3
中年の星・パンサーマスク

#ヒーローズアース

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ヒーローズアース


0




「こりゃぁ、また面妖なことになってきたねぇ。」
 そう困惑を隠せず溜息を零すのは、中御門・千歳(死際の死霊術士・f12285)だ。猟兵の皆と同じく新たな世界『ヒーローズアース』と呼ばれる世界の登場に、驚きを隠せないでいる。
「ともあれ、事件だよ。皆気張っておくれ。」
 千歳が予知したのは、『パンサーマスク』という名の一人のヒーローが、敵対するヴィランとの対決中に突然現れたオブリビオンに殺されるというものだ。
「ヒーローだヴィランだってのはよく分からないけどさ、あたしらとしてはオブリビオンは放ってはおけないねぇ。」
 パンサーマスクはヒーローの中でも実力的には中堅だが、ヒーロー歴が長い中年ヒーローだ。最近は若いヒーローと比較し人気が低迷しているが、中高年のサラリーマンからは根強い人気があるとのことだ。
「予知で彼を殺すオブリビオンとは別のオブリビオンだけどさ、さっそく襲われているみたいだよ。皆、加勢してあげておくれ。」
 予知でパンサーマスクを殺すオブリビオンとは別のオブリビオンにも襲われるらしい。その後の予知がある以上、そのオブリビオンからは逃げおおせる可能性もあるが、助けに入って損は無い。
 危機を救うことで顔見知りとなることでその後の行動を共にすることが可能なるだろう。それにより、この世界に対する理解を深められるチャンスになると共に、殺されるという予知のタイミングに立ち会うことが可能となるはずだ。
「皆、何が何だか分からないだろうけどさ、ここは踏ん張りどころさね。宜しく頼むよ。」


きみはる
 お世話になります、きみはるです。
 生放送には間に合いませんでしたが、この波に乗るしかない!ということで、勢いで依頼出してしまいました。

●一章
 集団戦です。敵を蹴散らして下さい。

●二章
 ヒーローとの日常を過ごすことで、この世界を感じて下さい。頑張ります。

●三章
 ボス戦となります。ヒーローが足手まといになるようなシチュエーションにはしません。
 執筆時間が取れないタイミングがありましたら、MS欄に記載させて頂きます。
 至らない点が多いかとは思いますが、頑張りますで宜しくお願い致します。
94




第1章 集団戦 『ジャスティストルーパー』

POW   :    フォールン・ジャスティス
全身を【機械部分から放出されるエネルギー】で覆い、自身の【戦闘を通じて収集した敵のデータ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    イミテーション・ラッシュ
【ジャスティス・ワンが得意とした拳の連打】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    マシン・ヴェンジャンス
全身を【機械装甲】で覆い、自身が敵から受けた【物理的な損傷】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。

イラスト:もりさわともひろ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

オル・クブナス
ほほう、これはこれは、非常に面白い世界でございますねぇ…

ともあれ、紳士として人々を襲う者を放っておくわけにはいきませんな。
ユーベルコードによって敵の攻撃からパンサーマスク様を【かばう】ことにいたしましょうか。
なに、守りは私の専売特許でございますからね。いくらでも受け止めてやりましょう。


ハイパー・マン
「来たぞ、私が、ハイパーマンだ!」
パンサーマスクの背後をとろうとする敵を優先的に倒す
「パンサーマスク、背後は任せろ、ヒーローは助け合いだ!」
【存在感】で敵の目を自分に引き付け、向かってきた敵を拳と蹴りで【吹き飛ばし】て戦う
「どうしたどうした、俺はこの程度では倒れんぞ!」




「何だ君たちは……」
黒塗りの彪を模したマスクを被り、全身タイツにマントという“伝統”のヒーロースーツに身を包んだヒーロー、パンサーマスクは困惑していた。
 己が周囲を囲うのは、普段彼が相手取るようなヴィランとはまた違った雰囲気の相手……その姿は歴史に学んだジャスティス・ウォー以前のヴィランにも似ていた。
 周囲を囲う敵の数は多く、明らかに己が分を超えていた。
 ヒーロー達の中でもトップクラスとは言えない自身の実力を理解していたパンサーマスクはここは逃げの一手とばかりに引こうとするが、既に囲まれている状況に歯噛みする。

 その時、高らかな笑い声が裏路地に響き渡る。
「はぁーっはっはっは!来たぞ私が、ハイパーマンだ!」
 その笑い声は、ビルの屋上から聞こえてきた。
 颯爽とビルから飛び降り、パンサーマスクの背を守るかのように拳を構えるのは、彼自身もも見知ったヒーロー、ハイパー・マン(神のスーパーヒーロー・f16472)だ。
「パンサーマスクよ背後は任せろ、ヒーローは助け合いだ!」
 そう言いながら拳を構えたハイパーマンの全身が黄金に輝く。
 その存在感に気圧されながらも向かってくる敵兵を、ハイパーマンは黄金に輝くその拳で次々と敵を吹き飛ばしていくではないか。
「どうしたどうした、俺はこの程度では倒れんぞ!」

 ハイパーマンに背中を守られたパンサーマスクは、目の前の敵に相対する。
 自身よりも格上と思われるその相手の攻撃は素早く、背後の心配が無くともパンサーマスクの実力では攻撃を防ぐことで手一杯であった。
「ギギギギ、イミテーション・ラッシュ!」
 繰り出される超高速の拳にこれまでかとばかりに目を瞑る。
 しかし、いつまで経っても訪れない衝撃に、ゆっくりと目を開くと――そこには、拳を受けて形状を歪めた黒き異形が立っていた。
 敵の拳を受け歪むその躰とはアンバランスだが何故かマッチしている紳士服に身を包んだ異形――オル・クブナス(殴られ屋・f00691)はまるで攻撃などされていないかのように悠々と声をかける。
「これはこれは、パンサーマスク様。私、オル・クブナスと申します、以後お見知りおきを。」

 一見バイオモンスターかとも思ったがどうにもよく知るそれとも違うオルを警戒しながらも周囲を伺うパンサーマスクに対し、オルは気にせず次々と襲いかかる敵兵からパンサーマスクを守り続ける。
 薄く引き伸ばされた黒い液体で大きな壁を作り、連続して殴り掛かってくる敵の拳を受け止めると、その弾性によりそのまま後方へと弾き飛ばす。
 怪しくも助けてくれていることは理解が出来る存在――オルに対し、パンサーマスクは大丈夫かと声をかける。
「なに、守りは私の専売特許でございますからね。いくらでも受け止めてやりましょう。」

 自身が知るヒーローよりも格上の見知らぬ存在、そんな相手に対してパンサーマスクは自然と疑問を口にしていた。
「き、君たちは一体……ヒーローなのか?」
 その問い掛けに対し、同じヒーローであるはずのハイパーマンが答えを返す。

「彼らは……いや我々は猟兵(イェーガー)、この世界を救いに来た!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

キャロライン・ブラック
ここがヒーローズアース……
なるほど、確かに風景はUDCアースに近く存じます
と、じっくり拝見している余裕はございませんね

ごきげんよう、パンサーマスクさま
新たにこの世界へと訪れた、猟兵のキャロラインと申します
微力ながらお手伝いいたしますわ

さて、わたくしは援護に回りましょう
数がいるようですから、広範囲にユーベルコードを放ちますの

もちろん、味方に当たらないように制御いたしますが
敵への命中制度は度外視で参りましょう

避けられるにせよ、隙はできますもの
あとは他の方々にお任せいたしますわ

ところでパンサーマスクさま
わたくし、こちらに来たばかりでして
切り抜けましたら、この世界を案内してくださると嬉しいわ?


カイジ・レッドソウル
共闘、アドリブ歓迎

「任務内容了解、攻撃開始」
【天獄の雷】による【先制攻撃】
呪剣黒剣抜き【串刺し攻撃】【2回攻撃】
【怪力】に任せ【傷口をえぐる】など行う

「新世界ノおぶりびおんでーた収集開始」
POW攻撃には【オーラ防御】
SPD・WIZ攻撃には【武器受け】
【鎧無視攻撃】【生命吸収】で相殺できないか試みる

「すぺーすしっぷトハマタ違ウさいぼーぐ技術形態、マダマダ情報ガ不足ダナ」


杼糸・絡新婦
ほな、新しい世界で一仕事してきましょか。

体力勝負なお仕事やんね、
維持して長くヒーロー続けるなんて素敵なことやん。
興味わきますわ。

SPDで行動
お邪魔させてもらいます。
絡新婦、いざ参るてな。

錬成カミヤドリにて
レベル分の鋼糸を召喚し、
蜘蛛の巣のように展開させ攻撃していきます。

絡め取るように拘束し【敵を盾にする】で他からの攻撃を防御。
また【フェイント】をいれ、他の猟兵が攻撃しやすいよう、
視線誘導を行い、こちらに意識を向けます。


パウル・ブラフマン
【SPD】
どーも、エイリアンツアーズでっす☆
UCを発動!行くよ、Glanz!
持前の【操縦】テクを活かして暴れちゃうぞ♪

パンサーマスクさんを【かばう】べく
【騎乗】したままの状態で【スライディング】!
敵との間に割って入るよ。
ついでに進路に居た敵も轢き潰しておくね。

年長者には敬意が大事!
特に彼はこの世界の先輩だもんね。
オレの後ろに乗ってください、パンサーマスクさん!
【コミュ力】全開で手を差し伸べたいな。

敵の総数が減るまで
Krakeで狙撃しながら戦場を駆け回るよ!
パンサーマスクさんと共闘出来たら胸アツだけど
そこは無理せず、彼の安全を最優先に。

オレはパウル!
ただの運転手ですよっ☆

※アドリブ&絡み大歓迎!




「い、猟兵(イェーガー)……。」
 突如現れた猟兵達によって庇われたパンサーマスク、その状況を受け止め切れないまま呆然と立ち尽くす。
 その彼を襲わんと敵兵が飛び掛からんとした次の瞬間、蒼き閃光を纏ったバイクが突如現れたかと思えば、そのまま敵兵を刎ね飛ばしていく。
「どーも、エイリアンツアーズでっす!」
 唖然とするパンサーマスクの眼前で華麗なるターンを決め、停車した武骨な白銀のバイクからハイテンションなパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)の声が響いた。

 パウルが駆るバイクからは、同乗していたのであろう三人の男女が現れた。
「ごきげんよう、パンサーマスク様。新たにこの世界へと訪れた、猟兵のキャロラインと申します。」
 三人の中で唯一の女性であるキャロライン・ブラック(色彩のコレクター・f01443)は軽やかにバイクを飛び降りると、スカートの裾をつまみながら一礼する。
「お邪魔させてもらいます。」
 巨大なバイクの次は華麗な美少女の登場に困惑しているパンサーマスクの前に、女性と見紛う艶やかな着物姿の男性――杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)が下り立つ。
 まるで時代劇かのようなその出で立ちに気圧されると、そんなパンサーマスクの様子が可笑しいのだろうか、興味深げな笑みを投げかけている。
「彼ガ保護対象カ……任務内容了解。」
 最後に現れたのは、一見フルフェイスカバーを被っているだけかのような人物……しかしながら、その背後から“展開”された二メートルはあろう、蠢く機械仕掛けの尾が彼もまた、パンサーマスクの常識の埒外の存在だと示している。

 パンサーマスクの頭は混乱の極みになった。
 援軍と思われる彼らがヒーローとは違った存在でありながら、誰も彼もが己より格上の風格を漂わせている。
 “他の世界から来た”と普通の人間が聞けば頭がおかしいと思われがちな単語が、なぜかパンサーマスクにはしっくり来た。

「オレの後ろに乗ってください、パンサーマスクさん!」
 見たことの無い外観も装備も、不思議と違和感を感じさせない。
 “身体から映えた触手”という普通であればぎょっとするような外見も気にならず、パンサーマスクはパウルの差し出した手を自然と握り返していた。
 パンサーマスクを背後に乗せたまま、パウルは愛機『Glanz』で走り出す。
 固定砲台『Krake』が据え付けられた触手を自在に操り、戦場を高速で走り回りながらも確実に、一体、また一体と敵兵を狙撃してゆく。

「ほ、本当に君達は何なんだ!?」
 敵兵を“刎ね飛ばす”衝撃に身をすくめながら、それでもバイクへと飛びつき掴みかかる敵兵を反射的に殴り飛ばし、バイクから引き剥がす。
 慌ただしく移り変わる状況に、その問いは自然と悲鳴のような叫び声となった。
「オレはパウル!ただの運転手ですよっ!」
 しかしその問いに、明確な答えは帰って来なかった。


 鋼の兵隊達は続々と援軍に駆け付けた猟兵達を脅威と判断し、その身から剥き出しとなった機械装置へと手を添えると、発したエネルギーによりその身を包み己を強化した。
「新世界ノおぶりびおんでーた収集開始。」
 その様子を興味深げに眺めたカイジは、自身の武器を構えると敵兵へと突貫する。
 振り抜いた敵兵の拳を避けながら懐へと飛び込めば、すれ違いざまにその身体へと二本の剣を突き刺す。
「行クゾ、『天獄の雷(コード・ユピテル)』」
 串刺しになり身動きの取れない敵兵をカイジの全身から発せられた高圧電流が蹂躙する。
 内側から雷に焼かれた機械の兵隊はその身から火花を散らしながら雷炎に身を抱かれ、煙をあげる。
「ギ、ギギギギ……。」
 それでも尚動こうとする敵兵に対し、カイジは差し込んだ剣を捻ると力づくで振り抜き、その身体を両断する。
 機械に強度を頼るサイボーグ技術とはまた違う肉体の強靭さに、カイジは驚きを覚えた。
「すぺーすしっぷトハマタ違ウさいぼーぐ技術形態、マダマダ情報ガ不足ダナ。」
 
「さて、私は援護に回りましょうか。」
 戦場を駆けまわるバイクや敵陣中で暴れまわる猟兵達を眺め、キャロラインはそっと独り言ちる。
 キャロラインがその手中のワンドを杖を振るうと、その先端から透き通るような青色の液体が降り注ぐ。
 その液体はまるで宝石のような煌きを放ち、敵兵の身体や地面に纏わりついたかと思えば、次々と凍てつく氷へとその身を変えた。
「その色はわたくしの好きな色、氷河の青ですわ。とっても綺麗でしょう?」
 
「ほな、新しい世界で一仕事してきましょか……絡新婦、いざ参るてな。」
 絡新婦はその指先から己が名を冠する鋼糸、『絡新婦』を放つ。
 放たれた鋼糸はまるで生き物かのように自在に空中を飛び回ると、蜘蛛の巣のように複雑に編み込まれながらキャロラインが生み出した氷により動きを止めた敵兵へと絡みつく。
 咄嗟にその身を守らんと敵兵の全身を覆った装甲の上から鋼糸が縛り上げ、ぎちり、ぎちりと機械が軋む音を響かせた。
 「残念、自分の糸の方が強いようやね。」
 絡新婦が艶やかに微笑むと、力強く糸を引き絞る。
 その強靭な糸がそれまでの抵抗が嘘かのように鋼の装甲へと沈み込むと、次々と機械の身体が切り落とされていった。


 その戦いは、数時間に渡ったかのような疲労をパンサーマスクは感じていたが、その実三十分にも満たなかったようだ。
 四肢を失いながらも、死を恐れず戦い続ける機械兵。
 しかしその死兵もまた、凍り付き、撃ち抜かれ、斬り裂かれ、焼き尽くされた後、動く者は存在しなかった。
 パンサーマスクは知らない、彼らもまた数多の戦場を戦い抜いた強者(ツワモノ)であることを。

「パンサーマスクさん、大丈夫ですか!?」
「すきゃん完了、ひーろーダケハアルナ。問題ナイ。」
「ヒーローって体力勝負なお仕事やんね、流石やん。」

 不思議と向けられる好意的な対応に、混乱冷めやらぬパンサーマスクは声が出ない。
 そんな中少女が一人歩み寄ると、そっとパンサーマスクの手を取り話しかける。
「ところでパンサーマスクさま、わたくしたち、こちらに来たばかりでして……この世界を案内してくださると嬉しいわ?」
 無邪気な笑みを浮かべる少女に対し、思考が停止したパンサーマスクは、唯々了承することしか出来なかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

フィランサ・ロセウス
パンサーマスクに、他にも見たことあるヒーローがいっぱい!
みんな「好き」にしてあげたいけど、
味方は襲っちゃダメって言われてるからね。
そっちのお人形さん達で我慢する!

敵がヒーロー達に気を取られている間にクロックアップ・スピードを発動、
なるべく【目立たない】ように背後を取って【暗殺】を狙っていくよ




 猟兵達が勝利を喜ぶ中、ビルの屋上には不審な影が立っていた。
 猟兵達と戦っていた機械兵と同種だとは思われるが、どこか一風変わった雰囲気を持ち、その立ち位置からも恐らくは全体を指揮統括する役割を担っていることが推測される。
 彼が通常の指揮官であるならば、通常で考えれば敗色濃厚、撤退を選択するべきであろう。
 しかしながら感情を持たない機械兵は、任務を完遂する為に出来ることを選択した。

 荷物から太陽光を照り返す長尺の銃器、俗に言うスナイパーライフルを取り出し、狙いを定める。
 そうしてトリガーに指をかけた彼の耳に届いたのは、背後から聞こえた指の鳴る音。
 とっさに銃器を背後へと振り抜こうとしたその瞬間――彼の視界に映ったのはバラバラに破壊された己が四肢であった。

 「んー、やっぱりお人形さんで我慢しなきゃだよね。」
 そう不満そうに呟くのは、屋上に立つ不審な存在に気づいたフィランサ・ロセウス(不適切な好意・f16445)であった。
 彼女にとって『好き』とは破壊を意味する言葉。
 眼下のパンサーマスクや他のヒーロー、そして猟兵達が恋しくてたまらないが、味方を襲わないようにきつく言い付けられている為、我慢しなければならない。

 どうやらバラバラに破壊した機械兵の四肢がビルから落ち、下にいた猟兵達に気付かれたようだ。
「さーて、ちゃんとご挨拶出来るかな?」
 驚くような顔をしこちらを見上げている面々との会話に胸を弾ませ、フィランサは宙へと飛び降りた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 日常 『ヒーローの日常』

POW   :    高山の山頂や地下の秘境など、ヒーローだけが見れる素晴らしい光景を案内してもらいます。

SPD   :    ヒーローのアジトに招待してもらい、不思議な体験の数々を楽しみます。

WIZ   :    ヒーローの日常生活に関わります。ヒーローが周囲に正体を隠している場合、それ相応の配慮が必要です。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達は、とある雑居ビルの外に待機していた。
 ビルの窓ガラスの奥には、パンサーマスク――の普段の姿であろう、筋骨隆々の中年男性が、叱責を受けているのが目に入る。

「いやぁ、お恥ずかしいところをお見せ致しました。」
 雑居ビルから出てきたスーツ姿のパンサーマスクは、待たせていた猟兵達へと申し訳なさげに言葉を続ける。
「いえね、事件解決の度に仕事を放り出して持病の発作だと行方不明になるものですから、こうしてクビにならないだけでも有難いものですよ。」
 猟兵達に心配されたパンサーマスクは、さもありなんと言葉を続ける。

「でもね……うちの上司、机の中にヒーローのプロマイドを数枚隠し持ってるんですけどね、そのうち一枚は私なんですよ。」
 ヒーローとしての自分が必要とされているのであれば、日常の自分の扱いなど、大したことは無いと笑い飛ばす。

「さて、この世界の案内と言いましたね?候補としてはいくつかありますが……。」
 パンサーマスクの提案は以下の通りだ。
 この世界を理解するにであれば、書籍が一番だ。
 パンサーマスクと共に図書館や書店へと行き、この世界の歴史について理解するのも良いだろう。
 もしくは、彼のヒーロー活動を共にすることでも、ヒーローやヴィランとの関わり通し、この世界に対する理解を深められるだろう。
 はたまた、ヒーローが良く集まる秘密の酒場のような場所もあるらしい。
 そこで、他のヒーローも含め聞き込みをするのも良いかもしれない。
 もちろん、それ以外のリクエストでも、パンサーマスクは出来るだけ応えてくれるだろう。

 猟兵達は、それぞれこの新たな世界を理解する為の一歩を踏み出した。
レパル・リオン
パンサーマスクさん、こんにちは!あたしはレパル、魔法少女よ!よろしくね!
怪人(オブリビオンのこと)との戦いを手伝えなくてごめんなさい!でも、あたしもパンサーマスクさんのヒーロー活動、見たいなぁ…(子供らしいキラキラした目で見上げる)
あたし、この世界のヒーローの事をもっとよく知りたいの!
大丈夫、あたしだって猟兵よ!戦いなら足でまといにはならないわ!(シャドーボクシングをする)
…ね、お願い!(ここで手をつなぐ。ちなみにレパルちゃんは肉球ぷにぷにです)


キャロライン・ブラック
普段は別のお仕事をされていらっしゃるのね
ヒーローとは職業の一部だと思っておりましたが……少し、違うのかしら?

ともあれ、パンサーマスクさま
貴重なお時間を頂き、ありがとう存じます

ねだるようで恥ずかしいのですけれど
わたくしはパンサーマスクさまの
ヒーローとしての活動を見学いたしたく存じますわ

本は一人でも読むことはできますし
お話を聞くよりも、自ら拝見した方が分かりやすいですもの
それにわたくし、ヒーローの在り方に少々興味が出て参りましたの

もちろん、お邪魔はいたしません
自分の身は守れますし、お怪我をなさったら手当てもできますわ

ですから、よろしくお願いいたしますね?




 深夜の埠頭に悪が蔓延る。
 だが、そうした悪事を許さぬ正義もまた、確かに存在するのだ。

「くそっ、ヒーロー共が出たぞぉ!」
 世闇を照らすマズルフラッシュの光が、漆黒の衣装に身を包むヒーローを映し出す。
 黒一色のコスチュームに身を包んだパンサーマスクは、積み上げられたコンテナの壁を駆け上がり、銃器を構えたヴィラン達へと躍りかかる。
「いくぞっ、パンサーァスマッシュ!」
 ヴィランへと肉薄したパンサーマスクは腕を伸ばすと、鋼のように硬質化した腕でヴィランの胸板を撃ち抜く――パンサーマスクのユーベルコード、パンサースマッシュだ。

 パンサーマスクとヒーロー達は、人気の無い埠頭で行われるという闇取引の情報を手に入れた為出動し、大捕り物となったのだ。
 
「パンサーマスクさん、さっすがぁ!」
 ぷにぷにとした肉球が並んだ両手で大きく拍手をしているのは、パンサーマスクのヒーロー活動に同行することを希望した猟兵の一人、レパル・リオン(イェーガー・レパル参上!・f15574)だ。
 子供らしいキラキラとした羨望の眼差しを向けたレパルは、さすがにその幼い外観からパンサーマスクへと同行を心配をされたのだった。
 その心配もパンサーマスクが“目で追うのがやっと”のシャドーボクシングを愛くるしくも軽々しくと行なったレパルを見て、諫めた口を直ぐに閉ざさざるを得なかったのだが。

 戦いを終えたパンサーマスクは、猟兵達の元へと歩み寄った。
「昼間のオブリビオンとやらは正直私の手に余るが、これでもそれなりに長くヒーローをさせて貰っている身だ。通常のヴィラン事件くらいは何とかなるさ……まぁ、それでも君達には劣るのだがね。」
 “ヒーローとしての口調”でそう言いながらも、最近は人気が低迷しているパンサーマスクは、レパルから素直に寄せられる好意に満更でも無い笑みを浮かべている。

「しかし、君達の実力であれば私の活動を見ても参考にならないんじゃないのかい?」
 そう不安げに話すパンサーマスクに対しヒーロー活動に同行したもう一人、キャロライン・ブラック(色彩のコレクター・f01443)は穏やかな微笑を浮かべながらそっと否定する。
「そんなことは御座いませんわ……本を読んだりお話を聞くよりも、自ら拝見した方が分かりやすいですもの。」
 そう言いながらキャロラインはそっとパンサーマスクの腕を取ると、銃弾が掠っていたのだろうか……血の滲んでいた肩にそっと手当をする。

「そういえば、ヒーローって職業の一種だと思っておりましたわ。パンサーマスク様は普段は別のお仕事をされていらっしゃるのね。」
 昼間のことを思い浮かべながら、キャロラインはふと思い出したように質問を投げかける。
 それに対しパンサーマスクは、マスク越しでも分かる複雑そうな顔をしながら質問に答えた。
「今は企業等、スポンサーからの支援を受けながら組織で活動をしているヒーローが多いな。」
 そう言いながらパンサーマスクが視線を投げた先には、パンサーマスクよりも“今風”のヒーローコスチュームに身を包んだヒーロー達が数人、引き連れたスタッフと思われる人員に世話を焼かれている。
「昔はあくまで義憤に燃えた志願者達……ヒーローとは組織に雇われた者達では無かったのだがね。」
 そうは言いながらも、現在はパンサーマスクのような者の方が少数派のようだ。

「まぁ、人それぞれと言うことさ。」
 そう語るパンサーマスクの表情には、諦観の色が滲んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オル・クブナス
【SPD】
応援してくれる人がいるというのは素晴らしい事でございますね。パンサーマスク様のヒーローとしての精神は尊敬に値するものであると思います。

さて、情報収集ですか…ヒーローの拠点といいますか、そういうものには少し興味がありますね…秘密の酒場で他のヒーローからもパンサーマスクの付近でのヴィランの動きを聞いてみるのもいいかもしれません。
ええ、もちろん【礼儀作法】は弁えますとも。


杼糸・絡新婦
そうか、ヒーローは隠しとんのか、
ほんで、あんさん今はなんて呼べば良いんやろか?

さてと、折角のこの世界や
やっぱヒーローについて知りたいかな、
そういやさっきプロマイドて言っとったけど、
どこでも売っとるもんなん?

あとはやっぱ、
ライバルとか仲の良いヒーローとかおるんかい?
千歳さんの予知の事もあるし、
秘密の酒場とやらで【情報収集】したいかな。
最近戦った敵とか、変わった話とかあったら。

オブリビオンに横槍入れられるなんて面白うないからな。
・・・ブラックパンサーのプロマイドもある?




 戦士は戦いに傷ついた後、癒しを必要とする。
 それは恋人や家族の愛、友人との語らい。
 そして何より、酒だろう。

 パンサーマスクはコスチュームをスーツ姿へと着替えた後、猟兵と共に人気の無い裏路地にあるとあるバーへと入っていた。
 薄暗い外灯と、一年中“準備中”とかけてあるドアという客を寄せ付けないその店は、ヒーローとその関係者だけが入ることを許された秘密の社交場である。

 見かけない顔故だろう。
 客の多くが訝し気に猟兵達の顔を確認するが、その一行の中にパンサーマスクの顔を確認すると安心したのか、軽く会釈をした後そっと視線を外していく。
 この世界の情報を求めている猟兵達をサポートする為に、パンサーマスクはこちらに意識を向けた顔なじみのヒーロー達へと、猟兵達を簡単に紹介していく。
 同時多発的にこの世界で活躍している為だろう、ヒーロー達は“猟兵”という単語を耳にすると納得をし、概ね好意的な反応を投げかけてきた。

「オル・クブナスと申します、少し宜しいですか?」
 紳士服に身を包んだブラックタール、オル・クブナス(殴られ屋・f00691)とは礼節を重んじた丁寧な態度でヒーロー達へと挨拶をしていく。
「パンサーマスク様の周辺で、ヴィランの変わった動きなどありますでしょうか?」
 オルが聞いて回ったのは、パンサーマスクと因縁のあるヴィランについてだ。
 その質問に対しヒーローの一人が、眉間に皺を寄せながら必死に名前を探す。
「あー、あれだよ彼……ダーク、何だっけかな……パンサーマスクさんが追っているあのヴィランの名前。」
 その言葉に思い浮かぶ名前があるのか、スーツ姿のパンサーマスクもまた困ったような笑みを浮かべる。
「彼ですか、彼はまだ力を持て余してるだけで、更生の余地があると思っておりますから。」
 言葉を濁したパンサーマスクに対し、オルはそれ以上問い詰めて良いのか判断に悩み、言葉を噤んだ。

「自分は杼糸・絡新婦言いま、よろしゅうに。」
 杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)は艶やかな笑みを浮かべながら、バーのマスターへと挨拶をした。
 老齢のマスターは引退したヒーローであり、彼のコミュニティから自然と今の店の形が出来上がったという。
「パンサーマスクって、ライバルとか仲の良いヒーローとか居てはるんかな?」
 マスターによると、パンサーマスクはヒーロー歴が長く面倒見が良いことから、特に組織に所属していないヒーローの多くに慕われているらしい。
 それに対し、ライバルという程では無いが、組織に所属し、特にコマーシャル等、メディアへの露出の多いヒーローの一部からは、骨董品などと揶揄されているようだ。

 メディアという言葉を聞き、絡新婦は“プロマイド”を思い出す。
「そういやプロマイドって、どこでも売っとるもんなん?」
 プロマイドは組織に所属し、契約を結んでいるヒーローは公式に事務所が販売しているものが一般に出回っているらしい。
 対して、組織に所属していないヒーローのものは、大抵がファンが撮影し、インターネット等で売買される“非正規品”のようだ。
 ちなみに、とパンサーマスクのものを所望する絡新婦に対し、マスターはそっと机の下から数枚の写真を取り出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フィランサ・ロセウス
良く知らないけど、覆面ヒーローって正体隠さないといけないのよね?
じゃあ今はなんて呼べばいいのかしら?…パパ?

そういえば覚えているだけでもずっと研究所か監獄で過ごしてた記憶しかないし、
自分の住む世界だけどよく知らないなーと思い本探しに同行
最初はまじめに世界の歴史や近年の情勢を調べているが、
飽きてきたらマンガや小説を読み始めたり、
他の人にちょっかい出しに行ったりします

え、なんか時々獲物を見るような目でみんなを見ている?
まさかまさか、キノセイデスヨー


カイジ・レッドソウル
本機ハこの世界ニツイテ調べタイ
パンサーマスクに色々聞キタク思ウ

「文化、通信手段、ヒーロー活動、医療レベル、サイボーグ構造、ヴィランなど、近シイUDCとの比較モシタイ」
図書館にあるだろうパソコンから【情報収集】【学習力】
無機質な声ながらもワクワクしている様子です

あどりぶ歓迎




 翌日、パンサーマスクと共に猟兵達は図書館に赴いていた。
 図書館を案内されたフィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)は、パンサーマスクへと楽し気に声をかける。
「良く知らないけど、覆面ヒーローって正体隠さないといけないのよね?じゃあ今はなんて呼べばいいのかしら?…パパ?」
 確かに親子程の年の差はあるが、その言葉に独特の言葉の怪しさを感じたのだろう。
「はっはっは、せめて叔父さんでお願いします。」
 などと冗談めかした会話をしながら歩みを進めると、一行はヒーロー雑誌やヒーローやヴィランの辞典等、ヒーローに纏わる書籍が纏まっているエリアへと到着した。

 ヒーローアース出身のフィランサであったが、彼女にとって日常とは己が幽閉されていた研究室や監獄……見るもの全てが新鮮に映った。
 手始めに歴史に纏わるものや、ヒーローやヴィランの昨今の情勢について記載されたものを手にとっていたが、やはりそこは十台の少女。
 パンサーマスクが一生懸命に本に目を通すフィランサの手元を覗き込むと、そこには『漫画で分かるヒーローの歴史』や『完全ヒーロー辞典』など、子供でも分かりやすいイラストの多いものが並んでいた。

 ふと、ヒーロー辞典のヒーロー達の写真を見ていたフィランサの目が怪しく輝く。
 それはまるで獲物を狙うヴィランのようで、大丈夫かと声をかけられたフィランサはとっさに視線を泳がせながら否定するのであった。
「アハハハハ……まさかまさか、キノセイデスヨー。」

 訝し気にフィランサから離れたパンサーマスクは、同行していたもう一人の猟兵、カイジ・レッドソウル(プロトタイプ・f03376)のもとへと移動した。
 両手がキーボードの上へと添えられてはいるが明らかにその両手は動いていないのに対し、PCの画面はせわしなく変化している。
 よくよく見れば裾から伸びた怪しげなコードがPC裏へと回っており、ウォーマシンである彼が“何らかの手段”でPCを操作しているのが分かるだろう。

「何について調べているんですか?」
 そう話しかけたパンサーマスクに対し、カイジは振り向きもせずに口早に回答した。
「文化、通信手段、ヒーロー活動、医療レベル、サイボーグ構造、ヴィランなどニツイテ調べ、近シイUDCとも比較シテイル。」
 良くできた音声合成ソフトのように無機質なカイジの声ではあったが、止まりもせず動き続けているPC画面と僅かにゆれているその躰の様子から、少なくとも楽しんでいるのが察せられた。

 邪魔をしてはならないとそっと傍を離れるパンサーマスクは、突如鳴り響いた轟音へと体を強張らせる。
「ヴィラン、ヴィランが出たぞぉ!」
 そう叫びながら逃げ出す人々の流れに逆行するように、パンサーマスクは走り出す。

 一般人としての日常は一先ず終わりだ。
 これからは、ヒーローとしての日常が始まる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『アシュラレディ』

POW   :    阿修羅旋風
予め【六本の腕に持った刃物を振り回す】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ブレイドストーム
自身が装備する【愛用の刃物たち】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ   :    シックス・ディフェンス
対象のユーベルコードに対し【六本の刃物による連続斬撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:otomo

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「おいおいおい、懲りずに来たのかよ、パンサーマスクのおっさんよぉ!」
 そう叫ぶ騒ぎの中心にいたヴィランは、翼を生やしたお手製感溢れるコスチュームに身を包み、顔面に十字架をあしらった目出し帽に身を包んでいた。
 ユーベルコードによるものだろうか、その腕や翼は漆黒の炎に包まれている。
「ダークよ、好い加減こんな騒ぎを起こすのは止めろ!その力を人々の為に使うんだ!」
 背格好や声質から10代前半と思われるヴィランの少年は、タイガーマスクに名前を呼ばれると激昂した。
「いい加減人の名前を覚えろよオッサン!もう耄碌してんのか!?俺の名前は『月夜に照らされた漆黒の堕天使・ダーク✞エンジェル』だっつってんだろぉ!」

 そう声高に叫ぶ名前を聞き、パンサーマスクは何とも言えない苦い表情を浮かべる。
「ダーク・エンジェルよ、きみ」
「月夜に照らされた漆黒の堕天使・ダーク✞エンジェルだっ!」

 聞く耳を持たない月夜に照らされた漆黒の堕天使・ダーク✞エンジェルへと、パンサーマスクはついに我慢が出来ないとばかりに殴りかかる。
「いい加減にするんだ!10年後に後悔するのは君なんだぞっ!」

 ついに、ヒーローとヴィランの戦いの火蓋が切って落とされた。
 しかしヒーローとヴィランは知らない……その戦へと割って入らんとするより強者の影が迫っていることに。
ハイパー・マン
「来たぞ、私が、ハイパーマンだ!」
「うん、ああいう長ったらしい名前とか名乗ってると、後で泣きを見るんだよね、やっぱりシンプルイズベストだよ、うん」
「と、そんなことより、邪魔はさせんぞオブリビオン!」
【存在感】を出して、自分たちのほうに敵の注意を引き付ける
敵の攻撃を【武器受け】でいなしながら接近して【力溜め】た拳でぶん殴り【吹き飛ばし】て敵を攻撃
カウンターやかわし切れない攻撃は【気合】で耐える
接近戦で切られたときは【激痛耐性】で敵の刃物に耐え、そのまま抜けなくすることで【武器落とし】を狙う


レパル・リオン
(敵の奇襲から味方をかばう)「…あっ…ぶなかったぁ…」
アイツの剣、凄く速い…しかもアレでただの攻撃準備だっていうの…!?

…だからって!逃げないわっ!
「変身!」

ああいう敵にはとにかく【スライディング】で【先制攻撃】!足下を狙っていけば、少しは体勢を崩せる…?

「武器が何本あったって…!」
【グラップル】、【怪力】で1本ずつぶんどってやるわ!腕ごとね!

それが無理そうなら、【存在感】と【挑発】で狙いをあたしに引き付けて、仲間の攻撃を助けるわ!

「あたしだって、ヒーローよ!」
どこのどいつが相手だろうと、あたしの後ろに誰かの命がある限り、負ける訳にはいかない…!




 その女の名は“アシュラレディ”。
 かつてヴィランとして名を馳せ、数多のヒーローを屠ってきた女。
 そしてオブリビオンとして復活した今もまた、修羅の道を行く。

「見つけた……。」
 アシュラレディは辟易していた。
 これまで目にした、芯の無いヒーロー達に。
 見てくれや煌びやかさを追い求め、泥臭さを失ったヒーロー達に。
 しかし今日また見つけた、昔ながらのヒーローの姿を。

 遠目に見つけたその男、“パンサーマスク”の下へとビルの屋上を飛び交い向かう。
 しかしその行く先に、遮るような影が現れた。

「来たぞ、私が、ハイパーマンだ!邪魔はさせんぞオブリビオン!」
 その男もまた、“古き良き”ヒーローの出で立ちをした男――ハイパー・マン(神のスーパーヒーロー・f16472)。
 言葉を交わさずとも、見てくれが違おうとも、彼女には分かる。
 ハイパーマンが放つ存在感が、彼がヒーロー足り得る存在であることを。

 アシュラレディが振るう六つの剣が大気をかき回す。
 直接触れたものでは無いにも関わらず、その勢いが周囲の者を威圧する。
「…あっ…ぶなかったぁ…」
 レパル・リオン(イェーガー・レパル参上!・f15574)は奇襲せんと、アシュラレディの背後を狙っていた。
 しかし彼女の振るう刃が、レパルの容易な接近を許さない。
 だが、逃げるわけにはいかない……彼女もまた、ヒーローなのだから。
「変身!」

 レパルは内なる力を解放し、魔法少女『イェーガー・レパル』へと変身する。
 目の前で振るわれるアシュラレディの剣が、直接受ければとてつもない威力であることが容易に想像出来た。
 それでも尚、彼女は引くことは許されない。
 なぜなら……
「あたしだって、ヒーローよ!」
 なぜならレパルもまたヒーローであるから。
 だから彼女は、後方で戦うパンサーマスクの為にも引くことは出来ない。

「勇敢なお嬢ちゃんだねぇっ!くらいなぁ、阿修羅旋風っ!」
 アシュラレディの剣が猛威を振るう。
 その剣の竜巻を避けるように、レパルは足元へと滑り込むのだ。
「甘いよっ!」
 あざ笑うように、アシュラレディはレパルの足払いを避ける為に宙を舞う。
 だが、それもまたレパルの狙い通りであった。

「いくぞ私がっ!スーパーァ、ジャッスティス!」
 黄金のオーラを纏い、ハイパーマンが肉薄する。
 レパルが注意を引いている間に引き絞った筋肉を解放し、全力の拳を放つ。
 拳を受けたアシュラレディは吹き飛ばされ地面にバウンドした後、空中で体勢を整え着地した。

「中々やるじゃないのさぁっ!」
 嬉々として地を蹴りハイパーマンに切りかかるアシュラレディ。
「ぐっ……!」
 防御するハイパーマンの腕を突き刺し、次なる太刀を浴びせようと腕を振るう。
 しかしその腕は、接近したレパルに握り締められていた。
「ちぃ!」
 突き刺した剣もまた、ハイパーマンの引き締められた筋肉に捕らわれた。
 アシュラレディはとっさに残りの剣で二人を切りつけ、二本の剣を失いながらも一度後方へと距離を取る。

 彼女の修羅としての第六感が感じ取っていた。
 更なる敵の到来を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オル・クブナス
おやおや…不粋な輩がいらっしゃるようで。止めないわけにはいかないでしょうねえ。
では、私はサポートに回りましょう。
ユーベルコードにより呼び出した大量の鳩で敵の持つ刃物を絡めとり、敵を無力化することにいたします。


フィランサ・ロセウス
ふ~ん?何だかただのライバルって感じじゃなさそうだねー
まあ、二人の問題は当人達にお任せするとして…

二人の元に駆けつけやすい位置取りで観戦
アシュラレディの襲撃を察知した瞬間に
クロックアップ・スピードを発動して、
二人が攻撃されるのを阻止する

待ってたよ、オブリビオン!
この間のお人形さん達よりも“好き”になれそう!

ダーク・ヴェンジャンスを纏って突撃、
その効果を頼みに斬られるのも構わずに強引に攻め立てます

ああ、ああ、素敵よアシュラレディ!
一太刀受ける度に、あなたの事が好きで好きで好きで好きでたまらなくなるの!
さあ、もっともっと私を“好き”にさせて!!




 アシュラレディのうなじがチリチリと痛む。
 彼女の目の前に立つのは、一見単なる少女だ。
 だが、アシュラレディの直観が言っている……目の前の少女――フィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)は己と同類だと。

「待ってたよ、オブリビオン!この間のお人形さん達よりも“好き”になれそう!」
 戦闘モードへと入ったフィランサが突撃する。
 彼女は危険だ……。
 そう直観したアシュラレディは、対して遠距離攻撃を選んだ。

 アシュラレディが周囲へと生み出した“愛用の刃物たち”。
 幾多のヒーローを屠ってきたその武器を宙へと生み出すと、アシュラレディの周囲を荒れ狂うように飛び回る――それはまるで、彼女の感情を表すかのように。
 駆け寄るフィランサへと一本、また一本と剣が突き刺さる。
 通常であれば血に染まる彼女の身体が纏うのは、漆黒の粘液。
 突き刺さる剣の数が増えるほど速度を増すフィランサが突き出したのは、その身に持つ巨大なシリンジ。
 アシュラレディの腹部を貫いた針からまるで吸血しているかのように、不思議とフィランサの傷が癒えていく。

「ああ、ああ、素敵よアシュラレディ!」
 とっさにシリンジの範囲外へと一歩引いたアシュラレディと再び切り結ぶフィランサ。
 一太刀受ける度にその顔は愉悦へと染まり、彼女の狂おしいほどの愛情が溢れだす。
「さあ、もっともっと私を“好き”にさせて!!」
 フィランサの“好き”という感情が最高潮に達した時、彼女の振るうシリンジへとアシュラレディが振るう六つの斬撃が重ねられる。
 弾かれたのは、フィランサのシリンジだった。

「これで終いだよ!ヴィランの嬢ちゃん!」
 フィランサをその雰囲気からヴィランと断じたアシュラレディの剣が、断頭台のように首元へと滑り込む。
 
 殺った!

 そう確信したアシュラレディの目に映ったのは――漆黒の翼。
「おやおや……これはまた、不粋な輩がいらっしゃるようですね。」
 そう言い放つのは、知らぬ間に立っていた紳士服に身を包んだ黒塗りの男――オル・クブナス(殴られ屋・f00691)だ。

 その手に持つシルクハットからは、続々と“黒い鳥のようなもの”が羽ばたいていく。
 よくよく見ればその一羽一羽が鳩を模しており、そしてあくまで模しているだけで歪な粘液で形成されていることが見てとれるだろう。

「ちぃ、猪口才なっ!」
 アシュラレディの顔面を狙って飛び回る粘液で出来た鳩を、うっとおしいとばかりに切り落とす。
 攻撃力を持たないその鳩は、容易に切り落とされていく。
 しかし、次から次へと生み出され続ける鳩に苛立ちを感じ、攻撃の先を生み出し続けているオルへと矛先を変えようとしたその時……彼女は初めて気付いた。
 己が愛剣が粘液に塗れ、その輝きを失っていることに。

「もう、先ほどのようには行かないようですね。」
 飄々と語るオルに殺意を覚えながら、アシュラレディは冷や汗を流す。
 選ばねばならない、押すか引くか、彼女の選択を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キャロライン・ブラック
ヒーローにヴィラン、その関係性も人それぞれ、ですのね
うっすらとですけれど、この世界のことがわかってきましたわ
それに、パンサーマスクさまのお人柄も

器用ではないけれど……優しいお人
決して、亡くなって良い方ではございません
ですから、彼を狙うと言うのならば、わたくし、許さなくてよ?

まずは、オブリビオンが割って入る前に阻止を狙いましょう
挑発的に攻撃を繰り出し、お二人から離れた位置へおびき寄せますわ

用いる色は鮮血の赤
誘目性が高く、斬撃で防ぎにくい液体の攻撃ですもの
相手も煩わしく感じるに違いありません

そして切り払ったとしてもわたくしの力が増すだけ
他の方とも協調して絶え間なく攻め続け
一気呵成に倒して見せますわ


カイジ・レッドソウル
あどりぶ、共闘歓迎

ベルセルクトリガーを起動
「目標確認、戦闘二移行」
呪剣を構えアシュラレディと対峙
「でーた収集開始」
powには【怪力】【武器受け】しつつ空きあらば即座に【串刺し】を仕掛を仕掛け【生命吸収】
SPDには【サイコキネシス】で攻撃をかわしつつ呪剣や黒剣で刃物の破壊を試みる
WISにはPOWと同じような対処

「大丈夫カ?」
パンサーマスクが襲われそうな時は【かばう】
「耐性ハ複数アル、問題無イ」


杼糸・絡新婦
そうなあ、10年後に色々と後悔してそうなやりとりやなあ、
まあ、あっちはパンサーマスクに任せて、
こっちはこっちでやらせてもらいましょか、
ヒーローの活躍に水さす阿呆はどいつや?

真の姿解放

【フェイント】を入れ行動し視線誘導し隙きを作る。
他に気を取らていたなら【忍び足】を利用し接近し不意打ち狙い。
相手の攻撃は【かばう】を併用しながらタイミングを見て脱力して
敵の攻撃を受け止めたら、UCを発動。
ほな行くかい、サイギョウ。




 このままではまずいと、アシュラレディは“引く”ことを選択した。
 しかしそれは前方へと向かって、だ。
 面倒な邪魔を振り切り、パンサーマスクの命を刈り取った後に撤退する。
 そう選んだ彼女の動きは素早く、猟兵達の脇を抜けると攪乱するかのようにビルの間を跳躍する。

 抜いた。

 そう確信したアシュラレディの視界は、突如現れた鮮血によって覆われた――瞬間、彼女の全身に焼くような痛みが走る。
「あの方は……決して、亡くなって良い方ではございません。ですから、彼を狙うと言うのならば、わたくし、許さなくてよ?」
 キャロライン・ブラック(色彩のコレクター・f01443)は、静かに怒りを放つ。
 不器用で、優しい男。
 パンサーマスクの命を狙うアシュラレディを、キャロラインは通すわけにはいかない。

 重ねて放たれる彼女のユーベルコード――『わたくしの好きな色、鮮血の赤(レインボーパレット・フレッシュブラッド)』を転がるように避けるアシュラレディ。
 次々と避けられた絵具が地面を染める。
 アシュラレディは知らない……避ければ避けるほど染まっていく地面が、キャロラインの力が増幅していくことに。

「目標確認、戦闘二移行スル……でーた収集開始。」
「さぁて、ヒーローの活躍に水さす阿呆はどいつや?」

 劣勢に立つアシュラレディへと追撃せんと、新たなる影が踊り出る。
 その一人は機械仕掛けの兵士――カイジ・レッドソウル(プロトタイプ・f03376)
 最終武装モードへと変形することで背後から展開された機械仕掛けの尾を壁に突き刺し、立体軌道をとりながら、アシュラレディへと肉薄する。
 体を捻るようにしてアシュラレディの肩へとねじ込まれた呪剣が彼女の動きを阻む。

 もう一人は異形の青年――杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)
 脱ぎ去った和服の下から現れたのは彼の真なる姿、鋭く尖った指先に獲物を狙うように動き回る碧の複眼。
 指先から振るわれる鋼糸がアシュラレディの行く先々へと延び、彼女の手足を傷つけいく。
 
 カイジと切り結ばんとアシュラレディが剣を振るうが、絡新婦の鋼糸が、指先が、ぎょろぎょろと動き回る複眼の視線が、彼女の動きをけん制する。
 囲まれる立ち位置を嫌い開けた場所へと移動しようとすれば、キャロラインの鮮血の赤が彼女の肌を焼くのであった。

「どいつもこいつも、うざったいんだよっ!」
 振るう剣の鈍った切れ味を嫌い、アシュラレディが新たに『愛用の刃物』を生み出し、念力で振り回す。
 しかしその勢いは、先ほどまでの猛威を振るってはいなかった。
「モウ、諦メルンダナ。」
 彼女の視線の先では機械仕掛けの尾を収納したカイジが、腕を突き出している。
 視認できなくとも分かる。
 カイジの振るう『サイコキネシス』が、己が念力の動きを阻害していることに。
「諦める、ワケ……無ぇだろうがぁあ!」
 全力で叫ぶアシュラレディの気迫により、邪魔をする力を振り払うように放たれた無数の剣が空気を裂きながらカイジへと飛来する。
 しかし、二人の間には音も無く現れた絡新婦が立っていた。

「ほな行くかい、サイギョウ。」
 無数の剣は、絡新婦の人形――サイギョウの開かれた体内へと吸い込まれる。
 アシュラレディの死力を尽くして放たれたその剣は、激しい音を響かせた後に何事も無かったかのようにサイギョウの体内から排出されたのだ。
 
 呆然とするアシュラレディの視界を再び鮮血の赤が真っ赤に染める。
 激しい痛みに身を悶えた彼女の首は、黒き剣によって切り落とされた。

 こうして、復活した修羅の第二の生は幕を閉じたのだった。
 気高き猟兵達が、心優しきヒーローを守る為に行なわれた努力によって。

 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月10日


挿絵イラスト