#ダークセイヴァー
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●境界の町
その町は2人の領主の治める地のちょうど境にあった。
一方は美しい少女を攫って殺し、一方は麗しい少女を攫って囲った。
「また、アナタですの?」
「ふふ、いいじゃないお互い好きに狩れば……」
「アナタは私のかわいい少女まで殺してしまうわ」
「貴女だって、私の憎い女まで囲ってしまうじゃない。お相子よ」
2人の領主は獲物を奪い合うことはあっても、直接的に争い合うことはない。ただ競うように邪魔な村人は殺され、娘を奪われていくその村は恐ろしい速度で滅びへと向かっていた。
●白き薔薇のお姫様
「と、言う村がね、あるんデスよ……!」
ピンキー・タイフーン(プログラムの寄術士・f14825)は深刻な顔でまるで怪談話でもするように言った。
「そして、私が予知したのはこの少女を攫って囲う方、愛姫デス! 彼女は残虐な部下を使って不要な男女どもは殺処分。そして、目当ての少女を攫うデス! そしたら幽閉、幽閉なのデス!!!」
あくまでもキャラを保ちながら必死に真剣に話すピンキー。
「そして、今。まさにその姫は村へ狩りに出てます。これを放置するのも心苦しいのデスが……今なら少女たちを幽閉する強固なバラの城に潜入し、中から無茶苦茶にできるのデス!!!」
領主の薔薇の城は領主がいるときはより強固に門が閉ざされ、部下たちに守られているが、狩りの間はその屋敷を守る部下たちの守りが薄れ、中への侵入が容易になるらしい。村にいる愛姫を狙っても村からでは逃げ場だらけだが、先にここを強襲し、彼女が帰り次第その強固なもんを塞げば、その城はそのまま彼女を追い詰める棺桶になるかもしれない。また、それならば逃げられたうえ立て籠られる心配もない。
「どうか皆さんでこの城に乗り込み、先ず部下たちを蹴散らし、領主が帰ってきたらそのまま応戦してほしいデス! 大丈夫、少女たちは愛でられているので安全な場所にいるはずデス! 少女たちの救出は領主を倒した後で大丈夫デス! これ以上狩りが続いたら本当に村が滅びてしまうのデス、お願いしマス!!!」
ピンキーは猟兵たちにぺこりと頭を下げた。
「それから、この姫、なのですが……非常に男嫌いなので男性がいると強くなる可能性がありマス、怒りで……。よければそちらの方にはもう1人の領主の盗伐に向かってほしいデス。ゆ、ユリ要素……? あ、あるかもデス」
ピンキーはちょっと言いにくそうに最後につけ足した。
「それでは、同意いただけたならお送りしマス! 皆さん、私の周りにあつまるデス!」
ピンキーは猟兵たちが自分の周囲に集まったのを確認すると、頭にかぶったグリモア・マジカルリボンハットを空に向かって投げる。
その帽子は空中で巨大化して猟兵たちをすっぽり包むように地面に落ちてきた。そして、その帽子が収縮をはじめ、ぽんっと音が鳴ったと思うと、ダークセイヴァー、薔薇の城の門のそばまで転移していた。
ピンク☆フラッシュ
●合わせシナリオです!
こちらのシナリオはくらげやMSとの合わせシナリオとなっております。
こちらのシナリオの領主は男嫌いなので男性がいれば強力な攻撃を容赦なくしてきます。もちろん、両方参加でも大丈夫ですが、男性はできればくらげ屋MSのシナリオ「白と黒の監獄」の方を手伝っていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。もちろん若干強くなるだけなので一切禁止ではありません!
●シリアスです。
こちら百合要素があるとは言いましたが基本的にシリアスです。なので、ギャグ的な意味合いでの百合要素はほとんどございませんかと思います。あんまり遊んでいると少女たちもいつまでも無事とは限りませんのであくまでもシリアスな感じでお願いします。
猟兵が城に潜入すると間もなく領主が戻り、先ずは部下と、その後領主との戦闘になります。3章は日常。墓参りです。
また、こんかいのピンク☆フラッシュの地の文執筆方式は『絵本調』(丁寧口調)となります。詳しくは、
広がる巨大花の森を止めて【https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=3963】をご覧ください。
それではよろしくお願いいたします。
第1章 集団戦
『黒い薔薇の娘たち』
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POW : ジャックの傲り
戦闘中に食べた【血と肉】の量と質に応じて【吸血鬼の闇の力が暴走し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : クイーンの嘆き
自身に【死者の怨念】をまとい、高速移動と【呪いで錬成した黒い槍】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : キングの裁き
対象のユーベルコードを防御すると、それを【書物に記録し】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
イラスト:シャチ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●薔薇に包まれた居城。
その御城は、たくさんの薔薇に囲まれていました。
ゲートの周辺は茨に覆われ、確かに、見張りがいては入るのも困難そうでした。しかし、今この御城に主はいません。彼女は狩りに出かけているのです。新しい、麗しの少女を求めて。
猟兵たちは御城につくと、茨のゲートを抜け、その敷地へと足を踏み入れました。誰もその進行を阻むことはありません。お城の入り口は一つだけ。たくさんあったら少女が逃げてしまうから。猟兵たちは、罠かもしれないと思いながらも、その門をくぐりました。全員が入ったのを確認すると、門は自然と閉まります。そして、前から、横から、後ろから、お城のエントランスに、お城に残された『黒い薔薇の娘たち』が表れました。彼女たちはこの御城に幽閉された過去の少女たちの慣れの果て。もう人ではない、この御城のお姫様に忠誠を誓ってしまったオブリビオンなのです。
戦いはここから始まります。
七那原・望
可能なら他の猟兵と協力します。
個人の身勝手な欲望の為に命も自由も簡単に奪われる。
人間なんて、おもちゃか何かみたいに扱われて。
相変わらず、この世界は地獄のようですね。虫唾が走ります。
赤の他人になんて興味はないけど、それでも怒りが湧いてくる程。
本当に、お前達みたいな外道は大嫌いです。
まずは【愛唱・希望の果実】を【歌って】周りの猟兵達の援護をするのです。
後は翼望・シンフォニアに魔力を込めて、【全力魔法】の【一斉放射】による【範囲攻撃】で纏めて【なぎ払って】しまいましょう。
返してもらいますよ。みんなが当たり前に持っているはずだった自由を。
アドリブ、絡み歓迎です。
月守・咲凛
SPDで戦闘、アドリブ、連携OKです。
「女の子をさらう敵なのですね、倒さなきゃなのです」
戦闘力の無い子を攫うとか見過ごせません。頑張りますよー。(何かあれば身を呈してでも庇おうとします)
壁は飛び越えて空から侵入です。
窓とか覗き込めば救助対象は見つかるかな?
敵が出たらアジサイユニットを盾として浮遊させて、戦闘開始です。
敵の放つ槍は見切りやアジサイの盾で回避して、カウンター気味にビーム砲で反撃します。
状況を見て一気にユーベルコードを撃ち込みましょう。
……ユリは良く分かりませんけど頭を撫でられたりハグされたりするのは大好きです。子供的な意味で。
リリィ・ドラグヴァンディル
▶︎任務目標
敵性オブリビオンの殲滅
戦闘レベル、ターゲット確認…敵をクラスAの脅威と判定、ドラグヴァンディルを使用します
▶︎使用UCと戦法
UC【DAT-X101《ドラグヴァンディル》出撃】により、私の器物である機体ドラグヴァンディルに搭乗し【攻撃力】を強化。
「距離算出、回避アルゴリズム解析…ターゲットロック、撃ちます」
肩部レールガンを展開、遠方より精密狙撃機能【スナイパー】にて敵に向け狙撃を開始、徹甲弾を発射して敵を粉砕していきます。
「着弾確認、照準誤差修正の必要無し…狙撃を継続します」
▶︎アドリブ、連携、歓迎
NGなし、えっちな描写、絡み、諸々遠慮なく
服装は黒のゴスロリワンピ、白レースのショーツ
●戦城の少女たち
月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)は正面からの突入前に空を飛んでみました。この居城は茨と柵に囲まれていますが、上からなら入れると思ったからです。
しかし、その茨は空をも編むように城を包んでおり、棘に隙間も埋められ少女である咲凛でも空からの侵入は困難に思えました。見張りにも見つかりそうなのですぐに猟兵たちの元へと引き換えし、ともに門をくぐります。
「侵入対象が数名いますわね」
「まあ、大変。あのお方の為にお掃除しなくては」
黒い薔薇の娘たちは猟兵たちが城に入るとすぐに戦闘態勢に入りました。かつてはただの娘であったであろうオブリビオン達をみて、七那原・望(封印されし果実・f04836)はいいます。
「個人の身勝手な欲望の為に命も自由も簡単に奪われる。相変わらず、この世界は地獄のようですね。虫唾が走ります」
と……。娘たちはその言葉聞いて、首をかしげました。それから、
「どうして? ここは天国なのに」
といい返しました。赤の他人など興味のない望でも、これには怒りを隠せません。
「本当に、お前達みたいな外道は大嫌いです」
たとえもとが少女でも、今はオブリビオン、堕ちた彼女たちはやはり人の価値観からずれてしまった外道なのです。
「倒さなきゃなのです」
咲凛はアジサイユニットを展開しました。
「戦闘レベル、ターゲット確認……敵をクラスAの脅威と判定、ドラグヴァンディルを使用します」
リリィ・ドラグヴァンディル(紅百合・f15918)も同じく戦闘準備です。ユーベルコード【DAT-X101《ドラグヴァンディル》出撃】により、彼女の器物である機体、ドラグヴァンディルに彼女が搭乗し、その力を解放します。右腕部2連装ビームキャノンやビームソード、肩部の長射程レールガン等の武装を満載した強力な兵器です。彼女は自らの力を高めました。
「小賢しい真似を……この槍で成敗してあげます」
黒い薔薇の娘たちはリリィが準備を進める間に攻撃を開始しました、ドラグヴァンディルは今レールガンを展開しているところなのです。そこに多数の娘たちが槍を飛ばします。
「……!」
リリィはレールガンを展開しながらの回避を試みますが、広いとはいえ機体には狭い城内、うまくよけきれる自信がありません。そこに割り込んでくれたのが咲凛でした。彼女はアジサイユニットを盾のようにして槍からリリィを守ります、すべてまともに受けてはアジサイユニットも無事では済まないのでいくつかはビーム砲で撃ち落としました。
「負けないで……希望を、あなたに……」
その後方で望が【愛唱・希望の果実(コーラス・オブ・デザイア)】を歌い始めました、その歌はリリィのユーベルコードによって搭乗しているドラグヴァンディルの力を強めます。
「感謝します」
リリィは2人の猟兵に礼を言うと、そのレールガンを最大火力で展開しました、外せば城が壊れ、どこかにいる少女たちに危険が及ぶかもしれない。リリィはよく狙いをさだめました。
「距離算出、回避アルゴリズム解析…ターゲットロック、撃ちます」
彼女のレールガンから放たれる精密射撃は、望の歌の力を得て、彼女の持つ誘導弾のスキルをのせ、放たれました。結果、レールガンは1発も城に当たることなく、黒い薔薇の娘たちを苦しめました。
「着弾確認、照準誤差修正の必要無し…狙撃を継続します」
リリィがレールガンを撃ち続けるのを確認すると、咲凛も防御から攻撃へとうつります。
「私にも歌の力が効いてるのです! 武装ユニット全開放、撃ちます!」
咲凛はユーベルコード【コード・アクセラレーター】を発動。武装ユニットにプログラムされていた武装の全弾発射が、まるで望の能力を加算されたかのような威力と正確さで撃ち放たれ、黒い薔薇の娘たちの体を正確にとらえていきます。
「頑張りますよー!!!!」
望の力を受けた咲凛とリリィによって、多くの黒い薔薇の娘たちが倒れていきました。
「どうして……」
「どうしてあの方の邪魔をするの? ここはとっても楽しいところなのよ?」
黒いバラの娘たちは猟兵たちに問うと、答えも待たずに消滅していきました。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ヴェルベット・ガーディアナ
百合?うん、百合の花は好きだよ。
お花ならなんでも好きかな?
「黒い薔薇の娘」か…その名に相応しいお人形さんみたいに綺麗な女の子達だね。
ボク?ボクは可愛くなんてないでしょう。ボクなんかよりもほら、シャルローザ(人形)の方が可愛いもの。
さぁ、綺麗なお花を散らしてしまうのはもったいないけど別のお花を守るためにも戦わなくちゃね。
じゃあ、行くよシャルローザ。
【フェイント】や【敵を盾にする】ことで翻弄しつつ攻撃するよ。
敵の攻撃は【見切り】。
避けられない軽度な攻撃は【オーラ防御】
敵の【クイーンの嘆き】はUC【オペラツォン・マカブル】でうける。信じてるからねシャルローザ。
アドリブ絡み歓迎。
サラ・カトレット
美しい城ですが、邪悪な気配で満ち溢れていますね
攫われた子達、きっと訳も分からず恐怖で震えているわ
早く助け出してあげなければ!
【WIZ】
貴女達も領主の犠牲者なのですね
せめてその呪縛から解放されるように…如何か安らかに
【全力魔法】で【桜花爛漫】の花弁を増幅
花弁に【マヒ攻撃】と【気絶攻撃】の香りを乗せバリアの様に展開
更に【オーラ防御】で身を固め敵の密集地へ
敵を一度に巻き込める位置取りを
ユベコを模写されたら花弁に【属性攻撃】で炎を付与
敵の花弁を焼き払いつつ攻撃
相手の攻撃は【第六感】や【見切り】で攻撃の軌道を予測しつつ回避
罪も無い方達を手に掛け命を何とも思わない
そんな非道な方に領主の資格なんてありません
死之宮・謡
んー、可愛い娘を囲いたいのはよく解るなぁ…まぁ、殺すんだけどねぇ?可愛い娘は好きだし話が合いそうなやつも珍しいけど…殺していいなら殺すよねぇ、やっぱり…愛でるより壊す方が好きなんだよねぇ…結局、如何繕ってもサァ
皆殺しにしようか、【天燐血統装具】展開…【殺戮感染】【天剣乱舞・殺之型】発動…
武器に「呪詛・生命吸収」、自身に「怪力・見切り・オーラ防御」を掛けて「二回攻撃・なぎ払い・鎧砕き」で攻撃
●戦城の淑女たち。
「『黒い薔薇の娘』か……その名に相応しいお人形さんみたいに綺麗な女の子達だね」
ヴェルベット・ガーディアナ(人間の人形遣い・f02386)は黒い薔薇の娘たちの放つ黒い槍を見切りながら感想を述べます。黒い薔薇の娘たちはそんな彼女の言葉に感銘を受けることはありませんでしたが。
「ああ、そのお言葉がまたあの姫から聞ければいいのに」
と口々につぶやきながら攻撃の手を止めません。高速移動により、ヴェルベットに急接近し一撃をたたきこもうと波状攻撃を仕掛けます。
「ああ、これは辛いな。シャルローザ……おねがい。」
近づいてくる黒い薔薇の娘たちを彼女の人形、シャルローザが間に入ってうけ、そのままくるくると回転すると、美しい金の髪で近づく娘たちを弾き飛ばします。
「貴女達も領主の犠牲者なのですね。せめてその呪縛から解放されるように…如何か安らかに」
サラ・カトレット(夢見る乙女・f06458)は弾き飛ばされた黒い薔薇の娘たちに祈りをささげるように全力の【桜花爛漫(オウカランマン)】を発動します。彼女の装備する精霊の杖が無数の淡く輝く桜の花びらに変化し、黒い薔薇の乙女たちを包み込みます。
「く……」
多くの黒い薔薇の娘たちがその優しい花の香りに包まれて消滅していきます。
――その時、猟兵たちの入ってきた門が再び開かれました。
「あらあら、まあまあまあ! 少し留守にしてる間にお客様がいっぱいね……」
愛姫が顔を覗かせ、猟兵たちを品定めするように見ました。
「まあ、全員好みだわ。今日は村で収穫がなかったから、あなたたちを囲みましょう……。ほら、娘たち。遊んでないで全力でおやりなさい」
愛姫が手をたたいてそういうと、ただユーベルコードを受けていた娘たちの何人か余力のあるものが、レールガンや、花のユーベルコードを何やら書物に書き記し始めました。彼女たちはその身で受けて防御していたのです。そして、その攻撃はすぐに猟兵の数倍の人数がいる黒い薔薇の娘たちによって同じように放たれます。猟兵の器物の写しのような幻影が書物から具現化し、それに乗り込む黒薔薇の乙女たちによって黒いレールガンが放たれる、または、書物が無数の花びらへと変わりそれを飛ばしてきます。
「みなさん、回避してください!」
サラが叫ぶと、猟兵たちはそれぞれ見切りや回避、アジサイユニットによる防御、レーザービームを連射して相殺など、さまざまな方法でその攻撃を回避しました。そして、今度はまた黒い槍が降ります。
「こんどはボクが受けよう……信じてるからね、シャルローザ……」
ヴェルベットは猟兵たちの前にたち大きく手を広げると、力を抜きその槍を体に受けました。激痛に耐える力を彼女は持ちませんでしたが、シャルローザを信じているから脱力し続けることができました。ユーベルコード【オペラツォン・マカブル】が発動し、その黒い槍は入口の方に現れた黒い薔薇の娘たちに降り注ぎ、増援の黒い薔薇の娘たちも次々に倒れていきます。そして、サラや他の猟兵も攻撃を再開します。
「あんたが愛姫か!」
一方で、死之宮・謡(狂魔王・f13193)は狂気をむき出しにして言いました、装具を展開し、戦う準備を整えていた彼女は少しだけ出遅れていましたが、増援の登場に笑っていました。これで、私も壊すことができると。
「でしたらなんですの?」
愛姫はそんな謡をみて柔らかく笑っています。強者の余裕、この世界の領主が全世界のオブリビオンの中で特に色濃く持つ特徴の一つです。
「んー、可愛い娘を囲いたいのはよく解るなぁ……まぁ、殺すんだけどねぇ?可愛い娘は好きだし話が合いそうなやつも珍しいけど……殺していいなら殺すよねぇ、やっぱり……愛でるより壊す方が好きなんだよねぇ……結局、如何繕ってもサァ」
謡はそんな愛姫の表情に動揺するはずもなく、ただ愛姫を壊すために【天燐血統装具(テンリンケットウソウグ)】によって展開し、呪詛と生命吸収を付与した血の大剣を薙ぎ払うようにおもいきり力を込めて振るいました。しかし、その攻撃はやはり愛姫には届きません。なぜなら、全て残った黒い薔薇の娘たちが高速移動によって間に割って入り、自身を盾にして受けたからです。たくさんの黒い薔薇の娘たちは怪力による大剣の二回攻撃と、そこから飛ばされた血の刃によって、地面に倒れ伏しました。
「まあ、ひどいわ。私の花たちをこんなにボロボロにするなんて……」
愛姫は笑顔のままでいいましたが、その笑顔の中には確かな怒りが見えました。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『愛姫』
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POW : サイレントローズ
見えない【 薔薇の蔓】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
SPD : 華踊
自身の装備武器を無数の【 薔薇】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 薔薇の報せ
【対象の周囲に薔薇の香りを漂わせることで】対象の攻撃を予想し、回避する。
イラスト:善治郎
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「満月・双葉」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
リリィ・ドラグヴァンディル
▶︎任務目標
敵性オブリビオンの撃破
戦闘レベル、ターゲット確認…敵をクラスSの脅威と判定、ドラグヴァンディル使用…武装のリミッターを解除します
▶︎使用UCと戦法
UC【DAT-X101《ドラグヴァンディル》出撃】により、私の器物である機体ドラグヴァンディルに搭乗し【攻撃力】を強化。
「全武装フルオープン、砲狙撃戦開始」
バリアフィールド【オーラ防御】を展開、肩部レールガン、右腕部ビームキャノン、左腕部ビームガトリングガン、腰部6連ミサイルを連携精密狙撃機能【援護射撃・スナイパー】にてロックオン、全武装フルバースト【一斉射撃】。
「…撃つ」
▶︎アドリブ、連携、歓迎
NGなし、えっちな描写、絡み、諸々遠慮なく
●愛とは私のために
「敵性オブリビオンの撃破。戦闘レベル、ターゲット確認…敵をクラスSの脅威と判定、ドラグヴァンディル使用…武装のリミッターを解除します」
リリィ・ドラグヴァンディル(紅百合・f15918)はなおも【DAT-X101《ドラグヴァンディル》出撃】を発動していました。彼女の力はさらに高まっていきます。
「まあまあ、そんなハイテク……? なもので私と戦うなんて、容赦がないのね」
愛姫はふふと笑うと、両手を広げます。まるでその攻撃を招き入れる様に。
「――全武装フルオープン、砲狙撃戦開始」
リリィは彼女の動作に心揺らぐこともなく、あくまでも冷静に、いつも通り、その武装を解き放ちます。肩部レールガン、右腕部ビームキャノン、左腕部ビームガトリングガン、腰部6連ミサイルを連携精密狙撃機能を使い、精度を上げて全武装のフルバースト。しかし、その瞬間。リリィの機体は狙うべき愛姫ではなく、上空を見ていました。
「……!?」
リリィは、その足を見えない何かに掬われてしまったのです。
「安定性、崩壊、斉射一時停止……」
「あらあら、どうしたの? 私はこっちよ?」
愛姫はやはり笑っていました。いくつか彼女のほうへ飛んでいったはずの弾は、彼女の目の前で見えない何かに阻まれていました。
「相手もバリアを……。そして、こちらのバリア機能も問題は無し、既に、何かに絡みつかれていた可能性大」
「あなた、堅苦しく生きてて楽しい? もっと楽しいことをしていきましょうよ。せっかくかわいい顔をしているんだから」
立ち上がろうとするリリィの目の前に、生身で愛姫は飛び込んでいました、あまりにも一瞬の移動。どうして……。リリィがまた冷静に嗜好を巡らせると、それはすぐにわかりました。彼女がただ近づいていたのではなく、自分もまた、彼女に見えない何かで引き寄せられていたのです。愛姫の手がリリィの頬を撫で、そして、見えない何かがリリィの体を這いずりました。これではほかの猟兵も迂闊に手を出せません。
「離しなさい」
リリィは愛姫を振り払おうとしましたが、彼女の手ももう思うように動きません、しかし、あくまでも愛姫の狙いは自分。それならば……。
「ねえ、アナタいいおもちゃ持ってるのね。私のコレクションにならない?」
愛姫の薔薇の香りの吐息がリリィの鼻にかかります。もちろん、こんな提案、聞けるはずもありません。
「離しなさいといいました。警告は終了です……撃つ」
リリィは無理やりにユーベルコード【フルバースト・マキシマム】を機体から全方向に、自分にぎりぎり当たらない角度で愛姫を撃たんと放ちました。少し、器物が傷ついてしまう可能性はありましたが、無理やり彼女を振り払う方法を考えれば、これが一番シンプルで、ベストだったのです。
「やあね、恐ろしい。痛いじゃない。」
愛姫はその斉射を受けながらリリィから離れていきましたが、まだ余裕で笑っているのでした。今だリリィは自由には動けませんでしたが、少なくとも愛姫の愛撫からは逃れられていました。
「私に愛されるのは幸せなのに、どうして皆、抵抗するのかしら」
愛姫は浮遊しながら考え込むようなしぐさを猟兵たちに見せつけます。
大成功
🔵🔵🔵
七那原・望
ひどいのはどちらですか。
こんなにボロボロになる原因を作ったくせに。
もうおしまいです。
この悪趣味な支配も、お前だけが楽しい日常も。
そして、お前自身も。
もう一度【愛唱・希望の果実】を【歌って】一緒に戦うみんなを強化します。
歌ってる姿で【誘惑】というか視線を奪えれば、よりみんなが戦いやすくなるとは思うのですけど、どうなのでしょうね……
その後は【第六感】と【野生の勘】を頼りに翼望・シンフォニアで魔法弾による【援護射撃】を行います。
どの道見切られるなら、当てようとは思いません。
他のみんなの攻撃を避けにくくするために嫌がらせの攻撃を続けるだけです。
可能なら他の猟兵と共闘します。
絡み、アドリブ等歓迎です。
ヴェルベット・ガーディアナ
そんなに大事な子達ならばもっときちんと守ってあげなよ。
ボクがシャルローザを大事にするみたいに、ね。
まぁ、ボクらとはそもそも価値観が違うんだろうけど…。
さっきボクのこと好みだ、みたいに言ったけれどシャルローザの方がこんなにも可愛いよ。
さぁ、シャルローザもう一度踊ろう。
ひらひらと踊る様に【フェイント】や【二回攻撃】を交えて攻撃。
花踊の攻撃からはシャルローザを抱え込んで【オーラ防御】
大丈夫、このくらい平気。
花踊の攻撃が終わって敵の気が緩んだ瞬間に
UC【輪廻へ導く光】
アドリブ連携歓迎です。
●守られるのは姫の嗜み。
「何が幸せですか。こんなに黒いバラの娘たちがボロボロになる原因を作って……」
「まあ、屁理屈ね」
「お互い様です。もうおしまいですよ。この悪趣味な支配も、お前だけが楽しい日常も。そして、お前自身も。」
七那原・望(封印されし果実・f04836)は叫びました。もう一度【愛唱・希望の果実】を歌い始め、共に戦う猟兵たちを強化します。それで少しでも、愛姫の強大な力に皆が届くようにと。可憐なる少女の歌声とその姿は、もちろん愛姫を魅了しました。
「子供の理屈。かわいいわ。大人なんて、たいてい自分の世界が幸せならそれでいいと思うものなのよ」
そんな大人……。望は子供らしく、気高い思想でその言葉を無視しました。
「私なりにお気に入りの子たちだったんだけど、アナタたちに奪われたのだから、代わりにあなたたちが私につくすべきよね?」
「そんなに大事な子達ならばもっときちんと守ってあげなよ。ボクがシャルローザを大事にするみたいに、ね。」
歌い出した望の代わりに愛姫の言葉にこたえたのはヴェルベット・ガーディアナ(人間の人形遣い・f02386)でした。かわいい人形のシャルローザは、彼女のために舞い踊ります。ヴェルベットは護身用精霊銃:アリアを持ち、シャルローザに続いて愛姫に特攻していきました。薔薇の香りを纏う愛姫は、そのフェイント交じりの二回攻撃を空をくるくる飛びながら回避します。
望も、援護するように歌ったまま魔法を放ち始めます。たとえすべてよけられてしまうとしても、いやがらせをするように望は攻撃をやめません。味方の邪魔はしないようにタイミングを計りながら魔法の弾をロッド、翼望・シンフォニアから撃ち出すのです。
「まあ、歌に乗せた光と踊りなんて、素敵な見世物ね」
愛姫はこたえる様に舞い踊り躱しながら拍手をしました。さらに、回避しながら近づいてくるヴェルベットに打撃攻撃を加え始めました。舞い踊るような手刀、舞い踊るような蹴り。それを相手の攻撃を回避しながら行うのです。
「っ……! 大丈夫、このくらい平気」
ヴェルベットは痛みを与えらればがら自分に言い聞かせるように言いました。共に踊り闘うシャルローザに微笑みながら言いました。オーラを纏い防御をするけれど、それはあくまで防御力を上げてくれるだけで、直撃を裂けるバリアにはなってはくれないけれど、シャルローザが彼女の心を支えてくれる。だから、ヴェルベットは痛みに怯みませんでした。
「せっかくユーベルコードを強化してくれてるんだから、こっちも使っていかないとね」
ヴェルベットは回転撃を放ちました。銃を持ち、その銃で殴りかかるように横回転して特攻。そしてその先にシャルローザを待機させて攻撃させ再びこちらに寄せ、もう一撃、それを回避されたら即座にそちらへ銃口をむける。
すると、発動する【輪廻に導く光(リンカネーション・フォトン)】により、空から更なる光の追撃が起こる……ユーベルコードを強化されている今、その光の降る速度はとても回避できるものではなくなっていました。
「届け……!」
「ひゃあっ!」
突然の上空からの光の一撃に、愛姫は地面に叩きつけられるように落ちました。
「……ふぅ、今のはまあまあ効いたわ」
愛姫はそれでも何とか着地して、余裕を見せました。その笑顔こそ、彼女の領主、淑女のプライドだったのです。歪んだ彼女が、彼女の愛する麗しの美女である猟兵たちを前に乱れるなんて、いけないことでしょう?
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
死之宮・謡
っと、親玉かな?…残念…あんまりタイプじゃないかな…まぁ殺害対象がタイプでも意味ないんだけどねぇ?…なんてね?好みの娘を破壊するのは大好きなんだよね?だから残念…
武器に「呪詛・生命吸収」自身に「怪力・見切り・オーラ防御」を掛けて「二回攻撃・傷口を抉る・鎧砕き」で攻撃、スレイヤーで意識外からの「暗殺」も狙っといてバラの花びらは「なぎ払い」で散らすかな…
ソレジャア【血脈回帰・鏖殺帝】発動…征クヨ…
●選民意識
「っと、親玉かな……? 残念……あんまりタイプじゃないかな。まぁ殺害対象がタイプでも意味ないんだけどねぇ?」
喚き叫ぶ黒き呪槍で貫こうと死之宮・謡(狂魔王・f13193)は地面に舞い降りた愛姫に急接近していました。
「まぁ、奇遇ね、私もあなたはあの子に似てて、好みじゃないわ」
愛姫に、謡の槍は届きませんでした。見えない何かに阻まれたのです。
「へえ、気が合うね。好みの娘を破壊するの、大好きなんだよね? だから残念……もっと好みの女なら思い切り壊してやるのにさあ!」
謡は【血脈回帰・鏖殺帝(ケツミャクカイキ・オウサツテイ)】を発動し、その見えない何かを振り払いました。彼女の最初の祖先、始祖吸血鬼に変身し、戦闘能力を爆発的に増大させたのです。
「まあ、本当に、あの子にそっくり」
あの子。それは境界の町にて獲物を奪い合っていたヴァンパイア。愛姫の目に謡はそのように映っていたのです。
「でも、あなたはあの子より素直ね」
愛姫はそう笑うと、謡がこちらに薙刀を突き立てようとした瞬間に、ある者を引き寄せてその攻撃を防ぎました。そう、自由を奪っていた、バリアを展開した猟兵、リリィです。
「チ……!」
謡はとっさに攻撃の軌道をずらし、リリィの器物に当たる前に地面へその薙刀を突き立てました。
「――すみません」
リリィは謝りました。
「イヤ、イイサ。今自由ニシテヤル」
謡はリリィの器物の周りの見えない何かを見切って薙ぎ払いました。
「感謝します」
「イイカラ援護射撃シナ」
「了解。援護します」
リリィは立ち上がり、スピンしながら愛姫から距離をとると、精密射撃機能を使って援護射撃を始めました。
「征クヨ……」
「あら、こわぁい♪」
愛姫は援護射撃を回避したり羽で防御し振り払いながら、謡の攻撃を対処しました。しかし謡の怪力はその防御を貫く勢いで振るわれ、愛姫の傷口を抉ります。
「はあ、少しは加減してほしいですわね」
「ナニ……っ!?」
しかし愛姫は呪わしい痛みに耐えながら、謡を抑え込むことに成功しました。器物の見えない何かを振り払われた分も、周囲にソレを張り巡らせ、蜘蛛の糸のようにじわじわと謡をからめとっていっていたのです。謡はもう少しでとどめというところで、うまく力が入らないように見えない蔓に力の作用する部分を拘束されきってしまっていました。
そして、寿命を削るというユーベルコードの性質上、吸血鬼の状態は長くは続けていられない。謡は愛姫を睨みながら、一度ユーベルコードを解除しました。
「好みじゃないといったけれど、今のあなたは素敵よ」
謡をリリィの射線との間に挟み、謡の頬を撫でながら、ボロボロの愛姫は優越感に浸るようにやはり、笑います。
大成功
🔵🔵🔵
サラ・カトレット
貴女の不埒な私欲のせいでどれだけの人が不幸になったか
考えた事、あります?
罪の無い人を傷つけ、無垢な乙女を拐かした罪は重いですよ
覚悟して下さい!
【WIZ】
囲ってなんてやられるものですか
貴女みたいな愛情と傲慢を履き違えた方なんて私、大っ嫌いですから
べーーっだ!
【属性攻撃】で氷を付与した【桜花爛漫】を展開
【マヒ攻撃】乗せた花弁を腕や足に貼り付け行動阻害を狙いつつ攻撃
薔薇の香は桜の香で上書きし
更に冷気で香を抑えます
蔦を警戒し【オーラ防御】は常に展開
視線や攻撃動作を【見切り】回避を
隙を見せたら接近
【全力魔法】で掌に花弁を集約
愛姫の頬を全力で張り飛ばします
我侭で身勝手なお姫様はお仕置きです
改心しなさい!
●愛は盲目
「……くそっ!」
「ふふふ……うっ!!!」
少し呆けた目で謡を撫でる愛姫を、突然衝撃がおそいました。
「……はは、助かる」
「……いえ」
謡は、愛姫の後ろのサラ・カトレット(夢見る乙女・f06458)に礼を言いました。彼女の握る花弁には、麻痺の力が宿っていたのです。
「な、く、うぅ……」
愛姫は地面に倒れ痙攣します。これ幸いと、今度はリリィが謡を縛る蔓を千切るように銃を撃ちました。そして、空から着地し、傍に来ていたヴェルベットも、それを手伝います。望の歌は、まだ続いています。サラは地面に転がる愛姫の背中に左手を当てて言います。
「貴女の不埒な私欲のせいでどれだけの人が不幸になったか考えた事、あります?」
「は、はは、何それ。あるわけ、ない、じゃ……貴方も、あの子たちも、選ぶ側の、私に、選ばれて囲われているのが、幸せなんだから……」
愛姫はかすれた声で言いました。その笑顔は、麻痺による痙攣か、ここで倒しても蘇る存在である彼女の余裕なのか……。
「囲ってなんてやられるものですか貴女みたいな愛情と傲慢を履き違えた方なんて私、大っ嫌いですから!!!! べーーっだ!」
サラは右手の人差し指を目元にあてて、舌を出し、愛姫を挑発すると、真剣な顔に戻ってその右手を既に愛姫の背中に置いたもう片方の手に重ねた。
「罪の無い人を傷つけ、無垢な乙女を拐かした罪は重いですよ。覚悟して下さい! エヴァンジル!」
彼女が重ね合わせた手と、愛姫の隙間に収まるように、精霊が杖となり収まると、零距離から放たれる【桜花爛漫(オウカランマン)】。
愛姫の薔薇の香りを包み込み、かき消すように、桜の花びらとなっていくエヴァンジルが愛姫の体を埋め尽くしました。そして、やがてその花がふわりと飛び散った時、愛姫は消滅し、そこにはもう、何もありませんでした。ただ、風に溶ける様に、
「ああ、綺麗ね……」
という愛姫の声が猟兵たちには聞こえました。最後まで、のんきで自分勝手な彼女らしい言葉でした。
●帰路
囚われの少女たちは、城の中にあるたくさんの部屋の飼われていました。全てを失った彼女たちは、最初猟兵たちの手を取るのをためらい、そして、村に帰っても身寄りのもうない少女たちはこの歪んでいても、自分たちにとって優しかった牢獄から出ることを拒否しようとまでしたりもしました。
「すみません。彼女たちも、きっといずれ、私達や町のもので説得しますから」
ここに捕まって長く、歳が行き少しずつ愛姫にぞんざいに扱われ出していたものを中心に、猟兵たちにそういって、今はとにかく、今すぐ村に帰りたいものを中心にして、その人たちだけでも連れて帰ることにしました。愛姫はもういませんが、この問題は一朝一夕でどうにかなる認識の歪みではなさそうなので、今はそうするしかなかったのです。愛姫が村に残していた爪痕は、思ったより大きなものになっていましたが、いつか、この問題が解決することを願いながら、多くの少女達と猟兵の面々は村へとたどり着きました。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『見送る鈴花』
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POW : 墓の整備などを手伝う。
SPD : 無数の花で花環や花束を作る。
WIZ : 弔うひとに静かに寄り添う。
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●痕
村は愛姫と、もう一人による狩りの後。多くの死体がまだむき出しで残され、村人たちは疲弊しながらその亡骸を運んでいました。
猟兵たちが、自分たちが領主を倒したことを告げると、村の人々は大変喜びました。虚ろになった目に、多くの者が光を取り戻していきました。
「本当にありがとうございました。私たちも、家族や親せき、親しい共に出会うことができました、何人かは失ってしまいましたが、皆様のおかげで私たちはまたこの村に暮らし、そして、家族や友人を弔うことができます」
何人かの女性が、このように猟兵たちに御礼を言いに来ました。
「あの場所は優しいけれど、後ろめたくもありました。どうして私だけが家族の中で生き残って子のように飼われているのかと、申し訳なくなることもありました」
「愛姫にとって美しくなくなれば彼女の配下の黒いバラの娘に変えられてしまうことに怯えていました」
「けれど、アナタたちのおかげで私たちは大切な人を弔い、寄り添い、また生きていると実感しながら生きていくことができます」
「正直、村の惨状を見てすぐに前を向くのは難しいけれど……本当にありがとうございました」
そう、愛姫に囲われていた娘たちは口々に言いました。その表情は確かに、安心と、不安、その二つの間に揺れる表情でしたが、彼女たちの生きていく意思は、きっと、猟兵に届いたことでしょう。
村は亡骸の片づけや墓の整備をする村人たち、そして、愛姫の城からとってきた備蓄の集配をする娘や、城からとってきた薔薇の花や、そのあたりの野花で花束を作る娘たちがいます。よろしければ、少しだけ手伝っていきませんか? 娘たちや、村人たちが再び歩み寄ったり、これから生きていく背中を、そっと押してあげる様に……。
リリィ・ドラグヴァンディル
▶︎任務目標
亡骸を片付け、墓の整備を手伝います。
私は兵器、何ら感情を動かす事なく効率的に作業をこなせますから。
▶︎作業
「ヤドリガミとなりこの肉体を手に入れたのは本当に幸運でしたね、こう言った作業…実に行い易いです」
ドラグヴァンディルでは器用な作業は難しい為、肉体である少女の姿で作業します。
「大変な作業や面倒は全て私にお任せください。私は兵器、皆さまのお役に立てれば嬉しいのです」
顔色一つ変えず、淡々と淡々と、静かに皆様に寄り添いお助けしてゆきましょう
「せめて冥福がありますように…」
▶︎アドリブ、連携、歓迎
NGなし、えっちな描写、絡み、諸々遠慮なく
服装は黒のゴスロリワンピ、白レースのショーツ
●私はヘイキだから。
「まあまあ、こんなに小さな子なのに、手伝ってくれてるのね」
墓を整備する一人の娘が、リリィ・ドラグヴァンディル(紅百合・f15918)の存在に気づいて声をかけてきました。
「はい。私は兵器。なんら感情を動かすことなく効率的に作業をこなせますから」
リリィは心配そうに話しかけてきた娘にきっぱりとそういうと、作業を続けます。重い重い墓石も、リリィならへっちゃらです。
「“平気”だなんて……。そう、あなたはとても、強いのね」
娘はヘイキを違う意味で受け取ったらしい。無理もない、この世界にもヤドリガミはいるかもしれないが、あまり見られるものではないし、それに少なくとも兵器なんて呼ばれるものは、ダークセイヴァーのたいていの場所ではオーパーツとも呼べる存在である可能性は否めないのですから。
「はい、兵器ですから」
リリィはもう一度そういって作業をつづけ、娘もただ見守ることにしました。
兵器、ドラグヴァンディルだったリリィがヤドリガミになって良かったと思う瞬間はいくらかありましたが、今回もそうでした。リリィは人間の姿になることで、ただのドラグヴァンディルだった時には出来なかったこういう細かい作業ができるからです。リリィは少女の姿でいることで、人の指を起用に使うことができます。ですから、花を編むことも、墓に字を掘る手伝いだって今の彼女にはできるのです。
「大変な作業や面倒は全て私にお任せください。私は兵器、皆さまのお役に立てれば嬉しいのです」
平気、平気と言いながら淡々と静かに、村人たちの傷跡にただ寄り添うように作業をこなすリリィに、人々は活力をもらいました。だって、こんなに小さい子ががんばっているのですもの。
「――それ、重たそうですね、私もお手伝いします。大丈夫です、私は兵器ですから」
リリィは何度もそうやって、様々な村人にやさしい言葉をかけました。声は淡々としていても、むしろそれが人々にとっては心地いいと感じられるようになっていました。リリィは墓を一つ整備するたびに、手と手をあわせて指を組んで祈りをささげるように呟きます。
「せめて冥福がありますように」
――と。リリィは村人たちの間で、ひそかに『ヘイキの聖女』と呼ばれていました。
大成功
🔵🔵🔵
ヴェルベット・ガーディアナ
【祈り】と【優しさ】をこめて
ボクの【生まれながらの光】では心は癒せないから。ただ寄り添って痛みを分かち合うくらいしかできないんだ…。
話ならいくらでも聞くし体の傷ならUCで癒してあげる。
だから、今は無理でも。またみんなが笑えるようになれたらいいな。
戯言だと思ってくれていいよ。
けれどボクは、ボク達はそのために戦っていくから。
アドリブ連携歓迎。
●魔法でも癒せないもの。
壊れた心を少しだけ修復することなら、ユーベルコードでもできるかもしれません。たとえば、人からケモノへと落ちたものを人に戻す本当に最低限の処置であったりしたならば。そんな奇跡を起こすために存在するのがユーベルコードだからです。
けれど、それは決して万能の力ではありません。心の小さな傷の蓄積は、忘れさせてあげることでしか消してあげられないのです。そんな方法をとれるはずもなく、ヴェルベット・ガーディアナ(愛しい君と踊る・f02386)はただ、体の痛みだけでも消えて、これ以上心の痛みが増えないようにと祈りながら、傷ついた人々を【生まれながらの光】でやさしく包み込みました。
「ありがとうございます、聖者様!」
何人ものの人がそうやって彼女にお礼を言いました。聖者の癒しの力があれば、その部位が残ってさえいれば離れた指をくっつけることも、折れた骨を修復することも可能なのですから。
「今日の被害はどれくらいだったのかな」
「はい、聖者様。本日は領主……いえ、元領主の好む女性が彼女の視界に入らないように配慮できていましたので、少し暴れた程度で……いつもより被害は少なかったです」
村の情勢に詳しそうなものに聞けば、彼は少し穏やかな表情で答えました。人々がこうして安心して治療を受けられるのは、どうせまたすぐに傷ができるから意味がないと思わずに済むのは、この先も少なくともしばらくはこの村が領主の暴虐に苦しむことはないからなのです。
「そう……なら、体力的にも大丈夫だと思うし、まだ傷ついている人がいたら連れてきてもらうか、そちらへ案内してくれないかな」
「かしこまりました」
聖者が光で人を癒すには体力が必要。少しでも効率よく多くの人を治療できるようにヴェルベットはその村の情勢に詳しい男とともに、被害を受けたもののもとへ赴き、その周辺に他の被災者を集めたりして、ギリギリまで光を注ぎました。
夜になり、街にひそやかに明かりがともり始めました。領主がいなくなったからと言って、すぐに元の生活に戻れるわけではないけれど、少しでも早く、この村の多くの人がまた笑って過ごせるようにと願いながら、ヴェルベットは村を後にしました。
そして、より多くの人が笑いあえるこの世界に戻れるようにと、これからも猟兵として戦い続けていくことを改めて胸に刻みました。
大成功
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サラ・カトレット
【WIZ】
弔っている方の傍へ
【優しさ】で【鼓舞】し、心の負担を和らげる事が出来れば
疲労や怪我を負っていれば【癒しの祝福】で治療を
『これくらいの事しか私には出来ませんが
お祈りを捧げても宜しいでしょうか?
墓前にお花を添えて【祈り】を
『悲劇を減らす為に、私も…全力で戦います
皆さんもどうか、希望を捨てないでください
…そうだわ
『皆さんが集めて下さったお花で村を飾るのは如何かしら?
皆で協力して、目一杯綺麗にするの
そして亡くなった方に見せてあげるんです、自分達の村は
こんなに綺麗で活気に溢れているって!
こんな時に…ではなくこんな時だからこそ
協力して、笑いあいましょう
少しでも希望を胸に宿すために
※アドリブ歓迎
●華やかに飾れ。愛の花。
もう一人の聖者。サラ・カトレット(夢見る乙女・f06458)も村で治療を行っていました。彼女の持つ精霊。エヴァンジルが人々の頭をなでると、サラの体力と引き換えに、傷はたちまちふさがったり、あとは少し残るけれど出血が止まったりと、人々は痛みで心が苦しむことからは解放されていきました。彼女は鼓舞で前に進む力を与えられるものには鼓舞を、それではただ追いつめられるだけの人にはただやさしく微笑みながら治療しました。
「本当に、ありがとうございます、聖者様」
「いいえ、これくらいの事しか私にはできませんから……」
墓を管理する修道女が、代表するようにお礼を言いました。サラは頑張りましたが、やはりまだうまく割り切れない思いから、誰もがお礼を言う余裕を心に持っているわけではなかったので、彼女がサラについて回って治療を手伝いながら何度もお礼を言ったのです。
「心の傷の方は、深刻ですね、やはり」
猟兵たちは事が終わるまでこの村を訪ねることがありませんでしたが、訪れた時の状況は中々にひどいものでした。ヒステリーを起こした女性が散らかしたリビングルームのように、屋根が割れ、人々が散乱していました。
「ええ、ですけれど、あなたたちが娘とともに持って帰ってくれた物資や、花によってきっといくらかの平穏を得られるでしょう」
「……ええ、そう願います。私も墓標に祈りをささげても宜しいでしょうか?」
「ええ、もちろん」
サラはしばらく人々をいやした後、修道女の案内でお墓に向かいました。墓は様々な花で飾られています。猟兵も手伝ったのか、とても手際よく、村の墓は整備されていました。サラは両手を重ねて、そっと祈りを捧げます。その姿をみた村人たちは、彼女のもとへ集まってきました。
「本当にありがとうございました。また娘と暮らせるのはあなたのおかげです。ツレはいなくなりましたが、2人で頑張っていきます」
など、サラの周りに集まった人々は、修道女がしたように彼女に直接、次ぐ次にお礼の言葉を述べました。
「ええ、希望を捨てずに頑張ってください」
サラは人々の言葉にうなづきながら何度も何度も希望を捨てないでと言いました。
そして、サラの提案で村も、墓標と同じように花で飾ろうということになりました。亡くなった人々に、この村がこれから少しずつ活気を取り戻していくよう頑張るという姿を見せるように。しかし、領主が去ったとはいえ、まだまだこの世界、手放しで喜ぶことはできません。盛大にとはいきませんでしたが、村の人々は様々な花の飾りを、それぞれの家にささやかながら飾っていきました。美しい花々で、建物の傷や穴を隠すように。子供たちを中心に、まだ少しぎこちなくも人々は笑ってその作業を行いました。いつかきっと、もっとずっと笑える時が来る。そう願いながら、空が夕焼けに染まるまで、その作業は行われました。
大成功
🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2019年04月03日
宿敵
『愛姫』
を撃破!
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