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潜入!豪華客船で婚活パーティー!

#UDCアース

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#UDCアース


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●黒船来訪
 夜の港に一隻の船が停泊する。
 それは真っ黒で、どこか異様な船だった。大きさで言えば、豪華客船と言ってもいいだろう。遠くからみればそれは闇に紛れるが、船内から煌々と灯りが漏れその異様さは増している。
 そこでは夜な夜な女性をターゲットにした婚活パーティーが行われていた。
 皆一様に目元を隠す仮面をかぶり、身分をわからなくする。一夜の遊びに興じるのだ。
 その様子を隠れた場所から眺めていた人影は、喜びに肩を震わせる。
「くっくっくっ。集まっているな……」
 ピンクのフリフリ衣装に身を包んだ、金髪ツインテールの変態紳士である!
 変態紳士の目的は、集まった女性たちを洗脳して、魔法少女にしてしまうことだった。
「無論、男でも構わぬっ」
 節操がない。
 魔法少女こと大変態魔法少女騎士ダンディーニは、新たに魔法少女にするものを見繕うために船の奥へと消えていった。

●気まずそうだ
 伊兵・ミカは気まずそうに集まった猟兵たちを見回した。
「みんなには船に潜入して、婚活パーティーに参加して、魔法少女になってほしい」
 なんて?
 誰も何も言わず、視線のやりとりだけでざわざわし始める。ミカはますます気まずそうに、微妙な表情をした。
「婚活パーティーに参加してる人たちがターゲットになってる。オブリビオンは、婚活パーティーに参加した人たちを魔法少女に変身させる……っていう性癖の持ち主みたいなんだ」
 性癖。
「婚活パーティーは女性のみが招待されてるところだから、女性は男装して行ってほしい。あと男性は、がんばれ」
 ミカの精一杯の応援。何をがんばれと。
 ちなみに、オブリビオンのお眼鏡にかなえば、男性も魔法少女になれるらしい。
 魔法少女になりたい、こんな衣装が着たい、こんな魔法少女になりたい、そんな希望があれば応えてくれるようだ。
 このオブリビオン、全ての魔法少女になりたい願いを叶えたいらしい。
「親切なのかありがた迷惑なのか……。とにかく、みんなにはそのオブリビオンを倒してほしいんだ」
 右手を掲げ、西洋の盾の形をしたグリモアをだすミカ。
「頑張って。無事の帰りを待っているよ」


蒼銃
 OPを読んでいただきありがとうございます。
 はじめまして、こんにちは。蒼銃と申します。
 魔法少女になりませんか?
 男性もなれます。

●第一章
 船に潜入してください。
 ドレスコードあり。タキシードなど。和装も可です。
 入場券はなく、仮面が入場券がわりです。
 仮面を忘れずお付けください。

●第二章
 女性を口説きましょう。
 ちょろいので何かしら褒めれば伸びます。
 女性の方は「男装」してください。プレイングに記載がなければ、申し訳ありませんが却下します。ご注意を。

●第三章
 君は魔法少女になりたいか!?
 ボス戦です。
 ボス戦の前に変身シーンが挟まります。魔法少女になりたい方はこう変身したいと記載してください。指定がないとみんな裸になります。
 男性の方もカムヒア! 男性も何もないと裸になるよ!
 強いですが、味方に魔法少女が一人でもいると弱体化します。
「仲間は……倒せない……!」

●備考
 MSは月の戦士世代です。パワーで殴ります。

 よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『暗黒の船』

POW   :    どうにかして船の中に潜り込む

SPD   :    船員スタッフや招待客に変装して潜入する

WIZ   :    巧みな話術や魔術などで誤魔化して潜入する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レパル・リオン
人を洗脳する悪い魔法少女!?許せない!正義のヒーロー魔法少女として、あたしが叩きのめすわ!
あ、ルクちゃん(f14346)!あたしと一緒に行かない?

大丈夫!何かあったらあたしが守るから!

服装:レパルにピッタリのサイズであること以外は普通のタキシード。仮面は「隠す気あるのかソレ」って言いたくなるくらい正体丸わかりの物

婚活かあ…結婚かあ…オトナって、憧れちゃう…


ルク・フッシー
婚活パーティー…?潜入…
いや…ボク、子供ですし…そ、それに…ひとが、いっぱい…(気絶しそう)
…え?レパルさん(f15574)、行くんですか…?

だ、大丈夫かな…
…わ、わかりました…ぼ、ボクも…行きます…!

服装:ルクが着られるサイズということ以外は普通のタキシード。仮面は口元しっかり隠す物。仮面というよりお面。

うう…かえりたいよ…(泣きそう)



●潜入……? 潜入だ!
「人を洗脳する悪い魔法少女!? 許せない! 正義のヒーロー魔法少女として、あたしが叩きのめすわ!」
 そう船から少し離れたところで、レパル・リオン(イェーガー・レパル参上!・f15574)は意気込んでいた。
 その後ろをおどおどとルク・フッシー(ただの少年猟兵・f14346)は様子を見ている。
「あ、ルクちゃん! あたしと一緒に行かない?」
「婚活パーティー……? 潜入……? いや……ボク、子供ですし……そ、それに……ひとが、いっぱい……」
 目がぐるぐるして今にも気絶しそうなルク。
 レパルが行くというなら、ルクも行ったほうがいいのだろうか。と葛藤するルク。
「だ、大丈夫かな……。……わ、わかりました……ぼ、ボクも…行きます…!」
 男ルク、一世一代の決意である。
 レパルはそう思ってもないらしく、ルクも行くのが当たり前のように、
「大丈夫! 何かあったらあたしが守るから!」
 温度差よ。がんばれルク。負けるなルク。

「すみません、ご参加者様でしょうか?」
「ええ! そうよ!」
「れ、レパルさん、せめて男言葉を使いましょう……」
 あんまり女というのを隠そうとしてないレパルにはらはらするルク。
 不審な顔をする仮面のスタッフは、レパルとルクの恰好を上から下までまじまじとみた。
 仮面、レパル、ベネチアンマスクをおでこにやっている。隠す気あんのか。
 服、タキシード。
「……わかりました。確認いたしました。どうぞ」
「い、いいんですか……!?」
 それで!? ツッコミが足りない。がんばれルク。
 スタッフの厳しい目はルクに。
 途端、緊張してガチガチになってしまうルク。
 仮面。というよりお面。南の方の陽気なダンサーみたいなやつ。
 服。タキシード。
「確認いたしました。どうぞ」
「い、いいんですか!?」
 あっさり通され、別のスタッフによって会場に案内される二人。
 レパルがこっそりとルクに話しかけた。
「婚活かあ……結婚かあ……オトナって、憧れちゃう……」
「うう……帰りたいよ……」
「なーに言ってるのよ、ここまで来たんだから楽しもうよ!」
 超スーパー前向きなレパルに心から救われているルクでした。
 二人の命運はどうなる!?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フロッシュ・フェローチェス
何というかもう、うん。アレっていうかオブリビオンが――うん……。
……手早く済ませよう。

仮面があれば良いと聞いたけれど、服は男装ままで入って良いんだろうか。
取りあえず念のためまずは仮面+男装で行こう……ダークスーツでも大丈夫かな?
無理ならノースリーブタイプのものに、長手袋とネックレス二つで行こう。
仮面は魔物みたいなもので、右頬の刺青を隠せるタイプを。
……でも念の為もう一つ、舞踏会みたいな品も持って行こう、同じく右頬を隠せるような物を。

しかし色んな人が居るね。
それぞれの特徴を覚えておこうかな?髪型とか、ドレスとアクセサリの組み合わせとか……後で必要になりそう。
情報収集は、怠らないよ。

※アドリブ歓迎



●男装でレッツゴー
「何というかもう、うん。アレっていうかオブリビオンが――うん……。……手早く済ませよう」
 何か思うことでもあるのか言い淀む、フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は、本当に何か言いずらそうだった。
 服装はダークスーツ。すらりとしたフロッシュの恰好によく似合っている、そこに着ける仮面は魔物のようで個性爆発していた。口だけを出すように、頬を隠すタイプのものだ。
 これはフロッシュが右頬の刺青を気にしたチョイスでもある。
 そこに更に、男性ものらしくシンプルな扇子をチョイスした。男性……男装の人には違和感もあるが、フロッシュの姿格好にはよくあった。これも、右頬の刺青を隠そうというフロッシュなりの気遣いだった。
「すみませんお待ちください」
 入り口のスタッフに呼び止められる。
 上下よく観察され、スタッフは頷いた。
「ようこそ、パーティーへ」
「ご苦労様」
 頭を下げるスタッフの横をさも正当な参加者だというように、フロッシュは通り抜けた。
 扇子を手でいじりながら、フロッシュは会場へと向かう。
「──」
 最初感じたのは目が痛い。
 豪華絢爛に飾り立てられた豪奢な天井、置物、そして溢れんばかりの着飾った仮面の人々。
「……色んな人がいるね」
 ざっと見ても特徴のある人達ばかりだ。
 フロッシュは口元を隠して、人混みの中へと入っていく。
 女性たちのドレス、アクセサリーの組み合わせ服装の特徴。
(後で必要になりそう)
 情報は怠らない。
 女性たちのキラキラした眼差しに気づいているのかいないのか、男装していてもフロッシュは目立ち、女性たちの注目の的だった。
「あの方はどなた……?」
「立ち振る舞いが素敵……」
 などなどフロッシュにも聞こえてくる噂話、仮面の下で眉を寄せたフロッシュは目立ちすぎはよくないと会場を後にする。
 通路の先でスタッフ同士が会話しているのが聞こえる。咄嗟に身を隠し、耳をすませた。
「ダンディーニ様……」
「……もう誰でもいいよう……」
「節操のない方……」
(ダンディーニ、もう誰でもいいってことなのかな)
 フロッシュは足音を消しその場から離れた。
 さて、パーティーが始まるまでどうしていようか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイ・リスパー
澪さんと同行
澪さんのことは女性だと思っています

友人の澪さんと一緒に
男装して婚活パーティー会場に潜入しましょう。
男性用の白いタキシードに、タキシードといえばコレ的な仮面を装着です。

「わあっ、澪さん、意外と男装似合ってますね!」
(悪気なく傷口をえぐる一言)

え、私も似合ってますか?
やっぱり胸がないからでしょうか胸が……(傷口をえぐられる)

「と、とにかく、これでパーティー会場に潜入しましょう!」

もしばれそうになったら、こんなに胸のない女性がいるかと論破して突破します。
(内心で吐血しながら)

澪さんの方が心配ですね。
あんなに可愛い男性がいるはずがないですから。
上手く誤魔化せるといいのですが。(追い討ち


栗花落・澪
アイ(f07909)さんと同行

燕尾服にホワイトタイを合わせた正装に
黒地に銀の装飾のヴェネチアンマスクで
髪を低位置で一括りにして参加

うっ、い、意外……あ、あはは、そう?
アイさんも中々似合ってるよ

アイさんの言葉に
実際男なんだから似合ってくれなきゃ困るんですけど
と嘆きつつ心の中だけに留め
アイさんの手を引き潜入を試みる身長146cm

もし身長で止められたら
僕ほんとに男だってば(事実)
身長伸びないまま成人しちゃって(嘘)
これでも気にしてるんですけど(事実)
背の低い男が参加したらダメなんですか…?
【UC】で担当者の【手を繋ぎ誘惑催眠】
僕の言葉を信じ込ませる荒技

こんな事までしなきゃ信じてもらえない僕って一体…



●可愛らしい男性客たち
「どうですか?」
 くるりと全身を回して、アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)は首を傾げてみせた。
 アイは男性用の白いタキシードに、タキシードといえばこれ! と黒い目元を隠す仮面をつけている。
 対して栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は控えめだった、胸の前で手をぱちぱちと拍手している。
 そんな澪の恰好は、燕尾服にホワイトタイで合わせ、黒を基調にした銀細工が施された繊細なヴェネチアンマスクをつけていた。いつもツインテールにしてる髪は、うなじで一括りにしている。
「わあっ、澪さん、意外と男装似合ってますね!」
 ざくっとアイの無邪気な一言が澪に刺さる。
「うっ、い、意外……あ、あはは、そう? アイさんも中々似合ってるよ」
「え、私も似合ってますか? やっぱり胸がないからでしょうか、胸が……。と、とにかく、これでパーティー会場に潜入しましょう!」
 アイのやる気に、澪は冷静に思う。
(実際男なんだから似合ってくれなきゃ困るんですけど)
 男なんだから、と澪はアイの手をとった。きょとんとしたアイだったが、女の子同士が手を繋いでも何の不思議もない! とそのままで船の入り口へ向かう。
 澪がんばれ。男の子の伸びしろはすごいぞ。
 入り口で待ち構えていたスタッフが二人を阻んだ。
「お待ちください」
 澪の悪い予感が当たる。
 スタッフ同士がこそこそ喋り始めるのが丸聞こえになる。
「明らかに子供だろ」
「いや、しかし貴族の御令嬢もいらっしゃるという話だ」
「あの」
 思い切ってスタッフに澪は声をかける。
 スタッフの鋭い視線が居心地が悪い。
「僕ほんとに男だってば。身長伸びないまま成人しちゃって……これでも気にしてるんですけど。背の低い男が参加したらダメなんですか……?」
「そ、そうですよ、こんなに胸のない女性がいますか!?」
 内心大量に吐血しながらアイも言い募る。
 でもアイは澪のほうが心配だった。あんなに可愛い男性がいるはずがない。
(うまく誤魔化せるといいのですが)
 ちらりと横目でみると、澪はスタッフの手をとってユーベルコードを発動していた。
 手をそっととり、可愛らしい瞳で誘惑し、最後は催眠術をかける。
「僕たちは、成人で男です。仮面をかぶっていて、条件を満たしています」
「お、お通りください」
「お、おい」
 二人目のスタッフが止めようとしたが、その二人を置いて澪はアイの手を握って駆け出した。
 まるで二人の逃避行のよう。澪はそんなことを考えていた。
「すごいですね、澪さん!」
「い、いえ」
 こうして二人はパーティー会場へ潜入することに成功したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カタラ・プレケス
アドリブ連携歓迎

…色々思うところはあるけど楽しそうだし参加しようか~
とりあえず服装は赤中心の羽織袴でいいかな?
一応身長ごまかす為に厚い草履で行ったほうがいいね
仮面は鬼で下半分は開けられるようしておこう
あとは色々怪しまれたら【催眠術】と【誘惑】で何とかしよう
それじゃあ楽しもうか~


セリオス・アリス
アドリブ歓迎
※婚活パーティーがイマイチわからないPC

がんばれって言われても何を頑張ればいいんだ?
まあ…とにかくちゃんとした服でいきゃいいってことだろ!
黒の燕尾服で髪の毛はポニーテールにまとめあげて
目元だけ隠れるシンプルなデザインの仮面をつけていく

あとは正面から堂々と
もし止められたら『礼儀作法』と『コミュ力』でなんとか切り抜けてえが…
最悪仮面から覗く目でじっと見つめて
「入れてくれるよな?」とお願いつーか『誘惑』していれてもらおう

※婚活パーティー男性の審査に厳しい印象が……ある
アピールポイントは……顔…?
飯をうまそうに食うのも得意だが
あんま役にたつきはしねえなぁ



●誘惑する男子たち
「……色々思うところはあるけど楽しそうだし参加しようか~」
「なぁ、こんかつパーテイーってなんなんだ? とんかつの親戚?」
 セリオス・アリス(黒歌鳥・f09573)の素朴な問いかけに、思わず喉まで「そこから?」と問いかけそうになったカタラ・プレケス(呪い謡て夜招く祈りの鳥・f07768)だったが、飲み込んだ。
 だって黙ってた方が楽しそうだから。
 と、爽やかな笑顔でセリオスに微笑みかけるカタラ。
「ぼくも楽しそうだから来ただけなんだ」
「お! それじゃあ俺と一緒だな。……しっかし和服かぁ」
 セリオスはそう言ってカタラの上から下までしげしげと眺めた。
 カタラは赤中心の羽織袴を着ていた。かなり目立つが、闇夜の中ではそれも霞む。仮面は、鬼の形。下半分がない珍しい形をしている。
 出がけに赤いクリスタリアンの少年に「がんばって」とは言われたが、具体的には聞いてないセリオスは言われるままドレスコードを着ていた。
 黒の燕尾服に、いつもは結わない黒い艶やかな長髪をポニーテールにまとめている。
 仮面は目元を隠すシンプルなものだ。
「それじゃ、行くか」
「うん」
 落ち着いた様子のカタラに、どこか頼もしい雰囲気を感じセリオスは堂々と正面から入ろうとした。
「お待ちください」
 スタッフに止められ、上から下まで見定められる。
 服装チェックとはあまり気持ちのいいものではない。
「失礼ですが、男性ですか?」
「あっっ」
 たりまえだろ! と叫びかけてセリオスは飲みんだ。ゴホンと大袈裟に咳払いして、礼儀作法とコミュ力を発動させる。
「たしかに、髪は長いけど立派な男だぜ。声だって男だろ?」
「しかし」
(ああ、これはまずいかな)
 カタラが思い始める前に、セリオスは動いた。
 おもむろにスタッフの手をとって、その仮面の下から青い瞳でじっと見つめる。
「あ、あの……」
「通してくれるよな?」
 手を握られたスタッフが狼狽える。誘惑だ。
 あふれ出る男のしての魅力と、威圧にも似たお願いをスタッフにかけた。
「ど、どうぞ……」
「おい、待て──!?」
 もう一人のスタッフの前に、カタラが立っていた。仮面を外して。
「通してくれるね?」
 こちらは威圧と、お願いだった。
 カタラの催眠術にかかったスタッフは虚ろな目で、どうぞ……と道を開ける。
 男二人に魅了された男性スタッフ二人。
「ま、こんなもんだろ」
「それじゃあ楽しもうか~」
「こんかつってまじで何すればいいんだ……? 顔? 飯をうまそうに食うのは得意だが」
「一定の層には受けるんじゃないかな」
「……」
 そんなやり取りをしながら、二人は婚活パーティー会場へと入っていった。前途多難である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

杜鬼・カイト
婚活パーティの参加者を魔法少女に変身させる、なんて、変わった性癖の敵だよねー
魔法少女って、ひらひら可愛い衣装着て、物理で敵を殴る女の子達のことでしょ
あれ、違うかな? 結構肉弾戦してるイメージあるんだけど
まあ、オレはオレに似合う恰好になれるんだったら魔法少女でもなんでもいいかな

婚活パーティーの参加者ってことにして船に潜入する
ところでオレは男なんだけど、婚活パーティに参加するなら男装したほうがいいの?
男装したほうがいいんなら、セーラー服やめてフォーマルスーツに着替える。髪も後ろで束ねるよ
仮面はペストマスクを着用。この仮面、鳥っぽくてカッコよくない?



●女装男子
 杜鬼・カイト(アイビー・f12063)は魔法少女に思いを馳せる。
「婚活パーティーの参加者を魔法少女に変身させる、なんて、変わった性癖の敵だよねー」
 着替えた服(まだナイショ)でくるりと可愛く回って魔法少女なポーズ。似合う。
「魔法少女って、ひらひら可愛い衣装着て、物理で敵を殴る女の子たちのことでしょ?」
 両腕を組んで、「ん?」と可愛らしく首をかしげる。
 この子が男子なのか……。
「違うかな? 結構肉弾戦してるイメージあるんだけど。まあ、オレはオレに似合う恰好になれるんだったら魔法少女でもなんでもいいかな」
 私もいいと思います!!
 で、とカイトは船の入り口を少し離れた場所から見た。いつもの恰好のままなら、入場拒否されてしまうだろう。残念ながら。
「オレは男なんだけど、恰好も男装したほうがいいかなっと思って」
 いつものセーラー服も大変お似合いでした。
 男装したほうがいいなら、とカイトが着てきたのは黒のフォーマルスーツだった。すらりとした体によく似合っている。
 長い髪は後ろで束ねれば、清楚感漂うワイルド系な男子……に見えなくもない。
 仮面に取り出したのはペストマスク。かなり目立ってる。くちばしの大きさが少し控えめな作りのものだ。
「この仮面、鳥っぽくてカッコよくない?」
 かっこいいとかっこいいが合わされば男子に見える。私はそう思う。
 そしてその姿のまま、カイトがスタッフ二人が立つ方へ向かうと。
「お待ちください」
 ぴたりと呼び止められて、立ち止まるカイト。
 ダメかな~なんて首を傾げて見守っていると。
 カイトの全身服装チェックを終えたスタッフは、道を開けた。
「お通りください。どうぞお楽しみを」
「ありがとー」
 すんなり通してもらったカイトは、るんるんで会場へと向かった。
 果たしてカイトの目的やいかに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルバ・アリエスティーニ
他の世界と繋がって、初めての猟兵としての仕事はこれですか…
魔法少女、中々興味深いものです
(仕事モードのため口調は丁寧)

さて、舞台は大きな船…豪華客船なら遊戯室とかもありそうですし、そちらのスタッフとして潜入しましょうか
普段から男装してカジノで仕事してるので、いつものように振る舞えば問題ないと思います。(ディーラーのような服装で、髪色に近い赤の仮面を被る)

潜入出来たなら、怪しまれないように遊戯室を探しましょう
あまりあちこちを動き回って、バレてしまっては元も子もないですからね

アドリブ歓迎



●興味は広く深く
 アルバ・アリエスティーニ(Break shot・f16616)はきらーんと目を光らせた。
「他の世界と繋がって、初めての猟兵としての仕事はこれですか……」
 女性でふりふりのヒーローは時々見かけたが。
「魔法少女、中々興味深いものです」
 仕事モードのため、丁寧な口調だ。
 これは魔法少女、見かけたらただでは済まないかも知れない。がんばれまだ見ぬ魔法少女。
 さて、とアルバは居住まいを正す。事前にアポはとってある。ディーラー服に身を包み、髪の色に近い赤い仮面を被って。
 入り口にいるスタッフに、なんとなくふわっと作った会員証をみせる。もちろん偽名だ。
「遊戯室のディーラーとして働くアティ・ドルチェスティーニと申します」
 スタッフはまじまじとチェックして、2人頷きあうと道を開けた。
 ちなみに印刷が間に合わなったので、フォント手書きでそれっぽく書いた。
「ご苦労様です。遊戯室は左手に行った奥にあります」
「はい。どうも」
 ざるチェック。と去り際に聞こえないように呟いて、アルバは遊戯室から一本奥に通った道を眺めた。両開きの赤い天鵞絨と金の取っ手があしらわれたそれは、恐らく会場への道だ。
 それだけ確認して、アルバは元の道に戻る。あまりウロウロして怪しまれるのもまずいからだ。
 しかし入り口のざるチェックに比べ、船内もだいぶざるチェックだった。
 船員は皆笑顔で道を通してくれるし、参加者はディーラー姿のアルバを意に介さない。
(これは、想像以上に)
 楽そう。
 会場の女性参加者はどれだけチョロいのだろう。遊戯室へと入りながら、アルバはちょっと女性参加者たちに同情したのだった。
 ただ問題があるとすれば、魔法少女を作り出してしまうというダンディーニだろう。どんな手を使って魔法少女にしてしまうか不明だが、アルバも覚悟は決めておいたほうがいいかも知れない。
 パタンと静かに閉じられた遊戯室に、人影はまだなかった。宴もたけなわになってきた頃、お目当ての男子とこういった場所にくる。
 またはお目当ての男子が見つからず、ヤケになってくるかのどちらかだろう。
「さて──」
 どう動く? アルバは遊技台に手をかけ、静かな遊戯室に耳をすませた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノエル・ラティス
【SPD】
魔法少女になりたいという純粋?な男女の心に漬け込み弄ぶなど、言語同断。許せません!

ふっふっふ…ここは格好良く、偽の船員スタッフとして変装・潜入しましょう。
って、ぎゃー!
入った瞬間、すぐに関係者の方にバレちゃいましたっ!?
仮面もちゃんとつけていたのに、そんなにこの変装用の付け髭がおかしかったんですかね?
あわわわ、叩きのめさないでください、許してくださいー!
靴磨きでも床掃除でもなんでもしますからー!
えっ、キッツーイ雑用だったら空いてる?タダ働きだったらこき使ってやっても良いって?
いろいろ思うところはありますが…た、助かりました…



●おしおきだ!
「魔法少女になりたいという純粋? な男女の心に漬け込み弄ぶなど、言語同断。許せません!」
 純粋なものがあるかどうかはさておき、ノエル・ラティス(救いようのない救われたいアホっ子・f13294)は怒っていた。
 彼女はどちらかということ、魔法少女になりたいのではなく、なりたいと思う純粋な気持ちを踏みにじるオブリビオンが許せないらしいです。
「そうです!」
 地の文と会話しないように。
「ふっふっふ、……ここは格好良く、偽の船員スタッフとして変装・潜入しましょう」
 てとてとと、自らの姿になんの疑いも持たぬまま入り口に突撃していくノエル。
 がしっと両腕を掴まれ船外にぽーい!
「ぎゃー!」
 早速、正座をして、1人反省会。もうわかってるから、ダメな理由わかってるから!
「入った瞬間、すぐに関係者の方にバレちゃいましたっ!?」
 ハッと気づいた感じのノエル。気づいて、話進まないから。
「仮面もちゃんとつけていたのに、そんなにこの変装用の付け髭がおかしかったんですかね?」
 それだ。
 いくらなんでもうら若き男子に立派な付け髭はない。ないから。
「そんなに否定しなくても……」
 付け髭外してもう一度チャレンジ。いやどんだけポジティブなの?
「あわわわ、叩きのめさないでください、許してくださいー!」
 しゃがみこんでガードするノエルの心意気に、スタッフは大げさにため息をついた。
「キッツーイ雑用なら空いてるぞ。ただし、タダ働きならこき使ってやってもいい」
「本当ですか!? ラッキーです!」
 めげない少女、ノエル大勝利!
「いろいろ思うところはありますが……た、助かりました……」
 元はと言えば付け髭つけたノエルが原因なのに気付こう。
 ほっとしたノエルにはその声は聞こえることなく、会場と思われる方向とは逆にノエルはスタッフに連れていかれた。
 その後、一室に入ったノエルの悲鳴が聞こえたがなにをしているかは……聞かないほうがいいようである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アドニス・カイネウス
◆SPD
入場券代わりの仮面とドレスコードで招待客に変装して船に潜入。その姿は頑張って着飾った美少女…ではなく、実は男の娘なアドニス君。
姿格好は兎にも角にも上目遣いで、首をやや傾けながら笑いかける姿は、こんな可愛いなら男だろうが女だろうが些細な問題だし、関係ないぞと、なんか凄く大事な判断を狂わすかもしれません…多分。

「ふっふっふー、潜入捜査は得意よ! こういうのはアタシにお任せね☆
それに個人的に魔法少女って、スゴク興味があるわ!
オブリビオンもイイ趣味してるわね☆」

何かオブリビオンの性癖にシンパシーを感じるのでした。



●可愛らしき招待客
「ご招待に預かりましたものですわ」
 そう言って優雅に純白のドレスをつまんで可憐に礼をしたのは、仮面をつけたアドニス・カイネウス(バーチャルキャラクターの愛の聖(性)者・f16017)だ。
「おや、招待客はすでに入場済みですが」
「遅れてしまいましたの。それとも……」
 首を傾け、上目遣いでスタッフを見る。その姿は可愛らしいご令嬢だ。
 が、本当は男の娘だというのをスタッフは知る由もない。
「遅刻しては、入れていただけませんの?」
 すっとアドニスはスタッフに近づき、スタッフの胸板に指を這わせる。
 戸惑うスタッフに、押せる! と心の中でガッツポーズしたアドニスはさらに攻めていく。
 ちらり、と流し目。
「わたくし、楽しみにしていましたの。今回の婚活パーティー。とても、とても……」
「! お嬢様……どうぞ、お入りください」
「あなたのような可憐な方が、狼藉を働くはずがない!」
 きりりとしたスタッフたちは、アドニスに対して道を開ける。
 本性を現したかったが、アドニスは唇を思い切り噛んで堪えた。
 あくまでも優雅に可憐に、スタッフたちに礼をする。
「なんて親切な方たち。どうもありがとう」
 スタッフたちに背中に向けた瞬間、アドニスは表情を崩した。
(計画通り……)
 かなりきょうあくな顔をしている。
 少し離れたところで、アドニスはふうと大きく伸びをする。
 そのあと思い切りガッツポーズ! さっきまでガチ演技していた令嬢の姿はどこに。
「ふっふっふー、潜入捜査は得意よ! こういうのはアタシにお任せね☆ それに個人的に魔法少女って、スゴク興味があるわ! オブリビオンもイイ趣味してるわね☆」
 変態魔法少女ダンディーニにシンパシーを感じてここまで潜入してきたが、果たしてアドニスはダンディーニに出会えるのだろうか!? 乞うご期待!

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『潜入!婚活パーティー!』

POW   :    肉食系女性にアタックして調査(女性は男装必須)

SPD   :    清楚系女性にアタックして調査(女性は男装必須)

WIZ   :    妹系女性にアタックして調査(女性は男装必須)

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●婚活パーティーin猟兵
 それぞれ婚活パーティー会場へと潜入できた猟兵たちは、ダンディーニを誘き出すために招待客の女性たちに話しかけようとしていた。
 ダンディーニは冷静沈着で慎重だが、これ! といった魔法少女に相応しいものが現れれば表舞台に引きずり込むことが可能だろう。

「ふっふっふ、今回も粒ぞろいの女性たちが集まりましたね……」

 闇からダンディーニは目を光らせる。

 さあ! 猟兵たちよ、魔法少女になるべくダンディーニのお眼鏡に叶う行動をするのだ!!


※魔法少女に見初められる具体案
男らしい
女らしい
貞淑
色っぽい
ぷいきゅあっぽい
中性的

 だいたいこんな感じだが、ダンディーニの性癖は案外広いぞ!(こんな性癖くらえー! というのもぶつけてください)
レパル・リオン
「えっと、この後どうするんだっけ?」
とりあえず女性を褒める作戦でいくレパル
「あなたは○○な人なのね!すごーい!」
「その仮面カッコいいわね!」
「わあ!その服似合ってるわ!」
「そ、そんな特技が!?すごーい!」
「あたしもあなたみたいな大人になりたーい!」
口説くというより、友達になるという感じのノリで話しかけるレパルだった

【レパルの特徴:もふもふの上半身、つるぷにの下半身、所謂ケモロリ、背がかなり低い、元気娘、勇敢、ヒーローに憧れる、ボディランゲージやボディタッチが多い】



●キマイラ×キマイラ
「えっと、この後どうするんだっけ?」
 早速本来の目的を忘れているレパル・リオン(イェーガー・レパル参上!・f15574)。
「大丈夫、覚えてるっ」
 どこかにぐっと拳を握りこんで喋りかけてから、とりあえず手近にいる女性に声をかけた。
 女性はレパルと同じ、キマイラだった。人の体に竜の尾っぽ、狼の両手、狐の耳をしていた少女だった。
 仕立てのいい白いフリルのドレスを着ている。白い上品な仮面が、キマイラの少女が身分の高い少女だとわかる。
「あなたもキマイラなのね! すごーい偶然!」
 レパルが声をかけると、キマイラの少女はレパルを一瞬みて、目を見開いてレパルをじっと見つめた。
「あなたもキマイラね?」
「そーだよー。その仮面、かっこいいね!」
「そ、そう? 変じゃない?」
「うんうん、その服も似合ってるわ!」
「ほんと?」
「ほんとだよ~」
 嘘つくわけないよーと少女の肩をさりげなく触れて言うレパルに、少女といってもレパルより年上、15歳くらいだが。しかしレパルの気安さに少女は段々と緊張していた面持ちが和らいでくる。
「よ、よかった。ねぇ、あなたお名前は?」
「あた……レパルは、レパルだよ!」
 思い切り「あたし」と言いかけたレパルはぐっと飲みこんだ。えらい。
 キマイラの少女はふんわりと微笑んだ。
「レパル……わたしはリラ。よかったらお友達になってくれない?」
「ん? うん、もーちろんいいよ!」
 レパルは、リラの両手をとって、ぶんぶんと軽く振った。リラの顔はぽっと赤く染まって、慌ててリラから離される。
「れ、レパルはすごく積極的なのね。わたし、どきどきしちゃう」
「??? そう?」
 それからリラは顔を赤くしたまま俯いてしまった。
 まずい、このままではダンディーニのお眼鏡に適わない! リラはすぐに話題を提供する。
「リラはどんな特技があるの?」
「わたしの特技? ピアノと編み物が得意かな」
「そ、そんな特技が!? すごーい!」
 アピールアピールと、レパルはぐいぐい押していく。
 そんなレパルに、リラは段々惹かれていった……。

 わかる。わかるぞ……。
 キマイラ娘。ケモロリっ娘。見た目は合格。
 元気っ子。そして物怖じしない。
「合格ぅ!?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルク・フッシー
人見知りっぷりを大いに発揮、不安になり尻尾を体に巻き付けたり抱きしめたり咥えたりしてる
「あっ、あっ…その……」
とりあえず相手の似顔絵を描く事で接近を図る
「で、できました…」
それなりに相手を美化しつつ綺麗に描きあげる
人見知りはするが、困った人をほっとけないタイプなのでそういう所にキュンと来る人もいるんじゃなかろうか

【ルクの特徴:ショタ、ドラゴニアン、つるぷに、中性的(?)、気弱、優しい、実は食べ方がワイルド(チキンの骨くらいなら普通に噛み砕く)】



●ショタは愛でるもの
 ルク・フッシー(ただの少年猟兵・f14346)は大いに人見知りを発揮していた。あわあわと慌てて、視線ははおろおろとあちこちにいって、仕舞には不安になってしまい尻尾を体に巻き付けたり、抱きしめたり、咥えたりしていた。
「かわいい~」
「こんなかわいい子がいるならまたきたいー」
「ほんと、癒されるわ」
 煌びやかな大人の女性三人に囲まれてしまったルクは完全に包囲されていた。
 助けを求めようにも、レパルとは別に活動してしまい、ルクは自分で今の状況を打開するしかない。
「あっ、あっ……その……」
 ほぼ零距離で女性たちに迫られてしまったルクは、持っていたスケッチブックで顔を覆ってしまう。
「あら、いじめすぎちゃったかしら」
「でもそんなところも可愛いわねぇ」
「待って、何かしてるみたいよ」
 スケッチブック越しではみえないが、ルクは微笑みながら何かを描いていた。筆に迷いはなく、何より早かった。
「で、できました……」
 くるりと、スケッチブックの描いていたほうを女性三人に向ける。
「まぁ……」
「なんて……」
「これ、わたくし?」
 こくり、と頷き。
 30代後半くらいの女性は、20代前半くらいに美しく描かれていた。タッチは繊細、少し横顔が描かれた女性は控えめにいっても美しかった。
 描かれた女性は言葉を失って、ルクの絵に見入っている
 ビリビリと描いたページを破り、それをモデルになった女性に渡す。
「まぁ、ありがとう。ボク、お名前は?」
「え、あの、ルク……です」
「ルクくん……わたくし、あなたのこと、とてもファンになりましたわ」
 ルクは気づいていないが、なんだかアヤシイ雰囲気である!
 ばっとここでまだ描かれてない女性たちがルクと女性の間に割り込んできた。
「次は私を!」
「いいえっ、あたくしよ!」
「あ、あのっ。……」
 取っ組み合いを始めそうだった二人が、ルクを見つめる。
「順番で……二人とも描きますよ」
 ルクはちょっと慣れた女性たちに向かいほんわりとした可愛らしい笑顔で、女性三人をキュン死させた。

「いいぞぉ……実にいい……」
 人見知り、それを克服するという成長過程。
 そして周囲が驚く意外な特技、スケッチ。
 そして何より、見た目!
「君も合格だ!!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルバ・アリエスティーニ
●SPD
ずいぶんとざるチェックでしたね…
私のリゾートであんなことしたら一発クビになってもおかしくはないですよ、あれ

人が来るまでは道具の手入れをして、来たら丁重におもてなしをします
男性を連れてきた場合は、女性の視線をこちらに向けさせるために男性と勝負を
手加減…?しませんよ、勝負はいつだって真剣に挑まなければ
女性が一人で来たら手取り足取り教えて私を意識させましょう
どちらの場合でも私の得意なビリヤードを持ち出してみましょうか(動きがある方がよりカッコよく魅せられますし)
男性には連れの方にカッコいいところを見せるチャンスと唆して
女性には【誘惑】を使いつつ、私が女だとバレない距離を保って


アドリブ歓迎



●勝負は真剣に
 バーカウンターも併設されている遊戯室にちらほら人が入ってきたのは、やはり夜が更けてきたころだった。
 酒にほろ酔いになった男女や、一人やけ酒の男と女。悲喜こもごものストーリーがあった。
 道具の手入れをして待っていたアルバ・アリエスティーニ(Break shot・f16616)は、訪れた客を一人一人丁寧に出迎えた。
「ようこそ」
 その中で、アルバは一人の女性に目をつけた。真っ赤なドレスに金色の仮面をしている、少しいで立ちは派手だが。
 すでに葡萄色の液体が入ったワイングラスを手にキョロキョロと居場所がないようにしている。
「お客様、どうかなさいましたか?」
 アルバにはすぐわかった。
 この女性は“見栄をはっている”。
 派手なドレスを身にまとい、派手な仮面で顔を隠しても所作に自信のなさが見え隠れしていた。
「あ、ええと……ここは、何かしら?」
「遊戯室にございます。ビリヤード、カードゲーム、お休みならバーカウンターもございます」
「ビリヤード……カードゲーム……どれも難しいんでしょう?」
「いいえ、とんでもございません。よろしければ、私がお教えいたしますよ」
 女性の持つワイングラスをさりげなく受け取とって、ビリヤード台に誘う。
「テレビで見たことはあるけれど、ルールは知らないの」
「では、まず私が見本をお見せしますね」
 そういうとてきぱきとゲームの準備をしていく。キューを手に持ち、キューボールで三角に並んでいたボールを打つ。
 1、2、3、……一打で次々とボールがコーナーポケットへと吸い込まれていく。
「すごい……」
「最初は打つだけでも楽しいですよ。さ、こちらへ」
 アルバに呼ばれ、女性はおずおずとアルバの傍に立つ。アルバはキューを持たせ、ひとつのボールの当てやすいように中心に置く。
 そして女性の背後に立ち、手取り足取り構えをさせる。
 胸をあてないように気を付けながら。
 ぎこちない動作ではあったが、女性が手取り足取りキューを打ち込めば。
 カキンッ。
 小気味いい音を立てて、アルバが置いたボールはポケットに入った。
「やったわ……!」
 ふっと女性がアルバに振り返る。
 想像以上に近くにいたアルバに、女性ははっとして慌てて目を逸らした。
「あの、私……」
「おめでとうございます、お客様」
「あ……ありがとう」
 誘惑を使う必要もないほど、アルバの手ほどきは女性を魅了した。

「イイ……!」
 人を見る目。
 さりげない気配り。
 営業スマイルに見えない、完璧な笑顔!
「参謀タイプの魔法少女にぴったりだ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイ・リスパー
澪さんと同行
澪さんのことは女の子だと思ってます

「ええっ、女性を口説くんですかっ!?
そ、そんなのやり方分かりませんっ」

困惑し澪さんの方を向いたとき天啓が!

「あ、そうだ、澪さん女性ですから、口説く練習させてくださいっ!」

【チューリングの神託機械】で電脳空間に接続。
女性の口説き方を調べます。

なるほど、とにかく誉めること、ですね。
あとは壁ドンとかいうのがあるのですか。

「澪さん、今日も天使のように可愛いですね。
その服装もすごく似合ってますよ」(壁ドンの体勢で

練習終了、完璧ですね!
では、女性たちを口説きましょう!

澪さん、なんで不安そうな顔してるんですか?

(男装女子×男装男の娘というニッチな性癖をくらえー)


栗花落・澪
アイさんと一緒

口説くって言われても
意識した事無いしなぁ…

えぇっ、練習!?
や、でも僕…っ

おろおろしてる間に壁ドンされ
褒められ側は慣れず真っ赤に

あぅ、ぁ…ふ、ふえぇ…
それ心臓に悪いよぉ…
(両頬を押さえもじもじ)

うぅ…やっぱり心配だからサポートしよう…

女性にはまず雑談から
モデルの義姉がいるから女性トークも任せて

わっ、お姉さん目がとっても綺麗だね
宝石みたい!
マスク越しなのが残念だなー

顔が見えなくても貴方の美しさはわかるよ
髪も爪も手入れが行き届いてるもの
普段から気を使ってる証拠

観察眼で細かいこだわりも察して褒めつつ
時折アイさんのフォロー

ちょっと緊張しやすいみたい
優しくしてあげてね、お姉さん達

※天然たらし



●次の指令だ。
「ええっ、女性を口説くんですかっ!? そ、そんなのやり方分かりませんっ」
「口説くって言われても、意識した事無いしなぁ……」
 アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)と栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は赤い豪華な扉の前で思わず顔を見合わせてしまった。ただ見えたのは仮面をつけたお互いだけで。
 そのとき! アイにピピーンと天啓が下った!
「あ、そうだ、澪さん女性ですから、口説く練習させてくださいっ!」
 名案だ。
「えぇっ、練習!? や、でも僕……っ」
 オラクルを受けたアイは、どこからか不思議な風を吹かせて詠唱を始める。下から淡い青いライトも浴びているがたぶん見間違いじゃない。
「電脳空間への接続を確認。万能コンピューターへログイン。オペレーション開始します」
 完璧な女性を口説くデータを受信している間、アイの鼻から流血するのをそっとティッシュで拭く澪。
 ふわっと風が止みライトも消えた直後、アイは両目をカッと見開いた。
「!?」
 気づいた時には澪は壁際に追い詰められていた。
「澪さん、今日も天使のように可愛いですね。その服装もすごく似合ってますよ」
 近い。顔が近い。
 壁ドンの体勢で追い詰められた澪は目をぐるぐるさせる。褒められ慣れてない澪に、アイのいつもよりトーンを落とした声は体に甘く響く。
「あぅ、ぁ……ふ、ふえぇ……。それ心臓に悪いよぉ……」
 赤くなる両頬を押さえて体をもじもじとさせる澪。完全に落ちる前だ。
 答えようか、どうしよう、どう答えよう? なんて澪がもじもじしていたら、アイはあっさりと離れた。
「練習終了、完璧ですね! では、女性たちを口説きましょう!」
「……」
 澪の本気の照れはどこへぶつければいいですか。
 肩透かしを食らった澪は、なんだかどっと疲れた気がした。
「うぅ……やっぱり心配だからサポートしよう……」
 それでも見捨てられないのは、やっぱりアイだから。不安そうに眉を寄せる澪に、アイは首を傾げていた。
「澪さん、なんで不安そうな顔してるんですか?」
「いいですか、女性にはまず雑談からっ」
「っは、はい!」
 澪を先頭に、二人は赤い扉を開けた。
 モデルの義姉がいる澪にとって、女性たちとの会話は日常生活のひとつだ。
 颯爽と風を切って歩く澪は堂々とし、カッコよかった。女性たちはマスク越しにその姿を見、後ろを歩くアイも目を引いた。
 見目麗しい男子が二人も現れたのだ。
 澪はワイングラスを持つ二人組の女性たちをロックオンする。
「わっ、お姉さん目が青空みたいでとっても綺麗だね。宝石みたい! マスク越しなのが残念だなー」
 ブルーの目の女性は、ぽっと頬を赤らめた。
 すかさずもう一人の女性の手を取る。ドレスと合わせた真っ赤な長い爪のマニキュアが美しく飾られていた。
「顔が見えなくても貴女の美しさはわかるよ。髪も爪も手入れが行き届いてるもの。普段から気を使ってる証拠」
 ブルーの目の女性が自らの爪をみる。シェルピンクの爪の短い控えめなマニキュアだった。
 アイに天啓再び。
「貴女の爪、好きですよっ。貴女のその、頑張ってる姿が見えます」
「そう、働き者なすてきな姿が」
 そうフォローして澪はブルーの目の女性にウィンクする。ブルーの目の女性は、再び顔を赤らめて自らの手を大切そうにさすった。
「彼、ちょっと緊張しやすいみたい。優しくしてあげてね、お姉さん達」
 澪はそっとアイの背中を押した。女性たちは顔を見合わせてから、アイとそして澪に色々な質問を投げかける。
 お名前は?
 おいくつ?
 好みの女の子はいる?
 他愛ない、しかし楽しい時は刻々と過ぎていった。

「本来の性別を越えた、友情!」
 その本気、たしかに受け取った。
「二人とも、覚悟はあるのかっ!?」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カタラ・プレケス
アドリブ連携歓迎

…よく考えたら女性と話したことあんまりないんだよね
里の人は会話成り立つけど崇めてくるからそういうのはなかったし
他は仕事で誘惑とか呪いとかで情報出してくれるし
…まあいつも通りやればいいかな?

とりあえず適当な女性に近づいて仮面越しに目を合わせて(呪詛+誘惑)
『どうか私に愛され堕ちてくださいな』と
言霊(呪詛+誘惑+催眠術)に乗せて視覚と聴覚から釘付けにするよ
あとは適当に世間話や外見を褒めたりして別れよう
あとはこれを何人かに繰り返せばいいかな?

…一般人だとしても結構簡単に落ちるな
愛に餓えた人は悲しいね~



●テンプテーション
 赤い壁紙にうつかりどこかぼうっとした表情でカタラ・プレケス(呪い謡て夜招く祈りの鳥・f07768)は、壁の花になっている様々な仮面の女性たちを見定めていた。
(……よく考えたら女性と話したことあんまりないんだよね)
 15の少年としては稀有な方なのかも知れない。思春期であれば、女性に何かしらの感情を抱くのだろうが。
(里の人は会話成り立つけど崇めてくるから、そういうのはなかったし。他は仕事で誘惑とか呪いとかで情報だしてくれるし)
 困っているいない、ではなくするカタラにはそうする必要がなかったからだ。
 望めば、もらえる。
 それはたぶん今回もそうだろう。
「……まあいつも通りやればいいかな?」
 体を起こすとカタラは一人でいる適当な女性に近づく。
 カタラの接近に近づいた女性は、急に身構えた。ドレスを直し、髪に触り身なりを整えている。
「こんばんは」
「こ、こんばんは」
 にこりと笑いかけ、そこに呪いと魅了の術を込める。
 カタラの紫の瞳が女性の茶色の瞳を射抜いた。見開かれる女性の目。
(──)
 確かな、いつもの手ごたえ。
 女性の耳元で甘く低く囁く。
「どうか私に愛され堕ちてくださいな」
 瞬間、女性の目は虚ろになる。カタラをじいっと熱のこもった目で見つめてきた。
「あの、私あなたのこと……」
 カタラはそれを強めに遮った。
「素敵な髪型ですね」
「えっ」
「ドレスもよく似合ってます。水色がいいなぁ」
 畳み掛ける。相手に主導権を握らせない。
 握らせてもいいが、それはつまらない。自分の、カタラの言葉で相手が狼狽えるのが面白い。
 女性はもう完全に堕ちていた。
「お会いできて嬉しいです。それでは」
「あの! お名前は」
「──次、お会いした時に」
 女性はカタラのことを知らない。黒髪で紫の瞳の少年であること以外。
 女性の熱い視線を受けたまま、カタラは次の女性に同じように同じセリフで少し褒め言葉を変えて、囁いた。

『どうか私に愛され堕ちてくださいな』。

「まるで蔓に絡まれたように身動きがとれない、しかし愛だけは募る……!」
 小悪魔系。
 例えるなら闇属性。
「新しい可能性を感じますよ!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

フロッシュ・フェローチェス
……何か見られてる気がする。
いやここに来てる女性客達じゃ無くて、もっと別の奴に。
――って事は此処で誘い出せば良い訳か。
誰でも良いとか、節操無くなった~とも聞いたし、自然に目立てばそれでOKかな?

この会場と、本とかで情報収集した成果を見せよう。人毎に褒めて欲しい場所は違うはず。ちょっとした仕草を見切り、アクセサリやドレスコーデに拘っていそうならそこを絡めて――○○のアクセとドレスですか、お好きなんですか――みたいな。
それ等へ誘導する仕草が無く別で自信がありそうなら髪型やメイクを中心に――○○な雰囲気が素敵ですねとか。

おべっか使ってる様で複雑だけど、これも敵を叩きのめす為だ。
頑張ろ。
※アドリブ歓迎



●狙う視線

 イイ……。

(……何か見られてる気がする)
 左右前後を素早く見る。
 フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)は最後に上を確認した。
 何もない。
 自らで自分の疑問を振り払う。
(いやここに来てる女性客達じゃなくて、もっと別の奴に)
 グリモア猟兵に言われたことを思い出す。
「──ってことは、此処で誘い出せばいいわけか」
 呟く。フロッシュのやるべきこと。
(誰でもいいとか、節操なくなった~とも聞いたし、自然に目立てばそれでOKかな?)
 ならば。
 フロッシュは軽やかな身のこなしで一人の女性に近づく。
 フロッシュ──男性の出現に女性は身を固くする。
 女性は着飾っていた。大きく胸元の開いた紺色のドレス、胸元にゴールドの首飾り、中心にはドレスと同じ紺色の宝石が輝いている。指輪は紺色の宝石がはまったものをひとつ。耳には同じ紺色のイヤリング。
 全ての装飾、そして女性の所作をひとつひとつ確認して情報化する。
 にこりと張り付けた笑顔をひとつ。
「ごきげんよう。グッドのアクセとドレスですか、お好きなんですか」
「え、ええ。よくお分かりになったわね」
「よくお似合いでしたから。もしかして、マニキュアもグッドの?」
 フロッシュは問いかける。女性は気づかれたことに驚いたのか、目を見開いてフロッシュを見つめた。
「お詳しいのね。男性でマニキュアまで気づく方、初めてだわ」
(ぜんっぜんわからないけど)
 全身コーデしてるなら、そこまでこだわってるんじゃないかというフロッシュの勘は当たった。
「ゴージャスな雰囲気でお似合いのコーデをされるので、見惚れてしまいました」
「まあ」
 女性は頬に手を触れ、照れてそっと目を伏せた。
(おべっか使ってるようで複雑だけど、これも敵を叩きのめすためだ)
「もしよろしければ、あちらで飲み物をいかがですか?」
 フロッシュの仕草は、スマートかつシンプル。なのにカッコいい。
 周囲にいた女性達は、そんなフロッシュの話術にちらちらとフロッシュを盗み見していた。口説かれたい。そんな表情で。
「ええ……!」
 女性の弾ける笑顔を見ながら、張り付けた笑顔そのままでフロッシュは少し疲れた心の中で呟いた。
(──頑張ろ)

「イイ! 魔法少女に相応しいヒーローポジション!」
 スマート!(重要)
 女子なのにイケメン。
「例えるなら、レッド!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

セリオス・アリス
アドリブ◎
※PLは魔法少女したい

で…魔法少女になる?
阻止すんのか?
どっちだミカ(遠い目
とにかくアレだ
魔法少女になりたい気持ちより
夢中にすりゃいいんだろ

囲まれたら秒で逃走

ケーキを片手に
壁の花の女性に声かけ
小さくなってっけど…ちゃんと食えてるか
ははっ、あっちすっげーギラギラしてて入りづれぇよなぁ
俺も丁度逃げてきたとこ

他に声かけられても
一人とじっくりしゃべりてえから、あとでなとお断り
悪いな口実にして
つーか、うまそうなもん飲んでんな
何?っと女性のグラスをさし
ちょっともらっていいか?
味見させてっとおねだり
あわあわしてたら代わりにこれやるからとケーキをあーんと差し出す
※本人は子供同士の感覚
な、うまいだろ?



●とんかつはなかった
「で……魔法少女になる? 阻止すんのか?」
 静かな水面のように穏やかな問いかけだった。
「どっちだミカ」
 今はいない友へ再びの問いかけ。大変申し訳なさそうな赤い少年の、念を押すような「頑張って」という声が聞こえた気がした。
 セリオス・アリス(黒歌鳥・f09573)は水色が混じる青い瞳をあげた。決意が宿っていた。
「とにかくアレだ。魔法少女になりたい気持ちより、夢中にすりゃいいんだろ」
 しなやかで鍛えられた体に沿うように着た燕尾服はよく似合っていた。そしてそれは、女性たちの目を引く。
 ひとり、またひとりとセリオスは女性の接近を感じる。その時にはすでに囲まれていて。
(やば)
 ひとりが声をかけようとするのを、セリオスは躱す。
「喉乾いたな!」
 大きな独り言で女性の間を縫う、セリオスは人気のないほうへ足早に去った。
「あぶねー。……お、うまそうだな」
 テーブルにカットされたショートケーキを見つける。1ピース手に取り、人気のないところで壁の花となっている俯き加減のひとりの女性を見つけた。
「よっ。隣いいか?」
 女性はこくりと頷く。セリオスが隣に壁を背にして立つと、花の香水が香る。
「小さくなってっけど……ちゃんと食えてるか?」
「え、……ううん。なんか居づらくて」
「ははっ、あっちすっげーギラギラしてて入りづれぇよなぁ。俺も丁度逃げてきたとこ」
 女性はセリオスの横顔をじっと見つめる。それに遠慮なく視線を返すセリオスに、女性はまた俯いてしまった。
「さっき見てた。貴方みたいなステキな人、すぐに相手が見つかるんじゃない?」
「俺、1人とじっくり話しがしてぇんだ。迷惑か?」
 女性はちらっとセリオスに視線を送って、首を横に振った。嫌ではないという証に、セリオスの表情は砕ける。
「つーか、うまそうなもん飲んでんな、それ何?」
「サングリア……だったかな」
「味見させて?」
「え──」
 戸惑う女性の手からひょいっとグラスをさらう。赤い葡萄色の液体がセリオスの喉元を通っていった。
「うまい。さんきゅ」
「え、あ、うん」
 女性の頬がほのかに赤らむ。それに気づかないセリオスは、持っていたケーキにフォークを刺して一口分、女性に差し出した。
 年不相応の無邪気な笑顔を添えて。
 目を瞬く女性に、
「ほら、あーん」
 林檎のように頬を真っ赤にした女性はセリオスに言われるがままに、口を開けた。ショートケーキを口に入れてやる。
「どうだ?」
「お、おいしい、です」
 味なんてわからない。ただ恥ずかしくて、女性は視線を彷徨わせた。
「まじ?」
 そう言ってセリオスは自然な仕草でショートケーキを口に運ぶ。
「ん! うめぇなこれ」
 気づいてないのだろうか。この方は、そんな子供のような無邪気な笑顔で、そんな罪深いことを。
 女性は恥ずかしいまま、時が早く過ぎ去るのをじっと待っていた。

「見た目は完璧」
 きっと黒髪が、舞うように戦いを彩るだろう。
 砕け、爽やかで嫌味がない。
「まるで心は少年のよう!」

「合格!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アドニス・カイネウス
「くふふふ☆ 魔法少女にしてくれるっていうおじ様は何処かしら?
こうなったら、ボク…いえ、アタシの魅力でダンディーニを誘き寄せるしかないわね。」

【男の娘は世界の宝】を発動させて、更なる技能の底上げをし男の娘力を上昇させます。名前の読み通りの全種族魅了するが如く振舞います。時に貞淑になりつつも、また時に素であるボクっ娘風な言葉遣いを漏らしたりしつつ庶民や親近感的なギャップ萌えのような秘め事要素を盛り込んで、相手側が自分に気があるのでは?という感じで征服欲を駆り立ててしまいます。なんてあざといんだ!

「魔法少女になったら、何をしようかしら?世界を救っちゃう?愛とかで?」



●アヤシイ魅力で撃ち抜け☆
 ピンクがかった赤い瞳を右へ左へ動かし、アドニス・カイネウス(バーチャルキャラクターの愛の聖(性)者・f16017)はアヤシイ笑みをこぼす。
「くふふふ☆ 魔法少女にしてくれるっていうおじ様は何処かしら? こうなったら、ボク……いえ、アタシの魅力でダンディーニを誘き寄せるしかないわね」
 ダンディーニは男の娘も範囲内だ。アドニスの魅力全開ならば容易いことだろう。
 ホールの中心にアドニスは立つ。純白のドレスを着たアドニスは男女構わず注目の的になった。立ち振る舞いも堂々と優雅で可愛らしい。
 その注目が、アドニスを昂らせる。
「スゴイ……こんなの初めて!」
 意味深に叫ぶ。その瞬間、アドニスのナニかが高まるのを確かに感じた。
 ドラゴニアン、サイボーグ、キマイラ、オラトリオ、様々な種族が集まる会場をくるりと見回して、アドニスは“全員”に向かって優雅に微笑んだ。
「みなさん、ごきげんよう! アタシはアドニス。お話ししましょ?」
 みな、息をのんだ。
 首を傾げる仕草、可愛らしいツインテール、なんという魅力的な少女、いや体の線が少年、どちらでもよかった!
 ひとりの女性が進み出る。女性は自信に満ち溢れた表情をしたサイボーグ風の見た目をして、豪華なドレスで身を包んでいた。
「アドニスさんと言ったわね、私でよければお相手して差し上げますわ」
「ほんと? 嬉しいな! お姉さまはとっても素敵なドレスを着てますわね。いいなぁ、ボクそういうゴージャスなドレスが似合わなくて……憧れちゃう!」
「ま、お口もお上手ね」
 くすくすとからかうように笑う女性に、アドニスは一歩手の届く距離に近づく。
 両手を組んで上目遣いをしアドニスは首を少し傾げて女性を見上げる。
「ほんとうだよ。ボク、お姉さんに一目惚れしちゃった。お姉さんのイロんな表情、見てみたいな」
 すっと意味深に笑うアドニス。目の前でくるくる変わる性別不明の可愛らしい悪魔に、女性はどんどん魅了されていく。
 細い身を女性に寄せて、アドニスは耳元でささやいた。
「ボクと秘密のこと、しよ」
「……ふふふ、可愛らしいだけじゃなく、イケナイ子なのね」
 女性は身を引いた。その様子を目で追うアドニスに、今度は女性が妖艶に笑う番だった。
「今夜は、お話しだけにしましょう? 秘密のことは、次会ったときに」
「えーっお姉さんずるい。でも、楽しみにしてるねっ」
「ふふふ、オトナで遊んじゃダメよ」
 あざとい子、と女性は言い残しアドニスから離れていく。次は誰? と周囲の人がアドニスを見守る中、アドニス本人は愉しそうに笑っていた。
「魔法少女になったら、何をしようかしら? 世界を救っちゃう? 愛とかで?」

「なんというエロス」
 小悪魔。
 幼い見た目から溢れ出る色気!
「魔法少女は未成年向け。しかし、時にはそんな魔法少女がいたっていいじゃない。男の娘だもの!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノエル・ラティス
【SPD】

ぜ、前回はひどい目にあいました…
が、なんとか抜け出して会場につけましたね。死ぬかと思いましたが。
今回は持ってきたタキシードをきちんと着用して、長い髪はひとまとめに、目元を隠すメガネをきちんと男装してからパーティーに臨みましょう。
(髭はもうこりごりです)

会場にはたくさんの女性が集まっていますね。
手始めに、一番近くにいるいかにも清楚そうな女性に話しかけましょうか。
まずは容姿を褒めることから入りましょうか。

「あなたのような、綺麗な女性がお一人でいるなんて」

こちらもあまり派手には動けませんし…上手くいくと良いのですが。

【アドリブ歓迎いたします】



●ノエルは反省していた。
 ぜぇはぁと荒い息を整えて、ノエル・ラティス(救いようのない救われたいアホっ子・f13294)は通路の壁に寄りかかり後ろを用心深く振り返る。
 誰も追って来ないのを確認して胸を撫で下ろした。
「ひ、酷い目に合いました……」
 ノエルの可愛らしい見た目に付け髭はアンバランスすぎた。
(髭はもう懲り懲りです)
 二度と失敗しない! と拳を握って気合を入れる。迷案だと思いました。
「なんとか抜け出せて会場につけましたね。死ぬかと思いましたが……わ、すごく豪華です」
 春の葉ような髪色のロングヘアをうなじで一括りにして、目には仮面、タキシードに身を包みノエルは遅れて会場入りした。
 赤と茶で統一された天井や壁、床。豪華でありながら落ち着いた色合いで飽きさせない。
(たくさんの女性がいますね。あの方に話しかけてみましょう)
 ノエルは最初に目に付いた、清楚なピンクのドレスを着た女性に近づいてみる。女性はノエルに気づくと、首を傾け会釈した。ノエルもつられて会釈を返す。
「初めまして、こんばんは」
「こんばんは、随分遅く来たんですね」
「えっ」
 まさか追いかけられて遅刻したなんて言えずに、ノエルはあははと乾いた笑いをこぼした。
「それにとても可愛らしい方ですのね。まるで女の子みたいですわ」
 ギクギク。
 女性の思わぬ先制攻撃に図星を突かれて言葉を失いかけるが、ノエルは奮い立つ。
「あなたのような、綺麗な女性がお一人でいるなんて。遅刻したのは正解でした。あなたにお会いするために、ぼくは遅れたんですね」
 ノエルの突然の甘いセリフに女性は戸惑うように唇に触れている。
 そして耳の髪をかきあげる仕草をすると、流し目でチラリとノエルを見つめた。
「ごめんなさい、女の子みたいだなんて言って。私、実は緊張してしまって上手に男の方に話しかけられなかったの」
「そうだったんですね。良かったら、お話しませんか?」
「ええ、喜んで!」
 ノエルの提案に女性は笑顔を見せる。女性は笑っている方がいいな、とか男性のようなことを思った。
「お飲み物は何がいいかしら」
「えっ、と……オレンジジュースで」
「まあ、お酒は苦手なの?」
「は、はい。あ、オードブル美味しそう」
 ふふ、と女性は笑う。女性が手に持つワイングラスには白ワインが入っていた。
「本当に可愛らしい方」
 今度はノエルが照れる番だった。仮面を脱いで「本当は女です」と言ったら女性はどんな顔をするだろう。
「食べながらもう少し一緒にいてもいいですか?」
「ええ! 良かった。あなたと話せて楽しい」
 再び笑う女性に、少しの罪悪感を覚えてノエルは胸がチリっとした。
 ノエルは時間稼ぎで話しているというのに。
(でも、仕方ない、ですよね)
 そう割り切って、歩き出す女性に寄り添うように歩き出した。

「どんな時も相手を労わる慈愛の心」
 ドジっ子。
 裏目にでる迷案。
「まるで魔法少女になるために存在しているっ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

杜鬼・カイト
さてと、どの女の子に話かけようか
うーん、魔法少女っていったら可愛い系かなー?
オレとしても綺麗系で肉食なお姉さんより、小動物みたいな子のが好みだし
そういうタイプの子を狙って声をかける
(まあ、オレの一番は兄さまってことに変わりはないから、兄さま以外の人とどうこうなっても問題はないかな。ノーカンってことで)

「やあ、どうも」
【コミュ力】を活かして女性に声をかける
「遠くから見てたんだけど、キミがとびきり可愛かったから、つい声かけちゃった」(嘘は言ってない)
つけてるマスクを少し外して、対象の目を見てウィンク
女の子堕とすにはやっぱり目でしょ



●あなたの瞳に乾杯
「さてと、どの女の子に話かけようか。うーん、魔法少女っていったら可愛い系かなー?」
 ぐるりとマスクの下から周囲を眺める杜鬼・カイト(アイビー・f12063)。ペストマスクに黒いフォーマルスーツという出で立ちはかなり目立っていた。ほとんどの人物が、カイトを視界に入れて一瞬見つめる。
(目が合わないのが残念だけど、このマスクは正解だったかな)
 カイトも視線を感じれば、そちらに目を向ける。
「オレとしても綺麗系で肉食なお姉さんより、小動物みたいな子のが好みだし」
 そういうタイプの子は何人も目に入った。カイトの言う綺麗系、肉食系、清楚系。仮面の下から目が合う。
(まあ、オレの一番は兄さまってことに変わりはないから、兄さま以外の人とどうこうなっても問題はないかな。ノーカンってことで)
 浮気ではない。決して。だって心にあるのは兄さまただ1人。
 少し離れた場所に、ワイングラスにオレンジジュースを入れた、オレンジの華やかなドレスを着た可愛らしい女性──というより少女に近づく。
「やあ、どうも」
 そばにいた女性が、少女に「がんばって」と声をかけて離れていった。それを目で追ってから、カイトは少女に向き合う。
 一声かけただけで溢れ出る話術の巧みさに、少女は仮面の下から黒い瞳をカイトに向ける。
「遠くから見てたんだけど、キミがとびきり可愛かったから、つい声かけちゃった」
(嘘は言ってないけど)
 少女は褒められ慣れてないのか、目を瞬かせてオロオロとした。落ち着きなく、グラスに触れたりドレスを整える。
「え、あ、あの、ありがとう……あなたもそのマスクかっこいいわ」
「ほんと? 気に入ってるんだ、これ。キミの瞳、宝石みたいですごくキレイだね」
 ぱっと少女の頬に朱がさす。黒い瞳が見開かれ、カイトの目のあたりを見つめてきた。
 それに応えるようにカイトはペストマスクの片目を少しずらし、鮮やかな赤の目を見せてウィンクする。
 少女は完全に言葉を失った。真っ赤になって息を吸って。
「あの、わたし」
 何か言いかける少女の唇にカイトはそっと指を添える。
「いいよ、無理に話さなくて。キミの瞳を見ていれば、夢中になっちゃうから」
「──」
「ね、もっと人のいないところに行こう。キミとじっくり話したいな」
「う、うん」
 グラスを取り落としそうになる少女の手からさりげなくグラスを受け取り、カイトは口元に笑みの形を浮かべて少女をエスコートする。
「あ、言い忘れてた。ドレスすごく似合ってるよ。可愛らしいキミの魅力がよく引き出されてる」
「あ、ありがとう……」
 少女の目はハートになっていた。甘い言葉に優しいエスコートに、女性として扱われた少女はカイトに夢中になっていた。

「男が大人になる瞬間、魔法少女は真に花開く」
 ギャップ萌え。
 女装男子のイケメン度。
「無論、合格だ!!」

 ──こうして、脱落者ゼロとなった魔法少女試験。
 ダンディーニはヤル気満々だ。君も、君も、そう君も!
「仲良く魔法少女だ!!!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『大変態魔法少女騎士』ダンディーニ』

POW   :    可愛らしい呪文(野太い声で)
単純で重い【魔法】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ライドオンステッキ
【ステッキに跨り絶叫しながらの突撃】による素早い一撃を放つ。また、【服をパージして褌一丁になる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    レッツ!メイクアアァァァァップ!!
いま戦っている対象に有効な【魔法少女化洗脳光を放ち、新しい衣服と武器】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。

イラスト:カス

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ポーラリア・ベルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●魔法少女VS魔法少女
「待っていたぞ!!!」
 ピンクのフリフリ衣装に魔法のステッキを振り回した魔法少女ダンディーニ。
「本当は君たちに私の変身シーンをお見せしたかったが、アレでコレなので出禁となった。すまない」
 いえいえお気になさらず。
 むしろカメラが壊れるのでやめてください。
「だが、君たちの変身シーンは余すことなく! 隅々まで! 保存したい所存!!」

 さあ! 変身したい者からかかってくるがいい!


●受け付け時間
 プレイングは、4/11(木)朝8:31以降からお受けします。

 MSページに追記しました。
 一読をお願いいたします。
ルク・フッシー
……うわぁ…って、わあああ!!
(敵の姿にドン引きした隙に光線を浴びて洗脳される)

…はい、レパルさん(f15574)!デュアルグリモアウェーブ!
(金属質な光が全身を包み、白く可憐な衣装に変身)
世界の使者、キュアドラゴン!
『ふたりは魔法少女(イェーガー)』!
(2人で並んで決めポーズ)
骸の海のしもべ達よ!

(洗脳されたままダンディーニと戦う。ドラゴニアン・チェインを駆使してレパルと連携攻撃する。魔法少女っぽい技名を叫ぶ)
(正気に戻った後は服を着替える間もなく悲鳴をあげながらどこかに走り去ってしまう)
見ないでくださいーーーー!!!!
【アドリブ絡み歓迎】


レパル・リオン
出たわね魔法少女怪人!へんし、って、きゃあああ!
(変身しようとするが、その前に洗脳変身光線を浴びる)

いくわよ、ルクちゃん(f14346)!デュアルグリモアウェーブ!
(金属質な光が全身を包み、黒く格好いい衣装に変身)
世界の使者、キュアビースト!
『ふたりは魔法少女(イェーガー)』!
(2人で決めポーズ)
とっととお家に帰りなさい!

ダンディーニとの戦いでは、体を強化してスピードを活かして攻撃を避けて、ルクちゃんとのコンビネーションで顔面に叩き込むわ!

(正気に戻ったら逃げ出したルクを追う)
ル、ルクちゃーーーんっ!?!?
【アドリブ絡み歓迎】



●2人は1つ!
 ダンディーニがにじり、にじり……と近寄る姿にルク・フッシー(ただの少年猟兵・f14346)は怯えて震えた。
「……うわぁ……」
 一方、レパル・リオン(イェーガー・レパル参上!・f15574)は腰に手を当てて、指先をダンディーニに向けて叫ぶ。
「出たわね、魔法少女怪人!
「レッツ! メイクアァァァァァァップ!!」
「へんしん、──って、きゃあああ!」
「うわあああ!!」
 ダンディーニの容赦ない魔法少女化洗脳光を、2人はまともに浴びてしまった!
 だがしかし、レパルは変わらず、元気よくルクに叫ぶ。
「いくわよ、ルクちゃん!」
「はい、レパルさん!」
 ルクの様子は一変していた。おどおどとしてたが、どこか自信を漂わせて、2人でなんか合せてポーズする。
 すかさずカメラを構えるダンディーニ。
「「デュアルグリモアウェーブ!!」」
 ピカーッ! と二人の体を金属質な光が全身を包む。
 金属のようなつやつやした光だ。
 下からカメラがアップしていく、まずはレパル。上にいくカメラ。黒くキリリとしたどちらかというと男の娘魔法少女のような姿。服はズボンで、スカートを上から履いている。胸には大きなリボン。
 一方、ルク。同じくカメラは下から上。
 白く純白の決戦型魔法少女の姿。ギリギリミニのスカートに露出したつるりとした緑の肌。胸には、レパルとお揃いの大きいリボン。
「世界の使者、キュアドラゴン!」
 ルクが叫ぶ!
「世界の使者、キュアビースト!」
 レパルも叫ぶ!
「「ふたりは魔法少女(イェーガー)!!」」
 二人の背に爆発が発生する。ダンディーニはしかしまだカメラを構えたままだ。
 ルク、レパルと続き、ダンディーニを指差す。
「骸の海のしもべ達よ!」
「とっととお家に帰りなさい!」
「──イイ! ふたりはルクレパ、実にいいぞぉ!」
 ダンディーニは大切そうにカメラをしまい込んだ。
 ルクは、キリッとしていた。いつもの怯えた姿はどこへ。
「レパルさん、いきます! 愛の鎖に縛られてください! ラブ・ユー・チェーン!!」
 ルクの放ったのは溢れ出る魔法少女のオーラ。それを食らったダンディーニは、金色の鎖で体を拘束されるう。
「くっ」
 ダンディーニは弱体化していた。
 なぜならコンビの魔法少女はダンディーニの弱点のひとつだからだ!
「ええ、三つの力をひとつに! トリプルエンサー!」
 炎、水、風の珠がレパルの周囲をくるくる回り、ふわりと胸に飛び込む。ぼうっとレパルの体を光が包み込んで、──レパルはダンディーニを睨み付けた。
「くらえーーーーっ」
 レパルのパンチがダンディーニの右頬に食い込む! いつもはあわあわと見て、敵にさえ情けをかける優しいルクも今回は違う。
「キュートポップパンチっ」
 ルクのパンチがダンディーニの左頬に食い込んだ! 可愛らしい名前に反してきょうあくな攻撃だ!
「ふっふっふ……」
 ダンディーニと距離をとる二人に、ダンディーニは静かに笑う。身を構える二人にダンディーニは叫んだ。
「洗脳、解除!」
「……え?」
「これは」
 レパルは自分の恰好に驚くだけだが、ルクは違った。さーっと血の気が引いて、でも顔は恥ずかしくて真っ赤で。
「見ないでくださいーーーー!!!!」
「ル、ルクちゃーーーんっ!?!?」
 着替えないまま逃げ去っていった二人を、ダンディーニはまだどこか余裕のある様子で見送っていた。
「いい画が撮れたぞぉ……」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カタラ・プレケス
アドリブ連携歓迎

(割とノリノリ)
えっと、こんな感じでいいのかな?
じゃあ、メタモルフォーゼ!
(所々に赤い線の走った黒斑点で和風の長袖ミニスカートで蝶の髪留め)
お~ちょっとスカートが短いのは気になるけど動きやすいし綺麗だね~
丁度使おうとしてた技とモチーフがあってるし合格です
おっと口上がいるんだっけ?
世界を覆う悪徳の風、病鼠を操る人の敵
死を持つ我が名はカタラである!
あっ撮影は大丈夫ですよ?

十分に撮らせたら【病神流布】を発動
重度の熱病で判断力と鼠たちで相手の意識を刈り取り続ける

はて?モチーフですか?
見てわかると思いますけど?
黒の斑に蝶、鼠ですから
普通に黒死病ですよ。



●似合うのが悔しい
 最初から魔法少女ダンディーニはカメラを構えていた。カタラ・プレケス(呪い謡て夜招く祈りの鳥・f07768)はどこか楽しそうに、構えたピースを横にして目元にやる。
「えっと、こんな感じでいいのかな?」
「いいぞ……! さぁ続きをみせてくれ!」
 ダンディーニの勧めに、カタラはふわりと上着の裾をふわりとはためかせて、決めポーズを口にする。
「メタモルフォーゼ!」
 ふわっとカタラの着衣が蝶々となって空に消える。カタラの体は虹色の光に包まれていた。裸になる感触がするが、カタラに恥じらいはない。くるくると回るカタラの体に、着物の帯を着付けるように服が巻きついていく。
 腰に手を当てポーズを決めたカタラは、自分の姿を眺める。
 ところどころに赤い線の走った黒斑点の生地に、振袖のミニスカートで帯留めには蝶。髪留めにも蝶があしらわれたものが飾られていた。
「お〜ちょっとスカートが短いのが気になるけど、動きやすいし綺麗だね〜」
「和風の魔法少女、新しい可能性を感じるぞ!!」
「ダンディーニの趣味なのかな? まあいいか。ちょうど使おうとしてた技とモチーフがあってるし合格です」
 ダンディーニは、まだカタラを無言で撮影していた。その様子をみて数秒考えてカタラは思い至る。
「おっと口上がいるんだっけ?」
 無言で頷くダンディーニ。
「世界を覆う悪徳の風、病鼠を操る人の敵
死を持つ我が名はカタラである!」
「凛とした雰囲気の和装魔法少女。大人っぽいクールなところがなんともいい! しかも病鼠を操るとは、なんと魔法少女ぽくない、だがそこが新しいッ!!」
「丁寧なコメントありがとう」
 でもこれから倒されるんだからね? とカタラが言うと、ダンディーニは大切そうにカメラをしまう。
 しまったあとでダンディーニもポーズを決めた。
「どんな者でも魔法少女にするのが喜ばしい、大変態魔法少女、ダンディーニ!! いざ尋常にしょうb……」
「西方の風邪、八千滅す黒き死、蛇に喰われし疱瘡神。太陽隠し世界を蔽え。我が身に宿り災禍為せ」
「ぬわー!?」
 カタラから発せられた病をはらんだ黒い影がダンディーニに襲いかかる。
 ガクッと片膝をつくダンディーニ。
「これは体が蝕まれていく……! もしやその服のモチーフは!」
「はて? モチーフですか? 見てわかると思いますけど? 黒に斑に蝶、鼠ですから。普通に黒死病ですよ」
「ぐ、ぐふ……魔法少女という可憐な響きと姿に似合わぬ、なんと闇の属性」
 どすっとダンディーニは倒れた。カタラは近づいて、倒れたその背を足先でちょんちょんする。
「気絶した、かな」
 まだ息はあるが、とりあえず魔法少女姿に満足したカタラはスカートの裾をひるがえして後を猟兵たちに任せるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フロッシュ・フェローチェス
変態、変態だね。
誰がするか変身なんて……保存がどうとか言われたなら猶更。
っていうかそも出来ないし。放っといて普通にブッ叩こう。
――って待って?!あ、や、わあああぁぁぁ!?

(意気消沈中)
……アハハ、もう何もかも……アタシの人生、真っ暗……アハハー。
(リズムに乗って見ないまま後方へ銃ブッパ。奇跡的にもダンディ―二へ的確にヒット)
魔法少女かぁ。格好良い系ならなりたいとは思うけど~――アレ?

〇戦闘
加速式充填、アタシの早業に磨きをかける。
スライディングキックや衝撃波での吹き飛ばし。上から踏み付ける様な蹴りや超単距離ダッシュからの正拳も撃つ。
刹那に入れる二回攻撃を見ろ。
〆はUCで決まりだね!

※アドリブ歓迎



●エメラルド・キュート、フロッシュ参上!
「変態、変態だね。誰が変身なんて……保存がどうとか言われたなら猶更。ていうかそも出来ないし、ほっといて普通にブッ叩こう」
 フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)がぶつぶつと、なんか黒いブツブツがあるダンディーニを油断なく睨みつければダンディーニはふう! と大袈裟にため息をついて首を振った。憎らしくツインテールが可憐に揺れる。
「仕方ない。キミも、レェェェツ、メイクアァァァァァップ!!!」
「──って待って?! あ、や、わあああぁぁぁ!?」
 少女たちのハーモニーがBGMで流れだす。ふわ、と透明感のあるリボンがフロッシュの体を包み込み、裸になる。フロッシュの全体的に豊かで健康的な体が、ダンディーニの録画するビデオに写り込んでいた。
 まず額にかけたゴーグルが黄緑色なポップな色に変化した。次は背中側の腰に大きな緑色のリボンがぽんっと飾られる。
 フロッシュは両腕を上げて、リボンの衣装が体に巻き付いていくのに身を任せた。くるくると回り、ミニスカートにフリフリのタンクトップ、仕上げに緑のヒール、頭に大きなエメラルドが飾られたリボンが現れる。
 そして、可愛らしくダブルピースで仕上げ。止まるBGM。
 フロッシュははっとして自分を取り戻す。ガクッと崩れ落ちた。
「……アハハ、もう何もかも……アタシの人生、真っ暗……アハハー」
 ビデオ片手にダンディーニは近づいてくる。スッと片手を差し出してきた。
「ボーイッシュであり、しかし魔法少女らしさを失わぬポップな衣装。そして魔法少女らしからぬセクシーな変身シーン、大変よかったぞ」
 フロッシュは無意識に手を伸ばし、かけて。
「んなわけ、ないだろ!!」
 ダンディーニに近距離射撃。
「ぐぬっ!?」
 見ていなかったにも関わらず、弾は一直線にダンディーニに当たった。
 大きく後退するダンディーニ。
「……魔法少女かぁ。格好良い系ならなりたいとは思うけど〜──アレ?」
 うずくまったフロッシュの足元に映像が止まったビデオが転がった。
 そこには可愛らしくダブルピースする魔法少女へと変貌したフロッシュの姿。
「うわ」
 ないわ。
 絶望に蝕まれて、フロッシュは肩で笑いながら立ち上がる。ビデオカメラの手入れをしているダンディーニに向かい一直線に走った。
「そのビデオカメラ、寄越せ!!」
「む!? 我がコレクションを手放せと!?」
「壊す、消す──!!」
 フロッシュのスライディングキックがダンディーニの脛を叩く。
「うっ」
 倒れこむダンディーニに容赦なく足で踏みつけ、蹴りを入れる。
 しかし大事なカメラは体で包み込むように抱き込み話さないダンディーニ。
「だから、」
 ぽんっという軽い音を立てて、フロッシュの服装は元に戻った。蹴り上げた足を下ろして、信じられないといった顔で自分の姿をみるフロッシュ。
「あ! 待て!」
 ダンディーニはその隙にカメラを回収して逃走していた! 逃げ足が速い。姿はすでに見えなかった。
 顔をしかめてフロッシュは拳を握る。あれは絶対破壊しなくては。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アルバ・アリエスティーニ
…(軽く思考停止)
ポーカーフェイスは職業柄得意な方ですが、これは…視覚からの情報多すぎません?
変身シーン保存したいとか仮にも魔法少女が言っていいんですか…

持っていたキューで床を軽くノックするとアイテム【ダークネスクローク】がどこからか現れてアルバの体を包み込み、なんやかんやでダークネスクロークと【魔法少女っぽいヒーロースーツ】を合体させて纏った姿に変身(という名の荒っぽさを排除した早着替えをイメージ。色などはお任せ)

UCでビリヤードボールを出したらキューを構えて攻撃
相手は近距離攻撃でしょうから、遠距離攻撃の私の方が分がありそうですし
キューを棒高跳びの要領で使って攻撃を回避するのもアリですかね



●カメラを構えた変態紳士と向き合った。
 ぐるぐる思考と疑問が回るような、それでいて何かに軽く叩かれたような軽い衝撃をもってアルバ・アリエスティーニ(Break shot・f16616)は無感情の赤い瞳を、変態魔法少女ダンディーニに向けた。
 ピンクのぴっちりしたサイズの合っていないフリフリミニスカート、筋肉質の太い腕と太い足、金髪のツインテール(悔しいほどサラサラしている)。
「ポーカーフェイスは職業柄得意なのですが、これは……視覚からの情報多すぎません? 変身シーン保存したいとか仮にも魔法少女が言っていいんですか……」
「もちろん!」
 ダンディーニは全力肯定した!
 さらに脱力感がアルバを襲う。
「魔法少女とは、常に研究の日々! 新しい必殺技や変身シーンのネタ集めに奔走するのも魔法少女の大切な役目の一つだッ!」
「すごく良いこと言ってるように聞こえますけど、ようは研究を盾にして変身シーンや必殺技を好き放題撮りまくってるんですよね?」
「そうだ!」
 そこは否定して。
 額を押さえて、アルバは緩く首を横に振る。頭痛がするが仕方ない。
 持っていたキューで床を軽くトントン、とノック。するとどこからともなく、静かな衣擦れの音を立てて生きているような黒衣がアルバの体を包み込んだ。
 カメラの視線を感じながら、仕方なく目を閉じるアルバ。
 黒い衣はまるで風のようにアルバの体を蠢く。そして、パァン! という小気味いい音とともに黒衣は四方八方に弾け飛んだ。黒衣は形も残らず消える。
 スッとアルバの赤い眼が開かれる。そこに現れたコスチュームは、カッコ可愛いを突き抜けていた。魔法少女には禁断の黒いタイツはアルバのすらりとした足を強調している。燕尾服の裾をイメージし、ミニスカートにはフリルがあしらわれ、首元はアメリカンアームホールに、ピタリとした袖と可愛らしく肩を出している、全体的にピタリとしたボディスーツで、色はシックに黒と白でまとめているが随所にあしらわれたレースやフリルが可愛らしさを強調していた。
 女性のヒーロー風魔法少女、レディ・キューの誕生だ。
「いい! シンプルな変身シーンに魔法少女らしさを失わぬ可愛さと、お約束をあえて破っていくヒーロースタイルが見事に調和しているッッッ!!」
 全力で撮影するダンディーニに、どこか諦めの色を持ってアルバはあえてキューを構えポーズをとった。
「お褒めの言葉ありがとう」
 そう言いながらキューを構えて、エネルギーを籠めたビリヤードボールを撃ち放つ。
「ぬぅ!? 卑怯な!」
「このままだといつまで経っても終わらなそうなので」
「ではこちらからもいかせてもらうッ! てぃんくるてぃんくる、スターライトパワー! きゅんきゅん!」(声が太い)
「きっつ」
 ピンクの衝撃波を、キューを棒高跳びの要領で飛んで避ける。華麗な棒さばきにダンディーニは唸った。
 着地を狙ったダンディーニの攻撃に、続けざまに避けるアルバ。そのうち息が切れてきたダンディーニは、突然背を向けて走り出した。
「あっ……止める間もありませんでした……」
 しかし確実にダンディーニは弱っている、もう少しだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

杜鬼・カイト
でてきたね変態くん!
さあ正々堂々と戦おうか
魔法少女、どんとこいだよ
その代わりオレに似合う格好にしてよね

◆変身
黒いセーラー服をアレンジした衣裳を身に纏った魔法少女に変身
黒い手袋に黒いタイツ&ハイヒール
格好だけみると完全に闇サイド
…あれ、オレ普段と大して変わらなくない?ま、いいけど

「愛と正義の、セ…」
魔法少女といえば決め台詞!
と、どこかで聞いたことある台詞をおうとするが、聞き取れない

◆戦闘
魔法少女らしく戦おう
【永遠の愛を誓え】の魔法を発動して、相手を捕縛
で、魔法少女といえば物理!
オレのキック(ヒールは当たると痛そう)をくらえ!
蹴りをひとつき

あ、一般の女の子は護る
こうみえてもオレ、ちゃんと男だし?



●ダンディーニは知っている
「すでに変身前から魔法少女の気風を漂わせている……」
 目頭を押さえて感極まるダンディーニ。
 そんなこと露知らず、杜鬼・カイト(アイビー・f12063)はテンション高くダンディーニを指差した。
「でてきたね変態くん! さあ正々堂々と戦おうか」
「ムッ……変身前ですと?」
「そうだよ。魔法少女、どんとこいなんだから。オレに似合う格好にしてよね」
 困惑するダンディーニにカイトは可愛らしく頬を膨らませた。これで変身前とは末恐ろしい、と呟きながらダンディーニはステッキを振る。
「変身している姿に水を差すのは好みではないが、本人が望むのであれば仕方あるまい。……レェェェェッツ! メイクアアァァァァップ!!」
「きたきたっ」
 軽快なBGMと共にカイトの全身が虹色のオーラに包まれる。何故か両目を閉じて。
 宇宙をバックにくるくる回り、最初は透明感のある黒いリボンにくるまれ、セーラー服をアレンジした胴の衣装を纏う。黒い手袋、黒いタイツ、ハイヒール。そして最後に黒いミニスカートに腰の黒いリボン。
 髪をふわりとなびかせ、なんかいい感じの宇宙のバックで決めポーズ。
「愛と正義の、セ──」
 ダンディーニは知っている。これは怒られる波長!!
 ダンディーニは服をパージして褌一丁になった! これはこれで怒られる気がする!!
「キエエエエエエ!!」
「わ! 危ないなー」
 ステッキに跨って奇声を発しながら突撃してきたダンディーニを軽やかにかわすカイト。
「もー名乗りの途中なのに!」
「では名を窺おう!」
「セーラ」
「ブラックキュート!」
 名乗ろうとしたカイトをダンディーニが遮る。
「そっちはいいんだ」
 何がとは聞かないで。
「まあいいや。さっさと倒して兄さまのとこにもーどろっと」
 飽きたが仕事は最後までこなす。
 黒い手袋のすらりとした左手を差し出す。左手は華奢で細い、その薬指に緑碧玉の指輪が光る。
「みんな、みーんな、オレのもの」
 するするとアイビーの蔦が、速く速くダンディーニの足元から束縛していく。
「ぬっ!?」
「あとは、コレだよね!」
 身を低くして駆けるカイト。跳躍してヒールを凶器にしたキックを食らわせる、ダンディーニはひとたまりもない。鼻から一筋の血を流し、白い手袋で拭う。
「……みえましたぞ」
「ん?」
「何がとは言いませんが!!!」
 言ってるようなもんなんだよなぁ。
 カイトはまた頬を膨らませて、スカートの裾を押さえた。
「兄さまにしか見せたことないのに」
「蹴られる瞬間、カメラがブレるのが残念でならぬ。ぷりてぃりんりん!!」(声が太い)
 そう言いながら、ダンディーニはでっかい星を壁に避難していた一般人女性に放った。
 カイトは咄嗟に女性の前に立ち、星を蹴り返す。
「おっと! 大丈夫?」
「は、はい」
 女性の無事を確認して、カイトが振り返ればダンディーニの姿は消えていた。
「……でもこれ、可愛いかも。このまま帰って兄さまに見せたいな」
 衣装を見回しながらくるくる回るカイト。きっといちころだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アドニス・カイネウス
煽情感漂うピンクの光に包まれて、色欲の衣を纏う愛と欲望の救済者!
魔法少女ラディカル☆カイニスに変身よ♪

おじ様へのお礼も兼ねて、アタシのとっておきの召喚魔法を見せてあげるわね。

【狂宴の漢女達】で漢女たち(カイニスの影響で、何故か魔法少女化版)を召喚します。

さぁ、みんなで魅せてあげて!
世界を救うのは、大きい子供たちの声援と愛と魔法(物理)の力だって!!
そして、フィナーレはオトメの力を合わせた合体攻撃で決まりね☆

くっ…、ダンディーニおじ様…ホント楽しませて貰ったわ!
もし、違う形で出会えていれば、轡を並べる事もあったかもしれなかったわね…まぁ、ないけどねー♪



●色気むんむん魔法少女
 アドニス・カイネウス(バーチャルキャラクターの愛の聖(性)者・f16017)は超期待の視線をダンディーニに向けた。
 ダンディーニは静かに頷く。アドニスも頷いた。
「レッツ! メイクアアァァァァップ!!」
 ダンディーニの掛け声とともに、パァァァンとアドニスの服が弾ける。
 なんかうふーんであふーんなピンクの光に包まれ、アドニスは魔法少女の服に身を包んでいく。
 忍と花嫁をイメージした魔法少女風。衣装は肩と胸元が大きく開いた深いピンク色。煩すぎない大人なイメージ。腰には大きな白いリボン。両手も白い手袋。レースがあしらわれる。スカートはミニで後ろに裾が長く流れている。靴はヒールと忍で魅惑的に。
「色欲の衣を纏う愛と欲望の救済者! 魔法少女ラディカル☆カイニス参上よ♪」
「小悪魔系天使、いいぞ!」
 喜ぶダンディーニに、アドニスは胸元を見せるように屈みこむ。
「そんなおじ様へのお礼も兼ねて、アタシのとっておきの召喚魔法を見せてあげるわね」
「ムッもしや必殺技!?」
 カメラを構えてのめり込むダンディーニに向けて、アドニスはくるりと回る。
「みんな! 出番だよ~♪」
「「はぁ~~~ぃ❤️❤️」」(声が太い)
 煙とともにアドニスの背後に現れたのは、十数体の屈強な漢女たちだった! 今シナリオ限定で魔法少女バージョンです。
 ちなみに漢女たちもアドニス風の衣装を着ている。キツイ。
「さぁ、みんなで魅せてあげて! 世界を救うのは、大きい子供たちの声援と愛と魔法(物理)の力だって!!」
「そのとうり!! ぴゅありぃえんじぇるマッスル!!!」
 負けじとダンディーニの重い一撃が、アドニスの脳天を狙う。漢女の1人がそれを受け止めると、膝をついて消えていく。
「もーっおじ様! みんな! ボクに合わせて!」
「「はーーーいっ」」
 アドニスの呼びかけに、漢女たちは激しく力強くダンディーニに突撃していく。
「ぐぬぅ……!」
 両膝と両手を床についたダンディーニに、アドニスはまるで戦友と戦ったかのようにピンクの瞳に涙を浮かべて言う。
「ダンディーニおじ様……ホント楽しませて貰ったわ! もし、違う形で出会えていれば、轡を並べる事もあったかもしれなかったわね……まぁ、ないけどねー♪」
 じゃあね! と可愛いお尻を振りながら会場を後にするアドニス。その背をダンディーニも瞳に涙を浮かべて見送った。
「グッドラック……ラディカル☆カイニス……」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイ・リスパー
澪さんと同行
澪さんのことは女の子だと勘違い中

「現れましたね、悪の魔法少……女?」

いやあれ、どうみても少女じゃないですよねっ!

澪さん、こうなったら私たちが正統派魔法少女というものを教えてあげましょう!
男性が魔法少女だなんて邪道です!(無自覚にフレンドリーファイア)

【チューリングの神託機械】を発動。
澪さんの変身に合わせて、私も【電脳の天使】で魔法少女に変身です!

衣服が消えたところを澪さんの花びらと【アインシュタイン・レンズ】の光で隠します。

「マジカル☆アイ、電子の海より参上です!」

魔法少女の大先輩、マジカル☆つゆりんの可憐さに敵は弱っています!
今こそW魔法少女で必殺技を放ちましょう!

アドリブ大歓迎


栗花落・澪
アイさんと一緒

わぁ、アイさんがいつになくやる気だ…
正統派かどうかはわからないけど!

仕方ないので【UC】発動しつつ変身を…
ってなんで裸!?(花弁の嵐でいい感じに隠すゾ)

【空中戦】で動き回りつつ★Staff of Mariaを手に
【破魔】+眩い光の【全力魔法】と
隙あらば【催眠】の【歌唱】で弱体化狙い

僕元々魔法主体だし武器も自前で…
えっ、僕元々魔法少女だったの!?
いやちがう僕男で…あ、いや、女…きょ、今日は男だけど…うわぁんとにかく新しい武器はいらないです!

アイさんの前では性別を否定出来ずに大混乱
必殺【UC】で八つ当たりしますね

同じ仲間なら…僕達に武器向けたりなんてしないよね…?(うるうる【誘惑】)



●2人は! マジカル!
「現れましたね、悪の魔法少……女?」
 アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)は隣にいた栗花落・澪(泡沫の花・f03165)を振り返る。
「いやあれ、どうみても少女じゃないですよねっ!」
「え、うん……」
 澪のはっきりしない返答も気にせず、アイはうん! とひとつ大きく頷き気合を入れる。
「澪さん、こうなったら私たちが正統派魔法少女というものを教えてあげましょう! 男性が魔法少女だなんて邪道です!」
 無意識に味方に攻撃していることに気づいていないアイだが、澪も言われたことに特に気にせず苦笑する。
「わぁ、アイさんがいつになくやる気だ……正統派かどうかはわからないけど!」
 いこう! という澪の言葉に、アイも笑顔で頷く。
「話はまとまったかな? では、レッツ! メイクアァァァァァップ!」
「ってなんで裸!?」
 澪は慌てて、指先をダンディーニに向ける。淡いピンクの花弁が嵐となって周囲に舞う。
 同時に、澪とアイの服がはじけ飛んだ。
 アイも花嵐に身を任せ、電脳空間にアクセスする。
「電脳空間への接続を確認。万能コンピューターへログイン。オペレーション開始します」
 アイの体が思うように動かなくなるが、澪のほうはすでに変身し始めていた。
「電脳プログラム『天使』起動。同調開始します」
 続けてアイも自ら変身する。花弁の隙間は、アイの空間を歪めた重力レンズの光線でカバーする。ついでにダンディーニのカメラのレンズを焼き切った。
「ムゥッ!? 撮らせないとは──なんというレアリティ感!!」
 裸になった2人の姿に、衣装が現れていく。
 アイは白い髪に合う、白いプリティな衣装。淡い赤のレースに膨らんだミニスカート。動きやすいブーツに、腕力を強化する白い手袋。白い髪は一房赤いリボンに結ばれ、最後に白い髪を手の甲でふわりとかき上げる。
 天使の羽の演出が散り、最後に高らかに名乗り上げた。
「マジカル☆アイ、電子の海より参上です!」
 続いて澪。ピンクと茶色のチョコレートコーデ。肩を露出し、コートの裾は可愛らしく燕尾服風に。衣装にはワンポイントで兎のシルエット。ツーサイドアップはそのままに、毛先に髪に咲く花と同じリボンを巻いて。ショートパンツは少し膨らみを持たせ、そして黒いタイツ。
 天使の羽はそのままに。少々照れながらこちらも声高らかに名乗りを上げる。
「ま、マジカル☆つゆりん、天の使いとして舞い降りました!」
「グッドだッッ!! 途中からなのが残念でならない!」
 いつの間にか新しいカメラを構えていたダンディーニ。
 澪が翼をはためかせ、空中に舞う。
「~♪」
 澪の力強く美しい歌声に、ダンディーニは何故か撮影していたカメラを手放した。
「むッ……!? 手が勝手に」
 そのカメラをアイが駆け寄り手に取ると、輝く笑顔でダンディーニに宣言する。
「電子の海から完全に消去します!」
「むむッ!?」
 空を飛ぶ澪はStaff of Mariaを両手で振るい、光を込めた破魔の全力魔法を短く詠唱すると、ダンディーニに振り下ろした。
 アイが離れた瞬間、眩い光が着弾しダンディーニはふらつく。
「……キミ、古いステッキは重いだろう……ステッキはこちらを使いたまえ!!」
 光から飛び出してきた褌一丁のダンディーニが澪に突撃していく。
 澪は全力であたふたした。アイの目の前で性別を指摘されたこともあって、頬は真っ赤。持っている杖をぶんぶん振る。
「僕元々魔法主体だし武器も自前で……。えっ、僕元々魔法少女だったの!? いやちがう僕男で……あ、いや、女……きょ、今日は男だけど……うわぁんとにかく新しい武器はいらないです!」
「澪さん!」
 アイが持っていたカメラを澪に突撃していくダンディーニに向かって全力で投げつけた。勢いのあったダンディーニは無情にも撃ち落される。
「アイさんありがと!」
 舞い降りてきた澪とアイが両手を組んでお互いの無事を喜ぶ。
 再び立ち上がるダンディーニに、澪は優しく訴えかけるように語り掛ける。
「同じ仲間なら……僕達に武器向けたりなんてしないよね……?」
「ぐ、……なんという、破壊力」
 うるうると琥珀の瞳をうるませれば、ダンディーニは唸る。それをみたアイが勇ましく前にでた。
「魔法少女の大先輩、マジカル☆つゆりんの可憐さに敵は弱っています! 今こそW魔法少女で必殺技を放ちましょう!」
「うん!」
 2人は揃い、アイもいつの間にか持っていた可愛らしいステッキで、澪も自らのステッキでダンディーニを殴りつけた。
「「マジカル☆アターック!!」」
「かわいらしい!」
 捨て台詞を残して、ダンディーニは吹き飛んだ。
 3台目のカメラが、2人の足元に空しく転がってきた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セリオス・アリス
…は?
今なんてった
誰が魔法少女になるって?
そんなもん…(魔法少女に変身していく仲間たち)…もん…
そういやミカもいってたな…?
くッ…俺は負けねえぞ
“変身”なんざしてたまるか――(変身の言葉に反応して弾け飛ぶ服
光る裸体
体に巻き付く謎のリボン

背中がぱっくりあいたセーラーモチーフの魔法少女に)
…なっ!?
思わず赤面してスカートの裾を押さえる
何でだ!?くっそお前の仕業か
涙目で敵を睨み付け
こいつを殺してさっさと終わりにしてやる!
『ダッシュ』で距離を詰め
ステッキを『見切り』回避
『全力』の炎の『属性』を拳に込めて
食らえ…!
【星球撃】を『2回』連続で相手の腹にぶちこむ!


アドリブ歓迎
※無駄毛は元からはえてません



●絶・クールセリオス☆
「……は? 今なんてった。誰が魔法少女になるって?」
 セリオス・アリス(黒歌鳥・f09573)の圧が無情にもダンディーニを襲う。冷徹なセリオスの表情に、しかしダンディーニも負けない。
「無論、キミだ! 衣装さえチェンジすれば、立派に魔法少女と変わるだろうッ!」
「そんなもん──」
 ダンディーニを囲む変身した魔法少女たち。
 変わってない自分の姿を見下ろすセリオス。
「もん……」
 自分だけが異質な気がして、セリオスは自分を見送ったグリモア猟兵の言葉を思い出す。
「そういやミカもいってたな……?」
 わるい猟兵にそそのかされた純粋無垢なセリオスは、髪をゆるゆると振りそれを強く否定した。
「くッ……俺は負けねえぞ。“変身”なんざしてたまるか──」
「レェェェェッツ! メイクアーーーーーップ!!!」
 パァァァァンッと着こんでいたセリオスの服が派手にはじけ飛ぶ。見開かれる青の目。
 どこからともなく軽快なBGMが流れ出し、セリオスの体がオーロラ色に包まれる。透明感あふれるインディゴ色のリボンがセリオスのしなやかな体に巻き付く。
 くるくるセリオスの体。腕にロングの白い手袋が現れ、男性の骨格をほのかに残す足には膝丈のインディゴ色のロングブーツヒール。同じ色のミニスカートが舞う。
 きらきらと何故か光るポニーテールを縛るのは瞳と同色の大きなリボン。アップされる後れ毛の残るうなじ。
 背中の大きく開いたちょっとセクシーなセーラー服の魔法少女の誕生だ。
 最後に両手でハートを作るキュートなポーズをとる魔法少女セリオス。
「……なっ!?」
 ハート作った照れより、足元がすーすーしてるのに気づいて頬を赤らめてミニスカートの裾を押さえた。
「フッフッフ……なんという美しい体ッ」
「何でだ!? くっそお前の仕業か」
 不気味に笑うダンディーニを、スカートの裾を押さえたまま青の目に涙を浮かべて睨み付けるセリオス。
「威勢のわりにこの展開は慣れてないようだなッ!!」
 うわきもちわるい。
「お前を殺してさっさと終わりにしてやる!」
 慣れないヒールで床を蹴る。その様子をダンディーニはカメラ撮影していた。
「ムゥ! なんという躍動感のある動き」
 セリオスの白く光る剣での初撃をカカッとバックステップでかわすダンディーニ。
「て、め、──黙って斬られろ!!」
「フッフッフ。魔法少女に必要はものは他にあるじゃないかッ!?」
「──は?」
 殺意のこもった目でダンディーニを見るが、セリオスが答えるまで応じないらしく。
 そこでセリオスにも合点がいく。青い目のハイライトが消え、口角が上がる。
 剣を落とし、後ろに引いた拳に炎を纏わせ、力を籠める。
「ああ、食らいてえのか。しょうがねえなあ!!」
 再びダンディーニに向かい駆けた。
「食らえ……!」
 目前に迫ったダンディーニの腹に、炎の拳を続けざまに二撃くらわせる。
「ぐふ……」
 ダンディーニは口から血を流した。ぽたぽたと床に零れるが、赤い絨毯に全て吸われる。
 それでも、カメラを構えたままだった。
「素晴らしい必殺技、確かに受け取った……ッ」
 その体を、セリオスは止めとばかりにダンディーニの体をヒールで押す。
 ダンディーニは静かに倒れた。

 こうして、なんかどたばたした婚活パーティーと魔法少女大作戦は、猟兵たちの尽力で終わった。
 お疲れ様、と送り出したグリモア猟兵に様々な苦情が寄せられたのは別の話。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月17日


挿絵イラスト