂いて脱獄する。多少の時間稼ぎにしかならないけど、数秒稼げれば十分だっ。
「長くはもたないけど、徹底的に邪魔するから!双葉、ユウキさん、みんな、その間に頼むよ!」

●ベルベナ・ラウンドディー(ドラゴニアンのバイク乗り・f07708)
 敵とはいえ、剣術の腕前は賞賛に値しますね。
 あのレベル相手だと、本来は正面からの剣術勝負は避けて、間合いの外から集中砲火したほうが良策なのかもしれませんが…。
 今回は、仲間達が本領を発揮できるように足止めに徹しましょう。
 直刀を抜き、ヒーロー達と対峙する彼女に刺突を試みますが、即座に二刀が反応し、防御と反撃を同時に繰り出してくる。くっそめんどうなっ。 
「お、珍しいトカゲのミュータントか?トカゲのくせに上等な獲物つかってんじゃねえか!」
「あいにく、この世界の出身じゃありませんので……ねっ」
 反撃は予想していましたので、即座に離れて反撃の射程から逃れます。
 目標をこちらに切り替えたようで、六腕での嵐のような攻撃。
 相手に深手を負わせようと想えば捨て身も覚悟しなければいきませんが、今回は守勢と定めて立ち回るつもりです。
 まともに受けては私の刀も体も持たない。
 荒れ狂う刃を受け流して、距離をとることの繰り返し。
 仲間の為に、とにかく時間を稼ぎます。
 それに……なんども繰り返されれば、多少なりとも動きはみえてくるもの。
 格上との死闘、学びの場だと考えればこの上のない機会です。
 防戦に徹する私の横に、一対の影が並び立つ。

●満月・双葉(星のカケラ・f01681)
 この人数を相手に、ひるみもしないね。
 今回は、律さん達が支援に回ってくれてるから、斬り込みにまわるよ。
 相手の獲物は6本。手数を増やす為に、僕の傍らにいる人に、呼びかける。
「…力をかして、お姉ちゃん」
 闇夜の中でも煌めく濡れ羽色の髪。雨上がりにかかる虹のような翼を広げる、大事な人。
 僕の背後に現れたお姉ちゃんの霊が、フルートを構える気配が伝わってくる。
 夜の倉庫街に響き渡る音色。途切れることのない、果てなくつづくレガート。
 音は可聴域を超え、聴くものを忘我へ誘う奇想曲へと変わる。
「…っ、なんだってんだこの音はぁ!耳障りったらありゃしない!」
 耳を塞いでも、お姉ちゃんの音色からは逃げられないよ。
 桜姫を片手に、防戦に徹するベルベナさんの横へと駆け込む。
「斬り込むので、援護お願い、します」
「引き受けましょう!」
 ベルベナさんとの二人がかりでアシュラレディと切り結ぶ。律さんやお姉ちゃん達の援護もあり、なんとか彼女を押しとどめる。
 一撃一撃が重い。手がしびれそうで、いやになる。
「耳障りな音に、羽虫共がぶんぶんと!気分が悪いったらないねぇ!」
「羽虫で、結構。はやく骸の海にかえれば、気分もよくなるんじゃないかな」
 それに。
「これから、もっと煩わしくなると、思うよ」

●ユウキ・スズキ(元米国陸軍少尉・f07020)
 観測を続ける律から情報を受け取り、アシュラレディの死角を探る。
 距離と風良し。これより、前線で闘う仲間への支援を開始する。
 大口径の八咫烏をオートに切り替え。連射する。
 剣、頭、脚、胴。交戦している仲間達に当てぬよう、狙いを定める。
 闇の中で瞬くマズルフラッシュの先で、アシュラレディが剣を手繰り、銃撃への応戦を始める。
 腕は六本あるかもしれねえが、その腕で何発銃弾さばけるか、試してみようか?
「はっ!その程度であたしに当てられると思ったのなら、おめでたいヒーローだね!」
「巧くさばく。それは失礼した」
 埒をあける為に、八咫烏を背負い直し。コートの裏から、二丁の機関銃を取り出す。
 間髪をいれずに、フルオートで連射する。
 強烈な反動を、体の重心の移動と鍛え上げた腕力、それに義腕の膂力を持って押さえ込む。
「敬意を持って、全力で応じるとしよう」
「くそったれが……!」
 オブリビオンの戦闘を想定したカスタム品だ。短機銃だからと甘く見るなよ。
 双葉達に応じていた刀剣の何本かを、こちらに割かなければならないようになったのなら重畳。
 左右の銃を時間差で、コート裏に縫い付けたマガジンと交換する。残弾は見誤らない。弾切れを起こさず絶え間なく銃撃を仕掛け続ける。
「さあ小悪党、懺悔のかわりに踊って見せろ、その気味の悪い六本腕でな」

●ベルベナ・ラウンドディー
 仲間の助力もあり、徐々にアシュラレディの手数の割り当てが数を減らしてくる。
 そうなると、いくら剣豪とはいえ、つけいる隙も徐々にみえてくるというものです。
 主に手数を割いているのは律さんとユウキさんへの応戦。
 防戦主体の私への対応が、侮っているのかおろそかになるならば好都合。
 切り結ぶ中でようやく見えてきた、銀閃の間隙。
「……そこです!」
 二人への対応に割く瞬間を狙い、全力で刺突を繰り出す。六振りの刃の間をすり抜け、アシュラレディの肩に直刀が届く。
「くそがっ!」
 あまりこちらに向けていなかった眼が、こちらに向けられる。
「はっ、ようやくこっちみたか。トカゲ風情と侮った自分を恨むんだな!!」
 苛立ってくれたついでに、全力で殺気を放ち、こちらへと注意を引き寄せます。
「はじめに、てめぇからなますに下ろしてやるさね!!」
 他の仲間に回していた分の刀が、私へと向けられる。
 私一人でこの数を対応できるものではありませんが。
「私にばかり気をとられていてもいいんですかね?」
 何せ、文字通り数瞬の間。仲間へと向けられる刃を封じたのですから。

●満月・双葉
 ベルベナさんの挑発に、僕への応戦の間隙ができる。
 その好きに、桜姫をアシュラレディの顔を狙い突き込む。
 憤怒の表情の彼女がとっさに首をひねってかわすけど。遅いよ。
「変われ」
 桜姫を鎌形へと切り替え、刺突した桜姫を引き寄せる。
 鎌は返りが本領、首を狙った鎌の動きにとうとう彼女が転がり後退しようとする。
 追撃を仕掛けるなら、今。
 合図はいらない。後ろで妨害を仕掛けていたお姉ちゃんが、僕の首に後ろから手をまわす。
 あるはずのない体温を背中に感じながら、僕とお姉ちゃんの意識が溶け合っていく。
 金色の髪が濡れ羽色に染まる。お姉ちゃんの力を借りて、体の中で荒れ狂っている魔力を、瞳へと集める。
 遠慮はしない。魔眼殺しをはずして、アシュラレディを見据える。
 律さん達もそうだけど、物にも命は宿る。
 命を見る僕の眼には、彼女の防御の脈動がみえる。
 魔力を固めた双剣を手にかけ出し、アシュラレディの防具に走る『線』をなぞるように剣先で二閃。
 それだけでいい。それだけで、彼女の防具の命を絶った。
「防護スーツの機能停止…?てめぇ、何をしやがった?!」
 言ってもわからないだろうから、おしえてあげないよ。
 それに、そんな暇もないんじゃないかな。

●ユウキ・スズキ
 ベルベナ達が隙をつくってくれた。
 今こそ畳みかける時だな。そう判断して、義腕からワイヤーアンカーを射出する。
 アシュラレディの背後、空き倉庫の支柱へとアンカーを差し込む。
 固定を確認し、強力な内臓ウインチを巻き上げれば俺の体が宙を舞う。
「散々、この街で好き放題してくれたようだが」
 奪われたであろう人々を思う。奪われた人たちに近しい人々、残された人々を思う。
 戦場での命のやりとりは、仕方が無い。
 しかし、しかしだ。
「罪のない連中から奪うのは、許さねえ!」
 奪われた人たちが流した涙のうえに、伏せてわびをいれさせてやる。
 ワイヤーにひかれながら、全力で地面を蹴り込み加速する。
 生身の右腕を握りしめ、アシュラレディの眼前で振り抜く。
「てめぇはとりあず殴らせろ!!」
 重い手応えと共に振り抜いた拳の先。アシュラレディの体が宙を舞う。
 話があるなら、それからだ。

●暗夜を舞う六乗の銀閃
 速度を乗せたユウキの豪腕に殴り飛ばされたアシュラレディは、宙を舞い倉庫の壁へと叩きつけられる。
 あまりの衝撃に耐えられなかった壁がひび割れ、砕け散り粉塵を舞いあげる。 更に追撃をかけようとする猟兵達の眼前に。
 高速で銀の刃が飛来する。その数六十四振り。念動力で動く刀が、猟兵達を牽制するように舞い踊り、また粉塵のほうへと舞い戻る。
「あー…いってぇなぁ!」
 くそ、くそ、くそ!と罵声をあげながら、ふらふらとアシュラレディが粉塵の中から起き上がる。
「なます切りでも腹の虫がおさまらないねぇ。細切れにして、魚の餌にしてやるさねっ!」
 アシュラレディの怒りに呼応するように、六十四本の刀が嵐のように渦巻き、飛び回る。
 そんな嵐の最中へ、刀を佩いた真峰がゆったりとした歩調で歩み寄る。

●水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)
 あれだけ打ち据えられても折れぬ刀の心棒。
 さすがは修羅を名乗るだけはあるな。
「戦神よ、名乗りがおくれたな。私は水心子真峰。ヤドリガミたるこの身は、ただ一振りの刀の化身だ」
「ああそうかい。ヤドリガミだかなんだかしらないけど。あたしの刀でへし折ってやるさね!」
 悪党ながら、素直な戦意を感じるな。これが善人であるならばと思わなくもないが、考えても詮無きこと。
「同じ刀剣を手繰る物。此度は是非、尋常にお相手を願おう。いざ」
 相手は格上で同じ刀剣の使い手。なればこそ、敢えて同じ技で挑もうか。
 封の施された私の柄に手を添える。諸事情あってこれは抜けぬが、ご寛恕願いたい。
 私自身の呼びかけに応えるように、私を模した三十一振りの刀が現れる。
 現れた刀を念力で手繰り、私と修羅の周囲を囲むように突き立てる。
「随分やせた刀じゃないかい、そんな鈍刀であたしとやろうっていうなら舐められたもんだね!」
「戦神を馬鹿になどするものか。痩せているのではなく、研ぎ澄まされているといってもらいたいものだな」
 相棒のうちの一振りを手に取り、修羅と向き合う。
 応じるように、修羅の刀が空を舞い、私や仲間達を襲撃する。
 全うに切り結んでいては、あの数に押される。
 故に狙うは、飛び交う刀の背。嵐の中を駆け巡り、一振りずつ折り、無力化してゆこう。
 同時に全てを手繰るような器用なことはできぬ故。相手の刀の軌道をよみ、最善の場所に相棒達を配置する。私はただそれを抜き、振るうだけで良い。
 私だけで全てを落とすことはかなわぬが。この場には、相棒だけでなく仲間達もいる。

●江戸川・律
 うっわ、すごい数の刀が飛んできた?!
 俺達もやばいけど、都市のヒーロー達にけがさせるわけにはいかない。
 なら、俺のやることはかわらない。
 仲間達の為に、時間をつくることだな。やったろうじゃん!
 幸い、アシュラレディが暴れてるおかげで材料には困らない。
 あるものなんでも利用して、あの飛び交う刀の動きを阻害してやるよ。
 飛び交う刀の行き先を予測する。剣を使うような柄じゃないけど、情報収集と予測なら、ジャーナリストとして誰にも負けられない。
 切り裂かれた鉄骨やコンクリブロックを利用して、刀の進路に鉄の壁…のレプリカを作り上げる。
 いずれ切り裂かれるだろうけど、切り裂かれる度に壁を重ねていくよ。
「さっきからつくずく邪魔しやがるねぇ!あんたはカケラも残らず粉々に切り裂いてやるから、覚悟しときなよ!」
 うっわ、おっかない。けど、この数秒で俺の仲間達だったらやってくれる。だから。
「数秒でも切り込める時間をつくってやるよ!俺とあんたと根比べだな!」

●エン・ジャッカル(風来の旅人・f004461)
 あちらもすっかり本気で戦闘体制ですね。
 残念、できればもう少し色々と会話をしてみたかったのですが。興味は尽きませんが、彼女を止めることを優先しましょう。
 彼女の暴走を止めるために。相棒であるアヌビス号に手をふれ、呼びかける。
「アヌビス号、モードチェンジ!」
 形をかえ質量を変え。私の体を覆うようにアヌビス号が変形する。最後に、私の顔をジャッカルをもした装甲が包み、変形が完了する。
 仲間達が刀の嵐を止めてくれている間に、シールドガンを構えて突撃しましょう。
「今度はなんだ、犬の化け物か?!」
「失敬な、犬ではなくアヌビスですよ」
 私の相棒の素敵なフォルムが理解されないのは納得いきませんが、感性はそれぞれでしょう。
 手負いとはいえ、さすがに阿修羅。念道力でこれだけの数の刀を手繰ってなお、本人の剣術も強烈ですね。
 追い払うように振るわれる刃を、両手のシールドガンで受け流しますが。
 重い手応えに、装甲の中にいる私の所まで衝撃が走りますね。
 ガンでカウンターを狙いますが、頬をかすめる程度。焦れそうにもなりますが、一度距離をおきましょう。
「逃がしゃしないよ!」
 いいえ、逃げさせてもらいますよ。今日の私には、ラッキスターがついているそうですので。

●フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)
 そうだそうだ、あたしがついてるぜー!退避する時間は稼ぐから安心しろよな!
「ちょろちょろとんで目障りだ!消えな!」
「あたしと出会えたのはラッキーだぜー?そう邪険にするなよなー!」
 エンちゃんとアシュラちゃんの間にはいって、光の鱗粉をまきちらすぞー!あたしにもなんだかわかんない光だけど、短時間ぐらいならその刀受け止められるぜ!たぶん!
 もくろみ通り、多少は抵抗になったみたいで動きをとめられたな。
 エンちゃんも一度離れたみたいだから、囮役はかってでるぜ!
 体の小ささを生かして、アシュラちゃんの周りをとびまわる!
 あたしを間近にみれてラッキーだな!
「何がラッキーだ、鬱陶しくてかなわねぇなぁ!!」
 うっひゃーっ、6本全部あたしにむかって振り回すのはさすがにきついぜっ。ちょっと退避退避!
 さっきまでだったら、飛んでる刀があるから、迂闊に空も飛べなかったけど。
 そろそろ本数へってきてるの、気づいてるかー?

●エン・ジャッカル
 フィロメーラさんは天然でやっているのでしょうか。
 巧く阿修羅がのせられていますが、素晴らしい才能ですね。
 後退したついでに、空を舞う刀をシールドガンで迎撃を。
 他の皆さんの猛攻や、フィロさんの足止めで徐々に精彩を欠いてきていますね。
 仕掛けるなら、今でしょうか。
 フィロさんが釘付けにしている間に、背中のブースターに徐々に火をいれていきます。
 徐々に速度をあげるのではなく、はじめからトップスピードでいきます。
 いきますよ、アヌビス号。
 起こした火を全て推進力にかえ、阿修羅のほうに飛び出します。
 あまりの加速に体にかかるGは無視して、全速で突貫。
 アヌビス号の質量と速度を乗せた衝撃を、驚いた顔の阿修羅が六振り全ての刀で受け止めます。斬り捨てるではなく、受け止める。
 相手の意識の外をつくことには成功しましたね。それでも受け止められたのは驚異的ですが。
「くっそ、犬っころがあああああああ!!!!」
「アヌビス号ですよ」
 ブースターは全開のままで拮抗状態。いまブースターをきれば斬られますので。
「あと、宜しくお願いしますね」

●水心子・真峰
 しかと承った。
 六十四振りとは無限にも思えたが、修羅の刀もさすがに看板か。
 律達と共に折った修羅の刀に手をあわせる。良い主人に巡り会えることを祈っているよ。
 相棒の一振りを手に取り、修羅をみやる。
 えんに抑えられている修羅に向け、相棒達へ号令一斉。
 修羅との闘いで残った十五振りが、残月のような軌跡を描きながら修羅へと殺到する。
 さすがに直撃はまずいと察したか、修羅が体制を崩してでも強引にえんと距離をとる。
 最初に惜しいな、といったのを覚えているだろうか。
 修羅の背に相棒をつきたて、もう一度言わせてもらおう。
「惜しいな、顔が一つでは、背後に眼が届かなかったか」

●願いを込めて
 胸元から真峰の刀の剣先がのぞくアシュラレディが、口元から血を零す。
 流血で力を失った腕から二振りの刀が落ちる。
「ぐっ……がああああああああああああああああああ!!!!」
 しかし、真峰を振り払うように、刀を振り回して咆哮する。
「む、いまだ戦意を失わずか」
 修羅とは、闘いの世界にいきるもの。最後の時までとまらぬからこその修羅であると示すように、ふらつく脚で猟兵達を見据える。
「あたしはまだたってるぜ…っ。全員道連れにしてくれるっ」
 意気軒昂するアシュラレディの前に。
 剣撃の嵐の中を生き延びたヒーロー達と、フィロメーラが立ちはだかる。
「闘うのは結構だけど、そろそろ夜明けの時間だぜー?悪は眠る時間ってな!」

●フィロメーラ・アステール
 そろそろ終わりの時間だぜー?終わらせるのはあたし達の思いだぜ!
「みんなは、あたし達だけであいつ倒しちゃってもいいかな?」
 そうあたしが問えば、ここに集まったヒーロー達全員から、否の声がかえってくる。
「あんた達に頼りっぱなしにいくわけにはいかない!」「俺たちだって、ヒーローだ!」「これから、この街を守っていくのは俺たちだ!」
 よーし、それでこそヒーローだぜ!
「なら……その想い、正義の心!まとめてぶつけてやろうぜー!みんなの力を、お星様にあつめてくれよなー!」
 あたしが夜空を指さした先には、暗い夜でも輝く一等星。
「みんなの想いは、あの一等星にだってまけないだろー?」
 そういって問えば、あたしが指さし先の空に、徐々に光が集まりはじめる。
 あたしや仲間のみんな、そしてヒーロー達の体からあふれる色とりどりの光。
 それぞれの心の色だな!
 どんどんどんどん大きく輝けー!
 そっちはひとり!いや六本!こっちは…ええと、たくさんのパワーだぜ!
 って、あれ?街のほうからも光がとんできてる…?

●リダン・ムグルエギ
 捕まえたヴィラン達の護送も完了したわ。
 一時的に離脱してたヒーロー達も、最後に参加する為にまた倉庫のほうにもどっていったわ。
 それじゃあ、アタシの仕事はあと一つだけね。
 あそこに集まってる光には、まだ想い(カラー)が足りないわ。
 この町を守りたいって想いを持ってるのは、きっとヒーロー達だけじゃない。
 だから……この町のみんなに届くように、この状況を配信するわ。
 テレビ局の力も借りてね。
 あとは、アタシが手をださなくてもよさそうね。
 戦いも、この町も。
 
●それは夜明けのように
 悪が都市を浸食し始めて。
 いつからか、人々は空を見上げることを忘れていた。
 下を向き、火の粉がふりかからない事を願い、日々を過ごしてきた。
 その夜、その都市に住む人々は、空を見上げていた。
 はじめは小さかった、空に浮かぶ星の輝き。
 ヒーロー達や猟兵がヴィランと闘う姿に、人々は願いを込める。
 どうか、この町を救って欲しい。
 また、大好きだった街に戻って欲しい。
 守りたい。自分が愛したこの町を、今度こそ守りたい。
 そんな想いのかけらが、空へと上っていく。
 人々が見上げる空には、今は眩いほどに輝き始めた星が一つ。
 皆の願いと想いが込められた星。
 願いを込められた星は、やがて港湾部へと流星のように。
 光が、爆発した。
 海から陽が昇るような輝きに。
 誰かが、夜明けのようだと呟いた。
 明けぬ夜は無い。
 終わりを告げた悪夢の日々に、ヒーロー達と街の人々の歓声が響き渡った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月13日


挿絵イラスト