豪華客船カテジナ号。バトルモンスターワールドの世界各地を周遊する巨大なその船に、一般のバトモンバトラーやバトモンテイマーが乗船する機会はそうそうない。けれど、夏のひとときだけは話が別だ。
港に停泊する豪華客船は一般人にも開放され、バトモンを連れた人であれば誰でも船内を見学したり、デッキでセレブな乗客たちとバトモンバトルを楽しんだり、バトモン向けメニューもある豪勢なビュッフェでランチを食べたりできる――バトモンマニアのオーナーによって毎年催されるこの企画は、絢爛豪華な非日常への憧れと、何よりバトモンと楽しめるサマーリゾート気分という点から、常に多くの見学客を集めていた。
けれど、バトラーやテイマーと共に船上に集うバトモンを求めているのは、バトモンを愛するこの船の持ち主だけではない。過去の英雄たるオブリビオンもまた、密かにこのお祭り騒ぎを狙っていた。
「……ということで、放っておくと過去の英雄はこの船を爆発させるか沖合に出して沈めるか……とにかくろくでもない手段で破壊して、豪華客船の見物に集まった皆さんのバトモンを強奪しようとしてるって予知なんですよね」
両耳をべったり横向きに伏せながら、ニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)はそう予知の内容を語る。
「この船……豪華客船カテジナ号は、オーナーも乗客もみんなとびっきりのバトモンマニア! ってことで、夏の間は色々な港に停泊して、現地のバトモンバトラーやバトモンテイマーの皆さんとの交流パーティをやってるんですよ。なので、バトモンさえ連れていれば皆さんも船に乗り込むこと自体は簡単にできると思います。オブリビオンがどういう形で船内に紛れ込んでいるのかは、ちょっとはっきり予知できなかったんですけど……ただ、すっごく沢山の人が集まるイベントなので、特に厨房なんかは臨時のスタッフをかなり増員してるらしいんですよね。敵の気配を探るなら、そのあたりが狙い目ですかね?」
とは言え、猟兵が事件の気配を嗅ぎ回っていることが敵にバレてしまえば、早々に強硬手段に出られてしまってもおかしくはない。まずは何も知らないバトモン使いとしてこの豪華客船見物を楽しんでいるふりをしつつ、どこかに隠された敵の作戦拠点を探すべきだろう。
「世界を巡る豪華客船なんて、すっごいロマンですよねぇ……そんな船が失われることも勿論ですし、何より沢山の人やバトモンが危険に晒されるのを黙って見ている訳には行きませんから! オブリビオン退治、どうぞよろしくお願いしますね!」
手にしたロッドでガツンと一度足元を叩き、そうしてニノンは君たちに深く頭を下げた。
猫目みなも
こんにちは、猫目みなもです。
せっかくの夏なので、豪華客船見学などはいかがでしょう?
第1章はパーティ&敵拠点捜索パートですが、バトモンマニアなセレブたちとの交流パーティのみへのご参加も大歓迎です(船内の催しが盛り上がれば盛り上がるほど、猟兵による拠点捜索はオブリビオンにもバレにくくなりそうです)!
皆さんのプレイングを、心よりお待ちしております!
第1章 日常
『バトモンクラブへようこそ!』
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POW : 沢山のバトモン好きと積極的に語り合う
SPD : 地元のバトモンについての情報を聞き出す
WIZ : ニッチなバトモン話で盛り上がる
イラスト:del
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バズ・ロンドビート
バトモンマニアとの交流パーティですか、実に楽しそうです
船の破壊もバトモンの強奪も、見逃すわけには参りません
私は今年の春にバトモンを得たばかりのルーキーですが、必ず事件は阻止します
私自身は、船内の催しの盛り上げに徹しましょう
デッキに行き、コミュ力を駆使して、乗客にバトモンバトルを挑みます
「そちらの綺麗なご婦人、私とバトモンバトルしましょう」
ヤリアカネを出し、シャドウパリィをさせながら相手の大技を誘います
相手の大技がヤリアカネに決まれば、それはそれで盛り上がることになるでしょう
可能ならその大技も分身で回避させ、残像突進で急所突きを狙わせます
勝敗にかかわらず
「対戦ありがとうございました」
は忘れずに
青く輝く海面を望む広大なデッキのそこかしこで、紳士淑女に混じって明らかな地元民――豪華客船に相応しくドレスアップした者もいれば、海水浴場からそのままやって来たような者もいる――がバトモンバトルやバトモン談義を楽しんでいる。いかにも平和な賑々しさの中で、バズ・ロンドビートは短く整えた顎髭を擦った。
「おぉ、これは……伝え聞いていた以上の熱気ですね」
バトモンが好きだというその一点だけで、人はかくも通じ合えるものなのか。見ず知らずの誰かに相棒自慢を語り、或いは楽しげに相棒に技の指示を出す人々の笑顔を、オブリビオンの為に壊させてやる訳にはいかない。理不尽な|終焉《エンディング》を破壊するという決意も新たに、けれどその闘志は笑顔の裡にそっと隠して、バズはひとりの女性客に歩み寄る。
「そちらの綺麗なご婦人、私とバトモンバトルしましょう」
「あら、私? 退屈させないでくださると嬉しいわ」
扇子を口元に当てて微笑む彼女を守るように、カブトムシ型のバトモンがずいと前に出てバズを睨む。日光を受けて美しく輝く青い装甲に、バズはほうと目を細めた。
「……美しく磨き抜かれていますね。それに、身のこなしも力強い。良い子ですね、彼は」
「ええ、それはもう。小さいけれど、優秀なボディガードなのよ」
「では、私は今年の春にバトモンを得たばかりのルーキーですが……全力でお相手しましょう」
ぶつかり合った視線に確かな笑みが混ざり合ったのは、虫を愛でる心の共鳴ゆえか、それとも。
「頼みましたよ、ヤリアカネ!」
「行ってきなさい、ビートルーパ!」
真紅の槍と深蒼の鎧。空を裂くものと地を踏みしめるもの。相反するふたつの形をとった昆虫バトモンが同時に翅を震わせ、鳴き声を轟かせる。身を低くして甲板スレスレを駆け抜けたビートルーパの大角を、ヤリアカネの平たく堅い腹が的確に弾き返す。反転してヤリアカネの繰り出す直線的な突きをかわしもせず、ビートルーパが装甲で受け止める。互いに決定打の現れない攻防に、けれどそのパートナーたちが焦燥を見せることはない。
(苛立って強引な攻撃に転じることもない。……確かに、優秀なボディガードのようですね)
言葉による指示がなくとも、パートナーの僅かな挙動から察して……或いはバトモン自身が意図的に、この冷静な選択を続けている。「バトモンを連れた者なら誰でも歓迎」という入場条件の緩さも、或いは乗客たちの連れたバトモンが皆この練度を有しているからか。
「ヤリアカネ、上へ!」
号令に応え、羽音と共にヤリアカネが空中高く舞い上がる。そうして一直線に突き下ろされたバトモンの槍を、相手のビートルーパは両腕でがっちりと抱え込み、デッキに叩きつけるように投げ飛ばす! 巻き起こる喝采の中、けれどビートルーパとそのパートナーは勝ち誇るでもなく静かに目を光らせていた。そうして青きバトモンは勢いよくその身を捻り、迫り来ていた第二の槍に渾身の拳を叩きつける! 吹き飛ばされてきたヤリアカネを難なく自ら抱き留めて、扇子の貴婦人は柔らかな笑みを見せた。
「……やはり、最初の一撃は残像でしたのね。読みが当たって僥倖でした」
「良い位置を取れたと思ったのですが……さすが、お強いですね。対戦ありがとうございました」
手渡された相棒をよくやったと撫でて労い、礼儀正しくバズは頭を下げる。婦人もまた、それを受けて優雅に一礼を返した。
大成功
🔵🔵🔵
シダー・ウッド
大きなイベントならきっと
同業(研究者)の方との交流も望めるかな
…って思って来てみたけど
昔の、競技バトラーとしての僕達を知ってる人に
声を掛けられることが多いね、シフォン
お誘いを断り続けるのも申し訳ないし
一戦だけ、お相手しようか
僕達の【コンビネーション】見せてあげよう
『王者のカリスマ』はまだまだ健在…なんてね
そんなわけで、バトルのお誘いを受けて
派手に戦うことでパーティーを盛り上げるよ
調査目的の仲間の助けになるといいな
…え、他にもバトル希望者が?
ちょっと待ってね
はい、シフォン。料理取ってきたよ
腹拵えして、もう一戦!
※シフォン
ジト目が特徴
物静かで礼儀正しい性格
基本的に無口だが
極稀に「メェ」程度に鳴く
――ねえ、ご覧になって? あの方、もしかして……。
――まさか君もこの船を訪れてくれるとは! あの時の試合は本当に感動的だったよ!
――もう一度スタジアムに戻ってくる予定はないのかな? 君のバトルが忘れられないんだ……!
――折角だからお相手してくださらない? 私、最強のバトモンバトラーを目指しておりますの!
シダー・ウッドがウェルカムドリンクのグラス片手にデッキを巡れば、彼の姿形を認めた人々から次々にそんな声が上がる。これだけの大きなイベントであれば、同業のバトモン博士とも繋がれるかと思っていたが――どちらかと言えば、この船の乗客にはバトモンバトルにより親しい人物が多いらしい。
最初こそ殺到するバトルの申し出を断り、乗客たちとのバトモン談義に興じることに徹していたシダーだったが、彼ら彼女らが熱いバトルをこれほどまでに望んでいるのであれば……それに乗らないのは少々申し訳ない。何よりこれだけの鍛え上げられたバトモンたちと直接戦えるのなら、それは戦闘経験を通じてしか成長できない彼らの貴重なデータ収集にも繋がるだろう。
「では、とりあえず一戦だけ……今、目が合ったよね? それじゃあ、そちらのナナドラゴラと一緒の君。お相手しようか」
シダーの言葉を受け、彼の足元にいたヒツシツジ――シフォンが無言で前に出る。見事に育った結果ビカビカに輝くナナドラゴラは、相手にとって不足なしといったところか。
勝負は一瞬だった。確かにナナドラゴラもよく鍛え上げられていたとは言え、シフォンの格闘能力とシダーの仙術が遥かにそれを上回っていた。必殺のサイコビームを念力波で相殺され、数歩のうちに間合いを詰め切られ、あっという間に相棒を倒された身なりの良い青年が礼儀正しくこちらと握手しながらも隠すことなく悔しがっているのが、既に競技を退いたシダーには何となく嬉しい。――それでいい。競技の世界には競技の世界で、まだまだこれから花開くべき才能がどこにでも眠っている。
青年とのバトルの感想戦を終えて踵を返そうとしたシダーの裾をシフォンが引く。無口な相棒の視線を追えば、次なるバトルの誘いに目を輝かせた紳士淑女がいつの間にか列を成していた。
「……え、あー、えっと。ちょっと待ってね?」
ひとまず彼らを手で制し、テーブルに並べられていた料理からヒツシツジの食性に合うものを選んで、シダーは相棒と共にフォークを握る。腹ごしらえを終えたら、次の一戦に応じるとしよう。
大成功
🔵🔵🔵
オニキス・ヴァレンタイン
豪勢なビュッフェに世界を巡る豪華客船!?
そんなの、黒教の聖者である僕が釣れない訳がありません!
今すぐにでも参りましょう!ええ!
食事を楽しみながら、旅客やスタッフを把握するために
皆さんと交流しましょう
僕のパートナーはヤタバードのいっちゃんです!
通常と違って全身黒いんですよ
バトモン向けのメニューを貰い、好物のミニトマトを与えます
この子のお口、実は僕も見た事ないんですよね~。この辺かな?
皆様にヤタバードの特技を披露するフリをしながら
周囲に飛ばし敵の拠点になりそうな場所に目星をつけて貰います
技能:視力
この子、目が凄く良いんですよ~
バトモンは飼い主に似るとも言いますしね
厨房は流石に一般客は入れないかな?
「おぉ……これはこれは……!」
真珠にも例えられる美しい船体、デッキに居並ぶ煌びやかな人々、そしてビュッフェコーナーを彩る豪勢な料理の数々に、オニキス・ヴァレンタインは祈るように指を組んで感嘆の声を上げる。何を隠そう彼は欲望による進化を掲げる黒教の聖者、世界を巡る豪華客船の見物なんてイベントには勿論興味しかない!
「デッキでのバトモンバトルも盛り上がっているようですが……僕たちはひとまずこちらのビュッフェを回ってみましょうか、いっちゃん?」
肩に止まるヤタバードに問いかければ、一つ目のバトモンも同意するように一度翼を大きく広げた。早速バトモン向けメニューの並ぶ一角に並びつつ、オニキスは並べられた料理を威嚇するようにトングをカチカチ鳴らす。
「ハイカロリー、写真映え、大いに結構! 食事というのは必要な栄養を摂取するだけでなく、心も満たすものでなければなりませんからね」
美味しいものを食べたい、素敵な物をもっと見たい。そうした欲望こそが人をよりよい明日へ導くという黒教の主張に則って心行くまでビュッフェを堪能する構えのオニキスの頬を、ヤタバードの脚が控えめに蹴った。特に怒りも敵意も感じさせない緩やかな刺激に視線を動かせば、真っ白な皿に円周を描くように盛り付けられたカプレーゼが目を引いた。
「……ああ、成程。いいですよ、沢山食べましょう」
「おや、その子はヤタバードですかな? 頭の先まで真っ黒とは珍しい」
「そうなんですよ! いっちゃんと言います、可愛いでしょう?」
話しかけてきた紳士にオニキスが応じる間にも、いっちゃんの控えめなアピールが止むことはない。しばしその様子を見つめた紳士の口からややあって出たのは、オニキスを気遣う言葉だった。
「……大丈夫ですかな。何やら訴えられているようですが」
「あはは、ミニトマトが好きな子で……この子のお口、実は僕も見た事ないんですよね~。この辺かな?」
澄んだオイルに濡れてつやつや光るミニトマトをひとつ顔の近くに運んでやれば、真っ赤なそれはぬるりと漆黒の中に吸い込まれて消えた。どこに口があり、いつ開いたのかはよく分からないが。ともあれ続いて向けられた『お代わりちょうだい』と言わんばかりの視線に笑って、オニキスは甲斐甲斐しく次のひと口をパートナーに食べさせてやる。隠さざる欲望を否定する理由など、彼の中には勿論ない。かくして満足いくまで好物を堪能したいっちゃんは、オニキスの肩の上でばたばたと満足げに翼を震わせた。
「美味しかったですか? なら良かった」
「可愛がられていますなあ! それにしても、美しい目をした子だ」
「ありがとうございます! それにこの子、目が凄く良いんですよ~。バトモンは飼い主に似るとも言いますしね」
「成程、確かにおふたりはよくお似合いに見えますな」
相棒の視力を自慢する体でその翼を解き放てば、いっちゃんは元気いっぱいにビュッフェ内を飛び回り、ギョロギョロと大きな目玉を動かしてみせる。その瞳が厨房に繋がる扉を数秒の間見つめていたのを、オニキスは見逃していなかった。
(てんてこまいの料理人さんたちがお悩み……という雰囲気の動きでもないですね。一般客は入りにくそうな場所ですが……そうでない立場で潜入を試みた方がいらっしゃるなら、或いは?)
大成功
🔵🔵🔵
ギュスターヴ・ベルトラン
潜入調査かパーティーか…それなら厨房へ潜入だな
もちろんノクとキリエもオレと一緒に調理補助だ
メロンを薔薇に、リンゴはアップルスワン、バナナは…イルカにしとくか
イチゴもハート型に切り、他の果物と合わせてパーティー向けの盛り合わせを二皿
こういうのはパーティー会場に置いとけばいい感じになるはず
切り損じは…二匹とも期待に満ちた目でオレを見てるから、ノクとキリエに分ける
作りつつ厨房の様子を確認し、人の流れが妙に少ない場所がないか探す
従業員通路は今日のイベントで行き交う人が多いから、こっちを使わせて貰いましたーと言い訳して移動
人払いされてるような場所なんて、怪しんでくれって言ってるようなもんだからな
同刻、カテジナ号のビュッフェに繋がる厨房にて。
舌の肥えた乗客たちに加え、物珍しい豪華客船見物に集まる一般人たちに供する分の料理も必要とあって、確かにそこは一種の戦場――或いは聖域と化していた。怒号が飛び交うようなことはなく、けれど凄まじい勢いで食材と調理器具が舞い踊るそこにギュスターヴ・ベルトランがさほどの違和感もなく溶け込めているのは、猟兵として世界の加護を受けていることに加え、既にバトルモンスターワールドでいくつかの事件解決に貢献したことで一定の信用を得られていること、気高いリンドルムや慈悲の心を是とするカプレリエの信頼を得て従えていることも少なからず影響しているのだろう。
デザート類の調理場に立ち、時折人の流れに目を配りつつ、ギュスターヴは器用な手つきでナイフを操って山のようなフルーツに飾り切りを施していく。薄緑と橙色、二色のメロンは果肉を薄く削いでくるりと巻きながら重ね合わせ、可憐な薔薇の花畑に。果皮の紅色も鮮やかなリンゴは木の葉型に切ったものを翼に仕立て、芯と種を嘴と瞳に見立てるアップルスワンに。そうしながらも次のバナナをどう扱おうか思案して、桟橋から見た景色をふと思い出し、ギュスターヴは厚い皮にナイフを走らせた。ほどなくして出来上がったのは、茎の部分を口元にした黄色の愛らしいイルカの群れ。更にハート型に切ったイチゴやメロン同様に薔薇を象った桃、バスケット状に細工した果皮にダイスカットした果肉を詰め込んだオレンジなどなど、カラフルで瑞々しい果物細工をクリスタルガラスの皿に盛り合わせたら、バトモンたちが運んできた新たな食材を迎えてまた最初から。作業の区切りに軽く息をつけば、下げた視線が期待に輝く二匹のバトモンの瞳とぶつかった。
「……ああ、分かってるよ。ほら、食べな」
切り損じたものや細工切りの切れ端など、皿に乗せられなかったフルーツを掌に載せて差し出せば、ノクターンもキリエも実に嬉しそうにそれを頬張って尻尾を揺らす。その姿に小さく肩を揺らし、彼らがフルーツを飲み下すのを待って、ギュスターヴは先ほどから人の流れが明らかに少ない一角へと足を向けた。
「すみません、ちょっと通りますよ……従業員用通路、今ちょっと詰まってそうなんで」
その先にある扉がどこへ繋がるのかを、ギュスターヴはまだ知らない。ただ、食材置き場や客用エリアの類でないことはオペレーションの流れの中で確信できていた。であるならこの先にあるのは従業員向けの予備スペースのようなものなのか、それとも。
いずれにせよ、忙しく立ち働く料理人たちがギュスターヴを咎めなかったのは僥倖だ。バトモンたちに向けて付いて来るよう指先で合図を送り、ギュスターヴは静かにそのドアノブに手をかけた。
大成功
🔵🔵🔵
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
バトモンをかっさらって挙句には船を沈める~?
なにが過去の英雄だ!ただのテロリストじゃあないかよ!クソったれ!
騎士道の権化ベルト・ラムバルドが止めてみせるのよ!行くぞ!
つっても…困ったにゃ~
バトモン持ってないのよ~キャバリアあんだけど~
キャバリア持ち込んだらこっちがテロリスト認定されちゃう…
…しかたない…あまりよろしくない手段で潜入するか!
UC発動!カリスマオーラ纏って…船体へジャンプ!壁にへばりつきながら内部へと潜入だ!
船内に入ったら堂々と関係者を装って存在感を放って船内を歩き回って
怪しげな奴がいないか情報収集していくぞ
いやーどーもどーも!お仕事お疲れ!立派なバトモンをお持ちで…!
「バトモンをかっさらって挙句には船を沈める~? なにが過去の英雄だ! ただのテロリストじゃあないかよ! クソったれ!」
もたらされた予知を聞き、ベルト・ラムバルドは怒りに拳を震わせた。騎士道の権化を名乗る者として、そのような蛮行を見過ごすことなど有り得ない。勢いのままにカテジナ号に乗り込みたいと衝動は告げているが、理性はそれに待ったをかける。何しろ、ベルトはバトモンを連れていない。キャバリアなら保有しているのだが……これを新種のバトモンと言い張るのは無理がありすぎるし、最悪巨大兵器を持ち込もうとした奴としてしょっぴかれる可能性すら思い浮かぶ。猟兵としても勿論そうだし、何より騎士たらんと……つまりは公明正大なヒーローとして在ろうとするベルトにとって、そのような流れは到底許容できるものではない。
「困ったにゃ~……どうしたものか……」
その苦悩を映したように、背負った後光がふわふわと明滅する。ゆらゆら揺れる後光に金髪を照らし出されながら思案することしばらく、何度か悩ましげに唸った後で、遂にベルトは決意した。
「……しかたない……あまりよろしくない手段ではあるが……ぬぉりゃあ~!!!」
桟橋からではまず警備員に見咎められる。ベルトの身体能力であれば力ずくで振り切ることはできるが、その後のことを考えると無為に警備の目を引きたくはない。よって彼の選んだ侵入経路は、キャバリアを利用しての迂回路だった。纏ったカリスマオーラの煌きを一種の光学迷彩のように扱い、密やかに船体の影になる位置に機体を回り込ませたところで、暗黒騎士の誇り高き体は勢いよくコックピットから射出され、白く煌く船体にへばりつく!
「騎士道を……なめんな!」
自らを奮い立たせるように(なるべく抑えた声で)吼え、ユーベルコードの力も使ってじりじりと、じりじりと壁伝いに移動していったベルトは、やがてその根性で船上へ這い上がる。ここまで来たなら、もはやその存在感を無理に隠すのはかえって悪手だ。つい先刻までの奮闘を微塵も感じさせない立ち居振る舞いで堂々と船内を練り歩きながら、ベルトは何でもないようにすれ違う船員たちに声をかけていく。
「いやーどうもどうも! お仕事お疲れ! そちらはお変わりない? ……なんと、マダムから苦情が? なんだか知らんが音に敏感なバトモンちゃんが怖がってる……?」
若いボーイの半ば愚痴めいた返答に僅か一瞬目を見開き、ベルトはその言葉を脳内でもう一度繰り返す。――半ば勘だが、これは無視してはいけない違和感のような気がする。この豪華客船での旅にすっかり慣れている筈のバトモンが怖がる音が、どこかで発生し始めている。
「……OK、丁度手が空いていたところでね。私が確認してみよう」
「あ、ああ……ところで君、」
「いやーお疲れお疲れ!」
物問いたげなボーイの言葉を強引に断ち切って、ベルトは爽やかに歩き去る。ビュッフェ会場のあるそこよりも、さらにもう1フロア下階を目指して。
成功
🔵🔵🔴
立川・登玲奈
わぁ…港から見るだけでもおっきくて豪華な船…
船の旅も面白そうだけど、あたしの貯金だと次の寄港地まで行けるかどうかかな?
こういうところってセキュリティがしっかりしていて身分証の提示が求められるけど、バトモンマニアなオーナーさんの計らいでバトモンを連れていたらフリーパスで助かったね、デンレッサ…あれ、デンレッサ!?
どこ行ったの、デンレッサー!?
【バトモンのだいぼうけん】
デーンデーン♪
…デーン?
(特別意訳:いろんなバトモンがたくさん居るし、美味しそうな匂いも!
登玲奈、こっちに行こう…あれ?
まったく、迷子になって仕方ねぇなー。
登玲奈を探しながら色んなとこを回ってみて、怪しい奴が居ないかも見ておくか)
ナリー・ゴールド
オーッホッホ!わたくしナリーゴールドは意味わかんねーくらいお金持ち!このわたくしに相応しい豪華客船でもお金の力で友達を作らせて頂きますわ!(未だ友達ゼロ)
【友達募集(ゴールドエクスペリエンス)】で札束をばら撒きますわーっ!ついでに集まってきたお友達にこの船で変わった事がなかいか聞いてみますわ!せっかくの旅を台無しにされてはたまりませんもの!ね!セバスチャン!
セバスチャン(人語を話すヒツシツジ)「この場ではお金をばら撒くより私共バトモンの話をされた方がご友人ができるとは思いますが…お嬢様にそんな頭があれば既にご友人ができておりますね。」
セバスチャン?よく聞こえなくってよ!
港からでもその威容が目を引く豪華客船のブリッジを渡りながら、立川・登玲奈はそわそわと右へ左へ視線を巡らせる。相棒のデンレッサと共にあちこち旅してきたけれど、これほどまでに豪華な船に乗り込むような機会はやはり貴重だ。
「船の旅も面白そうだけど、あたしの貯金だと次の寄港地まで行けるかどうかかな?」
「デーンデンッ」
呟く登玲奈の顔を見上げたデンレッサの鳴き声が意味するところは『そうかもな』か、或いは『もっと小遣い貯めようぜ』なのか。ともあれよく懐いたデンレッサを連れていることでするりとチェックを通過し、登玲奈はひとまずほっと息をつく。予知情報としても現地で見かけたイベント情報としても、バトモンさえ連れていれば簡単に入場できるパーティだとは分かっていたが――セレブを満載した豪華客船とあっては、身分証の要求を含めた堅いセキュリティをどうしても想像してしまっていた。
「うわー、いかにもセレブって感じの人たちがいっぱい……それにあの人たちが連れてるバトモン、みんなすっごく強そう!」
居並ぶバトモンたちをついつい見回し、その強さを想像してしまうのは、バトモンバトラーのサガのようなものか。たとえ不届き者が悪意を持って乗り込んで来ようとも、精鋭のバトモンたちがそれを制圧してくれると――そんな信頼が、この船に関わる人々にはあるのかもしれない。もっとも敵は、その精鋭のバトモンをこそ求めてここに潜んでいるのだが――。
「オーナーさんの計らいでバトモンを連れていたらフリーパスで助かったね、デンレッサ……あれ、デンレッサ!?」
乗客たちのバトモンたちから視線を離し、再び足元のデンレッサにそう話しかけようとした登玲奈の声が、一瞬で裏返る。相棒があちらこちらと目移りしているうちに、いつの間にか好奇心旺盛なもふもふバトモンはどこかへ姿を消していた。
「どこ行ったの、デンレッサー!?」
……その叫び声が空しく響き渡るデッキから、幾分離れたプロムナードエリアにて。
「オーッホッホ! オーッホッホッホッホ!!!」
何故かここでも別の高い声が響き渡っていた。腰に手を当て、胸を逸らし、完璧な高飛車お嬢様スタイルで高笑いを放っているのはナリー・ゴールド。お嬢様たる彼女の傍には、勿論賢い賢いヒツシツジが執事として控えている。
「美しくお手入れされて輝く船体! 高級食材を惜しみなく使ったお食事! 青い海を一望できるラグジュアリーなプロムナード! このわたくしに相応しい豪華客船ですわ!!」
「左様でございますな、お嬢様」
人語を解するヒツシツジ(名前は執事らしくセバスチャン)の返答はいささかぞんざいな響きを含んでいたが、それを気にするお嬢様ではない。自らに相応しい豪華客船になら、友達に相応しい人々もきっとわんさかいる筈――そう信じて、ナリーは勢いよく自身の『武器』を取り出した。
「さあ! 皆様!! 世の中全て金ですわ!!! 意味わかんねーくらいお金持ちのわたくしと、ぜひお友達にっ!!!!」
真夏の陽光差し込むラグジュアリーなプロムナードに、吹雪のように札束が舞う。だが、ナリーの輝かしい想像に反して、それに飛びつくお友達は残念ながらいなかった。そう、一人も。
「……??? あの、皆様? お金ですわよ? ほら、こんなにも!!」
「この場ではお金をばら撒くより私共バトモンの話をされた方がご友人ができるとは思いますが……お嬢様にそんな頭があれば既にご友人ができておりますね」
「セバスチャン? よく聞こえなくってよ!!」
「いえ、私は何も」
しれっと会話を打ち切り、肩をすくめるセバスチャン。カテジナ号の乗客はいずれ劣らぬバトモンマニアである前に、いずれ劣らぬセレブたち。今更札束をばら撒かれたところでそうホイホイと食いつきはしないし、下手をすればドン引きされてもおかしくはないのだが――比較的世間知らずなご令嬢の何人かは、『何かの大道芸かしら?』という目でナリーを遠巻きに眺めていた。彼女たちの視線に気付き、ナリーは結構なスピードでそちらへ歩み寄る。
「……あなた方! ちょっとよろしいかしら!?」
「!? え、ええ……何でしょう?」
「最近、この船で何か変わったことはありませんでした? わたくし、調べておりますの!」
セバスチャンの方から『強いて言うならお嬢様の出現でしょうな』という言葉が微かに聞こえた気がしたが、それを黙殺してネリーはじっと令嬢たちを見つめ、返答を待つ。ややあって、彼女たちの中のひとりが僅かに首を傾け、人差し指を立てた。
「変わったこと……そう言えば、お母様のミハリモリちゃんが最近ナーバスなのよね。下の階に大きな図書室があるでしょう? 前はそこでゆっくり過ごすのを喜んでいたのだけれど、最近はなんだかそこが怖いみたいで」
「特に何が変わったようにも見えないけれど……バトモンにしか分からない何かがあるのかしら?」
「……ふむ」
令嬢たちの言葉を受け、ネリーは真剣な顔でツインドリルを揺らす。これは、調べてみるべきかもしれない。
――そして、そのやりとりを聞いていた者がもうひとり、いや一匹。
「……デーン?」
プロムナード沿いに並ぶバトモンショップの陰から顔を覗かせ、登玲奈のデンレッサが不思議そうにぱちぱち瞬きを繰り返していた。迷子になった(と当バトモンは思っているらしい)相棒を探していたと思ったら、何やら大事な情報を聞いてしまった気がする――と言ったところか。
「デンッ」
小さく鳴いて彼が駆け出したのは、下階へ続く階段の方向。ほどなくしてこの勇敢なバトモンは、図書室の傍に設えられたとある扉の前で立ち止まることになる――。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 集団戦
『洗脳マジョット』
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POW : ベタベタアップル
【ふさふさの尻尾】からレベル個の【リンゴ】を召喚する。[リンゴ]は誰かが触れると爆発し、【超粘着】の状態異常を与える。
SPD : ブラインドアップル
レベル分の1秒で【目潰し蜜リンゴ】を発射できる。
WIZ : ストップアップル
【リンゴ】に宿る【魔力】を解き放ち、レベルm半径内の敵には[魔力]で足止めを、味方には【リンゴの香り】で癒しを与える。
イラスト:稲咲
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
カテジナ号内部には、緊急時の避難経路として各階を貫くように作られた通路がいくつか存在する。ビュッフェの厨房、そして下階の図書館脇に存在する出入り口は、それぞれ同じ避難用通路に通じていた。
――平素であれば、この通路が人目に触れることはない。勿論定期的に清掃や設備のチェックは行われているが、オブリビオンは上手いことそのタイミングをかわして密かに通路を改造していたようだ。
つまるところ、この通路の先に恐らくオブリビオンの作戦拠点が存在する。船員たちの目を盗んでこの豪華客船を破壊する為の仕掛けを施し、機を見てそれを作動させようとしている過去の英雄を撃破する――これが、君たちに課された役目だ。
けれど今、避難用通路には多数のバトモンがひしめいている。乗客たちのパートナーではない。過去の英雄の手によって洗脳された、うさぎ型バトモン『マジョット』の群れだ。
ここを押し通る為にも、施された洗脳を解いてやる為にも、君たちはまずこのマジョットたちを倒さねばならない――!
ナリー・ゴールド
オーッホッホ(小声)図書室ナウですわ。船旅を存分に楽しむためにも憂いの芽は摘んでおきませんと。あらもう一つ扉が…でも質素ですし開ける必要ありませんわね。
セバスチャン「避難経路ですね。人目を避けやすく潜むには最適でしょうな。」
わかってましてよ!ガチャ!お邪魔しますわよ〜!
ゲゲッ!?なんですのこのウサギの群れは!?ここまで大量ですとカワイイ〜♡とか言ってらんないですしどう考えても怪しいですわね。
セバスチャン「どうやらあの尻尾が攻撃のキモのようです、お嬢様」
なるほどですわ!【札束ビンタ】で尻尾をペチペチ(装甲破壊)して差し上げますわ!
オーッホッホ!マネーイズパワー!お金の力を思い知るといいですわ〜!
「オーッホッホッホ……」
大体寝起きドッキリの仕掛け人くらいの声量で、慎ましやかに高笑いするナリー・ゴールド。何しろここは図書室前、騒がしい振る舞いは御法度だ。先ほどご令嬢たちから聞き出した情報を元に『どうやら図書室周辺が怪しいらしい』と当たりをつけ、早速彼女は調査を開始する。
「船旅を存分に楽しむためにも、憂いの芽は摘んでおきませんと。あらもう一つ扉が……」
重厚な雰囲気を醸し出す図書室の入口近くにあったその扉はさしたる装飾も施されておらず、豪華客船の中にあってひっそりと、しかし剛健に佇んで見えた。
「……質素ですし開ける必要ありませんわね」
「避難経路ですね。人目を避けやすく潜むには最適でしょうな」
地味な扉の奥には大したものもなかろうと華麗にスルーしかけたナリーの背中に、セバスチャンの淡々とした声が刺さる。ぴたりと足を止め、ナリーは力のこもった笑顔でドアノブに手をかけた。
「わかってましてよ! お邪魔しますわよ~!」
ガチャリと勢いよく扉を開け放つと、そこは無限もふもふ回廊だった。――もとい、マジョットひしめく非常用通路だった。実ったリンゴを思わせる赤い瞳に一斉に見上げられ、思わずナリーはふかふかのカーペットをヒールで擦る。
「ゲゲッ!? なんですのこのウサギの群れは!?」
可愛いと評するにはちょっと数が多すぎるし、気配が危険すぎるし、何よりこんな場所にバトモンが群れで住み着いている筈がない。とりあえず何も知らない乗客たち――ナリーからすれば今も高貴な友達候補だ――に危害が及ばないよう通路に踏み込み、後ろ手に扉を閉めて、ナリーは分厚い札束を構える。
「よく分かりませんけれど、危険なオーラを感じますわ! さあ、わたくしが華麗に成敗してあっちょっリンゴを投げないでくださいまし~!?」
ナリーを敵と判断したのか、マジョットたちが一斉にリンゴをぶんぶん投げつけ、狭い通路内に激しい爆発を重ねていく。とんでもない主人のピンチに見えるその光景を、セバスチャンはどこまでも冷静に観察していた。
「どうやらあの尻尾が攻撃のキモのようです、お嬢様」
「なるほどですわ!」
ところどころがちょっと焦げた姿で、ナリーはその助言に元気よく頷く。リンゴ爆弾の雨に晒されて『ちょっと焦げる』で済む程度に頑丈な彼女を信頼しているからこそ、セバスチャンも敵の分析に注力できたのだろう。いやどうだろう、単にこの主人なら雑に扱って構わないと思っているだけかも知れない。どうあれ敵の攻撃が尻尾を起点とするのなら、そこを狙えば爆弾のラッシュは止められる筈だ。金の延べ棒くらいの厚みがある札束を振りかざし、ナリーはもふもふに覆われた尻尾を容赦なく往復でひっ叩く!
「オーッホッホ! マネーイズパワー! お金の力を思い知るといいですわ~!」
ふさふさの尻尾をボコボコにはたかれ、数匹のマジョットが通路の奥へ逃げていく。それを追いかけ、お嬢様と執事もまた非常用通路を駆け出した。
大成功
🔵🔵🔵
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
ぬぉ!?
せっかく怪しい通路を見つけたっちゅ~のにバトモンが通せんぼしてる!
もふもふでかわいいのに…過去の英雄め!
暴力を振るうのは申し訳ないが通させて貰うぞ!騎士道の権化ベルト・ラムバルドが行くぞ!
…何だ?リンゴの香り?
…う~ん…いい香り……なんだか無性にリンゴが食べたくなってきた…
あの甘酸っぱく瑞々しい味が……あ、これこいつらの技!?
やばい!集中できない!まずい!なんかバトモンに対抗できる武器を!
UC発動!…これは!…グルメプラネットの完熟王女リンゴのアップルパイ?
武器じゃね~!…ん?リンゴ好きなの?!ほら!これあげるから!
バトモンに餌付けしてその隙に忍び込むぞ…無血開城っと…!
「ぬぉ!?」
非常用通路に踏み入るなり、ベルト・ラムバルドは驚きの声を上げた。いかにも怪しい通路を見つけて意気揚々と入り込んでみれば、無数のバトモンに通せんぼを食らったのだから無理もない。そしてこのマジョット軍団、すっかり洗脳されて敵意に満ちた目でこちらをじっと見上げている。
「もふもふでかわいいのに……過去の英雄め!」
バトモン。それは小さくてかわいいふしぎな生き物。故に騎士道に生きる者としては、どうにも殴りかかるには罪悪感を得る相手だが……どうあれここは押し通らねばならぬ場だし、何より洗脳されたバトモンを正気に戻す為にはバトルを挑む他ない。
「騎士道の権化ベルト・ラムバルドが行くぞ! ……ん?」
正々堂々名乗りを上げた彼の鼻腔を、ふと爽やかな甘酸っぱい香りがくすぐった。心を洗うような青みを帯びた芳香は、うっとりするほど素晴らしくて。
「……う~ん……いい香り……なんだか無性にリンゴが食べたくなってきた……あの甘酸っぱく瑞々しい味が……」
思わず足を止め、胸いっぱいにリンゴの香りを吸い込むベルト。まんまとユーベルコードによる足止めにかかった彼の足首に、マジョットの堅い前歯が突き立った。
「あ痛ぁ!? ……あ、これこいつらの技!?」
けれどその痛みが、ベルトに理性を取り戻させる。香りの正体が敵の足を止める魔力であることに気付いて、彼は思わずハンカチで鼻を押さえた。
「やばい! 集中できない! まずい! なんかバトモンに対抗できる武器を! 神でもいい……なんだったら悪魔でもいい……! 私に力を……奴らを倒す力を……このベルト・ラムバルドに寄越せッ!!!」
叫びと共にユーベルコードの光がその掌の中に収束し、この局面を打破しうる『何か』を作り上げていく。果たしてその黄金の輝きが和らいだ時、ベルトの手に握られていたのは――蜜色に煌くさくさくほろほろの皮! 網目状に飾られた皮の隙間から覗くごろごろのリンゴ! マジョットに負けず劣らずあま~い芳香を立ち上らせる、グルメプラネットの名物スイーツ……完熟王女リンゴのアップルパイがワンホール丸ごと乗っかった真っ白な皿だ!
「武器じゃね~!!」
願いに応えて出現したそれを見て、思わずベルトは天を仰いで叫ぶ。しかしこれを上手く使わなければ、仇なす敵を倒したいという願いが叶うことはない。困惑する彼の足元に、1匹、また1匹とマジョットが寄り集まってくる。先ほどとは異なり、噛みついてくる様子などはなさげな彼らが熱心にパイの皿を見上げているのに気づいて、ベルトはひょいと屈み込んだ。
「……ん? リンゴ好きなの?!」
試しにパイを小さく切って差し出してみれば、マジョットはそれをふすふす嗅いだ後、一心不乱に食いついてきた。夢中でアップルパイを貪り始めたバトモンの群れをしばし眺めた後、ベルトはそっと手刀を振り上げる。
「では、この隙に……! ごめんね! ほんとは無血開城と行きたいんだけどね!!」
なるべく痛くなりすぎないよう加減した斜め45度からのチョップでマジョットたちの正気を取り戻し、自称暗黒騎士はさらに行く。
大成功
🔵🔵🔵
シダー・ウッド
たくさんの人が行き交うはずの客船を
密かに改造するなんて
今回のオブリビオンは随分と手練れのようだね
気を引き締めて事に当たらないと
まずは、マジョット達を何とかしないとだね
この子達は海のバトモンじゃない
洗脳を解いて、適した環境に戻してあげたいな
マジョットはリンゴを用いて攻撃してくるはず
ここは…タテバッツ、出番だよ
前に出て【ラーニングカウンター】
まずは『ウイングシールド』で
『かばう』ことで防御に徹するよ
相手の攻撃が途切れ次第、コピーしたUCで反撃!
群れで襲ってくるならおそらく
回避も難しいはずだ
目潰し蜜リンゴで自由を奪ったマジョット達は
『衝撃波』を起こして吹き飛ばすよ
これで大人しくなってくれるといいけど
「たくさんの人が行き交うはずの客船を密かに改造するなんて、今回のオブリビオンは随分と手練れのようだね」
それでなくとも、カテジナ号はセレブを満載した豪華客船だ。それなり以上に堅固な筈のセキュリティを搔い潜って船内に密かに悪事の拠点を築いていると思しきオブリビオンに、シダー・ウッドは警戒を新たにする。
「まずは、マジョット達を何とかしないとだね」
非常用通路に今もひしめくマジョットの群れを前に、シダーは博士として自分の中に蓄積してきた知識を今一度なぞる。本来海に生息する種でない彼らは、おそらくオブリビオンの手でここに持ち込まれ、作戦に利用されているのだろう。であるなら、彼らを正しい環境に帰してやるためにも、今は戦い勝たなければ。
「タテバッツ、出番だよ」
博士の指示を受け、蝙蝠型のバトモンが前に出る。忠義者の蝙蝠は、マジョットたちの放つリンゴを決してシダーに届かせはしないとばかりにその翼を大きく広げ、高く鳴き声を響かせた。
「そうだ、それでいい。今は耐えて――」
シダーの指示通り、タテバッツはひたすら硬質な翼を広げて目潰し蜜リンゴを受け止め続け、決して攻撃には転じずに空中でじっと構え続ける。まるで機関銃のように絶え間なく放たれ続けるリンゴのつぶてが途切れる一瞬を辛抱強く待って待って待ち続け、そして遂にその時は訪れた。
「今だ、タテバッツ……やり返せ!」
鋭い命令とほぼ同時に盾状の翼が空を打ち、鏡のような輝きを放つ。瞬間、無数の蜜リンゴがタテバッツの翼から出現し、マジョットの群れへ雨あられと降り注ぐ!
――ラーニングカウンター。受け止めたユーベルコードを複製し、逆に我がものとして撃ち返すそのユーベルコードの為に、ひとりと一匹は敢えて今までマジョットたちに好きにリンゴを撃たせていたのだ。
タテバッツが羽ばたくたびに新たな蜜リンゴが現れ、射出され、また現れる。ぎゅう詰めになってシダーと対峙していたマジョットたちに、それをかわす手立てなど勿論なかった。命中するたびにリンゴが弾け、ベタベタの甘い蜜が彼らの視界を奪い、オブリビオンの洗脳に刷り込まれた『敵』を視認できなくなったバトモンの群れは困惑したように後足で床を激しく叩く。
「――それじゃ、手早く終わらせようか。そのまま衝撃波だ、タテバッツ!」
応と答えるように、タテバッツが短く啼く。そうして硬い翼がひときわ力強く振るわれ、大波の如き衝撃波が群れ成すマジョットたちを飲み込んだ。
吹っ飛ばされて或いは床に転がり、或いは壁に寄り掛かるマジョットたちの体を一匹一匹手早くあらため、シダーは安堵の息をつく。
「ふぅ……とりあえず、大きな怪我はないみたいだね。もう少し休んだら、すっかり元に戻れるだろう」
とは言え、何者かが罪もないバトモンを洗脳し、ここに駆り出したのは事実だ。元凶の居所は、まず間違いなくこの先にある。膝をはたいて立ち上がり、シダーはひとつ大きく息を吸い込んだ。
大成功
🔵🔵🔵
バズ・ロンドビート
なるほど、この通路が……と
洗脳バトモンの群れですか
もちろん倒させていただきますよ、洗脳を解くためにも
飛んでくる蜜リンゴはヒドクネの毒液鉄砲で撃ち落とさせ
敵を一体ずつ、カミナリバチの電気針でマヒさせて仕留めていきます
私自身も戦いますよ
【虫変身】
3メートルほどの、剣豪カマキリに変身します
太刀のような2本のカマを振るい、峰打ちによる気絶攻撃を仕掛けていきます
私のバトモン達に敵の攻撃が向かいそうなら、最優先でかばいに行きます
私の視力が封じられたら、以降は、野生の勘と心眼で戦います
視覚がなくとも敵の気配が感じ取れる、これぞ剣豪です
もふもふしたうさぎも愛らしいですが
同じもふもふなら、私は毛虫の方が好きです
「なるほど、この通路が……と、洗脳バトモンの群れですか」
通路をみっしり塞ぐふさふさの群れを前に、バズ・ロンドビートは迷うことなく連れていたヒドクネを前進させる。マジョットたちの洗脳を解くのに必要とあらば、倒すことをためらう理由などどこにもなかった。
前に出たヒドクネは軽く上体を下げた後に四つ眼をぎらりと光らせ、飛来する無数の蜜リンゴに向けて毒液の弾丸を吐き掛ける! 極限まで絞るようにして放たれた流体の弾丸はものの見事にリンゴの雨を空中で捉え、そのことごとくを砕いていく。破砕されたリンゴから飛び散った蜜の細かな飛沫を身体を大きく震わせて振り払うヒドクネを見て、すかさずバズはもう一体のバトモンに指示を飛ばす。
「カミナリバチ、電気針を!」
雷鳴に似た羽音を残し、カミナリバチはその指示に間違いなく応えてみせた。強烈な痺れをもたらす電気針を撃ち込まれたマジョットが一体、また一体と確実に足を止めていくのを確認して、バズは自らも大きく足を踏み出した。
「この身よ、今、虫となれ」
紡いだ言葉を繭として、その身体はたちまち大の大人が見上げるほどの巨大な剣豪カマキリへと変じていた。巨体を生かして愛する虫バトモンたちへのリンゴ攻撃を防ぎながら太刀の如き鎌の峰打ちで確実に戦闘不能を狙ってくる剣豪カマキリを脅威と見たのか、未だ洗脳の抜けないマジョットたちが蜜リンゴの弾丸をバズの方へと集中的に投げつける!
甘い香りが眼前で弾けると同時、複眼にべたつく蜜が降りかかる。とは言え濃密な蜜に目を塞がれはしたが、負傷は未だ深くない。ならばまだまだ引き下がるべき時ではない。意識を明瞭にするよう軽く頭を振って、バズは静かに前方へ意識を集中させる。見えぬのならば、感じ取れば良い。剣豪を冠するカマキリに変じたこの身であれば、それは決して困難なことではない。僅かな空気の揺れや呼吸の気配を肌で感じ取り、敵の踏み出してくるであろう位置を読み――そして、振り抜いた鎌がマジョットの喉を打つ感覚が確かに返った。
吹き飛ぶと同時に意識が飛んだのか、しばらくぐったりとしていたマジョットだったが、ややあってむくりと起き上がると不思議そうに首をかしげてこちらへ寄ってくる。カミナリバチがごうごうと羽音を鳴らし、彼(彼女?)にここを離れるよう促すのがはっきりと聞こえた。変身を解いて目を拭い、正気に戻ったマジョットたちを安全な場所へ導いてやりながら、バズは研究室で育ててきたペットたちのことを思い返す。
(同じもふもふなら、私は毛虫の方が好きですね。もふもふしたうさぎも愛らしいですが……!)
大成功
🔵🔵🔵
立川・登玲奈
●SPD
もう、デンレッサったら…すっごく探したんだからね?
けど、そのお陰で図書室から入る避難用通路を見つけてくれたし…うーん(ここは叱るべきか褒めるべきか悩む若手トレーナー
…あれ?
この鳴き声と甘酸っぱいリンゴの香りは…マジョット!
デンレッサみたいに迷い込んできた様子じゃないみたいだし、|悪者《オブリビオン》に洗脳されちゃった子だね
デンレッサ、行くよ!
『デーン!』
発射してきた目潰し密リンゴはべたべたしてるから【身かわし】て【ジャンプ】で回避、通路の壁に当たって飛び散ったのは前身あるのみで範囲外に出るよ
反撃は『電光石火』の【電撃突進】で、感電は【マヒ攻撃】に押し留めて洗脳した相手を目指して前進だね
「もう、デンレッサったら……すっごく探したんだからね?」
ようやく見つけた相棒の前で両手を腰に当て、立川・登玲奈は真面目な顔でそう言い聞かせる。――とは言え、とは言えだ。
(けど、そのお陰でこの避難用通路を見つけてくれたし……うーん、これってお手柄ではあるんだよね? そこは褒めてあげた方がいいような……でも、勝手にどこか行っちゃったのは𠮟るべきかも……)
デンレッサの手柄を褒めてやるべきか、それとも相棒に無断でフラフラしていたことをビシッと叱っておくべきか……若きバトモンバトラーの懊悩を知ってか知らずか、当のデンレッサは伸び上がるように立ち上がって鼻をひくつかせる。
「デェンデンッ」
「何、デンレッサ? どうしたの? ……あれ?」
警戒するように尻尾を立てた相棒の指す方へと目を向け、そこで登玲奈もふと気付く。避難用通路にはおおよそ不似合いな、甘酸っぱい果実の香りが確かにこちらへ漂ってきていた。加えて、呪文を唱えるような鳴き声も聞こえてくる。
「この鳴き声と甘酸っぱいリンゴの香りは……マジョット!」
即座にその正体を言い当て、登玲奈は通路の奥を睨んだままで拳を固める。先ほどのデンレッサのように相棒の元を離れてしまった迷子か、或いはオブリビオンに洗脳されて持ち込まれた個体か。いずれにせよそれを放ってはおけないと香りの方へ走れば、予想通りにうさぎ型のバトモンがそこにいた。
「迷い込んできた様子じゃないみたいだし、|悪者《オブリビオン》に洗脳されちゃった子だね……デンレッサ、行くよ! 友情シンクロ、バトモン・フュージョン!」
「デーン!」
勇ましく返事して、デンレッサが両腕を天に掲げる。それをファイティングポーズと認めたのか、マジョットはすかさず目潰し蜜リンゴを創造し、真正面からデンレッサに――否、一人と一匹が融合合体したバトモンヒーロー目掛けて放つ!
「かわしてそのまま前進するよ! 電光石火、決めちゃおう!」
『デンッ』
連続して一直線に飛来するリンゴの弾丸ををひらりと跳んで避け、飛び散る蜜も軽くかわして、登玲奈は迷いなく前進を続ける。その度にデンレッサの大きく膨らんだ尻尾は空気中から電気を溜め込み、パチパチと弾けるような音を立てた。
「これで――正気に戻って!」
『デンデーン!!』
高圧の電気がヒーローにさらなる力を速度を注ぐ。金色に輝く電光を纏い、登玲奈はまっすぐにマジョットに肉薄し――そして願いを込めた一撃が、その洗脳を打ち砕いた。
大成功
🔵🔵🔵
ギュスターヴ・ベルトラン
ビックリした
厨房でとにかく果物切ってたオレに怒ったバトモンたちがリンゴ投げつけに来たのかと思った
【祈り】を捧げてUCを発動する
リンゴの魔力で行動不能になっても、この光が届けば問題なく動ける
ノク、リンゴはさっき食べただろ!ほら【バハムートの風】でリンゴの香りを散らす!
キリエももうリンゴないの?って顔しないで【結界術】でマジョットたちを閉じ込めて
刀は苦手だが、果物を切る要領なら分かる
クソでかい包丁だと思えば、こいつらのリンゴ攻撃も捌けるはずだ
…流石にアップルスワンにするのは出来ねえけど
香りを散らしたら、ノクターンの【竜爪撃】でマジョットに攻撃
「ビックリした……厨房でとにかく果物切ってたオレに怒ったバトモンたちがリンゴ投げつけに来たのかと思った」
顔の横を勢いよく通過していったリンゴが壁に当たって砕けるのを見て、ギュスターヴ・ベルトランは肩をすくめる。リンゴを投げつけられているのは事実だが、それもこれも元凶はカテジナ号に集まるバトモンの強奪と軍事利用を目論むオブリビオンだ。割れたリンゴから一層強く立ち上る甘い香りに一瞬眩暈に似た感覚を覚えながらも、ギュスターヴはいと高き所を仰ぎ、祈りを紡ぐ。
「――起きよ、光を放て。主の栄光は、あなたの上に輝いている」
たとえリンゴから放たれるマジョットの魔力に絡め取られようとも、この祈りに応じて降り注ぐ光がある限りはまた立ち上がれる。大いなる加護をその身に浴びながら、ギュスターヴは手元をじっと見つめてくるバトモンたちに指示を飛ばす。
「ノク、リンゴはさっき食べただろ! ほらバハムートの風でリンゴの香りを散らす! キリエももうリンゴないの? って顔しないでマジョットたちを閉じ込めて」
それで二体がリンゴもっとちょうだいの顔をやめた訳ではないが、それでも相棒の言葉を受けて、蒼き竜の羽ばたきが芳香を吹き散らす大風を巻き起こし、小鹿の掲げる燭台から溢れた光が聖なる檻となってマジョットの群れを閉じ込める!
一つ所に密集する形で追い込まれたマジョットたちの前に立ったギュスターヴの手が、すらりと日本刀を引き抜いた。――刀は苦手と自認するギュスターヴだが、果物を切る要領なら分かる。
「クソでかい包丁だと思えば、こいつらのリンゴ攻撃も捌けるはずだ……!」
さすがにアップルスワンにしてやるほどのことはできないが、それでも飛来する無数のリンゴさえ捌いてしまえれば本体に肉薄して洗脳を解くことはできる。閃いた白刃が、マジョットの放つリンゴを確かにすっぱりと断ち割った。
「ノク、行け!」
リンゴの雨を文字通り切り開き、そこに出来上がった道をユーベルコードの光で照らして、ギュスターヴは叫ぶ。応えるように吼えたノクターンが、翼を広げて高く舞う。そして、流星の化身と称された竜の姿が空中に煌いた。急降下の勢いを乗せて振るわれた竜爪の一撃が、ひしめくマジョットに施された洗脳を一挙に打ち払う!
マジョットたちの鳴き声が穏やかなそれに戻ったことに耳先をぴくりと揺らして、キリエが光の結界をふわりと解いた。正気に戻ったマジョットが鼻先で転がしてよこしたリンゴを両手で拾い上げ、キリエはきゅるんとした顔でギュスターヴを見上げる。その視線にがりがりと頭を掻いて、わざとらしく荒げた声で彼は答えた。
「……あーもう、分かったよ! お礼に貰ったもんだもんな? ノクと仲良く分けて食うんだぞ!」
大成功
🔵🔵🔵
オニキス・ヴァレンタイン
おや、これはこれは。避難用通路にもふもふがいっぱい。マジョットマニアなら生唾を飲み込む光景では!?
でも残念!なにやら暴走中のご様子で。
洗脳でしたら我ら黒教の十八番!
洗脳には洗脳をぶつけます!ブラック・グリード!
っと……今回はバトモンバトルでしたね、失礼しました。
では、いっちゃん(ヤタバード)!
呪いの眼差しで、皆さんを怖がらせてあげましょう。
(技能∶呪いの眼差し・恐怖を与える)
一人でバトルできますか?心配になっちゃう|親《マスター》心です。(心配そうにハンカチを握り)
マジョットさんが正気に戻ることがあったら、いっぱいもふもふしましょうかね。
「おや、これはこれは。避難用通路にもふもふがいっぱい。マジョットマニアなら生唾を飲み込む光景では!?」
ゴッドゲームオンラインのプレイヤーにも、熱心なもふもふ愛好家は少なくない。故に深い実感をもってそんな感想を零し、オニキス・ヴァレンタインは残念そうに肩をすくめる。どんなに可愛いもふもふだとしても、今はオブリビオンの洗脳支配下にあるのが目の前のマジョット軍団だ。であるならまずはサクッとこの洗脳を解除しなければ、もふもふまみれを堪能することもままならない。
「洗脳でしたら我ら黒教の十八番! 洗脳には洗脳をぶつけます! ブラック・グリード!」
問答無用で指先から放った黒の光線が、マジョットたちからドレインエネルギーを奪い取る。このエネルギーを込めてモフり倒せば――もとい触れてやれば、マジョットに施された洗脳を上書きできるかもしれない、けれど。
「おっと……うぅん、何とも魅惑的な香りですね!」
反撃とばかりにマジョットの放つリンゴから、甘酸っぱく濃密な芳香と魔力が立ち上る。足止めの魔力によってその場に留まることを余儀なくされた以上、今は接触による再洗脳は難しい。
――だが、ここはバトモンバトルが世界を席巻するバトルモンスターワールド。ならば世界中が愛してやまないバトモンバトルで決着を付けるのが、或いは筋か。そう判断して、オニキスは真っ黒なヤタバードへと指示を送る。
「いっちゃん! 呪いの眼差しで、皆さんを怖がらせてあげましょう」
その言葉に短く鳴き声を返し、オニキスの頭上に止まっていたヤタバードが大きな単眼に力を込める。人の悩みを吸い取って溜め込まれた呪力はそのまま恐怖をもたらす呪いの視線に形を変え、荒ぶるマジョットたちに恐怖を与えて、攻撃の手を如実に鈍らせる。その隙を見逃すことなくヤタバードは大きく羽ばたき、自らと相棒の周囲に漂うリンゴの魔力を吹き飛ばした。こちらの指示を待つことなくその行動を選んだ相棒を見て、オニキスは感慨深げに小さく笑った。
「一人でバトルできますか? ……なんて心配しちゃうのが|親《マスター》心ではありますが……どうやら、要らない心配だったみたいですね」
いっちゃんの大きな目が妖しく輝き、呪いの力を込めた視線はそのままオニキスの放つそれによく似た黒き光線となってマジョットたちを薙ぎ払う! 呪詛に焼かれてぱたぱたとその場に倒れたマジョットの毛皮にわしゃわしゃ触れて、オニキスは彼らに向けて穏やかに語り掛ける。
「大きな怪我はなさそうかな? バトモンは頑丈ですねえ……」
深い負傷がないこと、洗脳が解けていることを確かめつつ、一体一体順番に抱きかかえてはもふもふを堪能するオニキス。それは、通路にこれ以上の危険がないことを確かに証明する光景だった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『ヴィクトリー部隊輜重部門長「コックH」』
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POW : わたしに手を貸してくれるかい?
レベル×1体の【コックHの料理を食べたバトモン】を召喚する。全ての[コックHの料理を食べたバトモン]は、他者の技能を10レベル加算する【保有する技能で戦う】能力を有する。
SPD : グルメン、ベロビンタからの戦闘料理
【コックさんバトモン「グルメン」】で攻撃した無機物・オブリビオンを食材化する。食材化の有効範囲とその味は、料理の腕前に依存する。
WIZ : サメポット、進化。そして鍋ミサイル
【さめ+鍋バトモン「サメポット」】を、超硬度・長射程・弾幕能力を備えた【さめ+寸動鍋バトモン「シャークポット」】に変える。[さめ+鍋バトモン「サメポット」]の蘊蓄を語ると更に弾幕強化。
イラスト:樹下じゅげ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠バルタン・ノーヴェ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
一体いつから、このような作戦を遂行していたのか――非常用通路の階段下に何かを仕掛けようとしていたコック姿の男は、迫り来る猟兵を振り向いてごく穏やかに微笑んだ。
「おや、こんなところまでやって来るとは……もしや君たち、美味しいごはんにおびき寄せられたかな?」
無論、その言葉が本心から発されている訳はない。もうすぐ時限爆弾を仕掛け終えようというタイミングで現れた邪魔者のことを、この過去の英雄が食事で歓迎する筈がないのだから。
「困るねえ、一般のお客様に入り込まれてしまうと……邪魔立てするのであれば、君たちを料理しなければならないからね」
バズ・ロンドビート
私たちを料理ですか?
やってみるといいですよ
そう簡単にはさせませんが!
今の私の装備で、食材化されうる無機物は……うん!
大事な物や、お財布に痛い物がいっぱいですね!
私はベロビンタの届かない位置にいましょう
【バトモンのだいぼうけん】
3体とも、行っておいで
ヤリアカネとカミナリバチは前衛に出てくれるでしょうから
私は後衛から彼らを援護射撃します
中衛として、バタ付きパン蝶も解き放ちます
おいしい香りによる、かく乱が狙いです
私は杖を用い、ファイアーボールを放ちます
属性攻撃・一斉発射・範囲攻撃
狙いはコックHですが、グルメンとサメポットも巻き込めそうなら巻き込みます
この客船の爆破だなんて
そんな終焉、必ず破壊しますよ
「私たちを料理ですか? やってみるといいですよ。そう簡単にはさせませんが!」
遂に対峙するに至った過去の英雄――ヴィクトリー部隊輜重部門長「コックH」をまっすぐに見据え、バズ・ロンドビートはそう言い放ちつつも冷静に距離を取る。何せ相手は無機物を食材に変えるユーベルコードの持ち主、そしてバズの本業は錬金術士だ。錬金術の触媒を始め、食材化して奪われてしばっては財布に痛い装備や所持品が多すぎることをしっかりと自覚し、この場は相棒たちに前衛を任せることを迷わず選ぶのは、きっと間違った判断ではない。
「3体とも、行っておいで」
その指示を受けたヤリアカネとカミナリバチがいずれ劣らぬ速度で過去の英雄のもとへ飛翔し、左右から挟み込むようにして刺突を見舞う。更に彼らとバズの間隙を埋める位置に陣取ったバタつきパン蝶がバタートーストの大きな翅を羽ばたかせ、辺り一帯に心揺さぶる香ばしい匂いを振り撒いた。
「惑わされてはいけないよ。グルメン、ベロビンタ」
どこからともなく取り出した熱々のフライパンに上等なステーキ肉を投入し、肉の焼ける香りを立たせることでバタつきパン蝶の誘惑を打ち消そうと試みながら、コックHは自らの料理で洗脳したグルメンへと指令を下す。たとえ相手が食材化の対象には含まれずとも、長い舌による打撃や絡め取りはそれ単体で十分に脅威となる。黒い舌に巻き付かれたヤリアカネを救い出すべく、カミナリバチがバズの指示を待たずに電気針を放つ。痺れにグルメンの動きが止まり、ヤリアカネが拘束を抜け出した瞬間、バズは宝玉を飾った杖を前方に向けていた。
「ファイアーボール!」
杖先が輝き、朱色の炎が宝玉の中から溢れ出す。そのまま無節操に荒れ狂うかに思えた炎はバズの魔力によって制御され、群れなす無数のテントウムシを象りながらコックHへ、そして彼に付き従うバトモンへと一気に殺到する! パンの香りが、ステーキの匂いが、そうして炭の匂いに覆われていく。コック服に付着した煤を払いながら、過去の英雄はあくまでも穏やかに笑った。
「……少し火力が強くはないかな。せっかくの肉が焦げてしまったよ」
「生憎ですが、あなたに目的を果たさせる訳には行きませんからね。この客船の爆破だなんて……そんな終焉、必ず破壊しますよ」
細められた瞳を射抜くように見つめたまま、バズは静かに言い放つ。その言葉を受け、コックHは恰幅のいい身体を揺すった。
「いい闘志だ。……できるものならやってみるといい。全力でお相手しようとも」
大成功
🔵🔵🔵
オニキス・ヴァレンタイン
もしかして、ビュッフェランチのシェフの方でしょうか?
美味しいご飯、ごちそうさまでした。
しかし、そんな腕の立つ料理人さんが敵だったなんて、非常〜に残念です。
グルメンとサメポットはヤタバードのいっちゃんにお任せするとして
呪いの眼差しメインにオーラ防御で耐えて貰い
バトラーの方は僕がぶん殴ります!
僕はグラウンドクラッシャーで何もかもぐしゃぐしゃにするのが好きなのですが、今回は船ですからねぇ
食後の運動と行きますか!
テニスラケットによる攻撃で通路の壁を利用しながらシェフをボッコボコにしちゃいましょう!
技能∶跳弾、地形の利用
カラス料理はあるらしいですが、いっちゃんは食べちゃ駄目です!
食材化なんてああ恐ろしい
「もしかして、ビュッフェランチのシェフの方でしょうか? 美味しいご飯、ごちそうさまでした」
コック姿のオブリビオンに対してオニキス・ヴァレンタインが丁重に両手を合わせれば、相手は穏やかに微笑みながら頷いた。
「まあ、臨時の手伝いとしてだけれどね。お口に合ったのなら良かったよ」
その言葉に、不思議と悪意や皮肉のようなものは感じられなかった。……少なくとも、「美味しいご飯を食べさせてあげたい」というその一点においてだけは、コックHの欲望はごく純真で誠実なものに思える。欲望を肯定する黒聖者として、けれどオニキスは心の底から残念そうに首を横に振った。
「しかし、そんな腕の立つ料理人さんが敵だったなんて、非常〜に残念です」
「はははは。美味しいものは人もバトモンも引き付ける、君もよくご存知だろう? 結局、心を込めて作った料理が一番美味しいんだよ」
「……いっちゃん!」
どれほど心を込めて丁寧に作られた料理であろうとも、それがバトモンを捕らえて洗脳する為の餌でしかないのであれば、到底許す訳にはいかない。オニキスの鋭い声を受け、ヤタバードが鍋に乗って浮遊するサメポット、そして舌を使って器用に空中を移動するグルメンの進路を塞ぐように飛び掛かった。呪いの眼差しを巧みに操って敵バトモンの注意を引き付け、その攻撃をオーラを纏って耐えしのぐ相棒をちらと見て、オニキスは黒教祭服の背に利き手を差し入れた。
「僕はグラウンドクラッシャーで何もかもぐしゃぐしゃにするのが好きなのですが、今回は船ですからねぇ……ここは食後の運動と行きますか!」
そうして引き出されたのは、漆黒のテニスラケット。目玉模様を刻み込んだどことなく禍々しいテニスボールを数度ぽんぽんと足元に跳ねさせた後、オニキスはぐっと上方に身体を伸ばす。投げ上げられたボールをスイートスポットが捉え、弾丸のように打ち出した。
「これを打ち返してみてください♪」
「なんと……!」
非常用通路の狭い空間に幾度となく反射を繰り返しながら、テニスボールがコックHに迫る。たった1個であれば、たとえバトモンたちがいっちゃんの相手にかかりきりでもどうとでもなっただろう。しかし。
「さあ、まだまだ行きますよ!」
「……くっ」
0.01秒にも満たない速度で次々に放たれる跳弾は、もはやコックHを取り巻く檻のようなものと言って差し支えなかった。襲い来るボールを或いはフライパンで叩き返し、或いは敢えて脂肪の厚い部位で受けながら、過去の英雄は額に滲む汗を拭った。
「なかなかどうして、食えない方だ。それに、君のバトモンも」
「ぜひそのままの評価でお願いしますよ。カラス料理なんてものも世の中にはあるらしいですが、食材化なんてああ恐ろしい!」
大成功
🔵🔵🔵
シダー・ウッド
生憎だけど、料理が得意な相棒がいるからね
オブリビオンの手掛ける食事はお断りするよ
勿論、料理されるのも御免だね
君を倒して、目論見を阻止させて貰うよ
それにしても…まさかの時限爆弾か
船を狙うなら効果的なギミックだけど
少し味気ないな、料理人なのにね
笑えない冗談はさておいて【作戦構築】
※同時使用
【リーンフォースボルト】
【コンビネーション】
プラズメイトの電撃で潜在能力を爆発させ
超強化したシフォンに全てを託そう
戦法自体は僕達の最も得意な
『念動力』と『格闘術』を切り替えだ
それを、行動速度と知覚を強化した状態で行使
培った『勝負勘』で戦いの最中も『情報収集』
相手の弱点や隙を見逃さず
確実に攻撃を叩き込み、仕留めるよ
「生憎だけど、料理が得意な相棒がいるからね、オブリビオンの手掛ける食事はお断りするよ。勿論、料理されるのも御免だね」
シダー・ウッドは穏やかな表情をすっかり消し、苛烈な戦士の目でコックHを睨む。それに動じる様子もなく、また悪びれる様子もなく、コックHは首を横に振った。
「残念だね。これでも真心込めて料理をしてきたのだけれど」
「……君を倒して、目論見を阻止させて貰うよ」
目の前の男は世界を滅びへ導くオブリビオンであり、バトモンを洗脳して軍事兵器扱いする悪党だ。故にこそ料理の話をそこでばっさりと断ち切って、シダーは手首のバトモンウォッチに触れた。
「それにしても……まさかの時限爆弾か。船を狙うなら効果的なギミックだけど少し味気ないな、料理人なのにね」
「いやはや耳が痛い。だが、どんなに見た目が珍奇でも、効果がなければ意味がない。華美なばかりの料理が人の心を打たないのと同じことさ」
放った挑発にも、やはり過去の英雄は微笑みを崩さない。その表情を全く変えないまま、オブリビオンはシダーに指先を向けた。
「サメポット、進化。そして鍋ミサイル」
「……さめ+寸動鍋バトモン、シャークポットか!」
「流石、博士はよくご存知のようだ。鍋にこだわるサメポットが最高の寸胴鍋に出会った時、新たな力に目覚める……という説もあるね。鍋の容積が大きくなったことに比例してエネルギー容量も飛躍的に増加し、……こんな風に弾幕も放てるわけさ!」
寸胴鍋から身を乗り出した鮫のバトモンが大きく顎を開き、エネルギーの弾丸を吐き散らす! その瞳に意志の光はなく、オブリビオンによる洗脳の支配下にあるのは明白だった。
「シフォン!」
ただ名前を呼ぶだけのその叫びに、ヒツシツジは間違いなく応えてみせた。ぎゅっと目を閉じて放たれた念力波が弾幕と真正面からぶつかり、相殺していく。その間に生まれた隙を縫って、シダーはバトモンウォッチをもう一度指先で操った。
「組み合わせで対処だ……プラズメイト、リーンフォースボルト! シフォン、コンビネーションで行くよ!」
半透明の霊体から放たれた青白い電撃が、シフォンの肉体をまっすぐに貫く。それは傷付けるための一撃ではなく、潜在能力の爆発を与える賦活の一撃。電流に全身の体毛をぶわりと膨らませたシフォンが、ただ一点を狙って駆け出した。小さな体が華麗に宙を舞い、シャークポットの鍋底を真下から蹴り上げる!
がらんと金属が床を打ち、寸胴鍋に満ちていたスープがこぼれ出る。――あと一押し。あと一押しで、恐らくこのバトモンは洗脳から解放できる。
大成功
🔵🔵🔵
ギュスターヴ・ベルトラン
(ノクとキリエからあとでリンゴ剥いてという視線を受けている)
おう、わかったわかった…今回の黒幕のお出ましだぞ
【祈り】を捧げ、UC2つ同時発動
UC1:五つのパンと二匹の魚
UC2:二人は一人にまさり
UC2の効果をノクとキリエに分け
更にÉtoile de Sionで【祝福】【加護】を重ね、二匹を支援
あとは他のバトモンを連れた猟兵たちにも効果を分ける
キリエは【結界術】と【月光バリア】を組み合わせ、弾幕を遮る
ノクは【超風圧】で弾幕の勢いを削ぎ、続けて【暴風の舞】でシャークポットを攻撃
オレもUC効果で上がった勝負勘と移動力で弾幕の射線を見切って突破
避けきれないものは耐え、距離を詰めてコックHを刀で追撃する
きらきら光る4つの無垢な瞳が、ギュスターヴ・ベルトランをじっと見上げていた。夜空のような瞳を煌かせたままつやつやのリンゴを掲げるカプレリエの、そしてその横で何やらジェスチャーするように鋭い爪をぶんぶん振ってみせるリンドルムの言わんとすることは、勿論ギュスターヴにはお見通しだ。
「おう、わかったわかった……今回の黒幕のお出ましだぞ」
リンゴを剥いてやるのは、目の前に立つオブリビオンをどうにかしてから――その言いつけに対して、2匹のバトモンは異論を持たないようだった。蒼色の翼を広げて舞い上がる夜空竜と小さな手を組み合わせた小鹿の上に、福音の言葉が光を伴い降り注ぐ。
「――彼らは皆、食べて満ち足りた」
まるでパンを割き分けるかのように、光――即ちもうひとつのユーベルコードはふたつに、4つに、8つに、更に幾つもの光条に分かれ、けれどその輝きの強さは失わぬまま、戦場に立つ猟兵とバトモン全ての上に煌々と射す。それはバトモンと共に戦う者全てへの、身体と勝負勘を共に強化する大いなる祝福だ。
そして、ギュスターヴの放った星の矢がキリエとノクターンを射抜き、更なる祝福と加護で彼らを包む。柔らかな光に抱かれたキリエが祈りの姿勢をとれば、広げられた月光の結界が敵のシャークポットの放つ弾幕を呑み込み――そしてその隙に、ノクターンの荒々しき武舞が激しい風を伴ってシャークポットを直撃した!
吐き出され続けていた弾幕が上方へ逸れる瞬間を逃さず、ギュスターヴが床を蹴る。竜の暴風にその背を強く押し出されるまま、彼は体勢を崩したままのシャークポットには目もくれず、ただ事件の元凶たるオブリビオン目掛けて一直線に駆けた。閃かせた刀は過去の英雄の豊満な腹部を確かに捉えるかに見えたが、刃が肉を断ち切る寸前にグルメンの舌が伸び、強引に引き寄せて軌道を逸らす! 咄嗟に刀から手を離すことで得物ごと床に引き倒される事態を辛うじて避け、ギュスターヴは今も空中にある相棒へと叫ぶ。
「ノク、頼んだ!」
竜の叫びが、羽ばたきの音が、狭い空間を満たして響く。風の壁とでも形容すべき恐るべき風圧の一撃がグルメンを天井に押し付け、絡め取った刃を取り落とさせた。落下地点に踏み込み、浄化の刃を掴み取って、再び彼はその身を英雄の眼前に躍らせた。
――そして、今度こそ刃が肉に食い込んだ。コックHの穏やかな笑みが一瞬崩れ、痛みと怒りがその表情を支配する。飛び退るギュスターヴをじっと見据えて、かつての優しき英雄はその手に力を込めた。
「……全くもって、君たちは侮りがたい存在だよ。我々にとっては嘆くべきことだけれども」
「お褒めにあずかりどうも。――こっちにもこの後用事が残ってるんでな、一気に行かせてもらうぜ!」
そして再び、銀の一閃が煌いた。
大成功
🔵🔵🔵
ナリー・ゴールド
ゼィゼィ…あー走って普通に疲れましたわ…っとあらコック…スゥーッ(息を吸う)オッーッホッホ!ビュッフェはなかなか楽しませていただきましたわ!ウチで雇ってもよろしくてよ!お金でしたらこれこの通り!(札束をバシバシ)あら?でもなぜこんなところにコックが?厨房では臨時のスタッフを増員するほど忙しいはずではなかったかしら?サボりですの?
セバスチャン「そこまでたどり着いたのであればあともう一息ですな、お嬢様」
(と、セバスチャンがナリーの足をつかむと大回転をはじめる。
使用人が札束を持ったお嬢様をぶん回すUC【ゴールデンハリケーン】でコックを攻撃)
ちょっとセバスチャン!説明が足りなくてよ〜〜!?
「ゼィゼィ……あー走って普通に疲れましたわ……」
通路の壁に片手をつき、ナリー・ゴールドはお嬢様らしからぬ疲れ切った顔でそう呟く。流石にこのような地味で人気のない通路に、まさかお友達になりうるような人々はいないと考えての振る舞いだったが――見知らぬ男が1人、そこにはいた。どこからどう見てもコックの格好をした男の姿を認め、ナリーは深く深く息を吸い込んで。
「オーッホッホ! ビュッフェはなかなか楽しませていただきましたわ!」
「……おや。それは光栄だね、お嬢さん。料理人としてこれほど嬉しいことはないよ」
振り返った男の顔は穏やかで、優しげで、語る言葉にもまるで棘は感じられない。故に全くの無警戒でナリーは彼のすぐ傍まで歩み寄り、取り出した札束でバシバシとその肩を叩き始めた。
「ウチで雇ってもよろしくてよ! お金でしたらこれこの通り!」
分厚い札束ではたかれ続けているにもかかわらず、男は動じない。その扱われように喜ぶでも引くでも軽蔑の色を見せるでもなく、男はにこにこと人の好い笑顔を浮かべたまま何かを考えているようだった。
「……あら? でもなぜこんなところにコックが? 厨房では臨時のスタッフを増員するほど忙しいはずではなかったかしら? サボりですの?」
「舌平目のムニエルは大層評判のようだったねえ、グルメン。次のメニューは、贅沢にフィレステーキなどどうだろう……或いはそろそろ、秋刀魚も美味しくなってくる季節だねえ。敢えて庶民の家庭料理風の食卓を演出するのも一興かな?」
洗脳で従えたバトモンに対し、呑気な調子でそんな風にメニューの相談を呟く男に、さすがのナリーもそこで眉をひそめた。……この男、こちらの誘いを聞いていない訳ではない。聞こえた上で、意図的に無視しているのだ。
「……あなた……何か隠していませんこと?」
厳しく瞳を光らせるナリーの言葉に、ヒツシツジのセバスチャンが感慨深げに頷いた。
「そこまでたどり着いたのであればあともう一息ですな、お嬢様」
言うなり、小さな両手がむんずとナリーの両足を引っ掴んだ。そのままぐるんぐるんとジャイアントスイングの要領で回転を始めた執事に、ナリーはがっしと札束を掴んだままで悲鳴を上げる。
「ちょっとセバスチャン! 説明が足りなくてよ〜〜!?」
「ご自分で辿り着いてくださいませお嬢様。いくらお嬢様でもそこまでアホではないと存じておりますよ、ええ!」
「セバスチャ~ン!!!」
甲高い悲鳴を上げながら、竜巻のように振り回されながら、それでもナリーは札束を握り締めて考えを巡らせ――そして気付く。この男こそが、臨時で増員されたコックに紛れたオブリビオンなのでは?
――そう思い至った瞬間、握り締めていた札束がオブリビオンの横面を綺麗に張り飛ばした。
大成功
🔵🔵🔵
立川・登玲奈
●POW
見つけた!
悪い人には見えないけど、人は見かけによらないって言うからね
あたし達を料理にするって言ってるけど…まさか船で出されていたごちそうは犠牲になった人やバトモンじゃない…よね?
デンレッサをずっと探していたから料理には手を出していなかったけど、ちゃんとしたごちそうを食べるまでカテジナ号を沈めさせないよ!
友情シンクロ状態を維持しながら戦うけど、まずはお料理を食べて強くなったバトモンの相手からだね
元気もりもりになって怪力が強化されてるみたいだけど…当たらなければ、だよ!
【先読みダッシュ】の【みかわし】と【カウンター】で必殺…『ライトニングスマッシュ』!
バトモンごとコックさんにお返しするよ!
「……見つけた!」
ヴィクトリー部隊輜重部門長「コックH」の姿を通路の果てに認め、立川・登玲奈はまっすぐに人差し指をそちらに突き付けた。
「……バトモンバトラーですか。良い目をしているようだ。あなたも、勿論お連れのバトモンも」
振り返って微笑む男の佇まいに、登玲奈は僅か一瞬踏み出すのをためらいかけ――すぐに首を横に振って、浮かびかけた感傷を振り払う。どれほど人の好い料理人に見えたとしても、目の前に立つ男は過去の英雄。即ち、世界を壊すオブリビオンだ。
「あたし達を料理にするって言ってるけど……まさか船で出されていたごちそうは犠牲になった人やバトモンじゃない……よね?」
「バトモンを料理に……? とんでもない!」
ありえないという心の底からの感情が滲んだ返答に、登玲奈はひとまず安堵の息をつきかける。けれどそれに続けられた言葉は、彼女の表情を険しく塗り替えるに値するものだった。
「……バトモンは今や量産のきかない貴重な兵器。それを人類のための食材として扱うなど、いくらなんでも資源の無駄が過ぎるだろう! ……それに、バトモンは我々が長い時間をかけて戦闘に特化するよう品種改良してきたのだよ。牛や豚を食肉として改良するようにね。……つまるところ、美味しく食べてもらうのならば牛や豚を使うべきだ。バトモンを戦争のために使役するようにね」
穏やかに微笑んだまま、自らの持論に何の疑いも持たぬ様子で、コックHはそう語る。眉をひそめ、額に青筋すら浮かべて、登玲奈はぐっと拳を握り締めた。
「……許せない」
「……デェン」
相棒の怒りに呼応するように、デンレッサもまた毛を逆立てる。こんなにも穏やかな優しい顔をしながら、この男はバトモンのことを軍事兵器としか捉えていない。それは、登玲奈の怒りを買うには充分すぎる傲慢な振る舞いだった。
「行くよ、デンレッサ! 絶対、この船を沈めさせたりなんかしない!」
「デェェーン!!」
それは何も、デンレッサを探し回っていてご馳走を食べそびれたからというだけではない。こんな男にこの船を破壊させ、集まるバトモンたちを好きにさせてやるなど、ヒーローとしての魂が許さない。登玲奈の背に飛び乗ったデンレッサの毛皮が電流に輝き、ひとりと1匹がひとつに重なっていく!
「とにかく今は、お料理を食べて強くなったバトモンを解放しないと……!」
ビュッフェの食事の中には、コックHの手がけたバトモン洗脳料理も少なからず混入されていたらしい。種類も様々な明らかに毛並みのいいバトモンたちがコックHを取り巻くように立ちはだかるのを見据え、デンレッサと融合した登玲奈は雷電を纏う拳を構えた。
「一気に行くよ!」
床を蹴り、洗脳を受けて相棒から引き離されたバトモンたちの懐へと躊躇なく飛び込む。爪が、牙が、風刃が肌を裂こうとも、登玲奈は決して怯まない。そうして電撃を込めた体術の連撃が、バトモンたちの意識を確かに取り戻した。
大成功
🔵🔵🔵
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
確かにちょうど小腹が空いていたが…しかし貴様の料理はノーセンキュー!
無関係の人間やバトモンを巻き込むようなテロリストは海の藻屑として消えて貰うぞ!行くぞ!
むふふ…!私はバトモンを持ってはいない…
しかしここぞという時の為に待ってたのよ!いざ レイピアを抜きUC発動!
レベル体の|バトモン達《色違い》を召喚!
集団戦術と大軍指揮で敵のバトモンのみを集中攻撃!
その隙に|バルキルバ《色違い》で英雄へのダイレクト力溜めヘビータックルで吹き飛ばす!
見たか!|愛と友情のワンハンドレッドセブンティカンパニー《数の暴力》だ!
|騎士が英雄の蛮行を許す訳ないだろ馬鹿野郎!《グラサンをかけて英雄に拳銃を発砲》
非常用通路に堂々と立ちはだかり、漂う料理の匂いを深々と吸い込んで、ベルト・ラムバルドは腹の底から声を張った。
「確かにちょうど小腹が空いていたが……しかし貴様の料理はノーセンキュー!」
「……残念だよ。せっかく美味しい料理を用意したのに」
「……君の料理は素晴らしい。技巧も真心も尽くされているのが見ただけでも分かるとも」
裕福な家庭で大切に育てられてきたからこそ、ベルトにはそれを見抜くだけの目があった。コックHの料理にかける技術と真心を認めた上で、それでもと暗黒騎士は言い放つ。
「それでも……それでも、だ。無関係の人間やバトモンを巻き込むようなテロリストは海の藻屑として消えて貰うぞ! 行くぞ!」
「……お相手しよう」
正面からの宣戦に、過去の英雄は身構える。けれど猟兵たちの――そして彼らの連れたバトモンの奮戦より、彼を守護するバトモンはもう僅かしか残っていない。
だが、ベルトは知っている。追い詰められた時ほど、悪人はなりふり構わぬ手段に出てくるものだ。故に一切の油断を持たず、クロムキャバリアから訪れた騎士はすらりとレイピアを抜く。
「来い、バトモンたち……!」
掲げたレイピアが、ベルトの後光を受けて激しく輝く。光に導かれるようにして、どこからともなく無数のバトモンが押し寄せてくる――そして、彼らは一様に不思議な輝きをその身に纏っていた。通常の体色とは異なる毛色ばかりのバトモン軍団を大いなるカリスマオーラで統率し、ベルトはレイピアをコックHに――否、彼を取り巻く残り数体のバトモンに向ける。
「よーし!! バトモン軍団一斉攻撃だ!」
光り輝くバトモンの軍団が、オブリビオンの洗脳に狂わされたバトモンたちに向かっていく。ベルトのオーラに当てられていっそ熱狂的に突き進むその姿は、さながら救いをもたらす聖なる軍勢といったところか。色違いのバトモンたちが隊列を組み、洗脳の残るバトモンたちを各個撃破していく中、ベルトは傍に残った最後のバトモンへと指揮官らしく指令を下す。メタリックゴールドに輝く鋼の騎士――バルキルバが深く低く身を屈め、バトモンの盾を失った英雄めがけて疾駆する。一心に駆けるその背を見つめながら、ベルトはすいとサングラスを装着した。
「騎士が英雄の蛮行を許す訳ないだろ馬鹿野郎!」
バルキルバの全体重を乗せた高速突撃が過去の英雄の腹部を突き上げ、その身体を宙に浮かせる。その瞬間を逃すことなく、ベルトの構えた拳銃がオブリビオンの心臓を撃ち抜いていた。物言わぬ骸が冷たい床に落ちると同時、色違いに揉まれて正気を取り戻したバトモンたちがベルトの脇をすり抜けるようにして駆けていく。――恐らくは、元の主のいる場所へと。
「見たか! |愛と友情のワンハンドレッドセブンティカンパニー《数の暴力》だ!」
勝利を誇る声は、もはや過去の英雄には届かない。真珠の如きカテジナ号は、今はただ穏やかな波の上に静かに佇んでいた。
大成功
🔵🔵🔵