追う猫、追われるマグロ、けしかけるネズミ
●そろそろツーナーは安息の時を迎えてもいいと思う
にゃー。
にゃー。
にゃー!!
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
往来を泣き喚きながら全力で疾駆する、マグロ頭の怪人がいた。
怪人を追いかけるように、全力で街道を駆け抜けていく猫。
猫!(=^・ω・^=)。
猫!!(=ΦωΦ=)。
道行く人々は街道の端へと寄りながら、全速力で駆け抜けていくマグロ頭を呆然と見送っている。
その人々の中からひょこり、ネズミの耳と尻尾を生やし、野球帽を鍔を後ろにしてかぶった一人の少年が、面白おかしそうに笑った。
「きししっ、大成功!このままイベントをめちゃくちゃにしてくれよ、そうしたら動画がバズっていい感じになるんだからな!」
そういたずらっぽく笑う少年の手の中で、ハンディカムのレンズがきらりと光った。
●グリモアベースは今日も平和です
「なんつーかさー、動画がバズるにしても、人に迷惑かけて注目を集めるのって色々とアレだよな」
梯・剛士(ヴァリウードの随伴者・f12919)は最近定番になりつつある狼獣人の姿で、ため息をつきながらそう吐き出した。
曰く、キマイラフューチャーで相変わらず大部分のシェアを誇っている動画共有サービスにおいて、他人の迷惑を顧みず目立って騒ぎを起こせればいいというスタンスの実況者が、町中で騒ぎを起こそうというのだ。
ただの実況者ならなんとでもなろうものだが、具合の悪いことに。
「オブリビオンなんだな、この実況者ってのが」
剛士はそう零して肩をすくめた。
剛士の予知した事件の内容はこうだ。
キマイラフューチャーのある都市にて、格闘大会が開催される。
プロレスもボクシングも柔術も空手も何でもあり、目立てて騒げればよしという催しだ。
キマイラフューチャーの力自慢、技自慢が集まるそこに、マグロ怪人ツーナーが大挙して押し寄せてくる。
天敵である猫たちに追われるようにして格闘大会に乱入するツーナーたちによって、会場はめちゃくちゃ、ツーナーにぶつかられて観客の数割が怪我をしてしまう。
「格闘大会の参加者は怪我上等という猛者ばかりですが、観客はそうもいきません。
一般の方々に危害を加えんとするオブリビオンに、対処いただければと存じます」
剛士の後ろで、巨漢の狼獣人・ヴァリウードが、恭しく頭を下げた。
此度の事件にあたり、剛士が提示する対処法は、「格闘大会を猟兵で開催して、やってきたツーナーたちを逆にぶちのめせ」というものだ。
一般の参加者を避難させた上で、猟兵たちが出場者となって格闘大会を開催する。
それに向かってきたツーナーたちを、一般人の観客に被害が及ばないよう配慮した上で迎え討つ。
そしてツーナーと猫たちをけしかけ、今回の騒動を引き起こしたオブリビオンを撃破する。
そうすれば格闘大会を目当てにやってきた一般のキマイラたちをガッカリさせることもなく、目的を達成できるだろう。
「格闘大会については敢えて何も言わねぇ。熱いバトルを繰り広げてもいい、演武やパフォーマンスで沸かせてもいい、盛り上げ役に回って会場を盛り上げるのでもいい。
お前達の思うように、格闘大会を盛り上げてくれ」
格闘大会が盛り上がりを見せれば、それをめちゃくちゃにして動画をバズらせようと、オブリビオンが動き出すだろう。
その騒動の主役となるマグロ怪人ツーナーを、退治するのが次の仕事だ。
「ツーナーは猫を恐怖し、常に猫に追い立てられております。その死にたくないという恐怖心を以て皆様に立ち向かうでしょう」
ヴァリウードの告げた通り、ツーナーは猫から逃げている。「猫に食べられてなるものか」という恐怖心を糧に超高速のダッシュとラッシュを繰り出してくる。
また、自分の腕に噛み付いた猫を振り払う勢いで振ることで、腕の猫を突撃させる攻撃、水鉄砲を発射する攻撃も行ってくる。
生存本能旺盛な割にしっかり攻撃してくるあたりがさすがである。
「動画を撮ってバズらせようとしているオブリビオンは、ネズミの耳と尻尾を持ったキマイラっぽい見た目をしている。パッと見ただのキマイラだが、オブリビオンだ」
オブリビオンの名前はザニーユ・モア。外見年齢14歳。性別男。
もう一度、念の為に言う。オブリビオンである。
ザニーユの攻撃方法で特徴的なのは、相手の頭上から金床を落とす攻撃だ。
この金床は相手が強ければ強いほど重くなる。そのため喰らったら行動を阻害されることは免れないだろう。
その他、コミカルな結果を引き起こす道具を召喚したり、戦闘能力のないテレビカメラを召喚してきたりする。テレビカメラに映された者は自動的にカートゥーン調の見た目で映され、自動的にキマイラフューチャーのネットに配信されるというわけだ。
「相手にダメージを与えることよりも、相手の行動を阻害し、面白おかしく放映することに長けたオブリビオンです。ご注意ください」
ヴァリウードが生真面目な表情で注意を促すと。
剛士が両の拳をぱしんと打ち合わせて口を開いた。
「一筋縄では行かない相手だとは思うけれど、お前らならきっと被害者を出さずに終わらせられると思う。
頼んだぜ、皆!」
屋守保英
こんにちは、屋守保英です。
動画実況者ってピンキリですよね。
バズるからって他人に迷惑をかけるのはいけないことだと思います。
●目標
ザニーユ・モア×1体の撃破。
●戦場・場面
(第1章)
キマイラフューチャーのとある街にある広場です。
広場の真ん中にリングが設えられ、その周辺に観客席が設けられています。
観客席には一般のキマイラが観戦に来ており、7割方席が埋まっています。
(第2章)
第1章と同じく、キマイラフューチャーの広場です。
ツーナーは広場から四方に伸びる街道のうち、一方向から大挙して押し寄せてきます。
数は15人ほどです。
(第3章)
第1章、第2章と同じく、キマイラフューチャーの広場です。
ザニーユは動画撮影のために広場近辺でハンディカムを回して撮影しています。
それでは、皆様の力の籠もったプレイングをお待ちしています。
第1章 冒険
『開催! 格闘大会!』
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POW : 肉体美や筋力でアピールする
SPD : 演舞や試し切りでアピールする
WIZ : かっこいいマイクパフォーマンスやキャッチコピーでアピールする
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●猫鮫キマイラ少年「第5回キマイラフューチャー天下一武闘会、猟兵だけの特別編!開催ニャー!!」
キマイラフューチャーの広場に設営された円形のリング。
広場の端に設置された観客席には、既にたくさんのキマイラたちが座っている。
一般の参加者は、今回はいない。猟兵オンリーのスペシャルマッチだ。
猟兵たちの前に立つ、猫の身体に鮫の尾びれを持つキマイラの少年が、君たちにぺこりと頭を下げる。
「猟兵の皆さん、天下一武闘会にご参加くださりありがとうニャ。ボクが運営スタッフを務めるシャトン・ディアプラグニャ。
気軽にシャトンと呼んでくれたらいいニャ、よろしくニャー」
シャトン少年に礼を返すと、彼は大きく両腕を広げた。
「参加者は勿論大募集ニャ。出場したくないけどお手伝いしたいって人も大歓迎ニャ。運営スタッフはいつでも人手不足だからニャー。
ボクはイベント中は司会をする予定ニャーが、代わりに司会をやってくれるのも大歓迎ニャ!
それじゃ皆さん、盛り上げてくださいにゃー!」
そう話して、不敵に笑うシャトン少年の両手が、ぐっと握り込まれた。
ミリア・プレスティール
普段は周囲を浮いている相棒のUDCの『ミトン』をボクシンググローブに見せかけて自信が装備して出場します。
「なんだかズルをしているようで気が重いな…」
観客を守るために仕方なくリングに上がるミリア。
全く力を入れていないように見えるのに『ミトン』の【怪力】
により重い一撃となる攻撃とまるで羽のように軽やかで(ミトンが浮かしている)素早いフットワークに会場は騒然となる!
リカルド・マスケラス
SPDで判定
一般参加者で、どうしても格闘大会に参加したかった人とかがいれば、話を持ちかけて、身体を貸してもらう。
「猟兵の身体能力で戦えるチャンスっすよ」
みたいなことを【コミュ力】で交渉
「リングネームはマスカラ・ソーロっすかねー」
キマイラの種類とかは特に指定はないっすよ―
格闘
基本は【ロープワーク】でリングロープを多用して機動力を用いた格闘。ロープの反動でのラリアットやチョップによる【吹き飛ばし】やロープから跳躍しての【空中戦】などで観客を魅せる。
対戦相手がいなければ、リングロープでトランポリンの体操技みたいのやって、ジャンプ力と平衡感覚のアピールでもするっすかねー?
●第一回戦「ミリアVSリカルド」にゃ!
会場はまさに熱狂の渦に包まれていた。
リングの中に降り立ってびしりとファイティングポーズを決めてみせるのはミリア・プレスティール(守護霊持ちのいじられ女子・f16609)。
その両手には、普段は周囲に浮かせている手袋型のUDC『ミトン』を装備している。その様子はさながらボクシンググローブを装備したボクサーのようだ。
「なんだかズルをしているようで気が重いな……」
そうやって独り言ちながらも、ぐっと両手を握って構えを作るミリア、やる気は十分である。
そんな彼女に対するはリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)。
とはいえ、リカルドの本体は常に身に付けている狐面なわけで。
避難させられながらもどうしても格闘大会に参加したかった一般人に狐面を被ってもらい、身体を貸してもらっての参加である。
貸してくれた身体の持ち主の怪我やら何やらについては、無論リカルドから説明済みであるし、当人も了承済みである。リングネームも提示済みだ。
「さてさて、お待たせしましたニャ!第5回キマイラフューチャー天下一武闘会第一回戦、ミリア・プレスティールVSマスカラ・ソーロ、ニャ!」
司会を務めるシャトンが声高く宣言すると。ミリアとリカルドがこくりと一礼した。その辺りのルールは大会のルールに従ってのものだ。
しかして、二人が構えを取ってしばしの後に。
「試合開始ニャ!」
シャトンの声がかかると同時に、二人の姿が掻き消えた。
ミリアの側はミトンを直接自分で装備していることにより、高速戦闘モードに移行している。そうしてスピードと反応速度を爆発的に増大させて、常人では成し得ないほどの速度で動いていた。
対してリカルドことマスカラ・ソーロは特別になんかしらの能力を発動させているわけではない。ロープワークによる受けとリングロープによる反発力を利用しての格闘戦を仕掛けに行っている。
ミリアの側はそのユーベルコードにより自身の寿命を随時削っている。
リカルドは制限こそないものの、ミリアほど高速な反応を出来るわけではない。
必然的に、短期決戦に持ち込まれるわけであって。
「おぉっとー!ミリア選手の高速の連撃に、マスカラ・ソーロは一歩とも動けない!このまま一撃を入れられてしまうのかニャー!?」
司会を務めながら実況も兼任するシャトンが声を張るや否や。
「そこだよっ!」
「くっ……甘いっすよ!」
真正面から突っ込んだミリアの拳を受けながら後方に飛び退いたリカルドの拳が眼前へと突き出される。
しかし、後退しながらの一撃は必然的に前進しながらの一撃には押し負けるわけで。
顔面にミリアの拳がめり込んだリカルドの身体が、ぐらりと傾いだ後にリングの上へと倒れ込んだ。
「んー、もう駄目なやつニャね!そこまで!勝者、ミリア・プレスティール!」
白熱した試合に、観客から万雷の拍手が巻き起こった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
高柳・源三郎
「こんなおっさんがいたら場違いかのう」見た目メタボで格闘技経験が無いだろうと思わせる様な風貌の高柳・源三郎がそこにいた。「でもわしはこんな事が出来るんじゃ」と見た目にそぐわない身軽でアクロバティックな動きを見せリングの上を駆け回る(SPDの値が一番多いので)。この男、酒さえ飲んで無ければ身軽に動けるんです。源三郎の動きに「なんだあのたぬきのキマイラは!?なかなかやるじゃん」などなどと観客達は盛り上がります。一応この男「たぬきに似たおっさん」何ですけどね....。
アガト・シレスティアル
うにゃうにゃ、格闘大会。今のにゃーは素手で戦うのは難しいから
シャーくんの出番にゃ。でもシャーくんだとヒレが短すぎてアピールが難しい……新しく練習したあのユーベルコードを使うしかないにゃ
「しゃんしゃー」ナフキンを首につけ、ツーナーを楽しみにしている鮫
電脳ゴーグルでプログラムを実体化、空中にリングまでの道を作って
シャーくんカーで颯爽と入場にゃ!
途中でコースアウトしてリングへと跳びながら
絆の力でシャーくんとシャーくんカーと三体合体!
かっこいいシャーくんロボにみんな興奮するはずにゃ!
「徒手空拳は慣れてないのですが……マグロのために頑張ります」
……シャーくんが喋ったにゃ!?喋れたのにゃ!?
アドリブ歓迎
●第二回戦「源三郎VSアガト」ニャ!
次いで、二回戦目。
新たな猟兵たちがリングの上へと上がっていっていた。
「こんなおっさんがいたら場違いかのう」
そう独り言ちながら、メタボっぽい身体をぽんと叩くのは高柳・源三郎(流浪の酔いどれおやじ、たぬき人形と共に・f15710)。
ぱっと見では格闘大会にはそぐわない風体の源三郎だが、彼も立派に猟兵の一員である。
そんな彼の相手としてリングの上に立つのは。
「うにゃうにゃ、格闘大会」
これまた格闘大会にはそぐわない体格のアガト・シレスティアル(シャーくんと一緒!・f03547)。ケットシーとしては比較的大柄な身長45cm。しかし源三郎からしてみれば文字通りに子猫のようなものであるわけで。
「君が相手なのかのう?そんな小さい身体で、わしもちょっと気が引けるんじゃよなぁ」
「にゃ?なら……新しく練習したあのユーベルコードを使うしかないにゃ」
「しゃんしゃー」
アガトの小柄な体格に申し訳なさを感じているらしい源三郎に、アガトと彼の抱える鮫剣のシャーくんがぐっとまなじりを決した。
ぐっとアガトがシャーくんの口の中に手を突っ込むと、取り出したるは立派なシャーくんカー。
「おぉっとー!?アガト選手、ケットシーサイズの車を取り出したニャー!そのまま乗り込んだニャーが、これを一体どう使うのかニャー!?
シャトンが身を乗り出しながら咆えるや否や。
「シャーくん!合体にゃ!」
「しゃん、しゃん、しゃああぁぁーん!!」
アガトが吼えて。
シャーくんも吼えた。
「なっ、なんじゃとっ!?」
突然吼えた二匹に、困惑の色を見せる源三郎。
その眼前には。
「三体合体!かっこいいシャーくんロボにみんな興奮するはずにゃ!」
シャーくんとシャーくんカーと合体した、身長90cm程度になったアガトがそこにいた。
体格を大きくし、明らかにそれまでとは成し得ない速度と勢いで突っ込んでくるアガト。源三郎はそれを横っ飛びに躱しながら、ロープをうまく使いながら反発力を駆使して立ち回ってみせる。
「わしはこんな事が出来るんじゃ」
「にゃにゃっ!?なかなかやるにゃね!?」
その体格に見合わず、縦横無尽かつアクロバティックに動いて見せる源三郎に、観客のキマイラたちは大盛り上がりだ。
「なんだあのタヌキのキマイラ、なかなかやるじゃん!」
などと、キマイラ扱いされてもいるようだが、それはそれ。源三郎はタヌキに似ているだけのただの人間であるからして。
「徒手空拳は慣れてないのですが……マグロのために頑張ります」
「シャーくん!?喋ったにゃ!?喋れたのにゃ!?」
「ぬっ……!?」
シャーくんが喋ったことにアガトが驚き、源三郎も驚いたところで、生まれた大きな隙。そこを逃すほどアガトは甘くなかった。
「にゃー!!」
「ぐわー!?」
まっすぐ突っ込んで拳を突き出したアガト。その拳が源三郎の鳩尾へと突き込まれる。
そのままリング端のロープに身体を押し付けられた源三郎の首が、がくりと落ちる。
「勝負あり!勝者、アガトにゃ!」
シャトンの声に、観客のキマイラたちの熱狂する声がより一層大きくなった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ルルティア・サーゲイト
では、真打登場と行こうかのう。格闘大会であるからには武器も防具も持ち込みは不要……己の身一つで挑むべし! リングに立ち、着物を脱ぎ捨てる! すわ、全裸の痴女か!? いやいや流石にそれは無い。何故なら……
「全裸より着ている方がエロい衣装と言う物は、ある!」
上は乳ベルト。太めのベルトを胸に巻くだけのアレである。引っ掛かる所が無いから却ってこれがずれにくくて……ってその話置いとけ!
下は革の腰巻。その中はいつも通りである!
「ふふっ、妾の華麗な足技が見たいか? ふふっ、昇天させてやろうかのう」
妾にとって足技は基本牽制用であるが、最近習得したこのLDSによって主力としても使える様になったのじゃよ。
●第三回戦「ルルティアVSロミルダ」ニャ!
ルルティア・サーゲイト(はかなき凶殲姫・f03155)はリングに上がるや、その身に纏った着物をばっと脱ぎ捨てた。
「では、真打登場と行こうかのう。格闘大会であるからには武器も防具も持ち込みは不要……己の身一つで挑むべし!」
「おぉっとー!?ルルティア選手、着物を派手に脱ぎ捨てたニャー!これは即ち全裸、全裸というやつなのかニャー!?ニャーいにゃーん!!」
「全裸じゃないわ!よく見い!」
そう主張するルルティアの胸には、確かに幅広のベルトが巻かれている。所謂乳ベルトというやつである。
そして下半身には革製の腰巻きが。なるほど、確かに全裸ではなかった。
「うぇぇー、こんな派手な人が相手だなんて、聞いてませんでしたよぅぅ」
人員が足りないということで急遽駆り出された、羊の蹄と蜥蜴の尻尾を持つキマイラの女性格闘家、ロミルダ・ドナドーニが憂いを帯びた表情で零した。
元々一般のキマイラ同士で武の優劣を競い合う大会だったはずで、猟兵が関わってきたら全部お任せするはずだったのに。どうしてこうなった、と後の彼女は語る。
まぁ、観客席でカメラを回すロミルダのファンたちは、予期しない彼女の出番に狂喜乱舞していたわけだが。
「それでは、試合開始ニャ!」
「いっ、行きますよっ!」
試合開始の合図とともに、ロミルダがその蹄を真正面に据えて鋭い掌底を見舞う。硬い蹄での一撃は、並の選手が相手であれば即座にダウンさせられるほどの力を持っていたであろう。
事実、ロミルダ・ドナドーニの必勝パターンはこれであった。
しかし此度の相手は並の選手ではない。
「ふんっ!」
ルルティアの放った足刀蹴りが、ロミルダの腕と交差する。
そこから足を戻してもう片方の足でロミルダの頭目掛けて回し蹴りを放つルルティアだが、ロミルダも素人ではない。すぐさまに後退して蹴りを躱す。
そこからは打撃戦の応酬だった。突いては躱し、薙いでは屈む。刈っては逃げて蹴っては下がる。
その華麗で華やかな打撃の打ち合いに、観客のボルテージは最高潮だ。
そうこうするうちに、膠着する状況にしびれを切らしたルルティアがリングの床を蹴る。
「ふふっ、妾の華麗な足技が見たいか?ならば昇天させてやろうかのう」
「くっ、なんのっ!」
飛び蹴りを放つルルティアの蹴りをガードせんと、両腕を顔の前に構えるロミルダ。しかし蹴り足はそこにヒットすることはない。
「なっ!?」
「ふふ、妾の秘密を見たからには生かして返す訳にはいかなくなったのう?」
ロミルダの頭部を、ドロップキックをすると見せかけて挟み込んだルルティアが、ニヤリと笑った。
そのままぐっと挟み込んで、炸裂させるはルルティア・デンジャラス・シュタイナー。略称をLDS。
強かにリングマットに叩きつけられたロミルダは、見事なまでに目を回して気絶していた。
「きゅぅ〜」
「勝負あり!勝者、ルルティアニャ!」
派手な戦いに、観客から大きな歓声が沸き起こった。
成功
🔵🔵🔴
高柳・源三郎
アガト・シレスティアルとの一戦を終えた源三郎は観客席にいた。「動いたら飲みたくなったのう。」ユーベルコード【酒盛りの主役】を使って酔いどれおやじ達を呼びやすと「お前らも飲め飲め!」と試合観戦そっちのけで愛用の【銘酒・狸酔】で宴会を始めるのであった。
●観戦中の酒盛りは程々にニャー
第二試合を終えたあと、源三郎は観客席に座っていた。
先程になかなか白熱した試合を見せてくれたということもあり、周囲にはキマイラの青年やら中年やらが寄ってたかっている。
「タヌキのおっさん、見た目によらずなかなか出来るんな!」
「あれだけ派手に動いたら喉乾いたろ、どうだ、キマイラフューチャー印のビールでもよ!」
「そうじゃなぁ、動いたから喉が渇いたのう。ビールは気持ちだけ貰っておくのじゃ」
そう、ビールの缶を差し出してきたキマイラ男性に笑いかけると、源三郎の周りを取り囲むように人間のおっさん達が出現した。唐突に。
「「うぉっ!?」」
彼の周りを取り囲んでいたキマイラたちが、突然の事態に後ずさる。
源三郎は徐に携えていた「銘酒・狸酔」の鯉口を切った。辺りに日本酒特有のふわっとした香味が漂う。
「試合の後は酒盛りじゃあ!キマイラのお前さんたちも飲め飲め!」
「「おっしゃー飲むぞー!!」」
そうして始まる大宴会。試合観戦の場だというのにである。
試合が進む中で、シャトンの声が鋭く響いた。
「そこー!試合を放ったらかして酒盛りするとは何事ニャー!」
そんな叱責などどこ吹く風、源三郎を中心とした飲みの席は試合が終わる間際まで続いたのだった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『マグロ怪人ツーナー』
|
POW : 止められない止まれない
【食べられるという恐怖心から無限のスタミナ】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD : そんなことより助けて欲しい
レベル分の1秒で【腕を振り払うことで自らに噛み付いてる猫】を発射できる。
WIZ : 水を得たお魚
【水鉄砲】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を水浸しにし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
イラスト:くずもちルー
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●イベント「ツーナー乱入」ニャ!
格闘大会が順調にプログラムを進めて、同時に一般キマイラ達に広場周辺の建物に避難してもらっていく中で。
広場に通じる道の向こうから、地響きが聞こえてきた。
「「いぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
それと同時に聞こえてくる悲痛な叫び声。
見れば道路の向こう側から、頭がマグロで首から下が人間、赤フン一丁のツーナーたちが、大挙して押し寄せてくるではないか。
その背後からは、大量の猫がツーナーたちを追いかけている。
実況席に座ったままのシャトンが大きく身を乗り出した。
「狼の猟兵さんの言った通りニャ!やっぱりツーナーが乱入してきたニャ!
猟兵の皆さんたち、第二ステージニャ!格闘大会に乱入してきたツーナーを全部ぶちのめすのニャ!
避難は完了しているニャ、思いっきり暴れて楽しませてくださいニャー!」
広場周辺の建物の屋上から、割れんばかりの完成が聞こえてくる。
かくして格闘大会第二ステージは、今こうして幕を開けた。
●特記事項
観客のキマイラたちは広場周辺の建物の屋上に避難が完了しています。
司会・実況のシャトン・ディアプラグも安全な場所に退避しています。
リングや観客席の椅子はそのままです。
ルルティア・サーゲイト
「丁度ツナサシミーが食べたいと思っていた……とでも言うと思ったかァー!」
まずここで一匹斬り捨てる。
「筋肉もりもりマッチョマグロなんぞ食べる気が起きる訳あるか!」
さらに両断! テンポよく斬り捨てていく。
「何故このにゃんこ共は食べようとしているのかコレガワカラナイ」
匂いか? 匂いはツナサシミーなのか? 妾の旋回式加速法は攻撃を続ける度に鋭くなる。攻撃を続けながら旋回力を高めつつ斬り捨てる。
「実は美味かったりするのか? 山葵醤油で頂くと美味しいのか?」
斬る、とにかく斬る!
「じゃが、食べぬ! 後でツナサシミの美味しい場所でも教えてもらうとしよう!」
●「ツーナーって美味しいのかニャ?」
にゃー。
にゃー!
にゃー!!
ツーナーと一緒に会場に乱入してきた猫のけたたましい鳴き声が、猟兵たちの耳を刺す。
それに加えて。
「助けてぇぇぇぇ!!」
ツーナーの上げる心の底から助けを求める悲鳴が広場にこだました。
まぁ、気持ちは分かる。自分を食べようとする捕食者がすぐそこにいて自分たちに跳びかかってくるのだから。逃げないと死である。
そんなツーナーの一体が、リングの外に立つルルティアへと向かった。
大鎌を後ろ手に構えたルルティアの瞳が、冷たく煌く。
「丁度ツナサシミーが食べたいと思っていた……とでも言うと思ったかァー!」
刹那、大鎌の刃が円を描いた。
遠心力と共に振るわれた大鎌が、ツーナーの胴体をバッサリと切り裂いて血の華を散らせる。
「ひぃぃぃぃぃ!?」
「斬られるぅぅぅぅ!でも止まったら食われるぅぅぅぅ!!」
仲間がバッサリやられて倒れ伏した姿を見て、ツーナー達に戦慄が走った。
進むも死。止まるも死。戻ったらもっと死。八方ふさがりとはこのことである。
どうせ死ぬのか。ならば出来れば一番苦しくないのがいい。となれば。
「走って走って走り抜けるしかないじゃないかぁぁぁぁぁぁ!!」
食べられる恐怖と、ついでに斬られるという恐怖から、発揮されるツーナーの無尽蔵のスタミナ。それを以て一体がルルティアの傍を駆け抜けようとするも。
「筋肉もりもりマッチョマグロなんぞ食べる気が起きる訳あるか!」
また一体、回転する大鎌の刃で両断。
「何故このにゃんこ共は食べようとしているのかコレガワカラナイ。匂いか?匂いはツナサシミーなのか?」
「にゃー!!」
「にゃぁぁ!!」
ルルティアの疑問に、ツーナーを追いかけるぬこ達が口々に声を上げる。美味しいから!と言っているのかもしれない。いい匂いがするから!かもしれない。
そう言いながらも、自分の傍を走り抜けていくツーナーを、次々に斬って、斬って、斬っていくルルティア。
それはさながら、ツーナーを断罪するミンチマシーンの刃のようであった。
「実は美味かったりするのか?山葵醤油で頂くと美味しいのか?
じゃが、食べぬ!後でツナサシミの美味しい場所でも教えてもらうとしよう!」
「知らないから助けてぇぇぇぇ!!斬らないでぇぇぇぇ!!」
バッサバッサと切り裂かれていくツーナーの悲しい叫びが広場に木霊した。
ちなみに、傍から見れば自分から大鎌の刃に突っ込んでいっているように見えるツーナーを、動画撮影する観客が数割いたようである。
成功
🔵🔵🔴
ミリア・プレスティール
潜入中なので猟兵とバレないようにボクシングスタイルのまま戦います。
まずはツーナーが恐れている猫を怯ませます。『ミトン』の【怪力】で両手を叩き、音に敏感な猫を破裂音で驚かせます。
動きの止まったツーナーの隙を突き、当て身などで気絶を狙っていきます。
※アドリブ、他の方との絡みOK
●「選手が真面目なのはいいことニャ!」
勿論、ツーナーは切り裂かれてミンチにされているばかりではない。
別のところではミリアのボクシングによって、何匹ものツーナーが殴り飛ばされてリングの上に積まれて行っていた。
「次っ、次っ!」
無尽蔵のスタミナで超高速で駆けまわるツーナーを、次々に殴り、当身を入れ、ボディーブローを入れながら気絶させていくミリア。
殴る際に生じる破裂音で、ツーナーを追いかける猫たちもびっくりしていた。
「にゃっ!」
「にゃっ、にゃっ!!」
追いかける先のツーナーを失い、破裂音でも驚かされ、身構えながらその場で立ち止まる猫たち。そこで、ようやく猫たちが自分たちを追いかけてこないことに気が付いたツーナーが、ふっと足を止めた。
「……あ、あれ?助かっ――」
「「にゃー!!」」
足を止めたツーナーを、一斉に見やる猫たち。瞬時に跳びかかって群がった。
「ぎゃー!!やーめー!?」
猫を振り払おうとして腕を振り回すツーナー。と、その腕に噛みついた猫の一匹がミリアめがけて一直線に飛ばされてきた。
「にゃー!?」
「ふっ!」
急に飛ばされた鳴き声をあげるが、しかしミリアはスピードのみならず反応速度もアップしている。
両手のミトンではっし、と飛んで来た猫を掴んだ。
「にゃ……」
「うん、大丈夫そうですね。さて……あ」
猫をそっと地面に降ろしたミリアがふと前を向くと。
ツーナーの姿はもうそこにはいなかった。周囲には満足そうにしながら、また次のツーナーを狙って駆け出す猫たちの姿。
つまりはそういうことである。
成功
🔵🔵🔴
高柳・源三郎
「せっかく楽しく飲んどったのに、もう来やがったんか。」ツーナーの群れを見てまだ飲み足りない源三郎は、「お前らがわしに付き合え。何!?【わしの酒が飲めんのか!!】」と【銘酒・狸酔】をツーナーの口へ滝のように放出して酔い潰し、源三郎自身も酒を飲み続けるのだった。(ツーナー達を酔いつぶせば他の猟兵も戦いやすいじゃろう。)
●「アルハラは一般人相手にはダメニャよ!」
騒ぎが起こる中で、源三郎は気だるげに広場の様子に目を向けた。その瞳はどことなくとろーんとしている。
「せっかく楽しく飲んどったのに、もう来やがったんか」
そう、この男、まだ飲んでいた。彼に付き合って飲んでいた一般人のキマイラたちは大人しく避難に応じて周辺ビルの屋上に移動し、そちらで酒盛りを再開しているため、会場の観客席には源三郎一人である。
源三郎は愛用の徳利を片手に持ちながら、追い回されるツーナーに絡み始める。
「おいそこのマグロ!お前らがわしに付き合え!」
「ちょっ、何いきなり!そんな暇ないんだけど、くわ、食われる食われる離して!」
「何!?わしの酒が飲めんのか!!」
酒を断られて激昂する源三郎が徳利を高く掲げると、そこから滝のように酒が溢れ出した。
銘酒・狸酔の滝である。それがツーナーの開いた口目掛けて怒涛のように流れ込んだ。
「あぼぼぼ!?ごっ、やめっ、アルハラはんたーい!?おっさん頭冷やしてよー!?」
アルコールを注ぎ込まれて目を白黒させながら、ツーナーが水鉄砲を構えた。そこから放出される水もまるで滝のようで、その奔流が源三郎の赤ら顔に直撃する。
水と酒のぶつかり合い。周囲の盛り上がりもさらに増す中で。
先に酒が回って限界が来たらしいツーナーが、顔どころか全身を真っ赤にしてばたりと倒れ伏した。
完全に急性アルコール中毒である。呼吸中枢もやられたらしく、彼はそのまますぅっと虚空へ消えていった。
「マグロの漬けが食いたかったのう」
そうぽつりと零しながら、ダメージを受けつつも水を飲んで幾分か頭がすっきりした源三郎が、徳利に直接口を付けた。
苦戦
🔵🔴🔴
リカルド・マスケラス
流石に寿命削る大技には対抗できないっすねー
継続してキマイラさんの身体は借りてる
とりあえず、ツーナーを何とかするっすかね
「来るならこっちに来いっすよ!」
と【挑発】してリングに呼び込む。リングに上って突っ込んできたら、カウンター気味にレッグラリアート
あとは【ロープワーク】でリングロープ際から飛んだりしつつ敵を撹乱
「んじゃ、大技いってみるっすかね」
リングロープによりかからせた相手の両腕を極めつつ脚で絞め技をかける荒技【猟兵絞狩刑】を仕掛ける
「ロープ際の魔術師の面目躍如っすよ」実際呼ばれてはいない
技をかけている間に別の怪人から攻撃を受けそうになったら、さっさと解除して、技をかけてた怪人を身代わりに回避
●「リング上に積まれていたツーナー達はどこへ消えたニャ?」
場外乱闘もかくやという勢いで猟兵たちがツーナー達を撃破していく中、リカルドことマスカラ・ソーロは広場中央のリングの中にいた。
試合でお借りしたキマイラさんの身体は継続して借りたまま、ビル屋上の観客席からも口々に「マスカラ・ソーロだ!」と歓声が上がっている。
「ツーナー!そんなとこ走っていないで、来るならこっちに来いっすよ!」
「むっ……!!」
リングの上から見下ろすリカルドを、一人のツーナーが足を止めて見やった。
ちらりと自分を追ってくる猫を見て、リングの高さを見て、何かを決心したらしい。ツーナーが地面を蹴って高くジャンプした。
そのままスタっとリングの中に降り立つツーナーがファイティングポーズを取った。猫を腕にくっつけたままで。
「猟兵から勝負を挑まれたからには乗らねばなるまい!いざ尋常に……あっちょっ、やめて猫、噛まないで、噛まないで!」
「締まらないっすねー……」
早速ファイティングボーズを崩して猫を振り払おうとするツーナーに、リカルドは呆れ顔だ。
しかし、戦闘は唐突に始まるものである。
「だーっ、やーめー!」
猫を振り払おうと腕を振ったツーナーから、猫が離れた。それは猛スピードで吹っ飛ぶと、リカルド目掛けて一直線。
「しっ!」
まっすぐ飛んで来た猫が眼前まで近づいたところで、リカルドの頭が傾いた。猫はそのままリカルドの身体に当たることなくリングの外へ。そのまま路地の向こうへと消えていった。
「あ、あれっ……よく分からないけど今こそチャーンス!うぉぉぉー!!」
途端に猫から解放されたことに気が付いたツーナーが、しばしきょろきょろして状況把握に努めた後、一気にリカルド目掛けて突っ込んだ。
「甘いっすよ!」
対してリカルドはツーナーと交差させるようにレッグラリアート。見事に入ったカウンターの一撃がツーナーの喉元を捉える。
「決まったァァーーー!マスカラ・ソーロの足がツーナーの脚にクリーンヒット!!おっとー?しかしツーナーも堪えている、そのままリングロープの反動を使って再度突撃だニャー!!」
シャトンの実況にも熱が入る。
そうして突っ込んできたツーナーを受け止めつつ、するりと受け流したリカルドがリングロープを巧みに使い、ツーナーを翻弄して見せている。
観客のボルテージも最高潮だ。そうして盛り上がってきた観客にちらりと視線を向けたリカルド(を被ったキマイラさん)が、くいと口角を持ち上げる。
「んじゃ、大技いってみるっすかね」
身を躱して、リングロープに突っ込んでいったツーナーを追いかけるリカルドが、ツーナーを後ろからリングロープに押さえつけた。
両腕を取って後ろ側に回してぐっと極めながら、両足をツーナーの首にかける。そしてそのまま足を使って締め上げ始めた。
「ぐっ、ごぉぉぉぉ……!!」
「ロープ際の魔術師の面目躍如っすよ」
「これはーーーッ!?ツーナーが両腕を極められながら首を締めあげられている!まさかあの伝説の猟兵絞狩刑(ハンティング・ストラングル)なのかニャー!?」
解説を行うシャトンが思わず立ち上がった。伝説の大技かどうかは置いておくとして、リカルドのユーベルコードは威力も盛り上がりも抜群な様子だ。
口から泡を吹きながら、がくりと頽れたツーナー。勝者たるリカルドに、観客から惜しみない歓声が送られた。
成功
🔵🔵🔴
アガト・シレスティアル
「しゃーん……」じゅるり
さっきのシャーくんの人語はなんだったんにゃ?
とりあえずツーナーが来たし
バイティングシャーくんでシャーくんGabuGabu Mode.に変化
さらに電脳ゴーグルで武器改造にゃ!
データ化したシャーくんカーを組み込んで
巨大シャーくんに改造にゃ!
これでビーム撃って調理してからガブガブにゃ!
「……しゃしゃんしゃーん?」
もちろん生で丸呑みもOKにゃ!スキルデータをインストールして鍛えた大食いのパワーを見せてやるのにゃ!
連続攻撃をシャーくんで武器受けで受け流して回避してから後ろからガブっとしたり
シャーくんが口で抑えてビームで調理してガブっなのにゃ!
黒幕に機械鮫黒剣B級動画を撮らせるにゃ
タビタビ・マタタビ
ツーナーを追いかけてる猫に混じってやって来るタビタビ。
いきなり【駆猫鋭爪】を使って全力疾走。
「お魚の気配を感じて来てみたよー」
爪でズバッ。
猫パワーでひとしきり敵をおののかせたら、今度は愛用のゆうしゃのつるぎ(仮)を振るって、ツーナーを怯えさせつつ【二回攻撃】で、ずばずばっと始末していこう。
「ふふん、ツーナーの三枚おろし、一丁あがり……」
(何かかっこいい事言ってみたかったらしい)
※共闘でもソロでもOKです
●「猫パワーが大炸裂なのニャー!」
タビタビ・マタタビ(若き猫黒騎士・f10770)は駆けていた。
ツーナーを追いかける猫に混じって駆けていた。
「にゃああああああん!!」
猫に混じって、猫と一緒に鳴き声を上げながら駆けていた。
そのまま猫の鋭い爪でズバッ。ツーナーの背中や足に爪痕が刻まれる。
「うわぁぁぁん!?なんかおっきな猫が追いかけてくるんだけどぉぉぉぉ!?」
恐怖心が最高潮になったツーナーが大泣きしながら走っている。そこに。
「しゃーん……」
「シャーくん、さっきの人語はなんだったんにゃ?」
ツーナーを見つけて口から涎を垂らす鮫剣シャーくんを抱えたアガトがやってきた。
勿論こちらも猫である。ケットシーであるとして。ツーナーがビビらないわけがない。
「ひぃぃぃぃ!!」
「シャーくん!ツーナーをガブガブするのにゃ!」
そうシャーくんに告げつつ、自身の電脳ゴーグルを起動させたアガト。シャーくんを改造し、ガブガブモードを起動させたシャーくんが、超巨大に変化した。
それはまるで本物の鮫のようであった。
「いやぁぁぁ鮫だぁぁぁぁぁ!?」
「隙あり、ですっ!!」
すっかりビビって足を止めるツーナーに、後ろからタビタビが追い付いた。その背に負ったゆうしゃのつるぎ(仮)を鋭く振りぬく。
ズバズバッと、二回攻撃。ツーナーの頭のマグロの身が、ぱっくりと背骨から切り離される。
「ふふん、ツーナーの三枚おろし、一丁あがり……」
フッ、と笑みを浮かべて決め顔のタビタビである。
そして綺麗に捌かれたツーナーは。
「……しゃしゃんしゃーん?」
「もちろん生で丸呑みもOKにゃ!スキルデータをインストールして鍛えた大食いのパワーを見せてやるのにゃ!」
アガトの許可を得た上で、シャーくんの胃袋に納まっていった。
「しゃーん!」
「まだ食べたりないにゃ?分かったにゃ、どんどん食べるにゃ!」
「ボクもどんどんツーナーを捌くよー!」
ケットシー二人と鮫剣一振りが、残ったツーナーに突撃を敢行していく。
こうしてイベント会場を襲ったツーナー達は、一人残らず駆逐されたのであった。まる。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『ザニーユ・モア』
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POW : ぺちゃんこになっちゃえ!
【対象の頭上】から【対象のレベルの二乗tの重さの金床】を放ち、【ぺちゃんこにする事】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : スラップスティックショータイム!
いま戦っている対象に有効な【コミカルな結果を引き起こす道具】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : もっと笑わせる為に!
戦闘力のない【カートゥーン風に変換されるテレビカメラ】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【出演者の滑稽な姿を見た視聴者の笑い】によって武器や防具がパワーアップする。
イラスト:笹にゃ うらら
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「クロ・ネコノ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●「悪いネズミは退治するのニャー!」
ツーナーが片付けられ、静けさを取り戻したイベント会場の広場。
そこに、ハンディカム片手にとことこと入ってくる、ネズミの耳と尻尾を持つキマイラ、らしき少年が一人。
「あー、楽しかった!予定とは全然違う筋書きになったけど、なかなか盛り上がる映像が撮れたなー!」
きししっ、と笑いながら、少年――ザニーユ・モアは猟兵たちをねめつけた。
その瞳には好奇と関心、そして敵対の色が見て取れる。
「ツーナー達をやっつけたあんた達をぶちのめしたら、今度はどんな面白い映像が撮れるんだろうな?楽しみだなー!どんどん視聴者たちを笑わせてくれよ!」
ハンディカムを回しながらザニーユは笑う。次々と武器を構える猟兵たちを見て、司会席のシャトンが声を張った。
「さぁいよいよ最終戦ニャ!ツーナー達をけしかけてイベントをめちゃくちゃにしようとした悪い子VS、猟兵のヒーロー達ニャ!
皆、この戦いを見逃したら勿体ないニャー!!」
ルルティア・サーゲイト
「ふむ、動画再生数か」
徐に、皮の腰巻の下に手を入れて下着を……脱ぐ! 投げ捨てる!
「やはりコレが一番手っ取り早いぞ? ふふふ、少年。妾のここがどうなっているか、知りたいか?」
オブリビオンでもこの年頃の少年であれば好奇心には勝てぬ筈。そしてそれは画面の向こう側も同じ。つまり、
「エロ素材のコミカル化などすれば再生数は下がる! ほれ、この状態の妾を飛んだり跳ねたりさせた方が再生数は伸びるぞ!」
再生数と好奇心の二重の誘惑! 僅かでも隙を見せればハイキックを叩き込みLDSへと繋げる。
「残念、妾の秘密を知ったお主は生かして返せぬ」
こういう時は実際には張り付け下着を使っているという秘密はのう。
●「よい子の皆はマネしちゃだめニャよ!」
キマイラフューチャーを熱狂の渦が包み込む。
格闘大会イベントをめちゃくちゃにしようと目論んだオブリビオンの少年、ザニーユ・モア。
彼に相対するはマグロ怪人ツーナーを退け、格闘大会を盛り上げ守ったヒーローの猟兵たち。
まず最初にザニーユの前に立ったのはルルティアだ。
「ふむ、動画再生数か」
「そうだ!動画がバズって再生数が伸びればその分人の目に留まるようになるだろ?留まるようになればその分俺が有名になるだろ?」
「そうかそうか、お前は有名になりたいのか」
そうにこやかに微笑むと、徐にルルティアは皮の腰巻の下に手を突っ込んだ。
もぞもぞと動かして、腰巻から手を抜く。その手に摘ままれているのは。
「なっ……!?」
「ぬ、脱いだニャー!?脱いだニャー!?」
ザニーユとシャトンが二人揃って赤面しつつ目を見開いた。もうそれはカッと言わんばかりに見開いた。
手に持ったローライズの紐ビキニをひらひらさせながら、ルルティアは蠱惑的に微笑んでみせる。
「ふふふ、少年。妾のここがどうなっているか、知りたいか?」
「うっ……ゴクリ……」
ルルティアの目論見通り、いたいけな少年の姿をしたザニーユはルルティアの下着に釘付けだ。
オブリビオンと言えども少年は少年。セクシーなコンテンツへの耐性はそんなに高くない。やはり恥ずかしいものは恥ずかしいのだ。
当然、これをぺらっぺらに潰すだなんてとんでもない。
「ほれ、隙ありじゃ!」
「ぎゃふん!」
全く微動だにできないくらいに赤面したザニーユの顎を、ルルティアのハイキックが強かに打ち付ける。
そのまま流れるように両足でがッと頭を挟み込む。
「残念、妾の秘密を知ったお主は生かして返せぬ」
「秘密を自分で明かしておいて何を言うニャー!」
シャトンがツッコミを入れるが、ルルティアは気にしない。
そのまま地面のコンクリート目がけてフランケンシュタイナーが炸裂。
皮の腰巻がぺらりとめくれ、露になったルルティアの下半身には、脱いだそれとは別にもう一つ下着が装着されていた。
大成功
🔵🔵🔵
ミリア・プレスティール
ザニーユとの戦闘中にツーナーを追いかけていた猫の群れからはぐれた一匹を見つけたミリアは咄嗟に猫を守ります。
猫を守ったことで隙ができたミリアにハンマーの一撃が振り下ろされミリアの身長が縮みます。さらにトンカチで釘を打つように連続でハンマーが振り下ろされ、叩かれる度にミリアの身長がどんどん縮み、最後は数センチの厚みしかないパンケーキの様にされます。
しかし、いつの間にかミリアの手から離れた『ミトン』がザニーユを捕まえます。
「捕まえました!観念して…むきゅっ!」
徐々に身長が戻りかけていたミリアの頭上にダメ押しの金床が!
しかし『ミトン』の攻撃は止まらない!ザニーユがッ!泣くまでッ!殴るのを止めないッ!!
●「猫は守られるものニャ!」
ミリアはザニーユとの戦闘中に、一匹の猫が広場をうろついているのが目に入った。
「にゃー……」
恐らく、先程ツーナーを追いかけていた猫たちの一匹だろう、はぐれたのか、それとも遅れてやってきたのか。
残念ながら追いかけていたツーナーの姿はなく、それに付随して追いかけてきていた猫たちもどこかに行ってしまっている。
そんな迷い猫をミリアは庇うように捕まえて覆いかぶさった。
「危ないですよっ……!」
「隙あり!撮影者に背中見せるとか何事だよ!?」
そんなミリアの背中にザニーユが召喚した金床が落下してくる。
その重さは余裕で400kgを超過する。並の人間ならば背骨が折れていることだろう。
しかしミリアは猟兵である。ぺっちゃんこに潰れてはいるが生きてはいた。
そんな彼女の身体の隙間から這い出るように、猫がするりと這い出てくる。猫はミリアをちらりと見やると、そのまま広場に繋がる路地へと駆けこんでいった。
「へっ、ただの猫を庇ってぺっちゃんこになるなんて、だっさいの!……っっ!?」
ミリアを明らかに嘲笑するザニーユの表情が、一気に恐怖に慄くものになった。
先の先頭までずっとミリアの手についていた『ミトン』が彼女の手から離れ、いつの間にかザニーユの背後に回り、彼の身体をしっかと掴んでいたのだった。
「ふっ、捕らえましたよ……むきゅっ!」
徐々に身長が戻りかけていたミリアの頭に再度落下してくる金床。再びぺっちゃんこになるミリア。
しかしミリアのミトンに掴まれたザニーユは殴られっぱなしである。全力で顔をミトンでぶん殴られていた。
そうしてミリアの身長が再び元の150cm弱に戻るまで、ザニーユはミトンに捕まったまま殴られ続けたのである。
成功
🔵🔵🔴
タビタビ・マタタビ
ふっふっふー
なぜだかわからないけどネズミを見ると血がたぎるんだよ…覚悟してね!
おっと、金床は喰らわないよ! 剣で【武器受け】!
え、【スラップスティックショータイム!】だって?
面白い技だね……って、行く手に土管が!?(そのまま、すぽっ)
ぐぬぬ、か、体が……ふう、無理矢理通り抜けた! けど体が筒型にー!?
えいっ!(気合で体の形を元に戻す)
よーし、今度はこっちの番! 真面目にかっこよく決めるよ
ヒーローっぽく派手な魔法で観ている人たちをびっくりさせてあげるー
我が元に来たりて吹き荒れろ、雷の……疾風!
……あー司会の人ー! 巻き込まれないでねー!?(かっこよく決め…?)
●「猫とネズミは不倶戴天の敵ニャ!」
タビタビは目に炎を灯していた。
「ふっふっふー、なぜだかわからないけどネズミを見ると血がたぎるんだよ……覚悟してね!」
「げっ」
小さいながらも猫らしく、ネズミを狩ろうと闘志を燃やすタビタビに、びくりと身体を震わせたザニーユが咄嗟にカメラを向けた。
彼が普段から撮影に使っているハンディカムではない。ポップな外観のトイカメラだ。
このトイカメラで撮影された動画はカートゥーン調の可愛らしくポップな描画に自動変換されるのだ。とてもかわいい。
ただでさえかわいいタビタビがカートゥーン調になってしまったら。
ついでにシャトンも映り込んでカートゥーン調になってしまったら。
にゃーにゃーちゅーちゅーととてもアニメチックで可愛らしいことになってしまう。
ト○とジェ○ーだって?知らんな。
「おっと、笑われたって何だっていうんだ!このまま……えっ!?」
カートゥーン調になってもなんのその、ゆうしゃらしく勇敢に突き進むタビタビの目前に、途端に出現するのは土管だ。
ずぼっと突っ込むタビタビ。そのままハムスターのようにうんしょ、うんしょと抜けていったタビタビの身体が。
「って、身体が筒形になってるー!?」
両手足が引っ込んでつるつるの筒形に変形してしまったタビタビ。どっと動画のコメント欄に笑いが起こった。
そうしてザニーユがパワーを高める中で。
「えいっ!」
タビタビが気合で両手両足と手にする剣をぽんっと元に戻した。
「ニャー!タビタビ選手、剣を振りかぶったら周囲に風が巻き起こったニャー!皆、気を付けるニャー!」
「司会の人も会場の皆も巻き込まれないでねー!
我が元に来たりて吹き荒れろ、雷の……疾風!!」
刹那、嵐が巻き起こる。
タビタビを中心に吹き荒れる暴風と、それに伴い発生する雷が、ザニーユの身体を激しく打った。
暴風と爆音が縦横無尽に吹き荒れる。会場で観戦する観客たちも帽子や服、敷物を押さえていた。
「わわっ、なんだこれー!?」
「これがヒーローの魔法だよ!」
剣を構えるタビタビの姿は、カートゥーン調に変化されても勇壮でかっこよく映っていた。
成功
🔵🔵🔴
リカルド・マスケラス
「勝手に人を晒し者にして笑いを取るっていうのも趣味が悪いっすよ」
今回は【跳梁白狐】で防御力重視のスタイルになって戦う。というか、この形態になると、自分は全然動けなくなるので、装着者の格闘家に代わりに戦ってもらう事になるけど
「今までの戦いで、自分にどれだけパワーとスピードが付いたか感覚は掴んだと思うんで、大会を邪魔したこいつを思いっきり叩きのめしちゃえっす!」
なので、金床が落ちてきてもダメージはないかも。下半身が床に埋まるとかはあるかもしれないが、這い出て確実に敵に迫る
最終的にはパンチなり投げ技なりで、相手が壁か床にめり込んだり突き抜けるような一撃をお見舞いする
「こっちのが、バズりそうっすよ?」
●「マスカラ・ソーロ、その真の力、今こそ発揮する時ニャ!」
猟兵たちの苛烈な攻撃を受けて、ザニーユは明らかに狼狽えていた。
「何だよお前ら、揃いも揃って俺の撮影の邪魔をしやがって!俺は面白い動画が撮れればそれでいいっていうのに!」
「勝手に人を晒し者にして笑いを取るっていうのも趣味が悪いっすよ」
リカルドを装着した格闘家の冷たい眼差しが、地面に這いつくばるザニーユに突き刺さる。
そのままリカルドも攻撃を加えに行くかと思いきや。彼はキマイラの格闘家に自身である狐面を正面から被り直させた。
「さ、今は無敵のヒーロータイムっす。好きに暴れるといいっすよ」
その言葉と共に、発動するのは跳梁白狐。狐面が顔にぴったり貼り付くように変形し、その素材が格闘家の全身を余すことなく覆い隠していく。
やがてそこに、狐面の姿はなく。狐を模したヒーロースーツに身を包んだ、一人の格闘家が仁王立ちで立っているのだった。
この姿に変化したリカルド自身は動けない。それ故、装着者が身体の主導権を握り、自らの意思で戦うことになる。攻撃そのものこそ一般人の通常攻撃レベルだが、防御に関してはほぼ無敵である。
「今までの戦いで、自分にどれだけパワーとスピードが付いたか感覚は掴んだと思うんで、大会を邪魔したこいつを思いっきり叩きのめしちゃえっす!」
「応っ!!」
リカルドを身に纏った格闘家、リングネーム「マスカラ・ソーロ」は一声吼えると、リングを蹴って矢のように飛び出した。
一直線に飛び出すマスカラ・ソーロを迎撃せんと、ザニーユが金床を次々と落としにかかるも、今回の攻撃対象はリカルドではない、マスカラ・ソーロだ。レベルも一般人相当であるため、重量もそれほどではなくなる。
加えてリカルドによる守りがある。事実、マスカラ・ソーロは時折金床がぶつかって下半身が地にめり込むなどしていたが、すぐさま這い出てザニーユに一撃を加えていた。
「なんなんだよ、畜生っ!」
「正しき者の力、思い知れ、少年っ!!」
逃げ惑うザニーユを両手で抱え込んだマスカラ・ソーロが、ぐいと身体を捻る。
そのまま地面に頭から叩きつけるようにして、華麗な投げ技を決めてみせた。
「いいぞー、マスカラ・ソーロー!」
「かっこいいー!」
やんやの喝采が観客席から巻き起こる。跳梁白狐を解除し、元の狐面に戻ったリカルドが、その口元を僅かに緩めたように見えた。
「こっちのが、やっぱりバズりそうっすね?」
成功
🔵🔵🔴
高柳・源三郎
「動画配信とやらの為に迷惑をかけるのはいかんのう。」完全に酔っ払って説教しようと敵に近づいた源三郎。敵は酒臭いおっさんが急に近づいたことに動揺して、ユーベルコードを使う。敵のユーベルコードに反応して【源三郎式酔い覚まし】が発動しカメラに写っちゃいけない物体が源三郎から出る。完全に放送事故です。(予定と違ったがこれで奴が動画配信出来なくなればいいがのう。)
●「酒は飲んでも飲まれるな、ニャー」
猟兵たちの手によって、すっかりボロボロにされたザニーユ。
何とか頭を振って立ち上がろうとするも、既に動画配信どころの状況ではない。
そんなザニーユの前に、赤ら顔をさらに赤らめた源三郎がふらふらしながら近づいてきた。
「全く、動画配信とやらの為に迷惑をかけるのはいかんのう……うぃーっ、く」
「うげっ、なんだこの酔っ払い!くさっ、酒くさっ!」
源三郎の身体や呼気から立ち上る日本酒臭さに、露骨に顔を歪めるザニーユ。まだ年若い少年、酔っ払いに嫌悪感を感じるのは無理からぬところだ。
そんなザニーユの様子に構うことなく、源三郎は説教を続ける。
「だいたい、そんな年の頃から人に迷惑をかけて喜ぶなんてぇー……っく、恥ずかしいとは思わんのかぁ?親の顔が見てみたいのう……うぃっ」
「おっさん俺がなんだか分かっていってんのか?オブリビオンだぞ、親も何もないだろ!?」
支離滅裂な説教を繰り広げる源三郎に、説教されている側のザニーユは最早呆れを通り越して可哀想なものを見る目をしている。
それでも源三郎は止まらない。
「ハァー……うぃっく。全く、昨今の若者と来た日にゃ、やれ酒は飲みたくないだのやれ煙草は臭いだの、これだから若いもんは……ういっ」
「いい加減うるせーよおっさん!大人しく寝てろ!」
しびれを切らしたザニーユ、とうとう我慢ならずに源三郎の腹に一撃を入れた。
その拳がいっそ見事なまでに、源三郎のどてっ腹に突き刺さる。
と。
「うっ、く、ぐふぉっ」
「げっ」
源三郎が呻き声を上げた。
同時にザニーユの顔から血の気が引く。
そして。
「CMー!CM入ってニャー!早くー!!」
シャトンの悲鳴が響き渡った。
僅かの後。
CMが流れる裏で、げっそりした顔で酸っぱい匂いにまみれたザニーユが。
「もうやだ……なんでこんなことになるんだよ……」
悲し気な顔をしたまま、すぅっとその姿を虚空に消していったのだった。
成功
🔵🔵🔴
最終結果:成功
完成日:2019年05月01日
宿敵
『ザニーユ・モア』
を撃破!
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