リターン・オブ・ザ・アシュラレディ
●ヒーローズアース、クライムキッチン
米国の某都市の暗黒街『クライムキッチン』と呼ばれる街の中でトレンチコートのヴィジランテと謎のニンジャ集団が対峙していた。
「君達、アサシンズが居るってことはロクでもないパーティが始まってるな?」
「ディテクティヴ・ハンド……悪いが貴様に答えるのは死のみ!」
「やれやれ……ちゃんとスーツで来てるんだけどな」
肩をすくめるトレンチコートのヴィジランテ、ディテクティブ・ハンド。その手にはいつの間にか握られた六尺棒。
「じゃあ、分かりやすく行こうか」
「覚悟!!」
●グリモアベース
「新しい世界、ヒーローズアース! ここでライトニングに事件が起こった、みんな駆けつけてくれ!」
グリモア猟兵、雷陣・通(ライトニングキッド・f03680)は興奮冷めやらぬ表情で皆に伝える。
「今回、舞台になるのは『クライムキッチン』って呼ばれてる暗黒街、そこでヴィジランテとして戦うディ……てくてぃぶ・ハンド? っていうトレンチコートの男と謎の忍者集団が戦っている。みんなはそこに助太刀をして、合流。黒幕のオブリビオンを倒して欲しい」
少年が慣れない手でスマホを弄ろうとして諦めて、資料をホワイトボードに叩きつける。
「まず最初はデ……ヒーローと忍者集団――アサシンズと戦ってくれ。次はヒーローと一緒に本拠地に突入、雑魚のオブリビオンを倒してから黒幕と戦闘だ」
次々と張り付ける資料にはトレンチコートのヒーローと忍者の姿、そして複腕の女剣士の姿が下手な絵で書き込まれている。
「資料は持った? じゃあ、ゲートを開くから後はヒーローに聞いてほしい。そして終わったら俺に話を聞かせてくれよ!」
時計を弄ればゲートが開く、それは新しい世界へと扉であった。
みなさわ
多分、掲載誌は『ディテクティブ・ハンド#253 リターンオブアサシンズ」あたりだと思います。
どうも、みなさわです。
今回は初のヒーローズアース依頼と言う事でヒーローとの共闘、オブリビオンとの戦いという形で進めたいと思います。
世界観を一緒に知ってもらうために今回はヒーローを一人用意しましたので冒険パートとかで適当に質問してくれるとある程度は(みなさわの作る)ヒーローズアースの世界観を教えてくれると思います。
●ヒーロー
『ディテクティブ・ハンド』
トレンチコートの探偵、カラテやジュードーの達人です。
●ヴィラン
『アサシンズ』
謎の忍者集団です、基本的にはゲニンと呼ばれる覆面の忍者が主体になります。
●オブリビオン
雑魚(それなりに)
ボス(強い)
それでは新しい世界を皆で戦いに行きましょう。
第1章 冒険
『ヴィラン組織検挙』
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POW : 正面から乗り込んで、力づくでヴィランを叩きのめします。
SPD : 策や罠を利用して、スマートにヴィラン達を捕縛します。
WIZ : 情や思想に訴えかけて、ヴィラン達を改心させます(他の行動に比べやや困難です)。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ディス・イズ・ア・クライム・キッチン
「アイヤー!」
アサシンズと呼ばれた忍者集団の一人が鎖鎌を投げる。
「よっと」
ディテクティブ・ハンドはそれを何なく避けると棒を振りまわし、忍者を倒す。
「お前達、ゲニンが何度返り討ちにあったか、知ってるだろう? それでもやるのかい?」
棒を回しながらハンドが訪ねればアサシンズは無言でカタナやサイを構える。
「やれやれ……キャロルかグァンユーに電話すればよかった。まさかドクターサイコが生きてるなんて思わなかったしな」
気が付けば囲まれるハンド、包囲するアサシンズはヒーローの周りだけでなく、近くの建物からも現れる。
「これは骨が折れそうだ……」
飛び掛かる忍者を袖から出したナイフで牽制しハンドは溜息をついた。
明石・真多子
合流地点に向かってビルの上を跳んだり壁に張り付いて移動するよ!
あ、謎のニンジャと戦ってる人がいるね。急いで加勢しなきゃ!
ビルの上からニンジャ軍団に向かって【軟体忍法人間砲弾の術】で急降下突撃ー!
バーンっとスーパーヒーロー着地!
足場を壊されたニンジャ軍団が慌てふためいている内に状況を確認するよ。
ディテクティブ・ハンドさんこんにちわ!軟体魔忍のマダコだよ!
敵はニンジャ?だったらアタシにまかせて!
6本の腕でニンジャを『吸盤ボディ』で[グラップル]したら、そのへんの壁に向かって再び人間砲弾だ!
ハンドさんが敵の隙を作ったら、どんどん壁に埋めていくよ!
え?殺しちゃだめ?大丈夫!ちゃんと加減してるよー!
夕闇霧・空音
【アドリブ・共闘歓迎】
ううむ…忍者って名前のやつにはあんまりいい思い出がないのよね。
とりあえずヒーローの人には彼らの主な犯罪行為と得意戦術
それからどういう境遇の集まりなのかぐらいは聞いておこうかしら。
まあ私は説得よりも力づくで叩きのめすつもりだけどね。
相手が武器を持っていたとしてもサイボーグの腕なら問題なし。
ガンガン防いで武器をぶっ壊すわ。
ついでにヒーローっぽく名乗ろうかしらね。
名前…ミス・フリーズゼロ…なんてどうかしら?
…そういえば天音はヒーローとか魔法少女とか大好きだったわね…
●オクトパス・ニンジャレディ&サイバーフリーズ
ビルの谷間の暗闇を光る姿。
空を駆ける様に跳ぶのは明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)、そう軟体魔忍マダコ!
雑居ビルの壁に蛸の吸盤で張り付けば、琥珀色の瞳に映るのはトレンチコートの男と忍者達の戦い。
「急いで加勢しなきゃ!」
マダコは触腕に力を込めれば、ビルの外壁から弾丸のように飛び、忍者集団の真ん中に急降下突撃(Assaultaco)!
アスファルトが捲れ、跳ね上がり。衝撃と飛礫に忍者達が吹き飛ばされる!
その真ん中で片膝を着いた通称スーパーヒーロー着地を決めたマダコ。
蛸のキマイラは周囲を確認し、そしてトレンチコートの男に声をかけた。
「ディテクティブ・ハンドさんこんにちわ! 軟体魔忍のマダコだよ!」
「マダコ……? そのイントネーション、ニホンから来た『次世代の子』かな?」
マダコの挨拶に応えつつ、ハンドは彼女の背中を守る様に跳躍する。
「次世代の子? とにかく敵はニンジャ? だったらアタシにまかせて!」
立ち上がるマダコが触腕で力瘤を作れば、トレンチコートのヴィジランテは口笛を吹く。
「それじゃ、任せるよ。見たところ君の方がパワーがあるから私が牽制、君が決める、OK?」
頷けばハンドとマダコが左右に散った。
「ところで思うんだが……」
ボーラを投げて忍者の動きを止めつつ、ヴィジランテは尋ねる。
「え? なに?」
動きの止まった敵を触腕で絡めとり、そのまま壁に人間砲弾の術で埋めながら蛸のキマイラが問い返す。
「軟体魔忍のマダコと言うのは私達の国では言いにくい、そうだな……ミズ・オクトパス、通称OCTと言うのはどうかな?」
提案しつつ、ハンドがまた一人忍者を蹴飛ばせば、マダコはそのパワーで暗殺者をビルの壁に埋めていく。
「そうね! 考えておく!」
「そうしてくれると嬉しい……ところで殺さないでくれよ、彼らにだって人権はある」
「え? 殺しちゃだめ? 大丈夫! ちゃんと加減してるよー!」
壁にめり込んだアサシンズの前で力瘤を作る軟体魔忍に対して、ハンドは肩を竦めて、また忍者集団へと向き直った。
「Kill!」
マダコから離れて、ハンドは周囲のアサシンズへと立ち向かえば、彼らは殺意を持って襲い掛かる。
人数はまだまだいるのだ、周辺への牽制は大人の役目だ。
そこへ一人の女性が飛び込み、アサシンズのカタナを鋼の両腕で受けとめた。
「忍者って名前のやつにはあんまりいい思い出がないのよね」
夕闇霧・空音(凶風・f00424)が呟き彼等の武器を振り払うと、鋼鉄の腕が忍者の顔面にHit!
「君は?」
ハンドが問いかければ。
「ミス・フリーズゼロ……なんてどうかしら?」
そういえば妹はヒーローとか魔法少女とか大好きだったと、思い出しつつ名乗るとヴィジランテは少し考え。
「ミス・フリーズゼロ……アブソリュートゼロ(絶対零度)の方が良いと思うけどね」
ネーミングを添削する教師のように振る舞う。
「考えておくわ、ところで彼らがどんな集団か教えてくれる?」
空音の質問に対し、アサシンズの一人を棒で打ち払えば、ヴィジランテが口を開く。
「彼らはアサシンズ――元はアラブに端を発した暗殺集団だ、世界中から各種の暗殺術を吸収する過程で忍者集団と合流し、今はこんな感じで私と戦っている。気を付けろ、彼らは――ゲニンが薬物による強化と集団攻撃を得意とする」
「なるほどねえ」
次々と襲い掛かるカギナワ、サイ、シュリケンを両腕で弾き飛ばせば、ミス・フリーズゼロは集団の中に飛び込み、圧倒する。
「彼らって、生まれながらの忍者なの?」
続く空音の問いにハンドは表情を曇らせた。
「食べることに困り売られた子供、戦地で人を憎むことを覚えた子供……そんな子供達を悪い大人がアサシンに仕立て上げるのさ」
棒を掻い潜って迫る忍者へヴィジランテの拳が叩きこまれる。
「だから、彼らを殺すわけには行かない。全てを救う事は出来ないが、ここで食い止めてセラピストの手に渡すことは出来るだから――」
棒を振りまわして、ディテクティブ・ハンドが構える。
「その為に私はこのクライムキッチン――犯罪の台所ともいえるこの地獄で戦っている」
「いいわね!」
サイボーグの腕がアサシンズを吹き飛ばす。
「手伝ってくれるかい?」
ヒーローの問いに対して空音が返す言葉は決まっていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ウィーリィ・チゥシャン
・WIZ
まずは『飢龍炎牙』の炎で周囲の忍者を退け、ディテクティブ・ハンド(以下DH)の態勢を立て直す。
「加勢するぜ、おっさん!」
奴らとの戦いはDHの方が長いだろうから戦いのイニチアシブは彼に譲り、俺は大包丁の『二回攻撃』で忍者と斬り合いながら説得を試みる。
「あんたらがヴィランになったのは信念や事情とかあるんだろうさ。だからそれについては口出ししない」
「けど、今あんたらは何のため、誰のために戦ってる?」
「得体の知れない奴らに牛耳られ、捨て駒にされる。それで満足なのか?」
「奴らを倒し、あんたらを解放してみせる。…教えてくれ。奴らのアジトの場所を」
「カツ丼ぐらいは奢ってやるからさ」
エル・クーゴー
『躯体番号L-95、ヒーローズアースに現着』
『戦線に合流します』
(【空中戦】用バーニアを吹かしシュゴーって空飛んで来る)
●POW
「ディテクティブ・ハンド」に友軍識別マーカーを設定しました
【援護射撃】を開始します
・ヒーローの迎撃範囲死角側でアームドフォート他装備武器を展開、アサシンズに応戦
・敵連携パターンを見て取る(学習力&情報収集)
・高命中率を期せる一瞬を見て取れたら、全残弾傾注
交戦に並行しマニピュレーターに【目立たない】よう同時進行させていた、射撃兵装へ増設(武器改造)した砲門・副砲を【クイックドロウ】で抜き放ちざま、全敵性を照準し【フルバースト・マキシマム(一斉発射+誘導弾+吹き飛ばし)】
矢来・夕立
忍べてない忍者、実際すごい迂闊。爆発四散しません?
さて、ヒーローズアースですね。悪党がここの空気を吸っても死なないか検証に来ました。
ウソですけど。
ヒーローはそこにいますし、オレはサイドキックってガラでもなければ、魅力的なヴィランでもない。
悪党は悪党でも【だまし討ち】でカタをつけるほうです。
幸いにして敵の目はハンドさん…でいいでしょうか。
そちらに向いてるので、【忍び足】で様子見します。
【だまし討ち】【紙技・冬幸守】。
エキストラが多すぎる。減らしましょう。
オレのことはちょっとした舞台装置だと思ってください。…黒子にしてはちょっと目立つのが申し訳ないですが。
※アドリブ/連携歓迎
●ドラゴンファイヤーコック&ニンジャオリガミwith L-95
暗闇を照らすように炎が噴き上がり、消えゆく光を影が飛ぶ。
「躯体番号L-95、ヒーローズアースに現着」
記録と報告を兼ねて呟くエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)が闇の中を空中戦用バーニアを吹かして飛行すれば、視線の先に見えるのは忍者集団と先行している猟兵達。
「戦線に合流します」
ミレナリィドールのハードポイントに固定されたアームドフォートが照準を定めれば、反動に耐えるためにバーニアの噴射角が調整される。
「『ディテクティブ・ハンド』に友軍識別マーカーを設定しました」
電脳ゴーグルに映るトレンチコートのシルエットを友軍と指定すればIFF(敵味方識別装置)が赤い三角形から青へと色を変え、識別名を表示する。
「援護射撃を開始します」
言葉がキーとなり、アームドフォートのトリガーがアクティブになれば、砲が火を吹き、アサシンズの中心に着弾、飛散したアスファルトによって戦闘不能へと追い込む。
「正確だな、ダーツは得意な方かい?」
ハンドはアラームの鳴るスマートウォッチをタップしつつ軽口を叩けば。
「ダーツは兵装に含まれておりません」
エルが返す反応に肩を竦めると、何かに気付き空を見上げる。
「上に数名! 飛び下りてくるぞ!」
ヴィジランテとIFFがほぼ同時に警報を発すればエルのバーニアが噴射し、その躯体をピッチアップから180度ループそしてロールへと移行。
インメルマンターンで高度を取って向き直れば、目の前にはカタナを持って飛び下りるように斬撃を振るおうとした忍者数名。
「連携パターン確認。早期の火力制圧が必要と認識」
アサシンズの動きから速攻が有効と考えたエルのアームドフォートからマニュピレーターが展開、機工腕によって増設されたガンラック、サイドアーム、そして機関砲のモーターが唸りを上げ、照準とリンクしたセンサーが忍者達をロック。
「Fullburst Maximum――実行します」
銃砲が遠吠えを上げ、摩天楼の片隅を赤く染めた。
「ヒュゥ――ジャスティスウォーの再現かな?」
「ジャスティスウォー……1999年7月。センターオブジアースから善神と邪神が顕現したのを切欠に起こった一大決戦と認識します」
「……どうやら、君を笑わせるにはフライデーナイトライブにスカウトされないと駄目みたいだ」
トレンチコートのヴィジランテの言葉にエルはこてん、と首を傾げた。
火砲の嵐を生き残ったアサシンズ達がビルからビルへと飛び跳ね、屋上へと上がっていく。
少なくとも銃砲を使ってくる相手に対して上を取るのは戦術として当然であるからだ。
「忍べてない忍者、実際すごい迂闊。爆発四散しません?」
アサシンズ達に混ざって学生服の少年が一緒にビルを蹴り、馴れ馴れしく問いかける。
「くっ……何奴!?」
「悪党がここの空気を吸っても死なないか検証に来ました」
忍者の問いの何気なく答えれば飛んでくるのはシュリケンの嵐、それを矢来・夕立(影・f14904)は難なく回避。そしてヴィランと猟兵、二つの影がビルを飛び上がり月下の空に浮かぶ。
「春も近いですが、冬で死んでください」
直後、月を覆い隠すように現れる蝙蝠の式紙。紙技・冬幸守による千代紙の嵐がアサシンズを舞台から強制的にexitさせた。
「いつの間に居たんだい」
着地する夕立にハンドが問いかければ。
「貴方達が立ち回りをする間にこっそりと……オレのことはちょっとした舞台装置だと思ってください。黒子にしてはちょっと目立つのが申し訳ないですが」
眼鏡のずれを直し、少年が答えを返せばヴィジランテは快活に笑う。
「目立つ方が良いさ、人々から期待され、悪党からは畏怖される。彼等のような奴と戦うならその方が良いのさ、オリガミファイター」
「オリガミファイター?」
「君の名前さ? 格好いいだろう?」
「ハンドさん、貴方センス悪いって言われるタイプでしょう?」
「よくわかったな? 君は探偵か何かかい?」
驚くようにハンドが答えた直後、二人が動く。刹那のタイミングで飛び上がる様に忍者の構えたカタナが空を切り、舌打ちと共にアサシンが着地する。
「いえ」
トレンチコートと学生服、二人の蹴りが忍者をサンドイッチすれば。
「ただの学生です――ウソですけど」
夕立はつまらなそうに答えた。
突如、龍の姿を模した紅蓮の炎が忍者を包み込む。
「加勢するぜ、おっさん!」
ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)がルーンの刻まれた大包丁を片手に飛びこんでいく。
「ハンドと呼んでくれ、ちなみにヴェルダンにしないでくれよ、忍者も焼けば死ぬ」
「大丈夫! これでも料理は得意だ」
ユーベルコードたる飢龍炎牙の炎が忍者達を分断する中、ハンドとウィーリィは接近戦に集中する。
「あんたらがヴィランになったのは信念や事情とかあるんだろうさ。だからそれについては口出ししない」
三昧真火刀とカタナがぶつかり合う。
「けど、今あんたらは何のため、誰のために戦ってる?」
鍔迫り合いの中、料理人がアサシンに問いかければ。
「得体の知れない奴らに牛耳られ、捨て駒にされる。それで満足なのか?」
返ってくるのは刀を打ち払ってからの忍者の鉤爪攻撃。
「奴らを倒し、あんたらを解放してみせる……教えてくれ。奴らのアジトの場所を」
鉄鍋の硬さと丸みで鉤爪を受け流せば、そのまま鍋で打ち据える。
「カツ丼ぐらいは奢ってやるからさ」
倒れた忍者へとウィーリィが告げて右手を伸ばせば、アサシンもそれに応えるように手を伸ばす。
「彼らに酷な事を求めないでくれ」
ヴィジランテの蹴りが忍者の頭にヒットする。
倒れ伏し、伸ばした手から転がるのは料理人を騙し打ちするための毒の滴る裏切りの暗器一つ。
「君が彼に何処まで出来る? 更生プログラムを二人三脚でこなすのかい? 彼らの生活を一生面倒見るのかい? 君一人で全ての事をするなら、今の人生を捨てる覚悟は出来ているのかい? 出来ないのなら彼らの取ってそれは酷なことだよ」
次々と襲い掛かるアサシンズをいつの間に持ち替えた二本のスタンバトンで打ち据えながらトレンチコートのヴィジランテが口を開く。
「私達は法の番人でもセラピストでもない、ボーイスカウトの延長みたいなもんだ……それでも、彼らを打ちのめす事が出来る。そうすれば警察やしかるべき施設への道が開ける。ヒーローとはそういう者であるべきなんだ、けれど……」
最後の一人に電撃を流して気絶させれば。
「君のそういう気高さは尊いものだ。何者かは知らないけれど、これからも戦うのならそれは忘れないで欲しい」
ハンドはウィーリィの意志に対しては敬意を示した。
「……見たところ、君達はヒーローではないね? おそらくは違う世界線をたどってきている」
戦いが終わり、ハンドが猟兵達を見回し尋ねる。
「私達は猟兵――イエーガーと呼称しています。ディテクティブ・ハンド」
バーニアを噴射しつつ着地するエル。
「イエーガー……ドイツ語だね、どうやら言葉には困らないようだ」
「ところで、彼ら居なくなっちゃいましたよ?」
夕立が問いかければ、ヴィジランテはウィーリィへ視線を向けた後、ある方向をバトンで指す。
「そこのコック君がいい仕事をしてくれた。さっきの炎を免れたアサシンズが隙を見て報告のために逃走した――あの方向へ」
すぐに追いかけようとしたウィーリィを手で制止、言葉を続ける。
「そして君達の仲間はそれを追撃している――そうだろう?」
エルと夕立は顔を見合わせてから、ハンドへ視線を向ける。
「私の名前はディテクティブ・ハンド――そう探偵だよ」
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
神酒坂・恭二郎
「苦労してるようだね、旦那。手を貸すよ」
スーツ姿で現れ、ハンドに告げる。
ゲニン共を悠々と見回し。
「どうも、初めまして。俺はスペース剣豪の神酒坂恭二郎だ」
ポケットから手を出し、正しい【礼儀作法】で一礼する。
武器を持った集団を前にして、無防備に頭を下げた。
さて、この対応で三下かそうでないかの器量が知れる。
無防備な挨拶は誘いだ。
【おびき寄せ】られたゲニン共を【覚悟】で引き付け。
「喝ッ!!」
抜く手も見せず、両手を打ち合わせ柏手一つ。
相手の虚を突きまとめて吹き飛ばす。
【気合い、クイックドロウ、早業、見切り、カウンター、吹き飛ばし、衝撃波、カウンター、気絶攻撃】
「挨拶は大事だぜ、三下」
【連携、改変歓迎】
仁科・恭介
※アドリブ、連携、UCアドリブ歓迎
【目立たない】よう物陰から先ずは観察。
【吸血】本能による血の匂いで敵を判別できるかを試す。
「振り向かなくて済むのは助かるからね」
観察が終わった後は徐に登場し挨拶する。【礼儀作法】
「どうもアサシンズさん。仁科です。さてご退場願おうか。それとも改心する?」
「それと溜息は駄目ですよ。幸せが逃げる。終わった後ならよいですけどね」
【携帯食料】を噛みしめ、アサシンズに対して【ダッシュ】で一気に間合いを詰め峰打ち。
攻撃はサムライソードでいなすが、必要な場合は【残像】を使用。
助太刀しつつ指示を出している者がいないか探す。【学習力】【失せ物探し】
見つけた場合は他の猟兵に情報連携
ミハエラ・ジェシンスカ
些か出遅れたか
ああ、名乗る程の者ではない
悪役崩れのただの邪剣だ
顔の光学センサーではなくフォースレーダーによる【情報収集】で周囲を警戒
その上で敢えて死角があるように振る舞う事で【だまし討ち】し【武器受け】からの【カウンター】で仕留めていく
悪いが、活人剣の心得はインストールされていないんだ
……と開き直れれば楽なんだがな
現地協力者の要望に応じるぐらいの事はしてみせるさ
攻撃はフォースセイバーの柄や我が四肢、あるいは【サイコキネシス】で【地形を利用】して叩きつける事で行う
しかし「悪であれ」と作られたこの私が今度は他世界でヒーローの真似事とはな
おかしな話もあったものだ
●マナー・イズ・ア・クライムキッチン・フロム・イェーガー
アサシンズの一団は混乱の中、報告の為に暗黒街を走る。
いつも嗅ぎ付けてくるディテクティブ・ハンドに加えて、謎の武装集団までやってきたのだ。おそらくは彼らが猟兵――なれば、チュウニン様へと報告しなくてはならない。
けれど、二人の影が行く手を阻んだ。
「どうも、初めまして。俺はスペース剣豪の神酒坂恭二郎だ」
一人は神酒坂・恭二郎(スペース剣豪・f09970)。
「どうもアサシンズさん。仁科です。さてご退場願おうか。それとも改心する?」
もう一人は仁科・恭介(観察する人・f14065)。
忍者の足が止まり、再び彼らは武器を構えた。
恭二郎はポケットから手を出し、正しい礼儀作法で一礼する。
その佇まいにアサシンズは警戒を緩めない。
武器を持った集団を前にして、無防備に頭を下げる。明らかな誘いか……もしくはうかつに攻撃して彼がバイオモンスターとしての本性を現す可能性もある。
張り詰めた空気が場を支配する中、両者の間合いが徐々に縮まっていく……。
「Killing!」
先に動き出したのは忍者集団。
彼らは先に進まねばならないなら、排除するか逃走するしか道はなく、他の道を恭介が後ろからはハンド達が追いかけてくるなら目の前のスペースケンゴウなるものを倒すしかないのだ。
恭二郎へと襲い掛かる、カタナやサイの嵐。
襲い掛かる殺意に対し、スペース剣豪はギリギリまで引き付けてから……。
――Spank!!
「――喝ッ!!」
両手を打ち合わせ柏手一つ。
そこには練達されユーベルコードの域へと達した気合が衝撃波となって力を発し、アサシンのカタナより速く、サイにはカウンターを取るように叩きこまれビルの壁へと吹き飛ばされる。
「挨拶は大事だぜ、三下」
衝撃波を免れ、まだ殺意を見せるゲニンに対し、恭二郎は銀河一文字を抜いた。
吸血本能による血の匂いが逃げるアサシンズを捉えるのは容易であった。彼らは必要以上に血に汚れている。
故に、恭介達は彼らの前に立つことが出来た。
不快感の混じる血の匂いに顔をしかめながらも、携帯食料を噛みしめれば全身の細胞が共鳴し、筋力を活性化させる。
飛び込むようにダッシュし、挨拶に面を喰らった忍者達へとサムライソードを走らせれば峰打ち一発!
あっという間に一人大地に伏せれば、恭介の攻撃に気付いたアサシンズが攻撃を開始する。
「殺せ!」
サムライソードとカタナがぶつかり合う中、フードファイターは冷静に戦場を見つめる。
恭介という男は観察し学習することを是とする男である。戦いの中で常に学習し、そして状況を把握して穴を探す。
助太刀する者、指示する者を見つけ、その動きを探れば、視線に映るのは逃走をする数名とフォローに回る忍者達、伝達役だ!
「数名、逃走しています。そちらに攻撃を!」
恭介が叫ぶが、恭二郎も大立ち回りの最中で動けない。
そこへ、空から落ちるように何かが飛び降りた。
「些か出遅れたか」
身長258.8cmの巨大なフォースナイト、ミハエラ・ジェシンスカ(邪道の剣・f13828)が伝令の支援に回っているアサシンズへとゆっくりと歩み寄る。
「ああ、名乗る程の者ではない、悪役崩れのただの邪剣だ」
その佇まいは邪剣と名乗るにはいささか隙が多い、図体の大きさも手伝って鈍重に感じられる。
忍者達は他の二人よりは組みやすしと考え、また大きい彼女を釘付けすれば仕事が果たせると判断し、取り囲むように動き、距離を詰める。
息遣い……電子音……遠くから喧噪の聞こえる中、彼らの聞こえる音は小さく、そして少ない。
「隙あり!」
ミハエラの背後よりアサシンが一人飛び掛かる。
カタナが月光を反射し、フォースナイトへ迫る!
だが、その一撃はミハエラが右手に赤黒い光で形成されたフォースセイバーで遮られる。
光学センサーでなくフォースレーダーによる情報収集で周囲を警戒することで隙があるように見せかけて、誘いをかけたのだ。それはフォースナイトとして作り上げた一種の心眼のようなもの。
フォースナイトの左手が伸びれば、誘いにかかったヴィランが見えない力で吹き飛ばされ壁に叩きつけられる。
「悪いが、活人剣の心得はインストールされていないんだ」
彼女の言葉を挑発と受け取ったのか忍者達が一斉に飛び掛かった。
(しかし「悪であれ」と作られたこの私が今度は他世界でヒーローの真似事とはな
おかしな話もあったものだ)
アサシンズの刀をフォールンセイバーで受け流しながら、心の中でミハエラは自嘲する。
柄尻でこめかみを叩き、体格差を活かした蹴りで吹き飛ばし。遠くから挑みかかる忍者にはサイコキネシスで動きを止め、ビルの外壁へと吹き飛ばす。
体格と技量差から大ダメージは免れないが、ヒーローの真似事と自称するように殺すことはなかった。
戦争を潜り抜けたミハエラにとっては殺すことは造作もなかったが現地の流儀を破る気もなかった。
それ以外の理由もあるかもしれないが、今はそれだけで充分であろう。
最後に残ったアサシンをその手に掴めば空高く掲げてから地面へとSmash!
逃げたアサシンを除き、ほぼ一掃に成功した。
「すまない、助かったよ」
「苦労してるようだったからね、旦那」
やや遅れて到着したハンドが礼を述べれば、恭二郎が銀河一文字を鞘へとしまう。
「それで、残りは?」
「数名があちらの建物へ。血の匂いが一番濃いです」
ハンドの問いに恭介が答えれば、視線の先には小さな雑居ビル。
「周辺を観測したが、地上には僅かな手勢。だが地下へ続く通路がある」
フォースレーダーで周囲を観測したミハエラが情報を補足する。
「ありがとう、それだけあれば十分だ」
「で、どうするんだい旦那?」
「そうだな……イェーガーのマナーを彼らに教えてあげたいがどうかね?」
ハンドの提案に断る者はいなかった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第2章 集団戦
『アーミーメン』
|
POW : アーミースタンバトン
【伸縮する警棒型スタンガン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : ラバーミューテーション
自身の身体部位ひとつを【伸縮自在のゴム】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : プロトデバイス
自身の装備武器に【アメリカ陸軍が開発した試作強化装置】を搭載し、破壊力を増加する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●ソルジャー・イン・ザ・クライムキッチン
爆発音が鳴り、扉が吹き飛ばされる。
「ノックしたんだけどね、反応が無いから入らせてもらった」
入り込むのはディテクティブ・ハンド、右手に持つのはプラスティック爆弾。
「さて、この奥にいるのはチュウニンクラスのアサシンズと見たが……参ったね」
トレンチコートのヴィジランテが渋面に顔を刻み、呟いた。
彼の目の前に居るのは、国家掲揚のために作られた陸軍超人兵士アーミーメン。
「ジャスティスウォーで使いつぶされたと思たんだけどな……まだ自由でないのか?」
憐れみを込めた言葉と共に再び棒を握れば、後から駆け付けた猟兵が声をかける。
「奴はオブリビオン! 過去の亡霊だ!」
その言葉にハンドは猟兵を見る。
「つまり彼らが君達の追う、オブリビオンってわけだな……許せんな、死者を冒涜するとは」
ヴィジランテが武器を構える。
「攻撃は専門家である君達に任せる。私は支援に回ろう、空を飛んだり透明になったりは出来ないが何でも言ってくれ」
猟兵とヒーローが対峙する中、オブリビオンとして復活したアーミーメン(陸軍の男達)が邪魔者を排除しようと動き出した。
明石・真多子
街を正義で彩る赤い彗星、タコメット参上!(今考えた)
むむ、サイエンスパワーを打ち破るにはニンジャパワーを使わざるを得ないみたいだね!
敵が武器を強化してきたら、こっちは[先制攻撃]で『タコ墨』をぶん投げた水圧カッターのタコスミケンを沢山投げて牽制だ!
流石軍人さん…恐れず突っ込んでくるね。
それほど武器に自信があるのかな?でも当たらなければ…ね?
足元にタコスミを溜めて【軟体忍法墨潜りの術】を発動だ!
さっき投げて床に零れたタコスミまでワープするよ!
残念でした!タコスミケンはまだまだ撃てるよ!それー!
ある程度ヒット&アウェイの汚い忍者したらトドメだ!
敵に付着したタコスミにワープして[暗殺]!サヨナラ!!
矢来・夕立
オリガミファイター。
そういう作法ですか。
屋内の集団戦かあ…
…キャットウォークとかありませんか?
なるべく高所に位置取りをしたい。
【忍び足】で移動。【暗殺】の下準備ですね。
先客がいたらそれこそ【だまし討ち】【暗殺】で……えーと。exitして頂きます。
で、オブリビオン。見たことのないやつだな。
ハンドさんには見慣れたもののようですが。聞いてみます。
アレって身体がゴムになる予備動作とか、見てわかるところはあります?
変わったやつ、変わり始めてるやつから斬ります。
伸びるぶんリーチがある。柔らかければ重打が通用しない。
【暗殺】【刃来・竜檀】。
……必然、斬るか燃やすかになる。めんどくさ。
※アドリブ/連携可
エル・クーゴー
●WIZ
ディテクティブ・ハンドへ支援要請を発信
識別名アーミーメンの「稼働往時」のスペック、特に「プロトデバイス」の仕様・出力評・接続方式についての情報を要求します(情報収集)
情報が得られ次第、友軍を展開します
コール、ウイングキャット『マネギ』(羽生えたデブ猫がワラワラ出て来る)
マネギを嗾け、敵武装へのプロトデバイスのジョイント予定部位へ引っ付かせます
このマネギ運用は武装へデバイスを搭載させない妨害工作に相当します
なんならマネギの外皮をトリモチの如く改造し送り出します(武器改造)
極め付けに、マネギの背部にプロトデバイスと規格を揃え接続端子を増設
むしろ敵デバイスでマネギの強化を見て攻勢を実施します
●アタック・オブ・ザ・キラー・アーミーメン
『L-95よりディテクティブ・ハンドへ、支援要請します』
通信を傍受したハンドが時計型コンピューターと格闘すること二秒、隣のエル・クーゴーを見る。
「口頭で説明でいいかな?」
「問題ありません、躯体番号L-95はニューオリンズからスコットランドまで全ての言語に対応します」
「そりゃ完璧だ。で、ご内容は?」
エルの回答を手を叩いて答えるヴィジランテ。ちなみにニューオリンズはフランス系カナダ人が入植した土地であり、スコットランドは……言うまでもないだろう。
「稼働往時のスペック、特に『プロトデバイス』の仕様・出力評・接続方式についての情報を要求します」
「稼働時のスペックに関してはオリンピックでメダルが取れるくらい、プロトデバイスの接続方式はMIL-STD-1760規格、出力に関しては――」
説明の途中でエルが空中に浮上し、ハンドはその場から離れる。直後、その場に降り注ぐ7.62mm弾。
「こんな感じだ、50口径もあるから気を付けてくれ」
ハンドが呟く先には銃型デバイスを警棒に取り付けて構えるアーミーメンの姿。
「情報確認しました。友軍を要請します」
宙に浮かび、オブリビオンを見下ろすエルの電脳ゴーグルが音を立てる。
「コール、ウイングキャット『マネギ』」
要請に応じて現れたのは120匹の羽生えたデブ猫。
のんべんだらりと転がっている数匹を躾つつ、ミレナリィドールが指し示せば、デブとは思えない俊敏さでマネギと呼ばれた猫達はアーミーメンの武器に飛びつく。
オブリビオン達が右手にしがみついたデブ猫を振り落とそうを腕を振るが、しっかりと爪でしがみついたり、はては毛がトリモチ状になって離れようとしない。
困惑する隙を与え得る前によじ登ったマネギ軍団がプロトデバイスに近づけば、それを器用に自分の背中に取り付けて、完成するのは攻撃機A-10サンダーボルトマネギ。
「Attack!!」
一言、エルが指示すれば武装を強化されたデブ猫はその外見に見合わない運動性を持って対地支援射撃を実施し、アーミーメンの動きを止めていく。
「君と君の猫は優秀だな」
室内で展開される支援攻撃の恐ろしさにハンドが舌を巻けば。
「ディテクティブ・ハンドの情報に基づいた行動です。当然の結果と予想されます」
若干得意そうに答えるエルであった。
「屋内の集団戦か……キャットウォークとかありませんか?」
支援射撃で皆が行動を起こす切欠を得た中、矢来・夕立がハンドへと問いかければ。
「そんなドラマみたいな構造の地下室だと思うのかい? ここから五メートル先の右の階段だよ」
「普通にあるって言えないんですか?」
ヴィジランテが指さす方向に階段があることを確認しつつ、夕立が問えば。
「仕事仲間にもよく言われるよ、将来はフライデーナイトライブに出演したいと思ってる」
「よした方が良いですね。ところでアレって身体がゴムになる予備動作とか、見てわかるところはあります?」
コメディアン志望の言葉を切って捨て、学生服の少年はアーミーメンのユーベルコードを確認する。
「基本的には一部分だけの変化なので良く分からないな。私の時は他の部位に電気流して対処したよ」
右手にスタンバトンを持ったハンドが答えを返し、階段を指さす。
「そんなところだ、良い答えは出せないが上方の制圧、頑張ってくれ」
ヴィジランテに背中を押されて、夕立は階段を上る。
(オリガミファイターといい、そういう作法なんでしょうか)
この世界の雰囲気に首を傾げながら駆け上る少年。ふと何かに気付いたように途中で足を止めれば、夕立はゆっくりと頭だけ階段の出口から見えるように上げて、奥を覗く。
何名かマネギの攻撃から逃れたアーミーメンがキャットウォークを走っているのが目に入った。
明らかに上方から攻撃を行おうとしている。
足音を消して登っていたのが幸いしてか、相手は気づいていない。状況を改善するために夕立は脇差を抜けば、飛び上がる様に階段を駆け上り通路を疾走する。
別方向からの敵襲に気付いたオブリビオンが警棒を構える。だが雷花煌めくのが数段速い。斬撃を受けて警棒を持った腕が空を舞った。
腕を失いバランスを崩して転倒したアーミーメン。
すぐにオブリビオンを蹴飛ばせば、マネギパーティのど真ん中へDustshoot! 次のターゲットへ向かって音もなく迫る。
「伸びるぶんリーチがある。柔らかければ重打が通用しない」
ゴムとなったアーミーメンの腕をスライスながら少年は呟く。
「……必然、斬るか燃やすかになる。めんどくさ」
面倒くさそうに鎖骨下へと脇差を突き立てれば、戦時除隊にした死体を蹴っ飛ばした。
マネギの支援攻撃に対して、アーミーメンが反撃を試みている最中、
水圧を高めた『タコ墨』をカッターのように投擲するタコスミケンがオブリビオンの一人を両断した。
「街を正義で彩る赤い彗星、タコメット参上!」
「え、OCTだめなの?」
ハンドの訴えを明石・真多子、コードネームタコメットはヌルっとスルーした(タコだし)。
「むむ、サイエンスパワーを打ち破るにはニンジャパワーを使わざるを得ないみたいだね!」
「ニンジャだったんだ」
ハンドが呟けば。
「ニンジャについてのデータを更新します」
エルもデータの更新を始めた。
「使うなら早く使ってください、こっちも手一杯です」
キャットウォークからの声に触腕で力瘤を作って応えるとタコメットは次々とタコスミケンを投擲、アーミーメンを牽制する。
だが彼らも陸軍超人兵士の一員、空中からの制圧射撃から立て直しを図れば、蛸墨のカッターを回避し、距離を詰めていく。
「流石軍人さん…恐れず突っ込んでくるね」
額に汗を流しながら、真多子は足元に蛸墨をこぼしていく。
「それほど武器に自信があるのかな? でも当たらなければ……ね?」
タコメットが笑えば、その瞬間、彼女の姿が消えた。
「軟体忍法、墨潜りの術! 油断禁物だよ隙あり~!!」
真多子が現れたのは、攻撃が外れて後方に飛び散った蛸墨から。
ユーベルコードによる蛸墨を介したワープを実行すれば、そこはもうタコメットの戦場、タコフィールド。
「残念でした! タコスミケンはまだまだ撃てるよ! それー!」
後方を取り、ヒット&アウェイで警棒が届かない距離からタコスミケンを放てば、被弾する者多数。
大体は切断され戦闘不能になっているが飛沫が当たっただけで生き残っている者も居る。
真多子がそれを視野に認めれば、蛸墨の中にまた潜り込む。
もう一度、ここで確認しよう……軟体忍法墨潜りの術は蛸墨を通じて瞬間的に移動できるユーベルコードである。
そう次に現れるのはアーミーメンに付いた蛸墨からだ!
そしてタコスリケンがKilling!!
サヨナラするのは小説だが、この世界はヒーローズアース。オブリビオンに付いた墨から現れるたびにSlashされるアーミーメン。
タコメットが最後に着地すれば、炭に汚れたオブリビオンは皆、身体を切断された死体となって、地に伏せたのだった。
「うむ、確かにニンジャ」
ハンドが呟けば。
「ニンジャ、アップデートしました」
エルがデータを更新して。
「いや、多分違うニンジャです」
夕立がツッコミ。
「イエス、ニンジャ!」
真多子の触腕(?)が親指を立てた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
仁科・恭介
※アドリブ、連携歓迎
扉が吹っ飛ぶ瞬間に【目立たない】よう室内に【ダッシュ】で潜入。
室内をくまなく観察【学習力】
「だいぶ人数がいるね。入口はそこ…さてどうしようか」
室内では猟兵が多数だと「【ダッシュ】が使えない。」と、考えましたが「壁や障害物の上を走れば良い」と思いつき実行。
【携帯食料】を食みながら隙を伺いつつ一言。
「ハンドさん隙が欲しいんだよね。適当にプラスティック爆弾を投げてくれないかな」
爆発で隙を見せたらマフラーを巻き直し【ダッシュ】で壁を蹴り背後に回り斬る。
勢いは殺さず【残像】を残し再度壁を走り他の敵へ。
広い場所があれば更に加速する。
「相手を混乱させ、味方を優位に導くのが仕事だからね」
夕闇霧・空音
【アドリブ歓迎】
早速忍者連中が出てきたわね。この際だからコイツラはまとめて撃破しておこうかしら。
ヴィジランテさんはどうやらコイツラの性質を知ってそうだから
弱点や闘い方とか、能力値的なものを聞いておいたほうがいいかしらね
ゴムは冷気に弱いとも聞くから
ここはユーベルコード「フリーズゼロ」で敵をまとめて氷漬けにしていくことにするわ。
2回攻撃を発動させて連続で発動させて
広範囲の敵を凍らせて撃破することにしようかしら。
ミハエラ・ジェシンスカ
漸く斬ってもいい相手が出て来たか
では邪剣の本分を果たさせて貰おう
しかし随分と変則的な動きをする兵士だ
まるでブラックタールだな
尤も完全な流体というわけでもないらしい
ならば我が邪剣が通らぬ道理はあるまい
先ほどまでと同じくフォースレーダーによる【情報収集】で周囲を把握
敵武器の伸縮を【見切り】【武器受け】からの【カウンター】で仕留めていく
【武器受け】の際電流はフォースセイバーの出力を上げる事で対抗する
敵の武器や身体が伸び切り咄嗟に退けないタイミングを【見切り】【乱戦戦術】を使用
それで伸縮に慎重になってくれるならしめたものだ
どうした、随分と動きが硬くなったな
悪いがその隙は逃さん
●アタック・オブ・ザ・ストレンジ・イエーガー
動きつつある戦況。
仁科・恭介は携帯食料を口にしながら、自分達の位置取りを確認する。
「だいぶ人数がいるね。入口はそこ……さてどうしようか」
乱戦の中飛び出していくのも危ないと壁を見れば、なんとなくだが歩けそうな気がする。
自分のダッシュ力なら可能だろう、だとすればあとは……。
「ハンドさん隙が欲しいんだよね。適当にプラスティック爆弾を投げてくれないかな」
「オーケー、特大の奴をお見舞いしてやるぜ!」
恭介の意を汲んだハンドは袖口から引っ張り出したプラスティック爆弾放り投げ、タイミングを合わせて、時計のボタンを押す。
爆弾がアーミーメンの頭上で爆発すれば爆風が余すところなくオブリビオンに叩きこまれる。
「今だ!」
マフラーを巻いたダンピールが壁に足をかけて一気に走り出す。そのまま背後を取れば、アーミーメンの背中をSlash!
振り向いたオブリビオンが見たのはまた壁を走る恭介の姿。
「相手を混乱させ、味方を優位に導くのが仕事だからね」
壁を走る速度が増し、アーミーメン達が外側からミキサーでカットされるように切り刻まれる、混乱が生じ戦況に隙が生まれた。
「早速兵隊連中が出てきたわね。この際だからコイツラはまとめて撃破しておこうかしら」
「何か手はあるのかい?」
恭介の搦手で混乱するオブリビオンを横目にヴィジランテが問いかければ。
「弱点とか戦い方とか、特徴はあるのかしら?」
「ゴムのガラス転移温度は知ってるかい?」
「冷気に弱いってことね……ところで私のユーベルコード話したかしら?」
「ミス・フリーズゼロが炎を出すなら詐欺だろ? そう言う事だよ」
要は自分で名乗ったからにはそういう能力者ってことだろう? 言外にハンドが指摘すれば、空音は軽く溜息をついてから、両腕を突き出す。
「八寒地獄を今この両腕に……」
彼女の言葉に応えるかのように鋼鉄の両腕は人の腕から一つの武器へと姿を変えていく。
「封印開放! フリーズゼロ、発射!」
発射口から放たれる絶対零度の光線がアーミーメンの弾性を劣化させ、その身を凍り付かせる。
「もう一発!」
更に放たれる絶対零度の暴力。
完全に凍り付いたオブリビオンに向かって、空音とハンドが飛び出す。
Plink!
ユーベルチタニウム製の腕が触れれば、ガラスの割れるような硬い音と共にアーミーメンの身体が粉のように崩れていく。
「恐れ入った、その能力なら全身を氷で覆って防御力を上げてもいいんじゃないかな?」
「嫌よ」
ヴィジランテの提案をサイボーグの咎人殺しが断る。
「失敗したら雪だるまじゃない」
恭介が戦況を混乱させ空音が攻撃を叩きこみ、乱戦になり始めたとき。ひと際光る動きを見せるのはミハエラ・ジェシンスカ。
「随分と変則的な動きをする兵士だ。まるでブラックタールだな」
状況をサイキックエナジーを介したレーダーで把握し、多方面への情報を獲得すれば。
「尤も完全な流体というわけでもないらしい」
伸縮するゴムの腕の動きを見切り、武器を撃ち落としてからのカウンターのフォールンセイバーの一撃で片付ける。
「ならば我が邪剣が通らぬ道理はあるまい」
スタン警棒を振り上げて襲ってくるアーミーメンと鍔迫り合いとなれば、フォースセイバーの出力を上げ、強力な磁場を形成。
反発で後ろに飛ばされるオブリビオンを踏み込んでからの唐竹に繋げ、縦にスライスする。
仲間が倒れてもなお、襲い来るアーミーメン。ミハエラがバックステップでゴムの腕から逃れれば、サイコキネシスで引き寄せて盾にする。
盾にされた同胞のおかげで、隙を見いだせなくなったオブリビオンに対して乱戦での戦術をユーベルコードへと昇華させたウォーマシンが敵ごとシールドバッシュ!
Bgoooon!!
衝撃でひしゃげた壁とサンドイッチにされて動けないアーミーメン。
「悪いがその隙は逃さん」
ミハエラが好機を逃さずに袈裟に斬って捨てた。
「どうした、随分と動きが硬くなったな」
挑発するウォーマシンに対し、アーミーメンは距離を取るしかなかった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
神酒坂・恭二郎
「過去に使い潰された兵隊さんか。因果なもんだね」
軽く目を伏せ黙祷すると。
両手をポケットに入れて前に出る。
「出来るだけ漏らさないようにするが、後ろに行あないようにフォローを頼む」
一番は街に被害が出ない事だ。礼儀作法で誇り高きヴィジランテに依頼する。
後は正面に連中を見据え、脱力して隙を作る。【力溜め、おびき寄せ】
「ゴムの体か。面白いもんだな」
体重移動や伸長前の予備動作を見切り、引き付けて体捌きでいなし、念動斬撃の居合拳を合せる。
【覚悟、グラップル、カウンター、見切り、早業、衝撃波】
居合の呼吸で迅速確実に敵の数を減らしたい。
「もう還りな。蘇ってまで使い潰されるのは救われねぇよ」
【改変連携歓迎】
ウィーリィ・チゥシャン
「ハンドさん、教えて欲しいんだけどさ」
「『彼ら』は、国の為に戦ったんだよな?」
答えを聞いたら、オブリビオンに向き直る。
「だったら『彼ら』の誇りを守る為に、『あいつら』は絶対に許す訳にはいかないよな」
小柄な体躯を活かして奴らの間をすり抜けて同士討ちを誘いながら『二回攻撃』で『料理の鉄刃』を叩き込み、仲間達と連携して数を減らしていく。
敵の攻撃は大鍋の『盾受け』で受け止め、同時に大鍋に身を隠し相手が見失った隙に素早く回り込み『料理の鉄刃』の一撃を浴びせる。
「もう一つ教えてほしいんだけどさ。これが片付いたらオススメの飯屋紹介してくれないかな。この世界の料理、まだ食べた事ないんだ」
●スラッシュ・オブ・ザ・イエーガー・トゥ・オブリビオン
「ハンドさん、教えて欲しいんだけどさ」
ウィーリィ・チゥシャンが問いかける。
「……なんだい?」
「『彼ら』は、国の為に戦ったんだよな?」
「国とはちょっと違うな、彼らは自由と平和を信じてそのために戦った、だけど……」
回答するハンドの視線がアーミーメンに注ぐ、その目は暗く憐憫に満ちていた。
「国と頭のいい奴は利益のために『彼ら』を使った。だからステイツはかつての同胞を倒す羽目になった……こんなところでいいかな?」
「だったら『彼ら』の誇りを守る為に、『あいつら』は絶対に許す訳にはいかないよな」
言うが速いかウィーリィが彼らの中に飛び込んでいった。
「過去に使い潰された兵隊さんか。因果なもんだね」
神酒坂・恭二郎が軽く目を伏せ黙祷を捧げる。
「君達の世界では、そう言う事はなかったのかい?」
恭二郎の隣でハンドが問いかければ。
「あったよ、どこの世界も変わらない」
「そうか……」
「出来るだけ漏らさないようにするが、後ろに行かないようにフォローを頼む」
「任された」
男の会話はそこで終わり、スペース剣豪は両手をポケットに入れたままゆっくりと歩みだした。
小柄な体格を活かし、ウィーリィが動く。
研ぎ澄まされた刃と技、人の腹を満たすために錬磨された技術が人の腹を裂くために振るわれている。
けれど、それは過去からの亡霊たるオブリビオンを骸の海へ還すための一刀。
左右から伸びる、ゴムの腕。
小柄な料理人が跳躍すれば、その一撃は同士討ちを誘い、隙を作ったアーミーメンの首を刎ねる。
「もう一つ教えてほしいんだけどさ!」
大鍋を盾にして身を隠すように攻撃を受けながらハンドへと声をかける。
「フォローが必要かい?」
ヴィジランテが問い返せば。
「これが片付いたらオススメの飯屋紹介してくれないかな。この世界の料理、まだ食べた事ないんだ」
ウィーリィが料理人としての性を見せた。
「そうだな、スシ=バーを紹介してやろう。カルフォルニアロールなら君の舌になじむだろう」
「いや、馴染まないよ!!」
精一杯の否定と共に小さな料理人はアーミーメンをまた一人、Bladework of Ironchefにて料理した。
「ゴムの体か。面白いもんだな」
興味津々にオブリビオンへと近づく恭二郎。
アーミーメンがスタン警棒を振るえば、スペース剣豪は水のように流れる動きでその攻撃を捌き、抜刀。
触れずの刃から発せられた電光石火の念動斬撃がオブリビオンの身体を通り過ぎ、やや遅れて、胴体が落ちる。
矢継ぎ早にもう一人のアーミーメンが斬撃の隙を突いてゴムの腕を鞭の様に振るえば、恭二郎は身を伏せて回避。
その袖口を掴んで、自らの身体を翻すように回転させれば相手の伸びた腕を軌道として延髄へとSlash!
音もなく首が落ち、骸が倒れる。
「もう還りな。蘇ってまで使い潰されるのは救われねぇよ」
スペース剣豪の銀河一文字の磨かれた刀身が主の顔を映し出す。
そこに浮かぶ表情は彼とそして相対するアーミーメンだけが知るべきもの。
故に傍観者たるヴィジランテは何も語らず結果を見守った。
「これが猟兵達の戦う相手と言うわけか……厳しい道だな」
最後の陸軍超人兵士が解放されたのを見つめながら、ディテクティブ・ハンドは一人呟いた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『アシュラレディ』
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POW : 阿修羅旋風
予め【六本の腕に持った刃物を振り回す】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD : ブレイドストーム
自身が装備する【愛用の刃物たち】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : シックス・ディフェンス
対象のユーベルコードに対し【六本の刃物による連続斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●リターン・オブ・ザ・アシュラレディ
全てのアーミーメンを片付ければ、その奥にある扉を猟兵達が蹴飛ばす。
「やっと来たねえ?」
獲物を待つ、蛇のような声がした。
そこはタタミが敷かれた座敷を中心に石庭がある和風の調度。
何故、地下にそんな作りの部屋があるのか分からないが、おそらくは趣味であろう。
声の主は石庭に立つ石灯篭の上でしゃがんでいた。
「アシュラレディ!?」
「久しぶりだねえ、ディテクティブ・ハンド。チャイナタウン以来じゃないか」
懐かしそうに呼びかけるアシュラレディと呼ばれる女。
石灯篭から降りると六本の腕が照明に照らされて露わになる。
「まだ生きてるとは思わなかったよ」
「おあいにく様、アタシは死んだのよ。そして蘇った! オブリビオンとして!」
歓喜に満ちた叫びと共に複腕の女がソードとカタナを構える。
「まずはハンド、アンタを殺してクライムキッチンを掌握しようと思ったのに……猟兵が来るとはねえ、とんだ大物だよ……オイ!」
アシュラレディの声に応じて現れる忍者集団アサシンズ。
「お前達はハンドをやれ。アタシは猟兵を片付ける」
「Shochi!」
彼らの姿を見て、ハンドはどこから出したのか六尺棒をまた構える。
「どうやら彼女は君達を警戒しているらしい、アサシンズは私が片付けよう。君達は――アシュラレディを頼む」
言うが速いか、トレンチコートのヴィジランテと忍者集団の戦いが始まった。
その喧噪をBGMにゆっくりと近づいてくる複腕の女修羅。
「相手をしておくれよ、ストレンジャー(異邦人)。マンゾクさせてくれたら、楽に殺してあげる」
サングラスで隠した顔からは邪悪な笑みが浮かんでいた。
エル・クーゴー
●POW
ユーベルコード【嵐の王・空中行軍】――
>申請
>承認
高出力空戦モードに移行
及びL95式マニュピレーター攻性運用、四腕展開(己の腕二本と併せて計六腕。アシュラレディに張り合う)
最終撃破目標を目視で捕捉しました
これより、敵性の完全沈黙まで――
――ワイルドハントを開始します
・自身に【武器改造】を施し強化パーツ群をより高効率に配置、装着
・計六腕で各武器を同時運用(一斉射撃)
・回避マニューバを駆使しつつ(空中戦)、アシュラレディへ断続的に突っ込み、近接射撃戦を挑む
(弾体は【誘導弾】で運用、接射時は【零距離射撃&吹き飛ばし】をプラス)
・高戦速で仕掛け続けることで敵POWコードのタメ時間を与えない心算
明石・真多子
堂々とした立ち振る舞い、キミがニンジャオカシラだね!
悪代官を討つのは仕事人の務め!(テレビ知識)
アタシが引導を渡すよ!(意味は知らない)
ニンジャの神髄は[暗殺]!
つまり相手の不意を突くことだっておじいちゃんが言ってたよ!
まずは『タコ墨』の煙幕の[目潰し]で視線を切ろう!
そのまま『タコの保護色能力』で周囲の壁に[迷彩]するよ!
ああいう手数のことを武器の数だと勘違いしてそうな手合いは、見失ったら手当たり次第に周囲を攻撃するはず。
視界の端に『タコスミデコイ』を撒いて[おびき寄せ]よう。
引っかかった隙に天井から飛び降りて密着。
阿修羅衆と恐れられた軟体魔忍の必殺技【軟体忍法阿修羅落としの術】で成敗!!
●アタック・オブ・ザ・ワイルドハント&アンサツ・タコメット
「堂々とした立ち振る舞い、キミがニンジャオカシラだね!」
明石・真多子がアシュラレディを指させば、妖艶に笑うのは女修羅。
「悪代官を討つのは仕事人の務め! アタシが引導を渡すよ!」
「Indo? アタシにインド人を渡すとは謎の言葉を……これが猟兵ってやつかい?」
お互いが間合いを取りあう中、不思議そうな表情を浮かべアシュラレディが呟いた。
『ユーベルコード【嵐の王・空中行軍】――』
>申請......
>承認
タイミングを合わせたかのようにエル・クーゴーのワイルドハント・エグザイルが承認され、高出力空戦モードに移行。
L95式マニュピレーター四腕展開し、それぞれに武器を持たせる。
「――チッ! 隙を突かれた。アンタ、そのお人形の腕でアタシと張り合おうってかい?」
舌打ちを共に武器を構えた女修羅。直後、二人の間を黒い霧が遮る。
タコメットのタコ墨がアシュラレディの視界を塞ぐために煙幕のように作用したのだ。
その中を突っ切って、エルが室内を飛行しつつ、距離を詰めてきた。
「最終撃破目標を目視で捕捉しました」
目標を電脳ゴーグルの視野へ納めれば。
「これより、敵性の完全沈黙まで――」
始まるのは。
「――ワイルドハントを開始します」
ワイルドハント――死を伴う狩猟団の伝承、西の百鬼夜行。
タコ墨に染まり、黒いシルエットを浮かべるエルの姿はイングランドの伝承に伝わる死の前兆を思わせる。
義肢と本来の腕に握られた合わせて六門の銃砲がそれぞれ伝承を現実にせんと火を吐けば。
「狩猟団とは大きく出たねえ!」
死より帰還した女修羅は六本の刀剣で、その弾丸を全て撃ち落とす。
更に間合いを詰めるためにお互いが跳ぶ。
アシュラレディはエルをカタナとソードのレンジに入れる為。
エルはアシュラレディに更なる攻撃を叩きこむ為。
バレルロールを連想させるようなSpiralからお互いが交錯した。
金属のぶつかり合う音と銃声が入り混じった。
マンストッピングパワーのある銃弾がアシュラレディのスーツを貫通し、穴を穿てば。
切れ味優れるサムライブレードがエルの肢体に切り裂く。
衝撃とダメージに二人が転倒するように地面に落ちれば、鏡写しのように身体を回転させて、ほぼ同時に体勢を立て直す。
「防弾繊維のスーツをぶち抜くなんて、こっちは腕のせいで服のコーディネートに苦労してんだよ!」
「被服を気にする必要はありません」
悪態を付き、走り出すアシュラレディに対し、エルは再び浮上。
「――ワイルドハント続行」
追撃を再開した。
獲物はまだ生きている。
弾丸の雨の中、日本家屋を思わせる室内へ逃げ込んだのアシュラレディ。
天井のある室内では空中戦も制限される、それを考えての行動だった。
アサシンズ達の戦いを奥で繰り広げられる中、女修羅は視界の隅に何かを見つけ、複製したソードを投げる!
Spaash!
ソードがそれを貫いて柱に刺されば、黒い霧となって霧散する。
「タコ墨!?」
「ニンジャの神髄は暗殺!」
いつの間にか天井に塗られていたタコ墨から真多子が姿を現し、触腕にてアシュラレディの腕をクラッチする。
「つまり相手の不意を突くことだっておじいちゃんが言ってたよ!」
そのまま飛び上がれば、相手の頭を肩に乗せ両腕で固定しさらに触腕で足と腕を封じて落下、尻から着地し、衝撃を以って五体を引き裂かん!
これぞ、オクトバスター――またの名を軟体忍法阿修羅落としの術!
「成敗!!」
クラッチを離せば、畳に倒れていく女修羅。
だが致命傷にいたらず、足元をふらつかせながら立ち上がる!
「ふふ……やるねえ! けど、首のクラッチに腕を使った分、アタシの腕が自由だった。それで受け身が取れたのさ!」
再び剣を取るアシュラレディ、再び飛び掛かろうと動くタコメットへと六本の刃を振りまわし、その動きを牽制する。
再び走り出す女修羅をタコと機械の複腕を持つ少女達が後を追う様に跳び、そして飛んだ。
成功
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夕闇霧・空音
【アドリブ歓迎】
さて、どうかしらね。
満足させられるか、する前に仕留めてあげてもいいかしら?
フリーズゼロは見られている可能性がありそうね。
ヴァリアブル・ウェポンで攻撃を行うことにするわ。
腕を振り回すユーベルコードを相手が使うかもしれないから
腕を振ってくるようならその腕を狙って仕掛けることにするわ。
他の人が作ったスキを付けたら嬉しいわね。
仁科・恭介
※アドリブ、連携歓迎
「6本の腕か…厄介だね」
【携帯食料】を食みながら【学習力】で部屋の中を確認し頭に入れる。
石灯籠
庭の石
畳
いろいろ使えそうなものがある
【目立たない】よう息を整え気配を消し、死角から【ダッシュ】で斬る
防がれたらやられたように装い、座敷に転がり込む
上手く誘って斬りつけてきたら畳で防ぎながら、畳の死角から石庭に退避
(上手く畳に刺さったら何本かは使えなくなるかな)
石庭に降りたら【目立たない】ように玉砂利を拾う
そして、再度【ダッシュ】して斬ると見せかけ【残像】を使う
残像の直前に玉砂利を投げておき、防いでも避けても隙ができるように
「相手しますよ。貴女が全力でくるなら答えるのが礼儀でしょう」
●ワシツ・アクション・イートマン&ヴァリアブル・フリーズ
渡り廊下をアシュラレディが疾走する。
不条理なほど広い室内はジョウニンが暗黒街のボスを迎えるために設えたもの。
過去でなかった時の記憶が黄泉還り、女修羅の顔がオブリビオンとしての憎しみで歪む。
そこへショウジを貫くように刃が走る。
女修羅がそれを打ち払って障子を蹴れば、居るのは仁科・恭介。
「六本の腕か……厄介だね」
恭介の台詞が終わるが速いか、アシュラレディが六本の腕を刀剣の嵐として叩きこめば、ダンピールもサムライブレイドにて防戦に徹しつつ、干し魚を食べて脳細胞への活性化を促し転がる様に回避、畳の縁を蹴れば立ち上がって壁となり、二人の間を遮る。
「甘い!」
女修羅が振るう六閃の刃が畳を賽の目にスライスし、座布団を作り上げれば、恭介の姿は無く、石庭の玉砂利を踏みしめる音が響く。
「相手しますよ。貴女が全力でくるなら答えるのが礼儀でしょう」
サムライブレイドを構えるダンピール。
「逃げるのはもうやめたの? 鬼ごっこでもいいのよ」
挑発するように廊下を超え、アシュラレディが斬りかかれば恭介も間合いを詰める。
瞬間、ダンピールの姿が歪み。女修羅の刃が届けばその姿は霧散する。
「残――ッ!?」
顔面に叩きつけられる玉砂利。それは隙を見て恭介が拾ったもの。
直後、和室の屋根からアサシンズと共に人影が飛び降りた。
「さて、どうかしらね」
ハンドに倒されたアサシンズ達と空を降りる中、夕闇霧・空音の指先が銃口のような穴が形成され放たれるのは冷凍弾の嵐。
「満足させられるか、する前に仕留めてあげてもいいかしら?」
速射性に優れるユーベルコードが視線の先に居るシュラレディの動きを封じ、自らの名を付けた剣の旋風を起こそうものなら、迷わすその腕を射ち抜く。
「くぅっ!!」
苦悶の声を上げつつ女修羅は六つの剣を複製すれば、輪状に並べさせて巨大なシュリケンのように投射し、逆転の一矢とせん!
「――!?」
空音の眉が歪み、その場から飛びのく。
一本単位なら落とせるが六本が一度に飛ぶと質量が多い。集中して狙わないと撃ち落とされる。
念動操作でこちらを追いかけてくる刃をバックステップしつつ全て撃ち落とせば、それを追う様に迫るアシュラレディ。
刃は状況脱出の一矢と共に囮でもあり、本命は今振るわれる六本の刀剣。
咄嗟に恭介が間に入り、その刃を防ぐが全てを受け止める事叶わず、砂利を血に染めて膝を着く。そこに蹴りが飛んだ。
頭を蹴られて倒れるダンピール。彼が作った隙を逃さずにサイボーグの両腕が冷凍弾を叩きこむ!
Zugagagagaga!!
矢継ぎ早の行動に刀で防ぐには間に合わず、女修羅の左腕が二本凍結する。
負傷を顧みない咆哮が響き、間合いが詰められれば刃三閃!
Skit!
金属が斬られる音が鳴り、空音の片腕が指から裂けた。
腕を抑えるサイボーグ、その隙を逃さずにアシュラレディが走り出す。
恭介が頭を振って立ち上がれば、二人は頷き追撃のために傷ついた身体に鞭を打って玉砂利を蹴った。
成功
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神酒坂・恭二郎
「嬉しいねぇ、六刀流の別嬪さんは初めてだ」
笑みを返し剣の鍔を掲げて光らせ、コートからスペース着流しに早着替え。
銀河一文字を腰に差し、不敵な笑みを浮かべる。
さて難問だ。
剣が見えない速度で振り回される阿修羅旋風。動きを見破るのは容易いが、その本質は圧倒的な手数と威力による飽和攻撃だ。多少見切った所で詰む。
加えて周囲に浮かぶ刃物は念力操作。六刀にも念力が通るだろう。
得難い難敵だ。
「ここで最初に会えたのがあんたで良かったよ」
納刀にて対峙。
覚悟で踏み出す。
六刀の斬撃が相互に干渉し、空白となる機と間合いを狙う。
読みを外せば六刀に刻まれるだろう。
分は悪い。
そこが良い。
体の芯に熱が入る。
「いざっ!」
矢来・夕立
六道境涯、四悪趣の一。戦い続けるもの。そう定められたものの道。
イイですね。いずれ行きたい旅行先です、修羅道。
引き続き【忍び足】で行動します。
どなたかがあの腕をもいでくださるとやりやすいんですが。
…暗いと不平を言うよりも。進んで灯りをなんとやら。
オレがやるしかないかな…【だまし討ち】でもぐか、腕。
場所が日本庭園なら【地形の利用】もできそうです。多分慣れた踏み心地。
お膳立てしてもらっちゃって悪いですね。もしかして六本腕さんってばオレのこと好きなんですか?オレにはもう心に決めたひとがいるんですが。困ったなあ──殺してあげたくなる。
【神業・否無】【暗殺】。
腕より彼女の命を獲りたい。
ウソですけど。
●スラッシュ・オブ・ギャラクシー・イチモンジー&キル・ザ・アーム
「嬉しいねぇ、六刀流の別嬪さんは初めてだ」
男の口元が笑みで満たされる。
右手に持った刀の鍔を掲げ、コート姿からスペース着流しが一つ「ネビュラ」へと着替えたその姿はスペース感と伝統を体現し、ナガセ・シロカワのワザモノブレードを腰に差す男の名は神酒坂・恭二郎。
タタミザシキからゆっくりと石庭に歩けば、アシュラレディもそれに倣う。
「ここで最初に会えたのがあんたで良かったよ」
「サムライ……か。そのカタナ、ただのナマクラじゃないね?」
少しの時だけ垣間見えた畏敬と警戒がシャッフルされた顔、すぐに修羅と言う名のポーカーフェイスとなり、視線を銀河一文字へ落とす。
「分かるかい?」
「昔の男がタキオン一刀流だったのさ」
「会ってみたいな」
興味ありげに男が問えば。
「アタシが殺した」
興味なさげに女が答える。
「そうか……」
会話は終わり、お互いの視線が交錯する。
女修羅の四本の腕がソードを振り回し、念動力が二本のカタナを動かし死角を補う。
二本の腕は凍り付き、動くことは能わず。だが念動力はそれを補って余りある。
故に恭二郎は警戒し、そして踏み込む。
アシュラレディの剣技は意図的に刀剣を振り回す為、軌道は見破られやすい。
けれど本質は六腕六刀による連撃が生み出す飽和攻撃。人間の腕が二本あれば、二刀を上回る手数と威力で叩き潰す異形剣。
それを知っているからこそ、今まで猟兵達は攻撃前に攻め、又は受けに徹していた。
けれど、スペース剣豪はあえてそこ――死地へと飛び込む。
狙うは六刀の斬撃が相互に干渉し、空白となる機。
読みを外せば六刀に刻まれるその間合い。
分は悪いと理性が知らせるが勝負師の性が是と囁く。
そこが良い。体の芯に熱が入るのが自分でも分かった。
「いざっ!」
「Iza!」
恭二郎に勝負にアシュラレディも乗った。
六本のソードとカタナが修羅の如く、嵐の如く襲い掛かれば。
銀河を走る流星の一刀が嵐を凪へ還るように打ち払う。
「――今だ!」
恭二郎が叫べば、アシュラレディの右腕が一本斬り落とされた。
「六道境涯、四悪趣の一。戦い続けるもの。そう定められたものの道」
少年は詩を歌う様に落ちた右腕を踏む。
「イイですね。いずれ行きたい旅行先です、修羅道」
「図ったか!?」
怨嗟を込めてアシュラレディが叫べば。
「いいや、途中まではやる気だった」
恭二郎が訂正する。
「なので邪魔しました」
矢来・夕立は踏んでいた女修羅の腕を蹴飛ばし、ソードを拾う。
「お膳立てしてもらっちゃって悪いですね」
「いいさ、乱戦もまた一興」
「――返せ! 腕を! ソードを!」
男達の会話を女が遮る。
「もしかして六本腕さんってばオレのこと好きなんですか?」
刀を取り返さんと、アシュラレディは動く三本の腕を振り回し夕立を追撃すれば。
「オレにはもう心に決めたひとがいるんですが。困ったなあ」
茶化すように逃げる少年は自分の足場のように庭園を逃げまわりそして――。
――I feel take you down.
「──殺してあげたくなる」
性を見せ、女修羅から奪ったソードを放った。
「――!?」
一瞬、剣へ視線が注がれた後、反射的に打ち払うアシュラレディ。
「後は頼みます」
夕立が呟き、背中を向ける。
既に暗殺のお膳立ては済んだ。
「頼まれた」
女修羅の背中から声が聞こえ、振り向く先には恭二郎。掲げる銀河一文字が袈裟に斬る。
「剣の聖にゃ程遠く、命の置き場ぞ此処に在り……ってなもんか」
左肩から鎖骨まで叩き切った大業物を振り抜けば、修羅の足元が朱で塗られる。
完全な不利を悟ったアシュラレディが作りあげた複製剣が二人へと矢のように投射されれば、その隙を突いて彼女は和風建築物の屋根へと飛んだ。
成功
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●エンド・オブ・ザ・アシュラレディ
広大な地下室に作られた和風建築物。屋根に上がればシャチホコの上にしゃがむトレンチコートの男の姿。
「ディテクティブ・ハンド!」
「もう終わりだ、アシュラレディ」
換気扇が起こす風にコートを靡かせながらヴィジランテは告げる。
「終わりじゃない! これからなんだよ!」
「彼らから聞いたよ、過去は質量を持ち戻ってくると……でも、過去は過去なんだ。刻まれるのは日記帳のインクの量だけでいい」
ハンドの隣に立つ、二人の猟兵の姿。
「アサシンズは皆、倒した。私の出番は終わりだ。後は主役と――君の舞台だ」
憤怒の怒りで凍結した左腕の機能を無理矢理取り戻した女修羅へと、猟兵が近づいた。
決着の時が始まる。
ミハエラ・ジェシンスカ
◎
6刀流とはウォーマシンでもあるまいに随分と邪道の剣を使う
あれもニンジャどもと同じオリエントの神秘なのか?
我が2刀流×【2回攻撃】を以ってしても手数は奴の方が上か
ならば【見切り】【武器受け】で奴の6刀流を凌ぎつつ一瞬の隙を狙う他あるまい
僅かでも隙を見つけたならそこに【カウンター】【捨て身の一撃】を叩き込む
これで斬れる程度の相手ならそれで良い
そうでなければ……
見事な邪剣だ。良くぞここまで練り上げた
だがレディなら「奥の手」は最後まで貞淑に隠しておくべきだと、そうは思わないか?
先に敢えて我が2刀流に慣れさせた上で【邪剣開帳】【だまし討ち】
1度「見た」技を相殺する邪剣に我が「見せぬ」邪剣で対抗する
ウィーリィ・チゥシャン
何でハンドさんがあんたの相手をしないのか教えてやるよ。
彼は『今』を生き、『未来』の為に戦っている。
あんたみたいに『過去』の妄執の為じゃない。
そっちこそご退場願おうか、アウトサイダー(邪魔者)!
向こうの方が格上なのは歴然だ。
けど、この世界に生きる人たちの姿を見て俺は誓った。
「みんなが生きる、この『今』を守る」って。
六本の腕からの攻撃に死角はない。
だったら、作るまで。
鉄鍋に身を隠す形で相手の攻撃を『盾受け』で受け止め、同時に鉄鍋目がけて『料理の鉄刃』の『二回攻撃』を繰り出す。
一太刀目で鉄鍋を切り裂き、そして断続的に繰り出した二太刀目で敵を切り裂く。
カルフォルニアロールも、食べてみるのも悪くないか。
●ジャケン・ナイト&ドラゴンシェフ・ディフェンス・オブ・ザ・トゥデイ
ミハエラ・ジェシンスカがその巨体に見合わない軽快な動きで屋根を走り、アシュラレディへとフォールンセイバーを振るう。
赤黒い刃と白刃がぶつかり合い、間隙を突くように女修羅のカタナが飛べばタイミングを見切ったミハエラの理力が念力を打ち消す。
力を失ったカタナが屋根を転がれば、アシュラレディが残る五本腕での剣技を打ち込む。袈裟に斬られ、断たれた筋腱はオブリビオンとしての生命力と念動力が補う。
「六刀流とはウォーマシンでもあるまいに随分と邪道の剣を使う……これもニンジャどもと同じオリエントの神秘なのか?」
「視聴率ってヤツだよ! つまんない答えだろう?」
邪剣の騎士の問いに邪道の修羅は生々しい答えを返し、剣戟を繰り返す。
剣の速度はミハエラが上回っているが手数が一手多い、故に守勢に一手取られ、そこから攻め立てられ、ペースを掴めない。
「獲ったよ!」
負傷を押してアシュラレディが跳躍すれば、飛び越えざまの斬撃を回転しつつ放てば。
「待っていた!」
大技が見せる隙を待っていたミハエラが屋根瓦を踏み抜き、頭の高さを物理的に下げると、そのまま足を軸に回転。着地する女修羅へと起死回生の一撃!
CLAP!!
金属が溶接されるようなスパーク音が響いた。
遠心力を以ってアシュラレディの背中へと放った一撃は後ろに回した三剣二刀の盾によって遮られる。
「ぐっ!」
呻きながらも女修羅は振り向き、屋根瓦にはまった足を抜こうとしている騎士へと向き直る。
「残念だったねえ」
「見事な邪剣だ。良くぞここまで練り上げた」
嗜虐心から出た言葉に対し、ミハエラは足を抜くのを諦め、その剣を認め敬意を示す。
「褒めてもらって光栄さ! けどその首は貰うよ! Sla……」
けれど、優越感に浸るアシュラレディは言葉の意味をそのまま受け取った。
「だがレディなら『奥の手』は最後まで貞淑に隠しておくべきだと、そうは思わないか?」
――故に反応が遅れた。
ミハエラの装甲が展開し、二本の隠し腕が伸長、二振りのフォースセイバーが自分の首を落とそうとした女修羅の左腕を切断し、右肩を貫く!
二刀流は囮、本命は隠し腕によるだまし討ち。
1度『見た』技を相殺する邪剣に対し『見せぬ』邪剣で対抗する。
それが邪剣の騎士が立てたただ一つの切り札――Jokerであった!
和風建築物から転落し、池に落ちるアシュラレディ。
追うように少年も池に飛び込んだ。
ウィーリィ・チゥシャンが膝まで水に濡らし、包丁を片手に叫ぶ!
「何でハンドさんがあんたの相手をしないのか教えてやるよ」
包丁が受け止められ、二本のソードが襲い掛かる。
「彼は『今』を生き、『未来』の為に戦っている」
大鍋を盾として斬撃を受け止めればその威力で身が飛び、池が激しく水音を立てる。
「あんたみたいに『過去』の妄執の為じゃない! そっちこそご退場願おうか、Outsider!」
「ほざけ! Stranger!」
再び立ち上がったウィーリィへが襲い掛かるアシュラレディへと叫べば、彼女も異物を排除せんと怨嗟を込める。
次々と襲い掛かるソードとカタナの嵐。
料理人は大鍋を盾にそれを凌ぐ。
「防戦一方だねえ! ボウヤ!」
大鍋を膂力で叩き潰そうと女修羅が嗤えば。
「……守る!」
少年が叫ぶ。
「何をだい?」
「この世界に生きる人! みんなが生きる、この『今』を守る!」
「そんなものは夢だ! 夢は死ぬ!」
心を折るためにアシュラレディが一刀に力を込めた。
「Man with a mission」
「……なんですか?」
屋根瓦にハマったミハエラに肩を貸しながらハンドは屋根の下の少年を見て呟いた。
「使命を持った男って意味さ」
騎士の問いにヴィジランテは答え。
「そして、それを成す者をなんていうか知ってるかい?」
逆に問いかけた。
鉄鍋に刃が食い込み隙間が出来た。そこから覗く少年の双眸は熱い。
一瞬、一瞬だった女修羅がその雰囲気にのまれた時。
SKIT!
鉄鍋が割れた、ウィーリィが振り下ろした包丁によって!
「自分で……切った!?」
直後、切り上げる斬撃がアシュラレディの脇腹から肩へ抜けた。
「Heroと言うんだ」
ヴィジランテが答えを述べれば。
ヒーローの一撃がオブリビオンとなったヴィランを池に沈め、骸の海へと還してく姿が二人の視界に映っていた。
「……私には無理そうなものですね」
ミハエラが吐息を吐くように答えれば。
「だったらマスクを被るといい、そうすれば誰だってヒーローになれる」
笑みを称えて答えを返せば、ディテクティブ・ハンドは屋根を降りた。
「Man with a mission――私に使命は……」
邪道なる騎士は悪心回路へと問いかけた。
その答えは……彼女だけが知るだろう。
視界の中で猟兵達が集まる姿が目に入った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴