●
ねぇねぇ知ってる?あの最近噂の、そう、『亡霊甲冑』。誰もいない旧校舎の廊下を誰かが歩いているっていうね。それでさこの前友達の友達の近所の子が旧校舎に入ったら天井がみしみし音が鳴ったんだって。まるで誰かが歩いているみたいに。それでその子二階に上がって確かめたんだけど誰もいなくて。暗くて怖くてすぐに戻ろうとしたらそこには
●
「そこには覗き込むように立つ、甲冑を着こんだ男の姿が……!」
ディル・ウェッジウイッターがお決まりのオチを乗せて怪談を終えたが、猟兵の反応はイマイチだった。
空気を察し、自分の語り部としての才能の無さを内心認めながら、ディルはお茶を淹れて次の言葉を紡ぐ。
「何も怪談をするためだけにここに皆さんを集めたわけではありません。これは字事件の導入ですから」
怪談の元となっているのは某市にある小学校。
そこは二つの校舎があり、一つは鉄筋コンクリートで作られた今時の校舎には小学生たちが通っている。
そしてもう一つ、同じ敷地内にある旧校舎。年季が入った二階建ての木製校舎は至る所に痛みが入っており今は立ち入り禁止だ。
そんな旧校舎に最近噂が立っていた。
「『夕暮れ時、旧校舎の廊下に誰かが歩いている影が見える』『女の子の泣く声が聞こえる』『旧校舎に入った人瞬間失神した人がいた』『振り向いたら甲冑が立っていた』『正体は御姫様を守るために死んでしまった亡霊』――等、旧校舎に纏わる噂は遂に『亡霊甲冑』という個体名を得てしまいました」
この亡霊甲冑を確かめようと学生たち、または部外者が旧校舎に侵入を試みるようになってしまっている。
普通ならばとるに足らないよくある姿も形も概念もない都市伝説。
だが、ディルはこれは地縛霊化したオブリビオンであると予知していた。
「件の亡霊甲冑がそのままオブリビオンであるかは分かりませんが、関係があるようです。
お分かりかと思いますが、皆さんにはこの亡霊甲冑並びに地縛霊化したオブリビオンの討伐をお願いしたい……のですが、実は肝試しに入っている子供たちが何組かいるようです。
オブリビオンに接触する前に、まずは彼らを旧校舎から避難させてあげてください」
入っていくのを見たから外に連れ戻す大人を演じるか、はたまた噂に乗じて驚かせて外に出すか……彼らを避難させる方法は色々だろう。
あらかたの説明を終えたディルは最後にと戦闘について注意を促す。
「戦場になるであろう旧校舎は老朽化が進んでおり、壁が崩れたり床が抜けたりする可能性があります。特に二階の方はかなり酷い様で……戦闘の際は一考お願いします」
遭去
●
遭去です。肝試しって怖くない?いや怖くない肝試しがあっても困るが……
●1章
オブリビオンと戦う前に噂を聞きつけ肝試しに来た一般人を旧校舎の外に避難(連れ出して)ください。
世界結界の関係でオブリビオンが出ると言っても正しく認識されない可能性があるので別の方法で外に誘導しましょう。
●2章
姿を現したオブリビオンとの戦いです。
校舎は戦闘する際には床にご注意を。
●旧校舎
二階木造建ての校舎。引っ越しの際に全部の備品道具を持ち出さなかったようで所々物が残っています。
老朽化が激しく、特に二階の床は激しい動きをすると踏み抜きそうな程脆くなっています。戦闘の時にはそこもご留意ください。
第1章 日常
『肝試しをしよう』
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POW : 度胸で恐怖を跳ね除ける、大声や迫力で驚かす
SPD : 脅かされそうなポイントを予測する、小道具を使って驚かす
WIZ : オカルト知識で恐怖に勝つ、凝った演技で驚かす
イラスト:十姉妹
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
押宮・ルイ
「と言われて来てみたはいいものの……俺も肝試ししに来た一人みたいなもんだしなぁ……そうだ閃いたぜ! 騒ぎまくりゃ悪霊退散もするしガキ共も音につられて寄ってくるだろ!パーリーピーポーよパーリーピーポー!」
ニヤリといたずらっぽく笑みを浮かべてボロボロの校舎で一人横揺れダンスで騒ぎ立てる
※ちなみにルイのイメージは白髪で女性のような顔立ちで背は低い方です。
そしてメタ発言をたまにするという感じなので、初心者だからなんも分かんねぇわみたいなメタ発言を追加してくれると助かります。
●
「と言われて来てみたはいいものの……俺も肝試ししに来た一人みたいなもんだしなぁ……」
夕暮れ時の旧校舎にて少女、もとい押宮・ルイ(人間の黒騎士・f46253)はここに来る小学生たちをどう追い払うかを考えていた。急がなければ小学生たちが来てしまう。しかし、案が……。
その時、ルイの頭に案が降り立った。
「騒ぎまくりゃ悪霊退散もするしガキ共も音につられて寄ってくるだろ! パーリーピーポーよパーリーピーポー!」
『な、なんか聞こえない……?』
夜の旧校舎に肝試しへ来た小学生グループを迎えたのは怪奇現象だった。
昇降口を入ってすぐの天井、構造的に二階教室前の廊下からみしみしと音が鳴っている。
『あれじゃない。噂の廊下を歩く亡霊甲冑!!』
『えっ、ね、ねぇ、か、帰らない?』
『なんだよユウキ、ビビってんのかよ~! しゃーねぇ、ビビりのユウキは置いていって俺たちだけで行こうぜ!』
『ビビってなんかない……待って!』
男子を先頭に二階へと向かう小学生たちの足取りは一段、一段上がるごとにどんどんと重くなり。
『お、おいユウキ先に行けよ』
『ぼ、ぼく?』
『一番最初に入るのは名誉あるらしいし、ここはその名誉譲ってやるから……ほら!』
少年に押されてユウキは二階へと足を踏み入れる。
ユウキを出迎えたのは一階と変わらない空気。違うと言えば少しばかし床の色が黒い事だろうか。
そして先ほどの音が鳴っていたのは足を踏み入れて直ぐ左廊下。先ほどの音はそこからなっていた。
『――っ……』
ユウキは意を決して懐中電灯を向ける。
何も、いない。
そういえば二階に入ってから音がしなくなっていたのを、ユウキは今更ながらに気付いた。
『ご苦労、切り込み隊長!』
安全が確保されたのを確認したのか後ろから少年たちが追いかけてくる。
『んじゃ隊長は俺に交代な。行くぜ』
バン!
|誰かが《・・・》隣の教室の窓を叩いた。
バンバンバンバンバンバンバン――
一定のリズムを刻みながら叩く音は段々教室の入り口へと近づいてくる。
バン!
教室の扉が開いた。
教室から白髪の女が這いつくばる様に姿を現し、黒い瞳で小学生たちを見つめ、そして、
にぃ。
わらった。
『で、でたああああああああああ!!』
小学生たちは声にならない悲鳴を上げた。
●
誰も居なくなった廊下。白髪の女は旧校舎の外をじぃっと見やると、笑う。
「はっはっはぁー! いい悲鳴だったな~」
白髪の女、もといルイは快活に笑って作戦の成功を一人祝福する。
上で踊る音で子供たちを返す予定だったが、小学生たちが二階に上がってきたため急遽アドリブで驚かせてみたが、ルイの風貌も相まって効果覿面だった。
「さぁて、後は亡霊甲冑だっけか。こんだけ騒げば出るだろ。事前に考えていたのと違う動きしてるんだしな!」
ちょっと違う次元に話しかけながらもルイは武器をいつでも展開できるように警戒しながら校舎を回る。
この旧校舎の先住者たる亡霊甲冑に会うために。
大成功
🔵🔵🔵
儀水・芽亜
ネット配信の時代になっても、こういう古典的な冒険は健在なんですね。あるいは、肝試しの様子を配信するつもりかもしれませんが。
組分けするほどの人数で肝試しとは、誰か企画屋さんがいるのかも? とりあえず、確保出来るところから確保しましょう。
この木造旧校舎は長らく立入禁止だったんですよね。それなら、懐中電灯で床を照らせば、足跡が見えるはず。その中で児童の集団の足跡らしきものを辿って進みます。
移動中は「地形耐性」「足場習熟」で、床を踏み抜かないよう。
児童を見つけたら「コミュ力」で話しかけ、アカペラで「眠りの淵に吹く南風」を「歌唱」してこちらへ来てもらいます。皆さん、いけないことの時間はお仕舞いですよ。
●
インターネットで世界が繋がり、遠くの情報が一瞬で届くこの時勢。
それでも変わらない物はある。
「ネット配信の時代になっても、こういう古典的な冒険は健在なんですね。あるいは、肝試しの様子を配信するつもりかもしれませんが」
儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)おもむろに懐中電灯で床へと向ける。
照らされた床には長い年月人が訪れなかったことを語る厚く積もる埃。
だがその均一に積もっていたであろう埃を踏み抜いた、昇降口から廊下へと伸びる靴跡が来訪者が居たことを雄弁と語っていた。
(「足跡は7,8人……跡の移動先をみるにグループは数組……誰か企画屋さんがいるのかも?」)
靴の跡は複数方向に伸びている。突発的な友人知人の肝試しならば一方向だけに進むだろうが、複数あるという事は誰かが行先を指示していた可能性がある。
「……まずは生徒たちの安全確保ですね」
懐中電灯の明かりに気付いた生徒が隠れられる可能性もあるため、懐中電灯を消して芽亜は移動を開始。床を踏み抜かない様に慎重に移動していく。
きしきし。みしり。
猫のように静かに歩いてなお悲鳴を上げる旧校舎の床。
かつては多くの児童が行き交い、走っても悲鳴一つなかったであろうに、芽亜の歩みにも耐えられないのが建物としての寿命を示している様だった。
ほんの少しのノスタルジーを感じながら2階へ移動した時、芽亜の視界に灯りが目に入った。
(「いましたね」)
壁に背を預け様子を伺う。声の数からしてどうやら3人グループの様だ。
芽亜は彼女たちの驚かせない様に、ゆっくり前に出て努めて平静に声をかけた。
「あなた達、少し良いですか?」
『ひっ!?』
体を強張らせ小さく悲鳴を上げる小学生たちがパニックになる前に、芽亜は次の言葉を零す。
『――〽雪は解け 草木は緑を取り戻す 咲く花をそっと震わせて 吹け 南の風!』
歌の終わりと共に校舎の中に風が吹いた。
それはこの校舎の雰囲気に似つかわしくない、春うららに優しく吹く風が。
『……おねぇさん歌上手だね』
ぱちぱち。芽亜の歌に小学生は自然に賞賛の拍手を送った。
「ありがとうございます。ですが皆さん、いけないことの時間はお仕舞いですよ」
『帰りたくないけど……』
『でも怖かったし、良いんじゃない?』
先ほどまで不安そうな顔をしていた小学生たちの顔がいくらか明るくなっていた。温かい感情に触れて緊張がほぐれたのだろう。
『お姉さん、実は他にも何人か一緒に肝試ししてるの……』
「分かりました。ではみんなと一緒に還りましょうね」
芽亜は不安そうな小学生たちと手を繋いで校内にいる彼女たちの友人を探し始めた。
数十分後、複数の子供たちは無事に旧校舎の入り口から脱出したのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『殺人ビスクドール『異人さん』』
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POW : もっと優しく触れて欲しかった
全身を【禍々しいオーラ】で覆い、自身が敵から受けた【敵意】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : 髪を乱暴に引っ張らないで
【帽子から怨念と呪詛】を宿した【魔剣】を射出する。[魔剣]は合計レベル回まで、加速・減速・軌道変更する。
WIZ : どうして帰ってきてくれないの
状態異常や行動制限を受けると自動的に【小さな甲冑騎士の人形による防御】が発動し、その効果を反射する。
イラスト:ゆりちかお
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠イサナ・ノーマンズランド」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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猟兵達の活躍により肝試しを行おうと旧校舎に侵入していた子供たちは無事に見つけ出し、帰宅させることができた。
これでこれから起こるであろう戦いへの憂いは取り除かれた。
――コッ、コッ、コッ、コッ……
突如天井――二階廊下の方から音が聞こえた。
規則正しく刻まれたそれは風や自然現象では到底解決ができない、足音だ。
その音を聞き届けた猟兵は互いの顔を見やり、二階へと向かう。
猟兵達は階段を上ると、音が鳴った方の廊下へゆっくりと懐中電灯を向けた。
だがそこには誰もおらず、何もない。ただ朽ちかけた廊下が奥へと延びるだけだ。
一人の猟兵が警戒しながら反対側の廊下へと灯りを向けた。
その先に、
――どうして
ビスクドールが|座って《・・・》いた。
先ほどまでは何も無かったはずの廊下に、突如として現れた人形へ猟兵は警戒を強める。
そんな猟兵の機微を知らずに先ほどから響く声はどんどんと大きくなっていく。
――どうして私を置いていったの
人形が立ち上がり、自身に積もった埃と共に宙を舞った。
――もっともっと遊んでほしかったのに
――もっともっと優しく触れて欲しかったのに
――どうして帰ってきてくれないの
声が発せられる毎に宿る感情。
それに比例するように空気が重く、禍々しい物になっていく。
――愛してくれないなら
――|愛してあげる《殺してあげる》
|愛《哀》を孕んだ想いに応える様に、『殺人ビスクドール『異人さん』』の背後に甲冑が浮かび上がった。
儀水・芽亜
オブリビオンの正体はこれですか。確かに地縛霊タイプですね。
人形遊びに興じていた少女も、やがては大人になってそこから卒業していきます。あなたは、元の持ち主からその子供に受け継がれずに、骸の海に沈んだのですね。ならば、あなたを想う人はもういません。現世への未練、この『Gemeinde』で裁ち切ってあげましょう。
哀れみの感情をもって、目覚めの時間でビスクドールを切り裂き、その自己強化を消去します。
無駄にあがかず、せめて綺麗に終わってください。
強化を解除したら、裁断鋏でその身体を「切断」し「部位破壊」していきます。
あなたはどうやら、私とは相性が悪いようですね。次はどこを切り落とされたいですか?
●
「オブリビオンの正体はこれですか。確かに地縛霊タイプですね」
おそらくオブリビオンになる前はどこかの少女に遊ばれていたであろうビスクドール。だが時の流れに置いてかれ、今や誰も居ない校舎で相手を求めて彷徨うのみ。
「放っておけません」
儀水・芽亜はビスクドールへ一刀の軍刀を手にビスクドールへと肉薄。
した瞬間、芽亜の目の前には一刀の魔剣の切っ先が眼前に迫る!
「っ」
寸前で回避し、距離を取りながら体勢を整えてビスクドールに向き合えば――人形は只涙するだけ。
『もっと優しく触れて欲しかった』
『もっと愛してほしかった』
『どうしてあの子はここにいないの? 私はここよ。早く迎えに来て……』
悲壮に溢れた言葉とは裏腹に全身が禍々しいオーラで覆われていく。
誰から向けられる敵意と自信の悲しみを薪にして、ビスクドールは新たな憎悪を燃やしていく。
「……あなたは、元の持ち主からその子供に受け継がれずに、骸の海に沈んだのですね。ならば、あなたを想う人はもういません。現世への未練、この『Gemeinde』で裁ち切ってあげましょう」
芽亜は二刀の軍刀を一つに重ね合わせ、華麗な護拳がついた一本の鋏『Gemeinde』へと合体させると、再びビスクドールとの距離を詰めていけば、接近を拒むように再び魔剣が投擲されるもそれらは一本一本、確実に避けていく。
攻撃を避ける芽亜の胸中に溢れていたのはは哀れみだった。
もしビスクドールが少女に愛されていなかったら、人形が過去を割り切る事ができたなら、人形を受け継ぐ新たな出会いがあったなら――。
無数の可能性の中から突きつけられたのは『愛を知ったうえで見捨てられてオブリビオンになる』という一つの結末。
過程も、結末も変えられない。そんな自分ができるのは、終わらせる事。
(「せめてその悲しみが長引かない様に」)
祈りを込めた裁断鋏『Gemeinde』の刃が、ビスクドールの体を挟み込む。
「夢も悪夢ももうお仕舞い。本当のあなたに戻りましょう」
刃と刃が合わさる鋭利な音。
「無駄にあがかず、せめて綺麗に終わってください」
鋏の刃が再び離れた時、人形の覆っていた禍々しいオーラが消え去るのと人形の腕が音を立てて落ちるのはほぼ同時であった。
大成功
🔵🔵🔵
谷保・まどか(サポート)
怪奇人間の魔獣解体士×バーバリアンです
普段の口調は 人として生まれたもの(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
興奮したり気を抜くと 蛮族育ちの改造体(オレ、お前、だ、だな、だろう、なのか?)
普段は大人しく丁寧かつやや弱気な優等生少女ですが、興奮が強まってくると荒々しく狂暴な性格が出てしまいます
戦闘スタイルは蛮族式肉弾戦と自身の肉体を変容させて異形化しての戦い方を併用します
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません
あとはお任せ。よろしくおねがいします!
●
優等生然の谷保・まどか(バルバロス委員長・f34934)が立ち入り禁止の旧校舎に足を踏み入れた。
「いました、彼女ですね」
旧校舎二階。まどかの目の前には一体の人形が泣いていた。
先の猟兵の攻撃で殺人ビスクドール『異人さん』の手と共に禍々しいオーラは落とされたが、それでも彼女の恨み悲しみの全ては晴らせず。
『お願い、髪を引っ張らないで……!』
ビスクドールの帽子の花から花粉じみた紫の粉が零れると、瞬く間に剣へと姿を変え、猟兵へ向かい襲い掛かる!
「わわ、あれは……噂に聞いていた魔剣ですね!」
まどかの声に緊張が走る。
この攻撃はこの旧校舎に出るとされた『亡霊甲冑』の特徴に上げられていた。
「落ち着いて、対処すれば……えいっ!」
まどかが自身と同化した肉裂きの牙を振るい魔剣を払えば、大半の魔剣はそのまま叩き落とされる。
数本が軌道を変えて彼女の小麦色の肌に食い込まんと襲い掛かってきたが、
「はっ!!」
もう片方の腕で一本を掴み、振るい抜けば今度こそ剣を無力化。
まどかはそして油断すれば踏み抜くほど老朽化した旧校舎の床の無事な所を瞬時に判断、床とそして壁を走ってビスクドールの元へ駆け寄り、
「さっきの礼だ、貰っときな!」
獰猛な気配を隠さずに肉裂きの牙の一撃をビスクドールへと見舞うのだった。
成功
🔵🔵🔴
山梨・玄信(サポート)
ドワーフの破戒僧×シーフ、男
普段の口調は「おっさん(わし、お主、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?
戦闘では気の放出による範囲攻撃と、拳での2回攻撃を好んで使用。技能の攻撃で牽制してから、UCでとどめを刺すスタイルです。
防御は見切りと第六感による回避と、オーラ防御と激痛耐性による受けを行います。
事件解決には、地道な聞き込みや正面からの説得を好んで行います。逆に搦め手は苦手です。
ネタやギャグではお好きな様に動かしてください。容赦なく酷い目に遭わせても構いません。
色恋沙汰とお色気には無関心。リア充は爆破します(RB団員)が過激な事はしません。
アドリブ、絡み歓迎です。
●
『どうしてどうしてなのぉ……!』
旧校舎二階廊下に響くビスクドールの慟哭が空間の静寂を引き裂くのと同時に、彼女の周りに禍々しいオーラが復活。禍々しいオーラを纏った魔剣が再び襲い掛かる!!
「ふむ、なるほど、随分小回りが利くようじゃのぅ……ならば!」
山梨・玄信(3-Eの迷宮主・f06912)は先ほどの猟兵の動きを思い出しつつ、自身の身長の2倍の巨人を召喚。
「とぅ!」
玄信が右腕を振るうのに連動して巨人も右腕を振るい魔剣を撃ち落とす!
廊下は脆く、普通に歩いていても踏み抜いてしまうだろう。
だが玄信と巨人は破戒僧の鍛え抜かれた一撃で剣を落としながらも、シーフの静かな足さばきをもってビスクドールへと近づいて行く。
「異人さんといったか、こんなとこに一人でいたのならば随分寂しかろう。じゃがその感情を外に向け人々に害をなそうというのならば、わしはお主を止める!」
どうかもう穏やかに。
玄信の願いが込められた|一撃《祈り》が、人形の芯を捉えた。
成功
🔵🔵🔴
諏訪野・啓太郎(サポート)
『唯のろくでなしの旅烏ですよ。』
スペースノイドのスターライダー×電脳魔術士、34歳の男です。
普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、負傷した仲間には「元気に(俺、~くん、~さん、だね、だよ、~かい?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
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――唯のろくでなしの旅烏ですよ。
そうぼやく諏訪野・啓太郎(さすらいのライダー・f20403)が足を踏み入れたのは旧校舎の二階だった。
目の前には泣き崩れるビスクドール。
『……もっと優しく触れて欲しかった』
禍々しいオーラに覆われた人形の周囲に瞬く間に魔剣が現れるとそのまま啓太郎目掛けて射出された。
「随分器用な芸当ができる人形だ」
軋む足場を気にしながら迫りくる魔剣を避け、あるいはサイコキャノンで打ち抜いていく。
「キリがないか。なら」
足場が悪い中あまりにも膨大な数の魔剣全てを一つ一つこなしていたら押し負ける。
そう判断した啓太郎は電防ゴーグルを装着し宇宙バイクに跨り、エンジンを吹かす。
「床を走り抜くのは難しい、だが壁なら……!」
壁を走るのに必要な速度を計算し、アクセルハンドルを回す。
あっという間にトップスピードまで持ち込まれたバイクは壁の走行すらをも容易く。
『えっ……』
ビスクドールが驚きの声をあげるも啓太郎が応える義理は無い。
「これでとどめだ、決めるぜ!」
バイク前方から弾丸が、スーパークラッシャーより放たれたサイキックエナジーがビスクドールへと襲い掛かった!!!
成功
🔵🔵🔴
鳥羽・白夜
|起動《イグニッション》!
紅い刃の大鎌を手に。
旧校舎に西洋人形、その背後に甲冑の亡霊。たしかにホラー。けど、俺としちゃまずこんなオンボロ校舎で足場気にしながら戦うって方が怖ぇわ。床踏み抜きそう…
あんまり動き回りたくはねーな。「ミストファインダー」で廊下の壁と床、天井に接地させるように前方に巨大な霧のレンズを設置。飛んでくる魔剣の運動エネルギーを10分の1にして軌道を【見切り】、大鎌で【切断】。
ほんとに持ち主に置いてかれたってんならまあ同情はしなくもねーけど…どっちにしろ倒さねーといけないんでな。
足場に気をつけて最小限の動きで大鎌を振るい、霧のレンズで運動エネルギー3倍の【斬撃波】を放ち攻撃。
●
――|起動《イグニッション》。
夜の旧校舎に鳥羽・白夜(夜に生きる紅い三日月・f37728の声が響くと同時に紅色の大鎌が手に納まった。
月光に晒された青年の影が伸びた先には一体の人形――此度の『亡霊甲冑』こと、『殺人ビスクドール「異人さん」』がいる。
既に負傷し、所々焼け落ちたり腕を切り落とされているが、それでも彼女の嘆きは、悲しみはまだ完全に拭えない。
『ねぇ、痛い、痛いよぉ……! お願い、帰ってきてぇ……!』
悲痛な声をあげるビスクドールの周りに、魔剣が展開される。
持ち主が帰ってくるのとは逆に誰をも遠ざける武器を展開する矛盾にビスクドールは気づいていない。気づかない。
『いやあああああああ!!!』
響く悲鳴。魔剣はその声に応える様に走る。
高速に、低速に、あるいは角度を変えながらと変幻自在に宙を駆ける魔剣たち。
白夜は魔剣に対抗すべく一歩踏み出すも、踏み込んだ足元から聞こえた軋む音に行動を断念する。
「――ちぃっ!」
軌道を読み、接近する魔剣を白夜はその場で鎌で受け止め、大振りの一撃で払いのけた。
「……あんまり動き回りたくねーな」
下手に動けば床を踏み抜く。そのまま落ちればまだいいが、先の攻撃を受ける際に足を取られたら――。
ならばと白夜が力を発動すれば辺り一帯が霧に包まれた。
周囲を覆っていた霧は収束し――廊下の天井や床に接地し一面されるように配置された霧のレンズへと変貌する。
再びの襲い掛かる魔剣たち。そのスピードは先よりも早く、鋭く、変幻自在さを持ち合わせた軌道を描き迫りくる。
霧のレンズを通り過ぎ、外に出た瞬間。魔剣は遅くなっていた。
あまりにも遅くなった魔剣たちは同じく後ろから来た魔剣たちを避ける事すら叶わず、互いに衝突し、もみ合って床へ転がり落ちていく。
「いいだろ、霧にはこういう使い方もあるんだぜ」
大混雑を潜り抜け白夜に迫る魔剣もいたが、先ほどよりも鈍くなったそれらに対抗できないはずがなく。大鎌を一薙ぎするだけで魔剣たちは床に転がるだけの置物へと変貌した。
「ほんとに持ち主に置いてかれたってんならまあ同情はしなくもねーけど……どっちにしろ倒さねーといけないんでな」
持ち主に関与する者がいたならば、寄り添うものが居たらば結末は変わったかもしれない。だがその可能性にかけられるほど悠長にできる状況でもない。
それに、オブリビオンは存在だけで世界を害する存在なのだから。
「悪く思うな、とは言わないが。成仏してくれ」
赤い鎌が振るわれ、衝撃波が霧のレンズを通り抜ける。
霧のレンズに触れた衝撃は霧の中で力を増幅し、霧を裂きながらビスクドールへと迫りくる。
その衝撃波を前にビスクドールは魔剣を向けるも剣は風に弾かれるのみ。
そして衝撃波がビスクドールの体を通り抜ける。
『――がと、』
そして、小さな言葉と共に、殺人ビスクドール『異人さん』の体は二つに割れたのだった。
大成功
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