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第二次サイキックハーツ大戦⑭〜混沌のパンジャン

#サイキックハーツ #クロムキャバリア #第二次サイキックハーツ大戦 #第三戦線 #ジョン・スミス #シリアスもトンチキもどんと来い

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●サイキックハーツ:三重県四日市市
 近鉄四日市駅にほど近い広場に、直径5メートルほどの巨大なボビンのような二輪兵器が大量に置かれている。
 その兵器――パンジャンキャバリアの前に赤いシャツの陽気な男が立ち、エスパー達を前に物騒なことを説いていた。
「大事な事は、今、目の前にある物を掴んで、誰かを殺してみる事」
「な、何を言ってるんだ!?」
「ドゥイットユアセルフ、まずはやってみることさ!」
 赤いシャツの男は、手にしたゴルフクラブでパンジャンキャバリアを指しながら陽気に説く。
 その正体は、かつてダークネス・六六六人衆第四位として名を馳せた|復活ダークネス《オブリビオン》『ジョン・スミス』だ。
「さあ、これに乗りたまえ。そして思う存分暴れて来るといいさ!!」
「や、やめろ……!!」
 ジョン・スミスはエスパー達をキャバリアのコックピットに押し込み、ドアを閉める。
 閉じ込められたエスパー達は、ドアを叩き脱出しようとするも、やがて瞳を闇に染めうわごとのように呟き始めた。
「何だろう……これなら殺せそうな気がする」
「あ、ああ……暴れたい、壊したい……」
 思想汚染を受けたエスパー達は、沸き上がる狂気と殺意に抗えず、次々と精神を闇に堕としてゆく。
「そうさ、今君たちはそれができる道具に乗っているんだ。さあ――」
 存分に暴れるがいいよ、とジョン・スミスが続けようとした、その時。
 エスパー達の口から、想いもよらぬ言の葉が漏れ出した。

「ぱ……」
「パ?」
「ぱんじゃ……」
「パンジャ?」

 一体何だろう、とジョン・スミスが首を傾げると、エスパー達は一斉に同じ言の葉を唱え始める。
「パンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャン」
 まるで何かに憑かれたようにその名を唱えながら、エスパー達は一斉にキャバリアを駆り、広場から飛び出していった。
(「私はパンジャンとは教えていないのだが、なぜこの世界の一般人が知っているのかなあ?」)
 予想外の反応に、ジョン・スミスの顔に冷や汗がひと筋、つたい落ちるけど。
「ま、まあ……とにかく、やってみるがいいさ!」
 内心の戸惑いを隠しサムズアップしながら、ジョン・スミスはパンジャンキャバリアを送り出したのでありました。

●ノリはシリアスなんだが、ギャグやカオスになっても構わない?
「……あー、うん。まあ、なんだ」
 どうしたんですか? グリモア猟兵藤崎・美雪(癒しの歌を奏でる歌姫・f06504)さん?
「単刀直入に言おう。サイキックハーツの三重県四日市市に、大量のパンジャンキャバリアが現れた」
 どうやら、ジョン・スミスは、クロムキャバリアから大量のパンジャンキャバリアを持ち込み、エスパー達を無理やりキャバリアのコックピットに押し込めたらしいです。
 押し込められたエスパー達は、オブリビオンマシンの思想汚染を受け『殺しへの衝動』を植え付けられ、理性を失った状態で市中心部を暴れまわっているとか。
「このまま放っておけば、エスパー達が次々と轢き殺されてしまうわ、建物は破壊されるわで、何一ついいことはない。武蔵坂学園を飛び出すことにはなるが、こちらも放ってはおけないので、パンジャンキャバリアを破壊しエスパー達を助け出してくれないだろうか」
 こめかみをおさえながら頭を下げる美雪さんを見て、猟兵達もそれぞれの想いを胸に頷きました。

 ところで、パンジャンキャバリアとは何でしょう?
「……こういうキャバリアだ」
 美雪さんが見せた写真を見て、何か思い至ったのか口をもごもごさせている猟兵もいるようですが。
「厄介なことに、倒した瞬間自爆するようなんだよな、このキャバリア」
 もちろん、自爆されれば中のエスパーも大ダメージを免れませんが……。
「パンジャンキャバリアにはそれぞれ弱点が存在するらしい。弱点を破壊すれば自爆されることなく停められるので、弱点の検討がついたら狙ってみるのも良いかもしれん」
 ちなみに、弱点は機体ごとに異なるので、割と当てずっぽうでも当たるかもしれませんね。

「そしてもうひとつ。現地にはとんてき怪人やかぶせ茶怪人、土鍋怪人などのご当地怪人が、パンジャンキャバリアを止めようと躍起になっているらしい」
 ご当地怪人は愛するご当地を護るという大義があるので、士気が非常に高いのですが、彼らだけでは止め切れないので、協力して止めるのがよろしいかと存じます。
 ちなみに、とんてき怪人は熱々の鉄板を投げつけ、かぶせ茶怪人は茶葉の竜巻で足止めし、土鍋怪人は土鍋の蓋をフリスビーのように投擲して攻撃してくれるそうです。
 ところで、ご当地怪人の特徴はどれも四日市市の名産品のようですが、なぜ名称が曖昧なのでしょう?
「……いまひとつピンと来ないかもしれんが、あれだ、登録商標だ」
 あー……と何か察した猟兵達、それ以上は聞かないことにしたとか。

「ちなみに、サイキックハーツ世界の建物に設置された『定礎』は、実は強力なご当地怪人『ザ・グレート定礎』の力によって自在にコントロール可能らしい」
 つまり、どういうことかと言うと。
「この力を借りれば、我々も瞬時に好きな定礎から別の指定した定礎へテレポートできるぞ。上手く利用できれば奇襲できるかもしれないな」
 とにかく、早急な解決を頼むよ……とぼやきながら。
 美雪さんはグリモアから無数の音符を展開し、猟兵達をサイキックハーツの四日市市へ転送しました。


北瀬沙希
 北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
 よろしくお願い致します。

 サイキックハーツの三重県四日市市にて、クロムキャバリアから持ち込まれた大量のオブリビオンマシン、パンジャンキャバリアが暴れまわっているようです。
 戦争も終盤ですが、どなたかオブリビオンマシンを破壊し、エスパーを救出してください……!!

 一応難易度は「やや難」なのですが、いただいたプレイングによってはネタ・ギャグ・カオス寄りの展開になるかもしれません。
 というわけでアドリブ多め、描写量に著しく差異が出る可能性も高めとなります。
 以上、諸々ご了承した上での参加をお願いします。

※本戦場制圧効果
 この戦場を制圧するとジョン・スミス及び⑪ハンドレッド・コルドロンに登場した全ての有力敵を完全に滅ぼし、二度と蘇らないようにできます。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「第二次サイキックハーツ大戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

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 状況は全てオープニングの通り。
 今回は冒頭の追記はありません。

●本シナリオにおける「プレイングボーナス」
【地元のご当地怪人と協力して戦う】or【定礎から飛び出していき、奇襲する】
 ※どちらか片方だけ達成すればOKです。

 なお、本シナリオ限定で【パンジャンキャバリアの弱点を予想し、攻撃する】のもボーナスの対象とします。
 パンジャンキャバリアは機体ごとに何らかの弱点を抱えており、うまく弱点にヒットすれば自爆されずに機能を停止させることができますので、積極的に狙ってみるのもアリかもしれませんね。
 え、弱点なんてあるのかって? ほら、パンジャンですから……(説明になっていない)。

●【重要】プレイングの採用について
 受付期間は【オープニング公開直後~タグで受付締切を告知するまで】。
 お預かりしたプレイングは極力全採用を目指しますが、もし失効した場合は再送いただけますと幸いです。
 なお、シナリオの完結は確実に第三戦線終結後となります。

 その他、シナリオ運営上の諸連絡は、マスターページを参照いただけますと幸いです。
 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『パンジャンキャバリア』

POW   :    パンジャンボマー
自身が戦闘不能となる事で、【転がった先にいる適当な】敵1体に大ダメージを与える。【皮肉】を語ると更にダメージ増。
SPD   :    パンジャンスカイ
全身を【勇ましいバグパイプの音色】で覆い、自身の【自爆力】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    パンジャンファランクス
【何時自爆し、何時暴走するか分からない】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【追加のパンジャンキャバリア】の協力があれば威力が倍増する。

イラスト:key-chang

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フリル・インレアン
ふええ!?あのキャバリア自爆するんですか?
どちらかというと、あの形でキャバリアと言えるのかって方が気になるんですけど。
そのことは置いておいて、どうしたらいいんでしょう?
あのキャバリアにはそれぞれ弱点があるから、そこをアヒルさんが推理するって、つまりふええ劇場ですよね。
ですけど、あんなのが走り回っている中で正座なんてしていたら、逃げられませんよ。
そこはザ・グレート定礎さんの力を借りるって、つまり定礎の前で正座をし続けるってことですか?
そして、弱点が分かったらご当地怪人さんに教えて攻撃してもらうんですね。
……なんとなく一人反省させられているみたいな気がしますけど、頑張るしかないんですね。




 真っ先にグリモア猟兵が展開した転送ゲートを潜り、サイキックハーツ世界の四日市市に辿り着いたのは、フリル・インレアン(大きな|帽子の物語《👒 🦆 》はまだ終わらない・f19557)さん。
 そこでフリルさんが目にした市街地の様相は……ある意味で混沌と化していました。

 街中を走り回る多数のパンジャンキャバリア。
 直径5メートルの二輪が、車や街路樹などをなぎ倒しながら爆走するさま。
 何より、キャバリアの中から漏れ聞こえる「パンジャンパンジャンパンジャンパンジャン……」との呪文とも暗示とも怨嗟とも取れそうなエスパーの声。

 円柱状のコックピットに固定された二輪が爆走する絵に、フリルさんも両手で口を覆いながら思わず叫びます。
「ふええ!? あのキャバリア自爆するんですか?」
(「どちらかというと、あの形でキャバリアと言えるのかって方が気になるんですけど」)
 |伝え聞くところ《非公開設定》によると、クロムキャバリアの英国似の自治領で開発されたらしい、立派なキャバリアのようです。
「……そのことは置いておいて、どうしたらいいんでしょう?」
 パンジャンキャバリアにはそれぞれ弱点があるようで、弱点にヒットすれば1発で機能停止するとは聞いていますが、問題は弱点の在処が全くわからないこと。
 ですが、そこはフリルさんに案があるようで。
(「あのキャバリアにはそれぞれ弱点があるから、そこをアヒルさんが推理するって、つまりふええ劇場ですよね……」)

 というわけで、ご当地怪人かつ|オブリビオン《復活ダークネス》の『ザ・グレート定礎』に転送してもらい、市街地から少し離れたとあるでっかいショッピングセンターの入口に辿り着いたフリルさん。
 もちろん、ショッピングセンターの駐車場でも、パンジャンキャバリアがそこかしこで車や植え込みを踏みつぶしているわけですが……ってよくエスパー達巻き込まれてないですよね。
 それはさておき、フリルさんが後ろを向くと、入口の自動ドア付近に『定礎』と書かれた石板が埋められています。
(「あ、ここにあったんですね……これならもしもの時はお店の中に逃げられそうです」)
 が、ここでフリルさん、致命的とも言える問題に気づきます。
「あの、アヒルさん、私はこの定礎の前で正座し続けるんですか!?」
『定礎』のプレートを指差しながら悲鳴をあげるフリルさんに、アヒルさんは「ガァ♪」と愉快な鳴き声つきで首肯しています。
 そう、フリルさんのユーベルコード【ふええ劇場『名探偵アヒルさん』】は、『アヒルさんの推理の為に』正座をし続けなければいけないのです!!
 もちろん、正座をしていた時間に応じて、アヒルさんの推理の的中率が上がるので、正座自体に意味がないわけではないのですが……。
「……なんとなく一人反省させられているみたいな気がしますけど、頑張るしかないですね」
 これも依頼のためと腹をくくったフリルさん、レンガ敷きの地面に正座しながら、ひたすらアヒルさんが弱点を推理するのを待つことにしました。

 店内からのエスパー達の視線を受けつつ、正座し続けること数分。
「ガァ♪ ガァ♪」
 ようやくアヒルさんが推理をしたのか、フリルさんに伝えました。
「土鍋怪人さん、後ろのアンテナを狙って下さい!」
「おうよ!!」
 フリルさんの指示を受け、土鍋怪人さんがアンテナ目がけて土鍋のふたをシュート!!
 ふたが命中しアンテナを折られたパンジャンキャバリアは、その場で急ブレーキをかけ停止しました。
 停止したパンジャンキャバリアには、土鍋怪人たちが群がり、コックピットをこじ開けてエスパーを救出しています。
 ですが、次のアヒルさんの推理は無茶振りっぽいですよ?
「今度は……ふええ、がんばって車軸に当ててって!?」
「そこはおいらたちに任せとけー!!」
「いっくぜー!!」
 いくら何でも無茶でしょう!? とのニュアンス込みのフリルさんの指示で動いたのは、かぶせ茶怪人ととんてき怪人!
 かぶせ茶怪人が茶葉の竜巻でパンジャンキャバリアの動きを鈍らせると、とんてき怪人たちが次々と熱々の鉄板を車軸目がけて投げつけ、鉄板の熱で車軸を曲げてパンジャンキャバリアを止めました。

 その後も、フリルさんの指示を受けたご当地怪人たちは、次々と弱点を破壊しパンジャンキャバリアの動きを止めていき、コックピットからエスパーを救出していきます。
 アヒルさんの推理が悉く的中したのも功を奏し、やがてショッピングセンターの駐車場を爆走していたパンジャンキャバリアは全て動きを止められていました。

 ちなみに、フリルさんの正座姿は多数のエスパーに見られていましたが、アヒルさんが可愛かったからか、特に変な追及をされることはなかったそうです。
 その前に、あれだけパンジャンキャバリアがゴロゴロ走り回っている中で、ショッピングセンターの外に出る勇気のあるエスパーはいなかったようですけどね。

大成功 🔵​🔵​🔵​

響納・リズ
これは、大変なことに……キャバリアの中にいる方々を助けないと!!
って、パンジャンって何でしょう?

ご当地怪人の皆様、彼らを抑えてくださいませ。
白薔薇の誘いで、嵐を起こし、コクピットを開き、そのまま、安全地帯へと案内いたしますわ。これで、保護ができるはず。

その連携で、一人ひとり確実に救出していきますわ。
その間に弱点に気づいたら、それを狙ってみますが……自爆する前に、安全地帯に運べば、問題ないはずです。
ご安心くださいませ、エスパーの皆様は、私とご当地怪人の皆様とで、必ずお救いいたしますわ!!




 サイキックハーツ世界の四日市市に転送された響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)さんが目にしたのは、控え目に申し上げてもカオスな光景でした。

 ――ごろごろ。
 ――バキバキッ!!
 ――グシャアッ!!
 ――パンジャンパンジャン……。

 リズさんが何らかの破壊音と謎の声(?)が聞こえる方向に視線を向けると、|オブリビオン《復活ダークネス》『ジョン・スミス』がクロムキャバリアから持ち込んだオブリビオンキャバリア『パンジャンキャバリア』が、あれもこれも破壊しながらそこかしこを爆走しています。
「これは、大変なことに……!!」
 あまりの惨状に思わず口を抑えながら悲鳴を漏らすリズさん、一方で気になることがあるようで。
「……って、パンジャンって何でしょう?」
 目の前の円筒状のコックピット(?)を挟み込むように大きな車輪がついた、変わった形状のキャバリアを見て、軽く首を傾げるリズさんなのでありました。

 リズさんの周囲にエスパーの姿はなく、いるのはご当地怪人たちだけ。
 まあ身長の2倍以上の円筒状の二輪車が爆走していたら、普通は逃げますが……そのおかげでエスパー達の避難は考えなくてもよさそうです。
「ご当地怪人の皆様、彼らを抑えて下さいませ」
「お、おう……」
「でも、まともにやると潰されそうだべ……?」
 リズさんに頼まれたご当地怪人たち、ゴロゴロ転がりまくり破壊しまくるキャバリアを見て、多少腰が引けている様子。
 見た目は円筒つきの二輪車ですが、キャバリアである以上、直径5メートルはあるわけで……。
(「こ、これは真正面から向かえば、ご当地怪人の皆様も踏みつぶされそうですわね……」)
 そこでリズさん、一計を案じました。
『さあ、こちらへ。安全な場所へとご案内いたしましょう。……オブリビオン以外は、ですが』
 リズさんがパンジャンキャバリアたちに優雅に手を差し伸べると、白薔薇の花びらの竜巻が巻き起こります。
 それはパンジャンキャバリアだけを白薔薇の嵐に巻き込み、視界を乱しています。
(「これでコクピットを開いてくれれば、保護ができるはずですが……」)
 やがて、白薔薇に巻かれたパンジャンキャバリアのうち、数体がビルに衝突し停止しました。
 衝突したパンジャンキャバリア達は、ウンともスンとも言いません。
「今だいけー!!」
「おらおらー!!」
 その瞬間、ご当地怪人たちが寄ってたかってコックピットを強引にこじ開けます。
 ですが……コックピットの中には誰もいません。
「猟兵のおねーさん、中に誰もいませんよ?」
「あら……救出したら安全地帯に運ぶつもりだったのですが、白薔薇の竜巻で棲家に転移されたのでしょうか?」
 思いもよらぬ展開に、「おそらく、まだ思想汚染が浅かったのかもしれませんわね……」とリズさんも無理やり自分を納得させるしかありませんでした。
 一方、激しく思想を汚染されてしまったエスパー達の乗るパンジャンキャバリアは、転移を拒否したらしく、しっかりと白薔薇に巻かれダメージを受け続けています。
 やがて、後部のアンテナが白薔薇の花びらの嵐に耐え兼ねたか、ぽっきりと折れ。
 ――直後、パンジャンキャバリアが動きを止めました。
(「あら、アンテナが弱点だったのでしょうか?」)
 これは好都合、とリズさんはご当地怪人たちに合図。
「今のうちにお救いしますわ!!」
「「「おう!!」」」
 リズさんとご当地怪人たち、一斉にアンテナを折られたパンジャンキャバリアに駆け寄り、コックピットをこじ開けます。
 その中には、目をぐるぐる回して気絶しているエスパーの姿がありました。

 かくしてリズさんとご当地怪人たちは、パンジャンキャバリアが自爆する前に救出したエスパー達を安全地帯に運び込み、無事にパンジャンの魔の手(?)から解放したのでありました。
 まあ、エスパー達も暫く悪夢にはうなされるかもしれませんが……どうしようもないですよね、うん。

 余談ですが、思想汚染が浅く転移に同意できたエスパー達は、そのまま自宅で正気を取り戻し、「あんなのに乗せられてパンジャンって叫ぶなんて黒歴史だよ……」と頭を抱えていたとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天行寺・空
突っ込み‧連‧アド〇
ううむ…
元のパンジャンは構想されたが実現しなかった危険な兵器だったらしいと⾔う話を聞いた事がある以上、割と危険な代物ではある気がするが
…この|⼀般⼈《エスパー》達の洗脳され具合は
腹筋コ(商標の可能性含めて⾃主規制)か
…はたまた別件か…?とまあそれはさておき
パンジャンの弱点に関しては、私には想像が実はつかないのだが定礎から⾶び出すと同時に取り敢えずUC+精神攻撃を発動
是で敵であるキャバリアを眠らせる(!?)事が出来る筈だ眠るは撃破ではない以上⾃爆もしない筈
是で⽐較的安全に⼀般⼈の救助も出来るだろう(真顔)
…⾃由か
確かにこれも⾃由だが…其の強要は⾃由とは⾔わぬぞ、ジョン‧スミス




『サイキックハーツ世界の四日市市で、|復活ダークネス《オブリビオン》の六六六人衆第4位『ジョン・スミス』がクロムキャバリアから持ち込んだパンジャンキャバリアが大暴れしている』
 そんな話を聞きつけ、グリモア猟兵に転送してもらった天行寺・空(ダークネス「羅刹」の神薙使い・f43969)さんが目にしたのは……あまりにも異様と言えば異様な光景でした。

 ――ごろごろ。
 ――バキバキッ!!
 ――グシャアッ!!
 ――パンジャンパンジャン……。

 直径5メートルの胴体と車輪のみの二輪車が、道路や広場や駐車場やらを爆走しながら、街路樹をなぎ倒し車を圧し潰し、時々ビルや橋脚に衝突し停止しています。
(「これはおそらく、見えぬところで小さな家屋も潰されているのでは?」)
 しかも目の前を爆走する二輪車――パンジャンキャバリアから「パンジャンパンジャン……」と呪文のように唱え続ける声が耳に入れば、もはや状況はシュールと言うかカオスと言うか。
 まだ自爆した機体はなさそうなのが救いとは言え、状況を把握した空さん、ううむ……とうなりながら頭を抱えてしまいました。
「元のパンジャンは構想されたが実現しなかった危険な兵器だったらしいと言う話を聞いた事がある以上、割と危険な代物ではある気がするが……」
 その知識がクロムキャバリアに伝わったのか、はたまた発想が同じ代物だったのかは定かではありませんが、とにかく空さんも、予想を斜め上にぶっちぎって危険な兵器……もといキャバリアだと認識したらしいです。
「……しかもこの、|一般人《エスパー》達の洗脳され具合は、腹筋コ(ピーッ)か?」
 すいません、筆者、そっちの方の知識はないんですよ……。
「……ということは、別件のほうか……?」
 UDCアースには武器や装甲などのブロックを組み合わせて機械仕掛けのマシンを作り、物理演算ベースの世界で街や城や軍隊を攻略できるゲームってのがあるのですが、その中でパンジャンを作成するという方々がおりまして……。

 とまあ、それはさておき。
 そこかしこでパンジャンキャバリアが爆走している以上、このまま放っておけば被害は雪だるま式に増える一方なのは容易に予測がつくものでして。
「とはいえ、パンジャンの弱点に関しては、私には想像が実はつかないのだが……」
 ひたすら爆走を続けるパンジャンキャバリアの車輪や胴体(?)、そしてアンテナに目をやりながら、空さん大いに悩みます。
 実際、キャバリアと言っても個体差が大きいらしく、弱点も個体ごとに異なるようですから、当てずっぽうで行くしかなさそうです。
「ううむ、ひとまずザ・グレート定礎の力を借りるとしよう」

 ――シュッ。

 ご当地怪人『ザ・グレート定礎』の力を借りた空さんが転送されたのは、2階建ての比較的小規模なショッピングセンター。
 他の猟兵が(アヒルさんつきで)転送されたショッピングセンターとはまた別の建物のようですが、駐車場に停車中の車やガードレール、さらに敷地内のバス停に自販機までが、ガンガンパンジャンキャバリアに圧し潰されております。
 幸い、エスパーは殆どショッピングセンター内に逃げ込んだようで、人影はほとんどありませんが、駐車場の片隅や建物の陰には、逃げようとして身動きが取れないエスパーがちらほらいるようです。
「とりあえず……眠るが良かろう」
 というわけで、定礎から飛び出すや否や、空さんが発動したユーベルコードは【桜の癒やし】。
「是で敵であるキャバリアを眠らせる(!?)事が出来る筈だ」
 ――それって、キャバリアが眠るというよりは、キャバリアのパイロットが眠るのではなかろうか?
 と、グリモア猟兵が天の声のようにツッコミを入れて来た気がしますが、細かいことは気にしない。
 空さんの言の葉に導かれるように、季節外れの桜の花吹雪がショッピングセンターの敷地内全てに、ひらひら、ふわふわと舞い始めます。
 その花びらがパンジャンキャバリアに付着した、その時、パンジャンキャバリアの中から聞こえる声が変化しました。
「パンジャンパン……ジャ……Zzz……」
「パン……ジャ……スヤァ」
 パイロットたるエスパー達が眠ったからか、空さんの目の前で、パンジャンキャバリアたちが次々とスピードを落とし、停止していきます。
「眠るは撃破ではない以上⾃爆もしない筈。是で⽐較的安全に⼀般⼈の救助も出来るだろう」
 空さんが真顔で宣う通り、自爆する気配はありません。
 ちなみに、効果があるのは『指定した』全対象なので、パンジャンキャバリアと押し込められているエスパー以外は起きていたり。
「ささ、今のうちに逃げるが良かろう」
「は、はいぃぃぃ……!!」
「ありがとうございます!!」
 パンジャンキャバリアが停止した隙に、爆走に阻まれて身動きが取れなかったエスパー達に避難を促す空さん。
 エスパー達も次々と空さんにお礼を言いながら、ショッピングセンター内に避難していきました。
「ご当地怪人たちよ、今のうちにコックピットをこじ開け、一般人達を救出せよ」
「おっけー!」
「おらーいくどー」
 そして、ご当地怪人たちが停止したパンジャンキャバリアに熱々の鉄板や土鍋の蓋をぶつけてコックピットをこじ開け、眠っているエスパー達を引っ張り出してショッピングセンター内に運んでいきます。
 そこに新たなパンジャンキャバリアが侵入してきましたが、気づいたご当地怪人たちが茶葉の竜巻をぶつけ、餃子の皮(!?)を投げつけて動きを止めています。
「其方も眠るが良いだろう」
 気付いた空さん、再び桜の花吹雪を新たなパンジャンキャバリアに向けて舞わせて。
 桜の花吹雪に巻き込まれたパンジャンキャバリアは、突進する間もなく、次々と眠りに落ちていったのでありました。
 
「……自由、か」
 思想汚染を受けたとはいえ、ある意味で自由に爆走するパンジャンキャバリアを見て、空さんも桜の花吹雪を舞わせながら呟きを零し。
「確かにこれも自由だが……其の強要は自由とは言わぬぞ、ジョン・スミス」
 思想の強要はダメですが、思想がぶっ飛んだのはジョン・スミスのせいではないような……?

「ところで、事前に聞いておらぬご当地怪人がいた気がするが……」
 ええ、確かにいましたね。
 その理由は……次のリプレイで!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

宮儀・陽坐
四日市には牛乳に合う餃子があると聞いています
絶対に食べたい、絶対に!!
きっと四日市の餃子怪人もいるはず
普段なら味比べの戦いになるところですが
今回は共闘といきましょう
この戦いが終わったらお店に食べに行ってやるので覚悟してください!

回転する円柱の弱点…何だろう
左右の平面部分を2人で同時攻撃なんてどうでしょうか
車軸部分が何となくボタンっぽいので押したらパカッて蓋とか開きそうじゃないですか?

とりあえず回転速度を遅くできればラッキーなのでガイアパワー製餃子皮を投げつけます
(食べ物は粗末にしてませんガイアパワーなので!)
餃子怪人と声かけ息を合わせて攻撃

エスパー救出したらやることは1つ…餃子を食べさせます!




 ――ごろごろごろごろ。
 ――バキバキメキッ!!
 ――どかばきグシャアッ!!
 ――パンジャンパンジャン……。

 サイキックハーツ世界の四日市市に転送された宮儀・陽坐(いつも心に餃子怪人・f45188)さんが目にしたのは、思想汚染されたエスパー達が操るオブリビオンキャバリア『パンジャンキャバリア』が暴走しまくり、市内のそこかしこを破壊している場面でした。
「わー……カオス」
 一瞬、目を点にする陽坐さんでしたが、コホンと咳払いひとつした後、拳をぐっと握りしめて。
「四日市に来たからには、俺、絶対餃子を食べて帰ります!!」

 ――なぜ、陽坐さんがこのような発言をしたのか。
 時はすこーしだけ、出立前に巻き戻ります。

「グリモア猟兵さん、四日市には牛乳に合う餃子があると聞いています」
 グリモアベースにて力いっぱい力説する陽坐さんに、|UDCアース出身《同姓同名の別人》のグリモア猟兵、頭をかきながら手元のメモに目を落とします。
「あ、あー……確かにそのようだが、知人からのメモには『四日市で餃子と言えば、創業60余年のあの店しか思い当たらないなのよ』ってあるぞ。老舗故に有名ではあるようだが」
 ちなみに筆者、行ったことがないんですよねー……昔桑名にあった店の前はよく通りがかりましたが。
 さておき、その情報を聞いた陽坐さん、目をキラッキラさせながらグリモア猟兵に直訴!!
「それなら絶対に食べたい、絶対に!! お店に行って来ていいですか!?」
「構わんぞ。終わってもしばらく転送ゲートは開いておくから」

 そんなやりとりを経て、駅前の広場に転送されてきた陽坐さん、迷わずお目当てのお店へ徒歩で向かいます。
 もちろん、道中では暴走中のパンジャンキャバリアとすれ違うわけですが……まあ他の猟兵がなんとかしてくれるでしょう(責任転嫁)。
「確かお店はこっち……っと?」
 陽坐さんがお店に近づくにつれ、ご当地怪人が奮闘している姿が目に入ります。
 しかもよく見ると、事前に聞いていたご当地怪人ではなく……餃子怪人のようで?
「きっと四日市の餃子怪人もいるはずとは思っていましたが……本当にいるとは」
 いつも心に餃子怪人がモットーの陽坐さん、普段ならここで味比べの戦いをするところですが、そこはぐっとこらえて餃子怪人に呼びかけました。
「四日市の餃子怪人さん、今回は共闘といきましょう!」
「望むところですよ、宇都宮餃子怪人さん!!」
「俺、まだ名乗ってないですよ!?」
「雰囲気でわかりますっ!!」
 どうやら、餃子怪人同士、何か通じ合うものがあったようで??
「と、とにかく、戦いが終わったらお店に食べに行ってやるので覚悟してください!」
「むしろ店主さんが喜ぶと思いますっ!!」

 かくして共同戦線と相成った陽坐さんと餃子怪人たち、改めて暴走しまくるパンジャンキャバリアに目をやります。
「パンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャンパンジャン」
 パンジャンキャバリアのコックピットからは、ひたすら同じ単語しか聞こえてこないので、エスパー達の精神も心配ではありますが、まずは止めなければ話にならなさそうです。
「回転する円柱の弱点……何だろう?」
 陽坐さんが見たところ、車輪を厚くすることで安定した走行を実現しているようですが、それゆえに弱点もわかりづらくなっているようで。
 そこで陽坐さんが注目したのは、車輪の中心、すなわち車軸と接している箇所。
「左右の平面部分を2人で同時攻撃なんてどうでしょうか?」
「その心は?」
「車軸部分が何となくボタンっぽいので、押したらパカッて蓋とか開きそうじゃないですか?」
「確かに、ボタンに見えなくはないですね!」
 ぽん、と手を打つ餃子怪人さん。
「でも、どうやって動きを止めるのでしょう?」
「そこはこれで!『皮に包めば何でも餃子になります』!」
 陽坐さん、ユーベルコードでガイアパワーがたーっぷり練り込まれた巨大餃子皮を生成し、パンジャンキャバリア目がけて投げつけました!!
 回転速度を落とせればラッキーと割り切り、投げたガイアパワー製の皮は、偶然にも円筒部分、つまりコックピットに覆いかぶさり――。
「パンジャンパンジャンパンジャ……おぶっ!?」
 突然視界が真っ暗になり驚いたか、パンジャンキャバリアが急ブレーキをかけました!!
「おっと、おらたちを忘れんといてくれー」
「四日市の名物の俺たちも加勢だー!!」
 そこにとんてき怪人とかぶせ茶怪人、土鍋怪人が加勢し、パンジャンキャバリアの足を完全に止めてくれました。
 いずれにせよ、車軸に近づくには絶好のチャンス!
「餃子怪人さん、行きますよ!」
「はいな! せーの!!」
 陽坐さんと餃子怪人。それぞれ車軸の左右にわかれて回り込み、車輪の中心部に手を当てて――。

 ――ぽちっとな♪

 ふたりで息を合わせて車軸部分を押すと、パンジャンキャバリアの動きが完全に停止しました。
 しかも車軸部分には緊急の停止ボタン的な役割があったらしく、自爆する気配は全くないどころか、勝手にコックピットの扉が開きました。
「エスパーさん無事ですか!?」
「う、うう~ん……」
 陽坐さんがコックピットからエスパーを引っ張り出しますが、返事は呻き声。
 どうやらこのエスパーさん、狂気に駆られて滅茶苦茶な運転をしていたようで、正気を取り戻した今、すっかり目を回してしまっていますね……。
 ともあれ、救出したエスパーをいったんご当地怪人たちに委ねて、陽坐さんと餃子怪人はあらためてパンジャンキャバリアの群れに向き合います。
「成程、これなら止められそうです!」
「しかもガイアパワー製ですから、食材は一切無駄にしていません!」
「ですよね! それでは――そーれ!!」
 今度は二人そろってガイアパワー製の餃子皮を手にし、次々とパンジャンキャバリアたちに投げつけました。

 ――ぽいぽいっ。
 ――バサァッ。

 投げられた餃子皮は、車輪に絡みついたりコックピットに覆いかぶさったり。
「パンジャンパンジャ……うわああああ滑る滑るっ!?」
「パンジャンパンジャンパンジャ……ま、前がああああああ!?」
 餃子皮と言う思いもよらぬアイテムで動きを止められたパンジャンキャバリアたちは、陽坐さんとご当地怪人ズに次々と車軸の緊急停止ボタンを押され、動きを止められたのでありました。


「さて、事件も解決したようですし、餃子食べに行きましょう!!」
 パンジャンキャバリアの姿が見えなくなり、陽坐さんが朗らかに宣言したその時、餃子店から店主が飛び出してきました。
「おーいそこのにーちゃーん。よかったら食べていかないか?」
「いいんですか!?」
「いやー、この状況だから店を開けれなくて困っていたんだよ。そこの人たちも一緒にどうだ?」
 店主さんからの有難い申し出に、陽坐さんも迷わず即答!
「では有難く!!」

 その後、陽坐さんは餃子と牛乳をたっぷりふるまわれ、心行くまで餃子を堪能したのでありました。
 パンジャンキャバリアから救出されたエスパー達も、一緒に餃子を食し、少し元気を取り戻したとか。

 ちなみに、陽坐さんがお腹いっぱいになる頃には、四日市市内のパンジャンキャバリアは全て停止し、エスパー達も全員救出されておりました。
 気付けは市中心部だけでなく市全体に騒ぎが広がっていた感もしますが……終わりよければ全てよし、ということで!!

 おしまい。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2026年06月14日


挿絵イラスト